特許第6688704号(P6688704)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6688704
(24)【登録日】2020年4月8日
(45)【発行日】2020年4月28日
(54)【発明の名称】包装装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 9/067 20120101AFI20200421BHJP
【FI】
   B65B9/067
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-173473(P2016-173473)
(22)【出願日】2016年9月6日
(65)【公開番号】特開2018-39521(P2018-39521A)
(43)【公開日】2018年3月15日
【審査請求日】2018年9月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000206093
【氏名又は名称】大森機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】藤村 健
(72)【発明者】
【氏名】名田 太一郎
【審査官】 新田 亮二
(56)【参考文献】
【文献】 特許第3535171(JP,B2)
【文献】 特開2011−251760(JP,A)
【文献】 特開2011−225249(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 9/067
B65B 35/00 − 35/58
B65B 41/00 − 41/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状のフィルムを前記フィルムの長手方向に搬送するフィルム供給機と、
前記フィルム供給機によって搬送される前記フィルムを連続的に筒状に丸め、前記フィルムの両側部を重ねるフォーマと、
前記フォーマの上流側に設けられ、前記フォーマによって丸められた前記フィルムの内側に複数の被包装物を一定間隔置きに供給する被包装物供給機と、
前記フォーマの下流側に設けられ、前記フォーマによって重ねられた前記フィルムの両側部を連続的にシールするセンターシール機と、
前記センターシール機の下流側に設けられ、前記フィルムのうち前記被包装物の間の部位をシールするエンドシール機と、
前記フォーマの両側方且つ前記フォーマの下流側に設けられ、互いに接離するよう移動可能に設けられた一対の第1プーリーと、
前記フォーマの両側方且つ前記第1プーリーの下流側に設けられた一対の第2プーリーと、
前記第2プーリーの下流側且つ前記エンドシール機の近傍上流側において前記フィルムの両側に設けられた一対の第3プーリーと、
前記第1プーリー、前記第2プーリー及び前記第3プーリーに掛け渡され、前記フィルムの両側に配された一対の無端部材と、
前記無端部材の外周面に設けられた複数の弾性部と、
前記第1プーリーを互いに接離するよう駆動する第1駆動部と、
前記無端部材を前記第1プーリーから前記第2プーリーを経由して前記第3プーリーに向かう向きに周回駆動する第2駆動部と、を備えることを特徴とする包装装置。
【請求項2】
一対の前記第2プーリーの間隔が一対の前記第3プーリーの間隔等しく、前記第1駆動部によって一対の前記第1プーリーが互いに近づけられた場合の一対の前記第1プーリーの間隔が一対の前記第2プーリーの間隔に等しいことを特徴とする請求項1に記載の包装装置。
【請求項3】
前記フィルム供給機、前記被包装物供給機、前記エンドシール機、前記第1駆動部及び前記第2駆動部を制御する制御部を更に備え、
前記被包装物供給機によって搬送される被包装物の欠落が発生していない場合に、前記制御部が前記第1駆動部により前記第1プーリーを互いに近づけた状態で、前記フィルム供給機、前記被包装物供給機、前記エンドシール機及び前記第2駆動部を作動させ、
前記被包装物供給機によって搬送される被包装物の欠落が発生したら、前記制御部が前記フィルム供給機、前記エンドシール機及び前記第2駆動部を停止し、
前記被包装物供給機によって搬送される被包装物の欠落発生後に欠落が解消したら、前記被包装物供給機によって搬送される欠落解消後の最初の被包装物が前記フォーマに到達する際に前記制御部が前記第1駆動部により前記第1プーリーを互いに離間させた状態で、前記フィルム供給機、前記エンドシール機及び前記第2駆動部を作動させ、その後前記第1駆動部により前記第1プーリーを互いに近づけることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装装置。
【請求項4】
前記第1駆動部により前記第1プーリーを互いに近づけるタイミングは、前記フィルム供給機による前記フィルムの搬送速度が前記被包装物供給機による前記被包装物の搬送速度に等しくなったタイミングであることを特徴とする請求項3に記載の包装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送される筒状のフィルムをシールすることによって包装体を作製する包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1で用いられた符号を括弧書きで表記し、特許文献1に記載の包装装置について説明する。特許文献1に記載の技術では、供給ロール(11)に巻回された帯状のフィルム(8)が連続的に繰り出され、そのフィルム(8)の搬送経路の中途部においてそのフィルム(8)が筒状に丸められる。フィルム(8)が丸められる位置には複数の被包装物(4)がフィンガーコンベアによって順次供給されて、筒状フィルム(8)に包み込まれる。そして、フィルム(8)とともに被包装物(4)が下流へ搬送され、フィルム(8)の縦方向綴じ目(10)がシールローラ(16)によって連続的にシールされ、シールローラ(16)よりも下流側においてフィルム(8)の横方向綴じ目(22)がエンドシーラー(18)によって周期的にシールされるとともに、切断される。これにより、ピロー状の包装体が順次作製される。
【0003】
特許文献1に記載の包装装置によって包装される被包装物(4)は、水平方向にスタックされた複数枚のビスケット(5)からなる。そのため、被包装物(4)を供給するコンベアは、ビスケット(5)の倒伏を防止するべく、前後一対の押送フィンガー(6)によってビスケット(5)を挟み込んだ状態で搬送する。それよりも下流側では、フィルム(8)に包み込まれたビスケット(5)を押送フィンガー(6)によって支持することができないので、左右一対のベルトコンベア(25)の間にフィルム(8)ごとビスケット(5)を挟み込み、このベルトコンベア(25)によってフィルム(8)及びビスケット(5)をエンドシーラー(18)まで搬送する。ここで、ベルトコンベア(25)の無端ベルト(26)の外周面には弾性指部(38)が所定間隔で設けられており、フィルム(8)及びその内側のビスケット(5)は圧縮変形した両側の弾性指部(38)の間に挟み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3535171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、フィンガーコンベアによって搬送される被包装物(4)の列に欠落が生じることがある。つまり、前後一対の押送フィンガー(6)の間にビスケット(5)が挟まれていないことがある。そのような欠落が発生すると、空の包装体が作製されてしまう。
【0006】
そこで、空の包装物が作製されないように、欠落部分がベルトコンベア(25)の上流端に至る際に、フィルム(8)の搬送、ベルトコンベア(25)の動作及びエンドシーラー(18)の動作を一時的に停止することが考えられる。その後、欠落が解消したら、欠落解消後の最初の被包装物(4)がベルトコンベア(25)の上流端に到達した後に、フィルム(8)の搬送、ベルトコンベア(25)の動作及びエンドシーラー(18)の動作を再開する。
【0007】
ところが、欠落解消後の最初の被包装物(4)がベルトコンベア(25)の上流端に到達する際には、被包装物(4)が両側の弾性指部(38)の間に押し込まれるとともに、被包装物(4)とフィルム(8)が擦れる。そのため、被包装物(4)のビスケット(5)が破損してしまう虞がある。
【0008】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものである。本発明が解決しようとする課題は、被包装物が供給機によって両側の無端部材(例えば無端ベルト)の間に入り込む際に被包装物の破損を防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上の課題を解決するための本発明は、帯状のフィルムを前記フィルムの長手方向に搬送するフィルム搬送機と、前記フィルム供給機によって搬送される前記フィルムを連続的に筒状に丸め、前記フィルムの両側部を重ねるフォーマと、前記フォーマの上流側に設けられ、前記フォーマによって丸められた前記フィルムの内側に複数の被包装物を一定間隔置きに供給する被包装物供給機と、前記フォーマの下流側に設けられ、前記フォーマによって重ねられた前記フィルムの両側部を連続的にシールするセンターシール機と、前記センターシール機の下流側に設けられ、前記フィルムのうち前記被包装物の間の部位をシールするエンドシール機と、前記フォーマの両側に設けられ、互いに接離するよう移動可能に設けられた一対の第1プーリーと、前記第1プーリーの下流側において前記フォーマの両側に設けられた一対の第2プーリーと、前記第2プーリー及び前記センターシール機の下流側において前記フィルムの両側に設けられた一対の第3プーリーと、前記第1プーリー、前記第2プーリー及び前記第3プーリーに掛け渡され、前記フィルムの両側に配され
た一対の無端部材と、前記無端部材の外周面に設けられた複数の弾性部と、前記第1プーリーを互いに接離するよう駆動する第1駆動部と、前記無端部材を前記第1プーリーから前記第2プーリーを経由して前記第3プーリーに向かう向きに周回駆動する第2駆動部と、を備えることを特徴とする包装装置である。
【0010】
以上の発明によれば、被包装物が第1プーリーの間の位置を通過する際に、一対の第1プーリーが第1駆動部によって互いに離間すると、被包装物が弾性部によって圧迫されず、被包装物とフィルムとの間の摩擦を最小限に抑えることができる。それゆえ、被包装物の破損を防止できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、被包装物の破損を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、ピロー包装装置の概略側面図である。
図2図2は、ピロー包装装置のブロック図である。
図3図3は、完成した包装体の斜視図である。
図4図4は、ピロー包装装置に備わる支持機の平面図である。
図5図5は、支持機の平面図である。
図6図6は、VI−VI断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているので、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0014】
1. ピロー包装装置及び包装物の概要
図1は、ピロー包装装置1の概略側面図である。図2は、ピロー包装装置1のブロック図である。図3は、ピロー包装装置1によって作製される包装体2の斜視図である。
【0015】
このピロー包装装置1は、被包装物3をフィルム5により順次包装することによって、図3に示す包装体2を順次作製する装置である。図3に示すように、完成した状態の包装体2の包装フィルム5は被包装物3を包み込むように筒状に丸められた状態にあり、更に被包装物3の外側において包装フィルム5が部分的にシールされることによって折り畳まれたフィン状のセンターシール部(縦綴じ目)6が形成された状態にあり、被包装物3の両端面側において包装フィルム5の端部がシールされることによってエンドシール部(横綴じ目)7が形成された状態にあり、包装フィルム5の側面のうちエンドシール部7の近傍部位が内方に折り込まれることによってガゼット(まち)8が形成された状態にある。
【0016】
包装フィルム5の内側に収容された被包装物3は複数の板状物品4からなるグループであり、これら板状物品4は包装フィルム5の周面に対してほぼ垂直な姿勢となっているとともに、寄せ集められて重ねられた状態にある。板状物品4は、自立困難又は自立不能な物品であり、例えば薄板状食品(例えば、成型ポテトチップス、ビスケット、クリームサンドビスケット)、PTP包装体(ブリスタ包装体)、ストリップ包装体、カード、プリント回路基板、板紙、メダル、コイン又は硬質なシートである。
【0017】
図1及び図2に示すように、ピロー包装装置1は、搬送台28、受け板(上板)68、フィルム供給機10、物品センサ15、フォーマ(製袋器)18、被包装物供給機20、搬送機30、搬出機35、ガゼット形成機40、センターシール機(縦方向シール機)60、エンドシール機(横方向シール機)70、支持機80及び制御部100等を備える。
【0018】
複数の被包装物3が被包装物供給機20によって一定間隔置きにフォーマ18に順次供給され、帯状のフィルム5がフィルム供給機10によってフォーマ18に連続的に供給される。フィルム5がフォーマ18によって連続的に筒状に丸められる。これにより、被包装物3がフィルム5に包み込まれるとともに、フィルム5の両側部のセンターシール部6が重なり合う。重なり合ったセンターシール部6は、センターシール機60により連続的にシールされて密閉される。その後、フィルム5及び被包装物3が搬送機30によってガゼット形成機40及びエンドシール機70に搬送される。ここで、フォーマ18からエンドシール機70の上流側までの区間では、フィルム5及びその内側の被包装物3がそれらの側方から支持機80によって挟み込まれて、フィルム及びその内側の被包装物3の両側部が支持機80によって支持される。
【0019】
ガゼット形成機40においては、フィルム5のうち被包装物3の間の部位の側面にガゼット8がガゼット形成機40によって繰り返し形成される。
【0020】
エンドシール機70においては、被包装物3の間の部位がエンドシール機70を通過する度に、被包装物3の間の部位がエンドシール機70によってシールされるとともに切断される。これにより、被包装物3の間の部位にエンドシール部7が形成されて、完成した包装体2が切り離される。切り離された包装体2は搬出機35によって下流へ搬送される。
【0021】
以下、ピロー包装装置1の各構成要素について詳細に説明する。
【0022】
2. 搬送台及び受け板
搬送台28が板状部材であり、被包装物3が搬送台28上を被包装物供給機20によって下流へ搬送される。搬送台28の幅方向中央部には搬送方向に沿った長溝が形成されており、搬送台28上の被包装物3がその長溝を跨いだ状態で搬送される。ここで、幅方向とは、被包装物3の搬送方向に対して直交する水平方向をいい、具体的には図1の紙面に垂直な方向をいう。
【0023】
また、搬送台28の下流側には、一対の水平な受け板68が搬送台28の上面に高さが揃うように設けられている。一対の受け板68は図1の紙面に垂直な方向(幅方向)に並べられており、これら受け板68の間にスリット(隙間)が形成されている。
【0024】
3. 被包装物供給機及び物品センサ
被包装物供給機20は、フォーマ18の上流側に設けられたフィンガーコンベアである。被包装物供給機20は、搬送台28及びフォーマ18の下側に配置された第一スプロケット21と、第一スプロケット21よりも上流側且つ搬送台28の下側に配置された第二スプロケット(図示略)と、第一スプロケット21及び第二スプロケットに掛け渡された無端チェーン22と、無端チェーン22に一定間隔で取り付けられた複数の押送フィンガー23と、隣り合う押送フィンガー23の間に配されるとともに無端チェーン22に一定間隔で取り付けられた複数の支持フィンガー24と、第一スプロケット21を回転駆動するサーボモータと、を有する。押送フィンガー23と支持フィンガー24が無端チェーン22の周方向に交互に配列されている。サーボモータによって無端チェーン22が周回されることによって、押送フィンガー23及び支持フィンガー24が搬送台28の長溝を通って搬送台28の上へ突出した状態で第二スプロケットから第一スプロケット21に向かって移動する。これにより、被包装物3が押送フィンガー23及びその上流側の支持フィンガー24との間に挟まれた状態で送られるので、フォーマ18には被包装物3が順次供給される。
【0025】
フォーマ18まで移動したフィンガー23,24は、フォーマ18よりも下流側にある後述の第2プーリー83L,83Rの間の位置において下に引き込む。引き込んだフィンガー23,24は、搬送台28の下を上流側へ戻って、搬送台28の上流部において搬送台28の長溝から上に突出する。
【0026】
ところで、被包装物供給機20によって搬送される被包装物3の列には欠落が生じることもある。ここで、欠落とは、押送フィンガー23と支持フィンガー24との間に被包装物3が挟まれていないことをいう。そのような欠落が生じた場合でも、空の包装体2が製造されることを防止するべく、被包装物供給機20の運転が継続した状態でフィルム供給機10、ガゼット形成機40及びエンドシール機70が一時的に停止する。
【0027】
被包装物3の欠落の発生の有無を検出するべく、搬送台28の上流側部位の長溝の上方には物品センサ15が設けられている。物品センサ15は、投光器により下方へ投光するとともに、下方からの反射光を受光器で受光する反射型光センサである。無端チェーン22が所定距離移動する度に、物品センサ15の下方における被包装物3の有無が物品センサ15によって検出される。物品センサ15による検出タイミングには、支持フィンガー24と押送フィンガー23との間の部分が物品センサ15の下方に位置した時である。
【0028】
4. フィルム供給機
フィルム供給機10には、帯状のフィルム5が巻回された原反ロール11がセッティングされている。原反ロール11から繰り出されたフィルム5がローラ12によって折り返されて、フォーマ18に案内されている。このフィルム供給機10は、原反ロール11に接続された送りモータ(サーボモータ)等を有しており、その送りモータにより原反ロール11を回転させることによって原反ロール11からフィルム5を一定速度でフォーマ18に繰り出す。
【0029】
フィルム供給機10によるフィルム5の搬送速度は、被包装物供給機20による被包装物3の搬送速度(フィンガー23,24の移動速度)に概ね等しい。ここで、押送フィンガー23と支持フィンガー24との間に被包装物の欠落が発生した場合には、フィルム供給機10が一時停止する。フィルム供給機10の一時停止中に、被包装物が欠落したフィンガー23,24が後述のフォーマ18に入り込んでフォーマ18の下に引き込む。このようなフィルム供給機10の一時停止は、被包装物3を挟み込んだフィンガー23,24がフォーマ18を下流側へ通過するまで継続される。
【0030】
なお、送りモータが原反ロール11に接続された構成に限らず、送りモータが図示しないフィードローラに接続され、そのフィードローラが送りモータによって駆動されることによって、フィルム5が原反ロール11から引き出されるものとしてもよい。
【0031】
5. フォーマ
フォーマ18は、搬送台28と受け板68との間に設けられている。また、フォーマ18は原反ロール11よりも下側に配置されており、原反ロール11から繰り出された帯状のフィルム5がフォーマ18を下流側へ通過する際に、フィルム5の両側部のセンターシール部6が下方に曲げられるように、フィルム5がフォーマ18によって筒状に丸められる。更に、センターシール部6がフォーマ18によって重ね合わされるように且つ垂下するようにフィン状に形成され、受け板68のスリットを通って受け板68の下へ突出する。
【0032】
フォーマ18よりも下流側では、被包装物供給機20によって供給された複数の被包装物3が受け板68及び後述の搬送機30上でフィルム5の長手方向(搬送方向)に所定間隔を置いて配列された状態でそのフィルム5に従動して下流側へ搬送される。また、被包装物3がフィルム5に対して滑るのを防止するべく、また被包装物3の板状物品4が倒伏するのを防止するべく、フィルム5及び被包装物3の両側部が支持機80によって支持される。支持機80については後に詳述する。
【0033】
6. センターシール機
センターシール機60は、フォーマ18の下流側且つ受け板68の下側に設けられている。このセンターシール機60は、受け板68のスリットから下に突き出たセンターシール部6を両側から挟み込みながら加熱することでシールする。この図示例では、センターシール機60は、受け板68の下側に設けられた左右一対の棒状ヒータ61と、棒状ヒータ61の下流側に設けられた一対のプレスローラ62と、を有する。一対の棒状ヒータ61の間の隙間をセンターシール部6が通過することによって加熱される。加熱されたセンターシール部6がプレスローラ62によって所定の圧力で挟み込まれることにより、センターシール部6がシールされる。棒状ヒータ61の上流側と下流側には、センターシール部6を挟み込む幅方向に対のピンチローラ63が設けられ、プレスローラ62の下流側には、センターシール部6を挟み込む幅方向に対のピンチローラ64が設けられ、センターシール部6がピンチローラ63,64によって下流へ送られる。なお、一対の棒状ヒータ61の間隔は調整可能である。
【0034】
7. 搬送機及び搬出機
ピンチローラ64の下流側には、ベルトコンベア型の搬送機30及び搬出機35がこれらの順に上流側から下流側へ配列されるように設けられている。搬送機30の無端ベルトの上面は、受け板68の下流側端部から水平方向下流側へ延在している。搬出機35の無端ベルトの上面は、搬送機30の無端ベルトの上面の下流側端部から下流側へ離れているとともに、水平方向下流側へ延在している。
【0035】
搬送機30の速度は、フィルム供給機10によるフィルム5の搬送速度に等しい。
【0036】
筒状のフィルム5及びその内側の被包装物3が受け板68から搬送機30の無端ベルト上に送られる。また、シールされたセンターシール部6は、ピンチローラ64から搬送機30の無端ベルト上に送られる際に筒状のフィルム5の下面に接するように折り畳まれる。
【0037】
搬送機30の無端ベルト上に載った筒状のフィルム5及びその内側の被包装物3は搬送機30の無端ベルトによって下流側へ搬送される。搬送機30の下流側端部まで搬送されたフィルム5及び被包装物3は搬送機30の無端ベルトから搬出機35の無端ベルトに載せ替えられるが、その際に包装体2が完成して、その包装体2よりも上流側のフィルム5から切断される。
そして、搬出機35の無端ベルト上に載った包装体2は搬出機35の無端ベルトによって下流側へ搬送される。
なお、搬送機30が設けられず、ピンチローラ64のすぐ下流側に後述のエンドシール機70が設けられてもよい。
【0038】
搬送機30と搬出機35とフィルム供給機10は制御部100によって同期制御される。従って、押送フィンガー23と支持フィンガー24との間に被包装物の欠落が発生した場合には、フィルム供給機10の一時停止の間中、搬送機30と搬出機35が制御部100によって一時停止される。
制御部100は例えばプログラマルロジックコントローラ(PLC)等を有する制御回路によって構成される。
【0039】
8. ガゼット形成機
搬送機30と搬出機35との間の両側方には、ガゼット形成機40の折込片が設けられている。ガゼット形成機40が駆動源(例えばサーボモータ)を有しており、駆動源の動力が折込片に伝動することによって、折込片が内側に突き出る動作と外側に引き込む動作が繰り返し行われる。ここで、フィルム5が所定距離(押送フィンガー24の間隔にほぼ等しい距離)送られる度に、折込片が内側に突き出る動作が行われる。具体的には、折込片が内側に突き出る動作のタイミングは、被包装物3がガゼット形成機40を通過してから次の被包装物3がガゼット形成機40を通過するまでの間である。つまり、フィルム5のうち隣り合う被包装物3の間の部位が搬送機30の無端ベルトから搬出機35の無端ベルトに載せ替えられる際に、折込片が内側に突き出る。
折込片が内側に突き出ると、筒状のフィルム5の側面が折込片によって内側に折り込まれるので、ガゼット8が形成される。
【0040】
9. エンドシール機
搬送機30と搬出機35との間には、エンドシール機70が設けられている。このエンドシール機70は、フィルム5が所定距離(押送フィンガー24の間隔にほぼ等しい距離)送られる度に、フィルム5を上下に挟み込むことによってフィルム5の熱圧着及び切断を行う。エンドシール機70がフィルム5を熱圧着するタイミングは、被包装物3がエンドシール機70を通過してから次の被包装物3がエンドシール機70を通過するまでの間である。つまり、フィルム5のうち隣り合う被包装物3の間の部位が搬送機30の無端ベルトから搬出機35の無端ベルトに載せ替えられる際に、エンドシール機70によって筒状のフィルム5が熱圧着され、更に切断される。
【0041】
図1に示す例では、エンドシール機70は回転運動式のシール機である。つまり、エンドシール機70の上側加圧部71が、幅方向に延在した回転軸71aを中心にして駆動源(サーボモータ)により回転運動するとともに、エンドシール機70の下側加圧部72が、回転軸71aの下方の回転軸72aを中心にして回転運動する。これにより加圧部71,72が互いに接離する。加圧部71,72が互いに近接した時にこれらの間にフィルム5が挟み込まれて、加圧部71,72に内蔵されたヒータによってフィルム5が加熱され、加圧部71,72に設けられた切断刃73,74によってフィルム5が切断される。
【0042】
なお、エンドシール機70がボックスモーション式のシール機であってもよい。ボックスモーション式の場合、加圧部71,72は回転軸71a,72aの回りを回転するのではなく、姿勢を一定にした状態で次のような運動を駆動源(サーボモータ)の動力により繰り返す。つまり、加圧部71,72は、互いに近接することによってこれらの間にフィルム5を挟み込んだ後に、フィルム5を挟み込んだ状態を保ってフィルム5と同速度で下流へ移動する。その後、加圧部71,72は、互いに離間した後に、離間した状態を保って上流側へ戻る。
【0043】
エンドシール機70とガゼット形成機40とフィルム供給機10は制御部100によって同期制御される。従って、押送フィンガー23と支持フィンガー24との間に被包装物の欠落が発生した場合には、フィルム供給機10の一時停止の間中、エンドシール機70及びガゼット形成機40が制御部100によって一時停止される。
【0044】
10. 支持機
フォーマ18の下流側からエンドシール機70の上流側までの範囲には、支持機80が設けられている。この支持機80は、フィルム5及びその内側の被包装物3を幅方向に挟んだ状態で保持するものである。
【0045】
図4及び図5は支持機80の平面図であり、図6図4に示すVI−VIの切断面の断面図である。支持機80は、筒状のフィルム5の両側に配置された一対のベルトコンベア81L,81Rを有する。
【0046】
ベルトコンベア81Lは、第1プーリー82L、第2プーリー83L、第3プーリー84L、ドライブプーリー85L、ガイドプーリー86L、テンションプーリー87L、ブラケット88L、アクチュエータ(離間駆動部)89L、エアテンショナー90L、ドライブモータ(第2駆動部)91L、無端ベルト(無端部材)92L及び複数の弾性部93Lを備える。ベルトコンベア81Rは、第1プーリー82R、第2プーリー83R、第3プーリー84R、ドライブプーリー85R、ガイドプーリー86R、テンションプーリー87R、ブラケット88R、アクチュエータ(離間駆動部)89R、エアテンショナー90R、ドライブモータ(第2駆動部)91R、無端ベルト(無端部材)92R及び複数の弾性部93Rを備える。
【0047】
ベルトコンベア81Lとベルトコンベア81Rは筒状のフィルム5の中心軌道Axを通る鉛直面に関して互いに対称に配設されている。ベルトコンベア81L,81Rのプーリー82L〜87L,82R〜87Rの回転軸は、フィルム5の搬送方向及び幅方向によって定義される面に対して直交する。
【0048】
無端ベルト92L及び複数の弾性部93Lの組合せが2組あり、それら2組の組合せが上下に設けられている(図6参照)。無端ベルト92Lが上下に設けられているのは、ガゼット形成機40の軌跡が上下の無端ベルト92Lの間にあるためである。無端ベルト92R及び複数の弾性部93Rの組合せについても同様である。
【0049】
また、プーリー82L〜87L、無端ベルト92L及び複数の弾性部93Lは、受け板68及び搬送機30の上面よりも上側に配置されている(図6参照)。プーリー82R〜87R、無端ベルト92R及び複数の弾性部93Rについても同様である。
なお、ベルトコンベア81Lとベルトコンベア81Rが互いに対称に配設されているので、以下では、主にベルトコンベア81Lについては詳細に説明し、ベルトコンベア81Rについては簡単に説明する。
【0050】
ブラケット88LはL字型に形成されている。ブラケット88Lの一端部には第1プーリー82Lが回転可能に取り付けられ、ブラケット88Lの屈曲部には第2プーリー83Lが回転可能に取り付けられ、ブラケット88Lの他端部にはアクチュエータ89Lの可動部(例えばピストンロッド)が連結されている。アクチュエータ89Lの本体部(例えばシリンダチューブ)は機枠に連結されている。ブラケット88Lの屈曲部は、第2プーリー83Lの回転軸と同軸回りに回転可能に機枠に取り付けられている。
【0051】
第2プーリー83L及びセンターシール機60の下流側には、第3プーリー84Lが配置されている。この第3プーリー84Lがエンドシール機70の上流側に配置されているものの、第3プーリー84Lがエンドシール機70の加圧部71,72に干渉しない程度に第3プーリー84Lがエンドシール機70の近傍に配置されている。第3プーリー84Lの幅方向外側にはドライブプーリー85Lが配置されている。ドライブプーリー85Lの上流側にはガイドプーリー86Lが配置され、ガイドプーリー86Lの上流側にはテンションプーリー87Lが配置されている。プーリー85L〜87Lは、プーリー82L〜84Lの幅方向外側において、搬送方向に沿って一直線状に配列されている。第2プーリー83Lと第2プーリー83Rの間隔は、第3プーリー84Lと第3プーリー84Rの間隔に等しい。
【0052】
プーリー84L〜86Lは機枠に回転可能に取り付けられている。プーリー87Lはエアテンショナー90Lのロッドに回転可能に取り付けられている。エアテンショナー90Lのシリンダは機枠に固定されている。
【0053】
プーリー82L,83Lは、フォーマ18よりも下流側且つフォーマ18の幅方向外側に配置されており、第1プーリー82Lが第2プーリー83Lよりも上流側に配されている。フォーマ18によって筒状に丸められたフィルム5は、プーリー82L〜84Lとプーリー82R〜84Rの間を下流へ搬送される。なお、搬送台28の長溝から上に突き出たフィンガー23,24は、第1プーリー82Lと第2プーリー82Rとの間を下流へ移動して、プーリー83Lとプーリー83Rの間の位置において下に引き込む。
【0054】
プーリー82L〜87Lは上下二段のプーリーである。そして、上側の無端ベルト92Lがプーリー82L〜87Lの上段に掛け渡され、下側の無端ベルト92Lがプーリー82L〜87Lの下段に掛け渡されている。
【0055】
無端ベルト92Lの外周面には、複数の弾性部93Lが周方向に所定間隔で設けられている。弾性部93Lは、無端ベルト92Lの外周面の上端部から外側に突出して、下側へ湾曲している。弾性部93L及び無端ベルト92Lはエラストマ材料からなる。
【0056】
ドライブプーリー85Lがドライブモータ91Lによって回転駆動されると、無端ベルト92Lが第1プーリー82Lから第2プーリー83Lを経由して第3プーリー84Lに向かう向きに周回するよう駆動される。無端ベルト92Lの速度はフィルム5の搬送速度に等しい。
【0057】
また、ドライブモータ91Lはエンドシール機70及びフィルム供給機10と同期するように制御部100によって制御される。従って、押送フィンガー23と支持フィンガー24との間に被包装物の欠落が発生した場合には、フィルム供給機10の一時停止の間中、エンドシール機70及びガゼット形成機40が制御部100によって一時停止される。
【0058】
フォーマ18によって丸められたフィルム5及びその内側の被包装物3は、第1プーリー82L,82Rから第3プーリー84L,84Rにかけての範囲において、弾性部93Lと弾性部93Rとの間に挟まれた状態で下流側へ搬送される。これにより、被包装物3の板状物品4の倒伏が防止される。また、筒状フィルム5及び被包装物3が弾性部93L,93Rに挟まれることによって、弾性部93L,93Rが弾性変形する。弾性部93L,93Rの弾性力が被包装物3に対して幅方向内側に向けて作用するので、被包装物3が確実に支持される。
【0059】
無端ベルト92Lの速度はフィルム5の搬送速度に等しいので、筒状のフィルム5に接触した弾性部93L,93Rはフィルム5と同一速度で下流へ移動する。そのため、フィルム5が弾性部93L,93Rに対して相対的に搬送方向に滑ることはない。
【0060】
エアテンショナー90Lは搬送方向に伸縮可能である。また、エアテンショナー90Lは伸長する向き(テンションプーリー87Lがプーリー86Lから離れる向き)の荷重を付与する。これにより無端ベルト92Lには一定の張力が作用して、無端ベルト92Lが張った状態に保たれている。
【0061】
アクチュエータ89Lは、例えばエアシリンダ、油圧シリンダ、電磁ソレノイド又はリニアモータである。アクチュエータ89Lは、ブラケット88Lをその屈曲部を中心にして揺動するように駆動することによって、第1プーリー82Lを幅方向に移動させるように駆動するものである(図4図5参照)。従って、二つのアクチュエータ89L,89Rによって第1プーリー82Lと第1プーリー82Rとが幅方向に互いに接離するよう駆動される。なお、第1プーリー82Lが幅方向内側に移動すると、エアテンショナー90Lが収縮し、第1プーリー82Lが幅方向外側に移動すると、エアテンショナー90Lが伸長する。
【0062】
図4に示すように、第1プーリー82Lと第1プーリー82Rが互いに近接した状態では、プーリー82L〜84Lが搬送方向に沿って一直線状に配列されとともに、プーリー82R〜84Rが一直線状に配列される。この状態では、無端ベルト92Lのうちプーリー82L〜84Lの部位と、無端ベルト92Rのうちプーリー82R〜84Rの部位とは互いに平行になる。つまり、第1プーリー82Lと第1プーリー82Rの間隔は、第2プーリー83Lと第2プーリー83Rの間隔に等しく、更に、第3プーリー84Lと第3プーリー84Rの間隔にも等しい。
【0063】
図5に示すように、第1プーリー82Lと第1プーリー82Rが互いに離間した状態では、無端ベルト92L,92Rのうちプーリー82L〜84L,82R〜84Rの部位が第2プーリー83L,83Rにおいて曲がる。
【0064】
アクチュエータ89L,89Rの接離動作のタイミングは制御部100によって制御される。
【0065】
11. ピロー包装装置の動作
ピロー包装装置1の動作について詳細に説明する。
【0066】
(1)定常運転状態(被包装物の欠落の未発生時)
制御部100がアクチュエータ89L,89Rを制御して、プーリー82Lとプーリー82Rが互いに近接した状態で維持される。そのため、図3に示すように、プーリー82L〜84Lが搬送方向に沿って一直線状に配列されとともに、プーリー82R〜84Rが一直線状に配列される。
【0067】
また、被包装物供給機20(特にそのサーボモータ)、フィルム供給機10(特にその送りモータ)、搬送機30、搬出機35、ガゼット形成機40(特にその駆動源)、エンドシール機70(特にその駆動源)及び支持機80のドライブモータ91L,92Rが制御部100によって一定速度に制御される。
【0068】
そうすると、被包装物3が被包装物供給機20によってフォーマ18に順次供給され、フィルム5がフィルム供給機10によって原反ロール11からフォーマ18、センターシール機60、搬送機30、ガゼット形成機40及びエンドシール機70を経由して搬出機35に送られる。これにより、包装体2が順次作成される。
【0069】
以上のような定常運転中、無端チェーン22が所定距離移動する毎に、物品センサ15の下方における被包装物の有無が物品センサ15によって検出される。物品センサ15によって被包装物3が検出されると、制御部100が被包装物供給機20、フィルム供給機10、搬送機30、搬出機35、ガゼット形成機40、エンドシール機70及び支持機80のドライブモータ91L,91Rの定速制御を継続する。
【0070】
(2)被包装物の欠落の発生時
物品センサ15によって被包装物の欠落が検出されると、制御部100がフィルム供給機10、搬送機30、搬出機35、ガゼット形成機40、エンドシール機70及び支持機80のドライブモータ91L,92Rを停止させる。その停止タイミングは、被包装物を挟んでいないフィンガー23,24の一つ前の組のフィンガー23,24が第2プーリー83L,83Rの間の位置において下方に引き込んだ後であって、被包装物を挟んでいないフィンガー23,24がフォーマ18に至る前である。
【0071】
フィルム供給機10、搬送機30及び支持機80のドライブモータ91L,92Rの停止によって、フィルム5の搬送が止まる。また、ガゼット形成機40の停止によって、折込片の突出・引き込み動作が停止する。また、エンドシール機70の停止によって、加圧部71,72の接離動作が停止する。
【0072】
フィルム5の停止前に最後に供給された被包装物3はプーリー83L,83Rの下流側で停止し、その被包装物3からエンドシール機70までの間において複数の被包装物3が筒状のフィルム5の内側において等間隔で配列された状態で停止する。
【0073】
フィルム供給機10、搬送機30、搬出機35、ガゼット形成機40、エンドシール機70及び支持機80のドライブモータ91L,92Rの停止中も、制御部100が被包装物供給機20を停止させずに、継続して一定速度で運転する。
【0074】
フィルム供給機10、搬送機30、搬出機35、ガゼット形成機40、エンドシール機70及び支持機80のドライブモータ91L,92Rの停止中、無端チェーン22が所定距離移動する毎に、物品センサ15の下方における被包装物の有無が物品センサ15によって検出される。物品センサ15によって被包装物の欠落が検出されると、制御部100がフィルム供給機10、搬送機30、搬出機35、ガゼット形成機40、エンドシール機70及び支持機80のドライブモータ91L,92Rの停止を継続する。
【0075】
(3)欠落発生後の運転再開時(欠落解消時)
フィルム供給機10、搬送機30、搬出機35、ガゼット形成機40、エンドシール機70及び支持機80のドライブモータ91L,92Rの停止後に、物品センサ15によって被包装物3が初めて検出される。そうすると、制御部100がアクチュエータ89L,89Rを制御して、プーリー82Lとプーリー82Rが互いに離間する(図5参照)。制御部100によってアクチュエータ89L,89Rが作動させるとともにプーリー82Lとプーリー82Rが互いに離間するタイミングは、物品センサ15によって検出された被包装物3を挟み込んだフィンガー23,24がプーリー82L,82Rに到達する前である。
【0076】
その後、物品センサ15によって検出された被包装物3を挟み込んだフィンガー23,24がフォーマ18に到達して、被包装物3が筒状のフィルム5の中に入り込む。そして、支持フィンガー24がプーリー82L,82Rの間を通過して、被包装物3もプーリー82L,82Rの間に到達する。プーリー82L,82Rが互いに離間しているので、プーリー82L,82Rの間に到達した被包装物3は筒状のフィルム5越しに弾性部93L,93Rに当たらない。そのため、被包装物3の板状物品4の破損を防止することができる。
【0077】
支持フィンガー24がプーリー82L,82Rの間を下流側へ通過した後、制御部100がフィルム供給機10、搬送機30、搬出機35、ガゼット形成機40、エンドシール機70及び支持機80のドライブモータ91L,92Rを作動させて、一定速度に制御する。
【0078】
フィルム供給機10、搬送機30、搬出機35、ガゼット形成機40、エンドシール機70及び支持機80のドライブモータ91L,92Rの作動後、フィルム供給機10によるフィルム5の搬送速度が被包装物供給機20による被包装物3の搬送速度に等しくなったタイミングで制御部100がアクチュエータ89L,89Rを制御して、プーリー82Lとプーリー82Rが互いに近接する。そのため、筒状のフィルム5の中に入り込んだ被包装物3が弾性部93L,93Rの間に挟み込まれる。この際、弾性部93L,93Rの移動速度、フィルム5の搬送速度及び被包装物3の移動速度が互いに等しいので、被包装物3がフィルム5及び弾性部93L,93Rに対して相対的に下流へ滑らない。つまり、被包装物3がフィルム5から受けるストレスがなく、押送フィンガー23の推進力に抗する被包装物3とフィルム5との摩擦抵抗も生じない。そのため、被包装物3の板状物品4の破損を防止することができる。
【0079】
プーリー82Lとプーリー82Rが互いに近接した後は、上述した定常運転の状態と同じである。
【0080】
12. 効果
(1) 定常運転の際、筒状のフィルム5及びその内側の被包装物3が弾性部93L,93Rの間に挟み込まれた状態で、弾性部93L,93Rと同速度で搬送されるので、被包装物3の板状物品4の倒れを防止することができる。また、完成した包装体2のフィルム5が被包装物3の全体としての外形にぴったりフィットし、フィルム5の皺や弛みを最小限に抑えることができる。
【0081】
(2) 定常運転の再開の際、第1プーリー82L,82Rが互いに離間する。そのため、停止した筒状のフィルム5の内側に被包装物3が入り込む際に、被包装物3が圧迫されず、被包装物3とフィルム5との間の摩擦を最小限に抑えることができる。それゆえ、被包装物3の板状物品4の破損防止に寄与する。
【0082】
13. 変形例
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明の実施形態は本発明の趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。以上の実施形態からの変更点について以下に説明する。以下に説明する各変更点を組み合わせて適用してもよい。
【0083】
(1) 上記実施形態では、定常運転の再開直前(フィルム供給機10、搬送機30、搬出機35、ガゼット形成機40、エンドシール機70及び支持機80のドライブモータ91L,92R後に、物品センサ15によって被包装物3が初めて検出された後)に、プーリー82Lとプーリー82Rが互いに離間した。それに対して、プーリー82Lとプーリー82Rが互いに離間するタイミングは、フィルム供給機10、搬送機30、搬出機35、ガゼット形成機40、エンドシール機70及び支持機80のドライブモータ91L,92Rを停止した後であって、その停止後に物品センサ15によって最初に検出された被包装物3を挟み込んだフィンガー23,24がプーリー82L,82Rに到達する前であればいつでもよい。
例えば、フィルム供給機10、搬送機30、搬出機35、ガゼット形成機40、エンドシール機70及び支持機80のドライブモータ91L,92Rの停止直後に、制御部100がアクチュエータ89L,89Rを制御することによって、プーリー82Lとプーリー82Rが互いに離間する。そして、最初に検出された被包装物3を挟み込んだフィンガー23,24がプーリー82L,82Rを通過するまで、プーリー82L、82Rの離間状態を維持する。その後、最初に検出された被包装物3を支持する支持フィンガー24がプーリー82L,82Rの間を下流側へ通過した後、制御部100がフィルム供給機10、搬送機30、搬出機35、ガゼット形成機40、エンドシール機70及び支持機80のドライブモータ91L,92Rを作動させて、一定速度に制御する。その後、フィルム5が被包装物3と同速になったタイミングで制御部100がアクチュエータ89L,89Rを制御して、プーリー82Lとプーリー82Rが互いに近接する。
【0084】
(2) 弾性部93Lの形状・形態を変更してもよい。例えば、弾性部93Lは、無端ベルト92Lの外周面に対して周回方向と逆向きに傾斜したフィン状であってもよいし、無端ベルト92Lの外周面に分布するとともにその無端ベルト92Lの外周面から周回方向と逆向きへ斜めに突出するように設けられた毛材であってもよい。弾性部93Rについても同様である。
【0085】
(3) 上記実施形態では、ピロー包装装置1が正ピロー包装装置であったが、逆ピロー包装装置であってもよい。逆ピロー包装装置の場合、原反ロール11がフォーマ18の下側に設けられている。原反ロール11からフォーマ18に搬送されたフィルム5の両側部のセンターシール部6が上方に曲げられるように、フィルム5がフォーマ18によって筒状に丸められる。また、フォーマ18の下流側に設けられたセンターシール機60は、筒状のフィルム5の上側に配置されている。
【符号の説明】
【0086】
1…ピロー包装装置, 2…包装体, 3…被包装物, 4…板状物品, 5…フィルム,10…フィルム供給機, 15…物品センサ, 18…フォーマ, 20…被包装物供給機, 30…搬送機, 35…搬出機, 40…ガゼット形成機, 60…センターシール機, 70…エンドシール機, 80…支持機, 82L・82R…第1プーリー, 83L・83R…第2プーリー, 84L・84R…第3プーリー, 89L・89R…アクチュエータ(第1駆動部), 91L・91R…ドライブモータ(第2駆動部), 92L・92R…無端ベルト(無端部材) 93L・93R…弾性部
図1
図2
図3
図4
図5
図6