(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の一態様に係る情報出力方法は、車両駆動用二次電池の交換に際して情報を出力する情報出力方法であって、車両に搭載されていた第1電池ユニットの特性に係るランクと、前記第1電池ユニットに代えて前記車両に搭載され得る第2電池ユニットの特性に係るランクとを比較する比較ステップと、前記比較ステップにおける比較の結果に応じた出力用情報を出力する出力ステップとを含む。ここで、「交換に際し」は、交換の準備の期間つまり交換を目的とした一連の手順における交換に至るまでの期間や、交換後の確認処理等の交換の後処理の期間等、交換に関する各種の期間を表す。
【0012】
これにより、交換する電池ユニットの特性に係るランクの比較結果を反映した情報が出力されるので、例えば車両のユーザは有益な情報を得ることができる。ユーザは出力される情報を参照することで、例えば、交換に関して価値判断をすることができるようになる。
【0013】
本開示の一態様に係る情報出力方法は、更に、前記第1電池ユニットの特性に影響を与える事象を記録した第1履歴情報を取得し、前記第1履歴情報に基づいて前記第1電池ユニットのランクを算定する第1算定ステップと、前記第2電池ユニットの特性に影響を与える事象を記録した第2履歴情報を取得し、前記第2履歴情報に基づいて前記第2電池ユニットのランクを算定する第2算定ステップとを含み、前記比較ステップにおける前記比較は、前記第1算定ステップ及び前記第2算定ステップにおいて算定されたランク同士を比較対象としてプロセッサにより実行され、前記出力ステップにおける出力用情報の前記出力は、前記プロセッサにより実行されることとしてもよい。
【0014】
これにより、例えば、車両のユーザは、電池ユニットの取り扱い等の履歴を反映して変化する電池ユニットの特性についての比較結果に関する情報を得ることができるようになる。
【0015】
また、本開示の一態様に係る情報出力方法は、更に、前記第1電池ユニットへ充電する際に、当該第1電池ユニットへの充電回数を示す情報を含む前記第1履歴情報を記録する第1記録ステップと、前記第2電池ユニットへ充電する際に、当該第2電池ユニットへの充電回数を示す情報を含む前記第2履歴情報を記録する第2記録ステップとを含み、前記第1算定ステップにおけるランクの前記算定は、前記第1電池ユニットへの充電回数が多いほど、ランクを低く算定し、前記第2算定ステップにおけるランクの前記算定は、前記第2電池ユニットへの充電回数が多いほど、ランクを低く算定することとしてもよい。
【0016】
これにより、例えば、車両のユーザは、電池ユニットへの充電により劣化する特性の面における交換対象の電池ユニット間の比較結果を反映した情報を得ることができるようになる。従って、例えば、多数回充電がなされたことのある電池ユニットと少ない回数しか充電がなされていない電池ユニットの交換に際しては、ランクが相違する電池ユニット間の交換であることをユーザが認識できるようになる。
【0017】
また、本開示の一態様に係る情報出力方法において、更に、前記第1電池ユニットへ急速充電をする際に、前記第1電池ユニットへの急速充電回数を示す情報を含む前記第1履歴情報を記録する第1記録ステップと、前記第2電池ユニットへ急速充電をする際に、前記第2電池ユニットへの急速充電回数を示す情報を含む前記第2履歴情報を記録する第2記録ステップとを含み、前記第1算定ステップにおけるランクの前記算定は、前記第1電池ユニットへの急速充電回数が多いほど、ランクを低く算定し、前記第2算定ステップにおけるランクの前記算定は、前記第2電池ユニットへの急速充電回数が多いほど、ランクを低く算定することとしてもよい。
【0018】
これにより、例えば、車両のユーザは、電池ユニットへの急速充電により劣化する特性の面における交換対象の電池ユニット間の比較結果を反映した情報を得ることができるようになる。
【0019】
また、本開示の一態様に係る情報出力方法において、更に、前記第1電池ユニットへ充電をする際に、当該第1電池ユニットの満充電率を示す情報を含む前記第1履歴情報を記録する第1記録ステップと、前記第2電池ユニットへ充電をする際に、当該第2電池ユニットの満充電率を示す情報を含む前記第2履歴情報を記録する第2記録ステップとを含み、前記第1算定ステップにおけるランクの前記算定は、前記第1電池ユニットの満充電率が高いほど、ランクを高く算定し、前記第2算定ステップにおけるランクの前記算定は、前記第2電池ユニットの満充電率が高いほど、ランクを高く算定することとしてもよい。
【0020】
これにより、例えば、車両のユーザは、電池ユニットへの満充電率と関連する特性の面における交換対象の電池ユニット間の比較結果を反映した情報を得ることができるようになる。
【0021】
また、本開示の一態様に係る情報出力方法において、前記第1履歴情報は第1電池ユニットの充電率が所定閾値未満まで低下したことがあるか否かを示す情報を含み、前記第2履歴情報は第2電池ユニットの充電率が所定閾値未満まで低下したことがあるか否かを示す情報を含み、前記第1算定ステップにおけるランクの前記算定は、前記第1電池ユニットの充電率が所定閾値未満まで低下したことがある場合には所定閾値未満まで低下したことがない場合よりも、ランクを低く算定し、前記第2算定ステップにおけるランクの前記算定は、前記第2電池ユニットの充電率が所定閾値未満まで低下したことがある場合には所定閾値未満まで低下したことがない場合よりも、ランクを低く算定することとしてもよい。
【0022】
これにより、例えば、車両のユーザは、電池ユニットが過放電状態となることにより劣化する特性の面における交換対象の電池ユニット間の比較結果を反映した情報を得ることができるようになる。
【0023】
また、本開示の一態様に係る情報出力方法において、前記第1履歴情報は第1電池ユニットの温度が所定温度以上になったか否かを示す情報を含み、前記第2履歴情報は第2電池ユニットの温度が所定温度以上になったか否かを示す情報を含み、前記第1算定ステップにおけるランクの前記算定は、前記第1電池ユニットへの温度が所定温度以上になった場合には所定温度以上になっていない場合よりも、ランクを低く算定し、前記第2算定ステップにおけるランクの前記算定は、前記第2電池ユニットへの温度が所定温度以上になった場合には所定温度以上になっていない場合よりも、ランクを低く算定することとしてもよい。
【0024】
これにより、例えば、車両のユーザは、電池ユニットが一定の高温状態に置かれることにより劣化する特性の面における交換対象の電池ユニット間の比較結果を反映した情報を得ることができるようになる。
【0025】
また、本開示の一態様に係る情報出力方法において、前記第1履歴情報は第1電池ユニットの製造からの経過期間を示す情報を含み、前記第2履歴情報は第2電池ユニットの製造からの経過期間を示す情報を含み、前記第1算定ステップにおけるランクの前記算定は、前記第1電池ユニットの製造からの経過期間が長いほど、ランクを低く算定し、前記第2算定ステップにおけるランクの前記算定は、前記第2電池ユニットの製造からの経過期間が長いほど、ランクを低く算定することとしてもよい。
【0026】
これにより、例えば、車両のユーザは、経年劣化する特性の面における交換対象の電池ユニット間の比較結果を反映した情報を得ることができるようになる。
【0027】
また、本開示の一態様に係る情報出力方法において、電池ユニットの前記ランクは、電池ユニットの前記ランクの相違が電池ユニットの放電特性の相違を表すように定められることとしてもよい。
【0028】
これにより、交換する電池ユニットの放電特性の相違を表すランクの比較結果を反映した情報が出力されるので、例えば車両のユーザは有益な情報を得ることができる。例えば、ユーザは出力される情報により、放電特性が元のものより劣化する電池ユニットへの交換を行わないよう注意することができるようになる。
【0029】
また、本開示の一態様に係る情報出力方法は、更に、前記車両に搭載されている複数の電池ユニットのうち1つの電池ユニットを、交換対象の前記第1電池ユニットとして選定する第1選定ステップと、前記車両に搭載されていない複数の電池ユニットのうち、前記第1選定ステップにより選定された前記第1電池ユニットと形状に関して同種である1つの電池ユニットを、前記第2電池ユニットとして選定する第2選定ステップとを含み、前記比較ステップにおける前記比較は、前記第1選定ステップにおいて選定された第1電池ユニットのランクと、前記第2選定ステップにおいて選定された第2電池ユニットのランクとを対象として実行されることとしてもよい。
【0030】
これにより、電池ランクの比較対象を、交換可能な形状の電池ユニットに絞ることができる。
【0031】
また、本開示の一態様に係る情報出力方法は、更に、前記車両に搭載されている複数の電池ユニットのうち1つの電池ユニットを、交換対象の前記第1電池ユニットとして選定する第1選定ステップと、前記車両に搭載されていない複数の電池ユニットを、前記第2電池ユニットとして選定する第2選定ステップとを含み、前記比較ステップにおける前記比較は、前記第1選定ステップにおいて選定された第1電池ユニットのランクと、前記第2選定ステップにおいて選定された第2電池ユニット各々のランクとを対象として実行され、前記出力用情報は、前記第2選定ステップにおいて選定された前記第2電池ユニット各々のうち、前記第2電池ユニットのランクが前記第1電池ユニットのランク以上のものに関連する情報であり、前記出力ステップにおける前記出力は、前記出力用情報の提示であることとしてもよい。
【0032】
これにより、例えば車両のユーザは、交換により交換元の電池ユニットよりもランクを下落させることない、交換相手の電池ユニットを、知ることができるようになる。
【0033】
また、本開示の一態様に係る情報出力方法において、前記出力用情報は、前記第2選定ステップにおいて選定された前記第2電池ユニット各々のうち、前記第2電池ユニットのランクが前記第1電池ユニットのランク以上である電池ユニットのランクを示す情報及び前記電池ユニットの識別情報を含み、前記出力ステップにおける前記提示は、前記出力用情報の表示であることとしてもよい。
【0034】
これにより、例えば車両のユーザは、交換により交換元の電池ユニットよりもランクを下落させることなく、交換相手の電池ユニットのランクを、知ることができるようになる。
【0035】
また、本開示の一態様に係る情報出力方法において、前記出力用情報は、前記第2選定ステップにおいて選定された前記第2電池ユニット各々のうち、前記第2電池ユニットのランクが前記第1電池ユニットのランク以上のものについて、同一ランクか否かを区別した態様で表した情報であることとしてもよい。
【0036】
これにより、例えば車両のユーザは、車載の電池ユニットの交換相手の電池ユニットが、その車載の電池ユニットと同一ランクか否かを知ることができるようになる。
【0037】
また、本開示の一態様に係る情報出力方法において、前記出力用情報は、前記第2選定ステップにおいて選定された前記第2電池ユニット各々のうち、前記第2電池ユニットのランクが前記第1電池ユニットのランクより低いものについて、前記第1電池ユニットのランク以上のものと区別した態様で表した情報を更に含むこととしてもよい。
【0038】
これにより、例えば車両のユーザは、車載の電池ユニットの交換相手の電池ユニットが、その車載の電池ユニットより下のランクであるかどうかを知ることができるようになる。
【0039】
また、本開示の一態様に係る情報出力方法は、前記第2選定ステップにおいて前記第2電池ユニットとして選定される各電池ユニットの所在場所を記録した所在地情報を取得する所在地情報取得ステップを含み、前記出力用情報は、前記第1電池ユニットのランク以上のランクの第2電池ユニットの所在場所を示すこととしてもよい。
【0040】
これにより、例えば車両のユーザは、車載の電池ユニット以上のランクである交換相手の電池ユニットの所在地(交換ステーションの場所等)を知ることができるようになる。
【0041】
また、本開示の一態様に係る情報出力方法は、更に、前記車両に搭載されている複数の電池ユニットのうち2つ以上の電池ユニットを、交換対象の前記第1電池ユニットとして選定する第1選定ステップと、前記車両に搭載されていない、複数の場所に分散して所在する複数の電池ユニットを、前記第2電池ユニットとして選定する第2選定ステップとを含み、前記比較ステップにおける前記比較は、前記第1選定ステップにおいて選定された第1電池ユニット各々について、前記第1電池ユニットの特性に係るランクと、前記第2選定ステップにおいて選定された第2電池ユニット各々の特性に係るランクとを対象として実行され、前記出力ステップでは、前記第1選定ステップにおいて選定された全ての第1電池ユニットについて、前記第1電池ユニットの特性に係るランク以上のランクに対応する第2電池ユニットが同一場所に所在する場合に、当該場所を示す情報を前記出力用情報として出力することとしてもよい。
【0042】
これにより、例えば車両のユーザは、車載の交換対象の各電池ユニット以上のランクである交換相手の電池ユニットを有する場所(交換ステーションの場所等)を知ることができるようになる。
【0043】
また、本開示の一態様に係る情報出力方法は、更に、交換前まで前記車両に搭載されており、前記交換により前記車両に搭載されなくなった電池ユニットを、前記第1電池ユニットとして特定する第1特定ステップと、前記交換前まで前記車両に搭載されておらず、前記交換により前記車両に搭載されることとなった電池ユニットを、前記第2電池ユニットとして特定する第2特定ステップとを含むこととしてもよい。
【0044】
これにより、電池ユニットの交換後に、交換した電池ユニットの特性に係るランクの比較結果を反映した情報、即ち交換の価値判断材料が出力されるので、例えば車両のユーザは交換が適切であったかどうかを確認することができるようになる。
【0045】
また、本開示の一態様に係る情報出力方法は、前記出力ステップでは、前記第2電池ユニットのランクが前記第1電池ユニットのランクより低かった場合に、注意を喚起するための情報を前記出力用情報として出力することとしてもよい。
【0046】
これにより、例えば車両のユーザは、車載の電池ユニットの交換が不適切であったかどうかについて確認する契機を得ることができるようになる。
【0047】
また、本開示の一態様に係る情報出力方法は、前記出力ステップでは、前記第2電池ユニットのランクが前記第1電池ユニットのランク以上である場合に、前記第2電池ユニットを交換用に予約するための前記出力用情報を出力することとしてもよい。
【0048】
これにより、車載の電池ユニットを同等以上のランクの電池ユニットに交換する作業の予約が行われるようになる。
【0049】
また、本開示の一態様に係る情報出力方法は、前記第1履歴情報は、前記第1電池ユニットへの充電回数、前記第1電池ユニットへの急速充電回数、前記第1電池ユニットの満充電率、第1電池ユニットの充電率が所定閾値未満まで低下したことがあるか否かに関する情報、第1電池ユニットの温度が所定温度以上になったか否かに関する情報及び第1電池ユニットの製造からの経過期間に関する情報のうち少なくとも1つを含み、前記第2履歴情報は、前記第2電池ユニットへの充電回数、前記第2電池ユニットへの急速充電回数、前記第2電池ユニットの満充電率、第2電池ユニットの充電率が所定閾値未満まで低下したことがあるか否かに関する情報、第2電池ユニットの温度が所定温度以上になったか否かに関する情報及び第2電池ユニットの製造からの経過期間に関する情報のうち少なくとも1つを含む。
【0050】
また、本開示の一態様に係る情報出力システムは、車両駆動用二次電池の交換に際して情報を出力する情報出力システムであって、車両に搭載されていた第1電池ユニットの特性に影響を与える事象を記録した第1履歴情報を取得する第1取得部と、前記第1電池ユニットに代えて前記車両に搭載され得る第2電池ユニットの特性に影響を与える事象を記録した第2履歴情報を取得する第2取得部と、前記第1履歴情報に基づいて前記第1電池ユニットの特性に係るランクを算定する第1算定部と、前記第2履歴情報に基づいて前記第2電池ユニットの特性に係るランクを算定する第2算定部と、前記第1電池ユニットのランクと、前記第2電池ユニットのランクとを比較する比較部と、前記比較部による比較の結果に応じた出力用情報を出力する出力部とを備える。
【0051】
これにより、交換する電池ユニットの特性に係るランクの比較結果を反映した情報が出力されるので、例えば車両のユーザは有益な情報を得ることができる。
【0052】
また、本開示の一態様に係る情報提示装置は、車両に搭載され、車両駆動用二次電池の交換に際して情報を提示する情報提示装置であって、車両に搭載されていた第1電池ユニットの特性に影響を与える事象を記録した履歴情報を格納している記憶媒体と、前記第1電池ユニットに代えて前記車両に搭載され得る第2電池ユニットの特性に係るランクを示すランク情報を外部から受信する受信部と、前記記憶媒体から読み出した前記履歴情報に基づいて前記第1電池ユニットの特性に係るランクを算定し、前記第1電池ユニットの特性に係るランクと前記受信部により受信された前記ランク情報が示すランクとを比較して、比較結果に応じた提示用情報を生成して出力するプロセッサと、前記プロセッサにより出力された前記提示用情報を提示する提示部とを備える。
【0053】
これにより、車両において、交換する電池ユニットの特性に係るランクの比較結果を反映した情報が提示されるので、この情報に基づいて車両のユーザは適切に電池ユニットを交換し得る。
【0054】
また、本開示の一態様に係る情報提示装置において、前記プロセッサは、前記車両に搭載されている前記第1電池ユニットに係る前記履歴情報を前記記憶媒体から読み出し、前記比較において前記第2電池ユニットのランクが前記第1電池ユニットのランク以上であれば当該第2電池ユニットのランク及び識別情報を前記提示用情報に含め、更に、算定した前記第1電池ユニットのランクを示す情報を前記提示用情報に含め、前記生成を行うこととしてもよい。
【0055】
これにより、車両のユーザは、交換により交換元の電池ユニットよりもランクを下落させることない、交換相手の電池ユニット及びそのランクを知ることができるようになる。
【0056】
また、本開示の一態様に係る情報提示装置において、前記受信部は、前記第2電池ユニットの所在場所を示す情報も外部から受信し、前記プロセッサは、前記車両に搭載されている複数の電池ユニットのうち1つの電池ユニットを、交換対象の前記第1電池ユニットとして選定した上で、前記第1電池ユニットに係る前記履歴情報の前記読み出しを行い、前記第2電池ユニットのランクが前記第1電池ユニットのランク以上であれば前記第2電池ユニットの所在場所へ前記車両を誘導するための経路を示す地図を前記提示用情報に含めて生成して出力し、前記提示部は、前記提示用情報を表示することとしてもよい。
【0057】
これにより、車両のユーザは、同等以上のランクの電池ユニットへの交換が可能な場所への経路を知ることができるようになる。
【0058】
なお、これらの包括的又は具体的な各種態様には、装置、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、コンピュータで読み取り可能な記録媒体等の1つ又は複数の組み合わせが含まれる。
【0059】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0060】
ここで示す実施の形態は、いずれも本開示の好ましい一具体例を示すものである。従って、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、並びに、ステップ(工程)及びステップの順序等は、一例であって本開示を限定するものではない。以下の実施の形態における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意に付加可能な構成要素である。また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
【0061】
各実施の形態では、主に、車両に搭載された電池ユニットと交換ステーションにある電池ユニットとを交換する場合に交換対象の電池ユニットそれぞれの特性を、ランクという指標を用いて比較し、比較結果に応じた情報を出力する情報出力方法について説明する。
【0062】
ここで、電池ユニットは、電池セル、電池セルの集合体である電池モジュール、電池モジュールの集合体である電池パック等といった二次電池の単位のうち交換可能な単位として用いられるもの全てを表す。また、電池ユニットの特性は、電池ユニットの充電量(充電レベル)とは別個の概念であり、充電量が同一の電池ユニット同士でも電池ユニットの特性は同一であるとは限らない。電池ユニットの特性は、例えば、電池ユニットの放電特性である。なお、二次電池は繰り返し充電して利用できるものの二次電池には寿命があり、経年劣化により放電特性は時とともに悪化し、悪化する程度は利用(充電等)の仕方及び/又は保管温度等に依存する。
【0063】
(実施の形態1)
以下、本開示の一実施態様である実施の形態1について説明する。
【0064】
(構成)
図1は、本開示の実施の形態に係る情報出力システム10の一例を示す概略図である。
【0065】
情報出力システム10は、車載電池を交換ステーションに置かれた電池と交換する際に車両のユーザに有用な情報の出力を行うためのシステムであり、次のような情報出力方法を実現する。概ね、電池交換が必要な場合において、車両に搭載されていた交換対象となる電池ユニットの特性に係るランクと、交換ステーションに置かれていた電池ユニットの特性に係るランクとを比較し、比較結果に応じた出力用情報(または提示用情報ともいう)を出力する方法である。なお、電池ユニットの特性に係るランクという概念は、例えば、放電特性等の電池の一特性に着目した場合における電池ユニットの状態の相違を区別するためのランク等を包含する。
【0066】
情報出力システム10が扱う交換可能な電池ユニットとしては、多数の車両それぞれに搭載されているもの、各地に所在する交換ステーションそれぞれに置かれているもの等がある。
図1では、電池(電池ユニット群)を搭載している2台の車両と電池(電池ユニット群)を置いている2箇所の交換ステーションとを代表例として示している。
【0067】
図1に示すように情報出力システム10は、2台の車両201a、201bにそれぞれ搭載された情報提示装置200a、200b及び電池300a、300bと、2箇所の交換ステーション401a、401bにそれぞれ置かれた情報処理装置400a、400b及び電池500a、500bと、電池管理クラウド101に設けられたサーバ装置100とを備える。
【0068】
ここで車両201a、201bは、それぞれ交換可能型の二次電池(例えばリチウムイオン電池)を搭載し、車両を運行させる電気モータをその二次電池の電力により駆動し得る電気自動車(EV:Electric Vehicle)である。車両に搭載されている二次電池を構成する電池ユニットの充電量が低下した場合には、充電器により充電することができ、また、交換ステーションに置かれている電池ユニット(充電済みのもの)と交換することができる。
【0069】
情報提示装置200a、200b及び情報処理装置400a、400bは、インターネット等のネットワークサービスである電池管理クラウド101と無線接続され(移動しない部分について有線接続でもよい)、サーバ装置100と通信可能である。なお、各装置は、通信相手のIPアドレス等の通信に必要な情報を予め保持している。情報提示装置200a、200bは、車両に搭載している各電池ユニットの充電量等を示す電池情報及び車両の現在位置等を示す車両情報をサーバ装置100に繰り返し送信する。また、情報処理装置400a、400bは、交換ステーションに置かれている各電池ユニットの充電量等を示す電池情報をサーバ装置100に繰り返し送信する。
【0070】
サーバ装置100は、車両又は交換ステーションにある各電池ユニットについての情報を取得して、車両の電池ユニットの充電量が不足していれば電池交換のために有用な情報である交換情報を生成してその車両の情報提示装置に送信する。
【0071】
これにより車両のユーザ(ドライバー等)は、情報提示装置を通じて電池交換のために有用な情報(交換情報)を得ることができるようになる。この電池交換のために有用な交換情報については、後に詳しく説明するが、出力用情報の一例であり、電池の特性に係るランクの比較に基づく情報であり、例えば、交換が必要な電池ユニットと電池の特性に係るランクにおいて同等以上の電池ユニットが所在する交換ステーションの情報等である。
【0072】
このような電池の特性に係るランクの比較結果から導かれる交換情報は、交換により、車両に搭載している電池の価値が下落する(交換前の電池ユニットよりも劣化した電池ユニットとの交換がなされる)ことの防止に役立つ。また、車両に搭載された電池ユニットが複数ある場合において一部の電池ユニットを交換するときに、車両に搭載した電池ユニットそれぞれを一定範囲のランクに揃えて電池ユニット全体についての効率的な活用を図るのにも役立つ。
【0073】
図2は、情報出力システム10の各装置類の機能構成の一例を示すブロック図である。同図では、サーバ装置100、情報提示装置200a、電池300a、情報処理装置400a及び電池500aのみを示し、他の装置類は省略している。
【0074】
ここで、サーバ装置100は、メモリ、プロセッサ、通信回路等を備えるコンピュータにより構成される。このサーバ装置100は、機能面では
図2に示すように、電池管理部110、通信部120、取得部130、第1選定部140、第1算定部150、第2選定部160、第2算定部170、比較部180及び出力制御部190を有する。そして、サーバ装置100は、情報提示装置において提示されるべき交換情報を出力するための交換情報出力処理(後述)を実行する。
【0075】
電池管理部110は、各車両に搭載される各電池ユニットと各交換ステーションに置かれた各電池ユニットとについての情報を逐次取得して保管する機能を担い、メモリ、ハードディスク等の記憶媒体に各種データを保持している。即ち、電池管理部110は、後述する電池DB(データベース)700、車両DB800及び交換ステーションDB900を有している。
【0076】
通信部120は、通信回路を含んで構成され、情報提示装置200a及び情報処理装置400aと通信する機能を有する。この通信は、例えば、情報提示装置200aからの電池情報、車両位置情報等の受信、情報処理装置400aからの電池情報の受信、情報提示装置200aへの交換情報の送信等である。なお、車両位置情報は、車両の現在位置及び将来の移動先となる目的地の位置を示す情報である。
【0077】
取得部130は、通信部120により受信された電池情報及び車両位置情報を取得して、電池管理部110に伝達することで電池DB700及び車両DB800を更新させる機能を有する。
【0078】
第1選定部140は、車両に搭載されている電池ユニットのうち充電(交換)が必要な電池ユニットが存在すれば、その充電(交換)が必要な1つ又は複数の電池ユニットを選定する機能を有する。この機能を実現するため、第1選定部140は、電池管理部110に保持されている電池DB700を参照して交換必要電池選定処理(後述)を実行する。
【0079】
第1算定部150は、第1選定部140により選定された各電池ユニットに対して電池ランク算定処理(後述)を実行することで、交換されるべき各電池ユニットについての現在のランク(電池ユニットの特性に係るランク)を算定する機能を有する。
【0080】
第2選定部160は、電池管理部110に保持されている電池DB700、車両DB800及び交換ステーションDB900を参照し、第1選定部140により選定された電池ユニットを搭載する車両が到達し得る交換ステーションに置かれている電池ユニットのうち、第1選定部140により選定された電池ユニットと同タイプ(同種ともいう)の電池ユニットを選定する機能を有する。ここで、タイプは車両駆動用の電池ユニット間での交換可能性を保つために定められる一定の必要要件であり、同タイプとは、例えば、形状が同一であることをいい、また、例えば、サイズ、平均出力電圧等が同一であることをいう。
【0081】
第2算定部170は、交換ステーションに置かれた、交換候補となる各電池ユニットについての現在のランク(電池ユニットの特性に係るランク)を算定する機能を有する。この機能を実現するため、第2算定部170は、第2選定部160により選定された各電池ユニットに対して後述する電池ランク算定処理を実行する。
【0082】
比較部180は、交換されるべき電池ユニットについて第1算定部150により算定されたランクと、交換先の候補となる電池ユニットについて第2算定部170により算定された電池ユニットのランクとを比較して比較結果を出力制御部190に伝える機能を有する。
【0083】
出力制御部190は、第1選定部140により選定された各電池ユニットと第2選定部160により選定された各電池ユニットとについての比較結果に応じ、交換されるべき電池の交換に関する交換情報を生成して通信部120に送信させる機能を有する。この交換情報の送信先は、充電(交換)が必要な電池ユニットが存在する車両の情報提示装置である。
【0084】
なお、取得部130、第1選定部140、第1算定部150、第2選定部160、第2算定部170、比較部180及び出力制御部190の各機能は、サーバ装置100を構成するメモリに格納された制御プログラムをプロセッサが実行することにより実現される。
【0085】
また、車両201aに搭載されている電池300aは、複数の電池ユニット301で構成され、各電池ユニット301には電池の温度、電圧等といった電池の状態を監視する電池コントローラ302が含まれる。
【0086】
また、車両201aに搭載されている情報提示装置200aは、従来のカーナビゲーション装置(車両の現在位置から目的地までへの経路を提示する装置)に、電池の状態や電池交換に係る情報を提示する機能等を付加したものである。この情報提示装置200aは、ハードウェア面では、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)等の表示装置、タッチパッド等の入力装置、メモリ、プロセッサ、通信回路等を備えるコンピュータ、GPS(Global Positioning System)受信機、電池インタフェース(I/F)部210等を備えるコンピュータにより構成される。この情報提示装置200aは、機能面では
図2に示すように、電池I/F部210、記憶部220、電池制御部230、通信部240、位置検出部250、通信制御部260、提示部270、入力受付部280及び情報提示制御部290を有する。
【0087】
電池I/F部210は、情報提示装置200aと、電池300aを構成する各電池ユニット301とを接続するインタフェースであり、電池ユニット301の電池コントローラ302との通信を可能にする機能を有する。
【0088】
記憶部220は、電池の状態を示す情報である電池情報600aを格納するためのメモリ等の記憶媒体である。
【0089】
電池制御部230は、記録部231を含み、電池制御処理(後述)を実行することにより、次の各機能を担う。即ち、入力受付部280が受け付けた特定のユーザ操作に応じて電池I/F部210を介して接続された電池ユニット301への充電を制御する機能を担う。また、記録部231により、充電の際又は一定時間間隔毎に電池コントローラ302から電池の状態を示す各種情報を取得して、記憶部220内に電池情報600aを記録する機能を担う。
【0090】
なお、充電は車両201aに充電器を接続して行われ、充電器から供給される電力は電池制御部230の制御するスイッチを通じて電池ユニット301へと供給される。充電器としては、一般家庭等に設けられ普通充電を行う普通充電器、又は、交換ステーション、充電スタンド等の施設に設けられ普通充電と急速充電とが可能な急速充電器が用いられる。なお、普通充電とは、定電流定電圧方式で充電することであり、例えば単相100V又は200Vの交流電源(例えば定格20A)を用いて行われる。また、急速充電とは、例えば50Kw等といった大電力(例えば定格150A)を得ることができる施設で3相200Vの動力電源により、電池容量の80%までを短時間(例えば30分)で充電することである。電池制御部230は、電池ユニット301への充電を行う場合には、車両201aに接続された充電器の種別、ユーザの選択操作、又は所定の選択アルゴリズムに基づいて、選択的に急速充電か普通充電を行う。
【0091】
通信部240は、通信回路を含んで構成され、サーバ装置100と通信する機能を有する。
【0092】
位置検出部250は、GPS受信機を含んで構成され、車両201aの現在位置を取得する機能を有する。
【0093】
通信制御部260は、入力受付部280等を介して予め設定されている車両ID(車両201aの識別情報)を付して、記憶部220に格納されている電池情報600aを、通信部240を介してサーバ装置100に送信する機能を有する。また、通信制御部260は、位置検出部250により取得された車両201aの現在位置と、入力受付部280を介してユーザ(ドライバー等)から入力された車両201aの目的地とから車両位置情報を生成してサーバ装置100に送信する機能を有する。更に、通信制御部260は、サーバ装置100から交換情報を受信して情報提示制御部290に伝える機能を有する。
【0094】
提示部270は、表示によりユーザに対して情報を提示する表示装置、及び音声によりユーザに対して情報を提示する音声出力装置を含んで構成される。
【0095】
入力受付部280は、タッチパッド等の入力装置を含み、ユーザから入力された情報又は指示を受け付けて情報提示制御部290及び電池制御部230に伝達する機能を有する。
【0096】
情報提示制御部290は、サーバ装置100からの交換情報を取得して、交換情報に基づき画面に表示する内容及び音声で出力する内容を定めて提示部270に表示及び音声出力を行わせるよう制御する機能を有する。また、電池情報600aに基づき電池の状態を、表示する又は音声で出力する機能も有する。
【0097】
なお、電池制御部230、通信制御部260及び情報提示制御部290の各機能は、情報提示装置200aを構成するメモリに格納された制御プログラムをプロセッサが実行することにより実現される。
【0098】
また、交換ステーション401aに置かれている電池500aは、複数の電池ユニット501で構成され、各電池ユニット501には電池の温度、電圧等といった状態を監視する電池コントローラ502が含まれる。
【0099】
また、交換ステーション401aに設置されている情報処理装置400aは、交換ステーション401aに置かれている電池の状態をサーバ装置100に伝える機能を有する。この情報処理装置400aは、メモリ、プロセッサ、通信回路等を備えるコンピュータにより構成される。この情報処理装置400aは、機能面では
図2に示すように、電池I/F部410、記憶部420、電池制御部430、通信部440及び通信制御部460を有する。
【0100】
電池I/F部410は、情報処理装置400aと、電池500aを構成する各電池ユニット501とを接続するインタフェースであり、電池ユニット501の電池コントローラ502との通信を可能にする機能を有する。
【0101】
記憶部420は、電池の状態を示す情報である電池情報600bを格納するためのメモリ等の記憶媒体である。
【0102】
電池制御部430は、記録部431を含み、電池制御処理(後述)を実行することにより、次の各機能を担う。即ち、電池I/F部410を介して接続された電池ユニット501への充電を制御する機能を担う。また、記録部431により、充電の際又は一定時間間隔毎に電池コントローラ502から電池の状態を示す各種情報を取得して、記憶部420内に電池情報600bを記録する機能を担う。なお、電池制御部430は、電池ユニット501への充電を行う場合には、交換ステーション401aに設けられた充電器を用いて、選択的に急速充電か普通充電を行う。
【0103】
通信部440は、通信回路を含んで構成され、サーバ装置100と通信する機能を有する。
【0104】
通信制御部460は、予め設定されている交換ステーションID(交換ステーション401aの識別情報)を付して、記憶部420に格納されている電池情報600bを、通信部440を介してサーバ装置100に送信する機能を有する。
【0105】
なお、電池制御部430及び通信制御部460の各機能は、情報処理装置400aを構成するメモリに格納された制御プログラムをプロセッサが実行することにより実現される。
【0106】
また、
図2では示していないが、車両201bに搭載された電池300b及び情報提示装置200bのそれぞれは、車両201aに搭載された電池300a及び情報提示装置200aのそれぞれと同様の構成を備える。また、交換ステーション401bにおける電池500b及び情報処理装置400bのそれぞれは、交換ステーション401aにおける電池500a及び情報処理装置400aのそれぞれと同様の構成を備える。
【0107】
(データ構成)
以下、上述の構成を備える情報出力システム10で取り扱うデータ(電池情報、電池DB、車両DB及び交換ステーションDB)について説明する。
【0108】
図3は、電池情報600aの構成及び内容の一例を示す図である。
【0109】
電池情報600aは、車両201aに搭載された情報提示装置200aの記録部231により記憶部220に格納され、サーバ装置100に対して送信されることとなるものである。
【0110】
この電池情報600aは、
図3に示すように、車両201aに搭載されている複数の電池ユニット301それぞれについて、電池ユニットID601、配置602、充電量603及び履歴情報610を含んで構成される。
【0111】
ここで、ある電池ユニット301についての電池ユニットID601は、電池ユニット301を識別する情報であり、配置602は、電池ユニット301の車両201a内での位置(何行目、何列目等)を示す情報である。充電量603は、電池ユニット301の充電量(対容量比)を示す情報である。
【0112】
また、電池ユニット301についての履歴情報610は、例えば、電池ユニット301の特性に影響を与える事象が記録され、例えば充電回数611、急速充電回数612、満充電率613、充電率低下回数614、高温期間615及び経過期間616を含んで構成される。
【0113】
電池ユニット301についての充電回数611は、その電池ユニット301が現在までに充電された回数を示し、この回数は、電池制御部230が充電を行う度に記録部231により1回増やされる。電池ユニット301についての急速充電回数612は、その電池ユニット301について現在までに急速充電がなされた回数を示し、この回数は、電池制御部230が急速充電を行う度に記録部231により1回増やされる。電池ユニット301についての満充電率613は、電池ユニット301を現在までで最後に満充電状態にさせたときにおける充電量(対容量比)を示す情報であり、電池コントローラ302が計測する電圧の変化に基づいて記録部231により記録される。電池ユニット301についての充電率低下回数614は、その電池ユニット301の放電により充電率が所定の閾値(例えば容量の10%)を下回った回数を示し、電池コントローラ302が計測する電圧の変化に基づいて記録部231により記録される。電池ユニット301についての高温期間615は、その電池ユニット301が所定温度以上(例えば摂氏60度以上)になった期間を示す情報であり、電池コントローラ302が計測する温度に基づいて記録部231により記録される。電池ユニット301についての経過期間616は、製造されてから現在までに経過した期間を示し、予め電池コントローラ302内で保持されている製造日時と現在日時との差分に基づいて記録部231により記録される。
【0114】
図3の内容例は、電池ユニットIDが「PBRX220−201310012222」である電池ユニットについては、車両内において電池ユニット群のうち3行3列目に配置され、現在の充電量が容量の20%であることを示している。また、現在までに10回充電されたことがあり、急速充電がなされたことはなく、満充電率は容量の99%であり、充電率低下回数はゼロであり、所定温度以上の高温環境下に置かれたことはなく、製造から1ヶ月(1M:Month)が経過したものであることを示している。
【0115】
なお、交換ステーション401aに設置された情報処理装置400aの記録部431により記憶部420に格納され、サーバ装置100に対して送信されることとなる電池情報600bも、電池情報600aと同様の構成を有する。また、情報提示装置200b及び情報処理装置400bからもサーバ装置に、同様の構成を有する電池情報が送信される。なお、情報処理装置400aは、例えば交換ステーション401aに置かれた各電池ユニットについて充電率がある閾値(例えば容量の30%)より低下していれば充電を行うよう制御し、充電の制御に際して電池情報600bを更新する。即ち、情報処理装置400aの記録部431も、情報提示装置200aの記録部231と同様に、充電回数、急速充電回数等の記録を行う。
【0116】
図4は、電池DB700に格納された情報(電池DB情報)の構成及び内容の一例を示す図である。
【0117】
電池DB情報は、各情報提示装置及び各情報処理装置から送信された電池情報をサーバ装置100で統合したものであり、電池ユニット毎についての各種情報で構成される。即ち、電池ユニット毎について、電池ユニットID701、タイプ702、所在区分703、所在ID704、配置705、充電量706及び履歴情報710を含んで構成される。履歴情報710は、充電回数711、急速充電回数712、満充電率713、充電率低下回数714、高温期間715及び経過期間716を含む。
【0118】
ここで、電池ユニットID701、配置705、充電量706、充電回数711、急速充電回数712、満充電率713、充電率低下回数714、高温期間715及び経過期間716のそれぞれは、上述した電池情報(
図3参照)の内容をコピーしたものである。また、電池ユニットについてのタイプ702は、その電池ユニットの形状、サイズ、平均出力電圧等に係るタイプを示す。電池ユニットについての所在区分703は、その電池ユニットが現在、車両と交換ステーションとのうちいずれに存在するかを示し、所在ID704は、その車両又は交換ステーションの識別情報を示す。
【0119】
図4の内容例は、電池ユニットIDが「CV333−201108ZYXRB3」である電池ユニットについては、タイプが「T2」であり、「ST00200020110008010」で識別される交換ステーションに所在することを示している。また、交換ステーション内では電池ユニット群のうち151行の24列目に配置され、現在の充電量が91%であり、90回充電されたことがあり、10回急速充電されたことがあり、満充電率は容量の98%であることを示している。また、充電率低下回数は0回であり、所定温度以上の高温環境下に置かれた時間は0時間(0H:Hour)であり、製造から2ヶ月(2M:Month)が経過したものであることを示している。
【0120】
図5は、車両DB800に格納された情報(車両DB情報)の構成及び内容の一例を示す図である。
【0121】
車両DB情報は、各情報提示装置から送信された車両位置情報をサーバ装置100で統合したものであり、車両毎についての情報で構成される。即ち、車両毎について、車両ID801、現在位置802及び目的地803を含む。
【0122】
ここで、車両についての車両ID801は、その車両の識別情報を示し、現在位置802は、その車両の現在位置(経度及び緯度)を示し、目的地803は、その車両の目的地(経度及び緯度)を示す。
【0123】
図6は、交換ステーションDB900に格納された情報(交換ステーションDB情報)の構成及び内容の一例を示す図である。
【0124】
交換ステーションDB情報は、交換ステーションの識別情報である交換ステーションID901と、その交換ステーションの位置(経度及び緯度)を示す所在地902とを含んで構成され、交換ステーションが新たに設立されるときに更新される。
【0125】
なお、所在地902は、サーバ装置100において、電池ユニットの充電(交換)を必要とする車両の現在位置から目的地までの経路上又はその経路の周辺に存在してその車両が到達可能な位置に所在する交換ステーションを検索するために利用される。
【0126】
(動作)
以下、上述の構成を備え、上述の情報(データ)を取り扱う情報出力システム10の各装置類の動作を説明する。
【0127】
図7は、電池制御処理の一例を示すフローチャートである。この電池制御処理は、各情報提示装置の電池制御部及び各情報処理装置の電池制御部において実行される。ここでは、主に情報提示装置200aの電池制御部230を例に挙げて説明する。
【0128】
車両201aに搭載された情報提示装置200aの電池制御部230は、車両201aに搭載された電池ユニット301の電池コントローラ302から電池ユニットID及び電池状態に関する情報(温度、電圧等)を取得する(ステップS11)。取得した情報に基づいて、記録部231は、電池情報600aを記憶部220内に記録する(ステップS12)。なお、電池情報600aにおける配置602は、電池制御部230が行列状に配置された各電池ユニットに対して一定の順番で、電池ユニットID等の取得を行うことにより、その順に基づいて特定される。
【0129】
次に、電池制御部230は、充電が必要となった場合には(ステップS13)、車両に接続された充電器からの電力を電池I/F部210を介して電池ユニット301に供給するようスイッチ制御を行うことで充電を開始する(ステップS14)。なお、充電が必要となったか否かの判断(ステップS13)は、判断主体が情報提示装置の電池制御部であれば、例えば、入力受付部280が充電を行うためのユーザ操作を受け付けた場合に充電が必要となったと判断する。また、判断主体が情報処理装置の電池制御部であれば、例えば、各電池ユニットの電池コントローラから電池状態に関する情報を取得し、この情報から例えば一定値以下に電圧が低下している場合に充電が必要となったと判断する。そして、電池コントローラ302から電池状態に関する情報を取得し、また電池ユニットに流す電流を計測しつつ、電圧及び電流の変化に応じた充電の制御を行う。電池ユニットへ流入する電流の量が一定の基準値以下に低下する等により満充電に至ったと判定した場合には充電を終了し、満充電率を特定して記憶部220内の電池情報600aを更新する。そして、充電回数を1増加し、急速充電であれば急速充電回数も1増加するように、記憶部220内の電池情報600aを更新する(ステップS17)。また、充電を行うための操作を受けていない場合でも、一定時間経過する毎に(ステップS15)、電池コントローラ302から電池状態に関する情報を取得して(ステップS16)、その情報に基づいて電池情報600aを更新する(ステップS17)。
【0130】
このように電池制御処理により、各情報提示装置及び各情報処理装置において記憶部内の電池情報が随時更新されるようになる。
【0131】
図8は、電池情報送信処理の一例を示すフローチャートである。
【0132】
前述の電池制御処理により随時更新されている各情報提示装置及び各情報処理装置における記憶部内の電池情報は、
図8に示す電池情報送信処理により、サーバ装置100に送信される。情報提示装置200aに着目すれば、通信制御部260は、記憶部220内の電池情報600aを取得して通信部240を介してサーバ装置100に送信する(ステップS21)。そして、随時更新される電池情報600aを取得して送信することが一定時間毎に繰り返される(ステップS22)。なお、各情報提示装置は、電池情報の送信に際して、車両位置情報を付加してサーバ装置100に送信する。
【0133】
この電池制御処理の結果として、サーバ装置100は、取得部130により通信部120を介して各情報提示装置及び各情報処理装置から送信された電池情報と各情報提示装置から送信された車両位置情報とを取得することとなる。そして、その電池情報と車両位置情報とに基づいて取得部130により、電池DB700車両DB800が更新されることとなる。
【0134】
そして、サーバ装置100は、電池管理部110の電池DB700、車両DB800及び交換ステーションDB900を参照して、車両に搭載された充電(交換)が必要な電池ユニットを検出してその車両の情報提示装置に、提示させるべき交換情報を出力する。
【0135】
図9は、サーバ装置100により実行される交換情報出力処理の一例を示すフローチャートである。
【0136】
サーバ装置100は、電池管理部110の電池DB700を参照し、充電が必要となった車載の電池ユニットがあるかを検査し(ステップS31)、なければ検査を繰り返す。充電が必要となった車載の電池ユニットがあれば、充電が必要な車載の電池ユニットの各々を、交換対象となる電池ユニットAと定めて(ステップS32)、各電池ユニットAについての特性に係るランクを算定する(ステップS33)。
【0137】
ここまでの動作(ステップS31〜ステップS33)の具体例を、
図10及び
図11を用いて説明する。
【0138】
サーバ装置100の第1選定部140は、交換必要電池選定処理(
図10参照)を行う。即ち、第1選定部140は、電池管理部110の電池DB700に格納された電池DB情報の所在区分703、所在ID704及び充電量706を参照して同一車両に搭載されている各電池ユニットの充電量からその車両の航続可能距離を算定する(ステップS51)。この航続可能距離の算定は、予め定めている、電池の充電量と航続可能距離との関係を示す情報を用いて行われる。算定した航続可能距離が所定の閾値(例えば25Km)未満でない場合には(ステップS52)、充電が必要となった車載の電池ユニットはないと判断してステップS51の処理に戻る。また、算定した航続可能距離が所定の閾値未満である場合には(ステップS52)、第1選定部140は、航続可能距離が所定値(例えば50Km)以上になるように充電を必要とする1以上の電池ユニットを選定する(ステップS53)。この充電を必要とする1以上の電池ユニットの選定は、例えば充電量706が少ない電池ユニットから順に選定して80%充電の状態にしたとして(80%充電の電池と交換したとして)、航続可能距離が所定値以上になれば選定を終了するという手順でなされる。
【0139】
第1選定部140により1以上の電池ユニットが選定された後、第1算定部150は、選定された各電池ユニットについて、電池管理部110の電池DB700に格納された電池DB情報の履歴情報710を参照し、電池ランク算定処理(
図11参照)を行う。
【0140】
図12〜
図18はそれぞれ、この電池ランク算定処理で用いられる充電回数テーブル920、急速充電回数テーブル930、満充電率テーブル940、充電率低下回数テーブル950、高温期間テーブル960、経過期間テーブル970、ランクテーブル980の一例を示す図である。
【0141】
まず、第1算定部150は、電池DB情報の充電回数711を、充電回数テーブル920(
図12参照)に基づいてポイントに換算する(ステップS61)。次に、第1算定部150は、電池DB情報の急速充電回数712を、急速充電回数テーブル930(
図13参照)に基づいてポイントに換算する(ステップS62)。続いて、電池DB情報の満充電率713を、満充電率テーブル940(
図14参照)に基づいてポイントに換算し(ステップS63)、充電率低下回数714を充電率低下回数テーブル950(
図15参照)に基づいてポイントに換算する(ステップS64)。続いて、高温期間715を高温期間テーブル960(
図16参照)に基づいてポイントに換算し(ステップS65)、経過期間716を経過期間テーブル970(
図17参照)に基づいてポイントに換算する(ステップS66)。最後に、第1算定部150は、ステップS61〜S66において換算したポイント全てを乗算した結果から、ランクテーブル980(
図18参照)に基づいてランクを算定する(ステップS67)。
【0142】
例えば、
図4の電池ユニットID701が「PBRX220−201310012222」である電池ユニットが、交換対象となる電池ユニットAの1つとして選定されており、この電池ユニットAについて電池ランク算定処理が行われるとすれば次のようになる。即ち、充電回数711の10回(
図4参照)が1ポイントに換算され、急速充電回数712の0回が1ポイントに換算され、満充電率713の99%が1ポイントに換算され、充電率低下回数714の0回が1ポイントに換算され、高温期間715の0時間(0H:Hour)が1ポイントに換算され、経過期間716の1ヶ月(1M:Month)が1ポイントに
換算される。そして、換算されたポイント全ての乗算結果(1×1×1×1×1×1)は、1であるので、この電池ユニットAについてのランクはAAAと算定される(
図18参照)。また、例えば、
図4の電池ユニットID701が「PBRX220−201310012543」である電池ユニットも交換対象となる電池ユニットAの1つとして選定されていれば、同様に、この電池ユニットAについてのランクはAAAと算定される。
【0143】
以下、再び
図9を参照して、ステップS34以降の説明に戻る。
【0144】
サーバ装置100の第2選定部160は、交換対象の電池ユニットAとして選定された電池ユニットを搭載している車両の近隣の交換ステーションにある同タイプの電池ユニットの各々を電池ユニットBとして選定する(ステップS34)。この近隣の交換ステーションは、車両DB800と交換ステーションDB900とを参照して次のように検索される。即ち、第2選定部160は、電池ユニットAを搭載している車両の現在位置802から目的地803に向かう経路上又はその経路から一定範囲(例えば半径5Km)内で、かつ、電池残量で到達可能な地点に所在する交換ステーションを検索する。第2選定部160は、電池DB700の電池DB情報におけるタイプ702を参照して、検索結果となる交換ステーションそれぞれに置かれた各電池ユニットのうち、電池ユニットAと同タイプの電池ユニットを電池ユニットBとして選定する。
【0145】
続いて、サーバ装置100の第2算定部170は、第2選定部160により選定された各電池ユニットBについて、上述した第1算定部150と同様に電池ランク算定処理(
図11参照)を行う(ステップS35)。
【0146】
例えば、
図4の電池ユニットID701が「CV333−201108ZYXRB3」である電池ユニットが、電池ユニットBの1つとして選定されており、この電池ユニットBについて電池ランク算定処理が行われるとすれば次のようになる。即ち、充電回数711の90回(
図4参照)が1ポイントに換算され、急速充電回数712の10回が1ポイントに換算され、満充電率713の98%が1ポイントに換算され、充電率低下回数714の0回が1ポイントに換算され、高温期間715の0時間が1ポイントに換算され、経過期間716の2ヶ月が1ポイントに換算される。そして、換算されたポイント全ての乗算結果(1×1×1×1×1×1)は、1であるので、この電池ユニットBについてのランクはAAAと算定される(
図18参照)。
【0147】
また、例えば、
図4の電池ユニットID701が「CV333−201108ZYABC4」である電池ユニットも電池ユニットBの1つとして選定されていれば、電池ランク算定処理により次のようにランクの算定がなされる。即ち、充電回数711の110回(
図4参照)が0.9ポイントに換算され、急速充電回数712の25回が0.9ポイントに換算され、満充電率713の96%が1ポイントに換算され、充電率低下回数714の1回が0.9ポイントに換算され、高温期間715の5時間が0.9ポイントに換算され、経過期間716の9ヶ月が0.9ポイントに換算される。そして、換算されたポイント全ての乗算結果(0.9×0.9×1×0.9×0.9×0.9)は、0.59049であるので、この電池ユニットBについてのランクはAと算定される(
図18参照)。
【0148】
電池ユニットA及び電池ユニットBのランクが算定された後、サーバ装置100の比較部180は、電池ユニットAのランクと電池ユニットBのランクとを比較し、次の判断を行う。
【0149】
即ち、比較部180は、全ての電池ユニットAのランクと同等以上のランクの電池ユニットBを有する1つの交換ステーションが存在するか否かについての判断を行う(ステップS36)。この判断は、車両のユーザにとっては、同一ランク又はそれより上のランクへの交換の候補となる電池ユニットが1つの交換ステーションに行けば入手できるか否かという意味となる。この判断は、上述した2つの電池ユニットA(
図4参照)の例で説明すると、これらの電池ユニットAはいずれもランクがAAAなので、ランクがAAA以上の電池ユニットBを2つ有している交換ステーションが存在するか否かという判断となる。ステップS36において比較部180がそのような電池ユニットBを有する交換ステーションが存在すると判断した場合には、出力制御部190はその交換ステーションが有するその電池ユニットBを示す情報である交換情報を生成し出力する(ステップS37)。ここで生成される交換情報は、
図4に示した電池DB情報のうち電池ユニットAについての情報と、電池ユニットAについて算定されたランクの情報と、必要な電池ユニットBについての情報と、その電池ユニットBについて算定されたランクの情報と、
図6に示したその交換ステーションに係る情報(所在地情報等)とを含む。
【0150】
また、ステップS36で全ての電池ユニットAのランクと同等以上のランクの電池ユニットBを有する1つの交換ステーションが存在しないと判断した場合、そのような電池ユニットBが複数の交換ステーションに分散して存在するかを判断する(ステップS38)。ステップS38での判断の結果として、そのような電池ユニットBが複数の交換ステーションに分散して存在すると判断した場合には、出力制御部190は、複数の交換ステーションに分散して存在する電池ユニットBを示す交換情報を生成して出力する(ステップS39)。
【0151】
また、ステップS38での判断において、電池ユニットAのランクと同等以上のランクの電池ユニットBの個数が電池ユニットAの数に相当する個数より少ない場合には、電池ユニットAのランク未満のものも含んで電池ユニットBを示す交換情報を生成して出力する(ステップS40)。なお、交換情報の出力(ステップS37、S39、S40)は最終的には、交換情報を、電池ユニットAを搭載している車両の情報提示装置へと通信部120を介して送信することである。
【0152】
このようなサーバ装置100による交換情報出力処理の結果として、充電(交換)が必要となった電池ユニットを搭載した車両の情報提示装置は、交換情報を受信する。
【0153】
以下、情報提示装置における交換情報の受信及び活用について説明する。
【0154】
ここで、充電(交換)が必要とされる電池ユニットAは、車両201aに搭載されていた電池ユニット群の配列のうち、3行3列目と3行4列目の電池ユニットであるとする。また、車両201aの近隣に所在する交換ステーションの1つは、交換ステーション401aであり、その識別情報は「ST00200020110008010」であるとする(
図4参照)。そして、第2選定部160により、電池ユニットBとして、
図4の内容例に示す電池ユニットID701が「CV333−201108ZYXRB3」と「CV333−20110BZYABC4」とである2つの電池ユニットが選定されたとして説明する。この場合は、2つの電池ユニットAのランクはAAAであるが、近隣の交換ステーション401aにはランクがAAAの電池ユニットが1つしかなく、ランクがAの電池ユニットが1つある。
【0155】
この場合において、サーバ装置100から交換情報(ステップS40により出力される情報)が車両201aの情報提示装置200aに送信されることとなる。
【0156】
これを受けて、情報提示装置200aの通信制御部260は、通信部240を介して交換情報を取得して、その交換情報を情報提示制御部290に伝える。情報提示制御部290は、交換情報に基づいて、充電(交換)されるべき電池ユニットがどのようなランクのものであり、それが交換ステーションでどのようなランクの電池ユニットと交換できるかを示す画面を生成して提示部270に表示させる。また、情報提示制御部290は、その画面の内容を表す音声を提示部270に出力させる。これにより、情報提示装置200aを構成する表示装置に画面が表示され、また、音声出力装置から音声が出力されることとなる。画面には交換情報を任意の態様で表示してよい。交換情報が、電池DB情報のうち全ての電池ユニットAと特定の電池ユニットBについての情報と、電池ユニットAのランクの情報と、電池ユニットBのランクの情報と、交換ステーションに係る情報とを含むところ、その一部を表示してもよい。
【0157】
図19は、情報提示装置200aにおいて表示装置に表示される画面の一例を示す図である。同図の画面例は、電池マーク1001及び電池マーク1002により、3行3列目と3行4列目の電池ユニットの充電(交換)が必要なことを示している。また、近隣の交換ステーションに置かれた電池ユニットと交換したとすれば、1つの電池ユニットのランクがAAAに、もう1つの電池ユニットのランクがAになることを示している。
【0158】
こうして情報提示装置200aの提示部270により出力される画面等により、車両のユーザは、電池交換に際しての電池の特性に係るランクの比較結果に関連した情報(電池ユニットの交換に係る情報)を得ることができるようになる。なお、例えば情報提示装置200aの表示装置等を介して電池ユニットの交換に係る情報を確認したユーザが、確認の旨を示す特定の入力を行った場合に、情報提示装置200aが、交換ステーションに電池交換を予約するための情報を送信することとしてもよい。この予約のための情報は、例えばサーバ装置100を介して交換ステーションに設置された情報処理装置等に伝達されることとしてもよい。また、ユーザがその特定の入力を行った場合に、情報提示装置200aは、現在位置から交換ステーションまで車両を誘導する経路を示す地図を表示装置に表示し、その誘導のためのメッセージを音声出力装置から出力してもよい。
【0159】
(実施の形態2)
以下、本開示の一実施態様である実施の形態2について説明する。
【0160】
実施の形態2に係る情報出力システムは、実施の形態1に係る情報出力システム10(
図1参照)を構成する装置類のうち、サーバ装置100を部分的に変形するとともに情報提示装置200a及び情報提示装置200bを部分的に変形したものである。即ち、サーバ装置100が有する一部の機能構成を情報提示装置に移したものである。ここでは、実施の形態1と同様の要素については実施の形態1と同じ符号を用い、実施の形態1で示した事項と同様なものについては適宜説明を省略する。
【0161】
以下、主として、車両201aに搭載された情報提示装置1200(実施の形態1における情報提示装置200aの一部を変形したもの)とサーバ装置1100(実施の形態1におけるサーバ装置100の一部を変形したもの)とに着目して説明する。なお、車両201bにも情報提示装置1200と同様の情報提示装置が搭載されている。
【0162】
実施の形態1ではサーバ装置100が、充電(交換)が必要となった車載の電池ユニットを選定してそのランクを算定する機能、及び、電池ユニット間でランクを比較する機能を担っていたが、これらの機能は、本実施の形態では情報提示装置1200に移っている。
【0163】
(構成)
図20は、実施の形態2に係る情報出力システムにおける各装置類の機能構成の一例を示すブロック図である。同図では、サーバ装置1100、情報提示装置1200、電池300a、情報処理装置400a及び電池500aのみを示し、他の装置類は省略している。
【0164】
ここで、サーバ装置1100は、メモリ、プロセッサ、通信回路等を備えるコンピュータにより構成される。このサーバ装置100は、機能面では
図20に示すように、電池管理部1110、通信部120、取得部1130、要求受付部1155、選定部1160、算定部1170及び送信制御部1190を有する。これらによりサーバ装置1100は、情報提示装置1200からの要求に応えて交換ステーションに置かれている電池ユニットについてのランクの情報(以下、「ランク一覧」という。)を送信する処理等を実行する。
【0165】
電池管理部1110は、各交換ステーションに置かれた各電池ユニットについての情報を逐次取得して保管する機能を担い、メモリ、ハードディスク等の記憶媒体に各種データを保持している。即ち、電池管理部1110は、電池DB700及び交換ステーションDB900を有している。この電池DB700に格納される電池DB情報は実施の形態1で説明したデータ構成(
図4参照)を有するが、車両に搭載されている電池ユニットについての情報(レコード)を含まず、交換ステーションに置かれている電池ユニットについての情報のみを含む。
【0166】
通信部120は、通信回路を含んで構成され、情報提示装置1200及び情報処理装置400aと通信する機能を有する。この通信は、例えば、情報提示装置1200からのランク一覧の要求の受信、情報処理装置400aからの電池情報の受信、情報提示装置1200へのランク一覧の送信等である。なお、情報提示装置1200からのランク一覧の要求は、車両に搭載されており充電(交換)が必要となった電池ユニットのタイプと車両位置情報とを付して送信される。なお、情報提示装置1200は送信するタイプを、例えば、車両のユーザが情報提示装置1200に予め入力したものを利用することとしてもよいし、タイプと電池ユニットIDとの対応表等に基づいて特定することとしてもよい。
【0167】
取得部1130は、通信部120により受信された電池情報を取得して、電池管理部1110に伝達することで電池DB700を更新させる機能を有する。
【0168】
要求受付部1155は、通信部120により受信されたランク一覧の要求に付された電池ユニットのタイプと車両位置情報とを取得して選定部1160に伝える機能を有する。
【0169】
選定部1160は、要求受付部1155からタイプ及び車両位置情報を取得し、電池管理部1110内の電池DB700及び交換ステーションDB900を参照し、車両の近隣の交換ステーションに所在する同タイプの電池ユニットを選定する機能を有する。ここで、車両の近隣の交換ステーションとしては、例えば、車両位置情報に基づいて車両の現在位置から一定範囲(例えば半径5Km)内で現在位置より目的地に向かう方向に所在する交換ステーションを選ぶこととしてもよい。また、情報提示装置1200がランク一覧の要求に電池残量又は航続可能距離に係る情報を付することとし、その電池残量(航続可能距離)で到達可能な範囲にある交換ステーションを選ぶこととしてもよい。
【0170】
算定部1170は、選定部1160により選定された各電池ユニットに対して電池ランク算定処理(
図11参照)を実行することで、交換ステーションに置かれた、交換候補となる各電池ユニットについての現在のランクを算定する機能を有する。
【0171】
送信制御部1190は、選定部1160により選定された各電池ユニット(電池ユニットB)について算定部170により算定されたランクを示すランク一覧を生成して通信部120に送信させる機能を有する。このランク一覧の送信先は、ランク一覧を要求した情報提示装置である。
【0172】
なお、取得部1130、要求受付部1155、選定部1160、算定部1170、送信制御部1190の各機能は、サーバ装置1100を構成するメモリに格納された制御プログラムをプロセッサが実行することにより実現される。
【0173】
また、車両201aに搭載されている情報提示装置1200は、従来のカーナビゲーション装置に、電池の状態又は電池交換に係る情報を提示する機能等を付加したものである。この情報提示装置1200は、ハードウェア面では、液晶ディスプレイ(LCD)等の表示装置、タッチパッド等の入力装置、メモリ、プロセッサ、通信回路等を備えるコンピュータ、GPS受信機、電池I/F部210等を備えるコンピュータにより構成される。この情報提示装置1200は、機能面では
図20に示すように、電池I/F部210、記憶部1220、電池制御部230、通信部240、位置検出部250、通信制御部1260、提示部270、入力受付部280、選定部1291、算定部1292、比較部1293及び情報提示制御部1290を有する。
【0174】
提示部270は、表示によりユーザに対して情報を提示する表示装置、及び音声によりユーザに対して情報を提示する音声出力装置を含んで構成される。
【0175】
入力受付部280は、タッチパッド等の入力装置を含み、ユーザから入力された情報又は指示を受け付けて情報提示制御部1290及び電池制御部230に伝達する機能を有する。
【0176】
電池I/F部210は、情報提示装置1200と、電池300aを構成する各電池ユニット301とを接続するインタフェースであり、電池ユニット301の電池コントローラ302との通信を可能にする機能を有する。
【0177】
記憶部1220は、電池の状態を示す情報である電池情報600aを格納するためのメモリ等の記憶媒体である。
【0178】
電池制御部230は、記録部231を含み、電池制御処置(
図7参照)を実行することにより、次の各機能を担う。即ち、入力受付部280が受け付けた特定のユーザ操作に応じて電池I/F部210を介して接続された電池ユニット301への充電を制御する機能を担う。また、記録部231により、充電の際又は一定時間間隔毎に電池コントローラ302から電池の状態を示す各種情報を取得して、記憶部1220内に電池情報600aを記録する機能を担う。
【0179】
通信部240は、通信回路を含んで構成され、サーバ装置1100と通信する機能を有する。
【0180】
位置検出部250は、GPS受信機を含んで構成され、車両201aの現在位置を取得する機能を有する。
【0181】
通信制御部1260は、通信部240を制御する機能を有し、ランク一覧の要求を、通信部240を介してサーバ装置1100に送信する要求部1261と、通信部240を介してサーバ装置1100からランク一覧を受信する受信部1262とを含む。
【0182】
要求部1261は、充電(交換)が必要となった電池ユニットが選定部1291に選定された場合に、ランク一覧の要求を送信するよう制御する機能を有する。なお、要求部1261は、ランク一覧の要求に、位置検出部250により取得された車両201aの現在位置とユーザに入力された車両201aの目的地とから生成した車両位置情報と、電池ユニットのタイプとを付加して送信するよう制御する。
【0183】
受信部1262は、ランク一覧を受信すると、受信したランク一覧つまり交換ステーションに置かれた各電池ユニットに関する情報でランクを含む情報を比較部1293及び情報提示制御部1290に伝える機能を有する。
【0184】
選定部1291は、車両201aに搭載されている電池ユニットのうち充電(交換)が必要な電池ユニットが存在すれば、その充電(交換)が必要な1つ又は複数の電池ユニットを選定する機能を有する。なお、この電池ユニットの選定のため、選定部1291は、記憶部1220に格納されている電池情報600aを参照して交換必要電池選定処理(
図10参照)を実行する。
【0185】
算定部1292は、選定部1291により選定された各電池ユニットに対して電池ランク算定処理(
図11参照)を実行することで、交換されるべき各電池ユニットについての現在のランクを算定する機能を有する。
【0186】
比較部1293は、選定部1291により選定された各電池ユニットについて算定部1292により算定されたランクと、受信部1262から伝えられたランク一覧で示される各電池ユニットについてのランクとを比較する機能を有する。なお、比較結果は、情報提示制御部1290に伝えられる。
【0187】
情報提示制御部1290は、比較部1293から伝えられる比較結果に応じて、受信部1262から伝えられたランク一覧に基づき画面に表示する内容及び音声で出力する内容を定めて提示部270に表示及び音声出力を行わせるよう制御する機能を有する。また、電池情報600aに基づき電池の状態を、表示する又は音声で出力する機能も有する。
【0188】
なお、電池制御部230、通信制御部1260、選定部1291、算定部1292、比較部1293及び情報提示制御部1290の各機能は、情報提示装置1200を構成するメモリに格納された制御プログラムをプロセッサが実行することにより実現される。
【0189】
また、交換ステーション401aに設置されている情報処理装置400aは、交換ステーション401aに置かれている電池の状態をサーバ装置1100に伝える機能を有する。
【0190】
(動作)
以下、上述の構成を備える情報出力システムにおける各装置類の動作を説明する。特に、車両201aに搭載されている情報提示装置1200における、提示用情報(または出力用情報ともいう)の一例であり、電池交換に関する情報である交換情報を提示する動作(交換情報提示処理)を中心として説明する。
【0191】
図21は、情報提示装置1200で実行される交換情報提示処理の一例を示すフローチャートである。
【0192】
情報提示装置1200の選定部1291は、記憶部1220の電池情報600aを参照し、車両201aに搭載されている電池ユニットのうち充電が必要となった電池ユニットがあるかを検査し(ステップS131)、なければ検査を繰り返す。充電が必要となった電池ユニットがあれば、充電が必要な電池ユニットの各々を、交換対象となる電池ユニットAと定める(ステップS132)。具体的には、選定部1291は、電池情報600aの充電量603を参照して、車両201aに搭載されている各電池ユニットの充電量から車両201aの航続可能距離を算定する。そして、算定した航続可能距離が所定の閾値(例えば25Km)未満である場合には、選定部1291は、航続可能距離が所定値(例えば50Km)以上になるように充電を必要とする1以上の電池ユニットを選定する。この充電を必要とする1以上の電池ユニットの選定は、例えば充電量603が少ない電池ユニットから順に選定して80%充電の状態にしたとして(80%充電の電池と交換したとして)、航続可能距離が所定値以上になれば選定を終了するという手順でなされる。
【0193】
ステップS132に続いて、算定部1292は、各電池ユニットAについての特性に係るランクを算定する(ステップS133)。即ち、算定部1292は、選定部1291により選定された各電池ユニットAについて、電池情報600aの履歴情報610を参照し、
図12〜
図18に示すテーブル群を用いて電池ランク算定処理(
図11参照)を行う。
【0194】
次に、要求部1261は、サーバ装置1100にランク一覧の要求を送信するよう制御する(ステップS134)。要求部1261は、ランク一覧の要求の送信を、車両位置情報とランクとを付して行う。
【0195】
このランク一覧の要求に対して、サーバ装置1100からは、上述した要求受付部1155、選定部1160、算定部1170及び送信制御部1190の働きにより、交換ステーションに置かれた各電池ユニットBについてのランクを示すランク一覧が送信される。このランク一覧は情報提示装置1200の受信部1262により比較部1293及び情報提示制御部1290に伝えられる。
【0196】
そこで、情報提示装置1200の比較部1293は、全ての電池ユニットAのランクと同等以上のランクの電池ユニットBを有する1つの交換ステーションが存在するか否かについての判断を行う(ステップS135)。この判断は、車両201aのユーザにとっては、同一ランク又はそれより上のランクへの交換の候補となる電池ユニットが1つの交換ステーションに行けば入手できるか否かという意味となる。
【0197】
ステップS135において比較部1293がそのような電池ユニットBを有する交換ステーションが存在すると判断した場合には、情報提示制御部1290はその交換ステーションが有するその電池ユニットBを示す情報である交換情報を生成し提示する(ステップS136)。ここで生成される交換情報は、電池情報600a(
図3参照)のうち電池ユニットAについての情報と、電池ユニットAについて算定されたランクの情報と、必要な電池ユニットBについての情報と、その電池ユニットBについて算定されたランクの情報と、
図6に示したその交換ステーションに係る情報(所在地情報等)とを含む。
【0198】
ステップS135で全ての電池ユニットAのランクと同等以上のランクの電池ユニットBを有する1つの交換ステーションが存在しないと判断した場合、そのような電池ユニットBが複数の交換ステーションに分散して存在するかを判断する(ステップS137)。ステップS137での判断の結果として、そのような電池ユニットBが複数の交換ステーションに分散して存在すると判断した場合には、情報提示制御部1290は、複数の交換ステーションに分散して存在する電池ユニットBを示す交換情報を生成して提示する(ステップS138)。
【0199】
また、ステップS137での判断において、電池ユニットAのランクと同等以上のランクの電池ユニットBの個数が電池ユニットAの数に相当する個数より少ない場合には、電池ユニットAのランク未満のものも含んで電池ユニットBを示す交換情報を生成して提示する(ステップS139)。なお、交換情報の提示(ステップS136、S138、S139)は、交換情報を、提示部270により表示又は音声出力させることである。
【0200】
こうして情報提示装置1200の提示部270により出力される画面等により、車両201aのユーザは、電池交換に際しての電池の特性に係るランクの比較結果に関連した情報を得ることができるようになる。なお、例えば情報提示装置1200の表示装置等を介して電池ユニットの交換に係る情報を確認したユーザが、確認の旨を示す特定の入力を行った場合に、情報提示装置1200が、交換ステーションに電池交換を予約するための情報を送信することとしてもよい。また、ユーザがその特定の入力を行った場合に、情報提示装置1200は、現在位置から交換ステーションまで車両を誘導する経路を示す地図を表示装置に表示し、その誘導のためのメッセージを音声出力装置から出力してもよい。
【0201】
(変形例等)
以上、情報出力方法を実現する情報出力システムの各実施の態様について説明したが、上述した各実施の態様は一例にすぎず、各種の変更が可能であることは言うまでもない。
【0202】
実施の形態1、2においては、車両に搭載された電池ユニットを交換する前に、車両の電池ユニットのランクと交換ステーションにある電池ユニットのランクとを比較して比較結果に基づいて交換情報をコンピュータ等の装置から出力する方法について示した。このランクの比較及び比較結果に基づく情報の出力を、電池ユニットの交換後に行うようにしてもよい。交換後であれば、交換により車両から取り外される電池ユニット(第1電池ユニット)と、交換により車両に新たに搭載された電池ユニット(第2電池ユニット)は、それぞれ、特定がされている。この特定は例えば、第1電池ユニットから第2電池ユニットへの交換に伴って、記憶部に記憶される電池情報において、第1電池ユニットの電池ユニットIDが、第1電池ユニットの電池ユニットIDから第2電池ユニットの電池ユニットIDに変わることを検出することで特定できる。即ち、交換により車両から取り外される第1電池ユニットについてのランクと、交換により車両に新たに搭載された第2電池ユニットのランクとを比較し、比較結果に応じて、例えばランクが低くなった等といった交換結果に関する情報(出力用情報または提示用情報)を出力することとしてもよい。なお、コンピュータ等の装置から出力された、電池ユニットの交換結果に関する情報は、表示装置或いは音声出力装置を介してユーザに提示される。
図22は、電池ユニットの交換結果について表示装置に表示される画面の一例を示す図である。同図の画面例は、電池マーク1003及び電池マーク1004により、3行3列目と3行4列目の電池ユニットの交換が実行されたことを示している。そして、電池マーク1003は、同等以上のランクの電池ユニットへの交換がなされたことを表し、電池マーク1004及びメッセージ1005は、ユーザの注意を喚起するため、交換前よりも低いランクの電池ユニットへの交換がなされたことを表している。
【0203】
また、実施の形態で示した車両は、電気自動車であることとしたが、車両を運行させる電気モータをその二次電池の電力により駆動する機構を有するものであれば足り、更にエンジンを搭載している車両であってもよい。また、車両は、搭載した電池の交換が可能なものであればよく、電池を充電する機能を有さなくてもよい。
【0204】
また、充電が必要となった電池ユニットの選定のための交換必要電池選定処理(ステップS51〜S53)は一例にすぎず、例えば、放電により充電量(電池残量)が一定の下限値以下に低下したときにその電池ユニットを選定するようにしてもよい。
【0205】
また、電池DB700における電池DB情報は、各電池ユニットについて算定されたランクを含んでもよく、また、交換ステーションDB900における交換ステーションDB情報は、交換ステーションの名称又は交換ステーションに関連する他の情報を含んでもよい。
【0206】
また、交換情報出力処理(
図9参照)及び交換情報提示処理(
図21参照)における電池ユニットAと電池ユニットBとのランクに係る比較結果の利用の仕方(ステップS36〜S40、S135〜S139)は、一例にすぎず、多種多様な変形が可能である。例えば、ステップS38において肯定的な判断をした場合に、車両の位置から最寄りの交換ステーションにおける電池ユニットBをランクの高い方から電池ユニットAの数分だけ抽出してその電池ユニットBのランク等を示す交換情報を出力する等と変形できる。また、比較部180又は比較部1293による電池ユニットAと電池ユニットBとのランクの比較では、両者のランクが同一である場合と電池ユニットAのランクの方が高い場合と電池ユニットBのランクの方が高い場合とを区別した比較結果を出力してもよい。この場合は、例えば情報提示制御部290又は情報提示制御部1290が、電池ユニットAの交換対象が同一ランクである場合とそれより高いランクの場合とそれより低いランクの場合とで異なる態様(異なる色等)で表示装置への表示等を行うようにしてもよい。また、電池ユニットAの交換対象が同等以上のランクである場合とそれより低いランクの場合とで異なる態様で表示することとしてもよい。また、電池ユニットAの交換対象として同等以上のランクである電池ユニットBについてのみの情報(ランク又は交換ステーションの情報等)を表示することとしてもよい。
【0207】
なお、交換対象となり得る電池ユニット間又は交換対象とされた電池ユニット間で、ランクを比較した結果を出力することは、例えば、相違する充電量とは別に、電池ユニット間の特性の相違つまり価値の相違をユーザに認識させ得る点でユーザに有益となる。なお、比較結果の出力は、表示装置等を介してのユーザへの情報(比較結果を反映した各種情報)の提示又は、予約情報の伝達等といった他の装置類の制御等として作用する。
【0208】
また、表示の態様としては、
図19の画面例での電池マーク1001、1002を、車両に搭載された電池ユニットの識別情報又はランクを表すもの、交換により車両に搭載される電池ユニットの識別情報又は所在地情報を表すもの等に変形してもよい。
【0209】
また、電池ユニットのランクの算定にあたり(
図11参照)、電池ユニットの履歴情報である充電回数、急速充電回数、満充電率、充電率低下回数、高温期間及び経過期間を用いたが、これらの一部だけ、つまり1つ又は複数の組み合わせを、用いてもよい。これらのうち、例えば充電回数だけを用いて、充電回数が多いほどランクを低くするようにランクの算定を行ってもよい。また、急速充電回数だけを用いて、急速充電回数が多いほどランクを低くするようにランクの算定を行ってもよい。また、満充電率だけを用いて、満充電率が高いほどランクを高くするようにランクの算定を行ってもよい。また、充電率低下回数だけを用いて、充電率低下回数が1回以上であれば充電率低下回数が0回の場合よりもランクを低くするようにランクの算定を行ってもよい。また、高温期間だけを用いて、高温期間が0時間ではない場合は高温期間が0時間の場合よりもランクを低くするようにランクの算定を行ってもよい。また経過期間だけを用いて、経過期間が長いほどランクを低くするようにランクの算定を行ってもよい。なお、ランクの程度を表現するために、実施の形態では、例えばAAA又はA等の区分を用いたが、これに限定されることはなく、例えばランクは数値で表されることとしてもよい。また、例えば、ランクが相違する電池ユニット同士は、互いに放電特性が異なるようにランクの算定を行ってもよい。
【0210】
また、交換対象とする車両に搭載されている電池ユニットと、交換対象とする車両に搭載されていない(例えば交換ステーションに所在する)電池ユニットとの選定は、情報出力システムの外部で行われてもよい。情報出力システムでは、少なくとも交換対象(交換対象の候補も含む)となる一組の電池ユニットの特定する情報を取得できれば、各電池ユニットの電池の特性に関する情報(履歴情報等)を取得して、各電池ユニットのランクを算定しランクの比較を行える。これにより情報出力システムは、ランクの比較結果に基づく情報(出力用情報または提示用情報)を出力することができるようになる。なお、情報出力システムにおける各装置類の機能分担を変更することも可能である。
【0211】
なお、上述した各装置類による各種処理(
図7〜
図11、
図21に示す処理等)の全部又は一部は、各装置類の機構(ハードウェア)により実行されても、ソフトウェアにより実行されてもよい。なお、ソフトウェアによる処理の実行は、各装置類に含まれるプロセッサがメモリに記憶された制御プログラムを実行することにより実現されるものである。また、その制御プログラムを記録媒体に記録して頒布又は流通させてもよい。例えば、頒布された制御プログラムを装置類にインストールして、装置類のプロセッサに実行させることで、装置類に各種処理(
図7〜
図11、
図21に示す処理等)を行わせることが可能となる。
【0212】
また、
図23は、本開示の一態様に係る情報出力システムの一例を示す図である。本開示の一実施態様としての情報出力システム1は、車両駆動用二次電池の交換に際して情報を出力する情報出力システムであって、車両に搭載されていた第1電池ユニット(電池ユニットA)の特性に影響を与える事象を記録した第1履歴情報を取得する第1取得部2と、第1電池ユニットに代えて車両に搭載され得る第2電池ユニット(電池ユニットB)の特性に影響を与える事象を記録した第2履歴情報を取得する第2取得部3と、第1履歴情報に基づいて第1電池ユニットの特性に係るランクを算定する第1算定部4と、第2履歴情報に基づいて第2電池ユニットの特性に係るランクを算定する第2算定部5と、第1電池ユニットのランクと、第2電池ユニットのランクとを比較する比較部6と、比較部6による比較の結果に応じた出力用情報を出力する出力部7とを備える。
【0213】
その他、上述した各実施の形態に対して当業者が当然に思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、各実施の形態で示した構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示の範囲に含まれる。