(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある
<概要>
図1は、各実施の形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図1に示すように、実施の形態に係る情報処理システムは、マッサージメニューを生成する情報処理装置10と、情報処理装置10がマッサージメニューを生成する際に利用する各種情報(利用者の生体情報、利用者の行動情報、天気予報等の環境情報など)を保持する入力元装置20と、情報処理装置10から出力されるマッサージメニューを用いて各種処理を行う出力先装置30とを有する。
【0011】
入力元装置20は、例えば、生体センサ21、ウェアラブル端末22、又は情報公開サーバ23である。生体センサ21は、利用者の身体に装着され、装着された箇所の血流量等を測定することができる。ウェアラブル端末22は、例えばGPS、歩数計等の機能を有しており、ウェアラブル端末22を身に着けた利用者の行動履歴、及び利用者の行動範囲における環境情報を測定することができる。また、ウェアラブル端末22は、利用者が自己申告する行動履歴又は環境情報の入力を受け付けることもできる。情報公開サーバ23は、環境情報を公開しているサーバであり、例えば、インターネット上で気象予報(天気、気温、湿度、降水確率等)を公開しているサーバ(サイト)である。
【0012】
出力先装置30は、例えば、情報端末31、又はマッサージ機32である。情報端末31は、情報処理装置10が生成したマッサージメニューを表示する機能を有しており、利用者は、情報処理装置10の画面に表示されたマッサージメニューを施術者に見せることでマッサージの施術を受けるような利用形態が想定される。なお、情報端末31は、例えば、スマートフォン又はPC(Personal Computer)などであってもよい。マッサージ機32は、利用者の首、肩、腰などの部位に圧力を加えることで利用者にマッサージを施す機器である。本実施の形態におけるマッサージ機32は、情報処理装置10で生成されたマッサージメニューに従って利用者にマッサージを施すことを想定している。
【0013】
本実施の形態において、情報処理装置10は、利用者の生体情報、利用者の行動情報及び環境情報を入力元装置20から取得し、取得した生体情報、行動情報、及び環境情報のうち少なくとも1つ以上に基づいて、利用者の身体のコリ部位及びコリ度合いを推定するようにする。また、情報処理装置10は、推定された利用者の身体のコリ部位及びコリ度合いに基づいてマッサージメニューを生成し、生成されたマッサージメニューを出力先装置30に出力するようにする。
【0014】
<機能構成>
(情報処理装置)
図2は、各実施の形態に係る情報処理装置の機能構成の一例を示す図である。
図2に示すように、情報処理装置10は、取得部11と、推定部12と、生成部13と、出力部14と、記憶部15とを有する。
【0015】
取得部11は、マッサージメニューの生成に用いる各種情報(利用者の生体情報、利用者の行動情報、環境情報)を入力元装置20から取得し、記憶部15に格納する機能を有する。また、取得部11は、出力先装置30から、利用者に実際に施されたマッサージメニューを取得し、マッサージ履歴として記憶部15に格納する機能を有していてもよい。
【0016】
また、取得部11は、より具体的には、利用者の現在の生体情報と、利用者の行動情報と、現在の環境情報と、利用者のマッサージ履歴と、過去の環境情報と、未来の環境情報とを取得し、記憶部15に格納するようにしてもよい。また、取得部11は、生体センサ21から、利用者が実際にマッサージを受けている際の生体情報を取得し、記憶部15に格納するようにしてもよい。なお、取得部11は、入力元装置20が保持している各種情報が追加、更新されたタイミングで取得するようにしてもよいし、所定の間隔で取得するようにしてもよい。
【0017】
推定部12は、記憶部15に格納されている各種情報に基づいて、利用者の身体のコリ部位及びコリ度合いを推定する機能を有する。なお、推定部12は、未来の環境情報(天気予報等)に所定の環境条件(低気圧等)が存在し、更に、当該所定の環境条件が過去の環境情報にも存在する場合、当該所定の環境条件が過去の環境情報に存在した日付に対応するマッサージ履歴を更に用いて、利用者の身体のコリ部位及びコリ度合いを推定するようにしてもよい。
【0018】
また、推定部12は、利用者がマッサージを受けている際の生体情報を用いてマッサージ効果を推定するようにしてもよい。
【0019】
生成部13は、推定部12により推定された利用者の身体のコリ部位及びコリ度合いに基づいてマッサージメニューを生成する機能を有する。また、生成部13は、生成したマッサージメニューを、記憶部15に記憶されているマッサージ履歴に格納する。なお、生成部13は、推定部12によりマッサージ効果が十分でないと推定された場合、マッサージメニューを調整し、出力部14を介して調整後のマッサージメニューを出力先装置30に出力するようにしてもよい。
【0020】
出力部14は、生成部13により生成されたマッサージメニューを出力先装置30に出力する機能を有する。
【0021】
記憶部15は、HDD又はメモリ等により実現され、取得部11により取得された生体情報、行動情報及び環境情報を記憶する。また、記憶部15は、過去に生成部13により生成された過去のマッサージメニュー、又は、出力先装置30からフィードバックされた、利用者に実際に施された過去のマッサージメニューを示すマッサージ履歴を記憶する。
【0022】
<システムの動作例>
以下、システムの動作例を第一の実施の形態及び第二の実施の形態に分けて説明する。
【0023】
[第一の実施の形態]
次に、第一の実施の形態に係る情報処理システムの動作例を説明する。情報処理装置10は、記憶部15に記憶されている各種情報のうち、現在(現時点)における各種情報のみに基づいて、又は、現在における各種情報及び過去若しくは未来における各種情報の両方に基づいてマッサージメニューを作成する。
【0024】
(処理手順の一例)
図3は、第一の実施の形態における情報処理装置が行う推定処理の一例を示すフローチャートである。
図3を用いて、情報処理装置10がマッサージメニューを生成する際に行う処理手順について説明する。
【0025】
まず、推定部12は、記憶部15から利用者の生体情報を取得する(S101)。続いて、推定部12は、記憶部15から利用者の現在の行動情報及び現在の環境情報を取得する(S102)。続いて、推定部12は、現在(現時点)における各種情報のみに基づいてマッサージメニューを作成する場合、ステップS106の処理手順に進み、現在における各種情報及び過去若しくは未来における各種情報の両方に基づいてマッサージメニューを作成する場合、ステップS104の処理手順に進む(S103)。なお、情報処理装置10は、現在(現時点)における各種情報のみに基づいてマッサージメニューを作成するのか、現在における各種情報及び過去若しくは未来における各種情報の両方に基づいてマッサージメニューを作成するのかについて、利用者の指示により切替えるようにしてもよい。
【0026】
続いて、推定部12は、記憶部15から過去の環境情報、未来の環境情報又は/及び利用者の未来の行動情報を取得する(S104)。続いて、推定部12は、記憶部15から利用者のマッサージ履歴を取得する(S105)。
【0027】
続いて、推定部12は、取得した各種情報を用いて、利用者のコリ部位及びコリ度合いを推定する(S106)。なお、推定部12は、各収集データの値と、各収集データに対応する所定の閾値とを比較することで、利用者のコリ部位を推定するようにしてもよい。なお、各収集データの具体例及び各収集データから推定されるコリ部位についての詳細は後述する。
【0028】
コリ度合いは、例えば、複数の(現在、過去又は未来の)各種情報の各々より推定されるコリ部位を加算していくことで推定される。例えば、利用者の現在の血流量から推定されるコリ部位が、「首」及び「肩」であり、当日の歩数等から推定されるコリ部位が「肩」及び「腰」である場合、コリ部位及びコリ度合いは、「首:コリ度=1」、「肩:コリ度=2」、「腰:コリ度=1」であると推定されるようにしてもよい。また、コリ度合いは、複数の収集データの各々より推定されるコリ部位を単純に加算するのではなく、収集データごとに所定の重みづけ係数が乗算されるようにしてもよい。例えば、利用者の現在の血流量から推定されるコリ部位に対しては2倍の重みづけ係数が乗算されるようにした場合、上述のコリ部位及びコリ度合いは、「首:コリ度=2」、「肩:コリ度=3」、「腰:コリ度=1」であると推定されるようにしてもよい。
【0029】
また、現在の各種情報から推定されるコリ部位のコリ度合いと、過去又は未来の各種情報から推定されるコリ部位のコリ度合いとで、異なる重みづけ係数が乗算されるようにしてもよい。
【0030】
続いて、生成部13は、推定されたコリ部位及びコリ度に基づいてマッサージメニューを生成し、出力部14は、生成されたマッサージメニューを出力先装置30に出力する(S107)。生成部13は、推定されたコリ部位を全て含み、各コリ部位に対するコリ度に所定の時間を乗算することでマッサージメニューを生成するようにしてもよい。例えば、推定されたコリ部位及びコリ度合いが、「首:コリ度=2」、「肩:コリ度=3」、「腰:コリ度=1」であった場合、「首:10分、肩:15分、腰:5分」のマッサージメニューを生成するようにしてもよい。
【0031】
また、生成部13は、予めメモリ等に格納された複数のマッサージメニューから、推定されたコリ部位を全て含み、かつ、各コリ部位に対するコリ度合いのうち最もコリ度合いが大きいコリ部位が重点的にマッサージされるマッサージメニューを選択するようにしてもよい。
【0032】
以上、情報処理装置10がマッサージメニューを生成する際に行う処理手順について説明した。次に、現状(現在)における各種情報の具体例、過去又は未来における各種情報の具体例、及びこれらの各種情報から推定可能なコリ部位の具体例について説明する。
【0033】
(各種情報(現在)及び推定されるコリ部位の具体例)
図4は、マッサージメニュー生成に用いられる各種情報(現在)及び推定されるコリ部位の具体例を示す図である。情報処理装置10がマッサージメニューを推定する際に用いる各種情報(現在)には、大きく分けて利用者の現在の生体情報、利用者の現在の行動情報(ある一日の行動履歴を含む)、及び現在の環境情報(ある一日の環境情報を含む)がある。
【0034】
図4に示す「データ取得元」は、「収集データ」に示す情報を出力するセンサ等の一例であり、これらのセンサは入力元装置20に備えられている前提とする。「行動や症状の推定」は、利用者の行動又は利用者が感じる(感じていると想定される)症状を意味している。「推定コリ部位」は、利用者の身体におけるコリ部位の例を示しており、例えば、「収集データ」の値と、当該収集データに対応する所定の閾値とを比較することで推定される。なお、推定部12は、「収集データ」の値と所定の閾値と推定されるコリ部位とが対応づけられたマッピング情報を予め保持しておき、当該マッピング情報と、収集データの値とを比較することでコリ部位を推定するようにしてもよい。
【0035】
現在の生体情報は、利用者の身体に装着された生体センサ21から出力される情報である。生体センサ21が装着された部位で測定された血流量が少ない(又は血流速度が遅い、若しくは血液量が少ない)場合、血行不良により、当該部位にコリが発生していると推定してもよい。
図4の例では、利用者の首、肩、腰、及び頭に生体センサ21が装着されており、それぞれの部位における血流量が所定の閾値より少ない(又は血流速度が所定の閾値より遅い、若しくは血液量が所定の閾値より少ない)場合に、利用者の首、肩、腰又は頭にコリが発生していると推定できることを示している。なお、仮に、生体センサ21が一か所に装着されている場合、装着された部位のみについてコリが発生しているか否かが推定されるようにしてもよい。また、生体センサ21が利用者の指に装着されている場合は、具体的なコリ部位の推定が困難であると想定される。この場合、推定部12は、生体センサ21よるコリ部の推定を行わずに、他の各種情報によりコリ部の推定を行うようにしてもよい。
【0036】
なお、現在の生体情報において、生体センサにより測定される項目は、血流量(及び血液速度、血液量)に加えて、又は、血流量(又は血液速度、血液量)に代えて、心拍、脈拍数、皮膚温度、発汗量、脈波、脳波、血圧、又は体温であってもよい。
【0037】
現在の行動情報は、利用者が身に着けているウェアラブル端末22が備える各種センサから出力される情報である。推定部12は、加速度センサ、GPS又は歩数計から出力されるデータにより利用者の(ある一日の)歩数、利用者の(ある一日)の移動距離、利用者の(ある一日の)運動量と所定の閾値とを比較することでコリ部位を推定する。推定部12は、例えば、歩数が多く、移動距離が多く、かつ運動量が多い場合は利用者が「たくさん歩いた」と判断して脚及び腰にコリが発生していると推定し、歩数が低く、移動距離が少なく、かつ運動量が少ない場合は「座りっぱなし」であったと判断して肩及び腰にコリが発生していると推定し、歩数が多く、移動距離が少なく、かつ運動量が少ない場合は「立ちっぱなし」であったと判断して腰にコリが発生していると推定してもよい。
【0038】
同様に、推定部12は、心拍センサ又は脳波センサの出力値と所定の閾値とを比較することで、利用者の肩、腰又は頭にコリが発生しているのかを推定できる。また、推定部12は、モーションセンサの出力値と所定の閾値とを比較することで利用者の姿勢を判断し、利用者が猫背である場合は利用者の首及び肩にコリが発生しており、利用者が前屈みである場合は利用者の腰にコリが発生していると推定してもよい。
【0039】
また、推定部12は、睡眠センサの出力値と所定の閾値とを比較することで利用者の睡眠量及び睡眠の質を判断し、睡眠の質が悪い場合は利用者の足裏(ツボ)を刺激する必要があると推定し、寝つきが悪い場合は利用者の肩にコリが発生していると推定してもよい。また、推定部12は、心拍センサ又は非接触脈波検出センサの出力値と所定の閾値とを比較することで利用者の緊張度を判断し、利用者が継続的に緊張状態にあった場合は肩にコリが発生していると推定してもよい。また、推定部12は、眼電位センサの出力値と所定の閾値とを比較することで利用者の目が疲労しているかを判断し、目が疲労している場合、頭、首及び肩にコリが発生していると推定してもよい。
【0040】
また、推定部12は、パルスオキシメータ出力値と所定の閾値とを比較することで、又は利用者の自己申告により利用者の喫煙量を判断し、利用者の喫煙量が多い場合は肩、腰及び頭にコリが発生していると推定してもよい。
【0041】
現在の環境情報は、利用者が身に着けているウェアラブル端末22が備える各種センサから出力される情報、又は、情報公開サーバ23が公開している情報である。例えば、推定部12は、温湿度センサ又は情報公開サーバ23から得られた当日の気圧、気温及び湿度と所定の閾値とを比較し、利用者が体温を奪われるような環境に置かれていた場合、首、肩及び下半身全体にコリが発生していると推定してもよいし、当日が低気圧である場合は肩及び腰にコリが発生していると推定してもよい。
【0042】
また、推定部12は、騒音計、騒音測定アプリから得られる騒音量と所定の閾値とを比較し、利用者が騒がしい場所で緊張状態に置かれていた場合は、首及び肩にコリが発生していると推定してもよい。また、推定部12は、赤外線・二酸化炭素センサの出力値と所定の閾値とを比較することで、利用者が長時間人ごみの中に居たかを判断し、長時間人ごみの中に居た場合は、肩及び頭にコリが発生していると推定してもよい。
【0043】
以上、
図4を用いて、各種情報(現在)及び推定されるコリ部位の一例を説明したが、
図4はあくまで一例であり、推定部12は、
図4に示す例とは異なる部位にコリが発生していると推定してもよい。
【0044】
(各種情報(過去又は未来)及び推定されるコリ部位の具体例)
図5は、マッサージメニュー生成に用いられる各種情報(過去又は未来)及び推定されるコリ部位の具体例を示す図である。
【0045】
過去又は未来の行動情報は、ウェアラブル端末22等に保持されている利用者のスケジューラーから取得される情報である。推定部12は、スケジューラーに含まれる利用者の未来のイベントに基づいて、将来発生し得るコリ部位を推定する。
【0046】
例えば、スケジューラーの翌日の予定に複数の会議に参加する予定が含まれている場合、推定部12は、会議に参加することによる緊張等により利用者の首及び肩にコリが発生すると推定してもよい。
【0047】
また、例えば、スケジューラーの翌日の予定に遠距離の出張予定が含まれている場合、推定部12は、長時間の着座により肩及び腰にコリが発生すると推定してもよい。更に、移動手段が新幹線・飛行機等である場合、推定部12は、狭い椅子に長時間着座することで、肩及び腰に加えて下半身全体にもコリが発生すると推定してもよい。
【0048】
また、推定部12は、特定の行動パターンと当該特定の行動パターンに対応するコリ部位とを予め記憶しておき、スケジューラーから特定の行動パターンを抽出することでコリ部位を推定するようにしてもよい。例えば、スケジューラーの翌日以降の予定に、終日のデスクワークが連日続く予定が含まれている場合、推定部12は、長時間の着座により肩及び腰にコリが発生すると推定するようにしてもよい。また、推定部12は、長時間の着座に加え、長時間のPC操作による目の疲労により、首、肩及び腰にコリが発生すると推定するようにしてもよい。
【0049】
また、推定部12は、スケジューラーに、翌日の予定と同一の予定が過去の予定に存在する場合、マッサージ履歴から当該過去の予定と同一の日付に行われたマッサージメニューを取得し、取得したマッサージメニューからコリが発生し得る部位を推定するようにしてもよい。また、更に、取得したマッサージメニューにおける各部位のマッサージ時間から、コリが発生し得る部位のコリ度合いを推定し、推定されたコリ度合いを
図3のステップS106の処理手順にて加算するようにしてもよい。
【0050】
また、推定部12は、利用者の生年月日から予測されるバイオリズムから利用者の身体リズムにおける要注意日を特定し、現在の日付が要注意日に近い場合、身体全体にコリが発生すると推定してもよい。
【0051】
過去の環境情報は、利用者が身に着けているウェアラブル端末22に蓄積された過去の気象データ(気圧、気温及び湿度)の履歴、又は、情報公開サーバ23が公開している過去の気象データ(気圧、気温及び湿度)である。未来の環境情報は、情報公開サーバ23が公開している未来の気象データ(気圧、気温及び湿度)の予測値である。推定部12は、過去の環境条件と未来の環境情報とマッサージ履歴とを組み合わせることで、将来発生し得るコリ部位を推定してもよい。
【0052】
ここで、
図6を用いて推定処理の具体例を説明する。
図6(a)は、マッサージ履歴の一例であり、
図6(b)は過去の環境情報(過去の天気)の一例であり、
図6(c)は、未来の環境情報(天気予報)の一例である。なお、現在の日付は、例えば、5月15日前後であると仮定する。なお、
図6(a)において、「補正部位」とは、利用者によりマッサージメニューに追加された部位を示している。「時間」とは、マッサージメニュー全体の時間を示している。「追加メニュー」とは、マッサージ終了後に、利用者が自ら追加したマッサージ部位を示している。例えば、利用者が、マッサージ終了後にコリが解消されていないと感じた場合に、自ら追加したマッサージ部位を想定している。
【0053】
推定部12は、未来の(概ね1週間程度)の環境情報(天気予報)に所定の環境条件(例えば、低気圧)が存在するか否かを確認する。
図6(c)の例では、5月17日の気圧は980.8hPaであるため、推定部12は、概ね1週間程度の環境情報(天気予報)に低気圧が存在すると判断する。
【0054】
次に、推定部12は。所定の環境条件に合致する環境条件の日が過去の環境情報に存在するかを確認する。
図6(b)の例では、5月2日の気圧は980.4hPaであるため、推定部12は、5月2日に低気圧の日が存在したと判断する。
【0055】
続いて、推定部12は、その日におけるマッサージ履歴を取得し、取得したマッサージ履歴からコリ部位を推定する。
図6(a)の例では、推定部12は、5月2日のマッサージ履歴を取得する。5月2日のマッサージメニューは、足重点のマッサージメニューであり、更に、追加メニューとして「首」が追加されている。この場合、推定部12は、コリ部位は「足」及び「首」であると推定する。
【0056】
以上、
図5及び
図6を用いて、各種情報(過去又は未来)及び推定されるコリ部位の一例を説明したが、
図5及び
図6はあくまで一例であり、推定部12は、
図5及び
図6とは異なる部位にコリが発生していると推定してもよい。
【0057】
[第二の実施の形態]
次に、第二の実施の形態について図面に基づいて説明する。なお、第一の実施の形態と同一構成部分についての説明は省略する。また、特に言及しない点については、第一の実施の形態と同様でよい。
【0058】
第二の実施の形態は、情報処理装置10から出力されたマッサージメニューに基づいて利用者が実際にマッサージの施術を受けている状況を想定している。第二の実施の形態における情報処理装置10は、利用者に装着された生体センサ21からのフィードバックに基づいてマッサージメニューのチューニングを行うようにする。
【0059】
図7は、第二の実施の形態における情報処理装置が行う処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0060】
ステップS201の処理手順は、
図3のステップS101乃至ステップS107と同一であるため説明は省略する。続いて、ステップS201で出力されたマッサージメニューに基づき、利用者にマッサージが施される(S202)。
【0061】
続いて、情報処理装置10の取得部11は、利用者に装着された生体センサ21から、利用者の生体情報を取得する(S203)。取得される生体情報は、例えば、利用者の血流量、血流速度又は血液量である。続いて、推定部12は、取得された生体情報からマッサージ効果が十分であるか否かを推定する(S204)。マッサージ効果が十分であると推定した場合はステップS206に進み、マッサージ効果が十分ではないと推定した場合は、ステップS205に進む。例えば、推定部12は、ステップS201で推定された利用者のコリ部位における血流量が改善したか否かを判定することで、マッサージ効果が十分であるか否かを推定するようにしてもよい。なお、血流量が改善したか否かは、例えば、血流量が所定の閾値を上回っているか否かで判定するようにしてもよい。
【0062】
続いて、生成部13はマッサージメニューのチューニング(調整)を行い、出力部14は、チューニングされたマッサージメニューを出力先装置30に出力する(S205)。例えば、生成部13は、マッサージメニューのうち血流量が改善していない部位のマッサージ時間を増やすようにしてもよいし、全ての部位のマッサージ時間を少しずつ増やすようにしてもよいし、他の方法でチューニングするようにしてもよい。
【0063】
ステップS206で、出力部14は、マッサージ施術後の生体情報を利用者から参照可能にするため、ステップS203の処理手順で取得した生体情報を出力先装置30に出力する。出力された生体情報は、例えば、情報端末31の画面やマッサージ機32の画面に表示される。
【0064】
<まとめ>
以上説明した各実施の形態における情報処理装置10は、利用者の生体情報、利用者の行動情報及び環境情報を入力元装置20から取得し、取得した生体情報、行動情報及び環境情報の少なくとも1つ以上に基づいて、利用者の身体のコリ部位及びコリ度合いを推定するようにした。また、情報処理装置10は、推定された利用者の身体のコリ部位及びコリ度合いに基づいてマッサージメニューを自動生成し、生成されたマッサージメニューを出力先装置30に出力するようにした。これにより、利用者は、自身の状態に適したマッサージメニューの提供を受けることが可能になる。また、これにより、利用者は、マッサージメニューを自身で選択することなく、適切なマッサージの施術を受けることが可能になる。
【0065】
また、各実施の形態における情報処理装置10は、利用者の現在の生体情報、利用者の現在の行動情報又は現在の環境情報に加えて、未来の行動情報/環境情報を用いて利用者の身体のコリ部位及びコリ度合いを推定するようにした。これにより、利用者は、気象状況の変化に応じて将来発生し得る身体のコリを未然に防止することが可能になる。
【0066】
また、第二の実施の形態における情報処理装置10は、マッサージ施術中における利用者の生体情報に基づいてマッサージメニューのチューニング(調整)を行うことを可能にした。これにより、利用者は、より効果的なマッサージの施術を受けることが可能になる。
【0067】
また、第二の実施の形態における情報処理装置10は、マッサージ施術後の生体情報を出力先装置30に出力することを可能にした。これにより、利用者は、マッサージ後の生体情報(例えば血行状態)を把握することができ、マッサージ効果を視覚的に実感することができる。
【0068】
<実施形態の補足>
各実施の形態において、情報処理装置10が備える全機能を、情報端末31又はマッサージ機32が備えるようにしてもよい。
【0069】
本発明は、上記の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲内において、種々変更・応用が可能である。
【0070】
以上、実施の形態に係る情報処理装置10が有する機能は、情報処理装置10が備えるCPU及びメモリなどのハードウェア資源を用いて、情報処理装置10で実施される処理に対応するプログラムを実行することによって実現することが可能である。また、当該プログラムは、記憶媒体に格納することができる。