(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる圧力検出ユニットの上面図を示し、
図2は、
図1の構成においてA−A線における断面を側面視したものを示している。
【0014】
図3は、ベースとリング部材と受け部材の一部を拡大して示す図であり、ハッチングは省略している。
【0015】
図1、2に示すように、圧力検出ユニット100は、セラミックスからなるベース110と、当該ベース110に対向する受け部材120と、ベース110及び受け部材120の間に挟まれたダイアフラム130と、リング部材140とを含む。
【0016】
ベース110は、円盤状の本体111と、本体111の外縁全周にて軸方向に環状に突出した突出部112とを備えている。すなわちベース110は、後述する受圧空間S1が形成されるように、
図2で下面中央部が凹むような形状とされている。
【0017】
ベース110を構成するセラミックス材料としては、例えば、アルミナやアルミナジルコニア等を用いることができる。
【0018】
ベース110の内側部110aとダイアフラム130との間には、密閉された受圧空間S1が形成され、ここにオイル等の絶縁性の液状媒質が充填される。また、突出部112の内側における本体111の受圧空間S1側の中央部には、後述する半導体型圧力検出装置150が取り付けられている。
【0019】
図1に示すように、ベース110における上記半導体型圧力検出装置150の周囲位置には、3本の端子ピン160、162、164が挿入される3つの貫通穴116が形成されている。
【0020】
3本の端子ピン160、162、164は、それぞれベース110に設けた貫通穴116に挿通されることでベース110を貫通するとともに、その下端が上記半導体型圧力検出装置150と電気的に接続される。
【0021】
受け部材120は、例えばステンレス鋼板等の金属材料から環状に形成されている。受け部材120の上面には、後述するようにして、ダイアフラム130が接合されている。
【0022】
ダイアフラム130は、例えばステンレス鋼等の金属材料からなる円板状の薄板部材である。また、リング部材140は、ステンレス鋼等の金属材料からなる環状に形成された部材である。
【0023】
アルミニウム製の保持部材180は、中空の大円筒部181と、段付きフランジ部182と、小円柱部183とを直列に連結した構成を有する。大円筒部181の上端には、薄肉部187が形成されている。保持部材180は、圧力検出ユニット100とは別部品とするが、圧力検出ユニット100の一部としてもよい。
【0024】
大円筒部181内において、段付きフランジ部182の上面中央に凹部184が形成され、その中央には連通孔185が形成されている。連通孔185は小円柱部183内を通過して、その下端で開口している。凹部184の周囲には、周溝186が形成され、その内部にO−リングOR1が配置されている。このような構造により、保持部材180とダイアフラム130との間には、検出対象である流体が流入する加圧空間S2が形成される。
【0025】
半導体型圧力検出装置150は、ベース110の中央部に接着等によりダイボンディングされる。半導体型圧力検出装置150は、ガラス製の支持基板152とそれに接合された圧力検出素子(半導体チップ)154とからなる。
【0026】
圧力検出素子154は、図示を省略するが、表面に例えば8つのボンディングパッド(電極)を備えている。そのうち3つのボンディングパッドは、出力信号用の電源入力パッド、アースパッド及び信号出力用パッドであり、残る5つは信号調整用パッドである。
【0027】
<圧力検出ユニット100の組立工程>
圧力検出ユニット100を組み立てる工程を、以下に説明する。まずベース110に形成された貫通穴116に、アース用の端子ピン160、電源入力用の端子ピン162及び信号出力用の端子ピン164をそれぞれ挿通し、3本の端子ピン160、162、164と、ベース110とをロウ付けすることにより接合固定する。
【0028】
具体的には、ベース110に形成された貫通穴116と端子ピン160、162、164との間に、それぞれ銀ロウ等のロウ材を介在させた状態で所定の温度に加熱することにより、ベース110のセラミックスと端子ピン160、162、164の金属との間にロウ付け部を形成する。
【0029】
このとき、ロウ付け作業を行う前に、ベース110の上記ロウ材と接触する面に予めメタライズ層(例えばMo−Mn層等又はタングステン層を主成分とする)を形成しておくことにより、セラミックス材料とロウ材との濡れ性を高めることができる。
【0030】
続いて、リング部材140の上面148に、ベース110の突出部112をロウ付けによって接合する。具体的には、ベース110とリング部材140との間に、例えば銀ロウ等のロウ材を介在させた状態で所定の温度に加熱することにより、ベース110のセラミックス材料とリング部材140の金属材料との間に全周でロウ付け部Bを形成する。
【0031】
このとき、ロウ付け作業を行う前に、ベース110のロウ材と接触する面に予めメタライズ層(例えばMo−Mn層等又はタングステン層を主成分とする)を形成しておくことにより、セラミックス材料とロウ材との濡れ性を高めることができる。
【0032】
続いて、ベース110の中央部に、半導体型圧力検出装置150をダイボンディングする。その後、半導体型圧力検出装置150のアースパッド、電源入力パッド及び信号出力用パッドと、3本の端子ピン160、162、164の一端とを、それぞれボンディングワイヤ166を介して電気的に接続する。
【0033】
更に、ベース110内に露出した半導体型圧力検出装置150の圧力検出素子154における上述した8つのパッドに、それぞれ通電用のプローブを接触させ、圧力検出素子154の温度補正作業(トリミング作業)を行う。
【0034】
ここでは、基準となる温度(例えば室温)下で圧力検出素子154に荷重(圧力)を負荷した状態で、信号出力用パッドあるいは調整用パッドから出力される出力値を読み取り、所定の圧力と出力との相関を取得して補正係数(補正関数)を設定する。
【0035】
最後に、受け部材120とリング部材140との間にダイアフラム130を挟み込み、ベース110とダイアフラム130との間に形成される受圧空間S1に液状媒質を充填した状態で、受け部材120とリング部材140との重ね合わせ部の外縁に、外周方向からレーザー光を照射して相対的に回転させ、連続的に周溶接(W)して一体化する。これにより、受け部材120とダイアフラム130とリング部材140とが一体化されて受圧構造体を構成する。
【0036】
尚、周溶接の手法として、レーザー光や電子ビームを照射するレーザー溶接に限られず、アークを用いるアーク溶接等の溶融溶接、あるいはシーム溶接等の抵抗溶接を適用することが可能であるが、溶接によるひずみの低減等を考慮すれば、入熱の小さいレーザー溶接や電子ビーム溶接等を適用することが好ましい。
【0037】
図3から明らかなように、溶接部Wは、リング部材140とベース110の突出部112とのロウ付け部Bに対して圧力検出ユニット100(すなわちリング部材140)の軸線Xに直交する方向に偏位しており、すなわち溶接部Wとロウ付け部Bとは軸線Xに直交する方向に互いにずれている。言い換えると、ロウ付け部Bは、リング部材140の軸線方向から見て、溶接部Wと重ならないように設けられている。また、ベース110とリング部材140とのロウ付け部Bは、受け部材120とリング部材140との溶接部Wから、リング部材140の厚さ寸法より離間している。溶接部Wをロウ付け部Bから遠ざけることで、溶接時の熱の影響がロウ付け部Bに及ぶことを極力抑制できる。
【0038】
図2に一点鎖線で示す流体流入管30は、例えば銅合金やアルミ合金等の金属材料からなる管状部材であって、保持部材180の小円柱部183の外周に螺合して接合され、更にO−リングOR2によりその上端と保持部材180とが密封的に連結される。
【0039】
<圧力センサ>
図4は、第1の実施形態による圧力検出ユニット100を取り付けた圧力センサの縦断面図である。
【0040】
図4に示すように、圧力センサ1は、
図1、2で例示した本実施形態による圧力検出ユニット100と、上記圧力検出ユニット100から突出する3本の端子ピン(160のみ図示)の一端が取り付けられるフレキシブルプリント基板20と、フレキシブルプリント基板20に取り付けられるコネクタピン22と、コネクタピン22をインサート成形してなる樹脂製の雄コネクタ(コネクタ部材)190と、保持部材180とを含む。不図示の雌コネクタを雄コネクタ190に嵌合させることで、圧力検出ユニット100で検出した信号を、コネクタピン22を介して外部に出力できるようになっている。
【0041】
雄コネクタ190は、下部中空筒部191と、上部中空筒部192とを有し、下部中空筒部191の下面にフレキシブルプリント基板20の一端が取り付けられている。フレキシブルプリント基板20の他端は、圧力検出ユニット100の3本の端子ピン(160,162のみ図示)と電気的に接続されている。
【0042】
<圧力センサの組立工程>
図4を参照して、圧力センサ1の組み立て工程を説明する。圧力センサ1を組み立てる際には、まず圧力検出ユニット100のベース110から突出する3本の端子ピンの一端を、雄コネクタ190に取り付けられたフレキシブルプリント基板20の各配線に、はんだ付け等で電気的に接続する。
【0043】
続いて、雄コネクタ190を上方から圧力検出ユニット100に接近させ、下部中空筒部191の下面をベース110の上面に突き当てる。
【0044】
次いで、周溝186にO−リングOR1を配置した保持部材180を下方から相対的に接近させ、O−リングOR1を受け部材120の下面に突き当てる。かかる状態を維持しつつ、大円筒部181の上端の薄肉部187を全周で(又は6か所等間隔に)内側にカシメて塑性変形させ、それによりカシメ部CKを形成して雄コネクタ190の下部中空筒部191の上端近傍に固定する。これにより、圧力検出ユニット100が、保持部材180と雄コネクタ190とにより挟持されて保持される。ただし、大円筒部181とベース110との間には、径方向の隙間が存在する。
【0045】
このように、保持部材180の上端をカシメるのみで、雄コネクタ190と結合できるため、製造設備が簡素化され、また工数低減を図れる。
【0046】
このとき、O−リングOR1を介して保持部材180と受け部材120とが全周で当接し、加圧空間S2からの液漏れを防止するようになっている。
【0047】
圧力センサ1において、流体流入管30(
図2参照)を介して導入される圧力検出対象の流体は、圧力検出ユニット100の加圧空間S2に入り、その圧力でダイアフラム130を変形させる。
【0048】
ダイアフラム130が変形すると、受圧空間S1内の液状媒質が加圧され、ダイアフラム130を変形させた圧力が半導体型圧力検出装置150の圧力検出素子154に伝達される。
【0049】
圧力検出素子154は、上記伝達された圧力の変動を検知して電気信号に変換し、信号出力用の端子ピン164を介して電気信号をフレキシブルプリント基板20に出力する。
【0050】
そして、上記電気信号はコネクタピン22及び不図示の雌コネクタを介して、外部の機器に出力される。
【0051】
これらの構成を備えることにより、本発明の一実施例による圧力検出ユニット100及びこれを適用した圧力センサ1は、半導体型圧力検出装置150を取り付けるベース110を熱膨張係数の小さいセラミックス材料で形成したため、圧力検出ユニット100の組立製造時や圧力センサ1の使用温度環境の変化等によりベース110が膨張あるいは収縮することを抑制できる。
【0052】
また、ベース110を熱膨張係数の小さいセラミックス材料で形成したことにより、従来の金属材料でベースを形成したものに比べて、高温あるいは低温の厳しい使用環境に晒された場合であってもベース110の形状や寸法の変動が小さくなるため、半導体型圧力検出装置150の温度環境による検出精度の低下を抑制することができる。
【0053】
そして、ベース110をセラミックス材料で形成したことにより、従来型の圧力検出ユニットでベースに端子ピンを埋め込む際に用いられたガラス製のハーメチックシールをロウ付け部で代替できるため、脆弱なハーメチックシール部が破損して受圧空間に封入した液状媒質がリークすることを防止できる。
【0054】
さらに、本発明の一実施例による圧力検出ユニット100及びこれを適用した圧力センサ1は、予め受け部材120とリング部材140との間にダイアフラム130を挟んで一体化した受圧構造体を形成し、当該受圧構造体のリング部材140にベース110を接合する構造としたため、薄板で比較的弱いダイアフラム130を受け部材120及びリング部材140で補強することができる。
【0055】
<第2の実施形態>
図5は、第2の実施形態にかかる圧力検出ユニットを用いた圧力センサ1の断面図である。
図6は、第2の実施形態にかかる圧力検出ユニットの
図3と同様な断面図である。上記実施の形態に対して、異なる部分について説明する。
【0056】
本実施の形態においては、リング部材と受け部材の形状が異なる。より具体的に、リング部材140Aは、SUS等の板材をプレスすることで形成され、環状部141と、環状部141の外周から直角に折り曲げられ軸方向上方に延在する円筒部142とを有する。
【0057】
一方、受け部材120Aも、SUS等の板材をプレスで折り曲げて形成され、径方向に延在する受け部環状部121と、受け部環状部121の外周から直角に折り曲げられ軸方向上方に延在する受け部円筒部(筒状部ともいう)122とを有する。受け部環状部121の上面は環状部141の下面と密着している。又、受け部円筒部122の内周面と円筒部142の外周面とが密着し、且つそれらの上端は面一となっている。
【0058】
図6に示すように、ベース110の突出部112の下面と、リング部材140Aの環状部141の上面とが、ロウ付け(B)される。また、受け部円筒部122と円筒部142の上端の重ね合わせ部が、溶接(W)される。それ以外の構成は上述した実施の形態と同様であるため、同じ符号を付して説明を省略する。
【0059】
本実施形態によれば、溶接部Wが、リング部材140とベース110の突出部112とのロウ付け部Bに対して圧力検出ユニット100(すなわちリング部材140)の軸線Xに直交する方向に偏位しており、また、受け部円筒部122と円筒部142の上端の重ね合わせ部に形成されている。したがって、上述した実施の形態に対し、更に溶接部Wをロウ付け部Bから遠ざけることで、溶接時の熱の影響がロウ付け部Bに及ぶことを抑制できる。
【0060】
<第3の実施形態>
図7は、第3の実施形態にかかる圧力検出ユニットを用いた圧力センサ1の断面図である。
図8は、第3の実施形態にかかる圧力検出ユニットの
図3と同様な断面図である。上記実施の形態に対して、異なる部分について説明する。
【0061】
本実施の形態においては、リング部材と受け部材の形状が異なる。より具体的に、リング部材140Bは、SUS等の板材をプレスすることで形成され、環状部141と、環状部141の外周から直角に折り曲げられ軸方向下方に延在する円筒部142とを有する。
【0062】
一方、受け部材120Bも、SUS等の板材をプレスで折り曲げて形成され、径方向に延在する受け部環状部121と、受け部環状部121の外周から直角に折り曲げられ軸方向下方に延在する受け部円筒部122とを有する。受け部環状部121の上面は環状部141の下面と密着している。又、受け部円筒部122の外周面と円筒部142の内周面とが密着し、且つそれらの下端は面一となっている。
【0063】
図8に示すように、ベース110の突出部112の下面と、リング部材140Bの環状部141の上面とが、ロウ付け(B)される。また、受け部円筒部122と円筒部142の下端の重ね合わせ部が、溶接(W)される。それ以外の構成は上述した実施の形態と同様であるため、同じ符号を付して説明を省略する。
【0064】
本実施形態によれば、受け部円筒部122と円筒部142とを比較的長く確保することで、受け部円筒部122と円筒部142の下端の重ね合わせ部に形成された溶接部Wが、ロウ付け部Bから遠ざかるため、溶接時の熱の影響がロウ付け部Bに及ぶことを抑制できる。また、本実施形態によれば、リング部材140Bと受け部材120Bの外径を抑えることができ、径方向の小型化を図れる。
【0065】
<第4の実施形態>
図9は、第4の実施形態にかかる圧力検出ユニットを用いた圧力センサ1の断面図である。
図10は、第4の実施形態にかかる圧力検出ユニットの
図3と同様な断面図である。上記実施の形態に対して、異なる部分について説明する。
【0066】
本実施の形態においては、リング部材の形状が異なる。より具体的に、リング部材140Cは、SUS等の板材をプレスすることで形成され、環状部141と、環状部141の内周から直角に折り曲げられ軸方向下方に延在する円筒部142とを有する。円筒部142は、下方に向かってテーパ―状に広がる形状で、下端が水平に延在するフランジ部143となっている。
【0067】
一方、受け部材120Cは、第1の実施の形態と同様なSUS等の環状の板材である。受け部材120Cの上面はフランジ部143の下面と密着している。なお、ベース110は突出部を有さず、その下面は圧力検出装置150の近傍を除き面一となっている。
【0068】
図10に示すように、ベース110の外周下面と、リング部材140Cの環状部141の上面とが、ロウ付け(B)される。また、受け部材120Cとフランジ部143の外周端の重ね合わせ部が、溶接(W)される。それ以外の構成は上述した実施の形態と同様であるため、同じ符号を付して説明を省略する。
【0069】
本実施形態によれば、円筒部142を比較的長く確保することで、受け部材120Cとフランジ部143の外周端の重ね合わせ部に形成された溶接部Wが、ロウ付け部Bから遠ざかるため、溶接時の熱の影響がロウ付け部Bに及ぶことを抑制できる。また、本実施形態によれば、リング部材140Cと受け部材120Cの外径を抑えることができ、径方向の小型化を図れる。
【0070】
<第5の実施形態>
図11は、第5の実施形態にかかる圧力検出ユニットを用いた圧力センサ1の断面図である。
図12は、第5の実施形態にかかる圧力検出ユニットの
図3と同様な断面図である。上記実施の形態に対して、異なる部分について説明する。
【0071】
本実施の形態においては、ベースとリング部材と受け部材の形状が異なる。より具体的に、ベース110は、上面外周に上面段部113を形成している。また、リング部材140Dは、SUS等の板材をプレスすることで形成され、環状部141と、環状部141の外周から直角に折り曲げられ軸方向下方に延在する円筒部142とを有する。円筒部142は、下端に水平に延在するフランジ部143を形成している。
【0072】
一方、受け部材120Dは、幅のあるSUS等の環状の板材である。受け部材120Dの上面はフランジ部143の下面と密着している。
【0073】
図12に示すように、ベース110の上面段部113と、リング部材140Dの環状部141とが、ロウ付け(B)される。また、受け部材120Dとフランジ部143の外周端の重ね合わせ部が、溶接(W)される。それ以外の構成は上述した実施の形態と同様であるため、同じ符号を付して説明を省略する。
【0074】
本実施形態によれば、円筒部142を比較的長く確保することで、受け部材120Dとフランジ部143の外周端の重ね合わせ部に形成された溶接部Wが、ロウ付け部Bから遠ざかる。また、溶接部Wが、リング部材140Dとベース110のロウ付け部Bに対して圧力検出ユニット100(すなわちリング部材140)の軸線Xに直交する方向に偏位しているため、溶接時の熱の影響がロウ付け部Bに及ぶことを抑制できる。
【0075】
<第6の実施形態>
図13は、第6の実施形態にかかる圧力検出ユニットを用いた圧力センサ1の断面図である。
図14は、第6の実施形態にかかる圧力検出ユニットの
図3と同様な断面図である。上記実施の形態に対して、異なる部分について説明する。
【0076】
本実施の形態においては、ベースとリング部材の形状が異なる。より具体的に、ベース110は、外周下部に外周段部114を形成している。また、リング部材140Eは、SUS等の板材をプレスすることで形成され、環状部141と、環状部141の外周から直角に折り曲げられ軸方向上方に延在する円筒部142とを有する。
【0077】
一方、受け部材120Eは、第1の実施の形態と同様にSUS等の環状の板材である。受け部材120Eの上面は環状部141の下面と密着している。
【0078】
図14に示すように、ベース110の外周段部114と、リング部材140Eの円筒部142の上端とが、ロウ付け(B)される。また、受け部材120Eと環状部141の外周端の重ね合わせ部が、溶接(W)される。それ以外の構成は上述した実施の形態と同様であるため、同じ符号を付して説明を省略する。
【0079】
本実施形態によれば、円筒部142を比較的長く確保することで、受け部材120Eと環状部141の外周端の重ね合わせ部に形成された溶接部Wが、ロウ付け部Bから遠ざかる。また、溶接部Wが、リング部材140Eとベース110のロウ付け部Bに対して圧力検出ユニット100(すなわちリング部材140)の軸線Xに直交する方向内方に偏位しているため、溶接時の熱の影響がロウ付け部Bに及ぶことを抑制できる。更に、本実施形態によれば、リング部材140Eと受け部材120Eの外径を抑えることができ、径方向の小型化を図れる。
【0080】
<第7の実施形態>
図15は、第7の実施形態にかかる圧力検出ユニットを用いた圧力センサ1の断面図である。
図16は、第7の実施形態にかかる圧力検出ユニットの
図3と同様な断面図である。上記実施の形態に対して、異なる部分について説明する。
【0081】
本実施の形態においては、ベース110の形状を第2の実施形態と同様なものとし、リング部材140Eと受け部材120Eは第6の実施形態と同様なものとしている。
図14に示すように、ベース110の外周と、リング部材140Eの円筒部142の上端内周とが、ロウ付け(B)される。また、受け部材120Eと環状部141の外周端の重ね合わせ部が、溶接(W)される。それ以外の構成は上述した実施の形態と同様であるため、同じ符号を付して説明を省略する。
【0082】
本実施形態によれば、円筒部142を比較的長く確保することで、受け部材120Eと環状部141の外周端の重ね合わせ部に形成された溶接部Wが、ロウ付け部Bから遠ざかる。また、溶接部Wが、リング部材140Eとベース110のロウ付け部Bに対して圧力検出ユニット100(すなわちリング部材140)の軸線Xに直交する方向内方に偏位しているため、溶接時の熱の影響がロウ付け部Bに及ぶことを抑制できる。更に、本実施形態によれば、リング部材140Eと受け部材120Eの外径を抑えることができ、径方向の小型化を図れる。
【0083】
<第8の実施形態>
図17は、第8の実施形態にかかる圧力検出ユニットを用いた圧力センサ1の断面図である。
図18は、第8の実施形態にかかる圧力検出ユニットの
図3と同様な断面図である。上記実施の形態に対して、異なる部分について説明する。
【0084】
本実施の形態においては、ベースとリング部材の形状が異なる。より具体的に、ベース110は、外周下部にテーパー部115を形成している。また、リング部材140Fは、SUS等の板材をプレスすることで形成され、環状部141と、環状部141の内周から折り曲げられ軸方向上方に延在する円筒部142とを有する。円筒部142は、テーパー部115に対応して、上方に向かって開いた円錐台形状を有する。
【0085】
一方、受け部材120Fは、第1の実施の形態と同様なSUS等の環状の板材である。受け部材120Fの上面は環状部141の下面と密着している。
【0086】
図14に示すように、ベース110のテーパー部115の外周と、リング部材140Fの円筒部142の内周とが、ロウ付け(B)される。また、受け部材120Fと環状部141の外周端の重ね合わせ部が、溶接(W)される。それ以外の構成は上述した実施の形態と同様であるため、同じ符号を付して説明を省略する。
【0087】
本実施形態によれば、円筒部142を比較的長く確保することで、受け部材120Eと環状部141の外周端の重ね合わせ部に形成された溶接部Wが、ロウ付け部Bから遠ざかる。また、本実施形態によれば、リング部材140Fと受け部材120Fの外径を抑えることができ、径方向の小型化を図れる。
【0088】
なお、本発明は上記の各実施例に限定されるものではなく、種々の改変を施すことができる。