特許第6687925号(P6687925)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6687925
(24)【登録日】2020年4月7日
(45)【発行日】2020年4月28日
(54)【発明の名称】乗客待避方向案内システム
(51)【国際特許分類】
   B61L 25/02 20060101AFI20200421BHJP
   B61L 23/00 20060101ALI20200421BHJP
【FI】
   B61L25/02 A
   B61L23/00 Z
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-533148(P2017-533148)
(86)(22)【出願日】2015年9月4日
(65)【公表番号】特表2017-527496(P2017-527496A)
(43)【公表日】2017年9月21日
(86)【国際出願番号】KR2015009377
(87)【国際公開番号】WO2016036208
(87)【国際公開日】20160310
【審査請求日】2018年8月30日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0118877
(32)【優先日】2014年9月5日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518342386
【氏名又は名称】ジーオーテック インコーポレイテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】518342397
【氏名又は名称】チョ,ヒョン ボ
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】チョ,ヒョン ボ
【審査官】 橋本 敏行
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−255821(JP,A)
【文献】 特開2006−064914(JP,A)
【文献】 特開2005−331883(JP,A)
【文献】 特開2010−225113(JP,A)
【文献】 特開2011−170658(JP,A)
【文献】 特開2003−233153(JP,A)
【文献】 特開2004−284521(JP,A)
【文献】 特開2003−285737(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第102760395(CN,A)
【文献】 米国特許第06150943(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L1/00−3/12
7/00−13/00
15/00−58/40
B61L1/00−99/00
G08B23/00−31/00
G08G1/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
列車の移動経路上で災害または事故の発生時、前記列車に搭乗した乗客のための乗客待避方向情報を生成する待避方向生成部;
前記待避方向生成部で生成される乗客待避方向情報の伝達を受けて前記列車の周辺に位置した対象物に乗客待避方向を表示する待避方向表示部;
を含み、
前記待避方向表示部は、
前記列車の乗降ドアまたは前記乗降ドアに隣接した位置に設けられ、前記対象物に向かって光を照射して前記対象物に前記乗客待避方向を表示する待避方向照射モジュール:
前記乗客待避方向が表示される前記対象物の位置を感知するための対象物感知モジュール;及び、
前記待避方向照射モジュールの照射角度を調節する角度調節モジュール;を含み、
前記列車に搭乗した乗客が前記乗降ドアを通して前記列車の外部へ出た時、前記待避方向照射モジュールで照射する乗客待避方向を確認できるように、前記対象物は、前記列車の移動経路上で前記列車の乗降ドアに隣接した位置の壁面、底面及び天井面の少なくともいずれか一つであり、
前記対象物感知モジュールは、前記壁面、前記床面、及び前記天井面のいずれかを前記対象物として感知し、
前記角度調節モジュールは前記対象物感知モジュールによって感知された前記対象物の位置に合わせて前記待避方向照射モジュールの照射角度を調節することを特徴とする、乗客待避方向案内システム。
【請求項2】
前記待避方向表示部は、
前記対象物感知モジュールに感知された前記対象物の位置に基づいて、前記対象物と前記待避方向照射モジュールとの間の焦点距離を算出し、それによって前記乗客待避方向の表示に対する鮮明度を調節する焦点調節モジュールをさらに含むことを特徴とする、請求項に記載の乗客待避方向案内システム。
【請求項3】
前記乗客待避方向は、
待避方向を指示する矢印または乗客の現在位置から安定場所までの待避経路が表示された略図で表示されることを特徴とする、請求項1に記載の乗客待避方向案内システム。
【請求項4】
前記待避方向表示部は、
前記対象物の位置を前記乗客に音声で案内する音声出力モジュールをさらに含み、
前記音声出力モジュールは、
前記乗客待避方向が表示される対象物が存在しないか、または適切でない場合に前記乗客待避方向を音声で案内することを特徴とする、請求項に記載の乗客待避方向案内システム。
【請求項5】
前記対象物感知モジュールで感知される対象物は、
列車に搭乗した乗客が乗降ドアを通して列車の外部へ抜け出すとき、乗客が前記待避方向照射モジュールで照射する乗客待避方向を容易に確認できる順位によって決定され、
前記順位は、壁面、底面、天井面の順であることを特徴とする、請求項に記載の乗客待避方向案内システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗客待避方向案内システムに関し、具体的には、列車の運行時に発生する災害または事故から乗客を安全な場所へ容易に待避させることができる乗客待避方向案内システムに関する。
【背景技術】
【0002】
地下鉄や鉄道を含む列車は、大都市の交通難を解消するための代案として運営されてきており、持続的にその路線が拡張されている。
【0003】
このような列車は、地下空間であるトンネル内で運行される時間が長く、夜間に運行される場合が多いため、トンネル内や運行経路上で発生する災害または事故から乗客を安全に待避させる案内システムが要求されている。
【0004】
さらに、トンネルのように外部から光が流入しない暗い場所または夜間では、乗客が視野を確保するのに困難があり、これに伴い、乗客が安全な場所までの待避経路を認知できていないため、前記案内システムの重要性がさらに強調されている。
【0005】
従来は、単にトンネル内に非常口案内ランプを設けて、災害及び事故から乗客を安全な場所に案内する方法を用いていた。
【0006】
しかし、前記のような方法は、緊迫した状況で乗客が前記非常口案内ランプを見つけるのに困難を誘発し、また、乗客の現在位置からどの方向が非常口と最も近いか分からないため、効率よく乗客を安全な場所へ待避させられない問題点がある。
【0007】
さらには、列車の構造上、多数個の乗降ドアからそれぞれ抜け出す乗客の待避方向が災害または事故の発生地点によって互いに異なるため、非常口案内ランプのような案内灯だけでは地下鉄または鉄道の各乗降ドアから抜け出す乗客に待避方向を一々案内するには限界があり、ひいては、乗客の誤った判断により人命被害が増え得る問題がある。
【0008】
従って、本出願人は、前記のような問題点を解決するために本発明を開発し、これに係る先行技術文献としては、韓国登録特許公報10−0547919号の「非常脱出誘導装置」がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前記のような問題点を解決するためのものであって、列車の移動経路上で災害または事故が発生した場合に、列車の各乗降ドアから抜け出す乗客に効率よく待避方向を案内できる待避方向案内システムを提供することに目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、列車の移動経路上で災害または事故の発生時、前記列車に搭乗した乗客のための乗客待避方向情報を生成する待避方向生成部;前記待避方向生成部で生成される乗客待避方向情報の伝達を受けて前記列車の周辺に位置した対象物に乗客待避方向を表示する待避方向表示部;を含む。
【0011】
また、前記対象物は、前記列車の周辺に位置した壁面、底面及び天井面の少なくともいずれか一つであることを特徴とする。
【0012】
また、前記待避方向表示部は、前記列車に設けられ、前記列車と共に移動し、前記対象物に向かって光を照射して前記対象物に前記乗客待避方向を表示する待避方向照射モジュールを含む。
【0013】
また、前記待避方向照射モジュールは、前記列車の乗降ドアまたは前記乗降ドアに隣接した位置に設けられることを特徴とする。
【0014】
また、前記待避方向表示部は、前記対象物の位置によって前記待避方向照射モジュールの照射角度を調節する角度調節モジュールをさらに含む。
【0015】
また、前記待避方向表示部は、前記対象物の位置を感知するための対象物感知モジュールをさらに含む。
【0016】
前記待避方向表示部は、前記対象物感知モジュールに感知された前記対象物の位置に基づいて、前記対象物と前記待避方向照射モジュールとの間の焦点距離を算出し、それによって前記乗客待避方向の表示に対する鮮明度を調節する焦点調節モジュールをさらに含む。
【0017】
また、前記乗客待避方向は、待避方向を指示する矢印または乗客の現在位置から安定場所までの待避経路が表示された略図で表示されることを特徴とする。
【0018】
また、前記待避方向表示部は、前記対象物の位置を前記乗客に音声で案内する音声出力モジュールをさらに含み、前記音声出力モジュールは、前記乗客待避方向が表示される対象物が存在しないか、または適切でない場合に前記乗客待避方向を音声で案内することを特徴とする。
【0019】
また、前記対象物感知モジュールで感知される対象物は、列車に搭乗した乗客が乗降ドアを通して列車の外部へ抜け出すとき、乗客が前記待避方向照射モジュールで照射する乗客待避方向を容易に確認できる順位に感知されて決定され、前記順位は、壁面、底面、天井面の順であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、列車の運行経路上で災害または事故が発生した時に、列車の乗降ドアを通して抜け出す乗客に安全かつ迅速な待避経路を提供することができる。
【0021】
また、本発明は、待避方向制御部が乗客が抜け出す乗降ドアそれぞれに設けられるため、乗客の現在位置から安全な場所までの待避経路を乗客に多角的に提供し、待避状況による混乱を防止することができる。
【0022】
また、本発明は、光が流入しないトンネルや夜間にも乗客に待避経路を効率よく提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施例に係る乗客待避方向案内システムの構成を示すブロック図。
図2】本発明の実施例に係る待避方向制御部の詳細な構成を示すブロック図。
図3】本発明の実施例に係る待避方向制御部により壁面に乗客待避方向が照射される様子を概略的に示す図。
図4】本発明の実施例に係る待避方向照射部から出力される乗客待避方向表の具現例を示す図。
図5】本発明の実施例に係る待避方向制御部が列車の乗降ドアそれぞれに設けられた様子を上から見た断面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の利点及び特徴、そして、それらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述されている実施例を参照すれば、明確になるだろう。
【0025】
しかし、本発明は、以下において開示される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる様々な形態で具現され、単に、本実施例は、本発明の開示が完全なものとなるようにし、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範疇により定義されるだけである。
【0026】
以下、図1乃至図5を参照して、本発明の実施例に係る乗客待避方向案内システムが詳細に説明される。本発明を説明するに先立ち、関連した公知の機能あるいは構成についての具体的な説明は、発明の要旨を不明瞭なものとしないようにするために省略される。
【0027】
本発明の実施例に係る乗客待避方向案内システム100は、列車が運行中である時に列車内や列車の移動経路上で発生する災害または事故から乗客を安全に待避させることができるように待避方向を案内するシステムであって、列車の移動経路上で災害または事故の発生時、前記列車に搭乗した乗客のための乗客待避方向情報を生成する待避方向生成部10と、前記待避方向生成部10で生成される乗客待避方向情報の伝達を受けて前記列車の周辺に位置した対象物に乗客待避方向を表示する待避方向表示部20とを含むことができる。
【0028】
前記待避方向生成部10は、図1に示されたように、列車の移動経路または列車内で災害または事故の発生有無を判断する非常状況感知部5から非常状況感知信号の伝達を受けることができる。
【0029】
前記非常状況感知部5は、列車の移動経路または列車内で発生する災害または事故等を感知できるように前記移動経路または列車内に多数個設けられる監視カメラまたは火災感知センサ等で具現され得る。即ち、前記監視カメラまたは火災感知センサは、列車の移動経路または列車内での災害または事故の発生有無をリアルタイムで感知し、災害または事故の発生時には、前記待避方向生成部10に災害または事故の発生地点の位置情報を含む非常状況感知信号を伝達することができる。
【0030】
参考までに、本発明の実施例においては、前記監視カメラまたは火災感知センサを利用して列車の移動経路上で発生する災害または事故等を感知できるものと説明されたが、これに限定されず、様々な公知の感知システム等が用いられ、災害または事故等をリアルタイムで感知することもできる。また、前記待避方向生成部10は、前記非常状況感知部5から非常状況感知信号の伝達を受けるものと説明されたが、これに限定されるものではない。即ち、前記待避方向生成部10は、中央管制センター40または機関室50から非常状況感知信号の伝達を受けることもできる。
【0031】
そして、前記待避方向生成部10は、列車に搭乗した乗客が災害または事故の発生地点を回避しながら非常口のような安全な場所へ移動できるように、駅舎または列車の移動経路上に形成された多数個の空間データベース及び多数個の移動路データベースが格納されたデータ格納部11と連結されている。
【0032】
即ち、前記待避方向生成部10は、災害または事故の発生地点の位置情報を、前記非常状況感知部5、中央管制センター40、機関室50のいずれか一つから伝達を受け、前記災害または事故の発生地点での空間情報と移動路情報を前記データ格納部11から抽出して、災害または事故の発生地点から安全な地点までの待避方向情報を生成することができる。
【0033】
前記待避方向表示部20は、前述したように、前記待避方向生成部10で生成された乗客待避方向情報の伝達を受けて列車に搭乗した乗客に安全な場所へ移動できる乗客待避方向を提供することができる。
【0034】
そして、前記待避方向表示部20は、図2及び図3に示されたように、前記列車に設けられ、前記対象物に向かって光を照射して前記対象物に前記乗客待避方向を表示する待避方向照射モジュール21を含むことができる。
【0035】
前記待避方向照射モジュール21は、列車に設けられた複数個の乗降ドアまたは前記乗降ドアに隣接した位置に設けられることが好ましい。なぜなら、列車は、一般にその長手方向に沿って多数個の乗降ドアが設けられており、災害または事故の発生時に前記多数個の乗降ドアから抜け出す乗客の待避方向が互いに異なり得るためである。
【0036】
従って、前記多数個の乗降ドアからそれぞれ抜け出す乗客は、前記待避方向表示部20により、自身の現在位置で災害または事故の発生地点を考慮して安全な場所と最も近いながらも安全な待避方向を指示する乗客待避方向の提供を受けることができる。
【0037】
そして、前記待避方向照射モジュール21は、ビームプロジェクタ(beam projector)またはレーザプロジェクタ(laser projector)のような映像装置で具現され得る。
【0038】
従って、前記多数個の乗降ドアからそれぞれ抜け出す乗客は、前記待避方向表示部20により、自身の現在位置で災害または事故の発生地点を考慮して安全な場所と最も近いながらも安全な待避方向を指示する乗客待避方向の提供を受けることができる。
【0039】
そして、前記待避方向照射モジュール21で照射される乗客待避方向は、図4の(a)に示されたように、前記待避方向生成部10で生成された乗客待避方向情報に基づいて、災害または事故の発生地点を回避して安全な場所に向かって一方向に待避方向を指示する矢印で具現され得、図4の(b)に示されたように、乗客の現在位置から安全な場所までの待避経路を多方向の矢印で表示した災害または事故の発生地点の略図で具現され得る。
【0040】
そして、前記待避方向表示部20は、前記対象物の位置を感知するための対象物感知モジュール23を含むことができる。
【0041】
前記対象物感知モジュール23で感知する対象物は、前記待避方向照射モジュール21で照射する乗客待避方向が、乗客の目視で容易に識別され得るように列車移動経路上のトンネル壁面や底面及び天井面のいずれか一つであることが好ましい。即ち、前記対象物感知モジュール23で感知される対象物は、前記待避方向照射モジュール21で照射される乗客待避方向が出力されるスクリーンの役割をする。
【0042】
そして、前記対象物感知モジュール23で感知される対象物は、列車に搭乗した乗客が乗降ドアを通して列車の外部へ抜け出すとき、乗客が前記待避方向照射モジュール21で照射する乗客待避方向を容易に確認できる順位に感知されて決定され、前記順位は、壁面、底面、天井面の順が好ましい。
【0043】
例えば、前記対象物感知モジュール23で感知される対象物が壁面と感知されると、乗降ドアを通して抜け出す乗客が自身と向かい合う壁面に照射された乗客待避方向を自然に確認することができる。しかし、列車移動経路上で壁面が存在しないか、または前記壁面が列車から遠く離れている場合は、前記対象物感知モジュール23は、底面と天井面の順に対象物を感知することができる。
【0044】
参考までに、底面が天井面より優先順位に感知される理由は、乗降ドアを通して列車の外部へ抜け出す乗客が、天井面に出力された乗客待避方向よりも底面に出力された乗客待避方向を目視で容易に確認することができるからである。
【0045】
また、前記待避方向表示部20は、乗客待避方向が照射された対象物の位置を乗客に音声で案内して報知する音声出力モジュール25をさらに含むことができる。
【0046】
例えば、前記待避方向照射モジュール21が乗客待避方向を前記対象物感知モジュール23が感知した壁面に照射する場合、前記音声出力モジュール25は、列車の乗降ドアを通して抜け出す乗客に壁面を見ることができるように案内する音声を出力できる。
【0047】
そして、前記音声出力モジュール25は、前記対象物感知モジュール23で感知する対象物が存在しないか、または遠く離れている場合や、または、前記対象物感知モジュール23の誤作動により対象物を感知することができなかった場合に、前記待避方向生成部10で生成された待避方向情報に基づいて、乗客に待避方向を音声で指示することもできる。例えば、乗降ドアを通して列車の外部へ抜け出す乗客に左側または右側に移動するようにとの音声を出力して乗客の待避経路を誘導することもできる。
【0048】
また、前記待避方向表示部20は、前記対象物感知モジュール23で感知する対象物の位置に基づいて、前記対象物と前記待避方向照射モジュール21との間の焦点距離を算出し、それによって前記乗客待避方向表示に対する鮮明度を調節する焦点調節モジュール27をさらに含むことができる。
【0049】
前記焦点調節モジュール27は、対象物に照射された乗客待避方向が混濁した状態で前記対象物に照射されることを防止し、列車の乗降ドアから抜け出す乗客が前記乗客待避方向を鮮明な状態で確認できるようにする。仮に、乗客待避方向が対象物に混濁して照射される場合、乗客は待避方向を正確に認知することができず、安全な場所へ移動するのに困難を感じることもあり得る。
【0050】
そして、前記待避方向表示部20は、対象物の位置に対応して待避方向照射モジュール21の照射角度を調節する角度調節モジュール29をさらに含むことができる。
【0051】
前記角度調節モジュール29は、前記待避方向照射モジュール21から出力される乗客待避方向の照射角度が調節され得るように、前記対象物感知モジュール23で感知された対象物の位置情報の入力を受けて前記待避方向照射モジュール21の上/下及び左/右の角度を調節することができる。
【0052】
参考までに、前記角度調節モジュール29により前記待避方向照射モジュール21が上/下及び左/右の方向に回動する構成は、リニアモータ等のような回転装置を利用して具現され得、このような構成は、一般産業分野で広く用いられる公知の構成であるので、本発明の明細書上では、その具体的な説明は省略される。
【0053】
そして、前記待避方向表示部20は、駅舎内の中央管制センター40または列車内の機関室50で安全管理者または機関士により直接的に制御されてもよい。即ち、前記中央管制センター40または前記機関室50で前記待避方向表示部20の待避方向照射モジュール21を直接的に制御して乗客に乗客待避方向を提供することもできる。
【0054】
上述のように構成された本発明の実施例に係る乗客待避方向案内システム100は、列車の移動経路上で災害または事故が発生した時に、列車の乗降ドアを通して抜け出す乗客に安全かつ迅速な待避経路を提供することができる。
【0055】
また、本発明の乗客待避方向案内システム100は、待避方向表示部20が乗客が抜け出す乗降ドアそれぞれに設けられるため、乗客の現在位置から安全な場所までの待避経路を乗客に多角的に提供し、待避状況による混乱を防止することができる。
【0056】
これまで本発明に係る具体的な実施例について説明したが、本発明の範囲から外れない限りは、種々の変形が可能であることはもちろんである。
【0057】
それゆえ、本発明の範囲は、説明された実施例に限定されて定められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等なものによって定められるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、地下鉄や列車のように大規模な乗客を乗せて運ぶ運輸産業分野で乗客の安全管理システムの目的で利用され得る。
図1
図2
図3
図4
図5