特許第6689495号(P6689495)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6689495
(24)【登録日】2020年4月10日
(45)【発行日】2020年4月28日
(54)【発明の名称】燃料油配送システム
(51)【国際特許分類】
   B67D 7/32 20100101AFI20200421BHJP
   B67D 7/36 20100101ALI20200421BHJP
【FI】
   B67D7/32 C
   B67D7/36
   B67D7/32 D
【請求項の数】1
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-236561(P2017-236561)
(22)【出願日】2017年12月11日
(65)【公開番号】特開2019-104498(P2019-104498A)
(43)【公開日】2019年6月27日
【審査請求日】2018年8月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000151346
【氏名又は名称】株式会社タツノ
(74)【代理人】
【識別番号】100087974
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 勝彦
(72)【発明者】
【氏名】黒羽 秀明
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 勝彦
【審査官】 所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−037400(JP,A)
【文献】 特開2010−126194(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 7/32
B67D 7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンクローリに設けられた複数のハッチと、地下貯油タンクの注油口とを荷卸しホース
で接続し、ハッチ内の燃料油を地下貯油タンクに荷卸しする燃料油配送システムにおいて

地下貯油タンク毎の油種、量を管理する液量管理手段と、ハッチ毎の油種、量を管理す
る車載制御手段と、該車載制御手段に接続されハッチ毎の底弁に設けられた底弁開閉セン
サ、及びハッチ毎の底弁の下流に配置された底弁液センサとを備え、
前記車載制御手段は前記液量管理手段からのデータに基づいてハッチ毎に貯蔵されてい
る燃料油の荷卸しを行い、当該荷卸しが終了したことを底弁に設けられた前記底弁開閉セ
ンサからの信号と前記底弁液センサからの信号とにより把握し、また前記底弁液センサからの信号により底弁からの液漏れの管理を行う燃料油配送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給油所に設置されている貯油タンクへの燃料油補給時に油種を判定し、異油種の注油を防止するタンクローリを使用した燃料油配送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
油槽所から給油所に燃料油を配送する場合には通常、特許文献1に示したように複数のハッチに仕切られたタンクローリを用い、各ハッチに給油所から注文された各種の燃料油を積み込んで、複数のハッチのうちの特定の底弁を開弁することにより共通配管、及びこれと給油所のタンクに接続されている荷卸しホースを介して所定の油種の燃料油が荷卸しされる。
【0003】
荷卸しが完了すると、ハッチの上部に上がりハッチの燃料油がすべて排出されたことが確認できた後、荷卸しホースを取り外して荷卸し作業が完了となる。
しかしながら、ハッチの荷卸しを目視で行うため、ハッチの上部に上るという高所作業が必要となり、作業員が転落するなどの危険性があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10-324400
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであってその目的とするところは各ハッチの底弁の状態を監視する検出手段を設けて荷卸しが完全に実行されたことを容易に検出できる燃料油配送システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような課題を解消するために本発明は、タンクローリに設けられた複数のハッチと
、地下貯油タンクの注油口とを荷卸しホースで接続し、ハッチ内の燃料油を地下貯油タンクに荷卸しする燃料油配送システムにおいて、地下貯油タンク毎の油種、量を管理する液量管理手段と、ハッチ毎の油種、量を管理する車載制御手段と、該車載制御手段に接続されハッチ毎の底弁に設けられた底弁開閉センサ、及びハッチ毎の底弁の下流に配置された底弁液センサとを備え、前記車載制御手段は前記液量管理手段からのデータに基づいてハッチ毎に貯蔵されている燃料油の荷卸しを行い、当該荷卸しが終了したことを底弁に設けられた前記底弁開閉センサからの信号と前記底弁液センサからの信号とにより把握し、また前記底弁液センサからの信号により底弁からの液漏れの管理を行う。
【発明の効果】
【0007】
高所での作業をすることなく荷卸しの終了を地上で確実に検出できて安全性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明のシステムの概要を示す構成図
図2】本発明のシステムに使用可能な底弁開閉センサ、底弁液センサを備えた底弁の第一実施例を開弁状態で示す図。
図3】同上底弁を閉弁状態で示す図。
図4】底弁開閉センサの第二実施例を示す図。
図5】底弁開閉センサの第三実施例を示す図。
図6】底弁開閉センサ、底弁液センサを備えた底弁の第四実施例を開弁状態で示す図。
図7】同上底弁を閉弁状態で示す図。
図8】底弁開閉センサの第五実施例を示す図
図9】底弁開閉センサの第六実施例を示す図
図10】曲管の一実施例を底弁を外し、液検知に適した構造を示す図。
図11】底弁液センサの配置形態の他の実施例を示す図。
図12】本発明のシステムの一実施例を示すブロック図。
図13】本発明のシステムのうち、車載制御装置の前半動作と液量管理装置の動作とを示すフローチャート。
図14】図(A)(B)はそれぞれ本発明のシステムのうち、底弁、及び底弁開閉制御部の動作を示すフローチャート。
図15】本発明のシステムのうち、車載制御装置の後半の動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本発明の燃料油配送システムの一実施例を示す構成図であって、タンクローリは仕切り板1により車載タンク2が複数のハッチ3に仕切られ、ハッチ3は底壁4に設けられた底弁5、及び曲管6(後述)を介して共通配管7に接続されている。また各底弁5は一端に底弁5の開閉ハンドルを備えた連結8に連結されている。共通配管7の下流端には吐出弁9、サイトグラスS、及び地下貯油タンクの注油口に接続する荷卸しホース接続口10が設けられている
【0010】
ローリには底弁を開閉操作するエアを供給するためのコンプレッサ11、及び車載制御装置12が搭載されている。
車載制御装置12は、商品情報を記録したカードを読み書きするカードリーダ13、ハッチを指定するためのキーボード14などを備え、後述する液量管理装置15と通信可能に構成されている。
【0011】
一方、給油所には各地下貯油タンク16の液面計17からのデータにより各地下貯油タンクの液量を監視するとともに車載制御装置12と通信可能な液量管理装置15が配置されている。
【0012】
次に本発明のシステムを構成するセンサ類を備えた底弁について説明する。
図2図3は、本発明の底弁の第一実施例を開弁状態と閉弁状態とで示すものであって、ハッチ3の底壁4に形成された吐出口20の上側周縁部に設けられる弁座21と、下部が開口するシリンダ部材22と、シリンダ部材22の下端部に固定されて弁座21に上側から就座される弁体23と、開閉操作のエアを供給するともに曲管6を垂直に貫通しシリンダ部材22と一体の弁体23を上下方向に摺動させる中空軸24と、シリンダ部材22の内周を摺動し、シリンダ部材内の上部領域に空気室25を区画し、中空軸24の上端部近傍に固定されたピストン26と、弁体23を吐出口20、つまり閉弁方向に常時付勢する付勢部材27、この実施例では圧縮コイルバネとを備えている。中空軸24は、その上端が空気室25に連通している。なお、図中符号28は弁体23の下面に設けられたリング状のパッキンを示す。
【0013】
図中符号30、31は、閉弁状態、開弁状態を検出する底弁開閉センサを構成する近接検出部材30がピストン26の上部に、また閉弁状態(図3に示す状態)になる位置に弁体23が降下したときに近接検出部材30を作動させる位置に被検知部材31が配置されている。
【0014】
もとより近接検出部材30と被検知部材31との配置形態を逆、つまりピストン26側に被検知部材を、シリンダ部材22側に近接検出部材30を配置しても検出できることは言うまでもないが、本実施例によればセンサ20の信号伝送ケーブル32を中空軸24の中を通して引き出すことができ、防爆構造を容易に実現できる。近接検出部材30としてはマグネットダイオードやフォトセンサなどが、また被検知部材31としては磁性体や光反射部材が挙げられる。
【0015】
閉弁状態(図3に示す状態)において車載制御装置12から荷卸しが指令されると、車載のコンプレッサ11から中空軸24を介してシリンダ部材22の空気室25にエアが供給され、シリンダ部材22が付勢部材27に抗して上昇し、シリンダ部材22と一体の弁体23が弁座21から離れる(図2に示す状態)。
【0016】
開弁した状態では近接検出部材30が被検知部材31から離れるため、開弁したことが検知できる。荷卸しが完了してエアの供給を停止すると、シリンダ部材22が付勢部材27の弾性により降下して弁座21に就座して閉弁状態状態(図3に示す状態)となり近接検出部材30に被検知部材31が対向して近接検出部材30から信号が出力されて閉弁を知ることができる。
【0017】
なお、上述の実施例においては底弁開閉センサは1つの位置だけを検出しているが、第二実施例として図4に示したように上下方向に間隔をあけて複数の弁開を検知する被検知部材41a,閉弁を検知する被検知部材41bを配置することで弁体23が弁座21から離れて近接検出部材40が被検知部材41aに対向して近接検出部材40から信号が出力されて弁開を知るることができる。また、弁体23が弁座21に着座するとセンサ40が被検知部材41bに対向して近接検出部材40から信号が出力されて弁閉を知ることができる。
【0018】
更に第三実施例として図5に示したように近接検出部材を上下方向に間隔をあけて閉弁を検知する近接検出部材50a、弁開を検知する近接検出部材50bを配置することで弁体23が弁座21から離れて近接検出部材50bが被検知部材51に対向して近接検出部材50bから信号が出力されて弁開を知ることが出来る。また、弁体23が弁座21に着座すると近接検出部材50aが被検知部材51に対向して近接検出部材50aから信号が出力されて弁閉を知ることができる。すなわち、ゴミ等を噛んで弁体が少しでも変位していると、近接検出部材が被検知体を検出できず正常に開閉していないことを把握できる。
【0019】
また、上述の実施例においては底弁開閉センサは空気室内に設けていたが、センサ交換等の保守の容易化及びセンサの後付を考慮して底弁5の外側に設けた第四実施例を図6図7に基づいて説明する。
図6に示したように一端に被検知部61を配置した収納部38と、他端に空気室25の上部に固着された軸91を中空軸24に挿通し、中空軸24の下端からエアーシール37を介して外部に突出させその下端に被検知部材61が設けられ、また弁体23が弁座21から離れて被検知部材51が対向する位置に近接検出部材60が配置されている。
【0020】
閉弁状態(図7に示す状態)において車載制御装置12から荷卸しが指令されると、コンプレッサ11から中空軸24を介してシリンダ部材22の空気室25にエアが供給され、シリンダ部材22の空気室25にエアが供給され、シリンダ部材22が付勢部材27に抗して上昇し、シリンダ部材22と一体の弁体23が弁座21から離れる(図6に示す状態)
【0021】
開弁した状態では図6に示したように近接検出部材60が被検知部材31から離れるため、開弁したことが検知できる。また、荷卸しが完了してエアの供給が停止すると、シリンダ部材22が付勢部材27の弾性により降下して弁座21に就座して閉弁状態(図7に示す状態)となり近接検出部材60は収納部38内に位置して被検出部材61が対向して近接検出部材60から信号が出力されて閉弁を知ることができる。
【0022】
更に前述の第二実施例の変形例として第五実施例を図8に基づいて説明する。上下方向に間隔をあけて弁開を検知する被検知部材71a、閉弁を検知する被検知部材71bを配置し、弁体23が弁座21から離れて近接検出部材70が被検知部材71aに対向して近接検出部材70から信号が出力されて弁開を知ることができる。また、弁体23が弁座21に就座するとセンサ70が被検知部材71bに対向してセンサ70から信号が出力されて弁閉を知ることができる。
【0023】
更に第三実施例の変形例として第六実施例を図9に基づいて説明する。
図9に示したようにセンサを上下方向に間隔をあけて閉弁を検知する近接検出部材80a、弁開を検知する近接検出部材80bを配置することで弁体23が弁座21から離れて近接検出部材80bが被検知部材81に対向して近接検出部材80bから信号が出力されて弁開を知ることができる。また、弁体23が弁座21に就座すると近接検出部材80aが被検知部材81に対向して近接検出部材80aから信号が出力されて弁閉を知ることができる。
【0024】
図10は曲管6の実施例を示すもので、この実施例では曲管6の吐出口21の近傍に周回する樋33が形成され、一部に切欠33aが設けられ、その下部に底弁液センサ34が配置されている。この樋33は切欠33aが最下方となるように傾斜がつけられている。
さらには曲管6の底面に凹部を形成して樋35を設け、この樋35にも後述の図11の底弁液センサ36と同様の底弁液センサが配置されている。
【0025】
この実施例によれば底弁の閉弁が不完全で液漏れが生じている場合には、たとえ漏洩量がわずかでも樋33,34により集められて2つの底弁液センサに向けて流れ込むため確実に液を検出できる。
【0026】
そればかりでなく、吐出口11を流下する液体は流速により渦Uの様相(図2参照)が変化するため、底弁液センサの出力が変化する。したがって、荷卸し中の燃料油の排出状況をモニタすることが可能となる。
【0027】
さらには曲管6の底面に凹部を形成して樋35を設け、この樋35にも図11に示したように底弁液センサ36が配置することで流路内の残液を検知することもできる。
【0028】
次にシステムの一実施例を図12に基づいて説明する。
液量管理装置15は、各地下貯油タンクの液面計17からのデータを受けて液量に変換する液位液量変換手段15aと、各地下貯油タンクの液量を格納する液量記憶手段15bと、各地下貯油タンクに関する情報を記憶する地下タンク情報記憶手段15cと車載制御装置12と通信するための入出力手段15dを備えている。
【0029】
一方、車載制御装置12は、底弁開閉センサ30、底弁液センサ34からの信号と要配送給油所名、油種名、ハッチ貯油量などの給油所情報を記録したカードを読み取るカードリーダ13からの情報、及びキーボード14からの指令により荷卸しの可否を判断し、底弁5の開閉の可否を判断して底弁開閉制御手段12aに信号を出力する荷卸可否判断手段12b、各ハッチの液量などの荷積みデータを格納する荷積データ記憶手段12c、及び液量管理装置と通信するための入出力手段12dとを備えている。
【0030】
次にこのように構成されたシステムの動作を図13図15に示したフローチャートに基づいて説明する。
油槽所で所定の荷積みを終えたタンクローリは、車載制御装置12と液量管理装置15との通信の準備と、注油が必要な地下貯油タンク16の荷卸しホース接続口18とタンクローリの荷卸しホース接続口10とを荷卸しホース19で接続する。
【0031】
準備が完了した時点で車載制御装置12から荷卸しを指令すると(図13 ステップ1)、車載制御装置12は給油所の液量管理装置15に給油所情報取得命令を出力する(ステップ2)。なお、荷積みの場合には(ステップ3)、荷卸しモードを停止する。
【0032】
液量管理装置15は給油所情報取得命令を受けると(ステップ4)、各地下貯油タンク16の液量や油種を車載制御装置12に出力する(ステップ5)。車載制御装置12は給油所情報を受け取ると(ステップ6)、キーボード14からのハッチ番号指定を待ち(ステップ7)、ハッチ番号が指定された場合は荷卸しの可否判断を行う(ステップ8)。
【0033】
すなわち、
(1)荷卸しすべき給油所であるか否かの判断、
(2)指定されたハッチ内の油種と、荷卸しを受ける地下貯油タンク内の燃料油の油種との一致性、
(3)ハッチ内の燃料油の量を荷卸しを受ける地下貯油タンクが受け入れ可能であるか否かの判断、
である。
【0034】
これらの3条件が満足されない場合は荷卸しが不可であることを報知する(ステップ9)。
一方、上記条件がすべて満たされている場合は荷卸しが可能であることを報知し(ステップ10)、すべての底弁開閉センサ30からの信号を受けるべく指令を発する(ステップ11)。
【0035】
車載制御装置12は指令を受けると(図14(A) ステップ12)、すべての底弁開閉センサ30がその状態を出力して(ステップ13)、荷卸しの前に底弁5の閉弁機能が完全であるか否かを確認する。
【0036】
車載制御装置12は、1つの底弁センサからでも開信号を受けると(図13 ステップ14)、底弁5が開いていることを報知し(ステップ15)、底弁5の確認動作を停止する。すなわち共通配管7内に燃料油が溜まっているため混油を起こす恐れがある。
【0037】
すべての底弁開閉センサ30の信号により閉弁が確認できると(ステップ16)、底弁液センサ34の液の有無の状態を示す信号を出力するように指令する(ステップ17)。底弁液センサ34の液の有無を示す信号の出力指令を受けると(図14(A) ステップ18)、底弁液センサ34が液の有無状態を示す信号を出力する(ステップ19)。
【0038】
底弁液センサ34からの信号により液無し状態が確認できない場合には(図13 ステップ20)、やはり混油の恐れがあるので報知を行って(ステップ21)荷卸しを中止する。これにより底弁開閉センサー30では検知できないようなわずかな弁開による液漏れをも確実に検出できる。
【0039】
共通配管7などに液漏れによる残油のないことが確認されると(ステップ22)、荷卸しすべきハッチ3の底弁5に開弁操作用のエアの供給を指令する信号を底弁開閉制御部12aに出力する(ステップ23)。
【0040】
底弁開閉制御部12aはエア供給指令信号を受け取ると(図14(B) ステップ24)、対象の底弁5にエアを供給する(ステップ25)。該当する底弁5の底弁開閉センサー30から開弁したことを示す信号を受けると(図13 ステップ26)、車載制御装置12は該当する底弁5が開弁したと認識する(ステップ27)。
【0041】
同時に他の底弁5の底弁開閉センサ30から開弁信号が出力されていないかを監視する(ステップ28)。荷卸し対象以外のすべての底弁5の底弁開閉センサ30から閉弁信号が出力されていない場合は対象ハッチからの荷卸し中に対象外の底弁5が開弁して混油の恐れがあるので、底弁5が異常であることを報知するとともに(ステップ29)すべての底弁5を閉弁し(ステップ30)荷卸し作業を停止する。
【0042】
一方、荷卸し対象以外のすべての底弁5の底弁開閉センサ30から閉弁信号が出力されている場合は、荷卸し対象のハッチの底弁5の底弁液センサ34から液なし信号が出力しているか否かを監視する(図15 ステップ31)。この状態では底弁5が開弁しているにも関わらず底弁液センサ34が液無しを検知しているので荷卸し対象のハッチ3内の燃料油がすべて地下貯油タンク16に荷卸しされたと判断できる。
【0043】
上述の工程で液無しが検知されると、当該ハッチの荷卸しが完了したとして車載制御装置12の表示器や音声報知機で荷卸終了を報知する(ステップ32)。報知後一定時間が経過した時点、つまり共通配管7、及び荷卸しホース19内の燃料油が完全に地下貯油タンクに排出された時点で(ステップ33)、当該底弁5へのエアの供給を停止させる信号を出力する(ステップ34)。当該底弁5へのエアの供給を停止させる信号の入力を受けると(図14(B) ステップ35)。底弁開閉制御手段12aは底弁5へのエア供給を停止して底弁5を閉弁する(ステップ36)。
【0044】
該当する底弁5の底弁開閉センサ30から閉弁信号が入力するのを待ち(図15 ステップ37)、底弁5の底弁開閉センサ30からの信号により閉弁が認識できると(ステップ38)、サイトグラスSを介して目視でも残油のないことを確認して荷卸しホース19を取り外す。さらにまた当該ハッチの荷卸しが完了したことを報知した後(ステップ34)、引き続いての荷卸し作業の有無を判断し(ステップ39)、存在する場合には再びステップ7(図13)以降の動作を繰り返し、以後の荷卸しが存在しない場合には荷卸しの終了を表示し(ステップ40)、すべての動作を停止する。
【符号の説明】
【0045】
1 仕切り板 2 車載貯油タンク 3 ハッチ 5 底弁 12 車載制御装置 15 液量管理装置 30、底弁開閉センサ 34、36 底弁液センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15