(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載の吸引車においては、吸引ポンプの駆動時、オイルの温度が上昇する。このため、吸引ポンプの駆動時間が長くなるほどオイルが高温になり、オイルの粘性が低下する。このようなオイルの温度上昇に起因して、吸引ポンプの排気能力が低下したり、場合によっては、潤滑不良により吸引ポンプに焼き付きが発生することが懸念される。
【0006】
本発明は上述したような実情を考慮してなされたものであって、吸引ポンプの駆動時のオイルの温度上昇を抑制することが可能な吸引装置およびこれを備えた吸引車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。すなわち、本発明は、回収対象物を金属製のタンクに吸引、回収する吸引装置であって、前記タンク内からエアーを吸引して前記タンク内を減圧するための吸引ポンプと、前記吸引ポンプの吐出側のエアー配管に設けられ、前記吸引ポンプから吐出されたエアーに含まれるオイルを回収するオイルセパレータと、前記オイルセパレータから前記吸引ポンプへオイルを供給するオイル供給配管とを備え、前記オイル供給配管の中間部は、金属配管によって形成されており、当該金属配管は、前記タンクに固定されていることを特徴としている。
【0008】
上記構成の吸引装置によれば、オイル供給配管の中間部が金属配管によって形成されているので、吸引ポンプの駆動時、オイルが金属配管内を流れる際、オイルの熱が金属配管を介してタンクへ伝達されることによって、オイルが冷却される。これにより、吸引ポンプの駆動時のオイルの温度上昇を抑制することができる。その結果、吸引ポンプの排気能力の低下を抑制することができ、また、吸引ポンプの焼き付きを未然に防止することができる。
【0009】
上記構成の吸引装置において、前記金属配管は、前記タンクの外面に接するように配置されていてもよい。この構成によれば、金属配管から金属製のタンクへの熱伝達(熱交換)の効率を高めることができ、金属配管内を流れるオイルの冷却を効率よく行うことができる。
【0010】
上記構成において、前記金属配管は、前記タンクの内部に挿入されていてもよい。この場合、前記金属配管は、前記タンクの底面に接するように配置されていてもよい。この構成によれば、金属配管から金属製のタンクへの熱伝達の効率を高めることができ、金属配管内を流れるオイルの冷却を効率よく行うことができる。これに加え、タンクの底部に収容された貯留物(廃水や汚泥など)によって、金属配管が冷却されるため、金属配管内を流れるオイルの冷却をより効率よく行うことができる。
【0011】
また、本発明の吸引車は、上記構成の吸引装置を備えたことを特徴としている。
【0012】
上記構成の吸引車によれば、工場廃液、農業廃液やし尿など(廃水や汚泥など)の回収場所まで走行していき、これらの廃水や汚泥などの回収対象物を貯留槽からタンクに吸引、回収することができる。そして、吸引ポンプの駆動時のオイルの温度上昇を抑制することができ、その結果、吸引ポンプの排気能力の低下を抑制することができ、また、吸引ポンプの焼き付きを未然に防止することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の吸引装置およびこれを備えた吸引車によれば、吸引ポンプの駆動時のオイルの温度上昇を抑制することができ、その結果、吸引ポンプの排気能力の低下を抑制することができ、また、吸引ポンプの焼き付きを未然に防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0016】
本発明の実施の形態に係る吸引車1は、
図1、
図2に示すように、車台2上に、廃水や汚泥などの回収対象物を回収する金属製のタンク3と、タンク3内に回収対象物を吸引するため、タンク3内からエアーを吸引する吸引装置4とを備えている。タンク3は気密構造となっている。吸引装置4は、
図3に示すように、吸引ポンプ5、オイルセパレータ8、四方弁9、外部連通管10、オイル受け(オイルパン)11、エアーセパレータ(エアクリーナ)14、オイル供給配管30などを備えた構成になっている。なお、吸引装置4では、後述するように、四方弁(切換弁)9を切り換えることによって、逆にタンク3内を加圧して、タンク3内の貯留物をタンク3の後部に設けられた排出口19から排出することも可能になっている。
【0017】
本実施形態では、吸引ポンプ5としては、ベーンポンプが用いられている。吸引ポンプ5は、密閉されたタンク3内からエアーを吸引してタンク3内を減圧することにより、吸引ホース18を通じて、貯留槽から工場廃液、農業廃液やし尿など(廃水や汚泥など)の回収対象物をタンク3内に吸引、回収するためのものである。吸引ポンプ5は、図示しないドライブシャフト、PTO(Power Take Off(動力取り出し装置))を介して連結されたエンジンにより駆動される。吸引ポンプ5の吸い込み側には、逆止弁6が設けられている。
【0018】
吸引ポンプ5の駆動には、オイルが必要になっており、吸引ポンプ5の駆動時、吸引ポンプ5の吐出側のエアーにオイルが含まれる。このため、オイルセパレータ8が、吸引ポンプ5の吐出側のエアー配管8bに接続されている。吸引ポンプ5により吐出されたエアー中に含まれるオイルは、オイルセパレータ8によって分離され、オイル溜まり部8aへ回収される。オイル溜まり部8aは、オイル供給配管30により吸引ポンプ5のオイル補給口5aに接続されている。オイル供給配管30の途中には、ストレーナ13が設けられている。なお、図示例ではオイル溜まり部8aは、オイルセパレータ8と一体に形成されているが、オイル溜まり部8aをオイルセパレータ8と別体の構成とすることも可能である。
【0019】
本実施形態では、オイル供給配管30の一部(中間部)30aは、金属配管31によって形成されている(
図3参照)。オイル供給配管30の中間部30a以外の部分、具体的には、上流側部分30bおよび下流側部分30cは、樹脂製のチューブとされており、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)によって形成されている。なお、
図1では、金属配管31の図示を省略している。オイル供給配管30に設けられる金属配管31の詳細については後述する。
【0020】
四方弁9は、第1ポート9a、第2ポート9b、第3ポート9c、および第4ポート9dを有する。四方弁9には、各ポート9a〜9dの連通状態を切り換えるための切換ハンドル9eが設けられている。切換ハンドル9eが加圧側の位置P1(
図3の1点鎖線で示す位置)に切り換えられている場合、第1ポート9aと第2ポート9bとが連通し、第3ポート9cと第4ポート9dとが連通する。切換ハンドル9eが真空側の位置P2(
図3の2点鎖線で示す位置)に切り換えられている場合、第3ポート9cと第1ポート9aとが連通し、第4ポート9dと第2ポート9bとが連通する。また、切換ハンドル9eが中立側の位置P0(
図3の実線で示す位置)に切り換えられている場合、第4ポート9dと第1ポート9aとが連通し、第3ポート9cと第2ポート9bとが連通する。
【0021】
第1ポート9aは、外部連通管10に接続されている。第2ポート9bは、逆止弁6を介して吸引ポンプ5の吸い込み側に接続されている。第3ポート9cは、オイルセパレータ8のエアー吐き出し側に接続されている。第4ポート9dは、エアー配管15に接続されている。エアー配管15の途中には、エアーセパレータ14が設けられている。エアー配管15は、図示しないオーバーフロー防止安全弁を介してタンク3に接続されている。なお、タンク3の上部には、フロート式満量ストップバルブ16が設けられている。
【0022】
安全弁20は、エアーセパレータ14と四方弁9の第4ポート9dとを接続するエアー配管15の途中に設けられている。安全弁20は、四方弁9の上方に配置されている。安全弁20は、吸引ポンプ5によって加圧されるエアーの圧力(エアー配管15の圧力)が設定圧力を超えた場合に作動(開弁)するように構成されている。安全弁20は、例えばエアー配管15に接続される入力ポート20aと、吐出ポート20bとが、エアー配管15の圧力が設定圧力を超えた場合に連通される構成になっている。このような安全弁20の作動(開弁)にともなって、吐出ポート20bが開放され、エアー配管15の圧力が、吐出ポート20bから逃がされるようになっている。吐出ポート20bは、吐出配管21を介して外部連通管10に接続されている。吐出配管21は、側面視で略L字状に屈曲された形状とされている。一方、エアー配管15の圧力が設定圧力以下の場合には、入力ポート20aと吐出ポート20bとが遮断され、吐出ポート20bが開放されないようになっている。
【0023】
外部連通管10は、外部へエアーを排出または外部からエアーを吸引するための配管である。具体的には、外部連通管10を介して、オイルセパレータ8によってオイルが分離されたエアーを排気するとともに、外部からエアーを吸い込んで吸引ポンプ5への吸気を行う。外部連通管10の一端側は、四方弁9の第1ポート9aに接続されており、外部連通管10の他端側(外部との連通口側)は、オイル受け11に接続されている。外部連通管10を通じて排出されるエアーは、オイル受け11の内部を通過した後、外部へ排出されるようになっている。
【0024】
オイル受け11は、オイルセパレータ8によって分離されずにエアー中に残存しているオイルを回収するために設けられている。オイル受け11には、回収されたオイルをオイルセパレータ8のオイル溜まり部8aへ戻すオイル戻り配管12aが接続されている。オイル戻り配管12aの途中には、切換弁12が設けられている。オイル受け11は、オイルを貯留するカップ部11aと、カップ部11aの上部を覆うカバー部11bとを有する構成になっている。カバー部11bには、複数の開孔11dを有するサイレンサ部11cが設けられている。外部連通管10を通じて排出されるエアーは、サイレンサ部11cの複数の開孔11dを通過することによって消音されるようになっている。オイル受け11は、オイルの液面L2が、オイルセパレータ8のオイル溜まり部8aのオイルの液面L1よりも高くなる位置に配置されている。
【0025】
次に、上記構成の吸引装置4の動作について説明する。
【0026】
まず、吸引装置4において、廃水や汚泥などの回収対象物をタンク3に吸引する場合、切換ハンドル9eを中立側の位置P0(
図3の実線で示す位置)から真空側の位置P2(
図3の2点鎖線で示す位置)へセットし、吸引ポンプ5を駆動する。吸引ポンプ5の駆動により、タンク3内のエアーが、エアーセパレータ14、四方弁9の第4ポート9dおよび第2ポート9b、逆止弁6を介して、吸引ポンプ5により吸引される。また、エアーは、オイルセパレータ8、四方弁9の第3ポート9cおよび第1ポート9a、外部連通管10を介して、オイル受け11から外部へ吐き出される(
図4の2点鎖線の矢印を参照)。このような吸引ポンプ5の吸引動作によって、タンク3内が減圧され、吸引ホース18により回収対象物をタンク3に吸引し、回収することが可能になる。
【0027】
この吸引ポンプ5の吸引動作の際、吸引ポンプ5には、オイル供給配管30を通じてオイルセパレータ8からオイルが供給される(
図3の実線の矢印を参照)。吸引ポンプ5に供給されたオイルは、エアーとともに吸引ポンプ5からエアー配管8bへ吐出される。そして、エアー配管8bへ吐出されたエアー中に含まれるオイルは、オイルセパレータ8によってエアーと分離される。なお、オイルセパレータ8によってエアーと分離されず、エアーとともに外部連通管10へ排出されたオイルは、オイル受け11によって回収される。
【0028】
オイル受け11に回収されたオイルは、吸引ポンプ5の運転停止時に切換弁12を開くことによって、オイル戻り配管12aを通じてオイルセパレータ8のオイル溜まり部8aへ戻される。具体的には、オイル受け11とオイル溜まり部8aとの高低差(オイルの液面差)により、オイルは、オイル受け11からオイル溜まり部8aへ自然に流れ落ち、オイル溜まり部8aへ戻される。このように、オイル受け11からオイル溜まり部8aへオイルを戻す際の動力は不要になっている。
【0029】
オイル溜まり部8aに戻されたオイルは、オイルセパレータ8により分離回収されたオイルとともに、オイル供給配管30により吸引ポンプ5へと供給され、繰り返し再利用される。このように、オイルの再利用を図ることによって、ランニングコストを抑えることができる。
【0030】
一方、吸引装置4において、タンク3内の貯留物(廃水や汚泥など)を排出口19から排出する場合、切換ハンドル9eを中立側の位置P0から加圧側の位置P1(
図3の1点鎖線で示す位置)へセットし、吸引ポンプ5を駆動する。吸引ポンプ5の駆動により、外部のエアーが、外部連通管10、四方弁9の第1ポート9aおよび第2ポート9b、逆止弁6を介して、吸引ポンプ5により吸引される。また、エアーは、オイルセパレータ8、四方弁9の第3ポート9cおよび第4ポート9d、エアーセパレータ14を介してタンク3内へ送り出される(
図3の1点鎖線の矢印を参照)。このような吸引ポンプ5の加圧動作によって、タンク3内が加圧され、タンク3内の貯留物を排出口19から排出することが可能になる。この際、タンク3を傾斜させることで、タンク3内の貯留物の排出を効率よく行わせることが可能になる。
【0031】
この吸引ポンプ5の加圧動作の場合にも、上述した吸引ポンプ5の吸引動作の場合と同様、吸引ポンプ5には、オイル供給配管30を通じてオイルセパレータ8からオイルが供給される(
図3の実線の矢印を参照)。また、吸引ポンプ5に供給されたオイルは、エアーとともに吸引ポンプ5からエアー配管8bへ吐出され、オイルセパレータ8によってエアーと分離され、再利用される。
【0032】
なお、吸引装置4において、切換ハンドル9eが中立側の位置P0にセットされているとき、吸引ポンプ5が駆動されると、吸引ポンプ5、オイルセパレータ8、および四方弁9の間でエアーが循環するアイドリング状態となる。この吸引ポンプ5のアイドリング時には、吸引ポンプ5は、タンク3とは連通されていないため、吸引ポンプ5が駆動しても、上述した吸引動作および加圧動作は行われないようになっている。
【0033】
この吸引ポンプ5のアイドリング時にも、上述した吸引ポンプ5の吸引動作の場合と同様、吸引ポンプ5には、オイル供給配管30を通じてオイルセパレータ8からオイルが供給される(
図3の実線の矢印を参照)。また、吸引ポンプ5に供給されたオイルは、エアーとともに吸引ポンプ5からエアー配管8bへ吐出され、オイルセパレータ8によってエアーと分離され、再利用される。
【0034】
本実施形態では、上記構成の吸引装置4において、オイル供給配管30の中間部30aが金属配管31によって形成されており、金属配管31がタンク3の外面(側面)3aに固定されている。この点について、
図3、
図4を参照して説明する。
【0035】
金属配管31は、
図3、
図4に示すように、金属製のタンク3の外面3aに接するように配置されている。金属配管31は、側面視で略S字状に形成された金属製(例えば、ステンレス製、銅製など)のパイプであって、一端開口から他端開口に向けて、オイルが流通可能な構成になっている。具体的に、金属配管31は、最も上方に配置される上側部分31aと、この上側部分31aの下方に配置される中間部分31bと、この中間部分31bの下方に配置される下側部分31cとを備えている。上側部分31aと、中間部分31bと、下側部分31cとは、前後方向に沿って略平行に延びている。
【0036】
上側部分31aの一端(
図3の前端)側は、継手32を介して、オイル供給配管30の上流側部分30bに連結されている。上側部分31aの他端(
図3の後端)側と、中間部分31bの一端(
図3の後端)側とは、略180°の角度で接続されており、オイルの流れが略U字状に変更されるようになっている。同様に、中間部分31bの他端(
図3の前端)側と、下側部分31cの一端(
図3の前端)側とは、略180°の角度で接続されており、オイルの流れが略U字状に変更されるようになっている。下側部分31cの一端(
図3の後端)側は、継手32を介して、オイル供給配管30の下流側部分30cに連結されている。
【0037】
金属配管31は、タンク3の外面(側面)3aにステー33によって取り付けられている。ステー33は、前後方向の2箇所に設けられており、各ステー33は、ボルト34によってタンク3に固定されている。この場合、金属配管31の上側部分31a、中間部分31b、および下側部分31cのそれぞれがタンク3の外面3aに接した状態で、タンク3に固定されるようになっている。
【0038】
上述したように、吸引ポンプ5の駆動時(上述した吸引動作時、加圧動作時、およびアイドリング時)、吸引ポンプ5には、オイル供給配管30を通じてオイルが供給される。この際、タンク3の外面3aに固定された金属配管31を経由して吸引ポンプ5にオイルが供給される。本実施形態では、オイル供給配管30の中間部30aが金属配管31によって形成されているので、吸引ポンプ5の駆動時、オイルが金属配管31内を流れる際、オイルの熱が金属配管31を介してタンク3へ伝達されることによって、オイルが冷却される。これにより、吸引ポンプ5の駆動時のオイルの温度上昇を抑制することができる。その結果、吸引ポンプ5の排気能力の低下を抑制することができ、また、吸引ポンプ5の焼き付きを未然に防止することができる。しかも、金属配管31が金属製のタンク3の外面3aに接しているので、金属配管31からタンク3への熱伝達(熱交換)の効率を高めることができ、金属配管31内を流れるオイルの冷却を効率よく行うことができる。
【0039】
これにより、吸引ポンプ5の駆動時のオイルの温度上昇を抑制することができ、その結果、吸引ポンプ5の排気能力の低下を抑制することができ、また、吸引ポンプ5の焼き付きを未然に防止することができる。
【0040】
また、上記構成の吸引装置4を備えた吸引車1によれば、工場廃液、農業廃液やし尿など(廃水や汚泥など)の回収場所まで走行していき、これらの廃水や汚泥などの回収対象物を貯留槽からタンク3に吸引、回収することができる。そして、吸引ポンプ5の駆動時のオイルの温度上昇を抑制することができ、その結果、吸引ポンプ5の排気能力の低下を抑制することができ、また、吸引ポンプ5の焼き付きを未然に防止することができる。
【0041】
上記実施形態では、オイル供給配管30の金属配管31がタンク3の外面3aに設置された場合について説明したが、オイル供給配管30の金属配管31をタンク3の内部に挿入する構成としてもよい。具体的に、
図5、
図6に示す変形例1、2では、金属配管31がタンク3の内面3bに接した状態で、タンク3に固定されている。
【0042】
図5に示す変形例1では、タンク3の内外を貫通する貫通孔3c(
図6参照)に金属配管31が挿入されており、金属配管31のタンク3の外面3aから突出した両端部分にフランジ35が装着されている。フランジ35は、タンク3内の貯留物が漏れないように、例えば溶接によって、タンク3および金属配管31に固定されている。そして、継手32を介して、金属配管31が、オイル供給配管30の上流側部分30bおよび下流側部分30cに連結されるようになっている。金属配管31は、上記実施形態と同様の略S字状の構成になっている。金属配管31は、タンク3の底面に接するように配置されており、ステー33によって、タンク3の内面3bに固定されている。
【0043】
図6に示す変形例2では、ステー33を用いずに、金属配管31がタンク3の内面(底面)3bに固定されている。金属配管31は、両端部分を除き、タンク3の内面(底面)3bに倣った円弧状に形成されている。この金属配管31の円弧状の部分が、タンク3の内面(底面)3bに接触している。そして、金属配管31の両端部分が、フランジ35および継手32を介して、オイル供給配管30の上流側部分30bおよび下流側部分30cに連結されることによって、金属配管31がタンク3の内面(底面)3bに固定されている。変形例2では、変形例1の場合よりも大径の金属配管31が1本、使用されている。この場合、金属配管31がタンク3の内面(底面)3bに接触するように成形されており、ステー33による固定が不要になっている。なお、直線状に延びる1本の金属配管31を前後方向に沿って、タンク3の内面(底面)3bに配置する構成としてもよい。
【0044】
これらの変形例1、2では、金属配管31が金属製のタンク3の内面3bに接しているので、金属配管31からタンク3への熱伝達(熱交換)の効率を高めることができ、金属配管31内を流れるオイルの冷却を効率よく行うことができる。これに加え、タンク3の底部に収容された貯留物(廃水や汚泥など)によって、金属配管31が冷却されるため、金属配管31内を流れるオイルの冷却をより効率よく行うことができる。
【0045】
上述したオイル供給配管30の金属配管31の形状は一例であって、さまざまな形状に変更することが可能である。例えば、金属配管31の形状を、変形例2のように、変形例1よりも大径で1本の金属配管からなる形状としたり、変形例1のように、3本の直線状の部分を有する形状としたり、適宜変更することができる。
【0046】
上述したオイル供給配管30の金属配管31の設置箇所は一例であって、タンク3のさまざまな箇所に金属配管31を設置することが可能である。また、オイル供給配管30に複数の金属配管31を設ける構成としてもよい。また、金属配管31をタンク3の内側と外側の両方に設ける構成としてもよい。
【0047】
今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。