特許第6688414号(P6688414)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6688414
(24)【登録日】2020年4月7日
(45)【発行日】2020年4月28日
(54)【発明の名称】貨物自動車荷台からの墜落防止装置
(51)【国際特許分類】
   A62B 35/00 20060101AFI20200421BHJP
   B60P 3/14 20060101ALI20200421BHJP
【FI】
   A62B35/00 H
   B60P3/14 A
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-43559(P2019-43559)
(22)【出願日】2019年3月11日
【審査請求日】2019年3月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】502012026
【氏名又は名称】加藤 隆
(73)【特許権者】
【識別番号】519084711
【氏名又は名称】加藤 隆史
(74)【代理人】
【識別番号】100078695
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 司
(72)【発明者】
【氏名】加藤 隆
(72)【発明者】
【氏名】加藤 隆史
【審査官】 櫻田 正紀
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3192801(JP,U)
【文献】 実開平06−020777(JP,U)
【文献】 特開2006−167263(JP,A)
【文献】 特開2003−093531(JP,A)
【文献】 英国特許出願公開第02496617(GB,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0198152(US,A1)
【文献】 国際公開第2007/137332(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62B 35/00
B60P 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷台の前方左右に1段のシリンダーによる前方用伸縮支柱を立設し、荷台の後方左右に多段のテレスコピックシリンダーによる後方用伸縮支柱を立設し、これら前方用伸縮支柱同士、および、後方用伸縮支柱同士に横架材を渡し、前の横架材と後の横架材とに高低差を出せるようにして、荷台の前後の横架材に安全帯掛けバーまたはワイヤーを前および後の横架材に沿って横スライド可能に架け渡したことを特徴とする貨物自動車荷台からの墜落防止装置。
【請求項2】
安全帯掛けバーまたはワイヤーはローラにより横架材を滑走する請求項1記載の貨物自動車荷台からの墜落防止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貨物自動車荷台からの墜落防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
貨物自動車(トラック)荷台上で作業を行う場合には、は必ず安全帯を架けて作業をするようにそれなりの設備を設置するが、中小企業等の製造メーカーでは、設備が無く運送会社のドライバーが積込み、荷締め作業時に転落などに気を付け作業しているのが現状である。
【0003】
労働安全衛生規則第518条〜第521条によれば、高さ2メートル以上の箇所で作業を行う場合においては、労働者に安全帯を使用させる等の墜落防止設備を講じなければならない、とされている。
【0004】
貨物自動車(トラック)荷台は、地面から2メートル以内の高さにある。しかし作業者は、トラックの荷台よりも高い積載物の上に立って作業を行うことが少なくない。この場合に作業者は、荷台或いは積載物を基準とすると2メートル以内の高さにあったとしても、地面を基準とすると2メートルを超える高さで作業を行うこととなる。地面の上に転落すれば、作業者は身体に相応の損傷を受け、時には生命も脅かされることとなる。
【0005】
さらに、ビルディングなどの建設現場では、土台部分及び地下部分を形成するために、建設作業の早期において地面が底深く掘削され、資材を搬出入するトラックは、掘削された空洞の上に掛け渡された桟橋の上に停車して、資材の積み降ろしを行うのが通例となっている。このような場合には、作業者の安全を確保することは重要である。
【0006】
従来、図7に示すような作業員転落防止の措置がとられていた。1はクレーンフック、2は安全帯、3はトラック、Mは作業員である。クレーンフック1は、通常、工場建て屋棟内に設置される天井クレーン(不図示)等に付設されており、上下動可能とされているものである。安全帯2は作業員の腰部あたりに装着するベルト部2aと、その先端にフックが備えられたロープ2bとからなるものである。
【0007】
作業員Mは、トラック3が工場内に入構すると、梯子等を用いて荷台上に登り、そこで自らに装着した安全帯2から伸びるロープ2b先端に備えられたフックを、クレーンフック1にかける。このことにより、トラック3荷台上という高所で作業員Mが万一バランスを崩すなどして転落の危険にさらされた場合にも、クレーンフック1にかけられた安全帯2により、作業員Mが床面に墜落するのを防ぐことができる。
【0008】
ところが、前記の転落防止措置に関しては、以下のような問題点があった。まず、天井クレーンを操作する人員が別途必要であった。すなわち、トラック3が工場内に入構した際には、天井クレーンをそのトラック3の停止場所まで移動させ、クレーンフック1を適当な高さとなるように調整する等の操作をするために、図示した作業員M以外にクレーン操作者が必要となっていた。このように一つの作業に複数の人員をかけることは、効率の面からみて適当でない。
【0009】
また、工場内に設置されている天井クレーンは、工場内の各種大型品を運搬するために非常に頻繁に使用されているものであり、通常はそれらの運搬作業が優先される。したがって、当該運搬作業が終了するか、又は一段落着くまでは、上記したような荷台上の作業は開始できないか、あるいは一旦始めた荷台上の作業を中断せざるを得ないような状況も発生していた。いわゆるクレーン待ちと呼ばれる状況である。このことも全体の作業効率の面からみて、好ましい状態とはいえない。
【0010】
また、荷台上の作業は、上記したように基本的に工場屋内での作業が原則となる。万一、屋外での作業を実施する場合、作業員Mの安全を確保するためには、上記作業に準ずる場合、例えば、別途クレーン車を手配するなどの措置が必要となる。このことに応じて、荷台上作業を安全に完遂するには、クレーン車の手配、クレーン車の操作作業員、そして、クレーンを安全に停止させる広い停止場所等が必要となるなど、きわめて非効率となる。したがって、屋外で荷台上の作業を実施することは、基本的に不可能であった。
【0011】
下記特許文献1は工場内の天井クレーン等のクレーン設備を使用することなく、トラックの荷台上で必要となる高所作業において、作業員の安全を確保できるような作業員転落防止設備として提案されたものである。
【特許文献1】特開平11−291863号公報
【0012】
作業員転落防止設備は、その底端部に地面に平行となる平板が取り付けられた長さ可変自在の複数の支柱と、該複数の支柱の先端間に渡される綱とを具備しており、前記支柱は、前記平板に車両の重量を負荷させることで固定されることを特徴とするものである。
【0013】
これによれば、作業員の転落に対する安全は、複数の支柱先端部に渡された綱に安全帯ロープのフックをかけることにより確保されることになる。また、これら支柱は長さが可変とされていることから、様々な高さの作業に対応することが可能となる。さらに、前記複数の支柱の底端部には、地面と平行となる平板が取り付けられ、該平板上に車両の荷重をかける手段がとられることから、支柱そのものが転倒するようなことがなく、作業員の転落防止用の設備としてきわめて適当なものとなる。
【0014】
図8に示すように、4は作業員転落防止設備を示しており、これは支柱5と親綱(綱)6とを具備している。
【0015】
支柱5は、その長さが可変とされている。より具体的には、支柱5の長さの調整は、大径の支柱管に対して、小径の支柱管を抜き差しすることによって行われる。また、この長さ調整により、支柱5全体として所望の長さに達したときには、大径の支柱管の端部近くかつ周方向に複数形成されたボルト孔に対してボルトを螺着し、小径の支柱管の管表面を当該ボルトの端部にて押さえつけることにより、その所望の長さを一定に保つようになっている。
【0016】
支柱5の底端部には、地面と平行となる平板5eが取り付けられている。この平板5eは、先述した大径の支柱管の底端部と溶接等の接合手段により取り付けれている。
【0017】
親綱6は、支柱5において、その複数の先端間に渡される。このとき、親綱6は、2本の支柱5の先端間で適当な張力をもつよう、当該先端部において調整可能なようになっている。なお、親綱6本体の構成としては、例えば、鋼製のケーブル表面にビニール材料のコーティングが施されているようなものを用いればよい。
【0018】
まず、作業員転落防止設備4の設置すなわち支柱5の立設を行うために、トラック3を作業を行おうとする場所に仮停車する。以下この仮停車場所近傍にて荷台上作業は行われるが、この場合に、その仮停車場所はトラック3が停車できるような平坦な場所で、かつ周囲の安全が確保されるような場所であるならば、工場屋内や屋外等いかなるところでもよい。
【0019】
2本の支柱5を、トラック3の一方の側面に配置する。このとき、それぞれの支柱5底端部の平板5eを、トラック3の前輪3a及び後輪3bの前方近傍にそれぞれ位置させる。また、支柱5配置前には、トラック3の車軸間距離に合わせた長さの親綱6を予め取り付けておく。
【0020】
その後、トラック3を前進方向に動かして、前方及び後方それぞれに配置した支柱5の平板5eを前輪3a及び後輪3bにて踏み押さえる。ここでトラック3は本停車、より具体的にいえばサイドブレーキをひき確実に停車させる。以上の作業を実施することにより、それぞれの支柱5は、トラック3の重量の負荷を受けることで固定されることになる。すなわち、作業員転落防止設備4は転倒等の心配がない安定した状況の下での使用が可能となる。これらの作業が完了したら、安全帯2を装着した作業員Mが、トラック3の荷台上に登り、親綱6に安全帯ロープ2bのフックをかけて作業を開始する。
【0021】
このように、本実施形態の作業員転落防止設備4は、2本の支柱5間に渡された親綱6に安全帯ロープ2bのフックをかけることにより確保されることになる。これら支柱5は、その底端部の平板5eがトラック3の前輪3a及び後輪3bに踏み押さえられているから、容易に転倒することがなく転落防止用の設備としてはきわめて適当なものとなる。
【0022】
また、このような固定手段をとることに関連して、支柱5の設置場所はトラック3が安全に停車できる場所なら、どこでも自由に選定することができる。特に、この作業員転落防止設備4は、従来技術の項で説明したような工場内天井クレーン等を使用したものでないことから、屋外でも作業を実施することが可能であるし、また、クレーン操作者等の別途の人員が不要であり、クレーン待ち等の無駄な時間も排除することが可能となる。
【0023】
なお、前記特許文献1のような支柱5が平板5eを前輪3a及び後輪3bにて踏み押さえるようなものでなく、トラックの荷台の煽等が立設されている支柱でもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
前記特許文献1のような2本の支柱間に渡された親綱に安全帯ロープのフックをかけることにより作業員転落防止を確保するものでは、荷台の左右からの墜落防止に配慮するには、貨物自動車荷台(トラック)の左右に装置をセットしなければならない。
【0025】
しかも、積載物は積込みもしくは積み下ろしによりその高さが変化するものであり、荷台上の作業高さも変化するものであるから、それに対応するように親綱を張り替える必要がある。
【0026】
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、貨物自動車荷台の左右のいずれに対しても簡単に墜落防止を図ることができ、また、積載物の高さ変化に対しても作業の安全性を確保できる貨物自動車荷台からの墜落防止装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0027】
前記目的を達成するため請求項1記載の本発明は、荷台の前方左右に1段のシリンダーによる前方用伸縮支柱を立設し、荷台の後方左右に多段のテレスコピックシリンダーによる後方用伸縮支柱を立設し、これら前方用伸縮支柱同士、および、後方用伸縮支柱同士に横架材を渡し、前の横架材と後の横架材とに高低差を出せるようにして、荷台の前後の横架材に安全帯掛けバーまたはワイヤーを前および後の横架材に沿って横スライド可能に架け渡したことを要旨とするものである。
【0028】
請求項1記載の本発明によれば、安全帯掛けバーまたはワイヤーを荷台の前後方向に架け渡すもので、これにより転落しようとする人員の身体を安全帯を介して受け止めることができ、荷台から転落することを防止することができる。
【0029】
また、安全帯掛けバーまたはワイヤーは横架材に沿って横スライド可能なので、貨物自動車荷台上の左右のいずれの作業に対して安全帯掛けバーまたはワイヤーをその直近まで移動でき、転落防止に備えることができる。
【0030】
さらに、荷台の前方支柱と後方支柱との双方が伸縮可能なので荷台の前後方向に架け渡す安全帯掛けバーまたはワイヤーを積載物の高さ変化に対して高さを変えることができ、作業位置の変化に応じることができる。
【0031】
さらに、荷台の前方支柱と後方支柱との双方はシリンダーにより伸縮可能なので、大径の支柱管に対して、小径の支柱管を抜き差し自在とし、ボルトの端部にて押さえつける伸縮構造のものに比べて、長さ調整を自動で迅速に行うことができる。
【0032】
しかも、前方用伸縮支柱に対して後方用伸縮支柱は多段に変化でき、荷台の前後方向に架け渡す安全帯掛けバーまたはワイヤーを荷台の前後方向に後方が低くなるように斜めに架け渡すことが可能で、荷台前方の鳥居を跨ぐようにして荷台上の積載物の高さ変化によりきめ細やかに対応できる。
【0033】
請求項2記載の本発明は、安全帯掛けバーまたはワイヤーはローラにより横架材を滑走することを要旨とするものである。
【0034】
請求項2記載の本発明によれば、荷台の前後の横架材に安全帯掛けバーまたはワイヤーを横架材に沿って横スライドさせるのに、ローラにより横架材を滑走することで迅速かつ簡単に行うことができる。
【発明の効果】
【0035】
以上述べたように本発明の貨物自動車荷台からの墜落防止装置は、貨物自動車荷台の左右のいずれに対しても簡単に墜落防止を図ることができ、また、積載物の高さ変化に対しても作業の安全性を確保できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の貨物自動車荷台からの墜落防止装置の1実施形態を示す側面図である。
図2】本発明の貨物自動車荷台からの墜落防止装置の1実施形態を示す平面図である。
図3】本発明の貨物自動車荷台からの墜落防止装置の1実施形態を示す背面図である。
図4】本発明の貨物自動車荷台からの墜落防止装置の1実施形態を示す前方用伸縮支柱に対して後方用伸縮支柱を低くした状態の側面図である。
図5】本発明の貨物自動車荷台からの墜落防止装置の1実施形態を示す前方用伸縮支柱に対して後方用伸縮支柱を低くした状態の平面図である。
図6】本発明の貨物自動車荷台からの墜落防止装置の1実施形態を示す前方用伸縮支柱に対して後方用伸縮支柱を低くした状態の背面図である。
図7】従来例を示す側面図である。
図8】他の従来例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、図面について本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の貨物自動車荷台からの墜落防止装置の1実施形態を示す側面図、図2は同上平面図、図3は同上背面図で、図中7は貨物自動車で、大型トラックとして具体化されている。
【0038】
図中8は周囲に煽9を備える荷台、10は荷台8の前方に立設された鳥居、11は運転席である。
【0039】
本発明は、荷台8の前方左右に前方用伸縮支柱12を立設し、荷台の前方左右に後方用伸縮支柱13を立設し、これら前方用伸縮支柱12同士、および、後方用伸縮支柱13同士に横架材14を渡した。
【0040】
前記前方用伸縮支柱12には1段のシリンダーを、後方用伸縮支柱13には多段のテレスコピックシリンダーを使用した。これにより、後方用伸縮支柱13は前方用伸縮支柱12より伸縮長の段階が多段であり、前方用伸縮支柱12よりも低いものとすることができる。これら前方用伸縮支柱12および後方用伸縮支柱13のシリンダーはエアーシリンダーを用いることができる。これにより、前の横架材と後の横架材とに高低差を出せるようなる。
【0041】
また、横架材14は鋼材その他剛なものが望ましく、レールとなる部材が好適である。図示の例では前方用伸縮支柱12のシリンター先端、後方用伸縮支柱13の先端に固定的に取付ける。
【0042】
なお、前方用伸縮支柱12は鳥居10よりも前で、例え運転席11の後側に立設する。
【0043】
一方、後方用伸縮支柱13は荷台8の後端にブラケット等を設けるなどしてて荷台8上よりも更に後ろ側に立設した。
【0044】
これら前方用伸縮支柱12および後方用伸縮支柱13は荷台8の煽9の開閉に支障のない位置に設けるものであり、また、最大伸長時の高さは前方用伸縮支柱12と後方用伸縮支柱13は同じものとなる。
【0045】
前記前方用伸縮支柱12同士に架け渡す前方の横架材14と、後方用伸縮支柱13同士に架け渡す後方の横架材14とに、安全帯掛けバーまたはワイヤー15を横架材14に沿って横スライド可能に架け渡した。
【0046】
安全帯掛けバーまたはワイヤー15の端部をスライドさせる機構としては摩擦抵抗にすくないものであれば種々採用できるが、一例としてローラ16により横架材14をレールとして滑走するようにした。
【0047】
前記安全帯掛けバーまたはワイヤー15は、これに安全帯17を掛けて移動できるようにしたものであり、ワイヤーの場合は緊張状態を保てるものが望ましい。
【0048】
また、図示は省略するが、横架材14を移動する安全帯掛けバーまたはワイヤー15には適宜位置で止められるようなストッパーを設けて設けてもよい。
【0049】
次に使用法について説明すると、前方用伸縮支柱12および後方用伸縮支柱13を伸長すると横架材14も上昇し、それに伴い安全帯掛けバーまたはワイヤー15も荷台8の積載物よりも上位置にある。
【0050】
従って、安全帯掛けバーまたはワイヤー15に安全帯のかけることにより積載物の積込みまたは積み下ろしを行う作業員の転落防止を図ることができる。
【0051】
また、作業位置により荷台8の左側近く、もしくは右側近くになる場合は伴い安全帯掛けバーまたはワイヤー15を横架材14に対して移動し、荷台8の左側近く、もしくは右側近くに寄せておく。
【0052】
なお、図4図6に示すように、前方用伸縮支柱12に対して後方用伸縮支柱13はより低くなるように縮小でき、その結果、安全帯掛けバーまたはワイヤー15は下方が下がるように斜めに掛け渡される。
【0053】
これにより積載物の積込みまたは積み下ろしによる高さ変化にも十分対応できるとともに、鳥居10を跨ぐことができ、支障なく全帯掛けバーまたはワイヤー15を架け渡すことができる。
【0054】
前記実施例は貨物自動車7は、大型トラックとして具体化された例を示したがトラックではなく、ダンプカーやトレーラー等その他の車両においても、何らかの事情により高所作業が必要となった場合に、本発明の墜落防止装置を備えることは可能である。
【0055】
また、実開昭59−179119号公報には荷台の前部枠の上辺部と後部枠の上辺部との中央部空間に前記荷台の上面及び側面を覆う断面が略L字形で左右対称の屋根を開閉自在に設けた構成を備えるとともに、前記前部枠及び後部枠の上辺部を、当該前部枠及び後部枠の本体部に設けたシリンダで持ち上げ可能にした荷台屋根閉閉リフト式貨物自動車が示されているが、本発明はこのような貨物自動車にも適用できる。
【符号の説明】
【0056】
1…クレーンフック
2…安全帯
2a…ベルト部
2b…ロープ
3…トラック(車両)
3a…前輪
3b…後輪
4…作業員転落防止設備
5…支柱
5e…平板
6…親綱
7…貨物自動車
8…荷台
9…煽
10…鳥居
11…運転席
12…前方用伸縮支柱
13…後方用伸縮支柱
14…横架材
15…安全帯掛けバーまたはワイヤー
16…ローラ
17…安全帯
M…作業員
【要約】
【課題】貨物自動車荷台の左右のいずれに対しても簡単に墜落防止を図ることができ、また、積載物の高さ変化に対しても作業の安全性を確保できる貨物自動車荷台からの墜落防止装置を提供する。
【解決手段】荷台8の前方左右に前方用伸縮支柱12を立設し、荷台8の後方左右に後方用伸縮支柱13を立設し、これら前方用伸縮支柱12同士、および、後方用伸縮支柱13同士に横架材14を渡し、荷台8の前後の横架材14に安全帯掛けバーまたはワイヤー15を横架材14に沿って横スライド可能に架け渡した。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8