(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6688315
(24)【登録日】2020年4月7日
(45)【発行日】2020年4月28日
(54)【発明の名称】チョコレートの軽食の製造方法
(51)【国際特許分類】
A21D 13/32 20170101AFI20200421BHJP
A21D 2/02 20060101ALI20200421BHJP
A21D 2/08 20060101ALI20200421BHJP
A23G 1/30 20060101ALN20200421BHJP
【FI】
A21D13/32
A21D2/02
A21D2/08
!A23G1/30
【請求項の数】22
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-551054(P2017-551054)
(86)(22)【出願日】2016年3月30日
(65)【公表番号】特表2018-509924(P2018-509924A)
(43)【公表日】2018年4月12日
(86)【国際出願番号】EP2016056946
(87)【国際公開番号】WO2016156420
(87)【国際公開日】20161006
【審査請求日】2019年2月22日
(31)【優先権主張番号】MI2015A000478(102015
(32)【優先日】2015年4月2日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】517278200
【氏名又は名称】バリラ ジ.エ エッレ.フラテッリ エッセ.ピ.ア.
【氏名又は名称原語表記】Barilla G. e R. Fratelli S.p.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ブッティーニ ロベルト
(72)【発明者】
【氏名】フェラーリ コラド
(72)【発明者】
【氏名】デュルソ アレッシオ
(72)【発明者】
【氏名】リボルディ ジャンカルロ
【審査官】
宮岡 真衣
(56)【参考文献】
【文献】
欧州特許出願公開第01504672(EP,A1)
【文献】
特表2009−523026(JP,A)
【文献】
国際公開第2014/097917(WO,A1)
【文献】
素敵集めてます ロングライフブレッド(長持ちパン),2014年 5月20日,[Retrieved on 2019.11.22],Retrieved from the Internet,URL,http://koro883.blog.fc2.com/blog-entry-1113.html
【文献】
特集:がんばるChubu ビジネスづくり編 保存料無添加のロングライフパンで新しい食市場を切り拓く!,機関誌「中経連」,2018年 6月,[Retrieved on 2019.11.22],2018年6月号,p.12-15,Retrieved from the Internet,URL,www.chukeiren.or.jp/magazine/pdf/ganbaruchubu 201608.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A21D 2/00−17/00
A23G 1/00−1/56
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
FSTA/WPIDS(STN)
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状のチョコレート層で満たされた、横長のロールパン形状のソフトペストリーベーカリー製品を含む軽食の製造方法であって、
a)天然酵母と共に発酵された小麦粉ベースの生地から得られる横長のロールパン形状の半完成品を利用可能にするステップと、
b)前記半完成品を焼成して、横長のロールパン形状のベーカリー製品であって、当該ベーカリー製品の総重量の22重量%から24重量%までの水分含量を有する前記ベーカリー製品を得るステップと、
c)前記ベーカリー製品が温かい内に、前記ベーカリー製品の水分含量が当該ベーカリー製品の総重量の30重量%から33重量%までの値となるような量で、前記ベーカリー製品に水−アルコール溶液を注入するステップと、
d)下部(1)と上部(2)とが得られるように、前記ベーカリー製品の長手方向に、高さ(h)の半分以下の位置で、かつ長さの80%以上を切断するステップと、
e)前記下部の上表面に溶融したチョコレートの層を被着するステップと、
を含む、軽食の製造方法。
【請求項2】
前記ステップb)において焼成により得られる前記ベーカリー製品が、0.81から0.85に等しいAW値を有し、前記水−アルコール溶液を注入する、次なる前記ステップc)において、0.85から0.89に等しいAW値を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記焼成ステップb)が、190℃から210℃までの温度で、9分から11分までの時間行われる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記水−アルコール溶液が、前記溶液の総重量の5%から10%までのアルコール量を有するエタノールの水溶液である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記水−アルコール溶液が、ベーカリー製品用香料の水−アルコール溶液である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
ステップc)において、前記ベーカリーに注入される前記水−アルコール溶液と、前記ベーカリー製品と、の重量比が、好ましくは1:5から1:14までである、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記小麦粉ベースの生地が、前記生地の総重量の10重量%から12重量%までのモノ−及び/又はジサッカライドを含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ステップd)における前記長手方向の切断が、前記ベーカリー製品の前記高さ(h)の2/10から5/10までの位置において行われ、かつ、前記ベーカリーの幅の80%から90%までを含む、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記長手方向の切断が、前記ベーカリー製品の冷却後に行われ、前記冷却は、前記注入ステップc)の後に起こる、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記ベーカリー製品が、25℃以下の温度まで冷却される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
水−アルコール溶液を注入する前記ステップc)が、前記ベーカリー製品の上面への複数のインジェクターの前記挿入によって行われ、前記インジェクターは前記ベーカリー製品の前記高さ(h)の5/10から9/10までの位置に垂直に上から下へ挿入される、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記水−アルコール溶液を注入するステップc)の間、前記ベーカリー製品は、中心部が85℃から95℃までの温度である、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記焼成ステップb)が、表面カットステップa')に先行され、前記表面カットが、前記半完成品の上面において長手方向に行われる、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記表面カットが、前記上部(2)の高さ(k)よりも浅い深さである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記焼成ステップb)の前に、前記半完成品が、前記上部(2)の上面にデュラム小麦粉をふりかけるステップに供される、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記溶融チョコレートが、予めテンパリングされている、請求項1乃至15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記溶融チョコレートが、50重量%から60重量%までのモノ−及びジサッカライドを含み、24重量%から32重量%までの脂肪を含む、請求項1乃至16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記チョコレート層と前記ベーカリー製品との重量比が、1:2から1:2.5までである、請求項1乃至17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記被着ステップe)において、前記溶融チョコレートが、少なくとも1つの穴を備えるディスペンサーノズルを介して分注され、前記ベーカリー製品の前記下部の上面に少なくとも1つの帯状に被着される、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記被着ステップe)において、前記溶融チョコレートは、互いに適度な間隔を空けられた、少なくとも2つの穴を備えるディスペンサーノズルを介して分注され、前記ベーカリー製品の前記下部の上面に少なくとも2つの帯状に被着され、前記帯は、互いに接触して連続したチョコレート層を形成するのに十分に広げながら、前記被着面の前記縁を越える前記チョコレートのこぼれを起こさない、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記生地が、薄力粉、植物油又は油脂、モノ−及びジサッカライド、特にスクロース、水、天然酵母、卵、及び小麦グルテンを含む、請求項1乃至20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記生地が、更に、塩、脂肪酸のモノ−及びジグリセリド、麦芽大麦粉、アスコルビン酸、及び粉乳を含む、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品及び製菓業に関する、特に、本発明は、チョコレートで満たされたソフトペストリーから成る軽食及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
板状のチョコレートで満たされたパンが、最も美味しくかつ伝統的な軽食(snack)の1つとして知られている。このタイプの軽食は、シンプルな味のためだけでなく、パン及びチョコレートが有する調和及び味の対比によって提供される口内の心地良い感覚のため、子供にも大人にも疑いようもなく好まれる軽食の1つである。
【0003】
しかしながら、チョコレートで満たされたパンの特性を何らかの方法を用いて再現し、流通を意図して工業的に軽食を製造することは、特に困難である。
【0004】
製造の困難さの原因は、工業的スケールにおいて軽食を製造する技術的困難性、及び、パン及びチョコレート等の構成要素を防腐剤を添加せずに室温で保存する技術的困難性である。
【0005】
予め形成された帯状のチョコレートをソフトペストリーのベースに挿入する方法を用いて、工業的スケールにおける「パン及びチョコレート」のような軽食の製造を、大幅に高いコストを負うことなく遂行することは困難である。
【0006】
さらに、溶融チョコレートのレオロジカル特性により、チョコレートが帯状に形成されないため、ソフトペストリーのベースの上に溶融チョコレートの層を被着することは不可能である。溶融チョコレートは、非常に流動的であり、こぼれやすく、ペストリーに吸収されやすく、そして、薄すぎる層を形成する。
【0007】
欧州特許公開EP1504672には、焼成ソフトペストリーロールから成るベーカリー製品であって、クリーム層と固体チョコレートの層とによって分離される2層のベーカリー製品を含む、複合菓子製品が開示されている。特に、チョコレートは、液体状態で分注され、板状になるように徐々に凝固する。
【0008】
しかしながら、欧州特許公開EP1504672には、板状のチョコレートに関連するロールパンを含む軽食が記載されているが、チョコレートの板がロールパンのソフトペストリーに直接接していない。すなわち、ロールパンが長手方向に切断されて形成される開口部の内部にチョコレートの板が挿入される伝統的な軽食を再現しない。
【0009】
仏国特許公開FR2361821には、リキュールに浸漬され、チョコレートの薄い層によって被覆されたソフトペストリーを備える菓子製品に関して、別の技術的解決方法が記載されている。チョコレートの層は、溶融した状態のチョコレートを分注する方法を用いて得られ、チョコレートの層がペストリー上において凝固し、最終製品を形成する。
【0010】
仏国特許公開FR2361821は、板状のチョコレートを用いた菓子製品の調整を想定していないが、凝固したチョコレートとベーカリー製品のソフトペストリーとの直接接触を想定している。しかしながら、チョコレートの層が菓子製品の外表面に形成されており、菓子製品の外表面は、ソフトペストリーベーカリー製品の内側の層に特有の気泡構造を備えておらず、滑らかな外皮から成る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】欧州特許公開EP1504672
【特許文献2】仏国特許公開FR2361821
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
さらに、現在の技術水準によれば、溶融チョコレートのレオロジカル特性、及びソフトペストリーロールの内部構造が許容しないため、ソフトペストリーベーカリー製品の内側の層に典型的な気泡構造を有する表面に、溶融チョコレートの層を被着し、チョコレートの板を形成することは不可能である。
【0013】
実際、溶融チョコレートは、ソフトペストリーベーカリー製品に特有の気泡構造に浸透し、ペストリーに吸収される傾向にある。
【0014】
この場合、一方では板状のチョコレート層の厚みが減少し、他方ではチョコレートが凝固してロールパンのペストリーと板状のチョコレートの表面領域の交換が促進される。
【0015】
さらに、チョコレートの水分含量がペストリーの水分含量よりも少なく、チョコレートがペストリーに含まれる水分を吸収しやすいため、最終製品である軽食は、微生物学的に不安定であるという深刻な問題を有する。
【0016】
チョコレートがペストリーに含まれる水分を吸収すると、チョコレート中においてカビが増殖しやすく、菓子製品の貯蔵寿命の劇的な短縮が引き起こされる。特に、前記現象、ペストリーとチョコレートとの表面領域の交換促進により、チョコレートが水分を吸収することが助長されると、カビは増殖しやすくなる。
【0017】
最後に、上記に記載の全ての現象に加えて、板状チョコレートの軟化と同時にペストリーのベースの硬化も起こり、軽食を噛んだ後に起こるペストリーのベースの柔らかさとチョコレートのクランチ感による好ましい対比の損失又は減少を引き起こす。
【0018】
予め形成された板状のチョコレートを所定の製品に用いることによって、溶融チョコレートがペストリーに吸収される問題を解決することが可能であるが、異なる表面間における水分の交換、及び、それに伴う製品の劣化に関する問題を解決することができない。
【0019】
従って、本発明の基礎を成す問題は、室温において防腐剤を添加せずに保存可能であり、かつ、必要な貯蔵時間の持続時間の間中に実質的に変わらない官能特性を有する、チョコレートで満たされたパンから成るタイプの軽食及びそのような軽食の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
以下の本発明によれば、上記の問題は解決する。
本発明は、板状のチョコレート層で満たされた、横長のロールパン形状のソフトペストリーベーカリー製品を含む軽食の製造方法であって、
a)天然酵母と共に発酵された小麦粉ベースの生地から得られる横長のロールパン形状の半完成品を利用可能にするステップと、
b)横長のロールパン形状のベーカリー製品であって、当該ベーカリー製品の総重量の22重量%から24重量%までの水分含量を有する前記ベーカリー製品を得るために、前記半完成品を焼成するステップと、
c)前記ベーカリー製品が温かい内に、前記ベーカリー製品の水分含量を当該ベーカリー製品の総質量の30重量%から33重量%までの値となるような量で、前記ベーカリー製品に水−アルコール溶液を注入するステップと、
d)下部と上部とが得られるように、前記ベーカリー製品の長手方向に、高さの半分以下の位置で、かつ長さの80%以上を切断するステップと、
e)前記下部の上表面に溶融したチョコレートの層を被着するステップと、
を含む。
【0021】
ステップb)において、ベーカリー製品は、実質的に平坦な下面及び凸である上面を得る。
【0022】
前記焼成ステップb)において得られるベーカリー製品は、0.81から0.85に等しいA
W値を有する。次なるステップc)において、0.85から0.89に等しいA
W値を想定して前記水−アルコール溶液を注入する。
【0023】
好ましくは、前記焼成ステップb)が、190℃から210℃までの温度で、9分から11分までの時間行われる。
【0024】
前記水−アルコール溶液が、好ましくはベーカリー製品用香料の水−アルコール溶液であり、好ましくは前記溶液の総重量の5%から10%までのアルコール量を有するエタノールの水溶液である。
【0025】
好ましくは、水−アルコール溶液を注入するステップc)において、前記ベーカリー製品が、中心部すなわち「中心」が85℃から95℃までの温度を有する。
【0026】
好ましくは、水−アルコール溶液を注入する前記ステップで、前記ベーカリー製品の上面への複数のインジェクターの挿入によって行われ、前記インジェクターはベーカリー製品の高さの5/10から9/10までの位置に垂直に上から下へ挿入される。具体的には、前記溶液の注入は、長手方向の切断が連続して行われる領域において溶液がベーカリー製品の内部へすぐさま広がるようなレベルまで行われる。上記で指定した注入のモードによって、製品中に均一な水分含量をもたらすことができる。
【0027】
ベーカリー製品の高さは、ベーカリー製品の下表面とベーカリー製品の上表面との距離を底から計算したものである。
【0028】
特に、ベーカリーに注入される水−アルコール溶液と、後者(前記ベーカリー製品)と、の重量比が、好ましくは1:5から1:14までである。
【0029】
同じく好ましい方法において、横長のロールパン状の前記半完成品は、生地の総重量の10重量%から12重量%までのモノ−及び/又はジサッカライドを含む、小麦粉ベースの生地から得られる。
【0030】
好ましくは、前記長手方向の切断が、製品の高さの2/10から5/10までの位置において行われ、かつ、製品の幅の80%から90%までを含む。
【0031】
前記長手方向の切断を製品の全幅よりも浅く行うことにより、上部と下部とを完全には分離せず、ペストリーの帯状部分(strip)によって互いに接合することができる。この手段は、後続のステップにおける2つの部分のうち一方が他方の部分から分離することや、相対的な変位が生じるような、製造ラインに沿って製品を取り扱う際に起こりうる問題を回避することができる。
【0032】
好ましくは、前記長手方向の切断は、ベーカリー製品の冷却後に行われ、好ましくは、25℃以下の温度まで冷却され、冷却は、前記注入ステップc)の後に起こる。
【0033】
好ましい実施形態では、この軽食の製造方法は、前記焼成ステップb)に先行するさらなるカットステップを備える。前記さらなるカットステップにおいて、前記半完成品は、上面において長手方向に行われる、さらなる表面カットに供される。好ましくは、表面カットは、前記上部の高さよりも浅く、好ましくは3/4以下である。
【0034】
前記上部の高さは、上部の下表面と下部の上表面との距離を底から計算したものである。
【0035】
より好ましい実施形態では、前記焼成ステップの前に、前記半完成品が、上部の上面にデュラム小麦粉をふりかけるステップに供されるステップを備える。
【0036】
長手方向の切断する操作及びデュラム小麦粉をふりかける操作によって、本発明に係るベーカリー製品を、いわゆる「スフィラティーノ(sfilatino)」又は「フィロンチーノ(filoncino)」と称される職人の手作りによって製造されるロールパンにさらに類似させることができる。したがって、この軽食はより食欲をそそり、視覚的に魅力的になる。
【0037】
本発明に係る更に好ましい実施形態によると、ロールパンを満たす前に、溶融チョコレートは、予めテンパリングされている。
【0038】
前記テンパリングは、被着された際にチョコレートの急激な硬化を促進するために行われる。テンパリングされたチョコレートは、一度凝固すると、結晶性が高く、つややかであり、クランチ感が強い。
【0039】
溶融状態のチョコレートは、予め低温殺菌されることが好ましい。低温殺菌は、チョコレートが微生物学的な観点から完全に安全であることを保証する。実際、予め低温殺菌されたチョコレートが用いられる場合、本発明に係る軽食における微生物学的な汚染のリスクは、最大6ヶ月まで完全に排除される。
【0040】
好ましくは、本発明に用いられるチョコレートは、50%重量から60%重量までの相対的に高い割合のモノ−及びジサッカライドと、24%重量から32%重量までの相対的に低い割合の脂肪含有量とを含み、ロールパンの内表面に被着される際に適切な粘度を確保し、一度凝固すると、チョコレート層がより固くなり、クランチ感が増す。
【0041】
実際、室温(約20℃)まで冷却されると、チョコレート層は、チョコレートバー及び板チョコレートと同様の硬さ(consistency)を示し、よりガラス質の質感を有し、クランチ感が増す。
【0042】
具体的には、チョコレート層と、横長のロールパン形状である唯一のベーカリー製品と考えられるベーカリー製品との重量比が、好ましくは1:2から1:2.5までである。
【0043】
溶融したチョコレートの被着ステップe)は、一般に、少なくとも1つの穴を備え、溶融チョコレートの帯を少なくとも1つ被着するディスペンサーノズルを用いて行われる。
【0044】
特定の実施形態において、溶融チョコレートの被着ステップは、溶融チョコレートが互いに適度な間隔を空けられた、少なくとも2つの穴を備えるディスペンサーノズルを介して分注され、ベーカリー製品の下部の上面において少なくとも2つの帯状に被着する。この帯は、被着され、チョコレートが凝固する前に、互いに接触して連続したチョコレート層を形成するのに十分に広げながら、被着面の縁を越えるチョコレートのこぼれを起こさない。
【0045】
ステップa)によって半完成品を得ることができる生地は、薄力粉、植物油又は油脂、モノ−及びジサッカライド、特にスクロース、水、天然酵母、卵、及び小麦グルテンを含む。
【0046】
好ましくは、この生地は、更に、塩、脂肪酸のモノ−及びジグリセリド、麦芽大麦粉、アスコルビン酸、及び粉乳を含む。
【0047】
驚くべきことに、ロールパンへの水分の添加により水分含量が30重量%から33重量%までの値になった場合、ロールパンの湿った表面に接触すると、チョコレートが直ちに硬化することが確立されている。
【0048】
したがって、溶融チョコレートは、まず、下にあるペストリー層上において、こぼれることなく連続した層状に被着され、次に、下のペストリーに吸収されにくく、このタイプのベーカリー製品に特有の気泡構造に浸透しない。
【0049】
この好ましい形態の第1の結果として、適切かつ所定の厚みのチョコレート層が得られ、さらに、チョコレート層と、消費のために用意される軽食の最終形体において露出される上部及び下部の2つの表面と、の境界面が得られる。
【0050】
さらに、上述のように、ベーカリー製品のソフトペストリーよりも水分含量が低いチョコレートは、ソフトペストリー中の水分を吸収しやすい。
【0051】
チョコレートがロールパンの下部のソフトペストリーの構造に浸透しないことによる第2の直接の結果は、チョコレート層とロールパンの内側の表面との接触面積が最小限となることである。水分の移動による好ましくない効果が制限され、ベーカリー製品中の水分含量の割合が維持される。
【0052】
このようにして、板状チョコレートの軟化及びそれに伴うロールパンのペストリーの硬化が防止される。さもなければ、クランチ感が弱くなり、消費中に新鮮でない感覚を与える。
【0053】
さらに、チョコレート中のカビの増殖が防止され、したがって、類似しているが本発明に係る方法によって製造されていない製品よりも貯蔵寿命が長くなることが保証される。また、ベーカリー製品へ水分を追加で注入すると、ベーカリー製品冷却時に一度オーブンから取り出した後及び貯蔵中にベーカリー製品から自然に失われた水分が補償される。実際、パン及びパンに類似のベーカリー製品は、時間経過に伴って自然に水分を失い、柔らかさだけでなく、固有の官能特性のほとんどを失うことが知られている。
【0054】
さらに、本発明の方法に従って、任意に香料を含有する水―アルコール性物質の注入すると、ベーカリー製品のペストリーの内部構造が直接の影響を受け、ロールパンと同様の硬さ及び構造的特長を有する、実質的な柔らかさが増加することが立証されている。
【0055】
また、ベーカリー製品が暖かいうちに注入ステップを行うと、製品中の水−アルコール溶液がより良好かつ迅速に分布されることに留意されたい。
【0056】
さらに好ましい方法において、本発明に係る製品のより良い貯蔵を保証するほかの因子は、ロールパンに含まれるモノ−及びジサッカライドの形体の糖の量である。実際、これらの化合物の保水性によって、ロールパンのソフトペストリーにおける水分活性(A
W)は制御され、ロールパンの内側の層からチョコレート層へ水分の移動が起こる現象が制限される。
【0057】
さらに、ロールパンに含まれるこのような一定量の糖は、チョコレートの明らかな甘みとパンの自然な甘みとの対比を抑制するため、より調和性のある官能特性を軽食に与える。
【発明の効果】
【0058】
したがって、本発明に係る方法によると、防腐剤を添加せずに室温において貯蔵可能で、要する貯蔵寿命の間中、官能特性に変化がない、チョコレート層で満たされた横長のロールパン形状の軽食を提供することができる。
【0059】
本発明のさらなる態様によると、本発明は、上述した方法を用いて得られる、板状のチョコレート層で満たされた横長のロールパンのソフトペストリーベーカリー製品を含む軽食に関するものである。このような軽食は、水分含量が20重量%から24重量%までの間であり、水分活性値(A
W)が0.80から0.84までであり、貯蔵寿命が少なくとも2週間、好ましくは少なくとも2ヶ月である。
【0060】
本発明の特徴及び利点は、いくつかの好ましい実施形態に関する以下の説明からより明らかになり、以下の説明は非限定的な例示として提供されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【
図1】
図1は、本発明の形態に係る軽食の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
本発明に係る軽食の製造方法に関して、本方法の第1のステップにおいて、ソフトペストリーベーカリー製品の横長のロールパン状の半完成品は、当業者に公知の方法を用いて得られる。
【0063】
半完成品は、小麦粉及び天然酵母ベースの生の生地から成る。生地を分割すると、23gから29gまでの重量を有する半球形状の生地部が成形される。半球形状の生地部をさらに加工し、例えば、「スフィラティーノ」または「フィロンチーノ」に典型的な細長い形状を得た。特に、一度細長い形状に加工されると、前記生地部は、100mmから120mmまでの長さになる。
【0064】
最後に、細長い形状に加工された生地部は、2時間から3時間までの間、温度が33℃から37℃までであり、かつ湿度が80%から90%までである環境において、トレイ上に置かれて休まされ、実質的に平坦な下面及び凸面である上面を有する横長のロールパン状の半完成品が得られた。
【0065】
さらに、半完成品を得る際に、パネトーネの製造過程において伝統的に行われている「スカルパチューラ(scarpatura)」として知られている、上部表面6に沿って長手方向に行われる、さらなるカット工程を行っても良い。形成されたカットは、好ましくは、上部2の高さkよりも浅く、さらに好ましくは、高さkの3/4以下である。
【0066】
さらなるカット工程により、次のオーブンを用いた焼成ステップの後、ロールパンの上部表面6は、わすかに上部表面6より下に、カット領域3を有する。カット領域3は、ロールパンの上部表面6の領域4を画定し、上部表面6の他の部分よりも見た目が良い。
【0067】
その後、さらなるカット工程に続いて、上部表面6にデュラム小麦粉をふりかけるステップを行っても良い。特に、各部分に振り掛けられたデュラム小麦粉の重量は、0.3g以下であることが好ましい。
【0068】
次に、190℃から210℃までの温度で、9分から11分までの時間で、前記半完成品を焼成し、前記ベーカリー製品の22重量%から24重量%までの水分含量と、0.81から0.85までの水分活性(A
W)と、を有する横長のロールパン状のベーカリー製品を得る。
【0069】
その後、前記ベーカリー製品が暖かいうちに、水分含量が総重量の30重量%から33重量%までの値となるような量で、0.85から0.89までの水分活性となるように、水−アルコール溶液を前記ベーカリー製品に注入した。
【0070】
好ましくは、水−アルコール溶液が注入される前記工程において、ベーカリー製品は、中心部が85℃から95℃までの温度である。
【0071】
具体的には、水−アルコール溶液を注入する前記ステップは、ベーカリー製品に上部表面6に沿って複数のインジェクターを挿入することによって行われ、前記インジェクターがベーカリー製品の高さhの5/10から9/10までの位置に垂直に上から下へ挿入される。
【0072】
ベーカリー製品の高さは、ベーカリー製品の下部表面とベーカリー製品の上部表面との距離を底から測定したものであると理解される。
【0073】
図1に示すように、前記インジェクターをベーカリー製品に挿入することによって、ベーカリー製品の上部表面6に複数の孔7が形成される。さらに、前記注入ステップの間中、多かれ少なかれ同じ量の水−アルコール溶液が前記インジェクターのそれぞれから分注される。
【0074】
例えば、前記注入するステップが3gの水−アルコール溶液を用いてベーカリー製品に3つのインジェクターを挿入することによって行われる場合、まず、ベーカリー製品の上面に3つの孔が形成され、約1gの水−アルコール溶液がそれぞれのインジェクターから分注される。
【0075】
ロールパンが25℃以下まで冷却されると(約35分を要する)、横長のロールパンを下部1と上部2とに切断するように、次の長手方向の切断ステップが行われる。
【0076】
最後に、溶融チョコレートの層が下部の上面に被着される。前記チョコレートは、板状のチョコレート5の層を形成するように、28.5℃から30℃までの温度で被着される。
【0077】
特に、「天然酵母」という用語は、生物学的タイプの発酵プロセスを誘発する、すなわち化学酵母の助けなしに微生物によって行われるような物質を意味する。例えば、発酵は、ビール酵母又はサワードウスターター(sourdough starter)を用いて行われる。
【0078】
前記半完成品の生地の組成は、典型的には、小麦粉、植物油又は油脂、特にマーガリン、モノ−及びジサッカライド、特にスクロース、水、天然酵母、例えばビール酵母、卵、特に新鮮な卵、及び小麦グルテンを含み、さらに、塩、脂肪酸のモノ−及びジグリセリド、麦芽大麦粉、アスコルビン酸、及び粉乳、特に全粉乳を含んでいても良い。
【0079】
特に、当業者に知られているように、卵は、植物油又はマーガリンを含有する生地において乳化を促進する。その代わり、グルテンは、半完成品のペストリーの構造を強化し、後にベーカリー製品の構造を強化する目的で添加される。
【0080】
麦芽大麦粉は、天然の発酵促進剤として添加される。麦芽大麦粉及び麦芽大麦粉に類似の粉は、生地に含まれる澱粉を酵母の代謝に直ちに利用可能な有用な単糖に解重合する、α及びβアミラーゼのような一般とは異なる種類の酵素を含有する。基本的に、麦芽大麦粉は、より迅速かつより大きな膨張を可能にするだけでなく、官能特性を改善し、深い色をもたらす外皮を提供する。
【0081】
アスコルビン酸は、生地の機械的耐性を高めることによって混練の問題を回避し、粘着質なネットワークを改善することによってペストリーの良好な硬さを保証して生地の崩壊を制限し、さらに、異なる環境下における製品のさらなる安定性を保証する。
【0082】
さらに、乳は、焼成後のロールパンの表面に、典型的には黄金色−褐色の着色を容易に起こす、メイラード反応を促進する機能を有する。
【0083】
充填に用いられるチョコレートの混合物は、好ましくは、ミルクチョコレートとプレーンチョコレートとを含有する。
【0084】
前述したように、混合物は、溶融チョコレート及び最終製品におけるチョコレート層の特性を改善するために、テンパリングされていると好ましい。
【0085】
テンパリングは、チョコレートの製造において通常最後に行われる操作である。
【0086】
カカオバターは、主に特定のトリグリセリドの分子を用いて構成される結晶性の固体から成るため、チョコレートに構造を与える成分である。カカオバターは、異なる方法を用いて結晶化することが可能であり、むしろ、異なる形状で結晶化することが可能である。しかしながら、取り得る全ての結晶形態が、クランチ感及び硬さを時間が経過しても有するチョコレート等の最終製品を形成するわけではない。
【0087】
テンパリングは、チョコレート又は予め製造されたチョコレートを形成する材料の混合物を、混合物中に存在するココアバターの結晶構造を破壊する温度まで熱することによって行われる。次に、混合物は、冷却されて特定の結晶構造を形成する。そして、最終的に、白い結晶の形状でチョコレートの表面にチョコレートの貯蔵中に再度現れる、不安定かつ望ましくない結晶形態をもう一度破壊するために、再度加熱される。
【0088】
本発明に係る方法において使用されるチョコレートは、プレーンチョコレートとミルクチョコレートとを組み合わせることによって得られ、得られた混合物を45℃まで加熱する。その後、溶融チョコレートの混合物は冷却される。混合物は、上記のように、28.5℃から30℃までの使用に際する温度まで冷却される。そして、チョコレートは、本発明の方法に従って、分注及び被着される。
【0089】
最後に、最終製品は、板状のチョコレート層で満たされた横長のロールパン状のソフトペストリーベーカリー製品を含む軽食を意味すると理解され、一般的に50g以下の重量、好ましくは、35gから40gまでの重量のチョコレート層を有する。
【実施例】
【0090】
実施例1(本発明に係る軽食の準備)
まず、ソフトペストリーベーカリー製品に用いる半完成品を準備した。以下の材料を用いて準備した生の生地から半完成品を得た。
【表1】
上記の割合は材料の全重量に対する重量である。
【0091】
可変混合速度を有するフォークニーダー中において、前記の材料を混合し、生地を得た。具体的には、ゆっくりとした混合ステップを3分間行った後、速い混合ステップを20分間行い、その後、ゆっくりとした混合ステップを4分間行い、つまり、生地に混合ステップを合計27分間行った。そして、生地を分割し、重量が26gである半球形状の生地部が形成された。半球形状の生地部は、約100mm長さのスフィラティーノに典型的な横長の形状に加工された。
【0092】
最後に、横長の形状に加工された生地部をトレイ上に置き、35℃で相対湿度85%以下において150分間生地を休ませ、半完成品を得た。
【0093】
半完成品は、一度休まされた後、200℃の温度で10分間焼成された。水分含量が23重量%であり、水分活性(A
W)が0.83であり、重量が23.5gである、スフィラティーノ形状のソフトペストリーベーカリー製品を得た。次に、溶液の総重量の7重量%のエタノールを含有する、3gの水−アルコール溶液を、前記ベーカリー製品が温かい内に、より正確には前記ベーカリー製品が90℃の状態で、前記ベーカリー製品に注入した。水分含量が31.5重量%であり、水分活性(A
W)が0.87であり、さらに重量が26.5gであるロールパンを得た。そして、ベーカリー製品を、24℃になるまで35分間冷却した。
【0094】
その後、従来の切断方法を用いて、長手方向の切断を行い、前記ベーカリー製品を上部と下部とに分けた。
【0095】
切断は1cmの高さにおいて行われ、前記ベーカリー製品の高さは3.5cmに等しかった。具体的には、切断はベーカリー製品の幅の85%を含むように行われた。
【0096】
溶融チョコレートは、40%のミルクチョコレートと60%のプレーンチョコレートとを含むチョコレート混合物を用いて準備された。
【0097】
プレーンチョコレートの全重量に対する重量の割合が下記のような材料を含有するプレーンチョコレートを使用した:54.5%のスクロース、44%のココアペースト、1%のカカオバター、0.5%のバニリン、及び0.5%のヒマワリレチシン。また、ミルクチョコレートの全重量に対する重量の割合が下記のような材料を含有するミルクチョコレートを使用した:42.5%のスクロース、22.2%の全粉乳、17%のカカオバター、13%のカカオペースト、5%のラクトース、0.3%のバニリンプラスヒマワリレシチン。
【0098】
前記プレーンチョコレートと前記ミルクチョコレートとを混合し、45℃の温度において融解し、流体状の混合物を得た。そして得られた流体状のチョコレートを冷却した。最後に、混合物を29℃まで加熱し、ロールパンを満たす次の操作に使用できるようにした。
【0099】
次に、11.5gの溶融チョコレートを、29℃の温度で、ベーカリー製品の下部の上表面に被着させた。溶融チョコレートは、前記下部の湿った表面に最初に接触した時点から、急速凝固及び圧縮プロセスを受け、連続した板状のチョコレート層を形成した。
【0100】
このようにして得られた軽食は、重量が38g、水分含量が最終製品の総重量の22重量%、水分活性値(A
W)が0.82であった。
【0101】
前記軽食は、密閉されたポリプロピレン包装材を用いて個々に包装され、室温における貯蔵期間を試験された。
【0102】
75日後に、微生物学的変化又はベーカリー製品の官能特性における顕著な変化は見られなかった。
【0103】
実施例2(本発明に係る軽食の準備)
まず、ソフトペストリーベーカリー製品に用いる半完成品を準備した。以下の材料を用いて準備した生の生地から半完成品を得た。
【表2】
上記の割合は材料の全重量に対する重量である。
【0104】
可変混合速度を有するフォークニーダー中において、表1に記載の材料を混合し、生地を得た。具体的には、ゆっくりとした混合ステップを3分間行った後、速い混合ステップを20分間行い、その後、ゆっくりとした混合ステップを4分間行い、つまり、生地に混合ステップを合計27分間行った。そして、生地を分割し、重量が27gである半球形状の生地部が形成された。半球形状の生地部は、約105mm長さのスフィラティーノに典型的な横長の形状に加工された。
【0105】
最後に、横長の形状に加工された生地部をトレイ上に置き、35℃で相対湿度85%以下において155分間生地を休ませ、半完成品を得た。
【0106】
半完成品は、一度休まされた後、上部表面に沿って長手方向にカットされた。カットは、半完成品の上部表面に対して0.8cmの深さで行われた。前記半完成品は、高さが約2.5cmであった。さらに、0.25gのデュラム小麦粉が半完成品の上部表面に振り掛けられた。
【0107】
そして、半完成品は、195℃の温度で11分間焼成された。水分含量が22.8重量%であり、水分活性(A
W)が0.84であり、重量が24.5gである、スフィラティーノ形状のソフトペストリーベーカリー製品を得た。次に、溶液の総重量の7重量%のエタノールを含有する、2.5gの水−アルコール溶液を、前記ベーカリー製品が90℃の状態で、前記ベーカリー製品に注入した。水分含量が31.1重量%であり、水分活性(A
W)が0.86であり、さらに重量が27gであるロールパンを得た。そして、ベーカリー製品を、24℃になるまで20分間冷却した。
【0108】
その後、従来の切断方法を用いて、長手方向の切断を行い、前記ベーカリー製品を上部と下部とに分けた。
【0109】
切断は1.3cmの高さにおいて行われ、前記ベーカリー製品の高さは3.5cmに等しかった。具体的には、切断はベーカリー製品の幅の85%を含むように行われた。
【0110】
溶融チョコレートは、40%のミルクチョコレートと60%のプレーンチョコレートとを含むチョコレート混合物を用いて準備された。
【0111】
プレーンチョコレートの全重量に対する重量の割合が下記のような材料を含有するプレーンチョコレートを使用した:54.5%のスクロース、44%のココアペースト、1%のカカオバター、0.5%のバニリンプラスヒマワリレチシン。また、ミルクチョコレートの全重量に対する重量の割合が下記のような材料を含有するミルクチョコレートを使用した:42.5%のスクロース、22.2%の全粉乳、17%のカカオバター、13%のカカオペースト、5%のラクトース、0.3%のバニリンプラスヒマワリレシチン。
【0112】
前記プレーンチョコレートと前記ミルクチョコレートとを混合し、45℃の温度において融解し、流体状の混合物を得た。そして得られた流体状のチョコレートを冷却した。最後に、混合物を29℃まで加熱し、ロールパンを満たす次の操作に使用できるようにした。
【0113】
次に、11.3gの溶融チョコレートを、ベーカリー製品の下部の上表面に被着させた。被着の操作は、チョコレートを2つの帯状に被着させるために、2つのノズルを用いて行われた。
【0114】
溶融チョコレートは、前記下部の湿った表面に最初に接触した時点から、急速凝固及び圧縮プロセスを受け、連続した板状のチョコレート層を形成した。
【0115】
このようにして得られた軽食は、重量が38.3g、水分含量が最終製品の総重量の22.8重量%、水分活性値(A
W)が0.82であった。
【0116】
前記軽食は、密閉されたポリプロピレン包装材を用いて個々に包装され、室温における貯蔵期間を試験された。
【0117】
2ヶ月後に、微生物学的変化又はベーカリー製品の官能特性における顕著な変化は見られなかった。