【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)発行者名 株式会社遠藤照明 刊行物名 LEDZ▲R▼ Pro.,vol.2,第378〜379頁 発行日 平成29年8月2日 (2)ウェブサイトのアドレス https://www.endo−lighting.co.jp/ http://data2.endo−lighting.co.jp/sys/catalog/LEDZ_Pro_vol2_2017−2018/ http://data2.endo−lighting.co.jp/sys/catalog/LEDZ_Pro_vol2_2017−2018/_SWF_Window.html ウェブサイトの掲載日 平成29年 9月 21日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、直管型光源部を備えた照明器具の薄型化が進んでいるが、照明器具の薄型化に伴い、直管型光源部の径も小さくすることが必要とされる。一方、特許文献1に開示されている従来の照明器具では、直管型光源部における口金の存在を前提として、当該口金を利用して照明の向きを変化させている。このため、照明器具の薄型化のために直管型光源部の径を小さくしようとすると、円筒状のカバーの径を小さくする必要があり、これに伴い、カバーの開口端部に回転可能に差し込まれる口金の径も小さくする必要がある。しかし、端子を有する口金の小型化には限界がある。従って、従来の照明器具では、薄型化と、照明の向きを可変にすることと、を両立させることが難しかった。
【0006】
そこで本発明の目的は、照明器具において、薄型化と、照明の向きを可変にすることと、を両立させることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る照明器具は、内部に光源が配置された直管型光源部と、器具本体部と、を備え、直管型光源部の端部を構成する回転部と、器具本体部が有する回転支持部と、が回転可能に嵌合している。
【0008】
上記照明器具によれば、回転部を回転させることにより、直管型光源部を中心軸周りに回転させることができる。よって、ケースや棚などに陳列される商品の位置に応じて、照明の向きを調整することができる。又、上記照明器具によれば、回転部及び回転支持部を小さいサイズで成形することができるため、照明器具の薄型化を妨げることなく、当該照明器具に対して、直管型光源部を回転させるための回転機構を構築することができる。
【0009】
上記照明器具において、回転部及び回転支持部は、回転部を回転可能に支持するための互いに対向した周面を有する。そして、一方の周面には、複数の溝部が周方向についての異なる位置に設けられ、他方の周面には、回転部の回転に応じて複数の溝部の何れかに係合する係合突起が設けられていてもよい。この構成によれば、直管型光源部の回転角を多段階で変化させることが可能になる。又、係合突起と各溝部との係合を解除するためには、解除に必要な回転力を回転部に与える必要がある。従って、回転部や直管型光源部への商品や手の接触等が原因で意図せず照明の向きが変わってしまうということがない。
【0010】
上記照明器具において、複数の溝部は、隣接するものどうしが部分的に重なることにより周方向において互いに繋がっていてもよい。この構成によれば、係合突起は溝部間を移動することが可能になると共に、回転部の回転操作時にクリック感が生じ、従って、回転部の操作性が向上する。
【0011】
上記照明器具において、回転部及び回転支持部のうちの少なくとも一方は透光性を有していてもよい。この構成によれば、複数の照明器具を長手方向に繋げて配列したときに、隣り合う2つの照明器具の直管型光源部の間からも、回転部又は回転支持部を通じて光を外部に放つことができる。よって、複数の照明器具を配列したときの照明光の連続性を高めることができる。
【0012】
上記照明器具において、直管型光源部は、透光性を有する筒状のカバーと、光源が設置される放熱板と、を有していてもよい。この構成において、放熱板は、カバーと同方向に延びると共に当該カバーの内部に支持され、回転部は、放熱板に固定されてもよい。尚、カバーは、透光性に加えて光拡散性を更に有していてもよい。
【0013】
又、放熱板には、当該放熱板に回転部を固定するためのネジ穴が設けられていてもよい。この構成において、ネジ穴は、カバーの中心軸より上方に位置することが好ましい。この構成によれば、光源は、カバー内において、当該カバーのうちの光源の発光面と対向する部分から遠ざけて配置される。ここで、光源が複数のLEDである場合、当該LEDの光は光軸周りにおいて強度が高いため、照明対象(商品等)の表面には、複数のLEDから発せられたそれぞれの光が個別に映り易い。即ち、照明対象の表面に、光で形成された複数の粒が映り易い。そこで、上述した様に光源をカバーから遠ざけて配置することにより、照明対象の表面において光の粒が生じ難くなる。
【0014】
上記照明器具において、器具本体部には、内部を露出させるための開閉可能な開閉板が設けられていてもよい。この構成において、開閉板には、開閉時の支軸となる一対の突起部が形成され、器具本体部の内壁には、一対の突起部がスライド可能に嵌合する一対のガイド溝が形成されていることが好ましい。更に、開閉板のガタツキを抑止するべく、開閉板の両側端縁(一対のガイド溝に沿う2つの端縁)に、開閉板を開いたときでもガイド溝に被さるガイド板が1つずつ設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、照明器具において、薄型化と、照明の向きを可変にすることと、を両立させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明をLED照明器具に適用した実施形態について、具体的に説明する。
【0018】
図1(A)及び(B)はそれぞれ、実施形態に係るLED照明器具を概念的に示した正面図及び底面図である。
図2は、LED照明器具の一部を底面側から見て示した斜視図である。
図1(A)〜
図2に示される様に、LED照明器具は、内部に光源(本実施形態ではLED)が配置された直管型光源部1と、器具本体部2と、を備える。本実施形態のLED照明器具は、用途の一例として、商品を照明するために当該商品が陳列されるケースや棚などに設置される。具体的には、LED照明器具は、直管型光源部1と器具本体部2とが一体構成されたものであり、ケースや棚などに器具本体部2をネジ留めすることで固定される。又、直管型光源部1は、中心軸周りに回転させることが可能であり、当該直管型光源部1の回転により照明の向きを変化させることができる。尚、直管型光源部1は、交換可能なランプとして構成されてもよい。以下、各部の詳細について説明する。
【0019】
図3(A)は、
図1(A)に示されたIIIA−IIIA線に沿う断面図であり、
図3(B)は、直管型光源部1の一部を示した斜視図である。
図3(A)及び(B)に示される様に、直管型光源部1は、透光性を有する筒状のカバー11と、当該カバー11内に固定された放熱板12と、当該放熱板12の下面に設置されたLED基板13と、を有する。更に、直管型光源部1は、当該直管型光源部1の両端部を構成する2つの回転部31を有する(
図1(A)及び(B)参照)。尚、カバー11は、透光性に加えて光拡散性を更に有していてもよい。
【0020】
具体的には、カバー11は円筒状であり、当該カバー11の内周面11aには、長手方向Dwに延びた2つの凹部111A及び111Bが、互いに向き合った状態で形成されている。又、当該2つの凹部111A及び111Bは何れも、長手方向Dwについての両端が凹形状のまま開放されている(
図3(B)参照)。放熱板12は、カバー11と同方向(長手方向Dw)に延びた矩形状の金属板であり、当該金属板の長辺に沿った2つの縁部121A及び121Bを有する。そして、放熱板12は、2つの縁部121A及び121Bがそれぞれ上記2つの凹部111A及び111Bにそれぞれ嵌る様に、カバー11内に挿入されている。これにより、2つの凹部111A及び111Bによって放熱板12がカバー11の内部に支持されている。
【0021】
放熱板12の下面には、当該下面から縁部121A及び121Bが下方へ突出することで、LED基板13が装着される凹部122が形成されている(
図3(A)参照)。又、放熱板12の上面には、ネジ穴123aを構成する上向きC字状の突出部123が形成されている。ネジ穴123aは、回転部31を放熱板12にネジ留めするために用いられる。そして、本実施形態では、ネジ穴123aがカバー11の中心軸より上方に位置する様に、カバー11の内部に放熱板12が支持されており、これにより、LEDと、カバー11のうちのLEDの発光面と対向する部分(対向部分112)と、の間の距離Lの長さが確保されている。尚、ネジ穴123aがカバー11の中心軸より「上方」に位置する状態には、直管型光源部1が回転してネジ穴123aがカバー11の中心軸に対して斜め上方に位置する場合も含まれるものとする。又、本実施形態では、突出部123は、長手方向Dwにおいて放熱板12と同じ長さで形成されており、当該放熱板12の剛性を向上させている。そして、放熱板12の剛性の向上により、直管型光源部1の撓みが低減されている。
【0022】
LED基板13は、複数のLED(光源)が搭載された基板であり、LEDの発光面を下方へ向けた状態で放熱板12の凹部122に固定されている。本実施形態では、ネジ穴123aがカバー11の中心軸より上方に位置しており、これにより、LEDは、カバー11内において上記対向部分112から遠ざけて配置されている。具体的には、LEDと対向部分112との間の距離Lは2.9mmであり、LED基板13の長手方向(LED照明器具の長手方向Dwに一致)におけるLEDの配置間隔は4.8mmである。この様に、LEDと対向部分112との間の距離Lが、LEDの配置間隔の1/2より長くなる様に、LED基板13の位置が決められている。
【0023】
ここで、各LEDの光は光軸周りにおいて強度が高いため、照明対象(商品等)の表面には、複数のLEDから発せられたそれぞれの光が個別に映り易い。即ち、照明対象の表面に、光で形成された複数の粒が映り易い。そこで、上述した様にLEDをカバー11(具体的には、対向部分112)から遠ざけて配置することにより、照明対象の表面において光の粒が生じ難くなる。
【0024】
図3(B)に示される様に、本実施形態では更に、直管型光源部1への給電用のケーブル15が当該直管型光源部1の側周面から外部に引き出されている。具体的には、カバー11の開口端部に切欠き11bが設けられており、当該切欠き11bを通じてケーブル15が外部に引き出されている。よって、給電用の口金を利用した従来の照明器具とは異なり、回転部31に給電構造を構築する必要がない。
【0025】
図2及び
図3(A)に示される様に、器具本体部2は、直管型光源部1の背面側に位置するケース部21と、当該ケース部21の前面の上縁から前方へ延びて直管型光源部1を上から覆う鍔部22と、を有し、これらが一体的に形成されている。更に、器具本体部2は、長手方向Dwについてのケース部21の両端部をそれぞれ覆う2つの側壁部23(
図1(B)、
図2参照)と、当該2つの側壁部23にそれぞれ形成された2つの回転支持部32(
図4参照)と、を有する。そして、2つの側壁部23は、直管型光源部1の両端部(2つの回転部31)とそれぞれ対向する位置まで前方へ延びている。
【0026】
2つの回転支持部32は、2つの回転部31をそれぞれ回転可能に支持する。具体的には、左側の回転支持部32は、左側の側壁部23のうちの左側の回転部31(直管型光源部1の左端部)と対向する位置に形成されている。そして、左側の回転部31と左側の回転支持部32とが回転可能に嵌合している。又、右側の回転支持部32は、右側の側壁部23のうちの右側の回転部31(直管型光源部1の右端部)と対向する位置に形成されている。そして、右側の回転部31と右側の回転支持部32とが回転可能に嵌合している。
【0027】
ケース部21には、外部装置(外部電源や他のLED照明器具を含む)との電気的な接続に用いられるケーブル41及び接続用ソケット42が収納されている(
図2参照)。又、ケース部21の下面には、ケース部21の内部を露出させるための開閉可能な矩形状の開閉板16が設けられている。尚、開閉板16の開閉構造の詳細については、後述する。
【0028】
上述した側壁部23には、ケーブル41を通すための切欠き23aが設けられており、外部装置との接続時には、当該切欠き23aにケーブル41が通される(
図2参照)。具体的には、開閉板16を開けてケーブル41及び接続用ソケット42が外部に一旦引き出された後、切欠き23aにケーブル41が通された状態で開閉板16が閉じられる。尚、LED照明器具どうしを電気的に接続する場合、2つの接続用ソケット42が、互いに接続された状態で何れか一方のLED照明器具のケース部21内に収納され、そして開閉板16が閉じられる。この場合、当該ケース部21には、切欠き23aを通じて他のLED照明器具のケーブル41が引き込まれることになる。
【0029】
開閉板16の開閉構造の詳細について説明する。
図3(A)に示される様に、開閉板16には、開閉時の支軸となる一対の突起部161が形成されている。又、ケース部21の内壁には、一対の突起部161がスライド可能に嵌合する一対のガイド溝21aが形成されている。この様な構成によれば、ヒンジ等の金具を用いることなく、開閉板16の開閉構造を簡単に構築することができる。又、ヒンジ等の金具を用いる必要がないので、当該金具への接触等で生じ得るケーブル41の損傷を防ぐことができる。
【0030】
更に、上記開閉構造の場合、一対のガイド溝21aの何れにも直交する仮想線に対して開閉板16の支軸が傾いた場合、開閉板16にはガタツキが生じる。そこで、本実施形態では、その様なガタツキを抑止するべく、開閉板16の両側端縁(一対のガイド溝21aに沿う2つの端縁)に、開閉板16を開いたときでもガイド溝21aに被さるガイド板162が1つずつ設けられている(
図2参照)。
【0031】
本実施形態では、鍔部22の下方であって且つケース部21の下面位置より上方の空間内に直管型光源部1が収まる様に(
図3(A)参照)、当該直管型光源部1の径が決められている。よって、LED照明器具の厚さTは、器具本体部2の厚さによって決められている。一例として、LED照明器具の厚さTは15mm以下であり、直管型光源部1の径として取り得る最大値は、LED照明器具の厚さTから鍔部22の厚さを差し引いた値となる。即ち、LED照明器具の薄型化に伴い、直管型光源部1の径が小さくなる。
【0032】
そして、上述した回転部31及び回転支持部32は、LED照明器具の薄型化を妨げることなく、径が小さい直管型光源部1を中心軸周りに回転させることを可能にする以下の具体的な構成を有する。尚、右側の回転部31及び回転支持部32で構成される回転機構と、左側の回転部31及び回転支持部32で構成される回転機構と、は構成が同じであるので、以下では、一方の回転機構についての説明のみを行う。
【0033】
図4は、回転機構を示した分解斜視図である。又、
図5(A)は、回転機構の断面図である。
図4及び
図5(A)に示される様に、回転部31は、直管型光源部1の端部を構成すると共に、直管型光源部1の中心軸と同軸に配される。即ち、回転部31は、その回転軸が直管型光源部1の中心軸に一致する様に配されている。尚、
図5(B)の斜視図には、
図4とは別の方向から見た回転部31が示されている。
【0034】
本実施形態では、回転部31は、筒部311と底部312とを有した有底円筒体であり、回転支持部32は、筒部311を内側から回転可能に支持する軸部である。具体的には、回転支持部32は円筒状であり、回転部31の底部312の内面(筒部311側の面)には、筒部311内へ突出したガイド部330が設けられている(
図5(A)及び(B)参照)。ここで、ガイド部330は、筒部311との間に回転支持部32が挟まる様に設置されており、回転部31の回転時において回転支持部32の内周面に沿って摺動する。これにより、回転部31の回転軸の傾きが抑止され、当該回転部31の滑らかな回転が実現される。
【0035】
そして、回転部31は、その底部312が、カバー11の内部に支持された放熱板12の端部に連結固定される。具体的には、底部312に、当該底部312を貫通するネジ穴312aが設けられており(
図4参照)、当該ネジ穴312aを通じて放熱板12のネジ穴123a(
図3(A)及び(B)参照)にネジが捩じ込まれることにより、放熱板12の端部に回転部31が固定される。一方、回転支持部32は、側壁部23に一体的に形成されている(
図4参照)。尚、回転支持部32は、側壁部23に一体的に形成されたものに限らず、側壁部23にネジ留め等で固定されたものであってもよい。
【0036】
直管型光源部1における回転部31の固定構造について、詳細に説明する。底部312の外面(筒部311とは反対側の面)には、
図4に示される様に、3つの第1リブ部331A〜331Cと、2つの第2リブ部332A及び332Bと、が形成されている。これらのリブ部は、カバー11の開口端部(
図3(B)参照)に挿入されることにより、カバー11に対する回転部31の位置を決める。
【0037】
具体的には、3つの第1リブ部331A〜331Cは、カバー11の内周面11a(
図3(B)参照)に接触することにより、回転部31の回転軸をカバー11の中心軸に一致させる。又、2つの第2リブ部332A及び332Bは、凹部111A及び111Bのそれぞれの開放端(上記凹形状のまま開放された端。
図3(B)参照)に差し込まれることにより、ネジ穴312aの位置が放熱板12のネジ穴123aの位置に一致する様に、カバー11に対する中心軸周りの回転部31の向きを決める。ここで、上述した様にネジ穴123aをカバー11の中心軸より上方に位置させたことに伴い、当該ネジ穴123aに一致するネジ穴312aも、カバー11の中心軸より上方に位置している。これにより、カバー11に対する中心軸周りの回転部31の回転が規制される。更に、第2リブ部332A及び332Bは、凹部111A及び111Bにそれぞれ差し込まれたときに長手方向Dwについての放熱板12の端面に当接することにより、カバー11内での放熱板12の位置をも決めることができる。
【0038】
そして、位置が一致したネジ穴312a及び123aにネジを捩じ込むことにより、カバー11に対する中心軸周りの回転部31の回転が規制されたまま、放熱板12の端部に回転部31が固定される。よって、回転部31とカバー11とが別個に回転してしまうことがなく、従って、回転部31を回転させたとき、その回転がそのまま直管型光源部1に伝達される。
【0039】
上述したLED照明器具によれば、回転部31を回転させることにより、直管型光源部1を中心軸周りに回転させることができる。よって、ケースや棚などに陳列される商品の位置(ケース等の奥側の位置や手前側の位置など)に応じて、照明の向きを調整することができる。即ち、回転部31を、照明の向きを変化させるための操作部として機能させることができる。よって、本実施形態では、回転部31の操作性を向上させるべく、回転操作時の指の滑りを抑止するための突起部313が回転部31の外周面31aに設けられている。尚、指の滑りを抑止するための構成には、外周面31aに突起部313等の引掛りを設けた構成に限らず、例えば、指との間に摩擦を生じるラバー等の部材が外周面31aに設けられた構成であってもよい。
【0040】
しかも、上述した回転機構は給電構造を持たないため、当該回転機構を構成する回転部31及び回転支持部32を小さいサイズで成形することができる。従って、LED照明器具の厚さTが小さくても、その厚さTに応じて回転機構のサイズを小さくすることができる。具体的には、直管型光源部1の中心軸方向(即ち、長手方向Dw)から見たときに、回転機構の全体(後述する突起部313を除く)が直管型光源部1の断面領域内に収まる様に、当該回転機構のサイズを小さくすることができる(
図6参照)。よって、LED照明器具の薄型化を妨げることなく、当該LED照明器具に対して、直管型光源部1を回転させるための回転機構を構築することができる。
【0041】
よって、本実施形態のLED照明器具によれば、薄型化と、照明の向きを可変にすることと、を両立させることができる。
【0042】
尚、放熱板12への回転部31の固定は、ネジ留めに限らず、回転部31の底部312に設けた爪部と放熱板12との係合によるものであってもよい。又、直管型光源部1における回転部31の固定構造は、放熱板12への回転部31の固定によって実現される場合に限らず、カバー11への回転部31の固定(例えば、摩擦係合)によって実現されてもよい。これらの構成によれば、回転部31にネジ穴312aを設ける必要がなくなるため、回転機構のサイズを更に小さくすることが可能になる。
【0043】
又、上記回転機構において、回転支持部32の外側に位置する回転部31は透光性を有していることが好ましい。この構成によれば、LEDの光の一部を、回転部31を通じて外部に放つことができる。よって、複数のLED照明器具を長手方向Dwに繋げて配列したときに、隣り合う2つのLED照明器具の直管型光源部1の間からも、回転部31を通じて光を外部に放つことができる。よって、複数のLED照明器具を配列したときの照明光の連続性を高めることができる。
【0044】
更に、上記回転機構において、回転部31及び回転支持部32は、回転部31を回転可能に支持するための互いに対向した周面を有する(
図5(A)参照)。本実施形態では、回転部31の内周面31b(具体的には、筒部311の内周面)と回転支持部32は外周面32aとが、回転部31を回転可能に支持するための互いに対向した周面となる。
【0045】
そして、回転部31の内周面31bには、複数の溝部314が、周方向Dcについての異なる位置に設けられている(
図5(A)及び(B)参照)。本実施形態では、内周面31bに溝部314が4つ設けられている。尚、
図5(A)及び(B)では、それらが符号A〜Dで区別されている。具体的には、4つの溝部314A〜314Dは、隣接するものどうしが部分的に重なる様に設けられており、これにより周方向Dcにおいて互いに繋がっている。即ち、4つの溝部314A〜314Dは連続的に形成されており、従って、溝部の中間部(隣接する2つ溝部が重なった部分)の中心軸からの距離が、溝部がない部分の中心軸からの距離より大きくなっている。これにより、4つの溝部314A〜314Dの間を、これらに対応する後述の係合突起321は移動することが可能になっている。尚、本実施形態では、4つの溝部314A〜314Dが、それらを1組として、内周面31bのうちの周方向Dcについての3箇所に1組ずつ(計3組)設けられている。
【0046】
回転支持部32の外周面32aには、回転部31の回転に応じて4つの溝部314A〜314Dの何れかに係合する係合突起321が設けられている(
図4及び
図5(A)参照)。尚、本実施形態では、係合突起321は、3組の溝部にそれぞれ1つずつ対応させて、計3つが外周面32aに設けられている。
【0047】
この様な回転機構によれば、係合突起321との係合対象が4つの溝部314A〜314Dから選択されることにより、中心軸周りについての直管型光源部1の回転角を4段階で変化させることができる(
図7(A)〜(D)参照)。即ち、照明の向きを4段階で変化させることができる。尚、
図7(A)〜(D)には、直管型光源部1の回転角を4段階で変化させたときのそれぞれの状態が示されている。
図7(A)〜(D)では、照明の向きが実線矢印で示され、
図7(A)での照明の向きを示す基準線が一点鎖線で示されている。よって、複数のLED照明器具が一列に並べて設置されている場合、それらの照明の向きを一方向に簡単に揃えることができる。
【0048】
又、係合突起321と各溝部314との係合を解除するためには、解除に必要な回転力を回転部31に与える必要がある。従って、直管型光源部1(回転部31やカバー11)への商品や手の接触等が原因で意図せず照明の向きが変わってしまうということがない。よって、複数のLED照明器具が一列に並べて設置されている場合、それらの照明の向きを一方向に揃えた状態で維持することができる。
【0049】
更に、4つの溝部314A〜314Dが連続的に形成されることにより、回転部31の回転操作時にクリック感が生じ、従って、回転部31の操作性が向上する。
【0050】
尚、上述したLED照明器具の回転機構において、回転支持部32の外周面32aに複数の溝部が設けられ、当該複数の溝部の何れかに係合する係合突起が回転部31の内周面31bに設けられていてもよい。
【0051】
又、上述したLED照明器具において、回転部31が、回転可能な軸部に変形され、回転支持部32が、軸部である回転部31を受ける軸受部に変形されてもよい。この場合、回転部31の外周面と回転支持部32の内周面とが、回転部31を回転可能に支持するための互いに対向した周面となる。そして、一方の周面に、複数の溝部314が周方向Dcについての異なる位置に設けられ、他方の周面に、回転に応じて複数の溝部314の何れかに係合する係合突起321が設けられる。又、回転部31及び回転支持部32のうち、径方向において外側に位置する回転支持部32が、透光性を有していることが好ましい。
【0052】
上述したLED照明器具において、1つの係合突起321が係合対象とする溝部314の数は、4つに限定されない複数であってもよい。又、複数の溝部314は、連続している場合に限らず、周方向Dcにおいて離間して設けられていてもよい。
【0053】
更に、上述したLED照明器具は、回転機構において溝部314及び係合突起321が省略された構成であってもよい。
【0054】
上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。更に、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。