【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は本発明により、サージアレスタ用の断路を形成するための駆動機構であって、当該サージアレスタの制御および監視のための複数の接続端子を有する駆動機構において、前記複数の接続端子が1つのコネクターデバイス内に配設されていることを特徴とする駆動機構により解決される。
【0009】
標準化されたコネクター接続を使用することができ、このことによって、駆動機構を構造的な変更なしに多数の異なる制御装置と接続することができる。このことが本発明の1つのメリットである。接続端子を、その都度設置された制御装置へ適合させる必要がなくなる。
【0010】
接続という意味では、コネクターデバイスは、適合するプラグを挿入可能なソケットでもよいし、プラグ自身でもよい。このコネクターデバイスとしてソケットが使用される場合には、その相手部品はこのソケットに対応するプラグである。このコネクターデバイスとしてプラグが使用される場合には、その相手部品はこのプラグに対応するソケットである。
【0011】
コネクターデバイスとしては、例えば、Harting社製のソケット、型式24DD、24ピンおよびアースピン付き、サイズ6B、使用ピン番号09160243001、使用ソケット番号09160243101を使用することができる。このコネクター接続は250V、10Aまで使用可能である。しかし、他のメーカーの他の型式のコネクターデバイスを使用することもできる。
【0012】
このコネクターデバイスは駆動機構を制御装置と接続するためのものであり、例えば、開閉状態(接地/非接地)を伝達することにより、制御装置はサージアレスタを制御および監視することができる。さらに、自動操作のためにモーターを設けることも可能である。このモーターは、例えば機構室内部に配設することができる。この場合には、コネクターデバイスによりモーターの制御を行うこともできる。
【0013】
適切なコネクターシステムを使用することにより、より高度な耐環境要求事項を満たすことができる。というのは、比較的低い耐温度性しか持たない保護ホースが不要となるからである。こうして、簡単な方法で、GISサージアレスタに対して、「DIN EN規格60529(VDE0471‐1):2014−09ハウジング貫通保護様式(IPコード)」で公知の国際保護規格65(IP65)による保護様式の要求、および、マイナス40℃までの耐温度性を達成することができる。このことは、気候上の使用地域が広がるので、1つのメリットである。
【0014】
本発明による駆動機構の好適な1実施形態では、この駆動機構がコネクターデバイス用の蓋を有している。この方法で、相手部品が挿入されていない場合にコネクターデバイスを天候の影響および湿度から保護することができるので、このことは1つのメリットである。
【0015】
本発明による駆動機構の好適な1実施形態では、この駆動機構が、前記蓋をコネクターデバイスに固定するためのロックデバイスを有している。このことは、こうしてこの蓋が確実にその位置に保持され、コネクターデバイスのこの領域に湿度が侵入しないので、1つのメリットである。
【0016】
本発明による駆動機構の好適な1実施形態では、この駆動機構が、コネクターデバイス内で相手部品を固定するためのロックデバイスを有している。このことは、こうして相手部品が確実にその位置に保持され、コネクターデバイスのこの領域に湿度が侵入しないので、1つのメリットである。
【0017】
本発明による駆動機構の好適な1実施形態では、この駆動機構が機構室を有し、サージアレスタ内で高電圧接点を接地電位と接続、及び/又は、分離するためにスイッチが作動できるように、この機構室内で運動を変換することができる。
【0018】
本発明による駆動機構の好適な別の実施形態では、コネクターデバイスが機構室のフードに配設されており、この場合、このフード内部で機構室とコネクターデバイスとの間に制御、及び/又は、監視のための少なくとも1つの接続が行われている。本発明におけるフードとは、一方では機構室のカバーに固定可能であり、他方ではこのフード内部でコネクターデバイスを電気導体ないしケーブルで機構室と接続するための十分に広い空間を有する、全ての種類の中空体である。このフードあるいはキャップは例えば、ほぼ円形に湾曲された半球状の、又は、半楕円面状の、中空体として形成することができる。
【0019】
この構造により比較的小さい耐温度性しか持たない保護ホースを不要とすることができ、気候的な使用地域を広げることができることは、1つのメリットである。さらに、顧客仕様による接続箱もなくすることができる。こうしてコネクターデバイスの内部接続により、接続箱および電気導体の入った保護ホースを節約することができ、このことにより、製造、輸送および保守におけるコストメリットが可能となる。もう1つのメリットは、この駆動機構をこの方法で特に省スペースになるように作ることができることである。
【0020】
さらなるメリットは、構造の高さを高くすることなしに、従来の公知の機構よりも大きいハンドクランクを使用することができることである。というのは、ハンドクランクの直径が保護ホース用の接続端子によって制限されないからである。これにより駆動の取扱いが容易になる。というのは、より大きいハンドクランクではより長いクランクアームを使用することができるからである。
【0021】
好適にはこのフードは屋外使用可能なアルミニウム合金で作られる。例えば、金型鋳造法を使用することができる。金型鋳造法は特にコスト的に有利なので、このことは1つのメリットである。
【0022】
本発明による駆動機構の好適な別の実施形態では、前記フードが第1の平坦部を有し、この平坦部にコネクターデバイスが取り付けられている。このフードが、例えば、機構室側の1つの側(がわ)を有し、さらに、機構室とは反対側まで延びており、この機構室の反対側に例えばハンドクランクを設置することができると、前記第1の平坦部をこれらの両方の側(がわ)の間に設置することが可能であり、このことは好適でメリットである。この駆動機構が例えば垂直に方向付けられている場合には、前記カバーは機構室の上部に在る。この方向付けの場合には、このカバーにフードが固定されており、このフードの横側に前記第1の平坦部が配置されている。
【0023】
このことは1つのメリットである。というのは汎用のコネクターデバイスは通常は平らな表面に取り付けるべく設計されているからである。
【0024】
本発明による駆動機構の好適な別の実施形態では、前記フードが少なくとももう1つの平坦部を有し、このもう1つの平坦部に複数の付属器具を取り付けることができる。汎用の付属器具は通常は平らな表面に取り付けるべく設計されているので、このことは1つのメリットである。例えば、前記少なくとももう1つの平坦部は前述したように垂直方向の駆動機構では、例えば前記第1の平坦部のように側面に配置することができる。
【0025】
本発明による駆動機構の好適な別の実施形態では、付属器具として、機構室内での運動をブロックするためのインターロックデバイスが設けられている。この方法で、駆動機構の意図しない、または、許容されない操作が妨げられるので、このことは1つのメリットである。このインターロックデバイスが錠を有していると、特に好適で有効である。
【0026】
本発明による駆動機構の好適な別の実施形態では、付属器具として、前記コネクターデバイスの規格とは別の規格に基づく付属コネクターデバイスが設けられている。この方法で多様な制御装置を接続することができるので、このことは1つのメリットである。
【0027】
本発明による駆動機構の好適な別の実施形態では、前記フードが運動を駆動するための作動装置を有する。この作動装置を用いて開閉プロセスのための機械的な力が供給されるので、このことは1つのメリットである。
【0028】
本発明による駆動機構の好適な別の実施形態では、前記作動装置が手動操作用に形成されている。手動操作はコスト的に有利に実施できるので、このことは1つのメリットである。一般的に、例えば保守のためのサージアレスタの閉または開は2〜3ヵ月ごとに予定されるだけである。
【0029】
本発明による駆動機構の好適な別の実施形態では、前記作動装置がハンドクランクを有する。ハンドクランクは長年にわたり実証されており、製造コストで有利なので、このことは1つのメリットである。
【0030】
本発明による駆動機構の好適な別の実施形態では、前記作動装置が自動操作用のモーターを有する。
【0031】
本発明による駆動機構の好適な別の実施形態では、前記作動装置がフードの、機構室とは反対側に配設されている。
【0032】
本発明による駆動機構の好適な別の実施形態では、前記作動装置が、垂直に方向づけられた駆動機構の場合、前記フードに側面取り付けが可能なように配設されている。
【0033】
本発明による駆動機構の好適な別の実施形態では、前記機構室がカバーを有し、このカバーに前記フードが取り付けられている。
【0034】
本発明による駆動機構の好適な別の実施形態では、前記機構室が透明な壁を有する。円筒形外殻としての透明な壁により技術者が目視で駆動機構内の開閉状態をチェックできるので、このことは1つのメリットである。というのは、この開閉状態はサージアレスタ内の接点の開閉状態とリンクしているからである。これにより労働安全性および操作安全性が高められる。
【0035】
本発明による駆動機構の好適な別の実施形態では、前記壁が平面状シールを用いて前記カバーに対してシールされており、この平面状シールはカバーの溝内に配設されている。従来の駆動機構ではしばしば、シールリングが壁の内面に半径方向に当てられる。このことは、この壁の形状または半径が製造に起因して容易に設計図から異なる場合には、デメリットとなる。カバーの溝が切削加工時に正確に加工されなかった場合にも、この機構のシール性に関する問題が発生する。これとは逆に平面状シールの場合には、溝は壁よりも著しく広く作られている。この溝の中で凹部の底面はシール材で完全に内張りされ、このシール材に壁が押し込まれる。こうして、壁とカバー溝の形状と大きさに変位が生じた場合でも、常にシールされた結合が得られる。
【0036】
本発明をよりよく説明するために以下の模式図を示す。