特許第6689549号(P6689549)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6689549
(24)【登録日】2020年4月10日
(45)【発行日】2020年4月28日
(54)【発明の名称】ワーク送給装置及びワーク研削機
(51)【国際特許分類】
   B24B 41/06 20120101AFI20200421BHJP
   B65G 47/84 20060101ALI20200421BHJP
   B65G 47/88 20060101ALI20200421BHJP
   B24B 7/17 20060101ALI20200421BHJP
   B23Q 7/08 20060101ALI20200421BHJP
【FI】
   B24B41/06 A
   B65G47/84 A
   B65G47/88 G
   B24B7/17 Z
   B23Q7/08 C
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-131947(P2017-131947)
(22)【出願日】2017年7月5日
(65)【公開番号】特開2019-13997(P2019-13997A)
(43)【公開日】2019年1月31日
【審査請求日】2019年3月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000116976
【氏名又は名称】旭精機工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【弁理士】
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】大林 栄次
【審査官】 山村 和人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−152522(JP,A)
【文献】 特開昭59−001142(JP,A)
【文献】 特開2008−149381(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2013−0003180(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 41/06
B23Q 7/08
B24B 7/17
B65G 47/84
B65G 47/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを1つずつ排出するワークフィーダーと、
前記ワークを1つずつ収容する複数のワーク収容孔を円形に並べて備える回転盤と、
前記回転盤が回転している状態で、予め設定された基準位置を前記ワーク収容孔が通過する毎に、そのワーク収容孔に前記ワークフィーダーのワーク排出口を対向させるように前記ワークフィーダーを移動するフィーダー移動機構とを備え、
前記ワークフィーダーが排出する複数の前記ワークを前記複数のワーク収容孔に分配して所定の処理装置へと送給するワーク送給装置において、
前記フィーダー移動機構には、
各前記ワーク収容孔の開口縁から突出する係合突部と、
前記ワークフィーダーを、前記係合突部の移動方向に沿った第1方向で原点と終端点との間を往復移動可能に支持する第1支持手段と、
前記ワークフィーダーを前記原点に復帰させるための原点復帰手段と、
前記ワークフィーダーを、前記係合突部に側方から接近及び離間する第2方向で往復移動可能に支持する第2支持手段と、
前記ワークフィーダーを、前記第2方向で往復移動させる第2方向駆動手段と、
前記ワークフィーダーに設けられ、前記第2方向駆動手段により前記係合突部に側方から押し付けられて、前記ワーク排出口を前記ワーク収容孔に対向する位置に位置決めすると共に、前記第1方向の前記終端点側を向く動力を前記係合突部から受ける係合当接部と、が備えられているワーク送給装置。
【請求項2】
前記係合突部又は前記係合当接部の一方に形成されて、前記ワーク収容孔又は前記ワーク排出口の一方の同心円をなす同心円弧面と、
前記係合突部又は前記係合当接部の他方に形成されて、前記同心円弧面に当接し、前記ワーク収容孔と前記ワーク排出口とを心出しする心出当接部と、を有する請求項1に記載のワーク送給装置。
【請求項3】
前記回転盤に形成された複数の嵌合孔に円筒体が嵌合固定されて、前記円筒体の内側が前記ワーク収容孔をなし、
前記円筒体の一部が前記回転盤から突出して前記係合突部をなし、
前記係合突部の外側面が前記同心円弧面をなしている請求項2に記載のワーク送給装置。
【請求項4】
前記係合当接部には、前記同心円弧面と略同一の曲率半径の円弧面を含んだ略U字状の当接面か、又は、前記同心円弧面の2箇所に接触し、略V字状もしくは略L字状をなす当接面かの何れかが備えられている請求項3に記載のワーク送給装置。
【請求項5】
前記係合当接部は、前記第1方向の前記原点側が開放した略L字状をなしている請求項1乃至4の何れか1の請求項に記載のワーク送給装置。
【請求項6】
前記原点復帰手段は、エアー圧力により前記ワークフィーダーを前記原点側に常時付勢するエアーアクチュエータである請求項1乃至5の何れか1の請求項に記載のワーク送給装置。
【請求項7】
前記第1方向は、直線状をなし、
前記第1支持手段は、前記第1方向に直線状に延びる第1ガイドに第1テーブルを移動可能に支持してなり、
前記第2支持手段は、前記第1テーブルに固定されて前記第2方向に直線状に延びる第2ガイドに移動可能に支持してなる請求項1乃至6の何れか1の請求項に記載のワーク送給装置。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか1の請求項に記載のワーク送給装置と、
上下方向で対向する1対の回転砥石を有する前記所定の処理装置としての研削装置とを備えてなり、
前記回転盤は、一部が前記1対の回転砥石の間に配置された状態で回転し、
前記ワーク収容孔は、前記回転盤を上下に貫通し、
前記ワーク収容孔の下方には、前記1対の回転砥石の間の外側で前記ワーク収容孔内の前記ワークを下方から支持する支持板が備えられているワーク研削機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークフィーダーが排出する複数のワークを、回転中の回転盤における複数のワーク収容孔へと分配して所定の処理装置へと送給するワーク送給装置及び、そのようなワーク送給装置を備えるワーク研削機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のワーク送給装置として、ワークフィーダーがロボットに取り付けられ、回転盤の各ワーク収容孔が基準位置を通過する毎に、そのワーク収容孔にワークフィーダーのワーク排出口を対向させるようにロボットが作動するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許平5−45964号(第1頁右欄第23行目〜第2頁左欄第15行目、図1図5
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来のワーク送給装置では、ワーク収容孔とワークフィーダーのワーク排出口との位置ずれが生じてワークがワーク収容孔に入らず、送給されないことがあった。また、それを解消するために回転盤の回転速度を遅くすると生産性が低下することが問題になっていた。さらに、ロボットのコストが高いことも問題になっていた。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、従来より低コストで高速かつ確実にワークを送給することが可能なワーク送給装置及びワーク研削機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明は、ワークを1つずつ排出するワークフィーダーと、前記ワークを1つずつ収容する複数のワーク収容孔を円形に並べて備える回転盤と、前記回転盤が回転している状態で、予め設定された基準位置を前記ワーク収容孔が通過する毎に、そのワーク収容孔に前記ワークフィーダーのワーク排出口を対向させるように前記ワークフィーダーを移動するフィーダー移動機構とを備え、前記ワークフィーダーが排出する複数の前記ワークを前記複数のワーク収容孔に分配して所定の処理装置へと送給するワーク送給装置において、前記フィーダー移動機構には、各前記ワーク収容孔の開口縁から突出する係合突部と、前記ワークフィーダーを、前記係合突部の移動方向に沿った第1方向で原点と終端点との間を往復移動可能に支持する第1支持手段と、前記ワークフィーダーを前記原点に復帰させるための原点復帰手段と、前記ワークフィーダーを、前記係合突部に側方から接近及び離間する第2方向で往復移動可能に支持する第2支持手段と、前記ワークフィーダーを、前記第2方向で往復移動させる第2方向駆動手段と、前記ワークフィーダーに設けられ、前記第2方向駆動手段により前記係合突部に側方から押し付けられて、前記ワーク排出口を前記ワーク収容孔に対向する位置に位置決めすると共に、前記第1方向の前記終端点側を向く動力を前記係合突部から受ける係合当接部と、が備えられているワーク送給装置である。
【0007】
請求項2の発明は、前記係合突部又は前記係合当接部の一方に形成されて、前記ワーク収容孔又は前記ワーク排出口の一方の同心円をなす同心円弧面と、前記係合突部又は前記係合当接部の他方に形成されて、前記同心円弧面に当接し、前記ワーク収容孔と前記ワーク排出口とを心出しする心出当接部と、を有する請求項1に記載のワーク送給装置である。
【0008】
請求項3の発明は、前記回転盤に形成された複数の嵌合孔に円筒体が嵌合固定されて、前記円筒体の内側が前記ワーク収容孔をなし、前記円筒体の一部が前記回転盤から突出して前記係合突部をなし、前記係合突部の外側面が前記同心円弧面をなしている請求項2に記載のワーク送給装置である。
【0009】
請求項4の発明は、前記係合当接部には、前記同心円弧面と略同一の曲率半径の円弧面を含んだ略U字状の当接面か、又は、前記同心円弧面の2箇所に接触し、略V字状もしくは略L字状をなす当接面かの何れかが備えられている請求項3に記載のワーク送給装置である。
【0010】
請求項5の発明は、前記第1方向の前記原点側が開放した略L字状をなしている請求項1乃至4の何れか1の請求項に記載のワーク送給装置である。
【0011】
請求項6の発明は、前記原点復帰手段は、エアー圧力により前記ワークフィーダーを前記原点側に常時付勢するエアーアクチュエータである請求項1乃至5の何れか1の請求項に記載のワーク送給装置である。
【0012】
請求項7の発明は、前記第1方向は直線状をなし、前記第1支持手段は、前記第1方向に直線状に延びる第1ガイドに第1テーブルを移動可能に支持してなり、前記第2支持手段は、前記第1テーブルに固定されて前記第2方向に直線状に延びる第2ガイドに移動可能に支持してなる請求項1乃至6の何れか1の請求項に記載のワーク送給装置である。
【0013】
請求項8の発明は、請求項1乃至7の何れか1の請求項に記載のワーク送給装置と、上下方向で対向する1対の回転砥石を有する前記所定の処理装置としての研削装置とを備えてなり、前記回転盤は、一部が前記1対の回転砥石の間に配置された状態で回転し、前記ワーク収容孔は、前記回転盤を上下に貫通し、前記ワーク収容孔の下方には、前記1対の回転砥石の間の外側で前記ワーク収容孔内の前記ワークを下方から支持する支持板が備えられているワーク研削機である。
【発明の効果】
【0014】
請求項1のワーク送給装置では、回転盤の各ワーク収容孔から係合突部が突出し、ワークフィーダーが、係合突部の移動方向に沿った第1方向と、係合突部に側方から接近及び離間する第2方向とに往復移動可能に支持されている。また、ワークフィーダーには、係合突部に側方から押し付けられる係合当接部が備えられている。そして、係合当接部が係合突部に押し付けられると、ワークフィーダーのワーク排出口がワーク収容孔に対向する位置に位置決めされる共に、第1方向の終端点側を向く動力を係合突部から受ける。これにより、ワークフィーダーの係合当接部を第2方向で係合突部に押し付けるように駆動するだけで、ワークフィーダーがワーク収容孔に追従して移動し、ワーク排出口とワーク収容孔との対向状態を保つことができる。また、係合当接部を第2方向で係合突部から離間させて原点に復帰させれば、次のワーク収容孔に対してワーク排出口を同じように追従させることができる。つまり、ワークフィーダーを移動する駆動源又は付勢手段として、ワークフィーダーを、第1方向で一方側に移動する原点復帰手段、第2方向の一方側と他方側とに移動させる第2方向駆動手段とを備えるだけで、ワーク排出口をワーク収容孔に追従させることができ、従来のロボットに比べ、コストを抑えることができると共に、軽量化が可能であるから高速運転が可能になる。しかも、係合当接部と係合突部との当接により、ワーク排出口とワーク収容孔とが確実に対向する位置に位置決めされるので、ワークを確実にワーク収容孔と収容することができる。即ち、本発明のワーク送給装置によれば、従来より低コストで高速かつ確実にワークを送給することができる。
【0015】
請求項2のワーク送給装置によれば、ワーク排出口がワーク収容孔に追従して移動している間に、係合突部及び係合当接部の一方と他方とに備えた同心円弧面と心出当接部とが摺接し、ワーク収容孔及びワーク排出口の中心軸が一致した心出し状態が維持される。これによりワークを確実にワーク収容孔へ収容することができる。
【0016】
また、係合突部は、ワーク収容孔の同心円上に配置された複数の突起で構成されていてもよいし、請求項3の構成のように、回転盤に形成された複数の嵌合孔に円筒体を嵌合固定し、円筒体の一部を回転盤から突出させて係合突部としてもよい。これにより、円筒体の内側をワーク収容孔と、係合突部の外側面の同心円弧面とを容易に同心円上に配置することができる。この場合、係合当接部は、同心円弧面と略同一の曲率半径の円弧面を含んだ略U字状の当接面を備えるか、又は、同心円弧面の2箇所に接触し、略V字状もしくは略L字状をなす当接面を備えた構成とすればよい(請求項4の発明)。
【0017】
また、請求項5のワーク送給装置では、係合当接部が第1方向の原点側が開放した略L字状になっているので、第1方向で係合突部に係合当接部を当接させてから第2方向で係合突部に係合当接部を当接させるようにして、容易に係合突部に係合当接部を第1方向と第2方向の両方向で位置決めした状態に当接させることができる。
【0018】
請求項6のワーク送給装置では、エアー圧力によりワークフィーダーを原点側に常時付勢するエアーアクチュエータを原点復帰手段として備えている。これにより、係合突部と係合当接部との係合が解除されたら即座にワークフィーダーが原点に向けて移動され、ワークフィーダーの1サイクルの動作時間を短くすることができる。
【0019】
請求項7のワーク送給装置のように、第1及び第2の支持手段に、第1方向又は第2方向に直線状に延びる第1ガイド又は第2ガイドを備えた構成としてもよいし、円弧状に延びる第1ガイドを備えた構成としてもよい。即ち、「前記第1方向は、前記回転盤の回転中心を中心した円弧形状をなし、前記第1支持手段は、前記第1方向に円弧状に延びる第1ガイドに第1テーブルを移動可能に支持してなり、前記第2支持手段は、前記第1テーブルに固定されて前記回転盤の径方向に直線状に延びる第2ガイドに移動可能に支持してなる請求項1乃至6の何れか1の請求項に記載のワーク送給装置。」としてもよい
【0020】
請求項8のワーク研削機は、請求項1乃至7の何れか1のワーク送給装置を備えているので、従来より低コストかつ高速でワークの両端部の研削を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1実施形態に係るワーク研削機の平面図
図2】回転盤と回転砥石の側断面図
図3】ワークフィーダーの側断面図
図4】ワークフィーダーからワーク収容孔にワークを供給する前の側断面図
図5】ワークフィーダーからワーク収容孔にワークを供給した直後の側断面図
図6】(A)第1と第2のストッパーが通過規制位置に配置されたときのワークフィーダーの側断面図、(B)第1ストッパーが通過規制位置に配置され、第2ストッパーが通過許容位置に配置されたときのワークフィーダーの側断面図
図7】(A)係合当接部と係合突部の平断面図,(B)係合当接部と係合突部の係合状態の平断面図、(C)係合当接部が係合突部に係合して移動した状態の平断面図
図8】ワーク送給装置の制御系統のブロック図
図9】制御プログラムのフローチャート
図10】(A)他の実施形態に係る係合当接部の平断面図、(B)他の実施形態に係る係合当接部の平断面図
図11】(A)他の実施形態に係る係合当接部の平断面図、(B)他の実施形態に係る係合突部の平断面図
【発明を実施するための形態】
【0022】
[第1実施形態]
以下、本発明の一実施形態を図1図9に基づいて説明する。図1には、本発明に係るワーク研削機80が示されている。ワーク研削機80は、本発明に係る「所定の処理装置」として研削装置99を有する。ワーク研削装置99には、1対の円板状の回転砥石13,13が同軸上に並べられて上下に対向配置されている(図2参照)。そして、それら1対の回転砥石13,13が、同方向又は逆方向に回転した状態でワークWが1対の回転砥石13,13の間に通されることで、ワークWの上下の両端部が研削される。
【0023】
ワーク研削機80には、1対の回転砥石13,13の間にワークWを送給するために回転盤12が備えられている。図1に示すように、回転盤12は、回転砥石13の回転軸と略平行な回転軸を有し、一部が1対の回転砥石13,13の間に配置された状態で、例えば、上方から見て反時計回り方向に回転する。
【0024】
回転盤12の外縁部には、複数のワーク収容孔31が備えられている。具体的には、回転盤12の本体部12Hは、円形の板金で構成され、その本体部12Hの外縁部を、複数の嵌合孔33(図2参照)が上下に貫通しかつ周方向に等ピッチに並べられている。また、図2に示すように、各嵌合孔33には、円筒体34がそれぞれ圧入され、それら円筒体34の内側がワーク収容孔31になっている。さらに、円筒体34の上段部は段付き状に拡径していて、その段差面が本体部12Hの上面に当接している。なお、円筒体34の下端面と回転盤12の下面とは略面一に配置されている。そして、円筒体34のうち回転盤12から上方に突出した部分が、本発明に係る係合突部32をなし、係合突部32の外周面が本発明に係る同心円弧面32Aになっている。
【0025】
回転盤12は、円筒体34の上下の両端面と回転砥石13,13との間にそれぞれ隙間が空いた状態となるように配置されている。また、回転盤12のうち1対の回転砥石13,13の外側に位置する部分の下方には、支持板14が備えられている。支持板14は、下側の回転砥石13の上面と略面一の上面を有する。そして、回転盤12が回転している状態で、1対の回転砥石13,13の外側でワーク収容孔31に、ワークWとしての圧縮コイルばねが、順次、収容されて1対の回転砥石13,13の間に送給される。また、支持板14には、外縁部の一部を切り欠いてなるワーク回収部14A(図1参照)が備えられ、1対の回転砥石13,13の間を通過したワーク収容孔31からワーク回収部14AにワークWが落下して回収される。
【0026】
図1に示すように、ワーク研削機80には、ワークWを1つずつ排出するワークフィーダー11が備えられている。図3に示すように、ワークフィーダー11は、ワーク供給管27を有し、そのワーク供給管27は、上下方向に延びるスリーブ27Nの上端部に延長パイプ27Pを連結してなる。これらスリーブ27N及び延長パイプ27Pの内側断面形状は共に円形をなし、延長パイプ27Pの内径はワーク収容孔31の内径より僅かに大きく、スリーブ27Nの内径はワーク収容孔31の内径と略同一になっている。また、スリーブ27Nのうち延長パイプ27Pとの連通部分は、下方へテーパー状に絞られている。なお、延長パイプ27Pは、可撓性が高くなっていて曲げ変形させることができる。そして、複数のワークWが、延長パイプ27Pの始端から例えば手作業で挿入され、一列に並んだ状態で延長パイプ27P及びスリーブ27N内を移動し、スリーブ27Nの下端のワーク排出口26から排出される。
【0027】
ワーク供給管27の末端部には第1と第2のストッパー28,29が備えられている。具体的には、スリーブ27Nは、ブロック形状のブラケット70を上下に貫通するスリーブ支持孔70Aに嵌合した状態に固定されている。また、ブラケット70には、一側面に開口する1対の横孔71,71が上下に並べて備えられ、それら横孔71,71が共にスリーブ27N内に連通している。そして、下側の横孔71に第1エアシリンダ28Kが取り付けられて、その第1エアシリンダ28Kのピストンが第1ストッパー28をなしている。また、図8に示すように、第1エアシリンダ28Kには、工場等のコンプレッサ98に接続された圧縮エアーの配管Pがバルブ28Vを介して接続されている。そして、バルブ28Vにより第1エアシリンダ28Kへの圧縮エアーの供給を切り替えることで、第1ストッパー28が、図4に示すようにスリーブ27N内に張り出してワークWの下方に位置して、ワークWの通過を規制する通過規制位置と、図5に示すように、スリーブ27Nから退避してワークWの通過を許容する通過許容位置との間を移動する。
【0028】
一方、上側の横孔71には、第2エアシリンダ29Kが取り付けられて、その第2エアシリンダ29Kのピストンが第2ストッパー29になっている。また、図8に示すように、第2エアシリンダ29Kにも圧縮エアーの配管Pがバルブ29Vを介して接続されている。そして、バルブ29Vにより第2エアシリンダ29Kへの圧縮エアーの供給を切り替えることで、図6(A)に示すように、第2ストッパー29は、スリーブ27N内に僅かに張り出してワークWに押し付けられ、ワークWの通過を規制する通過規制位置と、図6(B)に示すように、スリーブ27Nから退避してワークWの通過を許容する通過許容位置との間を移動する。
【0029】
第2ストッパー29と第1ストッパー28と間の距離は、ワークW1つ分より大きくかつ2分より小さくなっている。これにより、図4に示すように、第1ストッパー28にて最下端のワークWの通過を規制した状態で、下から2番目のワークWの通過を第2ストッパー29が規制する。そして、その状態から図5に示すように第1ストッパー28を通過許容位置に移動すると、最下端のワークWのみがワーク排出口26から排出される。その後、図6(A)に示すように、第1ストッパー28を通過規制位置に戻してから、図6(B)に示すように、第2ストッパー29を通過許容位置に移動した後、さらに、図4に示すように、第2ストッパー29を通過規制位置に戻すことで元の状態に戻る。このような動作を繰り返すことで、前述の通り、ワーク排出口26からワークWを1つずつ排出することができる。
【0030】
なお、以下の説明では、第1ストッパー28がワークWの移動を規制することを、適宜、「第1ストッパー28がオンし」といい、第1ストッパー28がワークWの移動を許容することを、適宜、「第1ストッパー28がオフし」という。第2ストッパー29に関しても同様である。
【0031】
図4に示すように、ワークフィーダー11がワークWを排出するときに、ワーク排出口26の同軸下方にワーク収容孔31が位置しているとワーク収容孔31に収容される。そこで、回転中の回転盤12の各ワーク収容孔31にワークフィーダー11を追従させて移動するためにフィーダー移動機構81が備えられている。そして、そのフィーダー移動機構81とワークフィーダー11と回転盤12とから本発明に係るワーク送給装置10(図1参照)が構成されている。
【0032】
フィーダー移動機構81は、第1と第2の直動アクチュエータ82,83を有する。第1直動アクチュエータ82は、回転盤12の側方位置に配置され、その近傍を通過する係合突部32の移動方向に沿った第1方向H1に直線状に延びる第1ガイド20と、その第1ガイド20に直動可能に係合した第1テーブル21とを有する。一方、第2直動アクチュエータ83は、係合突部32に側方から接近及び離間する第2方向H2に延びる第2ガイド22と、その第2ガイド22に直動可能に係合した第2テーブル23とを有する。そして、第2ガイド22が第1直動アクチュエータ82の第1テーブル21に固定されている。なお、第1方向H1と第2方向H2とは、互いに略直交している。
【0033】
以下、第1直動アクチュエータ82においては、第1テーブル21の可動範囲のうち係合突部32の移動方向と同方向に移動したときの端部を「終端点」、その反対側に移動したときの端部を「原点」ということとする。また、第2直動アクチュエータ83においては、第2テーブル23の可動範囲のうち係合突部32に向かって移動したときの端部を「終端点」、その反対側に移動したときの端部を「原点」ということとする。さらに、第1及び第2のテーブル21,23が、終端点に向かう動作を「前進」といい、その反対側の動作を「後退」ということとする。
【0034】
図8に示すように、第1及び第2の直動アクチュエータ82,83には、圧縮エアーの配管Pがバルブ82V,83Vを介して接続されている。そして、ワーク送給装置10の運転中は、第1直動アクチュエータ82のバルブ82Vは一定の開放状態になって第1テーブル21が原点に向かうように常時付勢される。一方、第2直動アクチュエータ83のバルブ83Vは、適宜、切り替えられ、これにより、第2テーブル23が係合突部32に接近又は離間するように駆動される。これらの点において、第1直動アクチュエータ82は、本発明に係る「原点復帰手段」に相当し、第2直動アクチュエータ83は、本発明に係る「第2方向駆動手段」に相当する。
【0035】
図4に示すように、第2テーブル23には、延長プレート24が固定されて回転盤12側に片持ち梁状に張り出している。そして、その延長プレート24の先端部にワークフィーダー11のブラケット70が固定されて、ワークフィーダー11のワーク排出口26が回転盤12の上方に配置されている。詳細には、図3に示すように、ブラケット70の下端部のうちスリーブ支持孔70Aから離れた側には、第1段差部70Dが形成されている。そして、その第1段差部70Dに延長プレート24の先端部が固定されて、延長プレート24の下面とブラケット70の下面とが面一となって、回転盤12の上面の僅か上方位置に配置されている。
【0036】
また、ブラケット70の下端部のうちスリーブ支持孔70A側には、第2段差部70Eが形成されている。その第2段差部70Eは、ブラケット70の下端部の一部を、回転盤12側の側面からスリーブ支持孔70Aの中心軸位置に亘って切除してなる。これにより、ブラケット70の下端部のうち第1段差部70Dと第2段差部70Eとの間には、図7(A)に示すように、半円状の円弧面を有する突部が形成されている。そして、その突部が本発明に係る係合当接部51をなして係合突部32に側方から対向している。また、係合当接部51の半円状の円弧面は、本発明に係る同心円弧面51Aをなしている。その同心円弧面51Aは、スリーブ支持孔70Aの内面から延長されたものであるから、同心円弧面51Aとワーク排出口26の内面とは同心円をなしている。また、係合当接部51の同心円弧面51Aと、係合突部32の同心円弧面32Aとは、同じ曲率半径となっている。さらに、係合当接部51の横幅(第1方向H1の幅)は、各係合突部32とその2つ隣の係合突部32との間隔Sより小さくなっている。なお、そのために、ブラケット70の下面の両側縁部が段付き状に切除されている。
【0037】
ここで、ワークフィーダー11の横幅方向の中心線をL1とすると、その中心線L1は、第2方向H2に延びかつスリーブ27Nの中心線と直交している。そして、図1に示すように、第1テーブル21及び第2テーブル23が共に原点に配置されると、ワークフィーダー11の中心線L1が回転盤12の中心軸と直交した状態になると共に、図3及び図7(A)に示すように、係合当接部51が係合突部32群の回動軌跡の僅かに外側に配置される。このときの中心線L1と重なる不動の線を始動基準線L2とすると、その始動基準線L2の近傍にワーク収容孔31の中心が位置したときに、第2テーブル23と共にワークフィーダー11を第2方向H2で前進させると、図7(B)に示すように、係合当接部51の同心円弧面51Aと係合突部32の同心円弧面32Aとが当接してワーク収容孔31とワーク排出口26とが同心軸上に配置された状態になる。
【0038】
そして、第1方向H1における係合当接部51と係合突部32との係合により係合当接部51が係合突部32から回転盤12の回転動力を受け、ワークフィーダー11が係合突部32の第1方向H1成分の移動に伴って第1方向H1で前進すると共に、第2直動アクチュエータ83の駆動によりワークフィーダー11が係合突部32における第2方向H2成分の移動に伴って第2方向H2で前進する。つまり、ワークフィーダー11は、係合突部32の円弧軌跡に追従して円弧軌跡を描くように移動する。この間、ワーク収容孔31とワーク排出口26とが同心軸上に配置された状態が維持されるので、この間を利用してワークフィーダー11のワーク排出口26からワークWを排出すればワーク収容孔31に収容することができる。
【0039】
そして、次のワーク収容孔31が始動基準線L2に到達する前に、第2直動アクチュエータ83の動作の向きを切り替えてワークフィーダー11を第2方向H2の原点側に移動すると、係合当接部51と係合突部32との係合が解除され、第1直動アクチュエータ82の付勢力によってワークフィーダー11が第1方向H1においても原点側に移動し、元の状態に戻る。この一連のサイクル動作を自動的に繰り返して行うために、ワーク送給装置10には、ワーク収容孔31の位置を検出する位置センサ85と、位置センサ85の検出結果に基づいてバルブ28V,29V,83Vを制御する制御部86とが備えられている。
【0040】
位置センサ85は、図1に示すように、スタンド85Sに支持されて回転盤12の上方に配置されている。また、始動基準線L2を5〜30度程度、回転盤12の回転方向の逆側にずらした代替基準線L3が位置センサ85の中心部を通過するように設定されている。そして、係合突部32が代替基準線L3を通過する際に、その係合突部32より下流側に3〜4つずれた係合突部32が始動基準線L2を丁度通過するようになっている。また、位置センサ85は、例えば、代替基準線L3に沿ってレーザー光を走査し、係合突部32のうち代替基準線L3が横切る部分の幅を検出し、その検出幅に基づいて、制御部86が始動基準線L2に対する係合突部32の位置を検出するようになっている。
【0041】
具体的には、係合突部32のうち代替基準線L3が横切る部分の幅が徐々に増加しているときには、その係合突部32より3〜4つ下流側の係合突部32が始動基準線L2と交差しかつその係合突部32を有するワーク収容孔31の中心が始動基準線L2に接近していると判断する。また、係合突部32のうち代替基準線L3が横切る部分の幅が、係合突部32の外径と同じであるときは、その係合突部32より3〜4つ下流側の係合突部32を有するワーク収容孔31の中心が始動基準線L2上に位置すると判断する。
【0042】
制御部86には、図7(A)に示すように、ワーク収容孔31の中心が始動基準線L2に対して上流側に僅かにずれた位置(例えば、ワーク収容孔31の半径以下の所定距離だけずれた位置)が、本発明に係る基準位置P1として設定されている。また、図7(C)に示すように、ワーク収容孔31の中心が始動基準線L2に対して下流側に、例えば、係合突部32の半径程度ずれた位置が離脱位置P2として設定されている。そして、制御部86が図9に示された制御プログラムPG1を実行し、ワーク収容孔31が基準位置P1又は離脱位置P2に到達したか否かに基づいて、以下のようにバルブ28V,29V,32Vを制御する。
【0043】
制御プログラムPG1が実行されると、ワーク排出準備処理が行われ(S10)、例えば、ワークフィーダー11が第1及び第2の両方向H1,H2の原点位置に配置され、第1及び第2のストッパー28,29が共にオンした状態にされる。そして、何れかのワーク収容孔31が基準位置P1に到達するまで待機し(S11のNOのループ)、図7(A)に示すように、何れかのワーク収容孔31が基準位置P1に到達したら(S11のYES)、バルブ83Vが切り替えられてワークフィーダー11が第2方向H2で前進する(S12)。すると、図7(B)に示すように、ワーク収容孔31の中心が概ね始動基準線L2上に到達するタイミングでそのワーク収容孔31の係合突部32とワークフィーダー11の係合当接部51とが係合する。
【0044】
そして、前述の如く、ワークフィーダー11がワーク収容孔31に追従して移動し、ワーク収容孔31とワークフィーダー11のワーク排出口26とが同軸上に配置された状態が維持される。その間に、バルブ28Vが切り替えられて第1ストッパー28がオフし、ワークフィーダー11から1つのワークWが排出されて、ワーク収容孔31に収容される(S13)。次いで、バルブ28V,29Vが切り替えられ、第1ストッパー28がオンされた後、第2ストッパー29がオフされる(S14,S15)。そして、図7(C)に示すように、ワーク収容孔31が離脱位置P2に到達したら(S16のYES)、バルブ83Vが切り替えられ、ワークフィーダー11が第2方向H2で後退し(S17)、これに伴いワーク収容孔31と係合当接部51の係合が解除されて、ワークフィーダー11が第1方向H1で後退する。そして、その間に、バルブ29Vが切り替えられて第2ストッパー29がオンして、ワークフィーダー11が第1及び第2の両方向H1,H2で原点に復帰する。このとき、次のワーク収容孔31の中心は、基準位置P1より手前側に位置していて、そのワーク収容孔31の中心が基準位置P1に到達したら上述したステップS11以降の動作が繰り返される。
【0045】
このようにして、ワークフィーダー11からワークWが1つずつ排出されて、それらワークWがワーク収容孔31に分配され、1対の回転砥石13,13間に送給されてワークWの両端部の研削を行う。
【0046】
本実施形態のワーク送給装置10の構成及び動作に関する説明は以上である。次に、このワーク送給装置10の作用効果について説明する。上述したように本実施形態のワーク送給装置10では、回転盤12の各ワーク収容孔31から係合突部32が突出し、ワークフィーダー11が、係合突部32の移動方向に沿った第1方向H1と、係合突部32に側方から接近及び離間する第2方向H2とに往復移動可能に支持されている。また、ワークフィーダー11には、係合突部32に側方から押し付けられる係合当接部51が備えられている。そして、係合当接部51が係合突部32に押し付けられると、ワークフィーダー11のワーク排出口26がワーク収容孔31の同軸上に位置決めされる共に、第1方向H1を向く動力を係合突部32から受ける。これにより、ワークフィーダー11の係合当接部51を第2方向H2で係合突部32に押し付けるように駆動するだけで、ワークフィーダー11がワーク収容孔31に追従して移動し、ワーク排出口26とワーク収容孔31との対向状態を保つことができる。また、係合当接部51を第2方向H2で係合突部32から離間させて原点に復帰させれば、次のワーク収容孔31に対してワーク排出口26を同じように追従させることができる。つまり、ワークフィーダー11を移動する駆動源又は付勢手段として、ワークフィーダー11を、第1方向H1で一方側に移動する「原点復帰手段」としての第1直動アクチュエータ82と、第2方向H2の一方側と他方側とに移動させる「第2方向駆動手段」としての第2直動アクチュエータ83とを備えるだけで、ワーク排出口26をワーク収容孔31に追従させることができる。即ち、本実施形態のワーク送給装置10によれば、従来のロボットに比べ、コストを抑えることができると共に、軽量化が可能であるから高速運転が可能になる。しかも、係合当接部51と係合突部32との当接により、ワーク排出口26とワーク収容孔31とが確実に対向する位置に位置決めされるので、ワークWを確実にワーク収容孔31と収容することができる。このように、本実施形態のワーク送給装置10によれば、従来より低コストで高速かつ確実にワークを送給することができる。また、本実施形態のワーク研削機80は、そのワーク送給装置10を備えているので、従来より低コストかつ高速でワークWの研削を行うことができる。
【0047】
[他の実施形態]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で、種々変更して実施することができる。
【0048】
(1)上記実施形態では、ワークフィーダー11の移動方向のうち第1方向H1が直線状であったが、曲線状であってもよい。この構成では、第1テーブル21は、曲線状に延びた第1ガイド20に案内される。第1方向H1は、曲線状である場合、例えば、回転盤12の回転中心を中心とした円弧状であってもよい。これらの構成において、第2方向H2を回転盤12の径方向としてもよい。
【0049】
(2)上記実施形態では、ワークWが、コイルばねであったが、これに限定されず、例えば、棒状のものであってもよいし、筒状のものであってもよい。
【0050】
(3)上記実施形態では、ワーク送給装置10は、ワークWをワーク研削装置99に送給したが、ワークWをワークWに他の処理を施す処理装置へ送給してもよい。この場合、例えば、ワークWに処理液を塗る処理装置であってもよいし、ワークWにパンチで孔をあける処理装置であってもよい。
【0051】
(4)上記実施形態では、回転盤12に開口してワークWを収容する部分が、回転盤12を貫通するワーク収容孔31であったが、回転盤12を貫通していない凹部であってもよい。
【0052】
(5)上記実施形態において、第2ストッパーオフ処理(S15)が、ステップS16と同時であってもよいし、ステップS16の後であってもよい。
【0053】
(6)上記実施形態では、係合突部32は、円筒状をなしていたが、ワーク収容孔31の同心円に配置された複数の突起で構成されていてもよい。このように、係合突部32は、ワーク収容孔31の開口縁の全体から突出していてもよいし、開口縁の一部のみから突出していてもよい。
【0054】
(7)上記実施形態において、係合当接部51のうち係合突部32との当接面が、係合突部32の外周面と略同一の曲率半径の円弧面を含んだ略U字状であってもよいし、このような円弧面を含んだ略L字状であってもよいし(図10(A)の係合当接部51V参照)、係合突部32の2箇所に接触する略L字状(図10(B)の係合当接部51W参照)又は略V字状(図11(A)の係合当接部51X参照)であってもよい。また、図10(A)及び図10(B)に示すように、係合当接部51V(51W)が第1方向の原点側が開放した略L字状になっている場合、第1方向H1で係合突部32に係合当接部51V(51W)を当接させてから第2方向H2で係合突部32に係合当接部51V(51W)を当接させるようにして、容易に係合突部32に係合当接部51V(51W)を第1方向H1と第2方向H2の両方向で位置決めした状態に当接させることができる。
【0055】
(8)上記実施形態では、係合突部32の外周面に円弧面が形成されていたが、係合当接部51にワーク排出口26と同心の「同心円弧面」が形成されていれば、係合突部32の外周面に円弧面が形成されていなくてもよく、係合突部32が、外周面のうちワーク収容孔31の中心軸から同心円弧面の半径と略同じ距離だけ離れた少なくとも2箇所で同心円弧面と接触する構成であってもよい。この場合、係合突部32の外周面がワーク収容孔31と同軸の正多角形状(図11(B)参照)をなしていてもよい。
【符号の説明】
【0056】
10 ワーク送給装置
11 ワークフィーダー
12 回転盤
26 ワーク排出口
31 支持孔
32 係合突部
80 ワーク研削装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11