特許第6687968号(P6687968)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6687968
(24)【登録日】2020年4月7日
(45)【発行日】2020年4月28日
(54)【発明の名称】クリーナーおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/02 20060101AFI20200421BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20200421BHJP
【FI】
   G03G15/02 103
   G03G21/00 310
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-51654(P2016-51654)
(22)【出願日】2016年3月15日
(65)【公開番号】特開2017-167294(P2017-167294A)
(43)【公開日】2017年9月21日
【審査請求日】2019年1月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000119232
【氏名又は名称】株式会社イノアックコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100076048
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 喜幾
(74)【代理人】
【識別番号】100141645
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 健司
(72)【発明者】
【氏名】水野 英治
【審査官】 飯野 修司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−103641(JP,A)
【文献】 特開2008−158353(JP,A)
【文献】 特開2006−154284(JP,A)
【文献】 特開平09−262912(JP,A)
【文献】 特開2012−189727(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/02
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置の像担持体の表面を帯電させる帯電材料からなる被清掃部材に回転しながら接触して、該被清掃部材に付着した異物を除去する異物除去部を有するクリーナーにおいて、
前記異物除去部は、シャフトの外面に螺旋状に配設された連続気泡構造の連続気泡フォームからなり、該連続気泡フォームの外表面および連続気泡の内壁面に樹脂コーティング層が設けられており、該連続気泡フォームの密度が該樹脂コーティング層を設ける前に比べて21〜43%増加している
ことを特徴とするクリーナー。
【請求項2】
前記連続気泡フォームはポリウレタンフォームであり、前記樹脂コーティング層はエマルジョン樹脂を乾燥付着させたものである請求項1記載のクリーナー。
【請求項3】
前記エマルジョン樹脂は、アクリル樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂から選択された何れか1つである請求項2記載のクリーナー。
【請求項4】
前記異物除去部は、前記樹脂コーティング層を設けた該異物除去部を前記被清掃部材の外周面に接触させた状態で、前記シャフトを前記被清掃部材の回転に連れ回り回転させるようになっている請求項1〜の何れか一項に記載のクリーナー。
【請求項5】
画像形成装置の像担持体の表面を帯電させる帯電材料からなる被清掃部材の表面に回転しながら接触して、該被清掃部材の表面に付着した異物を除去する異物除去部を有するクリーナーの製造方法であって、
前記異物除去部を構成する連続気泡フォームのシートにコーティング用樹脂を含浸させる工程と、
前記シートに含浸させた前記コーティング用樹脂を乾燥させることで、該シートの外表面および前記連続気泡の内壁面に樹脂コーティング層を形成する工程と
前記樹脂コーティング層を形成した連続気泡フォームをシャフトの外面に螺旋状に取り付ける工程と、を備え、
前記連続気泡フォームの密度が前記樹脂コーティング層を設ける前に比べて21〜43%増加するように当該樹脂コーティング層を形成する
ことを特徴とするクリーナーの製造方法。
【請求項6】
前記樹脂コーティング層をなす樹脂は、エマルジョン樹脂である請求項記載のクリーナーの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像形成装置における像担持体を帯電させる部材(例えば帯電ローラ)の表面を清掃するクリーナーと、このクリーナーを製造する方法とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
コピー機、プリンタ、ファクシミリおよびこれらの複合機のように、電子写真方式を用いた画像形成装置が広く普及している。図6は、画像形成装置としてのレーザプリンタの要部を示す概略図であって、感光体ドラム10、現像ローラ12、転写ローラ14、定着ローラ16、帯電ローラ(チャージローラ)18およびクリーナー20等を備えている。この種のレーザプリンタは、帯電ローラ18により感光体ドラム10の外周面を均一に帯電させ、帯電した感光体ドラム10の外周面10aにレーザ光で印刷データのパターンを照射して、該外周面10aに潜在画像を形成する。そして、現像ローラ12によりトナーを前記潜在画像に付着させ、印刷用紙の裏側に位置する転写ローラ14により感光体ドラム10の外周面10a上のトナーを該印刷用紙に転写した後、定着ローラ16によりトナーを印刷用紙に定着させるものである。
【0003】
前記帯電ローラ18は、その外周面18aを前記感光体ドラム10の外周面10aに接触させた状態で、該感光体ドラム10の回転に同期して回転する。このため、前記帯電ローラ18の外周面18aには、前記感光体ドラム10の外周面10aに残留したトナーや印刷用紙から発生した紙粉等(以下「異物」という)が付着し易い。そこで、前記帯電ローラ18に接触した状態で配設された前記クリーナー20によって、外周面18aに付着した前記異物を拭取り除去するようになっている。なお、本明細書中では、前記感光体ドラム10を「像担持体」と称し、また前記帯電ローラ18を「被清掃部材」と称することがある。
【0004】
前記クリーナー20は、図6に示すように、シャフト22の外周に異物除去部24を備え、前記帯電ローラ18の外周面18aに該異物除去部24を接触させている。この異物除去部24は、弾力性を有するウレタンフォーム等から形成されており、該異物除去部24の拭取り面24aが該帯電ローラ18の外周面18aに接触している。これにより、前記帯電ローラ18の回転と同期して前記クリーナー20が連れ回り回転することで、帯電ローラ18の外周面18aに付着した前記異物が異物除去部24で拭き取られる。このようなクリーナー20は、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】第2847524号特許公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで前記帯電ローラ18は、前記感光体ドラム10の外表面10aを均一に帯電させるために、例えば該帯電ローラ18に直流電圧が印加されると共に、更にバイアス印加部により交流電圧をバイアスとして重畳印加させるようになっている。このため帯電ローラ18の周辺には、高電圧に起因して放電生成物質(放電によるオゾンや窒素酸化物等の活性物質およびそれらの反応生成物)が発生する。従って、帯電ローラ18に隣接して配設された前記クリーナー20の異物除去部24は、前記放電生成物質に常に晒されるために通常の耐用期間より劣化が早く進行し、使用途中に該異物除去部24を構成するウレタンフォームが部分的に千切れてしまうことがある。ウレタンフォームが千切れて生じたウレタンフォームの細片は、前記帯電ローラ18の外周面18aに静電気の作用下に付着し、次いで感光体ドラム10の外周面10aへ移動して、潜像の形成を低下させる等の不具合が発生する原因となっている。
【0007】
そこで本発明は、従来のクリーナーに内在する課題を好適に解決するべく提案されたものであって、異物除去部の劣化進行を抑制したクリーナーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため本願の請求項1に係る発明は、画像形成装置の像担持体の表面を帯電させる帯電材料からなる被清掃部材に回転しながら接触して、該被清掃部材に付着した異物を除去する異物除去部を有するクリーナーにおいて、
前記異物除去部は、シャフトの外面に螺旋状に配設された連続気泡構造の連続気泡フォームからなり、該連続気泡フォームの外表面および連続気泡の内壁面に樹脂コーティング層が設けられており、該連続気泡フォームの密度が該樹脂コーティング層を設ける前に比べて21〜43%増加していることを要旨とする。
請求項1に係る発明によれば、連続気泡フォームからなる螺旋状の異物除去部は、外表面および連続気泡の内壁面に樹脂コーティング層が設けられているので、例えば帯電ローラ(被清掃部材)から発生する放電生成物質に晒された状態で使用されても、連続気泡フォームの異物除去部が早期に劣化するのを防止し得る。これにより、クリーナーの使用中に、螺旋状に配設した異物除去部を形成する連続気泡フォームが千切れることがなく、従って千切れたフォーム片が飛散することがないので、像担持体としての感光体ドラムや帯電ローラの機能を阻害しない。
【0009】
請求項2に係る発明では、前記連続気泡フォームはポリウレタンフォームであり、前記樹脂コーティング層はエマルジョン樹脂を乾燥付着させたものである。
請求項2に係る発明によれば、樹脂コーティング層をなすエマルジョン樹脂がポリウレタンフォームの連続気泡内部へ進入して該連続気泡の内壁面にも付着する。このためエマルジョン樹脂は、ポリウレタンフォームの外表面だけでなく連続気泡の内壁面にも及んで均一な樹脂コーティング層になる。
【0010】
請求項3に係る発明で前記エマルジョン樹脂は、アクリル樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂から選択された何れか1つである。
請求項3に係る発明によれば、異物除去部の外表面および連続気泡の内壁面に、アクリル樹脂からなる樹脂コーティング層や、フッ素樹脂からなる樹脂コーティング層や、酢酸ビニル樹脂からなる樹脂コーティング層を選択的に設けることが可能である。
【0012】
請求項に係る発明では、前記異物除去部は、前記樹脂コーティング層を設けた該異物除去部を前記被清掃部材の外周面に接触させた状態で、前記シャフトを前記被清掃部材の回転に連れ回り回転させるようになっている。
請求項に係る発明によれば、シャフトの外面に螺旋状に配設された異物除去部の外表面に樹脂コーティング層が設けられているので、該異物除去部に千切れが発生する可能性を抑制し得る。
【0013】
請求項に係る発明では、画像形成装置の像担持体の表面を帯電させる帯電材料からなる被清掃部材の表面に回転しながら接触して、該被清掃部材の表面に付着した異物を除去する異物除去部を有するクリーナーの製造方法であって、
前記異物除去部を構成する連続気泡フォームのシートにコーティング用樹脂を含浸させる工程と、
前記シートに含浸させた前記コーティング用樹脂を乾燥させることで、該シートの外表面および前記連続気泡の内壁面に樹脂コーティング層を形成する工程と
前記樹脂コーティング層を形成した連続気泡フォームをシャフトの外面に螺旋状に取り付ける工程と、を備え、
前記連続気泡フォームの密度が前記樹脂コーティング層を設ける前に比べて21〜43%増加するように当該樹脂コーティング層を形成することを要旨とする。
請求項に係る発明によれば、異物除去部を構成する連続気泡フォームの外表面および連続気泡の内壁面に樹脂コーティング層を好適に形成することができる。
【0014】
請求項に係る発明で前記樹脂コーティング層における樹脂は、エマルジョン樹脂である。
請求項に係る発明によれば、エマルジョン樹脂の樹脂コーティング層を連続気泡フォームに施すことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るクリーナーによれば、異物除去部に樹脂コーティング層を設けたことにより、該クリーナーを長期に亘り使用しても、該異物除去部の劣化の進行を低く抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施例に係るクリーナーの部分斜視図である。
図2】実施例および比較例に関する評価試験の一覧図である。
図3】(a)は、異物除去部を形成するためのシートの斜視図、(b)は、シートに対するエマルジョン樹脂の含浸工程を示す説明図、(c)は、シートに対するエマルジョン樹脂の含浸量調整、エマルジョン樹脂の乾燥、両面テープの装着およびシートのカットを同時に行う工程の説明図である。
図4】シャフトの外面に配設する前の異物除去部を中間省略して示す斜視図である。
図5】シャフトに異物除去部を螺旋状に巻き付ける状態を示す説明図である。
図6】クリーナーが配設された画像形成装置の要部を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明に係るクリーナーおよびその製造方法につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下に説明する。
【実施例】
【0018】
(クリーナー30の構成)
実施例のクリーナー30は、図1に示すように、シャフト32と、該シャフト32の外周面に配設された異物除去部34とから構成されている。前記シャフト32は金属の真直な丸棒部材であり、その長手方向の両端部が軸受部(図示せず)で回転自在に支持されるようになっている。なお、前記シャフト32の材質は金属に限られず、熱硬化性もしくは熱可塑性の樹脂を材質としてもよく、更に炭素繊維の複合材料からなる丸棒部材であってもよい。また、前記異物除去部34は、弾力性を有する帯状の部材であって、前記シャフト32の外面に螺旋状に巻き付けることで配設されている。実施例に係るクリーナー30は、図6に示す従来のクリーナー20と同様に、前記異物除去部34の外面である拭取り面34bを前記帯電ローラ18の外周面18aに接触させた状態で、前記シャフト32と共に軸回りに回転させられる。
【0019】
(異物除去部34について)
前記異物除去部34は、連続気泡構造の連続気泡フォームから形成されている。この異物除去部34は、図4に示すように、前記シャフト32へ取付ける前は、真っ直ぐな角棒状の帯状部材であり、その長手方向と直交して破断した断面が長方形になっている。そして、前記長方形における断面の長い辺を取付面34aとすることで、前記シャフト32の回転に伴って生ずる摩擦に対して、安定した回転が確保される。また異物除去部34は、長手方向に延在して前記シャフト32の外面に密着する前記取付面34aと、該取付面34aの裏側において前記帯電ローラ18の外周面18aに接触する拭取り面34bと、これら取付面34aおよび拭取り面34bの間にあって長手方向へ延在する第1側面34cおよび第2側面34dとを備えている。この異物除去部34は、前記シャフト32の外面に前記取付面34aが適宜の接着手段により接着されて、該シャフト32に沿って螺旋状に軸線方向へ巻回されて延在している。
【0020】
前記異物除去部34は、ポリエーテル系の連続気泡構造のポリウレタンフォームからなり、弾性的な圧縮変形、曲げ変形および捻れ変形が可能である。実施例では、イノアックコーポレーション社製;品番EP70を使用した。このポリウレタンフォームは、セル径;200〜250μm、密度;80kg/m、アスカーF硬度;90°であり、JIS K6400−2:2012D法に基づく硬さは、72N(ニュートン)である。
【0021】
(樹脂コーティング層36について)
実施例の異物除去部34は、連続気泡フォーム、例えばポリウレタンフォームの外表面および連続気泡を画成する骨格の壁面に、後述する樹脂コーティング層36が設けられている。この樹脂コーティング層36は、ポリウレタンフォームの連続気泡に物理的強度を与えることができる。これにより、前記帯電ローラ18(被清掃部材)に接触するよう配設されたクリーナー30の異物除去部34は、前記放電生成物質に晒された状態で使用しても、所定の耐用期間に亘ってポリウレタンフォームの劣化が抑えられ、該ポリウレタンフォームが千切れて飛散するおそれが減少する。
【0022】
前記樹脂コーティング層36を形成するには、公知のエマルジョン樹脂が採用される。このエマルジョン樹脂は、前記ポリウレタンフォームに含浸させた状態で水を含む溶媒が蒸発して乾燥することで、該ポリウレタンフォームの外表面および連続気泡の骨格の壁面に前記樹脂コーティング層36を形成する。実施例では、アクリル樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂のうちの何れか1つから選択したエマルジョン樹脂により、前記樹脂コーティング層36が形成される。
【0023】
前記異物除去部34は、ポリウレタンフォームの外表面および連通気泡の内壁面に樹脂コーティング層36を設けたことにより、該ポリウレタンフォームの密度は、該樹脂コーティング層36を設ける前(70kg/m)に比べて、固形分増加量の百分率として21〜43%程度大きくなっている(実施例参照)。また、JIS K6400−2:2012D法に基づく硬さは、樹脂コーティング層36を設ける前(72N)に対して僅かに硬い73Nである。また引張強度は、樹脂コーティング層36を設ける前に比べて、20〜30%程度高い。従って、樹脂コーティング層36を設けた異物除去部34は、弾性変形、すなわち圧縮変形、捻れ変形および曲げ変形が可能である。
【0024】
(異物除去部の評価試験について)
実施例のクリーナー30を含む複数の形態のクリーナーについて、異物除去部34の物性等の評価試験を行った。この評価試験では、前記異物除去部34の形態の違い、前記樹脂コーティング層36の有無の違い、樹脂コーティング層36の材質の違い等による各種クリーナーにおける異物除去部34の千切れ発生有無の判定と、密度、引張強度および伸び等を測定した。図2に、評価試験の内容および試験結果を示す。
【0025】
前記帯電ローラ18のクリーナーは、異物除去部の形態別に分類すると、(1)実施例の如くシャフト32の外面に螺旋状に巻回した異物除去部34を備えた形態(以降「螺旋巻き形態」という)、(2)シャフト32の外周全体を覆う円筒状の異物除去部34を備えた形態(以降「円筒ロール形態」という)、(3)帯電ローラ18の外周面18aにパッド状の異物除去部34が回転せずに押し付けられる形態(以降「押圧パッド形態」という)の3種類がある。そこで、評価試験では、実施例のクリーナー30と同じ螺旋巻き形態については、異物除去部34の樹脂コーティング層36を形成する樹脂としてアクリル樹脂、フッ素樹脂、酢酸ビニル樹脂の3種類を準備し、各樹脂毎に樹脂コーティング層36のコーティング量が異なる2種類を準備した。また、比較例として、異物除去部34に樹脂コーティング層を設けない螺旋巻き形態を準備すると共に、前記円筒ロール形態および押圧パッド形態のものを夫々準備した。そして、円筒ロール形態および押圧パッド形態では、樹脂コーティング層を設けた異物除去部34および該樹脂コーティング層を設けていない異物除去部34の2種類ずつを準備した。以下に、各実施例および各比較例について説明する。
【0026】
(実施例A1,A2について)
実施例A1および実施例A2は、樹脂コーティング層36をアクリル樹脂で形成したものである。ここで、アクリル樹脂は、昭和電工株式会社製:AT−115を採用した。実施例A1と実施例A2とは、樹脂コーティング層36を形成するアクリル樹脂のコーティング量を異ならせることで固形分増加量が異なっている。すなわち、実施例A1では固形分増加量が24%であり、実施例A2では固形分増加量が35%である。
【0027】
(実施例F1,F2について)
実施例F1および実施例F2は、樹脂コーティング層36をフッ素樹脂で形成したものである。ここで、フッ素樹脂は、ダイキン株式会社製:EK−3709S21Rを使用した。実施例F1と実施例F2とは、樹脂コーティング層36を形成するフッ素樹脂のコー15 ティング量を異ならせることで固形分増加量が異なっている。すなわち、実施例F1では固形分増加量が21%であり、実施例F2では固形分増加量が33%である。
【0028】
(実施例V1,V2について)
実施例V1および実施例V2は、樹脂コーティング層36を酢酸ビニル樹脂で形成したものである。ここで、酢酸ビニル樹脂は、昭和電工株式会社製:BX−8400を使用した。実施例V1と実施例V2とは、樹脂コーティング層36を形成する酢酸ビニル樹脂のコーティング量を異ならせることで固形分増加量が異なっている。すなわち、実施例V1では固形分増加量が28%であり、実施例V2では固形分増加量が43%である。
【0029】
(比較例について)
比較例1および比較例2は、螺旋巻き形態の異物除去部34を備えたものである。ここで、比較例1は、樹脂コーティング層36を設けない異物除去部34について、帯電ローラ18に電圧を印加した状態で試験を実行した場合であり、比較例2は、樹脂コーティング層36を設けない異物除去部34について、帯電ローラ18に電圧を印加しない状態で試験を実施した場合である。
【0030】
比較例3および比較例4は、円筒ロール形態の異物除去部34を備えたものである。ここで、比較例3は、アクリル樹脂の樹脂コーティング層を設けない異物除去部34により試験を実行した場合であり、比較例4は、アクリル樹脂の樹脂コーティング層を設けた異物除去部34により試験を実行したものである。
【0031】
比較例5および比較例6は、押圧パッド形態の異物除去部34を備えたものである。ここで、比較例5は、アクリル樹脂の樹脂コーティング層を設けない異物除去部34により試験を実行したものであり、比較例6は、アクリル樹脂の樹脂コーティング層を設けた異物除去部34により試験を実行したものである。
【0032】
なお、樹脂コーティング層を設けた異物除去部では、ポリウレタンフォームに樹脂材料を含浸させる際に、浸透剤としてジオクチルスルホンコハク酸ナトリウムを使用し、また消泡剤としてサンノプコ株式会社製:NOPCONXZを使用した。前記浸透剤は、ポリウレタンフォームとエマルジョン樹脂との界面活性を高め、エマルジョン樹脂を連続気泡構造の内部にまで浸透含浸させるものである。
【0033】
(異物除去部の千切れ有無評価)
前記評価試験においては、各実施例および各比較例において、同一の設定時間(10,000分)に亘って異物除去部34により帯電ローラ18の外表面16aをクリーニングした後に、該異物除去部34のポリウレタンフォームに千切れが発生したか否かを目視確認した。ここで、異物除去部34のポリウレタンフォームに千切れが発生していない場合には良好「○」と評価し、該ポリウレタンフォームに千切れが発生していた場合には不良「×」と評価した。この評価における10,000分は、従来の耐久評価時間よりも長いものである。
【0034】
(異物除去部の密度測定)
異物除去部34の密度を、JIS K7222(発泡プラスチック及びゴム−見掛け密度の求め方)に準拠した測定方法に基づいて測定した。ここで密度は、樹脂コーティング層36を設けていない異物除去部の密度(塗布前密度)と、樹脂コーティング層36を設けた異物除去部34の密度(塗布後密度)とを夫々測定した。
【0035】
(異物除去部の引張強度測定)
異物除去部34の引張強度を、JIS K6400−5(引張強さ、伸び及び引裂強さの求め方)に準拠した測定方法に基づいて測定した。ここで引張強度は、樹脂コーティング層36を設けていない異物除去部の引張強度(塗布前引張強度)と、樹脂コーティング層36を設けた異物除去部34の引張強度(塗布後引張強度)とを夫々測定した。
【0036】
(異物除去部の伸び測定)
異物除去部34の伸びを、JIS K6400−2(引張強さ、伸び及び引裂強さの求め方)に準拠した測定方法に基づいて測定した。ここで伸びは、樹脂コーティング層36を設けていない異物除去部の伸び(塗布前伸び)と、樹脂コーティング層36を設けた異物除去部34の伸び(塗布後伸び)とを夫々測定した。
【0037】
(異物除去部の硬さ測定)
異物除去部34の硬さを、JIS K6400−2:2012D法(硬さ及び圧縮応力−ひずみ特性の求め方:元厚に対して25%圧縮して20秒後の応力値を測定する方法)に準拠した測定方法に基づいて測定する。ここで硬さは、樹脂コーティング層36を設けていない異物除去部の硬さ(塗布前硬さ)と、樹脂コーティング層36を設けた異物除去部34の硬さ(塗布後硬さ)とを夫々測定した。
【0038】
(異物除去部の千切れ有無評価結果について)
先ず、図2に示す比較例1から明らかなように、螺旋巻き形態の異物除去部34を備えたクリーナーにおいて、該異物除去部34に樹脂コーティング層36を設けていない場合では、帯電ローラ18に電圧を印加していなければ、ポリウレタンフォームの千切れの発生は確認できず、良好「○」と評価された。しかし、螺旋巻き形態の異物除去部34を備えたクリーナー30において、該異物除去部34に樹脂コーティング層36を設けていない場合で、かつ帯電ローラ18に電圧を印加していると、ポリウレタンフォームの千切れ発生が確認されて不良「×」と評価された。従って、螺旋巻き形態の異物除去部34では、帯電ローラ18に電圧を印加することが、ポリウレタンフォームの千切れが発生する原因であることが確認された。
【0039】
次に、図2に示すように、帯電ローラ18に電圧を印加した状態では、異物除去部34にアクリル樹脂製の樹脂コーティング層36を設けた実施例A1,A2、異物除去部34にフッ素樹脂製の樹脂コーティング層36を設けた実施例F1,F2、異物除去部34に酢酸ビニル製の樹脂コーティング層36を設けた実施例V1,V2の全てにおいて、ポリウレタンフォームの千切れ発生は確認できず、何れの実施例でも良好「○」と評価された。これに対し、前述した如く、帯電ローラ18に電圧を印加した状態において、螺旋巻き形態において異物除去部34に樹脂コーティング層36を設けていない比較例1では、ポリウレタンフォームの千切れ発生が確認され、該比較例1では不良「×」と評価された。従って、螺旋巻き形態の異物除去部34では、アクリル樹脂製、フッ素樹脂製および酢酸ビニル製のうちの何れかの樹脂コーティング層36を設けることで、帯電ローラ18に電圧を印加した状態であっても、ポリウレタンフォームに千切れが発生しないことから、該樹脂コーティング層36がポリウレタンフォームの千切れ発生を防止するうえで効果的である。
【0040】
一方、比較例3,4の円筒ロール形態の異物除去部34を備えたクリーナー30および比較例5,6の押圧パッド形態の異物除去部34を備えたクリーナー30では、該異物除去部34に樹脂コーティング層36が設けられた場合および該異物除去部34に樹脂コーティング層36が設けられていない場合の何れにおいても、ポリウレタンフォームの千切れ発生は確認できず、良好「○」と評価された。従って、ポリウレタンフォームの千切れは、実施例のクリーナー30のような螺旋巻き形態の異物除去部34に特有の問題であることが確認された。
【0041】
(異物除去部の密度について)
JIS K7222に基づく異物除去部の密度は、実施例A1,A2,F1,F2,V1,V2において、夫々70→87kg/m(24%増加)、70→95kg/m(35%増加)、70→85kg/m(21%増加)、70→93kg/m(33%増加)、70→90kg/m(28%増加)、70→100kg/m(43%増加)であった。すなわち、異物除去部の密度の増加分は約20〜45%であった。
【0042】
(固形分増加量について)
従って、実施例A1,A2,F1,F2,V1,V2における樹脂コーティング層36の増加分(固形分増加量)は、前記密度の増加分であるから、夫々24%、35%、21%、33%、28%、43%である。ここで、前述した如く、実施例A1,A2,F1,F2,V1,V2では、何れも異物除去部34のポリウレタンフォームの千切れが発生しなかったことに鑑みると、樹脂コーティング層36による固形部増加量を20%以上とすることで、異物除去部34の材質であるポリウレタンフォームに千切れの発生を有効に防止し得ることが確認された。
【0043】
(異物除去部の引張強度について)
JIS K6400−5に基づく異物除去部34の引張強度は、樹脂コーティング層36を設けていない異物除去部では167.9kg/mで程度であった。これに対して、樹脂コーティング層36を設けた異物除去部34の引張強度は、実施例A1,A2,F1,F2,V1,V2において、夫々167.9→198.6kg/m(18%増加)、167.9→212.5(27%増加)、167.9→195.1(16%増加)、167.9→209.8(25%増加)、167.9→200.2(19%増加)、167.9→214.5(28%増加)であった。すなわち、異物除去部の引張強度は、実施例A1,F1,V1では16〜19%増加すると共に、樹脂コーティング層36を形成する樹脂量を更に多くした実施例A2,F2,V2では25〜28%増加している。従って、樹脂コーティング層36(固形分)を形成する樹脂量を多くすることで、異物除去部34の引張強度を増加させ得ることが確認された。
【0044】
(異物除去部の伸びについて)
JIS K7222に基づく異物除去部の伸びは、樹脂コーティング層36を設けていない異物除去部では144%であった。これに対して、樹脂コーティング層36を設けた異物除去部34では、実施例A1,A2,F1,F2,V1,V2において、夫々144→152%、144→192%、144→150%、144→190%、144→155%、144→190%であった。すなわち、実施例A1,F1,V1よりも実施例A2,F2,V2のほうが、破断するまでの伸びが大きくなっており、樹脂コーティング層36(固形分)を形成する樹脂量を多くすることで、異物除去部34の伸びを大きくさせ得ることが確認された。
【0045】
(異物除去部の硬さについて)
JIS K6400−2:2012D法に基づくポリウレタンフォームの硬さは、樹脂コーティング層36を設けていない場合が72N程度であった。これに対して、樹脂コーティング層36を設けた場合の硬さは、実施例A1,A2,F1,F2,V1,V2において何れも73N程度であった。従って、異物除去部34の硬さは、樹脂コーティング層36を設けた場合でも微増に留まることが確認された。これは、樹脂コーティング層36が設けられた異物除去部34を備えたクリーナー30は、該異物除去部34の拭取り面34bを帯電ローラ18の外周面18aに接触させた状態で回転する際の抵抗が微増に抑えられて、従来同様の画像形成装置の駆動源を使用できることを意味する。
【0046】
以上の評価試験結果から、螺旋巻き形態の異物除去部34を備えた実施例のクリーナー30では、該異物除去部34を構成するポリウレタンフォームの外表面および連通気泡の内壁面に、アクリル樹脂、フッ素樹脂および酢酸ビニル樹脂のうちの何れか1つの樹脂から形成された樹脂コーティング層36を設けることで、前記帯電ローラ18から発生する放電生成物質によるポリウレタンフォームの千切れが、所定の耐用期間内に発生することを好適に抑止することができる。そして、実施例のクリーナー30の如き螺旋巻き形態の異物除去部34は、樹脂コーティング層36による密度の増加分を60%以下とすることで、ポリウレタンフォームの千切れを抑止することができる。また、樹脂コーティング層36を設けた異物除去部34は、樹脂コーティング層36を設けない異物除去部よりも引張強度が増加しているので耐久性が向上する。
【0047】
(製造方法について)
次に、前述のように構成された実施例のクリーナー30の製造方法について、図3図5を引用して説明する。
【0048】
(シートの成形工程)
先ず、図示しないポリウレタンフォームのブロック体から、図3(a)に示す形状のシート38を切り出す。シート38は、その厚みが前記異物除去部34の高さHと同じであり、複数の異物除去部34にカット可能な縦横サイズとする。
【0049】
(エマルジョン樹脂の含浸工程)
次に、図3(b)に示すように、前記シート38を、貯留槽42内に貯留されたエマルジョン樹脂EM内に浸漬させて、該エマルジョン樹脂EMを該シート38に含浸させる。エマルジョン樹脂EMは、前記アクリル樹脂、フッ素樹脂または酢酸ビニル樹脂の何れかの樹脂の微細粒を水中に分散させてあると共に、浸透剤および消泡剤が添加されている。ここで、浸透剤は、ポリウレタンフォームの連通気泡内へエマルジョン樹脂EMが進入するのを助けるものであり、実施例ではジオクチルスルホンコハク酸ナトリウムが使用される。また、消泡剤は、エマルジョン樹脂EMの泡立ちを防ぎ、ポリウレタンフォームの連通気泡内への濡れ性を高める。実施例ではサンノプコ株式会社製:NOPCONXZが使用される。
【0050】
(含有量調整工程)
次に、図3(c)に示すように、エマルジョン樹脂EMが含浸したシート38を、該シート38の厚みより狭い所要間隔に位置調整した含浸量調整ローラ44,44間に通過させて、エマルジョン樹脂EMの余剰分をシート38から絞り出し、所定量のエマルジョン樹脂が該シート38に含浸した状態とする。そして、シート38を含浸量調整ローラ44,44間に通過させることで、該シート38を構成するポリウレタンフォームの外表面および連通気泡の内壁面に、エマルジョン樹脂EMが均等に行き渡るようにし得る。
【0051】
(乾燥工程)
次に、図3(c)に示すように、所定量のエマルジョン樹脂EMが含浸している前記シート38を、恒温手段46内に保持して、所定温度(実施例では50℃)で所定時間(実施例では3時間)に亘って加熱して、該エマルジョン樹脂EMに含まれた水分を蒸発させる。そして、エマルジョン樹脂EMの水分が完全に蒸発させることで、シート38を構成するポリウレタンフォームの外表面および連通気泡の内壁面に、樹脂固形分からなる前記樹脂コーティング層36を形成する。
【0052】
(両面テープ装着工程)
次に、図3(c)に示すように、樹脂コーティング層36が設けられたシート38において、前記異物除去部34の取付面34aとなる外面に、接着手段を装着する。実施例では、接着手段として、両面テープ37が採用される。
【0053】
(シートのカット工程)
次に、図3(c)に示すように、樹脂コーティング層36が形成されると共に両面テープ37が装着された前記ポリウレタンフォームからなるシート38を、該シート38の縦方向において、第1カッタ48により前記異物除去部34の幅Wと同じ間隔毎に短冊状にカットする。また、短冊状にカットしたシート38を、該シート38の横方向において、第2カッタ50により前記異物除去部34の長さLと同じ長さにカットする。これにより、図4に示すように、短手方向の断面が幅W、高さHの矩形状をなすと共に、長さLの角棒状をなす異物除去部34が成形される。
【0054】
(異物除去部34の取り付け)
次に、図5に示すように、異物除去部34の取付面34aを、該取付面34aに配設した前記両面テープ37を利用して前記シャフト32の外面に接着しながら、当該異物除去部34をシャフト32の外面に螺旋状に取り付ける。これにより、螺旋巻き形態の異物除去部34を備えた実施例のクリーナー30が形成される。
【0055】
実施例のクリーナー30によれば、連続気泡構造のポリウレタンフォームから形成された異物除去部34は、その外表面および連続気泡の内壁面に樹脂コーティング層36が設けられているので、帯電ローラ18から発生する放電生成物質に晒された状態で使用されても、ポリウレタンフォームが早期に劣化するのを防止し得る。これにより、クリーナー30の使用中に、異物除去部34を形成するポリウレタンフォームが千切れることがないので、千切れたポリウレタンフォーム片が帯電ローラ18の外周面18aに付着することがなく、該帯電ローラ18の機能を阻害しない。
【0056】
そして、異物除去部34に設けられた樹脂コーティング層36は、アクリル樹脂、フッ素樹脂および酢酸ビニル樹脂のうちの何れか1つが含まれたエマルジョン樹脂から形成される。このエマルジョン樹脂は、異物除去部34をなすポリウレタンフォームに含浸させた際に、該ポリウレタンフォームの連続気泡内の全体に行き渡るようになる。従って、異物除去部34は、ポリウレタンフォームの外表面および連続気泡の内壁面に亘って樹脂コーティング層36が設けられており、帯電ローラ18の周辺に発生する放電生成物質から該ポリウレタンフォームを保護することができる。特に、前記アクリル樹脂、フッ素樹脂および酢酸ビニル樹脂は、何れも帯電ローラ18の周辺に発生する放電生成物質に対する耐性に優れているので、前記放電生成物質からポリウレタンフォームを適切に保護し得る。
【0057】
そして、樹脂コーティング層36が設けられた異物除去部34の密度は、該樹脂コーティング層36が設けられていないポリウレタンフォームの密度の5〜60%の重量増加となるようにし、好ましくは、10〜50%、より好ましくは20〜45%の重量増加とするのが望ましい。樹脂コーティング層36が設けられた異物除去部34の重量増加を前記範囲内とすることで、樹脂コーティング層36によりポリウレタンフォームの保護が図られると共に、該異物除去部34の表面硬度、柔軟性および弾力性を阻害することなく、該異物除去部34の引張強度および伸び等の物理的強度を向上させることができる。
【0058】
そして、シャフト32の外面に螺旋状に巻回した螺旋巻き形態の異物除去部34は、前記条件により樹脂コーティング層36を設けたことにより、該異物除去部34のポリウレタンフォームが早期に劣化して千切れることが抑制される。すなわち、異物除去部34は、拭取り面34bと第1側面34cとの境界端縁および該拭取り面34bと第2端面34dとの境界端縁が角張っているため、該拭取り面34bが帯電ローラ18の外周面18aに接触して回転する際に、該境界端縁に負荷が掛かる。しかし、実施例の異物除去部34は、ポリウレタンフォームの外表面に樹脂コーティング層36が設けられていることで、螺旋巻き形態であっても前記各境界端縁におけるポリウレタンフォームの千切れの発生を好適に抑制し得る。
【0059】
また、実施例のクリーナーの製造方法によれば、アクリル樹脂、フッ素樹脂および酢酸ビニル樹脂のうちの何れかの樹脂の粒を水中に含んだエマルジョン樹脂を、異物除去部34をなす連続気泡構造のポリウレタンフォームに含浸させて樹脂コーティング層36を形成するようにした。従って、エマルジョン樹脂を、ポリウレタンフォームの外表面および連続気泡内へ進入した状態で乾燥させることで、ポリウレタンフォームの外表面および連続気泡の内壁面を被覆する樹脂コーティング層36を形成することができる。また、エマルジョン樹脂を乾燥させて樹脂コーティング層36を形成するので、ポリウレタンフォームの連続気泡内が樹脂コーティング層36で塞がれることが防止され、該ポリウレタンフォームの弾力性が殆ど阻害されず、異物除去部34を帯電ローラ18の外周面18aに適切な弾力で接触させるようにし得る。
【0060】
(変更例)
本発明に係るクリーナーは、実施例に限らず種々の変更が可能である。
(1)異物除去部は、実施例の外形形状に限らず、様々な形状のものを採用することが可能である。
(2)シャフトの外面に螺旋状に配設される異物除去部の巻回ピッチは、様々に変更可能である。
(3)シャフトの外面に螺旋状に配設される異物除去部は、複数本を巻き付けるようにして形成することも可能である。
(4)異物除去部の製造方法は、シートの形成時に、シートの長さを異物除去部と同じ長さに予めカットするようにしてもよい。また、異物除去部の長さにカットしたシートをエマルジョン樹脂を含浸させる工程と、該エマルジョン樹脂を含浸したシートを加熱して樹脂コーティング層を形成する工程と、樹脂コーティング層が形成されたシートを、異物除去部の幅にカットする工程とを、非連続で実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0061】
18 帯電ローラ,18a 外周面,32 シャフト,34 異物除去部,
34b 拭取り面(外表面),36 樹脂コーティング層,38 シート
図1
図2
図3
図4
図5
図6