特許第6688097号(P6688097)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6688097
(24)【登録日】2020年4月7日
(45)【発行日】2020年4月28日
(54)【発明の名称】シート係止用凹凸波形線状部材
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/14 20060101AFI20200421BHJP
【FI】
   A01G9/14 N
【請求項の数】2
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-23288(P2016-23288)
(22)【出願日】2016年2月10日
(65)【公開番号】特開2017-139989(P2017-139989A)
(43)【公開日】2017年8月17日
【審査請求日】2019年1月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】515206218
【氏名又は名称】株式会社コテガワ
(74)【代理人】
【識別番号】100090088
【弁理士】
【氏名又は名称】原崎 正
(72)【発明者】
【氏名】小手川 昌次
【審査官】 田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭58−085945(JP,U)
【文献】 実開昭55−104927(JP,U)
【文献】 特開2000−175572(JP,A)
【文献】 実開平05−088244(JP,U)
【文献】 実開昭55−063650(JP,U)
【文献】 米国特許第04144622(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 9/14
F16F 1/00−1/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート係止蟻溝にシートを係止させて止めるシート係止用線状部材であって、シートを止めるためにシート係止蟻溝に取り付け時において、シート係止蟻溝の一方の溝縁辺に沿って長さ方向に延びる線状部材の中央部がシート係止蟻溝の溝幅方向内側に向けて凸状に湾曲し且つその中央部が蟻溝底面方向から蟻溝開口部方向に向けて凸状に湾曲した一側辺と、当該一側辺の一端部の一側辺一斜辺角部は溝幅方向内側に向けて斜め鈍角に曲がり、上記一側辺一斜辺角部から溝幅方向内側に向けて斜め鈍角に曲がる線状部材の中央部が蟻溝底面方向から蟻溝開口部方向に向けて凸状に湾曲した一斜辺と、当該一斜辺の一端部の一斜辺他側辺角部はシート係止蟻溝の他方の溝縁辺の長さ方向に鈍角に曲がり、上記一斜辺他側辺角部からシート係止蟻溝の他方の溝縁辺に沿って長さ方向に延びる線状部材の中央部がシート係止蟻溝の溝幅方向内側に向けて凸状に湾曲し且つその中央部が蟻溝底面方向から蟻溝開口部方向に向けて凸状に湾曲した他側辺と、当該他側辺の一端部の他側辺他斜辺角部は溝幅方向内側に向けて斜め鈍角に曲がり、上記他側辺他斜辺角部から溝幅方向内側に向けて斜め鈍角に曲がる線状部材の中央部が蟻溝底面方向から蟻溝開口部方向に向けて凸状に湾曲した他斜辺と、からそれぞれ構成され、当該他斜辺の一端部の他斜辺一側辺角部はシート係止蟻溝の一方の溝縁辺の長さ方向に鈍角に曲がって隣の一側辺に連なり、線状部材がシート係止蟻溝の長さ方向に一側辺、一斜辺、他側辺、他斜辺の順で折り曲げながら繰り返されて形成されることを特徴とするシート係止用凹凸波形線状部材。
【請求項2】
線状部材は断面円形からなる請求項1記載のシート係止用凹凸波形線状部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば農業用ビニールハウスのビニールシートなどのシートを、農業用ビニールハウスの骨組み付近に取り付けられたシート係止蟻溝に係止させて止める場合に使用するシート係止用凹凸波形線状部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
農業用ビニールハウスのビニールシートをビニールハウスの骨組み付近に取り付けられたシート係止蟻溝に係止させて止める部材として、例えば図6に示すようなシート係止用凹凸型線状部材が知られている。
図6(A)に示す平面図において、シート係止用凹凸型線状部材101は、線状部材の長さ方向に直線状の一側辺、その両側は幅方向にそれぞれ斜め向きに鈍角に折れ曲がった直線状の斜辺、両斜辺のそれぞれの先側は上記一側辺に平行になるように折れ曲がった直線状の他側辺、さらに両他側辺のそれぞれの先側は斜め上向きに鈍角に折れ曲がった直線状の斜辺、その斜辺の先側は上記直線状の一側辺と同一線上にある隣の一側辺となる凹凸型形状を形成し、この凹凸型形状が線状部材の長さ方向に繰り返された形状から構成されている。また、シート係止用凹凸型線状部材101は、図6(B)の側面図で図示されるように、凹凸のない直線状の形状から構成されている。
つまり、図6(C)の断面図で図示されるように、シート係止用凹凸型線状部材101は、シート係止蟻溝102の内部に取り付け時にその溝高さ方向になる凹凸型形状に垂直な方向が凹凸のない直線状の形状から構成されている。このシート係止用凹凸型線状部材101は、シート係止蟻溝102内の底面にビニールシートなどのシートaを上側から蟻溝底面に押さえ付けて係止さている。
なお、シート係止蟻溝102は、シートを蟻溝底面102aに係止させたシート係止用凹凸型線状部材101が蟻溝開口部102bから抜けて外れないように、蟻溝開口部102bは蟻溝底面102aよりその溝幅が狭く、蟻溝底面102aの左右両側面102cは蟻溝開口部102bに向けて斜め溝高さ方向の内側に傾斜している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−124526
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、シートをシート係止蟻溝の蟻溝底面に押さえ付けるシート係止用凹凸型線状部材には、蟻溝底面方向から蟻溝開口部方向の溝高さ方向に向けて抜けて外れようとするシートによって生じる力が常時作用している。つまり、シート係止用凹凸型線状部材には、その平面内の凹凸形状方向に垂直な溝高さ方向にシートからの力が作用している。シート係止用凹凸型線状部材は、蟻溝底面内で凹凸形状になっているが、これに垂直な溝高さ方向には凹凸のない直線状になっている。このため、シート係止用凹凸型線状部材は、蟻溝底面に垂直な溝高さ方向に対し曲げ剛性が余り高くなく、シートによって生じる蟻溝底面に対し溝高さ方向の力に十分に対応できず容易に変形して、シートをしっかりと蟻溝底面に押さえ付けることができず、これが原因でシートがシート係止蟻溝から抜けて外れることが考えられる。
【0005】
この発明は、上記のような課題に鑑み、その課題を解決すべく創案されたものであって、その目的とするところは、シート係止蟻溝内にシートを係止して止めるに当たり、特に蟻溝底面方向から蟻溝開口部側に向けて抜けて外れようとするシートによって生じる蟻溝底面から溝高さ方向への力に対し、シート係止蟻溝内にシートを係止する線状部材の蟻溝底面に対する垂直向きの溝高さ方向の曲げ剛性を高め、線状部材が蟻溝底面に垂直向きの溝高さ方向に容易に変形することなく確実にシートを押し止めて、シートが容易にシート係止蟻溝から抜けて外れるのを阻止することのできるシート係止用凹凸波形線状部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を達成するために、この発明は、シート係止蟻溝にシートを係止させて止めるシート係止用線状部材であって、シートを止めるためにシート係止蟻溝に取り付け時において、シート係止蟻溝の一方の溝縁辺に沿って長さ方向に延びる線状部材の中央部がシート係止蟻溝の溝幅方向内側に向けて凸状に湾曲し且つその中央部が蟻溝底面方向から蟻溝開口部方向に向けて凸状に湾曲した一側辺と、当該一側辺の一端部の一側辺一斜辺角部は溝幅方向内側に向けて斜め鈍角に曲がり、上記一側辺一斜辺角部から溝幅方向内側に向けて斜め鈍角に曲がる線状部材の中央部が蟻溝底面方向から蟻溝開口部方向に向けて凸状に湾曲した一斜辺と、当該一斜辺の一端部の一斜辺他側辺角部はシート係止蟻溝の他方の溝縁辺の長さ方向に鈍角に曲がり、上記一斜辺他側辺角部からシート係止蟻溝の他方の溝縁辺に沿って長さ方向に延びる線状部材の中央部がシート係止蟻溝の溝幅方向内側に向けて凸状に湾曲し且つその中央部が蟻溝底面方向から蟻溝開口部方向に向けて凸状に湾曲した他側辺と、当該他側辺の一端部の他側辺他斜辺角部は溝幅方向内側に向けて斜め鈍角に曲がり、上記他側辺他斜辺角部から溝幅方向内側に向けて斜め鈍角に曲がる線状部材の中央部が蟻溝底面方向から蟻溝開口部方向に向けて凸状に湾曲した他斜辺と、からそれぞれ構成され、当該他斜辺の一端部の他斜辺一側辺角部はシート係止蟻溝の一方の溝縁辺の長さ方向に鈍角に曲がって隣の一側辺に連なり、線状部材がシート係止蟻溝の長さ方向に一側辺、一斜辺、他側辺、他斜辺の順で折り曲げながら繰り返されて形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係るシート係止用凹凸波形線状部材によれば、シート係止用凹凸波形線状部材の一側辺及び他側辺は、それぞれ線状部材の中央部がシート係止蟻溝の溝幅方向内側に向けて凸状に湾曲し且つ蟻溝底面方向から蟻溝開口部方向に向けて凸状に湾曲し、シート係止用凹凸波形線状部材の一斜辺及び他斜辺は、それぞれ線状部材の中央部が蟻溝底面方向から蟻溝開口部方向に向けて凸状に湾曲しているので、蟻溝底面方向から蟻溝開口部方向つまり蟻溝底面方向から溝高さ方向に対してその凸状の湾曲によって高さを増して、その溝高さ方向の曲げ剛性を高めることができる。
これにより、シート係止用凹凸波形線状部材を使用してシート係止蟻溝内にシートを係止して止めるに当たり、特に蟻溝底面方向から蟻溝開口部方向に向けて抜けて外れようとするシートによって生じる蟻溝底面から蟻溝開口部向きへの力に対し、シート係止蟻溝内にシートを係止するシート係止用凹凸波形線状部材の蟻溝底面方向から蟻溝開口部方向つまり蟻溝底面方向から溝高さ方向への曲げ剛性を高め、シート係止用凹凸波形線状部材が蟻溝底面に垂直向きの溝高さ方向に容易に変形することなく確実にシートをシート係止蟻溝の内側に押し止めて、シートが容易にシート係止蟻溝から抜けて外れるのを阻止することができる。
これに加えて、シート係止用凹凸波形線状部材の一側辺及び他側辺の両端部のそれぞれの角部は、その下面側がシートを間に挟んで蟻溝底面の両溝縁辺に間接的に当たり、シートを蟻溝底面の両溝縁辺にそれぞれ押圧して押止することによって、また、一側辺及び他側辺の中央部の斜め溝高さ方向に凸状の湾曲する外側の側面がシートを間に挟んで両側の蟻溝側面に間接的に当たり、シートを両側の蟻溝側面にそれぞれ押圧して押止することによって、より確実にシートをシート係止蟻溝の内側に押し止めて、シートが容易にシート係止蟻溝から抜けて外れるのを阻止することができる等、極めて新規的有益なる効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】(A)〜(E)はこの発明を実施するための形態を示すもので、(A)はシート係止用凹凸波形線状部材の部分平面図、(B)は同図(A)の側面図、(C)は同図(A)のC−C矢視断面図、(D)は同図(A)のD−D矢視断面図、(E)は同図(A)のE−E矢視側面図である。
図2】(A)はこの発明を実施するための形態を示すシート係止用凹凸波形線状部材の平面図、(B)は同図(A)の側面図である。
図3】(A)はこの発明を実施するための形態を示すシート係止用凹凸波形線状部材でシートをシート係止蟻溝に取り付け時の断面図、(B)は同図(A)の分解断面図である。
図4】この発明を実施するための形態を示すシート係止用凹凸波形線状部材でシートをシート係止蟻溝に取り付け時の部分斜視図 この発明を実施するための形態を示す図である。
図5】(A)はこの発明を実施するための形態を示すシート係止用凹凸波形線状部材でシートをシート係止蟻溝に取り付け時の部分平面図、(B)は同図(A)の部分側面図、(C)は同図(A)の断面図である。
図6】(A)は従来のシート係止用凹凸型線状部材でシートをシート係止蟻溝に取り付け時の断面図、(B)は従来のシート係止用凹凸型線状部材の平面図、(C)は同図(B)の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に記載の発明を実施するための形態に基づいて、この発明をより具体的に説明する。
【0010】
図において、シート係止用凹凸波形線状部材1は、例えば農業用ビニールハウスのビニールシートなどのシートaを、シート係止蟻溝2に係止させて止める場合に使用するものである。シート係止蟻溝2は例えば農業用ビニールハウスの骨組み付近に取り付けられている。シートaはこのシート係止蟻溝2に係止されて止められることで、農業用ビニールハウスはその全体がシートaで覆われることになるのである。
【0011】
シートaがその内部で係止されるシート係止蟻溝2は、蟻溝底面21の底面溝幅に対してその出入り口となる蟻溝開口部22の開口幅は狭くなっている。つまり、シート係止蟻溝2は、蟻溝の両側面の蟻溝側面23及び蟻溝側面24は蟻溝底面21から蟻溝開口部22に向かってつまり溝高さ方向に向かって互いに溝の内側に向かって傾斜して、徐々にその溝幅が狭くなっていて、シートaがその内側から抜けにくくなっている。
【0012】
シート係止用凹凸波形線状部材1は、シート係止蟻溝2内にシートaを係止して止めるに当たり、特に蟻溝底面21方向から出入り口の蟻溝開口部22に向かって抜けて外れようとするシートaによって生じる蟻溝底面21方向から蟻溝開口部22方向に向けての力に対し、シート係止蟻溝2内にシートaを係止する線状部材1aの蟻溝底面21方向から蟻溝開口部22方向に向けて、つまり蟻溝底面21に垂直な溝高さ方向の曲げ剛性を高める構造になっている。この構造によって、シート係止用凹凸波形線状部材1は、蟻溝底面21方向から蟻溝開口部22方向に向けて、つまり蟻溝底面21に垂直な溝高さ方向に容易に変形することなく確実にシート係止蟻溝2の内側にシートを押し止めて、シートが容易にシート係止蟻溝2の蟻溝開口部22から抜けて外れるのを阻止する機能を果たす。
【0013】
シート係止用凹凸波形線状部材1は、例えば断面円形の長い線状部材1aを、一側辺11、一斜辺12、他側辺13、他斜辺14、再び隣側の、一側辺11、一斜辺12、他側辺13、他斜辺14、・・・の順に折り曲げ形成し、これを長さ方向にわたって何度も繰り返すことで形成される。シート係止用凹凸波形線状部材1に使用する線形部材1aの材質には、金属製、樹脂製などが用いられる。線状部材1aには直径が例えば2mm〜5mmのものが使用される。特に線状部材1aが金属材料の場合には、雨水などによって錆びないように側周面は防水性樹脂で被覆されたものが使用される。
【0014】
また、線状部材1aの材質の樹脂製としては、例えば合成樹脂モノフィラメントなどが使用されることがある。合成樹脂モノフィラメントは、強度や耐久性、さらに耐水性にすぐれている。特に耐水性に優れていることは生け簀用網として使用されていることで実証済みである。この合成樹脂モノフィラメントには耐久性や強度に優れた例えばポリエステルが使用される。合成樹脂モノフィラメントの線状部材1aには、直径が例えば2mm〜5mmのものが使用される。
【0015】
シート係止用凹凸波形線状部材1の折り曲げ形成される一部を構成する上記の一側辺11は、シート係止蟻溝2の蟻溝底面21の一方の溝縁辺23aに沿って長さ方向に延びる線状部材1aの中央部11aがシート係止蟻溝2の蟻溝底面21の溝幅方向内側に向けて凸状に湾曲し且つその中央部11aが蟻溝底面21方向から蟻溝開口部22方向に向けてつまり蟻溝底面21方向から溝高さ方向に向けて凸状に湾曲した構成から形成されている。つまり、一側辺11の中央部11aは、シート係止蟻溝2の断面方向からみたとき、斜め溝高さ方向の内側向きに傾いている。
【0016】
一側辺11の中央部11aの傾き角度α1は、蟻溝底面21の一方の溝縁辺23aから内側に、且つ、蟻溝底面21から溝高さ方向に傾いて形成された蟻溝側面23の傾き角度β1より僅かに大きくなるように曲げ形成されている。溝縁辺23aでの蟻溝底面21に対する中央部11a及び蟻溝側面23の傾き角度は共に90度よりも小さく、90度>α1>β1となる。
【0017】
一側辺11が形成される線状部材1aは弾性を有している。このため、シート係止用凹凸波形線状部材1をシート係止蟻溝2の内部に取り付けたとき、蟻溝側面23に相対面する一側辺11の蟻溝底面21方向から蟻溝開口部22方向に向けてつまり溝高さ方向に向けて凸状に湾曲する中央部11aを有する外向きの側面11bは蟻溝側面23に向けて押圧した状態になる。この一側辺11の斜め溝高さ向きに凸状に湾曲する外側の側面11bと蟻溝側面23との間にシートaの一部が挟まれるが、蟻溝側面23に向けて押圧する一側辺11の外側の側面11bと蟻溝側面23との間でシートaの一部は斜め溝高さ向きに凸状に湾曲する曲線状に沿って確りと挟圧されることになり、シートaは外れにくくなっている。
【0018】
一側辺11の溝高さ方向に凸状に湾曲する中央部11aを有する線状部材1aは、従来の湾曲しない直線状の線状部材に比べて、シート係止蟻溝2の内部で蟻溝底面21方向から蟻溝開口部22方向に向けて、つまり蟻溝底面21方向から溝高さ方向にその分高くなり、その高くなったことによって、シート係止蟻溝2の断面方向での溝高さ方向に対する曲げ剛性が大きくなる。すなわち、溝高さ方向に対する曲げ剛性は、高さの3乗に比例するので、中央部11aの高さが従来に比べて仮に2倍になると、曲げ剛性は数倍大きくなり、シートaから生じる溝高さ方向への力に対し、一側辺11の線状部材1aは従来の線状部材に比べて数倍は変形しにくくなって、シートaはシート係止蟻溝2から外れにくくなる。
【0019】
シート係止用凹凸波形線状部材1の折り曲げ形成される一部を構成する上記の一斜辺12は、上記一側辺11の一端部となる一側辺一斜辺角部15からシート係止蟻溝2の蟻溝底面21の溝幅方向内側に向けて斜め鈍角に曲がる平面からみて、つまり蟻溝開口部22方向から蟻溝底面21方向をみて、直線状の線状部材1aの中央部12aが蟻溝底面21方向から蟻溝開口部22方向に向けて凸状に湾曲した構成から形成されている。
【0020】
つまり、上記一側辺一斜辺角部15はシート係止蟻溝2の蟻溝底面21の溝幅方向内側に向けて斜め鈍角に曲がっているが、この曲がった位置に一斜辺12は形成されている。一側辺一斜辺角部15は一側辺11と一斜辺12の境界部分になり、その鈍角な内角の角度は例えば120度前後である。
【0021】
シート係止蟻溝2内へのシート係止用凹凸波形線状部材1の取り付け時において、平面からみてつまり蟻溝開口部22方向から蟻溝底面21方向をみて、一斜辺12は蟻溝底面21を線状部材1aが斜め直線状に横断するように位置する。これに対して、上記平面に垂直な方向のシート係止蟻溝2の断面方向からみると、線状部材1aの中央部12aが蟻溝底面21方向から蟻溝開口部22方向に向けて凸状に湾曲した形状に形成されている。
【0022】
一斜辺12の蟻溝底面21方向から蟻溝開口部22方向に向けて凸状に湾曲する中央部12aを有する線状部材1aは、従来の溝高さ方向に湾曲しない直線状の線状部材に比べて、シート係止蟻溝2の内部で蟻溝底面21方向から蟻溝開口部22方向に向けてつまり蟻溝底面21から溝高さ方向にその分高くなり、その高くなったことによって、シート係止蟻溝2の断面方向での溝高さ方向に対する曲げ剛性が大きくなる。すなわち、溝高さ方向に対する曲げ剛性は、高さの3乗に比例するので、中央部12aの高さが従来に比べて仮に2倍になると、曲げ剛性は数倍大きくなり、シートaから生じる上向きの力に対し、一斜辺12の線状部材1aは従来の線状部材に比べて数倍は変形しにくくなって、シートaはシート係止蟻溝2から外れにくくなる。
【0023】
シート係止用凹凸波形線状部材1の折り曲げ形成される一部を構成する上記の他側辺13は、シート係止蟻溝2の蟻溝底面21の他方の溝縁辺24aに沿って長さ方向に延びる線状部材1aの中央部13aがシート係止蟻溝2の蟻溝底面21の溝幅方向内側に向けて凸状に湾曲し且つその中央部13aが蟻溝底面21方向から蟻溝開口部22方向に向けてつまり蟻溝底面21方向から溝高さ方向に向けて凸状に湾曲した構成から形成されている。つまり、他側辺13の中央部13aは、シート係止蟻溝2の断面方向からみたとき、斜め溝高さ方向の内側向きに傾いている。
【0024】
上記一斜辺他側辺角部16はシート係止蟻溝2の蟻溝底面21の他方の溝縁辺24aの長さ方向に鈍角に曲がっているが、この曲がった位置に他側辺13は形成されている。一斜辺他側辺角部16は一斜辺12と他側辺13の境界部分になり、その鈍角な内角の角度は例えば120度前後である。このとき、一斜辺12の両端側の角部15,16に鈍角な角度で曲がっている一側辺11と他側辺13とは、反対方向に曲がっている。
【0025】
他側辺13の中央部13aの傾き角度α2は、蟻溝底面21の他方の溝縁辺24aから内側に、且つ、蟻溝底面21から溝高さ方向に傾いて形成された蟻溝側面24の傾き角度β2より僅かに大きくなるように曲げ形成されている。溝縁辺24aでの蟻溝底面21に対する中央部13a及び蟻溝側面24の傾き角度は共に90度よりも小さく、90度>α2>β2となる。
【0026】
なお、他側辺13の中央部13aの傾き角度α2は、前記の一側辺11の中央部11aの傾き角度α1とほぼ対称関係になっており、α2≒α1である。同様に、蟻溝底面21の他方の溝縁辺24aから内側に、且つ、蟻溝底面21から溝高さ方向に傾いて形成された蟻溝側面24の傾き角度β2は、前記の蟻溝底面21の一方の溝縁辺23aから内側に、且つ、蟻溝底面21から溝高さ方向に傾いて形成された蟻溝側面23の傾き角度β1とほぼ対称関係になっており、β2≒β1である。
【0027】
他側辺13が形成される線状部材1aは弾性を有している。このため、シート係止用凹凸波形線状部材1をシート係止蟻溝2の内部に取り付けたとき、蟻溝側面24に相対面する他側辺13の蟻溝底面21方向から蟻溝開口部22方向に向けてつまり溝高さ方向に向けて凸状に湾曲する中央部13aを有する外側の側面13bは蟻溝側面24に向けて押圧した状態になる。この他側辺13の斜め溝高さ向きに凸状に湾曲する外側の側面13bと蟻溝側面24との間にシートaの一部が挟まれるが、蟻溝側面24に向けて押圧する他側辺13の外側の側面13bと蟻溝側面24との間でシートaの一部は斜め溝高さ向きに凸状に湾曲する曲線状に沿って確りと挟圧されることになり、シートaは外れにくくなっている。
【0028】
他側辺13の溝高さ方向に凸状に湾曲する中央部13aを有する線状部材1aは、従来の湾曲しない直線状の線状部材に比べて、シート係止蟻溝2の内部で蟻溝底面21方向から蟻溝開口部22方向に向けて、つまり蟻溝底面21方向から溝高さ方向にその分高くなり、その高くなったことによって、シート係止蟻溝2の断面方向での溝高さ方向に対する曲げ剛性が大きくなる。すなわち、溝高さ方向に対する曲げ剛性は、高さの3乗に比例するので、中央部13aの高さが従来に比べて仮に2倍になると、曲げ剛性は数倍大きくなり、シートaから生じる溝高さ方向への力に対し、他側辺13の線状部材1aは従来の線状部材に比べて数倍は変形しにくくなって、シートaはシート係止蟻溝2から外れにくくなる。
【0029】
シート係止用凹凸波形線状部材1の折り曲げ形成される一部を構成する上記の他斜辺14は、上記他側辺13の一端部となる他側辺他斜辺角部17からシート係止蟻溝2の蟻溝底面21の溝幅方向内側に向けて斜め鈍角に曲がる平面からみて、つまり蟻溝開口部22方向から蟻溝底面21方向をみて、直線状の線状部材1aの中央部14aが蟻溝底面21方向から蟻溝開口部22方向に向けて凸状に湾曲した構成から形成されている。
【0030】
つまり、上記他側辺他斜辺角部17はシート係止蟻溝2の蟻溝底面21の溝幅方向内側に向けて斜め鈍角に曲がっているが、この曲がった位置に他斜辺14は形成されている。他側辺他斜辺角部17は他側辺13と他斜辺14の境界部分になり、その鈍角な内角の角度は例えば120度前後である。
【0031】
シート係止蟻溝2内へのシート係止用凹凸波形線状部材1の取り付け時において、平面からみてつまり蟻溝開口部22方向から蟻溝底面21方向をみて、他斜辺14は蟻溝底面21を線状部材1aが斜め直線状に横断するように位置する。これに対して、上記平面に垂直な方向のシート係止蟻溝2の断面方向からみると、線状部材1aの中央部14aが蟻溝底面21方向から蟻溝開口部22方向に向けて凸状に湾曲した形状に形成されている。
【0032】
他斜辺14の蟻溝底面21方向から蟻溝開口部22方向に向けて凸状に湾曲する中央部14aを有する線状部材1aは、従来の溝高さ方向に湾曲しない直線状の線状部材に比べて、シート係止蟻溝2の内部で蟻溝底面21方向から蟻溝開口部22方向に向けてつまり蟻溝底面21から溝高さ方向にその分高くなり、その高くなったことによって、シート係止蟻溝2の断面方向での溝高さ方向に対する曲げ剛性が大きくなる。すなわち、溝高さ方向に対する曲げ剛性は、高さの3乗に比例するので、中央部14aの高さが従来に比べて仮に2倍になると、曲げ剛性は数倍大きくなり、シートaから生じる上向きの力に対し、一斜辺14の線状部材1aは従来の線状部材に比べて数倍は変形しにくくなって、シートaはシート係止蟻溝2から外れにくくなる。
【0033】
上記他斜辺14の一端部となる他斜辺一側辺角部18はシート係止蟻溝2の蟻溝底面21の一方の溝縁23aの長さ方向に鈍角に曲がっているが、この曲がった位置に隣の別の新たな一側辺11が形成されている。上記他斜辺一側辺角部18は他斜辺14と新たな隣の一側辺11の境界部分になり、その鈍角な内角の角度は例えば120度前後である。このとき、他斜辺14の両端側に鈍角な角度で曲がっている他側辺13と別の新たな隣の一側辺11とは、反対方向に曲がっている。別の新たな隣の一側辺11の構成は前記の一側辺11の構成と同一である。
【0034】
以下、シート係止用凹凸波形線状部材1は、一側辺11、一斜辺12、他側辺13、他斜辺14の順で長さ方向に繰り返しながら延設されている。
【0035】
次に、上記発明を実施するための形態の構成に基づく作用について以下説明する。
例えば農業用ビニールハウスのビニールシートなどのシートaを、農業用ビニールハウスの骨組み付近に取り付けられるシート係止蟻溝2に係止させて止める作業においては、先ずシートaの一部をシート係止蟻溝2の内部にその長さ方向にわたって挿入する一方で、挿入されたシートaの上側からシート係止用凹凸波形線状部材1をシート係止蟻溝2の内部に押し込んでシートaを上側から蟻溝底面21に押止する。
【0036】
シート係止蟻溝2の蟻溝開口部22の溝幅間隔は、蟻溝底面21の溝幅より狭く、またシート係止蟻溝2の内部に押し込まれるシート係止用凹凸波形線状部材1の両幅側となる一側辺11と他側辺13の幅間隔より狭い。このため、シート係止用凹凸波形線状部材1は一側辺11又は他側辺13の何れかを下向きして傾けて、蟻溝開口部22からシート係止蟻溝2の内部に挿入される。
【0037】
例えば、シート係止用凹凸波形線状部材1の一側辺11を下向きに傾けて挿入した場合には、一側辺11をシートaの上側から蟻溝底面21の一方の溝縁辺23aに向けて押止し、それから、他側辺13を同じようにシートaの上側から蟻溝底面21の幅方向の向かい合う他方の溝縁辺23aに向けて押止する。
【0038】
これにより、シート係止用凹凸波形線状部材1の一側辺11の両端部の一側辺一斜辺角部15と他斜辺一側辺角部18は、その下面側がシートaを間に挟んで蟻溝底面21の一方の溝縁辺23aに間接的に当たり、シートaを蟻溝底面21の一方の溝縁辺23aに押圧して押止する。同様に、シート係止用凹凸波形線状部材1の他側辺13の両端部の一斜辺他側辺角部16と他側辺他斜辺角部17は、その下面側がシートaを間に挟んで蟻溝底面21の他方の溝縁辺24aに間接的に当たり、シートaを蟻溝底面21の他方の溝縁辺24aに押圧して押止する。
【0039】
このとき、シート係止用凹凸波形線状部材1をシート係止蟻溝2の内部に押し込む過程で、一側辺11の外側の側面11bが先にシートaを間に挟んで蟻溝側面23に間接的に当たることになるが、シート係止用凹凸波形線状部材1の線状部材1aは弾性を有するため、一側辺11は一時的にシート係止用凹凸波形線状部材1の中心側となる内側に向けて変形することでシート係止蟻溝2の内部に押し込むことができる。同様に、他側辺13の外側の側面13bがシートaを間に挟んで蟻溝側面24に間接的に当たることになるが、線状部材1aは弾性を有するため、他側辺13は一時的にシート係止用凹凸波形線状部材1の中心側となる内側に向けて変形することでシート係止蟻溝2の内部に押し込むことができる。
【0040】
シート係止用凹凸波形線状部材1の両幅側の一側辺11と他側辺13は一時的にその内側に向けて変形しながら、シートaを挟んでシート係止蟻溝2の蟻溝底面21側に取り付けられると、それぞれ弾性復帰して、一側辺11の外側の側面11bはシートaの一部を蟻溝側面23に向けて押圧して押止し、同様に、他側辺13の外側の側面13bはシートaの一部を蟻溝側面24に向けて押圧して押止する。
【0041】
このように、シートaをシート係止蟻溝2の内部に押圧しながら押止して係止させるシート係止用凹凸波形線状部材1は、両幅側の一側辺11の中央部11aと他側辺13の中央部13a、及び両者を連結する一斜辺12の中央部12aと他斜辺14の中央部14aが、それぞれ蟻溝底面21に対して垂直な溝高さ方向に凸状になっている。このため、シート係止用凹凸波形線状部材1は、全体として蟻溝底面21の垂直な溝高さ方向に対して曲げ剛性が高まり、シートaによって生じる蟻溝底面21の溝高さ方向への力に対して、蟻溝底面21の溝高さ方向に容易に変形せず十分に抵抗して押圧し続け、シートaがシート係止蟻溝2から抜け出すのを阻止することができる。
【0042】
なお、この発明は上記発明を実施するための形態に限定されるものではなく、この発明の精神を逸脱しない範囲で種々の改変をなし得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0043】
1 シート係止用凹凸波形線状部材
1a 線状部材
11 一側辺
11a 中央部
11b 側面
12 一斜辺
12a 中央部
13 他側辺
13a 中央部
13b 側面
14 他斜辺
14a 中央部
15 一側辺一斜辺角部
16 一斜辺他側辺角部
17 他側辺他斜辺角部
18 他斜辺一側辺角部
2 シート係止蟻溝
21 蟻溝底面
22 蟻溝開口部
23 蟻溝側面
23a 溝縁辺
24 蟻溝側面
24a 溝縁辺
a シート
図1
図2
図3
図4
図5
図6