(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の方向に配向された前記複数の温度制御ゾーンが、前記ウェア用スペースのハースに隣接した第1の温度制御ゾーン、前記ウェア用スペースのクラウンに隣接した第2の温度制御ゾーン、及び前記第1の温度制御ゾーンと前記第2の温度制御ゾーンとの間の第3の温度制御ゾーンを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0009】
これより、その実施形態が添付の図面に示される、単独窯のウェア用スペース内に差分温度勾配を適用又は与えるためのシステム及び方法の実施形態について詳細に言及される。可能な限り、同一又は同様の部分についての言及には、図面全体を通じて同一の参照番号が用いられる。一実施形態では、単独窯内でウェアを焼成する方法が提供される。本方法は、単独窯のウェア用スペース内にウェアの少なくとも1つのスタックを位置付ける工程を含む。ウェア用スペースは、第1の方向に配向された複数の温度制御ゾーンと、第2の方向に配向された複数の温度制御ゾーンとを含む。本方法は、第1の加熱段階において、ウェア用スペースを周囲温度から該周囲温度より高い第1の温度へと加熱する工程、第2の加熱段階において、ウェア用スペースを第1の温度から該第1の温度より高い第2の温度へと加熱する工程、及び第3の加熱段階において、ウェア用スペースを第2の温度から該第2の温度より高い最高浸漬温度へと加熱する工程をさらに含む。本方法において、次の条件のうちの少なくとも1つが満たされる:(i)第1の加熱段階、第2の加熱段階、及び第3の加熱段階のうちの少なくとも1つの間に、第1の方向に配向された複数の温度制御ゾーンのうちの1つの温度制御ゾーンが、該第1の方向に配向された複数の温度制御ゾーンの少なくとも1つの他の温度制御ゾーンの設定点温度とは異なる設定点温度を有する;及び、(ii)第1の加熱段階、第2の加熱段階、及び第3の加熱段階のうちの少なくとも1つの間に、第2の方向に配向された複数の温度制御ゾーンのうちの1つの温度制御ゾーンが、該第2の方向に配向された複数の温度制御ゾーンのうちの少なくとも1つの他の温度制御ゾーンの設定点温度とは異なる設定点温度を有する。単独窯のウェア用スペース内に差分温度勾配を適用又は与えるためのさまざまなシステム及び方法が、添付の図面を具体的に参照しつつ、本明細書に記載される。図面は、燃料を燃焼する窯を示しているが、電気窯を実施形態において用いて、本明細書に開示かつ説明される温度勾配を生成することもできる。
【0010】
単独窯のウェア用スペース内に適用又は与えられるべき所望の差分温度勾配を提供するように構成された実施形態に従う単独窯が、
図1及び
図2に関して以下に記載される。
図1は、単独窯100の外側を概略的に示しており、
図2は、単独窯100の内側を概略的に示している。実施形態では、及び
図1及び
図2を参照すると、単独窯100は、該単独窯100の上部にクラウン100c、単独窯100の底部かつクラウン100cとは反対側にハース100aを含む。単独窯100はまた、第1の側壁100b及び、該第1の側壁100bとは反対側にあり、かつ、ハース100aとクラウン100cとの間にわたる第2の側壁100dも含む。単独窯100は、該単独窯100の一方の側にあり、かつ、クラウン100c、ハース100a、第1の側壁100b、及び第2の側壁100d間にわたる前壁100eをさらに含む。単独窯100はまた、前壁100eとは反対側にあり、かつ、クラウン100c、ハース100a、第1の側壁100b、及び第2の側壁100d間にわたる後壁100fも含む。ハース100a、クラウン100c、第1の側壁100b、第2の側壁100d、前壁100e、及び後壁100fに囲まれた空間は、ウェア101及び該ウェア101を支持するためのスタック102が単独窯100内に積載される、ウェア用スペース110を画成する。幾つかの実施形態では、窯は、ウェア用スペースを画成する複数の壁、及び複数のガス流をウェア用スペースのそれぞれの部分に送達するように構成されたマルチゾーンガス分配送達サブシステムを含み;例えば、複数の壁は、ハース、クラウン、第1の側壁、第2の側壁、前壁、及び後壁のうちの少なくとも一部を含む。
【0011】
図2に示される実施形態では、個々のウェア101が、複数のスタック102上に積載される。各スタック102上に積載することができるウェア101の数は制限されず、ウェア101は、任意の構成でスタック102上に積載されうる。実施形態では、ウェア101は、個々のウェア101をスタック102上に載せつつ、個々のウェア101が離間されて、個々のウェア101間にガスが流れることができるように、各スタック102上に積載される。
図2に示される実施形態では、各スタック102は、複数のウェア101を保持する3つの棚102aを含む。しかしながら、実施形態では、各スタック102の棚102aの数は制限されず、実施形態に応じて変動しうる。実施形態では、焼成サイクルの合間など、ウェア用スペース110及びスタック102が冷めているときに、スタック102が単独窯100のウェア用スペース内にあると同時に、ウェア101がスタック102上へと積載されうる。他の実施形態では、単独窯100の外側でスタック102にウェア101が積載され、次に、積載されたスタックが単独窯100のウェア用スペース110内へと移される。積載されたスタックが単独窯100内へと移される実施形態では、スタック102は、カート(図示せず)上で又は他の搬送方法によって、単独窯100へと及び単独窯100から移動させることができる。
【0012】
図2に示される実施形態では、各スタック102の下に送気開口部103がある。送気開口部103は、単独窯100からガスを排出可能にする。例えば、燃料が消費されると、単独窯100からの排出を必要とする排ガスが生じる。排ガスに加えて、ウェアが周囲温度から分解温度へと加熱されると、ウェアから揮発性有機化合物(VOC)が放出される。ウェア用スペースにおけるVOCの燃焼は発熱反応であり、ウェア用スペース110の一部に制御されていない加熱を生じさせうる。VOC又は燃料などの流体は、送気開口部103を通じて排出されうる。
図2には、各スタック102の下に送気開口部103が描かれているが、幾つかの実施形態によれば、送気開口部103は、単独窯100内の任意の位置に配置されてよい。送気開口部103の数は、単独窯100の気流の必要性及び焼成サイクルに応じて可変であってよく、
図2に示される送気開口部103の数に限定されない。さらには、
図1〜3に示される実施形態は、周囲ガス(例えば空気など)がクラウン100c、バーナ120、又は他の入口開口部(図示せず)を通じて単独窯100内に注入され、ウェア用スペース110を通って流れ、ハース100aの送気開口部103を通って出る、倒炎式単独窯100を対象としている。しかしながら、他の実施形態は、周囲ガスが前壁100eを通って単独窯内へと流れ、後壁100fを通って単独窯から出るガス流パターンなど、他のガス流パターンを有する単独窯を含む。よって、実施形態において、送気開口部103は、単独窯の異なる部分に配置してもよいこともまた理解されるべきである。例えば、実施形態において、送気開口部は、クラウン100c、第1の側壁100b、第2の側壁100d、前壁100e、及び/又は後壁100fに配置することができる。
【0013】
送気開口部103を通って単独窯から出る排ガスに加えて、空気、窒素、CO
2等の他のガスも、ダクト(図示せず)を通って単独窯に入る可能性がある。ダクトは、送気開口部を含まない単独窯100の任意の表面に配置されうる。例えば、
図2に示される実施形態では、ダクトは、クラウン100c、第1の側壁100b、第2の側壁100d、後壁100f、前壁100eに配置されてよく、あるいは、バーナと一体化していてもよい。実施形態では、ダクトは、周囲ガスがダクトから送気開口部103へと流れるように、送気開口部103から単独窯の対向する表面に位置付けられうる。例えば、実施形態では、ダクトは、周囲ガスが、クラウン100cのダクトから単独窯内へと流れ、ハース100aに配置された送気開口部103において排出されるように、ハース100aとは反対側のクラウン100cに配置されうる。ダクトの数は制限されず、単独窯100の気流の必要性及び焼成サイクルに基づいて変動して差し支えない。
【0014】
実施形態において、ウェア用スペース110は、バーナ120によって加熱される。
図2に示される実施形態では、バーナ120は、第1の側壁100bに配置される。しかしながら、実施形態では、バーナ120は、単独窯100のいずれかの表面に配置されうる。
図2の実施形態に示されるように、バーナ120は、燃焼ガスに点火し、第1の側壁100bから第2の側壁の方へと延在する、対応する熱源121を形成する。実施形態では、熱源121は、スタック102間に位置づけられた燃焼レーン(fire lanes)125を通って延在する。燃焼レーン125は、ハース100aからクラウン100cへと延在する。実施形態において、熱源121は、燃焼レーン125を通って延在し、第1の側壁100bと第2の側壁との間の距離全体にわたる。実施形態では、燃焼レーン125は、各スタック102間に存在する。バーナ120又は電気抵抗性放射素子は、1つ以上の熱源121が各燃焼レーン125を通って延在するように、あるいは、1つ以上の熱源121が燃焼レーン125のサブセットを通って延在するように、位置付けられうる。他の実施形態では、バーナ120は、
図2及び3に示されるように、1つ以上の熱源121が各燃焼レーン125を通って延在するように、各燃焼レーン125に位置付けられる。実施形態において、及び
図2及び3を参照すると、複数列のバーナが、第1の側壁100b及び第2の側壁100dに交互に位置付けられる。例えば、燃焼レーン125a、125c、及び125eに配置された複数列のバーナが、第1の側壁100bに位置付けられ、燃焼レーン125b、125d、及び125fに配置された複数列のバーナが、第2の側壁100dに位置付けられる。さらには、実施形態では、単一の列内の交互のバーナが対向する側壁上に位置付けられてもよい。
図2及び3には示されていないが、このような実施形態の一例として、3つのバーナを含む1つの列が、第1の側壁100b上に位置付けられたクラウン100cに最も近い第1のバーナ、第1の側壁100b上に位置付けられたハース100aに最も近い第2のバーナ、及び第2の側壁100d上に位置付けられた第1及び第2のバーナ間の第3のバーナを有しうる。上記バーナ構成のいずれか、及び他の同様のバーナ構成が実施形態に想定される。
【0015】
図2に示される実施形態は、1列の3つのバーナ120a、120b、120cを有し、ここで、120aはクラウン100cに最も近く、120cはハース100aに最も近く、120bは、ウェア用スペース110の垂直中央付近の120aと120cとの間に位置付けられる。他の実施形態では、3つより多い又は3つ未満のバーナ120が一列になっており、上部と底部の間に配置されたバーナは、むらのある又は不均一な間隔を有しうる。例えば、実施形態において、2つのバーナが1列になっており、他の実施形態では4つ又は5つのバーナが1列になっている。バーナの数及び大きさ、並びに列におけるそれらの流れ方向又は向流方向は、ウェア用スペース110内の温度成層に必要とされる制御のレベル及びウェア用スペース110をいかに早く加熱するかの制御によって決定される。列内にあるバーナ120が多くなるほど、ウェア用スペース110の温度成層及び全体的な加熱の両方に対し、より多くの制御が存在する。
【0016】
実施形態において、制御熱電対(図示せず)は、各バーナ120とは反対側の第2の側壁上に位置付けられる。例えば、1列の3つのバーナ120が存在する実施形態では、熱電対は、第1の側壁100bのバーナ120から第2の側壁100dへと燃焼レーン125を通って延在する、対応する熱源121の温度を測定する。バーナ120に供給される空気及び燃料の量並びにそれらの比は、対応する熱源121の温度を上昇又は低下させるように調整することができる。それによって、バーナ120の温度出力を修正することができる。幾つかの実施形態では、各バーナ120についての温度設定点は、別々かつ個別に制御することができる。例えば、バーナ120aの温度設定点は、バーナ120bの温度設定点と同一であっても異なっていてもよく、バーナ120cの温度設定点は、バーナ120a及び120bの温度設定点と同一であっても異なっていてもよい。他の実施形態では、複数のバーナ120の温度設定点を一緒に制御することができる。例えば、ウェア用スペース110の上部の近くに位置付けられたすべてのバーナ120aの温度設定点は、第1の温度に設定することができ、ウェア用スペース110の垂直中央近くに位置付けられたすべてのバーナ120bの温度設定点は、第1の温度と同一又は異なる第2の温度に設定することができ、ハース100aに最も近いすべてのバーナ120cの設定点は、第1及び第2の温度設定点と同一又は異なる第3の温度に設定することができる。実施形態において、バーナは、ウェア用スペース110内の温度の所望の制御をもたらすいずれかの構成でグループ化される。
【0017】
幾つかの実施形態では、対応する熱源121の温度を測定するためにバーナ120とは反対側に位置付けられた熱電対は存在しない。このような実施形態では、熱源121の温度は、対応するバーナ120に供給される燃焼ガスの量によって、あるいは、対応するバーナ120に供給される酸素に対する燃焼ガスの比によって、計算することができる。幾つかの実施形態では、酸素の供給源は空気である。他の実施形態では、工業グレードのO
2が酸素供給源として用いられる。このように、熱源の温度を低下又は上昇させるべき場合には、対応するバーナ120の燃料の量又は燃料の酸素に対する比を、そのバーナに対応する熱源121の所望の温度上昇又は低下に影響を与えるように、それに応じて上昇又は低下させることができる。実施形態において、各バーナに供給される燃料又は酸素の燃料に対する比は、各熱源121の温度が個別に制御できるように、別々かつ個別に制御されうる。あるいは、他の実施形態では、燃料の量又は酸素の燃料に対する比は、一群のバーナによって発生する熱源の温度がほぼ同じになるように、上述のバーナの複数の群など、複数群のバーナによって制御されうる。
【0018】
実施形態によれば、VOCの放出を調整する1つの方法は、ウェア用スペース110のさまざまな温度制御ゾーンの温度を制御することである。例えば、焼成サイクルが連続すると、熱の浮力によってウェア用スペースの上部がより高温を有するようになる。これによって、VOCは、ウェア用スペースの上部では目標時間より早く放出され、ウェア用スペースの中間では目標時間に放出され、ウェア用スペースの底部では目標時間より遅く形成される。このような方式でVOCの形成を制御することにより、VOCの全体的な形成は、すべての温度制御ゾーンが同じ設定点にあった場合と同じであるが、ピーク濃度は低減される。VOCのピーク濃度を低減することで、希釈ガスの追加の体積の必要性を低減し、より早い加熱速度を可能にする。
【0019】
これより、ウェア用スペースの温度制御ゾーンの温度を調整する実施形態について、
図3に示される実施形態を参照しつつ説明する。
図3に示されるように、バーナ120は、熱源121を各燃焼レーン125内に放出するように位置付けられる。ウェア用スペース110は、それぞれ、ウェア用スペースの底部の近く、垂直中央、及び上部の近くに配置された、3つの温度制御ゾーン201、202、203に分けられる。
図3は、3つの温度制御ゾーン201、202、203を示しているが、実施形態では、より多い又はより少ない温度制御ゾーンが存在しうる。幾つかの実施形態では、ウェア用スペースは、2つの温度制御ゾーンに分けることができる。他の実施形態では、ウェア用スペースは、4つ又は5つの温度制御ゾーンに分けることができる。加えて、
図3は、1つの温度制御ゾーンが別の温度制御ゾーンの上または下に配置される、垂直構成の温度制御ゾーン201、202、203を示している。この構成は、気流が単独窯100のクラウン100cから単独窯のハース100aへと移動する、倒炎式単独窯に用いることができる。この構成を、排ガスがクラウンを通じて排出される昇炎式窯に用いることもできる。
【0020】
実施形態において、ウェア用スペース110内の各温度制御ゾーンは、該温度制御ゾーンに対応する1行のバーナによって制御される。
図3を参照すると、1行の6つのバーナ120aが、ウェア用スペース110の上部近くに配置されており、温度制御ゾーン203に対応する。したがって、実施形態において、その行内の各バーナ120aは、温度制御ゾーン203の所望の温度を維持する熱源を放出するように設定される。同じように、1行の6つのバーナ120bは、ウェア用スペース110の垂直中央に配置されており、温度制御ゾーン202に対応する。したがって、実施形態において、その行内の各バーナ120bは、温度制御ゾーン202の所望の温度を維持する熱源を放出するように設定される。ウェア用スペースの上部近くの1行のバーナ120aによって放出される熱源は、ウェア用スペース110の垂直中央にある1行のバーナ120bから放出される熱源と同じ又は異なる温度を有しうる。同じように、1行の6つのバーナ120cは、ウェア用スペース110の底部近くに配置されており、温度制御ゾーン201に対応する。したがって、実施形態において、その行内の各バーナ120cは、温度制御ゾーン201の所望の温度を維持する熱源を放出するように設定される。ウェア用スペースの底部近くの1行のバーナ120cによって放出される熱源は、ウェア用スペースの上部近くの1行のバーナ120a又はウェア用スペースの垂直中央における1行のバーナ120bによって放出される熱源と同じ又は異なる温度を有しうる。
【0021】
実施形態において、及びこれより
図4を参照すると、バーナ120は、熱源121を各燃焼レーン125内へと放出するように位置付けられる。ウェア用スペース110は、それぞれ、ウェア用スペース110の後壁100f及び前壁100eに隣接して配置された2つの温度制御ゾーン310、320に分けられる。
図4は、2つの温度制御ゾーン310、320を示しているが、実施形態では、より多くの温度制御ゾーンが存在していてもよい。幾つかの実施形態では、ウェア用スペース110は、3つの温度制御ゾーンに分けることができる。他の実施形態では、ウェア用スペース110は、4つの温度制御ゾーンに分けることができる。加えて、
図4は、1つの温度制御ゾーンが別の温度制御ゾーンの隣に配置される、水平構成の温度制御ゾーン310、320を示している。この構成は、気流が単独窯100のクラウン100cから単独窯のハース100aへと移動する倒炎式単独窯に用いることができる。他の実施形態では、温度制御ゾーンは、ある温度制御ゾーンが別の温度制御ゾーンの上又は下に配置される、垂直構成を有していてもよい。この構成は、気流が単独窯の前壁100eから単独窯の後壁へと移動する、あるいは、気流が単独窯の後壁から単独窯の前壁100eへと移動する、クロスフロー窯に用いることができる。
【0022】
実施形態において、ウェア用スペース110内の各温度制御ゾーン310、320は、該温度制御ゾーンに対応する複数列のバーナによって制御される。
図4を参照すると、3列の各々3つのバーナ120aは、ウェア用スペース110の前壁100e近くに配置されており、温度制御ゾーン320に対応する。実施形態において、それら列内の各バーナ120aは、温度制御ゾーン320の所望の温度を維持する熱源を放出するように設定される。同じように、3列の各々3つのバーナ120bは、ウェア用スペース110の後壁100f近くに配置されており、温度制御ゾーン310に対応する。したがって、実施形態において、複数列のバーナの各バーナ120bは、温度制御ゾーン310の温度を維持する熱源を放出するように設定される。ウェア用スペース110の前壁100e近くの1行のバーナ120aによって放出される熱源は、ウェア用スペース110の後壁近くに配置された複数列のバーナ120bから放出される熱源と同じ又は異なる温度を有しうる。ウェア用スペース110をこれらの2つ以上の温度制御ゾーン310、320に分けることによって、異なる原料特性を有するウェアを、同じ加熱炉内で仕上げることができる。例えば、実施形態において、第1の温度で仕上げることを必要とする第1の設定の材料特性を有するウェアを、温度制御ゾーン310内で仕上げることができると同時に、第1の温度とは異なる第2の温度で仕上げることを必要とする第2の設定の材料特性を有するウェアを、温度制御ゾーン320内で仕上げることができる。
【0023】
実施形態において、ウェアの焼成サイクルは、2つ以上の段階に分けることができる。幾つかの実施形態では、ウェアの焼成サイクルは、3つ以上の段階に分けられる。第1の段階において、ウェアは、周囲温度から第1の温度へと加熱される。第2の段階では、ウェアは、第1の温度から第2の温度へと加熱される。第3の段階では、ウェアは、第2の温度から最高浸漬温度へと加熱される。
【0024】
実施形態では、ウェアは、第1の段階において、周囲温度から、例えば約400℃〜約650℃など、約250℃〜約700℃である第1の温度へと加熱される。他の実施形態では、第1の温度は、例えば約600℃など、約575℃〜約625℃である。第1の段階では、焼成サイクルは、適用される熱の下で、有機材料が分解してウェアからVOCを放出する温度範囲を介して進行する。したがって、この第1の段階では、温度勾配は、VOCの放出を制御するように、窯のスペース内に生成されうる。
【0025】
第1の段階内では、ウェア用スペースは、さまざまなサブ段階において周囲温度から第1の温度へと加熱されうる。例えば、第1の段階において、ウェア用スペースは、周囲温度から、第1の温度より低い第1のサブ段階温度へと加熱されうる。ウェア用スペースは、ある持続期間、第1のサブ段階温度で保持されうる。その後、ウェア用スペースは、第1のサブ段階温度から、該第1のサブ段階温度より高く、第1の温度より低い第2のサブ段階温度へと加熱されうる。ウェア用スペースの温度は、ある持続期間、第2のサブ段階温度で保持されうる。実施形態において、第1の段階は、保持の有無及びサブ段階間の加熱速度の変化の有無にかかわらず、任意の数のサブ段階を含みうる。
【0026】
実施形態では、ウェアは、第2の段階において、第1の温度から、約650℃〜約950℃など、約600℃〜約1000℃の第2の温度へと加熱される。他の実施形態では、第2の温度は、約750℃〜約850℃、又は約800℃など、700℃〜約900℃である。第2の段階では、脱ヒドロキシ、細孔形成剤の分解等の中間反応が起こる。
【0027】
第1の段階の場合のように、第2の段階では、ウェア用スペースは、第1の温度から、さまざまなサブ段階において第2の温度へと加熱されうる。例えば、第2の段階では、ウェア用スペースは、第1の温度から、第2の温度未満の第1のサブ段階温度へと加熱されうる。ウェア用スペースは、ある持続期間、第1のサブ段階温度で保持されうる。その後、ウェア用スペースは、第1のサブ段階温度から、該第1のサブ段階温度より高く、第2の温度より低い第2のサブ段階温度へと加熱されうる。ウェア用スペースの温度は、ある持続期間、第2のサブ段階温度で保持されうる。実施形態では、第2の段階は、任意の数のサブ段階を含みうる。実施形態では、ウェアは、第3の段階において、第2の温度から、約1250℃〜約1400℃など約1200℃〜約1550℃である最高浸漬温度へと加熱される。他の実施形態では、最高浸漬温度は約1300℃〜約1450℃である。第3の段階では、未焼成体の特性は洗練され、最高浸漬温度は、構成原料及びウェアの製造に用いられる材料のばらつきに適合される。影響を受ける特性には、セラミック相、多孔性、収縮、及びウェア寸法、又は他の特性が含まれうる。
【0028】
第1の段階及び第2の段階の場合のように、第3の段階において、ウェア用スペースは、第2の温度から、さまざまなサブ段階において最高浸漬温度へと加熱されうる。例えば、第3の段階では、ウェア用スペースは、第2の温度から、最高浸漬温度未満の第1のサブ段階温度へと加熱されうる。ウェア用スペースは、ある持続期間、第1のサブ段階温度で保持されうる。その後、ウェア用スペースは、第1のサブ段階温度から、第1のサブ段階温度より高く、最高浸漬温度より低い第2のサブ段階温度へと加熱されうる。ウェア用スペースの温度は、ある持続期間、第2のサブ段階温度で保持されうる。実施形態では、第3の段階は、任意の数のサブ段階を含みうる。加えて、ウェア用スペースは、ウェアに所望の特性を与えるのに十分な持続期間、最高浸漬温度で保持されうる。
【0029】
これより、上述の単独窯を使用する実施形態に従うウェアを加熱する方法について説明される。実施形態において、ウェア用スペースは、周囲温度から該周囲温度より高い第1の温度へと加熱される。周囲温度から第1の温度へのウェア用スペースの加熱の間に、第1の方向に配向された複数の温度制御ゾーン201、202、203は、異なる設定点温度を有し、第2の方向に配向された複数の温度制御ゾーン(図示せず)は、ほぼ同じ設定点温度を有する。この例では、第1の温度制御ゾーン201内のいずれの設定点温度も同一であり、第2の温度制御ゾーン203のいずれの設定点温度も同一である。しかしながら、第1の温度制御ゾーン201の設定点温度は、第2の温度制御ゾーン203の温度と同一であっても同一でなくてもよい。実施形態では、第3の温度制御ゾーン202は、第1の温度制御ゾーン201又は第2の温度制御ゾーン203のいずれかの設定点温度と同一又は異なる設定点温度を有しうる。
【0030】
実施形態において、第1の方向に配向された複数の温度制御ゾーンは、第1の温度制御ゾーンが単独窯の第1の壁に隣接して位置付けられ、第2の温度制御ゾーンが単独窯の第2の壁に隣接して位置付けられ、第3の温度制御ゾーンが第1の温度制御ゾーンと第2の温度制御ゾーンとの間の単独窯の中間に位置付けられるように、単独窯の第1の壁100から単独窯の第2の壁100dへと延在する3つの温度制御ゾーンを含む。例えば、実施形態において、周囲温度から第1の温度へとウェア用スペースを加熱する間に、
図3に示される垂直方向に配向された温度制御ゾーン201、202、203は各々、異なる設定点温度を有し、
図4に示される水平方向に配向された温度制御ゾーン310、320は、同じ温度を有する。言い換えれば、
図3及び
図4に示される実施形態では、単独窯のハースから単独窯のクラウンへの設定点温度差が存在し、単独窯の前壁100eから後壁100fへの温度成層は、ほぼ一定である。他の実施形態では、ウェア用スペースが、周囲温度から第1の温度へと加熱されるときに、温度制御ゾーン201、202、203の各々は、同じ設定点温度を有しうる。
【0031】
ウェア用スペースが周囲温度から第1の温度へと加熱されるときに3つの温度制御ゾーンを含み、第3の温度制御ゾーンが第1の温度制御ゾーンと第2の温度制御ゾーンとの間に位置付けられる実施形態では、温度制御ゾーンの各々は、異なる設定点温度を有しうる。第1の温度制御ゾーンの設定点温度は、第3の温度制御ゾーンの設定点温度より約15℃〜約30℃高いなど、第3の温度制御ゾーンの設定点温度より約10℃〜約50℃高くなりうる。他の実施形態では、第1の温度制御ゾーンの設定点温度は、第3の温度制御ゾーンの設定点温度より約17℃〜約25℃高いなど、第3の温度制御ゾーンの設定点温度より約15℃〜約25℃高くなりうる。このような実施形態では、第2の温度制御ゾーンの設定点温度は、第3の温度制御ゾーンの設定点温度より約15℃〜約30℃低いなど、第3の温度制御ゾーンの設定点温度より約10℃〜約50℃低くなりうる。他の実施形態では、第2の温度制御ゾーンの設定点温度は、第3の温度制御ゾーンの設定点温度より約17℃〜約20℃低いなど、第3の温度制御ゾーンの設定点温度より約15℃〜約25℃低くなりうる。
【0032】
ウェア用スペースは、その後、第1の温度から該第1の温度より高い第2の温度へと加熱される。幾つかの実施形態では、ウェア用スペースを第1の温度から第2の温度へと加熱する間に、第1の方向に配向された複数の温度制御ゾーンは異なる設定点温度を有し、第2の方向に配向された複数の温度制御ゾーンは同じ設定点温度を有する。第1の方向に配向された複数の温度制御ゾーンが単独窯の1つの壁から単独窯の第2の壁へと延在する3つの温度制御ゾーンを含む実施形態では、3つの温度制御ゾーンの各々は、異なる設定点温度を有しうる。例えば、実施形態において、及び
図3に関して、ウェア用スペースを第1の温度から第2の温度へと加熱する間に、垂直方向に配向された温度制御ゾーン201、202、203は各々、異なる設定点温度を有し、
図4に示される水平方向に配向された温度制御ゾーン310、320は、ほぼ同じ設定点温度を有する。言い換えれば、
図3及び
図4に示される実施形態では、単独窯のハースから単独窯のクラウンへの設定点温度差が存在し、単独窯の前壁から後壁への設定点温度はほぼ一定である。
【0033】
第3の温度制御ゾーンが第1の温度制御ゾーンと第2の温度制御ゾーンとの間に配置される、ウェア用スペースを第1の温度から第2の温度へと加熱する間に3つの温度制御ゾーンを含む実施形態では、温度制御ゾーンの各々は、異なる設定点温度を有しうる。このような実施形態では、第1の温度制御ゾーンの設定点温度は、第3の温度制御ゾーンの設定点温度より約15℃〜約30℃高いなど、第3の温度制御ゾーンの設定点温度より約10℃〜約50℃高くなりうる。他の実施形態では、第1の温度制御ゾーンの設定点温度は、第3の温度制御ゾーンの設定点温度より約17℃〜約25℃高いなど、第3の温度制御ゾーンの設定点温度より約15℃〜約25℃高くなりうる。このような実施形態では、第2の温度制御ゾーンの設定点温度は、第3の温度制御ゾーンの設定点温度より約15℃〜約30℃低いなど、第3の温度制御ゾーンの設定点温度より約10℃〜約50℃低くなりうる。他の実施形態では、第2の温度制御ゾーンの設定点温度は、第3の温度制御ゾーンの設定点温度より約17℃〜約20℃低いなど、第3の温度制御ゾーンの設定点温度より約15℃〜約25℃低くなりうる。
【0034】
さらに他の実施形態では、ウェア用スペースを第1の温度から第2の温度へと加熱する間に、第1の方向に配向された複数の温度制御ゾーンは、同じ設定点温度を有し、第2の方向に配向された複数の温度制御ゾーンもまた、同じ設定点温度を有する。例えば、実施形態において、及び
図3に関して、ウェア用スペースを第1の温度から第2の温度へと加熱する間に、垂直方向に配向された温度制御ゾーン201、202、203は各々、ほぼ同じ設定点温度を有し、
図4に示されるように、水平方向に配向された温度制御ゾーン310、320は、ほぼ同じ設定点温度を有する。言い換えれば、このような実施形態では、ウェア用スペースに対し、適用される又は課される設定点温度差は存在しない。
【0035】
ウェア用スペースは、その後、第2の温度から該第2の温度より高い最高浸漬温度へと加熱される。幾つかの実施形態では、ウェア用スペースを第2の温度から最高浸漬温度へと加熱する間に、第1の方向に配向された複数の温度制御ゾーンは異なる設定点温度を有し、第2の方向に配向された複数の温度制御ゾーンは、ほぼ同じ設定点温度を有する。第1の方向に配向された複数の温度制御ゾーンが、単独窯の1つの壁から単独窯の第2の壁へと延在する3つの温度制御ゾーンを含む実施形態では、3つの温度制御ゾーンの各々は、異なる設定点温度を有しうる。例えば、実施形態において、ウェア用スペースを第2の温度から最高浸漬温度へと加熱する間に、
図3に示されるように垂直方向に配向された温度制御ゾーン201、202、203は各々、異なる設定点温度を有し、
図4に示されるように水平方向に配向された温度制御ゾーン310、320は、ほぼ同じ設定点温度を有する。言い換えれば、
図3及び
図4に示される実施形態では、単独窯のハースから単独窯のクラウンへの温度差が存在してよく、単独窯の前壁から後壁への温度は、ほぼ一定である。
【0036】
第3の温度制御ゾーンが第1の温度制御ゾーンと第2の温度制御ゾーンとの間に配置される、ウェア用スペースを第2の温度から最高浸漬温度へと加熱する間に3つの温度制御ゾーンを含む実施形態では、温度制御ゾーンの各々は、異なる温度を有しうる。このような実施形態では、第1の温度制御ゾーンの設定点温度は、第3の温度制御ゾーンの設定点温度より約15℃〜約30℃高いなど、第3の温度制御ゾーンの設定点温度より約10℃〜約50℃高くなりうる。他の実施形態では、第1の温度制御ゾーンの設定点温度は、第3の温度制御ゾーンの設定点温度より約17℃〜約25℃高いなど、第3の温度制御ゾーンの設定点温度より約15℃〜約25℃高くなりうる。このような実施形態では、第2の温度制御ゾーンの設定点温度は、第3の温度制御ゾーンの設定点温度より約15℃〜約30℃低いなど、第3の温度制御ゾーンの設定点温度より約10℃〜約50℃低くなりうる。他の実施形態では、第2の温度制御ゾーンの設定点温度は、第3の温度制御ゾーンの設定点温度より約17℃〜約20℃低いなど、第3の温度制御ゾーンの設定点温度より約15℃〜約25℃低くなりうる。
【0037】
さらに他の実施形態では、ウェア用スペースを第2の温度から最高浸漬温度へと加熱する間に、第1の方向に配向された複数の温度制御ゾーンは同じ設定点温度を有し、第2の方向に配向された複数の温度制御ゾーンは異なる設定点温度を有する。例えば、実施形態において、及び
図3に関して、ウェア用スペースを第2の温度から最高浸漬温度へと加熱する間に、垂直方向に配向された温度制御ゾーン201、202、203は各々、ほぼ同じ設定点温度を有し、
図4に示されるように水平方向に配向された温度制御ゾーン310、320は、異なる設定点温度を有する。言い換えれば、このような実施形態では、前壁から後壁へと延在するウェア用スペースにわたり、温度差が存在する。
【0038】
このような実施形態では、第2の温度制御ゾーンの設定点温度は、第1の温度制御ゾーンの設定点温度より約3℃〜約15℃高いなど、第1の温度制御ゾーンの設定点温度より約3℃〜約20℃高くなりうる。他の実施形態では、第2の温度制御ゾーンの設定点温度は、第1の温度制御ゾーンの設定点温度より約7℃〜約10℃高いなど、第1の温度制御ゾーンの設定点温度より約3℃〜約10℃高くなりうる。
【0039】
実施形態において、単独窯は、第1の方向に配向された各温度制御ゾーンに希釈ガスを供給するように構成されうる。実施形態では、希釈ガスは、空気、窒素、又は任意の他の不燃性ガスでありうる。各温度制御ゾーンに供給される希釈ガスの流量は、個別に変化させることができる。例えば、及び
図3に関して、希釈ガスの第1の流量を、温度制御ゾーン201に供給することができ、希釈ガスの第1の流量と同じ又は異なる希釈ガスの第2の流量を、温度制御ゾーン202に供給することができ、希釈ガスの第1及び第2の流量と同じ又は異なる希釈ガスの第3の流量を、温度制御ゾーン203に供給することができる。実施形態において、希釈ガスは、例えば、ガス流が単独窯に流体接続されたダクト(例えば、単独窯内のバーナに組み込まれた二次的なガスノズル)を通るように強いることによってなど、任意の適切な機構によって、単独窯の温度制御ゾーンに供給されうる。
【0040】
幾つかの実施形態では、VOCレベルは、周囲温度から第1の温度へとウェア用スペースの加熱の間に第1の方向に配向された幾つか又は多くの温度制御ゾーンにおいて測定される。例えば、及び
図3に関して、ウェア用スペースが周囲温度から第1の温度へと加熱されるときに、VOCレベルは、温度制御ゾーン201、202、及び203のうちの1つ以上において測定される。VOCレベルは、任意の方法で測定することができる。このような実施形態では、最大の希釈ガス流量が、最高濃度のVOCを有する温度制御ゾーンに供給され、最小のガス流量が、最低VOC濃度を有する温度制御ゾーンに供給される。例えば、及び再び
図3に関して、最高VOC濃度が温度制御ゾーン203の場合、最高希釈ガス流は、温度制御ゾーン203に供給される。同じように、最低VOC濃度が温度制御ゾーン201において測定される場合、最小の希釈ガス流は、温度制御ゾーン201に供給される。このような方法で希釈ガスを供給することにより、特定の温度制御ゾーンのVOCの濃度を希釈することができ、それによって、その温度制御ゾーンにおいて発熱反応が暴走する危険性を低減することができる。この方法は、VOC濃度希釈を必要としない窯スペースの部分における過剰体積の二次的又は希釈ガスを低減し、それによって、熱的後処理において、窯スペース又は下流において特定の温度へと希釈ガスを加熱するのに必要とされる過剰のエネルギーを低減する。
【0041】
これより、本開示の態様が開示される。
【0042】
第1の態様によれば、単独窯内でウェアを焼成する方法は、単独窯のウェア用スペース内にウェアの少なくとも1つのスタックを位置付ける工程であって、ウェア用スペースが、第1の方向に配向された複数の温度制御ゾーンと、第2の方向に配向された複数の温度制御ゾーンとを含む、工程;第1の加熱段階において、ウェア用スペースを周囲温度から該周囲温度より高い第1の温度へと加熱する工程;第2の加熱段階において、ウェア用スペースを第1の温度から該第1の温度より高い第2の温度へと加熱する工程、及び第3の加熱段階において、ウェア用スペースを第2の温度から該第2の温度より高い最高浸漬温度へと加熱する工程であって、次の条件:(i)第1の加熱段階、第2の加熱段階、及び第3の加熱段階のうちの少なくとも1つの間に、第1の方向に配向された複数の温度制御ゾーンのうちの1つの温度制御ゾーンが、該第1の方向に配向された複数の温度制御ゾーンの少なくとも1つの他の温度制御ゾーンの設定点温度とは異なる設定点温度を有する;及び、(ii)第1の加熱段階、第2の加熱段階、及び第3の加熱段階のうちの少なくとも1つの間に、第2の方向に配向された複数の温度制御ゾーンのうちの1つの温度制御ゾーンが、該第2の方向に配向された複数の温度制御ゾーンのうちの少なくとも1つの他の温度制御ゾーンの設定点温度とは異なる設定点温度を有する、のうちの少なくとも1つが満たされる、工程を含む。
【0043】
第2の態様は、第1の方向が垂直方向であり、第2の方向が水平方向である、第1の態様の方法を含む。
【0044】
第3の態様は、第1の方向に配向された複数の温度制御ゾーンが、ウェア用スペースのハースに隣接した第1の温度制御ゾーン、ウェア用スペースのクラウンに隣接した第2の温度制御ゾーン、及び第1の温度制御ゾーンと第2の温度制御ゾーンとの間の第3の温度制御ゾーンを含む、第1及び第2の態様のいずれかの方法を含む。
【0045】
第4の態様は、第1の加熱段階の間に:第1の温度制御ゾーンの設定点温度が、第3の温度制御ゾーンの設定点温度より約10℃〜約50℃低く、第2の温度制御ゾーンの設定点温度が、第3の温度制御ゾーンの設定点温度より約10℃〜約50℃高い、第3の態様の方法を含む。
【0046】
第5の態様は、第1の加熱段階の間に、第1の温度制御ゾーンの設定点温度が、第3の温度制御ゾーンの設定点温度より約15℃〜約30℃低く、第2の温度制御ゾーンの設定点温度が、第3の温度制御ゾーンの設定点温度より約15℃〜約30℃高い、第3の態様の方法を含む。
【0047】
第6の態様は、第2の方向に配向された複数の温度制御ゾーンが、ウェア用スペースの前壁に隣接した第1の温度制御ゾーンと、ウェア用スペースの後壁に隣接した第2の温度制御ゾーンとを含む、第1〜第5の態様のいずれかの方法を含む。
【0048】
第7の態様は、第3の加熱段階の間に、第2の温度制御ゾーンの設定点温度が、第1の温度制御ゾーンの設定点温度より約3℃〜約20℃高い、第6の態様の方法を含む。
【0049】
第8の態様は、第3の加熱段階の間に、第2の温度制御ゾーンの設定点温度が、第1の温度制御ゾーンの設定点温度より約3℃〜約15℃高い、第6の態様の方法を含む。
【0050】
第9の態様は、第2の加熱段階の間に:第1の方向に配向された複数の温度制御ゾーンの各温度制御ゾーンが、同じ設定点温度を有し、第2の方向に配向された複数の温度制御ゾーンの各温度制御ゾーンが、同じ設定点温度を有する、第1〜第8の態様のいずれかの方法を含む。
【0051】
第10の態様は、第2の加熱段階の間に:第1の方向に配向された複数の温度制御ゾーンの各温度制御ゾーンが、異なる設定点温度を有し、第2の方向に配向された複数の温度制御ゾーンの各温度制御ゾーンが、同じ設定点温度を有する、第1〜第9の態様のいずれかの方法を含む。
【0052】
第11の態様は、第1の温度が約250℃〜約700℃であり、第2の温度が約600℃〜約1000℃であり、最高浸漬温度が、約1200℃〜約1550℃である、第1〜第10の態様のいずれかの方法を含む。
【0053】
第12の態様は、第1の加熱段階の間に、第1の方向に配向された複数の温度制御ゾーンの各々に希釈ガスを供給する工程をさらに含み、該希釈ガスが、第1の方向に配向された複数の温度制御ゾーンの各々において異なる体積ガス流量を有する、第1〜第11の態様のいずれかの方法を含む。
【0054】
第13の態様は、第1の加熱段階の間に、第1の方向に配向された複数の温度制御ゾーンの各々におけるVOCレベルを測定又は計算する工程;最高の測定又は計算されたVOCレベルを有する第1の方向に配向された温度制御ゾーンに、希釈ガスの最大の体積希釈ガス流量を供給する工程;及び、最小の測定又は計算されたVOCレベルを有する第1の方向に配向された温度制御ゾーンに、最小の体積希釈ガス流量を供給する工程をさらに含む、第12の態様の方法を含む。
【0055】
第14の態様は、倒炎式単独窯内でウェアを焼成する方法を提供し、該方法は、倒炎式単独窯のウェア用スペース内にウェアの少なくとも1つのスタックを位置付ける工程であって、ウェア用スペースが、クラウン;該クラウンとは反対側のハース;クラウンとハースとの間にわたる第1の側壁;第1の側壁とは反対側にあり、かつ、クラウンとハースとの間にわたる第2の側壁;第1の側壁、第2の側壁、ハース、及びクラウンで囲まれた前壁;前壁とは反対側にあり、かつ、第1の側壁、第2の側壁、ハース、及びクラウンで囲まれた後壁によって画成されており、ウェア用スペースが、垂直方向に配向された複数の温度制御ゾーン;及び、水平方向に配向された複数の温度制御ゾーンを含む、工程;第1の加熱段階において、ウェア用スペースを周囲温度から該周囲温度より高い第1の温度へと加熱する工程、第2の加熱段階において、ウェア用スペースを第1の温度から該第1の温度より高い第2の温度へと加熱する工程、及び第3の加熱段階において、ウェア用スペースを第2の温度から該第2の温度より高い最高浸漬温度へと加熱する工程であって、次の条件:(i)第1の加熱段階、第2の加熱段階、及び第3の加熱段階のうちの少なくとも1つの間に、垂直方向に配向された複数の温度制御ゾーンのうちの1つの温度制御ゾーンが、垂直方向に配向された複数の温度制御ゾーンのうちの少なくとも1つの他の温度制御ゾーンの設定点温度とは異なる設定点温度を有する;及び、(ii)第1の加熱段階、第2の加熱段階、及び第3の加熱段階のうちの少なくとも1つの間に、水平方向に配向された複数の温度制御ゾーンのうちの1つの温度制御ゾーンが、水平方向に配向された複数の温度制御ゾーンのうちの少なくとも1つの他の温度制御ゾーンの設定点温度とは異なる設定点温度を有する、のうちの少なくとも1つが満たされる、工程を含む。
【0056】
第15の態様は、第1の温度が約250℃〜約700℃であり、第2の温度が、約600℃〜約1000℃であり、最高浸漬温度が約1200℃〜約1550℃である、第14の態様の方法を含む。
【0057】
第16の態様は、垂直方向に配向された複数の温度制御ゾーンが、ハースに隣接した第1の温度制御ゾーン、クラウンに隣接した第2の温度制御ゾーン、及び第1の温度制御ゾーンと第2の温度制御ゾーンとの間の第3の温度制御ゾーンを含み、第1の加熱段階の間に、第1の温度制御ゾーンの設定点温度が、第3の温度制御ゾーンの設定点温度より約10℃〜約50℃低く;及び第2の温度制御ゾーンの設定点温度が、第3の温度制御ゾーンの設定点温度より約10℃〜約50℃高い、第14及び第15の態様のいずれかの方法を含む。
【0058】
第17の態様は、水平方向に配向された複数の温度制御ゾーンが、前壁に隣接した第1の温度制御ゾーンと後壁に隣接した第2の温度制御ゾーンとを含み、第3の加熱段階の間に、第2の温度制御ゾーンの設定点温度が、第1の温度制御ゾーンの設定点温度より約3℃〜約15℃高い、第14〜第16の態様のいずれかの方法を含む。
【0059】
第18の態様は、第2の加熱段階の間に、垂直方向に配向された複数の温度制御ゾーンの各温度制御ゾーンが、同じ設定点温度を有し、水平方向に配向された複数の温度制御ゾーンの各温度制御ゾーンが、同じ設定点温度を有する、第14〜第16の態様のいずれかの方法を含む。
【0060】
第19の態様は、第2の加熱段階の間に、垂直方向に配向された複数の温度制御ゾーンの各温度制御ゾーンが、異なる設定点温度を有し、水平方向に配向された複数の温度制御ゾーンの各温度制御ゾーンが、同じ設定点温度を有する、第14〜第18の態様のいずれかの方法を含む。
【0061】
第20の態様は、第1の加熱段階の間に、垂直方向に配向された複数の温度制御ゾーンの各々に希釈ガス流を供給する工程;及び、第1の加熱段階の間に、垂直方向に配向された複数の温度制御ゾーンの各々におけるVOCレベルを測定又は計算する工程をさらに含み、最大の体積希釈ガス流量が、最高の測定又は計算されたVOCレベルを有する垂直方向に配向された温度制御ゾーンに供給され、最小の体積希釈ガス流量が、最小の測定又は計算されたVOCレベルを有する垂直方向に配向された温度制御ゾーンに供給される、第14〜第19の態様のいずれかの方法を含む。
【0062】
よって、本明細書に開示される実施形態は、ウェア内の制御されていない温度差及び亀裂を最小限に抑えるか、又は排除することができる。加えて、物品の製造に用いられる天然の原料におけるばらつきは、窯の異なる領域に異なる最高浸漬温度を利用することによって調整することができ、異なるロットの原料又は例えば天然由来の原料で起こりうるようなばらつき度合いを有する原料を用いて製造されたウェア又は物品の群が窯スペース内に存在する場合に、窯積載における、焼成体内の均一な物理的特性を確実にすることができる。
【0063】
特許請求される主題の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載される実施形態にさまざまな修正及び変形がなされうることは、当業者にとって明白であろう。よって、本明細書は、このような修正及び変形が添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物の範囲内に入ることを条件に、本明細書に記載されるさまざまな実施形態の修正及び変形にも及ぶことが意図されている。
【0064】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0065】
実施形態1
単独窯内でウェアを焼成する方法において、
前記単独窯のウェア用スペース内にウェアの少なくとも1つのスタックを位置付ける工程であって、前記ウェア用スペースが、第1の方向に配向された複数の温度制御ゾーンと、第2の方向に配向された複数の温度制御ゾーンとを含む、工程、
第1の加熱段階において、前記ウェア用スペースを周囲温度から該周囲温度より高い第1の温度へと加熱する工程、
第2の加熱段階において、前記ウェア用スペースを前記第1の温度から前記第1の温度より高い第2の温度へと加熱する工程、及び
第3の加熱段階において、前記ウェア用スペースを前記第2の温度から前記第2の温度より高い最高浸漬温度へと加熱する工程であって、次の条件:
(i)前記第1の加熱段階、前記第2の加熱段階、及び前記第3の加熱段階のうちの少なくとも1つの間に、前記第1の方向に配向された前記複数の温度制御ゾーンのうちの1つの温度制御ゾーンが、前記第1の方向に配向された前記複数の温度制御ゾーンのうちの少なくとも1つの他の温度制御ゾーンの設定点温度とは異なる設定点温度を有する、及び
(ii)前記第1の加熱段階、前記第2の加熱段階、及び前記第3の加熱段階のうちの少なくとも1つの間に、前記第2の方向に配向された前記複数の温度制御ゾーンのうちの1つの温度制御ゾーンが、前記第2の方向に配向された前記複数の温度制御ゾーンのうちの少なくとも1つの他の温度制御ゾーンの設定点温度とは異なる設定点温度を有する
のうちの少なくとも1つが満たされる、工程
を含む、方法。
【0066】
実施形態2
前記第1の方向が垂直方向であり、前記第2の方向が水平方向であることを特徴とする、実施形態1に記載の方法。
【0067】
実施形態3
前記第1の方向に配向された前記複数の温度制御ゾーンが、前記ウェア用スペースのハースに隣接した第1の温度制御ゾーン、前記ウェア用スペースのクラウンに隣接した第2の温度制御ゾーン、及び前記第1の温度制御ゾーンと前記第2の温度制御ゾーンとの間の第3の温度制御ゾーンを含むことを特徴とする、実施形態1に記載の方法。
【0068】
実施形態4
前記第1の加熱段階の間に:
前記第1の温度制御ゾーンの設定点温度が、前記第3の温度制御ゾーンの設定点温度より約10℃〜約50℃低く、かつ
前記第2の温度制御ゾーンの設定点温度が、前記第3の温度制御ゾーンの設定点温度より約10℃〜約50℃高い
ことを特徴とする、実施形態3に記載の方法。
【0069】
実施形態5
前記第1の加熱段階の間に:
前記第1の温度制御ゾーンの設定点温度が、前記第3の温度制御ゾーンの設定点温度より約15℃〜約30℃低く、かつ
前記第2の温度制御ゾーンの設定点温度が、前記第3の温度制御ゾーンの設定点温度より約15℃〜約30℃高い
ことを特徴とする、実施形態3に記載の方法。
【0070】
実施形態6
前記第2の方向に配向された複数の温度制御ゾーンが、前記ウェア用スペースの前壁に隣接した第1の温度制御ゾーンと、前記ウェア用スペースの後壁に隣接した第2の温度制御ゾーンとを含むことを特徴とする、実施形態1に記載の方法。
【0071】
実施形態7
前記第3の加熱段階の間に、前記第2の温度制御ゾーンの設定点温度が、前記第1の温度制御ゾーンの設定点温度より約3℃〜約20℃高いことを特徴とする、実施形態6に記載の方法。
【0072】
実施形態8
前記第3の加熱段階の間に、前記第2の温度制御ゾーンの設定点温度が、前記第1の温度制御ゾーンの設定点温度より約3℃〜約15℃高いことを特徴とする、実施形態6に記載の方法。
【0073】
実施形態9
前記第2の加熱段階の間に:
前記第1の方向に配向された前記複数の温度制御ゾーンの各温度制御ゾーンが、同じ設定点温度を有し、
前記第2の方向に配向された前記複数の温度制御ゾーンの各温度制御ゾーンが、同じ設定点温度を有する
ことを特徴とする、実施形態1に記載の方法。
【0074】
実施形態10
前記第2の加熱段階の間に:
前記第1の方向に配向された前記複数の温度制御ゾーンの各温度制御ゾーンが、異なる設定点温度を有し、かつ
前記第2の方向に配向された前記複数の温度制御ゾーンの各温度制御ゾーンが、同じ設定点温度を有する
ことを特徴とする、実施形態1に記載の方法。
【0075】
実施形態11
前記第1の温度が、約250℃〜約700℃であり、前記第2の温度が、約600℃〜約1000℃であり、前記最高浸漬温度が、約1200℃〜約1550℃であることを特徴とする、実施形態1に記載の方法。
【0076】
実施形態12
前記第1の加熱段階の間に、前記第1の方向に配向された前記複数の温度制御ゾーンの各々に希釈ガスを供給する工程をさらに含み、前記希釈ガスが、前記第1の方向に配向された前記複数の温度制御ゾーンの各々において、異なる体積ガス流量を有することを特徴とする、実施形態1に記載の方法。
【0077】
実施形態13
前記第1の加熱段階の間に、前記第1の方向に配向された前記複数の温度制御ゾーンの各々のVOCレベルを測定又は計算する工程、
最大の測定又は計算VOCレベルを有する前記第1の方向に配向された温度制御ゾーンに、前記希釈ガスの最大の体積希釈ガス流量を供給する工程、及び
最小の測定又は計算VOCレベルを有する前記第1の方向に配向された温度制御ゾーンに、最小の体積希釈ガス流量を供給する工程
をさらに含むことを特徴とする、実施形態12に記載の方法。
【0078】
実施形態14
倒炎式単独窯内でウェアを焼成する方法において、
前記倒炎式単独窯のウェア用スペース内にウェアの少なくとも1つのスタックを位置付ける工程であって、前記ウェア用スペースが、
クラウン、
前記クラウンとは反対側のハース、
前記クラウンと前記ハースとの間にわたる第1の側壁、
前記第1の側壁とは反対側にあり、かつ、前記クラウンと前記ハースとの間にわたる第2の側壁、かつ、
前記第1の側壁、前記第2の側壁、前記ハース、及び前記クラウンで囲まれた前壁、
前記前壁とは反対側にあり、かつ、前記第1の側壁、前記第2の側壁、前記ハース、及び前記クラウンで囲まれた後壁、
垂直方向に配向された複数の温度制御ゾーン、及び
水平方向に配向された複数の温度制御ゾーン
によって画成される、工程、
第1の加熱段階において、前記ウェア用スペースを周囲温度から該周囲温度より高い第1の温度へと加熱する工程、
第2の加熱段階において、前記ウェア用スペースを前記第1の温度から該第1の温度より高い第2の温度へと加熱する工程、及び
第3の加熱段階において、前記ウェア用スペースを前記第2の温度から該第2の温度より高い最高浸漬温度へと加熱する工程であって、次の条件:
(i)前記第1の加熱段階、前記第2の加熱段階、及び前記第3の加熱段階のうちの少なくとも1つの間に、前記垂直方向に配向された前記複数の温度制御ゾーンのうちの1つの温度制御ゾーンが、前記垂直方向に配向された前記複数の温度制御ゾーンのうちの少なくとも1つの他の温度制御ゾーンの設定点温度とは異なる設定点温度を有する、及び
(ii)前記第1の加熱段階、前記第2の加熱段階、及び前記第3の加熱段階のうちの少なくとも1つの間に、前記水平方向に配向された前記複数の温度制御ゾーンのうちの1つの温度制御ゾーンが、前記水平方向に配向された前記複数の温度制御ゾーンのうちの少なくとも1つの他の温度制御ゾーンの設定点温度とは異なる設定点温度を有する
のうちの少なくとも1つが満たされる、工程
を含む、方法。
【0079】
実施形態15
前記第1の温度が、約250℃〜約700℃であり、前記第2の温度が、約600℃〜約1000℃であり、前記最高浸漬温度が、約1200℃〜約1550℃であることを特徴とする、実施形態14に記載の方法。
【0080】
実施形態16
前記垂直方向に配向された前記複数の温度制御ゾーンが、前記ハースに隣接した第1の温度制御ゾーン、前記クラウンに隣接した第2の温度制御ゾーン、及び前記第1の温度制御ゾーンと前記第2の温度制御ゾーンとの間の第3の温度制御ゾーンを含み、前記第1の加熱段階の間に:
前記第1の温度制御ゾーンの設定点温度が、前記第3の温度制御ゾーンの設定点温度より約10℃〜約50℃低く、かつ
前記第2の温度制御ゾーンの設定点温度が、前記第3の温度制御ゾーンの設定点温度より約10℃〜約50℃高い
ことを特徴とする、実施形態14に記載の方法。
【0081】
実施形態17
前記水平方向に配向された前記複数の温度制御ゾーンが、前記前壁に隣接した第1の温度制御ゾーンと、前記後壁に隣接した第2の温度制御ゾーンとを含み、前記第3の加熱段階の間に、前記第2の温度制御ゾーンの設定点温度が、前記第1の温度制御ゾーンの設定点温度より約3℃〜約15℃高いことを特徴とする、実施形態14に記載の方法。
【0082】
実施形態18
前記第2の加熱段階の間に:
前記垂直方向に配向された前記複数の温度制御ゾーンの各温度制御ゾーンが、同じ設定点温度を有し、かつ
前記水平方向に配向された前記複数の温度制御ゾーンの各温度制御ゾーンが、同じ設定点温度を有する
ことを特徴とする、実施形態14に記載の方法。
【0083】
実施形態19
前記第2の加熱段階の間に:
前記垂直方向に配向された前記複数の温度制御ゾーンの各温度制御ゾーンが、異なる設定点温度を有し、かつ
前記水平方向に配向された前記複数の温度制御ゾーンの各温度制御ゾーンが、同じ設定点温度を有する
ことを特徴とする、実施形態14に記載の方法。
【0084】
実施形態20
前記第1の加熱段階の間に、前記垂直方向に配向された前記複数の温度制御ゾーンの各々に希釈ガス流を供給する工程、及び
前記第1の加熱段階の間に、前記垂直方向に配向された前記複数の温度制御ゾーンの各々のVOCレベルを測定又は計算する工程であって、
最大の体積希釈ガス流量が、最高の測定又は計算VOCレベルを有する前記垂直方向に配向された温度制御ゾーンに供給され、
最小の体積希釈ガス流量が、最低の測定又は計算VOCレベルを有する前記垂直方向に配向された温度制御ゾーンに供給される
工程
をさらに含むことを特徴とする、実施形態14に記載の方法。