特許第6688602号(P6688602)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6688602
(24)【登録日】2020年4月8日
(45)【発行日】2020年4月28日
(54)【発明の名称】検査支援装置および検査システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20200421BHJP
   E04G 21/12 20060101ALN20200421BHJP
   G06Q 10/00 20120101ALN20200421BHJP
【FI】
   G06Q50/08
   !E04G21/12 105Z
   !E04G21/12ESW
   !G06Q10/00 300
【請求項の数】20
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2015-238629(P2015-238629)
(22)【出願日】2015年12月7日
(65)【公開番号】特開2017-107286(P2017-107286A)
(43)【公開日】2017年6月15日
【審査請求日】2018年6月15日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001911
【氏名又は名称】特許業務法人アルファ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大橋 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】▲あべ▼木 周作
(72)【発明者】
【氏名】宇野 康則
(72)【発明者】
【氏名】片山 厚子
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 利光
(72)【発明者】
【氏名】服部 里代
【審査官】 上田 威
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−008764(JP,A)
【文献】 特開2012−123533(JP,A)
【文献】 特開2015−011519(JP,A)
【文献】 特開2011−048674(JP,A)
【文献】 特開2013−037684(JP,A)
【文献】 海上 忍,「職場でのデジタル化」が建設業のワークスタイルを変える,Mac Fan,日本,株式会社マイナビ,2013年 4月 1日,第21巻 第4号,p.186〜187
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
E04G 21/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物の検査を支援する検査支援装置であって、
前記構造物の二次元図面を表す図面データを取得する図面データ取得部と、
前記構造物の予め定められた設定検査位置に対応する前記二次元図面上の座標を示す座標情報と、検査内容と通芯とを含む前記設定検査位置の属性とを示す属性情報と、が互いに関連付けられた地図情報データであって、GIS表示機能による表示に用いられる地図情報データを取得する地図情報データ取得部と、
GIS表示機能を有し、前記図面データに基づいて前記二次元図面を表示するとともに、前記地図情報データに基づいて、少なくとも1つの前記属性を、前記二次元図面上の、前記属性に関連付けられた前記座標に対応する位置に表示する表示部と、
操作を受け付ける操作受付部と、
前記操作受付部が前記表示部に表示された前記二次元図面上の前記設定検査位置と異なる検査位置である指定検査位置を指定する前記操作を受け付けたことに応じて、前記指定検査位置に対応する前記二次元図面上の前記座標を示す前記座標情報と、検査結果を含む前記指定検査位置の前記属性を示す前記属性情報と、が互いに関連付けられた前記地図情報データを生成するデータ生成部と、を備える、検査支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の検査支援装置であって、
前記データ生成部は、前記操作受付部が前記指定検査位置の前記属性を指定する前記操作を受け付けたことに応じて、前記指定検査位置に関連付けられた前記属性情報を取得する、検査支援装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の検査支援装置であって、
前記属性情報は、識別番号を含む前記属性を示す情報であり、
前記データ生成部は、前記設定検査位置に関連付けられた前記属性情報の示す前記識別番号に対して通し番号を構成する前記識別番号を、前記指定検査位置に関連付けられた前記属性情報の示す前記識別番号として設定する、検査支援装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の検査支援装置であって、
前記属性情報は、識別番号を含む前記属性を示す情報であり、
前記データ生成部は、前記設定検査位置に関連付けられた前記属性情報の示す前記識別番号と異なる種類の前記識別番号を、前記指定検査位置に関連付けられた前記属性情報の示す前記識別番号として設定する、検査支援装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の検査支援装置であって、
前記属性情報は、アイコンを含む前記属性を示す情報であり、
前記データ生成部は、前記設定検査位置に関連付けられた前記属性情報の示す前記アイコンと第1の特徴が異なる前記アイコンを、前記指定検査位置に関連付けられた前記属性情報の示す前記アイコンとして設定する、検査支援装置。
【請求項6】
請求項5に記載の検査支援装置であって、
前記表示部は、
前記アイコンを前記設定検査位置と前記指定検査位置との少なくとも一方に表示し、
前記操作受付部が前記設定検査位置に表示された前記アイコンを選択する前記操作を受け付けたことに応じて、前記アイコンが表示された前記設定検査位置に関連付けられた前記属性情報の示す前記検査内容を表示し、
前記操作受付部が前記指定検査位置に表示された前記アイコンを選択する前記操作を受け付けたことに応じて、前記アイコンが表示された前記指定検査位置に関連付けられた前記属性情報の示す検査結果を表示する、検査支援装置。
【請求項7】
請求項6に記載の検査支援装置であって、
前記属性情報は、前記検査結果と、第2の特徴が互いに異なる複数の前記アイコンとを含む前記属性を示す情報であり、
前記地図情報データは、前記二次元図面上の前記設定検査位置と前記指定検査位置との少なくとも一方に対応する前記座標に、特定の前記第2の特徴を有する前記アイコンを関連付けることが可能なデータであり、
前記表示部は、前記操作受付部が前記属性としての前記検査結果を指定する前記操作を受け付けたことに応じて、前記二次元図面上の前記検査結果に関連付けられた前記設定検査位置と前記指定検査位置との少なくとも一方に表示される前記アイコンの前記第2の特徴を切り替える、検査支援装置。
【請求項8】
請求項7に記載の検査支援装置であって、
前記第1の特徴は、前記アイコンの形態であり、
前記第2の特徴は、前記アイコンの表示色である、検査支援装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の検査支援装置であって、
前記属性情報は、前記検査結果を含む前記属性を示す情報であり、
前記検査支援装置は、さらに、
前記設定検査位置と前記指定検査位置との少なくとも一方の前記属性としての前記検査結果を含む検査帳票を表す検査帳票データを作成する検査帳票作成部を備える、検査支援装置。
【請求項10】
請求項9に記載の検査支援装置であって、
前記属性情報は、画像を含む前記属性を示す情報であり、
前記検査支援装置は、さらに、
被写体を撮影することにより前記画像を表す画像データを生成する撮影部を備え、
前記検査帳票には、前記撮影部が前記設定検査位置と前記指定検査位置との少なくとも一方に位置する前記被写体を撮影することにより生成された前記属性としての前記画像が含まれる、検査支援装置。
【請求項11】
請求項9または請求項10に記載の検査支援装置であって、さらに、
前記二次元図面の表示画像を取得する表示画像取得部と、
前記表示画像に第1の付加画像を追加する第1付加画像追加部と、を備え、
前記検査帳票には、前記表示画像取得部により取得された前記設定検査位置と前記指定検査位置との少なくとも一方を含む前記表示画像であって、前記第1付加画像追加部により前記設定検査位置と前記指定検査位置との一方に対応する領域に前記第1の付加画像が追加された前記表示画像が含まれる、検査支援装置。
【請求項12】
請求項1から請求項11までのいずれか一項に記載の検査支援装置であって、
前記属性情報は、画像を含む前記属性を示す情報であり、
前記地図情報データは、前記二次元図面上の前記設定検査位置と前記指定検査位置との少なくとも一方に対応する前記座標に、前記属性としての複数の前記画像を関連付けることが可能なデータである、検査支援装置。
【請求項13】
請求項1から請求項12までのいずれか一項に記載の検査支援装置であって、
前記属性情報は、画像と前記画像に対応するサムネイル画像とを含む前記属性を示す情報であり、
前記表示部は、前記二次元図面と、前記設定検査位置と前記指定検査位置との少なくとも一方に関連付けられた他の種類の前記属性と、の少なくとも一方とともに、前記属性としての前記サムネイル画像を表示する、検査支援装置。
【請求項14】
請求項13に記載の検査支援装置であって、
前記表示部は、前記操作受付部が前記表示部に表示された前記サムネイル画像を選択する前記操作を受け付けたことに応じて、前記サムネイル画像に対応する前記画像を表示する、検査支援装置。
【請求項15】
請求項13または請求項14に記載の検査支援装置であって、さらに、
前記表示部に表示された前記画像に第2の付加画像を追加する第2付加画像追加部を備え、
前記表示部は、前記画像への前記第2の付加画像の追加に応じて、前記第2の付加画像が追加された後の前記画像を表示する、検査支援装置。
【請求項16】
構造物の検査を支援する検査システムであって、
データ生成装置と、
検査支援装置と、を備え、
前記データ生成装置は、
前記構造物の二次元図面を表す図面データを取得する図面データ取得部と、
前記構造物の予め定められた設定検査位置に対応する前記二次元図面上の座標を示す座標情報と、検査内容と通芯とを含む前記設定検査位置の属性を示す属性情報と、が互いに関連付けられた地図情報データであって、GIS表示機能による表示に用いられる地図情報データを生成する地図情報データ生成部と、
前記図面データと前記地図情報データとを前記検査支援装置に送信する本体通信部と、を有し、
前記検査支援装置は、
前記データ生成装置から送信される前記図面データと前記地図情報データとを受信する端末通信部と、
GIS表示機能を有し、前記図面データに基づいて前記二次元図面を表示するとともに、前記地図情報データに基づいて、少なくとも1つの前記属性を、前記二次元図面上の、前記属性に関連付けられた前記座標に対応する位置に表示する表示部と、
操作を受け付ける操作受付部と、
前記操作受付部が前記表示部に表示された前記二次元図面上の前記設定検査位置と異なる検査位置である指定検査位置を指定する前記操作を受け付けたことに応じて、前記指定検査位置に対応する前記二次元図面上の前記座標を示す前記座標情報と、検査結果を含む前記指定検査位置の前記属性を示す前記属性情報と、が互いに関連付けられた前記地図情報データを生成するデータ生成部と、を有する、検査システム。
【請求項17】
請求項16に記載の検査システムであって、
前記本体通信部は、前記操作受付部が前記指定検査位置の前記属性を指定する前記操作を受け付けたことに応じて、前記指定検査位置における前記地図情報データを前記検査支援装置から受信し、
前記地図情報データ生成部は、前記本体通信部が前記検査支援装置から前記指定検査位置における前記地図情報データを受信したことに応じて、前記地図情報データを更新する、検査システム。
【請求項18】
請求項17に記載の検査システムであって、
前記データ生成装置は、さらに、
GIS表示機能を有し、前記図面データに基づいて前記二次元図面を表示するとともに、前記地図情報データに基づいて、少なくとも1つの前記属性を、前記指定検査位置に表示する本体表示部を有する、検査システム。
【請求項19】
請求項18に記載の検査システムであって、
複数の前記検査支援装置を備え、
前記本体通信部は、各前記検査支援装置から前記指定検査位置における前記地図情報データを受信する、検査システム。
【請求項20】
請求項16から請求項19までのいずれか一項に記載の検査システムであって、
前記属性情報は、前記検査結果を含む前記属性を示す情報であり、
前記データ生成装置は、さらに、
前記設定検査位置と前記指定検査位置との少なくとも一方の前記属性としての前記検査結果を含む検査帳票を表す検査帳票データを作成する検査帳票作成部を備える、検査システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される技術は、検査支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建築物や土木構造物等の構造物の検査に利用される検査支援装置が知られている。このような検査支援装置は、データ生成装置から検査に関するデータを取得する。データ生成装置は、構造物の検査位置を設定し、検査位置の情報と、各検査位置における検査項目や参照情報などの検査内容の情報とを含むデータを生成する。検査支援装置は、データ生成装置から取得したデータに基づいて、表示部に各検査位置における検査内容を表示する。検査者は、検査支援装置の表示部に表示される検査内容を参照しながら、データ生成装置により予め設定された各検査位置の検査を行う(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−217694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
予め設定された検査位置のみで検査が行われると問題となることがある。例えば、検査位置と異なる位置で不備が検出された場合に問題となる。この場合、予め設定された設定検査位置のみでなく、設定検査位置と異なる検査位置でも検査が行われることが望まれる。従来は、検査位置がデータ生成装置により設定され、検査支援装置では設定することができないため、設定検査位置と異なる位置で検査を行いたいときは、データ生成装置による追加の検査位置の設定を待つ必要があり、利便性の点で向上の余地がある。
【0005】
本明細書では、上述した課題の少なくとも一部を解決することが可能な技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
【0007】
(1)本明細書に開示される検査支援装置は、構造物の検査を支援する検査支援装置であって、前記構造物の二次元図面を表す図面データを取得する図面データ取得部と、前記構造物の予め定められた設定検査位置に対応する前記二次元図面上の座標を示す座標情報と、検査内容を含む前記設定検査位置の属性を示す属性情報と、が互いに関連付けられた地図情報データを取得する地図情報データ取得部と、前記図面データに基づいて前記二次元図面を表示するとともに、前記地図情報データに基づいて、少なくとも1つの前記属性を、前記二次元図面上の、前記属性に関連付けられた前記座標に対応する位置に表示する表示部と、操作を受け付ける操作受付部と、前記操作受付部が前記表示部に表示された前記二次元図面上の前記設定検査位置と異なる検査位置である指定検査位置を指定する前記操作を受け付けたことに応じて、前記指定検査位置に対応する前記二次元図面上の前記座標を示す前記座標情報と、検査結果を含む前記指定検査位置の前記属性を示す前記属性情報と、が互いに関連付けられた前記地図情報データを生成するデータ生成部と、を備える。本検査支援装置によれば、地図情報データ取得部は、予め定められた設定検査位置の地図情報データを取得し、データ生成部は、操作受付部が、表示部に表示された構造物の二次元図面上の設定検査位置と異なる指定検査位置を指定する操作を受け付けたことに応じて、指定検査位置の地図情報データを生成する。地図情報データには、設定検査位置における検査内容が含まれるとともに、指定検査位置における検査結果が含まれる。そのため、検査者は、地図情報データを用いて、設定検査位置の検査を行うことができるとともに、任意の指定検査位置で検査を行い、その検査結果を含む地図情報データを、検査支援装置により生成することができる。これにより、検査者は、データ生成装置による追加の検査位置の設定を待つことなく、設定検査位置と指定検査位置との検査を行うことができ、利便性を向上させることができる。
【0008】
(2)上記検査支援装置において、前記データ生成部は、前記操作受付部が前記指定検査位置の前記属性を指定する前記操作を受け付けたことに応じて、前記指定検査位置に関連付けられた前記属性情報を取得する構成としてもよい。本検査支援装置によれば、データ生成部は、指定検査位置に関連付けられた属性情報を、操作受付部を介して取得して、指定検査位置における地図情報データを生成することができる。
【0009】
(3)上記検査支援装置において、前記属性情報は、識別番号を含む前記属性を示す情報であり、前記データ生成部は、前記設定検査位置に関連付けられた前記属性情報の示す前記識別番号に対して通し番号を構成する前記識別番号を、前記指定検査位置に関連付けられた前記属性情報の示す前記識別番号として設定する構成としてもよい。本検査支援装置によれば、通し番号を構成する識別番号を用いて、設定検査位置と指定検査位置とを一括して管理することができる。
【0010】
(4)上記検査支援装置において、前記属性情報は、識別番号を含む前記属性を示す情報であり、前記データ生成部は、前記設定検査位置に関連付けられた前記属性情報の示す前記識別番号と異なる種類の前記識別番号を、前記指定検査位置に関連付けられた前記属性情報の示す前記識別番号として設定する構成としてもよい。本検査支援装置によれば、異なる種類の識別番号を用いて、設定検査位置と指定検査位置とを個別に管理することができる。
【0011】
(5)上記検査支援装置において、前記属性情報は、アイコンを含む前記属性を示す情報であり、前記データ生成部は、前記設定検査位置に関連付けられた前記属性情報の示す前記アイコンと第1の特徴が異なる前記アイコンを、前記指定検査位置に関連付けられた前記属性情報の示す前記アイコンとして設定する構成としてもよい。本検査支援装置によれば、例えば形態や表示色などのアイコンの第1の特徴により、設定検査位置と指定検査位置とを容易に区別することができる。
【0012】
(6)上記検査支援装置において、前記表示部は、前記アイコンを前記設定検査位置と前記指定検査位置との少なくとも一方に表示し、前記操作受付部が前記設定検査位置に表示された前記アイコンを選択する前記操作を受け付けたことに応じて、前記アイコンが表示された前記設定検査位置に関連付けられた前記属性情報の示す前記検査内容を表示し、前記操作受付部が前記指定検査位置に表示された前記アイコンを選択する前記操作を受け付けたことに応じて、前記アイコンが表示された前記指定検査位置に関連付けられた前記属性情報の示す検査結果を表示する構成としてもよい。本検査支援装置によれば、ユーザは、アイコンを選択することで、設定検査位置における検査内容、または、指定検査位置における検査結果を確認することができる。
【0013】
(7)上記検査支援装置において、前記属性情報は、前記検査結果と、第2の特徴が互いに異なる複数の前記アイコンとを含む前記属性を示す情報であり、前記地図情報データは、前記二次元図面上の前記設定検査位置と前記指定検査位置との少なくとも一方に対応する前記座標に、特定の前記第2の特徴を有する前記アイコンを関連付けることが可能なデータであり、前記表示部は、前記操作受付部が前記属性としての前記検査結果を指定する前記操作を受け付けたことに応じて、前記二次元図面上の前記検査結果に関連付けられた前記設定検査位置と前記指定検査位置との少なくとも一方に表示される前記アイコンの前記第2の特徴を切り替える構成としてもよい。本検査支援装置によれば、ユーザは、表示部に表示されるアイコンの第2の特徴により、アイコンを選択して検査結果を表示させることなく、設定検査位置または指定検査位置における検査結果を確認することができ、利便性を向上させることができる。
【0014】
(8)上記検査支援装置において、前記第1の特徴は、前記アイコンの形態であり、前記第2の特徴は、前記アイコンの表示色である構成としてもよい。本検査支援装置によれば、ユーザは、表示部に表示されるアイコンの形態により、設定検査位置と指定検査位置とを区別することができ、表示部に表示されるアイコンの表示色により、検査結果を確認することができる。
【0015】
(9)上記検査支援装置において、前記属性情報は、前記検査結果を含む前記属性を示す情報であり、前記検査支援装置は、さらに、前記設定検査位置と前記指定検査位置との少なくとも一方の前記属性としての前記検査結果を含む検査帳票を表す検査帳票データを作成する検査帳票作成部を備える構成としてもよい。本検査支援装置によれば、検査帳票作成部により設定検査位置または指定検査位置の検査帳票を示す検査帳票情報が作成されるので、ユーザは、自ら検査帳票情報を作成する必要がなく、利便性を向上させることができる。
【0016】
(10)上記検査支援装置において、前記属性情報は、画像を含む前記属性を示す情報であり、前記検査支援装置は、さらに、被写体を撮影することにより前記画像を表す画像データを生成する撮影部を備え、前記検査帳票には、前記撮影部が前記設定検査位置と前記指定検査位置との少なくとも一方に位置する前記被写体を撮影することにより生成された前記属性としての前記画像が含まれる構成としてもよい。本検査支援装置によれば、ユーザは、検査帳票を確認することで、検査結果とともに、設定検査位置または指定検査位置に位置する被写体の画像を確認することができる。
【0017】
(11)上記検査支援装置において、さらに、前記二次元図面の表示画像を取得する表示画像取得部と、前記表示画像に第1の付加画像を追加する第1付加画像追加部と、を備え、前記検査帳票には、前記表示画像取得部により取得された前記設定検査位置と前記指定検査位置との少なくとも一方を含む前記表示画像であって、前記第1付加画像追加部により前記設定検査位置と前記指定検査位置との一方に対応する領域に前記第1の付加画像が追加された前記表示画像が含まれる構成としてもよい。本検査支援装置によれば、ユーザは、検査帳票を確認することで、検査結果とともに、二次元図面上の設定検査位置または指定検査位置を確認することができる。特に、検査帳票に含まれる表示画像には、第1付加画像追加部により第1の付加画像が追加されているので、第1の付加画像が追加されていない場合に比べて、検査帳票に対応する設定検査位置または指定検査位置を容易に確認することができる。
【0018】
(12)上記検査支援装置において、前記属性情報は、画像を含む前記属性を示す情報であり、前記地図情報データは、前記二次元図面上の前記設定検査位置と前記指定検査位置との少なくとも一方に対応する前記座標に、前記属性としての複数の前記画像を関連付けることが可能なデータである構成としてもよい。本検査支援装置によれば、設定検査位置または指定検査位置に関連付けて、例えば是正工事前後の画像や、同じ被写体を異なる角度から撮影した複数の画像等を保持することができる。
【0019】
(13)上記検査支援装置において、請項1から前記属性情報は、画像と前記画像に対応するサムネイル画像とを含む前記属性を示す情報であり、前記表示部は、前記二次元図面と、前記設定検査位置と前記指定検査位置との少なくとも一方に関連付けられた他の種類の前記属性と、の少なくとも一方とともに、前記属性としての前記サムネイル画像を表示する構成としてもよい。本検査支援装置によれば、ユーザは、表示部に表示されるサムネイル画像により、設定検査位置または指定検査位置に対応する座標に関連付けられた画像を確認することができる。また、サムネイル画像は、二次元図面、または、設定検査位置または指定検査位置に関連付けられた他の種類の属性とともに表示部に表示されるので、二次元図面または他の種類の属性と、画像とが対応するものであるか否かを確認することができる。
【0020】
(14)上記検査支援装置において、前記表示部は、前記操作受付部が前記表示部に表示された前記サムネイル画像を選択する前記操作を受け付けたことに応じて、前記サムネイル画像に対応する前記画像を表示する構成としてもよい。本検査支援装置によれば、ユーザは、表示部に表示されるサムネイル画像を選択する操作を行うことで、サムネイル画像に対応する画像を詳細に確認することができる。
【0021】
(15)上記検査支援装置において、さらに、前記表示部に表示された前記画像に第2の付加画像を追加する第2付加画像追加部を備え、前記表示部は、前記画像への前記第2の付加画像の追加に応じて、前記第2の付加画像が追加された後の前記画像を表示する構成としてもよい。本検査支援装置によれば、ユーザは、第2付加画像追加部を用いて第2の付加画像を追加することで、第2の付加画像を追加しない場合に比べて、画像に含まれる特定の内容を容易に他人に伝達することができる。
【0022】
(16)本明細書に開示される検査システムは、構造物の検査を支援する検査システムであって、データ生成装置と、検査支援装置と、を備え、前記データ生成装置は、前記構造物の二次元図面を表す図面データを取得する図面データ取得部と、前記構造物の予め定められた設定検査位置に対応する前記二次元図面上の座標を示す座標情報と、検査内容を含む前記設定検査位置の属性を示す属性情報と、が互いに関連付けられた地図情報データを生成する地図情報データ生成部と、前記図面データと前記地図情報データとを前記検査支援装置に送信する本体通信部と、を有し、前記検査支援装置は、前記データ生成装置から送信される前記図面データと前記地図情報データとを受信する端末通信部と、前記図面データに基づいて前記二次元図面を表示するとともに、前記地図情報データに基づいて、少なくとも1つの前記属性を、前記二次元図面上の、前記属性に関連付けられた前記座標に対応する位置に表示する表示部と、操作を受け付ける操作受付部と、前記操作受付部が前記表示部に表示された前記二次元図面上の前記設定検査位置と異なる検査位置である指定検査位置を指定する前記操作を受け付けたことに応じて、前記指定検査位置に対応する前記二次元図面上の前記座標を示す前記座標情報と、検査結果を含む前記指定検査位置の前記属性を示す前記属性情報と、が互いに関連付けられた前記地図情報データを生成するデータ生成部と、を有する。本検査システムによれば、データ生成装置が有する地図情報データ取得部は、予め定められた設定検査位置の地図情報データを取得し、検査支援装置が有するデータ生成部は、操作受付部が、表示部に表示された構造物の二次元図面上の設定検査位置と異なる指定検査位置を指定する操作を受け付けたことに応じて、指定検査位置の地図情報データを生成する。地図情報データには、設定検査位置における検査内容が含まれるとともに、指定検査位置における検査結果が含まれる。そのため、検査者は、地図情報データを用いて、設定検査位置の検査を行うことができるとともに、任意の指定検査位置で検査を行い、その検査結果を含む地図情報データを、検査支援装置により生成することができる。これにより、検査者は、データ生成装置による追加の検査位置の設定を待つことなく、設定検査位置と指定検査位置との検査を行うことができ、利便性を向上させることができる。
【0023】
(17)上記検査システムにおいて、前記本体通信部は、前記操作受付部が前記指定検査位置の前記属性を指定する前記操作を受け付けたことに応じて、前記指定検査位置における前記地図情報データを前記検査支援装置から受信し、前記地図情報データ生成部は、前記本体通信部が前記検査支援装置から前記指定検査位置における前記地図情報データを受信したことに応じて、前記地図情報データを更新する構成としてもよい。本検査システムによれば、地図情報データ生成部は、本体通信部が検査支援装置から指定検査位置における地図情報データを受信したことに応じて、地図情報データを更新する。そのため、更新された地図情報データを、検査支援装置に送信することができる。
【0024】
(18)上記検査システムにおいて、前記データ生成装置は、さらに、前記図面データに基づいて前記二次元図面を表示するとともに、前記地図情報データに基づいて、少なくとも1つの前記属性を、前記指定検査位置に表示する本体表示部を有する構成としてもよい。本検査システムによれば、データ生成装置は、二次元図面と属性とを表示する本体表示部を有する。そのため、ユーザは、本体表示部に表示される属性の位置により、検査支援装置で指定された指定検査位置を確認することができる。
【0025】
(19)上記検査システムにおいて、複数の前記検査支援装置を備え、前記本体通信部は、各前記検査支援装置から前記指定検査位置における前記地図情報データを受信する構成としてもよい。本検査システムによれば、ユーザは、本体表示部に表示される属性の位置により、複数の検査支援装置でそれぞれ指定された指定検査位置をまとめて確認することができ、利便性を向上させることができる。
【0026】
(20)上記検査システムにおいて、前記属性情報は、前記検査結果を含む前記属性を示す情報であり、前記データ生成装置は、さらに、前記設定検査位置と前記指定検査位置との少なくとも一方の前記属性としての前記検査結果を含む検査帳票を表す検査帳票データを作成する検査帳票作成部を備える構成としてもよい。本検査システムによれば、検査帳票作成部により設定検査位置または指定検査位置の検査帳票を示す検査帳票情報が作成されるので、ユーザは、自ら検査帳票情報を作成する必要がなく、利便性を向上させることができる。
【0027】
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、検査支援方法、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した一時的でない記録媒体等の形態で実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】検査システム10の構成を示すブロック図である。
図2】検査システム用データD100のファイル構造を示す説明図である。
図3】図面30を表示する図面表示画面HFの一例を示す説明図である。
図4】検査が実施される前の図面30を表示する図面表示画面HFの一例を示す説明図である。
図5】検査が実施される前の検査画面HSの一例を示す説明図である。
図6】梁SG5の断面図DAの一例を示す説明図である。
図7】1回目の検査が実施された後の検査画面HSの一例を示す説明図である。
図8】検査結果画像PH1の表示画面を示す説明図である。
図9】2回目の検査が実施された後の検査画面HSの一例を示す説明図である。
図10】選択検査位置KL1における検査が完了した後の図面30を表示する図面表示画面HFの一例を示す説明図である。
図11】データ生成画面HMの一例を示す説明図である。
図12】指定検査位置KL2における地図情報データD302が生成された後の図面30を表示する図面表示画面HFの一例を示す説明図である。
図13】指定検査位置KL2における検査が完了した後の図面30を表示する図面表示画面HFの一例を示す説明図である。
図14】検査帳票CHの一例を示す説明図である。
図15】設定検査位置KL1と指定検査位置KL2とに同一の種類の識別番号が表示された図面30を表示する図面表示画面HFの一例を示す説明図である。
図16】設定検査位置KL1と指定検査位置KL2とに異なる種類の識別番号が表示された図面30を表示する図面表示画面HFの一例を示す説明図である。
図17】表示部150に図面30を表示する図面表示画面HFの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
A.実施形態:
A−1.検査システム10の構成:
図1は、本実施形態における検査システム10の構成を示すブロック図である。検査システム10は、建築物や土木構造物等の構造物の検査を支援するためのものであり、データ生成装置100と、複数の検査支援装置200と、図面データ保管サーバ300と、検査システム用データ保管サーバ400と、を備える。各装置やサーバは、ネットワークNWを介して互いに接続されている。データ生成装置100は、例えばパーソナルコンピュータ等である。検査支援装置200は、例えばタブレット型端末やスマートフォン等である。図1には、3つの検査支援装置200が示されているが、検査システム10に含まれる検査支援装置200の数は、2つまたは4つ以上でもよい。
【0030】
データ生成装置100は、構造物の検査を管理する装置であり、制御部110と、記憶部120と、通信部130と、操作部140と、表示部150とを備える。記憶部120は、例えばハードディスクドライブ(以下、「HDD」という)やROM、RAM等により構成されており、データ生成装置100を制御するための各種プログラム、例えば、後述する検査システム用データD100(図2参照)を生成するためのプログラムを記憶する。通信部130は、無線通信方式または有線通信方式により、外部装置と通信を行うインターフェースである。操作部140は、例えばキーボードやマウス等により構成され、ユーザの操作を受け付ける。表示部150は、例えば液晶ディスプレイ等により構成され、図面等を表示する。制御部110は、例えば中央制御ユニット(以下、「CPU」という)等により構成されており、記憶部120から読み出したプログラムに従って、データ生成装置100の各部を制御する。制御部110は、地図情報データ生成部および検査帳票作成部の一例であり、通信部130は、図面データ取得部および本体通信部の一例であり、表示部150または制御部110と表示部150との組み合わせは、本体表示部の一例である。
【0031】
検査支援装置200は、構造物の検査を支援する装置であり、具体的には、検査を実施する検査者が操作する作業端末である。検査支援装置200は、制御部210と、記憶部220と、通信部230と、表示部240と、撮影部250と、地磁気センサ260と、GPS受信部270とを備える。記憶部220は、例えばHDDやROM、RAM等により構成されており、検査支援装置200を制御するための各種プログラムを記憶する。通信部230は、無線通信方式または有線通信方式により、外部装置と通信を行うインターフェースである。表示部240は、例えば液晶ディスプレイ等により構成され、図面等を表示する。本実施形態では、表示部240は、タッチパネルを有し、ユーザによる操作を受け付ける操作受付部としても機能する。撮影部250は、被写体を撮影することにより画像を表す画像データを生成するカメラである。地磁気センサ260は、撮影部250の向きを特定する情報を取得するセンサである。GPS受信部270は、上空にある衛星20が送信する信号を受信することにより、自己の現在位置を特定する情報(緯度、経度および高度)を取得する装置である。制御部210は、例えばCPU等により構成されており、記憶部220から読み出したプログラムに従って、検査支援装置200の各部を制御する。制御部210は、データ生成部、検査帳票作成部、表示画像取得部、第1付加画像追加部および第2付加画像追加部の一例であり、通信部230は、図面データ取得部および地図情報データ取得部の別例であり、かつ端末通信部の一例であり、表示部240または制御部210と表示部240との組み合わせは、表示部の一例であり、表示部240は、操作受付部の一例である。
【0032】
図面データ保管サーバ300は、構造物の二次元図面(以下、単に「図面」という)を表す図面データD301(図2参照)を保管する装置である。図面データD301は、例えば構造物の各階の平面図や床伏図等を表すデータであり、例えばDXF形式のデータである。図面データ保管サーバ300には、図面データD301が予め記憶されている。
【0033】
検査システム用データ保管サーバ400は、検査システム用データD100を保管する装置である。検査システム用データ保管サーバ400には、データ生成装置100により生成された検査システム用データD100が記憶される。
【0034】
図2は、検査システム用データD100のファイル構造を示す説明図である。検査システム用データD100は、システムデータD101と個別現場データD102とを含む。システムデータD101は、個別現場データD102を管理するためのデータであり、検査対象となる全ての構造物に共通に用いられる。システムデータD101は、例えば梁アイコンAG、柱アイコンAC(図4参照)またはこれらの色違いアイコン(図10参照)を含む複数種類のアイコンを表示するためのアイコン画像データD201を含む。
【0035】
個別現場データD102は、構造物の建設現場毎に設定されるデータである。個別現場データD102は、例えば配筋検査や鉄骨ボルト検査等、構造物に対して実施される検査の種類毎に設定される複数の検査種類別データD202を含む。各検査種類別データD202は、図面データD301と、地図情報データD302とを含む。地図情報データD302は、構造物の位置データD401と属性データD402とが互いに関連付けられたデータであり、例えばShape形式のデータである。具体的には、地図情報データD302は、位置データD401と、属性データD402と、対応関係データD403とを含む。
【0036】
位置データD401は、構造物の各位置に対する図面上の座標を示すデータであり、具体的には、図面データD301に含まれる座標データが流用される。位置データD401は、座標情報の一例である。属性データD402は、構造物の各位置の属性を示すデータであり、具体的には、IDデータD501と、アイコンデータD502と、通芯データD503と、通芯識別データD504と、検査データD506と、画像データD507と、断面図データD508とを含む。属性データD402は、属性情報の一例である。
【0037】
IDデータD501は、属性データD402の識別番号を示すデータである。アイコンデータD502は、検査支援装置200の表示部240にアイコンを表示するためのデータであり、システムデータD101に含まれるアイコン画像データD201により表示可能な複数種類のアイコンから、特定の形態や特定の表示色等を有する特定の種類のアイコンを選出するデータである。通芯データD503は、検査支援装置200の表示部240に構造物の通芯を表示するためのデータである。通芯識別データD504は、通芯を識別する通芯識別子を表示するためのデータである。検査データD506は、データ生成装置100において構造物上に予め設定された検査位置(以下、「設定検査位置」という)や検査支援装置200において構造物上の任意の位置を指定して設定される検査位置(以下、「指定検査位置」という)における検査内容および検査結果を示すデータである。画像データD507は、画像および画像を縮小したサムネイル画像を示すデータであり、例えば検査支援装置200の撮影部250によって生成される。断面図データD508は、構造物を構成する各構成部材の断面図(図6参照)を示すデータである。断面図には、例えば構造物が鉄筋コンクリート造の建築物である場合における梁や柱の断面図が含まれる。識別番号、アイコン、通芯、通芯識別子、検査内容、検査結果、画像、サムネイル画像、および断面図は、属性の一例であり、検査内容と断面図とは、検査内容の一例である。
【0038】
対応関係データD403は、属性データD402と位置データD401とを関連付けるデータである。つまり、属性データD402の示す特定の種類のアイコン(以下、単に「アイコン」という)や通芯等の属性は、対応関係データD403により、位置データD401の示す図面上の座標に関連付けられる。
【0039】
検査支援装置200の制御部210(図1)は、GIS(Geographic Information System)表示機能を有しており、位置情報をキーにして、空間に関する情報と位置に関する情報を、重ね合わせて表示部240に表示させる機能を有している。具体的には、検査支援装置200は、画像データD507に基づいて図面を表示するとともに、地図情報データD302に基づいて属性を表示する。同様に、データ生成装置100の制御部110は、GIS表示機能を有しており、データ生成装置100は、画像データD507に基づいて図面を表示するとともに、地図情報データD302に基づいて属性を表示する。上述したように、アイコンや通芯等の属性は、図面上の座標に関連付けられている。そのため、アイコンや通芯等の属性は、表示部240に表示される際に、その属性に関連付けられた座標に対応する図面上の位置に重ねて表示される。
【0040】
A−2.検査支援処理:
次に、本実施形態の検査システム10における検査支援処理の動作例を説明する。検査支援処理は、設定検査位置における検査システム用データD100を生成する支援準備処理と、生成された検査システム用データD100に基づいて複数の検査支援装置200の表示部240に構造物の図面や属性を表示し、設定検査位置を検査する各検査員の検査を支援する支援実施処理と、各検査支援装置200を利用して設定検査位置とは異なる指定検査位置を検査した検査結果を含む地図情報データD302を検査システム用データD100に追加し、指定検査位置を検査する各検査員の検査を支援するデータ追加処理と、検査後に設定検査位置および指定検査位置の検査帳票を作成する帳票作成処理とを含む。
【0041】
(1)支援準備処理
支援準備処理は、データ生成装置100(図1)により実施される。データ生成装置100の制御部110は、操作部140を介した操作に応じてユーザから検査システム用データD100の生成指示を受け付けると、通信部130を介して図面データ保管サーバ300から検査対象となる構造物の図面データD301を取得し、図面データD301を用いて地図情報データD302を生成することにより、検査種類別データD202を生成する。
【0042】
具体的には、データ生成装置100の制御部110は、操作部140を介した操作に応じてユーザから入力される内容に従って、地図情報データD302を生成する。構造物では、構造物を構成する構成部材上に検査の必要な設定検査位置が予め設定されており、各設定検査位置の検査内容が予め設定されている。ユーザは、図面データD301に基づき表示部150に表示された図面上の設定検査位置の座標を読み取り、設定検査位置の座標を示すデータをデータ生成装置100に入力する。制御部110は、ユーザから入力されるデータから設定検査位置の位置データD401を生成する。また、ユーザは、各設定検査位置の検査内容を示すデータをデータ生成装置100に入力する。制御部110は、ユーザから入力されるデータから設定検査位置の属性データD402を生成する。具体的には、制御部110は、データが入力される順番に基づいてIDデータD501を生成し、設定検査位置に表示させるアイコンの種類を指定するデータからアイコンデータD502を生成し、検査内容を指定するデータから検査データD506を生成し、検査対象となる構成部材である対象構成部材の断面図を示すデータから断面図データD508を生成する。なお、検査内容を指定する複数種類のデータが予め記憶部120に記憶されている場合には、記憶部120に記憶された複数種類のデータから1のデータを選択することで、検査データD506が生成されてもよい。
【0043】
通芯については、ユーザは、図面上で通芯の座標を読み取り、通芯の座標を示すデータをデータ生成装置100に入力する。データ生成装置100の制御部110は、ユーザから入力されるデータから通芯の位置データD401を生成する。ユーザは、通芯の幅や表示色を設定し、通芯の幅や表示色を示すデータをデータ生成装置100に入力する。制御部110は、ユーザから入力されるデータから通芯データD503を生成する。
【0044】
通芯識別子については、データ生成装置100の制御部110は、通芯の座標に関連付けて通芯識別子の位置データD401を生成する。具体的には、制御部110は、通芯の位置データD401から選択された1の位置データD401を通芯識別子の位置データD401として生成する。ユーザは、通芯識別子の形状や表示色を設定し、通芯識別子の形状や表示色を示すデータをデータ生成装置100に入力する。制御部110は、ユーザから入力されるデータから通芯識別データD504を生成する。
【0045】
データ生成装置100の制御部110は、生成した位置データD401と属性データD402とを関連付ける対応関係データD403を生成し、位置データD401と、属性データD402と、対応関係データD403とを含む地図情報データD302を生成する。制御部110は、地図情報データD302を生成すると、図面データ保管サーバ300から取得した図面データD301と、生成した地図情報データD302とを含む検査種類別データを生成する。制御部110は、現場(つまり、構造物)毎、構造物のフロア毎、および、各現場において実施される検査種類毎に検査種類別データD202を生成し、個別現場データD102を生成する。制御部110は、通信部130を介して生成した個別現場データD102を検査システム用データ保管サーバ400に送信して保管させる。
【0046】
(2)支援実施処理
支援実施処理は、検査支援装置200(図1)により実施される。以下では、支援実施処理の一例として、鉄筋コンクリート造の建築物の梁および柱の配筋検査を行う場合における動作例について説明する。検査支援装置200の制御部210は、表示部240を介した操作に応じて検査者から検査開始の指示を受け付けると、支援実施処理を開始する。制御部210は、検査開始の指示に併せて、現場を特定する現場情報、および、検査者を特定する検査者情報を受け付ける。制御部210は、受け付けた現場情報に基づいて、通信部230を介して検査システム用データ保管サーバ400から検査対象となる構造物の個別現場データD102を読み出し、記憶部220に記憶させる。つまり、制御部210は、通信部230を介して、検査システム用データ保管サーバ400から図面データD301および地図情報データD302を含む個別現場データD102を取得する。記憶部220には、予めシステムデータD101が記憶されている。制御部210は、予め記憶されたシステムデータD101と、取得されえた個別現場データD102とにより検査システム用データD100を取得する。
【0047】
検査支援装置200の制御部210は、支援実施処理を開始すると、検査者から入力される検査の種類を特定する検査種類情報と構造物のフロアを特定するフロア情報とに基づいて、個別現場データD102に含まれる複数の検査種類別データD202から1の検査種類別データD202を選択する。制御部210は、選択した検査種類別データD202に含まれる図面データD301に基づいて、表示部240に構造物の図面30(図3参照)を表示させる。
【0048】
図3は、図面30を表示する図面表示画面HFの一例を示す説明図である。図3には、検査支援装置200の表示部240に図面30の全体が表示された状態が示されている。図面表示画面HFは、ヘッダ領域HUと、図面表示領域HZと、を含む。ヘッダ領域HUは、検査者情報に基づく検査者コード(例えば、123456)と、検査種類情報に基づく検査識別子(例えば、配筋検査 梁、柱)と、フロア情報に基づくフロア識別子(例えば、07F)と、を表示する領域である。図面表示領域HZは、図面30を表示する領域である。
【0049】
検査支援装置200の制御部210は、図面表示領域HZに表示された図面30の表示倍率と表示位置とを変更可能である。具体的には、制御部210は、表示部240を介した操作に応じて図面30を任意の倍率に拡大・縮小して表示させ、または、図面30をスクロールして表示させることが可能である。例えば、制御部210は、検査者から図面30の拡大指示を受け付けると、表示部240に図面30の一部を拡大して表示させる。
【0050】
図4は、拡大された図面30を表示する図面表示画面HFの一例を示す説明図である。本実施形態では、検査支援装置200において、図面表示画面HFに図面30の全体が表示された状態以外の状態では、図4に示すように、検査支援装置200の制御部210は、表示部240に図面30を表示させるとともに、GIS表示機能により、地図情報データD302に基づいて属性を表示させる。具体的には、制御部210は、通芯データD503に基づいて通芯AS(AS1〜AS3)を表示させ、通芯識別データD504に基づいて通芯識別子AM(AM1〜AM3)を表示させ、アイコンデータD502に基づいて梁アイコンAG(AG1〜AG5)と柱アイコンAC(AC1,AC2)とを表示させる。
【0051】
検査支援装置200の制御部210は、通芯データD503に基づいて、通芯ASを、通芯ASに関連付けられた図面30上の座標に対応する位置に表示させる。そのため、制御部210は、図面30の表示倍率が変更されたことに応じて、通芯ASの表示状態を更新する。具体的には、制御部210は、図面30が拡大または縮小された場合には、その拡大または縮小に追従させて、通芯ASが表示される位置を更新する。また、通芯識別子AMは、対応する通芯ASの座標に対応する位置に関連付けられている。そのため、制御部210は、図面30の表示倍率が変更されたことに応じて、通芯識別子AMの表示状態を更新する。本実施形態では、通芯識別子AMは、対応する通芯ASが表示部240の外周部と交差する位置のいずれか一方の周囲に表示される。
【0052】
梁アイコンAGおよび柱アイコンACには、対象構造部材の種類を示す「柱」、「梁」等の表示が含まれ、対応する設定検査位置の検査結果により表示色が変化する。例えば、対応する設定検査位置の検査結果が「未確認」であると、表示色は黄色となり、対応する対応する設定検査位置の検査結果が「合格」であると、表示色は青色となり、対応する設定検査位置の検査結果が「不合格」であると、表示色は赤色となり、対応する設定検査位置の検査結果が「確認」であると、表示色は緑色となる。なお、図4では、全ての設定検査位置の検査結果が「未確認」であり、全ての梁アイコンAGおよび柱アイコンACが黄色に表示されている。
【0053】
また、表示部240は、図面30上に現在位置マークAZを表示する。検査支援装置200の制御部210は、地磁気センサ260とGPS受信部270とから、撮影部250の向きを特定する情報と検査支援装置200の現在位置を特定する情報とを取得し、これらの情報を図面30上における向きと位置とを示す情報に変換する。表示部240は、変換した向きと位置とを示す情報に基づいて現在位置マークAZを表示する。検査者は、現在位置マークAZを利用して図面30上の複数の設定検査位置から所望の設定検査位置を決定する際の参考にすることができる。
【0054】
検査支援装置200の制御部210は、表示部240を介して設定検査位置KL1(以下、「選択検査位置KL1」という)に表示された梁アイコンAG1へのタップ(選択操作)を受け付けたことに応じて、表示部240に選択検査位置KL1における検査画面HSを表示させる。図5は、選択検査位置KL1における検査画面HSの一例を示す説明図である。図5は、検査が実施される前の検査画面HSを示す。検査画面HSは、選択検査位置KL1に対応する検査データD506に基づいて表示される。検査画面HSは、前述したヘッダ領域HUに加え、部材表示領域HBと、検査結果表示領域HKと、検査項目表示領域HCと、画像取得領域HPと、機能表示領域HDと、を含む。部材表示領域HBは、対象構造部材の種類を示す識別子(例えば、梁)と、対象構造部材の種別を示す符号(例えば、SG5)と、通芯ASを基準とした選択検査位置KL1を示す識別子(例えば、X通:1−2 Y通:A−A 1通り側)と、を表示する領域である。
【0055】
検査結果表示領域HKは、検査結果を表示する領域であり、具体的には、図面30上の対応する選択検査位置KL1に表示された梁アイコンAG1と同一のアイコンを表示するアイコン表示欄HK1と、検査結果を入力する検査結果入力欄HK2と、を表示する領域である。検査結果は、他の種類の属性の一例である。検査結果入力欄HK2には、「未確認」、「合格」、「不合格」、「確認」が記載されたマルチウインドウ(不図示)を示す画面が関連付けられている。検査者は、検査結果入力欄HK2に検査結果を入力するときは、検査結果入力欄HK2をタップし、表示されるマルチウインドウから検査結果を選択することで、検査結果を入力することができる。
【0056】
検査項目表示領域HCは、検査内容の一例である検査項目を表示する領域であり、具体的には、検査種類に応じた検査項目を表示する項目表示欄HC1と、各検査項目が検査されたか否かを示す検査確認欄HC2と、検査した内容を記載可能な検査内容記載欄HC3と、表示部240に表示されていない検査項目を表示させるためのスクロールバーHC4と、を表示する領域である。検査内容は、他の種類の属性の別例である。検査確認欄HC2には、対応する検査項目が未検査であることを示す「未」表示領域と、対応する検査項目が検査済であることを示す「確」表示領域(図7参照)とを含み、各検査項目に対して「未」表示領域と「確」表示領域のいずれか一方の表示領域が表示状態となる。検査者は、表示部240の検査確認欄HC2をスワイプすることで、表示状態の表示領域を切り替えることができる。
【0057】
画像取得領域HPは、検査結果としての画像を取得するための領域であり、具体的には、画像表示欄HP1と、カメラアイコンHP2と、を表示する領域である。画像表示欄HP1は、選択検査位置KL1に対応する画像データD507のサムネイル画像を表示する欄であり、複数のサムネイル画像を同時に表示可能である。カメラアイコンHP2は、画像データD507の取得を指示するためのアイコンである。具体的には、カメラアイコンHP2には、「撮影部250で撮影する」内容と、「記憶部220から選択する」内容とが記載されたマルチウインドウ(不図示)を示す画面が関連付けられている。検査支援装置200の制御部210は、検査者により「撮影部250で撮影する」内容が選択されると、撮影部250を起動し、検査者が撮影部250を用いて撮影した被写体の画像データを、被写体に対応する座標に関連付けて地図情報データD302に追加する。具体的には、制御部210は、被写体の画像データを、被写体に対応する地図情報データD302の画像データD507として記憶部220に記憶させる。また、制御部210は、検査者により「記憶部220から選択する」内容が選択されると、検査システム用データD100とは別に記憶部220に記憶されている画像データを、選択検査位置KL1に対応する地図情報データD302に追加する。
【0058】
機能表示領域HDは、保存アイコンHD1と、位置図表示アイコンHD2と、施工資料表示アイコンHD3と、戻るアイコンHD4と、を表示する領域である。保存アイコンHD1は、検査結果表示領域HKと検査項目表示領域HCとに入力された内容の保存を指示するためのアイコンである。位置図表示アイコンHD2は、表示部240の表示を、検査画面HSから図面表示画面HFに切り替えることを指示するためのアイコンである。施工資料表示アイコンHD3は、表示部240に、検査内容の一例である断面図DA等の施工資料の表示を指示するためのアイコンである(図6参照)。戻るアイコンHD4は、検査結果表示領域HKや検査項目表示領域HCにおいて入力された内容を、入力前の内容に戻すことを指示するためのアイコンである。
【0059】
図7は、1回目の検査が実施された後の検査画面HSを示す。1回目の検査では、検査項目表示領域HCに表示された全ての検査項目に対して検査が行われる。その結果、検査確認欄HC2では、全ての検査項目に対して「確」表示領域が表示状態となり、必要に応じて検査内容記載欄HC3に検査した内容が記載される。本実施形態では、1回目の検査において、「継手」の検査項目において不備が検出されたものとする。そのため、表示部240を介した操作に応じて検査結果表示領域HKの検査結果入力欄HK2には、「不合格」が入力され、これに伴って、アイコン表示欄HK1におけるアイコンの表示色が赤色に変化する。具体的には、検査支援装置200の制御部210は、選択検査位置KL1に関連付けられた属性データD402のアイコンデータD502を更新し、選択検査位置KL1に表示されるアイコンの表示色を切り替える。
【0060】
また、1回目の検査では、撮影部250を用いて不備のあった「継手」の画像である検査結果画像PH1(図8参照)が撮影される。検査支援装置200の制御部210は、検査結果画像PH1の画像データを選択検査位置KL1に対応する地図情報データD302の画像データD507として記憶部220に記憶させる。制御部210は、検査結果画像PH1の画像データD507に基づいて、表示部240に検査結果画像PH1のサムネイル画像HP3を表示させる。これにより、画像取得領域HPの画像表示欄HP1に、検査結果画像PH1のサムネイル画像HP3が表示される。すなわち、表示部240には、選択検査位置KL1における検査内容および検査結果とともにサムネイル画像HP3が表示される。制御部210は、表示部240を介して画像表示欄HP1に表示されたサムネイル画像HP3へのタップを受け付けたことに応じて、サムネイル画像HP3に対応する検査結果画像PH1を表示部240に表示させる。
【0061】
図8は、検査結果画像PH1の表示画面を示す。表示画面には、検査結果画像PH1の他に、検査結果画像PH1に文字や記号などの指示画像の追加を指示する追加アイコンAT1と、検査結果画像PH1の削除を指示する削除アイコンAT2とが含まれる。指示画像は、第2の付加画像の一例である。検査支援装置200の制御部210は、表示部240を介して追加アイコンAT1へのタップを受け付けると、検査者の表示部240を介した操作に基づいて指示画像を追加する。具体的には、検査者が検査結果画像PH1上に矢印画像TK1を記載すると、制御部210は、その矢印画像TK1を示す指示画像を追加する。また、検査者が検査結果画像PH1上に文字画像TK2を入力すると、制御部210は、その文字画像TK2を示す指示画像を追加する。制御部210は、指示画像の追加を終了すると、指示画像が追加された検査結果画像PH1を上書きして保存する(図9参照)。そのため、次回以降に表示部240に検査結果画像PH1が表示される場合には、指示画像が追加された後の検査結果画像PH1が表示される。
【0062】
1回目の検査の終了後、1回目の検査結果に基づいて、構造物に是正工事を行う是正業者により是正工事が行われる。是正業者は、選択検査位置KL1における検査画面HSの検査項目表示領域HCに表示された内容から、是正の対象が「継手」であることを理解することができる。また、是正業者は、画像取得領域HPのサムネイル画像HP3に追加された矢印画像TK1や文字画像TK2(図8)により、是正の詳細な内容を理解することができる。是正業者による是正工事後、検査者は構造物の選択検査位置KL1の検査を再び実施する。
【0063】
図9は、2回目の検査が実施された後の検査画面HSを示す。2回目の検査では、1回目の検査結果において不備が検出された「継手」の検査項目に対して検査が行われる。検査項目表示領域HCの「継手」の検査項目に対する検査内容記載欄HC3では、再確認が行われたことを示す内容が記載される。また、2回目の検査では、撮影部250を用いて是正工事後の「継手」の画像である是正画像PH2(図14参照)が撮影される。検査者は、検査結果画像PH1のサムネイル画像HP3を参照して、是正画像PH2を検査結果画像PH1に似せて撮影することができる。検査支援装置200の制御部210は、是正画像PH2の画像データを地図情報データD302の画像データD507として記憶部220に記憶させる。つまり、制御部210は、1つの選択検査位置KL1に対応する図面30上の1つの座標に、属性としての検査結果画像PH1と是正画像PH2との両方の画像を関連付けて記憶部220に記憶させる。
【0064】
検査支援装置200の制御部210は、検査結果画像PH1の画像データに基づいて、表示部240に検査結果画像PH1のサムネイル画像HP3を表示させるとともに、是正画像PH2の画像データに基づいて、表示部240に是正画像PH2のサムネイル画像HP4を表示させる。表示部240は、画像取得領域HPの画像表示欄HP1に、検査結果画像PH1のサムネイル画像HP3と、是正画像PH2のサムネイル画像HP4とを同時に表示する。本実施形態では、2回目の検査において、「継手」の検査項目における不備が解消したものとする。そのため、表示部240を介した操作に応じて検査結果表示領域HKの検査結果入力欄HK2の入力が、「不合格」から「合格」に更新され、これに伴って、アイコン表示欄HK1におけるアイコンの表示色が青色に更新される。従って、図10に示すように、表示部240の表示を、検査画面HSから図面表示画面HFに切り替えると、選択検査位置KL1の梁アイコンAG1の表示色が青色に変化する。なお、図19のサムネイル画像HP4に示すように、是正画像PH2にも不備が解消したことを示す指示画像が追加されていてもよい。
【0065】
(3)データ追加処理
データ追加処理は、検査支援装置200(図1)により実施される。具体的には、検査支援装置200の制御部210は、支援実施処理において、検査支援装置200の表示部240に拡大された図面30(図10参照)が表示された状態で、データ追加処理を実施する。
【0066】
図10は、選択検査位置KL1における検査が完了した後に、検査者が図面30上の検査位置KL2に相当する構造物上の位置で不備を検出した場合の図面表示画面HFの一例を示す説明図である。検査位置KL2には、梁アイコンAGや柱アイコンACが表示されていないため、検査位置KL2は、設定検査位置と異なる。
【0067】
検査者は、不備を検出すると、現在位置マークAZに基づいて図面30上の検査位置KL2をロングタップ(指定)する。検査支援装置200の制御部210は、表示部240を介して図面30上の検査位置KL2(以下、「指定検査位置KL2」という)へのロングタップを受け付けたことに応じて、表示部240に指定検査位置KL2におけるデータ生成画面HMを表示させる。図11は、指定検査位置KL2におけるデータ生成画面HMの一例を示す説明図である。データ生成画面HMは、図5に示す検査画面HSと同様に、ヘッダ領域HUと、部材表示領域HBと、検査結果表示領域HKと、検査項目表示領域HCと、画像取得領域HPと、機能表示領域HDと、を含む。データ生成画面HMの各領域と検査画面HSにおける同名の各領域との違いは、部材表示領域HBでは、対象構造部材およびその種別が不明であることから、対象構造部材の種類を示す識別子と、対象構造部材の種別を示す符号とが表示されない。検査結果表示領域HKでは、アイコン表示欄HK1に対象構造部材の種類を示す「柱」、「梁」等の表示が含まれないアイコンが表示される。検査項目表示領域HCでは、検査内容の一例である検査項目として、不備の検出された構造部材を特定する検査部材の項目や不備が検出された検査項目である対象項目等を含む。また、機能表示領域HDでは、施工資料が不明であることから、施工資料表示アイコンHD3が表示されない。
【0068】
検査支援装置200の制御部210は、表示部240を介してデータ生成画面HMへの入力を受け付ける。本実施形態では、検査者が指定検査位置KL2に対応するデータ生成画面HMへの入力を受け付けるまでに、図面30上の指定検査位置KL2に相当する構造物上の位置において、床スラブの継手の不備を検出したものとする。そのため、検査者は、データ生成画面HMの検査項目表示領域HCにおいて、検査部材に「床」を入力する。具体的には、検査者は、検査項目表示領域HCの検査部材に対応する検査確認欄HC2の表示領域を「未」から「確」に切り替え、検査部材に対応する検査内容記載欄HC3に関連付けられたマルチウインドウから「床」を選択する。これにより、アイコン表示欄HK1に表示されるアイコンが、「床」の表示が含まれたアイコンに更新される。つまり、指定検査位置KL2におけるアイコンは、「柱」、「梁」等の表示が含まれる設定検査位置におけるアイコンに比べて、形態が異なる。同様に、検査者は、データ生成画面HMの検査項目表示領域HCにおいて、対象項目に「継手」を入力し、必要に応じて指示および備考の各項目を入力する。また、検査者は、不備を表す画像を取得し、これにより、画像取得領域HPに不備を表す画像のサムネイル画像が表示される。さらに、検査者は、検査結果表示領域HKの検査結果入力欄HK2に「不合格」を入力する。これにより、アイコン表示欄HK1に表示されるアイコンの表示色が赤色に変化する。
【0069】
検査支援装置200の制御部210は、データ生成画面HMへの入力を受け付けた後に、保存アイコンHD1へのタップを受け付けたことに応じて、指定検査位置KL2に対応する地図情報データD302を生成する。制御部210は、図面30上の指定検査位置KL2の座標を特定し、特定された座標を示す位置データD401を生成する。制御部210は、データ生成画面HMに入力された内容から指定検査位置KL2の属性を示す属性データD402を生成する。具体的には、制御部210は、地図情報データD302が生成される順番に基づいてIDデータD501を生成し、検査結果表示領域HKのアイコン表示欄HK1に表示されたアイコンに基づいてアイコンデータD502を生成する。すなわち、設定検査位置におけるアイコンと形態が異なるアイコンが、指定検査位置KL2におけるアイコンとして設定される。また、制御部210は、検査結果表示領域HKと検査項目表示領域HCとに入力された内容を取得して検査データD506を生成し、画像取得領域HPに表示されたサムネイル画像の画像データを画像データD507とする。
【0070】
検査支援装置200の制御部210は、生成した位置データD401と属性データD402とを関連付ける対応関係データD403を生成し、指定検査位置KL2に対応する地図情報データD302を生成する。これにより、図12に示すように、検査支援装置200の表示部240の表示を、データ生成画面HMから図面表示画面HFに切り替えると、指定検査位置KL2にアイコンAY1が表示される。
【0071】
データ生成装置100の制御部110は、検査支援装置200の表示部240を介した操作に応じて、指定検査位置KL2における地図情報データD302が生成されると、つまり、表示部240が指定検査位置KL2における検査結果を指定する操作を受け付けると、通信部130を介して検査支援装置200から指定検査位置KL2における地図情報データD302を受信する。具体的には、検査支援装置200の制御部210は、表示部240を介した操作に応じて指定検査位置KL2における検査結果を受信した後に、表示部240を介した操作に応じて検査システム用データ保管サーバ400との同期指示を受け取ると、検査システム用データ保管サーバ400と同期し、検査結果を受信した指定検査位置KL2における地図情報データD302を検査システム用データ保管サーバ400に送信して保管させる。制御部110は、一定期間毎に検査システム用データ保管サーバ400から地図情報データD302を読み出しており、これにより、指定検査位置KL2における地図情報データD302を受信する。
【0072】
データ生成装置100の制御部110は、検査支援装置200から指定検査位置KL2における地図情報データD302を受信すると、予め記憶されていた地図情報データD302を更新する。図17は、表示部150に表示された図面30を表示する図面表示画面HFの一例を示す説明図である。上述したように、データ生成装置100の制御部110は、GIS表示機能を有しており、制御部110は、表示部150に図面30を表示させるとともに、地図情報データD302に基づいて、例えば設定検査位置KL1に梁アイコンAGや柱アイコンAC等の属性を表示させ、指定検査位置KL2にアイコンAY1等の属性を表示させる。図17では、データ生成装置100は、図面表示画面HFに図面30の一部が拡大されて表示された状態において、アイコンAY1等を表示させている。
【0073】
データ生成装置100の制御部110は、各検査支援装置200が生成した指定検査位置における地図情報データD302を、一定期間毎に検査システム用データ保管サーバ400を介して一括して受信し、上記の処理を実施する。そのため、表示部150には、複数の検査支援装置200から集計された指定検査位置におけるアイコンAY1、AY2が同時に表示される。制御部110は、各検査支援装置200において生成された指定検査位置における地図情報データD302を反映させるように個別現場データD102を更新し、更新された個別現場データD102を検査システム用データ保管サーバ400に保管させる。更新された個別現場データD102は、検査支援装置200と検査システム用データ保管サーバ400との同期により各検査支援装置200に読み出され、各検査支援装置200における検査システム用データD100が更新される。
【0074】
地図情報データD302の生成後、入力された検査結果に基づいて是正工事が行われ、是正工事後、指定検査位置KL2が再検査される。指定検査位置KL2の再検査において、検査支援装置200の制御部210は、表示部240を介してアイコンAY1へのタップを受け付けたことに応じて、表示部240に指定検査位置KL2におけるデータ生成画面HMを表示させる。つまり、データ生成画面HMは、指定検査位置KL2における検査画面HSを兼ねる。本実施形態では、2回目の検査において、指定検査位置KL2における不備が解消したものとする。そのため、選択検査位置KL1の場合と同様に、検査結果表示領域HKの検査結果入力欄HK2の入力が、「不合格」から「合格」に更新され、これに伴って、指定検査位置KL2のアイコンAY1の表示色が青色に変化する(図13参照)。
【0075】
データ生成装置100の制御部110は、検査支援装置200の表示部240を介した操作に応じて、表示部240に表示された指定検査位置KL2の検査画面HSのうちの検査結果入力欄HK2の入力が「不合格」から「合格」に更新されると、つまり、表示部240が指定検査位置KL2における検査結果を指定する操作を受け付けると、通信部130を介して検査支援装置200から指定検査位置KL2における属性データD402を受信する。制御部110は、受信した指定検査位置KL2における属性データD402により地図情報データD302を更新する。これにより、表示部150に表示された図面30上の指定検査位置KL2におけるアイコンAY1の表示色が赤色から青色に切り替えられる。
【0076】
(4)帳票作成処理
帳票作成処理は、検査支援装置200(図1)により実施される。以下では、帳票作成処理の一例として、選択検査位置KL1の検査帳票CH(図14参照)を作成する例について説明する。検査支援装置200の制御部210は、表示部240を介した操作に応じて検査者から検査帳票CH(図14参照)を表す検査帳票データの作成指示を受け付けると、帳票作成処理を実施する。制御部210は、検査種類別データD202に基づいて検査帳票データを作成する。図14は、検査帳票CHの一例を示す説明図である。検査帳票CHには、結果表示欄CYと、図面表示欄CGと、選択検査位置表示欄CIとを含む。
【0077】
結果表示欄CYは、検査に関する各項目を表示する欄であり、属性データD402により示される各種の属性、例えば検査種類情報に基づく検査識別子(例えば、配筋検査)や検査結果(例えば、合格)等を表示する欄である。図面表示欄CGは、画像データD507に基づく画像を表示する欄であり、具体的には検査結果画像PH1と是正画像PH2とを表示する欄である。
【0078】
選択検査位置表示欄CIは、図面30の表示画像PH3を表示する欄である。検査支援装置200の制御部210は、表示部240を介した操作に応じて表示部240に表示された図面30の表示画像PH3を取得可能である。制御部210は、検査者の操作により選択検査位置KL1を含む範囲の表示画像PH3を取得すると、表示画像PH3上の選択検査位置KL1に対応する領域TR、すなわち梁アイコンAG1が表示された領域TRに、選択検査位置KL1を識別する識別画像TK3を追加する。識別画像は、第1の付加画像の一例である。制御部210は、識別画像TK3の追加を終了すると、識別画像TK3が追加された表示画像PH3を上書きし、選択検査位置表示欄CIに貼り付ける。
【0079】
以上説明したように、本実施形態の検査支援装置200では、構造物に予め設定された設定検査位置の地図情報データD302が取得され、表示部240を介して設定検査位置と異なる検査位置が指定されたときに、指定された指定検査位置の地図情報データD302が生成される。設定検査位置の地図情報データD302には、検査内容が含まれ、指定検査位置の地図情報データD302には、検査結果が含まれる。そのため、検査者は、地図情報データD302を用いて、設定検査位置の検査を行うことができるとともに、任意の指定検査位置で検査を行い、その検査結果を含む地図情報データD302を、検査支援装置200により生成することができる。これにより、検査者は、従来技術のように、データ生成装置100による追加の検査位置の設定を待つことなく、設定検査位置と指定検査位置との検査を行うことができ、利便性を向上させることができる。
【0080】
指定検査位置の地図情報データD302に含まれる属性データD402は、表示部240を介した操作に応じて取得されるので、例えば検査者が実施した検査の検査結果を反映した地図情報データD302を生成することができる。
【0081】
属性データD402の示す属性は、図面30上の設定検査位置または指定検査位置に対応する座標に関連付けられており、図面30上の設定検査位置または指定検査位置に表示される。具体的には、属性としてのアイコンが、図面30上の設定検査位置または指定検査位置に表示される。本実施形態の検査支援装置200では、設定検査位置におけるアイコンの形態と、指定検査位置におけるアイコンの形態とが異なる。そのため、表示されるアイコンの形態により、設定検査位置と指定検査位置とを容易に区別することができる。また、検査者は、表示部240に表示されたアイコンをタップすることで、選択されたアイコンが表示された設定検査位置における検査内容または指定検査位置における検査結果を確認することができる。
【0082】
また、本実施形態の検査支援装置200では、検査者から入力された設定検査位置または指定検査位置における検査結果により、対応する設定検査位置または指定検査位置に表示されるアイコンの種類、詳細にはアイコンの表示色を切り替える。そのため、検査者は、表示部240に表示されるアイコンの表示色により、アイコンをタップしてアイコンが表示された設定検査位置または指定検査位置における検査結果を表示させることなく検査結果を確認することができ、利便性を向上させることができる。
【0083】
また、本実施形態の検査支援装置200では、表示部240を介した操作に応じて、検査支援装置200の制御部210が、設定検査位置または指定検査位置の検査帳票CHを表す検査帳票データを作成するので、ユーザは、自ら検査帳票情報を作成する必要がなく、利便性を向上させることができる。
【0084】
検査帳票CHは、設定検査位置または指定検査位置の検査結果を含むため、検査帳票CHにより対応する設定検査位置または指定検査位置の検査結果を確認することができる。また、検査帳票CHには、設定検査位置または指定検査位置に位置する被写体の画像が含まれるため、検査帳票CHにより対応する設定検査位置または指定検査位置における被写体の様子を、視覚的に確認することができる。
【0085】
さらに、検査帳票CHには、検査支援装置200の表示部240に設定検査位置または指定検査位置が表示された状態の図面30の表示画像PH3が含まれるため、検査帳票CHにより図面30上における対応する設定検査位置または指定検査位置を確認することができる。特に、表示画像PH3には、表示画像PH3に含まれる設定検査位置と指定検査位置との一方に対応する領域TRに、設定検査位置と指定検査位置との一方を識別する識別画像TK3が追加されているので、識別画像TK3が追加されていない場合に比べて、図面30上の設定検査位置または指定検査位置を容易に確認することができる。
【0086】
また、本実施形態の検査支援装置200では、撮影部250等で撮影された画像が図面30上の座標に関連付けられるので、図面30上の設定検査位置または指定検査位置に対応させて、画像を保持することができる。特に、本実施形態の検査支援装置200では、図面30上の1つの座標に、複数の画像を関連付けることができるので、図面30上の設定検査位置または指定検査位置に対応させて、例えば是正工事前の検査結果画像PH1と是正工事後の是正画像PH2を保持することができ、あるいは、同じ被写体を異なる角度から複数回撮影することができ、利便性を向上させることができる。
【0087】
また、本実施形態の検査支援装置200では、属性にサムネイル画像が含まれ、検査画面HSまたはデータ生成画面HMにおいて、他の属性である検査内容や検査結果とともに表示される。そのため、検査者は、表示部240に表示されるサムネイル画像により、どのような画像が撮影されているかを確認することができるとともに、検査内容や検査結果と撮影された画像との関係、例えば、検査結果と撮影された画像とが対応するものであるか否かを確認することができる。また、検査者は、表示部240に表示されたサムネイル画像をタップすることで、選択されたサムネイル画像に対応する画像を詳細に確認することができる。
【0088】
また、本実施形態の検査支援装置200では、表示部240に表示された画像に指示画像を追加することができるので、例えば検査結果画像PH1に含まれる不備部分の周囲に指示画像を追加しておくことで、指示画像を追加しない場合に比べて、図面を利用して修正者などの他人に不備の内容を容易に伝達することができる。
【0089】
また、本実施形態では、データ生成装置100の制御部110は、通信部130が検査支援装置200から指定検査位置KL2における地図情報データD302を受信したことに応じて、地図情報データD302を更新する。更新した地図情報データD302には、指定検査位置KL2における地図情報データD302が含まれ、表示部150に表示された図面30の指定検査位置KL2には、指定検査位置KL2のアイコンAY1が表示される。これにより、データ生成装置100を使用する管理者は、表示部150に表示されるアイコンAY1の位置により、検査支援装置200で指定された指定検査位置KL2を確認することができる。
【0090】
また、本実施形態では、データ生成装置100の制御部110は、複数の検査支援装置200のそれぞれか指定検査位置における地図情報データD302を受信し、表示部150に表示する。そのため、データ生成装置100を使用する管理者は、例えば複数の検査者が複数の検査支援装置200を用いて同時に実施する検査の進行状況および検査結果をまとめて把握することができ、利便性を向上させることができる。
【0091】
B.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
【0092】
上記実施形態では、構造物の図面として二次元図面のみを用いる例を示したが、二次元図面と三次元図面とを用いてもよい。すなわち、検査支援装置200の表示部240に、構造物の三次元図面と二次元図面とが切替可能に表示されており、ユーザが必要に応じて検査支援装置200の表示部240に構造物の二次元図面を表示させ、上記の検査支援処理を実施させてもよい。
【0093】
上記実施形態では、検査システム10は、データ生成装置100と、検査支援装置200とに加えて、図面データ保管サーバ300と、検査システム用データ保管サーバ400とを備える例を示したが、図面データ保管サーバ300と検査システム用データ保管サーバ400とが、1つのサーバにより構成されていてもよい。また、画像データD507が、例えばデータ生成装置100で生成される等、データ生成装置100に取得されて記憶部120に記憶されている場合には、図面データ保管サーバ300は必ずしも必要ではない。また、検査システム用データD100が、データ生成装置100から検査支援装置200に直接送信される場合には、検査システム用データ保管サーバ400は必ずしも必要ではない。
【0094】
上記実施形態では、検査支援装置200の表示部240が、操作受付部を兼ねている例を示したが、検査支援装置200は、表示部240とは別に操作受付部を備えていてもよい。
【0095】
上記実施形態では、構造物の設定検査位置または指定検査位置に関連付けられた属性としてアイコンや検査内容や検査結果等が含まれる例を挙げて説明したが、属性の例は上記に限られない。例えば、検査内容と検査結果とは、必ずしも両方が含まれる必要はなく、設定検査位置では、必ずしも検査結果が含まれる必要はなく、指定検査位置では、必ずしも検査内容が含まれる必要はない。また、アイコンも、必ずしも属性に含まれる必要はなく、図面30上の設定検査位置または指定検査位置がタップされることで、検査内容や検査結果等が表示部240に表示されるようにしてもよい。
【0096】
上記実施形態では、表示部240の設定検査位置または指定検査位置に属性を表示するときに、属性としてのアイコンが、図面30上の指定位置に表示される例を示した。ここで、「指定位置に表示」とは、指定位置に表示されることのみを示すのではなく、引き出し線等により指定位置に関連付けられた位置に表示されることをも含む。しかし、これに限られず、図面30上の指定位置に、アイコンとともに識別番号が表示されるようにしてもよい。
【0097】
図15は、アイコンとともに識別番号が表示された図面30を表示する図面表示画面HFの一例を示す説明図である。図15には、設定検査位置と指定検査位置とに同一の種類の識別番号が表示されており、詳細には、識別番号としての数字が表示されている。図15では、設定検査位置の識別番号(例えば、1〜7)と、指定検査位置の識別番号(例えば、112)とが、通し番号を構成するように、識別番号が設定されている。そのため、検査者は、識別番号を用いて、設定検査位置と指定検査位置とを一括して管理することができる。
【0098】
図16は、アイコンとともに識別番号が表示された図面30を表示する図面表示画面HFの別例を示す説明図である。図16には、設定検査位置と指定検査位置とに異なる種類の識別番号が表示されており、詳細には、設定検査位置には、識別番号としての数字が表示されており、設定検査位置には、識別番号としてのアルファベット(例えば、A)が表示されている。そのため、検査者は、識別番号を用いて、設定検査位置と指定検査位置とを個別に管理することができる。
【0099】
さらには、アイコンが識別番号を兼ねていてもよい。すなわち、アイコンが例えば数字やアルファベット等の識別番号の形態をしていてもよい。
【0100】
上記実施形態では、検査支援装置200の表示部240を介した操作に応じて、指定検査位置の検査結果が更新されたときに、データ生成装置100の表示部150に表示された図面30上の指定検査位置におけるアイコンの表示色が切り替えられる例を示した。これに限られず、例えば設定検査位置の検査結果が更新されたときに、データ生成装置100の表示部150に表示された図面30上の設定検査位置におけるアイコンの表示色が切り替えられてもよい。
【0101】
上記実施形態では、設定検査位置におけるアイコンの形態が、指定検査位置におけるアイコンの形態と異なり、検査結果に応じて、アイコンの形態が変化せずに表示色が変化する例を示した。これに限られず、例えば設定検査位置におけるアイコンの表示色が、指定検査位置におけるアイコンの表示色と異なり、検査結果に応じて、アイコンの表示色が変化せずに形態が変化してもよい。
【0102】
上記実施形態では、指定検査位置におけるアイコンは、「床」の表示が含まれることで、「柱」、「梁」等の表示が含まれる設定検査位置におけるアイコンに比べて、形態が異なる例を示した。これに限られず、例えば指定検査位置におけるアイコンは、中央部分が無地であり、文字が含まれないことで、「柱」、「梁」等の表示が含まれる設定検査位置におけるアイコンに比べて、形態が異なっていてもよければ、例えば丸と三角形など、外形が異なっていてもよい。
【0103】
上記実施形態では、指定位置の検査帳票CHが検査支援装置200により作成される例を示したが、これに限られず、データ生成装置100により実施されてもよい。また、設定検査位置または指定検査位置の検査帳票CHに記載される内容として検査結果や、設定検査位置または指定検査位置に位置する被写体の画像等を挙げて説明したが、検査帳票CHに記載される内容は上記の例に限られない。検査帳票CHに記載される内容は、検査結果を含むものの、上記の例の検査結果以外の例を含まなくてもよい。例えば、設定検査位置または指定検査位置に位置する被写体の画像は、必ずしも検査帳票CHに記載される必要はなく、また、表示部240に設定検査位置または指定検査位置が表示された状態の図面30の表示画像PH3も、必ずしも検査帳票CHに記載される必要はない。
【0104】
上記実施形態では、表示部240にサムネイル画像を表示するときに、サムネイル画像が検査内容や検査結果とともに表示される例を示したが、これに限られず、サムネイル画像が図面30とともに表示されるようにしてもよい。また、サムネイル画像が、検査内容や検査結果とともに表示され、かつ、図面30とともに表示されるようにしてもよい。
【0105】
上記実施形態では、指示画像を追加された検査結果画像PH1が上書き保存される例を示した。つまり、追加された指示画像が検査結果画像PH1と一体として保存される例を示した。しかし、これに限られず、追加された指示画像が検査結果画像PH1とは別に保存されてもよい。同様に、上記実施形態では、識別画像TK3を追加された表示画像PH3が上書き保存される例を示した。つまり、追加された識別画像TK3が表示画像PH3と一体として保存される例を示した。しかし、これに限られず、追加された識別画像TK3が表示画像PH3とは別に保存されてもよい。
【0106】
上記実施形態では、検査支援装置200の表示部240に現在位置マークAZを表示する例を示したが、現在位置マークAZはかならずしも表示される必要はない。また、上記実施形態では、現在位置マークAZを表示するために、地磁気センサ260とGPS受信部270とを用いる例を示したが、これに限られず、他の手法により現在位置マークAZが表示されてもよい。
【符号の説明】
【0107】
10:検査システム 30:二次元図面 100:データ生成装置 200:検査支援装置 210:制御部 220:記憶部 230:通信部 240:表示部 250:撮影部 300:図面データ保管サーバ 400:検査システム用データ保管サーバ AC:柱アイコン AG:梁アイコン AY1:アイコン CH:検査帳票 D100:検査システム用データ D301:図面データ D302:地図情報データ D401:位置データ D402:属性データ D403:対応関係データ D501:IDデータ D502:アイコンデータ D506:検査データ D507:画像データ HF:図面表示画面 HM:データ生成画面 HP3、HP4:サムネイル画像 HS:検査画面 KL1:設定検査位置 KL2:指定検査位置 PH1:検査結果画像 PH2:是正画像
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17