特許第6689827号(P6689827)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6689827シーリングシステムおよび、そのようなシステムを備えたターボポンプ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6689827
(24)【登録日】2020年4月10日
(45)【発行日】2020年4月28日
(54)【発明の名称】シーリングシステムおよび、そのようなシステムを備えたターボポンプ
(51)【国際特許分類】
   F16J 15/44 20060101AFI20200421BHJP
   F04D 29/12 20060101ALI20200421BHJP
【FI】
   F16J15/44 C
   F04D29/12 Z
【請求項の数】10
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-513749(P2017-513749)
(86)(22)【出願日】2015年9月8日
(65)【公表番号】特表2017-530309(P2017-530309A)
(43)【公表日】2017年10月12日
(86)【国際出願番号】FR2015052379
(87)【国際公開番号】WO2016038293
(87)【国際公開日】20160317
【審査請求日】2018年7月26日
(31)【優先権主張番号】1458546
(32)【優先日】2014年9月11日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】516227272
【氏名又は名称】サフラン・エアクラフト・エンジンズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファッブリ,ローラン
(72)【発明者】
【氏名】ラングロワ,バンサン
(72)【発明者】
【氏名】セネ,セドリック
【審査官】 竹村 秀康
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−230370(JP,A)
【文献】 特開平07−151236(JP,A)
【文献】 実開昭53−147360(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16J 15/40−15/453
F16J 15/54−15/56
F04D 29/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフト(20、20A〜20C)と支持部(10、10A〜10C)との間の動的シーリングを提供するために、長手方向(Z)に沿って向けられた軸周りに回転可能な回転シャフト(20、20A〜20C)のための支持部(10、10A〜10C)に浮動するように取り付けられた少なくとも1つのリング(40、40A〜40C)のためのシーリングシステムであって、
リング(40、40A〜40C)と支持部(10、10A〜10C)との間に介在する結合部品(60、60A〜60C)を備え、これにより、リング(40、40A〜40C)が支持部(10、10A〜10C)にしっかりと固定されていることと、
支持部(10、10A〜10C)と結合部品(60、60A〜60C)とが、支持部(10、10A〜10C)と結合部品(60、60A〜60C)との間の、第1の横断方向(X)に対する円筒状ジョイントタイプの相対移動を可能にする第1の運動学的ジョイントを提供するように、ともに協同するのに適切な、それぞれの第1のジョイント部分(14、14A〜14C、64、64A〜64C)を備えていることと、
リング(40、40A〜40C)と結合部品(60、60A〜60C)とが、リング(40、40A〜40C)と結合部品(60、60A〜60C)との間の、第1の横断方向(X)に対して垂直な第2の横断方向(Y)に対する円筒状ジョイントタイプの相対移動を可能にする第2の運動学的ジョイントを提供するように、ともに協同するのに適切な、それぞれの第2のジョイント部分(42、42A〜42C、62、62A〜62C)を備えていることと、を特徴とする、シーリングシステム。
【請求項2】
第1のジョイント部分の各々および/または第2のジョイント部分の各々(14A、64A、および/または42A、62A)が変形不可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
第1のジョイント部分および/または第2のジョイント部分(14B、14C、64B、64C、および/または42B、42C、62B、62C)の少なくとも1つが、曲げられる際に弾性的に変形するのに適切である、請求項1または請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
第1のジョイント部分および/または第2のジョイント部分(14C、64C、および/または42C、62C)の少なくとも1つが、ねじられる際に弾性的に変形するのに適切である、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
支持部(10、10A〜10C)とリング(40、40A〜40C)とが、横断面における支持部(10、10A〜10C)とリング(40、40A〜40C)との間の、平坦ジョイントタイプの相対移動を可能にする第3の運動学的ジョイントを提供するように、ともに協同するのに適切な、それぞれの第3のジョイント部分(15A、14B、43A〜43C)を備えている、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
それぞれの第3のジョイント部分(15A、15B、43A〜43C)間の協同にバイアスをかけるように、支持部(10、10A〜10C)およびリング(40、40A〜40C)と協同するのに適切であるバイアス要素(50、50A、50B)を備えている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
結合部品(60A、60B)とバイアス要素(50A、50B)とが互いから分離している、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
結合部品(60C)とバイアス要素とが単一のユニットとして形成されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
横断面とバイアス要素(50A、50B)とが、リング(40A、40B)の、長手方向における両側に配置されている、請求項6から8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
回転シャフト(20、20A〜20C)と、請求項1から9のいずれか一項に記載のシーリングシステムと、を含むターボポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、回転シャフトとその支持部との間、特に、ターボポンプシャフトの動的シーリングを確立するためのシーリングシステムに関する。本明細書は、そのようなターボポンプにも関する。
【背景技術】
【0002】
ターボポンプは通常、回転シャフトを駆動させるために高温ガス流が供給されるタービン要素と、たとえば、ロケットエンジンに供給するための液体水素などの液体を運ぶために回転シャフトによって回転駆動されるポンプ要素と、を備えている(たとえば、仏国特許出願公開第2772843号明細書の図3を参照)。
【0003】
そのようなターボポンプは、ポンプされた液体に駆動ガス流が接するのを防止するために、タービン部分とポンプ部分との間の界面における回転シャフトのための動的シーリングを提供することが可能であるシーリングシステムを有することが必要である。そのようなシステムは、回転シャフトが、高速回転時(ターボポンプシャフトは、1分間に数万回転する場合がある)においてシャフトが受ける振動に主として起因する横断方向の動きを受ける場合であっても、継続してシーリングを提供することが可能でなければならない。
【0004】
既知の方式で、そのようなシーリングシステムは、回転シャフトの支持部に浮動するように取り付けられたリングによって構成されている。そのようなリングは、そのような動きおよび、ロータとの可能性のある接触によって生じる動的シーリングの品質低下を防止するために、回転シャフトの横断方向の移動に追従する役割を果たす。
【0005】
対照的に、そのような浮動リングは、シャフトが動いている場合に、回転シャフトの回転軸周りの回転が防止されている必要がある。回転シャフトとリングとの間の流体の回転(特に、流体が粘性である場合)、および、回転シャフトとリングとの間の潜在的な接触は、回転シャフトの回転軸周りのトルクを生成する役割を果たす。このトルクは、高速におけるあらゆる衝撃を避けるために、逆方向である必要がある。そうでなければ、リングによって衝撃が生じる。
【0006】
そのような回転を避けるために、リングは、浮動リングの外周の周りに規則的に離間した1つまたは複数の抗回転ペグによって支持部に直接結合され、支持部に形成された関連するジョイント部分と協同する。
【0007】
この解決策の主な欠点は、抗回転ペグ(複数の場合もある)の存在がリングの動作(リングの浮動能力)を妨げることと、このことが、これまでに構成された向上(クリアランスの低減、リングの軸方向の長さの増大など)に関わらず適用されることとである。そのような妨げは、浮動能力の損失、1つまたは複数のペグ周りのリングの傾斜、リングに損傷を与えるか、摩耗がすぐに進行することになりやすく、漏洩が増大する、シャフトとリングとの間の接触、リングの動作の不安定性、および、縁部または抗回転ペグの目つぶれとなる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】仏国特許出願公開第2772843号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、回転シャフトとその支持部との間に、信頼できるとともに有効である方式の動的シーリングを提供することが可能であるシーリングシステムを開発することの要請が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本明細書の第1の態様は、シャフトと支持部との間の動的シーリングを提供するために、長手方向に沿って向けられた軸周りに回転可能な回転シャフトのための支持部に浮動するように取り付けられた少なくとも1つのリングのためのシーリングシステムに関する。本システムは、リングと支持部との間に介在する結合部品を備え、それにより、リングが支持部にしっかりと固定されている。支持部および結合部品は、支持部と結合部品との間の第1の横断方向に対する円筒状ジョイントタイプの相対移動を可能にする第1の運動学的ジョイントを提供するように、ともに協同するのに適切な、それぞれの第1のジョイント部分を備えている。リングおよび結合部品は、リングと結合部品との間の、第1の横断方向に対して垂直な第2の横断方向に対する円筒状ジョイントタイプの相対移動を可能にする第2の運動学的ジョイントを提供するように、ともに協同するのに適切な、それぞれの第2のジョイント部分を備えている。
【0011】
本明細書では、「長手方向」との用語は、回転シャフトの回転軸に平行な方向を示すのに使用される。このため、この回転軸は、長手方向を向いている。
【0012】
本明細書では、「横断方向」との用語は、上述の長手方向に垂直な面にある方向を示すのに使用される。そのような方向は、このため、回転シャフトの回転軸に対する「径方向」と呼ぶことができる。そのような垂直面は、このため、本明細書では「横断面」と呼ぶ。そのような横断面は、回転シャフトの回転軸に対する「径方向面」とも呼ぶことができる。
【0013】
本明細書では、「支持部と結合部品との間の、第1の横断方向に対する円筒状ジョイントタイプの相対移動を可能にする第1の運動学的ジョイント」との用語は、長手方向に垂直な第1の横断方向周りの、支持部と結合部品との互いに対する回転移動と、同じ第1の横断方向に沿う、支持部と結合部品との互いに対する平行移動との、支持部と結合部品との間の移動の2つの自由度を可能にする、支持部と結合部品との間のジョイントを意味するのに使用される。
【0014】
同様に、本明細書では、「リングと結合部品との間の、第1の横断方向に対して垂直な第2の横断方向に対する円筒状ジョイントタイプの相対移動を可能にする第2の運動学的ジョイント」との用語は、長手方向に垂直であるとともに、第1の横断方向に垂直である第2の横断方向に関する、リングと結合部品との互いに対する回転移動と、前記第2の横断方向に沿う、リングと結合部品との互いに対する平行移動との、リングと結合部品との間の移動の2つの自由度を可能にする、リングと結合部品との間のジョイントを意味するのに使用される。
【0015】
このため、上述のタイプの第1の運動学的ジョイントと第2の運動学的ジョイントとにより、互いに対して垂直である2つの横断方向における移動構成要素を分離するように、リングと支持部との間に、リングから分離した結合部品を介在させることにより、リングは、回転シャフトのあらゆる横断方向の移動に、この移動が回転移動か平行移動かのいずれであっても、追従することが可能である。
【0016】
回転シャフトとリングとのそれぞれの外周表面間の界面に提供される、「一次」シーリングと呼ばれるシーリングも、有効に達成され得る。
【0017】
同時に、第1の円筒状のタイプのジョイントと第2の円筒状のタイプのジョイントとが、回転シャフトが周りを回転する長手方向に対して両方とも垂直である第1の横断方向と第2の横断方向とのそれぞれに対して向けられているという事実により、リングと結合部品との両方が、長手方向周りに回転することが防止される。具体的には、リングが支持部に対して移動する6つの潜在的な自由度の内、このシーリングシステムによって除去された(実際には、作動クリアランスは無視する)自由度のみが、長手方向周りの回転移動を実施するリングに対応する自由度である(この自由度は、第1のジョイント部分と第2のジョイント部分との間に存在するクリアランスが小さい場合に、実際に、特に良好に除去される)。
【0018】
したがって、この解決策により、信頼できるとともに有効である動的シーリングが、回転シャフトと支持部との間に提供されることが可能になる。リングは、長手方向周りの、シャフトによる回転駆動が防止されつつ、回転シャフトの横断方向の移動に容易に追従することができる。
【0019】
この解決策も、結合部品をリングと支持部との間に径方向に介在させることができることから、コンパクトに実施することが可能である。
【0020】
特定の実施形態では、本システムは、第1のジョイント部分の各々が(シーリングシステムを利用する正常な状況下で)変形不可能であるようなものであってもよい。
【0021】
したがって、支持部と結合部品とのそれぞれの第1のジョイント部分が相互に協同して第1の運動学的ジョイントを提供する場合、これら第1のジョイント部分のいずれも(シーリングシステムを利用する正常な状況下で)変形しない。
【0022】
特定の実施形態では、本システムは、第2のジョイント部分の各々が(シーリングシステムを利用する正常な状況下で)変形不可能であるようなものであってもよい。
【0023】
したがって、リングと結合部品とのそれぞれの第2のジョイント部分が相互に協同して第2の運動学的ジョイントを提供する場合、これらジョイント部分のいずれも(シーリングシステムを利用する正常な状況下で)変形しない。
【0024】
特定の実施形態では、本システムは、少なくとも1つの第1のジョイント部分が、(シーリングシステムを利用する正常な状況下で)必要に応じて、圧縮され、かつ/または、曲げられ、かつ/または、ねじられる際に、弾性的に変形されるのに適切であるようなものであってもよい。
【0025】
したがって、支持部と結合部品とのそれぞれの第1のジョイント部分が相互に協同して第1の運動学的ジョイントを提供する場合、これら第1のジョイント部分の少なくとも1つ(すなわち、必要に応じて、支持部に属する第1のジョイント部分の1つのみもしくは各々、および/または、結合部品に属する第1のジョイント部分の1つのみもしくは各々)が、(シーリングシステムを利用する正常な状況下で)必要に応じて、圧縮され、かつ/または、曲げられ、かつ/または、ねじられる際に、弾性的に変形する。
【0026】
特定の実施形態では、本システムは、少なくとも1つの第2のジョイント部分が、(シーリングシステムを利用する正常な状況下で)必要に応じて、圧縮され、かつ/または、曲げられ、かつ/または、ねじられる際に、弾性的に変形されるのに適切であるようなものであってもよい。
【0027】
したがって、リングと結合部品とのそれぞれの第2のジョイント部分が相互に協同して第2の運動学的ジョイントを提供する場合、これら第2のジョイント部分の少なくとも1つ(すなわち、必要に応じて、リングに属する第2のジョイント部分の1つのみもしくは各々、および/または、結合部品に属する第2のジョイント部分の1つのみもしくは各々)が、(シーリングシステムを利用する正常な状況下で)必要に応じて、圧縮され、かつ/または、曲げられ、かつ/または、ねじられる際に、弾性的に変形する。
【0028】
特定の実施形態では、本システムは、本システムが、支持部と結合部品とのそれぞれに属し、相互に協同するように構成された、第1のジョイント部分の単一の対を有するようなものであってもよい。
【0029】
特定の実施形態では、本システムは、本システムが、支持部と結合部品とのそれぞれに属し、相互に協同するように構成された、第1のジョイント部分の少なくとも第1の対と、支持部と結合部品とのそれぞれに属し、相互に協同するように構成された、第1のジョイント部分の第2の対と、を有し、これら第1の対と第2の対とが、第1の横断方向に沿って互いから離間しているようなものであってもよい。
【0030】
特定の実施形態では、本システムは、本システムが、リングと結合部品とのそれぞれに属し、相互に協同するように構成された、第2のジョイント部分の単一の対を含むようなものであってもよい。
【0031】
特定の実施形態では、本システムは、本システムが、リングと結合部品とのそれぞれに属し、相互に協同するように構成された、第2のジョイント部分の少なくとも第1の対と、リングと結合部品とのそれぞれに属し、相互に協同するように構成された、第2のジョイント部分の第2の対と、を含み、これら第1の対と第2の対とが、第2の横断方向に沿って互いから離間しているようなものであってもよい。
【0032】
特定の実施形態では、本システムは、支持部とリングとが、横断面における支持部とリングとの間の平坦ジョイントタイプの相対移動を可能にする第3の運動学的ジョイントを提供するように、ともに協同するのに適切な、それぞれの第3のジョイント部分を含むようなものであってもよい。
【0033】
本明細書では、「横断面における支持部とリングとの間の平坦ジョイントタイプの相対移動を可能にする第3の運動学的ジョイント」との用語は、第1の横断方向に沿う、リングと支持部との互いに対する平行移動と、第2の横断方向に沿う、リングと支持部との互いに対する平行移動と、長手軸周りの、リングと支持部との互いに対する回転移動(実際に、上述のように、第1の運動学的ジョイントと第2の運動学的ジョイントとが存在することから、回転移動のためのこの自由度は、第1のジョイント部分と第2のジョイント部分との間に設けられたクリアランスが同様に制限される限りにおいて、かなり制限されるとしても)との、支持部とリングとの間の3つの自由度を可能にする、支持部とリングとの間のジョイントを示すのに使用される。
【0034】
支持部とリングとの間のそのような平坦タイプのジョイントにより、「二次」シーリングと呼ばれるシーリングが、それぞれの第3のジョイント部分を実現する、支持部とリングとの2つのそれぞれの横断面表面間の界面において有効に提供されることが可能になる。
【0035】
回転シャフトとリングとの間に確立される上述の一次シーリングと、リングと支持部との間に確立される二次シーリングとを分離することにより、回転シャフトと支持部との間の全体の有効なシーリングを得ることを容易にすることができる。
【0036】
さらに、上で特定したタイプの第1の運動学的ジョイントと第2の運動学的ジョイントとのために、リングが、第1の横断方向周りと、第2の横断方向周りとの両方において旋回することが可能にされているという事実が、リングと支持部との間の第3の運動学的ジョイントによって設定された横断面における面接触に持続性を与えることに寄与する。
【0037】
特定の実施形態では、本システムは、本システムが、それぞれの第3のジョイント部分間の協同にバイアスをかけるように、支持部およびリングと協同するのに適切であるバイアス要素を含むようなものであってもよい。
【0038】
そのようなバイアス要素も、支持部とリングとを互いに対して付勢する復帰力を生じることにより、上述の面接触に持続性を与えることに寄与する。
【0039】
特定の実施形態では、本システムは、結合部品とバイアス要素とが互いから分離しているようなものであってもよい。
【0040】
特定の実施形態では、本システムは、結合部品とバイアス要素とが単一のユニットとして形成され、それにより、システムを単純化し、長手方向および/または横断方向においてシステムをよりコンパクトにするようなものであってもよい。
【0041】
特定の実施形態では、本システムは、横断面とバイアス要素とが、リングの、長手方向における両側に配置されているようなものであってもよい。
【0042】
したがって、バイアス要素は、長手方向において、支持部とリングとの間の面接触が確立されている横断面から、リングがバイアス要素とこの横断面との間に介在している状態で離間している。
【0043】
本明細書の第2の態様により、上述の第1の態様による回転シャフトとシーリングシステムとを有するターボポンプが提供される。
【0044】
いずれにしろ、本記述の範囲を越えることなく、ターボマシンまたはターボポンプとは異なるロータリマシンにシーリングシステムを取り付けるための準備をし、動的シーリングを設ける必要がある少なくとも1つの回転シャフトを含むそのようなロータリマシンを提供することが可能である。
【0045】
上で特定された特徴および利点、ならびに他の特徴および利点は、限定的特徴がなく、単に説明のために与えられた各実施形態の以下の詳細な説明を読むことでより明らかになる。この詳細な説明では、添付図面を参照する。
【0046】
添付図面は概略的であり、拡縮されておらず、また、これら図面は特に、本記述に説明する原理を示すことを試みる。添付図面では、
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】横断面から見る際の、本記述によるシーリングシステムの第1の動的な図である。
図2】第1の長手面から第1の横断方向に見る際の、シーリングシステムの第2の動的な図である。
図3】第2の長手面から、第1の横断方向に垂直な第2の横断方向に見る際の、シーリングシステムの第3の動的な図である。
図4】本明細書によるシーリングシステムの第1の実施形態の、横断面における断面図であり、回転シャフトがこの横断面における第1の位置を占めている。
図5図4の図に類似の図であり、回転シャフトがこの横断面における第2の位置を占めている。
図6】この第1の実施形態の分解斜視図である。
図7図6の図に類似の図であり、第1の支持部品のみが他の部品から分離して示されている。
図8】この第1の実施形態の横断面における平面図である。
図9A図8に示す(第2の横断方向Yに沿う)面A−Aの部分断面図である。
図9B図8に示す(第1の横断方向Xに沿う)面B−Bの部分断面図である。
図9C図8に示す面C−Cの部分断面図である。
図10】本明細書によるシーリングシステムの第2の実施形態の分解斜視図である。
図11】孤立して示されている、この第2の実施形態の結合部品の斜視図である。
図12】この第2の実施形態の横断面における平面図である。
図13A図12に示す(第1の横断方向Xに沿う)面A−Aの部分断面図である。
図13B図12に示す(第2の横断方向Yに沿う)面B−Bの部分断面図である。
図13C図12に示す面C−Cの部分断面図である。
図14】本明細書によるこのシーリングシステムの第3の実施形態の結合部品の斜視図である。
図15】この第3の実施形態の部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1から図3は、本明細書によるシーリングシステムを示す動的な図であり、これら図に示す各要素は、参照符号に関連付けられている。
【0049】
そのようなシーリングシステムは、例として実施され得、必ずしも、図4から図15に示す3つの実施形態のいずれかによって実施されるわけではない。
【0050】
より正確には、第1の実施形態が図4から図9Cに示されており、これら図に示す各要素は、この第1の実施形態において、この第1の実施形態を識別する文字「A」を末尾に置いた、図1から図3で使用される参照符号に対応する参照符号に関連付けられている。
【0051】
第2の実施形態が図10から図13Cに示されており、これら図に示す各要素は、この例において、この第2の実施形態を識別する文字「B」を末尾に置いた、図1から図3で使用される参照符号に対応する参照符号に関連付けられている。
【0052】
第3の実施形態が図14および図15に示されており、これら図に示す各要素は、この例において、この第3の実施形態を識別する文字「C」を末尾に置いた、図1から図3で使用される参照符号に対応する参照符号に関連付けられている。
【0053】
本明細書は、これら実施形態の各々に共通であると任意にみなされた特徴で開始する。
【0054】
本明細書によるシーリングシステムは、少なくとも1つのリング40、40A〜81C(すなわち、40、40A、40B、および40Cであり、この取り決めは、以下の他の参照符号に同等に適用される)であって、シャフト20、20A〜20Cと支持部10、10A〜10Cとの間の動的シーリングを提供するために、長手方向Zに沿って延びる軸周りに回転可能なシャフト20、20A〜20Cの支持部10、10A〜10Cに浮動するように取り付けられた少なくとも1つのリング40、40A〜81Cを有するシーリングシステムである。
【0055】
シーリングシステムは、リング40、40A〜40Cと支持部10、10A〜10Cとの間に介在する結合部品60、60A〜60Cを備え、この結合部品60、60A〜60Cを介して、リング40、40A〜40Cが支持部10、10A〜10Cにしっかりと固定されている。
【0056】
支持部10、10A〜10Cおよび結合部品60、60A〜60Cは、支持部10、10A〜10Cと結合部品60、60A〜60Cとの間の、長手方向Zに垂直な横断面に規定された第1の横断方向Xに沿って向けられた滑動ピボットタイプ(すなわち、円筒状ジョイントタイプ)の相対移動を可能にする第1の運動学的ジョイントを提供するように、ともに協同するのに適切な、それぞれの第1のジョイント部分14、14A〜14Cと64、64A〜64Cとを含んでいる。
【0057】
この第1の運動学的ジョイントにより、支持部10、10A〜10Cと結合部品60、60A〜60Cとは両方とも、第1の横断方向Xに沿って互いに対して平行移動することができ、また、第1の横断方向X周りに互いに対して旋回することもできる。
【0058】
リング40、40A〜40Cおよび結合部品60、60A〜60Cは、リング40、40A〜40Cと結合部品60、60A〜60Cとの間の、第1の横断方向Xに垂直であるとともに、長手方向Zに垂直な第2の横断方向Yに沿って向けられた滑動ピボットタイプの相対移動を可能にする第2の運動学的ジョイントを形成するように、ともに協同するのに適切な、それぞれの第2のジョイント部分42、42A〜42Cと62、62A〜62Cとを含んでいる。
【0059】
この第2の運動学的ジョイントにより、リング40、40A〜40Cと結合部品60、60A〜60Cとは両方とも、第2の横断方向Yに沿って互いに対して平行移動することができ、また、第2の横断方向Y周りに互いに対して旋回することができる。
【0060】
「一次」シーリングと呼ばれるシーリングJ1(図2または図3を参照)は、こうして、回転シャフト20、20A〜20Cの周表面と、リング40、40A〜40Cの周表面41A〜41Cとの間の界面において有効に達成され得る。これにより、支持部10、10A〜10Cに対する回転シャフト20、20A〜20Cの横断方向の移動(すなわち、第1の横断方向Xに沿う平行移動と、第2の横断方向Yに沿う平行移動と、第1の横断方向Xによって規定される軸周りの回転移動と、第2の横断方向Yによって規定される軸周りの回転移動との内の、単一または組合せの任意の移動)が生じる場合であっても、有効であり続ける。
【0061】
この例では、回転シャフト20、20A〜20Cは、ロータリマシン、特に、ターボマシン、具体的にはターボポンプ(図示せず)の回転シャフトであり、このターボポンプは、ターボポンプのポンプ部分とタービン部分との間にシーリングを提供するためにシーリングシステムを組み込んでいる。
【0062】
これら例では、シーリングシステムは、支持部10、10A〜10Cと結合部品60、60A〜60Cとにそれぞれ属し、相互に協同するように構成された、第1のジョイント部分14、14A〜14Cと64、64A〜64Cとの第1の対と、支持部10、10A〜10Cと結合部品60、60A〜60Cとにそれぞれ属し、相互に協同するように構成された、第1のジョイント部分14、14A〜14Cと64、64A〜64Cとの第2の対と、を備え、これら第1の対と第2の対とが、具体的には、長手方向Zに沿って延びる軸周りに互いに対して180度で配置することにより、第1の横断方向Xに沿って互いから離間している(特に図1を参照)。
【0063】
これら例では、シーリングシステムは、リング40、40A〜40Cと結合部品60、60A〜60Cとにそれぞれ属し、相互に協同するように構成された、第2のジョイント部分42、42A〜42Cと62、62A〜62Cとの第1の対と、リング40、40A〜40Cと結合部品60、60A〜60Cとにそれぞれ属し、相互に協同するように構成された、第2のジョイント部分42、42A〜42Cと62、62A〜62Cとの第2の対と、を含み、これら第1の対と第2の対とが、具体的には、長手方向Zに沿って向けられた軸に関し、互いに対して180℃で配置することにより、第2の横断方向Yに沿って互いから離間している。
【0064】
これら例では、リング40、40A〜40Cは、別個の部品であるとともに同心であり、ともに組み立てられて単一ユニットを形成する、2つの概して環状の部品45A〜45Cおよび47A〜47Cによって構成さている。具体的には、これら2つの環状部品47A〜47Cの内の、外径が小さく、回転シャフト20A〜20Cが内部を直接通ることになる第1の環状部品が、回転シャフトを形成する材料よりも軟らかい材料で形成されており、それにより、この第1の環状部品の周表面41A〜41Cが、一次シーリングを形成するために周表面41A〜41Cに面することになる回転シャフトの周表面の摩耗よりも優先的に摩耗するようになる。さらに、この例では、これら2つ環状部品45A〜45Cの内の、外径が大である第2の環状部品が、第1の環状部品47A〜47Cにしっかりと組み付けられる(すなわち、第2の環状部品と第1の環状部品とがともに組み立てられると、2つの環状部品は互いに対して移動することができない)。リング40、40A〜40Cに関連付けられた第2のジョイント部分42A〜42Cは、この第2の環状部品45A〜45Cに形成される。
【0065】
これら例では、結合部品60、60A〜60Cは、全体が環状形状であり、単一の部品で構成され、金属材料で形成されている。
【0066】
これら例では、支持部10、10A〜10C、およびリング40、40A〜40Cは、長手方向Zに垂直な横断面における支持部10、10A〜10Cとリング40、40A〜40Cとの間の、平坦ベアリングタイプ(すなわち、平坦ジョイントタイプ)の相対移動を可能にする第3の運動学的ジョイントを提供するように、ともに協同するのに適切な、それぞれの第3のジョイント部分15A、15B、43A〜43Cを備えている。
【0067】
「二次」シーリングと呼ばれるシーリングJ2(図2および図3を参照)は、こうして、支持部10、10A〜10Cの横断面表面15A、15Bと、リング40、40A〜40Cの横断面表面43A〜43Cとの間の界面において有効に提供される。名前が示すように、これら横断面表面は、長手方向Zに垂直である。
【0068】
これら例では、シーリングシステムは、それぞれの第3のジョイント部分15A、15B、43A〜43Cの協同にバイアスをかけるように、支持部10、10A〜10C、およびリング40、40A〜40Cと協同するのに適切であるバイアス要素50、50A、50Bを備えている。
【0069】
これら例では、支持部10、10A〜10Cは、ナットおよびボルトなどの通常の締結手段によってともに組み立てられる2つの別個の部品11A〜11Cと13A〜13Cとを含んでいる。これら2つの部品は、リング40、40A〜40Cおよび結合部品60、60A〜60Cの両側に長手方向Zに延びている。具体的には、これら2つの部品の内の第1の部品11A〜11Cは、二次シーリングを提供するために、リング40、40A〜40Cの横断面表面43A〜43Cと面することになる横断面表面15A〜15Cを有する。これら2つの部品の内の第2の部品13A〜13Cは、リング40、40A〜40Cが間に介在した状態で、横断面表面15A〜15Cを横断するように延びるとともに、横断面表面15A〜15Cから長手方向Zに沿って離間した部分を備えている。これら例では、第2の部品13A〜13Cのこの例がバイアス要素50、50A〜50Cの第1の部分に関するベアリングの位置を構成し、一方、この要素の第2の部分は、リング40、40A〜40Cに対して弾性的に支持している。
【0070】
第1の実施形態の特定の特徴のさらなる詳細を以下に説明する。
【0071】
第1の実施形態では、第1のジョイント部分14A、64Aと、第2のジョイント部分42A、62Aとの各々が(シーリングシステムを利用する正常な状況下で)変形不可能である。
【0072】
この目的のために、第1のジョイント部分は、支持部10Aから(具体的には、支持部の第2の部品13Aから)突出するスタッド14Aと、結合部品60Aに形成され、支持部10Aと結合部品60Aとの間の、第1の横断方向Xに対する円筒状ジョイントタイプの相対移動を可能にする第1の運動学的ジョイントを提供するために、スタッド14Aと協同するのに適切である凹部64Aと、によって構成されている(特に図4図5、および図9Bを参照)。
【0073】
いずれにしろ、本明細書の範囲を越えることなく、結合部品に置かれるこれらスタッドの少なくとも1つと、支持部の対応する凹部の少なくとも1つと、を設けることが可能になる。
【0074】
第2のジョイント部分は、リングのリング40Aから(具体的には、第2の環状部品45Aから)突出するスタッド42Aと、結合部品60Aに形成され、リング40Aと結合部品60Aとの間の、第2の横断方向Yに対する円筒状ジョイントタイプの相対移動を可能にする第2の運動学的ジョイントを提供するために、スタッド42Aと協同するのに適切である凹部62Aと、によって構成されている(特に図4図5、および図9Aを参照)。
【0075】
いずれにしろ、本明細書の範囲を越えることなく、結合部品上に配置されるこれらスタッドの少なくとも1つと、少なくとも、リングに配置される対応する凹部とを設けることが可能になる。
【0076】
図4および図5に明確に見ることができるように、各スタッド14Aは、第1の横断方向Xに沿って離間し、一方、各スタッド42Aは、第1の横断方向Xに垂直な第2の横断方向Yに沿って離間している。同様に、各凹部64Aは、第1の横断方向Xに沿って離間し、一方、各凹部62Aは、第2の横断方向Yに沿って離間している。リング40Aは、スタッド42A、14Aおよび関連する凹部62A、64Aの形状が与えられると、第1の方向Xおよび第2の方向Yによって規定された横断面において、回転シャフト20Aの平行移動および回転移動に追従することができる(回転シャフトの中心O1がこの横断面において、支持部10Aの基準点O2に対して移動する場合の、図4図5との間のリングの位置の差を参照)。スタッド42A、14Aと凹部62A、64Aとは、特に、第1の方向Xおよび第2の方向Yに対するそのような平行移動および回転移動を可能にする機能的クリアランスを設けることによって協同することができる。対照的に、凹部62A、64Aおよびスタッド42A、14Aの形状により、リングが、長手方向Zに沿って規定された回転シャフトの駆動軸周りに回転駆動することが防止される。
【0077】
この例では、凹部62A、64Aにより、スタッド42A、14Aが長手方向Zに沿って平行移動することが可能になり、これにより、上述の第3の運動学的ジョイントを提供する第3のジョイント部分43A、15A間の協同を維持することを容易にすることができる。
【0078】
この第1の例では、結合部品60Aとバイアス要素50Aとが互いから分離している。具体的には、バイアス要素50Aは、スプリング状の金属の円錐台部品の形状であり(本明細書の範囲を越えず、非限定的方式であり、また、1つまたは複数の波形のスプリングまたは任意の他の弾性手段を使用することも可能である)、支持部10A(特に、横断方向に延びる支持部の第2の部品13Aのある部分上)に対して支持している第1の端部部分と、リング40Aに対して(特に、リングの第2の環状部品45Aおよび/または第1の環状部品47Aの平面の横断表面に対して)支持する、第1の端部部分とは反対側の第2の端部部分と、を有している。
【0079】
第2の実施形態の特定の特徴は、以下により詳細に説明する。
【0080】
第2の実施形態では、結合部品60Bに属する第1のジョイント部分64Bは、支持部10Bに属する、関連する第1のジョイント部分14Bが(シーリングシステムを利用する正常な状況下で)変形不可能である状態で曲げる際に弾性的に変形するのに適している。
【0081】
具体的には、第1のジョイント部分64Bの各々は、ブレードによって構成されている。このブレードは、第1の端部であって、この第1の端部において結合部品60Bに対し、長手方向Zに平行な旋回軸周りにブレードが弾性的に旋回できるように、結合部品60Bに弾性的に接続された第1の端部と、第1の端部とは反対側の第2の端部であって、この第2の端部から、舌部65Bが結合部品60Bの外側に突出し、舌部65Bが長手方向Zに垂直な横断面に延びる、第2の端部とを有している。
【0082】
第1のジョイント部分14Bの各々は、対応する舌部65Bと協同するのに適切である凹部によって構成されており、これにより、ブレードの弾性的変形により、支持部10Bと結合部品60Bとの間の、第1の横断方向Xに関する円筒状ジョイントタイプの相対移動を可能にする第1の運動学的ジョイントを提供するようになっている(特に図11および図13Aを参照)。この例では、各舌部65Bが、長手方向Zに沿って、関連する凹部14B内に滑動して入ることが可能であり、こうして、上述の第3の運動学的ジョイントを提供する第3のジョイント部分の協同を維持することを容易にする。
【0083】
いずれにしろ、本明細書の範囲を越えることなく、ブレードの少なくとも1つを支持部に配置し、少なくとも対応する凹部を結合部品に配置するための準備を行うことができる。
【0084】
さらに、第2の実施形態では、結合部品60Bに属する第2のジョイント部分62Bは、リング40Bに属する、関連する第2のジョイント部分42Bが(シーリングシステムを利用する正常な状況下で)変形不可能である状態で曲げる際に弾性的に変形するのに適している。
【0085】
具体的には、第2のジョイント部分62Bの各々は、ブレードによって構成されている。このブレードは、第1の端部であって、この第1の端部において結合部品60Bに対し、長手方向Zに平行な旋回軸周りに、ブレードが弾性的に旋回することを可能にするような方式で、結合部品60Bに弾性的に接続された第1の端部と、第1の端部とは反対側の第2の端部であって、この第2の端部から、舌部63Bが結合部品60Bの内側に突出し、舌部65Bが長手方向Zに垂直な横断面、具体的には、舌部65Bがあるのと同じ横断面にある、第2の端部とを有している。
【0086】
第2のジョイント部分42Bの各々は、対応する舌部63Bと協同するのに適切である凹部によって構成されており、これにより、ブレードの弾性的変形により、リング40Bと結合部品60Bとの間の、第2の横断方向Yに関する円筒状ジョイントタイプの相対移動を可能にする第2の運動学的ジョイントを構成するようになっている(特に、図11および図13Bを参照)。
【0087】
この例では、各舌部63Bが、長手方向Zに沿って、関連する凹部内に滑動して入ることが可能であり、このことは、上述の第3の運動学的ジョイントを提供する第3のジョイント部分の協同を維持することを容易にすることができる。
【0088】
いずれにしろ、本明細書の範囲を越えることなく、これらブレードの少なくとも1つをリングに配置し、少なくとも1つの対応する凹部を結合部品に配置するための準備を行うことができる。
【0089】
この第2の実施形態では、ブレード64Bは、第1の横断方向Xに離間しており(具体的には、ブレード64Bは、長手方向Zに沿って延びる軸周りに、互いに対して180度で配置されている)、一方、ブレード62Bは、第2の横断方向Yに沿って離間している(具体的には、ブレード62Bは、長手方向Zに沿って延びる軸周りに、互いに対して180度で配置されている)。この第2の横断方向Yは、第1の横断方向Xに対して垂直である。同様に、凹部14Bは、第1の横断方向Xに離間しており(具体的には、長手方向Zに沿って向けられた軸周りに、互いに対して180度で配置されている)、一方、凹部42Bは、第2の横断方向Yに沿って離間している(具体的には、長手方向Zに沿って向けられた軸周りに、互いに対して180度で配置されている)。リング40Bは、ブレード62Bと64Bとの、結合部品60Bと支持部10Bとに対する曲げるタイプの弾性的変形により、第1の方向Xおよび第2の方向Yによって規定された横断面における回転シャフト20Bの平行移動(径方向の移動)に追従することができる。リング40Bも、舌部63B、65Bおよび関連する凹部42B、14Bの形状のために、第1の方向Xおよび第2の方向Yによって規定された軸周りに、回転シャフト20Bの回転移動に追従することができる。舌部63B、65Bと、関連する凹部42B、14Bは、特に、そのような回転移動を可能にする機能的クリアランスを設けることによって協同することができる。対照的に、凹部14B、42Bおよびブレード64B、62B(具体的には、それらの舌部65B、63B)の形状により、リングが、長手方向Zに沿って規定された回転シャフトの駆動軸周りに回転駆動することが防止される。
【0090】
この第2の実施形態では、結合部品60Bとバイアス要素50Bとが相互に関連している。具体的には、バイアス要素50Bは、上述の第1の実施形態のバイアス要素に類似している(特に図13Aから図13Cを参照)。したがって、バイアス要素50Bについては、本明細書の簡潔性の理由のために、第2の実施形態に関しては再度説明しない。
【0091】
第3の実施形態の特定の特徴は、以下により詳細に説明する。
【0092】
第3の実施形態(図14および図15を参照)では、結合部品60Cに属する第1のジョイント部分64Cは支持部10Cに属する、関連する第1のジョイント部分14Cが、(シーリングシステムを利用する正常な状況下で)変形不可能である状態で曲げる際に弾性的に変形するのに適している。
【0093】
具体的には、第1のジョイント部分64Cの各々は、ブレードによって構成されている。このブレードは、第1の端部であって、この第1の端部において結合部品60Cに対し、長手方向Zに平行な旋回軸周りにブレードが弾性的に旋回できるように、結合部品60Cに弾性的に接続された第1の端部と、第1の端部とは反対側の第2の端部であって、この第2の端部から、舌部65Cが結合部品60Cおよびリング40Cから外側に突出し、舌部65Cが、長手方向に平行であるとともに、第1の方向Xに平行である面にある、第2の端部とを有している。
【0094】
第1のジョイント部分14Cの各々は、この例では、ブレードの弾性的変形、および、舌部65Cと凹部14Cとの間に存在し、舌部65Cと凹部14Cとを、第1の横断方向Xに関して、互いに対し平行移動または旋回することを可能にするクリアランスにより、第1の運動学的ジョイントを提供するように、対応する舌部65Cと協同するのに適切である凹部によって構成されており、第1の運動学的ジョイントはこうして、支持部10Cと結合部品60Cとの間の、第1の横断方向Xに対する円筒状ジョイントタイプの相対移動を可能にする。
【0095】
この例では、各舌部64Cが、長手方向Zにおいて、関連する凹部内に滑動して入ることが可能であり、このことは、上述の第3の運動学的ジョイントを提供する第3のジョイント部分の協同を維持することを容易にすることができる。
【0096】
いずれにしろ、本明細書の範囲を越えることなく、これらブレードの少なくとも1つを支持部に配置し、少なくとも対応する凹部を結合部品に配置するための準備を行うことができる。
【0097】
さらに、第3の実施形態では、結合部品60Cに属する第2のジョイント部分62Cは、リング40Cに属する、関連する第2のジョイント部分42Cが(シーリングシステムを利用する正常な状況下で)変形不可能である状態で曲げる際に弾性的に変形するのに適している。
【0098】
具体的には、第2のジョイント部分62Cの各々は、ブレードによって構成されている。このブレードは、第1の端部であって、この第1の端部において結合部品60Cに対し、長手方向Zに垂直な旋回軸周りにブレードが弾性的に旋回できるように、結合部品60Cに弾性的に接続された第1の端部と、第1の端部とは反対側の第2の端部であって、この第2の端部から、舌部63Cが結合部品60Bから外側にリング40Cに向かって突出し、舌部63Cが、長手方向Zに平行であるとともに、第2の横断方向Yに平行である面にある、第2の端部とを有している。
【0099】
第2のジョイント部分42Cの各々は、この例では、ブレードの弾性的変形および、舌部63Cと凹部42Cとの間に存在し、舌部63Cと凹部42Cとを、第2の横断方向に関して、互いに対し平行移動または旋回することを可能にするクリアランスにより、第2の運動学的ジョイントを提供するために、対応する舌部63Cと協同するのに適切である凹部によって構成されており、この第2の運動学的ジョイントは、リング40Cと結合部品60Cとの間の、第2の横断方向Yに対する円筒状ジョイントタイプの相対移動を可能にする。
【0100】
この実施形態では、各舌部62Cが、長手方向Zに沿って、関連する凹部内に滑動して入ることが可能であり、こうして、上述の第3の運動学的ジョイントを提供する第3のジョイント部分間の協同を維持することを容易にする。
【0101】
いずれにしろ、本明細書の範囲を越えることなく、ブレードの少なくとも1つをリングに配置し、少なくとも対応する凹部を結合部品に配置するための準備を行うことができる。
【0102】
この第3の実施形態では、ブレード64Cは、第1の横断方向Xに沿って離間しており(具体的には、長手方向Zに沿って向けられた軸周りに、互いに対して180度で配置されている)、一方、ブレード62Cは、第2の横断方向Yに沿って離間している(具体的には、ブレード62Cは、長手方向Zに沿って向けられた軸周りに、互いに対して180度で配置されている)。この第2の横断方向Yは、第1の横断方向Xに対して垂直である。同様に、凹部14Cは、第1の横断方向Xに沿って離間しており(具体的には、長手方向Zに沿って向けられた軸周りに、互いに対して180度で配置されている)、一方、凹部42Cは、第2の横断方向Yに沿って離間している(具体的には、長手方向Zに沿って向けられた軸周りに、互いに対して180度で配置されている)。リング40Cは、舌部62Cと64Cとの、結合部品60Cと支持部10Cとに対する曲げるタイプの弾性的変形により、第1の方向Xおよび第2の方向Y周りの回転シャフト20Cの回転移動に追従することができる。リング40Cも、舌部63C、65Cおよび関連する凹部42C、14Cの形状のために、第1の方向Xおよび第2の方向Yに沿う回転シャフト20Cの平行移動(径方向の移動)に追従することができる。舌部63C、65Cと、関連する凹部42C、14Cとは、特に、そのような平行移動を可能にする機能的クリアランスを設けることによって協同することができる。対照的に、凹部14C、42Cおよびブレード64C、62C(具体的には、それらの舌部65C、63C)の形状により、リングが、長手方向Zに沿って規定された回転シャフトの駆動軸周りに回転駆動することが防止される。
【0103】
この第3の実施形態では、結合部品60Cとバイアス要素とが単一のユニットとして形成されている。具体的には、バイアス要素は、弾性ブレード62C、64Cによって構成されている。より具体的には、バイアス要素は、ブレード64Cによって規定され、リング40Cから外側に(具体的には、第2の部品13Cに向かって)突出するこれらブレード64Cの舌部65Cにより、支持部10Cに対して(具体的には、横断方向に延びる支持部の第2の部品13Cに対して)支持することになる第1の端部部分と、ブレード62Cによって規定され、リング40Cに対して(具体的には、リングの第2の環状部品45Cに対して)、リング40Cに向かって突出する舌部63Cおよびブレード62Cを介して支持することになる、第1の端部部分とは反対側の第2の端部部分と、備えている。
【0104】
本明細書に説明された実施形態または実施態様は、非限定的な説明によって与えられ、この説明に照らして、当業者は、本発明の範囲内に維持しつつ、これら実施形態または実施態様を、容易に変更するか、他のものを予見することができる。
【0105】
さらに、これら実施形態または実施態様の様々な特徴は、単一で使用することができるか、相互に組み合わせることができる。それら特徴が組み合わせられる場合、これら特徴は上述のように、または他の方法で組み合わせられ得る。本発明は、本明細書に説明された特定の組合せに限定されない。具体的には、別様に特定されていない限り、いずれか1つの実施形態または実施態様に関して説明されたいずれかの特徴は、他のいずれかの実施形態または実施態様と類似の方式で適用され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図14
図15