(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1に係るダンパーシステム100の一例を示す説明図である。なお、各部は模式的に示すものであって、本発明は図示された形態(形状や相対的な大きさ)に限定されるものではない。また、添字で区別等している複数の同種の構成部品等について、特に区別したり、特定したりする必要がない場合には、添字を省略して記載する場合がある。各実施の形態において、橋梁に取り付けられたダンパーシステム100について説明するが、ダンパーシステム100は、構造物を構成する異なる構造部材の間に設置されていればよい。例えば、橋梁だけに限られず、水門、ビル、倉庫、塔などの土木構造物及び建築構造物(以下、土木構造物及び建築構造物をまとめて「構造物」と称する)にダンパーシステム100を適用しても良い。
【0011】
図1において、ダンパーシステム100は、例えば橋梁の上部構造11と下部構造12aとの間に取り付けられるものである。上部構造11は、例えば橋台などの下部構造12a、12bの上に載せられており、可動支承13又は固定支承14を介して載せられている。可動支承13は、上部構造11による下方向の荷重のみを受け、水平方向の荷重は受けない構造になっている。固定支承14は、上部構造11による下方向及び水平方向の荷重を受ける構造になっている。可動支承13は、例えばローラーなどが採用され、上部構造11の水平方向の変位に対してはローラーが回転して拘束されず、下方向のみの荷重を受ける。固定支承14は、例えばヒンジ構造になっており、ヒンジの軸周りの回転はできるが、水平方向及び上下方向の変位はできないようになっている。実施の形態1においては、下方向の荷重は、例えば上部構造11の自重や、橋梁上を走行する車両などの荷重である。
【0012】
ダンパーシステム100は、例えば上部構造11の下部に突出して設けられた取付部材16と下部構造12aと間に設置されている。取付部材16側のダンパーシステム100が取り付けられる上部構造側取付面17と、下部構造12a側のダンパーシステム100が取り付けられる下部構造側取付面18とは、向かい合って設けられている。上部構造11は、可動支承13を介して下部構造12aの上に載置されている。よって、上部構造11が水平方向に変位しても可動支承13は水平方向の荷重を受けることがない。しかし、上部構造11が水平方向に変位すると取付部材16も水平方向に変位する。よって、下部構造12aの下部構造側取付面18と取付部材16の上部構造側取付面17との対向する面の間の距離をLとすると、上部構造11が
図1の左方向にdだけ移動すると、距離Lはaだけ縮む。また、上部構造11が
図1の右方向にaだけ移動すると、距離Lはaだけ延びる。例えば、橋梁の上部構造11に地震による振動が加わった場合、上部構造11は水平方向の変位し、距離Lは伸び縮みする。
【0013】
図2は、
図1のダンパーシステム100の拡大図である。
図3は、
図2のダンパーシステム100のうちダンパー20のみを示した図である。ダンパーシステム100は、ダンパー20とダンパー20の両端を支持する取付部30a、30bとから構成されている。取付部30aは、下部構造12a側の下部構造側取付面18に取り付けられている。取付部30bは、上部構造11側の上部構造側取付面17に取り付けられている。
【0014】
取付部30bは、ダンパー20の上部構造11側の端部21bを支持している。実施の形態1においては、取付部30bの取付板31ba及び取付板31bbのそれぞれには軸支持穴38が開口されている。ダンパー20の上部構造11側の端部21bには貫通穴22bが設けられている。そして、軸支持穴38及び貫通穴22bに軸23bが通され、ダンパー20の端部21bは、取付部30bに回転自在に支持される。
【0015】
また、取付部30aは、ダンパー20の下部構造12a側の端部21aを支持している。実施の形態1においては、例えば、取付部30aの取付板31ba及び取付板31bbのそれぞれにスリット32aが設けられている。ダンパー20の下部構造12a側の端部21aには、他方の端部21bと同じく貫通穴22aが設けられている。そして、スリット32a及び貫通穴22aに軸23aが通され、ダンパー20の端部21aは、取付部30aに回転自在に、かつダンパー20の端部21aが取付部30aに対し水平方向に相対変位できる所定の隙間を持って支持されている。
【0016】
(取付部30)
取付部30aは、下部構造12aの下部構造側取付面18に固定される基板37aを備える。基板37aから取付板31aa及び取付板31abが立設されている。取付板31aa及び取付板31abとは同じ形状になるように形成されている。取付板31aa及び取付板31abは、互いに平行に並んで立設されている。取付板31aaと取付板31abとが向かい合っている内側の面である内側面34aaと内側面34abとの間は、ダンパー20の端部21aが挿入可能なように所定の隙間を有する。
【0017】
取付板31aa及び取付板31abには、平板形状の取付板31aa及び取付板31abのそれぞれを貫通するようにスリット32が開口されている。取付板31aaに開口されているスリット32をスリット32aと呼び、取付板31abに開口されているスリット32をスリット32bと呼ぶ。スリット32は、軸23aがスリット32a、32bの内部に嵌合し、長穴形状の長手方向に沿って軸23aが移動できる程度の幅に設定されている。また、軸23aは、ダンパー20の端部21aに設けられている貫通穴22aとも嵌合している。この構造により、ダンパー20の端部21aは、取付部30aにスリット32に沿った方向に移動でき、かつ回転可能に支持されている。実施の形態1において、スリット32の長手方向は、望ましくはダンパー20の長手方向と平行に形成されている。なお、スリット32の長手方向は、必ずしもダンパー20の長手方向と平行にされる必要はない。上部構造11と下部構造12aとが相対的に変位したときに端部21aが移動するだけの余裕を持っており、上部構造11と下部構造12aとの相対的な変位が所定の量に達したときにダンパー20に荷重がかかるようになっていれば良い。
【0018】
スリット32の長手方向の両端には、当接部36が形成されている。取付板31aaに設けられているスリット32aにおいて、当接部36aaは、下部構造12a側に位置し、当接部36abは、上部構造11側、すなわちダンパー20が位置する側に位置する。同様に取付板31abに設けられているスリット32bにおいて、当接部36baは、下部構造12a側に位置し、当接部36bbは、上部構造11側、すなわちダンパー20が位置する側に位置する。
【0019】
当接部36は、スリット32a、32bの幅(短手方向の寸法)を直径とする円弧形状に形成されているが、この形状だけに限定されるものではない。例えば、当接部36は平面であっても良く、軸23aが当接したときに軸23aからの荷重が受けられるようになっていればよい。また、軸23aから当接部36に荷重が加わったときに破損が生じにくい形状であることが望ましい。
【0020】
取付部30bは、上部構造11の上部構造側取付面17に取り付けられる基板37bを備える。基板37bから取付板31ba及び取付板31bbが立設されている。取付板31ba及び取付板31bbとは同じ形状になるように形成されている。取付板31ba及び取付板31bbは、互いに平行に並んで立設されている。取付板31baと取付板31bbとが向かい合っている内側の面である内側面34baと内側面34bbとは、ダンパー20の端部21bが挿入可能なように所定の隙間を有する。
【0021】
取付板31ba及び取付板31bbには、平板形状の取付板31ba及び取付板31bbのそれぞれを貫通するように軸支持穴38が開口されている。取付板31baに開口されている軸支持穴38を軸支持穴38aと呼び、取付板31bbに開口されている軸支持穴38を軸支持穴38bと呼ぶ。軸支持穴38は、軸23bが軸支持穴38の内部に嵌合し、さらに軸23bがダンパー20の端部21bの貫通穴22bにも嵌合している。この構造により、ダンパー20の端部21bは回転可能に支持される。
【0022】
(弾性部材40)
取付板31aaの外側にある外側面35aaには、弾性部材40aa及び弾性部材40abが取り付けられている。弾性部材40aaは、スリット32aの当接部36aaと軸23aとの間に位置する。弾性部材40abは、スリット32aの当接部36abと軸23aとの間に位置する。取付板31abの外側にある外側面35abには、弾性部材40ba及び弾性部材40bbが取り付けられている。弾性部材40baは、スリット32bの当接部36baと軸23aとの間に位置する。弾性部材40bbは、スリット32bの当接部36bbと軸23aとの間に位置する。例えば、軸23aが下部構造12a側に移動したときに、軸23aは、当接部36aa及び当接部36baに当接する前に弾性部材40aa及び弾性部材40baに当たる。また、軸23aが上部構造11側へ移動したときに、軸23aは、当接部36ab及び当接部36bbに当接する前に弾性部材40ab及び弾性部材40bbに当たる。なお、上記に説明したように、取付板31aa側の構造と取付板31ab側の構造とは、ダンパーの中心軸に対し対称的な配置で、同じ構造になっている。
【0023】
更に詳しく述べると、実施の形態1においては、軸23aは、スリット32a及びスリット32bから外側に突出している。軸23aの突出している部分である突出部24aは、取付板31aaの外側面35aaに沿って弾性部材40aa及び弾性部材40abと並んで位置し、軸23aがスリット32aに沿って移動すると突出部24aと弾性部材40aa又は弾性部材40abとが当接する。軸23aの突出している部分である突出部24aは、取付板31aaの外側面35aaに沿って弾性部材40aa及び弾性部材40abと並んで位置し、軸23aがスリット32aに沿って移動すると突出部24aと弾性部材40aa又は弾性部材40abとが当接する。軸23aが弾性部材40aaに当接したときに、軸23aのスリット32aの内部に位置する貫通部26aは、当接部36aaに当接していない。すなわち、弾性部材40は、ダンパー20の端部21aが移動できる方向、つまりスリット32の長手方向において、軸23aと当接部36との間に配置されている。実施の形態1においては、弾性部材40は、軸23の突出部24と取付板31の外側面35に沿って並んで配置されているが、これに限られるものではない。軸23aが移動可能な方向において、弾性部材40が軸23aと当接部36との間に位置していればよい。実施の形態1においては、弾性部材は取付板31の外側面35に配置されているが、このように構成すると、弾性部材40の破損、劣化などの発見も容易で、交換も容易であるという利点がある。
【0024】
弾性部材40は、例えば板バネにより構成されている。板バネとなる鋼材の端部を取付板31に固定し、軸23aがスリット32に沿って動く方向(つまり、スリット32の長手方向)にたわむように固定される。弾性部材40は、軸23の動きに対し反力を与えるように構成されている。なお、弾性部材40は、板バネにより構成されているが、弾性力により軸23aに対し反力を生ずる他の弾性体であっても良い。弾性部材40を取付板31に固定する手段は、特に限定されないが、着脱が可能であれば、弾性部材40の交換が容易である。例えば、弾性部材40の固定を取付板31に締結するネジにより行っても良い。
【0025】
(ダンパー20)
実施の形態1においては、ダンパー20は、座屈拘束型ダンパーである。座屈拘束型ダンパーは、両端に端部21a及び端部21bを備え、端部21a及び端部21bと連結された軸力材29と、軸力材29の外周面を包囲し軸力材29の座屈の発生を抑える補剛管25により構成される。ただし、ダンパー20は、座屈拘束型ダンパーだけに限定されず、例えば鋼材等の金属の塑性変形により上部構造11と下部構造12aとの相対変位を減衰させ、相対変位によるエネルギーを吸収するものであれば他の形式のダンパーを使用しても良い。
【0026】
ダンパー20の一方の端部21aには、軸23aが通される貫通穴22aが設けられている。ダンパー20の他方の端部21bには、軸23bが通される貫通穴22bが設けられている。貫通穴22a及び貫通穴22bに軸23が通されることにより、ダンパー20は、取付部30に支持される。軸23は、貫通穴22に例えば隙間嵌めされるが、締まり嵌めにより固定されても良い。また、その他の手段により固定されても良い。
【0027】
(ダンパーシステム100の動作について)
図4は、ダンパーシステム100の動作を説明する図であり、
図2のダンパー20の端部21aの周辺を拡大した図である。
図4に基づいてダンパーシステム100の動作について説明する。なお、ダンパーシステム100の動作の説明は、取付板31aa側の構造についてのみ説明をするが、取付板31ab側においても同様に動作する。
【0028】
図4(a)に示されるように、ダンパーシステム100は、通常時は軸23aがスリット32aの長手方向の中央部周辺にあるように設置される。例えば橋梁は、通常時においても、上部構造11の上を走行する車両等の振動が加わったり、設置される環境の温度変化、比較的頻度の多い小規模地震などにより上部構造11と下部構造12aとの距離Lが変化する。そのため、軸23aは、スリット32aの中央部周辺に配置するように設置され、軸23aと当接部36aa、36abとが離れた状態にされている。これにより、橋梁上を走る車両の走行による振動や、温度変化による距離Lの変化によりダンパー20に荷重が加わらないようにされている。スリット32aの長手方向の寸法は、通常時の距離Lの変化量を見込んで決定される。また、通常時の軸23aから弾性部材40aa及び弾性部材40abまでの距離は、距離dとなっている。弾性部材40aaは、スリット32aの当接部36aaから距離bだけ軸23aに近い側に配置されている。弾性部材40abは、スリット32aの当接部36abから距離bだけ軸23aに近い側に配置されている。なお、
図4において、距離b及び距離dは、弾性部材40aa側と弾性部材40ab側とで等しく設定されているが、弾性部材40aa及び弾性部材40abの各々の位置を変えて異なる距離b及び距離dに設定しても良い。
【0029】
図4(b)は、大規模地震等により橋梁に振動が加わったときの状態を示す図であり、特に上部構造11が下部構造12aに近づき、
図1における距離Lが短くなった状態を示す。この時、距離Lは、移動距離aだけ短くなっている。移動距離aは、距離dよりも長く、軸23aは弾性部材40aaに当接し、さらに弾性部材40abを弾性変形させている。かつ、軸23aは、スリット32aの当接部36aaに当接している。
【0030】
図4(c)は、大規模地震等により橋梁に振動が加わったときの状態を示す図であり、特に上部構造11が下部構造12aから遠ざかり、
図1における距離Lが長くなった状態を示す。この時、距離Lは、移動距離aだけ長くなっている。移動距離aは、距離dよりも長く、軸23aは弾性部材40abに当接し、さらに弾性部材40abを弾性変形させている。かつ、軸23aは、スリット32aの当接部36abに当接している。
【0031】
図5は、比較例として弾性部材40が設けられていないダンパーシステム100aの一例を示す図である。なお、ダンパーシステム100aの動作の説明は、取付板31aa側の構造についてのみ説明をするが、取付板31ab側においても同様に動作する。ダンパーシステム100aは、弾性部材40が設けられていないため、
図1における距離Lが移動距離aだけ長くなったり短くなったりすると、軸23aが直接当接部36aa又は当接部36bbに当たる。上部構造11と下部構造12とに加わった振動により、上部構造11と下部構造12aとが速度を持って近づいたり離れたりしたときに、軸23aと当接部36aa又は当接部36bbとが瞬間的に当接する。すると、軸23a及び当接部36aa又は当接部36bbには衝撃力が加わる。
【0032】
図6は、
図5のダンパーシステム100aにおいて軸23aに加わる力の変化を示した模式図である。以下の説明においても、取付板31aa側の構造において軸23aが当接部36aaに当接する場合について説明をするが、軸23aが当接部36ab、36ba、36bbに当接する場合においても同様である。
図6の横軸は、軸23aの初期の位置からの変位量を表しており、
図6の縦軸は軸23aにかかる荷重を表している。実線は、軸23aと当接部36aaとが静的に当接したときに軸23aに加わる力の変化を表している。点線は、軸23aと当接部36aaとが相対的な速度を持って当接したときに軸23aに加わる力を模式的に表している。
【0033】
ダンパーシステム100aにおいて、軸23aが移動距離aだけ移動するとダンパー20aが作用し始める。つまり、軸23aと当接部36aaとが当接し、上部構造11及び下部構造12aからダンパー20aに荷重がかかる。軸23aと当接部36とが静的に当接したとき、例えば長い時間をかけて軸23aから当接部36aaに荷重を加えた場合には、軸23aが移動距離aだけ移動するとダンパーシステム100aに荷重がかかり、荷重を受けるダンパーシステム100aの各部は弾性変形する。具体的には、取付部30a、取付部30b、軸23a、端部21a、端部21b、軸力材29等が弾性変形する。この時、軸23aに加わる力Fは、ダンパーシステム100aの変形量δに比例して増加する。そして、ダンパーシステム100aの変形量δが増加し、ダンパー20の弾性限界に達すると、軸23aに加わる力Fは、ほぼ一定の力Fyになる。この時、例えば、座屈拘束型ダンパーであるダンパー20を構成する軸力材29が降伏し塑性変形する。この時のダンパーシステム100aの変形量を変形量δyとする。軸力材29が塑性変形し始めると、変形量δが大きくなっても荷重はほぼ一定になり、ダンパーシステム100aは、橋梁などに加わる振動によるエネルギーを吸収し、振動を抑える。
【0034】
一方、ダンパーシステム100aに衝撃的な力が加わった場合の当接部36aaに加わる力の変化について説明する。上部構造11及び下部構造12aに地震などにより振動が加わった場合、軸23aは、当接部36aaに対し相対的な速度を持って移動する。上部構造11及び下部構造12aの振動による相対的な移動距離が移動距離aを超えると、軸23aは、当接部36aaにある速度vで衝突することになる。この時、移動している物体である上部構造11、ダンパーシステム100a、下部構造12a等の質量をmとすると、軸23aと当接部36aaとは運動量mvを持って衝突することになる。軸23aは、瞬間的に当接部36aaに衝突するため、ある瞬間的な時間Δtの間に軸23aに力が加わる。この時、軸23aに加わる力faは、運動量mvを時間Δtで除した値となり、上述した静的に加えた力Fyよりも大きくなる。このときにダンパーシステム100aに加わる力は、短い時間Δtの間だけ作用するため、構成部品である軸力材29が塑性変形しエネルギーを吸収する間もなく、ダンパーシステム100aの各構成部品に作用することになる。これにより、例えば、軸23aが破断したり、取付板31aa、31abが破損するなどの不具合が発生する可能性がある。
【0035】
図7は、
図4のダンパーシステム100において軸23aに加わる力の変化を示した模式図である。以下の説明においても、取付板31aa側の構造において軸23aが当接部36aaに当接する場合について説明をするが、軸23aが当接部36ab、36ba、36bbに当接する場合においても同様である。
図7の横軸は、上部構造11の下部構造12aに対する相対変位量を表しており、
図7の縦軸は軸23aにかかる荷重を表している。実線は、軸23aと当接部36aaとが静的に当接したときに軸23aに加わる力の変化を表している。点線は、軸23aと当接部36aaとが相対的な速度を持って当接したときに軸23aに加わる力を模式的に表している。
【0036】
ダンパーシステム100において、軸23aが距離dだけ移動すると、軸23aは、弾性部材40aaに当接し、弾性部材40aaを変形させる。
図7中の一点鎖線は、弾性部材40aaの変形量と荷重の関係である。また、
図7中の細い実線は、ダンパー20の弾性変形による変形量と荷重の関係であり、
図6中において実線で示されているものに相当する。軸23aが弾性部材40aaに当接したとき、軸23aに加わる力の変化は、
図7中の太い実線の部分Pで表される。部分Pは、例えばダンパーシステム100相当の弾性係数を有するばねと弾性部材40aaの弾性係数を有するばねとを直列に接続したときに、その合成されたばね定数を傾きとする直線になっている。つまり、部分Pの傾きは、ダンパー20のみ又は弾性部材40aaのみに力が加わった場合よりも緩やかな傾きとなる。
【0037】
軸23aが弾性部材40aaに接触してから距離bだけ変形すると、軸23aは、当接部36aaに当接する。軸23aが当接部36aaに当接すると、軸23aに直接荷重がかかるため、
図7中の太い実線の部分Qで表された部分の直線の傾きは、ダンパー20の弾性変形による変形量と荷重の関係を表す直線の傾きと同じになる。つまり部分Qの傾きは、
図7中の細い実線の傾きと同じになっている。
【0038】
ダンパーシステム100に静的な荷重がかかった場合は、
図7の太い実線で示されるように軸23aにかかる荷重が変化する。しかし、上部構造11及び下部構造12aに地震などにより振動が加わった場合、軸23aは、当接部36に対し相対的な速度を持って移動する。比較例のダンパーシステム100aにおいては、軸23aに衝撃力が入るが、実施の形態1のダンパーシステム100においては、上部構造11及び下部構造12aの振動による相対的な移動距離が移動距離aを超えても、軸23aが当接部36aaに当接するときの衝撃力を抑えることができる。これは、軸23aが当接部36aaに当接する前に弾性部材40aaに当接して弾性部材40aaを変形させ、弾性部材40aaの弾性力により軸23aの当接部36aaに対する相対速度vを抑えることができるためである。これにより、軸23aが持つ運動量mvが抑えられる。さらには、軸23aと当接部36aaとが当接して軸23aに力が加わる時間Δtも長くなる。よって、ダンパーシステム100においては、軸23aに加わる力fは、運動量mvを時間Δtで除した値となり、上述したダンパーシステム100aに加わる力faよりも小さくなる。すなわち、これにより、例えば、軸23aが破断したり、取付板31aa、31abが破損するなどの不具合が発生するのを抑えることができる。
【0039】
例えば、実施の形態1において、弾性部材40aa、40ab、40ba、40bbは、以下の様に設定することができる。
図7において、距離dを50mmとし、弾性部材40aa、40ab、40ba、40bbの弾性係数を4.5kN/mm、距離bを11mmに設定すると、ダンパー20の軸方向の荷重が50kNで軸23aと当接部36aa、36ba又は当接部36ab、36bbとが当接する。また、
図7において、距離dを50mmとし、弾性部材40aa、40ab、40ba、40bbの弾性係数を4.5kN/mm、距離bを7.5mmに設定すると、ダンパー20の軸方向の荷重が80kNで軸23aと当接部36aa、36ba又は当接部36ab、36bbとが当接する。ダンパー20の降伏軸力は、207kNに設定されており、
図7のFyは207kNとなり、ダンパー20にかかる軸方向荷重が207kNになると、上部構造11の下部構造12aに対する相対変位量が大きくなってもダンパー20にかかる荷重は変わらない。ダンパー20が降伏することにより、上部構造11と下部構造12aとの間の相対変位のエネルギーを吸収することができる。
【0040】
(実施の形態1の効果)
実施の形態1に係るダンパーシステム100は、橋梁(本願発明においては「構造物」に相当する)を構成する上部構造11と下部構造12aと(本願発明においては「2つの相対的に変位する異なる構造部材」に相当する)の間に設けられるダンパーシステム100であって、上部構造11と下部構造12aとの相対変位によるエネルギーを吸収するダンパー20と、上部構造11と下部構造12aとにそれぞれ取り付けられ、ダンパー20の端部を支持する取付部30a、30bと、ダンパー20と取付部30aとの相対的な変位に対して反力を生ずる弾性部材40aa、40ab、40ba、40bbと、端部21a又は取付部30aのうち一方に設けられたスリット32a、32bと、スリット32a、32bに嵌合する端部21a又は取付部30bのうち他方に設けられた軸23aと、を備える。そして、スリット32は、軸23aがスリット32a、32bに沿って変位をすることにより当接する当接部36aa、36ab、36ba、36bbを備える。弾性部材40aa、40ab、40ba、40bbは、軸23aと当接部36aa、36ab、36ba、36bbとの間に配置されている。
このように構成されることにより、大規模地震等により橋梁等の構造物に振動が加わった場合、弾性部材40aa、40ab、40ba、40bbが緩衝部材として作用し、ダンパーシステム100に衝撃的な力が加わるのを抑制することができる。また、軸23aと当接部36aa、36ab、36ba、36bbとの間には隙間ができる構成になっているため、通常時においては、構造物の設置されている環境の温度による寸法変化や、構造物の設計範囲内の中小規模の地震などにより加わる振動によりダンパーシステム100に力が加わることがなく、ダンパー20が作動しないようになっている。よって、ダンパーシステム100は、長期にわたる使用によって、ダンパー20が疲労破壊したり、構造物に対し余分な荷重をかけて変形を生じさせることもない。
【0041】
また、実施の形態1に係るダンパーシステム100によれば、軸23aは、端部21aが取付部30aに対し相対的に変位することにより弾性部材40aa、40ba又は弾性部材40ab、40bbに当接して弾性部材40aa、40ba又は弾性部材40ab、40bbを変形させ、弾性部材40aa、40ab、40ba、40bbが弾性変形できる変形量の範囲内で軸23aと当接部36aa、36ba、36ab、36bbとが当接する。
このように構成されることにより、大規模地震等により橋梁等の構造物に振動が加わった場合であっても、弾性部材40aa、40ab、40ba、40bbが破損することなく緩衝部材として作用し続けることができる。例えば、大規模地震等の振動により上部構造11と下部構造12aとの間の距離Lが近づいたり離れたりを繰り返したときには、弾性部材40に軸23aが繰り返し当接することになるが、弾性部材40aa、40ab、40ba、40bbが弾性変形できる変形量の範囲内で軸23aはスリット32a、32bの当接部36aa、36ba、36ab、36bbと当接する。これにより、弾性部材40aa、40ab、40ba、40bbは、塑性変形や破損することが無く、緩衝部材として作用し続けることが可能となる。
【0042】
また、実施の形態1に係るダンパーシステム100によれば、弾性部材40aa、40ab、40ba、40bbは、取付板31aa、31abの外側面35aa、35abに設けられる。本願発明においては、取付板31aa、31abの外側面35aa、35abは、スリット32a、32bが開口している面に相当する。
このように構成されることにより、弾性部材40は、構造物に長期間設置された場合に、破損や劣化が生じても発見しやすく、また、弾性部材40aa、40ab、40ba、40bbの交換作業も容易になる。
【0043】
また、実施の形態1に係るダンパーシステム100によれば、取付部30aは、例えば上部構造11の取付部30bを取り付ける面から下部構造12aの取付部30aを取り付ける面に向かって立設される互いに平行な一対の取付板31aa、31abを備える。端部21aは、一対の取付板31aa、31abの間に挿入される。なお、本願発明においては、上部構造11及び下部構造12aが、一方の構造部材及び他方の構造部材に相当する。
また、実施の形態1に係るダンパーシステム100によれば、スリット32a、32bは、取付板31aa、31abに形成される。軸23aは、ダンパー20の端部21aに形成されている。
さらに、実施の形態1に係るダンパーシステム100によれば、軸23aは、スリット32a、32bの内部に位置する貫通部26a、26bと、取付板31aa、31abから外側に突出している突出部24a、24bとを備える。弾性部材40aa、40abは、取付板31aaの外側面35aaに取り付けられ、弾性部材40ba、40bbは、取付板31abの外側面35abに取り付けられ端部21aが取付部30aに対し相対的に変位することにより突出部24a、24bと当接する。なお、本願発明において、「外側面35」は、「取付板の外側の面」に相当する。
このように構成されることにより、ダンパーシステム100は、簡易な構造であり、製造、設置も容易でコストを低減することができる。
【0044】
また、実施の形態1に係るダンパーシステム100によれば、弾性部材40は、スリット32の長手方向に反力を生ずるように配置されている。
このように構成されることにより、スリット32の内側を軸23aが移動し、軸23aが弾性部材40に当接したときに、弾性部材40から軸23aに大きい反力を与えることができる。これにより、大規模地震等の振動が構造物に加わっても、軸23aの移動する速度vを緩和させることができるため、ダンパーシステム100の信頼性を向上させることができる。
【0045】
実施の形態1に係るダンパーシステム100によれば、弾性部材40aa、40ab、40ba、40bbは、板バネにより構成される。
このように構成されることにより、大規模地震等の振動が構造物に加わっても、簡易な構造で軸23aと当接部36との衝突を緩和させることができる。
【0046】
実施の形態1に係るダンパーシステム100によれば、ダンパー20は、座屈拘束型ダンパーである。
このように構成されることにより、大規模地震等の振動が構造物に加わったときに、振動によるエネルギーを吸収することができ、構造物の耐震性を向上させることができる。
【0047】
実施の形態1に係るダンパーシステム100によれば、軸23aから当接部36aa、36ba、36ab、36bbまでの距離は、構造物の環境温度による伸縮量よりも大きく設定されている。
このように構成されることにより、軸23と当接部36aa、36ba、36ab、36bbとの間には適正な隙間ができる構成になっているため、通常時においては、構造物の設置されている環境の温度による寸法変化や、構造物の設計範囲内の中小規模の地震などにより加わる振動によりダンパーシステム100に力が加わることがなく、ダンパー20が作動しないようになっている。よって、ダンパーシステム100は、長期にわたる使用によって、ダンパー20が疲労破壊したり、構造物に対し余分な荷重をかけて変形を生じさせることもない。
【0048】
[実施の形態2]
本発明の実施の形態2に係るダンパーシステム200は、実施の形態1に係るダンパーシステム100に対し、ダンパー20の端部21aの周辺の構造を変更したものである。実施の形態2に係るダンパーシステム200においては、実施の形態1に対する変更点を中心に説明する。実施の形態2に係るダンパーシステム200の各部については、各図面において同一の機能及び構造を有するものは実施の形態1の説明で使用した図面と同一の符号を付して表示するものとする。
【0049】
図8は、実施の形態2に係るダンパーシステム200の拡大図である。
図8は、
図1における取付部30aの周辺の拡大図である。実施の形態1に係るダンパーシステム100と異なり、ダンパーシステム200は、弾性部材240a、240b及びスリット232a、232bがダンパー220に設けられ、軸223aが取付部230aに固定されている。
【0050】
ダンパー220の下部構造12a側の端部221aは、2枚の板状の平板部225aa、225abを平行に対向させて端部基板226aに立設されている。平板部225aa、225abは同じ形状になっている。平板部225aaにはスリット232aが、平板部225abにはスリット232bが開口されている。スリット232a及びスリット232bの長手方向は、望ましくはダンパー220の長手方向と平行に形成されている。なお、スリット232a、232bの長手方向は、必ずしもダンパー220の長手方向と平行にされる必要はない。上部構造11と下部構造12aとが相対的に変位したときに端部221aが移動するだけの余裕を持っており、上部構造11と下部構造12aとの相対的な変位が所定の量に達したときにダンパー220に荷重がかかるようになっていれば良い。
【0051】
スリット232aの長手方向の両端には、当接部236aa、236abが形成されている。スリット232bの長手方向の両端には、当接部236ba、236bbが形成されている。平板部225aaに設けられているスリット232aにおいて、当接部236aaは、下部構造12a側に位置し、当接部236abは、上部構造11側、すなわちダンパー220が位置する側に位置する。同様に平板部225abに設けられているスリット232bにおいて、当接部236baは、下部構造12a側に位置し、当接部236bbは、上部構造11側、すなわちダンパー220が位置する側に位置する。
【0052】
平板部225aa、225abの間は、所定の間隔が開けられており、その間に弾性部材240a、240bが配置されている。実施の形態2においては、弾性部材240a、240bは、彎曲した板バネを複数枚重ねたものであり、軸223aに近い方の端部が当接部236aa、236ab、236ba、236bbよりも軸223aに近い位置に来るように配置されている。弾性部材240a、240bは、軸223aの動きに対し反力を与えるように構成されている。弾性部材240a、240bは、
図8に示されている複数枚の板バネを重ねたものに限られない。例えば実施の形態1の弾性部材40のような一枚の板バネにより構成されていても良い。
【0053】
弾性部材240a、240bの軸223aと反対側の端部は、弾性部材支持部227a、227bが設置されている。実施の形態2においては、弾性部材支持部227a、227bは、平板部225aaと平板部225abの間を繋ぐように設けられた平板であるが、軸223aが弾性部材240a、240bに当接することにより発生する力を支持できれば他の形状であっても良い。
【0054】
なお、実施の形態2においては、ダンパー220の端部221aに2枚の平板部225aa、225abを設け、その間に弾性部材240a、240bを配置する構成となっているが、他の構成をとっても良い。例えば、端部221aを1枚の平板部225により構成し、平板部225にスリット232を設け、スリット232に軸223aを通し、スリット232が開口している面に弾性部材240を取り付けてもよい。つまり、ダンパー220の端部221aにスリット232と弾性部材240とを設けて、取付部230側に固定されている軸223aがスリット232内を移動するような構成で、軸223aと弾性部材240とが当接したときに反力を生ずるように構成されていれば、他の構造をとっても良い。
【0055】
(実施の形態2の効果)
実施の形態2に係るダンパーシステム200によれば、スリット232a、232bは、ダンパー220の端部221aに形成される。軸223aは、一対の取付板231aa、231abの対向している内側面の間に設けられ、ダンパー220の端部221aに形成されたスリット232a、232bを貫通している。
また、実施の形態2に係るダンパーシステム200によれば、ダンパー220の端部221aは、取付板231に略平行に配置される平板部225aa、225abを備える。平板部225aaのスリット232a、232bがそれぞれ開口している面に弾性部材240が取り付けられている。
さらに、実施の形態2に係るダンパーシステム200によれば、ダンパー220の端部221は、一対の平行に配置された平板部225を備える。一対の平板部225は、それぞれスリット232を有する。弾性部材240は、一対の平板部225の間に配置されている。
このように構成されることにより、取付部230が簡易な構成であり、既に構造物に取り付けられているダンパーシステムのダンパーのみを交換することにより、実施の形態2に係るダンパーシステム200を構造物に導入できる。また、長期間にわたってダンパーシステム200を設置した場合に、ダンパー220のみを交換することにより、弾性部材240も交換できる。さらには、上部構造11及び下部構造12aにアンカーなどにより固定されている取付部230aを取り外しすることなくダンパー220を新規なものに交換することができるため、交換作業が容易で、構造物に損傷を与えることもない。
【0056】
[実施の形態3]
本発明の実施の形態3に係るダンパーシステム300は、実施の形態1に係るダンパーシステム100に対し、ダンパー20の端部21aの周辺の構造を変更したものである。実施の形態3に係るダンパーシステム300においては、実施の形態1に対する変更点を中心に説明する。実施の形態3に係るダンパーシステム300の各部については、各図面において同一の機能及び構造を有するものは実施の形態1の説明で使用した図面と同一の符号を付して表示するものとする。
【0057】
図9は、実施の形態3に係るダンパーシステム300の拡大図である。
図9は、
図1における取付部30aの周辺の拡大図である。実施の形態1に係るダンパーシステム100と同じく、ダンパーシステム300は、弾性部材340a、340b及びスリット332a、332bが取付部330aに設けられ、軸323aがダンパー320の端部321aに固定されている。
【0058】
ダンパー320の下部構造12a側の端部321aは、2枚の板状の平板部325aa、325abを平行に対向させて端部基板326aに立設されている。平板部325aa、325abは同じ形状に形成されている。平板部325aaと平板部325abとの間には、軸323aが固定されている。
【0059】
取付部330aは、下部構造12aの下部構造側取付面18に固定される基板337aを備える。基板337aから取付板331aa及び取付板331abが立設されている。取付板331aaと取付板331abは、ダンパー320の端部321aに設けられた平板部325aaと平板部325abとの間に位置するように組み立てられる。取付板331aa及び取付板331abとは同じ形状になるように形成されている。
【0060】
取付板331aaにはスリット332aが、取付板331abにはスリット332bが開口されている。スリット332a及びスリット332bの長手方向は、望ましくはダンパー320の長手方向と平行に形成されている。なお、スリット332a、332bの長手方向は、必ずしもダンパー320の長手方向と平行にされる必要はない。上部構造11と下部構造12aとが相対的に変位したときに端部321aが移動するだけの余裕を持っており、上部構造11と下部構造12aとの相対的な変位が所定の量に達したときにダンパー320に荷重がかかるようになっていれば良い。
【0061】
スリット332aの長手方向の両端には、当接部336aa、336abが形成されている。スリット332bの長手方向の両端には、当接部336ba、336bbが形成されている。取付板331aaに設けられているスリット332aにおいて、当接部336aaは、下部構造12a側に位置し、当接部336abは、上部構造11側、すなわちダンパー320が位置する側に位置する。同様に取付板331abに設けられているスリット332bにおいて、当接部336baは、下部構造12a側に位置し、当接部336bbは、上部構造11側、すなわちダンパー320が位置する側に位置する。
【0062】
取付板331aa、331abの間は、所定の間隔が開けられており、その間に弾性部材340a、340bが配置されている。実施の形態2においては、弾性部材340a、340bは、平板形状の板バネを複数枚重ねたものであり、軸323aに近い方の端部が当接部336aa、336ab、336ba、336bbよりも軸323aに近い位置に来るように配置されている。弾性部材340a、340bは、軸323aの動きに対し反力を与えるように構成されている。弾性部材340a、340bは、
図8に示されている複数枚の板バネを重ねたものに限られない。例えば実施の形態1の弾性部材340のような一枚の板バネにより構成されていても良い。
【0063】
(実施の形態3の効果)
実施の形態3に係るダンパーシステム300によれば、ダンパー320の端部321aは、一対の平行に配置された平板部325aa、325abを備え、取付部330aは、 下部構造12aの取付部330aを取り付ける面から上部構造11の取付部330bを取り付ける面に向かって立設される互いに平行な一対の取付板331aa、331abを備える。そして、一対の取付板331aa、331abは、一対の平板部325aa、325abの間に挿入される。
また、実施の形態3に係るダンパーシステム300によれば、スリット332aは、取付板331abに形成され、軸323aは、一対の平板部325aa、325abの間に固定される。
このように構成されることにより、実施の形態1のダンパーシステム100と同様な効果を得つつ、構造物に取付容易なダンパーシステム300を得ることができる。