特許第6689812号(P6689812)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ クリンゲルンベルク・アクチェンゲゼルシャフトの特許一覧

特許6689812光センサを有する座標測定装置とそれに対応する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6689812
(24)【登録日】2020年4月10日
(45)【発行日】2020年4月28日
(54)【発明の名称】光センサを有する座標測定装置とそれに対応する方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/24 20060101AFI20200421BHJP
【FI】
   G01B11/24 A
【請求項の数】15
【外国語出願】
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2017-212132(P2017-212132)
(22)【出願日】2017年11月1日
(65)【公開番号】特開2018-105847(P2018-105847A)
(43)【公開日】2018年7月5日
【審査請求日】2018年8月14日
(31)【優先権主張番号】16198080.0
(32)【優先日】2016年11月10日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596043494
【氏名又は名称】クリンゲルンベルク・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Klingelnberg AG
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】ゲオルク・ミース
【審査官】 小野寺 麻美子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−012134(JP,A)
【文献】 特開昭62−172208(JP,A)
【文献】 再公表特許第2006/030664(JP,A1)
【文献】 特開平07−294231(JP,A)
【文献】 米国特許第04547674(US,A)
【文献】 独国特許出願公開第04142676(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00 − G01B 11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の軸(X1、Y1、Z1、A1)、測定する歯車ワークピース(11)の回転駆動可能なソケット(13、14)及び測定アセンブリ(17)を有し、
前記歯車ワークピース(11)に対する前記測定アセンブリ(17)の送り運動と測定動作を実施するように構成され、
前記測定アセンブリ(17)は、非接触作動する光スイッチセンサ(20)を有しており、
前記センサ(20)は、焦点トリガセンサとして構成され、
前記焦点トリガセンサは、光軸に沿って前記歯車ワークピース(11)の物体平面(OE)の方向へ光線(LS)を発するように前記測定アセンブリ(17)に配置されており、
前記歯車ワークピース(11)の前記物体平面(OE)に対するスキャニング動作は、前記1つ又はそれ以上の軸(X1、Y1、Z1、A1)を使って前記焦点トリガセンサと共に実施され、
前記物体平面(OE)が前記焦点トリガセンサに対して公称距離(NA)に到達すると、前記焦点トリガセンサによって切替信号(s2)が常に提供される座標測定装置(10)。
【請求項2】
前記焦点トリガセンサが前記歯車ワークピース(11)の前記物体平面(OE)に対して斜めに配置され、
前記物体平面(OE)への前記光線(LS)の角度は、±5度から±70度の角度範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の座標測定装置(10)。
【請求項3】
前記焦点トリガセンサが2セグメント又は4つの4分円測定手法に基づく機能を有するセンサに関するという特徴を有する請求項1又は2に記載の座標測定装置(10)。
【請求項4】
前記焦点トリガセンサが4分円測定手法に基づき、受光側に光の感知部品を有し、
前記感知部品は、4分円のような共通平面に配置された4つの感知領域(a、b、c、d)を有するフォトダイオード(32)であり、
前記4つ全ての感知領域(a、b、c、d)が前記光線(LS)の同一反射光強度を受光すると直ぐに前記切替信号(s2)を提供するために、前記各4つの感知領域(a、b、c、d)は、評価装置(40)の各測定入力に接続されていることを特徴する請求項3に記載の座標測定装置(10)。
【請求項5】
前記焦点トリガセンはフーコーの原理に基づく機能を有しており、送信側で前記光線(LS)を発するための造影光システム(21)と、
受光側の前記物体平面で反射する前記光線(LS)を受光するために複数の異なるダイオード(31、32)を有するセンサに関するという特徴を有する請求項1から4のいずれか1つに記載の座標測定装置(10)。
【請求項6】
前記焦点トリガセンサは、前記光線(LS)を発するレーザーを有するレーザーポイントセンサに関するという特徴を有する請求項1又は2に記載の座標測定装置(10)。
【請求項7】
前記複数の軸(X1、Y1、Z1、A1)のうちの1つに割り当てられた少なくとも1つの変位センサ(19、19.X1、19.Y1、19.Z1)と、
前記回転駆動可能なソケット(13、14)と関連する少なくとも1つの角度センサ(16)とを有するという特徴を有する請求項1から6のいずれか1つに記載の座標測定装置(10)。
【請求項8】
前記焦点トリガセンサが前記切替信号(s2)を提供すると直ぐに、前記歯車(11)の前記物体平面(OE)に対する前記スイッチセンサ(20)の実際の位置に対する前記少なくとも1つの変位センサ(19、19.X1、19.Y1、19.Z1)と前記少なくとも1つの角度センサ(16)との実データを保存するように構成されたメモリ(18)を有する請求項7に記載の座標測定装置(10)。
【請求項9】
前記焦点トリガセンサが前記切替信号(s2)を提供すると直ぐに、前記歯車(11)の前記物体平面(OE)に対する前記スイッチセンサ(20)の実際の位置に対する前記少なくとも1つの変位センサ(19、19.X1、19.Y1、19.Z1)と前記少なくとも1つの角度センサ(16)の実データを処理するように構成されたソフトウェアモジュール(SM)を有することを特徴とする請求項7に記載の座標測定装置(10)。
【請求項10】
制御システムの一部であるソフトウェアモジュール(SM)によって、前記歯車(11)の前記物体平面(OE)の少なくとも1つの幾何学的表示が実データから決定されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の座標測定装置(10)。
【請求項11】
自動化された方法で実行される測定操作は、ソフトウェアモジュール(SM)によって前記座標測定装置(10)において実施され、
前記ソフトウェアモジュール(SM)は、調整システムの一部であり、
前記歯車ワークピース(11)のピッチ測定と、
前記歯車ワークピース(11)の少なくとも1つの歯すじの測定が実施されることと、
前記歯車ワークピース(11)の歯形の測定が実施されることのうちの1つ、2つ若しくは全てに基づく請求項1から4のいずれか1つに記載の座標測定装置(10)。
【請求項12】
歯車(11)を座標測定装置(10)に設置する工程と、
焦点トリガセンサとして構成され、非接触方法で作動する光スイッチセンサ(20)を、測定される前記歯車ワークピース(11)の物体平面(OE)に対する測定位置へ動かすために、前記座標測定装置(10)の少なくとも1つの軸(X1、Y1、Z1、A1)を使用して第1の相対送り運動を実施する工程と、
前記スイッチセンサ(20)を使って前記歯車ワークピース(11)の光測定を実行する工程とを有する、前記座標測定装置(10)で前記歯車ワークピース(11)の非接触光測定を実施する方法であり、
前記スイッチセンサ(20)を使って前記歯車ワークピース(11)の光測定は、
回転軸(A1)に対して前記ワークピース(11)を回転駆動させる工程と、
前記物体平面(OE)が前記スイッチセンサ(20)に対して公称距離(NA)に到達すると、前記スイッチセンサ(20)を介して切替信号(s2)を提供する工程と、
前記座標測定装置(10)の実データを検知する工程と、
実データから前記歯車ワークピース(11)の幾何学的データを決定する工程を有する方法。
【請求項13】
前記スイッチセンサ(20)が、前記歯車(11)の回転駆動に付随してスキャニング動作を実施することを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記歯車(11)のピッチ測定と、
前記歯車(11)の少なくとも1つの歯すじの測定と、
前記歯車(11)の歯形の測定
の内の1つ、2つ若しくは全てを実施するために実行されるということを特徴とする請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記焦点トリガセンサが前記歯車(11)の前記物体平面(OE)に対して斜めに配置され、
前記物体面(OE)に対して光線(LS)の角度が±5°から±70°の角度範囲内にあることを特徴とする請求項12から14のいずれか1つに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯車ワークピースを光学的に測定するための光センサを有する座標測定装置とそれに対応する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの技術分野で、部品を正確に測定することは極めて重要である。
【0003】
例えば、表面の質や外形を触覚検知するための様々な測定装置がある。一般的に機械的スキャニングの間、プローブ(探針)の先端が測定表面上を案内される。その結果は、スキャニング経路上に記録された信号であり、それにより表面の形状が説明できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのような測定は、製造工程の間、可能な限りインラインで実施される必要がある。しかしそこでは、上述の機械的スキャニングは非常に正確であるが残念なことに相当遅い。従って、ほとんどの場合、機械的測定を製造工程へ組み入れることは適切ではない。それゆえ今日、機械的スキャニング方法は、誤差が生じたときに進行中の製造工程に干渉できるようにするため、例えば、連続生産から個々の部品をサンプルとして検査するために用いられる。
【0005】
最初は、光学的測定は機械的測定の代替になり得た。光学的な測定センサを使用することは理想的であった。しかしながら、光学的な測定センサは、様々な理由により、歯車を測定するための要件に適さないことが分かった。歯車測定に適用される特別な要件又は基準とは、好ましくないスキャニング角と、例えば、歯面のなめらかな表面と、隣接する歯面を介するシェーディングと、測定精度(0.1から0.3マイクロメーターの範囲内)についての高い要求である。
【0006】
公知の干渉計のセンサは相当精密で相当高い解像度を有するが、測定範囲は狭い。この種のセンサの(測定)表面までの距離は相当短くなければならず、受光角が相当狭い。さらに、このような干渉計センサは相当高価である。
【0007】
レーザー三角測量方式センサの原理に基づいて作動するセンサは、高速でありかつ広い受光角を有する。しかしながら、残念なことに、レーザー三角測量方式センサは歯車を測定するためには十分に正確ではない。つまり、そのようなセンサは極めて限られた状況のもとで使用できるだけである。
【0008】
クロマチックセンサは高い解像度を有するが、上述の条件を満たそうとすれば、大きな口径を必要とする。さらに、原理的には適切であるクロマチックセンサは、広範囲のライトコーンを有する。シェーディングは受光角を大幅に狭めるかもしれない。クロマチックセンサがより急勾配に配置されると(つまり、より急勾配なスキャニング角が定められると)、シェーディングの問題はある程度回避され得る。しかしながら、急なスキャニング角では、センサは有効な信号を受信できない。
【0009】
製造中又は製造後直ぐに、各単一歯車ワークピースを理想的に検査できるようにするために、歯車ワークピースの製造において高速測定を実施できる必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の目的は、高速でかつ正確に歯車ワークピースを測定できる装置と相当する方法を提供することである。
【0011】
本目的は、請求項1に記載の座標測定装置と請求項12に記載の方法よって達成される。
【0012】
本発明に係る座標測定装置は、複数の軸、測定される歯車ワークピース用の回転可能なソケット(柱受)及び測定アセンブリを備えており、座標測定装置は、測定アセンブリが歯車ワークピースに対して相対送り運動と測定動作を実施するように構成される。本発明に沿った座標測定装置は、測定アセンブリが非接触方法で作動する光スイッチセンサを有し、その光スイッチセンサは焦点トリガセンサとして構成され、焦点トリガセンサは、歯車ワークピースの物体表面の方向へ光軸に沿って光線を発することができるような方法で測定アセンブリに配置され、歯車ワークピースの物体表面に対する送り運動は、1つ又はそれ以上の軸を使用して焦点トリガセンサと共に実施され、切替信号は、焦点トリガセンサが物体表面に対して公称寸法に到達すると直ぐ、焦点トリガセンサによって提供され得ることを特徴とする。
【0013】
少なくとも1つの軸はNC制御軸として構成されることが望ましい。
【0014】
このスイッチセンサは公称寸法に到達すると切替信号を出力するので、本発明は高精度で高速な空間決定を可能にする少なくとも1つの光スイッチセンサの使用に基づく。本発明の場合のように、光スイッチセンサが、(部分的に又は完全にNC制御され得る)個々の軸を高精度で機械配置した座標測定装置に用いられると、光スイッチセンサは測定する表面、線及び点に対する公称寸法に向けて正確に動かされ得る。例えば、光スイッチセンサが切替信号を出力すると、座標測定装置の瞬間座標情報(実データ)が読み取られかつ(直ぐに)保存されるか又はその読み取りと保存のどちらかが行われる。瞬間座標情報から公称距離を考慮した上で表面の焦点の位置が正確に決定され得る。
【0015】
本発明の実施形態は、歯車ワークピースの1回又はそれ以上のフル回転と共に、直線相対送り運動と測定動作の両方又はどちらか一方を数回だけ実施する測定方法を有することが望ましい。そのような実施形態は、高速な光切替測定を用いる。
【0016】
本発明の実施形態は、光切替センサが測定を行う間、歯車ワークピースが回転駆動させられるという事実に基づいて測定方法を有することが望ましい。この場合、測定点のための位置を測定する度にセンサが相対送り運動によって公称距離に置かれる必要がないという事実に特別な注意が払われる。測定表面からのセンサの相対距離を変えることは、この表面の相対距離が歯車ワークピースの回転運動の結果として変化するという事実に起因する。
【0017】
今までは、1つの歯車ワークピースの触知できるピッチ測定は歯面ごとに数秒続いた。これは、結果として歯車全体には数分間に至る測定時間になり得る。ハードウェアとソフトウェアの両方又はどちらか一方の構成において光スイッチセンサと制御システムを装備する本発明の座標測定装置におけるピッチ測定は、同じ歯車ワークピースの全ての歯面で1分以下数秒以内に実施され得る。
【0018】
本発明は、光スイッチセンサとしての焦点トリガセンサの使用に依拠する。これらの焦点トリガセンサは強い光強度を有し、それらの物理的な機能原理のため相当小さい光点を使用する。それゆえこの光点は相当明るい。急なスキャニング角でも、光の有効な部分はセンサの(受信)光学素子に反射する。これらは、歯車測定のためにそのような焦点トリガセンサを使用することに関する重要な特徴である。
【0019】
レーザーが発光体として使われるとき、「ライトコーン」が特に細いことは焦点トリガセンサのもう一つの利点である。特に細いライトコーンはシェーディングを減らすことと同じである。それゆえ、レーザーベースの焦点トリガセンサは特に歯面の測定に適している。
【0020】
焦点トリガセンサは、唯一の特性距離(公称距離)を有し、そこで焦点トリガセンサは高精度な測定をする。誤った測定信号に至り得るセンサシステムの線形性の誤差又はレンズの光学的誤差はこの原理によって排除される。しかしながら、この原理は、測定位置を測定する公称距離点を見つけるために表面からのセンサの距離を変えることによる間接測定にのみしか焦点トリガセンサが適さないという欠点がある。これは高精度な測定直線軸を必要とする。直接測定光センサと比較すると、この間接測定は多くの応用例に好ましくない。
【0021】
しかしながら、本発明に沿った歯車測定方法は、センサの動きによって表面からのセンサ距離が変化することを用いず、歯車の連続回転と歯車表面に対するセンサの巧妙な配置によって表面からのセンサ距離が変化することを用いる。従って本発明によると、歯車の特別な特性が使われる。つまり、連続回転の間、センサの光線に対して歯面の周期的な繰り返し手法が使われる。表面がセンサまでの公称距離に到達するといつでもセンサが起動させられる。
【0022】
それゆえ本発明は、測定の間、焦点(公称距離)に到達するために光センサ軸と平行な(直線)再調整を行わない。
【0023】
従って、本発明は、歯車の表面とセンサの間の相対距離が周期的に変化する適切な全体配置を使用する。公称距離に到達する度にトリガ信号が発せられ、さらなる工程の間、座標システムにおいて瞬間相対位置を決定するために瞬間位置の値が記録される。本発明の測定方法の実際の実施において、システムはセンサの直線的な移動に基づかず、歯車の連続回転運動に基づいている。
【発明の効果】
【0024】
本発明の方法は、特にピッチ測定に適しており、そのピッチ測定では、センサが歯車ワークピースの回転軸に対して(少なくとも時々)静止する間、歯車ワークピースの高速で連続した回転運動が実施される。これにより測定値を迅速に記録することができる。
【0025】
本発明の方法はまた、歯面の歯すじの測定等にも適している。そこでは、センサが歯車ワークピースの回転軸に平行で直線的に動かされる間、歯車ワークピースの高速で連続した回転運動が実施される。これにより、全ての歯の歯すじが短時間で決定される。
【0026】
本発明による装置と本発明の方法は、再調整が不要で、連続した高速の回転が利用されるので、高速で歯車を測定することができる。さらに、本発明は精度が高く、費用対効果も良い。
【0027】
本発明による座標測定装置と方法の有利な実施形態は従属項で開示される。
【0028】
本発明は1次元、2次元及び3次元の歯車表面測定と併せて使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本発明の実施形態は、図面を参照して以下により詳細に記載される。
図1図1は、本発明に従って光スイッチセンサを備えた座標測定装置の斜視図を示す。
図2図2は、光スイッチセンサを含む本発明の座標測定装置の一部を拡大した斜視図を示す。
図3図3は、典型的な光スイッチセンサの部品とビーム角の略図を示す。
図4図4は、光感知領域が4つのセグメントに分けられるフォトダイオードの概略的斜視図を示す。
図5図5は、図4のフォトダイオードと使用に適した典型的な評価装置のブロック図を示す。
図6A図6Aは、3つの異なる照射状況と4つの各ダイオードセグメントの信号の対応する論理評価を概略的に示す。
図6B図6Bは、3つの異なる照射状況と4つの各ダイオードセグメントの信号の対応する論理評価を概略的に示す。
図6C図6Cは、3つの異なる照射状況と4つの各ダイオードセグメントの信号の対応する論理評価を概略的に示す。
図7図7は、光スイッチセンサと平歯車の一部の概略斜視図を示す。
図8A図8Aは、開始位置にある光スイッチセンサの典型的なビーム角と平歯車の一部の概略上面図を示す。
図8B図8Bは、平歯車の別の歯の右側面を測定するときの平歯車の一部と図8Aのスイッチセンサの概略上面図を示す。
図8C図8Cは、平歯車の歯の左面を測定するときの平歯車の一部と図8Aのスイッチセンサの概略上面図を示す。
図9図9は、平歯車の左側歯面に蓄積された歯間のピッチ誤差の概略図を示す。
図10A図10Aは、さらに光スイッチセンサを伴う平歯車の一部の概略的斜視図を示しており、(縦の)歯すじはこの図を参照して説明される。
図10B図10Bは、図10Aの平歯車の一部の概略的斜視図を示しており、平歯車が2回転した後の中間位置における光スイッチセンサと平歯車の相対位置を示す。
図10C図10Cは、図10Aの平歯車の一部の概略的斜視図を示しており、平歯車がさらに回転した後の中間位置における光スイッチセンサと平歯車の相対位置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本明細書において、関連出版物と関連特許で使われている用語が使われる。しかしながら、これらの用語は単により良い理解を提供するためだけのものではないことに留意すべきである。本発明の概念と請求項の保護範囲は用語の特別な選択によって制限されるべきではない。本発明は別の概念システムと対象分野の両方又はどちらか一方に容易に適用できる。別の対象分野では、用語が適用されるべきである。
【0031】
図1に示される本発明の有利な実施形態は、自動でCNC制御された歯車測定センタ10が関連する。歯車測定センタ10は、本明細書では通常、座標測定装置10と呼ばれる。座標測定装置10は、原理的に、幾つかの適用を挙げればカーブ・アンド・カムシャフト測定やロータ測定のための、平歯車の検査、ホイール、ウォームとウォームギヤ、ホブ、傘歯車の切断及び研磨の検査、及び回転対称ワークピースの寸法・形状・位置偏差の検査に適している。つまり可能な応用例はほんのわずかである。
【0032】
しかしながら、本発明では、平歯車、傘歯車等の歯車ワークピース11を高速かつ正確に測定することが課題である。
【0033】
図示された実施例において、座標測定装置10は、NC制御部12によって駆動され得る(回転)テーブル13と搭載されたセンタリング手段14を有する。図1に示されるように、測定部品11が(回転)テーブル13と搭載されたセンタリング手段14の間で平歯車11によって同軸上に固定され得るように、(回転)テーブル13と搭載されたセンタリング手段14が配置される。平歯車11の歯は、本明細書と図2に例示的な態様のみで示される。
【0034】
図示された実施例において、平歯車11は、上下方向に伸びるシャフト11.1を有する。NC制御部12は、座標測定装置10の種々の軸のドライブユニット又はモーターに接続される。これらの部品はクラッディングの後ろに位置されているので、これらの詳細を図1で見ることができない。
【0035】
(図示されていない)動力伝導部は、任意の連結方法で(回転)テーブル13に接続されることが望ましい。(回転)テーブル13は、回転駆動部(回転ドライブ)によって第1の回転軸A1に対して回転することができ、NC制御部12によって制御される。例えば、センタリング手段14は、両方向の矢印14.2によって示されるように高さを変えることができるアーム14.1に取り付けられ得る。アーム14.1内で、搭載されたセンタリング手段14は、回転軸A1と一致する垂直軸に対して回転でき、歯車ワークピース11を固定するとき、復原力に対して上向きに動かすことができるような方法で固定される。
【0036】
本発明の座標測定装置10は、搭載されたセンタリング手段14又はカウンタホルダを装備しなければならないわけではない。また、(回転)テーブル13の構造と歯車ワークピース11の(回転)テーブル13への取り付けは、必要に応じて異なってもよい。
【0037】
さらに利点のある本発明の実施形態の詳細は図2に示される。
【0038】
本発明に係る座標測定装置10において、回転テーブル13は角度測定システム16(角度センサ)と関連付けることが望ましい。角度測定システム16(角度センサ)は、動力伝導部又は(回転)テーブル13の駆動側の角度位置について正確な説明ができる信号Sa1を提供する。例えば、角度測定システム16はテーブル13の下に配置され得るので、図1で見ることができない。そのような角度測定システム16は、信号sA1を提供する黒いポインタ16.1と角度スケールで、図2の右端に概略的に示されている。
【0039】
角度測定システム/角度センサ16は信号sA1を提供し得る。信号sA1は、(回転)テーブル13と部品11の瞬間的な駆動側の角度位置について説明できる。図2に信号の提供は名称sA1と破線矢印によって図2に示されている。
【0040】
本発明によると、座標測定装置10は複数のNC制御軸を有する。図示された典型的な実施形態において、これらは、3本の直線軸X1、Y1、Z1及び既に言及した回転軸A1である。これらの軸X1、Y1、Z1、A1は、光スイッチセンサ20と共に測定アセンブリ17の相対送り運動と相対測定動作を実行するように設計される。実際の相対測定動作は、回転軸A1に対して歯車ワークピース11が回転駆動することによって生じる。例えば、Y1軸に沿ってセンサを直線的に進める等による距離の変更は、実際の測定中は行われない。
【0041】
全ての実施形態において、光スイッチセンサ20は非接触方法で作動し、焦点トリガセンサとして設計されたセンサである。図1と2は、焦点トリガセンサが、部品11の物体平面OEの方向へ光軸に沿って光線LSを発することができるような方法で測定アセンブリ17に配置されることを概略的に示している。図1と2に示されるように、光スイッチセンサ20が、座標測定装置10の測定アセンブリ17に配置されるという事実のため、この光スイッチセンサ20は、1つ又はそれ以上のNC制御軸X1、Y1、Z1、A1を使って歯車の物体平面OEに対する送り運動を実施し得る。
【0042】
光スイッチセンサ20が適切な測定位置に到達するとすぐに、歯車ワークピース11は回転軸A1に対して回転させられる。歯車ワークピース11に周期的に配置された歯に起因する周期的な距離の変化により、光スイッチセンサ20は時々(理想的には歯面ごとに1回)、歯面の表面に対する位置であり、公称距離NAに一致する位置へ移動する。この時、スイッチセンサ20はそれぞれの切替信号s2を発生させる。
【0043】
図1と2に示されたNC制御軸X1、Y1、Z1、A1の配置は、一例として理解されるべきである。例えば、NC制御軸もまた異なるように配置され、NC制御軸の数もまた図1と2に示されているものより少なくてもよい。
【0044】
本発明の目的のため、焦点トリガセンサは、センサが物体平面OEに対する公称距離NAに到達すると常に切替信号s2を提供する光スイッチセンサ20である。
【0045】
本発明の最も単純な実施形態において、光スイッチセンサ20は、1つ又はそれ以上のNC制御軸X1、Y1、Z1、A1を使うことにより、光軸に沿って物体平面OEの方向へ進められる。物体平面OEに対する公称距離NAに到達すると直ぐに、スイッチセンサ20は参照符号s2によって図2に示される切替信号を発する。
【0046】
全ての実施形態において、相当する開始位置は完全に歯車ワークピース11の歯溝の外側にあることが望ましい。これにより、この部品11はセンサ20と衝突せずに回転することができる。
【0047】
正確に形成された座標システムにおける(例えば、x、y、z座標システムにおける)部品11の物体平面に対するスイッチセンサ20の相対送り運動のため、切替信号s2が生じると、座標測定装置10は歯車ワークピース11の物体平面OEに対するスイッチセンサ20の実際の位置を保存と評価の両方又はどちらか一方をする。
【0048】
実際の測定方法は、例えば、歯車ワークピース11の物体平面OEに対してセンサ20を直線的に進めることと切替信号s2を監視することによって近づけられたこの開始位置に基づいて開始される。多くの場合、測定方法は、歯車ワークピース11の回転運動を含み、場合によっては、センサ20は歯車ワークピース11に対して(例えば、(縦の)側面外形を測定するための回転軸A1と平行に)動かされ得る。
【0049】
全ての実施例において、座標測定装置10は、複数のNC制御軸X1、Y1、Z1のうちの1つに配置される少なくとも1つの変位センサ19と、回転駆動ソケット13、14に割り当てられる少なくとも1つの角度センサ16を備える。例えば、X1軸の変位センサ19.X1は、信号sx1を示す。Y1軸に割り当てられた変位センサ19.Y1の信号は、sY1によって示され、変位センサ19.Z1の信号はsZ1によって示される。変位センサ図8Aから8Cに示されている。
【0050】
例えば、スイッチセンサ20の切替信号s2が発せられると(つまりスイッチセンサ20が起動すると)影響を受けた軸の全ての実値が記録され得る。つまり、例えば、1つ又はそれ以上の直線軸の信号sX1、sY1、sZ1及び角度センサ16の角度表示がメモリに書き込まれる。
【0051】
このために、全ての実施形態において座標測定装置10はメモリ18を有するか又は、全ての実施形態において座標測定装置10はメモリ18に接続され得る。メモリ18は、自動焦点センサが切替信号s2を提供すると直ぐ、少なくとも1つの変位センサ19と少なくとも1つの角度センサ16の実データを保存するように構成されている。例えば、図2に、破線の信号矢印sA1、s2により、これらの信号がメモリ18に転送されたことが示されている。
【0052】
全ての実施形態において、変位センサ19と角度センサ16から生じた信号の転送は、切替信号s2がきっかけで生じることが望ましい。
【0053】
切替信号s2の内容にもよるが、例えば、この切替信号s2は、ゲートのイネーブル入力に加えられる。例えば、切替信号s2が論理値“0”から論理値“1”に変わると、実データ(例えば、信号sA1、sX1、sY1、sZ1)をメモリ18に転送するために、イネーブル入力はメモリ18にアクセスするメモリを開放する。
【0054】
スイッチセンサ20の公称距離NAと公称距離(又は光線LS)の前端でのトリガポイントの位置は自明の値なので、物体平面OEの相当する測定点の位置は、置換/角度センサの実データから計算することにより正確に決められ得る。本発明の様々な実施形態はこの原理に基づく。
【0055】
本発明の座標測定装置10における使用に適したトリガセンサであり、例えば、歯車ワークピース11を測定するとき、十分な精度で迅速かつ確実に利用可能な情報を提供できる様々な焦点トリガセンサがある。
【0056】
例えば、本発明の焦点トリガセンサはセンサ20であり、その機能は4分円測定手法に基づく。
【0057】
受光装置として、例えば、電荷結合素子(CCDs)を全ての実施形態で用いることができる。そこでは、スイッチセンサ20の光伝達が表面(物体平面OE)までの公称距離NAに到達したか否かを認識できるようにするため、これらの複数のCCDsが互いに特別なパターンで配置される。CCDsは電荷結合部品の代わりとなる。CCD部品の構成が先に決められた方法で反射光によって照らされると、相当するように装備された焦点トリガセンサは切替信号s2を出力できる。
【0058】
特に上述の4つの4分円測定手法では、CCDs又は別の光感知部品は、共通平面で互いに隣合う4つの4分円として配置されることが望ましい。この共通平面は、物体平面OEで反射した光線LSの中心光線に完全に垂直である。4つの4分円全てが全く同じ光強度を受信すると、切替信号s2が出力する。
【0059】
本明細書に記載された4つの4分円測定手法もまた、光感知部品の光感知領域が、例えば、前述の4つのセグメントの代わりに、2つのセグメントに細分化された光感知部品を伴って実施されてもよい。
【0060】
本発明によると、全ての実施形態において、受動的に動作する焦点トリガセンサが、スイッチセンサ20として用いられることが望ましい。本明細書で「受動的」と言う言葉は、このスイッチセンサ20が(例えば、図3を参照して、レンズを動かす又はレンズ群21を調節するために)発光光学素子を適用する方法を有しないことを意味する。これは、受動的に作動する焦点トリガセンサはズーム又は自動焦点光学素子を有しないことを意味する。本発明の意味では、受動的に作動する焦点トリガセンサは、不変的に予め決められた公称距離NAを有する。そして公称距離NAは、(例えば、メンテナンスの間に)ほとんどはわずかな調整のために調節され得る。「焦点」という言葉は、本明細書では、スイッチセンサ20の光発信器の焦点又は公称距離NAの自動調節を示さないが、公称距離NAに達したか否かを自動で認識することを示す。この自動認識は、適切な配置と(CCDs、フォトトランジスタ若しくはフォトダイオードのような)光学的な感知受信センサの(切替)配線の両方又はどちらか一方によって実施される。
【0061】
図3は原理構造と本発明の典型的なスイッチセンサ20の光線経路を概略化形式で示している。この図は、説明目的で用いられた単なる一例である。
【0062】
ポイント型の源22から発する光線LSが、図3に示される。光線LSは光線スプリッタ23を介して誘導される。例えば、光線スプリッタキューブ、プリズム若しくは半透明の鏡が光線スプリッタ23として使われ得る。これは、実施例としてまた、模式的にレンズ群21として本明細書に図示される造影レンズによって理解される。例えば、源22として本明細書で働く(レーザー)光源は、長方形のスイッチングブロックによって図面に描かれている。
【0063】
物体平面OEから反射した光は、光線スプリッタ23の部分反射層を通って受光器30に到達する。例えば、受光器30は1つ又はそれ以上の絞りと、別の光学素子部品を有する。全ての実施形態において、受光器30は図3に長方形のスイッチングブロックで描かれている検知器31を有する。
【0064】
例えば、受光器30は、全ての実施形態において、検知器31の前方に配置される2つのピンホール絞り隔膜を有する。例えば、物体平面OEとスイッチセンサ20の間の距離が長くなる又は短くなるときはいつでも、反射光要素はピンホール絞りによって徐々に妨げられる。一方で、2つのピンホール絞りによって生じた光点が互いの上に正確に重なるとき、反射光要素は、検知器31の受光表面に最大強度で到達する。
【0065】
例えば、検知器31からのアナログ出力信号を評価することで、最大強度は決定され得る。公称距離NAに到達すると、受光強度は最大になり、スイッチセンサ20は切替信号s2を出力し得る。
【0066】
本発明の検知器31はまた、ピンホール絞りを有さず4つの4分円受光器としても使われ得る。図4は、光感知表面が4つの等しいセグメントa、b、c、dに細分化される先行技術の(シリコン)フォトダイオード32を、単に模式的な形式で示している。(例えば、上述の手法もまた2つの等しい大きさのセグメントのみで機能する)セグメントa、b、c、dは、共通平面で互いに近くに置かれた4つの4分円を形成する。4分円を電子的に離すために、例えば、V字形の溝33が設けられる。図4の(シリコン)フォトダイオード32は敢えて感知表面が下方に姿勢で示される。例えば、ダイオード32は図3の検知機31において図示された姿勢で使われ得る。
【0067】
4つの4分円a、b、c、dに細分化される(シリコン)フォトダイオード32の機能原理は図5を参照して実施例により説明される。そこでは、複数の実施解法が図5に示されている。
【0068】
図5では、図4の(シリコン)フォトダイオード32が上部から示されている。この場合、光感知表面は図面の平面に平行である。例えば、概略的に示されるように、4つのセグメントa、b、c、dはそれぞれ評価装置40の独立した評価回路に接続され得る。実施例で示されるように、本明細書では、これらの評価回路はフィードバックを伴う増幅段階を有する。このような回路はよく知られており、それゆえ、説明的方法のみだけで示される。増幅段階は各セグメントa、b、c、dの出力信号を強く増幅する。出力信号はsa、sb、sc及びsdによって示される。これら4つの強増幅信号はコンパレータ回路41に供給される。
【0069】
コンパレータ回路41は、図示された実施例において異なる型で設計される。以下で実施例を参照して原理を説明する。図6Aから6Cに、図4の(シリコン)ダイオード32と評価装置40の内部論理オペレーションのみが示されている。例えば、そのような評価装置40において動作する論理評価は、等式の形で例として記載されている。
【0070】
4つの全てのセグメントa、b、c、dが一様に照らされる場合、つまり反射光線が光感知表面の中央に垂直に当たる場合、4つ全ての信号sa、sb、sc及びsdは等しい。図6Aに示されるように、4つの等式sa−sb=sab=0、sa−sd=sad=0、sb−sc=scd=0及びsc−sd=scd=0により、2つの各信号sa、sbとsc、sdの組み合わせにおける異なる構成はそれぞれの場合で0になる。これらの2つの異なる構成の結果sab、sad、scd、scdが(例えば、4つの異なる構成により)再び互いに関連すると、4つ全てのセグメントa、b、c、dは、評価時に同一光強度を正確に受信するか否かを決定し得る。
【0071】
図6Aにおいて、信号sa、sb、sc、sdの論理接続は、IF−THEN−ELSE評価を実行する仮のプログラミング言語に基づいて示される。信号sa、sb、sc、sd全てが0と等しくなると、切替信号s2は論理値「1」に設定される。これは、この場合切替信号s2が出力されることを意味する。他の全ての場合、切替信号s2は論理値「0」のままである。
【0072】
例えば、評価装置40の出力時、出力信号s2を提供するトリガ回路が設けられる。例えば出力信号s2は論理値「0」から論理値「1」に上げられ得る。
【0073】
全てのセグメントa、b、c、dが同一の光強度を受光さえすれば、4つのセグメントa、b、c、dが完全に照らされていない時も図6Aの原理は有効である。相当する実施例は図6Bに示される。例えば、図6Bの場合も、出力信号s2は論理値「0」から論理値「1」に上げられる。
【0074】
図6Cを参照して、公称距離NAに到達しないときの状況を説明する。この場合、例えば、反射光の光点は、2つのセグメントaとbの領域にある。この場合、セグメントcとdは光を受けない。この場合、4つの等式のうち2つは0ではない。従って、以下の等式は再び0になる。:sab−scd=0。全ての信号又は値sa、sb、sc、sdが0ではないので、条件sa=sb=sc=sd=0が満たされない。これは、セグメントa、b、c、dへの照射が一様でないことを推測できる。この場合、切替信号s2は論理値「0」のままである。
【0075】
4つの4分円測定手法の使用に基づく全ての実施形態において、設定解法は、4つのセグメントa、b、c、dの信号を評価するために使われることが望ましい。その設定解法は、あらゆる重要で特別な場合と状況が確実に検出されるような方法で構成される。
【0076】
全ての実施形態で、設定解法は論理ゲート回路の形式で実施され得る。しかしながら、図6Aから6Cの仮のプログラミング言語によって示されるように、全ての実施形態において、設定解法はソフトウェアの形式においても実施され得る。後者の場合、4つのセグメントa、b、c、dの信号は、相当するソフトウェア実施設定解法によって処理される前にデジタル形式に移されることが望ましい。
【0077】
図5図6Aから6Cに示され、本明細書で説明されている原理によって強度を比較できるようにするために、コンパレータを設置するための幅広い多様な可能性がある。本明細書に記載された事項は単に実施例として理解されるべきである。
【0078】
4つの4分円測定手法によって作動する焦点トリガセンサは、受信機側に、4つの4分円のように互いに共通平面に配置される4つの感知領域a、b、c、dを有する。例えば図5に示されるように、4つ全ての感知領域a、b、c、dが同じ反射光強度である光線を受信するとすぐに切替信号s2を提供するために、これらの4つの感知領域a、b、c、dはそれぞれ評価装置40の各測定入力と接続される。
【0079】
本発明の別の実施形態によると、フーコーの原理に基づく機能を有する焦点トリガセンサが用いられる。そのようなトリガセンサは、例えば、送信側で光線LSを発するための造影光学システム21と、物体平面OEで反射する光線を受光するために受信側の2つ又は2つ以上の異なるダイオードを有する。フーコーの原理によると、フーコーの光切断端は重ね合わされる。そのため、光線経路の片方又はもう片方のいずれかが光切断端によって陰にされることによって公称距離NAへ到達したことをより早く、明確に検知できる。これは結果的に、明確に認識できる対照的な変化となる。
【0080】
全ての実施形態で、フーコーの光切断端を使う代わりに、前述の切断端と同様に、パターン、マーク若しくはシンボルも造影目的のために使用できる。
【0081】
フーコーの原理もまた、全ての実施形態で使われ得る。全ての実施形態は、例えば、図5に示されるものと同様に、複数のフォトダイオード又は1つのフォトダイオードに複数のセグメントを備える。例えば、図6Cに示されるように、公称距離NAに到達していなければ光強度は2つのセグメントaとbを照らす。図6Bに示されるように、公称距離NAに正確に到達すると、4つ全てのセグメントa、b、c、dは一様に照らされる。公称距離NAに到達しないと、光強度は例えば2つのセグメントcとdを照らす。
【0082】
図7は、典型的な光スイッチセンサ20と平歯車11の一部の斜視図を示している。図7は、小さい平歯車11と、適当な光スイッチセンサ20の公称距離NA(図示されている実施例では20mmである)に対しておよそ典型的な大きさを示している。その平歯車11は、本明細書では、約70mmのピッチサークル径を有する。
【0083】
ほぼ全ての応用例で、(互いに近接している隣接歯1に起因する)シェーディングのため、光スイッチセンサ20の光線LSは、(例えば、歯面2対して)測定表面で斜めに傾けられる。より深い光線LSとより急な光線LSは測定歯溝3に入り込まなければならない。
【0084】
図7に示された実施例において、歯面2の表面の光線LSによって生じる光点が歯根4の方向へ歯面2に沿って下方に動くとき、光スイッチセンサ20は図示された位置から左へ反時計回りに回されなければならない。図7では、短矢印P1は光点が下方へ移動することを概略的に示している。スイッチセンサ20の相当する回転はアーク形矢印P2によって示される。これらの動きP1、P2は、開始位置に達するための送り運動の範囲内で実施されることが望ましい。
【0085】
図7に示された実施例において、歯面に対して光線LSが傾いている。図8Aから8Cを参照して、特に望ましい実施形態を説明する。その実施形態は、歯車ワークピース11の回転駆動部と共にXとY方向へセンサ20が移動することに基づく。
【0086】
例えば図8Aにおいて、焦点が公称距離NAで移動させられるように、センサ20はピッチサークルTKの光線LSの前端でXとY軸上で移動させられ、それにより平歯車11を動かすと、歯面に対する望ましい角度が明確にされ得る。
【0087】
光線LSが斜めに当たるときでも、有効な反射光要素は検知器31で受光され得ることが理解される。これは、(例えば、歯車の側面2の場合、)平歯車ワークピース11の表面が十分に有用な反射動作を保証する荒さを有するためである。
【0088】
しかしながら、十分な強度がある光要素の反射にはある限界があることは明らかである。例えば、光線LSが歯面2に沿って接線方向に生じると、有用な結果は期待できない。
【0089】
急勾配なスキャニング角でも相当正確な信号を提供するということがスイッチセンサ20の利点である。特に光源22としてレーザーを使用するときは、強い光強度が使用され得る。そのため、急勾配の角度でも光は反射して受光器31に戻る。
【0090】
本発明の特別な方法は相当小さく、相当明るい光点を使用する。その光点は表面傾斜に関係なく同じ公称距離NAを常に有するので、常に正確な信号s2が生じる。スキャニング角が広すぎてセンサ20が働かないときのみ測定ができない。しかしながら、最初に説明したほぼ全ての直接測定センサの場合のように、不良な距離信号は生じない。
【0091】
本発明によると、全ての実施形態において金属歯車11を測定するとき、光線LSの入射角は±5度と±70度の間の角度範囲内であることが望ましい。特に好ましい入射角度は、±10度と±50度の間の角度範囲にある。(これらの範囲は表面に垂直に入射する光線LSが0度であるという想定に基づく。)
【0092】
全ての実施形態で、座標測定装置10は、ハードウェアとソフトウェアの両方又はどちらか一方から構成される一種の制御システムを有する。この制御システムの目的は、光スイッチセンサ20を平歯車11に送る際に相対運動を制御することと、実際の測定中に相対測定動作を実施することである。
【0093】
一方で、制御システムは必要な動作を予め決める。もう一方で、制御システムは転置センサ19.X1、19.Y1、19.Z1と角度測定システム16の両方又はどちらか一方から実データを受け取る。
【0094】
実施例によって、図1は制御部12の一部としてソフトウェアモジュールSMを示しており、そのソフトウェアモジュールは、前記制御システムの一部又はコアであることが望ましい。ソフトウェアモジュールSMと制御システムの両方又はどちらか一方は、実データから歯車11の物体平面OEの少なくとも1つの幾何学的明細事項(例えば、回転軸A1に対する角度位置)を決定するように構成される。
【0095】
本発明の様々な測定方法を以下で説明する。
【0096】
歯車11のピッチ誤差の決定:図8Aから8Cを参照して、ピッチ誤差を決定するために本発明の第1の典型的な測定方法の工程を説明する。これらの図に光線LSを発する光スイッチセンサ20が示される。
【0097】
光線LSができるだけ急勾配で測定表面に到達するために、スイッチセンサ20の光軸は部品11の回転軸A1に対して縦方向にずらされる。この説明は本発明の望ましい測定方法全てに適用される。
【0098】
本明細書では、光スイッチセンサ20の光軸が図面上にあるが、回転軸A1は図面の平面に垂直である。
【0099】
図8Aにおいて、平歯車のピッチサークルTKは点線の円で示される。平歯車11の場合、ピッチサークルTKは、平歯車11のシリンダの一部を通る非常に細い部分である。平歯車11の外側表面に配置された歯のうち、6本の歯だけが図8Aに示されている。本明細書においてこれらの歯は、参照符号1.1から1.6で示されている。図8Aに示されたスナップショットは開始位置におけるセンサ20を示す。本明細書では、光線LSはピッチサークルTKと交差する光点S1でちょうど歯1.2の右側の歯面にあたる。
【0100】
この開始位置に到達するために、例えば、平歯車11が回転して動かない間、準備方法段階におけるY1軸と平行な(送り運動と呼ばれる)相対動作によって、スイッチセンサ20と歯1.2の右側の歯面の間の相対距離は短くされる。センサ20の公称距離NAもまた自明な変数であるため、開始位置は素早くかつ直接近づけられ得る。開始位置に到達するために、センサ20は光学的に有効である必要はない。開始位置に到達するとすぐ、この位置が固定され得る。
【0101】
図8Aにおいて、センサ20が光学的に有効でない状態で開始位置を予め決定することは、切替信号s2を発していないセンサ20によって示される。(それゆえ、切替信号s2は点線により「取り消し線付きのs2」と示されている。)図示された実施例では、Y1軸のみを動かすことでセンサ20を開始位置に移動される。
【0102】
実測定の第1の方法段階において、平歯車11は回転軸A1に対して反時計回りに回転させられ、角度センサ16は回転中監視され、評価される。回転軸A1は座標測定装置10の回転駆動テーブル13に配置される。相当する回転運動はω1で記される。この第1の方法段階において、スイッチセンサ20が切替信号s2を出力するまで回転動作は監視される。例えば、切替信号s2はメモリ18に記録されるか又はソフトウェアモジュールで評価され得る。後に実施例として記載するように、スイッチセンサ20は空間内で移動しないため、又はz軸又はx軸に平行にスキャニング動作を実行するため、実際の測定中、変位センサ19.Y1は読み込まれる必要がない。
【0103】
スイッチセンサ20が切替信号s2を出力すると直ぐに、次の歯1.3の右表面(物体平面OE)はスイッチセンサ20までの公称距離NAに到達する。公称距離NAは自明であり、交点S2の実際の位置が実際の角度位置から再び正確に計算され得る。図8Bは、実際の角度位置に到達する瞬間を示す。
【0104】
歯車ワークピース11は(引き続き)さらに回転され、光線LS又はセンサ20は次の歯1.5等の右側歯面の実角度位置を探知する。
【0105】
例えば、角度測定システム16が読み込まれるので、それぞれの実角度位置が各歯面に対して検知される。
【0106】
これらの方法工程は、歯車11が回転させられる限りとセンサ20が電源を切られるまでの両方又はどちらか一方の場合、繰り返される。
【0107】
例えば、ピッチサークルTKとの交点での実角度位置が歯車11の歯1の右面全てに対して決められるまで、平歯車の少なくとも1周のフル回転が実行されることが望ましい。
【0108】
歯車11の歯の数z(例えば、z=25)は分かっているため、(目標の)ピッチ角τは、τ=360°/zにより計算できる。
【0109】
平歯車11が理想的な平歯車であるとすると、z歯1の全てが360°全円に沿って正確で等しい角距離τで配置され、全ての歯は同一の歯幅を有する。しかしながら生産上生じる誤差によって、歯車11の場合ピッチ誤差が実際には生じる。このピッチ誤差は前述の工程で迅速にかつ確実に決定される。
【0110】
平歯車11が理想的な平歯車であるとすると、z歯1の全てが360°全円に沿って正確で等しい角距離τで配置され、全ての歯は同一の歯幅を有する。しかしながら生産上生じる誤差によって、歯車11の場合ピッチ誤差が実際には生じる。このピッチ誤差は前述の工程で迅速にかつ確実に決定される。
【0111】
左歯面の測定は図8Cを参照して実施例によって説明される。歯車11の左歯面を測定するため、スイッチセンサ20は、図8Cに示されるようにX1軸に平行な置換動作によって平歯車11に対して新しい開始位置に移動させられる。これは本発明によると全ての実施形態で行われることが好ましい。例えば、新しい開始位置は、直線軸X1の直線動作と直線軸Y1のわずかな送り又は逃げ動作によって到達され得る。右面の測定において推定されたスイッチセンサ20の元の位置は、図8Cに点線で示されている。左面を測定するための実際の測定過程は右面の測定過程と同じである。
【0112】
部品11の右側歯面全てと左側歯面全ての両方又はどちらか一方に対するピッチ誤差の光学的な決定は、本発明に従って決定され得る。そしてそこでは、前記の方法が適宜適用される。
【0113】
ここまでに説明された測定は全て、図8Aから8Cにおける図面平面と一致するピッチサークル平面にあることが望ましい。図示されているそれぞれの場合、光線LSはピッチサークル平面上にある。
【0114】
しかしながら、例えば、ピッチ誤差はまた、シリンダの一部の複数の面で測定され得る。この場合、(例えば、直線軸Z1を使うことによって)z軸に平行な追加の動きが必要になる。
【0115】
平歯車の測定がより簡単に説明できるようにするため、先の実施例は主に平歯車11に関係していた。しかしながら、本発明はまた傘歯車11、ウォーム歯車、歯車切削工具及び他の歯車ワークピース11に対して用いることができる。
【0116】
実施例によると、図9は、平歯車11の歯の左歯面で累積された歯間のピッチ誤差を概略的に示している。左側には垂直方向の両矢印によって寸法20μmが示されている。本発明による装置の測定精度は、例えば、上述のピッチ誤差に関する有用な説明を用いるため、0.1から0.3ミクロメーターの範囲内になければならない。
【0117】
図9に示された実施例は、歯数z=12の平歯車である。図9において、歯は、1.1から1.12の符号が付けられる。12番目の歯と最後の歯は、参考用の歯である。累積されたピッチ誤差は連続直線L1によって示される。ほぼ全ての歯1.1から1.11は左側の歯面にピッチ誤差を有する。
【0118】
従って、例えば、平歯車の右側歯面に累積された歯間のピッチ誤差もまた、本発明の装置と方法で決定され得る。
【0119】
従って、例えば、平歯車の右側歯面に累積された歯間のピッチ誤差もまた、本発明の装置と方法で決定され得る。
【0120】
歯車11の歯溝のピッチ誤差の測定:例えば、平歯車又は傘歯車11の歯溝3のピッチ誤差をピッチサークルTK上で決定されると、先に測定された歯間のピッチ誤差からこのピッチ誤差を計算する又は、それぞれの歯車11が連続して回転させられている間、光線LSで左側と右側の歯面をスキャニングすることで光スイッチセンサ20を使いながら相当する方法でピッチ誤差を直接測定する。
【0121】
しかしながら、本発明はまた、光センサ20で他の測定を行うこともできる。以下で、さらなる実施例が言及され、簡単に説明される。そこでは、座標測定装置10で光センサ20を使うことに起因する可能性はほぼ制限されない。
【0122】
歯車11の面すじ誤差の決定:歯車部品11の歯面の面すじを測定するために、相対運動が、(z軸と平行な)垂直動作要素を有する測定動作として実施される。測定中、この垂直相対運動に加えて回転軸A1に対する歯車11の回転運動が実施される。
【0123】
図10Aから10Cを参照して、面すじ誤差を決定する方法が実施例によって説明される。これらの図に、歯車11の2つの歯1.1と1.2のみが再び示されている。センサ20が歯車ワークピース11に対する開始位置に到達すると、歯車11は回転させられ、センサ20の出力は監視される又は評価される。
【0124】
図10Aは、センサ20と歯1.1の右面の間の相対距離が公称距離NAに到達する瞬間を正確に示している。この瞬間、切替信号s2が出力される。センサ20が歯車ワークピース11の方向へ光線LSを送る間ずっと、歯車11はセンサ20に対して回転するので、図10Aに示されるように歯車11の円周に沿って伸びる光跡33が生成される。
【0125】
それぞれの場合、各々の前の歯が光線LSを影付けるため、この光跡33は歯根4の上で終わる。センサ20又は装置10はそれぞれ、各右側歯面に対して歯車11の角度位置を決定する。その角度位置において、切替信号s2がそれぞれの場合で出力される。これが理想的な歯車ワークピース11なら、この方法で決められた測定位置は正確に1つのピッチ角度τで離れている。歯1.1と1.2の各右側の面で、各測定点は光跡33上にある小さな黒い点で示される。
【0126】
本発明の方法を使って面の縦方向の外形を測定できるようにするために、センサ20は歯車ワークピース11に対して(継続して又は段階を経て)z軸と平行に移動させられる。これは、例えば、直線軸Z1を作動させることによって生じ得る。この直線軸Z1は、y軸方向の空間を一様にしたままセンサ20を歯面に沿って動かすことを可能にする。センサ20の図10Aに示されるように、この動きが真っすぐな歯の平歯車11の場合、センサ20のこの動きは回転軸A1と平行に実行される。
【0127】
センサ20が歯車ワークピース11に対して引き続きz軸と平行に移動させられると、図10Aから図10XXに示されるように、らせん状の環状面光跡33が生成される。しかしながら、この直線の動きのみが段階的に実施されると、複数の離れた光跡円が生成される。
【0128】
図10Aは、回転軸A1に対する歯車11の第1の完全な回転後の状況を示す。歯車11に対するセンサ20の相対動作が角速度ω1と比較してゆっくりと生じるなら、らせん状の環状面光跡33の各経路は共に近接する。図10Bは歯車ワークピース11の第2の回転後の状況を示す。測定点は再び小さな黒い点で示される。
【0129】
図10Cは歯車11が数回転した後の状況を示す。光跡33の各経路は各歯面に測定点を有する。(縦方向の)面すじに沿った測定点の配置により、これらの測定点はやや異なる位置にあることが分かる。全ての右側の面の(縦方向の)面すじの経路は、角度情報とセンサ20のz位置とともにそれぞれの測定点から決められ得る。
【0130】
全ての右面の(縦方向の)面すじを決定するために、センサ20は別の開始位置へ移動させられるべきである。その他の方法は同じである。
【0131】
装置10の機能は、以下の簡単な実施例を参照してより詳細に説明される。
【0132】
例えば、歯車11が1秒1回転の速度で回転することを想定する。センサ20がz軸に平行にゆっくりと断続的に動く間(スキャニング動作の間)、歯車11は合計60回転させられる。そのため60回のフル回転の間、歯車11の全歯幅が通過される。これは(左右の)ピッチ同様、全ての歯の(左右の)歯面が60個の点密度を有しており、2分で測定され得ることを意味する。上述の測定はさらに、歯数に依存しないという利点を有する。
【0133】
歯車11の歯の外形の測定:同様の基準で、全ての歯の外形もまた、センサ20がx方向と平行に同時移動(スキャニング動作)しながら、歯車部品11の連続した高速回転によって決定され得る。
【0134】
本明細書の簡易で多くの実施例:例えば、歯車11は1秒に1回転の速度で回転することを想定する。センサ20がx軸と平行にゆっくりと連続したスキャニング動作を行う間、全外形長さ(外形深さ)が通過されるように歯車ワークピース11の合計60回のフル回転が行われる。これは、2分間で60個の点密度を有する全ての歯の(左右の)外形と(左右の)ピッチが測定されるということを意味する。この測定もまた歯数と無関係である。
【0135】
特に望ましい本発明の実施形態の測定方法は、開始点に到達するための直線相対送り運動はわずかであり、実測中、歯車ワークピース11の1つ又はそれ以上のフル回転と対になる測定動作(スキャニング動作)を1つしか有していないことが望ましい。そのような実施形態は、歯車ワークピース11の回転から生じる周期的な距離変化と組み合わせて光スイッチセンサ20を高速で最適に利用する。
【0136】
これは、測定中光スイッチセンサ20は空間で動かないままであるが歯車11が回転している又は測定中光スイッチセンサ20は(直線)スキャニング動作をするが歯車11は回転するということを意味する。
【0137】
上述の実施例では、4つのNC制御軸X1、Y1、Z1、A1を有する座標測定装置10が用いられている。軸もまた異なるように構成され得ることは明らかである。例えば、X1軸とY1軸の両方又はどちらか一方は旋回軸に置き換えられてもよい。全ての実施形態で、軸の総数は上述の4つの軸X1、Y1、Z1、A1よりも少なくてもよい。全ての実施形態で、座標測定装置10もまた4本以上の軸を有していてもよい。
【0138】
センサ20が直接開始点に進む実施形態では、(移動と旋回の両方又はどちらか一方によって)センサ20もまた手動で開始点に移動させられ得る。この場合、相当するNC制御軸(例えば、Y1軸)は省略されてもよい。
【0139】
A1によって示された回転軸は必ずしもNC制御軸として構成される必要はない。全ての実施形態において、回転軸A1は高精度で作動する角度測定システムを有していることが重要である。回転軸A1の駆動は、精密なNC制御なしで動力付けされるか又は手動でも生じ得る。
【符号の説明】
【0140】
1、1.1から1.z:歯、
2:歯面、3:歯溝、4;歯根、5:歯の先端、
10:測定装置/座標測定装置、
11:歯車ワークピース、11.1:シャフト、
12:NC制御部、13:(回転)テーブル、
14:センタリング方法、14.1:アーム、14.2:偏位性、
15:光(荒さ)測定針、
16:角度測定システム/角度センサ、16.1:ポインタ、
17:測定アセンブリ、18:メモリ、
19、19.X1、19.Y1、19.Z1:変位センサ
20:スイッチセンサ(焦点トリガセンサ)、
21:レンズ群、22:源、23:光線スプリッタ、
30:受光器、31:検知器、
32:フォトダイオード、33:光跡、
40:評価装置、41:コンパレータ回路、
a、b、c、d:セグメント、
A1:回転軸、L1:連続直線、LS:光線、
MM:測定モジュール、NA:公称距離、OE:物体平面、
P1、P2、P3:矢印、
Pk:断面曲線、
ra、rb、rc:半径として表される歯高、
sX1、sY1、sZ1、sA1、s2:信号、
S1、S2、....:交点、
sa、sb、sc、sd:(ダイオード)信号、
sab、scd、sad、sbc:信号、
SM:ソフトウェアモジュール、TK:ピッチサークル、
Ts(τ):トリガ信号、τ:ピッチ角度、
x、y、z:座標、
X1、Y1、Z1:直線軸、
X1:x軸に平行な相対運動、Y1:y軸に平行な相対運動、
z:歯数、Z1:z軸に平行な相対運動、ω1:回転運動
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10A
図10B
図10C