(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6688319
(24)【登録日】2020年4月7日
(45)【発行日】2020年4月28日
(54)【発明の名称】イタコナート/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴム及びその調製方法
(51)【国際特許分類】
C08F 222/10 20060101AFI20200421BHJP
C08F 2/26 20060101ALI20200421BHJP
C08F 2/40 20060101ALI20200421BHJP
C08K 3/011 20180101ALI20200421BHJP
C08K 3/04 20060101ALI20200421BHJP
C08K 3/06 20060101ALI20200421BHJP
C08K 5/09 20060101ALI20200421BHJP
C08L 35/02 20060101ALI20200421BHJP
B60C 1/00 20060101ALI20200421BHJP
B65G 15/32 20060101ALI20200421BHJP
【FI】
C08F222/10
C08F2/26 Z
C08F2/40
C08K3/011
C08K3/04
C08K3/06
C08K5/09
C08L35/02
B60C1/00 A
B65G15/32
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-557307(P2017-557307)
(86)(22)【出願日】2016年6月2日
(65)【公表番号】特表2018-536719(P2018-536719A)
(43)【公表日】2018年12月13日
(86)【国際出願番号】CN2016084508
(87)【国際公開番号】WO2016202175
(87)【国際公開日】20161222
【審査請求日】2017年12月20日
(31)【優先権主張番号】201510331148.8
(32)【優先日】2015年6月15日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512077859
【氏名又は名称】北京化工大学
【氏名又は名称原語表記】BEIJING UNIVERSITY OF CHEMICAL TECHNOLOGY
(73)【特許権者】
【識別番号】513158760
【氏名又は名称】ザ・グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】張 立群
(72)【発明者】
【氏名】周 ▲シン▼▲シン▼
(72)【発明者】
【氏名】王 潤国
(72)【発明者】
【氏名】雷 巍巍
(72)【発明者】
【氏名】喬 荷
(72)【発明者】
【氏名】フア クオ チン
(72)【発明者】
【氏名】クリッグ ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】チャウラ スレンドラ
【審査官】
藤本 保
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2015/075971(WO,A1)
【文献】
特開2001−031798(JP,A)
【文献】
中国特許出願公開第102558578(CN,A)
【文献】
特開2004−346313(JP,A)
【文献】
特開平08−283315(JP,A)
【文献】
国際公開第2015/025762(WO,A1)
【文献】
特開2014−084380(JP,A)
【文献】
特開2014−070095(JP,A)
【文献】
中国特許出願公開第102558437(CN,A)
【文献】
特開昭52−022032(JP,A)
【文献】
特開昭47−042953(JP,A)
【文献】
特開平09−208743(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08K 3/00 − 13/08
C08L 1/00 − 101/14
C08C 19/00 − 19/44
C08F 6/00 − 246/00
C08F 301/00
B60C 1/00 − 19/12
B65G 15/30 − 15/58
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イタコナート/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムであって、イタコナートとブタジエンを乳化重合によって成る共重合体が化学架橋を経て成り、前記イタコナート/ブタジエン共重合体の数平均分子量が53000〜1640000で、重量平均分子量が110000〜2892000であるイタコナート/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムの調整方法であって、その製造ステップは、次通りとし、
A:イタコナートとブタジエンの乳化重合反応
重合装置内にイタコナート、乳化剤、電解質、活性剤、脱イオン水を加え、重合装置を密封し、まず真空引きしてから窒素ガスを吹き込み、1〜5回操作し;最終回の窒素ガスを吹き込んだ後ブタジエン、脱酸素剤及び開始剤を重合装置内に加え、1〜20℃、0.1〜5MPaの圧力条件下で5〜15時間反応させ;停止剤を加えて反応を停止させ;イタコナート、ブタジエン、乳化剤、電解質、活性剤、脱酸素剤、開始剤、停止剤及び脱イオン水の質量比は、100:1〜100:1〜10:0.1〜5:0.01〜5:0.1〜5:0.01〜5:1〜10:100〜1000であり;乳化液は乳化破壊・乾燥を経てイタコナート/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングエラストマーの生ゴムが得られ、生ゴムの数平均分子量が53000〜1640000で、重量平均分子量が110000〜2892000であり;
前記イタコナートの分子式は、下式で表わし、
【化1】
式中、R
1、R
2は、H原子或いはC
1〜10のアルキルであり、R
1、R
2が同一又は異なり;
B、ゴム加硫プロセス
硫黄を架橋剤とし、加硫活性剤と加硫促進剤を利用し、140〜160℃において金型でプレス加硫してイタコナート/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムが製造され、
この時、
前記乳化剤としては、不均斉化ロジンのナトリウム石鹸、不均斉化ロジンのカリウム石鹸、脂肪酸ナトリウム石鹸、脂肪酸カリウム石鹸、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウムのうちのいずれか1種又は複数種の混合物であって、
前記加硫活性剤としては酸化亜鉛又はステアリン酸、加硫促進剤としては2−メルカプトベンゾチアゾール(以下、促進剤M)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(以下、促進剤CZ)、又はジフェニルグアニジン(以下、促進剤D)のうちのいずれか1種又は複数種の混合物であって、
前記電解質としては、塩化カリウム、リン酸カリウム、エチレンジアミン四酢酸、ナトリウムメチルジナフタレンスルホネート(TAOM−L)、リン酸、水酸化カリウムのうちのいずれか1種又は複数種の混合物であって、
前記活性剤としては、ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウムとエチレンジアミン四酢酸鉄(EDTA−Fe)の混合物、或いはヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウムとエチレンジアミン四酢酸鉄ナトリウム(EDTA−Fe・Na)の混合物が挙げられ;前記開始剤としては、パラメンタンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルヒドロペルオキシド或いはクミルヒドロペルオキシドであって、
前記停止剤としては、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ヒドロキシルアミン或いは多硫化ナトリウムであって、
前記調整方法において、
得られた生ゴムと、酸化亜鉛、ステアリン酸、硫黄、促進剤M、促進剤CZ、カーボンブラックN330の混練物を用いる
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
R1、R2は、n-ブチル、n-ペンチル或いはイソペンチルであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
イタコナートとブタジエンモノマーの質量比は、100:10〜60であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記イタコナート/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムが、タイヤトレッド或いはベルトコンベアに用いられることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化還元開始剤系を用い、低温条件下で乳化重合を通じてイタコナート/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムを調製する方法。
【背景技術】
【0002】
人々は、化石資源の枯渇及び環境汚染等といった問題に対し関心を寄せることにつれ、低炭素・環境配慮・再生可能な資源の十分な利用は、世界各国から益々重視されている。ゴムは、その独特の高弾性により、国防や民生の各分野に幅広く運用されるため、ゴム材料は重要な戦略的資源とも言われている。しかしながら、ゴム合成工業は、長期に渡り再生不能な化石資源に著しく依存し、同時に、再生不能資源の加速消耗によりゴム合成のコストが増え、環境破壊を加速させ、ゴム工業の発展を制限してきた。よって、低炭素・環境配慮・再生可能な資源を上手く利用することで、再生不能な化石資源への依存を減らすのは、環境保全、ゴム産業の持続可能な発展の促進にとって非常に重要な意味を持っている。
【0003】
バイオベース化学品の発展は、世界各国から益々重視され、バイオベース化学品を利用した合成ゴム材料が幅広く発展するという見通しが持たれてきた。まさにこれを前提にし、本出願人は、バイオベースエンジニアリングゴム(Bio−based Engのineeringの Elastomer)の概念を提出し、またバイオベースエンジニアリングゴムに以下のいくつかの特性があることを指摘し、すなわち、(1)主要原料は、再生可能な資源であり;(2)良好な環境安定性を持ち;(3)従来のゴム加工工程を通じて加工でき;(4)良好な力学特性を持っているためエンジニアリングの応用を満たすことができる。本出願人は、特許文献1内にバイオベース化学品の重縮合により合成した不飽和脂肪族ポリエステル型のバイオエンジニアリングゴムを開示している。該ポリエステル型のバイオエンジニアリングゴムの由来は、再生可能な資源のジオール及び二塩基酸で、直接重縮合方法を通じて合成し、数平均分子量が19800〜55000で、重量平均分子量が88610〜222500であり、過酸化物を使用して化学架橋を行うことができ、架橋過程中に補強性充填剤を更に添加すると、従来のゴム加工工程を用いて成形できる。
【0004】
本出願人は、特許文献2にバイオベース化学品のイタコナートとイソプレンを乳化重合により調製されたバイオベースエンジニアリングゴム及びその調製方法を開示している。該方法は、開始剤の熱分解を通じて遊離基を発生させ、高温高圧下でイタコナートとイソプレンの共重合を開始させ、得られたバイオベースエンジニアリングゴムの数平均分子量が52500〜502563で、重量平均分子量が135230〜1503263で、力学特性が比較的低かったため、まだ一部のエンジニアリング分野(例えばタイヤ、ベルトコンベア等)への応用を満たすことができなかった。
【0005】
本出願人は、特許文献3に低温下でイタコナート/イソプレン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムの生ゴムを調製する方法を開示している。該方法は、酸化還元反応を用いて遊離基を発生させ、常温常圧下で重合反応を開始させることで、重合過程のエネルギー消費及び操作難易度を下げることができた。得られたバイオベースエンジニアリングゴムの数平均分子量は、145200〜705678で、重量平均分子量が290400〜2540440であった。
【0006】
ブタジエンは、共役ジエンモノマーである。イソプレンと比べると、ブタジエン構造内には側基が含まれず、重合過程中において立体障害を受ける影響が小さく、更に容易に付加反応が発生して高分子量ポリマーが生成され、かつ生成されるポリマーのガラス転移温度がより低い。また、ブタジエンの価格はイソプレンより安く、従って製造コストを削減できる。グローバル・バイオエナジー(Global Bioenergies)社は、2014年11月28日に直接発酵を通じてバイオ由来ブタジエンの生産に成功したと発表し、これは初めて一つの完全なバイオ生産プロセスを通じ、すなわち、化学ステップもなく、重要な石化原料のブタジエンを生産し、バイオベースブタジエン生産の画期的な進展である。
【0007】
バイオベースモノマーイタコナートを主原料として利用し、ブタジエンと遊離基を発生して開始した乳化共重合方法により高分子量、低いガラス転移温度、力学特性に優れたポリマーを調製し、特に、従来のゴム加工工程で加工できるイタコナート/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムは、国内外において均しく報道されていない。
【0008】
動的機械熱分析(DMTA)は、ポリマー構造及び性能を研究する重要な手段であり、ポリマーの損失係数(tanδ)と試験温度の対応関係が得られ、tanδがポリマーの使用特性を決定する重要パラメーターである。タイヤ用ゴム複合材料にとって、0℃の時tanδ値が大きければ大きいほど、該材料で調製されたタイヤのウエットスキッド抵抗性がよくなり、益々安全になることを示し;60℃の時tanδ値が小さければ小さいほど、該材料で調製されたタイヤの転がり抵抗が小さくなり、益々ガソリンを節約できることを示している。本発明の別の目的は、イタコナートとブタジエンのフィード比を変更することによって、イタコナート/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムの粘弾性を調整し、従って最も優れた動的な力学特性を得、すなわち、0℃の時tanδ値が比較的高く、60℃の時tanδ値が比較的低くなる。最も優れた動的な力学特性を持つイタコナート/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムで高性能のグリーンタイヤを調製することは、国内外において均しく報道されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】中国特許第ZL 200910076032.9号 ポリエステル型のバイオエンジニアリングゴム及びその調製方法
【特許文献2】中国特許第ZL 2011 1 0440400.0号 イタコナート/イソプレン共重合体型のバイオエンジニアリングゴム及びその調製方法
【特許文献3】中国特許第ZL 2011 1 0440385.X号 低温乳化重合によるイタコナート/イソプレン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムの生ゴムの調製方法
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明は、高分子量、低いガラス転移温度を持たせ、加硫系の加硫剤/促進剤を通じて加硫させると共に従来の合成ゴムに相当する物理的・機械的性質及び加工特性を持たせることができるイタコナート/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴム及びその調製方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るイタコナート/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムは、イタコナートとブタジエンを乳化重合によって成る共重合体が化学架橋を経て成り、前記イタコナート/ブタジエン共重合体の数平均分子量が53000〜1640000で、重量平均分子量が110000〜2892000であることを特徴とする。
【0012】
イタコナートモノマーとブタジエンを乳化重合によってイタコナート/ブタジエン共重合体を調製し、そしてイタコナート/ブタジエン共重合体を化学架橋によってイタコナート/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムが得られる。上記化学架橋反応過程は、従来の加硫系の加硫剤/促進剤を添加することによって実現することができる。具体的な反応条件及びステップは、次の通りとする。
【0013】
A:イタコナートとブタジエンの乳化重合反応
重合装置内にイタコナート、乳化剤、電解質、活性剤、脱イオン水を加え、重合装置を密封し、まず真空引きしてから窒素ガスを吹き込み、1〜5回操作し;最終回の窒素ガスを吹き込んだ後ブタジエン、脱酸素剤及び開始剤を重合装置内に加え、1〜20℃、0.1〜5MPaの圧力条件下で5〜15時間反応させ;停止剤を加えて反応を停止させる。イタコナート、ブタジエン、乳化剤、電解質、活性剤、脱酸素剤、開始剤、停止剤及び脱イオン水の質量比が100:1〜100:1〜10:0.1〜5:0.01〜5:0.1〜5:0.01〜5:1〜10:100〜1000である。乳化液は乳化破壊や乾燥を経てイタコナート/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングエラストマーの生ゴムが得られ、生ゴムの数平均分子量が53000〜1640000で、重量平均分子量が110000〜2892000である。
【0014】
前記イタコナートの分子式は、下式で表わす。
【0015】
【化1】
式中、R
1、R
2は、H原子或いはC
1〜10のアルキルであり、R
1、R
2が同一又は異なり、n-ブチル、n-ペンチル或いはイソペンチルが好ましい。
【0016】
前記乳化剤としては、不均斉化ロジンのナトリウム石鹸、不均斉化ロジンのカリウム石鹸、脂肪酸ナトリウム石鹸、脂肪酸カリウム石鹸、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウムのうちのいずれか1種又は複数種の混合物が挙げられる。
【0017】
前記電解質としては、塩化カリウム(KCl)、リン酸カリウム(K
3PO
4)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ナトリウムメチルジナフタレンスルホネート(TAOM−L)、リン酸(H
3PO4)、水酸化カリウム(KOH)のうちのいずれか1種又は複数種の混合物が挙げられる。
【0018】
前記活性剤としては、ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウムとエチレンジアミン四酢酸鉄(EDTA−Fe)の混合物、或いはヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウムとエチレンジアミン四酢酸鉄ナトリウム(EDTA−Fe・Na)の混合物が挙げられる。
【0019】
前記開始剤としては、パ
ラメンタンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルヒドロペルオキシド或いはクミルヒドロペルオキシドが挙げられる。
【0020】
前記脱酸素剤としては、次亜硫酸ナトリウムで、通称が次亜塩素酸ソーダである。
【0021】
前記停止剤としては、ジメチルジチオカルバミ
ン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ヒドロキシルアミン或いは多硫化ナトリウムが挙げられる。
【0022】
イタコナートとブタジエンモノマーは、任意の質量比で調合でき、イタコナートとブタジエンモノマーの質量比は100:10〜60であることが好ましい。
【0023】
前記乳化破壊・乾燥過程中の乳化破壊剤は、水素イオン濃度が0.1〜0.5mol/Lの塩酸溶液、1wt%〜5wt%の塩化カルシウム水溶液、無水メタノール又は無水エタノールを使用できる。
【0024】
B、ゴム加硫プロセス
硫黄を架橋剤とし、従来の加硫系の加硫剤/促進剤を利用し、140〜160℃において金型でプレス加硫してイタコナート/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムが製造される。
【0025】
上記調製方法においてかかわるゴム加工調製工程及び加硫系配合剤は、いずれも従来のゴム加工手段であり、その使用原則が公知のものである。
【0026】
上記加硫系配合剤は、加硫活性剤(例:酸化亜鉛、ステアリン酸)と加硫促進剤(例:2−メルカプトベンゾチアゾール(促進剤M)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(促進剤CZ)、ジフェニルグアニジン(促進剤D))と加硫剤(例:硫黄)を含む。
【0027】
強度を高めるため、シリカ或いはカーボンブラックを補強剤として添加できる。シリカを補強剤とする時、更にシランカップリング剤Si69を加えることで、複合効果を高めることができる。
【発明の効果】
【0028】
酸化還元開始剤系を用い、1〜20℃下で乳化重合を通じてイタコナート/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムを合成する。該ゴムの数平均分子量は、100万以上に達することができ、分子量分布が狭く、かつ従来のゴム加工工程で加工して成形できる。補強性充填剤を加えると、効果的に該ゴムの機械的性質を向上することができ、その特性は力学特性に対する要求が比較的高い、例えばタイヤトレッド、ベルトコンベア等のエンジニアリング応用への要求を満たすことができる。該ゴムを利用して初ロットのイタコナート/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムタイヤを試作し、テストを経たところ、該タイヤが低転がり抵抗性、高いウエットスキッド抵抗性を持つ高性能のグリーンタイヤであることを示し、広い市場展望を有する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の実施例4で調製されたイタコン酸ブチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムの生ゴム写真である。
【
図2】本発明の実施例4で調製されたイタコン酸ブチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムの生ゴムの
1H−NMRスペクトルであり、化学シフト4.94−5.68ppm箇所にあるピーク位置が、イタコン酸ブチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムの生ゴム内に二重結合が存在し、その後の化学架橋プロセスのために架橋点を提供できることを示している。
【
図3】本発明の実施例11で調製されるシリカで補強されたイタコン酸ブチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムの透過型電子顕微鏡写真である。補強性充填剤は、イタコン酸ブチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴム内に良好な分散効果を有することが分かる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明は、実施例と比較例について更なる説明を行うが、本発明を限定するものではない。
【0031】
下記の実施例と比較例内に用いられる全ての材料は、均しく市販されている化工品である。重合部分の材料も均しく分析用試薬であり、混練部分の材料が均しく化学用試薬である。下記の実施例内のイタコナート/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴム材料及び比較例内のゴム複合材料は、温度範囲−80℃〜100℃、周波数10Hz、加熱速度3℃/min及び動的応力0.1%の引張モードにおいて、動的粘弾性スペクトロメータによりその損失係数(tanδ)を試験し、試験片のサイズが長さ20mm×幅10mm×厚さ1mmとした。
【実施例1】
【0032】
1リットルの重合装置に、脱イオン水500g、イタコン酸メチル150g、脂肪酸カリウム石鹸3g、脂肪酸ナトリウム石鹸4g、H
3PO
42g、KOH1.2g、EDTA0.02g、TAOM−L0.25g、EDTA−Fe0.01g、ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム0.05gを加え;装置を密封した後、真空引きして窒素ガスを吹き込み、1回操作してからブタジエン50g、次亜硫酸ナトリウム0.02g及びパ
ラメンタンハイドロパ
ーオキサイド0.03gを加え、1℃、0.1MPa圧力条件下で15時間反応させ、ヒドロキシルアミン1gを加えて反応を停止させると、イタコン酸メチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムラテックスが得られ、ラテックスを0.1mol/Lの塩酸溶液中に入れて乳化破壊・乾燥させた後にイタコン酸メチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムの生ゴムが得られた。
【0033】
上記イタコン酸メチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムの生ゴム100g、酸化亜鉛5g、ステアリン酸2g、硫黄1g、促進剤M0.7g、促進剤CZ1g、シリカ50g、Si695gをオープンロール機上で均一に混合して混練物が得られ、混練物が140℃において金型でプレス加硫してイタコン酸メチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムが調製された。
【実施例2】
【0034】
1リットルの重合装置に、脱イオン水500g、イタコン酸エチル160g、脂肪酸カリウム石鹸5g、不均斉化ロジンのナトリウム石鹸5g、K
3PO
40.3g、KCl0.15g、EDTA0.03g、TAOM−L0.25g、EDTA−Fe・Na1g、ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム4gを加え;装置を密封した後、真空引きして窒素ガスを吹き込み、3回連続操作してからブタジエン40g、次亜硫酸ナトリウム0.01g及びパ
ラメンタンハイドロパ
ーオキサイド0.05gを加え、5℃、0.1MPa圧力条件下で10時間反応させ、ヒドロキシルアミン5gを加えて反応を停止させると、イタコン酸エチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムラテックスが得られ、ラテックスを無水エタノール中に入れて乳化破壊・乾燥させた後にイタコン酸エチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムの生ゴムが得られた。
【0035】
上記イタコン酸エチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムの生ゴム100g、酸化亜鉛5g、ステアリン酸2g、硫黄1g、促進剤M0.7g、促進剤CZ1g、シリカ40g、Si694gをオープンロール機上で均一に混合して混練物が得られ、混練物が150℃において金型でプレス加硫してイタコン酸エチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムが調製された。
【実施例3】
【0036】
1リットルの重合装置に、脱イオン水500g、イタコン酸ブチル140g、脂肪酸カリウム石鹸3g、脂肪酸ナトリウム石鹸4g、H
3PO
40.2g、KOH0.12g、EDTA0.02g、TAOM−L0.25g、EDTA−Fe0.01g、ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム0.05gを加え;装置を密封した後、真空引きして窒素ガスを吹き込み、5回連続操作してからブタジエン60g、次亜硫酸ナトリウム2g及びパ
ラメンタンハイドロパ
ーオキサイド5gを加え、5℃、1MPa圧力条件下で8時間反応させ、ヒドロキシルアミン3gを加えて反応を停止させると、イタコン酸ブチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムラテックスが得られ、ラテックスを1wt%の塩化カルシウム水溶液中に入れて乳化破壊・乾燥させた後にイタコン酸ブチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムの生ゴムが得られた。
【0037】
上記イタコン酸ブチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムの生ゴム100g、酸化亜鉛5g、ステアリン酸2g、硫黄1g、促進剤M0.7g、促進剤CZ1g、シリカ60g、Si696gをオープンロール機上で均一に混合して混練物が得られ、混練物が160℃において金型でプレス加硫してイタコン酸ブチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムが調製された。
【実施例4】
【0038】
1リットルの重合装置に、脱イオン水500g、イタコン酸ブチル120g、脂肪酸カリウム石鹸3g、脂肪酸ナトリウム石鹸4g、H
3PO
40.2g、KOH0.12g、EDTA0.02g、TAOM−L0.25g、EDTA−Fe0.02g、ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム0.05gを加え;装置を密封した後、真空引きして窒素ガスを吹き込み、4回連続操作してからブタジエン80g、次亜硫酸ナトリウム0.01g及びパ
ラメンタンハイドロパ
ーオキサイド0.01gを加え、5℃、1MPa圧力条件下で9時間反応させ、ヒドロキシルアミン10gを加えて反応を停止させると、イタコン酸ブチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムラテックスが得られ、ラテックスを1wt%の塩化カルシウム水溶液中に入れて乳化破壊・乾燥させた後にイタコン酸ブチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムの生ゴムが得られた。
【0039】
上記イタコン酸ブチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムの生ゴム100g、酸化亜鉛5g、ステアリン酸2g、硫黄1g、促進剤M0.7g、促進剤CZ1g、シリカ60g、Si696gをオープンロール機上で均一に混合して混練物が得られ、混練物が150℃において金型でプレス加硫してイタコン酸ブチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムが調製された。
【実施例5】
【0040】
1リットルの重合装置に、脱イオン水400g、イタコン酸n−ペンチル140g、不均斉化ロジンのカリウム石鹸5g、H
3PO
42g、KOH1.2g、EDTA0.5g、TAOM−L1.3g、EDTA−Fe・Na0.01g、ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム0.05gを加え;装置を密封した後、真空引きして窒素ガスを吹き込み、3回連続操作してからブタジエン60g、次亜硫酸ナトリウム0.02g及びパ
ラメンタンハイドロパーオキサイド0.03gを加え、5℃、0.5MPa圧力条件下で10時間反応させ、ヒドロキシルアミン10gを加えて反応を停止させると、イタコン酸n−ペンチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムラテックスが得られ、ラテックスを1wt%の塩化カルシウム水溶液中に入れて乳化破壊・乾燥させた後にイタコン酸n−ペンチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムの生ゴムが得られた。
【0041】
上記イタコン酸n−ペンチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムの生ゴム100g、酸化亜鉛5g、ステアリン酸2g、硫黄1g、促進剤M0.7g、促進剤CZ1g、シリカ80g、Si698gをオープンロール機上で均一に混合して混練物が得られ、混練物が150℃において金型でプレス加硫してイタコン酸n−ペンチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムが調製された。
【実施例6】
【0042】
1リットルの重合装置に、脱イオン水600g、イタコン酸ブチル140g、ラウリル硫酸ナトリウム6g、K
3PO
40.2g、KCl0.4g、EDTA0.02g、TAOM−L0.2g、EDTA−Fe0.02g、ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム0.05gを加え;装置を密封した後、真空引きして窒素ガスを吹き込み、4回連続操作してからブタジエン60g、次亜硫酸ナトリウム0.02g及びパ
ラメンタンハイドロパ
ーオキサイド0.03gを加え、5℃、2MPa圧力条件下で10時間反応させ、ジメチルジチオカルバミ
ン酸ナトリウム1gを加えて反応を停止させると、イタコン酸ブチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムラテックスが得られ、ラテックスを5wt%の塩化カルシウム水溶液中に入れて乳化破壊・乾燥させた後にイタコン酸ブチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムの生ゴムが得られた。
【0043】
上記イタコン酸ブチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムの生ゴム100g、酸化亜鉛5g、ステアリン酸2g、硫黄1g、促進剤M0.7g、促進剤CZ1g、シリカ60g、Si696gをオープンロール機上で均一に混合して混練物が得られ、混練物が150℃において金型でプレス加硫してイタコン酸ブチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムが調製された。
【実施例7】
【0044】
1リットルの重合装置に、脱イオン水500g、イタコン酸イソペンチル150g、脂肪酸カリウム石鹸3g、脂肪酸ナトリウム石鹸4g、H
3PO
40.2g、KOH0.12g、EDTA0.02g、TAOM−L0.25g、EDTA−Fe0.01g、ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム0.05gを加え;装置を密封した後、真空引きして窒素ガスを吹き込み、3回連続操作してからブタジエン50g、次亜硫酸ナトリウム0.02g及びtert−ブチルヒドロペルオキシド0.03gを加え、10℃、3MPa圧力条件下で5時間反応させ、ヒドロキシルアミン7gを加えて反応を停止させると、イタコン酸イソペンチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムラテックスが得られ、ラテックスをエタノール中に入れて乳化破壊・乾燥させた後にイタコン酸イソペンチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムの生ゴムが得られた。
【0045】
上記イタコン酸イソペンチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムの生ゴム100g、酸化亜鉛5g、ステアリン酸2g、硫黄1g、促進剤M0.7g、促進剤CZ1g、カーボンブラックN33060gをオープンロール機上で均一に混合して混練物が得られ、混練物が150℃において金型でプレス加硫してイタコン酸イソペンチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムが調製された。
【実施例8】
【0046】
1リットルの重合装置に、脱イオン水500g、イタコン酸ブチル160g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2g、K
3PO
40.2g、KCl0.5g、EDTA0.02g、TAOM−L0.25g、EDTA−Fe0.01g、ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム0.05gを加え;装置を密封した後、真空引きして窒素ガスを吹き込み、2回連続操作してからブタジエン40g、次亜硫酸ナトリウム0.02g及びクミルヒドロペルオキシド0.03gを加え、20℃、5MPa圧力条件下で7時間反応させ、ヒドロキシルアミン1gを加えて反応を停止させると、イタコン酸ブチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムラテックスが得られ、ラテックスを2wt%の塩化カルシウム水溶液中に入れて乳化破壊・乾燥させた後にイタコン酸ブチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムの生ゴムが得られた。
【0047】
上記イタコン酸ブチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムの生ゴム100g、酸化亜鉛5g、ステアリン酸2g、硫黄1g、促進剤M0.7g、促進剤CZ1g、カーボンブラックN33040gをオープンロール機上で均一に混合して混練物が得られ、混練物が150℃において金型でプレス加硫してイタコン酸ブチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムが調製された。
【0048】
(比較例1)
スチレンブタジエンゴム(SBR1502)100g、酸化亜鉛5g、ステアリン酸2g、硫黄1g、促進剤M0.7g、促進剤CZ1g、シリカ60g及びSi696gをオープンロール機上で均一に混合して混練物が得られ、混練物が150℃において金型でプレス加硫してシリカ/スチレンブタジエンゴム複合材料が調製された。
【0049】
(比較例2)
天然ゴム(雲標1#)100g、酸化亜鉛5g、ステアリン酸2g、硫黄1g、促進剤M0.7g、促進剤CZ1g、カーボンブラックN33060gをオープンロール機上で均一に混合して混練物が得られ、混練物が150℃において金型でプレス加硫してカーボンブラック/
天然ゴム複合材料が調製された。
【0050】
【表1】
(注:表1内のデータは、均しく国家規格の試験方法で得られたもの)
【0051】
表1の比較データからも分かるように、本発明で調製されたイタコナート/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムの生ゴムは、比較的高い分子量、比較的狭い分子量分布を有し、重合過程が低温で行い、エネルギー消費を下げ、工業化生産に適している。
【0052】
【表2】
(注:表2のデータは、均しく国家規格の試験方法で得られたもの)
【0053】
表2からも分かるように、本発明で調製されたイタコナート/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムは、充填剤で補強を経た後、優れた物理的・機械的性質を見せ、引張り強さ及び切断時伸びがいずれも従来のスチレンブタジエンゴム及び天然ゴムの対応性質に達し或いは超えたため、力学特性の要求が比較的高いエンジニアリングの応用(例えばタイヤ、ベルトコンベア)の条件を満たすことができる。また、本発明で調製されたイタコナート/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴム材料の0℃の時の損失係数(tanδ)は、スチレンブタジエンゴム及び天然ゴムの損失係数より明らかに高く、60℃の時の損失係数がスチレンブタジエンゴム及び天然ゴムの損失係数に相当し、さらにスチレンブタジエンゴム及び天然ゴムの損失係数に低く、本発明で調製されたイタコナート/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴム材料は、優れた動的な力学特性を持ち、低転がり抵抗性、高いウエットスキッド抵抗性を持つタイヤのゴム材料の調製として使用できることを示している。
(実施例9〜実施例15)
【0054】
実施例9〜実施例15において調製されたイタコン酸ブチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムは、イタコン酸ブチルとブタジエンのフィード量が異なることを除き、他の試薬の種類及び質量は均しく同一で、調製工程・経路も同じで、イタコン酸ブチルとブタジエンのフィード量を表3に示している。具体的な調製ステップ及び方法は、次の通りとする。
【0055】
1リットルの重合装置に、脱イオン水500g、イタコン酸ブチル、脂肪酸カリウム石鹸3g、脂肪酸ナトリウム石鹸4g、H
3PO
40.2g、KOH0.12g、EDTA0.02g、TAOM−L0.25g、EDTA−Fe0.01g、ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム0.05gを加え;装置を密封した後、真空引きして窒素ガスを吹き込み、5回連続操作してからブタジエン、次亜硫酸ナトリウム0.02g及びパ
ラメンタンハイドロパ
ーオキサイド0.03gを加え、5℃、1MPa圧力条件下で8時間反応させ、ヒドロキシルアミン1gを加えて反応を停止させると、イタコン酸ブチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムラテックスが得られ、ラテックスを1wt%の塩化カルシウム水溶液中に入れて乳化破壊・乾燥させた後にイタコン酸ブチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムの生ゴムが得られた。
【0056】
上記イタコン酸ブチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムの生ゴム100g、酸化亜鉛5g、ステアリン酸2g、硫黄1g、促進剤M0.7g、促進剤CZ1g、シリカ60g、Si696gをオープンロール機上で均一に混合して混練物が得られ、混練物が150℃において金型でプレス加硫してイタコン酸ブチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムが調製された。
【0057】
(比較例3)
スチレンブタジエンゴム(SSBR2503)100g、酸化亜鉛5g、ステアリン酸2g、硫黄1g、促進剤M0.7g、促進剤CZ1g、シリカ60g及びSi696gをオープンロール機上で均一に混合して混練物が得られ、混練物が150℃において金型でプレス加硫してシリカ/スチレンブタジエンゴム複合材料が調製された。
【0058】
(比較例4)
天然ゴム(スモークシートゴム)100g、酸化亜鉛5g、ステアリン酸2g、硫黄1g、促進剤M0.7g、促進剤CZ1g、カーボンブラックN33060gをオープンロール機上で均一に混合して混練物が得られ、混練物が150℃において金型でプレス加硫してカーボンブラック/
天然ゴム複合材料が調製された。
【0059】
【表3】
(注:表3のデータは、均しく国家規格の試験方法で得られたもの)
【0060】
【表4】
(注:表4のデータは、均しく国家規格の試験方法で得られたもの
【0061】
表3及び表4からも分かるように、本発明で調製されたイタコン酸ブチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムの物理的・機械的性質と動的な力学特性は、重合反応時のイタコン酸ブチルとブタジエンのフィード量の制御を通じて調整できる。実施例内で調製されたイタコナート/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムの物理的・機械的性質は、いずれもエンジニアリング応用(例えばタイヤ、ベルトコンベア等)の要求を満たすことができる。イタコン酸ブチルとブタジエンのフィード比が60:40(実施例11)の時、イタコン酸ブチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムの動的な力学特性が最も優れ、0℃の時、その損失係数がスチレンブタジエンゴム及び天然ゴムの損失係数より明らかに高く、60℃の時、その損失係数がスチレンブタジエンゴム及び天然ゴムの損失係数に相当した。実施例11で合成されたイタコン酸ブチル/ブタジエン共重合体型のバイオエンジニアリングゴムを利用することで低転がり抵抗性、高いウエットスキッド抵抗性を持つグリーンタイヤを調製できる。