(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記低級炭素鎖を有する遊離脂肪酸が、前記組成物の総重量に対し、0.1重量%から2.5重量%の範囲である、請求項1から4の何れか1項に記載のパーソナル洗浄バー。
タルク、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、アルミノケイ酸塩、アルミン酸塩、ケイ酸塩、シリカ、リン酸塩、不溶性硫酸塩、ホウ酸塩および粘土、およびそれらの混合物からなる群から選択される固形無機粒子を含む、請求項1から7の何れか1項に記載のパーソナル洗浄バー。
前記低級炭素鎖を有する遊離脂肪酸が、ラウリン酸であり、前記組成物の総重量に対して2重量%から5重量%の範囲である、請求項1から4の何れか1項に記載のパーソナル洗浄バー。
【背景技術】
【0002】
ソープバーなどのパーソナル洗浄バーは、衛生面で重要な役割を果たし、これらを日常的に使用することは、伝染性疾患の蔓延を減少させることにおいて非常に重要となっている。製造者は、パーソナル洗浄バーの使用中の官能特性および皮膚適合性を改善し、世界中の消費者にとって値ごろ感を向上させる方法を模索し続けている。
【0003】
トリグリセリド由来の脂肪酸石けんでは、パーソナル洗浄バーの多くにおいて依然として主要な界面活性剤が使用されている。このようなソープバーの主要な利益はその洗浄能である。それにもかかわらず、消費者は、泡の量、泡の濃厚さ、泡形成速度、すすぎの速度、ソープバーの損耗速度、バーの堅さ、マッシュの形成、芳香の送達および使用後の皮膚の柔軟性などの他の利益を知覚する。
【0004】
世界中の消費者は、使用後に皮膚が柔軟になることおよび芳香の送達を高品質ソープバーに対する重要な特質としてみなす。このような特質を送達するために使用されてきたあるストラテジーは、合成界面活性剤の使用である。しかし、高レベルの合成界面活性剤の使用は、様々な負の特性につながり得る。これらには、マッシュの顕著な形成、使用中のバーの損耗速度の加速およびすすぎ速度低下が含まれる。
【0005】
述べられるように、消費者はまた、芳香の送達を改善することも望む。このアプローチは通常、ソープバー組成物中の香料の添加量の増加に依存する。高レベルの香水または香料の使用は、特に残りのソープバー成分と比較した場合、非常に高価であり得る。さらに、より大量の香料を使用したとしても、保存中に、例えば香料の蒸発によって香料が大きく失われることが多い。
【0006】
上記概念に基づくアプローチの例としては次のものが挙げられる:
米国特許第6,706,675号は、石けん混合物と、ポリアルキレングリコールと、グリセリンおよびソルビトールのうち少なくとも1つと、水と、を含み、遊離脂肪酸を含んでいてもよい、半透明のソープバー組成物を開示する。このソープバー組成物は半透明性を呈する。本発明のバーは、ポリエチレングリコール(PEG)の含有量がより少なく、PEGの分子量は典型的にはこの参考文献で使用されるものよりも高い。より透光性が高いものを作製するために、この参考文献ではより多くの量が必要とされると思われる(第6カラム、38から41行目)。
【0007】
国際公開第13/076047号は、ミリスチン酸の量を制限し、脂肪酸の具体的に定められる比率を使用することによって泡立ち効果が改善したソープバーを開示する。
【0008】
国際公開第01/80820号は、定められた比率で、主に脂肪酸石けん;遊離脂肪酸およびポリアルキレングリコールを含むバーで洗浄することを含み、皮膚損傷の減少により測定した場合に皮膚状態が改善する、皮膚清浄化のための方法を開示する。
【0009】
国際公開第01/80821号は、脂肪酸石けん、遊離脂肪酸、ポリアルキレングリコールおよびプロトン酸の特定の塩を含むバーおよびこのバーを作製するための工程を開示する。
【0010】
さらなる詳細な実験によって、短鎖遊離脂肪酸およびグリセロールなどのポリオールおよび固形粒子と組み合わせられた非イオン性ポリマーで構成される組成物の皮膚柔軟特性の改善が、驚くべきことに、石けん混合物中に存在するこのような成分のレベルおよび相対的割合と関連があることが明らかになった。
【0011】
驚くべきことに、非イオン性ポリマー、(例えばPolyox WSR−N60K)と;ポリオールと;短鎖遊離脂肪酸(例えば10から14個の炭素の脂肪酸)と;固形粒子と、の重量%の特定の範囲の組み合わせが、優れた芳香の送達と合わせて皮膚に柔軟性改善を送達することにおける重要なパラメーターであることが分かった。この理解によって現在、成分の狭い範囲で、例えば0.01から1%の非イオン性ポリマー、0.1から20%のポリオール、0.01から5%の低級炭素鎖を有する遊離脂肪酸および0.1から10%の固形粒子で、特質の送達が格段に優れたソープバーに対する組成間隔の定義が可能になり、このバーは、使用中の特性の許容可能性が高く、高速押し出しによって製造することができる。この技術は本発明の対象である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書中で使用される場合、%またはwt%は、論じている組成物または構成要素(一般にソープバーの組成物または脂肪酸石けんの組成物)の総重量と比較した場合の、成分の重量パーセントを指す。
【0018】
実施例および比較例を除いて、または明確な断りがない限り、材料の量または反応の条件、材料の物理学的特性および/または使用を示すこの記述での数字は全て、「約」という語により修飾されるものとして理解すべきものである。量は全て、別段の断りがない限り、最終組成物の重量に対するものである。別段の断りがない限り、組成物という用語は、本バーの連続相の組成物を指す。
【0019】
疑義を回避するために、「含む(comprising)」という語は、「含む(including)」を意味するものとするが、必ずしも「からなる(consisting of)」または「から構成される(composed of)」を意味するものではない。言い換えると、列挙される工程、選択肢または代替物は網羅的である必要はない。
【0020】
本発明は、少なくとも40重量%の石けんを有するパーソナル洗浄バーであって、このバーの組成が、0.01から1%の非イオン性ポリマーと;0.01%から約20%のポリオールと;0.01から5重量%の低級炭素鎖を有する遊離脂肪酸と;約0.01%から約10%の固形粒子と、をさらに含む、パーソナル洗浄バーに関する。本発明のバーを調製するために使用される組成物および該組成物および該組成物から作製されるバーを製造および評価するために使用される方法を以下に記載する。
【0021】
「皮膚柔軟性」という用語は、皮膚の様々な特性が存在し得る技術分野を述べるために広義に使用される。「皮膚柔軟性」は究極的に、使用者の経験により定められ、文化にまたがり実質的に一致する利益である。「皮膚柔軟性」は一般に、皮膚の感触に関する消費者の知覚を含む。この知覚は通常、3段階:使用中、使用直後および使用してからしばらく経過した後での皮膚の感触に関する。本明細書において、皮膚柔軟性は、使用後の2段階の皮膚の感触に関して評価される官能経験を含む。世界中の消費者は皮膚柔軟性の意味に関して異なる知覚を有するが、一般的に、消費者は、この利益を皮膚の滑らかさおよびつや感として述べ、これは皮膚が乾燥する感触と逆のものとして述べられる。
【0022】
本発明のバー組成物は、皮膚柔軟性および優れた芳香送達の組み合わせを送達可能である。
【0023】
本発明による組成物から作製されるパーソナル洗浄バーは、皮膚柔軟性の送達および優れた芳香送達を可能にすることに加えて、消費者により大きく望まれる良好なレベルの他の特性も保持する。これには、損耗速度、マッシュ形成が少ないことおよび堅さおよびすすぎ速度が含まれ、これにより本バーが大量市場消費者による日常的使用に非常に適したものになる。
【0024】
ソープバーの組成
脂肪酸石けん
脂肪酸石けん、このバーの任意の界面活性剤および全ての構成要素は、ヒト皮膚との日常的な接触に適切であり、好ましくはよく泡立つバーが得られるべきである。
【0025】
好ましいタイプの界面活性剤は脂肪酸石けんである。「石けん」という用語は、本明細書中で、通常は天然のトリグリセリド由来である、脂肪族、アルカンまたはアルケンモノカルボン酸のアルカリ金属またはアルカノールアンモニウム塩を意味するために使用する。ナトリウム、カリウム、マグネシウム、モノ、ジ−およびトリ−エタノールアンモニウム陽イオンまたはそれらの組み合わせが、本発明の目的に最も適切である。一般に、本発明の組成物においてナトリウム石けんを使用するが、約1%から約25%の石けんがカリウム、マグネシウムまたはトリエタノールアミン石けんであり得る。本明細書中で有用な石けんは、約8から約22個の炭素原子、好ましくは約10から約18個の炭素原子を有する天然または合成脂肪(アルカンまたはアルケン)酸の周知のアルカリ金属塩である。これらは、約8から約22個の炭素原子を有する飽和または不飽和炭化水素のカルボン酸アルカリ金属として述べられ得る。
【0026】
ココナツ油およびパーム核油の脂肪酸分布を有する石けんは、広い分子量範囲の下端を提供し得る。ピーナツもしくは菜種油またはそれらの水素化誘導体の脂肪酸分布を有する石けんは、広い分子量範囲の上端を提供し得る。
【0027】
ココナツ油もしくは獣脂またはそれらの混合物の脂肪酸分布を有する石けんを使用することが好ましいが、それは、これらがより容易に利用可能なトリグリセリド脂肪の1つであるからである。ココナツ油石けん中の少なくとも12個の炭素原子を有する脂肪酸の割合は約85%である。この割合は、ココナツ油と、獣脂、パーム油または非熱帯堅果油脂などの脂肪との混合物を使用する場合により大きくなり、この場合、主鎖長はC
16以上である。本発明の組成物での使用に好ましい石けんは、約12から18個の炭素原子を有する少なくとも約85%の脂肪酸を有する。
【0028】
本発明での使用に好ましい石けんは、石けんの少なくとも約20重量%の飽和石けん、すなわち飽和脂肪酸由来の石けん、好ましくは少なくとも約40重量%の飽和石けんを含むべきである。
【0029】
石けんは、炭化水素鎖の鎖長、すなわち脂肪酸の鎖長が異なり、その脂肪酸が飽和または不飽和のどちらかの、3つの大きなカテゴリーに分類することができる。本発明の目的の場合、これらの分類は以下のとおりである:
ラウリン石けんは、主にC
12からC
14飽和脂肪酸、すなわちラウリンおよびミリスチン酸由来の石けんを包含するが、少量の短鎖脂肪酸、例えばC
10由来の石けんを含有し得る。ラウリン石けんは一般に、実際にはココナツ油およびパーム核油などの堅果油の加水分解物由来である。
【0030】
ステアリン石けんは、主にC
16からC
18飽和脂肪酸、すなわちパルミチンおよびステアリン酸由来の石けんを包含するが、少量の長鎖脂肪酸、例えばC
20由来の飽和石けんを含有し得る。ステアリン石けんは一般に、実際には獣脂、パーム油およびパームステアリンなどのトリグリセリド油由来である。
【0031】
オレイン石けんは、主にオレイン酸(C
18:1)、リノエレイン酸(linoeleic acid)(C
18:2)、ミリストレイン酸(C
14:1)およびパルミトレイン酸(C
16:1)ならびに少量のより長い鎖およびより短い鎖の不飽和およびポリ不飽和脂肪酸を含む不飽和脂肪酸由来の石けんを包含する。オレイン石けんは一般に、実際には、獣脂、パーム油、ヒマワリ種子油およびダイズ油などの様々なトリグリセリド油脂の加水分解物由来である。
【0032】
石けんに対して使用されるココナツ油は、他の「高ラウリン」または「ラウリンに富む」油、すなわち総脂肪酸の少なくとも45%がラウリン酸、ミリスチン酸およびそれらの混合物から構成される油脂によって完全にまたは一部置き換えられ得る。これらの油は一般に、ココナツ油クラスの熱帯堅果油により代表される。例えば、これらは、パーム核油、ババス油、オーリキュリ油(ouricuri oil)、ホシダネヤシ油、コフネヤシ油、ムルムル油、ジャボティ核油(jaboty kernel oil)、カカン核油(khakan kernel oil)、ディカナッツ油(dikanut oil)およびウクフババター(ucuhuba butter)を含む。
【0033】
理論に縛られることを望むものではないが、ラウリン、ステアリンおよびオレイン石けんの混合物を含む固体塊を加熱する場合、ステアリン石けんよりも水溶性が高く、融点が低いラウリンおよびオレイン石けんは、本組成物中に存在する水および他の構成要素と組み合わさって、水含量および温度に依存して、多かれ少なかれ流動性の液晶相を形成すると考えられる。ラウリンおよびオレイン石けんのこの固体から液晶相への転移によって、固体塊が可塑性になり、せん断下でこれを混合し、処理できるようになる、すなわちこの塊が熱可塑性になる。
【0034】
好ましい石けんは、ココナツ油、パーム核油または他のラウリンに富む油由来が約10%から約40%と、約90%から約60%の獣脂、パーム油、パームステアリンまたは他のステアリンに富む油またはそれらの組み合わせとの混合物であり、ただしオレインおよびラウリン石けんの比率、R
OLは上記基準を満たすものとする。
【0035】
石けんは古典的な釜炊き工程または現代の連続的石けん製造工程により作製し得、当業者にとって周知の手順を用いて、獣脂、パーム油もしくはココナツ油またはそれらの同等物などの天然油脂をアルカリ金属水酸化物で鹸化する。2つの大きな工程は、特定の商業的重要性がある。SAGE工程では、トリグリセリドを塩基、例えば水酸化ナトリウムで鹸化し、反応生成物を大規模に処理し、グリセリン構成要素を抽出し、回収する。第二の工程は、あまり徹底的に処理せずに鹸化生成物を直接使用し、トリグリセリドからのグリセリンを分離せず、むしろ完成した石けんヌードル(noodle)および/またはバー中に含まれるようにする、SWING工程である。
【0036】
あるいは、本石けんは、脂肪酸(例えば蒸留した脂肪酸)、例えばラウリン(C
12)、ミリスチン(C
14)、パルミチン(C
16)、ステアリン(C
18)およびオレイン酸(C
18:1)酸およびそれらの混合物を水酸化または炭酸アルカリ金属で中和することによって作製し得る。
【0037】
皮膚柔軟性送達系
皮膚柔軟性送達系は、ポリエチレングリコールおよびそれらの混合物
などの非イオン性ポリマーの群から選択される1以上の非イオン性ポリマー;遊離脂肪酸、好ましくは短鎖遊離脂肪酸;1以上のポリオールおよび固形粒子材
料を含む。
【0038】
非イオン性ポリマー
皮膚柔軟性送達系の第一の重要な構成要素は、非イオン性ポリマーである。「非イオン性ポリマー」という用語は、本明細書中で、比較的低レベル(一般にバー組成物の総重量に対して1%未満)で存在する場合に、濡れたバーと皮膚との間の摩擦感を顕著に減少させ、したがって皮膚の良好な柔軟性を知覚させる材料を指すために使用する。非イオン性ポリマーはソープバーの粘度を大きく変化させるが、特に、両者ともさらに記載されるポリオールおよび固形粒子など、バーのレオロジーも変化させる他の成分と組み合わせる場合は、好ましくは低レベル、最も好ましくは1%未満で慎重に使用しなければならない。例えば、好ましい本発明の非イオン性ポリマー、Polyox WSR N−60Kの粘度は、水中2%溶液で200から400センチポアズ(0.2から0.4Pa.s)で変動する。
【0039】
最も適切な非イオン性ポリマーは、0.01%から約1%、好ましくは0.05%から約0.5%、より好ましくは0.05%から約0.3%のレベルで有用である。
【0040】
非イオン性ポリマーは、明らかに、脂肪酸石けんから作られる洗浄ソープバー組成物において特に有用である。脂肪酸石けんから作られるソープバー組成物の使用によって、皮膚の乾燥度が上がり、バーが「皮膚に対して刺激がある」ものとして知覚される(使用後に皮膚において高い乾燥レベルが知覚される。)。一部の消費者はこの官能的品質を気に留めないものの、これを非常に嫌う消費者もいる。一般的に、消費者は、皮膚上に新鮮で潤いのある感覚を残すことが知覚され、皮膚に対して柔らかく穏やかであるものとして知覚されるバーを好む。
【0041】
適切な非イオン性ポリマーとしては、ポリエチレングリコールおよびそれらの混合物が挙げられる。
【0042】
非イオン性ポリマーの分子量が高いこと、例えば少なくとも約80,000から約3,000,000、好ましくは100,000から約5,000,000であることが好ましい。
【0043】
特に適切な非イオン性ポリマーは、高分子量ポリエチレンオキシド樹脂である。好ましくは、ポリエチレンオキシド樹脂の分子量は、80,000ダルトンより大きく、より好ましくは少なくとも100,000ダルトン、最も好ましくは少なくとも400,000ダルトンである。適切な高分子量ポリエチレンオキシド樹脂の例は、商品名POLYOXでDow Chemical Companyにより供給される水溶性樹脂である。例はWSR N−60K(分子量2,000,000ダルトン)である。
【0044】
ポリオール
皮膚柔軟性送達系の第二の重要な構成要素は、ポリオールまたはポリオールの混合物である。ポリオールは、水溶性が高く、好ましくは水中で十分に可溶性である複数のヒドロキシル基(少なくとも2個、好ましくは少なくとも3個)を有する化合物を指すために本明細書中で使用される用語である。
【0045】
比較的低分子量の短鎖ポリヒドロキシ化合物、例えばグリセロールおよびプロピレングリコールなど;糖、例えばソルビトール、マンニトール、スクロースおよびグルコースなど;改質炭水化物、例えば加水分解デンプン、デキストリンおよびマルトデキストリンなど、およびポリマー性合成ポリオール、例えばポリアルキレングリコールなど、例えばポリオキシエチレングリコール(低分子PEG)およびポリオキシプロピレングリコール(PPG)を含め、多くのタイプのポリオールが入手可能である。
【0046】
好ましいポリオールは、液体であるか、または安定で非常に濃縮された水溶液、例えば水中で50重量%超、好ましくは70重量%以上である水溶液を容易に形成するかの何れかの、比較的低分子量の化合物である。これらは低分子量ポリオールおよび糖を含む。
【0047】
特に好ましいポリオールは、グリセロール、ソルビトール、PEGおよびそれらの混合物である。
【0048】
ポリオールのレベルは、材料特性が高速製造(27から36Kg/分)およびパーソナル洗浄バーとしての使用の両方に適切である熱可塑性塊を形成することにおいて重要である。ポリオールレベルが低すぎる場合、この塊が押し出し温度、一般的には40℃から45℃で十分に可塑性ではないことが分かっている。逆に、ポリオールレベルが高すぎる場合、この塊は通常の加工温度で柔らかくなりすぎて、押し出しによって効率的にバーを形成させることができない。
【0049】
ポリオールのレベルは、組成物の0.1重量%から約20重量%、好ましくは1から約15重量%、最も好ましくは1から約10重量%であるべきである。
【0050】
遊離脂肪酸およびトリグリセリド
皮膚柔軟性送達系の第三の重要な構成要素は、泡立ちを改善し、ならびに可塑性を向上させるために組成物中に組み込まれる、低レベルでレオロジーを変化させるのに有用な、脂肪酸および/またはトリグリセリドである。
【0051】
適切である可能性がある脂肪酸はC
8−C
22脂肪酸である。好ましい脂肪酸はC
12−C
18、好ましくは主に飽和、直鎖脂肪酸である。しかし、一部の不飽和脂肪酸も使用できる。当然ではあるが、遊離脂肪酸は、鎖長がより短い(例えばC
10−C
14)および鎖長がより長い(例えばC
16−C
18)鎖の脂肪酸の混合物であり得る。例えば、有用な脂肪酸の1つとして、ココナツ油、パーム核油およびババス油などの高ラウリントリグリセリド由来の脂肪酸が挙げられる。
【0052】
脂肪酸を直接組み込み得るかまたは、加工中に石けんにプロトン酸を添加することによってこれらをインサイチューで生成させ得る。適切なプロトン酸の例としては、鉱酸、例えば塩酸および硫酸など、アジピン酸、クエン酸、グリコール酸、酢酸、ギ酸、フマル酸、乳酸、リンゴ酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸およびポリアクリル酸が挙げられる。
【0053】
鎖長が14炭素原子以下である脂肪酸のレベルは、一般に、連続相の総重量に対して、約5%を超えるべきではなく、好ましくは約2.5%を超えるべきではなく、最も好ましくは約1%以下であるべきである。好ましい短鎖脂肪酸はC
12ラウリン酸である。最も好ましくは、これは2から3重量%のレベルで使用される。本発明の利益を提供するために、0.01から0.5%ポリエチレングリコールと組み合わせてこれを使用することが特に好ましい。
【0054】
固形粒子材料
皮膚柔軟性送達系の第四の重要な構成要素は、1以上の固形粒子材料の存在である。固形粒子材料とは、微粉化固形粒子として連続相中に存在し、パーソナル洗浄適用に適切である材料を意味する。本固形粒子材料は、実質的に固形、最も好ましくは水中で不溶性である限り、無機または有機または組み合わせであり得る。
【0055】
好ましい無機固形粒子材料はタルクおよび炭酸カルシウムを含む。タルクは、化学式Mg
3Si
4(O)
10(OH)
2により表される層状ケイ酸塩構造を有するケイ酸マグネシウム無機物質であり、水和物の形で入手可能であり得る。タルクは板状の形態を有し、実質的に親油性/疎水性である。
【0056】
炭酸カルシウムまたは白亜は、3種類の結晶形態:方解石、アラゴナイトおよびバテライトで存在する。方解石の天然の形態は菱面体晶または立方体状であり、アラゴナイトの場合は針状または樹枝状、バテライトの場合は回転楕円状である。
【0057】
商業的に、炭酸カルシウムまたは白亜(沈降炭酸カルシウム)は、二酸化炭素ガスを水酸化カルシウムの水性懸濁液に泡立てて通気する、炭酸化法によって作製される。この工程において、炭酸カルシウムの結晶タイプは方解石または方解石とアラゴナイトとの混合物である。
【0058】
他の任意の固形粒子材料の例としては、アルミノケイ酸塩、アルミン酸塩、ケイ酸塩、シリカ、リン酸塩、不溶性硫酸塩、ホウ酸塩および粘土(例えば、カオリン、陶土)およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0059】
有機固形粒子材料としては、不溶性多糖類、例えば高度架橋または不溶化デンプン(例えばオクチルコハク酸塩などの疎水性物質との反応による);合成または天然ポリマー、例えば様々な格子高分子および懸濁ポリマーおよびそれらの混合物などが挙げられる。
【0060】
適切なデンプン材料としては、天然デンプン(トウモロコシ、コムギ、コメ、ジャガイモ、タピオカなど)、アルファ化デンプン、様々な物理学的および化学的修飾デンプンおよびそれらの混合物が挙げられる。天然デンプンという用語は、化学的および物理学的修飾を受けていないデンプンを意味し、未加工またはネイティブデンプンとしても知られる。
【0061】
皮膚柔軟性系は、本組成物の総重量に対して、0.1%から約10%の固形粒子材料、好ましくは0.5%から約7%、最も好ましくは1%から約5%の間であるべきである。
【0062】
ソープバーの組成の好ましい組み合わせは、高分子量ポリエチレングリコール(Polyox)と、グリセロールと、低級炭素鎖(C
14以下、最も好ましくはC
12)を有する遊離脂肪酸と、タルクと、残りの量の水と、である。
【0063】
組成の最も好ましい組み合わせは、少なくとも40重量%の石けんと;0.01から1重量%の高分子量ポリエチレングリコール(Polyox)と;0.1から20重量%のポリオール、好ましくはグリセロールと、1から5重量%の低級炭素鎖を有する遊離脂肪酸(特にラウリン酸)と、0.1から10重量%のタルクと、残りの量の水と、を有する。
【0064】
水含量
本発明のバー組成物は、典型的な押し出しおよび打ち抜き石けんバーと比較して、特に高レベルの水を含まず、製造したてのときに、すなわち押し出しおよび打ち抜き後に、典型的には水が30%を超えて存在しない。
【0065】
上で引用される好ましい水レベルが製造したてのバーを指すことが強調される。この、製造したてのバーの「初期水レベル」または「初期水含量」という量、は、本組成物の「呼称水含量」または「呼称水レベル」とも呼ばれる。周知のように、ソープバーは、蒸発の量がバーからの水の拡散速度に依存するものの、保管中に水分が抜けることになり、すなわち相対湿度がバー組成物と平衡状態にある水の蒸気分圧よりも低い場合に、水分がバーから蒸発する。ゆえに、バーがどのように保管されるか(包装物のタイプ、温度、湿度、空気循環など)に依存して、サンプリングの瞬間のバーの実際の水含量は、製造直後のバーの名目水含量とは明らかに顕著に異なり得る。
【0066】
任意の成分
合成界面活性剤
本バー組成物は、「合成洗剤」とも呼ばれる非石けん合成型界面活性剤(洗剤)を含んでいてもよい。合成洗剤としては、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性または両性イオン界面活性剤および陽イオン性界面活性剤を挙げることができる。
【0067】
本バー中に存在する合成界面活性剤のレベルは一般に、連続相中で約25%より高くないが、一部の適用では本バー中により高レベルが含まれることが有利であり得る。本発明のいくつかの実施形態は、15%未満、好ましくは約7%未満のレベルで合成洗剤を含む。
【0068】
特に好ましい合成洗剤としては、陰イオン性界面活性剤(非石けん)、両性界面活性剤および非イオン性界面活性剤が挙げられる。
【0069】
有利に、本発明の洗浄バー(toilet bar)組成物は、1以上の非石けん陰イオン性合成洗剤界面活性剤(単純に「陰イオン性合成洗剤」とも呼ばれる。)を含有し得る。適切な陰イオン性合成洗剤は、例えば、脂肪族スルホネート、例えば一級アルカン(例えばC
8−C
22)スルホネート、一級アルカン(例えばC
8−C
22)ジスルホネート、C
8−C
22アルケンスルホネート、C
8−C
22ヒドロキシアルカンスルホネートまたはアルキルグリセリルエーテルスルホネート(AGS)など;または芳香族スルホネート、例えばアルキルベンゼンスルホネートであり得る。アルファオレフィンスルホネートは別の適切な陰イオン性界面活性剤である。
【0070】
陰イオン性合成洗剤は、アルキル硫酸塩(例えばC
12−C
18アルキル硫酸塩)、特に一級アルコール硫酸塩またはアルキルエーテル硫酸塩(アルキルグリセリルエーテル硫酸塩を含む。)でもあり得る。
【0071】
陰イオン性合成洗剤は、スルホン化脂肪酸、例えばαスルホン化獣脂脂肪酸など、スルホン化脂肪酸エステル、例えばαスルホン化メチルタロエート(tallowate)などまたはそれらの混合物でもあり得る。
【0072】
陰イオン性合成洗剤は、アルキルスルホコハク酸塩(モノおよびジアルキル、例えば、C
6−C
22スルホコハク酸塩を含む。);アルキルおよびアシルタウレート、アルキルおよびアシルサルコシン酸塩、スルホ酢酸塩、C
8−C
22アルキルリン酸塩およびリン酸塩、アルキルリン酸エステルおよびアルコキシルアルキルリン酸エステル、アシル乳酸塩またはラクチレート、C
8−C
22モノアルキルコハク酸塩およびマレイン酸塩、スルホ酢酸塩およびアシルイセチオン酸塩でもあり得る。
【0073】
陰イオン性合成洗剤の別のクラスは、C
8からC
20アルキルエトキシ(1−20EO)カルボン酸塩である。
【0074】
別の適切な陰イオン性合成洗剤は、C
8−C
18アシルイセチオン酸塩である。これらのエステルは、アルカリ金属イセチオン酸塩と、6から18個の炭素原子を有し、ヨウ素価が20未満である混合脂肪族脂肪酸との間の反応によって調製される。混合脂肪酸の少なくとも75%が12から18個の炭素原子を有し、25%以下が6から10個の炭素原子を有する。アシルイセチオン酸塩は、アルコキシ化イセチオン酸塩でもあり得る。
【0075】
陰イオン性合成洗剤は、本組成物中で使用される合成界面活性剤の大部分を含むことが多い。
【0076】
本発明で使用され得る両性界面活性剤は、少なくとも1個の酸性基を含む。これはカルボン酸基またはスルホン酸基であり得る。これらは四級窒素を含み、したがって四級アミド酸である。これらは、一般に7から18個の炭素原子のアルキルまたはアルケニル基を含むべきである。適切な両性界面活性剤としては、アンホ酢酸塩、アルキルおよびアルキルアミドベタインおよびアルキルおよびアルキルアミドスルホベタインが挙げられる。
【0077】
アンホ酢酸塩およびジアンホ酢酸塩は、使用され得る可能な両性イオンおよび/または両性化合物中に包含されるようにも意図される。
【0078】
適切な非イオン性界面活性剤は、疎水性基および反応性のある水素原子を有する化合物、例えば脂肪族アルコールまたは脂肪酸と、アルキレンオキシド、特にエチレンオキシド単独とまたは酸化プロピレンも一緒にの何れかでの反応生成物を含む。例としては、脂肪族(C
8−C
18)一級または二級直鎖状または分岐状アルコールとエチレンオキシドとの縮合生成物およびエチレンオキシドとプロピレンオキシドおよびエチレンジアミンの反応生成物との縮合により作製される生成物が挙げられる。他のいわゆる非イオン性界面活性剤化合物としては、長鎖三級アミンオキシド、長鎖三級ホスフィンオキシドおよびジアルキルスルホキシドが挙げられる。
【0079】
非イオン性は、炭水化物または糖に基づく、エーテル、エステルまたはアミド、例えばアルキル(多)糖類およびアルキル(多)糖類アミドなどでもあり得る。
【0080】
陽イオン性洗剤の例は、四級アンモニウム化合物、例えばアルキルジメチルアンモニウムハロゲン化物などである。
【0081】
使用され得る他の界面活性剤は、両者とも参照により本明細書中に組み込まれる、Parran Jr.に対する米国特許第3,723,325号およびSchwartz,Perry & Berchによる「Surface Active Agents and Detergents」(Vol.I & II)に記載されている。
【0082】
アジュバント
アジュバントは、直接的(香料)または間接的(保存剤)の何れかで、本バーの審美的な質、特に視覚的、触覚的および嗅覚的な(olefactory)特性を向上させる成分である。多岐にわたる任意の成分を本発明のバーに組み込み得る。アジュバントの例としては、香料;乳白剤、例えば脂肪アルコール、エトキシ化脂肪酸、固形エステルおよびTiO
2など;色素および顔料;真珠光沢剤(pearlizing agent)、例えばTiO
2被覆雲母および他の干渉顔料など;板状ミラー粒子、例えば有機グリッターなど;官能物質(sensate)、例えばメントールおよびショウガなど;保存剤、例えばジメチロールジメチルヒダントイン(Glydant XL1000)、パラベン、ソルビン酸など;抗酸化剤、例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)など;キレート剤、例えばエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)の塩およびトリナトリウムエトリドロネート(etridronate)など;乳化安定化剤;補助増粘剤;緩衝剤;およびそれらの混合物が挙げられるが限定されない。好ましくは本発明のバーは、香水および/または香料を含む。
【0083】
真珠光沢剤(pearlizing agent)のレベルは、本組成物の総重量に対して、約0.1%から約3%の間、好ましくは約0.1%から0.5%の間、最も好ましくは約0.2%から約0.4%の間であるべきである。
【0084】
アジュバントは、石けん製造技術分野で一般的にまとめて「微量成分」と呼ばれ、最低でも、着色剤(色素および顔料)、香料、保存剤および残留塩および石けん製造工程からの油および様々な感性に訴える成分、例えばマンサクなどが含まれることが多い。微量成分は一般に、本組成物の0.01から5重量%、好ましくは0.5重量%から2重量%を構成する。
【0085】
皮膚に有益な物質
ここで強調される特定のクラスの任意の成分は、皮膚および毛髪の健全性および状態を向上させるために含まれる皮膚に有益な物質である。可能性のある有益物質としては、脂質、例えばコレステロール、セラミドおよび疑似セラミドなど;抗菌剤、例えばトリクロサンなど;日焼け止め剤、例えばケイ皮酸塩;角質剥離粒子、例えばポリエチレンビーズ、ベントナイト、クルミ殻、アプリコット種子、花弁および種子などおよび無機物質、例えばシリカおよび軽石粉など;さらなる皮膚軟化剤(皮膚柔軟化物質)、例えば長鎖アルコールおよびラノリンのようなワックス類など;さらなる保湿剤;シリコーン、ワセリン、鉱油、皮膚トーニング剤;皮膚栄養物質、例えば、ビタミンC、DおよびEのようなビタミン類およびベルガモット、ウンシュウミカン、ショウブ根などのような精油など;アボカド、ブドウ、ブドウ種子、ミルラ、キュウリ、クレソン、カレンデュラ、エルダーフラワー、ゼラニウム、リンデンブロッサム、アマランス、海藻、イチョウ、朝鮮ニンジン、ニンジンの水溶性または不溶性抽出物;インパティエンス・バルサミナ(impatiens balsamina)、カムカム、アルピナリーフ(alpina leaf)および他の植物抽出物、例えばマンサクおよびそれらの混合物などが挙げられるが限定されない。
【0086】
本組成物は、さらなる皮膚(頭皮を含む)への有益性を提供する様々な他の活性成分も含み得る。例としては、抗ニキビ剤、例えばサリチル酸およびレゾルシノール;硫黄含有DおよびLアミノ酸およびそれらの誘導体および塩、特にそれらのN−アセチル誘導体;抗皺剤、抗皮膚萎縮剤および皮膚修復活性物質、例えばビタミン(例えば、A、EおよびK)、ビタミンアルキルエステル、無機物、マグネシウム、カルシウム、銅、亜鉛および他の金属性の構成要素;レチノイン酸およびエステルおよび誘導体、例えばレチナールおよびレチノール、ビタミンB3化合物、αヒドロキシ酸、βヒドロキシ酸、例えばサリチル酸およびその誘導体など;皮膚鎮静化剤、例えばアロエベラ、ホホバ油、プロピオン酸および酢酸誘導体、フェナム酸誘導体など;人工的日焼け剤、例えばジヒドロキシアセトンなど;チロシン;チロシンエステル、例えばエチルチロシネートおよびグルコースチロシネートなど;皮膚美白剤、例えばアロエ抽出物およびナイアシンアミド、α−グリセリル−L−アスコルビン酸、アミノチロキシン、乳酸アンモニウム、グリコール酸、ハイドロキノン、4ヒドロキシアニソールなど、皮脂刺激剤、例えばブリオノール酸、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)およびオリザノなど;皮脂抑制剤、例えばアルミニウムヒドロキシクロリド、コルチコステロイド、デヒドロ酢酸およびその塩、ジクロロフェニルイミダゾールジオキソラン(Elubiolから入手可能)など;抗酸化効果、プロテアーゼ阻害;皮膚引き締め剤、例えばビニルピロリドン、(メタ)アクリル酸および長鎖アルキル(メタ)アクリレートから構成される疎水性モノマーのターポリマーなど;かゆみ止め剤、例えばヒドロコルチゾン、メトジリジン(methdilizine)およびトリメプラジンなど、毛髪成長阻害物質;5−αレダクターゼ阻害剤;落屑を促進する物質;抗糖化剤;ふけ防止剤、例えばジンクピリチオンなど;毛髪成長促進物質、例えばフィナステリド、ミノキシジル、ビタミンD類似体およびレチノイン酸およびそれらの混合物などが挙げられる。
【0087】
内部および外部の熟練パネリストによって、および機器分析によってソープバー処方物を評価した。結果を下記で示す。
【0088】
[実施例]
次の非限定例は、本発明の様々な態様および好ましい実施形態を説明する。本発明の実施例は「E」と指定され、一方で比較例は「C」と指定される。
【0089】
組成物E1、E2およびE3のみが、使用特質を損なうことなく皮膚柔軟性効果に関して参照物に対して著しい結果を有する。
【0090】
チャート1からの特質に基づいて、消費者の印象を提供するために、内部および外部の熟練パネリストによって、ソープバー処方物(参照物1および3、実施例E1、E2およびE3、比較例C1からC8)を評価した。比較プロトモナディックおよび盲検でのホームユーステスト(Home in Use Comparative Proto−monadic and blind test)(使用期間7日)において、ブラジル、インドおよび南アフリカの消費者によりソープバー処方物を試験した。
【表1】
【0091】
統計ソフトウェアMinitab Version15に結果を入力し、試験した一連の成分に対して95%信頼レベルで有意な結果を与えた特質を視覚的に下記表で示す。
【表2】
【0092】
述べられるように、「皮膚柔軟性効果の特質」は、皮膚の皮膚感触の全体的な改善、皮膚が滑らかで、皮膚のかさつきもこわばりもないことを含む。
【表3】
【表4】
【0093】
芳香の長時間持続効果
E4に対する芳香長時間持続性に対する肯定的な言及が認められ、これはその処方に起因した。また、ベンチマーク試作品と比較した、E4の長時間持続品質に関する芳香の社内評価からの自発的な言及が指摘された。
【0094】
プロトコールとして:外部専門家パネル、外部比較パネル、外部熟練者パネルおよびCGHS内部分析を使用して、官能的および分析的に試作品を評価した。結果を下記で示す。
【0095】
専門家パネル
専門家芳香パネル(Expert Fragrance Panel)の目的は、時間0から4時間にわたるバーソープの長時間持続芳香強度の特質を評価することであった。評価は30分ごとに行った。評価は全て、ラベルド・マグニチュード・スケール(Labeled Magnitude Scale、LMS)を用いて熟練評価者が行った。
【0096】
外部専門家パネルからの先行スクリーニングにおいて、個別に適用した無機成分は、これらをE4組成物に適用したときと比べて、同じ芳香増加に到達しなかった。タルク入りのソープバー処方物は、芳香を長時間持続させることが可能であったが、E4は参照物よりも有意に良好に性能を発揮した。本組成物および専門家パネル結果の要約を表4に記載する。専門家パネルからのスコアは表5にある。
【表5】
【表6】
【0097】
E4は、専門家芳香パネルにおいて、150分間まで、参照物よりも有意に高く長時間持続強度スコアを改善することができた。また、比較パネルにおいて効果が指摘された(次のトピック参照)。
【0098】
E4は、全ての試験香料に対して有意に優れた長時間持続性を示した。したがって、非香料依存性としてこの技術を選択した。
【0099】
消費者比較パネル
消費者比較パネル試験の目的は、T0、T30、T60、T90およびT120分でペアで評価した様々な処方物の間での比較試験を通じて、最長2時間持続の、皮膚における芳香持続性を評価することであった。この消費者試験に対する作用基準は、参照物よりも優れたE5、E6、E7およびE8組成物の芳香強度である。
【0100】
試験した香料に対してE5、E6、E7およびE8組成物の長時間持続の優位性が達成された。消費者パネルでの試験組成および結果の要約を表6および7で示す。
【表7】
【表8】
【0101】
VitroSKin/PCA
VitroSkinは、皮膚表面を模倣する人工皮膚であり、GCMS(ガスクロマトグラフィー−質量分析)を介してこれを分析試験で使用した。VitroSkinにおけるソープバー適用の方法は、消費者による使用を模倣する。皮膚模擬試験における長時間持続ゆえの設定時間後に、クロマトグラフィー法を介してバイアル空間中で揮発した香料を抽出した。クロマトグラムのデータ間の有意差を見出すために、多変数分析を通じて圧縮データを処理した。
【0102】
GCMSデータを考慮すると、
図1で提示されるように、E5およびE6組成物が一貫して参照物よりも強度が高かった証拠があった。他の組成物(E7およびE8)に対して、同じ一貫した相違が得られた。