(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6688343
(24)【登録日】2020年4月7日
(45)【発行日】2020年4月28日
(54)【発明の名称】マイクロ波プラズマソース、プラズマ励起システムおよびプラズマ励起測定システムの動作方法
(51)【国際特許分類】
H05H 1/46 20060101AFI20200421BHJP
H05H 1/00 20060101ALI20200421BHJP
H01L 21/3065 20060101ALN20200421BHJP
【FI】
H05H1/46 B
H05H1/00 A
!H01L21/302 101D
【請求項の数】30
【外国語出願】
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-129836(P2018-129836)
(22)【出願日】2018年7月9日
(65)【公開番号】特開2019-16599(P2019-16599A)
(43)【公開日】2019年1月31日
【審査請求日】2018年9月12日
(31)【優先権主張番号】62/530,589
(32)【優先日】2017年7月10日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】16/022,389
(32)【優先日】2018年6月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505350178
【氏名又は名称】ヴェリティー インストルメンツ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マーク エイ.メローニ
【審査官】
藤本 加代子
(56)【参考文献】
【文献】
特開平02−295052(JP,A)
【文献】
特開2001−148372(JP,A)
【文献】
特開平09−115694(JP,A)
【文献】
特開2013−077441(JP,A)
【文献】
特開2004−266268(JP,A)
【文献】
特開2013−118398(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/00−1/54
H01L 21/3065
C23C 16/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数のガスによるプラズマの励起およびその光学的監視のためのプラズマソースであって、
第1の端部と、第2の端部と、内側電極と、外側電極と、を含む同軸無線周波数(RF)共振器と、
前記内側電極および前記外側電極に電気的に結合され、前記同軸RF共振器にRF信号を供給するように構成されたRFインターフェースと、
前記同軸RF共振器の前記第1の端部に配置され、プラズマキャビティを画定するフランジと、
前記同軸RF共振器の前記第1の端部と前記フランジとの間に配置され、前記プラズマキャビティの一方の側面を形成する窓であって、それによって前記同軸RF共振器が前記プラズマから隔離され、前記同軸RF共振器及び前記RFインターフェースが、前記プラズマキャビティ内の前記窓の表面の近くでプラズマを励起するように構成されている、窓と、
前記プラズマからの光放射信号の収集のために、前記プラズマキャビティ内の前記窓の表面の近くの前記プラズマの励起に合わせるように配置された観察ポートであって、前記第1の端部と前記第2の端部との間の前記同軸RF共振器の長さに沿って延在する観察ポートと
を含むプラズマソース。
【請求項2】
前記窓から前記プラズマキャビティの反対側の端部に配置され、前記プラズマキャビティの第2の側面を形成する隔離スクリーンをさらに含む、請求項1に記載のプラズマソース。
【請求項3】
前記窓と前記フランジとの間に配置されたOリングをさらに含む、請求項1に記載のプラズマソース。
【請求項4】
前記フランジは、前記同軸RF共振器に取り外し可能に結合される、請求項1に記載のプラズマソース。
【請求項5】
前記観察ポートは、前記第1の端部と前記第2の端部との間の前記内側電極を通って延在する、請求項1に記載のプラズマソース。
【請求項6】
前記同軸RF共振器の前記第2の端部に位置し、前記観察ポートと一致する光ファイバアクセスをさらに含む、請求項5に記載のプラズマソース。
【請求項7】
前記プラズマキャビティを画定する前記フランジの内面は、前記プラズマによる汚染および損傷に耐性のある製品で被覆されている、請求項1に記載のプラズマソース。
【請求項8】
前記プラズマキャビティ内のプラズマを点火するためのイグナイタをさらに含む、請求項1に記載のプラズマソース。
【請求項9】
前記イグナイタは、前記プラズマキャビティの外側の前記窓に近接して配置されたスパークイグナイタである、請求項8に記載のプラズマソース。
【請求項10】
前記プラズマソースのQを変更するように構成されたQチューナをさらに含む、請求項1に記載のプラズマソース。
【請求項11】
前記Qチューナは、前記同軸RF共振器に近接する電気コイルと、前記内側電極と前記外側電極との間のフェライト素子と、を含み、前記電気コイルは、前記フェライト素子を有する前記同軸RF共振器の一部の周りに配置される、請求項10に記載のプラズマソース。
【請求項12】
前記同軸RF共振器の励起が前記RFインターフェースを介して前記RF信号によって提供され、電磁場が生成されて、前記プラズマキャビティ内の前記窓の表面の近くの前記プラズマの前記励起及び局在化のために前記プラズマキャビティに供給される、請求項1に記載のプラズマソース。
【請求項13】
前記窓は自己洗浄性である、請求項1に記載のプラズマソース。
【請求項14】
プラズマの励起のための励起システムであって、
プラズマソースであって、
第1の端部と、第2の端部と、内側電極と、外側電極と、を含む同軸無線周波数(RF)共振器、
前記内側電極および前記外側電極に電気的に結合され、前記同軸RF共振器にRF信号を供給するように構成されたRFインターフェース、
前記同軸RF共振器の前記第1の端部に配置され、プラズマキャビティを画定するフランジ、
前記同軸RF共振器の前記第1の端部と前記フランジとの間に配置され、前記プラズマキャビティの一方の側面を形成する窓であって、それによって前記同軸RF共振器が前記プラズマから隔離され、前記同軸RF共振器及び前記RFインターフェースが、前記プラズマキャビティ内の前記窓の表面の近くでプラズマを励起するように構成されている、窓、及び
前記プラズマからの光放射信号の収集のために、前記プラズマキャビティ内の前記窓の表面の近くの前記プラズマの励起に合わせるように配置された観察ポートであって、前記第1の端部と前記第2の端部との間の前記同軸RF共振器の長さに沿って延在する観察ポート
を含むプラズマソースと、
前記RFインターフェースに前記RF信号を供給し、前記RF信号の電力量を制御するように構成されたソースコントローラと
を含む励起システム。
【請求項15】
前記ソースコントローラは、前記プラズマの点火または点火後の前記プラズマの維持に基づいて、前記電力量を変更する、請求項14に記載の励起システム。
【請求項16】
前記ソースコントローラは、点火に使用される量よりも小さいオーダーである、維持するための電力量を使用する、請求項15に記載の励起システム。
【請求項17】
前記ソースコントローラは、前記電力量を自動的に制御する、請求項15に記載の励起システム。
【請求項18】
前記ソースコントローラは、前記RF信号の周波数を自動的に制御する、請求項14に記載の励起システム。
【請求項19】
前記プラズマソースはQチューナをさらに含み、前記ソースコントローラは、前記プラズマを点火して前記プラズマを維持するために前記Qチューナに供給される電流量を変化させる、請求項14に記載の励起システム。
【請求項20】
前記ソースコントローラは、前記電流量を自動的に制御する、請求項19に記載の励起システム。
【請求項21】
前記プラズマは、プロセスチャンバ内の1つまたは複数のガスによるものであり、前記プラズマソースは、前記プロセスチャンバに物理的に結合される、請求項14に記載の励起システム。
【請求項22】
前記ソースコントローラは、前記プロセスチャンバ内のプロセスに関するプロセス情報を受信し、前記プロセス情報に基づいて前記RF信号の前記電力量および周波数の少なくとも一方を変更するように構成される、請求項21に記載の励起システム。
【請求項23】
前記プラズマソースは、光学的監視のための光源であり、前記励起システムは、光学的監視のための少なくとも1つの他の光学的インターフェースを含む、請求項14に記載の励起システム。
【請求項24】
励起測定システムを動作させる方法であって、
プラズマソースのプラズマキャビティ内で、プロセスチャンバ内の1つまたは複数のガスによるプラズマを点火するステップであって、前記プラズマソースが、観察ポート、窓、同軸無線周波数(RF)共振器、及びRFインターフェースを更に含む、ステップと、
前記点火されたプラズマを励起されたプラズマとして維持するステップと、
同軸RF共振器及びRFインターフェースを使用して、前記プラズマソースの前記窓の表面の近くの前記プラズマキャビティ内で前記プラズマを励起するステップと、
前記観察ポートにおける光ファイバーを使用して、処理するために前記励起されたプラズマから光信号を収集するステップであって、前記観察ポートが、前記同軸RF共振器の長さに沿って延在し、前記収集のために前記窓の表面の近くの前記励起されたプラズマに合わせるように配置されている、ステップと
を含む方法。
【請求項25】
プロセスチャンバのための動作モードおよびパラメータを受信し、それに基づいて前記点火するステップおよび前記励起するステップを実行するステップをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記点火するステップおよび前記維持するステップを実行するためにRF信号の電力レベルまたは周波数を変更するステップをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記点火するステップおよび前記維持するステップを実行するために前記プラズマキャビティのQを変更するステップをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記点火するステップは、受信されたRF信号から前記プラズマソースによって生成された電磁場によって実行される、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
前記プラズマソースは第1の光源であり、前記方法は、前記プラズマソースとは異なる第2の光源から異なる光信号を収集するステップをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
前記第2の光源は別のプラズマソースである、請求項29に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2017年7月10日にMark A.Meloniによって出願された「MICROWAVE PLASMA SOURCE」と題された米国仮特許出願第62/530,589号の利益を主張し、上記仮出願は、本出願に共通して援用され、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、一般に、半導体プロセスを監視することに関し、より詳細には、プロセスガスの励起および光信号の観測によりプロセスを光学的に監視することに関する。
【背景技術】
【0003】
ウエハから集積回路構造を形成するために半導体ウエハから材料を選択的に除去または堆積させることは、半導体プロセス技術において周知である。半導体ウエハからの材料の除去は、反応性イオンエッチングおよびプラズマエッチングなどの何らかのタイプのエッチングプロセスを用いることによって達成される。ウエハ上に材料を堆積させる工程は、化学的および物理的蒸着、および分子線エピタキシなどのプロセスを含むことができる。他の除去および堆積プロセスも公知である。このようなプロセスは厳密に制御されており、しばしば密閉されたプロセスチャンバ内で行われる。
【0004】
正確な量の材料を半導体ウエハ上に堆積させ、または半導体ウエハから除去しなければならないので、プロセスの進行を継続して正確に監視して、特定のプロセスの停止時刻または終点を正確に決定しなければならない。プロセスを光学的に監視することは、進行中のプロセスの段階または終点を決定するための非常に有用なツールの1つである。例えば、プロセスチャンバの内部のガスは、チャンバ内のウエハから放射または反射された所定の波長の光をスペクトル分析することによって、特定の既知の放射ラインについて光学的に監視することができる。従来の方法には、光学発光分光法(OES)、吸収分光法、反射測定法などがある。
【0005】
半導体プラズマプロセスツールの光学スペクトルを監視する慣習的な方法は、アレイベースの光学分光器からなる光学的監視システムと、チャンバの内部のプラズマからの光を分光器にもたらすための光結合システムと、を使用することである。光学スペクトルは、通常、一組の狭いスペクトル帯域において、または広いスペクトルにわたって一連の光強度測定値として、通常、特定の時間間隔で繰り返して記録される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様では、本開示は、1つまたは複数のガスによるプラズマの励起およびその光学的監視のためのプラズマソースを提供する。一実施形態では、プラズマソースは、(1)第1の端部と、第2の端部と、内側電極と、外側電極と、を含む同軸無線周波数(RF)共振器と、(2)内側電極および外側電極に電気的に結合され、同軸RF共振器にRF信号を供給するように構成された無線周波数インターフェースと、(3)共振器の第1の端部に配置され、プラズマキャビティを画定するフランジと、(4)共振器の第1の端部とフランジとの間に配置され、プラズマキャビティの一方の側面を形成する窓と、を含み、それによって同軸RF共振器がプラズマから隔離される。
【0007】
別の態様では、本開示は、プラズマの励起のための励起システムを提供する。一実施形態では、励起システムは、(1)プラズマソースであって、(1A)第1の端部と、第2の端部と、内側電極と、外側電極と、を含む同軸無線周波数(RF)共振器と、(1B)内側電極および外側電極に電気的に結合され、同軸RF共振器にRF信号を供給するように構成された無線周波数インターフェースと、(1C)同軸RF共振器の第1の端部に配置され、プラズマキャビティを画定するフランジと、(1D)同軸RF共振器の第1の端部とフランジとの間に配置され、プラズマキャビティの一方の側面を形成する窓と、を含み、それによって同軸RF共振器がプラズマから隔離される、プラズマソースと、(2)RFインターフェースにRF信号を供給し、RF信号の電力量を制御するように構成されたソースコントローラと、を含む。
【0008】
さらに別の態様では、本開示は、励起測定システムを動作させる方法を提供する。一実施形態では、本方法は、(1)プラズマソースのプラズマキャビティ内で、プロセスチャンバ内の1つまたは複数のガスによるプラズマを点火するステップと、(2)点火されたプラズマを励起されたプラズマとして維持するステップと、(3)処理するために励起されたプラズマから光信号を収集するステップと、を含む。
【0009】
本開示は、以下に簡単に説明する図面と併せて以下の詳細な説明を参照することによって理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】OESを利用してプロセスツール内のプラズマプロセスの状態を監視および/または制御する従来技術のプロセスシステムのブロック図である。
【
図2】励起および監視のためにプラズマソースを使用するプロセスシステムの一実施形態のブロック図である。
【
図3】本開示の原理に従って実行される励起および監視システムを動作させる方法を示す図である。
【
図4A】本開示の原理に従って構成されたプラズマソースの一実施形態の断面図である。
【
図5】本開示の原理に従って構成されたプラズマソースの一実施形態の切欠図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
プラズマが半導体ウエハと反応する際のチャンバ内のプラズマ光の測定は、いくつかの用途では困難な場合がある。具体的には、チャンバ内のプロセスガスがウエハから離れて励起され、励起された反応物がウエハ表面と相互作用するためにかなりの時間が必要とされる場合には、光放射量は非常に限られているかまたは存在しない。これらの用途では、たとえ得られるとしても、プラズマ放射がウエハ表面上で生じる反応による放射を含まないので、プラズマの光からの測定は、半導体ウエハにおけるプロセスの正確な特性評価を提供しない。同様に、プラズマを利用しない半導体プロセスでは、明らかに光放射は観察されない。本明細書の説明および実施例は、プラズマベースのプロセスおよびプロセスチャンバに言及しているが、本開示の様々な実施形態は、プロセスガスの励起および励起の光学的監視を実行することができる任意のタイプのシステムで使用することができることを理解されたい。
【0012】
ウエハに近接して、またはプロセスチャンバ内の他の関連する、もしくは好都合な位置において、プロセスガスまたは複数のガス(本明細書のいくつかの以下の説明では、説明の便宜のためにプロセスガスと呼ぶ)の励起が、チャンバ内の進行中の反応から放射される特定の既知の発光ラインまたは広いスペクトル特徴の光学的監視のための光を生成するためにしばしば必要とされることが、本明細書では実現される。本開示は、プラズマの励起および励起から生じる光学スペクトルの監視のための解決策を提供する。本開示は、無線周波数(RF)信号を受信し、例えばプロセスチャンバ内のプロセスガスの励起源として電磁(EM)場を提供するように設計されたプラズマソースを提供する。
【0013】
開示されたプラズマソースは、既存の技術の複雑さを低減し、プロセスの互換性を最大にする。プラズマソースは、プロセス容積とソースの動作条件とを分離する。プラズマソースは、主にプロセス容積の外側にあり、プロセスガス種、圧力負荷、および他の相互作用からの影響を、既存の設計と比較して低減した同軸無線周波数共振器を含む。同軸RF共振器は、放出された電磁場と組み合わされて、プロセス容積および外部周囲環境の孤立した堅牢な動作を提供する。プラズマソースは、3/4波または1/4波の共振プラズマソース装置を含むことができる。
【0014】
プラズマソースの利点の1つは、プロセス空間との最小限の相互作用である。プロセス空間は、プロセスガスを含む容積である。例えば、プロセス空間は、プロセスチャンバまたは排気ライン内にあってもよい。このように、プロセス空間は、プロセスガスがウエハと相互作用する前であっても、近接していても、後であってもよい。プロセス空間で実行される光学的監視の目的または目標は、プロセス空間の場所に応じて異なってもよい。例えば、プロセス空間がプロセスガスとウエハとの相互作用の前に位置する場合には、光学的監視は、反応物の適切な分解または特定の反応物の存在に対するものであってもよい。近接している場合には、光学的監視は、プロセスガスとウエハとの相互作用から生じるプロセスガスの組成の変化に対するものであってもよい。後の場合には、光学的監視は、時間に対する補償を伴うプロセスガス組成の変化に対するものであってもよい。この時間遅延された光学的監視は、準安定化合物の異なる状態の衝突を可能にする。前、近接、および後の位置の例は、
図2に示すように、それぞれ光学的インターフェース142、プラズマソース150、およびプラズマソース150’の位置に対応する。プラズマソースの構成要素の多くは、プロセス空間から分離することができる。例えば、取り付けフランジ、窓、およびOリングのみが、プロセス空間および関連するプロセスガスと接触することができる。この隔離は、潜在的な汚染およびチャンバ内で発生するプロセスとの有害な相互作用を低減する。プラズマソースは、プロセスガスとの材料との適合性を最大にするなどのさらなる利点をもたらす。また、プラズマソースは、広い圧力範囲で動作可能であり、複数のプロセスタイプに適しており、プロセスチャンバおよびフォアライン動作を含む様々な監視用途で動作可能である。広い圧力範囲の例は、典型的なプロセスガスでは約1E−4〜10Torrである。プラズマソースは、有益には、ケーブルおよび電子機器を除いて、例えば約100mm×35mm×35mm(L×W×H)のコンパクトなフォームファクタを有することができる。いくつかの実施形態では、プラズマソースは、従来のKF40インターフェースに取り付けるために都合よく設計される。プラズマソースはまた、プロセスチャンバまたはフォアラインとの、またはプロセスチャンバまたはフォアラインのためのインターフェースなどの、他の従来のまたは独自のインターフェース設計にも取り付けることができる。
【0015】
開示されたプラズマソースは、簡単な予防保守(PM)サイクルのための単純化された設計、ならびに曇りおよび信号変動を低減するための「自己洗浄性」を提供するプラズマ濡れ窓により、メンテナンスを容易にすることができる。プラズマソースは、窓のプロセス側の光学的監視を可能にするように構成されている。窓の光学的監視のために、光ファイバをプラズマソース内に配置することができる。さらなる利点は、プラズマソースを低電力で使用し、小型の駆動電子機器および他の付属品を使用できることである。プラズマソースは、アルミニウムまたは他の金属で構成することができ、アルミニウムを含む材料の組み合わせで構成することができる。
【0016】
開示されたプラズマソースは、プロセスチャンバ内に存在するガスの光学的監視のために様々な利点を提供する。これらの利点には、プロセスチャンバ、フォアラインなどのプロセス空間との最小の相互作用が含まれる。プラズマソースはまた、プロセス空間内のプロセス化学物質との限定された材料相互作用を提供し、プロセスガスおよび圧力の変化に対して堅牢である。プラズマソースの同軸設計は、プロセスチャンバ内の相互作用位置での観察と、得られた光信号の光学測定システムへの供給と、を提供することもできる。
【0017】
ここで図面を参照すると、
図1は、OESを利用してプロセスツールまたはチャンバ110内のプラズマプロセスの状態を監視および/または制御するプロセスシステム100のブロック図を示す。図示され説明された構成要素は、業界では周知であり、便宜上簡略化されている。半導体プロセスチャンバなどのプロセスチャンバ110は、一般に、様々なプロセスガスを含むことができる、通常部分的に排気された容積内に、ウエハ120および場合によってはプロセスプラズマ130を収容する。プロセスチャンバ110は、様々な位置および向きでプロセスチャンバ110内への観察を可能にするために、光学的インターフェース142などの1つまたは複数の光学的インターフェースを含むことができる。光学的インターフェース142は、観察ポートであってもよく、または、限定はしないが、レンズ、窓、開口部、光ファイバ、ミラー、および光波長フィルタなどの複数のタイプの光学素子をさらに含むことができる。
【0018】
プロセスシステム100では、プロセスチャンバ110内のプロセスガスは、従来の手段を用いてウエハ120に近接して励起される。OESアプリケーションでは、光学的インターフェース142は、プラズマ130からの光放射を収集するように配向されてもよい。光ファイバケーブルアセンブリ159は、光信号とも呼ばれる任意の収集された光を分光器160に導くことができる。OES関連の光信号を収集するために、複数の光学的インターフェースを別々にまたは並列して使用することができる。例えば、
図1に示すように、プラズマの大部分を見ることができるように光学的インターフェース142を配置しながら、別のインターフェースをウエハ120の表面の近くからの放射を収集するように配置することができる。図示していない他のインターフェースは、プラズマ/ウエハの界面の上流または下流に配置することができる。
【0019】
いくつかの用途では、本明細書に開示するようなプラズマソースを使用して、光学的インターフェース142などの光学的インターフェースの様々な位置に光信号を提供することができる。したがって、プロセスシステム100は、
図2のソースコントローラ177などのプラズマソースコントローラを含むことができる。
図2において、光学的インターフェース142は、プロセス空間の複数の光学的監視位置の一例を提供するために含まれており、この監視は、直接観測された、または本明細書に記載されているようなプラズマソースによって励起されて観測された異なる光信号を含むことができる。さらに、光信号の観測は、同じまたは異なる分光器によって行うことができる。
【0020】
分光器160は、光ファイバケーブルアセンブリ159を介して光信号を受信した後に、光信号を検出して電気信号に変換し、その後に電気信号を信号プロセッサ170に送る。分光器160は、信号プロセッサ170に電気信号を送る前に、電気信号を増幅し、デジタル化することができる。信号プロセッサ170は、例えば、工業用PC、PLC、またはプロセスチャンバ110内の観察されるプロセスから収集された光信号に対応する出力を生成するための1つまたは複数のアルゴリズムを使用する他のコンピュータもしくはコンピュータシステムであってもよい。このアルゴリズムは、所定の波長で発光強度信号を解析し、プロセスの状態に関連する傾向パラメータを決定するOESアルゴリズムであってもよく、例えば終点検出、エッチング深さなど、その状態にアクセスするために使用することができる。信号プロセッサ170からの出力は、例えば、特定の波長の強度または2つの波長帯域の比を表すアナログまたはデジタル制御値であってもよい。出力値180は、プロセスチャンバ110内で発生する製造プロセスを監視および/または修正するために、通信リンク185を介してプロセスチャンバ110に転送されてもよい。別個の装置の代わりに、信号プロセッサ170を分光器160と一体化することができる。
【0021】
図2は、励起および監視のためにプラズマソースを使用するプロセスシステム200の一実施形態のブロック図を示す。プロセスシステム200では、プロセスチャンバ110内のプロセスガスは、ウエハ120から離れて励起される(従来の手段を励起に使用することができる)。励起された反応物がウエハ120の表面と相互作用するまでは、光放射の量は非常に制限されているか存在していない。これらの用途では、プラズマ130からの放射がウエハ120の表面上で生じる反応による放射を含まないことがあるので、プラズマ130の光からの測定は、たとえ得られたとしても、半導体ウエハ120のエッチングプロセスの正確な特性評価を提供しない。
【0022】
したがって、プロセスシステム200は、有利には、
図2における要素150として示すプラズマソースを使用して、観察用の光信号を提供する。プラズマソース150は、
図1の光学的インターフェース142によって使用されるような、ウエハ120の近くの、またはプロセスガスとの相互作用を提供する他のもしくは複数の場所にある観察ポートを介してプロセスチャンバ110に取り付けることができる。プラズマソース150のプラズマキャビティ内でプロセスガスが許容されるようにプラズマソース150が取り付けられると、観察ポートの窓が除去される。本明細書で説明するように、プラズマソース150は、プラズマソースの窓で得られた収集光を分光器160に導く光ケーブルアセンブリ152であるか、またはその一部である、プラズマソース150内に配置された光学素子を含むことができる。あるいは、プラズマソース(要素150’)は、光ケーブルアセンブリ152’と共に、
図2に示すようにシステム200の排気ライン上に配置することができる。光ケーブルアセンブリ152、152’は、光ファイバケーブルアセンブリ159と同じ構成要素を含むことができる。いくつかの実施形態では、独立したRFプラズマソースおよび監視装置を提供するために、複数のプラズマソースをプロセスシステム200の異なる位置で使用することができる。そのような実施形態では、各プラズマソースは、得られた光信号を測定のために分光器に供給するための対応する分光器入力ポートを有する。
【0023】
図1に示すような分光器160および信号プロセッサ170に加えて、プロセスシステム200はまた、チャンバコントローラ175およびソースコントローラ177を含む。チャンバコントローラ175は、信号プロセッサ170を介して信号プロセッサ170または分光器160から通信リンク187を介して監視データを受信し、それに基づいてプロセスチャンバ110のプラズマ処理を制御することによって、プロセスチャンバ110の動作を指示するように構成することができる。
【0024】
ソースコントローラ177は、チャンバコントローラ175と通信して、プロセス設定、ガス種、ガス圧力などの情報、および少なくともRF電力レベルおよび周波数のプラズマソース制御パラメータを受信することができる。ソースコントローラ177はまた、プラズマソース150、150’にRF電力を供給するように構成されている。ソースコントローラ177は、RFインターフェースを介してプラズマソース150、150’の同軸RF共振器に周波数信号を供給するRF信号源であってもよい。ソースコントローラ177は、例えば、2.4〜2.5GHzのISM帯域内の2.45GHzの公称周波数または他の周波数を提供することができる。通常、周波数は一定または狭く可変であり、供給される電力量は手動または自動で制御することができる。ソースコントローラ177はまた、本明細書で説明するように、点火のため、または外部コマンドに応答して、RF電力を変化させることができる。したがって、ソースコントローラ177は、分光器160および信号プロセッサ170に結合され、RF信号をプラズマソース150、150’に送達するための電力を変更することができる。ソースコントローラ177は、ケーブル178、179を介して、プラズマソース150、150’の同軸RF共振器にそれぞれ供給されるRF信号の電力または中心周波数の量を自動的に制御するためにも使用することができる。ソースコントローラ177は、RF信号を制御するために、必要な論理回路、ソフトウェア、回路とソフトウェアの組み合わせなどを含むことができる。
【0025】
ソースコントローラ177によって供給されるRF信号の電力容量は、プロセスガスがどのように点火されるかに応じて変化することができる。プロセスガスの点火には100ワットの電源が必要である。しかしながら、点火後に、電源を0.1〜10Wなどのより小さなオーダーで使用して、プラズマを維持することができる。任意選択的に、窓に近接したスパークイグナイタを初期励起に使用することができる。そのため、必要な電源は10ワットの電源であってもよい。電源の容量を低減することにより、プラズマソース150、150’を使用する全体的なコストを低減することができる。
【0026】
図3は、本開示の原理に従って実行される励起測定システムを動作させる方法300を示す。方法300は、例えばプロセスシステム200の少なくとも一部の動作を指示するために使用することができる。方法300は、本明細書で開示されるようなプラズマソースを使用し、ステップ310で開始する。
【0027】
ステップ320において、動作モードが選択される。動作モードは、プラズマソースに特有のものであってもよいし、プロセスチャンバの動作モードに基づくものであってもよい。動作モードは、プラズマソースとプロセスチャンバの両方に対して同じであってもよい。動作モードは、ガス種、ガス圧力、関心のある光信号などに基づいてもよく、一般に、RF電力レベルおよび周波数などのパラメータの値、ならびにこれらのパラメータの任意の変動の必要なタイミングを含む。動作モードはまた、プラズマソースの同軸RF共振器へのRF電力の連続的動作またはパルス動作を規定することができる。
【0028】
ステップ330において、動作パラメータが取得される。動作パラメータは、
図2の分光器160および信号プロセッサ170などのプロセスツールまたは別のソースの動作を指示するツールコントローラから、あるいはプロセスエンジニアまたは半導体の「ファブ」接続システムから得ることができる。ステップ340では、プラズマソースを点火するための1つまたは複数の条件が設定される。条件には、高いQ下位条件と、点火のための特定の周波数および出力レベルの設定が含まれてもよい。例えば、プラズマソースの同軸RF共振器のQを大きくして、点火のために電磁場を強くして、次に点火後に低減させることができる。Qの変更は、Qチューナで行うことができる。一例では、Qチューナは、フェライトなどの可変誘電率または透磁率材料を含むプラズマソースの少なくとも一部の周りに配置された電気コイルを含み、チューニングは電気コイルに通電することによって行われる。ソースコントローラなどのコントローラは、点火中に電気コイルに電流を自動的に供給し、点火後に電流を調整することができる。Q調整の他の方法は、当該技術分野において公知であり、プラズマソースで使用することができる。
【0029】
ステップ350において、RFソースがオンにされ、RF電力が共振器に印加されて所望の電磁場が生成される。ステップ360において、プラズマソースが結合されているプロセスチャンバ内のプロセスガスは、着火条件によって生成されたプラズマソースの窓の近くの強い電磁場を用いて点火される。点火後に、ステップ370において、プラズマの安定化を可能にする時間量が許容される。この時間量は、約1秒であり、チャンバ内の圧力およびガス条件に依存してもよい。プラズマの安定化は、例えば、光信号または前方/反射RF電力または位相の変動を監視することによって観察することができる。実験データまたは過去のデータに基づいて一定の時間量を使用することもできる。指定された時間量の後に、プラズマソースの動作条件がステップ375で設定される。例えば、プロセス圧力およびガス濃度の変動がプラズマソースの性能に及ぼす影響が小さくなるように、RF共振器に対して低いQ条件を設定することができる。ステップ380において、RF電力および周波数がチェックされ、調整される。圧力またはガス濃度などのプロセスチャンバ条件の変化は、一貫した励起および光学測定性能を維持するために、RF電力レベル、周波数およびキャビティQの変更を必要とすることがある。その後に、励起および測定がステップ390で行われる。この動作させるステップ390の間に、プラズマソースは、プロセスチャンバ内の圧力およびプロセスガスの変化の影響を低減するために、低いQを有するように構成されてもよい。方法300はステップ395で終了する。
【0030】
図4Aは、本開示の原理に従って構成されたプラズマソース400の一実施形態の断面図を示す。プラズマソース400は、同軸RF共振器410と、RFインターフェース420と、フランジ430と、窓440と、隔離スクリーン450と、プラズマキャビティ460と、を含む。いくつかの実施形態では、同軸RF共振器410の寸法は、RFインターフェース420を介して受信されたRF信号を用いた、窓440での電磁場の最大化に基づく。窓440における電磁場の最大化は、窓の結果としてのプラズマ湿潤または非湿潤を引き起こし、それにより、上昇した窓温度を維持することによって、点火されたプラズマの作用による窓の自己洗浄性を助ける。同軸RF共振器410の他の寸法は、関心のある動作周波数における波長特性によって規定される。動作周波数は、使用と干渉に対する国際標準化により、2.4〜2.5GHz、5.725〜5.875GHzなどの産業科学医療用(ISM)帯域内で使用することができるが、これは必須ではない。いくつかの3/4波長の実施形態では、プラズマソース400は長さが約100mmであってもよく、同軸RF共振器410は長さが約85.75mmであってもよい。特定の長さは、実際の動作周波数およびRF波の関連する自由空間波長に依存する。例えば、2.4〜2.5GHzのISM帯域では、波長は125〜120mmの範囲であり、3/4波長共振器は約90mmの長さである。同様に、1/4波長共振器の長さは約30mmである。
【0031】
同軸RF共振器410は、機械的に堅牢であり、RFインターフェース420を介して受信されるRF信号の放射を最小にするように設計される。同軸RF共振器410は、内側電極および外側電極(
図4Aには図示せず)を含む。RFインターフェース420は、内部電極および外側電極に電気的に結合されて、RFインターフェース420を介して同軸RF共振器410の励起を提供する。同軸RF共振器410は、窓440のプロセス側に、RF励起によって生成される強い電磁(EM)場を提供するように設計されている。このように、窓のプロセス空間側のプロセスガスまたはプラズマは高温のままであり、プロセスガスによる窓440の汚染は低減される。したがって、開示されたプラズマソース400は、励起中に加熱されたプロセス空間の光学的監視のために観察窓440を保持して、窓に付着して窓を損傷する汚染物を低減させる、すなわち自己洗浄性のある窓を保持する。
【0032】
RFインターフェース420は、RF信号を同軸RF共振器410に結合するように構成される。RF信号は、周波数のISM帯域内にあってもよく、
図2のソースコントローラ177などのソースコントローラを介して供給されてもよい。一実施形態では、RF信号は2.4〜2.5GHzのISM帯域内で2.45GHzの公称周波数を有する。RFインターフェース420は、ケーブル178、179などの、RF信号および
図2のソースコントローラ177のRF電源を供給するケーブル/ソースのインピーダンスに整合するように設計されている。いくつかの実施形態では、RFインターフェース420は、50オームのタイプNまたはSMAのコネクタである。
【0033】
フランジ430は同軸RF共振器410に機械的に結合され、それらの間に窓440およびOリング433が配置され、窓440とフランジ430との間にOリング433が配置されている。有利には、同軸RF共振器410およびフランジ430は、互いに取り外し可能に結合される。これらの部品を容易に分解して再組み立てすることができるので、窓440およびOリング433の維持が可能になる。同軸RF共振器410とフランジ430との取り外し可能な機械的結合のために、ねじ437または他のタイプの固定具を使用することができる。フランジ430のプロセス側は、プロセスチャンバとのインターフェースなどの、観察ためのインターフェースに接続するように構成されている。フランジ430のプロセス側のインターフェースは、従来のタイプの接続であってもよい。上記のように、接続はKF40形式のコネクタに準拠することができる。プラズマソースとプロセス容積との間の分離のさらなる指標として、フランジ430は、プラズマソースの動作特性に対する制限された影響で修正されてもよい。Oリング433は、プロセスガス、圧力、および熱に耐えるために業界で通常使用される材料で構成することができる。例えば、Oリング433はKalrezペルフルオロエラストマーOリングであってもよい。
【0034】
取り付けるためにインターフェースに適合させることに加えて、フランジ430は、プラズマソース400の同軸RF共振器410または本体を機械的に支持する。フランジ430はまた、使用される場合には、隔離スクリーン450を支持することもできる。隔離スクリーン450は、フランジ430の内径によって画定されるプラズマキャビティ460にプロセスガスを入れることを可能にするための開口部または穴を含む。さらに、隔離スクリーン450は、窓440の近くで励起されたプラズマの移動が、取り付けられたプロセス容積の主要部分に入るのを阻止することができる。隔離スクリーン450は、プラズマソース400のいくつかの実施形態では使用されない任意の構成要素であってもよい。プラズマおよび/またはプロセスガスが接触することができるプラズマキャビティ460の内面は、ジルコニア、イットリア、耐火性酸化物、またはプロセスガスによる汚染および損傷を低減するための別の同様の製品でコーティングすることができる。窓440は、プロセスガスによる汚染に抵抗するために使用される従来の材料で構成することもできる。例えば、窓440はサファイア窓であってもよい。
【0035】
窓440は、プラズマソース400の大部分をプロセス容積から隔離することに加えて、プラズマキャビティ460内のプラズマ容積の励起によって生成された光学スペクトルを観察するためのものである。上述したように、窓440の一方の側はプロセス空間の環境と接触し、他方の側は好都合なことに周囲条件にある。光ファイバは、フランジ430とは反対側のプラズマソース400の端部に位置する光ファイバアクセス470を介して、観察ポート内に配置することができる。
図4Bは、光ファイバアクセスを含むこの端部を示す。光ファイバは、
図1および
図2の分光器160などの分光器に光信号を提供することができる。
【0036】
図5は、本開示の原理に従って構成されたプラズマソース500の一実施形態の別の図を示す。
図4のプラズマソース400と同様に、プラズマソース500は、同軸RF共振器510、RFインターフェース520、フランジ530、窓540、隔離スクリーン550、およびプラズマキャビティ560を含む。Oリング533およびねじもしくはボルト537も示されている。プラズマソース500は、
図5の破断図で示され、同軸RF共振器510の内側電極512および外側電極514を示してある。観察ポート516も見える。この実施形態では、Qチューナおよびスパークイグナイタ580の一例の構成要素も示されている。
【0037】
同軸RF共振器510は、外側電極514と、外側電極514によって囲まれ、かつ外側電極514から分離された内側電極512と、を含む。RFインターフェース520は、内側電極512および外側電極514に電気的に結合され、RF信号を同軸RF共振器510に提供するように構成される。
【0038】
光学的監視のために同軸RF共振器510の長さに沿って延在する光ファイバ599が観察ポート516内に示されている。観察ポート516は、図示するように、同軸RF共振器510の内側電極512を貫通することができる。観察ポート516は、内側電極512内にあって、内側電極512によって画定された容積であってもよく、好都合には、プラズマ容積の正反対の窓540の表面への観察アクセスを可能にする。光ファイバ599は、例えばプロセスチャンバ内で進行中の半導体プロセスの状態を決定するための光放射信号を監視するために分光器に結合することができる。
【0039】
動作中に、プラズマソース500は、プロセス空間内の圧力およびプロセスガスの変化の影響を低減するために、低いQを有するように設計される。Qチューナは、プラズマソース500のQを制御するために使用することができる。同軸RF共振器510のQを増加させて、点火のために電磁場を強くして、それから点火後に低減させることができる。Qチューナは同軸RF共振器510のQを増加させてプラズマキャビティ560内のプラズマ容積の点火のために電磁場を強化し、次いで点火後に低減させるために使用することができる。Qの変更は、例えば、フェライトなどの可変誘電率または可変透磁率の材料を有するQチューナの素子575を含むプラズマソース500の一部の周りに配置されたQチューナの電気コイル573を励磁することによって行うことができる。ソースコントローラ177などのコントローラは、点火中に電流を電気コイル573に自動的に印加し、点火後の電流を調整してキャビティQを変更することができる。スパークイグナイタ580はプラズマを点火するために使用することもできる。したがって、プロセスガスの点火は、開示されたプラズマソース500を使用して様々な方法で実施することができる。
【0040】
スパークイグナイタ580は、
図5のプロセス側とは反対に示されている窓540に近接しており、初期プラズマ点火に使用することができる。例えば、15,000ボルトのスパークイグナイタを使用することができる。スパークイグナイタ580は、例えばガス点火に使用できるACまたはDC入力電子点火モジュールなどの従来のスパークイグナイタであってもよい。スパークイグナイタ580は、ソースコントローラなどのコントローラによって手動で制御または操作することができる。
【0041】
上記の装置、システムまたは方法またはその少なくとも一部は、デジタルデータプロセッサまたはコンピュータなどの様々なプロセッサ(
図2のコントローラおよびコンピュータなど)に具体化され、またはそれによって実行されてもよく、プロセッサは、装置またはシステムの方法または機能の1つまたは複数のステップを実行するようにプログラムされ、あるいはそれらのステップを実行するための実行可能プログラムまたはソフトウェア命令のシーケンスを格納する。そのようなプログラムのソフトウェア命令は、アルゴリズムを表し、例えば磁気ディスクもしくは光ディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ハードディスク、フラッシュメモリ、および/または読み出し専用メモリ(ROM)などの非一時的デジタルデータ記憶媒体上の機械実行可能形式で符号化されてもよく、様々なタイプのデジタルデータプロセッサまたはコンピュータが、本明細書に記載のシステムの上述の方法または機能の1つまたは複数のステップのうちの1つまたは複数またはすべてを実行することを可能にする。
【0042】
本明細書に開示した特定の実施形態は、さらに、装置、システムの少なくとも一部を具体化し、または本明細書に記載の方法のステップの少なくともいくつかを実行もしくは指示する、様々なコンピュータにより実行される動作を実行するためのプログラムコードを有する、非一時的なコンピュータ可読媒体を有するコンピュータ格納製品にさらに関連することができる。本明細書で使用される非一時的媒体は、一時的な伝播する信号を除くすべてのコンピュータ可読媒体を指す。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、限定はしないが、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気テープなどの磁気媒体、CD−ROMディスクなどの光学媒体、フロプティカルディスクなどの磁気光学媒体、ROMおよびRAMデバイスなどのプログラムコードを格納し実行するように特別に構成されたハードウェアデバイスを含む。プログラムコードの例には、コンパイラによって生成されるようなマシンコードと、インタプリタを使用してコンピュータによって実行され得るより高レベルのコードを含むファイルの両方が含まれる。
【0043】
本出願に関連する当業者は、記載された実施形態に対して、他のさらなる追加、削除、置換、および変更を行うことができることを理解するであろう。
【0044】
本明細書に開示するシステムおよび方法を含む、本開示の様々な態様を請求することができる。本明細書で開示される態様は、以下を含む。
【0045】
A.1つまたは複数のガスによるプラズマの励起およびその光学的監視のためのプラズマソースであって、プラズマソースは、(1)第1の端部と、第2の端部と、内側電極と、外側電極と、を含む同軸無線周波数(RF)共振器と、(2)内側電極および外側電極に電気的に結合され、同軸RF共振器にRF信号を供給するように構成された無線周波数インターフェースと、(3)共振器の第1の端部に配置され、プラズマキャビティを画定するフランジと、(4)共振器の第1の端部とフランジとの間に配置され、プラズマキャビティの一方の側面を形成する窓と、を含み、それによって同軸RF共振器がプラズマから隔離される。
【0046】
B.プラズマの励起のための励起システムであって、(1)プラズマソースであって、(1A)第1の端部と、第2の端部と、内側電極と、外側電極と、を含む同軸無線周波数(RF)共振器と、(1B)内側電極および外側電極に電気的に結合され、同軸RF共振器にRF信号を供給するように構成された無線周波数インターフェースと、(1C)同軸RF共振器の第1の端部に配置され、プラズマキャビティを画定するフランジと、(1D)同軸RF共振器の第1の端部とフランジとの間に配置され、プラズマキャビティの一方の側面を形成する窓と、を含み、それによって同軸RF共振器がプラズマから隔離される、プラズマソースと、(2)RFインターフェースにRF信号を供給し、RF信号の電力量を制御するように構成されたソースコントローラと、を含む。
【0047】
C.励起測定システムを動作させる方法であって、(1)プラズマソースのプラズマキャビティ内で、プロセスチャンバ内の1つまたは複数のガスによるプラズマを点火するステップと、(2)点火されたプラズマを励起されたプラズマとして維持するステップと、(3)処理するために励起されたプラズマから光信号を収集するステップと、を含む。
【0048】
態様A、B、およびCの各々は、以下のさらなる要素の1つまたは複数を組み合わせて有することができる。
【0049】
要素1:窓からプラズマキャビティの反対側の端部に配置され、プラズマキャビティの第2の側面を形成する隔離スクリーンをさらに含む。要素2:窓とフランジとの間に配置されたOリングをさらに含む。要素3:フランジは同軸RF共振器に取り外し可能に結合される。要素4:第1の端部と第2の端部との間の同軸RF共振器の長さに沿って延在する観察ポートをさらに含む。要素5:同軸RF共振器の第2の端部に位置し、観察ポートと一致する光ファイバアクセスをさらに含む。要素6:プラズマキャビティを画定するフランジの内面は、プラズマによる汚染および損傷に耐性のある製品で被覆されている。要素7:プラズマキャビティ内のプラズマを点火するためのイグナイタをさらに含む。要素8:イグナイタは、プラズマキャビティの外側の窓に近接して配置されたスパークイグナイタである。要素9:プラズマソースのQを変更するように構成されたQチューナをさらに含む。要素10:Qチューナは、同軸RF共振器に近接する電気コイルと、内側電極と外側電極との間のフェライト素子と、を含み、電気コイルは、フェライト素子を有する同軸RF共振器の一部の周りに配置される。要素11:同軸RF共振器の励起がRFインターフェースを介してRF信号によって提供され、電磁場が生成されて、プラズマの励起のためにプラズマキャビティに供給される。要素12:窓は自己洗浄性である。要素13:ソースコントローラは、プラズマの点火または点火後のプラズマの維持に基づいて、電力量を変更する。要素14:ソースコントローラは、点火に使用される量よりも小さいオーダーである、維持するための電力量を使用する。要素15:ソースコントローラは、電力量を自動的に制御する。要素16:ソースコントローラは。RF信号の周波数を自動的に制御する。要素17:プラズマソースはQチューナをさらに含み、ソースコントローラは、プラズマを点火してプラズマを維持するためにQチューナに供給される電流量を変化させる。要素18:ソースコントローラは、電流量を自動的に制御する。要素19:プラズマは、プロセスチャンバ内の1つまたは複数のガスによるものであり、プラズマソースは、プロセスチャンバに物理的に結合される。要素20:ソースコントローラは、プロセスチャンバ内のプロセスに関するプロセス情報を受信し、プロセス情報に基づいてRF信号の電力量および周波数の少なくとも一方を変更するように構成される。要素21:プラズマソースは、光学的監視のための光源であり、励起システムは、光学的監視のための少なくとも1つの他の光学的インターフェースを含む。要素22:プロセスチャンバのための動作モードおよびパラメータを受信し、それに基づいて点火するステップおよび励起するステップを実行するステップをさらに含む。要素23:点火するステップおよび維持するステップを実行するためにRF信号の電力レベルまたは周波数を変更するステップをさらに含む。要素24:点火するステップおよび維持するステップを実行するためにプラズマキャビティのQを変更するステップをさらに含む。要素25:点火するステップは、受信されたRF信号からプラズマソースによって生成された電磁場によって実行される。要素26:プラズマソースは第1の光源であり、本方法は、プラズマソースとは異なる第2の光源から異なる光信号を収集するステップをさらに含む。要素27:第2の光源は別のプラズマソースである。
【符号の説明】
【0050】
100 プロセスシステム
110 プロセスチャンバ
120 半導体ウエハ
130 プラズマ
142 光学的インターフェース
150 プラズマソース
152 光ケーブルアセンブリ
159 光ファイバケーブルアセンブリ
160 分光器
170 信号プロセッサ
175 チャンバコントローラ
177 ソースコントローラ
178 ケーブル
179 ケーブル
180 出力値
185 通信リンク
187 通信リンク
200 プロセスシステム
300 方法
310 ステップ
320 ステップ
330 ステップ
340 ステップ
350 ステップ
360 ステップ
370 ステップ
375 ステップ
380 ステップ
390 ステップ
395 ステップ
400 プラズマソース
410 同軸RF共振器
420 RFインターフェース
430 フランジ
433 Oリング
437 ねじ
440 窓
450 隔離スクリーン
460 プラズマキャビティ
470 光ファイバアクセス
500 プラズマソース
510 同軸RF共振器
512 内側電極
514 外側電極
516 観察ポート
520 RFインターフェース
530 フランジ
533 Oリング
537 ねじ/ボルト
540 窓
550 隔離スクリーン
560 プラズマキャビティ
573 電気コイル
575 素子
580 スパークイグナイタ
599 光ファイバ