(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記した特許文献1記載の構造では、矩形状装飾部材内にLEDモジュールを組み込むため、作業の手間がかかるという問題があった。また、すべての矩形状装飾部材内にLEDモジュールを組み込むため、コストがかかるという問題があった。
また、単に矩形状装飾部材を配置するだけではなく、例えば看板などの表示体を組み合わせて配置したいという要求もあった。
【0005】
そこで、本発明は、化粧材と表示体とを組み合わせて配置して化粧材への間接照明を行うことができ、かつ、照明を設けるための作業コストや製造原価を低減することができる照明付化粧パネルを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、以下を特徴とする。
【0007】
請求項1記載の発明は、構造物に取り付けた下地材と、前記下地材の上部に固定される上枠材と、前記下地材の下部に固定される下枠材と、前記上枠材と前記下枠材との間に配置されるパネル材と、前記上枠材または前記下枠材の少なくともいずれかに取り付けられる照明ボックスと、を備えた照明付化粧パネルであって、前記照明付化粧パネルの前面側に、
複数の化粧材を配置した化粧領域と、前記化粧材の代わりに表示体を配置した表示領域と、を備え、前記照明ボックスは、前記化粧材を背面側から照らす光源を備え
、前記パネル材の表面には、前記化粧材を固定するための取付金具が設けられ、前記取付金具は、前記化粧材と前記パネル材との間に間隙が形成されるように前記化粧材を支持するとともに、前記複数の化粧材をそれぞれ独立して所定間隔を設けて支持することを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、上記した請求項1に記載の発明の特徴点に加え、前記上枠材または前記下枠材の少なくともいずれかに、前記照明ボックスを取り付けるための凹部が形成され、前記凹部に臨むように、前記上枠材または前記下枠材の少なくともいずれかと前記パネル材との間に間隙部が形成され、前記間隙部を使用して、前記照明ボックスに給電するためのケーブルを配線したことを特徴とする。
【0009】
【0010】
請求項
3に記載の発明は、上記した請求項
1または2に記載の発明の特徴点に加え、前記取付金具は、前記化粧材に固定される化粧取付部と、前記パネル材に固定されるパネル取付部と、パネル取付部と化粧取付部とをつなぐ中間部と、が一体で形成され、前記中間部は、前記パネル材及び地面に対して垂直な板状であることを特徴とする。
【0011】
請求項
4に記載の発明は、上記した請求項1〜
3のいずれかに記載の発明の特徴点に加え、前記照明ボックスは、前記光源の光を透過させる透明又は半透明の透光板を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項
5に記載の発明は、上記した請求項1〜
4のいずれかに記載の発明の特徴点に加え、前記上枠材または前記下枠材の少なくともいずれかを長手方向に複数連結するための連結金具を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項
6に記載の発明は、上記した請求項1〜
5のいずれかに記載の発明の特徴点に加え、前記化粧材は、前記パネル材に直接又は間接に固定される受部と、前記受部の前面に固定される化粧部と、を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項
7に記載の発明は、上記した請求項
6記載の発明の特徴点に加え、前記化粧部は、前記受部に嵌合固定されるものであり、前記化粧部が前記受部から落下することを防止する落下防止手段を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明は上記の通りであり、照明付化粧パネルの前面側に、化粧材を配置した化粧領域と、化粧材の代わりに表示体を配置した表示領域と、を備える。よって、照明付化粧パネルの前面に化粧材と表示体とを組み合わせて配置することができる。また、照明ボックスは、化粧材を背面側から照らす光源を備えるので、化粧材への間接照明を行うことができ、意匠性の良い照明付化粧パネルを提供することができる。しかも、照明ボックスは上枠材または下枠材の少なくともいずれかに取り付けられるので、照明の取り付け作業も容易である。また、化粧材ごとに照明を設ける必要もないので、製造原価も抑制することができる。
【0016】
また、請求項2に記載の発明は上記の通りであり、上枠材または前記下枠材の少なくともいずれかに、照明ボックスを取り付けるための凹部を形成した。このため、照明ボックスが外部から視認しづらくなるので、意匠性が向上する。しかも、凹部に臨むように、上枠材または下枠材の少なくともいずれかとパネル材との間に間隙部が形成され、間隙部を使用して、前記照明ボックスに給電するためのケーブルを配線した。このような構成によれば、ケーブルを通すための穴加工等が不要であるので、作業時間や加工コストを押さえることができる。また、ケーブルが外部に露出することもないので、意匠性が良い。
【0017】
また、請求項
1に記載の発明は上記の通りであり、パネル材の表面には、化粧材を固定するための取付金具が設けられ、取付金具は、化粧材とパネル材との間に間隙が形成されるように化粧材を支持する。このような構成によれば、化粧材がパネル材から浮いた状態となるので、化粧材の裏面から照明の光を当てたときに、できるだけ化粧材で照明を遮らずに光を行き渡らせることができる。これにより、1つの照明ボックスで複数の化粧材の間接照明を行うことができるので、作業コストや製造原価を抑制することができる。
【0018】
また、請求項
3に記載の発明は上記の通りであり、取付金具は、化粧材に固定される化粧取付部と、パネル材に固定されるパネル取付部と、パネル取付部と化粧取付部とをつなぐ中間部と、が一体で形成され、前記中間部は、前記パネル材及び地面に対して垂直な板状である。このような構成によれば、上下の照明ボックスから入ってくる光は、中間部の最小限の板厚でしか遮られないので、影や写りこみが発生しにくい。また、化粧材の裏面の間隙へ光が入り込み、化粧材が光で浮き出るようなデザインとすることができる。
【0019】
また、請求項
4に記載の発明は上記の通りであり、照明ボックスは、光源の光を透過させる透明又は半透明の透光板を備える。このような構成によれば、透光板によって光の調整が可能となる。例えば、透光板を使い分けることにより、構造物の高さ方向への寸法が相違しても化粧材面の照度分布を均等にすることができる。
【0020】
また、請求項
5に記載の発明は上記の通りであり、上枠材または下枠材の少なくともいずれかを長手方向に複数連結するための連結金具を備える。このような構成によれば、照明付化粧パネルの大きさや態様に合わせて、複数の枠材を連結金具で連結して使用することができる。例えば、照明ボックスを収納する枠材と照明ボックスを収納しない枠材とを連結する場合など、異なる形状の枠材を構造物の長手方向へ目違いを生じることなく連結することができる。また、連結金具を設けることで、連結部からの雨水等の侵入を抑制することができる。
【0021】
また、請求項
6に記載の発明は上記の通りであり、化粧材は、パネル材に直接又は間接に固定される受部と、受部の前面に嵌合固定される化粧部と、を備える。このような構成によれば、化粧部と受部が別体のため、化粧部のみを変更して容易にデザインの変更が行える。また、化粧部のみを変更すればよいため、金型の製作費を抑制することができる。
【0022】
また、請求項
7に記載の発明は上記の通りであり、化粧部は受部に嵌合固定されるものであり、化粧部が受部から落下することを防止する落下防止手段を設けた。このような構成によれば、化粧部を嵌合固定により容易に着脱することができる。また、落下防止手段が設けられているので、安全を確保することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施形態について、図を参照しながら説明する。
【0025】
本実施形態に係る照明付化粧パネル10は、壁面に取り付けて装飾的に使用することができるものであり、例えば建物50の外壁に取り付けてパラペットサインとしたり、ポールの上に取り付けてポールサインとしたりすることができる。この照明付化粧パネル10は、
図1に示すように、化粧材30を配置した化粧領域10bと、化粧材30の代わりに表示体40を配置した表示領域10aと、を前面側に備えている。
【0026】
化粧領域10bは、均一な化粧材30が等間隔で配置した矩形の領域である。この化粧領域10bは、
図1のX2の範囲やX4の範囲のように上下全域を化粧領域10bとしてもよいし、X3の範囲やX5の範囲のように上下に分割して化粧領域10bを設けてもよい。
【0027】
また、表示領域10aは、化粧材30の非配置領域に表示体40を配置した矩形の領域である。この表示領域10aは、
図1のX1の範囲やX6の範囲のように上下全域を表示領域10aとしてもよいし、X3の範囲やX5の範囲のように上下に分割した化粧領域10bの間に表示領域10aを設けてもよい。
【0028】
本実施形態においては、後述する上枠材13及び下枠材14で区画される矩形の領域は、化粧領域10bまたは表示領域10aのいずれかに属するようになっている。
【0029】
この照明付化粧パネル10は、下地材11と、上枠材13と、下枠材14と、パネル材15と、パネル支持横枠16と、パネル支持縦枠17と、照明ボックス20と、化粧材30と、取付金具35と、表示体40と、連結金具と、を備える。
【0030】
下地材11は、枠材を固定するために建物50の壁面に取り付けられるものである。この下地材11は、
図2に示すような接続金具12を備えている。この接続金具12は、上枠材13及び下枠材14を支持するために、下地材11の上部及び下部の2箇所に取り付けられる。この接続金具12は、
図2等に示すような側面視略L字形であり、下地材11から前方に突出した位置で上枠材13及び下枠材14を支持している。
【0031】
上枠材13は、下地材11の上部に固定される中空部13bを有するアルミ形材である。本実施形態においては、
図2等に示すような形状のものと、
図3等に示すような形状のものとの、2種類の上枠材13を組み合わせて使用している。2種類の上枠材13の違いは、照明ボックス20(後述)を取り付けるための凹部13aを備えているか否かである。凹部13aは、
図6に示すように、側面視で上枠材13の後下部を切欠いたような形状となっており、凹部13aに照明ボックス20を取り付けたときに、照明ボックス20の下部と後部とが露出するようになっている。この2種類の上枠材13は、
図2等に示すように、後端面を接続金具12に固定されて、前方に庇状に張り出して設けられている。
【0032】
下枠材14は、下地材11の下部に固定される中空のアルミ形材である。この下枠材14は、
図2等に示すように、後端面を接続金具12に固定されて、前方に庇状に張り出して設けられている。
【0033】
パネル材15は、上枠材13と下枠材14との間に配置されるアルミ樹脂複合のパネルである。このパネル材15は、
図3に示すように、上枠材13と下枠材14との間を1枚のパネル材15で覆うようにしてもよいし、
図5に示すように、上下に分割した複数枚のパネル材15を配置してもよい。上下に分割した複数枚のパネル材15を配置した場合、これら複数枚のパネル材15の間に開口を形成することができる。また、
図2に示すように、上枠材13と下枠材14との間にパネル材15が配置されていない領域を形成してもよい。このパネル材15は、
図3〜5に示すように、パネル支持横枠16を介して接続金具12に固定されている。
【0034】
パネル支持横枠16及びパネル支持縦枠17は、枠組みを形成してパネル材15を背面から支持するためのものである。本実施形態においては、パネル支持縦枠17は、
図4に示すように、取付金具35(後述)の取り付け位置の裏面においてパネル材15を支持している。これにより、パネル材15の負荷がかかる部位をパネル支持縦枠17によって補強している。
【0035】
照明ボックス20は、上枠材13及び下枠材14に取り付けられる。なお、この照明ボックス20は、少なくとも上枠材13または下枠材14の少なくともいずれかに取り付けられていればよく、上下どちらかの照明ボックス20を省略してもよい。この照明ボックス20は、
図2に示すように、上枠材13または下枠材14が化粧材30に臨んでいない範囲(
図1におけるX1、X6の範囲)においては配置されておらず、
図3〜5に示すように、上枠材13または下枠材14が化粧材30に臨んでいる範囲(
図1におけるX2〜5の範囲)に長手方向へ配置されている。これにより、内蔵した光源21(本実施形態においてはLEDで構成)によって化粧材30を背面側から照らすことができるようになっている。光源21としてLEDを使用する場合、長尺の基板に複数のLEDを実装し、かつ、この基板を長手方向に連結しても良い。基板を連結する際には、基板の端部が上下に重なるように連結することで、基板を隙間なく連結することができ、LEDの配設間隔も均一に保つことができるので、化粧材30(後述)面への照度分布を均等にすることができる。
【0036】
なお、この照明ボックス20は、
図3等に示すように、上枠材13の凹部13aに嵌め込まれて取り付けられる。これにより、上枠材13の下面から突出しないように配置されており、すっきりとした意匠を実現している。なお、
図2に示すように、照明ボックス20を取り付けない範囲では、凹部13aを備えていない上枠材13が使用される。これにより、凹部13aを備えていない上枠材13と、照明ボックス20を取り付けた上枠材13とが、ほぼ同一の外形となり、統一感を失わない外観となっている。
【0037】
また、この照明ボックス20は、下枠材14においては、
図3等に示すように、下枠材14の上面に取り付けられる。これは、パラペットサインやポールサインに使用する場合には下枠材14の上面は下側から視認できないため、照明ボックス20を隠す必要がないためである。なお、この設置方法は一例であり、下枠材14の上面に上枠材13と同様の凹部を形成して、この凹部に照明ボックス20を嵌め込んで取り付けてもよい。
【0038】
この照明ボックス20は、
図6に示すように、光源21の光を透過させる透明又は半透明の透光板23を備えている。このため、光源21の光は透光板23を透過してパネル材15と化粧材30との間に導入され、化粧材30を背面から照らすことになる。また、光源21と透光板23間は、
図6に示すように適切な寸法に保たれている。適切な寸法とは、好ましくは1〜10mm程度である。光源21と透光板23との間隔を適切に保つことで、透光板23側から見ると光源21が均等に分布され、化粧材30(後述)面への照度分布を均等にすることができる。
【0039】
なお、照明ボックス20に給電するためのケーブル22は、
図6に示すように、上枠材13とパネル材15との間に形成された間隙部Sを使用して配線される。この間隙部Sは凹部13aに臨むように配置されているため、凹部13aに照明ボックス20を嵌め込むと、照明ボックス20のちょうど背面に間隙部Sが位置するようになっている。このため、ケーブル22を間隙部Sに通すことができ、また、配線が外部に露出しないので意匠性が良い。
【0040】
化粧材30は、水平方向に配設される長尺材であり、本実施形態においては上下に複数の化粧材30が一定間隔で配置されている。この化粧材30は、
図8に示すように、パネル材15に固定される受部31と、受部31の前面に固定される化粧部32と、を備える。そして、この受部31と化粧部32とが組み合わさることで、角柱状を形成するものである。
【0041】
受部31は、取付金具35を介してパネル材15に固定されるアルミ形材である。この受部31は、取付金具35に固定される平坦な基板部31aと、基板部31aの両端からほぼ直角に立ち上がる側板部31bと、を備える。側板部31bの外側面には、外側に突出した係合爪31cが形成されている。
【0042】
化粧部32は、受部31に嵌合固定されるアルミ形材である。この化粧部32は、平坦な前面部32aと、前面部32aの両端からほぼ直角に形成された側面部32bと、を備える。側面部32bの内側面には、上記した係合爪31cに係合する被係合部32cが形成されている。このため、受部31の側板部31bを覆うように、化粧部32の側面部32bを外側から取り付け、受部31と化粧部32とを互いに押し付けると、係合爪31cと被係合部32cとが係合し、化粧部32と受部31とが嵌合固定されるようになっている。
【0043】
なお、本実施形態においては、化粧部32が受部31から落下することを防止する落下防止手段33を設けている。この落下防止手段33は、
図8に示すようなネジであり、受部31の側板部31bと化粧部32の側面部32bとを貫通するように取り付けられる。これにより、化粧部32と受部31との嵌合固定が確実となり、化粧部32の落下が防止される。また、落下防止手段33は、これに限らず、ワイヤー等を用いて化粧部32と受部31を連結してもよい。
【0044】
なお、化粧部32の表面は化粧材30の化粧面となる。よって、化粧部32を取り換えれば、容易に化粧領域10bのデザインを変更することができる。また、化粧部32の表面を塗装、アルマイト、シート貼りすることで意匠性を高めることができる。
また、特に図示しないが、化粧材30の端部に小口フタを取り付けてもよい。
【0045】
取付金具35は、パネル材15の表面に化粧材30を固定するためのものである。この取付金具35は、
図8に示すように、パネル材15に固定されるパネル取付部35aと、化粧材30に固定される化粧取付部35bと、パネル取付部35aと化粧取付部35bとをつなぐ中間部35cと、を備える。パネル取付部35aと化粧取付部35bとは平行に形成されており、中間部35cはパネル取付部35a及び化粧取付部35bに対して直角に形成されている。
【0046】
パネル取付部35aには、取付ボルト36を挿入するためのボルト孔35dが貫通形成されている。取付金具35をパネル材15の表面に取り付ける際には、パネル取付部35aをパネル材15に接面させ、ボルト孔35dから挿入した取付ボルト36をパネル材15に螺着させて固定する。なお、ボルト孔35dは、
図4等に示すように、前面から投影したときに、化粧材30に重ならない位置に設けられている。このため、施工後の取付金具35の着脱も容易である。例えば、照明ボックス20の交換等の際に化粧材30を取り外す際には、取付ボルト36を緩めることで取付金具35を外し、これにより化粧材30を着脱できるようになっている。
【0047】
化粧取付部35bは、化粧材30の裏面にリベットで固定される。リベットで2箇所で固定することにより、化粧材30の回転を防止している。本実施形態においては、工場組付けで化粧取付部35bを化粧材30に固定している。
【0048】
この取付金具35を化粧材30及びパネル材15に取り付けると、
図6に示すように、中間部35cが前方に延出し、化粧材30とパネル材15との間に間隙が形成されるように化粧材30が支持される。このため、化粧材30は、パネル材15の前方に浮いているかのように視認される。このとき、中間部35cは、上方から見たときの投影面積が最小となるように、地面に対して垂直となっている。このため、上下の照明ボックス20から入ってくる光は、中間部35cの最小限の板厚でしか遮られないので、影や写りこみが発生しにくい。また、化粧材30の裏面の間隙へ光が入り込み、化粧材30が光で浮き出るようにすることができる。
【0049】
表示体40は、何らかの情報を表示するためのものであり、例えば店名を表示するサイン等である。この表示体40は、独自の照明を備えていてもよく、例えばバックライト式タイプの表示体40や、内照式タイプの表示体40を使用してもよい。この表示体40は、
図2に示すように接続金具12に固定したベース材40aに固定してもよい。また、
図3に示すようにパネル材15の表面に固定してもよい。また、
図5に示すように下地材11に固定してパネル材15の開口から突出させてもよい。
【0050】
連結金具は、上枠材13または下枠材14の少なくともいずれかを長手方向に複数連結するためものである。本実施形態においては、
図7に示すように、第1連結金具45、第2連結金具46、第3連結金具47、の3つの連結金具を使用している。
【0051】
第1連結金具45は、上枠材13の上面に使用される連結金具である。この第1連結金具45は、隣り合う上枠材13の接合箇所を覆うように取り付けられる。照明付化粧パネル10をパラペットサインに使用した場合、上枠材13の上面は視認できないので、第1連結金具45が意匠性を損なうことはない。この第1連結金具45を使用することで、上枠材13を連結するとともに、接合部からの水の侵入等を防止することができる。
【0052】
第2連結金具46は、上枠材13の中空部13bに挿入される連結金具である。この第2連結金具46は、隣り合う上枠材13の接合箇所を跨ぐように取り付けられる。この第2連結金具46は、上枠材13の少なくとも一方が凹部13aを備えている場合に使用される。この第2連結金具46を使用すれば、凹部13aを備えている上枠材13と、凹部13aを備えていない上枠材13と、のように断面が相違している枠材同士でも、上枠材13の先端へ第2連結金具46を挿入することにより両上枠材13を連結することが可能である。
【0053】
第3連結金具47は、上枠材13または下枠材14の中空部13bに挿入される連結金具である。この第3連結金具47は、隣り合う枠材の接合箇所を跨ぐように取り付けられる。この第3連結金具47は、凹部13aを備えていない枠材同士を接続するために使用される。
【0054】
なお、この連結金具は、
図7に示すように、両端の上枠材13及び下枠材14の端部にも挿入される。このように枠材の端部に連結金具を取り付けることで、連結金具に形成されたビスホール46a,47aを使用して小口フタ48を取り付けることができる。なお、端部に取り付ける連結金具は、接合箇所に取り付ける連結金具よりも短尺としてもよい。
【0055】
上記したような構成を組み合わせることで、本実施形態においては、
図1に示すような照明付化粧パネル10を構成している。この照明付化粧パネル10は、長手方向(左右方向)に見て複数の範囲(X1〜X6)に分割される。そして、それぞれの範囲において化粧材30の配置本数が異なるようにし、化粧領域10bと表示領域10aとの比率や態様が異なるようにしている。このため、様々な組み合わせで多様なデザインを実現することができ、複雑なデザインも可能となる。一方で、すべての範囲において化粧材30の高さや間隔が統一されているため、複雑なデザインとした場合でも全体の統一感を失うことがない。
【0056】
なお、上記では特に説明していないが、枠材や化粧材30などの長尺材の両端部に水抜き用の孔を設けてもよい。
【0057】
また、上記した実施形態とは異なる形状の取付金具35を使用してもよい。例えば、
図9に示すような、断面略H型の取付金具35を使用しても、上記した実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0058】
以上説明したように、本実施形態によれば、照明付化粧パネル10の前面側に、化粧材30を配置した化粧領域10bと、化粧材30の代わりに表示体40を配置した表示領域10aと、を備える。よって、照明付化粧パネル10の前面に化粧材30と表示体40とを組み合わせて配置することができる。また、照明ボックス20は、化粧材30を背面側から照らす光源21を備えるので、化粧材30への間接照明を行うことができ、意匠性の良い照明付化粧パネル10を提供することができる。しかも、照明ボックス20は上枠材13または下枠材14の少なくともいずれかに取り付けられるので、照明の取り付け作業も容易である。また、化粧材30ごとに照明を設ける必要もないので、製造原価も抑制することができる。
【0059】
また、上枠材13に照明ボックス20を取り付けるための凹部13aを形成した。このため、照明ボックス20が外部から視認しづらくなるので、意匠性が向上する。しかも、凹部13aに臨むように、上枠材13とパネル材15との間に間隙部Sが形成され、間隙部Sを使用して、照明ボックス20に給電するためのケーブル22を配線した。このような構成によれば、ケーブル22を通すための穴加工等が不要であるので、作業時間や加工コストを押さえることができる。また、ケーブル22が外部に露出することもないので、意匠性が良い。なお、照明付化粧パネル10の設置場所によっては、下枠材14に凹部13aや間隙部Sを形成してもよい。
【0060】
また、パネル材15の表面には、化粧材30を固定するための取付金具35が設けられ、取付金具35は、化粧材30とパネル材15との間に間隙が形成されるように化粧材30を支持する。このような構成によれば、化粧材30がパネル材15から浮いた状態となるので、化粧材30の裏面から照明の光を当てたときに、できるだけ化粧材30で照明を遮らずに光を行き渡らせ、化粧材30が光で浮き出ることができる。これにより、1つの照明ボックス20で複数の化粧材30の間接照明を行うことができるので、作業コストや製造原価を抑制することができる。
【0061】
また、取付金具35は、化粧材30に固定される化粧取付部35bと、パネル材15に固定されるパネル取付部35aと、パネル取付部35aと化粧取付部35bとをつなぐ中間部35cと、が一体で形成され、前記中間部35cは、前記パネル材15及び地面に対して垂直な板状である。このような構成によれば、上下の照明ボックス20から入ってくる光は、中間部35cの最小限の板厚でしか遮られないので、影や写りこみが発生しにくい。また、化粧材30の裏面の間隙へ光が入り込み、化粧材30が光で浮き出るようなデザインとすることができる。
【0062】
また、照明ボックス20は、光源21の光を透過させる透明又は半透明の透光板23を備える。このような構成によれば、透光板23によって光の調整が可能となる。例えば、透光板23を使い分けることにより、照明付化粧パネル10の高さ寸法が相違しても化粧材30面の照度分布を均等にすることができる。
【0063】
また、上枠材13または下枠材14の少なくともいずれかを長手方向に複数連結するための連結金具を備える。このような構成によれば、照明付化粧パネル10の大きさや態様に合わせて、複数の枠材を連結金具で連結して使用することができる。例えば、照明ボックス20を収納する枠材と照明ボックス20を収納しない枠材とを連結する場合など、異なる形状の枠材を建物50の長手方向へ目違いを生じることなく連結することができる。また、連結金具を設けることで、連結部からの雨水等の侵入を抑制することができる。
【0064】
また、化粧材30は、パネル材15に直接又は間接に固定される受部31と、受部31の前面に嵌合固定される化粧部32と、を備える。このような構成によれば、化粧部32と受部31が別体のため、化粧部32のみを変更して容易にデザインの変更が行える。また、化粧部32のみを変更すればよいため、金型の製作費を抑制することができる。
【0065】
また、化粧部32は受部31に嵌合固定されるものであり、化粧部32が受部31から落下することを防止する落下防止手段33を設けた。このような構成によれば、化粧部32を嵌合固定により容易に着脱することができる。また、落下防止手段33が設けられているので、安全を確保することができる。