【実施例1】
【0018】
まず、本実施例に係る警備員と連携した警備システムの実現する警備における不審者の検知に係る処理概要を
図1を用いて説明する。
図1は、不特定多数の人が往来する領域の警備において、警備員が不審者であることが疑われる人物を特定したことを警備システムが自動的に検知して、警備員が特定した人物がブラックリストなどにリストアップされた人物と一致するか否かの検索を行い、その検索結果と警備員の行うべき対処の手順を通知するという一連の処理概要を説明するための図である。
【0019】
図1に示すように、警備員はウェアラブルカメラ10、モーションセンサ21、生体情報センサ22及び環境情報センサ23を身に着けている。ウェアラブルカメラ10は、装着した状態において警備員が顔を向けている方向の画像と音声を取得することができるだけではなく、装着した状態で警備員の視野の一部に画像を出力するディスプレイ12及び音声を出力するイヤホン14を含む。モーションセンサ21は、装着している警備員の動きを検知する装置である。生体情報センサ22は、装着している警備員の体温、心拍数及び加速度などの生体情報を取得する装置である。環境情報センサ23は、気温、湿度、高度及び位置などの環境情報を取得する装置である。
【0020】
また、警備員は、様々な情報を取得するための装置とは別に携帯端末装置40を携帯している。ウェアラブルカメラ10、モーションセンサ21、生体情報センサ22及び環境情報センサ23などの装置は、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信によって携帯端末装置40に取得した各種情報を送信する。携帯端末装置40は、ウェアラブルカメラ10、モーションセンサ21、生体情報センサ22及び環境情報センサ23などの装置から、これらの装置が取得した情報を受け付けたならば、受け付けた画像データ、音声データ及びその他の各種センサデータをコントロールセンタに設置されるコントロールセンタサーバ50に送信する。
【0021】
コントロールセンタサーバ50は、携帯端末装置40を経由して警備員が装着する各種情報取得装置が取得した情報を受け付けると、受け付けた情報を解析した解析結果と所定の判定基準とに基づいて、警備員が特定の人物に注意を向けているか否かの判定を行う。該判定は、例えばウェアラブルカメラ10で取得した画像に現れる人物を衣服の色や背の高さなどに基づいて識別し、画像に現れた人物ごとに所定の時間内の画像に当該人物の画像が現れる出現率を算出し、出現率が所定の割合以上の人物がいたならば、その人物に対して警備員が特別な注意を向けていると判定する。また、警備員は、不審者であることが疑われる人物を察知した場合などは、そうでない場合と比較して心拍数や発汗などの生体反応が現れることが多いことから、生体情報センサ22で取得した情報を警備員が何らかの異常を察知したことの判定に用いるようにしてもよい。また、不審者であることが疑われる人物を警備員が追跡するなどの警備員の行動を想定して、警備員が通常の巡回ルートから外れたことを環境情報センサ23で取得した位置情報を用いて検知し、通常の巡回ルートから外れたことを警備員が何らかの異常を察知したことの判定に用いるようにしてもよい。
【0022】
このようにして、警備員が特定の人物に注意を向けていることを検知したならば、コントロールセンタサーバ50は、ウェアラブルカメラ10で取得した画像情報から注意を向けている人物の画像から当該人物の顔画像を抽出し、抽出した顔画像を用いて不審者の顔の特徴データなどの情報を含むブラックリストDB54mの検索処理を行う。ブラックリストDB54mの検索処理で該当する人物がいた場合には、コントロールセンタサーバ50は、ブラックリストDB54mが有している該当した人物に対する情報を不審者情報として携帯端末装置40に送信する。また、コントロールセンタサーバ50は、併せて警備員が取るべき対処に係る手順の情報を、手順DB54nより選択して携帯端末装置40に送信する。
【0023】
携帯端末装置40は、コントロールセンタサーバ50から不審者情報を受け付けると、受け付けた不審者情報をウェアラブルカメラ10のディスプレイ12やイヤホン14に出力することにより警備員にコントロールセンタサーバ50の処理結果を通知する。また、携帯端末装置40は、コントロールセンタサーバ50から受け付けた手順情報を順番にウェアラブルカメラ10のイヤホン14などから音声として出力することによって、警備員に対処の手順をガイドすることができる。
【0024】
図1では不審者の検知に係る処理の概要を説明したが、本発明は検知の対象を不審人物に限ったものではなく、物や場所に対する異常検知であってもよい。例えば、物又は場所に対する異常検知の場合、ウェアラブルカメラ10で取得した画像に同一の物又は場所が現れる頻度から警備員が特定の物又は場所に対して注意を向けていることを検知し、平常時の同一の場所の画像と比較することによって平常時との差異を判定することによって、警備員が注意を向けている物又は場所に平常時とは異なる異常が起きているか否かの判定を行うことが可能である。
【0025】
このように、警備員の装着するウェアラブルカメラ10、モーションセンサ21、生体情報センサ22及び環境情報センサ23などの各種情報取得装置が取得した情報に基づいて、警備員が人又は物に対する通常時とは異なる特別な注意を向けていることを検知して、警備員が特別な注意を向けた対象の人又は物が警戒すべき対象か否かの判定を行い、該判定結果及び該判定結果に応じた対処手順を警備員に通知するようにしたので、撮像装置やセンサ等の情報取得装置の設置数が不十分な状況において効率的な警備を実現することができる。
【0026】
次に、本実施例に係る警備システムのシステム構成を説明する。
図2は、本実施例に係る警備システムのシステム構成図である。
図2に示すように、警備システムに係る装置は、警備員が装備する装置と、警備員のコントロールをするコントロールセンタに設置される装置と、警備対象領域内に固定的に設置される装置とを有し、通信網91を介して接続されている。
【0027】
警備員が装備する装置は、身体に装着するウェアラブルカメラ10、モーションセンサ21及び生体情報センサ22と、携行する無線通信装置30、携帯端末装置40及び環境情報センサ23とを含む。ウェアラブルカメラ10は、
図2に示すように頭部に装着して、顔の向いている方向の画像データを取得するカメラ11と、音声データを取得するマイク13と、装着した状態で警備員の視野の一部に画像を出力するディスプレイ12と、音声を出力する図示しないイヤホン14を含む。モーションセンサ21は、
図2に示すように警備員の体の各部に対応する位置に動きを検知する複数のセンサを有し、体の各部の動きを検知することによって、警備員の動作の情報を取得する装置である。生体情報センサ22は、警備員の身体に接する状態で装着される装置で、警備員の体温、心拍数及び加速度などの生体情報を取得する装置である。環境情報センサ23は、警備員によって携行されることによって警備員のおかれている気温、湿度、高度及びGPS等の位置情報を定期的に取得する装置である。
【0028】
携帯端末装置40は、ウェアラブルカメラ10、モーションセンサ21、生体情報センサ22及び環境情報センサ23とBluetoothなどの近距離無線通信によって接続し、ウェアラブルカメラ10、モーションセンサ21、生体情報センサ22及び環境情報センサ23が取得した情報を、コントロールセンタのコントロールセンタサーバ50に送信する。また、携帯端末装置40は、ウェアラブルカメラ10、モーションセンサ21、生体情報センサ22及び環境情報センサ23から取得した情報に基づいて警備の支援として行うべき処理(以下、「インシデント」と言う)の発生の検知を行い、インシデントの発生を検知したならば検知したインシデントに係る情報をコントロールセンタサーバ50に送信する。
【0029】
また、携帯端末装置40は、コントロールセンタサーバ50から画像データ及び音声データ等の出力データを受け付けると、受け付けた出力データをウェアラブルカメラ10の有するディスプレイ12及びイヤホン14に出力する。また、携帯端末装置40は、受け付けた出力データが画像データでも音声データでもない場合に、例えば音声に変換してイヤホン14に出力したり、画像に変換してディスプレイ12に表示を行うこともできる。また、携帯端末装置40は、受け付けた出力データを携帯端末装置40の備える表示操作部41や音声入出力部46に出力することも可能である。
【0030】
無線通信装置30は、携帯端末装置40が使用する接続経路とは異なる接続経路で通信網91に接続可能な通信中継装置である。また、無線通信装置30は、Wi−Fiや無線LANなどの通信手順による接続が可能で、Wi−Fiや無線LANなどの通信手順によって接続した装置に対して通信網91に接続可能な他の装置との通信路を提供する。携帯端末装置40が使用する接続経路が災害等で使用できない状態となっていたり、携帯端末装置40が使用する通信網91と接続する接続経路が輻輳などにより使用できない状態となっている場合に、無線通信装置30を経由して通信網91に接続することによって、携帯端末装置40とコントロールセンタサーバ50との間の通信が可能となる。また、無線通信装置30の、Wi−Fiや無線LANに係るネットワーク名の公開又は非公開や暗号化キーなどの設定を変更することが可能で、警備システムでのみ使用可としたり、警備に関連する装置以外の一般の装置によって使用可とすることも可能である。
【0031】
コントロールセンタサーバ50は、携帯端末装置40を介して受信した警備員の装備で取得した各種情報に基づいてインシデントの発生の検知を行い、インシデントの発生を検知したならば検知したインシデントに対応する処理を行い、警備員が携行する携帯端末装置40などに処理結果を出力する。
【0032】
また、コントロールセンタサーバ50は、例えば、生体情報センサ22の異常値を検知した場合などに、具体的に行う処理内容が決定できないような場合には、コントロールセンタ内のコントロールセンタ端末62をアサインして、該コントロールセンタ端末62を操作するオペレータと警備員がコミュニケーションできる状態を作る。具体的には、コントロールセンタ端末62は、警備員の装備で取得した画像、音声、生体情報、環境情報などの情報を取得して出力し、コントロールセンタ端末62に接続される音声入力装置などの入力装置で入力した情報を、携帯端末装置40に送信する。携帯端末装置40は受け付けた情報を、ウェアラブルカメラ10のディスプレイ12、イヤホン14、携帯端末装置40の表示操作部41及び音声入出力部46に出力することによって、コントロールセンタ端末62を操作するオペレータと警備員との双方向の情報交換を可能とする。また、コントロールセンタ端末62を操作するオペレータは、警備員が装着する各種情報取得装置が取得する情報を確認できることから、該警備員が支援を必要とする状態なのか否か及び必要とする支援内容の判断を短時間で且つ適切に行うことが可能となる。コントロールセンタ端末62は、オペレータの判断内容を受け付けたならば、その内容をコントロールセンタサーバ50に通知し、コントロールセンタサーバ50は、オペレータの判断内容に基づいてインシデントの種別を特定し、特定したインシデントに応じた処理を行う。
【0033】
また、コントロールセンタサーバ50は、警備対象領域に設置されている監視カメラ92及び報知装置93と、通信網91を介して接続可能で、監視カメラ92で取得した画像データを取得したり、コントロールセンタサーバ50から、報知装置93に対して情報を出力することが可能である。つまり、例えば、警備員の要望に応じて、警備員が装着するウェアラブルカメラ10のディスプレイ12に監視カメラ92で取得した画像を表示したり、例えば、災害時などの避難誘導において警備員の判断に基づいた避難経路を報知装置93に即時に反映することも可能である。
【0034】
次に、
図2に示した携帯端末装置40の本実施例に係る機能的な内部構成を説明する。
図3は、携帯端末装置40の本実施例に係る機能的な内部構成を示すブロック図である。
図3に示したように、携帯端末装置40は、表示操作部41、近距離無線通信部42、無線通信部43、外部通信部44、カメラ45、音声入出力部46、記憶部47及び制御部48を有している。
【0035】
表示操作部41は、タッチ式の液晶パネルなどの表示及び操作の受付を行う入出力部である。近距離無線通信部42は、ウェアラブルカメラ10、モーションセンサ21、生体情報センサ22及び環境情報センサ23とのBluetoothなどによる近距離無線通信を行うためのインタフェース部である。無線通信部43は、無線通信装置30とのWi−Fiや無線LANなどの通信手順による無線通信を行うためのインタフェース部である。外部通信部44は、コントロールセンタのコントロールセンタサーバ50との通信を行うためのインタフェース部である。
【0036】
カメラ45は、画像データを取得する入力部である。音声入出力部46は、マイクなどの音声入力部及びスピーカやヘッドフォンなどの音声出力部を含む。
【0037】
記憶部47は、DDR−SDRAM(Double Data Rate Synchronous Dynamic Random Access Memory)などからなる記憶デバイスである。記憶部47は、特定顔特徴データ47a及び手順データ47bを有する。特定顔特徴データ47aは、後述する個別アプリケーション48hのオフライン顔認証部48iで使用するデータである。手順データ47bは、後述する個別アプリケーション48hの手順ガイド部48kで使用するデータである。
【0038】
制御部48は、携帯端末装置40の全体を制御する制御部であり、収集データ送信部48a、収集データ解析部48b、出力処理部48g及び個別アプリケーション48hを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROM(Read Only Memory)や不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、対応するプロセスを実行させることになる。
【0039】
収集データ送信部48aは、近距離無線通信部42を介してウェアラブルカメラ10、モーションセンサ21、生体情報センサ22及び環境情報センサ23から送信されてきた各種情報をコントロールセンタサーバ50に送信する。
【0040】
収集データ解析部48bは、近距離無線通信部42を介してウェアラブルカメラ10、モーションセンサ21、生体情報センサ22及び環境情報センサ23から送信されてきた各種情報に基づいて各種インシデントの発生を検知する。収集データ解析部48bは、解析する情報や検知するインシデントの種別などに応じて、音声解析部48c、画像解析部48d、モーション解析部48e及び異常検知部48fなどを有する。
【0041】
音声解析部48cは、ウェアラブルカメラ10のマイク13で取得した音声データを解析して、インシデントの発生を検知する。例えば、警備員の声による指示を解析して、指示に応じたインシデントの検知を行うようにしてもよい。
【0042】
画像解析部48dは、ウェアラブルカメラ10のカメラ11で取得した画像データを解析してインシデントの発生を検知する。本実施例では、不審人物か否かの検索処理に対するインシデントの検知を、コントロールセンタサーバ50で行うこととしているが、携帯端末装置40
の画像解析部48dで行うものとしてもよい。
【0043】
モーション解析部48eは、モーションセンサ21により取得した警備員の動作にかかる情報を解析してインシデントの発生を検知する。例えば、警備員の所定インシデントに対応する動作に応じて、対応するインシデントを検知するようにしていてもよい。
【0044】
異常検知部48fは、モーションセンサ21及び生体情報センサ22などで取得したデータを解析して、インシデントの発生を検知する。例えば、モーションセンサ21及び生体情報センサ22などで取得したデータの異常値を検出したならば警備員が異常な状態になっている可能性が高いと判定し、コントロールセンタ端末62による警備員の状況確認というインシデントが発生したと検知するようにしてもよい。
【0045】
出力処理部48gは、コントロールセンタサーバ50から受け付けたインシデントに対応する処理結果である画像情報及び音声情報などの情報を受け付けて、画像情報はウェアラブルカメラ10のディスプレイ12又は携帯端末装置40の表示操作部41に、音声情報はウェアラブルカメラ10のイヤホン14又は携帯端末装置40の音声入出力部46に出力する。また、出力処理部48gは、受け付けた処理結果が画像情報でも音声情報でもない場合に、例えば音声に変換してイヤホン14に出力したり、画像に変換してディスプレイ12に表示を行うこともできる。
【0046】
個別アプリケーション48hは、コントロールセンタサーバ50から受け付けたインシデントに対応する処理結果として、画像情報や音声情報等のような汎用的な処理結果ではない特殊な形式の処理結果に対する処理を行う処理部である。個別アプリケーション48hは、オフライン顔認証部48i、無線通信装置設定部48j及び手順ガイド部48kなどを有する。
【0047】
オフライン顔認証部48iは、例えば、ブラックリスト検索のインシデントの処理結果として、ウェアラブルカメラ10で取得した顔画像の人物がブラックリストに含まれる人物であるか否かの判定結果と伴に、ブラックリストに含まれる人物の顔画像の特徴データを受け付けた場合には、受け付けた顔画像の特徴データを特定顔特徴データ47aに記憶する。また、オフライン顔認証部48iは、ウェアラブルカメラ10のカメラ11で取得した人物の顔画像と特定顔特徴データ47aに含まれる顔特徴データのマッチングを行うことにより、一旦検知した不審人物の検出を携帯端末装置40で行うことにより、コントロールセンタサーバ50と連携しないローカルで不審人物の追跡のサポートを行うことができる。
【0048】
無線通信装置設定部48jは、例えば、コントロールセンタサーバ50から無線アクセスポイント設定というインシデントに対する処理結果として無線通信装置30のネットワーク名の公開又は非公開や暗号化キーなどに係る設定変更情報を受け付けた場合には、無線通信装置設定部48jは受け付けた設定変更情報を無線通信装置30に送信することによってネットワーク名の公開又は非公開や暗号化キーなどに係る設定を変更する。
【0049】
手順ガイド部48kは、例えば、特定業務に係るサポートのインシデントの処理結果として、特定業務に係る処理手順の情報を処理結果として受け付けたならば、受け付けた処理手順の情報を手順データ47bに記憶する。さらに、手順ガイド部48kは、記憶した手順データ47bに含まれる音声や画像を伴う手順の情報をウェアラブルカメラ10の有するディスプレイ12及びイヤホン14に、順番に出力することによって警備員の特定業務の遂行をガイドする。
【0050】
次に、
図3に示した携帯端末装置40の本実施例に係るデータ構成について
図4を用いて説明する。
【0051】
特定顔特徴データ47aは、顔特徴データを識別する識別番号と、該識別番号に対応する人物の属性情報と、顔特徴情報とをレコード項目とするデータである。属性情報は、識別番号に対応する人物の名前、性別、年齢及びブラックリストにリストアップされている理由などの情報を含む。
図4の特定顔特徴データ47aの例は、識別番号が「00101」の人物は、名前が「田中太郎」で、性別が「男」で、年齢が「30」歳であること示している。
【0052】
手順データ47bは、手順の実施順を示す手順番号と、手順指示データの種類を示すデータ区分と、手順指示データとをレコード項目とするデータである。データ区分は、コード化されたデータであって、「1」は
手順指示データが音声データであることを示し、「2」は
手順指示データが画像データであることを示し、「3」は
手順指示データが音声+画像データであることを示し、「4」は
手順指示データが文字データであることを示している。
【0053】
図4の手順データ47bの例は、手順願号が「1」に対応する手順指示データは、データ区分が「1」であり音声データで、手順願号が「2」に対応する手順指示データは、データ区分が「1」であり音声データで、手順願号が「3」に対応する手順指示データは、データ区分が「3」であり音声+画像データであることを示している。
【0054】
次に、
図2に示したコントロールセンタサーバ50の本実施例に係る機能的な内部構成を説明する。
図5は、コントロールセンタサーバ50の本実施例に係る機能的な内部構成を示すブロック図である。
図5に示すように、コントロールセンタサーバ50は、入力部51及び表示部52と接続される。入力部51は、キーボードやマウス等であり、表示部52は、液晶パネル等のディスプレイ装置である。
【0055】
また、コントロールセンタサーバ50は、通信部53と、記憶部54と、制御部55とを有する。通信部53は、通信網91を介して無線通信装置30、携帯端末装置40、監視カメラ92及び報知装置93とデータ通信するためのインタフェース部である。
【0056】
記憶部54は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部54は、収集データ54a、警備員データ54b、端末管理データ54c、インシデントデータ54d、出力データ54e、ブラックリストDB54m及び手順DB54nを有している。
【0057】
収集データ54aは、携帯端末装置40から受信した警備員の装着する各種情報取得装置で取得した情報を蓄積したデータである。警備員データ54bは、当該警備システムで支援の対象となる警備員に係る情報であって、警備員のリアルタイムの状況と、警備員の保有スキルなどの属性情報等を含むデータである。端末管理データ54cは、コントロールセンタ内に設置されている複数のコントロールセンタ端末62の稼働状況を示すデータである。インシデントデータ54dは、発生したインシデントを管理するデータであって、発生したインシデントごとに採番された識別情報、インシデントの種別、インシデントの状況などの情報を有するデータである。
【0058】
出力データ54eは、インシデントに関連付けられた処理結果であって、出力先データ54f、指示テキストデータ54g、音声出力データ54h、画像出力データ54i、特定顔特徴データ54j及び手順データ54kなどを含む。出力先データ54fは、指示テキストデータ54g、音声出力データ54h、画像出力データ54i、特定顔特徴データ54j及び手順データ54kなどの処理結果を送信する宛先に係る情報である。例えば、ブラックリスト検索のインシデントの場合に、ブラックリスト検索の処理結果を送信する宛先は、通常であれば顔画像を取得したウェアラブルカメラ10を装着する警備員であるが、例えば警備員からの応援要請などのインシデントの場合には、出動指示の対象となる警備員になる。
【0059】
指示テキストデータ54gは、警備員に対する出力データであり、受け付けた携帯端末装置40は、受け付けた指示テキストデータ54gをウェアラブルカメラ10のディスプレイ12に文字情報として表示したり、音声データに変換してイヤホン14に出力する。音声出力データ54hは、警備員に対する出力データであり、受け付けた携帯端末装置40は、受け付けた音声出力データ54hをイヤホン14に出力する。画像出力データ54iは、警備員に対する出力データであり、受け付けた携帯端末装置40は、受け付けた画像出力データ54iをウェアラブルカメラ10のディスプレイ12に出力する。
【0060】
特定顔特徴データ54jは、ブラックリスト検索などのインシデントの処理結果として出力されるデータであり、検索されたブラックリストの人物に対応する顔の特徴データなどの情報を含むデータである。該特定顔特徴データ54jが携帯端末装置40に送信されると、携帯端末装置40は受け付けた特定顔特徴データ54jを特定顔特徴データ47aに追加登録する。
【0061】
手順データ54kは、インシデントの処理結果として、警備員が行うべき対処の手順の情報であって、該手順データ54kが携帯端末装置40に送信されると、携帯端末装置40は受け付けた手順データ54kを手順データ47bに記憶して、手順のナビゲーションを行う。
【0062】
ブラックリストDB54mは、要注意人物の顔画像の特徴データ及び該要注意人物に係る情報を含んだデータベースであり、ブラックリスト検索のインシデントに応じた処理で使用するDBである。また、手順DB54nは、警備員の行う処置の手順を格納したDBであり、インシデントの処理結果として手順データ54kを出力する場合には当該手順DB54nから対応する手順を選択して手順データ54kに出力する。
【0063】
制御部55は、コントロールセンタサーバ50全体を制御する制御部であり、データ収集・蓄積処理部55a、収集データ監視部55b、警備員データ管理部55c、端末制御部55d、個別処理部55e及び出力処理部55hを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、対応するプロセスを実行させることになる。
【0064】
データ収集・蓄積処理部55aは、携帯端末装置40から警備員の装備である各種装置で取得した各種データを受信して収集データ54aに蓄積する。
【0065】
収集データ監視部55bは、携帯端末装置40から警備員の装着する各種情報取得装置で取得した各種情報を監視して各種インシデントの発生を検知する処理部である。収集データ監視部55bと、携帯端末装置40の収集データ解析部48bとは同じデータに基づいてインシデントの検知を行うことも可能であるが、重複した処理を行うものではなく、データの発生頻度及びデータの解析に必要な情報などによって、携帯端末装置40とコントロールセンタサーバ50に適切に機能配分される。
【0066】
警備員データ管理部55cは、警備員データ54bの警備員のリアルタイムの状況を管理する。例えば、警備員の携行する環境情報センサ23から位置情報を受け付けて、警備員データ54bの有する警備員の位置情報を更新したり、警備員に関連付けて発生しているインシデントの情報などを、リアルタイムで更新する。
【0067】
端末制御部55dは、コントロールセンタに設置されるコントロールセンタ端末62のインシデントに対する割当及び解放を行う。また、端末制御部55dは、コントロールセンタ端末62をインシデントに割り当てたならば、割り当てたコントロールセンタ端末62と該インシデントに対応する携帯端末装置40との間のデータ通信を中継し、該コントロールセンタ端末62を操作するオペレータと警備員がコミュニケーションできる状態を作る。
【0068】
個別処理部55eは、インシデントの種別に応じた個別の処理を行って出力データ54eを処理結果として出力する。個別処理部55eは、インシデントの種別ごとの処理部であるブラックリスト検索部55f及び無線通信装置設定部55gなどを含む。
【0069】
ブラックリスト検索部55fは、ウェアラブルカメラ10で取得した画像データに含まれる人物がブラックリストに含まれる人物でないかを確認するブラックリスト検索というインシデントに対する処理部で、ウェアラブルカメラ10で取得した画像データ含まれる人物の顔画像を用いて、ブラックリストDB54mの情報とをマッチングして、その処理結果として指示テキストデータ54g、音声出力データ54h、画像出力データ54i、特定顔特徴データ54j及び手順データ54kなどのデータを出力する。
【0070】
無線通信装置設定部55gは、例えば、無線アクセスポイント設定というインシデントに対する処理部であって、処理結果として無線通信装置30のネットワーク名の公開又は非公開や暗号化キーなどに係る設定変更情報を出力する。
【0071】
出力処理部55hは、発生したインシデントに対して個別処理部55eの出力した出力データ54eを、出力データ54eに含まれる出力先データ54fが示す出力先に送信する処理部である。
【0072】
次に、
図5に示したコントロールセンタサーバ50の本実施例に係るデータ構成について
図6及び
図7を用いて説明する。
【0073】
図6の収集データ54aは、データを収集した日時、データを取得した装置を装着又は携行する警備員の識別情報、収集したデータの種類を示すデータ区分及び取得したデータをレコードの保有項目とするデータである。データ区分は、コード化されたデータであって、「01」はウェアラブルカメラ10のカメラ11で取得したデータであることを示し、「02」はウェアラブルカメラ10のマイク13で取得したデータであることを示し、「03」はモーションセンサ21で取得したデータであることを示し、「04」は生体情報センサ22で取得したデータであることを示し、「05」は環境情報センサ23で取得したデータであることを示し、「81」は監視カメラ92で取得したデータであることを示し、「90」は携帯端末装置40によって警備員が装着する各種情報取得装置で取得した情報を解析した結果のデータであることを示す。また、取得データは、データ区分に応じたデータ形式を有する。
【0074】
図6の収集データ54aの例は、日時が「2014/4/10 15:00」に、警備員識別情報が「05015」の警備員の装着するウェアラブルカメラ10のカメラ11で取得したデータが記録されていることを示している。
【0075】
図6の警備員データ54bは、警備員の識別情報と、警備員のリアルタイムの状況を示す警備員状況と、警備員の属性情報等をレコードの保有項目とするデータである。警備員状況は、警備員にアサインされている任務を識別する任務番号と、警備員に関連付けられて処理中のインシデント番号と、警備員の環境情報センサ23から受け付けた位置情報と、警備員の携行する携帯端末装置40の通信アドレスなどを含む。また警備員の属性情報は、性別及び保有スキルなどの情報を含む。
【0076】
図6の警備員データ54bの例は、警備員識別情報が「12345」に対応する警備員は、任務番号「123」に対する任務がアサインされていて、当該警備員に対応する「12301234」のインシデントの処理中であり、性別が「M」で男性であることを示している。
【0077】
図6の端末管理データ54cは、コントロールセンタ端末62を識別可能な端末識別番号に関連付けられた、端末識別番号に対するコントロールセンタ端末62のステータスと、関連するインシデント番号などをレコードの保有項目とするデータである。ステータスは、コード化されたデータであって、「0」はいずれのインシデントにもアサインされていないことを示し、「1」はいずれかのインシデントにアサインされていることを示す。
図6の端末管理データ54cの例は、端末識別番号「011」のコントロールセンタ端末62は、ステータスが「1」でありインシデントにアサインされていて、アサインされているインシデント番号が「1010251」であることを示している。
【0078】
図6のインシデントデータ54dは、インシデントの発生日時、発生したインシデントを識別するインシデント番号、発生したインシデントの種別、インシデントのステータス及び発生したインシデントに対応する警備員の識別情報などをレコードの保有項目とするデータである。インシデントステータスは、コード化されたデータであって、「00」はインシデント判定中であることを示し、「01」はで処理結果を送信する宛先を決定済であることを示し、「02」はで処理結果を送信済みであることを示し、「90」は当該インシデントの対応が完了していることを示す。
【0079】
図6のインシデントデータ54dの例は、発生日時が「2014/4/10 17:30」のインシデントは、インシデント番号が「12301234」で、インシデント種別が「201」で、インシデントステータスが「01」で処理結果を送信する宛先を決定済であり、インシデントに対応する警備員の識別情報が「12345」であることを示している。
【0080】
図6に示した出力データ54eは、出力先データ54f、指示テキストデータ54g、音声出力データ54h、画像出力データ54i、特定顔特徴データ54j及び手順データ54kの共通のデータ形式であって、対応するインシデントのインシデント番号と、該インシデント番号に対して複数の出力データ54eが出力される場合にこれを識別するためのインシデント枝番号と、データ区分と、区分別のデータとをレコードの保有項目とするデータである。データ区分は、コード化されたデータであって、「01」は区分別データに含まれるデータが出力先データ54fであることを示し、「02」は区分別データに含まれるデータが指示テキストデータ54gであることを示し、「03」は区分別データに含まれるデータが音声出力データ54hであることを示し、「04」は区分別データに含まれるデータが画像出力データ54iであることを示している。
【0081】
図6の出力データ54eの例は、インシデント番号が「12301234」で、インシデント枝番号が「001」に対応するデータは、データ区分が「01」であり出力先データ54fを区分別データとして有していることを示している。
【0082】
図7のブラックリストDB54mは、
図4に示した携帯端末装置40の特定顔特徴データ47aの構造に同じである。また、
図7の手順DB54nは、
図4の携帯端末装置40の手順データ47bに対して、一連の手順が関連付けられる手順識別番号がレコード項目に追加になったデータである。
図4に示した手順データ47bは、複数の手順が格納された手順DB54nからいずれか一つの手順を選択して取り出したデータである。
【0083】
次に、コントロールセンタサーバ50が携帯端末装置40からの情報を受け付けたときの処理手順を説明する。
図8は、コントロールセンタサーバ50が携帯端末装置40からの情報を受け付けたときの処理手順を示すフローチャートである。
【0084】
データ収集・蓄積処理部55aは、携帯端末装置40から警備員の装着する各種情報取得装置で取得した各種情報に基づいて検地したインシデントの通報を受け付けたならば、受け付けた情報を収集データ54aに登録する(ステップS101)。
【0085】
ステップS101で受け付けた情報がインシデントの通報ではない場合(ステップS102;No)には、収集データ監視部55bは、受け付けたデータを解析することによってインシデントの発生有無及びインシデントの種別の判定を行う(ステップS103)。また、ステップS101で受け付けた情報がインシデントの通報の場合(ステップS102;Yes)には、データ収集・蓄積処理部55aは、受け付けたインシデントの通報の内容を、インシデントデータ54dに登録して(ステップS104)、ステップS112に移行する。
【0086】
ステップS103の判定処理でインシデントではないと判定された場合(ステップS105;Yes)には、処理を終了する。また、ステップS103の判定処理でインシデントであると判定された場合(ステップS105;No)には、収集データ監視部55bは、ステップS103の処理の判定結果をインシデントデータ54dに登録する(ステップS106)。また、ステップ
S107の判定処理でインシデント種別も判定されている場合(ステップS107;Yes)には、ステップS112に移行する。
【0087】
ステップ
S107の判定処理でインシデント種別が判定されていない場合(ステップS107;No)には、端末制御部55dは、コントロールセンタ端末62の割当を行い割り当てたコントロールセンタ端末62とインシデントに対応する携帯端末装置40と接続して、コントロールセンタ端末62を操作するオペレータと警備員がコミュニケーションできる状態を作る(ステップS108)。
【0088】
ステップS108の処理の結果として、コントロールセンタ端末62からインシデント種別を受け付けたならば(ステップS109;Yes)、端末制御部55dは、受け付けたインシデント種別をインシデントデータ54dに登録する(ステップS110)。また、ステップS108の処理の結果として、コントロールセンタ端末62からインシデントに対する対応が終了した旨を受け付けたならば(ステップS109;No)
、端末制御部55dは、対応するインシデントデータ54dのインシデントステータスを「90」の対応完了に更新して(ステップS111)、処理を終了する。
【0089】
インシデント種別が決定したならば、個別処理部55eはインシデント種別に応じた処理を実行する。具体的には、個別処理部55eは、インシデント種別に応じた処理を実行し、該処理結果を出力データ54eに出力し(ステップS112)、該処理結果を送信する宛先を決定して出力データ54eの出力先データ54fに出力する(ステップS113)。
【0090】
出力処理部55hは、出力データ54eに従って処理結果を警備員の携行する携帯端末装置40に送信し(ステップS114)、処理結果を送信することによって処理終了となるインシデントについては(ステップS115;Yes)、インシデントデータ54dの対応するレコードのインシデントステータスを「90」の対応完了に更新して(ステップS116)、処理を終了する。また、処理結果を送信することによってインシデントに対する処理が終了とはならないインシデントについては(ステップS115;No)、ステップS116のインシデントクローズ処理は行わずに処理を終了する。
【0091】
次に、
図8に示した受付データ解析処理(ステップS103)におけるブラックリスト検索のインシデント検知処理の処理手順について、
図9に示したフローチャートを用いて説明する。
【0092】
受け付けた情報が画像データの場合(ステップS201;Yes)には、収集データ監視部55bは、受け付けた画像データを解析して、画像に含まれる人物を検知する(ステップS202)。また、収集データ監視部55bは、ステップS202で検知した人物ごとに特徴を判別し、ステップS202で検出した人物ごとの特徴の情報を画像データの受信時刻とともに記憶する(ステップS203)。収集データ監視部55bは、画像データ受付の都度ステップS202及びステップS203で行われた処理により時系列に蓄積された検出された人物ごとの特徴の情報に基づいて、最後に画像データを受信した時刻から所定の時間の範囲の画像に同じ特徴を有する同一人物が出現する割合である出現率を人物ごとに算出する(ステップS204)。
【0093】
ステップS204において算出された人物ごとの出現率が所定値以上の人物がいて(ステップS205;Yes)、その時点の警備員が装着した生体情報センサ22により取得した心拍数に他の時点に比べて有意な変化が認められた場合(ステップS206;Yes)に、収集データ監視部55bは、警備員が出現率の高い人物に対して特別な注意を払っていると判定し、当該人物がブラックリストに含まれている人物か否かの検索を行うというブラックリスト検索のインシデントと判定して(ステップS207)、処理を終了する。
【0094】
ステップS204において算出された人物ごとの出現率が所定値以上の人物がいない場合(ステップS205;No)や、ステップS204において算出された人物ごとの出現率が所定値以上の人物がいる場合(ステップS205;Yes)であっても、その時点の警備員が装着した生体情報センサ22により取得した心拍数に他の時点に比べて有意な変化が認められない場合(ステップS206;No)には、ステップS207の処理は行わずに処理を終了する。また、受け付けた情報が画像データでない場合(ステップS201;No)にも、処理を終了する。
【0095】
図9で示した警備員が特定の人物に対して特別な注意を払っていることの判定基準は一例であり、例えば警備員の視線を検知するようなセンサを警備員に装着させて、該視線の動きを解析することによって判定するようにしてもよい。
【0096】
次に、
図8に示した出力データ生成処理(ステップS112)におけるブラックリスト検索処理の処理手順について、
図10に示したフローチャートを用いて説明する。
【0097】
ブラックリスト検索部55fは、受け付けた画像データから評価対象の人物の顔画像を抽出して(ステップS301)、抽出した顔画像に基づいて顔の特徴データを算出する(ステップS302)。ブラックリスト検索部55fは、ステップS302で算出した評価対象の人物の顔の特徴データと、ブラックリストDB54mに含まれる人物の顔の特徴データとの類似性の評価を行い、類似性が高いと判定される人物がブラックリストDBに存在するか否かの検索処理を行う(ステップS303)。
【0098】
ステップS303のブラックリストDB54mの検索処理において、類似性が高い人物がブラックリストDB54mに存在する場合(ステップS304;Yes)には、ブラックリスト検索部55fは、類似性が高いと判定されたブラックリストDB54mの人物に係る情報を特定顔特徴データ54jとして出力し(ステップS305)、ブラックリストDB54mに含まれる人物と類似性の高い人物が検知された場合の警備員の対処手順として、手順データ54kを出力して(ステップS306)、処理を終了する。
【0099】
ステップS303のブラックリストDB54mの検索処理において、類似性が高い人物がブラックリストDB54mに存在しない場合(ステップS304;No)には、ステップS305及びステップS306の処理をスキップして、処理を終了する。
【0100】
次に、
図2に示した携帯端末装置40における手順情報を受け付けた場合の警備員に対する手順のガイド処理の処理手順について、
図11に示したフローチャートを用いて説明する。
【0101】
手順ガイド部48kは、コントロールセンタサーバ50から手順データ54kを受け付けたならば、受け付けた手順データ54kを手順データ47bとして記憶するとともに、手順データ47bに従って手順のガイドを行うか否かの確認の処理を行う(ステップS401)。ステップS401のガイド確認処理において、ガイドの指示が必要との警備員の応答を受け付けたならば(ステップS402;Yes)、手順ガイド部48kは、手順データ47bの中で未出力の手順指示データの中で手順番号が最も小さい手順指示データを、データ区分に応じた出力先に出力する(ステップS403)。
【0102】
ステップS403で出力した指示手順データに対する手順が終了したことを示す警備員の応答を受け付けて(ステップS404;Yes)、未出力の手順指示データがない場合(ステップS405;Yes)には、手順ガイド部48kは、手順データ47bに従った手順のガイドが終了である旨をウェアラブルカメラ10のイヤホン14などに出力して(ステップS406)、処理を終了する。
【0103】
ステップS403で出力した手順指示データに対する手順が終了したことを示す警備員の応答を受け付けていない場合(ステップS404;No)には、ステップS404に戻ることにより警備員の応答の待ち合わせを行う。また、未出力の手順指示データがある場合(ステップS405;No)には、ステップS403に移行することにより、次の手順番号に対する出力処理に移行する。また、ステップS401のガイド確認処理において、ガイドの指示が不要との警備員の応答を受け付けたならば(ステップS402;No)、手順データ47bに基づく手順のガイド処理は行わずに処理を終了する。
【0104】
上述してきたように、警備員の装着するウェアラブルカメラ10、モーションセンサ21、生体情報センサ22及び環境情報センサ23などの各種情報取得装置が取得した情報に基づいて、警備員が人又は物に対する通常時とは異なる特別な注意を向けていることを検知して、警備員が特別な注意を向けた対象の人又は物が警戒すべき対象か否かの判定を行い、該判定結果及び該判定結果に応じた対処手順を警備員に通知するよう構成したので、撮像装置やセンサ等の情報取得装置の設置数が不十分な状況において効率的な警備を実現することができる。
【0105】
なお、本実施例では、警備員の装着する各種情報取得装置で取得した情報を受け付けたコントロールセンタサーバ50において、受け付けた各種情報取得装置で取得した情報に基づいて、警備員が人又は物に対する特別な注意を向けていることを検知し、警備員が特別な注意を向けた人又は物が警戒すべき対象か否かの判定を行うことを説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、携帯端末装置40で警備員の装着する各種情報取得装置で取得した情報に基づいて、警備員が人又は物に対する特別な注意を向けていることを検知するようにしてもよい。また、警備員が特別な注意を向けた人又は物が警戒すべき対象か否かの判定についてのみ、コントロールセンタサーバ50などの他の装置で実施するようにしてもよいし、場合によっては警備員が特別な注意を向けた人又は物が警戒すべき対象か否かの判定も携帯端末装置40で行うようにしてもうよい。
【0106】
また、本実施例で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。