(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6688552
(24)【登録日】2020年4月8日
(45)【発行日】2020年4月28日
(54)【発明の名称】ダブルサイト
(51)【国際特許分類】
F41G 1/02 20060101AFI20200421BHJP
【FI】
F41G1/02
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2019-145100(P2019-145100)
(22)【出願日】2019年8月7日
【審査請求日】2019年8月9日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】719004773
【氏名又は名称】蛯澤 薫
(72)【発明者】
【氏名】蛯澤 薫
【審査官】
畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭60−069498(JP,A)
【文献】
実開平06−040695(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2017/0059276(US,A1)
【文献】
米国特許第08800190(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F41G 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
銃のサイト装置において、
フロントサイトは、板状の右目用フロントサイトと、板状の左目用フロントサイトとで構成され、
右目用フロントサイト及び左目用フロントサイトは、上面視で前方に向かって拡幅するハの字状に配置され、
左目の視線軸が右目用フロントサイトの板平面と一致し、右目の視線軸が左目用フロントサイトの板平面と一致するフロントサイトを同時に使用して照準するオープンサイト装置。
【請求項2】
フロントサイトを透明板で構成し、左右側面の平面だけ黒染め塗装して、左目の視線軸が右目用フロントサイトの黒染め塗装した板側面の平面と一致し、右目の視線軸が左目用フロントサイトの黒染め塗装した板側面の平面と一致する請求項1のサイト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射撃時の反動が無いトイエアガンか、又は反動が少ない実銃に装着されて使用される照準装置に関するものである。より詳細には両眼視で照準するオープンサイト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
サバイバルゲームで使用されるトイエアガンでは、先に相手を索敵発見できる広い視野とその後迅速に照準射撃ができるかどうかで勝負が決まる。 一般にガンの照準はフロントサイトとリアサイトの照準線一致によってなされるオープンサイトか、外部取り付け方式でドットサイト、スコープなどが使用される。(
図1参照)
【0003】
しかし、フロントサイトとリアサイトを使用するオープンサイトの射撃方式は目標捕捉後一旦移動を停止する。それから半身に構えて片目で目標を目視して、視線とフロントサイトからリアサイトまでの照準線が一致する様に銃を移動し射撃する。この方式の操作時間は銃を扱う使用者の熟練度により大きく左右される。その上射撃中は片目の為視界が狭くなり周りの警戒量が落ちる。サバイバルゲームでは多数の敵を同時に相手にするので、見落とした新たな敵に撃たれてしまう事が多い。またドットサイト、スコープなどでは射撃中の視界がより狭くなりより高度な射撃技術を必要とする。
【0004】
その上、市販されているトイエアガンのBB弾の発射速度は銃刀法で規制されているので遅く、6mmBB弾0,25gで初速88,9m/s以下である。そのため外で行われるサバイバルゲームでは風の影響を強く受ける。市販されているトイエアガンp−90をサンプルにして、射撃時の銃口での初速を実測してみると77m/s前後であり、銃口から30mの地点では34m/s前後であった。平均てき横風3m/sの場合30m先で標的から1,62m横に外れる。片眼視では光量少なくBB弾の弾道を追うことはできないが、両眼視ではBB弾の弾道を直視でき横えのズレを確認しながら銃芯の向きを変え標的に当てることができる。片目、ドットサイト又はスコープを使用時は光量が少なく飛んでいくBB弾を目で追う事は難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特願2014−167902
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする問題点は、サバイバルゲーム中、一瞬で照準し射撃できない事と,照準時飛んでいくBB弾を目で追う事ができない点である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の目的を達成するために銃身先端部フロント左右にフロントサイトを設ける。左右のフロントサイトの間隔は左目で左側フロントサイトを通して目標物を照準し右目で右側フロントサイトを通して目標物を照準できる間隔に設定する。
【0008】
さらにフロントサイトに対し銃身と平行に目標物を照準できるリアサイトを設ける。
【0009】
さらに、左右にフロントサイトを板状の物で構成し、右フロントサイトの平面を左目の視線軸に合わせる。また、左フロントサイトの平面を右目の視線軸に合わせる。(
図2参照)
【発明の効果】
【0010】
本発明によればトイエアガンなどの射撃時反動の無い銃か、又は反動の少ない実銃に両眼視で照準ができる軽量なオープンサイト装着を提供できる長所がある。
【0011】
サバイバルゲーム中サイトの構成部品が少なく前面の構造物が少ないので広く索敵できる。また発見後一瞬で照準し射撃できる。その上、照準時飛んでいくBB弾を目で追う事ができ、風による影響での目標物に対するずれを簡単に補正できる。横風の場合風上に移動しながら照準射撃が出来る。射撃操作中相手の弾は風に流されあたらない。さらに銃を身体の真正面に保持できるので両目を開いて走り回りながら照準射撃できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は実銃でのオープンサイトの使用例を示した図である。
【
図2】
図2は実施例1の使用例を示した図である。(実施例1)
【
図3】
図3は実施例1の斜視図である。(実施例1)
【
図4】
図4はの平面図で作用を説明した解説図である。(実施例1)
【
図5】
図5は実施例1の側面説明図である。(実施例1)
【
図6】
図6は実施例1の正面図である。(実施例1)
【
図7】
図7は実施例1で右目を閉じた状態で視認出来るフロントサイトと目標物を表した説明図である。(実施例1)
【
図8】
図8は実施例1で左目を閉じた状態で視認出来るフロントサイトと目標物を表した説明図である。(実施例1)
【
図9】
図9は実施例1の両目視で視認出来るフロントサイトと目標物を表した説明図である。(実施例1)
【
図12】
図12は実施例2で右目を閉じた状態で視認出来るフロントサイトと目標物を表した説明図である。(実施例2)
【
図13】
図13は実施例2で左目を閉じた状態で視認出来るフロントサイトと目標物を表した説明図である。(実施例2)
【
図14】
図14は実施例2の両目視で視認出来るフロントサイトと目標物を表した説明図である。(実施例2)
【
図15】
図15は実施例3で右目を閉じた状態で視認出来るフロントサイトと目標物を表した説明図である。(実施例3)
【
図16】
図16は実施例3で左目を閉じた状態で視認出来るフロントサイトと目標物を表した説明図である。(実施例3)
【
図17】
図17は実施例3の両目視で視認出来るフロントサイトと目標物を表した説明図である。(実施例3)
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0013】
図3は、本発明ダブルサイト装置の実施例1の斜視図であって、aはトイエアガンp−90、cは右フロントサイト、bは左フロントサイト、fは左リアサイト支柱、gは右リアサイト支柱、hはリアサイト水平軸である。
【0014】
図4は、本発明ダブルサイト装置の実施例1の平面説明図あって、abcfghは
図3と同じである。eは右眼球、dは左眼球、iは目標物である。眼球から目標物までの距離を30mで設定し、眼球とフロントサイトの間隔を450mmに設定してある。眼球間66mmの人で目標物へ焦点を合わせる場合、左右フロントサイト間は65mmになる。
【0015】
フロントサイトの形状が右目用と左目用が異なるフロントサイトを板状の物で構成して、c右フロントサイト平面とd左眼球視線を合わせる。同じようにb左フロントサイト平面にe右眼球視線軸を合わせる。
【0016】
リアサイト支柱を板状の物で構成してg右リアサイト支柱平面とe右眼球視線軸を合わせる。同じようにf左リアサイト支柱平面にd左眼球視線軸を合わせる。
【0017】
図5は実施例1の側面図である。hリアサイト水平軸とフロントサイトcb上端を結ぶ線が銃身と平行に設定されている。
【0018】
図6は実施例1の正面図である。cbfghは
図3と同じである。
【0019】
図7は実施例1で照準時右目を閉じた場合見える照準像である。
図8は実施例1で照準時左目を閉じた場合見える照準像である。
図9は実施例1で照準時両目視で見える合成された照準像である。
【実施例2】
【0020】
図10は実施例2の斜視図である。リアサイトは実施例1と同じ物を使用している。
フロントサイトの形状が右目用と左目用が異なる、フロントサイトを板状の物で構成してc右フロントサイト平面とd左眼球視線を合わせる。同じようにb左フロントサイト平面にe右眼球視線軸を合わせる。 フロントサイトcとフロントサイトbは
上端部を結合して一体型で構成している。そして、上端部を結合しているので実施例1より薄い板で製作できる。また、上端部が鋭利でなく安全である。
【0021】
図12は実施例2で照準時右目を閉じた場合見える照準像である。
図13は実施例2で照準時左目を閉じた場合見える照準像である。
図14は実施例2で照準時両目視で見える合成された照準像である。実施例2のフロントサイトは薄い板で製作できるので、照準時見える外側のフロントサイトcbは実施例1より細く見やすい。
【実施例3】
【0022】
図11は実施例3の斜視図である。リアサイトは実施例1と同じ物を使用している。
フロントサイトの形状が右目用と左目用が異なる、フロントサイトcとフロントサイトbは
左右側面の平面だけ黒染め塗装して、透明な樹脂板一体型で製作している。そして、
フロントサイトを板状の物で構成してc右フロントサイト平面とd左眼球視線を合わせる。同じようにb左フロントサイト平面にe右眼球視線軸を合わせ実施例1の板と同じ作用効果をしている。
【0023】
図15は実施例3で照準時右目を閉じた場合見える照準像である。
図16は実施例3で照準時左目を閉じた場合見える照準像である。
図17は実施例3で照準時両目視で見える合成された照準像である。側面が塗装面で製作できるので照準時見える外側のフロントサイトabは実施例2より薄く見えにくく中央のフロントサイトbcが鮮明になる。
【産業上の利用可能性】
【0024】
サバイバルゲーム中、サイトの構成部品が少なく前面の構造物が少ないので広く索敵できる。また敵を発見後一瞬で照準し射撃できる。その上、照準時目標物に飛んでいくBB弾を目で追う事ができ、風などによる影響での目標物に対するズレを簡単に補正できる。さらに銃を身体の真正面に保持できるので、走り回りながら照準し射撃できる。特に横風の場合、風上に移動しながらの照準射撃では、射撃操作中相手の弾は風に流されあたらない。この発明により同じ条件の下で優位に立ちながら射撃する事ができ、相対する相手に撃ち勝事が出来る。
【符号の説明】
【0025】
a P−90トイエアガン
b 左フロントサイト
c 右フロントサイト
d 左眼球
e 右眼球
h リアサイト水平軸
i 目標物
j フロントサイト
k リアサイト
【要約】 (修正有)
【課題】一瞬で照準し射撃でき、且つ、飛んでいくBB弾を目で追う事ができるトイエアガン用サイト装置を提供する。
【解決手段】銃身先端部フロント左右にフロントサイトb,cを設ける。左右のフロントサイトの間隔は左目で左側フロントサイトを通して目標物を照準し右目で右側フロントサイトを通して目標物を照準できる間隔に設ける。さらにフロントサイトにたいし銃身と平行に目標物を照準できるリアサイトf,gを設ける。そして、左右にフロントサイトを板状の物で構成し右フロントサイトの平面を左目の視線に合わせ、また、左フロントサイトの平面を右目の視線に合わせる事で照準する。
【選択図】
図3