特許第6688110号(P6688110)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6688110
(24)【登録日】2020年4月7日
(45)【発行日】2020年4月28日
(54)【発明の名称】外科デバイス用枢動機構
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20200421BHJP
【FI】
   A61B17/072
【請求項の数】13
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2016-42067(P2016-42067)
(22)【出願日】2016年3月4日
(65)【公開番号】特開2016-174899(P2016-174899A)
(43)【公開日】2016年10月6日
【審査請求日】2019年2月13日
(31)【優先権主張番号】14/661,001
(32)【優先日】2015年3月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ローマン ツェルニク
【審査官】 山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】 特表2015−513978(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/151888(WO,A1)
【文献】 米国特許第08439246(US,B1)
【文献】 特開2011−083618(JP,A)
【文献】 特開2013−255804(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第104042270(CN,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0012640(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0098968(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/072
A61B 17/064
A61B 17/068
A61B 17/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科デバイスとの使用のための枢動機構であって、該枢動機構は、
少なくとも1つの円形アパーチャを含む第1のジョー部材と、
少なくとも1つの正方形状アパーチャを含む第2のジョー部材と、
該第1のジョー部材の該少なくとも1つの円形アパーチャおよび該第2のジョー部材の該少なくとも1つの正方形状アパーチャを係合し、その結果、該第1のジョー部材が該第2のジョー部材に枢動可能に結合されるように構成されている枢動ピンと
を備え
該第1のジョー部材の該少なくとも1つの円形アパーチャは、該第2のジョー部材の該少なくとも1つの正方形状アパーチャの横方向外側に配される、枢動機構。
【請求項2】
前記第1のジョー部材の前記少なくとも1つの円形アパーチャは、2つの円形アパーチャを含む、請求項1に記載の枢動機構。
【請求項3】
前記第2のジョー部材の前記少なくとも1つの正方形状アパーチャは、2つの正方形状アパーチャを含む、請求項1に記載の枢動機構。
【請求項4】
前記第2のジョー部材の前記少なくとも1つの正方形状アパーチャは、丸い部分によって相互接続されている隣接線形壁を有する4つの線形壁を含む、請求項1に記載の枢動機構。
【請求項5】
前記枢動ピンは、近位部分におけるヘッドと、遠位部分における先端部と、該ヘッドと該先端部との間の本体とを含み、該本体全体は、一定の外側直径を含む、請求項1に記載の枢動機構。
【請求項6】
前記本体は、前記先端部と接触している、請求項5に記載の枢動機構。
【請求項7】
前記先端部全体は、円錐形である、請求項6に記載の枢動機構。
【請求項8】
前記第1のジョー部材は、アンビルアセンブリであり、前記第2のジョー部材は、カートリッジアセンブリである、請求項1に記載の枢動機構。
【請求項9】
外科デバイスであって、該外科デバイスは、
ハンドルアセンブリと、
該ハンドルアセンブリから遠位に延在する細長い本体と、
該細長い本体の遠位端部に隣接して配されているローディングユニットであって、該ローディングユニットは、円形アパーチャを有する第1のジョー部材と、正方形状アパーチャを有する第2のジョー部材とを含む、ローディングユニットと、
該円形アパーチャおよび該正方形状アパーチャと機械的に協働して配される枢動ピンと
を備え
該第1のジョー部材の該円形アパーチャは、該第2のジョー部材の該正方形状アパーチャの横方向外側に配される、外科デバイス。
【請求項10】
前記枢動ピンの本体は、前記正方形状アパーチャと機械的に協働して配され、該本体全体は、円筒形構成を有する、請求項に記載の外科デバイス。
【請求項11】
前記第2のジョー部材の前記正方形状アパーチャは、丸い部分によって相互接続されている隣接線形壁を有する4つの線形壁を含む、請求項に記載の外科デバイス。
【請求項12】
前記枢動ピンは、近位部分におけるヘッドと、遠位部分における先端部と、それらの間に配されている本体とを含み、該本体全体は、均一な外側直径を有する、請求項に記載の外科デバイス。
【請求項13】
前記第1のジョー部材は、アンビルアセンブリであり、前記第2のジョー部材は、カートリッジアセンブリである、請求項に記載の外科デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、外科デバイスに関連し、より具体的には、外科デバイスとの使用のための枢動機構に関連し、枢動機構は、枢動ピンと、カートリッジアパーチャと、アンビルアパーチャとを含む。
【背景技術】
【0002】
(関連技術の背景)
対向しているジョー構造間で組織を把持およびクランプし、後に組織を接合、切断および留める外科デバイスは、当該技術分野において周知である。そのようなデバイスは、組織を捕捉またはクランプするために使用される2つの細長い部材を含むことが可能である。典型的には、その部材のうちの1つは、複数のステープルを収容するステープルカートリッジを支える一方で、他の部材は、ステープルがステープルカートリッジから駆動されたときにステープルを形成するための表面を規定するアンビルを有する。概して、ステープル留め動作は、カム部材を有するカムバー、駆動スレッド、または他の類似する機構によって達成され、カム部材は、ステープルカートリッジを通って長手方向に進み、ステープルプッシャに対して作用し、それによりステープルをステープルカートリッジから連続して押し出す。カム部材は、移動させられ、カム部材を長手方向に移動させることによって接触される態様で位置付けられかつグルーブ内に位置するステープルプッシャと係合し、それにより、外科デバイスのステープルカートリッジからのステープルの押し出しを達成する。
【0003】
典型的には、外科ステープル留めデバイスは、ステープルデバイスが発射される度にデバイスの後の再使用のために取り替えられなければならないステープルカートリッジまたはローディングユニット(例えば、使い捨てローディングユニット)を含む。外科手術が、小さな切り口を通して、または、皮膚における小さな切り口を通して挿入される狭いカニューレを通して行われる内視鏡手術または腹腔鏡手術において、カートリッジまたはローディングユニットの取り替えは、切り口またはカニューレからのステープル留めデバイスの取り外しと、カートリッジまたはローディングユニットの取り替えと、切り口またはカニューレ内へのステープル留めデバイスの再挿入とを要求する。内視鏡外科ステープル留めデバイスの例が、例えば、Millimanらの米国特許第8,070,033号に開示されており、この出願の内容全体が、参照により、本明細書に援用される。
外科デバイスの枢動するジョー部材の製造、組立および動作を容易にするために、枢動機構を含む外科デバイスを提供することは、有益である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第8,070,033号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(要旨)
本開示は、外科デバイスとの使用のための枢動機構に関連する。枢動機構は、第1のジョー部材と、第2のジョー部材と、枢動ピンとを含む。第1のジョー部材は、少なくとも1つの円形アパーチャを含む。第2のジョー部材は、少なくとも1つの正方形状アパーチャを含む。枢動機構は、第1のジョー部材の少なくとも1つの円形アパーチャおよび第2のジョー部材の少なくとも1つの正方形状アパーチャを係合し、その結果、第1のジョー部材が第2のジョー部材に枢動可能に結合されるように構成されている。
【0006】
開示されている実施形態において、第1のジョー部材の少なくとも1つの円形アパーチャは、2つの円形アパーチャを含む。第2のジョー部材の少なくとも1つの正方形状アパーチャは、2つの正方形状アパーチャを含むことがさらに開示されている。
【0007】
本開示の実施形態において、第2のジョー部材の少なくとも1つの正方形状アパーチャは、丸い部分によって相互接続されている隣接線形壁を有する4つの線形壁を含む。
【0008】
本開示は、枢動ピンが、近位部分におけるヘッドと、遠位部分における先端部と、ヘッドおよび先端部の間の本体とを含む実施形態も含む。本体全体は、一定の外側直径を含む。本体が先端部に接触していることと、先端部全体が円錐形であることとが開示されている。
【0009】
開示されている実施形態において、第1のジョー部材の少なくとも1つの円形アパーチャは、第2のジョー部材の少なくとも1つの正方形状アパーチャの横方向外側に配されている。
【0010】
第1のジョー部材は、アンビルアセンブリであり、第2のジョー部材は、カートリッジアセンブリであることがさらに開示されている。
【0011】
本開示は、ハンドルアセンブリと、ハンドルアセンブリから遠位に延在する細長い本体と、細長い本体の遠位端部に隣接して配されており、かつ、円形アパーチャを有する第1のジョー部材および正方形状アパーチャを有する第2のジョー部材を含むローディングユニットと、円形アパーチャおよび正方形状アパーチャと機械的に協働して配される枢動ピンとを備えている外科デバイスにも関連する。
【0012】
開示されている実施形態において、枢動ピンの本体は、正方形状アパーチャと機械的に協働して配され、本体全体は、円筒形構成を有する。
【0013】
第2のジョー部材の正方形状アパーチャは、丸い部分によって相互接続されている隣接線形壁を有する4つの線形壁を含むことがさらに開示されている。
【0014】
本開示は、枢動ピンが、近位部分におけるヘッドと、遠位部分における先端部と、それらの間に配されている本体とを含む実施形態も含む。本体全体は、均一な外側直径を有する。
【0015】
開示されている実施形態において、第1のジョー部材の円形アパーチャは、第2のジョー部材の正方形状アパーチャの横方向外側に配されている。
【0016】
第1のジョー部材は、アンビルアセンブリであり、第2のジョー部材は、カートリッジアセンブリであることがさらに開示されている。
本発明は、例えば以下を提供する:
(項目1)
外科デバイスとの使用のための枢動機構であって、該枢動機構は、
少なくとも1つの円形アパーチャを含む第1のジョー部材と、
少なくとも1つの正方形状アパーチャを含む第2のジョー部材と、
該第1のジョー部材の該少なくとも1つの円形アパーチャおよび該第2のジョー部材の該少なくとも1つの正方形状アパーチャを係合し、その結果、該第1のジョー部材が該第2のジョー部材に枢動可能に結合されるように構成されている枢動ピンと
を備えている、枢動機構。
(項目2)
前記第1のジョー部材の前記少なくとも1つの円形アパーチャは、2つの円形アパーチャを含む、上記項目に記載の枢動機構。
(項目3)
前記第2のジョー部材の前記少なくとも1つの正方形状アパーチャは、2つの正方形状アパーチャを含む、上記項目のいずれかに記載の枢動機構。
(項目4)
前記第2のジョー部材の前記少なくとも1つの正方形状アパーチャは、丸い部分によって相互接続されている隣接線形壁を有する4つの線形壁を含む、上記項目のいずれかに記載の枢動機構。
(項目5)
前記枢動ピンは、近位部分におけるヘッドと、遠位部分における先端部と、該ヘッドと該先端部との間の本体とを含み、該本体全体は、一定の外側直径を含む、上記項目のいずれかに記載の枢動機構。
(項目6)
前記本体は、前記先端部と接触している、上記項目のいずれかに記載の枢動機構。
(項目7)
前記先端部全体は、円錐形である、上記項目のいずれかに記載の枢動機構。
(項目8)
前記第1のジョー部材の前記少なくとも1つの円形アパーチャは、前記第2のジョー部材の前記少なくとも1つの正方形状アパーチャの横方向外側に配される、上記項目のいずれかに記載の枢動機構。
(項目9)
前記第1のジョー部材は、アンビルアセンブリであり、前記第2のジョー部材は、カートリッジアセンブリである、上記項目のいずれかに記載の枢動機構。
(項目10)
ハンドルアセンブリと、
該ハンドルアセンブリから遠位に延在する細長い本体と、
該細長い本体の遠位端部に隣接して配されているローディングユニットであって、該ローディングユニットは、円形アパーチャを有する第1のジョー部材と、正方形状アパーチャを有する第2のジョー部材とを含む、ローディングユニットと、
該円形アパーチャおよび該正方形状アパーチャと機械的に協働して配される枢動ピンと
を備えている、外科デバイス。
(項目11)
前記枢動ピンの本体は、前記正方形状アパーチャと機械的に協働して配され、該本体全体は、円筒形構成を有する、上記項目のいずれかに記載の外科デバイス。
(項目12)
前記第2のジョー部材の前記正方形状アパーチャは、丸い部分によって相互接続されている隣接線形壁を有する4つの線形壁を含む、上記項目のいずれかに記載の外科デバイス。
(項目13)
前記枢動ピンは、近位部分におけるヘッドと、遠位部分における先端部と、それらの間に配されている本体とを含み、該本体全体は、均一な外側直径を有する、上記項目のいずれかに記載の外科デバイス。
(項目14)
前記第1のジョー部材の前記円形アパーチャは、前記第2のジョー部材の前記正方形状アパーチャの横方向外側に配される、上記項目のいずれかに記載の外科デバイス。
(項目15)
前記第1のジョー部材は、アンビルアセンブリであり、前記第2のジョー部材は、カートリッジアセンブリである、上記項目のいずれかに記載の外科デバイス。
(摘要)
外科デバイスとの使用のための枢動機構は、第1のジョー部材と、第2のジョー部材と、枢動ピンとを含む。第1のジョー部材は、少なくとも1つの円形アパーチャを含む。第2のジョー部材は、少なくとも1つの正方形状アパーチャを含む。枢動機構は、第1のジョー部材の少なくとも1つの円形アパーチャおよび第2のジョー部材の少なくとも1つの正方形状アパーチャを係合し、その結果、第1のジョー部材が第2のジョー部材に枢動可能に結合されるように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本明細書の一部に組み込まれかつ本明細書の一部を成す添付図面は、本開示の実施形態を示しており、上記の本開示の概要および下記の実施形態の詳細な説明と一緒に、本開示の原則を説明するのに役に立つ。
【0018】
図1図1は、本開示に従った例示的な外科ステープル留め装置の斜視図である。
【0019】
図2図2は、図1の外科ステープル留め装置の斜視図であり、使い捨てローディングユニットが引き離されており、シャフトが90°回転されている。
【0020】
図3図3は、図1の外科ステープル留め装置の使い捨てローディングユニットの斜視図である。
【0021】
図4図4は、切断線4−4に沿ってとられた、図3の使い捨てローディングユニットの断面図である。
【0022】
図4A図4aは、切断線4−4に沿ってとられた、図3の使い捨てローディングユニットの断面図であり、中心チャネルに配されているナイフアセンブリと、アンビルアセンブリとを示している。
【0023】
図5図5は、本開示に従った2つのプレートプッシャの斜視図である。
【0024】
図6図6は、図3の使い捨てローディングユニットのカートリッジアセンブリの斜視図である。
【0025】
図7図7は、図6のカートリッジアセンブリの分解図であり、1対のカートリッジと、キャリアとを示している。
【0026】
図8図8は、図7のカートリッジのうちの一方の分解図であり、2つのカートリッジ半体と、カートリッジ支持チャネルとを示している。
【0027】
図9図9は、図8のカートリッジ半体のうちの一方の分解図であり、プッシャと、付勢部材と、取り外されたステープルとを示している。
【0028】
図10図10は、詳細領域10によって指し示されている、図8のカートリッジ半体のうちの一方の遠位端部の部分分解拡大図である。
【0029】
図11図11は、切断線11−11に沿ってとられた、図6のカートリッジアセンブリの断面図である。
【0030】
図12図12は、詳細領域12によって指し示されている、図11のカートリッジアセンブリの遠位端部部分の拡大図である。
【0031】
図13図13は、図11のカートリッジアセンブリの発射カムアセンブリのトップダウン図である。
【0032】
図14図14は、図13の発射カムアセンブリの斜視図である。
【0033】
図15図15は、図14の発射カムアセンブリの分解図である。
【0034】
図16図16は、切断線16−16に沿ってとられた、図6のカートリッジアセンブリの側面断面図である。
【0035】
図17図17図19は、図4における詳細領域17、18、19によって指し示されている、図4のカートリッジアセンブリの拡大断面図であり、保持スロットの発射および再装填を示している。
図18図17図19は、図4における詳細領域17、18、19によって指し示されている、図4のカートリッジアセンブリの拡大断面図であり、保持スロットの発射および再装填を示している。
図19図17図19は、図4における詳細領域17、18、19によって指し示されている、図4のカートリッジアセンブリの拡大断面図であり、保持スロットの発射および再装填を示している。
【0036】
図20図20は、本開示の外科ステープル留め装置のツールアセンブリの代替的な実施形態の側面斜視図である。
【0037】
図20A図20Aは、図20の切断線20A−20Aに沿ってとられた断面図である。
【0038】
図21図21は、図20に示されているツールアセンブリのカートリッジアセンブリのカートリッジ本体の側面斜視図であり、カートリッジは、2つの本体半体に分離されている。
【0039】
図22図22は、図20に示されているカートリッジ本体の一方の半体の分解側面斜視図である。
【0040】
図22A図22Aは、図22に示されているカートリッジアセンブリの第2の付勢部材の主要側面斜視図である。
【0041】
図23図23は、図21に示されているカートリッジ本体半体の側面斜視図であり、カートリッジ支持チャネルは、取り外されている。
【0042】
図24図24は、図23に示されているカートリッジ本体半体の側面斜視図であり、第1の付勢部材および第2の付勢部材は、カートリッジ本体半体から離間している。
【0043】
図25図25は、第1の付勢部材および第2の付勢部材と関連付けられる、図22に示されているステープルマガジンの側面斜視図である。
【0044】
図26図26は、満杯のステープルマガジンを有する、図21の切断線26−26に沿ってとられた断面図である。
【0045】
図27図27は、満杯のステープルマガジンを有する、図26に示されているカートリッジ本体半体の部分断面側面斜視図である。
【0046】
図28図28は、使い切ったステープルマガジンを有する、図21のカートリッジ本体半体を通してとられた断面図である。
【0047】
図29図29は、図1に示されているツールアセンブリのカートリッジ本体半体の側面斜視図であり、カートリッジ本体半体は、想定線で示されており、発射カムアセンブリの遠位端部は、ステープルプッシャの近位に位置付けられている。
【0048】
図29A図29Aは、図29の切断線29A−29Aに沿ってとられた断面図である。
【0049】
図29B図29Bは、図29Aに示されている指し示された詳細領域の拡大図である。
【0050】
図30図30は、図22に示されているカートリッジアセンブリのカートリッジ本体半体のカムセパレータの側面斜視図である。
【0051】
図31図31は、カムセパレータおよびカム駆動バーならびに想定線でのカム経路を示しているカートリッジ本体半体の概略平面図である。
【0052】
図32図32は、本開示の実施形態に従った、枢動機構を含むローディングユニットの斜視組み立て図である。
【0053】
図33図33は、図32の枢動機構を含むローディングユニットの組み立てられた斜視図である。
【0054】
図34図34は、図32に指し示されている枢動機構の枢動ピンの背面斜視図である。
【0055】
図35図35は、図34の枢動ピンの正面斜視図である。
【0056】
図36図36は、図34および図35の枢動ピンの側面図である。
【0057】
図37図37は、図33の線37−37に沿ってとられた、枢動機構の断面図である。
【0058】
図38図38は、図34図36の枢動ピンと係合されるカートリッジアセンブリの側面図である。
【0059】
図39図39は、図37の線39−39に沿ってとられた、枢動機構の断面図である。
【0060】
図40図40は、本開示の更なる実施形態に従った、枢動機構の枢動ピンの斜視図である。
【0061】
図41図41は、枢動ピンの別の実施形態の斜視図である。
【0062】
図42図42は、ローディングユニットと係合される、図41の枢動ピンの断面図である。
【0063】
図43図43は、図42の線43−43に沿ってとられる断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
(実施形態の詳細な説明)
本開示の外科ステープル留め装置の実施形態が、図面を参照して詳細にこれから記載され、図面において、同様の数字は、いくつかの図の各々における同一または対応する要素を指し示す。当該技術分野において一般的であるように、用語「近位(proximal)」は、部品または構成要素がユーザまたは操作者(すなわち、外科医または内科医)により近いことを言う一方で、用語「遠位(distal)」は、部品または構成要素がユーザからさらに遠いことを言う。
【0065】
図1および図2は、本開示の外科ステープル留めデバイス10の1つの実施形態を示している。手短に言えば、外科ステープル留めデバイス10は、ハンドルアセンブリ12と、細長い本体14と、ローディングユニット(例えば、使い捨てローディングユニット)16とを含む。ローディングユニット16は、細長い本体14の遠位端部に解放可能に固定され、ツールアセンブリ18を含む。ツールアセンブリ18は、複数のステープルを収容するカートリッジアセンブリ20と、離間した位置と近接した位置との間でカートリッジアセンブリ20に対して枢動的に固定されるアンビルアセンブリ22とを含む。ハンドルアセンブリ12は、不動ハンドル24と、移動可能ハンドル26と、バレル部分28とを含む。回転可能部材30が、バレル部分28の遠位端部上で回転可能に支持されている。回転可能部材30は、細長い本体14の近位端部を支持しており、回転可能部材30は、ハンドルアセンブリ12のバレル部分28に対して回転可能であり、それにより、ハンドルアセンブリ12に対する本体14およびツールアセンブリ18の回転を達成する。回転可能部材30は、関節運動レバー32を支持し、バレル部分28は、後退部材34と、発射解放ボタン35とを支持している。ハンドルアセンブリ12は、例えば、Millimanらの米国特許第8,070,033号(「‘033特許」)により詳細に記載されており、この出願は、参照により、その全体が本明細書に援用される。
【0066】
図2を参照すると、本体14は、さらに詳細に後述されるローディングユニット16の発射カムアセンブリ300の結合部材307(図14)に結合される制御ロッド15を支持している。解放スイッチ15aが、ローディングユニット16の細長い本体14からの脱離を容易にするために、ハンドルアセンブリ12の回転可能部材30上に提供されている。本体14のより詳細な説明のために、参照により本明細書に援用された‘033特許を参照されたい。
【0067】
図3を参照すると、ローディングユニット16は、本体部分14(図1および図2)の遠位端部を解放可能に係合するように適合させられている近位ハウジング部分100を含む。据え付け部材102が、ハウジング部分100の遠位端部に枢動的に固定され、据え付け部材102は、ツールアセンブリ18の近位端部を係合および支持するように構成され、その結果、ハウジング部分100の長手方向軸に対して直角を成す軸周りでの据え付けアセンブリ102の枢動的移動が、ツールアセンブリ18の関節運動を達成する。据え付けアセンブリ102の詳細な説明のために、例えば、‘033特許を参照のこと。
【0068】
図3図10を参照すると、ツールアセンブリ18は、カートリッジアセンブリ20と、カートリッジアセンブリ20に枢動的に接続されるアンビルアセンブリ22とを含む。アンビルアセンブリ22は、複数のステープル形成ポケット22a(図18)を規定し、ステープル形成ポケット22aの各々は、カートリッジアセンブリ20からステープルを受け取るように位置付けられている。適したアンビルアセンブリ22の例が、‘033特許に詳細に記載されている。カートリッジアセンブリ20は、細長い支持チャネル204(図7)を定義しかつ1対のステープルカートリッジ206、208を受け取るキャリア202を含む。ステープルカートリッジ206、208に沿って形成されるタブ210、および、細長い支持チャネル204に沿って形成される対応するスロット212は、ステープルカートリッジ206、208を支持チャネル204内に保持するように機能する。各ステープルカートリッジ206、208に沿って形成される支持ストラット214が、キャリア202の側壁上にあるように位置付けられ、それにより、支持チャネル204内でステープルカートリッジ206、208を安定させる。
【0069】
ここで図6および図7を参照すると、ステープルカートリッジ206、208は、カートリッジ206、208の各々の遠位端部部分216において相互に結合するように構成されており、それにより、中心長手方向スロット252を規定する。スロット252は、カートリッジアセンブリ20を通るナイフアセンブリ308(図14)の通過を容易にする。ステープルカートリッジ206、208のうちの一方の遠位端部部分216の表面上に形成されている内側穴222が、ステープルカートリッジ206、208のうちの他方の遠位端部部分216の表面上に形成されている内側タブ224を受け取るように構成されている。内側穴222および内側タブ224は、相互に結合されたときにステープルカートリッジ206、208を整列させるように機能する。タブ210、スロット212およびストラット214と併せて内側穴222および内側タブ224も、キャリア202の細長い支持チャネル204内で長手方向に係止された位置にステープルカートリッジ206、208を維持するように機能する。
【0070】
各ステープルカートリッジ206、208は、内側半体と外側半体とを含む。図8は、ステープルカートリッジ208の内側半体226と外側半体228とを示している。我々は、ステープルカートリッジ206の内側半体および外側半体が、半体226および半体228の鏡像であり、本明細書に特に記載されていないことに留意する。内側半体226および外側半体228は、相互に結合されるように構成されている。各半体226、228は、複数のステープル110またはプッシャ108を受け取るために半体に形成された保持スロット230を含む。ステープル110の各々は、先端部110dを有する1対のレッグ112と、バックスパン110eとを含む。保持スロット230は、列を成して整列させられ、その結果、内側半体226および外側半体228が相互に結合されると、3列の保持スロット230が、ステープルカートリッジ206、208の各々によって規定される。ステープルカートリッジ206、208が、保持スロット230のより少ない列または追加の列を含み得ることが考慮される。
【0071】
ステープルカートリッジ208の外側半体228は、保持スロット230の第1の列234と、保持スロット230の第2の列236の少なくとも一部分236aとを含む。ステープルカートリッジ208の内側半体226は、保持スロット230の第3の列238と、保持スロット230の第2の列236の少なくとも残りの部分236bとを含む。外側半体228および内側半体226が相互に結合されると、保持スロット230の第2の列236は、ステープルカートリッジ208の内側半体226の部分236aと外側半体228の部分236bとの各々によって部分的に規定される。1つの実施形態において、図8に示されているように、ステープルカートリッジ208の内側半体226の部分236aおよび外側半体228の部分236bは、互い違いに、第2の列236の保持スロット230を規定する。
【0072】
ステープルカートリッジ208の内側半体226および外側半体228の各々は、複数のフランジ240と、複数のチャネル242とを含む。各フランジ240は、第2の列236の保持スロット230を規定する。チャネル242は、第2の列236の保持スロット230が長手方向に整列させられるように内側半体226がステープルカートリッジ208の外側半体228に結合されるときに、フランジ240を受け取るように構成されている。図8に示されているように、チャネル242およびフランジ240は、内側半体226および外側半体228の各々の長さに沿って互い違いであり得る。代替的に、内側半体226および外側半体228の各々のフランジ240の保持スロット230は、長手方向軸から少しオフセットされ得、その結果、それぞれの内側半体226および外側半体228のフランジ240の保持スロット230は、実質的に長手方向に整列させられない。
【0073】
ここで図6図8を参照すると、各カートリッジ206、208は、内側半体226および外側半体228を受け取るように寸法取りおよび構成されているカートリッジ支持チャネル254を含む。カートリッジ支持チャネル254は、内側半体226および外側半体228を長手方向整列において相互に係合した状態に維持するように構成されている。内側半体226および外側半体228は、カートリッジ支持チャネル254を受け取るために寸法取りおよび構成されている陥凹区域256を含み、その結果、カートリッジ支持チャネル254は、内側半体226および外側半体228の側面258に対して実質的に整列させられる。これは、各カートリッジ206、208に追加の幅を追加することなく、相互に結合された内側半体226および外側半体228を維持し、それによって、カートリッジアセンブリ20全体の最小幅を維持するのに役立つ。
【0074】
再び図4を参照すると、実施形態において、カートリッジ206、208は、各々、段差付けされた組織接触表面104を含む。例えば、外側組織接触表面104a、中間組織接触表面104bおよび内側組織接触表面104cが、段差付けされた構成を形成する。各組織接触表面104a〜104cは、支持チャネル254の底面106から測定されたときに相互に異なる高さを有する。具体的には、組織接触表面104a〜104cは、相互に実質的に平行である平坦表面であるが、相互に同一平面上にはない。第1の壁表面が、組織接触表面104aと組織接触表面104bとを相互接続する一方で、第2の壁表面が、組織接触表面104bと組織接触表面104cとを相互接続する。第1の壁表面および第2の壁表面は、平坦構造であり、各壁表面は、組織接触表面104a〜104cによって規定される平面に対する軸を規定する。1つの実施形態において、内側半体226および外側半体228が相互に結合されたときに、内側組織接触表面104cは、各カートリッジ206、208の内側半体226上で規定され、外側組織接触表面104aは、各カートリッジ206、208の外側半体228上で規定され、中間組織接触表面104bは、内側半体226および外側半体228のフランジ240によって規定される。
【0075】
内側組織接触表面104cは、最大高さを有し、外側組織接触表面104aは、最小高さを有し、中間組織接触表面104bは、外側組織接触表面104aの高さと内側組織接触表面104cの高さとの間の高さを有する(図4参照のこと)。組織接触表面104a〜104cは、最外組織接触表面104aから最内組織接触表面104cまで高さが増大するように示されているが、各組織接触表面の高さが特定の外科手術に応じて変化し得ることは、本開示の範囲内である。例えば、組織接触表面104a〜104cは、最内組織接触表面104cから最外組織接触表面104aまで高さが増大し得るか、中間組織接触表面104bが最大高さを有し得るか、中間組織接触表面104bが最小高さを有し得るか、または、組織接触表面104a〜104cのうちの少なくとも2つが同じ高さを有し得る。
【0076】
図4に見られるように、各列234、236、238の保持スロット230は、異なる大きさを有するステープル110を含み得る。例えば、第1の列234の保持スロット230に配されている外科ステープル110aのレッグ112aは、第1のレッグ長さを有し得、第2の列236の保持スロット230に配されている外科ステープル110bのレッグ112bは、第2のレッグ長さを有し得、第3の列238の保持スロット230に配されている外科ステープル110cのレッグ112cは、第3のレッグ長さを有し得る。具体的には、外科ステープル110a〜110cは、各カートリッジの最内列238から最外列234まで高さが増大する。1つの実施形態において、外科ステープル110cのレッグ112cは、約2.3mmのレッグ長さを有し、外科ステープル110bのレッグ112bは、約3.5mmのレッグ長さを有し、外科ステープル110aのレッグ112aは、約4.1mmのレッグ長さを有する。したがって、内側組織接触表面104cは、最大高さを有し、かつ、最短レッグ長さを有する外科ステープル110cを保持し、外側組織接触表面104aは、最小高さを有し、かつ、最長レッグ長さを有する外科ステープル110aを保持する。組織接触表面104の段差は、中間組織接触表面104bにおいて漸進的に下向きであり、次いで、外側組織接触表面104aにおいて再び漸進的に下向きである。いくつもの配置が可能であることが、想定され、かつ本開示の範囲内である。本明細書に開示されている実施形態のいずれにおいても、カートリッジ(単数または複数)は、異なる大きさのステープルを含むことが可能であるか、または、カートリッジ(単数または複数)は、全てが同じ大きさであるステープルを有することが可能である。組織接触表面は最外組織接触表面から最内組織接触表面まで高さが増大し、かつ外科ステープルは最内列から最外列まで高さが増大する外科装置の更なる詳細が、例えば、Holstenらの米国特許第7,726,538号に開示されており、この出願の内容全体が、参照により、本明細書に援用される。
【0077】
ここで図4および図8図10を参照すると、ステープルカートリッジ208の内側半体226および外側半体228の各保持スロット230は、それらと連動するステープルマガジン244を有する。各ステープルマガジン244は、ステープルカートリッジ206、208内に規定される陥凹部248と、複数のステープル110と、付勢部材246とを含む。付勢部材246は、それぞれの保持スロット230の方へ複数のステープル110を付勢および推進するように位置付けられる。上述されているように、保持スロット230は、ステープルカートリッジ206、208に沿って3つの異なる列234、236および238に整列される。上述されているように、保持スロット230の各列は、異なる大きさのステープル110を受け取り得る。しかしながら、各ステープルマガジン244の中のステープル110は、同じ大きさであるべきである。ここで図10を参照すると、ステープルマガジン244の陥凹部248は、概して、ステープル110を中に受け取るために「U」型または「H」型のチャネル248を規定する。チャネル248は、1対の垂直セグメント248a、248bおよび水平セグメント248cを含む。図5を参照すると、チャネル248内に配されている各ステープル110は、垂直向きに維持されており、先端部110dは、それぞれのカートリッジ206、208の組織接触表面104の方へ方向付けられている。この位置において、各マガジン244のステープル110の各々のバックスパン110eは、チャネル248の水平セグメント248c上にあり、ステープル110のレッグ112は、垂直セグメント248aおよび垂直セグメント248b内に配される。チャネル248の構成は、ステープル110がマガジン244からそれぞれの保持スロット230内へ装填されるときに、ステープル110が発射のために適切に組織接触表面104に面することを確実にする。
【0078】
各ステープルマガジン244は、ステープルマガジン244の複数のステープル110に対して付勢部材246を固定するように付勢部材246の一部を受け取るチャネル244aも規定する。各付勢部材246は、チャネル244aから、各マガジン244の複数のステープル110を支持するチャネル248の垂直セグメント248aおよび垂直セグメント248bのうちの少なくとも1つの中へ延在するように構成されている。付勢部材246は、複数のステープル110を係合し、それぞれの保持スロット230の方へ複数のステープル110を推進する。別個の付勢部材246が各垂直セグメント248aおよび垂直セグメント248b内へ延在し得ることが考慮される。示されている実施形態(図10)において、付勢部材246は、1対のレッグ246b、246cとバックスパン246dとを含む。1対のレッグ246b、246cは、付勢部材246がマガジン244のチャネル244a内へ挿入されると、チャネル248の垂直セグメント248a、248b内へ延在する。
【0079】
再び図4および図10を参照すると、付勢部材246のレッグ246bおよびレッグ246cが、チャネル244aを通して挿入されて複数のステープル110と係合するとき、レッグ246bおよびレッグ246cは、外向きに変形され、それにより、それぞれの保持スロット230と垂直整列する位置へ複数のステープル110を付勢する。付勢部材246は、実質的に垂直な態様でチャネル244a内へ挿入され、ばね鋼などの任意の弾力的な材料または可撓な材料から形成され得る。
【0080】
代替的に、付勢部材246は、各マガジン244に配されている複数のステープル110をそれぞれの保持スロット230の方へ付勢するための任意の適した機構(上述されているように、例えば、ばね、弾力的な部材、または他の類似する付勢要素を含む)を含み得る。実質的に「U」形状を有する板ばね246aとして示されているが、付勢部材246が、マガジン244に配されたステープル110を保持スロット230の方へ付勢する使用に適した他の形状を有し得ることが考慮される。
【0081】
ここで図4図5および図9を参照すると、複数のプッシャ108が、カートリッジ206、208の内側半体226および外側半体228の各々の中に配されている。各プッシャ108は、プッシャプレート108cを含み、プッシャプレート108cは、それぞれの保持スロット230内にスライド可能に位置付けられ、ステープルマガジンの複数のステープル110のうちの1つのステープルと係合している。各プッシャプレート108cは、それぞれの保持スロット230を通って並進し、それにより、保持スロット230に配されているステープル110を、組織接触表面104におけるそれぞれの開口部230aを通して、アンビルアセンブリ22とカートリッジアセンブリ20との間に配される組織を通して、アンビルアセンブリ22のステープル形成ポケット22a(図18)に向かって推進するように構成されている。
【0082】
1つの実施形態において、図4に示されているように、第1の列234の保持スロット230に配されているプッシャプレート108cは、第1の大きさを有し得、第2の列236の保持スロット230に配されているプッシャプレート108cは、第2の大きさを有し得、第3の列238の保持スロット230に配されているプッシャプレート108cは、第3の大きさを有し得る。例えば、第1の列234のプッシャプレート108cは、第2の列236のプッシャプレート108cより小さいこともあり、第2の列236のプッシャプレート108cは、第3の列238のプッシャプレート108cより小さいこともある。異なる大きさのプッシャプレート108cを提供することは、プッシャプレート108cが、異なる大きさを有するステープル110a〜110cを収容することを可能にし、かつ/または、プッシャプレート108cが、保持スロット230の列234、236および238と関連付けられる組織接触表面104a〜cと関連付けられる異なる高さを収容することを可能にする。各プッシャ108のプッシャプレート108cは、代替的には、同じ大きさであり得る。ステープルカートリッジがカートリッジ支持チャネル内に据えられる前に、トレイまたは他の部材が、プッシャの位置を維持するために提供され得る。
【0083】
図5も参照すると、各プッシャ108は、1つ以上の保持スロット230と関連付けられ、その結果、それらの作動時に、プッシャ108は、保持スロット230の1つ以上の列から開口部230aを通して1つ以上のステープル110を発射し得る。例えば、プッシャ108aは、2つのプッシャプレート108cを含み、かつ、保持スロット230の2つの隣接する列から2つのステープル110を同時に発射するように構成されている。図9に示されているように、カートリッジ半体226、228は、2つ以上のタイプのプッシャを含み得、例えば、2つの保持スロット230との連動のために構成されているプッシャ108a(2つのプッシャプレート108cを含む)は、それぞれの列234、236、238の両端に配され得、保持スロット230の2つの隣接する列における3つの保持スロット230との連動のために構成されているプッシャ108b(3つのプッシャプレート108cを含む)は、それぞれの列234、236、238の端部間に配され得る。2つおよび3つの保持スロットプッシャ108a、108bが任意の順序で含められ得る代替的な配置が可能であることが考慮される。代替的に、たった1つのタイプのプッシャ108(例えば、2つの保持スロットとの使用のために構成されているプッシャ108aのみ、または、3つの保持スロットとの使用のために構成されているプッシャ108bのみ)が使用され得る。このように、各保持スロット230は、中に配されているファスナ110を発射するように構成されているプッシャ108と連動される。各プッシャ108が、たった1つのプッシャプレート108cを含み得、かつ単一の保持スロット230のみと関連付けられ得るか、または、プッシャ108が、複数の保持スロット230との使用のために構成されている複数のプッシャプレート108cを含み得ることが代替的に考慮される。
【0084】
ここで図11図19を参照すると、発射カムアセンブリ300が、ローディングユニット16の近位ハウジング100内に少なくとも部分的に配されており、かつ、ツールアセンブリ18内へ延在する。より詳細に後述されるように、発射カムアセンブリ300は、ハンドルアセンブリ12と動作的に通じて配され、かつ、ハンドルアセンブリ12の作動時に、ツールアセンブリ18を通って遠位におよび近位に並進するように構成されている。
【0085】
ここで図11図15を参照すると、発射カムアセンブリ300は、その遠位端部に配されている発射カム304a〜dを有する複数の駆動バー302と、その遠位端部に配されているナイフアセンブリ308を有する中心駆動部材306とを含む。ナイフアセンブリ308は、上フランジ306aと、底フランジ306bと、ナイフ刃308cとを有する実質的にI型の断面を規定し得る。上述されているように、ステープルカートリッジ206、208の間に規定される中心長手方向スロット252は、カートリッジアセンブリ20の長さに沿って延在し、それにより、中心駆動部材306およびナイフアセンブリ308の通過を容易にする。ここで図4Aを参照すると、上フランジ306aは、アンビルアセンブリ22の長手方向スロット22bを通って並進するように構成されており、底フランジ306bは、キャリア202の下側202aに沿って長手方向に並進するように構成されている。
【0086】
各カートリッジ206、208の各半体226、228(図11および図12)は、少なくとも部分的にそこを通って延在する長手方向スロット250を含み、それにより、長手方向スロット250を通る、発射カムアセンブリ300の駆動バー302および発射カム304a〜dのうちの1つの通過に適応する。例えば、各スロット250が、単一の駆動バー302および発射カム304の通過に適応し得るか、または、複数の駆動バー302および発射カム304の通過に適応し得ることが考慮される。
【0087】
図4Aも参照すると、外科ステープル留め装置10の動作中、発射カムアセンブリ300がローディングユニット16を通って並進するとき、アンビルアセンブリ22とカートリッジアセンブリ20とを相互に近接させるように、ナイフアセンブリ308は、長手方向スロット250を通って並進し、上フランジ306aは、アンビルアセンブリ22の長手方向スロット22aを通って並進し、底フランジ306bは、キャリア202の下側202aに沿って並進する。ナイフアセンブリ308がスロット250を通って並進すると、ナイフ刃308cは、スロット250に隣接してアンビルアセンブリ22とカートリッジアセンブリ20との間に配されている組織の一部を断つ。
【0088】
図16図19も参照すると、発射カムアセンブリ300がローディングユニット16を通って並進すると、発射カムアセンブリ300の駆動バー302は、各ステープルカートリッジ206、208の各半体226、228の長手方向スロット250を通って並進する。発射カム304は、前進させられ、保持スロット230と関連付けられるプッシャ108と連続的に接触し、それにより、ステープル形成のために、保持スロット230内で垂直にプッシャプレート108cを並進させ、ステープル110を、組織接触表面104における開口部230aを通して、アンビルアセンブリ22とカートリッジアセンブリ20との間に配されている組織を通して、アンビルアセンブリ22のステープル形成ポケット22aに向かって保持スロット230から推進させる。
【0089】
ここで図17図19を参照すると、発射中、プッシャプレート108cが、対応する保持スロット230を通って、発射位置へ並進させられると、プッシャプレート108cは、保持スロット230とマガジン244との間の開口部232を少なくとも部分的に塞ぐかまたは覆い、それにより、発射ストロークが完了するまで、マガジン244によって新しいファスナ110を保持スロット230に再装填するのを妨げる。プッシャプレート108cが、保持スロット230の基部における、プッシャプレート108cの発射前の位置へ戻ると、開口部232は、マガジン244に対して露わにされるかまたはあけられ、そして、付勢部材246の付勢力「F」に因り、マガジン244から次のステープル110を受け取る。マガジン244からの次のステープル110は、プッシャプレート108cがその発射前の位置の方へ戻ると、開口部232を通して保持スロット230内で少なくとも部分的に受け取られ得、そこでは、例えば、次のステープル110の先端部110dが、バックスパン110eが開口部232を通して保持スロット230内で受け取られる前に、開口部232を通して保持スロット230内で受け取られ得ることが考慮される。
【0090】
示されているように、駆動バー302a〜dは、最初に、ローディングユニット16の近位ハウジング100内で相互に隣接して配される。しかしながら、駆動バー302a〜dの各々は、弾力的かつ可撓な材料(例えば、板ばね)から形成され、長手方向スロット250を通る並進を容易にする必要がある。
【0091】
再び図11図16を参照すると、発射カムアセンブリ300は、例えば、4対の対応する発射カム304a〜304dを含む4対の駆動バー302a〜302dを含み得る。駆動バー302a〜302dのうちの各対は、カートリッジ206、208のそれぞれの長手方向スロット250a〜250dに対応し、かつ、それぞれの長手方向スロット250a〜250dを通って並進可能であり、それにより、対応する保持スロット230に配されているステープル110の発射を達成するように、それぞれの長手方向スロット250a〜250dに配されているプッシャ108を作動させる。駆動バー302a〜302dおよび中心駆動部材306は、それらの近位端部において、溶接などによって相互に結合される。結合部材307は、発射カムアセンブリ300の近位端部に形成される切欠きにおいて支持され、ステープル留め装置10の制御ロッド15(図2)を解放可能に係合するように構成されている。
【0092】
図5および図16を参照すると、各プッシャ108は、近位カム表面108eと遠位カム表面108fとを有するプッシャ基部108dを含む。各プッシャ基部108dは、長手方向スロット250のうちの1つの中に配され、近位カム表面108eおよび遠位カム表面108fは、それらの遠位並進時に発射カム304のうちの少なくとも1つと係合するために構成されており、それにより、プッシャ108を組織接触表面104の方へ並進させる。次に、プッシャ108の並進により、対応するプッシャプレート108cが、対応する保持スロット230を通って組織接触表面104の方へ並進し、それにより、対応する保持スロット230からステープル110を押し出す。
【0093】
ここで図14図19を参照すると、各駆動バー302a〜dおよび発射カム304a〜dは、近位部分310aと遠位部分310bとを有するカム作用スロット310を含む。遠位部分310bは、開口部312と、発射カム表面314と、後退カム表面316とを含む。開口部312は、プッシャ基部108dを受け取るように構成されており、その結果、プッシャ基部108dの近位カム表面108eは、発射カム304の遠位並進中、発射カム表面314を係合する。各発射カム表面314は、傾斜させられており、その結果、プッシャ基部108dの近位カム表面108eは、発射カム表面314に沿ってスライドし、プッシャ108は、発射前の位置から発射位置まで組織接触表面104の方へ推進される。プッシャ108が組織接触表面104の方へ推進されると、対応するプッシャプレート108cは、対応する保持スロット230を通って並進し、それにより、保持スロット230に配されているステープル110を、組織接触表面104の開口部230aを通って、アンビルアセンブリ22とカートリッジアセンブリ20との間に配されている組織を通って、アンビルアセンブリ22のステープル形成ポケット22aに向かって駆動する。
【0094】
プッシャ基部108dが、発射カム表面314の上部分314aにおける発射位置に到達すると、駆動バー302a〜dおよび発射カム304a〜dは、遠位にさらに並進させられ、その結果、プッシャ基部108dは、カム作用スロット310に沿って近位部分310aの方へスライドする。カム作用スロット310の近位部分310aは、駆動バー302a〜dおよび発射カム304a〜dが遠位に並進し続けるとプッシャ基部108dが発射位置にとどまるように、寸法取りされる。これは、対応するプッシャプレート108cが、保持スロット230の開口部232(図18)を少なくとも部分的に塞ぐかまたは覆う位置にとどまることを可能にし、それにより、それぞれの保持スロット230と関連付けられる対応するマガジン244からの次のステープル110の装填を阻害する。カム作用スロット310は、発射カムアセンブリ300の全発射ストロークに適応するために駆動バー302に沿って十分な距離延在し、例えば、駆動バー302a〜dおよび発射カム304a〜dが最遠位部分にあるとき、カム作用スロット310の近位端部310cは、最近位プッシャ108に隣接してまたはその近位に配される。
【0095】
発射ストローク後の発射カムアセンブリ300の後退中、駆動バー302a〜dおよび発射カム304a〜dが近位に並進させられると、プッシャ108の遠位カム表面108fは、駆動バー302a〜dの後退カム表面316によって係合される。プッシャ108の遠位カム表面108fは、駆動バー302a〜dの後退カム表面316に沿ってカム作用スロット310の開口部312の方へ駆動され、それにより、プッシャ108を発射位置から発射前の位置まで戻す。各プッシャ108が発射カム304の後退カム表面316に沿って発射前の位置の方へスライドすると、対応するプッシャプレート108cは、対応する保持スロット230の基部の方へ並進し、かつ、対応するマガジン244に対して、対応する保持スロット230の開口部232をあけるかまたは露わにする。一旦開口部232が露わにされると、保持スロット230は、付勢部材246の付勢力に因り、マガジン244から次のステープル110を受け取る。発射カムアセンブリ300が十分に後退し、各保持スロット230が、対応するマガジン244から新しいステープル110を装填されたとき、外科ステープル留め装置10は、ステープル留め動作および切断動作をすぐに行うことが可能である。
【0096】
ここで図4図10を参照すると、カートリッジアセンブリ20の組立てが記載されている。ステープルプッシャ108は、各保持スロット230と連動して位置付けられ、プッシャ基部108dは、各カートリッジ206、208の各半体226、228の長手方向スロット250のうちの1つに配される。ステープル110は、「U」型または「H」型のチャネル248を通して保持スロット230内へ装填され、付勢部材246は、マガジン244のチャネル244a内へ挿入され、その結果、レッグ246b、246cは、チャネル248の垂直セグメント248a、248b内へ延在し、かつ、それぞれのステープルマガジン244のステープル110を保持スロット230の方へ付勢する。
【0097】
一旦各カートリッジ206、208の各半体226、228の構成要素が組み立てられると、各カートリッジ206、208の内側半体226および外側半体228は、一緒に半体226、228をかみ合わせるように、各半体226、228のフランジ240を、相互の半体226、228のチャネル242内へ位置付けることによって、一緒に接合または結合される。組み立てられた内側半体226および外側半体228は、次いで、内側半体226および外側半体228を相互に係合した状態で維持するカートリッジ支持チャネル254内へ挿入される。
【0098】
ここで図6および図7を参照すると、組み立てられたカートリッジ206、208は、中心長手方向スロット252を規定するために、内側タブ224を内側穴222内に位置付けることによって遠位端部部分216において一緒に接合される。接合されたカートリッジ206、208は、キャリア202の細長い支持チャネル204内へ挿入され、その結果、カートリッジ206、208上に配されているタブ210は、キャリア202のスロット212内に位置付けられ、かつ、キャリア202の側壁上にあるカートリッジ206、208の支持ストラット214を支持する。カートリッジアセンブリ20は、組み立てられており、すぐに使用可能である。
【0099】
ここで外科手術中の外科ステープル留めデバイス10の動作が、図16図19を参照して論じられる。外科手術中、外科医は、ローディングユニット16を細長い本体14(図1)に取り付け、切り口および/またはカニューレを通して手術部位内へローディングユニット16を挿入する。外科医は、カートリッジアセンブリ20とアンビルアセンブリ22との間に組織を位置付けるようにステープル留め装置10を操作し、ハンドルアセンブリ12を作動させ、それにより、カートリッジアセンブリ20に対してアンビルアセンブリ22を近接させ、組織を把持する。所望の組織がアンビルアセンブリ22とカートリッジアセンブリ20との間に位置付けられていることを確認した後、外科医は、ハンドルアセンブリ12を作動させ、それにより、カートリッジアセンブリ20を通して遠位に発射カムアセンブリ300を駆動し、外科ステープルを発射する。外科医によるハンドルアセンブリ12の単一の作動が、組織を把持し、外科ステープル留めデバイス10を十分に発射し得ることが考慮される。代替的に、組織を把持することおよび外科ステープル留めデバイスの発射は、ハンドルアセンブリ12の複数の作動を要求し得、各作動が、発射カムアセンブリ300を、ローディングユニット16を通して所定の距離だけ前進させる。ハンドル部分が、電動式ハンドルアセンブリまたはロボット制御されたアクチュエータである可能性があることが考慮される。そのような電動式ハンドルアセンブリまたはロボット制御されたアクチュエータは、制御器および/または電源を含むことが可能である。
【0100】
発射カムアセンブリ300がカートリッジアセンブリ20を通って並進すると、各1対の駆動バー302a〜302dおよび取り付けられた発射カム304a〜304dは、カートリッジ206、208の内側半体226および外側半体228のうちの1つの半体のそれぞれの長手方向スロット250を通って並進する。発射カム304a〜304dの遠位並進中、各発射カム304は、一連のプッシャ108を係合し、それにより、カートリッジアセンブリ20の組織接触表面104の方へプッシャ108を連続的に駆動し、カートリッジ206、208に配されている保持スロット230からステープル110を押し出す。
【0101】
上述されているように、各発射カム304がプッシャ108を係合すると、プッシャ108の近位カム表面108eは、発射カム304の発射カム表面314を係合し、発射カム表面314の上方へ発射前の位置から発射位置まで(例えば、組織接触表面104の方へ)駆動される。プッシャ108が組織接触表面104の方へ駆動されると、プッシャ108のそれぞれのプッシャプレート108cは、対応する保持スロット230を通って並進し、それにより、対応するステープル110を、対応する保持スロット230から、組織接触表面104におけるそれぞれの開口部230aを通して、アンビルアセンブリ22とカートリッジアセンブリ20との間に配されている組織を通して、アンビルアセンブリ22のステープル形成ポケット22aに向かって押し出し、それによって、各ステープル110を形成する。発射カム304a〜dが遠位に並進し続けると、プッシャ基部108dは、カム作用スロット310に沿って近位端部部分310aの方へ進み、上昇位置または発射位置に維持され(例えば、組織接触表面104の方へ駆動され)、その結果、対応するプッシャプレート108cは、保持スロット230と対応するマガジン244との間の開口部232を塞ぐかまたは覆う。発射カムアセンブリ300が遠位に並進すると、ナイフアセンブリ308も、中心長手方向スロット252を通って遠位に並進し、それにより、カートリッジアセンブリ20とアンビルアセンブリ22との間に保持されている組織を断つ。
【0102】
発射ストロークが完了し、発射カムアセンブリ300が最遠位位置に配されると、外科医は、(例えば、後退部材34(図1)を近位に引くことによって)発射カムアセンブリ300を後退させる。発射カムアセンブリ300がカートリッジアセンブリ20を通って近位に並進すると、発射カム304a〜dは、長手方向スロット250を通して近位に並進させられ、その結果、各プッシャ基部108dの遠位カム表面108fが、後退カム表面316を係合し、それにより、開口部312および発射前の位置または低い位置の方へ下にプッシャ基部108dを駆動する。各プッシャ基部108dが開口部312の方へ駆動されると、各プッシャは、組織接触表面104から離れて並進させられ、各プッシャプレート108cは、組織接触表面104から離れて、対応する保持スロット230内の発射前の位置の方へ並進させられる。各プッシャプレート108cが発射前の位置へ引かれると、保持スロット230と対応するマガジン244との間の開口部232が露わにされ、次のステープル110が、対応する付勢部材246の付勢力「F」(図19)に因り、ステープルマガジン244からそれぞれの保持スロット230内へ移動させられることを可能にする。発射カムアセンブリ300が発射前の位置へ近位に十分に並進させられると、各保持スロット230が再装填され、外科ステープル留め装置10は、ステープル留め処置と切断処置とをすぐに行うことが可能である。このように、各保持スロット230は、その場で再装填され、ローディングユニット16を手術部位から引き抜くかまたはそれを取り替えることを外科医に要求することなく、すぐに後の使用をすることが可能である。
【0103】
各ローディングユニット16が複数の発射ストロークのために構成され得ることが考慮される。
【0104】
本明細書に開示されている実施形態のいずれにおいても、駆動バー302は、相互に取り付けられる2つ以上のバーとして構成されることが可能である。図15に示されているように、各駆動バーは、2つの駆動バーから成る。本明細書に開示されている実施形態のいずれにおいても、各バーは、少なくとも1つの他の隣接するバーに取り付けられるかまたは部分的に取り付けられることが可能である。それらは、接着または溶接によって取り付けられ得る。例えば、2つのバーから成る駆動バーは、カム表面付近の遠位端部において一緒に溶接される。[0083]〜[0086]に記載されているように、各ステープルプッシャは、1対のそのようなカムバーアセンブリによって駆動される。アセンブリは、より良い可撓性を有し、関節運動を可能にする。2つ以上のバーを一緒に溶接することは、バーアセンブリに更なる剛性を与え、カム表面304付近で所望に溶接される。本明細書に開示されている実施形態のいずれにおいても、1対の相対的により薄いバーが、単一の相対的により厚いバーの代わりに使用され、1対の相対的により薄いバーは、相互に少なくとも部分的に取り付けられる。
【0105】
図20図31は、外科ステープル留め装置10(図1)との使用のための、概して418として示されているツールアセンブリの代替的な実施形態を示している。ツールアセンブリ418は、カートリッジアセンブリ420とアンビルアセンブリ422とを含む。アンビルアセンブリ422は、実質的に、アンビルアセンブリ22(図1)に対して上述されているようなものであり、より詳細には後述されない。カートリッジアセンブリは、複数のステープル発射を達成するように、かつステープルを使い切ったときにカートリッジアセンブリ420をロックアウトするように提供される。
【0106】
図20図22を参照すると、カートリッジアセンブリ420は、第1の本体半体424aと、第2の本体半体424bと、第1の本体半体424aおよび第2の本体半体424bの各々を支持するための1対のカートリッジ半体支持チャネル440と、支持チャネル440を受け取るためのチャネルを規定するキャリア202(図20A)とを含む。第1の本体半体424aは、遠位に位置する穴426を規定し、第2の本体半体424bは、遠位に位置するタブまたは突出部428を規定する。タブ428は、穴426内に位置付けられ、それにより、第2の本体半体424bに対して第1の本体半体424aの遠位端部を軸方向に係止する。代替的に、デバイスに対する他の留め技術が、第1の本体半体および第2の本体半体を一緒に固定するために使用されることが可能である。第1の本体半体424aおよび第2の本体半体424bが一緒に係止されると、本体半体424aおよび424bは、ナイフチャネル427(図20)を規定する。
【0107】
各本体半体424aおよび424bは、2つの直線列に整列される複数の保持スロット430を規定する。保持スロット430は、それぞれの本体半体424a、424bの組織接触表面430a上にあいている。代替的に、保持スロット430の追加の列が、各本体半体424a、424bに提供され得る。
【0108】
図22図27を参照すると、本体半体424aは、本体半体424bの鏡像である。したがって、本体半体424aのみが本明細書により詳細に記載されている。本体半体424aは、本体半体424aの内側側壁436aおよび外側側壁436b上にあいている複数の陥凹部432を規定する。複数の陥凹部432の各陥凹部432は、保持スロット430に通じており、保持スロット430に対して整列されるステープル435aを含むステープル435のマガジン434を収容する。ステープル435の各マガジン434は、5つのステープル435を含むように示されているが、ステープル435の各マガジン434が異なる数のステープル435(例えば、2またはそれより大きい)を含むことが可能であることが想定される。陥凹部432は、それぞれの保持スロット430に対して横方向に整列されている。各陥凹部432は、ステープル435が押し出されるとステープル435のマガジン434が保持スロット430の方へスライドすることを可能にするU型轍を規定する。各側壁436に隣接する各陥凹部432の端部は、そのそれぞれの陥凹部432内に各ステープルマガジン434を保持しているカートリッジ支持チャネル440によって囲まれる。
【0109】
本体半体424aは、複数の第1の付勢部材442と複数の第2の付勢部材444とを支持する。1つの第1の付勢部材442および1つの第2の付勢部材444が、各陥凹部432および各ステープルマガジン434と関連付けられる。第1の付勢部材442は、上述されている付勢部材246に類似し、かつ、バックスパン442aと1対のレッグ442bとを有するU型の弾力的な部材を含む。第1の付勢部材442の各々のレッグ442bは、開口部446(図24)を通って陥凹部432内へ延在する。開口部446を通して挿入されるとき、レッグ442bは、側壁436a、436bに最も近い最外ステープル435b(図25)のレッグ435cを係合するように位置付けられ、それにより、ステープルマガジン434をそれぞれの保持スロット430の方へ内向きに推進する。
【0110】
第2の付勢部材444(図22A)の各々は、単一の弾力的なレッグ444aと、本体半体424a内で第2の付勢部材444を固定するように構成されている接続部分444bとを含む。接続部分444bは、本体半体424aに形成される切欠き448(図26)内で受け取られる横断部材444bを含み、それにより、各陥凹部432の中心部分内で第2の付勢部材444を固定する。第2の付勢部材444は、本体半体424a内で支持され、その結果、弾力的なレッグ444aが、マガジン434のステープル435bのバックスパン435dを係合する。
【0111】
図26図29Bを参照すると、本体半体424aは、複数のプッシャ460を支持している。プッシャ460の各々は、実質的に、上述されているプッシャ108(図5)に類似し、かつ、プッシャ基部464によって相互接続される1対のプッシャプレート462を含む。プッシャ基部464は、上部カム表面466と下部カム表面468とを規定する(図29)。各プッシャプレート462は、保持スロット430からマガジン434のステープル435を押し出すために、下部位置から上昇位置または発射位置までそれぞれの保持スロット430においてスライド可能に位置付けられる。図26に示されているように、本体半体424aの内側テーパー状壁449aが、保持スロット430から組織接触表面430aを通してステープル435aを誘導するための導入チャンバ449を規定する。
【0112】
図28を参照すると、各プッシャプレート462の上部表面が、ノッチ470を規定する。ステープルマガジン434の最後のステープル435bがそのそれぞれの保持スロット430から押し出され、後述されるようにプッシャ460が下部位置まで戻されるとき、第2の付勢部材444の弾力的なレッグ444aは、保持スロット430内へ跳ね返り、それにより、保持スロット430内でプッシャプレート462が移動して上昇位置まで戻るのを妨害する。より具体的には、より詳細に後述されるように、第2の付勢部材444のレッグ444aは、ノッチ470に対して整列される位置まで移動し、それにより、プッシャ460が移動して上昇位置まで戻るのを妨げる。
【0113】
ツールアセンブリ418は、ツールアセンブリ18に対して上述されている発射カムアセンブリ300(図14図16)に類似する発射カムアセンブリを含む。ツールアセンブリ418との使用のための発射カムアセンブリ300は、2つの発射カム304a’を含む(たった1つの発射カム304a’が示されている)。図29に示されているように、発射カム304a’の各々は、第1の刃314aと第2の刃316aとを含み、これらは、カム作用スロット310によって分離されている。発射カム304a’が、発射カムチャネル471(図28)内で移動させられると、カム作用スロット310は、それぞれのプッシャ460のプッシャ基部464を受け取り、それにより、下部位置と上昇位置または発射位置との間でのプッシャ460の移動を制御する。より具体的には、発射カム304a’が、カートリッジ本体半体424aの発射カムチャネル471を通して遠位に並進させられるとき、プッシャ基部464は、発射カム304a’のカム作用スロット310内で受け取られ、カム作用スロット310に沿って並進する。これが起こると、プッシャ基部464の下部カム表面468(図29)は、発射カム304a’の第1の刃314aの発射カム表面314に沿ってずり上がり、それにより、下部位置から上昇位置または発射位置までプッシャ460を移動させる。その後、発射カム304a’が、発射カムチャネル471内で近位に並進させられるとき、プッシャ基部464の上部カム表面466は、発射カム304a’の第2の刃316aの後退カム表面316によって係合され、それにより、プッシャ460を下部位置まで戻す。
【0114】
再び図29図31を参照すると、カートリッジアセンブリ420は、各発射カム304a’と関連付けられるカムセパレータ480をさらに含む。各カムセパレータ480(図30)は、1対のガイド部材482を含み、1対のガイド部材482は、カム部材484によって相互接続されている。カムセパレータ480は、本体半体424a、424bに形成される垂直チャネル490(図21)内でスライド可能に位置付けられている。したがって、各カムセパレータ480は、軸方向に係止されるが、カートリッジ本体半体424a、424b内で垂直に移動可能である。カムセパレータ480は、発射カム304a’が後退位置にあるときにカム部材484が発射カムアセンブリのそれぞれの発射カム304a’(図29)のカム作用スロット310の遠位端部内で受け取られるように、位置付けられる。発射カム304a’が後退位置から前進位置まで移動させられると、カムセパレータ480は、本体半体424a、424bの垂直チャネル490内で下部位置から上昇位置まで移動させられる。カムセパレータ480は、発射カム304a’の前進前および前進中、発射カム304a’の第1の刃314aおよび第2の刃316aの適切な分離を維持する。
【0115】
図29を参照すると、ツールアセンブリ418は、ツールアセンブリ18に対して実質的に上述されている態様で機能する。より具体的には、ステープルデバイス10(図10)が、例えば不動ハンドル24(図1)に対して移動可能ハンドル26を不動ハンドル24の方へ移動させることによって、発射カム304a’を前進させるように作動させられるとき、発射カム304a’は、本体半体424aのカムチャネル471内で遠位に移動し、その結果、プッシャ460のプッシャ基部464は、発射カム304a’のカム作用スロット310内で受け取られる。本開示のツールアセンブリは、電動式外科デバイスまたはロボット作動される外科デバイスとの使用にも適していることに留意されたい。発射カム304a’が各プッシャ460に対して遠位に移動すると、発射カム304a’の発射カム表面314は、プッシャ基部464の下に位置付けられ、プッシャ基部464を上向きに推進し、したがってプッシャ460を上向きに推進する。プッシャ460が上向きに移動すると、プッシャプレート462は、保持スロット430内で上向きに移動し、それにより、ステープルマガジン434のステープル435aを上向きに、そして保持スロット430の外へ押し進める。プッシャ460がその上昇位置または発射位置にあるとき、プッシャプレート462は、ステープルマガジン434の次のステープル435が保持スロット430に入ることを妨げる。
【0116】
発射カム304a’が発射カムチャネル471内で後退させられるとき、各プッシャ460のプッシャ基部464は、カム作用スロット310に沿って移動し、それにより、プッシャ460を下部位置まで下方向に移動させ、したがって、プッシャプレート462を下部位置まで下方向に移動させる。プッシャプレート462が陥凹部432(図27)を通過すると、第1の付勢部材442および第2の付勢部材444は、ステープルマガジン434を保持スロット430の方へ押し、それにより、ステープルマガジン434の次のステープル435を保持スロット430と整列させる。このプロセスが繰り返され、それにより、ステープルマガジン434からステープル435の各々を押し出すことが可能である。図29および図31に示されているように、カムセパレータ480は、発射カム304a’が後退位置にあるとき、発射カム304a’の第1の刃314aと第2の刃314bとの間の適切な間隔を維持する。
【0117】
図28を参照すると、各ステープルマガジン434の最後のステープル435bが本体半体424aから押し出された後、第2の付勢部材444の弾力的なレッグ444aは、もはやステープルバックスパン435dを係合しておらず、プッシャ460の各プッシャプレート462に形成されるノッチ470の上の位置へ跳ね返り、それにより、下部位置から上昇位置に戻るプッシャ460の移動を妨げる。プッシャ460が下部位置においてロックされるので、カートリッジ本体半体424aを通る発射カム304a’の移動は、妨げられ、ツールアセンブリ418は、ロックアウトされる。
【0118】
上述されているように、カートリッジアセンブリ420は、第1の本体半体424aと第2の本体半体424bとを含む。カートリッジ本体半体424bも、発射カム304a’を含む。示されていないが、ツールアセンブリ418も、発射カム304a’(図29)と、中心駆動部材306と、ナイフ308とを含む、図14に示されているような発射カムアセンブリを含む。代替的に、カートリッジアセンブリ420は、上述されているように、カートリッジ本体において支持されている1つ以上の列のステープルのみを有し得る。カートリッジアセンブリは、ナイフを含む必要はない。
【0119】
図32図43を参照すると、外科ステープル留めデバイス10の枢動機構500が示されている。枢動機構500は、第1の枢動ピン510aと、第2の枢動ピン510bと、アンビルアセンブリ22の第1のアパーチャ520aと、アンビルアセンブリ22の第2のアパーチャ520bと、カートリッジアセンブリ20の第1のアパーチャ530aと、カートリッジアセンブリ20の第2のアパーチャ530bとを含む(図37参照のこと)。記載の簡単さのために、第1の枢動ピン510aおよび第2の枢動ピン510bは、併せて、枢動ピン510と呼ばれ;アンビルアセンブリ22の第1のアパーチャ520aおよび第2のアパーチャ520bは、併せて、アンビルアパーチャ520またはアパーチャ520と呼ばれ;カートリッジアセンブリ20の第1のアパーチャ530aおよび第2のアパーチャ530bは、併せて、カートリッジアパーチャ530またはアパーチャ530と呼ばれる。
【0120】
枢動機構500は、カートリッジアセンブリ20とアンビルアセンブリ22との間のしっかりした頑丈かつ精密な枢動的接続を確立するように構成されている一方で、従来の枢動機構と比較して枢動ピン510をアパーチャ520、530内へ差し込む力を軽減する配置を提供する。
【0121】
図34図36を特に参照すると、枢動ピン510は、ヘッド512と、ネック514と、本体516と、先端部518とを含む。図36に示されているように、ヘッド512は、円錐台形形状を含み、かつそのもっとも広い最近位部分において第1の外側直径D1を規定し、ネック514は、略円柱形(例えば、ネック514の大部分が、円柱)であり、かつ第2の外側直径D2を規定し、本体516は、(例えば、その長さ全体L1に沿って)円柱であり、かつ第3の外側直径D3を規定し、先端部518は、円錐(例えば、円錐台形)形状であり、かつ本体516の遠位端部517から延在する。先端部518の外側表面は、枢動ピン510の中心長手方向軸「P−P」に対して第1の角度α1を規定する。示されているように、枢動ピン510の様々な外側直径(すなわち、D1、D2およびD3)は、枢動ピン510の最近位部分513と枢動ピン510の最遠位部分519との間で減少するかまたは一定のままであるかのどちらかである。言い換えると、図36において矢印「A」によって指し示されている近位−遠位方向における枢動ピン510の外側直径は、増大しない。
【0122】
ヘッド512によって規定される第1の直径D1は、約0.080インチと約0.090インチとの間であり、ネック514によって規定される第2の直径D2は、約0.070インチと約0.075インチとの間であり、本体516によって規定される第3の直径D3は、約0.060インチと約0.070インチとの間であり(例えば、D3は、約0.065インチまたは0.066インチに等しいこともある)、本体516の長さL1は、約0.098インチと約0.104インチとの間であることと、第1の角度α1は、約10°と約20°との間であることとが想定される。枢動ピン510の長さ全体L2は、約0.190インチと約0.120インチとの間である(例えば、L2は、約0.193インチに等しいこともある)ことがさらに想定される。
【0123】
ここで図37図39を参照すると、枢動ピン510は、アパーチャ520およびアパーチャ530と係合した状態で示されている。図37に示されているように、各枢動ピン510は、アンビルアセンブリ22のアパーチャ520を通ってかつカートリッジアセンブリ20のアパーチャ530を通って延在する。図37および図38を特に参照すると、アンビルアセンブリ22のアパーチャ520は、円形である。アンビルアセンブリ22のアパーチャ520は、ヘッド512の形状に合うウェッジ部分522と、ネック514の形状に合う円筒部分524とを含むことが想定される。ウェッジ部分522および円筒部分534の直径は、より少し大きい(例えば、約0.010インチと約0.020インチとの間である)。従って、アンビルアセンブリ22は、枢動ピン510に対して枢動するように構成されている。
【0124】
カートリッジアセンブリ20のアパーチャ530は、隅丸を含む正方形状形状である。すなわち、カートリッジアセンブリ20のアパーチャ530は、丸い部分によって接続される隣接側面を有する4つの真っ直ぐな側面を含む。開示されている実施形態において、カートリッジアセンブリ20のアパーチャ530は、真っ直ぐな側面を含み、真っ直ぐな側面は、真っ直ぐな部分または線形部分を有し、真っ直ぐな部分または線形部分は、約0.0465インチと約0.0545インチとの間であり、かつ丸い部分によって相互接続されている隣接する真っ直ぐな部分を有し、各丸い部分は、約0.009インチと約0.015インチとの間の半径を有する。カートリッジアセンブリ20のアパーチャ530の対向側面間の距離DSが、約0.0615インチと約0.0635インチとの間であることがさらに想定される。
【0125】
枢動ピン510の本体516は、カートリッジアセンブリ20のアパーチャ530を係合するように構成されている。さらに、上述されているように、本体516によって規定される第3の直径D3は、約0.060インチと約0.070インチとの間である(例えば、D3は、約0.065インチまたは約0.066インチに等しいこともある)。したがって、本体516の直径D3がアパーチャ530の対向側面間の距離DSより大きい実施形態において、それらの間の4点P1〜P4において干渉が存在する(図39参照のこと)。干渉(または重複)量は、約0.0015インチと約0.0031インチとの間であることが想定される。これらの4つの干渉点P1−P4は、枢動ピン510とカートリッジアセンブリ20との間の枢動的移動を妨げるかまたは邪魔する。従って、アンビルアセンブリ22は、枢動ピン510に対してかつカートリッジアセンブリ20に対して枢動することが可能である。
【0126】
加えて、アンビルアセンブリ22のアパーチャ520は、円形であるように示され記載されている一方で、カートリッジアセンブリ20のアパーチャ530は、正方形状であるように示され記載されているが、アンビルアセンブリ22のアパーチャ520が正方形状であり、かつカートリッジアセンブリのアパーチャ530が円形であることが想定される。そのような配置において、枢動ピン510は、正方形状の構成を有するアパーチャ530に対して、上述されているような締まりばめを使用してアパーチャ520に結合される。この配置は、アンビルアセンブリ22および枢動ピン510が、カートリッジアセンブリ20に対して、一体となって回転することを可能にする。ここでカートリッジアセンブリ20のアパーチャ530は、アンビルアセンブリ22のアパーチャ520の横方向外側に配されていることが想定される。
【0127】
代替的な実施形態の枢動ピン510aが、図40に示されている。枢動ピン510aと枢動ピン510との間の差異は、枢動ピン510a上にヘッド512がないことである。すなわち、枢動ピン510aは、ネック514aと、本体516aと、先端部518aとを含む。枢動ピン510に類似して、枢動ピン510aの様々な外側直径は、枢動ピン510aの最近位部分513aと枢動ピン510aの最遠位部分519aとの間で減少するかまたは一定のままであるかのどちらかである。言い換えると、図40において矢印「B」によって指し示されている近位−遠位方向における枢動ピン510aの外側直径は、増大しない。このヘッド無し枢動ピン510aは、アパーチャ520およびアパーチャ530を通る枢動ピン510aの挿入後にアンビルアセンブリ22が外(例えば、カートリッジアセンブリ20との接触がなくなる)向きに横方向に移動することを可能にすることが想定される。カートリッジアセンブリ20に対するアンビルアセンブリ22のそのような横方向移動は、(例えば、ジョー部材の開閉中の)それらの間の摩擦およびこすれを軽減し、それによって、より滑らかな動作かつあまり「くっつき」のない動作を可能にする。対照的に、枢動ピン510のヘッド512は、アンビルアセンブリ22が、それらの間の結合後(図37参照のこと)にカートリッジアセンブリ20に対して横方向外側に移動することを妨げ得る。
【0128】
代替的な実施形態の枢動機構500xが図41図43に示されている。上述されている枢動機構500と図41図43の枢動機構500xとの間の重要な差異は、アパーチャ530の形状対アパーチャ530xの形状、および、枢動ピン510の本体516対枢動ピン510xの本体516xである。特に、枢動機構500の正方形状アパーチャ530と対照的に、枢動機構500xのアパーチャ530xは、丸い(図43参照のこと)。枢動ピン510の一定直径の本体516と対照的に、枢動ピン510xの本体516xは、一定でない直径を有して複雑であり、かつ複数の歯517xを含む。図43を特に参照すると、歯517xとアパーチャ530xとの間の係合は、複数の歯517xが存在するので、複数の係合点または干渉点を含む。例えば、示されている実施形態において、12個の歯517xが存在し、したがって、歯517xとアパーチャ530xとの間の12個の干渉点対枢動ピン510の本体516とアパーチャ530との間の4つの干渉点P1〜P4が存在する。
【0129】
開示されている枢動機構500は、枢動ピン510の製造可能性も促進し、外科ステープル留めデバイス10(例えば、そのローディングユニット16)の簡単な組み立ても助長し、カートリッジアセンブリ20とアンビルアセンブリ22との間のより頑丈な接続を作り出すことも助長する。例えば、枢動ピン510の製造は、著しくより簡単であり、したがって、(例えば、本体516の簡単さに因り)枢動ピン510xを製造するよりも安価である。製造可能性の緩和は、枢動ピン510の精密さを増大させることも、枢動ピン510の許容誤差を厳しくすることも助長し、これは、カートリッジアセンブリ20とアンビルアセンブリ22との間により効果的で精密かつ頑丈な接続をもたらす。理解されることが可能であるように、製造可能性の緩和は、例えば枢動ピン510xと対比して、枢動ピン510を製造することの関連費用も減少させる。
【0130】
加えて、例えば、枢動ピン510xを挿入してアパーチャ520x、530xと係合させるために要求される挿入力と、枢動ピン510xを取り外してアパーチャ520x、530xと係合しないようにするために要求される取り外し力とに対して、相対的により少量の、枢動ピン510を挿入してアパーチャ520、530と係合させる力と、枢動ピン510を取り外してアパーチャ520、530と係合しないようにする力とが要求される。さらに、枢動機構500を使用して要求される挿入力および取り除し力の量は、例えば枢動機構500xを用いるより一貫性がある(すなわち、あまり変化しやすくない)。
【0131】
理解されることが可能であるように、枢動機構500は、様々なタイプの外科器具(例えば、段差付けされた組織接触表面を備えているカートリッジおよび/または中に異なる大きさを有するステープルを有する外科器具(例えば、図4および図4Aに対して上述されているもの))に対して利用可能である。
【0132】
上述されている実施形態の個々の特徴は、本開示の範囲から逸脱することなく組み合わせられ得ることが考慮される。本開示の説明に役立つ実施形態が、添付図面を参照して本明細書に記載されたが、上記の記載、開示および図は、限定するものと解釈されるべきではなく、単に、特定の実施形態の例証として解釈されるべきである。例えば、ツールアセンブリ18、418は、ローディングユニットの一部を形成するものとして記載されているが、ツールアセンブリ18、418は、外科デバイス10(図1)の本体14に一体的に固定されることが可能であることが想定される。それゆえ、本開示が、本明細書に記載されているまさにその実施形態に限定されないことと、様々な他の変化および改変が、本開示の範囲または精神から逸脱することなく当業者によって達成され得ることとを理解されたい。
図1
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