【文献】
3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; Small cell enhancements for E-UTRA and E-UTRAN - Physical layer aspects (Release 12),3GPP TR 36.872 V12.1.0 (2013-12),2013年12月19日,[検索日2019.07.25], インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/36_series/36.872/36872-c10.zip>, 6.2.2.4節
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
(本開示の基礎となった知見)
図1A〜Cは、サブフレームにおいてCSI-RSが配置されるリソースの構成例を示す図である。
図1Aはアンテナポート数が8ポートの構成例、
図1Bはアンテナポート数が4ポートの構成例、
図1Cはアンテナポート数が2ポートの構成例をそれぞれ示す。また、
図1A〜Cでは、12個のサブキャリアを束ねた2つのリソースブロック(RB)により1つのサブフレームが構成されている。また、
図1A〜Cにおいて、#i(0〜19)は、各サブキャリア内で、時間領域で連続する2つのOrthogonal Frequency Division Multiplexing(OFDM)シンボルからなるリソース(2RE(Resource Element))を表すCSI-RS構成番号である。各リソース(2RE)では、2ポート分のCSI-RSが符号多重される。
【0019】
また、各端末は、CSI-RSに関する情報を基地局から上位レイヤ(higher layer)を介して予め取得している。具体的には、CSI-RSに関する情報としては、以下が挙げられる。アンテナポート数(antennaPortsCount)、サブフレーム内のサブキャリア及びOFDMシンボル位置を特定するCSI-RS構成番号(resourceConfig:例えば、
図1中の番号#0〜#19など)、 送信周期とオフセットとで構成される送信サブフレーム(subframeConfig)、及び、 参照信号とデータ信号との電力比(p-C)等が挙げられる。
【0020】
図1A〜
図1Cでは、CSI-RS構成番号は、時間軸(横軸)方向の順に、かつ、同一時間では周波数軸(縦軸)方向の順に、付与されている。また、
図1A〜
図1Cに示すように、各アンテナポート数に対応するCSI-RS構成間で、各CSI-RS構成番号のリソースの開始位置(番号付与の順序における開始位置)には同一番号が付与されている。また、
図1A〜
図1Cに示すように、アンテナポート数が少ない場合のCSI-RS構成は、アンテナポート数が多い場合のCSI-RS構成のサブセットを構成している。これにより、各アンテナポート数に対応するCSI-RS構成において重複した番号付けを用いつつ、アンテナポート数毎の各リソースの特定を必要最小限の番号にて網羅できる。例えば、
図1Cに示す2ポートのCSI-RS構成番号#0は、
図1Aに示す8ポートのCSI-RS構成番号#0で示されるリソース(8RE)のうち、開始位置から2ポート分のリソース(2RE)のみと特定することができる。
【0021】
なお、前述したように、適応変調又はプリコーディングの制御対象の各基地局と端末との間のチャネル情報を観測するために、基地局は端末に対してCSI-RSに関する情報を予め通知する手順を採っている。CSI-RSをセル検出用参照信号として用いる場合も、複数の基地局によって構成されるネットワークから端末へ所定の情報を予め通知することが可能である。例えば、ネットワークから端末へ、前述のCSI-RS構成番号又は送信サブフレーム等の情報を予め通知することで、端末側では、セル検出のための信号測定が可能となる。
【0022】
出願人らは、上記の知見にもとづき鋭意研究した結果、セル検出用参照信号を、セル検出用参照信号が配置されるサブフレーム内の他の参照信号(例えば、CSI-RS)を配置するために設定された複数のリソースの一部である候補リソースの何れかに配置するという構成をとれば、セル検出用参照信号を配置するサブフレームでの周波数利用効率の低下を防ぐことができることを見出した。
【0023】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、実施の形態において、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は重複するので省略する。
【0024】
[実施の形態1]
LTE及びLTE-Advancedでは、下りリンクの通信方式としてOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)が採用されている。OFDMAにおけるセル検出用参照信号の送信方法として、特定のOFDMシンボルおよび特定のサブキャリアを用いて信号を送信することが考えられる。
【0025】
こうすることで、端末は、測定対象となるセルと同期を確保していれば、当該信号の送信位置を把握することができる。そして、セル検出用参照信号の受信信号電力(RSRP(Reference Signal Reception Power)と呼ぶこともある)又は受信信号品質(RSRQ(Reference Signal Reception Quality)と呼ぶこともある)を観測することが可能となる。
【0026】
一方、端末は、データ送受信を行わない時間を一定以上確保することにより、送受信機の動作を停止させて、省電力化の効果を得ることができる(Discontinuous Reception: DRX)。そこで、端末が受信動作を取る必要のある区間長を最小化して、データ送受信を行わない時間を一定以上確保するために、以下のように構成することが考えられる。複数のセルが送信するセル検出用参照信号を特定のサブフレームに集中して配置し、それ以外のサブフレームにおいて端末がより長くDRXを行えるようにネットワークを構成することが考えられる。すなわち、特定のサブフレーム内に、セル検出用参照信号をより多く配置することが求められる。
【0027】
[通信システムの概要]
本開示の実施の形態1に係る通信システムは、基地局100と端末200とを有する。基地局100は、LTE-Advancedシステムに対応する基地局であり、端末200は、LTE-Advancedシステムに対応する端末である。
【0028】
図2は、本開示の実施の形態1に係る基地局100の主要構成図である。基地局100において、設定部101は、セル検出用参照信号が配置されるサブフレームに関する情報を設定し、送信処理部104は、上記情報を送信し、受信処理部108は、セル検出用参照信号を用いて測定された受信品質(RSRP又はRSRQ)の測定結果を示すRRM報告(測定情報)を受信する。
【0029】
図3は、本開示の実施の形態1に係る端末200の主要構成図である。端末200において、受信処理部203は、セル検出用参照信号を受信し、RRM報告生成部206は、セル検出用参照信号を用いて測定された受信品質(RSRP又はRSRQ)の測定結果を示すRRM報告(測定情報)を生成し、送信信号形成部208は、RRM報告を送信する。
【0030】
なお、セル検出用参照信号は、セル検出用参照信号が配置されるサブフレーム内の他の参照信号(例えば、CSI-RS)を配置するために設定された複数のリソースの一部である複数の候補リソースの何れかに配置されている。
【0031】
[基地局100の構成]
図4は、本開示の実施の形態1に係る基地局100の構成を示すブロック図である。
図4において、基地局100は、設定部101と、符号化・変調部102、103と、送信処理部104と、送信部105−1、105−2と、アンテナ106−1、106−2と、受信部107−1、107−2と、受信処理部108と、データ受信部109と、RRM報告受信部110とを有する。
【0032】
設定部101は、RRM報告対象端末200に対して、セル検出用参照信号に関する情報(セル検出用参照信号情報)を生成する。セル検出用参照信号情報には、例えば、送信周期とオフセットとで構成される送信サブフレーム情報が含まれる。すなわち、設定部101は、セル検出用参照信号が配置されるサブフレームを設定する。このように、設定部101は、各セルに対する受信信号電力(RSRP)及び受信信号品質(RSRQ)を測定するのに必要なパラメータを、RRM報告対象端末200に対して設定する。
【0033】
設定部101によって生成されたセル検出用参照信号情報は、制御情報(設定情報)として、符号化・変調部102、送信処理部104、及び送信部105において送信処理がなされた後に、RRM報告対象端末200へ送信される。セル検出用参照信号情報を通知する制御情報として、無線リソース制御の情報(RRC signalling)を用いることができる。
【0034】
また、設定部101は、リソース(Resource Block:RB)割当情報、及び、1つ又は複数のトランスポートブロック(TB)に対するMCS(Modulation and Coding Scheme)情報を含む、割当制御情報を生成する。割当制御情報には、上りリンクデータを割り当てる上りリソース(例えば、PUSCH(Physical Uplink Shared Channel))に関する割当制御情報、下りリンクデータを割り当てる下りリソース(例えば、PDSCH(Physical Downlink Shared Channel))に関する割当制御情報が含まれる。割当制御情報は、送信処理部104及び受信処理部108に出力されるとともに、PDCCHによって、基地局100から端末200へ通知される。
【0035】
符号化・変調部102は、設定部101から受け取る情報を符号化及び変調し、得られた変調信号を送信処理部104へ出力する。
【0036】
符号化・変調部103は、入力されるデータ信号(送信データ)を符号化及び変調し、得られた変調信号を送信処理部104へ出力する。
【0037】
送信処理部104は、符号化・変調部102及び符号化・変調部103から受け取る変調信号を、設定部101から受け取る下りリソース割当制御情報の示すリソースにマッピングすることにより、送信信号を形成する。これにより、セル検出用参照信号情報を含む送信信号は送信される。ここで、送信信号がOFDM信号である場合には、送信処理部104は、変調信号を、設定部101から受け取る下りリソース割当制御情報の示すリソースにマッピングし、逆高速フーリエ変換(IFFT)処理を施して時間波形に変換し、CP(Cyclic Prefix)を付加することにより、OFDM信号を形成する。
【0038】
送信部105−1又は105−2は、送信処理部104から受け取る送信信号に対して送信無線処理(アップコンバート、ディジタルアナログ(D/A)変換など)を施し、アンテナ106−1又は106−2を介して送信する。
【0039】
受信部107−1及び107−2は、アンテナ106−1又は106−2を介して受信した無線信号に対して受信無線処理(ダウンコンバート、アナログディジタル(A/D)変換など)を施し、得られた受信信号を受信処理部108へ出力する。
【0040】
なお、複数設けた送受信部及びアンテナについて、例えば、送信部105−1、受信部107−1及びアンテナ106−1をマクロセルの形成に用い、送信部105−2、受信部107−2及びアンテナ106−2を小型セルの形成に用いるといった運用も可能である。また、送受信部及びアンテナの個数は、
図4に示す2個に限定されず、3個以上であってもよい。
【0041】
受信処理部108は、設定部101から受け取る上りリソース割当制御情報に基づいて上りデータ信号及びACK/NACK情報がマッピングされているリソースを特定し、受信信号から、特定されたリソースにマッピングされている信号成分を抽出する。また、受信処理部108は、受信信号からRRM報告を抽出する。
【0042】
ここで、受信信号がOFDM信号である場合には、受信処理部108は、抽出された信号成分に対してIDFT(Inverse Discrete Fourier Transform)処理を施すことにより、時間領域信号に変換する。
【0043】
こうして受信処理部108によって抽出された上りデータ信号(受信データ)及びACK/NACK情報は、データ受信部109へ出力され、RRM報告は、RRM報告受信部110へ出力される。
【0044】
データ受信部109は、受信処理部108から受け取る信号を復号する。これにより、上りリンクデータ及びACK/NACK情報が得られる。
【0045】
RRM報告受信部110は、受信処理部108から受け取る信号を他の構成部(図示せず)へ出力する。基地局100は、受信した各セルのRRM報告に基づいて、RRM報告対象端末200の接続セル選択等を実施する。
【0046】
[端末200の構成]
図5は、本開示の実施の形態1に係る端末200の構成を示すブロック図である。
【0047】
図5において、端末200は、アンテナ201と、受信部202と、受信処理部203と、リファレンス信号生成部204と、データ信号生成部205と、RRM報告生成部206と、送信制御部207と、送信信号形成部208と、送信部209とを有する。
【0048】
受信部202は、アンテナ201を介して受信した無線信号に対して受信無線処理(ダウンコンバート、アナログディジタル(A/D)変換など)を施し、得られた受信信号を受信処理部203へ出力する。
【0049】
受信処理部203は、受信信号に含まれる設定情報、割当制御情報、及びデータ信号を抽出する。受信処理部203は、割当制御情報を送信制御部207へ出力し、設定情報をRRM報告生成部206へ出力する。また、受信処理部203は、抽出されたデータ信号に対しては誤り検出処理を行い、誤り検出結果に応じたACK/NACK情報をデータ信号生成部205へ出力する。
【0050】
また、受信処理部203は、設定情報に含まれるセル検出用参照信号情報に基づいて、セル検出用参照信号が送信される送信サブフレームを特定する。そして、受信処理部203は、特定した送信サブフレームにおいて、受信信号から、各セルからそれぞれ送信されるセル検出用参照信号(例えば、CSI-RS)を抽出し、セル検出用参照信号の受信値をRRM報告生成部206に出力する。
【0051】
リファレンス信号生成部204は、送信制御部207から生成指示を受け取ると、リファレンス信号を生成し、送信信号形成部208へ出力する。
【0052】
データ信号生成部205は、ACK/NACK情報及び送信データを入力とし、送信制御部207から受け取るMCS情報に基づいてACK/NACK情報及び送信データを符号化及び変調することにより、データ信号を生成する。なお、受信信号がOFDM信号の場合には、データ信号生成部205は、CP除去処理、FFT処理も行う。
【0053】
RRM報告生成部206は、受信処理部203から受け取るセル検出用参照信号(受信値)を用いてRRM報告を生成する。具体的には、RRM報告生成部206は、セル検出用参照信号を用いて受信信号電力(RSRP)又は受信信号品質(RSRQ)を測定し、測定結果を示すRRM報告(測定情報)を生成する。RRM報告生成部206は、生成したRRM報告を送信信号形成部208へ出力する。
【0054】
送信制御部207は、受信処理部203から受け取る割当制御情報に基づいて、データ信号をマッピングする「データマッピングリソース」を特定し、データマッピングリソースに関する情報(以下、「データマッピングリソース情報」と呼ばれることがある)を送信信号形成部208へ出力すると共に、割当制御情報に含まれるMCS情報をデータ信号生成部205へ出力する。
【0055】
送信信号形成部208は、リファレンス信号生成部204から受け取るリファレンス信号をリファレンス信号用のマッピングリソースにマッピングする。また、送信信号形成部208は、データ信号生成部205から受け取るデータ信号をデータマッピングリソース情報の示すデータマッピングリソースにマッピングする。また、送信信号形成部208は、RRM報告生成部206から受け取るRRM報告を、RRM報告用のマッピングリソースにマッピングする。こうして送信信号が形成される。これにより、RRM報告を含む送信信号が送信される。なお、送信信号がOFDM信号の場合には、送信信号形成部208は、データ信号をDFT(Discrete Fourier transform)処理した後に、データマッピングリソースにマッピングする。また、形成された送信信号に対してCPが付加される。
【0056】
送信部209は、送信信号形成部208で形成された送信信号に対して送信無線処理(アップコンバート、ディジタルアナログ(D/A)変換など)を施してアンテナ201を介して送信する。
【0057】
[基地局100及び端末200の動作]
以上の構成を有する基地局100及び端末200の動作について説明する。
【0058】
なお、以下の説明では、特に記述の無い限り、セル検出用参照信号は、セル検出用参照信号の送信サブフレームにおいてシステム帯域全体に渡り送信されるものとする。
【0059】
また、以下の説明では、一例として、セル検出用参照信号を配置するためのリソースとして、CSI-RSを配置するために設定されたリソースの一部を利用する場合について説明する。
【0060】
基地局100において、設定部101は、設定対象端末200に対して、セル検出用参照信号を送信するためのサブフレームを示す送信サブフレーム情報を生成する。送信サブフレーム情報には、例えば、送信周期とオフセットとに対応したパラメータが含まれる。送信サブフレーム情報は、基地局100から端末200へ予め通知されることにより、基地局100と端末200との間で共有される。
【0061】
このように基地局100は、セル検出用参照信号に関する情報を端末200に通知することにより、端末200に対してセル検出用参照信号を用いたRRM報告を実施させる。
【0062】
例えば、基地局100は、端末200に対して、以下のような取り決めを行うことにより、端末200からRRM報告を得ることができる。例えば、セル検出用参照信号を受信した際の受信信号電力(RSRP)又は受信信号品質(RSRQ)の測定結果について予め定めたイベントが発生した時点でRRM報告をフィードバックするという取り決めを行う。又は、所定の受信信号電力又は受信信号品質を上回るセルすべてに対する測定結果を報告させるという取り決めを行う。予め定めたイベントとしては、以下が挙げられる。例えば、或るセルからのセル検出用参照信号を受信した際の受信信号電力又は受信信号品質の測定結果が、所定の閾値を超えている場合である。また、端末200が所属するセルの受信信号電力又は受信信号品質と比較して所定のレベル差以内となる場合である。又は、端末200が所属するセルの受信信号電力又は受信信号品質と比較して所定のレベル差を超える場合などである。
【0063】
また、基地局100及び端末200は、CSI-RSに設定された複数のリソース(例えば
図1を参照)のうち、予め設定した一部のリソースのみを、セル検出用参照信号用リソースとして用いる。すなわち、各セルから送信されるセル検出用参照信号は、CSI-RSを配置するために設定された複数のリソースの一部である複数のリソース(候補リソース)の何れかに配置されている。
【0064】
例えば、CSI-RSに設定されるリソースとして、CSI-RS構成番号(
図1Cに示す#0〜#19)で示される、2ポート用CSI-RSに利用可能な20個のリソースと、各CSI-RS構成番号が示すリソースにおいて2ポートを多重する2種類の拡散符号({+1,+1}、{+1,-1})との組み合わせからなる合計40個のリソースがある。
【0065】
基地局100及び端末200は、この40個のリソースのうちの一部のリソースのみを、セル検出用参照信号用のリソース(候補リソース)として限定する。例えば、基地局100及び端末200は、20個のCSI-RS構成番号が示す20個のリソースのうち、CSI-RS構成番号の小さい方から10個(#0〜#9)に限定する。この場合、基地局100及び端末200は、上記40個のリソースのうち、限定した10個のリソース(CSI-RS#0〜#9が示すリソース)と、2種類の拡散符号との組み合わせからなる合計20個のリソースのみを、セル検出用参照信号用の候補リソースとして用いる。
【0066】
また、基地局100及び端末200は、各セルのセル識別番号(Cell ID)に基づいて、上記一部のリソース(上記例では20個のリソース)のうち、各セルから送信されるセル検出用参照信号がそれぞれ配置されているリソースを特定する。例えば、各セルのセル検出用参照信号のリソースは、セル識別番号(Cell ID)を用いて、mod(Cell ID, 20)とすることで得られる値(V
shift)(V
shift=0〜19)に対応したリソースとして特定される。
【0067】
ここで、LTEでは、Cell IDを0〜503の任意の値としている。また、上記例において、CSI-RS構成番号#0〜#9の各々と拡散符号{+1,+1}との組み合わせに対して、V
shift=0〜9がそれぞれ対応付けられ、CSI-RS構成番号#0〜#9の各々と拡散符号{+1,-1}との組み合わせに対して、V
shift=10〜19がそれぞれ対応付けられているとする。この場合、例えば、Cell ID=72を有するセルに対するV
shiftはmod(72, 20)=12となる。よって、V
shift=12に対応する、CSI-RS構成番号#2と拡散符号{+1,-1}との組み合わせからなるリソースが、当該セルのセル検出用参照信号用のリソースとして特定される。他のセルIDについても同様である。
【0068】
このようなセル識別番号とリソース(V
shiftに対応するリソース)との対応付けは、基地局100と端末200との間で予め共有される。
【0069】
また、基地局100は、設定した送信サブフレーム情報を用いて、データ信号のレートマッチングを実施する。具体的には、基地局100は、送信サブフレーム情報に示されるサブフレーム中では、他セルにおいてセル検出用参照信号を送信するリソースにデータを配置しないこととし、セル検出用参照信号を送信するリソース以外の残りのリソースにデータを配置する。これにより、端末200は、接続セルのデータからの干渉を受けることなくセル検出用参照信号を受信できる。よって、端末200は、周辺セルのセル検出用参照信号を用いて、受信信号電力及び受信信号品質を精度良く測定することができる。更に、端末200は、データ信号を検出する際に、当該セル検出用参照信号からの干渉を受けることなく、データの受信及び復調を行うことが可能となる。
【0070】
一方、端末200において、受信処理部203は、設定情報に含まれる送信サブフレーム情報に示される送信サブフレームにおいて、各セルからのセル検出用参照信号を受信する。そして、RRM報告生成部206は、セル検出用参照信号を用いてRRM報告を生成する。
【0071】
前述したように、端末200は、セル検出用参照信号を配置可能なリソースとしてCSI-RSのリソースを利用し、かつ、CSI-RSのリソースの一部のリソースのみをセル検出用参照信号用のリソースとするという基地局100との取り決めを予め把握している。よって、端末200は、セル検出用参照信号を用いて受信信号電力及び受信信号品質を測定する際、セル検出用参照信号用のリソースのみを測定対象とする。
【0072】
また、前述したように、端末200は、セル識別番号(Cell ID)とセル検出用参照信号用のリソース位置との対応付けを把握している。例えば、端末200は、セル識別番号とリソースとが予め関連付けられている場合には、検出できたリソース位置からセル識別番号(Cell ID)を特定して、特定したセル識別番号に対応するリソースにおいてセル検出用参照信号を観測する。又は、端末200は、測定対象セルのセル識別番号をネットワークから事前に受け取っている場合には、当該セル識別番号に対応したCSI-RS構成番号に対応するリソースのみにおいて、セル検出用参照信号を観測してもよい。
【0073】
また、端末200は、セル検出用参照信号が配置されたサブフレームにおいて、基地局100から送信データを受信する。そして、送信データの復調及び復号を行う際、セル検出用参照信号用のリソースとして予め取り決めた上記一部のリソースの全て、又は、事前に通知された測定対象セルに対応するCSI-RS構成番号に対応するリソースがデータ送信に用いられないものと認識する。つまり、端末200は、送信データが上記セル検出用参照信号用のリソース以外のリソースに配置されているものとして、送信データの復調及び復号の動作を行う。
【0074】
このようにして、本実施の形態では、セル検出用参照信号の配置に用いられるリソースは、既存の参照信号(本実施の形態の例ではCSI-RS)を配置するために設定されている複数のリソースのうち一部のみとする。これにより、セル検出用参照信号が送信されるサブフレームにおいて、セル検出用参照信号が配置されるリソースの大幅な増加を防ぐことができるので、セル検出用参照信号を配置するサブフレームでの周波数利用効率の低下を防ぐことができる。
【0075】
つまり、本実施の形態によれば、高密度に配置した小型セルを検出するためのセル検出用参照信号に利用可能なリソースを制限し、データ送信時の周波数利用効率低下を回避することができる。これにより、データ送信時の周波数利用効率低下を抑えつつ、小型セルの検出が可能となり、小型セルの高密度展開を実現することができる。
【0076】
また、本実施の形態によれば、セル検出用参照信号が配置されるリソースとして、既存の参照信号のリソースのうち一部のリソースのみを用いることを予め取り決めておく。これにより、基地局100及び端末200は、セル検出用参照信号の観測動作を簡略化できるとともに、当該参照信号の送信に伴うデータ送信の周波数利用効率低下を抑えることができる。
【0077】
また、本実施の形態では、セル検出用参照信号用のリソースは、セル識別番号を用いて特定される。これにより、セル検出用参照信号用のリソースを特定するためのシグナリングの追加が不要となる。
【0078】
なお、本実施の形態において、2ポート用CSI-RS構成番号(#0〜#19)で示される20個のリソースのうち、セル検出用参照信号用のリソースとして用いられる候補リソースの数は、上記例のように10個(#0〜#9)に限定されず、他の値(例えば、6個)であってもよい。また、2ポート用CSI-RS構成番号(#0〜#19)で示される20個のリソースのうち、セル検出用参照信号用のリソースとして用いられる候補リソースは、上記例のように、CSI-RS構成番号の小さい方から所定数のリソースに限定されない。候補リソースは、例えば、CSI-RS構成番号が偶数又は奇数のリソースであってもよく、ランダムなCSI-RS構成番号で示されるリソースであってもよい。また、本実施の形態において、セル検出用参照信号が配置されるリソースは、2ポート用CSI-RSに利用可能なリソースに限定されず、4ポート又は8ポート用CSI-RSに利用可能なリソースでもよい。
【0079】
<実施の形態1の変形例A>
上記実施の形態では、セル検出用参照信号がシステム帯域全体に渡り送信される場合について説明した。一方、従来のLTEにおけるセル検出の性能規定は、システム帯域幅として採りうる最小値を基準に定められていた。具体的には、セル検出の性能規定では、
図1に示すRBを6個用いる6RBのシステム帯域にて所定の精度を出せるような送信条件が規定されている。すなわち、一般的に用いられる広いシステム帯域幅(例えば、50RB)の帯域全体を利用してセル検出用参照信号を送信する場合には、セル検出の性能規定において規定された送信条件よりも多くのサンプル数と広い帯域幅とが用いられることになる。
【0080】
本変形例では、この点に着目し、セル検出用参照信号用のリソースとして用いられる上記一部のリソースとする対象を、システム帯域幅よりも狭い帯域幅と定める。例えば、セル検出用参照信号用のリソースとして、システム帯域幅の半分のリソース(RB)が用いられることとしてもよい。これにより、セル検出用参照信号用のリソースとして用いられるリソース以外のリソースはデータ送信に活用できるので、当該サブフレームにおけるデータ送信の周波数利用効率低下を更に回避することができる。また、端末200においてセル検出用参照信号の観測対象となるリソースが限定されることにより、消費電力の増加を抑えることができる。
【0081】
なお、本変形例において、セル検出用参照信号用のリソースとして用いられるリソースは、システム帯域幅の半分に限定されず、少なくともシステム帯域幅全体よりも狭い帯域幅のリソースであればよく、例えば、上述した6RBが設定されることとしてもよい。
【0082】
また、上述したように取り決めた、システム帯域幅よりも狭い帯域幅を用いて、複数のセルのセル検出用参照信号を周波数領域多重してもよい。例えば、システム帯域幅の半分のリソース(RB)をセル検出用参照信号用のリソースに用いる場合、セルAではRB番号の小さい低周波数の周波数位置にセル検出用参照信号が配置されることとしてもよい。さらに、セルBではRB番号の大きい高周波数の周波数位置にセル検出用参照信号が配置されることとしてもよい。
【0083】
また、セル検出用参照信号が配置される周波数位置の特定にセル識別番号を用いることもできる。例えば、システム帯域幅を等分する整数値をN
freqとして、セル検出用参照信号が配置される上記一部のリソースとして用いられる候補数を20リソースとする。この場合、セル検出用参照信号が配置される周波数位置(配置される帯域)はmod(Cell ID, N
freq)として特定され、セル検出用参照信号用のリソースはmod(Cell ID/N
freq, 20)として特定される。
【0084】
なお、本変形例において用いられる周波数位置の特定に関しては、周波数選択性CSI報告向けに定められているBandwidth partを適用することができる。これにより、端末200における既存の測定機能を流用しつつ、セル検出動作を実施することが可能となる。
【0085】
このように、各セルのセル検出用参照信号を周波数領域多重することにより、小型セルが高密度(例えば、20〜100個)に配置される場合でもセル検出用参照信号に起因する周波数利用効率の低下を防ぐことができる。
【0086】
<実施の形態1の変形例B>
上記変形例Aでは、セル検出用参照信号のサンプル数が多いことを周波数領域多重に活用する場合について説明したが、同様にして、符号領域多重を適用することもできる。すなわち、本変形例では、一例として、周波数方向に拡散系列を用いて配置し、複数のセル検出用参照信号を拡散多重する構成をとる。例えば、この場合の拡散多重として、3GPP LTEで用いられるZhadoff-Chu系列に異なる巡回シフトを付与し多重することなどが挙げられる。別の一例として、時間方向に拡散系列を用いて配置し、複数のセル検出用参照信号を拡散多重する構成をとる。例えば、この場合の拡散多重として、LTEで用いられるWalsh系列の異なる符号を用い多重することなどが挙げられる。さらに、セル検出用参照信号の拡散多重に用いられる符号数をN
codeとして、セル検出用参照信号が配置される上記一部のリソースとして用いられる候補数を20リソースとする。この場合、セル検出用参照信号用のリソースはmod(Cell ID/N
code, 20)として特定され、セル検出用参照信号に適用される拡散符号はmod(Cell ID, N
code)として特定される。
【0087】
このように、各セルのセル検出用参照信号を符号領域多重することにより、小型セルが高密度(例えば、20〜100個)に配置される場合でもセル検出用参照信号に起因する周波数利用効率の低下を防ぐことができる。
【0088】
<実施の形態1の変形例C>
上記実施の形態では、セル検出用参照信号の配置をCSI-RSのリソースのうち一部のリソースに限定する際、任意のCSI-RS構成番号を用いる場合について説明した。これに対して、本変形例では、セル検出用参照信号用のリソースを限定する際、サブフレームを構成するスロットのうち後半のスロット(second slot)に配置されるリソースに対応したCSI-RS構成番号のみ用いる。
【0089】
例えば、サブフレームの前半のスロット(first slot)では、端末200がDRXから復帰する際の送受信系の処理が行われる可能性がある。これに対して、本変形例では、セル検出用参照信号用のリソースを後半のスロットに限定することにより、端末200はDRXから復帰した直後の送受信系における不安定性の影響を軽減させてセル検出動作を行うことが可能となる。
【0090】
[実施の形態2]
CSI-RSは、複数基地局が協調して動作することによる性能改善を狙った協調送信(Coordinated multiple transmission point:CoMP)機能を実現することも目標としている。
【0091】
また、CoMPにおいて協調している複数の基地局に所属する送信ポイント(Transmission point: TP)から送信される参照信号(CSI-RS)を端末が精度良く観測するために、当該端末が接続しているTPのデータを無送信信号とするミューティング(muting)の手法も提供されている。
【0092】
具体的には、前述のCSI-RS構成番号のうち、4ポートに対応したCSI-RS構成番号#0〜#9(
図1B参照)のそれぞれをビットマップ(bitmap)表記にする。そして、CSI-RSを無送信とするリソース(無送信信号リソース)をどのリソースとするかが基地局から端末へ通知される仕組みを備える。どのリソースを無送信信号リソースとするかを表すビットマップ型の情報は、無送信CSI-RS構成番号リスト(zeroTxPowerResourceConfigList)と呼ばれる。
【0093】
一例として、4ポート用CSI-RS構成番号(resourceConfig)#0〜#9で示される10個のリソースのうち、CSI-RS構成番号#1及び#2で示される2個のリソースを無送信信号リソースとする。この場合、無送信CSI-RS構成番号リストは、{0,1,1,0,0,0,0,0,0,0}となる。ここでは、無送信CSI-RS構成番号リストの先頭ビットから順に、CSI-RS構成番号#0〜#9にそれぞれ対応し、「1」が無送信信号リソースを表し、「0」が無送信信号リソース以外のリソースを表す。
【0094】
基地局は、前述のCSI-RSと同様に送信周期とオフセットで構成される送信サブフレーム(zeroTxPowerSubframeConfig)を無送信CSI-RS構成番号リストに併せて通知する。こうすることで、端末は、対応するサブフレーム中のどのリソースが無送信信号リソースとなるかを特定できる。
図6は、或る端末が接続している送信ポイントに設定された無送信CSI-RS構成番号リスト(前述の例:{0,1,1,0,0,0,0,0,0,0})に対応するサブフレーム中の無送信信号リソースの位置(点線で囲まれたリソース)を示す。当該送信ポイントの周辺に位置する送信ポイント(周辺TPと呼ぶ)のCSI-RS構成を、無送信信号リソース(
図6では、CSI-RS構成番号#1及び#2)のいずれかと対応させることにより、端末は、該当周辺TPの信号を希望信号として観測する際に、接続している送信ポイントからのデータにより干渉を受けることがなくなり、端末におけるCSIの測定精度を向上させることができる。
【0095】
なお、CSI-RSをセル検出用参照信号として利用する場合も、同様に、ミューティング手法を適用して、複数セルからのセル検出用参照信号の検出を精度よく実現することが可能である。
【0096】
本実施の形態では、上述した無送信信号リソースのシグナリング(zeroTxPowerResourceConfigList)を流用して、セル検出用参照信号用のリソースの通知を行う。すなわち、本実施の形態では、
図7A〜
図7Cに示す各ポート数のCSI-RS構成のうち、無送信信号リソースのシグナリングが規定されている4ポートのCSI-RS構成番号(resourceConfig。
図7B)を用いて、セル検出用参照信号用のリソースが通知される。
【0097】
本実施の形態に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と基本構成が共通するので、
図4,5を援用して説明する。
【0098】
本実施の形態に係る基地局100は、実施の形態1と同様にして、設定対象端末200に対して、セル検出用参照信号を送信するサブフレームを示す送信サブフレーム情報を生成する。
【0099】
また、基地局100は、セル検出用参照信号を配置可能なリソースのうち、予め設定した一部のリソースのみを、セル検出用参照信号用のリソースとして用いる。具体的には、基地局100は、CSI-RSのリソースのうち、無送信信号リソースとして設定されるリソースを、セル検出用参照信号用のリソースとして用いる。無送信CSI-RS構成番号リストは、基地局100から端末200へ通知される。
【0100】
一方、端末200(受信処理部203)は、CSI-RSの複数のリソースのうち、端末200が接続する基地局(送信ポイント)においてCSI-RSを無送信とする無送信信号リソースを示す無送信CSI-RS構成番号リストを受信する。そして、端末200は、CSI-RSのリソースのうち、上記無送信CSI-RS構成番号リストに示されるリソースを、セル検出用参照信号用のリソースとして用いる。つまり、本実施の形態では、CSI-RSの複数のリソースのうち、セル検出用参照信号を配置するための候補リソースは、無送信CSI-RS構成番号リストに示されるCSI-RSを無送信とするリソースである。
【0101】
例えば、4ポートのCSI-RSのリソースとして利用可能な10個のCSI-RS構成番号(
図1Bに示す#0〜#9。
図7Bに示す太線で囲まれた部分)のうち、無送信信号リソースとして、CSI-RS構成番号#0,#1,#4が設定されるとする。この場合、無送信CSI-RS構成番号リスト(zeroTxPowerResourceConfigList)は、{1,1,0,0,1,0,0,0,0,0}となる。
【0102】
この場合、基地局100及び端末200は、無送信信号リソースに設定される3リソース(CSI-RS構成番号#0,#1,#4)と、2ポートを多重する2種類の拡散符号({+1,+1}、{+1,-1})との組み合わせからなるリソースの何れかをセル検出用参照信号用のリソースとして用いる。
【0103】
なお、
図7A〜
図7Cに示すポート番号0〜7は、CSI-RSのポート番号15〜22にそれぞれ対応する。例えば、ポート番号0,2(CSI-RSのポート番号15,17)は、拡散符号{+1,+1}に対応し、ポート番号1,3(CSI-RSのポート番号16,18)は、拡散符号{+1,-1}に対応する。
【0104】
一例として、基地局100及び端末200は、
図7Bに示すCSI-RS構成番号(resourceConfig)#0,#1,#4のポート番号0,2(すなわち、CSI-RSポート番号15,17)に対応した6リソース(つまり、拡散符号{+1,+1}に対応するリソース。
図7Bの点線枠で囲まれたリソース)のみを、セル検出用参照信号用のリソースとして用いる。
【0105】
図7Bでは、CSI-RS構成番号#0とポート番号0との組み合わせに対してV
shift=0が対応付けられ、CSI-RS構成番号#0とポート番号2との組み合わせに対してV
shift=1が対応付けられる。同様に、CSI-RS構成番号#1とポート番号0との組み合わせに対してV
shift=2が対応付けられ、CSI-RS構成番号#1とポート番号2との組み合わせに対してV
shift=3が対応付けられる。また、CSI-RS構成番号#4とポート番号0との組み合わせに対してV
shift=4が対応付けられ、CSI-RS構成番号#4とポート番号2との組み合わせに対してV
shift=5が対応付けられる。V
shiftと各リソースとの上記対応付けは、基地局100及び端末200において事前に把握されている。
【0106】
この場合、端末200は、セル識別番号(Cell ID)を用いて、2*mod(Cell ID/2, 3)+mod(CellID,2)とすることで得られるV
shiftに対応したリソースを、セル検出用参照信号用のリソースとして特定する。なお、上式の関数内において、「Cell ID/2」はCell IDを2で割った値の小数点以下を切り捨てた値を表す。一例として、Cell ID=72を有するセルに対して、2*mod(36, 3)+mod(72,2)とすることで得られるV
shiftは0であり、V
shift=0に対応する、CSI-RS構成番号#0とポート番号0との組み合わせからなるリソースが、当該セルのセル検出用参照信号用のリソースとして特定される。他の例として、Cell ID=73を有するセルに対して、2*mod(36, 3)+mod(73,2)とすることで得られるV
shiftは1であり、V
shift=1に対応する、CSI-RS構成番号#0とポート番号2との組み合わせからなるリソースが、当該セルのセル検出用参照信号用のリソースとして特定される。同様に、Cell ID=74を有するセルに対して、2*mod(37, 3)+mod(74,2)とすることで得られるV
shiftは2であり、V
shift=2に対応する、CSI-RS構成番号#1とポート番号0との組み合わせからなるリソースが、当該セルのセル検出用参照信号用のリソースとして特定される。他のセルIDについても同様である。
【0107】
なお、ここでは、セル検出用参照信号用のリソースとして、ポート番号0,2(CSI-RSポート15,17)、すなわち、拡散符号{+1,+1}を用いる構成としたが、これに限らず、ポート番号1,3(CSI-RSポート16,18)、すなわち、拡散符号{+1,-1}を用いる構成、又は、拡散符号{+1,+1}と拡散符号{+1,-1}とを併用する構成でもよい。
【0108】
また、端末200は、2*mod(Cell ID/2, 3)+mod(CellID,2)の代わりに、セル識別番号(Cell ID)を用いてmod(Cell ID,6)とすることで得られるV
shiftに対応したリソースをセル検出用参照信号用のリソースとして特定してもよい。
【0109】
このように、本実施の形態では、既存の無送信信号リソースのシグナリングを流用して、セル検出用参照信号用のリソースとして用いるCSI-RSの一部のリソースが通知される。すなわち、セル検出用参照信号用のリソースの通知は、セル検出用参照信号が送信されるサブフレームでのデータ送信について無送信信号とするリソースの通知のための無送信CSI-RS構成番号リストにおける4ポートCSI-RSのCSI-RS構成番号のビットマップ通知とすることができる。
【0110】
こうすることで、本実施の形態によれば、既存の無送信信号リソースのシグナリングを用いてセル検出用参照信号のリソースを基地局100から端末200へ通知されるので、セル検出用参照信号のリソースを通知するための新たなシグナリングの追加が不要となる。
【0111】
また、本実施の形態によれば、セル検出用参照信号用のリソースは、CSI-RSに設定された複数のリソースのうち、無送信信号リソースとして通知されるリソースに限定される。よって、セル検出用参照信号が配置されるリソースの大幅な増加を防ぐことができるので、当該サブフレームでの周波数利用効率の低下を防ぐことができる。すなわち、本実施の形態によれば、実施の形態1と同様、セル検出用参照信号を配置するサブフレームでの周波数利用効率の低下を防ぐことができる。
【0112】
[実施の形態3]
本実施の形態では、CoMP制御を行う場合について説明する。
【0113】
本実施の形態に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と基本構成が共通するので、
図4,5を援用して説明する。
【0114】
図8は、CoMP制御の対象となる送信ポイント(CoMP measurement setと呼ばれることもある)及び端末200を示す。
図8では、マクロeNB(マクロセル)及びLPN1〜3(小型セル)によって、端末に対する協調送受信がサポートされる構成を採る。すなわち、端末200(受信処理部203)は、複数の送信ポイント(マクロeNB、LPN1〜3)が協調して送信するデータ信号を受信する。また、
図8では、端末200は、LPN1に接続されている。
【0115】
図8に示すように、マクロeNB及びLPN1〜3は、端末200に対して、セル検出用参照信号を送信し、端末200は、各セルから受け取ったセル検出用参照信号を用いてRRM報告を生成し、接続しているLPN1を介して、ネットワークへRRM報告をフィードバックする。
【0116】
以下、本実施の形態に係るセル検出用参照信号用リソースの特定方法について説明する。
【0117】
なお、以下の説明では、一例として、セル検出用参照信号用のリソースとして、CSI-RSのリソースを利用する場合について説明する。
【0118】
また、以下の説明では、CoMP制御の対象となる送信ポイントには、同一のセル識別番号(Cell ID)が設定され(
図8ではCell ID:A)、かつ、互いに異なる送信ポイント識別番号(TP ID)が設定される(
図8ではTP ID:X,Y,Z,W)。
【0119】
また、実施の形態1と同様にして、例えば、CSI-RSに設定されるリソースとして、2ポート用CSI-RSとして利用可能な20個のCSI-RS構成番号(
図1Cに示す#0〜#19)で示される20個のリソースと、2ポートを多重する2種類の拡散符号({+1,+1}、{+1,-1})との組み合わせからなる合計40個のリソースを用いる。ここでは、実施の形態1と同様、セル検出用参照信号用のリソースとして、CSI-RS#0〜#9と、2種類の拡散符号との組み合わせからなる合計20個のリソースのみが、セル検出用参照信号用のリソース(候補リソース)として用いられる。
【0120】
このとき、基地局100及び端末200は、各送信ポイントのセル識別番号(Cell ID)及び送信ポイント識別番号(TP ID)に基づいて、セル検出用参照信号用のリソース(候補リソース)のうち、各送信ポイントから送信されるセル検出用参照信号がそれぞれ配置されているリソースを特定する。例えば、各送信ポイントのセル検出用参照信号用のリソースは、セル識別番号及び送信ポイント識別番号を用いて、mod(4*mod(Cell ID, 20)+mod(TP ID,4),20) とすることで得られる値(V
shift)(V
shift=0〜19)に対応したリソースとして特定される。
【0121】
例えば、実施の形態1と同様、CSI-RS構成番号#0〜#9の各々と拡散符号{+1,+1}との組み合わせに対して、V
shift=0〜9がそれぞれ対応付けられ、CSI-RS構成番号#0〜#9の各々と拡散符号{+1,-1}との組み合わせに対して、V
shift=10〜19がそれぞれ対応付けられているとする。また、例えば、
図8において、Cell ID:A=72、TP ID:X=0,Y=1,Z=2,W=3とする。この場合、端末200は、セル検出用参照信号用のリソース位置として、マクロeNBに対してV
shift=mod(4*12+0,20)=8に対応するリソースを特定し、LPN1に対してV
shift=mod(4*12+1,20)=9に対応するリソースを特定し、LPN2に対してV
shift=mod(4*12+2,20)=10に対応するリソースを特定し、LPN3に対してV
shift=mod(4*12+3,20)=11に対応するリソースを特定する。
【0122】
同様に、
図8において、Cell ID:A=73、TP ID:X=0,Y=1,Z=2,W=3とする。この場合、基地局100及び端末200は、セル検出用参照信号用のリソース位置として、マクロeNBに対してV
shift=mod(4*13+0,20)=12に対応するリソースを特定し、LPN1に対してV
shift=mod(4*13+1,20)=13に対応するリソースを特定し、LPN2に対してV
shift=mod(4*13+2,20)=14に対応するリソースを特定し、LPN3に対してV
shift=mod(4*13+3,20)=15に対応するリソースを特定する。
【0123】
このように、各セルから送信されるセル検出用参照信号用のリソースは、Cell ID及びTP IDに基づいて一意に特定される。
【0124】
基地局100は、各送信ポイントから、前述のようにして特定されるリソース位置にセル検出用参照信号を配置して送信信号を送信する。
【0125】
端末200は、別途取得したセル識別番号を用いて、取り得る送信ポイントの候補に対応したリソースにおいてセル検出用参照信号に対する測定動作を試みることにより、どの送信ポイントから送信された信号であるかを特定する。そして、端末200は、当該送信ポイントから送信されたセル検出用参照信号の受信信号電力及び受信信号品質を測定して、これらをRRM報告として基地局100へ報告する。
【0126】
このようにして、本実施の形態によれば、協調送信が行われる場合、基地局100及び端末200は、セル識別番号及び送信ポイント識別番号の双方を用いてセル検出用参照信号用のリソース位置を特定する。こうすることで、協調送信が行われる場合でも、実施の形態1と同様にセル検出用参照信号が送信されるサブフレームにおける周波数利用効率低下を回避でき、かつ、端末200において各送信ポイントに対応したリソースを特定することができる。
【0127】
以上、本開示の各実施の形態について説明した。
【0128】
[他の実施の形態]
なお、上記各実施の形態では、セル検出用参照信号を配置するためのリソースとして、CSI-RSを配置するための複数のリソースの一部を利用する場合について説明した。すなわち、セル検出用参照信号用のリソースとして、CSI-RSのリソースの一部を用いることで、CSI-RSに設定可能なリソースのうち、一部のリソースを用いて既存のRRM用信号と同等の候補数を確保することができる。ただし、セル検出用参照信号を配置するための参照信号のリソースは、CSI-RSのリソースに限定されない。例えば、セル検出用参照信号としてPRSを利用してもよい。すなわち、セル検出用参照信号用のリソースとしてPRSのリソースを用いることで、セル検出用参照信号として、周波数同期・タイミング同期に優れたPRSの信号パターンを用いることができる。そして、端末200は、特定のリソースを用いて複数のセルを検出することができる。又は、セル検出用参照信号としてreduced PSS/SSS+CRSを利用してもよい。
【0129】
また、上記各実施の形態において、アンテナポートとは、1本又は複数の物理アンテナから構成される、論理的なアンテナを指す。すなわち、アンテナポートは必ずしも1本の物理アンテナを指すとは限らず、複数のアンテナから構成されるアレイアンテナ等を指すことがある。
【0130】
例えば3GPP LTEにおいては、アンテナポートが何本の物理アンテナから構成されるかは規定されず、基地局が異なる参照信号(Reference signal)を送信できる最小単位として規定されている。
【0131】
また、アンテナポートはプリコーディングベクトル(Precoding vector)の重み付けを乗算する最小単位として規定されることもある。
【0132】
上記各実施の形態では、本開示をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本開示はハードウェアとの連携においてソフトウェアでも実現することも可能である。
【0133】
また、上記各実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0134】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。
【0135】
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0136】
本開示における端末は、セル検出用の第1の参照信号が配置されたサブフレームにおいて、各セルからの第1の参照信号を受信し、第1の参照信号は、サブフレーム内の、第2の参照信号を配置するために設定された複数のリソースの一部である複数の候補リソースの何れかに配置されている、受信処理部と、第1の参照信号を用いて測定された受信品質の測定結果を示す測定情報を生成する生成部と、測定情報を送信する送信処理部と、を具備する。
【0137】
本開示の端末において、受信処理部は、各セルのセル識別番号に基づいて、複数の候補リソースのうち、各セルから送信される第1の参照信号がそれぞれ配置されているリソースを特定する。
【0138】
本開示の端末において、受信処理部は、更に、複数のリソースのうち、端末が接続する基地局において第2の参照信号を無送信とするリソースを示す制御情報を受信し、候補リソースは、制御情報により示される第2の参照信号を無送信とするリソースである。
【0139】
本開示の端末において、受信処理部は、複数の送信ポイントが協調して送信するデータ信号を受信し、各送信ポイントのセル識別番号及び送信ポイント識別番号に基づいて、複数の候補リソースのうち、各送信ポイントから送信される第1の参照信号がそれぞれ配置されているリソースを特定する。
【0140】
本開示の端末において、第2の参照信号はチャネル情報測定用参照信号である。
【0141】
本開示の端末において、第2の参照信号は端末の位置測定用参照信号である。
【0142】
本開示における基地局は、セル検出用の第1の参照信号が配置されたサブフレームを設定し、第1の参照信号は、サブフレーム内の、第2の参照信号を配置するために設定された複数のリソースの一部である複数の候補リソースの何れかに配置されている、設定部と、サブフレームを示す情報を送信する送信処理部と、第1の参照信号を用いて測定された受信品質の測定結果を示す測定情報を受信する受信処理部と、を具備する。
【0143】
本開示における送信方法は、セル検出用の第1の参照信号が配置されたサブフレームにおいて、各セルからの前記第1の参照信号を受信し、第1の参照信号は、サブフレーム内の、第2の参照信号を配置するために設定された複数のリソースの一部である複数の候補リソースの何れかに配置されている、受信工程と、第1の参照信号を用いて測定された受信品質の測定結果を示す測定情報を生成する生成工程と、測定情報を送信する送信工程と、を具備する。
【0144】
本開示における受信方法は、セル検出用の第1の参照信号が配置されたサブフレームを設定し、第1の参照信号は、サブフレーム内の、第2の参照信号を配置するために設定された複数のリソースの一部である複数の候補リソースの何れかに配置されている、設定工程と、サブフレームを示す情報を送信する送信工程と、第1の参照信号を用いて測定された受信品質の測定結果を示す測定情報を受信する受信工程と、を具備する。