(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1プレイヤの指示を受けるための第1入力部及び第2プレイヤの指示を受けるための第2入力部を備え、複数のプレイヤの各々が仮想空間内の自らの複数のキャラクタを操作するゲームを実行するゲーム装置のコンピュータに実行させるゲームプログラムであって、
前記コンピュータを、前記第1入力部で受けた前記指示に基づいて、前記仮想空間に存在している前記第1プレイヤが操作する複数のキャラクタを動作させて画面に表示し、かつ、前記第2入力部で受けた前記指示に基づいて、前記仮想空間に存在している前記第2プレイヤが操作する複数のキャラクタを動作させて前記画面に表示する情報処理部として機能させ、
前記情報処理部は、前記第1プレイヤが操作するすべてのキャラクタのいずれかを消滅させた場合において、当該第1プレイヤが操作するキャラクタが存在しているときは、前記第1プレイヤが当該存在しているキャラクタを操作するゲームを続行し、前記第2プレイヤが操作するすべてのキャラクタのいずれかを消滅させた場合において、当該第2プレイヤが操作するキャラクタが存在しているときは、前記第2プレイヤが当該存在しているキャラクタを操作するゲームを続行し、
前記第1入力部で受けた前記指示が、前記第1プレイヤが操作する前記複数のキャラクタを前記画面の左右方向に進行させる指示であるときは、前記第1プレイヤが操作する前記複数のキャラクタを前記画面の上下方向に並べ、前記第1入力部で受けた前記指示が、前記第1プレイヤが操作する前記複数のキャラクタを前記画面の上下方向に進行させる指示であるときは、前記第1プレイヤが操作する前記複数のキャラクタを前記画面の左右方向に並べ、前記第2入力部で受けた前記指示が、前記第2プレイヤが操作する前記複数のキャラクタを前記画面の左右方向に進行させる指示であるときは、前記第2プレイヤが操作する前記複数のキャラクタを前記画面の上下方向に並べ、前記第2入力部で受けた前記指示が、前記第2プレイヤが操作する前記複数のキャラクタを前記画面の上下方向に進行させる指示であるときは、前記第2プレイヤが操作する前記複数のキャラクタを前記画面の左右方向に並べることを特徴とするゲームプログラム。
前記情報処理部は、前記第1プレイヤが操作するいずれかのキャラクタが所定の追加条件を満たしたときに、前記第1プレイヤが操作するキャラクタを追加し、前記第2プレイヤが操作するいずれかのキャラクタが所定の追加条件を満たしたときに、前記第2プレイヤが操作するキャラクタを追加することを特徴とする請求項1に記載のゲームプログラム。
前記情報処理部は、前記第1プレイヤが操作するいずれかのキャラクタが前記第2プレイヤが操作するいずれかのキャラクタに対して所定の動作を行うことを前記追加条件として、前記第2プレイヤが操作する前記動作を受けたキャラクタを前記第1プレイヤが操作するキャラクタに変更することで、前記第1プレイヤが操作するキャラクタを追加し、前記第2プレイヤが操作するいずれかのキャラクタが前記第1プレイヤが操作するいずれかのキャラクタに対して所定の動作を行うことを前記追加条件として、前記第1プレイヤが操作する前記動作を受けたキャラクタを前記第2プレイヤが操作するキャラクタに変更することで、前記第2プレイヤが操作するキャラクタを追加することを特徴とする請求項2に記載のゲームプログラム。
前記情報処理部は、前記第1プレイヤが操作する複数のキャラクタにすべて同一の能力を与え、前記第2プレイヤが操作する複数のキャラクタにすべて同一の能力を与えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のゲームプログラム。
前記情報処理部は、前記第1プレイヤが操作するいずれかのキャラクタの能力を変化させる際に、前記第1プレイヤが操作するその他のキャラクタの能力も同様に変化させ、前記第2プレイヤが操作するいずれかのキャラクタの能力を変化させる際に、前記第2プレイヤが操作するその他のキャラクタの能力も同様に変化させることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のゲームプログラム。
前記情報処理部は、前記第1プレイヤが操作するいずれかのキャラクタの能力をレベルアップさせる際に、前記第1プレイヤが操作するその他のキャラクタの能力も同様にレベルアップさせ、前記第2プレイヤが操作するいずれかのキャラクタの能力をレベルアップさせる際に、前記第2プレイヤが操作するその他のキャラクタの能力も同様にレベルアップさせることを特徴とする請求項6に記載のゲームプログラム。
前記情報処理部は、前記第1プレイヤが操作するいずれかのキャラクタが、第2プレイヤが操作するキャラクタから攻撃を受けたときに、当該攻撃を受けたキャラクタの移動を制限し、第2プレイヤが操作するいずれかのキャラクタが、第1プレイヤが操作するキャラクタから攻撃を受けたときに、当該攻撃を受けたキャラクタの移動を制限することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のゲームプログラム。
前記情報処理部は、前記第1プレイヤが操作するいずれかのキャラクタが所定のダメージ条件を満たしたときに、当該キャラクタを前記仮想空間から消滅させ、前記第2プレイヤが操作するいずれかのキャラクタが所定のダメージ条件を満たしたときに、当該キャラクタを前記仮想空間から消滅させることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のゲームプログラム。
前記第1プレイヤが操作する前記複数のキャラクタは互いに同一の外観であり、前記第2プレイヤが操作する前記複数のキャラクタは互いに同一の外観であり、前記第1プレイヤが操作するキャラクタと前記第2プレイヤが操作するキャラクタとは互いに異なる外観であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載のゲームプログラム。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、仮想空間内で複数のキャラクタを操作する新規なゲームを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゲームプログラムは、ゲーム装置のコンピュータに実行させるゲームプログラムである。このゲーム装置は、第1プレイヤの指示を受けるための第1入力部及び第2プレイヤの指示を受けるための第2入力部を備えており、複数のプレイヤの各々が仮想空間内の自らの複数のキャラクタを操作するゲームを実行する。このゲームプログラムは、具体的には、前記コンピュータを、前記第1入力部で受けた前記指示に基づいて、前記仮想空間に存在している前記第1プレイヤが操作する複数のキャラクタを動作させ、かつ、前記第2入力部で受けた前記指示に基づいて、前記仮想空間に存在している前記第2プレイヤが操作する複数のキャラクタを動作させる情報処理部として機能させる。ここで、前記第1プレイヤが操作する複数のキャラクタは互いに対等であり、前記第2プレイヤが操作する複数のキャラクタは互いに対等である。この構成によれば、複数のキャラクタのいずれかが消滅したとしても、少なくとも1体のキャラクタが生存していればプレイを続行できる。
【0007】
前記情報処理部は、前記第1プレイヤが操作するいずれかのキャラクタが所定の追加条件を満たしたときに、前記第1プレイヤが操作するキャラクタを追加し、前記第2プレイヤが操作するいずれかのキャラクタが所定の追加条件を満たしたときに、前記第2プレイヤが操作するキャラクタを追加してよい。この構成によれば、第1プレイヤ及び第2プレイヤのそれぞれが操作するキャラクタは増加し得る。
【0008】
前記情報処理部は、前記第1プレイヤが操作するいずれかのキャラクタが前記第2プレイヤが操作するいずれかのキャラクタに対する所定の動作を行うことを前記追加条件として、前記第2プレイヤの前記動作を受けたキャラクタを前記第1プレイヤが操作するキャラクタに変更することで、前記第1プレイヤが操作するキャラクタを追加し、前記第2プレイヤが操作するいずれかのキャラクタが前記第1プレイヤが操作するいずれかのキャラクタに対する所定の動作を行うことを前記追加条件として、前記第1プレイヤの前記動作を受けたキャラクタを前記第2プレイヤが操作するキャラクタに変更することで、前記第2プレイヤが操作するキャラクタを追加してよい。この構成によれば、第1プレイヤは第2プレイヤが操作する複数のキャラクタのいずれかを自らのキャラクタとして奪い取ることができ、第2プレイヤも第1プレイヤが操作する複数のキャラクタのいずれかを自らのキャラクタとして奪い取ることができる。
【0009】
前記情報処理部は、所定の上限数の範囲内で前記キャラクタの追加を行ってよい。この構成によれば、キャラクタが無限に増加することを回避できる。
【0010】
前記所定の上限数は全てのプレイヤが操作するキャラクタの総数に対する上限であってよい。この構成によれば、キャラクタの総数が無限に増加することを回避できる。
【0011】
前記情報処理部は、前記第1プレイヤが操作する前記複数のキャラクタはすべて同一の能力を与え、前記第2プレイヤが操作する前記複数のキャラクタにすべて同一の能力を与えてよい。この構成によれば、第1プレイヤ及び第2プレイヤがそれぞれ複数の自らのキャラクタ全体について動作の指示をするにあたって、自らのキャラクタごとにできること及びできないことが異なることによる操作性の低下を回避できる。
【0012】
前記情報処理部は、前記第1プレイヤが操作するいずれかのキャラクタの能力を変化させる際に、前記第1プレイヤが操作するその他のキャラクタの能力も同様に変化させ、前記第2プレイヤが操作するいずれかのキャラクタの能力を変化させる際に、前記第2プレイヤが操作するその他のキャラクタの能力も同様に変化させてよい。この構成によれば、第1プレイヤ及び第2プレイヤがそれぞれ複数の自らのキャラクタ全体について動作の指示をするにあたって、自らのキャラクタごとにできること及びできないことが異なることによる操作性の低下を回避できる。
【0013】
前記情報処理部は、前記第1プレイヤが操作するいずれかのキャラクタの能力をレベルアップさせる際に、前記第1プレイヤが操作するその他のキャラクタの能力も同様にレベルアップさせ、前記第2プレイヤが操作するいずれかのキャラクタの能力をレベルアップさせる際に、前記第2プレイヤが操作するその他のキャラクタの能力も同様にレベルアップさせてよい。この構成によれば、第1プレイヤが操作する複数のキャラクタの能力及び第2プレイヤが操作する複数のキャラクタの能力がそれぞれ同様にレベルアップするので、第1プレイヤ及び第2プレイヤがそれぞれ複数の自らのキャラクタ全体について動作の指示をするにあたって、自らのキャラクタごとにできること及びできないことが異なることによる操作性の低下を回避できる。
【0014】
前記情報処理部は、前記第1プレイヤが操作する複数のキャラクタのいずれかが、第2プレイヤが操作するキャラクタから攻撃を受けたときに、当該攻撃を受けたキャラクタの移動を制限し、第2プレイヤが操作する複数のキャラクタのいずれかが、第1プレイヤが操作するキャラクタから攻撃を受けたときに、当該攻撃を受けたキャラクタの移動を制限してよい。この構成によれば、他のプレイヤが操作するキャラクタからの攻撃によって、攻撃を受けた自らが操作するキャラクタの移動が制限されるので、自らが操作する複数のキャラクタの相対的位置関係が変化する。
【0015】
前記情報処理部は、前記第1プレイヤが操作するいずれかのキャラクタが所定のダメージ条件を満たしたときに、当該キャラクタを前記仮想空間から消滅させ、前記第2プレイヤが操作するいずれかのキャラクタが所定のダメージ条件を満たしたときに、当該キャラクタを前記仮想空間から消滅させてよい。この構成によれば、第1プレイヤ及び第2プレイヤのそれぞれが操作する複数のキャラクタの一部は消滅し得るが、第1プレイヤが操作する複数のキャラクタは互いに対等であり、第2プレイヤが操作する複数のキャラクタも互いに対等であるので、第1プレイヤ及び第2プレイヤのそれぞれにおいて、少なくとも1体のキャラクタが生存していればプレイを続行できる。
【0016】
前記第1プレイヤが操作する前記複数のキャラクタは互いに同一の外観であり、前記第2プレイヤが操作する前記複数のキャラクタは互いに同一の外観であり、前記第1プレイヤが操作するキャラクタと前記第2プレイヤが操作するキャラクタとは互いに異なる外観であってよい。この構成によれば、第1プレイヤ及び第2プレイヤのそれぞれに、自らが操作する複数のキャラクタ全体について動作の指示をしている感覚を与えることができる。
【0017】
本発明のゲーム装置は、複数のプレイヤの各々が仮想空間内の自らの複数のキャラクタを操作するゲームを実行するゲーム装置であって、第1プレイヤの指示を受けるための第1入力部と、第2プレイヤの指示を受けるための第2入力部と、前記第1入力部で受けた前記指示に基づいて、前記仮想空間に存在している前記第1プレイヤが操作する複数のキャラクタを動作させ、かつ、前記第2入力部で受けた前記指示に基づいて、前記仮想空間に存在している前記第2プレイヤが操作する複数のキャラクタを動作させる情報処理部とを備え、前記第1プレイヤが操作する複数のキャラクタは互いに対等であり、前記第2プレイヤが操作する複数のキャラクタは互いに対等であるという構成を有している。この構成によっても、複数のキャラクタのいずれかが消滅したとしても、少なくとも1体のキャラクタが生存していればプレイを続行できる。
【0018】
本発明のゲームシステムは、複数のプレイヤの各々が仮想空間内の自らの複数のキャラクタを操作するゲームを実行するゲームシステムであって、第1プレイヤの指示を受けるための第1入力部と、第2プレイヤの指示を受けるための第2入力部と、前記第1入力部で受けた前記指示に基づいて、前記仮想空間に存在している前記第1プレイヤが操作する複数のキャラクタを動作させ、かつ、前記第2入力部で受けた前記指示に基づいて、前記仮想空間に存在している前記第2プレイヤが操作する複数のキャラクタを動作させる情報処理部とを備え、前記第1プレイヤが操作する複数のキャラクタは互いに対等であり、前記第2プレイヤが操作する複数のキャラクタは互いに対等であるという構成を有している。この構成によっても、複数のキャラクタのいずれかが消滅したとしても、少なくとも1体のキャラクタが生存していればプレイを続行できる。
【0019】
本発明のゲーム処理方法は、複数のプレイヤの各々が仮想空間内の自らの複数のキャラクタを操作するゲームを実行するゲーム処理方法であって、第1プレイヤの指示を受けるための第1入力ステップと、第2プレイヤの指示を受けるための第2入力ステップと、前記第1入力ステップで受けた前記指示に基づいて、前記仮想空間に存在している前記第1プレイヤが操作する複数のキャラクタを動作させ、かつ、前記第2入力ステップで受けた前記指示に基づいて、前記仮想空間に存在している前記第2プレイヤが操作する複数のキャラクタを動作させる情報処理ステップとを含み、前記第1プレイヤが操作する複数のキャラクタは互いに対等であり、前記第2プレイヤが操作する複数のキャラクタは互いに対等であるという構成を有している。この構成によっても、複数のキャラクタのいずれかが消滅したとしても、少なくとも1体のキャラクタが生存していればプレイを続行できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、複数のキャラクタのいずれかが消滅したとしても、少なくとも1体のキャラクタが生存していればプレイを続行できる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する場合の一例を示すものであって、本発明を以下に説明する具体的構成に限定するものではない。本発明の実施にあたっては、実施の形態に応じた具体的構成が適宜採用されてよい。
【0023】
図1は、本発明の実施の形態のゲーム装置の構成を示すブロック図である。ゲーム装置10は、第1入力部11と、第2入力部12と、表示部13と、情報処理部14を備えている。なお、第1入力部、表示部13、情報処理部が一体となった通信機能を有する複数の携帯型のゲーム装置によってゲーム装置10が構成されてよい。
【0024】
また、ゲーム装置10は、第1入力部11及び第2入力部12がコントローラとしてそれぞれ単体で構成され、情報処理部14が第1入力部11及び第2入力部12としてのそれぞれのコントローラから操作信号を有線又は無線で受けるゲーム機本体として構成され、表示部13はゲーム機本体においてモニタに対して映像信号を送信するインターフェースとして構成されるものであってもよい。さらに、ゲーム装置10は、そのようなゲーム機本体の機能がネットワーク上のゲームサーバにあり、コントローラに対するユーザの操作が操作信号としてネットワークを介してゲームサーバに送信され、ゲームサーバの表示部13からネットワークを介して送信されてきた映像信号がユーザのモニタにて表示されるよう構成されていてもよい。
【0025】
情報処理部14は、演算処理装置、メモリ、記憶装置等を備えたコンピュータであり、このコンピュータが本実施の形態のゲームプログラムを実行することにより、本実施の形態の情報処理部14が実現される。情報処理部14は、一つの装置として構成されてもよいし、その部分的な機能が複数の装置に分散されて構成されていてもよい。ゲームプログラムは、カセット等の記憶媒体によってゲーム機本体に供給されてもよいし、ゲーム機本体の製造時にプリインストールされてもよいし、ゲーム機本体がネットワークを介してダウンロードすることでゲーム機本体に供給されてもよい。
【0026】
第1入力部11及び第2入力部12は、方向を指示するための方向指示部、及び後述する各種のアクションの実行を指示するための複数のボタンが設けられたコントローラであってよい。この場合に、方向指示部は、上下左右を指示するための十字キーであってもよいし、360度の無段階の方向を示すスティックであってもよい。また、コントローラとしての第1入力部11及び第2入力部12は、加速度センサを内蔵して、プレイヤがコントローラを動かすことによる加速度を検知して方向の指示を受けてもよい。また、第1入力部11及び第2入力部12は、撮像部を備えて、プレイヤの動作を撮影して画像認識を行うことでプレイヤの指示を受けてもよい。
【0027】
なお、本実施の形態では、ゲーム装置10が2つの入力部を備え、マルチプレイヤモードとして2人のプレイヤがプレイするモードを有する例を説明するが、マルチプレイやモードは3人以上のプレイヤがプレイできるものであってよい。その場合には、ゲーム装置10はプレイヤの人数に応じた数の入力部を有することになる。
【0028】
ゲーム装置10にて実行されるゲームについて、まずその概要を説明する。このゲームには、1人のプレイヤがプレイをするシングルプレイヤモードと、複数人のプレイヤが同時にプレイをするマルチプレイヤモードとがある。シングルプレイヤモードとマルチプレイヤモードに共通する内容については、説明の簡潔化のためにシングルプレイヤモードを例に挙げて説明する。
【0029】
このゲームは、プレイヤ(ユーザ)が仮想空間内のキャラクタを操作して、仮想空間内でキャラクタを移動させてゴールに到着させることを目的とするゲームである。プレイヤは、キャラクタに対する操作として、キャラクタに動作をさせることができる。キャラクタが行う動作には、移動や各種のアクションがある。移動には、(陸上での)歩行、走行、(壁等の)よじ登り、(水中での)遊泳等があり、アクションには、ジャンプ等がある。また、キャラクタは、移動能力やアクション能力に応じて、(空中での)飛行、攻撃アイテムの使用等を行うことができる。
【0030】
仮想空間には、建造物、敵、障害物、各種アイテムが用意されている。プレイヤは、敵や障害物の攻撃を回避ないし防御し、あるいは敵や障害物を攻撃しつつ、アイテムの取得等によってポイントを稼ぎながら、仮想空間内でゴールを目指すようキャラクタを操作する。以下、ゲームの詳細を説明する。
【0031】
〔分身〕
キャラクタが所定の分身用アイテムを取得する等の所定の追加条件が満たされると、そのキャラクタが追加される。具体的には、キャラクタは、その分身を生み出すことができる。以下の説明では、分身によって複数のキャラクタがいる場合におけるその一部のキャラクタ又は複数のキャラクタを「分身キャラクタ」と呼ぶことがある。
図2は、分身キャラクタが生じる際の画面例とコントローラの操作を示す図である。キャラクタCA1が、分身用アイテムであるチェリーアイテムICを取得すると、その分身としてキャラクタCA2が生成される。
図2に示すように分身キャラクタCA2は、その分身キャラクタCA2を生じさせた元のキャラクタCA1の複製であり、元のキャラクタCA1と同じ外観である。
【0032】
キャラクタCA1にチェリーアイテムICを取得させるためには、プレイヤはコントローラ11を操作して、チェリーアイテムICの位置までキャラクタCA1を移動させる。
図2の例では、キャラクタCA1の右側にチェリーアイテムICがあるので、プレイヤはコントローラ11の右方向ボタンを操作してキャラクタCA1を右に移動させて、キャラクタCA1にチェリーアイテムICを取得させる。
【0033】
分身が生成されてキャラクタが複数になった後に、そのうちのいずれかの分身キャラクタにおいて分身を生み出すための所定の条件が満たされた場合には、さらに分身キャラクタが生み出される。プレイヤは、このようにして分身を繰り返して自らのキャラクタを増加させることが可能である。但し、分身キャラクタの数には上限が設定されており、上限に達するとそれ以上は分身を生み出すための所定の条件が満たされても分身キャラクタは生成されない。
【0034】
分身キャラクタが生成されてキャラクタが複数になると、複数の分身キャラクタに主従関係はなく、プレイヤは、一つの指示によって複数のキャラクタを操作することができる。具体的には、例えば、プレイヤがキャラクタを特定の方向に移動するよう指示した場合には、全ての分身キャラクタが仮想空間内を当該方向に移動し、プレイヤがジャンプの指示をした場合には、全ての分身キャラクタが仮想空間内でジャンプをし、プレイヤがキャラクタに攻撃するよう指示した場合には、全ての分身キャラクタが攻撃する。
【0035】
また、複数の分身キャラクタに主従関係はなく、互いに対等である。すなわち、後述するように、分身キャラクタにおいて所定の消滅条件が満たされると、当該消滅条件が満たされた分身キャラクタは死亡して仮想空間から消滅するが、上記のように複数の分身キャラクタにおいていずれが主でいずれが従であるという関係はなく対等の関係であるため、いずれの分身キャラクタが死亡して消滅したとしても、少なくとも1体のキャラクタが生存していればプレイを続行できる。
【0036】
〔能力アップ〕
仮想空間内のキャラクタが所定の能力アップ用アイテムを取得する等の所定の能力アップ条件が満たされると、そのキャラクタの移動能力又はアクション能力(以下、両者を合わせて単に「能力」という。)をレベルアップさせることができる。分身によってキャラクタが複数いる場合には、そのうちのいずれかの分身キャラクタが上記の所定の条件を満たすことで、すべての分身キャラクタにおいて、同様に能力がレベルアップする。
【0037】
図3は、キャラクタのアクション能力がレベルアップする際の画面例とコントローラの操作を示す図である。
図3の例では、仮想空間には、分身によって2体のキャラクタCA1、CA2がいる。このとき、キャラクタCA1が能力アップ用アイテムであるリンゴアイテムIAを取得すると、リンゴアイテムIAを取得したキャラクタCA1とともにその分身であるキャラクタCA2も同様に能力がレベルアップする。
図3の例では、アクション能力である攻撃能力がレベルアップする。
【0038】
このレベルアップに合わせて、キャラクタCA1、CA2の外観も変化する。
図3の例では、キャラクタが武器アイテムIWを所持している外観に変化している。キャラクタCA1、CA2は、この攻撃能力のレベルアップによって、武器アイテムIWを使用した攻撃が可能になる。
【0039】
移動能力のレベルアップの例としては、例えば、移動速度が速くなったり、空中を飛ぶことができるようになったりといった能力のレベルアップがある。上述のように、能力のレベルアップは複数のキャラクタにおいて同時に行われるので、複数の分身キャラクタのうちの一部の分身キャラクタのみが速く走れるとか、一部の分身キャラクタのみが空中を飛ぶことができるなどによって、複数のキャラクタが離れてしまう状況が容易に発生して操作性が低下することを回避できる。
【0040】
〔ダメージ〕
キャラクタが攻撃を受ける等の所定のダメージ条件が満たされると、キャラクタはダメージを受ける。キャラクタに分身がない場合においてそのキャラクタがダメージを受けると、そのキャラクタについて能力がレベルアップしているときには、能力がレベルダウンし、能力が最も低い状態(通常の状態)であれば、そのキャラクタは死亡して消滅する。分身によって複数のキャラクタがいる場合においてそのうちのいずれかの分身キャラクタがダメージを受けると、当該ダメージを受けたキャラクタのみが死亡し、他の分身キャラクタは生存する。このとき、複数のキャラクタにおいて、能力がレベルアップしていたとしても、能力のレベルダウンをすることなくダメージを受けたキャラクタは死亡する。
【0041】
図4は、キャラクタがダメージを受ける際の画面例とコントローラの操作を示す図である。
図4の例では、分身によって2つのキャラクタCA1、CA2がいる。このとき、キャラクタCA1が攻撃アイテムである爆弾アイテムIBに接触すると、キャラクタCA1が死亡して消滅する。このとき、爆弾アイテムIBに接触していない分身キャラクタCA2は、引き続き生存する。
【0042】
キャラクタがダメージを受ける状況には、
図4に示すようにキャラクタが攻撃アイテムに接触する状況のほか、敵キャラクタからの攻撃を受ける状況や、仮想空間内の所定のダメージエリアに移動する状況がある。
【0043】
〔複数キャラクタの相対的位置関係〕
上述のように、本実施の形態のゲームでは所定の条件を満たすことによりキャラクタの分身が生成されて、プレイヤは一の指示で複数のキャラクタを操作することができる。しかしながら、仮想空間をキャラクタが移動していく本実施の形態のゲームにおいて、徒に複数キャラクタ同士の距離が離れると、複数のキャラクタの操作が困難になる。そこで、本実施の形態のゲームでは、分身によって複数のキャラクタが存在する場合において、プレイヤが一の指示で複数のキャラクタを操作する際の操作性を向上させるために、複数のキャラクタの相対的位置関係について、以下の処理を行う。
【0044】
(定位置関係)
複数のキャラクタがいる場合には、それらの複数のキャラクタの基本の相対的位置関係(以下、「定位置関係」という。)は、互いのすぐそばに隣り合って並んだ位置関係である。
図5は、複数のキャラクタの基本の位置関係を示す画面例とコントローラの操作を示す図である。
図5に示すようにキャラクタが複数ある場合には、それらのキャラクタは定位置関係として、互いに並ぶように位置する。
【0045】
図5に示すように、プレイヤがコントローラ11の方向指示キーを操作して、左右方向にキャラクタを進行させる場合には、複数のキャラクタは上下方向に並び、プレイヤがコントローラ11の方向指示キーを操作して、上下方向にキャラクタを進行させる場合には、複数のキャラクタは左右方向に並ぶ。
図5には2体のキャラクタが示されているが、3体以上のキャラクタがいる場合にも同様である。すなわち、複数のキャラクタがいる場合には、それらのキャラクタは、進行方向に対して垂直な方向に並ぶことになる。複数のキャラクタを斜め方向に進行させる場合も、それらのキャラクタは、その進行方向に垂直な方向に並ぶ。
【0046】
このように進行方向に垂直な方向にキャラクタを並べることで、プレイヤは、いずれかのキャラクタが主でいずれかのキャラクタが従であるという感覚を持つことなく、一の指示で複数のキャラクタを同時に操作しているように感じることができる。すなわち、仮に左右方向に移動する場合に複数のキャラクタを左右方向に並べると、プレイヤは、進行方向の先頭にいるキャラクタが主で、進行方向後方のキャラクタは先頭のキャラクタに追従する従のキャラクタであり、先頭にいるキャラクタのみを操作しているという感覚を覚えてしまう。一方、本実施の形態によればそのような感覚は生じず、プレイヤに、すべてのキャラクタを操作しているという感覚を与えることができる。
【0047】
図5に示すように、左右方向の移動から上下方向の移動に変わる場合には、複数のキャラクタは徐々にその相対的位置関係を縦並びから横並びに変更する。よって、プレイヤに相対的位置関係の変更による違和感を与えることなく、複数のキャラクタの進行方向を変更できる。
【0048】
なお、キャラクタが多数いる場合には、必ずしも進行方向と垂直に一直線上に並ぶ隊形をとらなくてもよい。例えば、キャラクタが3体いる場合に、先頭に進行方向と垂直に並ぶように2体のキャラクタを配置し、その後ろに残りの1体のキャラクタを配置して、逆三角形の隊形としてもよいし、キャラクタが4体いる場合に、四角隊形としてもよい。これらの隊形によっても、ユーザがすべてのキャラクタを操作している感覚は失われない。なお、一直線状に並ぶ隊形や三角や四角等の隊形を作った場合に、隣り合うキャラクタ間の距離を所定の距離としてよい。
【0049】
(移動制限)
仮想空間内には、キャラクタが進行できない進入不可エリア(例えば、川)やキャラクタの進行を妨げる障害物アイテム(例えば、木や柵等の構造物)が用意されている。キャラクタは、プレイヤの指示に関わらず、それらの進入不可エリアや障害物アイテムによって移動が妨げられる。そして、分身によって複数のキャラクタがいる場合において、一部のキャラクタのみの移動が妨げられた場合には、複数のキャラクタは定位置関係を保つことができず、複数のキャラクタの距離が離れてしまうことになる。
【0050】
図6は、一部のキャラクタが障害物によって移動制限を受ける際の画面例とコントローラの操作を示す図である。
図6に示すように、2体のキャラクタCA1、CA2がおり、キャラクタCA1の進行方向(右方向)に障害物アイテムIOがある場合に、プレイヤがその方向への進行を指示すると、キャラクタCA2については、プレイヤの移動指示に応じて右方向に移動するが、キャラクタCA1については、障害物アイテムIOによって右方向への移動が制限される。
【0051】
その結果、キャラクタCA1とキャラクタCA2とは、定位置関係である上下に並んだ位置関係を崩して、キャラクタCA2のみが指示された右方向に移動し、キャラクタCA1は障害物アイテムIOで移動が制限されてその場に停滞することになり、キャラクタCA1とキャラクタCA2との距離が遠ざかる。
【0052】
このように、複数のキャラクタの距離が遠くなって、その距離が画面の大きさを超えると、画面には、進行方向の先頭にいるキャラクタを表示するように、仮想空間の画像が表示される。その結果、移動が制限されたキャラクタは、画面から外れることになる。
【0053】
画面の外側の一定幅の領域には、生存エリアSAが設定されている。画面から外れたキャラクタは、この生存エリアSA内では生存できるが、キャラクタ間の距離が離れて画面外のキャラクタがこの生存エリアSAから外れると、当該キャラクタは死亡して消滅する。なお、生存エリアSAの中であれば、画面外のキャラクタに対してもプレイヤによる操作は有効である。
【0054】
図6の例では、プレイヤが右方向への移動指示をし続けると、画面はキャラクタCA2の移動に追従して移動し、障害物アイテムIOによって右方向の移動が制限されているキャラクタCA1はやがて画面の左端から画面の外に出ることになる。プレイヤがさらに右方向への移動指示を継続すると、キャラクタCA1は、画面外の生存エリアSAも外れることになり、死亡して消滅する。キャラクタCA1が画面から外れても生存エリアSA内にある限り、プレイヤの操作はキャラクタCA1にも有効であり、例えば下方向の移動指示によってキャラクタCA2とともにキャラクタCA1が下方向に移動して障害物アイテムIOからずれると、キャラクタCA1は右方向への移動が可能になる。
【0055】
上述のように、一部のキャラクタの移動制限によってキャラクタ間の距離が離れ、一部のキャラクタが画面から外れる場合には、進行方向先頭のキャラクタが画面に表示されるが、画面に表示されているキャラクタが移動制限されているキャラクタのほうに戻る場合には、例外的に以下のように処理する。すなわち、この場合には、進行方向の先頭は移動制限されていたキャラクタになるが、移動方向の変更に応じて画面を直ちに進行方向の先頭である移動制限されていたキャラクタを含む仮想空間を表示するのではなく、先に進行方向の先頭であったキャラクタを含む仮想空間を表示する。
【0056】
(定位置関係への復帰)
上述のように、分身によって複数のキャラクタがいる場合において、それらの複数のキャラクタの相対的位置関係は互いのすぐそばに並んだ位置関係を定位置関係とするが、進入不可エリアや障害物アイテムによって、互いの距離は離れ得る。このように複数のキャラクタがいったん離れた後、そのまま距離が離れたままであると、複数のキャラクタが仮想空間内で発散してしまい、プレイヤの一の指示で複数のキャラクタを操作するにあたっての操作性が低下する。そこで、本実施の形態のゲームでは、距離が離れてしまった複数のキャラクタの相対的位置関係を定位置関係に戻すための処理を行う。
【0057】
図7は、離れてしまった複数のキャラクタの相対的位置関係を定位置関係に戻す際の画面例とコントローラの操作を示す図である。
図7の例では、キャラクタCA1、CA2の2体のキャラクタがおり、キャラクタCA1とキャラクタCA2は左右方向に離れており、上下方向にも離れている。このときに、プレイヤが右方向への移動指示をすると、キャラクタCA2については通常の速度で右方向に移動するが、キャラクタCA2に対して左方向に離れており移動方向の後方に位置するキャラクタCA1は、移動方向の先頭であるキャラクタCA2との移動方向の距離を縮めるべく、キャラクタCA2よりも速い速度で右方向に移動する。なお、この際に上下方向の位置関係については補正せず、離れたままとする。
【0058】
即ち、複数のキャラクタがおり、それらが定位置関係よりも離れている場合において、移動が指示されたときは、移動方向の先頭のキャラクタについては通常の速度で移動させるとともに、移動方向の後方のキャラクタについては、通常よりも速い速度で移動させることにより、後方のキャラクタを先頭のキャラクタに近づけるよう速度補正を行う。これによって、プレイヤが複数のキャラクタのすべてを操作している感覚を失うことなく、離れてしまった複数のキャラクタを定位置関係に近づけることができる。
【0059】
但し、指示された方向とは異なる方向の距離を縮めるために指示された方向とは異なる方向の相対的位置関係の復元は行わない。すなわち、各分身キャラクタはあくまでもプレイヤによって指示された方向のみに移動する。これによって、プレイヤはいずれかのキャラクタが主であり(指示のとおりに移動する)、いずれかのキャラクタが従である(指示とは異なる移動をする)という感覚を覚えることはなく、複数のキャラクタを一の指示で操作している感覚を維持できる。なお、プレイヤによって指示された方向のみではなく、それと同時に、他の方向についても、分身キャラクタ間の距離を縮めるようにしてよい。この場合には、各分身キャラクタはより容易に定位置関係に戻ることができ、よりすばやく相対的位置関係を復元できる。
【0060】
なお、
図7の例において、プレイヤが上下方向の移動を指示すると、移動方向後方のキャラクタが先頭のキャラクタに追いつくように移動して、キャラクタCA1とキャラクタCA2との上下方向の距離が縮まる。なお、
図6の移動前の画面例のようにキャラクタCA1とキャラクタCA2との間で左右方向のずれがない状態で、プレイヤが上下方向への移動を指示すると、キャラクタCA1及びキャラクタCA2は、上下方向に移動するとともに、一方のキャラクタが他方に追いつき、かつ、両キャラクタが横並びの関係になる(
図5参照)。このとき、進行方向の先頭のキャラクタと、それに追いついた進行方向後方のキャラクタとが互いに押し合うようにして両キャラクタが横並びになってよい。さらに、例えば横並びになることができない状況などでは、進行方向後方のキャラクタが進行方向の先頭のキャラクタに追いつくのみで、そのまま両キャラクタが縦並びの位置関係を維持してもよい。
【0061】
図8は、複数のキャラクタの相対的位置関係を定位置関係に戻す処理のフロー図である。プレイヤによって移動指示されると
図8のフローが開始される。情報処理部14は、まず、すべてのキャラクタの相対的位置関係が定位置関係にあるか否かを判断する(ステップS81)。すべてのキャラクタの相対的位置関係が定位置関係にある場合には(ステップS81にてYES)、移動方向に応じた隊形によってすべてのキャラクタを移動方向に進行させる(ステップS82)。そして、移動指示が解除されたかを判断し(ステップS83)、移動指示が解除されていなければ(ステップS83にてNO)、ステップS81に戻ってすべてのキャラクタの相対的位置関係が定位置関係にあるか否かを判断する。
【0062】
一部のキャラクタと他のキャラクタとの相対的位置関係が定位置関係にない場合には(ステップS81にてNO)、情報処理部14は、まずプレイヤの移動指示の先頭にあるキャラクタを特定する(ステップS84)。この先頭のキャラクタが複数であることもある。そして、後方のキャラクタについて、先頭のキャラクタとの距離に応じた移動速度を算出し(ステップS85)、先頭のキャラクタについては通常の速度で、後方のキャラクタについては算出された移動速度で、キャラクタを仮想空間内で移動させる(ステップS86)。このとき、後方のキャラクタについて算出される移動速度は、先頭のキャラクタとの間の距離が遠いほど速くなる速度である。また、定位置関係にある複数のキャラクタが先頭となる場合には、それらの複数のキャラクタは、移動方向に応じた隊形をなして移動する。そして、移動指示が解除されていなければ(ステップS83にてNO)、ステップS81に戻ってすべてのキャラクタの相対的位置関係が定位置関係にあるか否か、すなわち移動速度の異なる移動によって後方のキャラクタが先頭のキャラクタに追いついたか否かを判断する。
【0063】
なお、上記の例では、後方のキャラクタの移動速度は、先頭のキャラクタとの間の距離に応じて決定されたが、後方のキャラクタを先頭のキャラクタに追いつかせるための速度は、それらの間の距離に関わらず一定の速度としてもよい。また、上記の例では、先頭のキャラクタの速度を通常の速度とし、後方のキャラクタの速度をそれより速い速度とすることで、互いの距離を縮めるようにしたが、後方のキャラクタの移動速度を通常とするとともに、先頭のキャラクタの移動速度を通常よりも遅くし、または、後方のキャラクタの移動速度を通常より速くするとともに、先頭のキャラクタの移動速度を通常よりも遅くすることで、両者の距離を縮めるようにしてもよい。
【0064】
〔マルチプレイヤモード〕
次に、複数のプレイヤがプレイできるマルチプレイヤモードについて説明する。マルチプレイヤモードでは、仮想空間内に複数のプレイヤに対応する複数種類のキャラクタが登場し、各プレイヤは自らのキャラクタを操作できる。マルチプレイヤモードにおいて、各プレイヤが操作するキャラクタについて、1人のプレイヤがプレイする上記のシングルプレイヤモードと同じ処理がされる。すなわち、各プレイヤが操作するキャラクタについて、上記の分身の生成、分身キャラクタ同士の相対的位置関係への復帰等の処理が行われる。以下では、マルチプレイヤモードにおいて付加される処理を説明する。
【0065】
(分身キャラクタの奪取)
マルチプレイヤモードでは、他プレイヤが操作する分身キャラクタが複数いる場合において、自らが操作するキャラクタ(以下、「自キャラクタ」ともいう。)に、他プレイヤが操作する分身キャラクタに対して所定のアクションを行わせることによって、他プレイヤが操作する当該分身キャラクタを自らが操作する分身キャラクタに変更することができる。すなわち、各プレイヤは、他プレイヤが操作する分身キャラクタを奪い取って自らが操作する分身キャラクタとすることができる。
【0066】
本実施の形態では、他プレイヤが操作する分身キャラクタを奪い取るアクションは、他のプレイヤに対するヒップドロップである。ヒップドロップとは、自キャラクタが対象物の上から対象物に向かって落ちていく際に、方向指示キーの下方向を指示することによって実行される。これは、自キャラクタが高所から下方の対象に向かって落ちていく場合や、自キャラクタを対象の上方に向けてジャンプさせて対象に向かって落ちていく場合に実行される。本実施の形態では、対象を他プレイヤが操作する分身キャラクタとしてヒップドロップをすると、当該ヒップドロップを受けた他プレイヤが操作する分身キャラクタが自らが操作する分身キャラクタに変換される。
【0067】
図9は、他プレイヤが操作する分身キャラクタを奪い取る際の画面例及びコントローラの操作を示す図である。
図9の例では、第1プレイヤには2体の分身キャラクタCA1、CA2がおり、第2プレイヤにも2体の分身キャラクタCB1、CB2がいる。第1プレイヤが操作する分身キャラクタCA1、CA2はすべて同じ外観であり、第2プレイヤが操作する分身キャラクタCB1、CB2の外観もすべて同じであるが、第1プレイヤが操作する分身キャラクタCA1、CA2の外観と第2プレイヤが操作する分身キャラクタCB1、CB2の外観とは異なっている。
【0068】
図9の例では、分身キャラクタCB1は、分身キャラクタCA2の右側に位置している。この場合に、第2プレイヤがジャンプボタンを押すことでジャンプを指示するとともに左方向の指示をすると、分身キャラクタCB1は、分身キャラクタCA2の頭上に飛び上がる。その落下の際に、第2プレイヤが下方向の指示をすると、キャラクタCB1によるキャラクタCA2に対するヒップドロップが実行される。このヒップドロップが成功すると、第1プレイヤが操作する分身キャラクタCA2は、第2プレイヤが操作する分身キャラクタCB3に変わる。このとき、第1プレイヤが操作する分身キャラクタCA2の外観は第2プレイヤが操作するキャラクタの外観に変更される。
【0069】
(他プレイヤが操作するキャラクタへの攻撃)
プレイヤは自らのキャラクタを操作して他プレイヤが操作するキャラクタに対して攻撃をすることができる。キャラクタは、他プレイヤが操作するキャラクタから攻撃を受けると、その場で転倒して一時的に移動ができなくなる。複数の分身キャラクタがいる場合において、その一部のキャラクタが他プレイヤが操作するキャラクタから攻撃を受けたときは、その攻撃を受けた分身キャラクタの移動のみが制限されて、攻撃を受けていない他の分身キャラクタはプレイヤの指示に応じて移動をすることができる。
【0070】
上記シングルプレイヤモードの説明では、進入禁止エリアや障害物によって移動が制限されることで複数の分身キャラクタの距離が遠くなる例を説明したが、マルチプレイヤモードでは、このような他プレイヤが操作するキャラクタからの攻撃によっても一部の分身キャラクタの移動が制限されて、複数の分身キャラクタの間の距離が遠ざかることになる。
【0071】
(その他)
上記のシングルプレイヤモードと同様に、分身キャラクタの数には上限があるが、マルチプレイヤモードでは、第1プレイヤが操作するキャラクタと第2プレイヤが操作するキャラクタの総数に対して上限が設定されている。
【0072】
また、第1プレイヤが操作するキャラクタと第2プレイヤが操作するキャラクタが仮想空間内で所定の距離以上離れると、仮想空間内でゴールから遠い方のプレイヤが操作するキャラクタが画面から外れることになる。このようにして一方のプレイヤが操作するキャラクタが画面から外れ、さらに生存エリアからも外れた場合には、そのプレイヤが操作するキャラクタは強制的に先に進んでいる他のプレイヤが操作するキャラクタの場所まで戻される。このとき、戻されたプレイヤが操作する分身キャラクタは消滅し、1体のキャラクタのみとなる。
【0073】
上記では、本実施の形態のゲームを、仮想空間内でキャラクタを移動させてゴールに到着させることを目的とするゲームとして説明したが、本発明が適用されるゲームはこのようなゲームに限られない。本発明が適用されるゲームは、仮想空間内でキャラクタを操作して、敵キャラクタを倒すことを目的とする対戦型ゲームであってもよいし、仮想空間内でキャラクタを操作してパズルを解くことを目的とするパズル型ゲームであってもよく、他のタイプのゲームであってもよい。