(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前輪が設けられたフロントフレームと、前記フロントフレームと回動可能に連結され、後輪が設けられたリアフレームと、前記フロントフレームと前記リアフレームとの間に設けられ、前記リアフレームに対して前記フロントフレームを回動させる回動機構と、前記回動機構を任意のアーティキュレート角度となるように調節するための操作部と、前記リアフレームに対して前記フロントフレームが中立位置か否かを検出可能なセンサとを備えたモータグレーダにおける制御方法であって、
前記操作部に対する操作状態に応じた操作指令に応答して、前記回動機構が任意のアーティキュレート角度となるように前記回動機構を駆動する制御信号を出力するステップと、
前記センサにより前記中立位置を検出した場合に、前記操作指令に応答した前記制御信号の出力を停止するステップとを備える、制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の説明では、同一部品には、同一の符号を付している。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0018】
<A.全体構成>
図1は、本発明の実施形態に基づくモータグレーダ1の構成を概略的に示す斜視図である。
【0019】
図2は、実施形態に基づくモータグレーダ1の構成を概略的に示す側面図である。
図1および
図2を参照して、一実施形態に基づくモータグレーダ1は、走行輪11,12と、車体フレーム2と、運転室3と、作業機4とを備える。
【0020】
モータグレーダ1は、エンジン室6に配置されたエンジンなどの構成部品を備える。作業機4は、ブレード42を含む。
【0021】
モータグレーダ1は、ブレード42で整地作業、除雪作業、軽切削、材料混合などの作業を行なうことができる。
【0022】
走行輪11,12は、前輪11と後輪12とを含む。
図1および
図2においては、片側1輪ずつの2つの前輪11と片側2輪ずつの4つの後輪12とからなる走行輪を示しているが、前輪および後輪の数および配置はこれに限られない。
【0023】
なお、以下の図の説明において、前後方向とは、モータグレーダ1の前後方向を意味する。つまり前後方向とは、運転室3の運転席に着座した運転者から見た前後方向を意味する。左右方向、または側方とは、モータグレーダ1の車幅方向を意味する。つまり左右方向、車幅方向、または側方とは、運転室3の運転席に着座した運転者から見た左右方向を意味する。以下の図においては、前後方向を図中矢印X、左右方向を図中矢印Y、上下方向を図中矢印Zで示している。
【0024】
車体フレーム2は、リアフレーム21と、フロントフレーム22と、外装カバー25とを含んでいる。リアフレーム21は、外装カバー25と、エンジン室6に配置されたエンジンなどの構成部品とを支持している。外装カバー25はエンジン室6を覆っている。外装カバー25には、上方開口部26と、側方開口部27とが形成されている。上方開口部26、側方開口部27は、外装カバー25を厚み方向に貫通して形成されている。
【0025】
リアフレーム21には、上記のたとえば4つの後輪12の各々がエンジンからの駆動力によって回転駆動可能に取付けられている。フロントフレーム22は、リアフレーム21の前方に取り付けられている。フロントフレーム22の前端部には、上記のたとえば2つの前輪11が回転可能に取り付けられている。前輪11は、ステアリングシリンダ7の伸縮によって車体前後方向に対して旋回可能に取り付けられており、モータグレーダ1は、進行方向を変更することが可能である。ステアリングシリンダ7は、運転室3の内部に設けられるハンドル又はステアリング操作レバーの操作によって伸縮可能である。
【0026】
運転室3は、リアフレーム21に載置されている。運転室3の内部には、ハンドル、変速レバー、作業機4の操作レバー、ブレーキ、アクセルペダル、インチングベダルなどの操作部(図示せず)が設けられている。なお、運転室3は、リアフレーム21に載置されていてもよい。
【0027】
作業機4は、ドローバ40と、サークル41と、ブレード42と、油圧モータ49と、各種のシリンダ44〜48とを主に有している。
【0028】
ドローバ40の前端部は、フロントフレーム22の前端部に揺動可能に取付けられている。ドローバ40の後端部は、一対のリフトシリンダ44,45によってフロントフレーム22に支持されている。この一対のリフトシリンダ44,45の同期した伸縮によって、ドローバ40の後端部がフロントフレーム22に対して上下に昇降可能である。また、ドローバ40は、リフトシリンダ44,45の異なった伸縮によって車両進行方向に沿った軸を中心に上下に揺動可能である。
【0029】
フロントフレーム22とドローバ40の側端部とには、ドローバシフトシリンダ46が取り付けられている。このドローバシフトシリンダ46の伸縮によって、ドローバ40は、フロントフレーム22に対して左右に移動可能である。
【0030】
サークル41は、ドローバ40の後端部に回転可能に取付けられている。サークル41は、油圧モータ49によって、ドローバ40に対し車両上方から見て時計方向または反時計方向に回転駆動可能である。
【0031】
ブレード42は、サークル41に対して左右方向に滑動可能、かつ左右方向に平行な軸を中心に上下に揺動可能に支持されている。具体的には、ブレードシフトシリンダ47が、サークル41およびブレード42に取り付けられており、ブレード42の長手方向に沿って配置されている。このブレードシフトシリンダ47によって、ブレード42はサークル41に対して左右方向に移動可能である。
【0032】
チルトシリンダ48は、サークル41およびブレード42に取り付けられている。このチルトシリンダ48を伸縮させることによって、ブレード42はサークル41に対して左右方向に平行な軸を中心に揺動して上下方向に向きを変更することができる。これにより、チルトシリンダ48は、ブレード42の進行方向に対する傾斜角度を変更することができる。
【0033】
以上のように、ブレード42は、ドローバ40とサークル41とを介して、車両に対する上下の昇降、進行方向に対する傾きの変更、横方向に対する傾きの変更、回転、左右方向のシフトを行なうことが可能に構成されている。
【0034】
<a1.運転室の構成>
図3は、実施形態に基づく運転室3の内部構成を示す正面図である。
【0035】
図3に示されるように、運転室3内において、ハンドルポスト35と、ハンドル34と、左操作レバー群32と、右操作レバー群31とが設けられる。
【0036】
ハンドルポスト35は、運転席の前方に配置される。ハンドル34は、運転席と正対するようにハンドルポスト35に取り付けられる。
【0037】
左操作レバー群32は、ブレード回転レバーやシフトシリンダ操作レバーなどの複数の操作レバーによって構成される。
【0038】
右操作レバー群31は、アーティキュレート操作レバー33やリーニング操作レバーなどの複数の操作レバーによって構成される。
【0039】
左操作レバー群32および右操作レバー群31に含まれる各操作レバーは、ハンドルポスト35に固定される。ここで、右操作レバー群31および左操作レバー群32は、前後に回動可能に設けられている。
【0040】
アーティキュレート操作レバー33は、リアフレーム21に対してフロントフレーム22を屈曲するアーティキュレート動作を指示する。
【0041】
左操作レバー群32および右操作レバー群31に含まれる各操作レバーを操作するとポテンションメータが回転されてその操作方向に応じ、かつ操作ストロークに比例した電気信号を出力する。
【0042】
一例としてアーティキュレート操作レバー33を前方向に傾倒すると、リアフレーム21に対してフロントフレーム22は左方向に屈曲するアーティキュレート動作を実行する。一方、アーティキュレート操作レバー33を後方向に傾倒すると、リアフレーム21に対してフロントフレーム22は右方向に屈曲するアーティキュレート動作を実行する。
【0043】
<a2.回動機構の構成>
図4は、実施形態に基づく回動機構の構成の概略について説明する図である。
【0044】
図4に示されるように、フロントフレーム22と、リアフレーム21とは、鉛直なセンタピン53により連結されている。具体的には、フロントフレーム22は、運転室3のほぼ下方位置でリアフレーム21に回動可能に連結されている。リアフレーム21に対するフロントフレーム22の回動は、運転室3からのアーティキュレート操作レバー33の操作により、フロントフレーム22とリアフレーム21との間に連結されたアーティキュレートシリンダ54を伸縮させることで行われる。そして、フロントフレーム22をリアフレーム21に対して屈曲させる(アーティキュレートさせる)ことで、モータグレーダ1の旋回時の旋回半径をより小さくすること、および、オフセット走行による溝掘や法切作業が可能である。なお、オフセット走行とは、フロントフレーム22をリアフレーム21に対して屈曲させる方向と、前輪11をフロントフレームに対して旋回させる方向とをそれぞれ逆方向とすることにより、モータグレーダ1を直進走行させることをいう。また、リアフレーム21には角度センサ38が取り付けられており、リアフレーム21に対するフロントフレーム22の屈曲角度であるアーティキュレート角度を検出する。なお、リアフレーム21に対してフロントフレーム22が中立位置に位置している場合にはアーティキュレート角度は0°であるものとする。
【0045】
図5は、アーティキュレート操作レバー33のストローク量と出力電気信号との関係を説明する図である。
【0046】
図5に示されるように、アーティキュレート操作レバー33を中立位置から後方向に傾倒する操作を(+)の符号とし、前方向に傾倒する操作を(−)の符号とする。アーティキュレート操作レバー33は、ストローク量に応じた出力電気信号を出力する。ストローク量が0の場合には基準値となる出力電気信号が出力される。
【0047】
アーティキュレート操作レバー33によるストローク量が(+)の符号の場合には、アーティキュレートシリンダ54は伸長する。これに伴いフロントフレーム22は、リアフレーム21に対して右方向へ屈曲する。
【0048】
アーティキュレート操作レバー33によるストローク量が(−)の符号の場合には、アーティキュレートシリンダ54は縮小する。これに伴いフロントフレーム22は、リアフレーム21に対して左方向へ屈曲する。
【0049】
ストローク量が大きくなる(100%あるいは−100%に近づく)ほどアーティキュレートシリンダ54の伸長速度あるいは縮小速度が大きくなる。
【0050】
<B.制御系の構成>
図6は、実施形態に基づくモータグレーダ1が備える制御系の構成を表したブロック図である。
【0051】
図6に示されるように、モータグレーダ1の制御システムは、一例として、アーティキュレート操作レバー33と、油圧ポンプ131と、コントロールバルブ134と、油圧アクチュエータ135と、エンジン136と、エンジンコントローラ138と、スロットルダイヤル139と、回転センサ140と、多段スイッチ145と、スタータスイッチ146と、メインコントローラ150と、角度センサ38とを含む。
【0052】
油圧ポンプ131は、作業機4等の駆動に用いる作動油を吐出する。
油圧ポンプ131には、コントロールバルブ134を介して油圧アクチュエータ135が接続される。油圧アクチュエータ135は、アーティキュレートシリンダ54等を含む。
【0053】
メインコントローラ150は、アーティキュレート操作レバー33の操作状態(操作量および操作方向)に応じた出力電気信号に従う指令をコントロールバルブ134に出力する。
【0054】
コントロールバルブ134は、油圧アクチュエータ135を制御する。具体的には、メインコントローラ150からの指令に従って作動油の供給を切り替える。たとえば、コントロールバルブ134は、メインコントローラ150からの指令に従ってアーティキュレートシリンダ54が伸長あるいは縮小するように作動油の供給を切り替える。
【0055】
コントロールバルブ134は、メインコントローラ150からの指令に従って油圧ポンプ131から油圧アクチュエータ135に供給する作動油の吐出量を調整する。コントロールバルブ134は、メインコントローラ150からの指令が無くなった場合に油圧ポンプ131からの作動油の供給を停止する。
【0056】
エンジン136は、油圧ポンプ131と接続する駆動軸を有し、当該駆動軸に従って油圧ポンプ131が駆動される。
【0057】
エンジンコントローラ138は、メインコントローラ150からの指示に従い、エンジン136の動作を制御する。エンジン136は、一例としてディーゼルエンジンである。エンジン136のエンジン回転数は、スロットルダイヤル139等によって設定され、実際のエンジン回転数は回転センサ140によって検出される。回転センサ140は、メインコントローラ150と接続される。
【0058】
スロットルダイヤル139には多段スイッチ145が設けられている。多段スイッチ145は、スロットルダイヤル139の設定値(操作位置)を検出する。スロットルダイヤル139の設定値は、メインコントローラ150に送信される。多段スイッチ145は、エンジンコントローラ138に対して、エンジン136の回転数に関する指令値を出力する。当該指令値に従って、エンジン136の目標回転数が調整される。
【0059】
エンジンコントローラ138は、メインコントローラ150からの指示に従い燃料噴射装置が噴射する燃料噴射量等の制御を行うことにより、エンジン136の回転数を調節する。また、エンジンコントローラ138は、メインコントローラ150からの油圧ポンプ131に対する制御指示に従ってエンジン136のエンジン回転数を調節する。
【0060】
スタータスイッチ146は、エンジンコントローラ138と接続される。操作者がスタータスイッチ146を操作(スタートに設定)することにより、始動信号がエンジンコントローラ138に出力され、エンジン136が始動する。
【0061】
メインコントローラ150は、モータグレーダ1全体を制御するコントローラであり、CPU(Central Processing Unit)、不揮発性メモリ、タイマ等により構成される。なお、本例においては、メインコントローラ150と、エンジンコントローラ138とがそれぞれ別々の構成について説明しているが共通の1つのコントローラとすることも可能である。
【0062】
角度センサ38は、リアフレーム21に対するフロントフレーム22の屈曲角度(アーティキュレート角度)を検出し、検出結果をメインコントローラ150に出力する。
【0063】
<C.制御フロー>
図7は、実施形態に基づくメインコントローラ150による回動機構の制御処理を説明するフロー図である。
【0064】
図7に示すとおり、メインコントローラ150は、操作入力が有るか否かを判断する(ステップS2)。メインコントローラ150は、アーティキュレート操作レバー33から基準値以外の出力電気信号の入力があるかどうかを判断する。
【0065】
次に、メインコントローラ150は、操作入力が有ると判断した場合(ステップS2においてYES)には、次に操作量を算出する(ステップS4)。メインコントローラ150は、アーティキュレート操作レバー33から基準値以外の出力電気信号の入力があると判断した場合には、当該値に基づいて操作量(ストローク量)を算出する。
【0066】
次に、メインコントローラ150は、算出された操作量(ストローク量)に基づいて制御信号を出力する(ステップS6)。具体的には、メインコントローラ150は、算出された操作量(ストローク量)が+100%であると判断した場合には、アーティキュレートシリンダ54が最大の速度で伸長するように作動油の供給を調節する制御信号をコントロールバルブ134に対して出力する。これに伴いフロントフレーム22は、リアフレーム21に対して右方向へ屈曲する。メインコントローラ150は、算出された操作量(ストローク量)が−100%であると判断した場合には、アーティキュレートシリンダ54が最大の速度で縮小するように作動油の供給を調節する制御信号をコントロールバルブ134に対して出力する。これに伴いフロントフレーム22は、リアフレーム21に対して左方向へ屈曲する。なお、算出された操作量(ストローク量)に従って作動油の供給量が調節されてアーティキュレートシリンダ54が伸長あるいは縮小する速度が調節される。これによりリアフレーム21に対してフロントフレーム22が屈曲する速度が調節される。
【0067】
次に、メインコントローラ150は、アーティキュレート角度を検出する(ステップS8)。メインコントローラ150は、角度センサ38から出力されるアーティキュレート角度を検出する。
【0068】
次に、メインコントローラ150は、検出されたアーティキュレート角度に基づいてリアフレームに対してフロントフレームが中立位置となったか否かを判断する(ステップS10)。メインコントローラ150は、検出されたアーティキュレート角度が0°となったか否かを判断し、アーティキュレート角度が0°となった場合にリアフレーム21に対してフロントフレーム22が中立位置となったと判断する。
【0069】
次に、メインコントローラ150は、算出されたアーティキュレート角度に基づいてリアフレームに対してフロントフレームが中立位置となった場合(ステップS10においてYES)に制御信号の出力を停止する(ステップS12)。メインコントローラ150は、リアフレーム21に対してフロントフレーム22が中立位置となったと判断した場合にコントロールバルブ134に対する制御信号の出力を停止する。これに伴い油圧ポンプ131からアーティキュレートシリンダ54に対する作動油の供給が停止する。したがって、リアフレーム21に対するフロントフレーム22は中立位置の状態を維持する。
【0070】
次に、メインコントローラ150は、操作入力が有るかどうかを判断する(ステップS14)。メインコントローラ150は、アーティキュレート操作レバー33から基準値以外の出力電気信号の入力があるかどうかを判断する。
【0071】
ステップS14において、メインコントローラ150は、操作入力が有ると判断した場合(ステップS14においてYES)には、ステップS12に戻り、制御信号の出力を停止した状態を維持する。具体的には、メインコントローラ150は、アーティキュレート操作レバー33から基準値以外の出力電気信号の入力があると判断した場合には、制御信号の出力を停止した状態を維持する。
【0072】
一方で、ステップS14において、メインコントローラ150は、操作入力が無いと判断した場合(ステップS14においてNO)には、ステップS2に戻り、上記の処理を繰り返す。具体的には、メインコントローラ150は、アーティキュレート操作レバー33から基準値の出力電気信号の入力があると判断した場合には、操作入力が無いと判断してステップS2に戻る。
【0073】
そして、ステップS2において、メインコントローラ150は、再び操作入力が有ると判断した場合には、上記で説明したのと同様に操作量を算出し、算出された操作量に基づいて制御信号をコントロールバルブ134に対して出力する。これに伴いアーティキュレート操作レバー33の操作に従うアーティキュレート動作が再び実行される。
【0074】
本発明に従う方式により、メインコントローラ150は、リアフレーム21に対してフロントフレーム22が中立位置となったと判断した場合に、アーティキュレート操作レバー33からの操作入力が継続されている場合であってもコントロールバルブ134に対する制御信号の出力を停止する。これに伴い、リアフレーム21に対してフロントフレーム22が中立位置となった場合に、アーティキュレート操作レバー33からの操作入力が継続されている場合であっても中立位置が維持される。
【0075】
オペレータは、リアフレーム21に対してフロントフレーム22を中立位置にする操作する場合に、リアフレーム21に対してフロントフレーム22が中立位置となる方向にアーティキュレート操作レバー33を傾倒し続けることにより自動的に中立位置に調整することが可能である。したがって、本実施形態に基づくモータグレーダ1は、通常の操作態様によりリアフレーム21に対するフロントフレーム22が中立位置となる所定角度に調節することが可能である。それゆえ、通常の操作と異なる操作態様により煩雑な操作を実行する必要がなく簡易な方式でリアフレーム21に対するフロントフレーム22が中立位置となる所定角度に調節することが可能である。
【0076】
例えば、リアフレーム21に対してフロントフレーム22を左に屈曲している状態において、アーティキュレート操作レバー33を後方向に傾倒し続けることにより簡易にリアフレーム21に対してフロントフレーム22を中立位置に調整することが可能である。
【0077】
また、当該構成においては、所定のモードに強制的に移行するものではないためアーティキュレート操作レバー33を操作することにより任意のアーティキュレート角度となるように常に調節することが可能であり、自由度の高い操作が可能である。
【0078】
さらに、リアフレーム21に対してフロントフレーム22を中立位置にする操作する場合に、リアフレーム21に対してフロントフレーム22が中立位置となる方向にアーティキュレート操作レバー33を傾倒し続ける際、傾倒する操作量(ストローク量)に従って自動的に中立位置に調整する際の回動速度も調節することが可能であり、自由度の高い操作が可能である。
【0079】
また、リアフレーム21に対してフロントフレーム22が中立位置となった場合に、アーティキュレート操作レバー33の傾倒を止めてアーティキュレート操作レバー33を中立位置に戻したことを検出した後、再びアーティキュレート操作レバー33を傾倒することにより中立位置からリアフレーム21に対してフロントフレーム22を屈曲させるアーティキュレート動作を実行することが可能である。
【0080】
したがって、自動的に中立位置に調整された後のアーティキュレート動作も簡易に実行することが可能である。
【0081】
例えば、リアフレーム21に対してフロントフレーム22を左に屈曲している状態において、アーティキュレート操作レバー33を後方向に傾倒し続けて、リアフレーム21に対してフロントフレーム22を中立位置に調整した後、アーティキュレート操作レバー33を中立位置に戻す。そして、再び、アーティキュレート操作レバー33を後方向(最初と同じ方向)に傾倒することにより、リアフレーム21に対してフロントフレーム22を中立位置から右に屈曲させるアーティキュレート動作を実行することが可能である。
【0082】
また、アーティキュレート操作レバー33を前方向(最初と逆方向)に傾倒することにより、リアフレーム21に対してフロントフレーム22を中立位置から左に屈曲させるアーティキュレート動作を実行することが可能である。
【0083】
上記の構成においては、アーティキュレート動作を実行するためのアーティキュレート操作レバー33により、リアフレーム21に対してフロントフレーム22を中立位置に調節することが可能であるため特別なスイッチを設ける必要が無く簡易な方式で実現できる。
【0084】
上記の構成においては、角度センサ38によりアーティキュレート角度を検出する構成について説明したが、角度センサ38の代わりにリアフレーム21に対してフロントフレーム22が中立位置に位置しているか否かを判断する中立検知センサを設けるようにしても良い。たとえば、リアフレーム21に対してフロントフレーム22が中立位置の場合にONとされ、それ以外の際にはOFFとする近接センサにより実現することが可能である。
【0085】
また、上記の構成においては、アーティキュレート動作を実行するためのアーティキュレート操作レバー33について説明したが、当該操作部材は操作レバーに限られず操作量に応じた操作指令を出力する操作スイッチを用いることも可能である。
【0086】
今回開示された実施の形態は例示であって、上記内容のみに制限されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。