(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6688920
(24)【登録日】2020年4月8日
(45)【発行日】2020年4月28日
(54)【発明の名称】位置情報取得方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H04M 11/00 20060101AFI20200421BHJP
G07F 7/08 20060101ALI20200421BHJP
G07F 7/02 20060101ALI20200421BHJP
G06F 13/00 20060101ALI20200421BHJP
G06Q 30/06 20120101ALI20200421BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20200421BHJP
【FI】
H04M11/00 302
G07F7/08 Q
G07F7/08 R
G07F7/02 Z
G06F13/00 520A
G06Q30/06
H04M1/00 V
【請求項の数】18
【外国語出願】
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-36153(P2019-36153)
(22)【出願日】2019年2月28日
(62)【分割の表示】特願2017-511593(P2017-511593)の分割
【原出願日】2015年8月28日
(65)【公開番号】特開2019-146173(P2019-146173A)
(43)【公開日】2019年8月29日
【審査請求日】2019年3月11日
(31)【優先権主張番号】201410437944.5
(32)【優先日】2014年8月29日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510330264
【氏名又は名称】アリババ・グループ・ホールディング・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ALIBABA GROUP HOLDING LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100141254
【弁理士】
【氏名又は名称】榎原 正巳
(72)【発明者】
【氏名】リウ ホゥイ
(72)【発明者】
【氏名】ジュヨン ハオホワ
(72)【発明者】
【氏名】ジン ホゥイフオン
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ リン
(72)【発明者】
【氏名】シアーン ティエンチュヨン
【審査官】
松原 徳久
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−254341(JP,A)
【文献】
特開2010−250471(JP,A)
【文献】
特開2012−073738(JP,A)
【文献】
特開2004−240794(JP,A)
【文献】
米国特許第08706557(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F13/00
19/00
G06Q10/00−40/08
50/00−50/20
50/26−99/00
G07F5/00−9/10
G07G1/00−5/00
H04M1/00
1/24−3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つ以上の計算装置によって実施される方法であって、
端末がトランザクションデバイスに対してデジタルオブジェクトユニーク識別子を表示し、前記トランザクションデバイスが前記表示された前記デジタルオブジェクトユニーク識別子をスキャンすることによって、トランザクションに対する電子決済が行われる際に、前記端末によって生成されアップロードされたトランザクションデータを取得することと、
前記トランザクションデータに含まれるトランザクションデバイス識別子及びトランザクションアドレス情報を決定することと、
前記トランザクションアドレス情報の少なくとも一部に基づいて前記トランザクションデバイス識別子に対応する前記トランザクションデバイスの位置情報を決定及び記憶することと、
前記端末の事前設定された地理的な位置範囲に配置されている一つ以上のトランザクションデバイスのそれぞれの位置情報及び属性情報を、前記端末に提供することであって、前記属性情報は、前記一つ以上のトランザクションデバイスが配置されている店舗のタイプと、前記一つ以上のトランザクションデバイスによって支援されるトランザクションタイプと、のうちの少なくとも一つを含む、提供することと、
前記端末の前記事前設定された地理的な位置範囲に配置されている一つ以上のトランザクションデバイスのそれぞれの位置情報と、前記地理的な位置範囲における不正決済または個人情報盗難に関するタイプ情報と、を前記端末に提供することと、
を具備する方法。
【請求項2】
前記トランザクションデバイスの前記位置情報を決定及び記憶することは、前記トランザクションデバイス識別子に対応する前記トランザクションデバイスの前記位置情報が予め記憶されていないということに応じて、前記トランザクションアドレス情報を、前記トランザクションデバイス識別子に対応する前記トランザクションデバイスの前記位置情報として決定及び記憶すること、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記トランザクションデバイスの前記位置情報を決定及び記憶することは、前記トランザクションデバイス識別子に対応する前記トランザクションデバイスの前記位置情報が予め記憶されているということに応じて、前記トランザクションアドレス情報の少なくとも一部に基づいて、予め記憶した位置情報を修正することと、修正した前記位置情報を記憶することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記端末の現在の位置情報と各トランザクションデバイスのそれぞれの記憶した位置情報との少なくとも一部に基づいて、現在前記端末から設定距離未満に位置する一つ以上のトランザクションデバイスを決定すること、を更に具備する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
現在前記端末から前記設定距離未満に位置する前記一つ以上のトランザクションデバイスのそれぞれの位置情報を、前記端末に提供すること、を更に具備する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記トランザクションデバイスは、自動販売機又は販売時点情報管理機を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
一つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記一つ以上のプロセッサに対して、
異なる報告時点において端末によって報告された地理的な位置情報のそれぞれを受信することと、
端末がトランザクションデバイスに対してデジタルオブジェクトユニーク識別子を表示し、前記トランザクションデバイスが前記表示された前記デジタルオブジェクトユニーク識別子をスキャンすることによって、トランザクションに対する電子決済が行われる際に、前記端末によって生成されアップロードされたトランザクションデータを取得することと、
前記トランザクションデータに含まれるトランザクションデバイス識別子及びトランザクション時点を決定することと、
それぞれの前記報告時点と前記トランザクション時点との少なくとも一部に基づいて、前記トランザクション時点から最短の期間を有する報告時点を決定することと、
決定した前記報告時点において前記端末によって報告された地理的な位置情報の少なくとも一部に基づいて前記トランザクションデバイス識別子に対応する前記トランザクションデバイスの位置情報を決定及び記憶することと、
前記端末の事前設定された地理的な位置範囲に配置されている一つ以上のトランザクションデバイスのそれぞれの位置情報及び属性情報を、前記端末に提供することであって、前記属性情報は、前記一つ以上のトランザクションデバイスが配置されている店舗のタイプと、前記一つ以上のトランザクションデバイスによって支援されるトランザクションタイプと、のうちの少なくとも一つを含む、提供することと、
を具備する動作を実行させる実行可能な命令を記憶する、一つ以上のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項8】
前記トランザクションデバイスの前記位置情報を決定及び記憶することは、前記トランザクションデバイス識別子に対応する前記トランザクションデバイスの前記位置情報が予め記憶されていないということに応じて、前記トランザクションデバイス識別子に対応する前記トランザクションデバイスの前記位置情報を決定及び記憶すること、を含む、請求項7に記載の一つ以上のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項9】
前記トランザクションデバイスの前記位置情報を決定及び記憶することは、前記トランザクションデバイス識別子に対応する前記トランザクションデバイスの前記位置情報が予め記憶されているということに応じて、前記決定した報告時点において前記端末によって報告された前記地理的な位置情報の少なくとも一部に基づいて予め記憶した位置情報を修正することと、修正した前記位置情報を記憶することと、を含む、請求項7に記載の一つ以上のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項10】
前記動作は、前記端末の現在の位置情報と各トランザクションデバイスのそれぞれの記憶した位置情報との少なくとも一部に基づいて、現在前記端末から設定距離未満に位置する一つ以上のトランザクションデバイスを決定すること、を更に具備する、請求項7に記載の一つ以上のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項11】
前記動作は、現在前記端末から前記設定距離未満に位置する前記一つ以上のトランザクションデバイスのそれぞれの位置情報を、前記端末に提供すること、を更に具備する、請求項10に記載の一つ以上のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項12】
前記動作は、前記端末の前記事前設定された地理的な位置範囲に配置されている一つ以上のトランザクションデバイスのそれぞれの位置情報と、前記地理的な位置範囲における不正決済または個人情報盗難に関するタイプ情報と、を前記端末に提供すること、を更に具備する、請求項7に記載の一つ以上のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項13】
前記トランザクションデバイスは、自動販売機又は販売時点情報管理機を含む、請求項7に記載の一つ以上のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項14】
一つ以上のプロセッサと、
メモリと、
端末がトランザクションデバイスに対してデジタルオブジェクトユニーク識別子を表示し、前記トランザクションデバイスが前記表示された前記デジタルオブジェクトユニーク識別子をスキャンすることによって、トランザクションに対する電子決済が行われる際に、前記端末によって生成されアップロードされたトランザクションデータを取得するものであって、前記メモリに記憶されて、かつ、前記一つ以上のプロセッサによって実行可能な取得モジュールと、
前記取得モジュールによって取得された前記トランザクションデータに含まれるトランザクションデバイス識別子及びトランザクションアドレス情報を決定するものであって、前記メモリに記憶されて、かつ、前記一つ以上のプロセッサによって実行可能な決定モジュールと、
前記決定モジュールによって決定された前記トランザクションアドレス情報の少なくとも一部に基づいて前記トランザクションデバイス識別子に対応する前記トランザクションデバイスの位置情報を決定及び記憶するものであって、前記メモリに記憶されて、かつ、前記一つ以上のプロセッサによって実行可能な記憶モジュールと、
前記端末の事前設定された地理的な位置範囲に配置されている一つ以上のトランザクションデバイスのそれぞれの位置情報及び属性情報を、前記端末に提供するサービスモジュールであって、前記属性情報は、前記一つ以上のトランザクションデバイスが配置されている店舗のタイプと、前記一つ以上のトランザクションデバイスによって支援されるトランザクションタイプと、のうちの少なくとも一つを含み、前記サービスモジュールは、前記メモリに記憶されて、かつ、前記一つ以上のプロセッサによって実行可能である、サービスモジュールと、
を具備し、
前記サービスモジュールは、前記端末の事前設定された地理的な位置範囲に配置されている一つ以上のトランザクションデバイスのそれぞれの位置情報と、前記地理的な位置範囲における不正決済または個人情報盗難に関するタイプ情報と、を前記端末に提供するように更に構成されている、
装置。
【請求項15】
前記記憶モジュールは、前記記憶モジュールが、前記トランザクションデバイス識別子に対応する前記トランザクションデバイスの前記位置情報を予め記憶していないという事象において、前記トランザクションアドレス情報を、前記トランザクションデバイス識別子に対応する前記トランザクションデバイスの前記位置情報として決定及び記憶するように構成されている、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記記憶モジュールは、前記記憶モジュールが、前記トランザクションデバイス識別子に対応する前記トランザクションデバイスの前記位置情報を予め記憶しているという事象において、前記トランザクションアドレス情報の少なくとも一部に基づいて予め記憶した位置情報を修正して、修正した前記位置情報を記憶するように更に構成されている、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記サービスモジュールは、前記端末の現在の位置情報と各トランザクションデバイスのそれぞれの記憶した位置情報との少なくとも一部に基づいて、現在前記端末から設定距離未満に位置する一つ以上のトランザクションデバイスを決定するように更に構成されている、請求項14に記載の装置。
【請求項18】
前記サービスモジュールは、現在前記端末から前記設定距離未満に位置する前記一つ以上のトランザクションデバイスのそれぞれの位置情報を、前記端末に提供するように更に構成されている、請求項17に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連特許出願への相互参照)
この出願は、“Method and Apparatus of Obtaining Location Information(位置情報取得の方法及び装置)”と題した、2014年8月29日出願の中国特許出願第 201410437944.5 号の外国優先権を主張し、その内容の全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
(技術分野)
本開示は、コンピュータ技術の分野に関し、特に、位置情報を取得する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
POS(販売時点情報管理)機及び自動販売機などのトランザクションデバイスの普及により、利用者は、多額の現金を持ち運ぶ必要なく、利用者の所望の商品を便利に購入することが可能である。
【0004】
近年、多くのアプリケーションシナリオにおいて、POS機又は自動販売機などのトランザクションデバイスの地理的な位置情報を取得する必要がある。
【0005】
例えば、利用者の近隣での商品の購入に役立つために、サーバは、利用者の近所にある各トランザクションデバイスの地理的な位置情報を取得し、その情報を利用者に提供することができる。別の例では、トランザクションデバイスより返された失敗の警報情報を受信した場合、トランザクションデバイスの地理的な位置情報が取得され得るものであって、近隣の維持管理要員に対して時を得た通知をすることができるため、維持管理要員がトランザクションデバイスを修理することができる。
【0006】
しかしながら、現在のトランザクションデバイスの多数は、それぞれの位置情報をサーバに報告する機能を有していない。したがって、現行の技術では、各トランザクションデバイスの位置情報は人手によって記録されて、その後サーバに取り入れなければならない。
【0007】
明らかに、現行の技術は位置情報取得において低効率である。
【発明の概要】
【0008】
この発明の概要を提供して、発明を実施するための形態で以下に更に説明される概念の一部を簡潔な形式で紹介する。この発明の概要では、主張する主題の重要な特徴又は必須の特徴を全て特定するという意図はなく、また主張する主題の範囲を決めるという目的としてのみ用いるという意図もない。例えば、用語「技術」は、上記の文脈によって及び本開示を通して許容されるような、デバイス(複数のデバイス)、システム(複数のシステム)、方法(複数の方法)及び/又はコンピュータ読み取り可能な命令を指し得る。
【0009】
本開示の実施形態は、位置情報取得方法及び装置を提供して、現行の技術における位置情報取得においての低効率という課題を解決する。
【0010】
本開示の一実施形態では、位置情報取得方法は、端末によってアップロードされたトランザクションデータを取得することと、上記トランザクションデータに含まれるトランザクションデバイス識別子及びトランザクションアドレス情報を決定することと、上記トランザクションアドレス情報に基づいて上記トランザクションデバイス識別子に対応するトランザクションデバイスの位置情報を決定及び記憶することと、を含み得る。
【0011】
本開示の一実施形態では、位置情報取得方法は、異なる報告時点において端末によって報告された地理的な位置情報のそれぞれを受信することと、上記端末によってアップロードされたトランザクションデータを取得することと、上記トランザクションデータに含まれるトランザクションデバイス識別子及びトランザクション時点を決定することと、上記異なる報告時点及び上記トランザクション時点に基づいて上記トランザクション時点から最短の期間を有する報告時点を決定することと、該決定した報告時点において上記端末によって報告された地理的な位置情報に基づいて上記トランザクションデバイス識別子に対応するトランザクションデバイスの位置情報を決定及び記憶することと、を含み得る。
【0012】
本開示の一実施形態では、位置情報取得装置は、端末によってアップロードされたトランザクションデータを取得する取得モジュールと、上記取得モジュールによって取得されている上記トランザクションデータに含まれるトランザクションデバイス識別子及びトランザクションアドレス情報を決定する決定モジュールと、上記決定モジュールによって決定されている上記トランザクションアドレス情報に基づいて上記トランザクションデバイス識別子に対応するトランザクションデバイスの位置情報を決定及び記憶する記憶モジュールと、を含み得る。
【0013】
本開示の一実施形態では、位置情報取得装置は、異なる報告時点において端末によって報告された地理的な位置情報のそれぞれを受信する受信モジュールと、上記端末によってアップロードされたトランザクションデータを取得する取得モジュールと、上記トランザクションデータに含まれるトランザクションデバイス識別子及びトランザクション時点を決定する第一の決定モジュールと、上記異なる報告時点及び上記トランザクション時点に基づいて上記トランザクション時点から最短の期間を有する報告時点を決定する第二の決定モジュールと、該決定した報告時点において上記端末によって報告された地理的な位置情報に基づいて上記トランザクションデバイス識別子に対応するトランザクションデバイスの位置情報を決定及び記憶する記憶モジュールと、を含み得る。
【0014】
本開示の実施形態により提供される位置情報取得方法及び装置によれば、サーバが、端末によってアップロードされたトランザクションデータを取得し、上記トランザクションデータに含まれるトランザクションデバイス識別子及びトランザクションアドレス情報を決定し、上記トランザクションアドレス情報に基づいて上記トランザクションデバイス識別子に対応するトランザクションデバイスの位置情報を決定及び記憶する。先述の方法を用いて、上記サーバは、上記トランザクションデバイスの上記位置情報を人手により記録する必要なしに、上記端末によってアップロードされている上記トランザクションデータを用いて上記トランザクションデバイスの上記位置情報を自動的に記録することができ、それにより、上記トランザクションデバイスの上記位置情報の取得における効率を効果的に高める。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本明細書で説明される添付の図面は、本開示のより深い理解を提供するために用いられ、本開示の一部を構成する。本開示の好ましい実施形態及びその説明は、本開示の説明に用いられ、本開示の限定として解釈されるものではない。図面は以下の通りである。
【0016】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態による位置情報取得の処理である。
【
図2】
図2は、本開示の一実施形態による位置情報取得の別の処理である。
【
図3】
図3は、本開示の一実施形態による位置情報取得の装置の概略構成図である。
【
図4】
図4は、本開示の一実施形態による位置情報取得の別の装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本開示の目的、技術的解決法及び利点をより理解しやすくするために、本開示の目的、技術的解決法及び利点を本開示の好ましい実施形態及びそれに対応する添付図面を参照して、本明細書において明確にかつ包括的に説明する。明らかに、説明する実施形態は、本開示の全ての実施形態ではなく本開示の実施形態の一部を表しているにすぎない。本開示の実施形態に基づいて、いかなる創意工夫なしに当業者が得る全ての他の実施形態は、本開示の保護範囲に属するものとなるだろう。
【0018】
本開示の一実施形態においては、あるアプリケーション(すなわちAPP)を、電子決済用の従来の銀行カードと置き換わるように端末にインストールし得る。端末にインストールしたAPPを用いて利用者が支払いを行う場合、APPは、バックエンドのサーバに対して、トランザクションデバイスの識別子(例えば、自動販売機の識別子、POS機の識別子等である)及びトランザクションアドレス情報を含むトランザクションデータをアップロードし得る。このように、サーバは、端末によってアップロードされたトランザクションデータに基づいて、トランザクションデバイスの位置情報を取得及び記憶し得る。説明のため、以下に例を示す。
【0019】
図1は、本開示の一実施形態による位置情報取得の処理であって、次の方法ブロックを含み得る。
【0020】
S101では、端末によってアップロードされたトランザクションデータを取得する。
【0021】
本開示の一実施形態では、利用者が、端末にインストールしたアプリケーション(APP)を用いて或るトランザクションデバイスを経由して電子決済を行う場合、APPは、この決済と関連するトランザクションデータをサーバにアップロードし得る。したがって、サーバは端末によってアップロードされたトランザクションデータを取得できる。
【0022】
例えば、或る決済APPが、利用者の端末にインストールされている。決済APPは、利用者に対して、例えばバーコード又は二次元コード等である固有のDOI(デジタルオブジェクトユニーク識別子)を生成し得るものであり、DOIは、APP上で利用者の口座(account)に紐付けられている。
【0023】
利用者が自動販売機又はPOS機で支払いを行う場合、DOIを表示している端末を、自動販売機又はPOS機の画像撮影装置の前に直接置き、自動販売機又はPOS機がDOIをスキャンできるようにし得る。
【0024】
DOIのスキャン後、自動販売機又はPOS機は、DOIに紐付けられている口座の残高から消費額を差し引いて決済を完了する。DOIに紐付けられた口座の残高から相当額を差し引いた後、自動販売機又はPOS機が、例えば現在のトランザクションのトランザクション識別子(例えばトランザクションスイフト番号)、差し引き額、自動販売機又はPOS機の識別子(すなわちトランザクションデバイス識別子)である情報、自動販売機又はPOS機の予め規定されたトランザクションタイプ(例えば、自動販売機であれば予め規定されたトランザクションタイプはセルフサービスタイプであり、POS機であれば予め規定されたトランザクションタイプはスーパーマーケットトランザクションタイプ等である)、トランザクション時間の情報等を、記録するためにサーバにアップロードし得る。
【0025】
利用者の口座から、相当額が差し引かれたことを検出した後、APPが、現在のトランザクションのトランザクションデバイス識別子及びトランザクションアドレス情報を含むトランザクションデータを生成してトランザクションデータをサーバへアップデートし得る。
【0026】
具体的には、利用者の口座から相当額が差し引かれたことを検出すると、APPが、現在のトランザクションのトランザクション識別子に基づいて自動販売機又はPOS機によってアップロードされたトランザクション識別子に対応するトランザクションデバイス識別子をサーバから取得し、端末のGPS(全地球測位システム)を介して端末の現在の位置の情報を現在のトランザクションのトランザクションアドレス情報として決定し、かつ、サーバへのアップロードのために、取得したトランザクションデバイス識別子及び決定したトランザクションアドレス情報をトランザクションデータに含めることができる。
【0027】
明らかに、上記説明は、APPから生成されたDOIをスキャンすることによって差し引きを行う自動販売機又はPOS機を例に用いて行ったにすぎない。実アプリケーションのシナリオでは、自動販売機又はPOS機はまた、例えば音波による決済(acoustic payment)を支援するAPP等であるような他の手法で、端末内にインストールされたAPPとやりとりすることによって差し引きがなされてもよい。
【0028】
S102では、トランザクションデータに含まれるトランザクションデバイス識別子及びトランザクションアドレス情報を決定する。
【0029】
S103では、トランザクションアドレス情報に基づいてトランザクションデバイス識別子に対応するトランザクションデバイスの位置情報を決定及び記憶する。
【0030】
端末によってアップロードされたトランザクションデバイス識別子及びトランザクションアドレス情報を含むトランザクションデータを受信すると、サーバが、S102で、トランザクションデータに含まれるトランザクションデバイス識別子及びトランザクションアドレス情報を決定する。利用者が端末を用いてトランザクションデバイス上で支払いをする場合、端末は確実に該トランザクションデバイスの近くにあるため、基本的に、端末の現在の位置情報がトランザクションデバイスの位置情報であると考えることができる。したがって、サーバは、S103で、トランザクションデータに含まれるトランザクションアドレス情報に基づいてトランザクションデバイス識別子に対応するトランザクションデバイスの位置情報を決定及び記憶することができる。具体的には、サーバは、トランザクションデバイス識別子に対応するトランザクションデバイスの位置情報として、トランザクションデータに含まれるトランザクションアドレス情報をそのまま記憶してもよい。
【0031】
上記例を続けると、実アプリケーションのシナリオにおいて、利用者が端末上のAPPを使用して自動販売機又はPOS機上で支払いをする場合、端末は確実に自動販売機又はPOS機の近くに位置する。そのため、この時にAPPによってアップロードされた端末の現在の位置情報を、自動販売機又はPOS機の位置情報であると扱うことができる。したがって、サーバは、自動販売機又はPOS機の位置情報として、APPによってアップロードされたトランザクションデータに含まれる位置情報を記憶する。
【0032】
上記方法を用いて、サーバは、トランザクションデバイスの位置情報を人手により記録する必要なしに、端末によってアップロードされたトランザクションデータを通してトランザクションデバイスの位置情報を取得することができ、それにより、トランザクションデバイスの位置情報を取得することの効率を効果的に高める。
【0033】
また、S102において、端末によってアップロードされたトランザクションデバイス識別子及びトランザクション位置情報をサーバで決定した後、サーバがその時のトランザクションデバイス識別子に対応するトランザクションデバイスの位置情報を記憶していなければ、S103において、サーバは、トランザクションデータに含まれるトランザクションアドレス情報を、トランザクションデバイス識別子に対応するトランザクションデバイスの位置情報として決定及び記憶できる。しかしながら、サーバがトランザクションデバイス識別子に対応するトランザクションデバイスの位置情報を予め記憶していれば、
図1に示すようにS103において、サーバは、トランザクションデータ内のトランザクションアドレス情報に従って、該記憶した位置情報を修正して、該修正した位置情報を記憶することができる。例えば、サーバは、トランザクションデータ内のトランザクションデバイスの該記憶した位置情報及びトランザクションアドレス情報間の連結線を求めて、該連結線の中間点をトランザクションデバイスの修正した位置情報として記憶し得る。複数の端末から報告されたトランザクション情報に基づいて、かつ、トランザクションデバイスの位置情報の修正(複数の修正)を通して、トランザクションデバイスの位置の正確性及び信頼性を保証することが可能である。
【0034】
利用者に対して近隣のトランザクションデバイスを検索し、それによって所望の商品の購入に役立つために、サーバが上記方法を用いて各トランザクションデバイスの位置情報を記憶した後で、サーバは更に、端末の現在の位置情報及び各トランザクションデバイスの該記憶した位置情報に基づいて、端末から現在のところ設定距離未満である距離を有するトランザクションデバイス(複数のトランザクションデバイス)を決定して、決定したトランザクションデバイスのそれぞれの位置情報及び属性情報のそれぞれを端末に提供してもよい。
【0035】
端末は、その位置情報を周期的にサーバへ報告してもよい。トランザクションデバイスの上記属性情報は、トランザクションデバイスが配置されている店舗のタイプ及びトランザクションデバイスにより支援されるトランザクションタイプ、例えば、小商品セルフサービス属性、スーパーマーケットPOS機属性、飲食店POS機属性、衣料品店POS機属性等を示し得る。このように、利用者は、サーバによって提供されるトランザクションデバイス(複数のトランザクションデバイス)の位置情報及び属性情報を通して、周辺店舗及び利用可能な支払い形態を取得することが可能であり、これにより利用者の支出を促進する。
【0036】
本開示の一実施形態では、トランザクションデバイス(複数のトランザクションデバイス)の記憶した位置情報に基づいて端末近くのトランザクションデバイス(複数のトランザクションデバイス)の位置情報及び属性情報を端末に提供する以外に、サーバは更に、事前設定された地理的な位置範囲内のトランザクションデバイスのそれぞれの位置情報を、端末に提供し得る。特に、サーバは、各トランザクションデバイスの記憶した位置情報及び地理的な位置範囲に基づいて、事前設定された地理的な位置範囲内に配置された各トランザクションデバイスの位置情報及び属性情報だけでなく地理的な位置範囲に対応するタイプ情報を端末に提供し得る。
【0037】
例えば、店主が或る地域で販売プロモーションを行えば、その販売プロモーションの位置する地域を事前設定された地理的な位置範囲として、プロモーションタイプとして設定されている地理的な位置範囲に対応するタイプ情報とともにサーバに記憶してよい。サーバは、地理的な位置範囲内の各トランザクションデバイスの位置情報及び属性情報のそれぞれを端末に提供し、その後、各トランザクションデバイスの記憶した位置情報及び事前設定された地理的な位置範囲に基づいて、地理的な位置範囲に対応する「プロモーション」というタイプ情報を端末に提供することができ、これにより、利用者に対してこれらトランザクションデバイス経由の支出によって利用可能な販売プロモーションを得る助けとなる。明らかに、サーバはまた、販売プロモーションの詳細情報を予め記憶して、該詳細情報を端末に提供してもよい。
【0038】
別の例では、或るエリアでクレジットカード不正が頻発すれば、そのエリアを、事前設定された地理的な位置範囲としてサーバに記憶することができ、該地理的な位置範囲に対応するタイプ情報を危険消費エリアタイプとして設定する。サーバは、その地理的な位置範囲における各トランザクションデバイスの位置情報及び属性情報のそれぞれを端末に提供して、各トランザクションデバイスの記憶した位置情報及び事前設定された地理的な位置範囲に基づいてその地理的な位置範囲に対応する「危険消費エリア」のタイプ情報を端末に提供することができるため、利用者は、その地理的な位置範囲内のこれらのトランザクションデバイス上で支払いをする場合に、個人情報盗難が発生する可能性があることを知ることができ、これにより、利用者の安全意識を高め、個人情報盗難又はクレジットカード不正の可能性を低減する。
【0039】
理解できるように、本開示の位置情報取得方法の先述の例は、利用者が支払いをするために端末上のAPPを用い、APPがトランザクションデバイス識別子及び端末の現在の位置情報をサーバに報告することができるという前提に基づいている。利用者が端末上のAPPを通して支払いをしなければ、サーバはトランザクションデバイスの位置情報を取得することができない。ゆえに、他のシナリオにおいて、サーバがトランザクションデバイスの位置情報を取得できるようにするために、本開示の実施形態により、以下に、
図2に示すようなトランザクションデバイスの位置情報取得方法を更に提供する。
【0040】
図2は、本開示の実施形態による位置情報取得の別の処理であって、次の方法ブロックを含む。
【0041】
S201では、異なる報告時点において端末によって報告された地理的な位置情報のそれぞれを受信する。
【0042】
本開示の一実施形態では、端末が、GPS経由でその地理的な位置情報を決定し、かつ、該情報を、報告時点となるものである該地理的な位置情報を報告するそれぞれの時点とともに定期的にサーバへ報告することができる。サーバは、各報告時点において端末によって報告された地理的な位置情報を受信して、地理的な位置情報のそれぞれ及び端末が地理的な位置情報のそれぞれをアップロードするときであるそれぞれの報告時点を記憶することができる。
【0043】
S202では、端末によってアップロードされたトランザクションデータを取得する。
【0044】
S203では、トランザクションデータに含まれるトランザクションデバイス識別子及びトランザクション時点を決定する。
【0045】
本開示の一実施形態では、端末によってアップデートされたトランザクションデータは、トランザクションデバイス識別子及びトランザクション時点を含み得る。
【0046】
具体的には、増えつつある利用者が各端末にインストールした会計APPを用いて日常的な支出をそれぞれ記録し、かつ、上記会計APPでは通常、利用者の領収書(例えば、スーパーマーケットの領収書、請求書等)内にある消費額、消費の時間及びトランザクションデバイスの識別子を該領収書のスキャンによって記録するため、上記会計APPは、スキャンにより取得した消費の時間をトランザクション時点として用いて、サーバにアップロードするために該トランザクション時点及び関連のトランザクションデバイス識別子を含むトランザクションデータを生成することができる。サーバは、S202で、端末によってアップロードされたトランザクションデータを取得し、S203で、トランザクションデータに含まれるトランザクションデバイス識別子及びトランザクション時点を決定する。
【0047】
S204では、報告時点及びトランザクション時点に基づいて、トランザクション時点から最短の期間を有する報告時点を決定する。
【0048】
サーバが、端末によって報告された地理的な位置情報のぞれぞれと、地理的な位置情報のそれぞれが報告されたときである各報告時点とを記録しているため、サーバは、端末によってアップロードされたトランザクションデータに含まれるトランザクション時点に基づいて、トランザクション時点から最短の期間を有する報告時点を決定することができる。
【0049】
例えば、端末が、一つの地理的な位置情報P1を17時55分00秒に報告し、一つの地理的な位置情報P2を17時55分30秒に報告し、一つの地理的な位置情報P3を17時56分00秒に報告すれば、サーバは、これらの三つの報告時点(17時55分00秒、17時55分30秒及び17時56分00秒)と、対応する地理的な位置情報(P1、P2及びP3)のそれぞれとを記録する。S203で、サーバによって決定されたトランザクション時点が17時55分20秒であれば、サーバは、17時55分20秒というトランザクション時点に基づいて、該トランザクション時点から最短の期間を有する報告時点は17時55分30秒であると決定し得る。
【0050】
S205では、該決定した報告時点において端末によって報告された地理的な位置情報に基づいて、トランザクションデバイス識別子に対応するトランザクションデバイスの位置情報を決定及び記憶する。
【0051】
具体的には、サーバは、トランザクションデバイス識別子に対応するトランザクションデバイスの位置情報として、決定した報告時点において端末によって報告された地理的な位置情報をそのまま用いて記憶してよい。
【0052】
上記例を続けると、決定した報告時点17時55分30秒に端末によって報告された地理的な位置情報P2を、トランザクションデータに含まれるトランザクションデバイス識別子に対応するトランザクションデバイスの位置情報として記憶するが、サーバがトランザクション時点17時55分20秒から最短の期間を有する報告時点が17時55分30秒であると決定したことを理由とする。
【0053】
これは、あるトランザクション時点においてトランザクションデバイスを通して利用者が支払いをする場合に、利用者はトランザクションデバイス近くにいる必要があるからである。トランザクション時点に最も近い報告時点において利用者がいる位置はまた、トランザクションデバイスの実際の位置に最も近い。したがって、サーバは、位置情報を人手により記録する必要なしに、トランザクション時点に最も近い報告時点において端末によって報告された地理的な位置情報を、トランザクションデバイスの位置情報として記憶することができ、これにより位置情報取得の効率を効果的に高める。
【0054】
明らかに、
図2に示すような方法はまた、利用者がAPPを用いてトランザクションデバイス経由で決済を遂行するシナリオに適用可能であり得る。サーバが、利用者の決済時点に最も近い報告時点を決定することができれば、サーバは、決定した報告時点において端末によって報告された地理的な位置情報をトランザクションデバイスの位置情報として記憶することができる。
【0055】
理解できるように、
図2に示す方法は、利用者がAPPを用いてトランザクションデバイス上で決済を遂行するシナリオのみならず、利用者が会計APPを用いて領収書をスキャンして会計を実行するシナリオにも適用可能である。
【0056】
同様に、
図2に示すような方法が、トランザクションデバイスの位置情報を取得するために用いられる場合、サーバはまた、トランザクション時点に最も近い報告時点において端末によって報告された地理的な位置情報に基づいてトランザクションデバイスの位置情報を決定するときに、サーバがトランザクションデバイスの位置情報を記憶しているか否かを判断してもよい。あるいは、サーバは、トランザクション時点に最も近い報告時点において端末によって報告された地理的な位置情報に従って、トランザクションデバイスの記憶した位置情報を修正してもよい。そうでなければ、サーバは、トランザクション時点に最も近いものである報告時点において端末によって報告された地理的な位置情報を、トランザクションデバイスの位置情報として、そのまま記憶してもよい。
【0057】
同様に、
図2に示すような方法を用いてトランザクションデバイスの位置情報を取得した後、サーバはまた、端末に近いトランザクションデバイス(複数のトランザクションデバイス)の位置情報及び属性情報のそれぞれを端末に提供するか、又は、事前設定された地理的な位置範囲内のトランザクションデバイス(複数のトランザクションデバイス)の対応する位置情報及び属性情報と地理的な位置範囲に対応するタイプ情報とを端末に提供してもよい。その詳細は、繰り返しであるためここでは記載しない。
【0058】
本開示の実施形態による位置情報取得方法は上述している。同様の概念に基づいて、本開示の実施形態は、
図3に示すような対応する位置情報取得装置を更に提供する。
【0059】
図3は、本開示の実施形態による位置情報取得の装置300の概略構成図である。一実施形態では、装置300は、一つ以上の計算装置を含み得る。いくつかの実施形態では、装置300は、一つ以上のCPU(中央処理装置)又はプロセッサ302と、I/Oインタフェース304と、ネットワークインタフェース306と、メモリ308と、を含み得る。
【0060】
メモリ308は、例えば揮発性メモリ、RAM(ランダムアクセスメモリ)及び/又は不揮発性メモリであるコンピュータ読み取り可能な媒体の形態である、例えば、ROM(リードオンリメモリ)又はフラッシュRAM等を含み得る。メモリ308は、コンピュータ読み取り可能な媒体の一例である。
【0061】
コンピュータ読み取り可能な媒体は、永続又は非永続型、可動又は非可動媒体を含み得るものであり、任意の方法又は技術を用いて情報の記憶を達成し得る。該情報は、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムのモジュール又は他のデータを含み得る。コンピュータの記憶媒体は、例えば、限定するものではないが、PRAM(相変化メモリ)、SRAM(スタティックランダムアクセスメモリ)、DRAM(ダイナミックランダムアクセスメモリ)、他のタイプのRAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリメモリ)、EEPROM(電気的に書き換え消去可能なROM)、クイックフラッシュメモリもしくは他の内部記憶装置技術、CD−ROM(コンパクトディスクリードオンリメモリ)、DVD(デジタルバーサタイルディスク)もしくは他の光学記憶装置、磁気カセットテープ、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶装置又はその他の非一時的な媒体を含み、計算装置によりアクセスできる情報を記憶するために用いることができる。本明細書に規定するように、コンピュータ読み取り可能な媒体は、例えば変調データ信号及び搬送波である一時的な媒体を含まない。
【0062】
一実施形態では、メモリ308は、プログラムモジュール310及びプログラムデータ312を含み得る。プログラムモジュール310は、取得モジュール314、決定モジュール316及び記憶モジュール318を含み得る。取得モジュールは、端末によってアップロードされたトランザクションデータを取得するように構成される。決定モジュール316は、取得モジュール314によって取得されたトランザクションデータに含まれるトランザクションデバイス識別子及びトランザクションアドレス情報を決定するように構成される。記憶モジュール318は、決定モジュール316によって決定されたトランザクションアドレス情報に基づいてトランザクションデバイス識別子に対応するトランザクションデバイスの位置情報を決定及び記憶するように構成される。
【0063】
記憶モジュール318は、トランザクションデバイス識別子に対応するトランザクションデバイスの位置情報が記憶されていなければ、上記トランザクションアドレス情報を、トランザクションデバイス識別子に対応するトランザクションデバイスの位置情報として決定及び記憶し、トランザクションデバイス識別子に対応するトランザクションデバイスの位置情報が予め記憶されていれば、記憶した位置情報をトランザクションアドレス情報に従って修正して、修正した位置情報を記憶するように更に構成される。
【0064】
装置300は、端末の現在の位置情報及び各トランザクションデバイスの記憶した位置情報に基づいて、上記端末から現在のところ設定距離未満である距離を有するトランザクションデバイス(複数のトランザクションデバイス)を決定して、各決定したトランザクションデバイスの位置情報及び属性情報のそれぞれを端末に提供するように構成されたサービスモジュール320を更に含み得る。
【0065】
装置300は、各トランザクションデバイスの記憶した位置情報及び地理的な位置範囲に従って、事前設定された地理的な位置範囲に配置された各トランザクションデバイスの位置情報及び属性情報のそれぞれと、地理的な位置範囲に対応するタイプ情報と、を端末に提供するように構成されたサービスモジュール320を更に含み得る。
【0066】
一実施形態では、
図3に示すような装置300は、サーバ内に設けられ得る。
【0067】
図4は、本開示の実施形態による位置情報取得の別の装置400の概略構成図である。装置400は、一つ以上のプロセッサ402、入力/出力インタフェース404、ネットワークインタフェース406及びメモリ408を含み得る。メモリ408は、例えば揮発性メモリ、RAM(ランダムアクセスメモリ)及び/又は不揮発性メモリであるコンピュータ読み取り可能な媒体の形態である、例えば、ROM(リードオンリメモリ)又はフラッシュRAM等を含み得る。メモリ408は、先の説明で記載したようにコンピュータ読み取り可能な媒体の一例である。
【0068】
一実施形態では、メモリ408は、プログラムモジュール410及びプログラムデータ412を含み得る。プログラムモジュール410は、異なる報告時点において端末によって報告された地理的な位置情報のそれぞれを受信するように構成された受信モジュール414と、上記端末によってアップロードされたトランザクションデータを取得するように構成された取得モジュール416と、上記トランザクションデータに含まれるトランザクションデバイス識別子及びトランザクション時点を決定するように構成された第一の決定モジュール418と、上記異なる報告時点及び上記トランザクション時点に基づいて上記トランザクション時点から最短の期間を有する報告時点を決定するように構成された第二の決定モジュール420と、該決定した報告時点において上記端末によって報告された地理的な位置情報のそれぞれに基づいて上記トランザクションデバイス識別子に対応するトランザクションデバイスの位置情報を決定及び記憶するように構成された記憶モジュール422と、を含み得る。
【0069】
一実施形態では、
図4に示すような装置400は、サーバ内に設けられ得る。
【0070】
本開示の実施形態により提供される位置情報取得方法及び装置によれば、サーバが、端末によってアップロードされたトランザクションデータを取得し、上記トランザクションデータに含まれるトランザクションデバイス識別子及びトランザクションアドレス情報を決定し、上記トランザクションアドレス情報に基づいて上記トランザクションデバイス識別子に対応するトランザクションデバイスの位置情報を決定及び記憶し得る。先の方法(複数の方法)を用いて、サーバは、トランザクションデバイスの位置情報を人手により記録する必要なしに、端末によってアップロードされたトランザクションデータを通してトランザクションデバイスの位置情報を自動的に記録することができ、それにより、トランザクションデバイスの位置情報を取得することの効率を効果的に高める。
【0071】
“comprise(備える、具備する)”、“include(含む、包含する)”又はそれらのその他のバリエーションなどである用語は、非排他的な包含をカバーすることを意味していることにもまた留意されたい。ある一連の要素を含む処理、方法、製品又は装置は、それらの要素を含むだけでなく、明らかに列挙されていない他の要素もまた含み、又は、そうした処理、方法、製品又は装置内に既に存在する要素を更に含む。さらなる限定のない状態では、フレーズ“include a/an ...(・・・を含む)”によって規定される要素は、処理、方法、製品又は装置内にその他の同様の要素が存在することを除外しない。
【0072】
当業者は、本開示の実施形態が、方法、システム又はコンピュータプログラム製品として提供可能であることを理解されたい。したがって、本開示は、ハードウェアのみの実施形態として、ソフトウェアのみの実施形態として、又は、ソフトウェア及びハードウェアを組み合わせた実施形態として実施可能である。更に、本開示は、コンピュータ実行可能な命令を記憶する一つ以上のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体(限定するものではないが、磁気ディスク、CD−ROM又は光ディスク等を含む)に記憶され得るコンピュータプログラム製品として実施可能である。
【0073】
上記説明は、本開示の好ましい実施形態にすぎず、本開示を限定することを意図しない。当業者であれば、本開示は、様々な変形及び変更を有し得る。本開示の精神及び原理の範囲内でなされる任意の変形、同等の置換え及び改良等は、本開示の特許請求の範囲の保護範囲内に含まれるだろう。