特許第6688580号(P6688580)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6688580
(24)【登録日】2020年4月8日
(45)【発行日】2020年4月28日
(54)【発明の名称】グリッパ
(51)【国際特許分類】
   B25J 15/08 20060101AFI20200421BHJP
【FI】
   B25J15/08 B
【請求項の数】15
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-184795(P2015-184795)
(22)【出願日】2015年9月18日
(65)【公開番号】特開2016-60041(P2016-60041A)
(43)【公開日】2016年4月25日
【審査請求日】2018年9月11日
(31)【優先権主張番号】62/052,761
(32)【優先日】2014年9月19日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/854,117
(32)【優先日】2015年9月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501465366
【氏名又は名称】デラウエア キャピタル フォーメイション、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100095614
【弁理士】
【氏名又は名称】越川 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー ビー. ツィンマーマン
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア モーゼス
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト ダブリュー. マッカーサー
【審査官】 松田 長親
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−151889(JP,A)
【文献】 特開平02−190281(JP,A)
【文献】 特開平04−201080(JP,A)
【文献】 特開平07−016657(JP,A)
【文献】 実開平02−109001(JP,U)
【文献】 特開平08−187688(JP,A)
【文献】 特開2014−065110(JP,A)
【文献】 特開平02−269593(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00−21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持部および動力部を有する本体と、
前記本体の動力部内に動力アセンブリと、
前記支持部上に固定顎と、
枢動ピンを中心にして前記支持部に枢動可能に固定される可動顎と、スロット内で前記可動顎に接続される前記動力アセンブリのロッドとを備えるグリッパであって、前記枢動ピンが前記支持部の前記固定顎から離れた位置に配置され、さらに前記枢動ピンが前記ロッドの軸をはさんで前記固定顎に対して反対側に配置され、前記可動顎の締め付けない方の端部が前記グリッパの前記固定顎側の前記本体の端面より下に伸びることができない構成とされ、前記動力部の外周面上に、ロボットの端部に固定される工具品取り付け部を保持するための保持部材をさらに備える、グリッパ。
【請求項2】
前記固定顎が部品の存在を感知するためのセンサを含む、請求項1に記載のグリッパ。
【請求項3】
前記固定顎がダイ挿入のためのナイフエッジを含む、請求項1に記載のグリッパ。
【請求項4】
前記可動顎のスロットが全体的に平たいV字形状を有する、請求項1に記載のグリッパ。
【請求項5】
溝と結合して工具取り付け部を前記動力部上に保持するための取り付けキーを含む前記工具取り付け部をさらに備える、請求項に記載のグリッパ。
【請求項6】
ピストンの起動のために流体が流れることを可能にするために、軸方向の穴が、前記動力部を画定する円筒壁に形成される、請求項1に記載のグリッパ。
【請求項7】
プラグが、前記動力部の外側端部において前記軸方向の穴をシールする、請求項に記載のグリッパ。
【請求項8】
グリッパを受け入れるための端部を有するロボットと、
前記ロボットの端部と接続する機構を有するグリッパとを備えるロボットおよびグリッパであって、前記グリッパは、
顎支持部および動力部を有する本体と、
前記本体の動力部内に動力アセンブリと、
前記顎支持部上に固定顎と、
枢動ピンを中心にして前記顎支持部に枢動可能に固定される可動顎と、スロット内で前記可動顎に接続される前記動力アセンブリのロッドとをさらに備え、前記枢動ピンが前記顎支持部の前記固定顎から離れた位置に配置され、さらに前記枢動ピンが前記ロッドの軸をはさんで前記固定顎に対して反対側に配置され、前記可動顎の締め付けない方の端部が前記グリッパの前記固定顎側の前記本体の端面より下に伸びることができない構成とされ、前記動力部の外周面上に、ロボットの端部に固定される工具品取り付け部を保持するための保持部材をさらに備える、ロボットおよびグリッパ。
【請求項9】
支持部および動力部を有する本体と、
前記本体の動力部内に動力アセンブリと、
前記支持部上に一対の顎と、スロット内で前記顎の少なくとも1つに接続される前記動力アセンブリのロッドとを備えるグリッパであって、
前記動力部は、保持部材を有する外面と、
前記グリッパをロボットに取り付けるための取り付け部とを含み、前記取り付け部は、前記グリッパを前記取り付け部に固定するための前記保持部材に結合する部材を含むグリッパ。
【請求項10】
前記保持部材が、前記動力部の外周面に、前記取り付け部の前記部材に結合するための溝をさらに備える、請求項に記載のグリッパ。
【請求項11】
2方向に取り付け可能なセンサブラケットをさらに備え、前記2方向に取り付け可能なセンサブラケットは前記クレビス部の一方の側から他方の側に移動可能である、請求項1に記載のグリッパ。
【請求項12】
対称なシート止め具の摩耗耐用期間を延ばすために両面使用可能な前記対称なシート止め具をさらに備える、請求項1に記載のグリッパ。
【請求項13】
前記固定顎を配置するための棚を前記支持部上にさらに備える、請求項1に記載のグリッパ。
【請求項14】
前記枢動ピンを容易に取り除くことを可能にするための、前記枢動ピンに並ぶ案内穴を前記支持部にさらに備える、請求項1に記載のグリッパ。
【請求項15】
前記グリッパの本体にワイヤを受け入れるためのスロットをさらに備え、前記スロットが取り付け部により覆われる、請求項1に記載のグリッパ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
【0002】
本出願は、2014年9月19日に出願された米国特許仮出願第62/052,761号の利益を主張するものである。上記出願の全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
本開示は、板金の把持に関し、具体的には軽量で設計が単純なグリッパに関する。
【背景技術】
【0004】
プレス工場の自動化のための現在の板金グリッパは、比較的大きく重い。プレス操作の速度を制限する要因は、板金をある場所から次の場所へどれほど速く移動させられるかという速度にある。ロボットの端部にかかる重量が重いほど、加えられるモーメントの増加によりロボットの動きは遅くなる。よって、把持特性を維持しながらグリッパの重量を減らすことが望まれている。
【0005】
よって、本開示は、同等の把持特性を提供しながら重量を減らしたグリッパを提供する。本開示は、アルミニウムから形成されたグリッパを提供する。移動顎は、独特のカムプロフィールのほか、可動顎の把持しない方の端部がグリッパ本体の端面より下に突出することを防止する枢着部を提供する。グリッパの設置面積は、現在市場に出ているものと比べて小さいが、同等の把持力を提供する。グリッパの速度は比較的速い。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によると、グリッパは、クレビス部および円筒部を有する本体を備える。ピストンアセンブリが、円筒部の穴の中に配置される。固定顎が、クレビス部に固定される。可動顎が、枢動ピンを中心にしてクレビス部に枢動可能に固定される。ピストンアセンブリからのロッドが、スロット内で可動顎に固定される。枢動ピンが、ロッド軸をはさんで固定顎とは反対側でクレビス部に配置される。可動顎の締め付けない方の端部は、グリッパの固定顎側の本体の端面より下に伸びることができない。工具品取り付け部を保持するために、本体の円筒部の外周面に溝が形成される。固定顎は、部品の存在を感知するための一体型センサを含む。固定顎は、ダイ挿入のためのナイフエッジを含む。可動顎のスロットは、全体的に平たいV字形の形状を有する。溝と結合するための取り付けキーを含む工具取り付け部は、工具取り付け部を円筒部に保持する。円筒部の本体を画定する壁に、軸方向の穴が形成される。軸方向の穴は、ピストンの起動のために流体が流れることを可能にする。プラグが、円筒部の外面にある穴の軸端部をシールする。
【0007】
他の適用性の範囲は、本明細書中の記載から明らかになるであろう。本概要の記載および特定の例は、例示の目的のみを意図しており、本開示の範囲を制限することを意図していない。
【0008】
本明細書中の図面についての記載は、特定の実施形態についてのみ例示することを目的とし、想定される実施形態の全てについての例示を目的としていない。さらに、本明細書中の図面についての記載は、本開示の範囲を制限することを意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】ロボットの端部に固定されたグリッパの斜視図である。
図2】グリッパおよび工具品取り付け部の分解斜視図である。
図3】把持位置にあるグリッパの正面斜視図である。
図4】グリッパの分解斜視図である。
図5図4の上面図である。
図6図5の線6−6に沿った断面図である。
図7図5の線7−7に沿った断面図である。
図8】グリッパの後面斜視図である。
図9】グリッパの底面図である。
図10】第1のブラケットアセンブリの分解斜視図である。
図11】第2のブラケットアセンブリの分解斜視図である。
図12】調整具の上面図である。
図13】調整具をグリッパに配置したグリッパの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付の図面を参照しながら、実施形態の例について以下により詳細に記載する。
【0011】
図面を見ると、グリッパが図示され参照符号10で示されている。工具品取り付け部12が、グリッパ10を固定するように図示されている。工具品取り付け部12は、ロボット14の端部に固定される。
【0012】
工具取り付け部12は、ロボット14に付着するボール16を含む。さらに、工具品取り付け部12は、カラー18およびねじ付きブロック20を含む。ボール16は、カラー18に固定される。取り付けキー22は、ブロック24とブロック26との間に通され、ファスナ28により固定される。取り付けキー22は、延在部30を有する。延在部30は、後ほど説明するように、グリッパ10の溝66内に突出する。
【0013】
グリッパ10は、本体40を含む。本体40は、一般的にアルミニウム製または他の軽金属製の一体型構造である。本体40は、本明細書中で円筒部として例示される動力部42、および本明細書中でクレビス部として例示される顎支持部44を含む。円筒部42は、本明細書中でピストンアセンブリとして例示される動力アセンブリ46の筐体として機能する。ピストンアセンブリは、ピストンロッド48、ロッドシール49、および外側シール52を有するピストン50を含む。円筒部42は、ピストンアセンブリを受け入れるための円筒形穴54を含む。円筒穴54の端部は、Oリングシール58を有する穴プラグ56により閉鎖される。保持スプリングクリップ60は、クリップ60と内周溝62との接触により円筒形穴54内で穴プラグ56とシール58とを固定する。
【0014】
円筒部42の外周面64は、円周溝66を含む。円周溝66は、取り付けキー22の延長部30を受け入れる。延長部30は、工具品取り付け部12と本体40の円筒部42とを位置決めして維持する。
【0015】
円筒部42の円筒壁68は、軸方向の穴70を含む。軸方向の穴70は、アウトレット72を含む。アウトレット72は、流体の円筒形穴54への流入を可能にする。軸方向の穴70は、円筒部42の円筒壁68を通って開けられる。軸方向の穴70は、プラグ74により閉鎖される。プラグ74は、円筒壁68の外側端面75に挿入される。穴70の内側端部は、穴76と結合する。穴76は流体導管78を受け入れる。第2の穴80は、流体導管82を受け入れる。さらに、第2の穴80は、クレビス部44のウェブ94に形成される。穴80は流体アウトレット84と結合される。流体アウトレット84は、流体の円筒形穴54への流入を可能にする。
【0016】
顎支持部またはクレビス部44は、U字形であり、ウェブ部94を介して接続された一対のアーム90、92を有する。ウェブ部94は、流体導管78、82を受け入れる一般的にねじ付きの穴76、80を含む。アーム90、92の内面は、ガイド面96により画定されるガイド溝95を含んでもよい。ガイド面96は互いに対向し、ガイド溝95は、駆動用ジャーナルピン98を受け入れてもよい。さらに、棚97がガイド溝95に隣接して配置される。棚97は、固定下顎110をクレビス部44に設置する。ジャーナルピン98は、ブッシュも軸受けもなしで、溝内で動く。これにより小型のグリッパが提供され、可動顎104が本体の底面を破壊することを防止するのに役立つ。アーム90、92は、可動顎104用の枢動ピン102を受け入れる開口100を含む。枢動ピン102は、C形クリップ101により開口100内に保持される。C形クリップ101は、クレビス部44のアーム90のうちの1つにある溝103に嵌る。アーム92は、穴100よりも小さい案内穴105を含む。案内穴105は、パンチ等が案内穴105に受け入れられること、およびパンチ等が枢動ピン102と接触して枢動ピン102をクレビス部44のアーム90、92から取り除くことを可能にする。アーム90、92は、ファスナ108がアーム90とアーム92との間のギャップの中を通ることを可能にする穴106を含む。ファスナ108は、棚94に接する下顎110をクレビス部44とともに固定する。光センサ115が、アーム92に固定されてもよい。さらに、ダブルブランク検出センサ117が、アーム90に取り付けられてもよい。止め具123と協働して、ダブルブランク検出センサは、異なる部品の厚みに対して調整可能である。
【0017】
下顎110は、一対の延在するアーム114を有するウェブ112を含む。アーム114は、ファスナ108を受け入れる開口116を含む。ウェブ112は、センサ118を受け入れる穴119を含む。センサ118は、顎104と顎110との間にある部品の存在を感知する。基部112は、下顎のナイフエッジ120を含む。ナイフエッジ120は、ダイへの挿入を可能にする。
【0018】
センサ118が穴119に配置されるとき、センサ118はファスナによりウェブ112に固定される。ワイヤ121が、センサ118から伸びる。ワイヤ121は、下顎110のアーム114同士の間にある開口部を通り抜ける。ワイヤ121は、本体40の溝125へと続く。溝125は、ワイヤを囲繞して保護し、ワイヤ121が本体40上を移動することを防止する。さらに、工具取り付けカラー18が、ワイヤを囲繞し、ワイヤを本体の所定の位置に固定する。
【0019】
可動顎104は、一対の延在するアーム132を有する本体130を含む。可動顎104は、アルミニウム、好ましくは7075+6アルミニウムから製造される。アーム132は、枢動ピン102を受け入れる開口134を含む。さらに、アームは、駆動ジャーナルピン98を受け入れるスロット136を含む。駆動ジャーナルピン98は、ピストンロッド48に固定されるピンクレビス135内に保持される。スロット136は全体的に平たいV字形状を有し、顎104が締め付け位置から締め付けない位置に移動することを可能にする。本体130は、締め付け部材158を受け入れる開口138を含む。締め付け部材158は、顎104と顎110との間にある部品を締め付ける。締め付け部材158は、締め付け部材158の先端およびナットの六角頭157、159により所定の位置に調整されて固定される。
【0020】
アーム132の端部140は、側面から見ると全体的に亀の甲羅の形状を有する。第1の縁142は弧状であり、アーム132の第1の部分150から延在する。反対側の縁144は、平らな部分152、弧状の切り欠き部146、および第1の部分150に返る突出した湾曲部148を有する。弧状の切り欠き部146は、湾曲し、平たいV字形のスロット136の端部に並ぶ。枢動開口134は、ピストンロッド軸をはさんで固定顎110から離れた方の側に配置される。可動顎104は、締め付けられる位置から締め付けられていない位置に移動する。動作中、アーム132の湾曲端部154は、グリッパの本体の端面156の面を破壊しない。これにより、グリッパ挿入のためのダイの切り欠きがかなり小さくても、板金部品を得ることができる。
【0021】
作動中、ピストンアセンブリの状態に応じて、流体がポート76を通って穴72に沿って流入し、シリンダ54内へと流出する。ピストンアセンブリは、前方に移動し、可動顎104を締め付けない位置または後退位置に移動させる。可動顎104は、ポート80を通りアウトレット84を通ってシリンダ54内へと流入する流体により、締め付けられる位置に移動させられる。その結果、顎104を締め付けられる位置に移動させながら、ピストンアセンブリが第2の方向に移動する。流体は、制御部(図示されず)により制御され、顎104、110を締め付けられる位置と締め付けられない位置との間で移動させる。
【0022】
グリッパアセンブリは、2方向に取り付け可能なセンシングブラケット160、162のほか、両面使用可能なシート止め具164を含む。ブラケット160は、本体166、およびブラケット160の横方向の調整を可能にするスロット168、170を含む。さらに、ブラケット160は、センサ174を受け入れるセンサ受け入れチャネル172を含む。チャネル172は、第1の側面176および第2の側面178を有する。チャネルの側面176、178は、互いに鏡像になっている以外は同一である。よって、ブラケット160が本体40の一方の側から他方の側に付け替えられたとしても、チャネルの側面176、178はセンサ174を適切な方向に配置することができる。よって、ユーザは、特定の側用のブラケットの必要なく、グリッパ10を右手側でも左手側でも使用することができる。
【0023】
ブラケット162は、全体的に長方形の形状を有する本体180を有する。本体180は、一対のチャネル182、184を含む。開口として機能するスロット186が、狭窄本体部188を通って形成される。チャネル182、184は、ファスナ190を受け入れる皿穴として機能する。ファスナ190は、スロット186を貫通する。スロット186は、ブラケット162の垂直方向の調整を可能にする。ブラケット162は、グリッパの左側または右側のどちらに配置されてもよく、指定の側用のブラケットセットを必要としない。
【0024】
シート止め具164は、対称である。止め具164は、長方形の形状を有し、シート止め具を一方の面から他方の面にひっくり返すことを可能にする。シート止め具の一方の面が摩耗した後に、このようにひっくり返される。よって、ユーザが同じシート止め具を使用できる期間が2倍となる。
【0025】
図11および図12を見ると、先端調整具200が図示されている。先端調整具200は、全体的に平らな本体202を有する。本体202は、グリッパ100の進行調整を可能にする所望の厚みを有する。本体202は、端部204、206を含む。第1の端部204は、グリッパ100が図12に示されるような使用位置にあるときに、ピストンロッド48の周りに配置されるU字形の切り欠き部208を含む。さらに、第2の端部206は、複数のチャネル210、212を含む。チャネル210、212は、同一線上に互いに隣接して配置される。先端調整具200が締め付け部材の先端158を容易に調節してグリッパ100を微調整できるように、チャネル210、212は、締め付け部材158の六角ナットの頭157、159に接触して回転させるための所望の幅を有する。
【0026】
作動中、部材の先端160は、可動顎104に対して調整されるまたは緩められる。可動顎104は、ピンクレビス135とクレビス部44のウェブ94との間に配置された先端調整具200により開放される。U字形の切り欠き部208は、ピストンロッド48に配置される。ピンクレビス135が先端調整具200をクレビス部44のウェブ94とクレビスピン135との間に固定するように、グリッパ100を作動させる。その後、工作物が顎104と顎110との間に配置される。次に、締め付け部材の先端160が、工作物上に締め付けられる。先端調整具200は、第2の端部のチャネル210、212を使用してトルクを加えて部材160を工作物の所定の位置に固定するスパナとして使用される。よって、上部ナットのほか下部が、締め付け顎104と締め付け顎110との間に工作物を固定するために使用される。
【0027】
実施形態に関する上記の記載は、例示および記載の目的で提供されたものである。上記の記載は、網羅的であろうとするものでもなく、開示を制限するものでもない。概して、特定の実施形態の個々の要素または特徴は、その特定の実施形態に限定されず、しかも当てはまるのであれば、特に図示または記載されていなくても、相互に入れ替え可能であり、選択された実施形態において使用可能である。さらに、同一のものが多数の方法で変えられてもよい。そのように変えたものは、本開示からの逸脱であるとみなされるべきではなく、そのような変更例の全てが、本開示の範囲に含まれるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13