(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
有料道路へ流入する際に通過した入口料金所で発行された通行券と、乗り継ぎのため前記有料道路から流出する際に通過した出口料金所で発行された乗継券と、を読み取って支払請求額を決定する料金収受機であって、
前記通行券の挿入、及び、前記乗継券の挿入を受け付ける券待ち受け状態において、前記通行券が挿入された場合に、当該通行券から読み取った情報に基づいて支払請求額を算出する請求額演算部と、
前記支払請求額が算出された場合に、前記乗継券の挿入を制限するとともに算出された前記支払請求額に対する支払処理を受け付ける支払待ち受け状態への移行を指示する支払待ち受け指示部と、
前記支払待ち受け状態において、使用者から所定操作を受け付けた場合に、挿入された前記通行券の排出、及び、前記券待ち受け状態への移行を指示する券待ち受け指示部と、
を備える料金収受機。
前記券待ち受け状態において、使用者から次の出口料金所で乗り継ぎによる割引の適用を受けるために必要な新たな乗継券の発行に係る操作を受け付けた場合に、前記新たな乗継券の発行を指示する乗継券発行指示部を更に備える
請求項1に記載の料金収受機。
前記支払待ち受け状態において、使用者からICカードによる支払いの選択に係る操作を受け付けた場合には、前記ICカードの挿入を受け付けるカード待ち受け状態への移行を指示するカード待ち受け指示部を更に備える
請求項1から請求項3の何れか一項に記載の料金収受機。
有料道路へ流入する際に通過した入口料金所で発行された通行券と、乗り継ぎのため前記有料道路から流出する際に通過した出口料金所で発行された乗継券と、を読み取って支払請求額を決定する料金収受機のコンピュータを、
前記通行券の挿入、及び、前記乗継券の挿入を受け付ける券待ち受け状態において、前記通行券が挿入された場合に、当該通行券から読み取った情報に基づいて支払請求額を算出する請求額演算部、
前記支払請求額が算出された場合に、前記乗継券の挿入を制限するとともに算出された前記支払請求額に対する支払処理を受け付ける支払待ち受け状態への移行を指示する支払待ち受け指示部、
前記支払待ち受け状態において、使用者から所定操作を受け付けた場合に、挿入された前記通行券の排出、及び、前記券待ち受け状態への移行を指示する券待ち受け指示部、
として機能させるプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<第1の実施形態>
以下、第1の実施形態に係る料金収受機について、
図1〜
図6を参照しながら説明する。
【0017】
(全体構成)
図1は、第1の実施形態に係る出口料金所の全体構成を示す図である。
図1に示す出口料金所1は、有料道路の出口料金所である。有料道路の利用者(車両Aの運転者等)は、有料道路の入口料金所(図示せず)を通過して有料道路に流入し、出口料金所1を通過して有料道路から流出する。
【0018】
出口料金所1の車線Lの路側には、有人ブース1Aが設置されている。
有人ブース1Aには収受員が待機している。収受員は、有人ブース1Aの中に設置された料金収受機10を操作して、到来する利用者に対する料金収受処理を行う。その際、収受員は、到来した利用者から通行券T1、及び、(利用者が所持していた場合には)乗継券T2を受け取って、各券を料金収受機10に掛ける(挿入する)操作を行う。
【0019】
料金収受機10は、収受員(使用者)の操作を通じて、利用者に対する種々の料金収受処理を実行する。
料金収受機10は、専用の挿入口(券挿入口201(後述))を通じて、利用者が所持していた通行券T1、乗継券T2等の挿入を受け付けるとともに、当該通行券T1、乗継券T2に記録された情報を読み取って、当該利用者に対する支払請求額を決定する。
ここで、通行券T1とは、有料道路へ流入する際に通過した入口料金所で発行される券である。通行券T1には、通過した入口料金所の識別番号(入口情報)、通過日時、入口料金所の通過の際に判別された車種、車両ナンバー等が記録されている。
また、乗継券T2(乗継証明券)とは、乗り継ぎのため有料道路から流出する際に通過した出口料金所で発行される券である。乗継券T2には、乗り継ぎのために通過した出口料金所の識別番号(乗継出口情報)、通過日時、支払済み料金、車種、車両ナンバー等が記録されている。乗継券T2を所持する利用者は、収受員に対し、通行券T1とともに乗継券T2を渡すことで、乗り継ぎに係る割引の適用を受けることができる。
また、利用者が所有するICカード(クレジットカード等)を受け付けて支払処理を行ったり、料金収受機10は、収受員の操作に応じて領収書を発行したりすることも可能である。
【0020】
(機能構成)
図2は、第1の実施形態に係る料金収受機の機能構成を示す図である。
図2に示すように、料金収受機10は、CPU100と、券処理ユニット200と、カード処理ユニット300と、乗継券発行ユニット400と、タッチパネル500と、を備えている。
【0021】
CPU100は、料金収受機10の動作全体を司るプロセッサである。CPU100が有する各種機能については後述する。
【0022】
券処理ユニット200は、利用者が所持する通行券T1、乗継券T2に記録された情報を読み取る。本実施形態において、券処理ユニット200は、通行券T1、乗継券T2の両方を読み取り可能とされている。ただし、券処理ユニット200は、一枚の券(通行券T1、乗継券T2のいずれか)が挿入されている間は、他の一枚の券についての挿入及び読み取り処理を行うことができない構造となっている。
図2に示すように、券処理ユニット200は、券挿入口201と、券読取ヘッダ202と、券搬送部203と、を有している。
券挿入口201は、料金収受機10の筐体面に設けられ、通行券T1及び乗継券T2(
図1)の挿入を受け付ける。
券読取ヘッダ202は、挿入された通行券T1、乗継券T2に記録された情報を読み取る。
券搬送部203は、搬送路と駆動ローラとで構成され、挿入された通行券T1、乗継券T2を券読取ヘッダ202まで搬送する。券搬送部203は、通行券T1、乗継券T2の挿入を一枚ずつ受け付けて搬送し、CPU100からの指示に応じて、券挿入位置(券挿入口201)と券読取位置(券読取ヘッダ202)との間で、挿入された通行券T1、乗継券T2を進退させる。
【0023】
カード処理ユニット300は、利用者が所持するICカード(クレジットカード等)に対し、ICカードに記録された情報の読み取り、及び、ICカードへの情報の書き込みを行う。ここで、ICカードは、ICカードの発行元(クレジットカード会社等)を通じた支払処理を行う際に用いられるカード型の情報記録媒体である。ICカードには、支払処理に関する個人情報、利用明細情報(利用履歴情報)等が記録される。
図2に示すように、カード処理ユニット300は、カード挿入口301と、カード処理ヘッダ302と、カード搬送部303と、を有している。
カード挿入口301は、料金収受機10の筐体面に設けられ、ICカードの挿入を受け付ける。
カード処理ヘッダ302は、挿入されたICカードに記録された情報の読み取り及び新たな情報の書き込みを行う。
カード搬送部303は、搬送路と駆動ローラとで構成され、挿入されたICカードをカード処理ヘッダ302まで搬送する。カード搬送部303は、CPU100からの指示に応じて、挿入されたICカードをカード挿入口301とカード処理ヘッダ302との間で進退させる。
【0024】
乗継券発行ユニット400は、利用者が出口料金所1から有料道路を流出した後、再度流入して乗り継ぎを行う場合に、次の出口料金所で乗り継ぎによる割引の適用を受けるために、利用者に対し新たに発行される乗継券(以下、「新たな通行券」とも記載する)を発行する。
図2に示すように、乗継券発行ユニット400は、乗継券発行口401と、乗継券記録ヘッダ402と、新規乗継券搬送部403と、を有している。
乗継券発行口401は、料金収受機10の筐体面に設けられ、上記新たな乗継券を排出する。
乗継券記録ヘッダ402は、上記新たな乗継券に対し、乗り継ぎのために必要な情報の書き込みを行う。
新規乗継券搬送部403は、搬送路と駆動ローラとで構成され、上記情報が書き込まれた新たな乗継券を乗継券発行口401まで搬送する。
【0025】
タッチパネル500は、タッチセンサを有するディスプレイモニタであって、所定の画面を表示するとともに、収受員に対するタッチ操作を受け付けるユーザーインターフェイスである。タッチパネル500を通じて受け付ける収受員の操作については後述する。
【0026】
次に、CPU100が有する各種機能について説明する。
CPU100は、請求額演算部101、支払待ち受け指示部102、券待ち受け指示部103、乗継券発行指示部104、カード待ち受け指示部105、券情報取得部106、支払処理部107、及び、操作情報取得部108としての機能を有している。
【0027】
請求額演算部101は、券待ち受け状態において、通行券T1が挿入された場合に、当該通行券T1から読み取った情報(後述する券情報取得部106によって取得された情報)に基づいて請求額を算出する。通行券T1に先だって乗継券T2が挿入されていた場合には、乗継券T2から読み取った情報、及び、通行券T1から読み取った情報の両方に基づいて請求額を算出する。
ここで、「券待ち受け状態」とは、券挿入口201から通行券T1の挿入、及び、乗継券T2の挿入の両方を受け付けている状態である。
【0028】
支払待ち受け指示部102は、請求額演算部101によって支払請求額が算出された場合に、券処理ユニット200等に対し、支払待ち受け状態への移行を指示する。
ここで、「支払待ち受け状態」とは、算出された支払請求額に対する支払処理(現金、又は、ICカードによる支払)を受け付けている状態である。支払待ち受け状態においては、支払待ち受け指示部102は、券処理ユニット200に向けて所定の指示信号を出力し、券挿入口201からの乗継券T2の挿入を制限する。
【0029】
券待ち受け指示部103は、上述の支払待ち受け状態において、収受員から所定のタッチ操作を受け付けた場合に、券処理ユニット200に対し、挿入された通行券T1の排出、及び、券待ち受け状態への移行を指示する。
【0030】
乗継券発行指示部104は、上述の券待ち受け状態において、収受員から新たな乗継券の発行に係るタッチ操作を受け付けた場合に、支払処理の完了後において、乗継券発行ユニット400に対し、新たな乗継券の発行を指示する。
ここで、「支払処理の完了後」とは、例えば、現金を用いた支払いの場合には、紙幣、硬貨の受け渡し後の精算が完了した後(領収書の発行後)であり、ICカードを用いた支払いの場合には、支払請求額の精算に係る情報のICカードへの書き込みが完了し、排出された後である。
即ち、収受員は、利用者に対し新たな乗継券を発行する際には、まず、上述の券待ち受け状態の段階で新たな乗継券の発行に係るタッチ操作(後述する乗継券発行ボタンB03のタッチ)を行う。この場合、その後に行われる利用者による支払い処理が完了した後に、乗継券発行指示部104の指示に基づき新たな乗継券が発行される。
【0031】
カード待ち受け指示部105は、上述の支払待ち受け状態において、収受員からICカードによる支払いの選択に係る操作を受け付けた場合には、カード処理ユニット300に対し、ICカードの挿入を受け付けるカード待ち受け状態への移行を指示する。カード処理ユニット300は、カード待ち受け状態において、カード挿入口301からのICカードの挿入を受け付ける。
【0032】
券情報取得部106は、券読取ヘッダ202を通じて、通行券T1、乗継券T2に記録された情報を取得する。
【0033】
支払処理部107は、請求額演算部101によって算出された支払請求額に対し、現金による支払い、ICカードによる支払いを実行する。現金による支払いの場合、支払処理部107は、利用者から受け取った現金(紙幣、硬貨)の合計金額計算、釣銭計算、及び、利用者が求める場合には領収書の発行処理を行う。ICカードによる支払いの場合、支払処理部107は、カード処理ヘッダ302を通じて、利用者のICカードに対し支払請求額の精算に係る情報(例えば、請求額、走行区間、利用日時等を含む利用明細情報)の書き込み処理を行う。
【0034】
操作情報取得部108は、タッチパネル500を通じて入力されたタッチ操作についての情報を取得する。
【0035】
なお、第1の実施形態に係る料金収受機10は、
図2に図示した構成以外の構成を具備する態様であってもよい。例えば、料金収受機10は、更に、領収書を発行するための領収書発行ユニットを有していてもよい。この場合、領収書発行ユニットは、タッチパネル500を通じて、収受員から領収書の発行指示に係る操作を受け付けた場合に、支払処理に応じた領収書の発行処理を行う。
【0036】
(タッチパネルの構成)
図3は、第1の実施形態に係るタッチパネルの構成を示す図である。
タッチパネル500のディスプレイには、通行券T1から読み取られた情報、支払請求額、及び、収受員によるタッチ操作を受け付ける種々のボタン画像が表示される。
図3に示すように、タッチパネル500の支払用情報表示領域D1には、通行券T1から読み取られた車両A(
図1)の車種、車両ナンバー、利用した入口料金所と、これらの情報に基づいて算出された支払請求額と、が表示される。
また、ボタン表示領域D2には、収受員がタッチ操作を行うための種々のボタン画像が表示されている。
券破損ボタンB01は、通行券T1、乗継券T2に記録されている情報を、収受員自身が手入力する際にタッチされるボタン画像である。収受員は、利用者から受け取った通行券T1、乗継券T2が破損等により正しく読み取れない場合には、この券破損ボタンB01をタッチして、通行券T1等に記録されている情報を手入力する。この場合、CPU100(券情報取得部106)は、収受員により手入力された情報を、(読み取ることができなかった)通行券T1等に記録されていた情報とみなして取得する。
【0037】
カード読取エラーボタンB02は、利用者のICカードに関する情報を、収受員自身が手入力する際にタッチされるボタン画像である。収受員は、利用者から受け取ったICカードから支払処理に必要な情報(ICカード番号等)を読み取れない場合には、このカード読取エラーボタンB02をタッチして、支払処理に必要な情報(ICカード番号等)を手入力する。この場合、CPU100(支払処理部107)は、収受員により手入力されたICカード番号等に基づいて、当該ICカードを用いた支払処理を実行する。
【0038】
乗継券発行ボタンB03は、収受員から乗継券T2の発行に係る操作を受け付けるボタン画像である。収受員は、利用者に対し、次の出口料金所で乗り継ぎに係る割引の適用を受けるために必要な新たな乗継券を発行する際に、この乗継券発行ボタンB03をタッチする。
【0039】
割引ボタンB04は、収受員から支払請求額の変更に係る操作を受け付けるボタン画像の一つである。本実施形態においては、収受員は、例えば、利用者に対し身体障害者用割引を適用する場合には、この割引ボタンB04をタッチする。この場合、請求額演算部101は、通行券T1、乗継券T2に基づいて算出した支払請求額に対し、更に、身体障害者用割引適用後の支払請求額を再計算する。
【0040】
現金支払確定ボタンB05は、利用者が現金による支払いを希望する場合にタッチ操作するボタン画像である。収受員は、利用者との間で行った現金による支払処理を確定する場合に、この現金支払確定ボタンB05をタッチする。なお、現金支払確定ボタンB05は、支払われた金額等を示す領収書の発行を指示する「領収書発行ボタン」であってもよい。
【0041】
金額手入力ボタンB06は、収受員から支払請求額の変更に係る操作を受け付けるボタン画像の一つである。収受員は、特殊な走行(例えば、周回走行)を行った利用者に対し、通行券T1、乗継券T2に記録された情報基づく支払請求額を変更すべく、特殊走行等に応じたイレギュラーな支払請求額を手入力する際にタッチする。
【0042】
カード後掛けボタンB07は、上述の支払待ち受け状態において、収受員からICカードによる支払いの選択に係る操作を受け付ける。即ち、通行券T1の挿入後(支払請求額が算出された後)において、利用者がICカードによる支払いを希望する場合、収受員は、このカード後掛けボタンB07をタッチする。この場合、カード待ち受け指示部105は、カード処理ユニット300等に対し、カード待ち受け状態への移行を指示する。
【0043】
カード取消ボタンB08は、カード待ち受け状態を取り消すための操作を受け付ける。即ち、ICカードによる支払いを取り消したい場合、収受員は、このカード取消ボタンB08をタッチする。この場合、支払待ち受け指示部102は、再度、券処理ユニット200等に対し、支払待ち受け状態への移行を指示する。
【0044】
カード排出ボタンB09は、一旦挿入されたICカードを排出する際の操作を受け付ける。即ち、既にICカードがカード処理ユニット300に挿入された状態において、当該ICカードを一旦排出したい場合(例えば、別のICカードに取り換えたい場合等)、収受員は、このカード排出ボタンB09をタッチする。この場合、カード待ち受け指示部105は、カード処理ユニット300に対し、ICカードの排出処理、及び、再度のカード待ち受け状態への移行を指示する。
【0045】
カード支払確定ボタンB10は、挿入されたICカードによる支払処理を確定する際の操作を受け付ける。即ち、収受員は、ICカードによる支払処理を確定する場合に、このカード支払確定ボタンB10をタッチする。
【0046】
特別ボタンB11は、支払待ち受け状態(通行券T1が挿入され、支払請求額が算出された後の状態)から、再度、券待ち受け状態に復帰する際の操作を受け付ける。例えば、収受員は、利用者から乗継券T2を受け取る前に通行券T1を券処理ユニット200に挿入した場合、特別ボタンB11をタッチする。この場合、券待ち受け指示部103は、券処理ユニット200に対し、挿入されている通行券T1の排出を指示し、更に、通行券T1及び乗継券T2の挿入を受け付ける券待ち受け状態への移行を指示する。
【0047】
(料金収受機の処理フロー)
図4〜
図6は、それぞれ、第1の実施形態に係る料金収受機の処理フローを示す第1の図〜第3の図である。
まず、料金収受機10は、到来した利用者に対する最初の待ち受け状態として、「券待ち受け状態」にあるものとする(ステップS00)。券待ち受け状態において、券処理ユニット200は、通行券T1の挿入、及び、乗継券T2の挿入の両方を受け付けている。即ち、券処理ユニット200は、券挿入口201から通行券T1又は乗継券T2の挿入があった場合には、直ちに、券搬送部203を駆動させて当該券を内部に引き込み、更に、券読取ヘッダ202を通じて記録された情報を読み取る。
また、券待ち受け状態においては、カード処理ユニット300も、ICカードの挿入を受け付けている。
【0048】
券待ち受け状態(ステップS00)において、券挿入口201への通行券T1の挿入があった場合(ステップS01)、券処理ユニット200は、直ちに通行券T1を内部に引き込んで、当該通行券T1に記録された情報を読み取る(ステップS02)。券情報取得部106は、券読取ヘッダ202を通じて、通行券T1に記録された情報(入口情報等)を取得する。
通行券T1に記録された情報が取得された後は、請求額演算部101による支払請求額の演算処理(後述するステップS12)に移行する。
【0049】
他方、券待ち受け状態(ステップS00)において、券挿入口201への乗継券T2の挿入があった場合(ステップS03)、券処理ユニット200は、乗継券T2を内部に引き込んで、当該乗継券T2に記録された情報を読み取る(ステップS04)。券情報取得部106は、券読取ヘッダ202を通じて、当該乗継券T2に記録された情報(乗継出口情報等)を取得する。
乗継券T2に記録された情報が取得された後は、券処理ユニット200は、券待ち受け状態(ステップS00)を維持して、更に、通行券T1等の挿入を受け付ける。
【0050】
券待ち受け状態(ステップS00)において、利用者から受け取った通行券T1又は乗継券T2が(破損等のため)正常に読み取れない場合には、収受員は、券破損ボタンB01をタッチする(ステップS05)。続いて、収受員は、正常に読み取れない券に記録されていた情報を手入力する(ステップS06)。券情報取得部106は、収受員によって手入力された情報を、通行券T1又は乗継券T2に記録されていた情報とみなして取得する。
乗継券T2に係る情報が手入力された後は、券処理ユニット200は、券待ち受け状態(ステップS00)を維持して、更に、通行券T1等の挿入を受け付ける。
通行券T1に係る情報が手入力された後は、請求額演算部101による支払請求額の演算処理(後述するステップS12)に移行する。
【0051】
券待ち受け状態(ステップS00)において、カード挿入口301へのICカードの挿入があった場合(ステップS07)、支払処理部107は、カード処理ユニット300を通じて、ICカードに関する情報(ICカード番号等)を取得する。カード処理ユニット300は、当該挿入されたICカードを内部でホールドする。また、券待ち受け指示部103は、カード挿入後における券待ち受け状態(以下、「カード挿入後券待ち受け状態」と記載する。)への移行を指示する(
図6、ステップS50)。
【0052】
券待ち受け状態(ステップS00)において、利用者から受け取ったICカードが正常に読み取られない場合には、収受員は、カード読取エラーボタンB02をタッチする(ステップS08)。続いて、収受員は、正常に読み取れないICカードに関する情報(ICカード番号等)を手入力する(ステップS09)。支払処理部107は、収受員によって手入力された情報(ICカード番号等)を取得する。券待ち受け指示部103は、カード挿入後券待ち受け状態への移行を指示する(
図6、ステップS50)。
【0053】
また、利用者が乗り継ぎのため出口料金所1から流出を行う場合には、収受員は、次に通過する出口料金所で乗り継ぎに係る割引の適用を受けるための新たな乗継券の発行を行う必要がある。この場合、券待ち受け状態(ステップS00)において、収受員は、乗継券発行ボタンB03をタッチする(ステップS10)。この場合、乗継券発行指示部104は、乗継券発行フラグを“ON”に設定し(ステップS11)、券待ち受け状態(ステップS00)を維持する。
【0054】
券待ち受け状態(ステップS00)において、通行券T1が挿入され、当該通行券T1に記録された情報が読み取られた場合(ステップS01〜ステップS02)、請求額演算部101は、通行券T1に記録された情報に基づいて、支払請求額を算出する(ステップS12)。また、通行券T1よりも先に乗継券T2が挿入され、当該乗継券T2に記録された情報が読み取られていた場合(ステップS03〜ステップS04)、請求額演算部101は、乗継券T2に記録された情報(乗継出口情報等)と、通行券T1に記録された情報(入口情報等)と、の両方に基づいて、乗り継ぎに係る割引適用後の支払請求額を算出する(ステップS12)。
【0055】
請求額演算部101によって算出された支払請求額、及び、通行券T1、乗継券T2から読み取られた各種情報は、タッチパネル500の支払用情報表示領域D1(
図3)に表示される。収受員は、支払用情報表示領域D1に表示された各種情報を視認して、利用者に対し、当該支払請求額に相当する金額の支払いを求める。
ここで、支払待ち受け指示部102は、券処理ユニット200、カード処理ユニット300等に対し、利用者からの支払い(支払処理)を待ち受ける支払待ち受け状態への移行を指示する(ステップS13)。支払待ち受け状態においては、既に通行券T1が内部に引き込まれており、かつ、支払請求額が提示されている段階にあるため、券処理ユニット200は、乗継券T2の挿入を受け付けないように制限する。
【0056】
支払待ち受け状態(ステップS13)において、利用者が現金による支払いを希望する場合、収受員は、利用者との間で現金による支払処理を行う(ステップS14)。そして、支払処理が完了した段階で現金支払確定ボタンB05をタッチする(ステップS15)。この場合、支払処理部107は、利用者と収受員との間で授受された金銭(釣銭)の計算、領収書の発行処理等を行ってもよい。そして、支払処理部107は、現金支払確定ボタンB05がタッチされたこと(又は、領収書の発行処理がなされたこと)をもって、現金による支払処理を完了する。
【0057】
支払待ち受け状態(ステップS13)において、利用者がICカードによる支払いを希望する場合、収受員は、カード後掛けボタンB07をタッチする(ステップS16)。この場合、カード待ち受け指示部105は、カード処理ユニット300に対し、カード待ち受け状態(
図5、ステップS30)への移行を指示する。
【0058】
支払待ち受け状態(ステップS13)において、利用者に対し身体障害者用割引を適用する場合、収受員は、割引ボタンB04をタッチする(ステップS17)。この場合、請求額演算部101は、通行券T1、乗継券T2に基づいて算出した支払請求額(ステップS12の演算結果)を基にして、更に、身体障害者用割引適用後の支払請求額を再計算する(ステップS18)。そして、請求額演算部101は、再計算結果(身体障害者用割引適用後の新たな支払請求額)を支払用情報表示領域D1に表示しつつ、引き続き、支払待ち受け状態(ステップS13)を維持する。
【0059】
支払待ち受け状態(ステップS13)において、利用者に対し、通常の支払請求額とは異なるイレギュラーな額の支払いを求める場合、収受員は、金額手入力ボタンB06をタッチする(ステップS19)。続いて、収受員は、当該利用者に対する支払請求額を手入力する(ステップS20)。請求額演算部101は、収受員に手入力された新たな支払請求額を支払用情報表示領域D1に表示しつつ、引き続き、支払待ち受け状態(ステップS13)を維持する。
【0060】
支払待ち受け状態(ステップS13)において、乗継券T2を改めて読み取って、乗り継ぎに係る割引の適用を行いたい場合、収受員は、特別ボタンB11をタッチする(ステップS21)。この場合、券待ち受け指示部103は、券処理ユニット200に対し、挿入されている通行券T1の排出を指示し(ステップS22)、更に、通行券T1及び乗継券T2の挿入を受け付ける券待ち受け状態(ステップS00)への移行を指示する。これにより、券処理ユニット200は、内部(券読取ヘッダ202の位置)に引き込まれていた通行券T1を券挿入口201まで排出するとともに、乗継券T2の挿入制限を解除して、通行券T1の挿入、及び、乗継券T2の挿入の両方を受け付ける。
【0061】
支払処理部107による現金支払処理(ステップS15)が完了した場合、乗継券発行指示部104は、券待ち受け状態(ステップS00)における乗継券発行ボタンB03のタッチ操作に応じて、乗継券発行フラグが“ON”と設定されているか否かを判定する(ステップS23)。
乗継券発行フラグが“OFF”の場合(ステップS23:NO)、CPU100は、利用者に対する料金収受処理を完了する。
他方、乗継券発行フラグが“ON”の場合(ステップS23:YES)、乗継券発行指示部104は、乗継券発行ユニット400に対し、新たな乗継券の発行指示を行う(ステップS24)。これにより、乗継券発行ユニット400は、乗継券記録ヘッダ402、新規乗継券搬送部403の駆動を通じて、新たな乗継券の発行処理を行う。
【0062】
なお、上述の支払待ち受け状態(ステップS13)において、収受員から支払請求額の変更に係る操作(割引ボタンB04のタッチ、又は、金額手入力ボタンB06のタッチ)を受け付けた場合には、券待ち受け指示部103は、特別ボタンB11のタッチ操作の受け付けを制限する。具体的には、例えば、券待ち受け指示部103は、タッチパネル500において特別ボタンB11のボタン画像を非表示にして、特別ボタンB11のタッチ操作を無効化する。
【0063】
また、上述の券待ち受け状態(ステップS00)において、収受員の手入力に係る操作(券破損ボタンB01のタッチ)を受け付けた場合には、券待ち受け指示部103は、その後の支払待ち受け状態(ステップS13)において、特別ボタンB11のタッチ操作の受け付けを制限する(特別ボタンB11を非表示にする)。
【0064】
次に、支払待ち受け状態(ステップS13)において、カード後掛けボタンB07のタッチ操作(ステップS16)を受け付けた後の処理フローについて説明する。
【0065】
まず、カード待ち受け状態(
図5、ステップS30)において、カード処理ユニット300は、カード挿入口301からのICカードの挿入を受け付ける。
【0066】
カード挿入口301にICカードが挿入された場合(ステップS31)、支払待ち受け指示部102は、カード処理ユニット300等に対し、カード支払待ち受け状態への移行を指示する(ステップS32)。
【0067】
カード待ち受け状態(ステップS30)において、利用者から受け取ったICカードが正常に読み取られない場合には、収受員は、カード読取エラーボタンB02をタッチする(ステップS33)。続いて、収受員は、正常に読み取れないICカードに関する情報(ICカード番号等)を手入力する(ステップS34)。支払待ち受け指示部102は、収受員によって手入力された情報(ICカード番号等)を取得するとともに、カード処理ユニット300等に対し、カード支払待ち受け状態への移行を指示する。
【0068】
カード待ち受け状態(ステップS30)において、ICカードによる支払いを取り消したい場合、収受員は、カード取消ボタンB08をタッチする(ステップS35)。この場合、支払待ち受け指示部102は、再度、券処理ユニット200等に対し、支払待ち受け状態への移行を指示する(
図4、ステップS13)。
【0069】
カード支払待ち受け状態(ステップS32)において、挿入されたICカードによる支払処理を確定する場合、収受員は、カード支払確定ボタンB10をタッチする(ステップS33)。この場合、支払処理部107は、カード処理ユニット300を通じて、ICカードへの料金収受に係る情報の読み取り、書き込み処理(即ち、ICカードを用いた支払処理)を実行する(ステップS34)。ICカードを用いた支払処理が完了すると、CPU100は、新たな乗継券の発行を行うか否かの判定処理(
図4、ステップS23)を経て、利用者に対する料金収受処理を完了する。
【0070】
カード支払待ち受け状態(ステップS32)において、挿入されたICカードを一旦排出したい場合、収受員は、カード排出ボタンB09をタッチする(ステップS35)。この場合、カード待ち受け指示部105は、カード処理ユニット300に対し、ICカードの排出処理(ステップS36)、及び、再度のカード待ち受け状態(ステップS30)への移行を指示する。
【0071】
カード支払待ち受け状態(ステップS32)において、利用者に対し身体障害者用割引を適用する場合、収受員は、割引ボタンB04をタッチする(ステップS37)。この場合、請求額演算部101は、通行券T1、乗継券T2に基づいて算出した支払請求額(ステップS12の演算結果)を基にして、更に、身体障害者用割引適用後の支払請求額を再計算する(ステップS38)。そして、請求額演算部101は、再計算結果(身体障害者用割引適用後の新たな支払請求額)を支払用情報表示領域D1に表示しつつ、引き続き、カード支払待ち受け状態(ステップS32)を維持する。
なお、ICカード挿入前(支払待ち受け状態(ステップS13))において既に割引ボタンB04がタッチされ、支払請求額の再計算がなされていた場合は、支払待ち受け指示部102は、カード支払待ち受け状態(ステップS32)において、割引ボタンB04のタッチ操作を受け付けないようにしてもよい。
【0072】
カード支払待ち受け状態(ステップS32)において、利用者に対し、通常の支払請求額とは異なるイレギュラーな額の支払いを求める場合、収受員は、金額手入力ボタンB06をタッチする(ステップS39)。続いて、収受員は、当該利用者に対する支払請求額を手入力する(ステップS40)。請求額演算部101は、収受員に手入力された新たな支払請求額を支払用情報表示領域D1に表示しつつ、引き続き、カード支払待ち受け状態(ステップS32)を維持する。
なお、ICカード挿入前(支払待ち受け状態(ステップS13))において既に金額手入力ボタンB06がタッチされ、支払請求額が手入力されていた場合は、請求額演算部101は、カード支払待ち受け状態(ステップS32)において、金額手入力ボタンB06のタッチ操作を受け付けないようにしてもよい。
【0073】
次に、券待ち受け状態(ステップS00)において、ICカードの挿入(ステップS07)を受け付けた後の処理フローについて説明する。
【0074】
まず、カード挿入後券待ち受け状態(
図6、ステップS50)において、券挿入口201への通行券T1の挿入があった場合(ステップS51)、券処理ユニット200は、直ちに通行券T1を内部に引き込んで、当該通行券T1に記録された情報を読み取る(ステップS52)。券情報取得部106は、券読取ヘッダ202を通じて、通行券T1に記録された情報(入口情報等)を取得する。
通行券T1に記録された情報が取得された後は、請求額演算部101による支払請求額の演算処理(後述するステップS59)に移行する。
【0075】
他方、カード挿入後券待ち受け状態(ステップS50)において、券挿入口201への乗継券T2の挿入があった場合(ステップS53)、券処理ユニット200は、乗継券T2を内部に引き込んで、当該乗継券T2に記録された情報を読み取る(ステップS54)。券情報取得部106は、券読取ヘッダ202を通じて、当該乗継券T2に記録された情報(乗継出口情報等)を取得する。
乗継券T2に記録された情報が取得された後は、券処理ユニット200は、カード挿入後券待ち受け状態(ステップS50)を維持して、更に、通行券T1等の挿入を受け付ける。
【0076】
カード挿入後券待ち受け状態(ステップS50)において、利用者から受け取った通行券T1又は乗継券T2が(破損等のため)正常に読み取れない場合には、収受員は、券破損ボタンB01をタッチする(ステップS55)。続いて、収受員は、正常に読み取れない券に記録されていた情報を手入力する(ステップS56)。券情報取得部106は、収受員によって手入力された情報を、通行券T1又は乗継券T2に記録されていた情報とみなして取得する。
乗継券T2に係る情報が手入力された後は、券処理ユニット200は、カード挿入後券待ち受け状態(ステップS50)を維持して、更に、通行券T1等の挿入を受け付ける。
通行券T1に係る情報が手入力された後は、請求額演算部101による支払請求額の演算処理(後述するステップS59)に移行する。
【0077】
カード挿入後券待ち受け状態(ステップS50)において、通行券T1が挿入され、当該通行券T1に記録された情報が読み取られた場合(ステップS51〜ステップS52)、請求額演算部101は、通行券T1に記録された情報に基づいて、支払請求額を算出する(ステップS59)。また、通行券T1よりも先に乗継券T2が挿入され、当該乗継券T2に記録された情報が読み取られていた場合(ステップS53〜ステップS54)、請求額演算部101は、乗継券T2に記録された情報(乗継出口情報等)と、通行券T1に記録された情報(入口情報等)と、の両方に基づいて、乗り継ぎに係る割引適用後の支払請求額を算出する(ステップS59)。
【0078】
請求額演算部101によって算出された支払請求額、及び、通行券T1、乗継券T2から読み取られた各種情報は、タッチパネル500の支払用情報表示領域D1(
図3)に表示される。収受員は、支払用情報表示領域D1に表示された各種情報を視認して、利用者に対し、当該支払請求額に相当する金額の支払いを求める。
ここで、支払待ち受け指示部102は、券処理ユニット200、カード処理ユニット300等に対し、利用者からのICカードによる支払い(ICカードを用いた支払処理)を待ち受けるカード支払待ち受け状態への移行を指示する(ステップS60)。カード支払待ち受け状態においては、既に通行券T1が内部に引き込まれており、かつ、支払請求額が提示されている段階にあるため、券処理ユニット200は、乗継券T2の挿入を受け付けないように制限する。
【0079】
カード支払待ち受け状態(ステップS60)において、ステップS07で挿入されたICカードによる支払処理を確定する場合、収受員は、カード支払確定ボタンB10をタッチする(ステップS61)。この場合、支払処理部107は、カード処理ユニット300を通じて、ICカードへの料金収受に係る情報の読み取り、書き込み処理(即ち、ICカードを用いた支払処理)を実行する(ステップS62)。ICカードを用いた支払処理が完了すると、CPU100は、新たな乗継券T2の発行を行うか否かの判定処理(
図4、ステップS23)を経て、利用者に対する料金収受処理を完了する。
【0080】
カード支払待ち受け状態(ステップS60)において、利用者に対し身体障害者用割引を適用する場合、収受員は、割引ボタンB04をタッチする(ステップS63)。この場合、請求額演算部101は、通行券T1、乗継券T2に基づいて算出した支払請求額(ステップS12の演算結果)を基にして、更に、身体障害者用割引適用後の支払請求額を再計算する(ステップS64)。そして、請求額演算部101は、再計算結果(身体障害者用割引適用後の新たな支払請求額)を支払用情報表示領域D1に表示しつつ、引き続き、カード支払待ち受け状態(ステップS60)を維持する。
【0081】
カード支払待ち受け状態(ステップS60)において、利用者に対し、通常の支払請求額とは異なるイレギュラーな額の支払いを求める場合、収受員は、金額手入力ボタンB06をタッチする(ステップS65)。続いて、収受員は、当該利用者に対する支払請求額を手入力する(ステップS66)。請求額演算部101は、収受員に手入力された新たな支払請求額を支払用情報表示領域D1に表示しつつ、引き続き、カード支払待ち受け状態(ステップS60)を維持する。
【0082】
カード支払待ち受け状態(ステップS60)において、乗継券T2を改めて読み取って、乗り継ぎに係る割引の適用を行いたい場合、収受員は、特別ボタンB11をタッチする(ステップS67)。この場合、券待ち受け指示部103は、券処理ユニット200に対し、挿入されている通行券T1の排出を指示し(ステップS68)、更に、通行券T1及び乗継券T2の挿入を受け付けるカード挿入後券待ち受け状態(ステップS50)への移行を指示する。これにより、券処理ユニット200は、内部(券読取ヘッダ202の位置)に引き込まれていた通行券T1を券挿入口201まで排出するとともに、乗継券T2の挿入制限を解除して、通行券T1の挿入、及び、乗継券T2の挿入の両方を受け付ける。
【0083】
なお、上述のカード支払待ち受け状態(ステップS60)において、収受員から支払請求額の変更に係る操作(割引ボタンB04のタッチ、又は、金額手入力ボタンB06のタッチ)を受け付けた場合には、券待ち受け指示部103は、特別ボタンB11のタッチ操作の受け付けを制限する。具体的には、例えば、券待ち受け指示部103は、タッチパネル500において特別ボタンB11のボタン画像を非表示にして、特別ボタンB11のタッチ操作を無効化する。
【0084】
また、上述のカード挿入後券待ち受け状態(ステップS50)において、収受員の手入力に係る操作(券破損ボタンB01のタッチ)を受け付けた場合には、券待ち受け指示部103は、その後のカード支払待ち受け状態(ステップS60)において、特別ボタンB11のタッチ操作の受け付けを制限する(特別ボタンB11を非表示にする)。
【0085】
(作用・効果)
以上の通り、第1の実施形態に係る料金収受機10は、通行券T1の挿入、及び、乗継券T2の挿入を受け付ける券待ち受け状態において、通行券T1が挿入された場合に、当該通行券T1から読み取った情報に基づいて支払請求額を算出する請求額演算部101を備えている。また、料金収受機10は、支払請求額が算出された場合に、乗継券T2の挿入を制限するとともに算出された支払請求額に対する支払処理を受け付ける支払待ち受け状態への移行を指示する支払待ち受け指示部102を備える。また、料金収受機10は、支払待ち受け状態において、収受員から所定操作(特別ボタンB11のタッチ操作)を受け付けた場合に、挿入された通行券T1の排出、及び、券待ち受け状態への移行を指示する券待ち受け指示部103を備える。
このようにすることで、先に通行券T1が挿入されて支払請求額が算出された後において、利用者が乗継券T2による乗り継ぎ割引の適用を受けることを希望する場合に、収受員による所定操作を受け付けることを条件に、通行券T1の挿入(支払請求額の算出処理)を取り消すことができる。
したがって、料金収受機10に、先に通行券が挿入された場合であっても、乗継券による割引を適用することができる。
【0086】
また、第1の実施形態に係る料金収受機10は、券待ち受け状態において、収受員から次の出口料金所で乗り継ぎによる割引の適用を受けるために必要な新たな乗継券の発行に係る操作を受け付けた場合に、支払処理の完了後において新たな乗継券の発行を指示する乗継券発行指示部104を更に備える。
このようにすることで、利用者が乗り継ぎを希望する場合に、次の出口料金所で乗り継ぎ割引の適用を受けるために必要な新たな乗継券を提供することができる。
また、従来においては、例えば、通行券T1が挿入された後の段階で、利用者より「これから乗り継ぎを行う」との申し出があった場合に、次の出口料金所で乗り継ぎ割引の適用を受けるために必要な新たな乗継券の発行に係る操作(乗継券発行ボタンB03のタッチ)を行うことができない。しかしながら、本実施形態に係る上記態様によれば、新たな乗継券の発行に係る操作を行う前に通行券T1が挿入された場合であっても、収受員による所定操作を受け付けて、通行券T1の挿入(支払請求額の算出処理)を取り消して、当該通行券T1の挿入前の段階に復帰することができる。したがって、収受員は、通行券T1が挿入された後に新たな乗継券を発行する必要が生じた場合であっても、当該新たな乗継券の発行に係る操作(乗継券発行ボタンB03のタッチ)を行うことができる。
【0087】
また、第1の実施形態に係る料金収受機10によれば、券待ち受け指示部103は、支払待ち受け状態において、収受員から支払請求額の変更に係る操作を受け付けた場合には、上記所定操作(特別ボタンB11のタッチ操作)の受け付けを制限する。
このようにすることで、通行券T1の挿入後であって、更に、支払請求額の変更に係る処理を行った後は、通行券T1の挿入(支払請求額の算出処理)の取消が制限されるので、不正操作(例えば、支払請求額の算出処理を一旦取り消して、再度の手入力により支払請求額を不正に変更する等)の抑制を図ることができる。
【0088】
また、第1の実施形態に係る料金収受機10は、支払待ち受け状態において、収受員からICカードによる支払いの選択に係る操作を受け付けた場合には、ICカードの挿入を受け付けるカード待ち受け状態への移行を指示するカード待ち受け指示部105を更に備える。
このようにすることで、通行券T1を挿入した後において利用者がICカードによる支払いを希望する場合に、収受員による所定操作(カード後掛けボタンB07のタッチ操作)を受け付けることを条件に、ICカードの挿入を受け付けて、当該ICカードを用いた精算を行うことができる。
【0089】
また、第1の実施形態に係る料金収受機10は、通行券T1、乗継券T2の挿入を一枚ずつ受け付けて、券挿入位置と券読取位置との間で、挿入された通行券T1、乗継券T2を進退させる券搬送部203を更に備える。
これにより、収受員による所定操作を受け付けて通行券T1の挿入の取消が指示された場合に、先に挿入された通行券T1を排出し、改めて乗継券T2の挿入を受け付け可能な状態に移行することができる。
【0090】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態に係る料金収受機について、
図7〜
図8を参照しながら説明する。
【0091】
(料金収受機の処理フロー)
図7は、
図8は、それぞれ、第2の実施形態に係る料金収受機の処理フローを示す第1の図、第2の図である。
図7は、支払待ち受け状態(ステップS13)以降の処理フローを図示している。支払待ち受け状態(ステップS13)以前の処理、及び、
図7に示すステップS13〜ステップS24の各処理においては、第1の実施形態(
図4)と同様であるため、説明を省略する。
第2の実施形態に係る料金収受機10において、支払待ち受け状態(ステップS13)にある場合、収受員は、更に、「分割」ボタンをタッチすることができる。「分割」ボタンは、利用者が、有料道路の料金体系が異なる区間を走行した場合であって、当該異なる区間別に支払処理を分割して行うことを希望する場合に利用される。ここで、料金体系としては、例えば、走行する距離に応じて支払請求額が増減する“対距離区間”、走行する距離にかかわらず一定の支払請求額が課される“均一区間”等がある。
【0092】
支払待ち受け状態(ステップS13)において、収受員が「分割」ボタンをタッチすると(ステップS25)、支払待ち受け指示部102は、まず、対距離区間についての支払処理を待ち受ける「対距離区間支払待ち受け状態」に移行する(ステップS70)。
【0093】
対距離区間支払待ち受け状態(ステップS70)に続く現金支払処理(ステップS71)〜現金支払確定ボタン(ステップS72)、割引ボタン(ステップS73)〜請求額再計算(ステップS74)、及び、金額手入力ボタン(ステップS75)〜金額手入力処理(ステップS76)については、第1の実施形態における各処理ステップと同様である。
また、カード後掛けボタンB07タッチ後(ステップS77)に続くICカードによる支払処理(ステップS78)は、
図5に示すステップS30〜ステップS40と同様の処理フローである。ただし、ステップS78において、カード取消ボタンB08がタッチされた場合(
図5、ステップS35)は、支払待ち受け指示部102は、対距離区間支払待ち受け状態(ステップS70)への移行を指示する。
【0094】
また、対距離区間支払待ち受け状態(ステップS70)において、支払処理の分割を取り消したい場合、収受員は、「分割訂正」ボタンをタッチする(ステップS79)。この場合、支払待ち受け指示部102は、「分割」ボタンをタッチする前の支払待ち受け状態(ステップS13)に移行する。
このようにすることで、分割に係る一回目の支払処理(対距離区間についての支払処理)を確定する前であれば、「分割訂正」ボタンのタッチ操作(ステップS79)に続く特別ボタンB11のタッチ操作(ステップS21)によって、通行券T1を挿入する前の券待ち受け状態(
図4、ステップS00)に復帰することができる。
【0095】
対距離区間支払待ち受け状態(ステップS70)において、現金による支払処理が確定した後(ステップS72)、又は、ICカードによる支払処理が確定した後(ステップS78)は、支払待ち受け指示部102は、均一区間についての支払処理を待ち受ける「均一区間支払待ち受け状態」への移行を指示する(ステップS80)。
【0096】
均一区間支払待ち受け状態(ステップS80)に続く現金支払処理(ステップS81)〜現金支払確定ボタン(ステップS82)、割引ボタン(ステップS83)〜請求額再計算(ステップS84)、及び、金額手入力ボタン(ステップS85)〜金額手入力処理(ステップS86)については、第1の実施形態における各処理ステップと同様である。
また、カード後掛けボタンB07タッチ後(ステップS87)に続くICカードによる支払処理(ステップS88)は、
図5に示すステップS30〜ステップS40と同様の処理フローである。ただし、ステップS88において、カード取消ボタンB08がタッチされた場合(
図5、ステップS35)は、支払待ち受け指示部102は、均一区間支払待ち受け状態(ステップS80)への移行を指示する。
【0097】
また、
図8に示すように、均一区間支払待ち受け状態(ステップS80)において、支払処理の分割を取り消したい場合であっても、「分割訂正」ボタンをタッチすることはできない。
このようにすることで、分割に係る一回目の支払処理(対距離区間についての支払処理)を確定した後においては、通行券T1を挿入する前の券待ち受け状態(
図4、ステップS00)に復帰することを制限する。
【0098】
均一区間支払待ち受け状態(ステップS80)において、現金による支払処理が確定した後(ステップS82)、又は、ICカードによる支払処理が確定した後(ステップS88)は、CPU100は、新たな乗継券の発行を行うか否かの判定処理(
図4、ステップS23)を経て、利用者に対する料金収受処理を完了する。
【0099】
(作用・効果)
以上の通り、第2の実施形態に係る料金収受機10によれば、券待ち受け指示部103は、支払待ち受け状態において、収受員から支払処理の分割を行うための操作(「分割」ボタンのタッチ操作)を受け付けた場合であって、更に、分割された一の支払処理の完了後においては、所定操作(特別ボタンのタッチ操作)の受け付けを制限する。
このようにすることで、全支払処理の一部でも支払いが確定した後は、通行券T1の挿入前の段階には復帰させないようにすることができる。
【0100】
以上、第1の実施形態及び第2の実施形態に係る料金収受機10について詳細に説明したが、第1の実施形態、第2の実施形態に係る料金収受機10の具体的な態様は、上述のものに限定されることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において種々の設計変更等を加えることは可能である。
【0101】
例えば、券待ち受け指示部103は、通行券T1から読み取った入口情報に基づき、利用者が不正走行(例えば、Uターン等)していることを検知した場合には、特別ボタンB11のタッチ操作を制限するようにしてもよい。
また、券待ち受け指示部103は、通行券T1(又は乗継券T2)から読み取った通過日時に基づき、当該通行券T1(乗継券T2)が利用可能な時間帯を超過していることを検知した場合には、特別ボタンB11のタッチ操作を制限するようにしてもよい。
以上のようにすることで、利用者の不正が疑われる処理の取り消しを防止することができる。
【0102】
また、第2の実施形態において、“対距離区間”についての支払処理が分割に係る一回目の支払処理であり、“均一区間”についての支払処理が分割に係る二回目の支払処理であるものとして説明したが、これらの分割に係る支払処理の順序は逆であってもよい。また、他の実施形態においては、料金の支払いが、三つ以上の異なる支払処理に分割されてもよい。この場合であっても、分割に係る一回目の清算処理が確定した後は、券待ち受け状態への復帰が制限されるものとする。
【0103】
また、上述の各実施形態においては、上述した料金収受機10(CPU100)の各種処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって上記各種処理が行われる。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0104】
上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。更に、料金収受機10(CPU100)は、1台のコンピュータで構成されていても良いし、通信可能に接続された複数のコンピュータで構成されていてもよい。
【0105】
以上のとおり、本発明に係るいくつかの実施形態を説明したが、これら全ての実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。