(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項11に記載の発光構造体であり、前記鏡面反射領域が、一定幅のストリップ、又は前記反射基板の中心から離れるにつれて幅が増大するストリップを含む、発光構造体。
【背景技術】
【0002】
技術の発展に伴い、半導体発光デバイスは、家庭用ライト、領域ライティング、車両用などを含む広範な応用に用いられている。これらの応用の中には、もたらされる照明の効率又は効果を最適化するために特定のパターンが望まれることがある。
【0003】
従来の発光デバイスの照明(光度(luminous intensity)、輝度パターン(luminance pattern))は、発光表面の法線に関して概してランバーシアン型(Lambertian)である。ランバーシアン型ではない所望の照明をもたらす発光構造体の製造において、ランバーシアン型照明パターンを所望の照明パターンへと変換するのに光学素子が用いられる。
【0004】
例えば、「懐中電灯」応用は、ランバーシアン照明を狭いビーム幅の照明パターンへとコリメーティングするフレネルレンズを採用することがあり、それにより光をレンズに直角な方向に集光させる。
【0005】
ヘッドライトなどの自動車応用において、輝度パターンが一方向(車道を横切る方向)に広いビーム幅であり、他の方向(車道の上方の方向)に狭いビーム幅であるような輝度パターンのような、伸張した輝度パターンが望まれることがある。
図1Aは、Amano氏らに発行され本明細書で参照として援用している米国特許第7339200号明細書「発光ダイオード及び車両用ランプ」に開示された「ピーナッツ形状」光学レンズ14を図示している。縦軸方向において、このレンズは、1つの凹レンズ部分C1の両側にある2つの凸レンズ部分C2を有する。このレンズ部分の結合は、LED110により放出された光を分散するよう機能し、発光表面の法線から離れた所与の角度に2つのピークを備えた
図1Bの輝度パターン150をもたらす。LED110の位置に関しての光学レンズ14の様々な寸法が、これらのピークの位置(法線からの角度)及び大きさを決定し、発光表面に垂直な「谷」内の輝度の大きさも決定する。
【0006】
所望の輝度パターンを作る光学レンズを成型しあるいは他の方法で形成するコストはわずかであるかも知れないが、半導体発光デバイスの分野における増大する競争圧力によって、実現できるコスト削減はどんなものでも要求されることがある。
【0007】
追加的に、コスト効果及び他の考慮のために、所望の光学レンズの形成は、概して、発光構造体製造のパッケージング段階中に実行され、したがって発光構造体製造が所望の輝度パターンをもたらすレンズの作成に含まれることが要求されている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
添付図面に関連した例示的な方法で、本提案を以下により詳細に説明する。
【0015】
図面を通して、同一の参照符号は、同様な又は対応する特徴又は機能を指示する。図面は例示の目的のために含まれたものであり、本発明の範囲を限定することを意図していない。
【
図1A】放射光を成形するための光学素子を用いて所望の輝度パターンをもたらす従来の発光構造体の一例を示す。
【
図1B】放射光を成形するための光学素子を用いて所望の輝度パターンをもたらす従来の発光構造体の一例を示す。
【
図2A】従来のPSS-CSP (Patterned Sapphire Substrate Chip Scale Package)及びその輝度パターンの一例を示す。
【
図2B】従来のPSS-CSP (Patterned Sapphire Substrate Chip Scale Package)及びその輝度パターンの一例を示す。
【
図2C】従来のPSS-CSP (Patterned Sapphire Substrate Chip Scale Package)及びその輝度パターンの一例を示す。
【
図3A】法線から90度を越えた角度で実質的発光強度を有する輝度パターンを呈する例示的な発光デバイスを示す。
【
図3B】法線から90度を越えた角度で実質的発光強度を有する輝度パターンを呈する例示的な発光素子を示す。
【
図4A】鏡面反射基板及びその輝度パターンを含む例示的な発光構造体を示す。
【
図4B】鏡面反射基板及びその輝度パターンを含む例示的な発光構造体を示す。
【
図5A】拡散反射基板及びその輝度パターンを含む例示的な発光構造体を示す。
【
図5B】拡散反射基板及びその輝度パターンを含む例示的な発光構造体を示す。
【
図6A】拡散反射領域及び鏡面反射領域を備えた反射基板並びにその輝度パターンを含む例示的な発光構造体を示す。
【
図6B】拡散反射領域及び鏡面反射領域を備えた反射基板並びにその輝度パターンを含む例示的な発光構造体を示す。
【
図7A】拡散反射領域及び鏡面反射領域を備えた反射基板並びにその輝度パターンを含む、他の例示的な発光構造体を示す。
【
図7B】拡散反射領域及び鏡面反射領域を備えた反射基板並びにその輝度パターンを含む、他の例示的な発光構造体を示す。
【
図8A】拡散反射基板上に取り付けられた反射インターポーザ(a reflective interposer)の上に取り付けられた発光デバイス及びその輝度パターンを含む例示的な発光構造体を示す。
【
図8B】拡散反射基板上に取り付けられた反射インターポーザ(a reflective interposer)の上に取り付けられた発光デバイス及びその輝度パターンを含む例示的な発光構造体を示す。
【
図8C】拡散反射基板上に取り付けられた反射インターポーザ(a reflective interposer)の上に取り付けられた発光デバイス及びその輝度パターンを含む例示的な発光構造体を示す。
【
図9】発光構造体上方の輝度パターンの極座標プロット(a polar plot)を示す。
【
図10】法線から90度を超えた角度で実質的な発光強度を有する輝度パターンを呈する、他の例示的な発光デバイスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の説明においては、限定ではなく説明の目的で、本発明の概念の完全なる理解を提供するために、例えば特定のアーキテクチャ、インタフェース、技術などの具体的に詳細な事項を説明する。しかしながら、当業者に明らかなように、本発明は、これらの具体的詳細事項からは外れる他の実施形態でも実施され得るものである。同様に、本明細書の説明は、図面に示した実施形態例に向けられたものであり、請求項に係る発明に、請求項に明示的に含められた限定以外の限定を加えるものではない。単純化及び明瞭化の目的のため、不要な詳細事項で本発明の説明を不明瞭にしないよう、周知のデバイス、回路及び方法についての詳細な説明は省略する。
【0017】
図2A〜2Cは、例示的な従来技術のパターン化されたサファイア基板チップスケールパッケージ(PSS-CSP (Patterned Sapphire Substrate Chip Scale Package))発光デバイス200及びその輝度パターンを示す。
図2A、2Bの素子200は、発光表面215を備えたチップスケール発光素子210、及び発光表面215上の光学波長変換層220を含む。発光素子210の側面218からある光が放射されることがあり、波長変換層220は、これらの側面218を包囲することができる。発光素子210上の接点212A及び212Bが発光素子210への外部接続をもたらす。
【0018】
透明保護層230が設けられて、発光素子210及び光学波長変換層220を包囲する。保護層230の側部表面238からと同様に、頂部表面235からも光が放射される。この例示的実施形態においては、保護層230は250μmの厚いサファイア構造体であるが、シリコーン(silicone)などの他の透明材料も用いることができる。
【0019】
法線260が、頂部235の平面に対する法線として定義される。角度P265が、法線260から測定される。法線270が、側部238の平面に対する法線として定義される。典型的には、法線260と法線270との間の角度は90度である。角度A275が、法線270から2つの閉鎖したコーナーまで測定した角度であり、すなわち、直方体については45度である。
【0020】
2つの例示的な輝度パターン250,250′が
図2Cに示されており、法線からの±180度が水平軸線上に示されている。輝度パターン250は、極の関数としての角度光出力分布の断面であり、つまり、方位角270を0度に固定したときの、表面235の法線260から測定した仰角P265(
図2A)の関数としての角度光出力分布の断面である。すなわち、このグラフは、側部238に平行な平面内において角度P265が+180°から−180°まで掃引されるときの輝度を示している。固定方位角270は、表面238(又は均等的に、対称性により他の側部表面の法線)の角度法線として定義される。輝度パターン250′は、表面238に関して方位角A275を45度に固定した(均等的に、対称性により素子の各コーナーに向かって見た)ときの、角度光出力分布の断面である。
【0021】
図から分かるように、各表面の法線から約±60°以内で大部分の光が放出される。上述したように、この放射パターンは、多くの応用において適切である一方、
図1Bのマルチローブ放射パターンなどの実質的に異なる放射パターンを要求する用途があり、ローブの大きさ及び位置(放射角度)及びローブ間の谷の大きさは、異なる用途の場合に変化することがある。
【0022】
側面発光型発光デバイスは、当技術分野では一般的であり、輝度ローブは、好ましくは、発光素子の発光表面の法線から90°に位置する。2009年12月1日にShchekin氏らに発行された米国特許第7,626,210号「LOW PROFILE SIDE EMITTING LED」及び2014年6月17日にBierhuizen氏らに発行された米国特許第8,755,005号「THIN EDGE BACKLIGHT WITH LEDS OPTICALLY COUPLED TO THE BACK SURFACE」(それぞれ本明細書に参照として引用される)が、発光素子と拡散反射体との間に挟まれた導波路を含む側面発光型LEDを開示している。光は、最終的に導波路の側端から漏出するまで、光ガイド内部で反射される。
【0023】
本発明の一態様に従えば、背面発光型発光デバイスを作るために、同様の構造体が用いられる。本明細書で使用される用語として、背面発光型発光デバイスは、発光される光の少なくとも半分が、発光源の発光表面の発光方向の法線から90度を超える角度で放出されるデバイスである。
【0024】
図3A〜
図3Bは、法線から90度を超える角度で実質的な輝度強度を含む輝度パターンを有する例示的な背面発光型発光デバイス300を示す。
【0025】
発光デバイス300は、本実施形態では
図2BのPSS-CSP発光素子210と同様な発光素子310を含む。しかしながら、当業者であれば、発光素子310の特定の構造は本発明にとって重要ではなく、適切ないかなる発光構造をも使用することができることを認識するであろう。
【0026】
発光素子310は、「ダイレクトカラー」(青色、緑色、黄色、UV、赤色、深赤色など)の発光素子であっても良く、且つ/或いは異なる色の光を放射するために選択的な波長変換層320を含んでも良い。拡散反射体340が発光素子310の真上に位置され、比較的厚い透明スペーサ素子330によって発光素子310から分離されている。一実施例では、発光素子の厚さ301は約250μmであり、波長変換層320は約75μmの厚さであり、透明なスペースは約500〜1000μmである。典型的には、
透明なスペースの厚さ302と発光素子の厚さ301との間の比は、2:1〜4:1の間である。
【0027】
発光素子310が成長する基板又は発光素子310が結合される基板は、スペーサ素子330を形成することができ、例えばサファイア基板であっても良い。例示的な実施形態において、基板/スペーサ330は凹部を含むことができ、その中に発光素子310が成長され或いは発光素子310が結合される。基板/スペーサ330が凹部を含まない場合には、発光素子310の周囲にシリコーン層のような保護材料を配置することができる。この保護材料は、基板/スペーサ330に光を方向付けるために反射性であっても良い。
【0028】
発光素子300の構造は、
図3Cに示すような輝度パターン350、350′をもたらす。パターン350は、デバイス300の壁面338に対する法線270から見た輝度パターンであり、パターン350′は、デバイス300の角に向かう角度A 275から見た輝度パターンである。
【0029】
両輝度パターンが図示されているが、提示及び理解を容易にするために、輝度パターンに関する後続の詳細は、壁面の法線270から見たときの輝度パターンを言うものとする。すなわち、「ダッシュ(′)が付けられていない」数字350, 450, 550, 650, 750, 850で識別されるパターンは、法線270から見たときの輝度パターンであるが、「ダッシュ(′)が付けられた」数字で識別されるパターン350′, 450′, 550′, 650′, 750′, 850′はデバイス300の角に向かう角度A 275から見た輝度パターンである。
【0030】
特に注目すべきは、発光デバイス300は、発光素子の発光表面315の法線から90°を超える角度で実質的な輝度をもたらすことである。このことは、拡散反射体340が光を様々な角度で反射するが、これらの角度の実質的に全てが「下方」方向(すなわち、発光表面315の平面に向かう方向)にあり、スペーサ要素330が十分に高いので、反射された光のかなりの量が、デバイス300内部の更なる反射無しにスペーサ層330から直接に射出可能となることによる。
【0031】
角度±90°の輝度は、主に、発光素子310からの光であり、スペーサ層の外壁から直接に漏出する光であるか、又は拡散反射体340から反射された光であり、スペーサ素子330内で反射され「上方」方向に外壁に向かって再方向付けされた光である。
【0032】
拡散反射体340は、少なくとも95%の反射率と5%の透過率をもたらすTiOxの層であっても良い。100μmのTiOx厚さは、少なくとも99%の反射率及び1%未満の透過率をもたらすことができる。発光表面315に垂直な方向に追加の輝度が望まれる場合には、より薄い層又は異なる材料を用いることができる。
【0033】
発光デバイス300の背面発光輝度パターン350は、発光デバイス300が実装される基板(図示せず)の反射特性を使用する機会を提供し、発光を特定の用途ごとに所望の輝度パターンに成形することができる。
【0034】
図4A、4Bは、鏡面反射基板410を含む例示的な発光構造体400を示す。輝度パターン450, 450′は、発光構造体400の出力である。例示的基板410は、発光デバイス300の少なくとも5倍大きく、好ましくは発光デバイス300より一桁大きい。この実施例において、発光デバイス300は約1mm×1mmであり、基板410は約25mm×25mmである。例示的な構造体400において、発光デバイス300の下の1.5mm×1.5mmの領域(図示せず)を除き基板410の全表面は、鏡面反射性であり、例えば鏡面仕上げにまで研磨された銀の薄い層である。金属フィルム、箔、アルミニウム、又は銀アルミニウムベースの若しくは有機DBRベースのミラーシート(例えば、3M ESR)などの他の材料を用いることもできる。1mm×1mmデバイス300の下の1.5mm×1.5mmの領域は、デバイス300を基板410の表面上の鏡面反射材料から電気的に絶縁するために設けられる。この絶縁/露出領域は、鏡面反射領域を増加させるために最小限に抑えることができる。白色はんだマスク(WSM)材料などの非導電性反射材料を用いて、デバイス300の周縁の周りの露出領域を覆うことができる。
【0035】
構造体400は、背面発光型発光デバイス300の周りに1.5mm×1.5mmの拡散反射性WSM領域を有する25mm×25mmの鏡面仕上げ反射基板を含む。この実施例及び次の各実施例において、デバイス300の反射表面340(
図3B)は、95%の反射率と5%の透過率をもたらす。上述したように、背面発光型発光デバイス300は、発光素子の発光表面315の法線から90°を超える角度で実質的な輝度をもたらす(
図3C)。したがって、反射基板410は、実質的な輝度を受け、基板410の平面から離れる「上方」方向に反射する。構造体400は、
図4Bの例示的な輝度パターン450, 450′をもたらす。図示されるように、構造体400は、約30°〜90°(460〜470)の半値全幅FWHM(Full Width at Half Maximum)を有する強い側面放射を示す。発光表面に垂直な0°での輝度490は、約70°で最大輝度480の約15%である。
【0036】
このマルチローブ輝度パターン450は、
図1Aのレンズ14のような別個の光学レンズなしで達成されており、
図1Bのマルチローブ輝度パターン150をもたらすことに注目することは重要である。
【0037】
上述のように、異なる用途は、異なる輝度パターンを要求することがある。基板の反射特性を制御することによって、輝度パターンの形状を変更することができる。
【0038】
図5A〜5Bは、WSMなどの拡散反射性材料でコーティングされた25mm×25mm基板510上に取り付けられた発光デバイス300を含み、かつその輝度パターン550, 550′を有する発光構造体500の一例を示す。
【0039】
25mm×25mmのWSM拡散反射基板及び背面発光型デバイス300を含む構造体500は、
図5Bの例示的な輝度パターン550, 550 ' を提供する。(
図4Bのように、輝度パターン550は、±90°を超えて最小の放射を有する。この輝度パターン550及びその後の輝度パターンは、±90°以内の放射のみを示す。)図面から分かるように、構造体500も側面放射を示すが、輝度パターン550, 550′の形状は、
図4Aの構造体400によって生成される輝度パターン450, 450′より実質的に「丸く」、実質的にピークが少ない。
【0040】
構造体500によって生成される輝度パターン550は、−90°〜90°(560〜570)の半値全幅FWHM(Full Width at Half Maximum)を示す。 発光表面に垂直な0°での輝度590は、約50°での最大輝度580の約80%である。
【0041】
明らかなように、デバイス300が鏡面反射基板410上に配置されたときに生成されるパターン450, 450′と比較して、デバイス300が拡散反射基板510上に配置されるとき、実質的に異なる輝度パターン550, 550′が背面発光型デバイス300によって生成される。
【0042】
これらの異なる輝度パターン450, 550(450′, 550′)は、同じ発光デバイス300を囲む基板410, 510の反射特性を制御することによって生成されたことに注目することは重要である。したがって、反射基板及びデバイス300を有する発光構造体の各提供者は、デバイス300の提供者と相互作用することなく、
図1Aに示すような特定目的の光学レンズを作成する必要なく、所望の輝度パターンをもたらすことができる。
【0043】
鏡面反射構造体400と拡散反射構造体500との間の所望の輝度パターンを得るために、鏡面反射と拡散反射との組み合わせを用いることができる。
【0044】
図6A及び
図6Bは、拡散反射領域620及び鏡面反射領域630を備えた反射基板610の上に取り付けられた背面発光型発光デバイス300を有する例示的な発光構造体600と、その輝度パターン650, 650′を示す。例示的構造体600におけるように、1.5mm×1.5mm領域(図示せず)が、1mm×1mmデバイス300を包囲してデバイス300を鏡面反射領域630から隔離し、WSMなどの拡散反射材料を含むことができる。拡散反射領域620は基板610の周縁まで延在し、鏡面反射領域630は直径10mmの円形の鏡面領域である。
【0045】
図6Bは、構造体600によりもたらされる例示的な輝度パターン650, 650′を示す。輝度パターン450及び550とは対照的に、構造体600により生成される輝度パターン650は、約30°から90°(660-670)の半値全幅FWHMを示す。発光表面に垂直な0°での輝度690は、約60°での最大輝度680の約25%である。
【0046】
図7Aは、拡散反射領域720を備えた反射基板710と、鏡面反射領域730と、1.5mm×1.5mmの拡散反射領域(図示せず)により包囲された背面発光型デバイス300とを有する例示的な発光構造体700を示す。拡散反射領域720は基板710の周縁にまで延在し、鏡面反射領域730は直径5mmの円形の鏡面領域である。
【0047】
図7Bは、構造体700によりもたらされる例示的な輝度パターン750, 750′である。輝度パターン450, 550, 650とは対照的に、構造体700によりもたらされる輝度パターン750は、約20°〜90°(760〜770°)で半値全幅FWHMを示す。発光表面に垂直な0°における輝度790は、約60°での最大輝度780の約35%である。
【0048】
所望の輝度パターンを生成するための基板上の反射領域の他の組み合わせ及び配置は、本開示を考慮して当業者には明らかであろう。
【0049】
図8A〜
図8Cは、反射インターポーザ830上に搭載された発光デバイス300と、その輝度パターン850, 850′とを有する例示的な発光構造体800を示す。
図8Aは本配置の上面図を示し、
図8Bは側面図を示す。
【0050】
反射インターポーザ830は、基板810上に搭載される。基板810の実装面は、実装面の一部又は全面上に拡散反射コーティング820を含む。本実施例では、反射インターポーザ830は、約3.5mm×3.5mmの鏡面反射表面を有し、厚さ約600mmの銀被覆セラミックブロックであってもよい。
【0051】
図8Cは、
図8Aの構造体によりもたらされる例示的な輝度パターン850を示す。輝度パターン450, 550, 650, 750とは対照的に、構造体800によりもたらされる輝度パターン850は、約5°〜90°(860〜870)で半値全幅FWHMを示す。発光表面に垂直な0°における輝度890は、約55°での最大輝度880の約40%である。
As detailed above, the choice of the reflective surface upon which the back-emitting light emitting device 300 is situated provides luminance patterns having different characteristics, without the use of secondary optics.
上で詳述したように、背面発光型発光デバイス300が配置される反射表面の選択は、二次的光学素子を使用することなく、異なる特性を有する輝度パターンをもたらす。
【0052】
図9は、輝度パターン550, 650, 750及び850の極プロットを示す。
図9はまた、ランバーシアンパターンを有する従来の発光デバイスの輝度パターン960の極プロットと、
図8A、8Bのインターポーザ830などの反射インターポーザ上に位置する従来の発光デバイスの輝度パターン950の極プロットとを含む 。
【0053】
図から分かるように、従来の発光デバイスを反射インターポーザ上に配置することにより、ランバーシアンパターン960と比較して、法線方向の発光が低減され、側面からの発光が増加した輝度パターン950がもたらされる。しかしながら、パターン950は、パターン650,750及び850の実質的なサイドローブを示さない。
【0054】
拡散反射体上に背面発光型発光デバイス300を配置することにより、反射インターポーザ上に位置する従来の発光デバイスの輝度パターン950よりも多くの側面放射を有する輝度パターン550が提供されるが、法線方向にも相当量の光が放射される。
【0055】
構造体600, 700及び800の鏡面反射体は、法線方向の放射が低減された、顕著なサイドローブをもたらす。輝度パターン750及び650から分かるように、鏡面反射材料(それぞれ5mm円、10mm円)の面積を増加させると、サイドローブ強度が増加し、法線方向の放出が減少する。このことは、背面発光型発光デバイス300から放射された光が、「下方」及び背面発光型発光デバイス300「から離れる」ように射出するという事実による。背面発光型発光デバイスからの距離がより遠い反射体に当たる光は、より浅い角度で(法線からより離れて)反射体に当たり、これらの浅い角度で続いて反射される。逆に、光が浅い角度で拡散反射体に当たると、光の一部のみが浅い角度で反射される。
【0056】
鏡面反射の領域を制御することによって輝度パターンを制御することに加えて、拡散反射表面及び鏡面反射表面の幾何学的形状はまた、拡散反射体上に高められた鏡面反射体の輝度パターン850によって示されるように、輝度パターンの全体形状を変化させる。
【0057】
当業者であれば、異なる放射特性を有する背面発光型発光デバイスを生成し、そしてそれが搭載される反射基板についての対応する異なる反射特性を生成するために、異なる構造体を使用し得ることも認識するであろう。
【0058】
図10は、背面発光型発光デバイス1000の別の例を示す。発光デバイス1000は、
図2Aの発光素子210と同様であって良い発光素子1010を含む。随意的な波長変換層1020が、発光素子1010を覆っても良い。「オーバーサイズ」の反射体1040が、発光素子1010の上方に位置され、透明層1030によって発光素子1010から分離される。
【0059】
反射体1040は、発光素子1010の幅の約3倍として示されているが、発光デバイス1000からの所望の輝度パターンに依存して、他の寸法サイズを用いることができる。
【0060】
透明層1030は、反射体1040よりも狭く図示されており、反射体1040のオーバーハング領域1045を形成する。当業者であれば、透明層1030は、発光デバイス1000からの所望の輝度パターンに依存して、反射体1040と同じサイズであっても良い。
【0061】
反射体1040は、拡散反射性又は鏡面反射性であっても良く、いくつかの実施形態では、拡散反射領域と鏡面反射領域との組み合わせが用いられてもよい。例えば、発光デバイス1010の真上の領域が、ある透過率を備えた拡散反射性であって良く、この拡散反射領域を形成するために用いる材料の厚さ又は組成を制御することによってその透過率を制御することができる。発光デバイス1010の範囲を超えた領域1045は、鏡面反射性又は拡散反射性であって良く、各々は発光デバイス1000から異なる輝度パターンをもたらす。
【0062】
上記各実施形態では、発光素子下の基板の上の対称的な反射パターンが示されており、一般に対称輝度パターンを生成している。しかしながら、上述したように、いくつかの用途では、軸に対して非対称輝度パターンが要求される。
図11〜13は、細長い輝度パターンを生成する基板上の複数の例示的反射パターンを示す。
【0063】
図11において、楕円形の鏡面反射領域1130が、基板1110上の拡散反射領域1120の中心に位置されている。長軸の平面内の輝度パターンは、
図6B(広い鏡面領域)の輝度パターンと同様に現れ、短軸の平面内の輝度パターンは、
図7B(狭い鏡面領域)の輝度パターンと同様に現れることができる。
【0064】
図12において、鏡面反射ストリップ1230が、基板1210上の拡散反射領域1220を二分する。長い方の寸法方向では、輝度パターンは
図4Bと同様に現れ、短い方の寸法方向では、輝度パターンは
図8Cと同様に現れることができる。
【0065】
図13において、基板1310は、拡散反射領域1320と、基板1310の中心から遠くなるにつれて幅広になる鏡面反射ストリップ1330とを含む。長い寸法方向における輝度が発光デバイス300からの距離の増大につれて減少することが、補償される。
【0066】
所望の輝度パターンを達成するためのこれら及び他のパターンも実現可能であり、本開示を考慮して当業者には明らかであろう。
【0067】
発光素子に対向する単一反射表面を備えるデバイスを用いて、本発明を開示し説明してきたが、当業者であれば、発光パターンをさらに成形するために追加的な反射表面を設けてもよいことを認識するであろう。
【0068】
すなわち、与えられた例において、発光パターンは、垂直軸に関して対称であり、各次元(方向)において同様である。一方、デバイスの対向する両側面が反射性である場合、1つの次元(方向)における発光パターンは、
図4B、
図5B、
図6B、
図7B及び
図8Cに示されているようになるであろうが、他の次元では妨げられる(occluded)。2つの反射側面が隣接している場合、両方の次元における発光パターンは、法線に対して非対称である。デバイスの3つの側面が反射性である場合、発光パターンは1つの象限(a quadrant)に限定され、他の3つの象限(quadrants)では妨げられる(occluded)。
【0069】
図面及び前述の説明において本発明を詳細に図示し説明してきたが、そのような図示及び説明は、図示的又は例示的であって限定的ではないと考えるべきであり、本発明は開示された実施形態に限定されない。
【0070】
例えば、発光デバイス300内の反射層340が拡散反射性の代わりに鏡面反射性である実施形態において、本発明を動作させることが可能である。そのような実施形態では、発光素子310と透明層330との間にダイクロイックフィルタ(a dichroic filter)を位置することができ、それにより発光素子310からの光が該フィルタを通過でき、反射層340から反射された光は反射されて反射層340に向かって戻り、発光素子310に吸収されないように構成することができる。
【0071】
同様に、光出力効率を改善するために用いる他の技術も適用され得る。例えば、光出力効率を改善するために、透明層330の側面を粗面化又はテクスチャ加工(textured)することができる。いくつかの実施形態において、透明層330の側面は、発光デバイス300から背面発光される光の量を増減するように成形される。
【0072】
同様に、発光デバイスを潜在的導電性の鏡面反射領域から絶縁するために1.5mm×1.5mmの領域が1mm×1mmの発光デバイスを包囲する本発明が開示されているが、当業者であれば、発光デバイスの周囲の全表面を鏡面反射的に可能にするために他の絶縁技術を用いることができ、或いは非導電性鏡面反射材料を用いることもできることを認識するであろう。
【0073】
同様に、例示的実施形態における透明層330は、発光素子310の周縁を包囲するように構成されているが、当業者であれば、透明層330(及び随意の波長変換材料320)は、発光素子310の範囲を超えて延在する必要がないことを認識するであろう。このような実施形態では、反射性であっても良い保護材料が、発光素子310の周縁を包囲することができる。
【0074】
開示した実施形態に対する他の変形が、図面、本開示及び添付の請求項の検討から、請求項に係る発明を実施する際に、当業者によって理解されて実現され得る。請求項において、用語“有する”及び“含む”はその他の要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞“a”又は“an”は複数であることを排除するものではない。複数の特定の手段が互いに異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、それらの手段の組み合わせが有利に使用され得ないということを指し示すものではない。請求項中の如何なる参照符号も、請求項に係る発明の範囲を限定するものとして解されるべきではない。