(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
2以上の交差点にそれぞれ設置される路側装置と、車両に搭載される車載装置と、前記車載装置と通信する統計交通情報管理サーバと、を備えた統計交通情報作成システムであって、
前記路側装置は、前記交差点を一意に識別する交差点ID情報、及び、前記交差点の位置を示す交差点位置情報を含む交差点情報を所定の周期で発信し、
前記車載装置は、
前記路側装置及び前記統計交通情報管理サーバとそれぞれ通信し、前記路側装置から前記交差点情報を受信する第1通信部と、
前記車両の現在位置を示す車両位置情報を取得する位置情報取得部と、
日時を計時する計時部と、
前記車両が前記交差点に進入したか否かの判定と、前記車両が前記交差点から退出したか否かの判定の少なくともいずれかを行い、前記車両が前記交差点に対して進入又は退出したと判定すると、該交差点の前記交差点ID情報、及び、前記車両が前記交差点に対して進入又は退出した日時を示す日時情報を含む交差点交通情報を作成する第1制御部と、を備え、
前記第1制御部は、
前記位置情報取得部が取得した前記車両位置情報と、前記第1通信部を介して前記路側装置から受信した前記交差点位置情報とに基づいて、前記車両が前記交差点に対して進入又は退出したと判断し、
前記統計交通情報管理サーバは、
前記第1通信部から送信された前記交差点交通情報を受信する第2通信部と、
前記交差点交通情報を、前記交差点ID情報及び前記日時情報に基づいて、前記交差点ID情報ごとに所定の時間帯で分類し、前記交差点ごとに各前記時間帯で前記車両が進入した進入台数と前記車両が退出した退出台数の少なくともいずれかを示す統計交通情報を作成する第2制御部と、を備えることを特徴とする統計交通情報作成システム。
2以上の交差点にそれぞれ設置される路側装置と、車両に搭載される車載装置と、前記車載装置と通信する統計交通情報管理サーバと、前記統計交通情報管理サーバと通信する情報端末と、を備えた統計交通情報処理システムであって、
前記路側装置は、前記交差点を一意に識別する交差点ID情報、及び、前記交差点の位置を示す交差点位置情報を含む交差点情報を所定の周期で発信し、
前記車載装置は、
前記路側装置及び前記統計交通情報管理サーバとそれぞれ通信し、前記路側装置から前記交差点情報を受信する第1通信部と、
前記車両の現在位置を示す車両位置情報を取得する位置情報取得部と、
日時を計時する計時部と、
前記車両が前記交差点に進入したか否かの判定と、前記車両が前記交差点から退出したか否かの判定の少なくともいずれかを行い、前記車両が前記交差点に対して進入又は退出したと判定すると、該交差点の前記交差点ID情報、及び、前記車両が前記交差点に対して進入又は退出した日時を示す日時情報を含む交差点交通情報を作成する第1制御部と、を備え、
前記第1制御部は、
前記位置情報取得部が取得した前記車両位置情報と、前記第1通信部を介して前記路側装置から受信した前記交差点位置情報とに基づいて、前記車両が前記交差点に対して進入又は退出したと判断し、
前記統計交通情報管理サーバは、
前記第1通信部から送信された前記交差点交通情報を受信するとともに、前記情報端末と通信する第2通信部と、
前記交差点交通情報を、前記交差点ID情報及び前記日時情報に基づいて、前記交差点ID情報ごとに時間帯で分類し、前記交差点ごとに各時間帯で前記車両が進入した進入台数と退出した退出台数の少なくともいずれかを示す統計交通情報を作成するとともに、所定条件の前記統計交通情報を抽出する第2制御部と、を備え、
前記第2通信部は、前記情報端末に、所定条件で抽出した前記統計交通情報を送信することを特徴とする統計交通情報処理システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、VICSからは未来の指定日時の道路交通情報を得ることはできないため、今後に予定している旅行の経路探索や所要時間に役立てることは困難である。
【0005】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その課題の一例としては、未来の指定日時
を予測する道路交通情報を
作成する統計交通情報作成システ
ム及び統計交通情報
処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上記の課題を達成するため、本発明に係る統計交通情報作成システムは、その一態様として、設置された交差点に関する交差点情報を随時発信する路側装置と、車両に搭載される車載装置と、統計交通情報を管理する統計交通情報管理サーバと、を備える。ここで、交差点情報は、交差点を一意に識別可能な交差点ID、及び交差点の位置情報を含む情報である。
【0007】
車載装置は、受信部と、位置情報取得部と、交差点通過判定部と、交差点交通情報作成部と、送信部と、を備える。受信部は、路側装置から受信した交差点情報を受信する。位置情報取得部は、車両の位置情報を取得する。交差点通過判定部は、受信部により受信された交差点情報、及び位置情報取得部により取得された車両の位置情報に基づいて、車両が交差点を通過したか否かを判定する。交差点交通情報作成部は、交差点通過判定部により車両が交差点を通過したと判定された場合には、通過した交差点における交差点ID及び車両の通過日時を含んで構成される交差点交通情報を作成する。送信部は、交差点交通情報作成部により作成された交差点交通情報を統計交通情報管理サーバに送信する。
【0008】
統計交通情報管理サーバは、交差点交通情報受信部と、交差点交通情報分類部と、統計交通情報作成部と、統計交通情報記憶部と、を備える。交差点交通情報受信部は、送信部により送信された交差点交通情報を受信する。交差点交通情報分類部は、交差点交通情報受信部により受信された交差点交通情報を、少なくとも交差点ID及び通過日時が属する所定の時間帯に基づいて分類する。統計交通情報作成部は、交差点交通情報分類部により分類された交差点交通情報ごとに統計処理し、少なくとも前記交差点ID及び前記所定の時間帯ごとに集約された車両の通過台数を統計交通情報として作成する。統計交通情報記憶部は、統計交通情報作成部により作成された統計交通情報を記憶する。
【0009】
上記(1)の構成の統計交通情報作成システムによれば、交差点の交通情報を集約した統計交通情報を交差点及び所定の時間帯ごとに作成するので、この作成した統計交通情報に基づいて未来の指定日時の道路交通情報を精度高く提供することができる。
【0010】
(2)本発明に係る統計交通情報管理サーバは、その一態様として、設置された交差点に関する交差点情報を随時発信する路側装置と、車両に搭載される車載装置と、統計交通情報を管理する統計交通情報管理サーバと、を備えた情報処理システムにおけるサーバ装置である。ここで、交差点情報は、交差点を一意に識別可能な交差点ID、及び交差点の位置情報を含む情報である。
【0011】
車載装置は、受信部と、位置情報取得部と、交差点通過判定部と、交差点交通情報作成部と、送信部と、を備える。受信部は、路側装置から受信した交差点情報を受信する。位置情報取得部は、車両の位置情報を取得する。交差点通過判定部は、受信部により受信された交差点情報、及び位置情報取得部により取得された車両の位置情報に基づいて、車両が交差点を通過したか否かを判定する。交差点交通情報作成部は、交差点通過判定部により車両が交差点を通過したと判定された場合には、通過した交差点における交差点ID及び車両の通過日時を含んで構成される交差点交通情報を作成する。送信部は、交差点交通情報作成部により作成された交差点交通情報を統計交通情報管理サーバに送信する。
【0012】
統計交通情報管理サーバは、交差点交通情報受信部と、交差点交通情報分類部と、統計交通情報作成部と、統計交通情報記憶部と、を備える。交差点交通情報受信部は、送信部により送信された交差点交通情報を受信する。交差点交通情報分類部は、交差点交通情報受信部により受信された交差点交通情報を、少なくとも交差点ID及び通過日時が属する所定の時間帯に基づいて分類する。統計交通情報作成部は、交差点交通情報分類部により分類された交差点交通情報ごとに統計処理し、少なくとも前記交差点ID及び前記所定の時間帯ごとに集約された車両の通過台数を統計交通情報として作成する。統計交通情報記憶部は、統計交通情報作成部により作成された統計交通情報を記憶する。
【0013】
上記(2)の構成の統計交通情報管理サーバによれば、交差点の交通情報を集約した統計交通情報を交差点及び所定の時間帯ごとに作成するので、この作成した統計交通情報に基づいて未来の指定日時の道路交通情報を精度高く提供することができる。
【0014】
(3)また、本発明に係る統計交通情報管理サーバは、上記(2)の構成において、以下の構成を有する。
【0015】
交差点情報は、交差点の方路に関する方路情報を含む情報である。交差点通過判定部は、交差点進入判定部と、交差点退出判定部と、を備える。交差点進入判定部は、車両が交差点に進入したか否かを判定する。交差点退出判定部は、車両が交差点から退出したか否かを判定する。交差点交通情報作成部は、第一の交差点交通情報作成部と、第二の交差点交通情報作成部と、を備える。第一の交差点交通情報作成部は、交差点進入判定部により車両が交差点に進入したと判定された場合には、進入した交差点における交差点ID、車両の交差点進入日時、及び進入した方向の方路IDを含んで構成される交差点交通情報を作成する。第二の交差点交通情報作成部は、交差点退出判定部により車両が交差点から退出したと判定された場合には、退出した交差点における交差点ID、車両の交差点退出日時、及び退出した方向の方路IDを含んで構成される交差点交通情報を作成する。送信部は、第一の交差点交通情報作成部及び第二の交差点交通情報作成部により作成された交差点交通情報を統計交通情報管理サーバに送信する。交差点交通情報分類部は、交差点交通情報受信部により受信された交差点交通情報を、少なくとも交差点ID、所定の時間帯、交差点への進入又は退出を示すフラグ、及び方路IDに基づいて分類し、統計交通情報作成部は、交差点交通情報分類部により分類された交差点交通情報ごとに統計処理し、少なくとも交差点ID及び所定の時間帯、フラグ、及び方路IDごとに集約された車両の通過台数を統計交通情報として作成する。
【0016】
上記(3)の構成の統計交通情報管理サーバによれば、一の交差点において進入又は退出の方路ごとに統計交通情報を作成するので、より精度の高い統計交通情報を作成することができる。
【0017】
(4)また、本発明に係る統計交通情報管理サーバは、上記(3)の構成において、以下の構成を有する。
【0018】
車載装置は、車両の速度を取得する速度取得部を備える。第一の交差点交通情報作成部は、交差点進入判定部により車両が前記交差点に進入したと判定された場合には、進入した交差点ID、車両の交差点進入日時、進入した方向の方路ID、及び車両の交差点進入時の速度を含んで構成される交差点交通情報を作成する。第二の交差点交通情報作成部は、交差点退出判定部により車両が交差点から退出したと判定された場合には、退出した交差点における交差点ID、車両の交差点退出日時、退出した方向の方路ID、及び車両の交差点退出時の速度を含んで構成される交差点交通情報を作成する。統計交通情報作成部は、交差点交通情報分類部により分類された交差点交通情報を、少なくとも交差点ID及び所定の時間帯、フラグ、及び方路IDごとに集約された車両の通過台数及び平均された通過速度を統計交通情報として作成する。
【0019】
上記(4)の構成の統計交通情報管理サーバによれば、一の交差点において車両の通過台数に加えて速度も加味して統計交通情報を作成するので、より精度の高い統計交通情報を作成することができる。
【0020】
(5)また、本発明に係る統計交通情報管理サーバは、上記(2)〜(4)の構成において、統計交通情報提供部を備える。統計交通情報提供部は、所定の検索条件に合致した統計交通情報を統計交通情報記憶部から抽出して、出力する。
【0021】
上記(5)の構成の統計交通情報管理サーバによれば、ユーザの所望の日時に対して、精度高い統計交通情報を提供することができる。
【0022】
(6)本発明に係る統計交通情報作成プログラムは、その一態様として、設置された交差点に関する交差点情報を随時発信する路側装置と、車両に搭載される車載装置と、統計交通情報を管理する統計交通情報管理サーバと、を備えた情報処理システムにおける統計交通情報管理サーバのためのコンピュータプログラムである。ここで、交差点情報は、交差点を一意に識別可能な交差点ID、及び交差点の位置情報を含む情報である。
【0023】
車載装置は、受信部と、位置情報取得部と、交差点通過判定部と、交差点交通情報作成部と、送信部と、を備える。受信部は、路側装置から受信した交差点情報を受信する。位置情報取得部は、車両の位置情報を取得する。交差点通過判定部は、受信部により受信された交差点情報、及び位置情報取得部により取得された車両の位置情報に基づいて、車両が交差点を通過したか否かを判定する。交差点交通情報作成部は、交差点通過判定部により車両が交差点を通過したと判定された場合には、通過した交差点における交差点ID及び車両の通過日時を含んで構成される交差点交通情報を作成する。送信部は、交差点交通情報作成部により作成された交差点交通情報を統計交通情報管理サーバに送信する。
【0024】
統計交通情報管理サーバは、統計交通情報を記憶する統計交通情報記憶部を備える。
【0025】
統計交通情報作成プログラムは、統計交通情報管理サーバに、交差点交通情報受信ステップと、交差点交通情報分類ステップと、統計交通情報作成ステップと、統計交通情報格納ステップと、を実行させる。交差点交通情報受信ステップは、送信部により送信された交差点交通情報を受信する。交差点交通情報分類ステップは、交差点交通情報受信ステップにおいて受信された交差点交通情報を、少なくとも交差点ID及び通過日時が属する所定の時間帯に基づいて分類する。統計交通情報作成ステップは、交差点交通情報分類ステップにおいて分類された交差点交通情報ごとに統計処理し、少なくとも交差点ID及び所定の時間帯ごとに集約された車両の通過台数を統計交通情報として作成する。統計交通情報格納ステップは、統計交通情報作成ステップにおいて作成された統計交通情報を統計交通情報記憶部に格納する。
【0026】
上記(6)の構成の統計交通情報作成プログラムによれば、交差点の交通情報を集約した統計交通情報を交差点及び所定の時間帯ごとに作成するので、この作成した統計交通情報に基づいて未来の指定日時の道路交通情報を精度高く提供することができる。
【0027】
(7)また、本発明に係る車載装置は、その一態様として、上記(2)の情報処理システムにおける車載装置である。
【0028】
上記(7)の構成の車載装置によれば、交差点の交通情報を集約した統計交通情報を交差点及び所定の時間帯ごとに作成するので、この作成した統計交通情報に基づいて未来の指定日時の道路交通情報を精度高く提供することができる。
【0029】
(8)また、本発明に係る本発明に係る統計交通情報作成方法は、その一態様として、設置された交差点に関する交差点情報を随時発信する路側装置と、車両に搭載される車載装置と、統計交通情報を作成する統計交通情報管理サーバと、を備えた情報処理システムにおいて統計交通情報を作成する方法である。ここで、交差点情報は、交差点を一意に識別可能な交差点ID、及び交差点の位置情報を含む情報である。
【0030】
車載装置は、受信ステップと、位置情報取得ステップと、交差点通過判定ステップと、交差点交通情報作成ステップと、送信ステップと、を備える。受信ステップは、路側装置から受信した交差点情報を受信する。位置情報取得ステップは、車両の位置情報を取得する。交差点通過判定ステップは、受信ステップにおいて受信された交差点情報、及び位置情報取得ステップにおいて取得された車両の位置情報に基づいて、車両が交差点を通過したか否かを判定する。交差点交通情報作成ステップは、交差点通過判定ステップにおいて車両が交差点を通過したと判定された場合には、通過した交差点における交差点ID及び車両の通過日時を含んで構成される交差点交通情報を作成する。送信ステップは、交差点交通情報作成ステップにおいて作成された交差点交通情報を統計交通情報管理サーバに送信する。
【0031】
これに対して、統計交通情報管理サーバは、統計交通情報を記憶する統計交通情報記憶部を備え、交差点交通情報受信ステップと、交差点交通情報分類ステップと、統計交通情報作成ステップと、統計交通情報格納ステップと、を備える。交差点交通情報受信ステップは、送信ステップにおいて送信された交差点交通情報を受信する。交差点交通情報分類ステップは、交差点交通情報受信ステップにおいて受信された交差点交通情報を、少なくとも交差点ID及び通過日時が属する所定の時間帯に基づいて分類する。統計交通情報作成ステップは、交差点交通情報分類ステップにおいて分類された交差点交通情報ごとに統計処理し、少なくとも交差点ID及び所定の時間帯ごとに集約された車両の通過台数を統計交通情報として作成する。統計交通情報格納ステップは、統計交通情報作成ステップにおいて作成された統計交通情報を統計交通情報記憶部に格納する。
【0032】
上記(8)の構成の統計交通情報作成方法によれば、交差点の交通情報を集約した統計交通情報を交差点及び所定の時間帯ごとに作成するので、この作成した統計交通情報に基づいて未来の指定日時の道路交通情報を精度高く提供することができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、未来の指定日時の道路交通情報を精度高く提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0036】
図1は、本発明の実施の形態に係る統計交通情報処理システム100の概略構成図である。統計交通情報処理システム100は、過去の統計交通情報を基に未来の交通情報を予測する情報処理システムである。統計交通情報処理システム100は、統計交通情報を作成する統計交通情報作成システム10としての側面、及び作成された統計交通情報を利用者に提供する統計交通情報提供システム20としての側面の双方を兼ね備える。
【0037】
統計交通情報作成システム10は、複数の路側装置1と、複数の車載装置3及び4と、統計交通情報管理サーバ5と、を備えて構成される情報処理システムである。統計交通情報作成システム10においては、車載装置3及び4は、車載装置3及び4を搭載した車両2が交差点CRを通過するたびに交差点交通情報c2を作成し、作成した交差点交通情報c2を統計交通情報管理サーバ5に送信する。統計交通情報管理サーバ5は、受信した交差点交通情報c2を統計処理して、統計交通情報d2を作成する。交差点交通情報c2及び統計交通情報d2の内容に関しては、詳しくは後述する。
【0038】
統計交通情報提供システム20は、統計交通情報管理サーバ5と、情報端末8と、を備えて構成される情報処理システムである。情報端末8は、車載装置4及び6の他、スマートフォン7やタブレット端末7などが想定される。統計交通情報提供システム20においては、統計交通情報管理サーバ5は、情報端末8からの検索要求を受けて所望の統計交通情報d2を情報端末8に提供する。情報端末8は、提供された統計交通情報d2を活用してナビゲーション情報を出力する。
【0039】
ここで、統計交通情報管理サーバ5は、統計交通情報d2を一元的に管理するサーバであり、統計交通情報d2を格納する統計交通情報データベース51を有する。以下、統計交通情報データベース51を統計交通情報DB51と略記する。統計交通情報管理サーバ5は、統計交通情報作成システム10においては、統計交通情報d2を作成する統計交通情報作成サーバ5Aとしての機能を有し、統計交通情報d2を提供する統計交通情報提供システム20においては、統計交通情報提供サーバ5Bとしての機能を有する。
【0040】
路側装置1は、交差点CRに設置されている。路側装置1は、設置されている交差点CRの状況に関する情報を所定の周期で車両2に対して随時発信する。以下では、この交差点CRの状況に関する情報を、交差点情報c1ともいう。交差点情報c1には、動的な情報、及び静的な情報が含まれている。動的な情報としては、例えば、交差点CRに設置された信号機の点灯状況に関する信号情報、他の車両の状況に関する車両情報、歩行者の状況に関する歩行者情報が挙げられる。静的な情報としては、例えば、交差点CRの道路形状、交差点中央の位置情報、交差点CRの始点や終点の位置情報、交差点CRを一意に識別できる情報である交差点ID、交差点CRの方路に関する方路情報などが挙げられる。
【0041】
車載装置3、4及び6は、自動車等の車両2に搭載される通信装置である。なお、車両2は、4輪の自動車に限定されず、3輪や2輪のオートバイであってもよい。本実施の形態の場合、交差点交通情報c2を作成し、作成した交差点交通情報c2を統計交通情報管理サーバ5にアップロードする機能を有する車載装置を車載装置3と表記する。また、交差点交通情報c2を作成し、作成した交差点交通情報c2を統計交通情報管理サーバ5にアップロードする機能を有するとともに統計交通情報管理サーバ5から所望の統計交通情報d2をダウンロードする機能を有する車載装置を車載装置4と表記する。また、統計交通情報管理サーバ5から所望の統計交通情報d2をダウンロードする機能を有する車載装置を車載装置6と表記する。
【0042】
図2(a)は、車載装置3の機能ブロック図であり、
図3(a)は、車載装置4の機能ブロック図であり、
図3(b)は、車載装置6の機能ブロック図である。
【0043】
車載装置3は、詳しくは、
図2(a)に示すように、通信部31と、位置情報取得部32と、速度取得部33と、計時部34と、制御部35と、を備える。
【0044】
通信部31は、路側装置1及び統計交通情報管理サーバ5と相互に通信が可能であり、情報の送受信を行う。本実施の形態の場合、通信部31は、複数の路側装置1から随時、それぞれの交差点情報c1を受信する。また、通信部31は、制御部35が交差点交通情報c2を作成するたびに、作成した交差点交通情報c2を統計交通情報管理サーバ5に送信する。
【0045】
位置情報取得部32は、例えば、GPSモジュールで構成され、車両2の位置を検出する。GPSモジュールは、GPS(Global Positioning System)情報により車両2の位置情報を取得する。速度取得部33は、車両2の速度を検出するものであり、計時部34は、現在の年月日及び時刻を計時するものである。以下、現在の年月日及び時刻を現在時刻という。位置情報取得部32、速度取得部33及び計時部34は、制御部35からの要求に応じて車両の位置、速度及び時刻をそれぞれ制御部35に出力する。
【0046】
制御部35は、車載装置3の各部を制御して、統計交通情報作成システム10の車載装置3側の処理を実行する。制御部35は、より詳しくは、交差点進入/退出判定部36と、交差点交通情報作成部37と、を具備する構成である。
【0047】
交差点進入/退出判定部36は、車両2が交差点CRに進入したか否か、及び車両2が交差点CRから退出したか否かを判定する。具体的には、位置情報取得部32から取得した車両2の位置情報を、路側装置1から取得した交差点情報c1に含まれる交差点CRの始点の位置情報と比較して、車両2が交差点CRに進入したか否かを判定する。また、位置情報取得部32から取得した車両2の位置情報を、路側装置1から取得した交差点情報c1に含まれる交差点CRの終点の位置情報と比較して、車両2が交差点CRから退出したか否かを判定する。
【0048】
このように、本実施の形態の交差点進入/退出判定部36は、車両2が交差点CRに進入したか否か、及び車両2が交差点CRから退出したか否かの2つの判定を行うようにしている。しかしながら、進入及び退出のタイミングには時間差があるので、車両2が交差点CRに進入したか否かを交差点進入判定部が判定し、交差点CRから退出したか否かを交差点退出判定部が判定するようにしてもよい。
【0049】
交差点交通情報作成部37は、交差点進入/退出判定部36により車両2が交差点CRに進入した又は交差点CRから退出したと判定された場合、交差点交通情報c2を作成する。ここで、
図4を参照して、具体的に交差点交通情報c2の作成について説明する。
図4は、車両2が、交差点CRに方路3から進入して、右折し、方路2に退出した場合の交差点の道路図を示している。なお、方路の番号は、北を起点の1番として右回りに採番する。以下、方路の番号を方路IDと表記する場合がある。
【0050】
車両2が方路3から交差点CRに進入した場合、交差点交通情報作成部37は、交差点CRに進入した時点において、進入した交差点CRの交差点ID、進入方路ID、進入日時、進入速度、及び進入方路の信号灯色を含んだ交差点交通情報c2を作成する。交差点ID、進入方路ID及び進入方路の信号灯色は、交差点CRに設置された路側装置1から受信した交差点情報c1から取得し、進入日時は、計時部34から取得し、進入速度は、速度取得部33から取得する。なお、
図4に示す具体例の場合、進入方路IDは3であり、進入方路の信号灯色は青である。なお、進入方路の信号灯色とは、進入方路の方を向いている信号灯の色のことである。
【0051】
また、交差点CRに進入した車両2が方路2へ退出した場合、交差点交通情報作成部37は、交差点CRから退出した時点において、交差点ID、退出方路ID、退出日時、退出速度、退出方路の信号灯色からなる交差点交通情報c2を作成する。交差点ID、退出方路ID及び退出方路の信号灯色は、交差点CRに設置された路側装置1から受信した交差点情報から取得し、退出日時は、計時部34から取得し、退出速度は、速度取得部33から取得する。なお、
図4に示す具体例の場合、退出方路IDは2であり、退出方路の信号灯色は赤である。なお、退出方路の信号灯色とは、退出方路の方を向いている信号灯の色のことである。交差点を右折または左折する場合は、通常、進入方路の信号灯色が青であり、退出方路の信号灯色は赤となる。
【0052】
本実施の形態の場合、交差点CRに進入時及び退出時の交差点交通情報c2は、同一データフォーマットで構成される。すなわち、交差点交通情報c2は、具体的には、交差点ID、進入又は退出を示す入出フラグ、方路ID、日時、速度、及び方路の信号灯色などの項目を有する。
【0053】
交差点交通情報作成部37が作成した交差点交通情報c2は、通信部31を介して統計交通情報管理サーバ5に送信される。このように、本実施の形態の場合、車両2が一の交差点CRを通過すると、進入時の交差点交通情報c2及び退出時の交差点交通情報c2が送信される。つまり、車両2の一の交差点CRの通過により、交差点交通情報c2は2回、統計交通情報管理サーバ5に送信されるようになっている。勿論、これとは別に、車両2の一の交差点CRの通過により、進入時の交差点交通情報c2及び退出時の交差点交通情報c2をまとめて1回で統計交通情報管理サーバ5に送信するようにしてもよい。
【0054】
なお、車載装置3及び4が、車両2の交差点CRの通過を判定して、交差点交通情報c2を作成し、作成した交差点交通情報c2を統計交通情報管理サーバ5に送信する一連の処理を交差点交通情報送信処理という。
【0055】
車載装置4は、詳しくは、
図3(a)に示すように、通信部31と、位置情報取得部32と、速度取得部33と、計時部34と、入力部41と、地図情報記憶部42と、出力部43と、制御部44と、を備えている。車載装置4においては、車載装置3と異なる構成、機能及び処理のみ説明し、その他の構成、機能及び処理に関しては同一部位には同一符号を付して説明を省略する。
【0056】
入力部41は、利用者が検索条件を入力するためのインターフェースであり、例えば、入力スイッチ、操作パネルやリモコンなどにより実現される。本実施の形態の場合、例えば、車両の2の出発地、目的地、及び出発日時などの検索条件が入力される。地図情報記憶部42には、日本全国の地図情報が記憶されている。
【0057】
出力部43は、例えば、表示モニタやスピーカなどで構成される。本実施の形態の場合、出力部43には、地図情報記憶部42に記憶された地図情報から生成された地図画像、及び統計交通情報管理サーバ5から取得した検索結果を利用したナビゲーション画像が表示される。
【0058】
制御部44は、車載装置4の各部を制御して、統計交通情報作成システム10及び統計交通情報提供システム20の車載装置3側の処理を実行する。制御部44は、より詳しくは、交差点進入/退出判定部36と、交差点交通情報作成部37と、ナビゲーション機能部45と、を具備する構成である。
【0059】
ナビゲーション機能部45は、自車を中心とした地図画像を出力部43に出力したり、出発地から目的地までの経路探索をしてナビゲーション画像や音声を出力部43に出力したりする。
【0060】
車載装置6は、詳しくは、
図3(b)に示すように、通信部31と、位置情報取得部32と
、入力部41と、地図情報記憶部42と、出力部43と、制御部61と、を備えている。車載装置6においても、車載装置3及び4と異なる構成、機能及び処理のみ説明し、その他の構成、機能及び処理に関しては同一部位には同一符号を付して説明を省略する。
【0061】
制御部61は、車載装置6の各部を制御して、統計交通情報提供システム20の車載装置3側の処理を実行する。なお、
図3(b)は、スマートフォン7やタブレット端末7などを含む情報端末8の機能ブロック図でもある。
【0062】
図2(b)は、統計交通情報管理サーバ5の機能ブロック図である。統計交通情報管理サーバ5は、詳しくは、
図2(b)に示すように、通信部52と、計時部53、集計中データベース54と、統計交通情報DB51と、制御部55と、を備えている。以下、集計中データベース54を集計中DB54と略記する。
【0063】
通信部52は、車載装置3、4及び6、並びにタブレット端末7などの情報端末8と相互に通信が可能であり、情報の送受信を行う。本実施の形態の場合、通信部52は、車載装置3及び4から交差点交通情報c2を受信する。また、情報端末8からの検索要求を受けて情報端末8に所望の統計交通情報d2を送信する。
【0064】
計時部53は、現在時刻を計時するものである。計時部53は、制御部55からの要求に応じて現在時刻を制御部55に出力する。
【0065】
集計中DB54は、現在、集計中の統計交通情報を記憶するデータベースである。以下、現在、集計中の統計交通情報を、上述した統計交通情報d2と区別して、統計交通情報d1と表記する。
図5は、集計中DB54に記憶される統計交通情報d1のデータ構成を模式的に示す図であり、一の交差点に関する統計交通情報d1を示している。統計交通情報d1は、
図5に示すように、交差点ID、月日、時間帯、進入又は退出を示す入出フラグ、方路ID、信号灯色、通過台数、及び通過速度を含む情報で構成される。この統計交通情報d1は、後述する制御部55が、車載装置3及び4から送信された交差点交通情報c2に基づいて、同一交差点の同一時間帯における通過台数を合計し、通過速度の平均を求めた集計結果のデータである。以下、通過台数を合計し、通過速度の平均を求めることを、通過台数及び通過速度を集計するという。
【0066】
本実施の形態では、制御部55が同一交差点の同一時間帯において、入出フラグ、方路ID及び信号灯色ごとに通過台数及び通過速度を集計する。例えば、集計される時間帯を1時間とし、交差点交通情報c2に含まれる日時が1月1日0時10分の場合には、1月1日0:00〜1:00の時間帯にて集計される。
【0067】
そして、現在時刻が集計中DB54の集計する時間帯を外れた場合、統計交通情報d1の内容は確定する。統計交通情報d1の内容が確定した場合には、制御部55は、内容が確定した統計交通情報d1を統計交通情報DB51に反映して、確定した統計交通情報d1が記憶されていた集計中DB54を初期化する。例えば、現在時刻が1月1日の1時を過ぎると、1月1日0:00〜1:00の時間帯において集計されていた統計交通情報d1は削除され、集計される時間帯が1月1日1:00〜2:00の統計交通情報d1が作成される。
【0068】
なお、
図5においては、統計交通情報d1を表形式で模式的に示しているが、本実施の形態の場合、集計中DB54を階層型のデータベース構造としている。すなわち、年月時間帯の親データの下に交差点ID、入出フラグごとの方路ID、及び信号灯色それぞれが階層化されて子データとして結びつき、年月時間帯、交差点ID、入出フラグごとの方路ID、及び信号灯色ごとに、統計値としての通過台数及び通過速度を有するデータ構成としている。したがって、集計中DB54の初期化とは、集計中DB54に記憶されていた親データ及び子データのすべてを削除し、次の時間帯の親データを作成することを意味する。
【0069】
統計交通情報DB51は、統計交通情報d2を記憶するデータベースである。
図5は、統計交通情報DB51に記憶される統計交通情報d2のデータ構成を模式的に示す図でもあり、一の交差点に関する統計交通情報d2を示している。統計交通情報d2は、
図5に示すように、統計交通情報d1と同様に、交差点ID、月日、時間帯、入出フラグ、方路ID、信号灯色、通過台数、及び通過速度を含む情報で構成される。本実施の形態の場合、制御部55は、統計交通情報d1の内容が確定すると、確定した内容の統計交通情報d1を、過去の統計交通情報d2、つまり今現在、統計交通情報DB51に記憶されている統計交通情報d2と統計処理して、新たな統計交通情報d2を作成する。例えば、1月1日1:00〜2:00の統計交通情報d1の内容が確定し、現在、統計交通情報DB51には、過去3年間の1月1日1:00〜2:00の統計交通情報d2が記憶されている場合、この確定した内容の統計交通情報d1と、過去3年間の1月1日1:00〜2:00の統計交通情報d2と、を平均処理する。平均処理の結果、新たな1月1日1:00〜2:00の統計交通情報d2が作成されるので、この新たな統計交通情報d2を統計交通情報DB51に記憶する。
【0070】
なお、上記例では、確定した内容の統計交通情報d1を、過去の同日同時間帯の統計交通情報d2と平均処理をするようにしたが、統計処理はこれに限定されず、平日/休日の別を加味して過去の統計交通情報d2と平均処理をするようにしてもよい。また、1月を上旬/中旬/下旬及び平日/休日に分け、この分類カテゴリごとに統計交通情報d2を作成するようにしてもよい。例えば、1月上旬の平日、1月中旬の休日などの単位で統計処理して統計交通情報d2を作成するようにしてもよい。
【0071】
なお、本実施の形態の統計交通情報d1及びd2では、集計される時間帯を1時間としたが、これに限定されない。例えば、より間隔を短くして30分にしてもよいし、より間隔を長くして2時間にしてもよい。また、本実施の形態の統計交通情報d1及びd2では、同一の交差点CRにおいて進入又は退出する方路が同一であっても、信号灯色ごとに分けて通過台数及び通過速度を集計した。しかしながら、信号灯色に関係なく通過台数及び通過速度を集計してもよい。さらには、統計交通情報d1及びd2では、同一の交差点CRであっても車両2の進入と退出を区別して通過台数及び通過速度を集計した。しかしながら、車両2の進入と退出を区別しないで通過台数及び通過速度を集計してもよい。
【0072】
制御部55は、統計交通情報管理サーバ5の各部を制御して、統計交通情報作成システム10及び統計交通情報提供システム20の統計交通情報管理サーバ5側の処理を実行する。制御部55は、より詳しくは、交差点交通情報分類部56と、集計中DB更新部57と、統計交通情報DB更新部58と、統計交通情報提供部59と、を具備する構成である。
【0073】
交差点交通情報分類部56は、車載装置3及び4から受信した交差点交通情報c2を交差点ID、月日、時間帯、入出フラグ、方路ID、及び信号灯色ごとに分類する。
【0074】
集計中DB更新部57は、交差点交通情報分類部56により分類された交差点交通情報c2を集計中DB54の交差点交通情報d1に反映する更新処理を行う。すなわち、交差点交通情報分類部56により分類された交差点交通情報c2に一致する統計交通情報d1に対して、通過台数及び通過速度を集計して、交差点交通情報d1の通過台数及び通過速度を更新する。
【0075】
統計交通情報DB更新部58は、集計中DB54の統計交通情報d1の内容が確定したときに、集計中DB54の交差点交通情報d1を統計交通情報DB51の交差点交通情報d2に反映する更新処理を行う。これにより、交差点交通情報d1の内容が加味された交差点交通情報d2が統計交通情報DB51に新たに記憶される。
【0076】
統計交通情報提供部59は、情報端末8からの検索要求を受け取ると、統計交通情報DB51の中から検索要求に合致する統計交通情報d2を取得する。統計交通情報提供部59が取得した統計交通情報d2は、通信部52を介して情報端末8に送信される。
【0077】
なお、統計交通情報提供部59が取得した統計交通情報d2を加工し、加工した統計交通情報d2を情報端末8に送信してもよい。加工した統計交通情報d2とは、例えば、交差点ごとの混雑度を示す情報であり、渋滞、混雑、閑散などいくつかのレベルで評価される情報である。この混雑度は、例えば、統計交通情報d2の通過台数及び通過速度の双方を勘案して決定される。勿論、これとは別に、情報端末8側にて受信した統計交通情報d2に基づいて混雑度を示す情報を生成してもよい。
【0078】
ここで、制御部55の交差点交通情報分類部56、集計中DB更新部57及び統計交通情報DB更新部58の機能は、統計交通情報作成サーバ5Aとしての機能を述べたものである。また、制御部55の統計交通情報提供部59は、統計交通情報提供サーバ5Bとしての機能を述べたものである。
【0079】
なお、統計交通情報管理サーバ5が、車載装置3及び4から交差点交通情報を受信し、受信した交差点交通情報c2を集計中DB54の統計交通情報d1に反映する一連の処理を交差点交通情報受信処理という。また、集計中DB54の統計交通情報d1の内容が確定し、確定した内容の統計交通情報d1を統計交通情報DB51の統計交通情報d2に反映する一連の処理を統計交通情報更新処理という。
【0080】
また、統計交通情報管理サーバ5は、物理的に一つからなる装置の他、複数の装置がネットワーク接続されたシステムから構成されてもよく、複数の装置で構成された場合には、同一の場所にすべてが設置されていてもよいし、複数の場所に分散して設置されていてもよい。
【0081】
また、以上に述べた車載装置3、4及び6、タブレット端末7などの情報端末8、並びに統計交通情報管理サーバ5は、少なくとも演算機能及び制御機能を備えた中央演算装置(CPU)、プログラムやデータを格納する機能を有するRAM等からなる主記憶装置(メモリ)を有する電子的な装置から構成されている。また、車載装置3、4及び6、タブレット端末7などの情報端末8、並びに統計交通情報管理サーバ5は、主記憶装置の他、ハードディスクなどの補助記憶装置を具備していてもよい。
【0082】
このうち、通信部31及び52、位置情報取得部32、速度取得部33、計時部34及び53、入力部41、出力部43、制御部35、44、55及び61は、上記CPUによる演算制御機能を具体的に示したものに他ならない。また、地図情報記憶部42、集計中DB54、及び統計交通情報DB51は、上記主記憶装置及び補助記憶装置の機能を備えたものである。
【0083】
また、車載装置3、4及び6、タブレット端末7などの情報端末8、並びに統計交通情報管理サーバ5における各種処理を実行するプログラムは、前述したメモリに格納されるほか、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、例えば、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD−ROMが挙げられる。車載装置3、4及び6、タブレット端末7などの情報端末8、並びに統計交通情報管理サーバ5における各種処理を実行するプログラムは、また、通信ネットワークを介して配信されてもよい。
【0084】
次に、
図6を用いて、車載装置3及び4が実行する交差点交通情報送信処理について説明する。
図6は、交差点交通情報送信処理の流れを示すフローチャートである。
【0085】
交差点進入/退出判定部36は、車両2が交差点CRに進入したか否かを判定する(ステップS10)。車両2の交差点CRへの進入判定は、車両2の位置及び交差点CRの始点位置の比較に基づく。車両2が交差点CRに進入した場合(ステップS10:YES)には、交差点交通情報作成部37は、交差点ID、進入日時、進入方路ID、進入方路の信号灯色、進入速度を含む交差点交通情報c2を作成し(ステップS20)、通信部31は、作成した交差点交通情報c2を統計交通情報管理サーバ5に送信する(ステップS50)。ステップS50の処理後はステップS10に戻る。
【0086】
一方、車両2が交差点CRに進入していない場合(ステップS10:NO)には、交差点進入/退出判定部36は、車両2が交差点CRから退出したか否かを判定する(ステップS30)。車両2の交差点CRからの退出判定は、車両2の位置及び交差点CRの終点位置の比較に基づく。車両2が交差点CRから退出した場合(ステップS30:YES)には、交差点交通情報作成部37は、交差点ID、退出日時、退出方路ID、退出方路の信号灯色、退出速度を含む交差点交通情報c2を作成し(ステップS40)、通信部31は、作成した交差点交通情報c2を統計交通情報管理サーバ5に送信する(ステップS50)。ステップS50の処理後はステップS10に戻る。なお、車両2が交差点CRから退出していない場合(ステップS30:NO)には、ステップS10に戻る。
【0087】
例えば、
図7に示すように、1月1日の午前10時32分に、車両2が交差点ID0001hの交差点CRを方路3から方路1に対して時速65kmで通過した場合には、交差点CRへの進入時に「交差点ID:0001h,進入日時:10:32,進入方路ID:3,進入方路の信号灯色:青,進入速度:65」という内容の交差点交通情報c2が作成され、統計交通情報管理サーバ5に送信される。同様にして、交差点CRからの退出時に「交差点ID:0001h,退出日時:10:32,退出方路ID:1,退出方路の信号灯色:青,退出速度:65」という内容の交差点交通情報c2が作成され、統計交通情報管理サーバ5に送信される。
【0088】
次に、
図8を用いて、統計交通情報管理サーバ5が実行する交差点交通情報受信処理について説明する。
図8は、交差点交通情報受信処理の流れを示すフローチャートである。
【0089】
通信部52は、車載装置3又は4から交差点交通情報c2を受信したか否かを判定する(ステップS110)。車載装置3又は4から交差点交通情報c2を受信した場合(ステップS110:YES)には、交差点情報分類部56は、集計中DB54の中に、受信した交差点交通情報c2と同一の交差点IDの統計交通情報d1の子データが存在するか否かを判定する(ステップS120)。なお、車載装置3又は4から交差点交通情報c2を受信しなかった場合(ステップS110:NO)には、ステップS110に戻る。
【0090】
車載装置3又は4から交差点交通情報c2を受信し、同一の交差点IDの統計交通情報d1の子データが存在しない場合(ステップS120:NO)には、交差点交通情報分類部56は、同一の交差点IDの統計交通情報d1の子データを作成する(ステップS130)。
【0091】
一方、車載装置3又は4から交差点交通情報c2を受信し、同一の交差点IDの統計交通情報d1の子データが存在する場合(ステップS120:YES)、又はステップS130にて同一の交差点IDの統計交通情報d1の子データを作成された場合には、交差点交通情報分類部56は、集計中DB54の中に、受信した交差点交通情報c2と同一の進入/退出方路の統計交通情報d1の子データが存在するか否かを判定する(ステップS140)。
【0092】
次に、同一の進入/退出方路の統計交通情報d1の子データが存在しない場合(ステップS140:NO)には、交差点交通情報分類部56は、同一の進入/退出方路の統計交通情報d1の子データを作成する(ステップS150)。一方、同一の進入/退出方路の統計交通情報d1の子データが存在する場合(ステップS140:YES)、又はステップS150にて同一の進入/退出方路の統計交通情報d1の子データが作成された場合には、交差点交通情報分類部56は、集計中DB54の中に、受信した交差点交通情報c2と同一の信号灯色の統計交通情報d1の子データが存在するか否かを判定する(ステップS160)。
【0093】
次に、同一の信号灯色の統計交通情報d1の子データが存在しない場合(ステップS
160:NO)には、交差点交通情報分類部56は、同一の信号灯色の統計交通情報d1の子データを作成する(ステップS170)。一方、同一の信号灯色の統計交通情報d1の子データが存在する場合(ステップS160:YES)、又はステップS170にて同一の信号灯色の統計交通情報d1の子データが作成された場合には、受信した交差点交通情報c2と、同一の交差点ID、月日、時間帯、進入/退出、方路ID、及び信号灯色を有する統計交通情報d1は集計中DB54の中に存在するので、集計中DB更新部57は、該当する統計交通情報d1の通過台数をカウントアップして、通過台数を更新し(ステップS180)、また、該当する統計交通情報d1の通過速度の平均を算出して通過速度を更新する(ステップS190)。これにより、受信した交差点交通情報c2の内容が集計中DB53に反映される。
【0094】
例えば、統計交通情報管理サーバ5が、
図7の例で説明した「交差点ID:0001h,進入日時:10:32,進入方路ID:3,進入方路の信号灯色:青,進入速度:65」という内容の交差点交通情報c2を車両2から受信した場合、
図9に示すように、1月1日の10時から11時の時間帯の進入方路ID3の通過台数は191に更新され、通過速度は60に更新される。なお、更新後の通過速度の数値に変化はないが、この数値は191台の車両2の平均速度を再計算して算出された数値である。同様にして、統計交通情報管理サーバ5が、
図7の例で説明した「交差点ID:0001h,退出日時:10:32,退出方路ID:1,退出方路の信号灯色:青,退出速度:65」という内容の交差点交通情報c2を車両2から受信した場合、
図9に示すように、1月1日の10時から11時の時間帯の退出方路ID1の通過台数は201に更新され、通過速度は65に更新される。なお、
図9の表では、信号灯色が青又は黄色の場合だけの数値を一例として示した。
【0095】
次に、
図10を用いて、統計交通情報管理サーバ5が実行する統計交通情報更新処理について説明する。
図10は、統計交通情報更新処理の流れを示すフローチャートである。
【0096】
統計交通情報DB更新部58は、計時部53より現在時刻を取得し、現在時刻が、集計中DB54において現在集計されている統計交通情報d1の時間帯内であるか否かを判定する(ステップS210)。現在時刻が統計交通情報d1の時間帯内でない場合(ステップS210:NO)には、集計中DB54に記憶されている統計交通情報d1を、統計交通情報DB51に記憶されている過去の統計交通情報d2と、を平均値処理して新たな統計交通情報d2を作成して、統計交通情報DB51を更新し(ステップS220)、集計中DB更新部57は、集計中DB
54を初期化する(ステップS230)。なお、ステップS230の処理後はステップS210に戻る。一方、現在時刻が統計交通情報d1の時間帯内である場合(ステップS210:YES)には、ステップS210に戻る。
【0097】
例えば、
図9で説明した統計交通情報d1に基づいて、新たな統計交通情報d2を作成する場合には、現在時刻が1月1日11時を経過したときに、交差点IDが0001hの交差点CRに関しては、交差点IDが0001hの交差点CRにおける過去の1月1日10時から11時の時間帯の統計交通情報d2と、今年の1月1日10時から11時の時間帯の統計交通情報d1を平均値処理する。その結果、今年の交通情報が反映された、交差点IDが0001hの交差点CRにおける1月1日10時から11時の時間帯の統計交通情報d2が作成される。
【0098】
勿論、ステップS220の平均値処理は、上述したように、過去の同一の日付及び時間帯を平均値処理して新たな統計交通情報d2を作成するのではなく、過去の同月同旬(上旬/中旬/下旬)の平日/休日別に平均値処理して新たな統計交通情報d2を作成するようにしてもよい。平日/休日ごとの精度高い統計交通情報d2を作成す
ることができる。
【0099】
また、ステップS230の集計中DB
54の初期化とは、例えば、
図9で説明した統計交通情報d1を用いて説明すると、現在時刻が1月1日11時を経過したときに、今年の1月1日10時から11時の時間帯の統計交通情報d1の親データ及び子データのすべてを集計中DB54から削除して、今年の1月1日11時から12時の時間帯の統計交通情報d1の親データを集計中DB54に作成することを意味する。
【0100】
図11は、統計交通情報管理サーバ5が提供する統計交通情報d2に基づいて、情報端末8に表示されたナビゲーション画像の一例である。ここで、情報端末8は、利用者から検索条件として出発地と目的地を入力され、かつ未来の日時として「4月30日の時間帯8:00〜9:00」が入力されているものとする。この場合、
図11に示すように、統計交通情報d2を用いて出発地から目的地までの推奨経路を表示するとともに、推奨経路において通過する交差点の混雑状況を表示するようにしてもよい。すなわち、通過する交差点のそれぞれに対して、検索条件に合致する月日及び時間帯の統計交通情報d2の通過台数及び通過速度を取得して、未来の混雑度を算出し、算出した混雑度を視覚的に表示するようにしてもよい。過去の統計交通情報の傾向に基づいて混雑度を予測することができる。
【0101】
なお、交差点CRの混雑度の算出方法には、種々の方法が考えられる。上述したように交差点CRの通過台数及び通過速度の両方を用いて混雑度を算出するのが最良の方法であるが、交差点CRの通過台数だけを用いて混雑度を算出するようにしてもよい。また、交差点CRを直進した場合だけの通過台数及び速度を用いて混雑度を算出してもよい。
【0102】
なお、情報端末8が指示する時間帯は、必ずしも統計交通情報DB51において管理される統計交通情報d2の時間帯と一致しなくてもよい。例えば、情報端末8から「8:00〜12:00」という時間帯を検索条件として設定された場合には、時間帯が1時間ごとの4つの統計交通情報d2を用いて、さらに統計処理を行い、指定された時間帯の統計交通情報d2を提供するようにしてもよい。
【0103】
以上、本実施の形態に係る統計交通情報処理システム100は、交差点CRの交差点交通情報c2を集約した統計交通情報d2を交差点及び所定の時間帯ごとに作成することができるので、この作成した統計交通情報d2に基づいて未来の指定日時の道路交通情報を提供することができる。
【0104】
また、本実施の形態に係る統計交通情報処理システム100によれば、統計交通情報d2は、実際に交差点CRを通過した車両2の通過台数及び通過速度を用いた交差点交通情報c2を継続的に統計処理した結果となっている。その結果、交差点交通情報c2を用いれば、未来の交通情報を精度が高く提供することができる。
【0105】
さらには、本実施の形態に係る統計交通情報処理システム100によれば、交差点交通情報c2の通過台数及び通過速度は、交差点CRの進入及び退出方路ごとに集計されたデータなので、ニーズに合ったきめ細かい統計交通情報d2を精度が高く提供することができる。
【0106】
これにより、利用者は、統計交通情報処理システム100が提供する交差点交通情報c2を、今後に予定している旅行の経路探索などに有効に活用することができる。また、未来の交通量の把握を必要とする団体や企業等にも、交差点交通情報c2を、有用な道路交通情報として、提供することができる。
【0107】
なお、本実施の形態で述べた統計交通情報d1及びd2の作成に関しては、種々の例外処理を適用してもよい。例えば、オリンピックやマラソン大会など道路交通情報が大きく影響を受けるようなイベントが所定の地域において例外的に行われる場合には、該当する日時の該当する地域に関しては統計交通情報d1及びd2を作成しないようにしてもよい。これにより、より正確な統計交通情報d1及びd2を作成することが可能となる。
【0108】
また、本実施の形態では、情報端末8は、地図情報記憶部42を端末側に備えていたが、必ずしも地図情報を端末側に備えていなくてもよい。通信ネットワークを介して外部のサーバから地図情報を取得することができるのであれば、地図情報記憶部42を端末側に備えていなくてもよい。
【0109】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施の形態に限られず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施の形態に対して種々の変形や変更を施すことができ、そのような変形や変更を伴う構成もまた、本発明の技術的範囲に含まれる。