(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6689570
(24)【登録日】2020年4月10日
(45)【発行日】2020年4月28日
(54)【発明の名称】間接照明装置
(51)【国際特許分類】
B60Q 3/41 20170101AFI20200421BHJP
F21V 7/09 20060101ALI20200421BHJP
F21V 7/00 20060101ALI20200421BHJP
F21S 8/04 20060101ALI20200421BHJP
F21S 10/02 20060101ALI20200421BHJP
B61D 29/00 20060101ALI20200421BHJP
B60R 13/02 20060101ALN20200421BHJP
F21W 106/00 20180101ALN20200421BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20200421BHJP
【FI】
B60Q3/41
F21V7/09 500
F21V7/00 350
F21S8/04 220
F21S8/04 100
F21S10/02 100
B61D29/00
!B60R13/02 A
F21W106:00
F21Y115:10
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-36832(P2015-36832)
(22)【出願日】2015年2月26日
(65)【公開番号】特開2016-162480(P2016-162480A)
(43)【公開日】2016年9月5日
【審査請求日】2018年2月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】390010054
【氏名又は名称】コイト電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(72)【発明者】
【氏名】小島 周平
【審査官】
當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−126482(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0237585(US,A1)
【文献】
特開2003−025909(JP,A)
【文献】
特開2001−138808(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 3/41
B61D 29/00
F21S 8/04
F21S 10/02
F21V 7/00
F21V 7/09
B60R 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の室内に設けられる間接照明装置であって、
前記室内の天井面を構成する複数の天井部材と、
前記天井部材の裏側に設けられて光を照射する光源と、を備え、
前記複数の天井部材は、それぞれ車両前後方向に沿って長尺に形成されるとともに、互いに車両幅方向に並設され、隣り合う一方の天井部材の端縁が他方の天井部材の上方に隙間を介して重なり、
前記隙間を通過した前記光源からの光が前記一方の天井部材の室内面で反射され、
3つ以上の前記天井部材を組みとした天井部材組が車両幅方向の中心軸を挟んで左右対称の一対で設けられていることを特徴とする間接照明装置。
【請求項2】
前記複数の天井部材は、それぞれ車両幅方向の中間部が下方に凸となる曲面状の室内面を有して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の間接照明装置。
【請求項3】
前記天井部材組の各々において、前記一方の天井部材が前記他方の天井部材よりも車両幅方向の外側に位置して設けられ、
前記光源は、前記天井部材の裏側において車両幅方向の中央側に一対で設けられて車両幅方向の外側に向かって光を照射することを特徴とする請求項1又は2に記載の間接照明装置。
【請求項4】
前記天井部材組の各々において、前記一方の天井部材が前記他方の天井部材よりも車両幅方向の中央側に位置して設けられ、
前記光源は、前記天井部材の裏側において車両幅方向の外側に一対で設けられて車両幅方向の中央側に向かって光を照射することを特徴とする請求項1又は2に記載の間接照明装置。
【請求項5】
前記複数の天井部材の室内面に向かって側方から光を照射する第二光源をさらに備え、
前記光源と前記第二光源とは、互いに照射する光の色が相違していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の間接照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の室内に設けられる間接照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄道車両等の室内に設けられる照明装置として、蛍光管やLED等の光源からの光を反射面に反射させ、この反射光(間接光)によって室内を照らす間接照明方式のものが知られている。このような間接照明装置として、車両の天井に取り付けられるケーシングと、このケーシング内部に設けられたLED光源と、このLED光源からの光を反射する反射面と、を備えたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の間接照明装置において、反射面は、ケーシングの側方に円弧状に延びて先端部が下方に湾曲した湾曲部の内面(下面)に設けられ、光反射効率が高くなる表面処理(白色塗装や、鏡面加工)が施されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−49263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたような従来の間接照明装置は、光源からの光を凹面状の反射面に照射し、この反射面の全面で光を反射させて室内を照らすように構成されている。すなわち、反射面に光反射効率が高くなる表面処理を施すことからも明らかなように、従来の間接照明装置は、湾曲部の内面が凹面鏡として機能し、照明の輝度を高めて室内を明るく照らすことを意図して設計されている。このため、室内側から見上げた場合に、照明装置の湾曲部の内面が高輝度で発光しているように視認され、乗客が眩しさを感じることがあるとともに、周辺の天井面との明るさのコントラストが大きくなって、天井面全体の一体的な美観を高めることが困難である。
【0005】
したがって、本発明は、眩しさを低減するとともに天井面の美観を高めることができる間接照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明の間接照明装置は、車両の室内に設けられる間接照明装置であって、前記室内の天井面を構成する複数の天井部材と、前記天井部材の裏側に設けられて光を照射する光源と、を備え、前記複数の天井部材は、それぞれ車両前後方向に沿って長尺に形成されるとともに、互いに車両幅方向に並設され、隣り合う一方の天井部材の端縁が他方の天井部材の上方に隙間を介して重なり、前記隙間を通過した前記光源からの光が前記一方の天井部材の室内面で反射され
、3つ以上の前記天井部材を組みとした天井部材組が車両幅方向の中心軸を挟んで左右対称の一対で設けられていることを特徴とする。
【0007】
このような発明によれば、天井部材の裏側に光源が設けられ、この光源から照射された光が並設される天井部材同士の隙間を通過し、一方の天井部材の室内面に反射することで、室内を照らす間接照明光が得られる。従って、上下に重なる天井部材同士の隙間を通過させ、一方の天井部材の室内面に側方から照射して室内側に反射させることで、光源からの光を弱めつつ室内を照らすことができ、天井面を見上げたときの眩しさを低減させることができる。さらに、車両前後方向に延びる天井部材の隙間を通過した光が車両前後方向に沿った線状になるとともに、天井部材の室内面に反射することで間接照明光の明るさのコントラストが抑制されるので、天井面の美観を高めることができる。
【0008】
この際、本発明の間接照明装置では、前記複数の天井部材は、それぞれ車両幅方向の中間部が下方に凸となる曲面状の室内面を有して形成されていることが好ましい。
【0009】
この構成によれば、車両幅方向の中間部が下方に凸となる曲面状の室内面を有して天井部材が形成されていることで、天井部材同士の隙間を通過した光が凸面となる室内面に反射することとなり、反射光の反射方向を拡散させて柔らかい間接照明光を生成することができる。
【0010】
この際、本発明の間接照明装置では、
前記天井部材組の各々において、前記一方の天井部材が前記他方の天井部材よりも車両幅方向の外側に位置して設けられ、前記光源は、前記天井部材の裏側において車両幅方向の中央側に一対で設けられて車両幅方向の外側に向かって光を照射することが好ましい。
【0011】
この構成によれば、
一対の天井部材組
の各々において、一方の天井部材が他方の天井部材よりも車両幅方向の外側に位置して設けられているので、それらの隙間は車両幅方向の外側に向いて開口することになる。この隙間に向かって光源からの光を照射することで、車両幅方向の外側に反射する間接照明光を生成することができる。
【0012】
一方、本発明の間接照明装置では、
前記天井部材組の各々において、前記一方の天井部材が前記他方の天井部材よりも車両幅方向の中央側に位置して設けられ、前記光源は、前記天井部材の裏側において車両幅方向の外側に一対で設けられて車両幅方向の中央側に向かって光を照射してもよい。
【0013】
この構成によれば、
一対の天井部材組
の各々において、一方の天井部材が他方の天井部材よりも車両幅方向の中央側に位置して設けられているので、それらの隙間は車両幅方向の中央側に向いて開口することになる。この隙間に向かって光源からの光を照射することで、車両幅方向の中央側に反射する間接照明光を生成することができる。
【0014】
また、本発明の間接照明装置では、前記複数の天井部材の室内面に向かって側方から光を照射する第二光源をさらに備え、前記光源と前記第二光源とは、互いに照射する光の色が相違していることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、複数の天井部材の室内面に向かって側方から光を照射する第二光源を備えることで、前述した隙間を通過した光による間接照明光に加えて、第二光源からの光による第二の間接照明光を生成することができ、照明光の明るさを調整することができる。また、光源と第二光源とが互いに色が相違した光を照射することで、色の異なる二種の間接照明光を生成することができ、天井面の美観をさらに高めることができる。
【発明の効果】
【0016】
以上のような本発明の間接照明装置によれば、天井部材同士の隙間を通した光を天井部材の室内面に反射させることで、反射光の眩しさを低減させることができるとともに、反射光のコントラストが抑制されることによって天井面の美観を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係る間接照明装置が設けられた車両の一部を断面して示す斜視図である。
【
図2】前記車両における天井部分を断面して示す斜視図である。
【
図3】前記車両の天井及び内壁を示す縦断面図である。
【
図4】前記車両の天井における間接照明装置の作用を説明する断面図及び平面図である。
【
図5】前記車両の天井における間接照明装置の他の作用を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態として、鉄道車両の客室内照明として利用される間接照明装置を、
図1〜
図5に基づいて説明する。
図1、2は、鉄道車両の一部としての客室の内装材を断面して示す斜視図であり、鉄道車両の外殻体や構造材等は省略されている。なお、以下、各図において、鉄道車両の進行方向である車両前後方向をX方向として矢印Xで示し、X方向と直交する車両幅方向をY方向として矢印Yで示し、X方向及びY方向と直交する高さ方向をZ方向として矢印Zで示す。また、
図1〜
図5の各図は、X方向に直交するY−Z平面で鉄道車両を断面した断面図である。
【0019】
客室の内装材としては、床部Fと、床部Fから立ち上がる左右の内壁部Wと、各内壁部Wの上端部に連続してY方向内方に弧状に延びる肩部Sと、左右の肩部Sに亘って設けられる天井部Cと、によって四方が囲まれた全体筒状に形成されている。また、左右の肩部Sの室内側下方には、各肩部Sに対向して空間P1を形成する対向板Pが設けられている。天井部Cは、Y方向中央部に設けられる第1天井パネルC1と、この第1天井パネルC1の左右に並設される一対の天井部材組CAと、を有して構成されている。
【0020】
左右一対の天井部材組CAは、それぞれ4枚ずつの天井部材としての第2〜5天井パネルC2〜C5を有して構成されている。具体的には、第1天井パネルC1のY方向外側に第2天井パネルC2が設けられ、この第2天井パネルC2のY方向外側に第3天井パネルC3が設けられ、この第3天井パネルC3のY方向外側に第4天井パネルC4が設けられ、この第4天井パネルC4のY方向外側に第5天井パネルC5が設けられ、この第5天井パネルC5のY方向外側端縁が肩部Sに連続して設けられている。すなわち、左右一対の天井部材組CAにおいて、第2天井パネルC2同士、第3天井パネルC3同士、第4天井パネルC4同士、および第5天井パネルC5同士、がそれぞれ車両幅方向の中心軸を挟んで左右対称の一対で設けられている。
【0021】
また、第2天井パネルC2のY方向内端縁は、第1天井パネルC1のY方向外端縁の上方に隙間を介して重なって設けられ、第3天井パネルC3のY方向内端縁は、第2天井パネルC2のY方向外端縁の上方に隙間を介して重なって設けられ、第4天井パネルC4のY方向内端縁は、第3天井パネルC3のY方向外端縁の上方に隙間を介して重なって設けられ、第5天井パネルC5のY方向内端縁は、第4天井パネルC4のY方向外端縁の上方に隙間を介して重なって設けられている。なお、各天井パネルC2〜C5において、それぞれの車両幅方向(Y方向)外側を一方側とし、車両幅方向(Y方向)中央側を他方側として規定し、以下ではY方向外端縁を一方側端縁、Y方向内端縁を他方側端縁と称することがある。
【0022】
第1天井パネルC1及び第2〜5天井パネルC2〜C5は、それぞれ鋼板やアルミ板、樹脂板などから形成され、その表面には塗装やメッキ、フィルムなどによる仕上げが施されている。これらの天井パネルC1〜C5の表面仕上げとしては、光沢度が小さいくすんだ金属色であり、梨地やヘアライン等の凹凸を有して光を乱反射させるものが好ましい。また、天井パネルC1〜C5は、それぞれ車両前後方向(X方向)に沿って長尺であるとともに、車両幅方向(Y方向)の中間部が下方に凸となる曲面状に形成されている。
【0023】
以上のような鉄道車両の客室において、本実施形態に係る間接照明装置としては、第1間接照明1、第2間接照明2、及び第3間接照明3、の3形態のものが設けられている。第1間接照明1は、肩部Sと対向板Pとの空間P1に設けられて天井パネルC1〜C5に車両幅方向の外側から内側に光を照射する第1光源(第二光源)1Aを備える。第2間接照明2は、第1天井パネルC1の裏側の空間CBに設けられて天井パネルC1〜C5のスリット(隙間)に車両幅方向の中央側から外側に光を照射する第2光源(光源)2Aを備える。第3間接照明3は、肩部Sと対向板Pとの空間P1に設けられて内壁部Wに上側から光を照射する第3光源3Aを備えて構成されている。
【0024】
第1光源1Aは、例えば、複数の白色LEDが車両前後方向及び高さ方向に並んで設けられ、これらのLEDからの光を平行光として出射可能なものである。この第1光源1Aから出射された出射光L1は、肩部Sと対向板Pとの隙間を通ってY方向内側かつ斜め上方に照射されるようになっている。第2光源2Aは、例えば、発光色を切り替え可能な複数のLEDが車両前後方向に並んで設けられ、これらのLEDからの光を放射光として出射可能なものである。この第2光源2Aから出射された出射光L2は、天井パネルC1〜C5の背面に向かってY方向外側かつ斜め下方に照射されるようになっている。
【0025】
第3光源3Aは、例えば、複数の白色LEDが車両前後方向に並んで設けられ、これらのLEDからの光を放射光として出射可能なものである。この第2光源3Aから出射された出射光L3は、肩部Sと対向板Pとの隙間を通ってY方向外側かつ斜め下方に照射され、内壁部Wの表面で反射されて客室内を照らすようになっている。すなわち、第3間接照明3は、鉄道車両の客室における側壁上部の照明として機能し、内壁部Wの表面で反射した反射光が拡散されて客室内の側部空間(座席周辺)を照らすようになっている。
【0026】
第1間接照明1は、第1光源1Aから出射された出射光L1が天井パネルC1〜C5に照射され、これらの天井パネルC1〜C5で反射された反射光が客室内を照らす天井照明として機能する。この第1間接照明1の作用に関し、
図4を参照して具体的に説明する。なお、
図4には、天井パネルC1〜C5のうち、隣り合う2つの天井パネルC3,C4が例示されているが、他の天井パネルC1,C2,C5も略同様の構成及び作用を有している。このため、以下では、天井パネルC3,C4に基づいて第1間接照明1の作用を説明する。
【0027】
互いに隣り合う天井パネルC3,C4は、車両幅方向(Y方向)の中間部が下方に凸となる曲面状に形成され、Y方向一方側(
図4の右側)に位置する第1光源1Aからの出射光L1が天井パネルC3,C4の下面(室内面)に側方から照射される。天井パネルC3,C4の室内面は、Y方向の外側(車両幅方向の一方側)に位置して第1光源1Aからの出射光L1を反射する反射面部1Bと、この反射面部1BよりもY方向の内側(車両幅方向の他方側)に位置して第1光源1Aからの出射光L1が直接照射されない非照射面部1Cと、を有して構成されている。すなわち、天井パネルC3,C4の室内面のうち、出射光L1と接線方向が平行となる位置を境界線1Dとして、この境界線1Dよりも第1光源1Aに近い側が反射面部1Bとなり、境界線1Dよりも第1光源1Aから離れた側が非照射面部1Cとなっている。
【0028】
天井パネルC3,C4の反射面部1Bにおいて、その外側端縁近傍には、車両幅方向の中間部における曲率と方向が同じでより大きな曲率を有した大曲率部1Eが設けられている。具体的には、天井パネルC3,C4は、そのY方向の外側端縁が上方に小さな半径で曲げられており、この曲げ上げられた部分によって大曲率部1Eが構成されている。この大曲率部1Eは、天井パネルC3,C4の端縁に向かうにしたがって鉛直上方に曲げられており、従って、大曲率部1Eにおける出射光L1との交差角度は、それ以外の反射面部1Bにおける交差角度よりも大きくなっている。
【0029】
また、Y方向の外側(車両幅方向の一方側)に位置する天井パネルC4の非照射面部1Cにおいて、その内側端縁は、Y方向の内側(車両幅方向の他方側)に位置する天井パネルC3の外側端縁である大曲率部1Eの上方に重なって設けられている。すなわち、天井パネルC4の内側端縁と、天井パネルC3の外側端縁と、の間には、Z方向に細く形成されるとともにX方向に長く延びたスリット(隙間)2B(
図5参照)が形成されている。なお、天井パネルC3,C4の場合と同様に、天井パネルC2の内側端縁と、天井パネルC1の外側端縁と、の間にもスリット2B(
図5参照)が形成されている。
【0030】
天井パネルC3,C4に向かって第1光源1Aから出射された出射光L1は、
図4(A)に示すように、反射面部1Bに照射される。この出射光L1は、
図4(B)に示すように、反射面部1Bで反射、拡散され客室内を照らすこととなる。一方、出射光L1は、非照射面部1Cには照射されず、この非照射面部1Cで出射光L1が反射されることはない。このような天井パネルC3,C4の室内面は、
図4(C)に示すように、反射面部1Bが明るく光って視認され、非照射面部1Cは暗く見える。さらに、反射面部1Bのうち、大曲率部1Eは特に明るく光り、この大曲率部1Eから境界線1Dに向かって徐々に輝度が低下するように光る。
【0031】
以上の第1間接照明1によれば、第2〜5天井パネルC2〜C5の各反射面部1Bに反射した反射光によって客室内を照らすことができる。従って、第1天井パネルC1の左右に位置する一対の天井部材組CAにおいて、それぞれ4本の帯状の反射光が車両前後方向に延びる照明光が得られる。この際、各天井パネルC2〜C5の反射面部1Bの反射光の輝度がY方向外側から内側に向かって低下し、非照射面部1Cが暗く視認されることから、車両幅方向に輝度がグラデーション状に変化する照明光が得られる。さらに、反射面部1Bのうち、大曲率部1Eが明るく光ることから、車両前後方向に延びる複数の線状の照明光も得られる。
【0032】
次に、第2間接照明2の作用に関し、
図5を参照して具体的に説明する。第2間接照明2は、第2光源2Aから出射された出射光L2が各天井パネルC1〜C5の裏面に照射され、これらの天井パネルC1〜C5間のスリット2Bを介して客室内に漏れ出した光が天井パネルC2〜C5で反射され、この反射光が客室内を照らす天井照明として機能する。第2間接照明2による反射光は、天井パネルC2〜C5のうち、第1間接照明1における第1光源1Aの出射光L1が照射されない非照射面部1Cから客室内に反射される。従って、天井面全体において、第1間接照明1による照明光と第2間接照明2による照明光とを合した照明光が得られることとなる。
【0033】
以上の本実施形態によれば、第2間接照明2において、天井パネルC1〜C5の裏側に設けた第2光源2Aから各天井パネルC1〜C5の裏面に向かって出射光L2を照射し、この光が天井パネルC1〜C5間のスリット2Bを通過し、天井パネルC2〜C5の室内面に反射することで照明光が得られる。従って、上下に重なる天井パネルC1〜C5同士のスリット2Bに光を通過させ、天井パネルC2〜C5の室内面に側方から光を照射して室内側に反射させることで、第2光源2Aからの光を弱めつつ客室内を照らすことができ、天井面を見上げたときの眩しさを低減させることができる。さらに、スリット2Bが車両前後方向に延びて形成されることから、照明光が車両前後方向に沿った複数の線状になるので、天井面の美観を高めることができる。
【0034】
また、天井パネルC1〜C5が下方に凸となる曲面状の室内面を有して形成されていることで、天井パネルC1〜C5間のスリット2Bを通過した光が凸面となる室内面に反射することとなり、反射光の反射方向を拡散させて柔らかい間接照明光を生成することができる。また、天井パネルC2〜C5からなる天井部材組CAが車両幅方向の中心軸を挟んで左右対称の一対で設けられ、これら一対の天井部材組CAにおいて、天井パネルC1〜C5間のスリット2Bが車両幅方向の外側に向かって開口し、車両幅方向の中央側から外側に向かって第2光源2Aからの光を照射することで、車両幅方向の外側に反射する間接照明光を生成することができる。また、車両の中心軸を挟んで左右対称の広い範囲に間接照明光を生成することができるので、客室内各位置での明るさを均一化しつつ、天井面の美観をさらに高めることができる。
【0035】
また、第1間接照明1の第1光源1Aからの出射光L1を天井パネルC1〜C5に向かって側方から照射し、天井パネルC1〜C5の反射面部1Bに反射させて照明光とすることで、第2間接照明2の照明光に加えて、第1間接照明1の照明光を生成することができ、照明光の明るさを調整することができる。また、第1光源1Aと第2光源2Aとが互いに色が相違した光を照射することで、色の異なる二種の間接照明光を生成することができ、天井面の美観をさらに高めることができる。
【0036】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0037】
例えば、
天井部材としては、前記実施形態のように板状の天井パネルC1〜C5で構成されるものに限らず、パネルよりも厚みの大きな部材で構成されていてもよく、その天井部材に適宜な隙間(スリット)が形成されていればよい。
【0038】
また、前記実施形態では、天井パネルC1〜C5間のスリット2Bが車両幅方向の外側に向かって開口し、車両幅方向の中央側から外側に向かって第2光源2Aからの光を照射するように構成されていたが、これに限らず、スリット2Bが車両幅方向の中央側に向かって開口し、車両幅方向の外側から中央側に向かって第2光源2Aからの光を照射するように構成されていてもよい。その場合には、第1間接照明1の第1光源1Aが第1天井パネルC1の裏側に配置され、第1天井パネルC1と第2天井パネルC2との隙間から各天井パネルC2〜C5に向かって光を照射するように構成し、第1間接照明1と第2間接照明2とで互いの光源からの光の照射方向が逆向きとなることが好ましい。
【0039】
また、前記実施形態では、第2間接照明2に加えて第1間接照明1及び第3間接照明3が設けられていたが、第1間接照明1及び第3間接照明3の少なくとも一方は省略可能である。第1間接照明1を省略した場合には、天井パネルC1や対向板Pに他の照明装置を設けてもよい。第3間接照明3を省略した場合には、内壁部Wや肩部Sに他の照明装置を設けてもよい。
【0040】
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施例に関して特に図示され、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施例に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部、もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0041】
1A 第1光源(第二光源)
2 第2間接照明(間接照明装置)
2A 第2光源(光源)
2B スリット(隙間)
C 天井部
C1〜C5 天井パネル(天井部材)