【0062】
本発明のある実施形態では、作物栽培学的関心対象の遺伝子である転写可能ポリヌクレオチド分子にプロモーターが作動的に連結されるように、本発明のプロモーターがコンストラクトに組み込まれる。作物栽培学的に有益な形質を付与するために、作物栽培学的関心対象の遺伝子の発現は望ましい。有益な作物栽培学的形質は、例えば限定するわけではないが、除草剤耐性、昆虫防除、改変された収量、真菌病耐性、ウイルス耐性、線虫耐性、細菌病耐性、植物の成長および発生、デンプン生産、改変された油生産、高い油生産量、改変された脂肪酸含有量、高いタンパク質生産量、果実成熟、強化された動物およびヒト栄養、生体高分子、環境ストレス耐性、医薬ペプチドおよび分泌性ペプチド、改良されたプロセシング形質、改良された消化性、酵素生産、風味、窒素固定、雑種種子生産、繊維生産、およびバイオ燃料生産でありうる。当技術分野において知られている作物栽培学的関心対象の遺伝子の例には、除草剤耐性(米国特許第6,803,501号;同第6,448,476号;同第6,248,876号;同第6,225,114号;同第6,107,549号;同第5,866,775号;同第5,804,425号;同第5,633,435号;同第5,463,175号)、収量増加(米国再発行特許第38,446号;米国特許第6,716,474号;同第6,663,906号;同第6,476,295号;同第6,441,277号;同第6,423,828号;同第6,399,330号;同第6,372,211号;同第6,235,971号;同第6,222,098号;および同第5,716,837号)、昆虫防除(米国特許第6,809,078号;同第6,713,063号;同第6,686,452号;同第6,657,046号;同第6,645,497号;同第6,642,030号;同第6,639,054号;同第6,620,988号;同第6,593,293号;同第6,555,655号;同第6,538,109号;同第6,537,756号;同第6,521,442号;同第6,501,009号;同第6,468,523号;同第6,326,351号;同第6,313,378号;同第6,284,949号;同第6,281,016号;同第6,248,536号;同第6,242,241号;同第6,221,649号;同第6,177,615号;同第6,156,573号;同第6,153,814号;同第6,110,464号;同第6,093,695号;同第6,063,756号;同第6,063,597号;同第6,023,013号;同第5,959,091号;同第5,942,664号;同第5,942,658, 5,880,275号;同第5,763,245号;および同第5,763,241号)、真菌病耐性(米国特許第6,653,280号;同第6,573,361号;同第6,506,962号;同第6,316,407号;同第6,215,048号;同第5,516,671号;同第5,773,696号;同第6,121,436号;同第6,316,407号;および同第6,506,962号)、ウイルス耐性(米国特許第6,617,496号;同第6,608,241号;同第6,015,940号;同第6,013,864号;同第5,850,023号;および同第5,304,730号)、線虫耐性(米国特許第6,228,992号)、細菌病耐性(米国特許第5,516,671号)、植物の成長および発生(米国特許第6,723,897号および同第6,518,488号)、デンプン生産(米国特許第6,538,181号;同第6,538,179号;同第6,538,178号;同第5,750,876号;同第6,476,295号)、改変された油生産(米国特許第6,444,876号;同第6,426,447号;および同第6,380,462号)、高い油生産量(米国特許第6,495,739号;同第5,608,149号;同第6,483,008号;および同第6,476,295号)、改変された脂肪酸含量(米国特許第6,828,475号;同第6,822,141号;同第6,770,465号;同第6,706,950号;同第6,660,849号;同第6,596,538号;同第6,589,767号;同第6,537,750号;同第6,489,461号;および同第6,459,018号)、高いタンパク質生産量(米国特許第6,380,466号)、果実成熟(米国特許第5,512,466号)、強化された動物およびヒト栄養(米国特許第6,723,837号;同第6,653,530号;同第6,5412,59号;同第5,985,605号;および同第6,171,640号)、生体高分子(米国再発行特許第37,543号;米国特許第6,228,623号;ならびに同第5,958,745号および同第6,946,588号)、環境ストレス耐性(米国特許第6,072,103号)、医薬ペプチドおよび分泌性ペプチド(米国特許第6,812,379号;同第6,774,283号;同第6,140,075号;および同第6,080,560号)、改良されたプロセシング形質(米国特許第6,476,295号)、改良された消化性(米国特許第6,531,648号)、低ラフィノース(米国特許第6,166,292)、工業用酵素生産(米国特許第5,543,576号)、改良されたフレーバー(米国特許第6,011,199号)、窒素固定(米国特許第5,229,114号)、雑種種子生産(米国特許第5,689,041号)、繊維生産(米国特許第6,576,818号;同第6,271,443号;同第5,981,834号;および同第5,869,720号)ならびにバイオ燃料生産(米国特許第5,998,700号)のためのものがある。
【実施例】
【0078】
実施例1:調節要素の同定とクローニング
単子葉植物種ビッグブルーステム(
Andropogon gerardii)、ラベンナグラス(
Saccharum ravennae(
Erianthus ravennae))、エノコログサ(
Setaria viridis)、テオシント(
Zea mays subsp. mexicana)、アワ(
Setaria italica)、およびハトムギ(
Coix lacryma-jobi)のゲノムDNAから、新規ユビキチン転写調節要素または転写調節発現要素群(EXP)配列を同定し、単離した。
【0079】
上記の種のそれぞれからユビキチン1転写産物配列を同定した。ユビキチン1転写産物のそれぞれの5'非翻訳領域(5'UTR)を使って、作動的に連結されたプロモーター、リーダー(5'UTR)および第1イントロンを含む、同定されたユビキチン遺伝子の対応する転写調節要素を増幅するためのプライマーを設計した。それらのプライマーを、製造者のプロトコールに従って構築したGenomeWalker(商標)(Clontech Laboratories, Inc、カリフォルニア州マウンテンビュー)ライブラリーと共に使用することで、対応するゲノムDNA配列の5'領域をクローニングした。
Zea maysのユビキチン4、6および7遺伝子のホモログである公表された配列を使って、単子葉植物
Sorghum bicolorからも、ユビキチン転写調節要素を単離した。
【0080】
増幅されたDNA内の調節要素を同定するために、同定された配列を使って、バイオインフォマティックス解析を行った。この解析の結果を使って、DNA配列内の調節要素を同定し、その調節要素を増幅するためのプライマーを設計した。ユニークな制限酵素部位を含有するプライマーならびに
A. gerardii、
S. ravennae、
S. viridis、
Z. mays subsp. mexicana、
S. italica、
C. lacryma-jobiおよび
S. bicolorから単離されたゲノムDNAと共に、標準的なポリメラーゼ連鎖反応条件を使って、各調節要素について、対応するDNA分子を増幅した。その結果得られたDNAフラグメントを基本植物発現ベクター中にライゲートし、配列決定した。次に、形質転換された植物プロトプラストを使って、調節要素TSSおよびイントロン/エクソンスプライスジャンクションの解析を行った。簡単に述べると、プロトプラストを、異種転写可能ポリヌクレオチド分子に作動的に連結されたクローン化DNAフラグメントを含む植物発現ベクターで形質転換し、5'RACE System for Rapid Amplification of cDNA Ends,Version 2.0(Invitrogen、92008カリフォルニア州カールズバッド)を使って、調節要素TSSおよびイントロン/エクソンスプライスジャンクションを、それによって生産されるmRNA転写産物の配列を解析することによって確認した。
【0081】
同定された転写調節発現要素群(「EXP」)の配列を、下記表1に列挙するとおり、配列番号1、5、8、10、12、14、16、18、22、25、27、29、31、33、37、39、41、45、49、53、55、59、63、65、69、73、75、77、79、83、85、87、90、93、95、97、98、99、100、102、104、106、108、110、112、114、115、116、117、119、121、123、124、125、126、128、130、132、133、134、136、137、139、141、143、145、147、149、151、153、155、157、180、181および183として、ここに提供する。プロモーター配列は、配列番号2、6、9、11、13、15、17、19、23、26、28、30、32、34、38、40、42、46、50、56、60、64、66、70、74、76、78、80、84、86、88、91、96および135として、ここに提供する。リーダー配列は、配列番号3、20、35、43、47、51、57、61、67、71および81として、ここに提供する。イントロン配列は、配列番号4、7、21、24、36、44、48、52、54、58、62、68、72、82、92、94、101、103、105、107、109、111、113、118、120、122、127、129、131、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158および182として、ここに提供する。エンハンサー配列は配列番号89として提供する。
[表1]さまざまなイネ科植物種から単離された転写調節発現要素群(「EXP」)、プロモーター、エンハンサー、リーダーおよびイントロン
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【表1-9】
【表1-10】
【表1-11】
【0082】
表1に示すように、例えば、EXP-ANDge.Ubq1:1:9(配列番号1)と呼ばれる転写調節EXP配列は、
A. gerardiiから単離された構成要素と共に、イントロン要素I-ANDge.Ubq1-1:1:3(配列番号4)の5'側に作動的に連結されたリーダー要素L-ANDge.Ubq1-1:1:2(配列番号3)の5'側に作動的に連結されたプロモーター要素P-ANDge.Ubq1-1:1:11(配列番号2)を含む。表1に概説するように他のEXPも同様に連結されている。
【0083】
表1、配列表および
図1〜7に示すように、種
A. gerardii、
E. ravennae、
Z. mays subsp.
mexicana、
S. bicolor、
C. lacryma-jobi、
S. italica、および
S. viridisからのプロモーター配列の変異体であって、例えばP-ANDge.Ubq1-1:1:11(配列番号2)、P-ERIra.Ubq1-1:1:10(配列番号19)または他の種に由来する他の各プロモーターなどの、より短いプロモーターを含むものを工学的に作製することにより、P-ANDge.Ubq1-1:1:9(配列番号6)、P-ERIra.Ubq1-1:1:9(配列番号23)、P-Cl.Ubq1-1:1:10(配列番号96)、P-SETit.Ubq1-1:1:2(配列番号76)およびP-Sv.Ubq1-1:1:2(配列番号38)、ならびに他のプロモーターフラグメントを得た。P-SETit.Ubq1-1:1:4(配列番号74)は、P-SETit.Ubq1-1:1:1(配列番号70)との比較で、単一のヌクレオチド変化を含む。同様に、P-Sv.Ubq1-1:1:3(配列番号40)は、P-Sv.Ubq1-1:1:4(配列番号135)との比較で、単一のヌクレオチド変化を含む。
【0084】
いくつかの例では、3'イントロンスプライスジャンクションの配列5'-AG-3'に続く各々のイントロンの最後の3'ヌクレオチドを変化させることによって、特定イントロンの変異体を作成した。これらのイントロン変異体を下記表2に示す。
[表2]イントロン変異体の3'端配列
【表2】
【0085】
Z. mays subsp.
mexicanaからのゲノムDNAの増幅用に設計した同じプライマーセットを使って単離された3つのアレル変異体も、表1に列挙する。EXP配列のアレル変異体は、他の配列のさまざまな領域内で、ある程度の同一性を共有する配列から構成されるが、挿入、欠失およびヌクレオチドミスマッチも、EXP配列のそれぞれの各プロモーター、リーダーおよび/またはイントロン内で、明白でありうる。EXP-Zm.UbqM1:1:1(配列番号41)と呼ばれるEXP配列は、
Z. mays subsp.
mexicana Ubq1遺伝子転写調節発現要素群の第1アレル(アレル-1)である。EXP-Zm.UbqM1:1:6(配列番号137)およびEXP-Zm.UbqM1:1:10(配列番号139)と呼ばれるEXP配列は、第1アレル(アレル-1)であって、これら2つのEXPの間の唯一の相違は、3'イントロンスプライスジャンクションの配列5'-AG-3'に続く各々のイントロンの最後の3'ヌクレオチドに存在する。EXP-Zm.UbqM1:1:4(配列番号45)と呼ばれるEXP配列は、
Z. mays subsp.
mexicana Ubq1遺伝子転写調節発現要素群の第2アレル(アレル-2)を表す。EXP-Zm.UbqM1:1:7(配列番号141)およびEXP-Zm.UbqM1:1:12(配列番号143)と呼ばれるEXP配列は、第2アレル(アレル-2)であって、これら2つのEXPの間の唯一の相違は、3'イントロンスプライスジャンクションの配列5'-AG-3'に続く各々のイントロンの最後の3'ヌクレオチドに存在する。EXP配列EXP-Zm.UbqM1:1:2(配列番号49)およびEXP-Zm.UbqM1:1:5(配列番号53)は、
Z. mays subsp.
mexicana Ubq1遺伝子転写調節発現要素群の第3アレル(アレル-3)を表し、それぞれのイントロン内の位置1034に単一のヌクレオチド相違を含む(I-Zm.UbqM1-1:1:11、配列番号52の場合はG、I-Zm.UbqM1-1:1:12、配列番号54の場合はT)。EXP-Zm.UbqM1:1:8(配列番号145)、EXP-Zm.UbqM1:1:9(配列番号147)、EXP-Zm.UbqM1:1:11(配列番号149)およびEXP-Zm.UbqM1:1:13(配列番号181)と呼ばれるEXP配列も、第3アレル(アレル-3)を表す。EXP-Zm.UbqM1:1:9のイントロンI-Zm.UbqM1-1:1:16(配列番号148)は、位置1034にチミン残基を含み、一方、EXP-Zm.UbqM1:1:8、EXP-Zm.UbqM1:1:11およびEXP-Zm.UbqM1:1:13のイントロン(I-Zm.UbqM1-1:1:15、配列番号146;I-Zm.UbqM1-1:1:18、配列番号11および;I-Zm.UbqM1-1:1:20、配列番号182)は、それぞれ位置1034にグアニン残基を含む。また、EXP-Zm.UbqM1:1:8(配列番号145)およびEXP-Zm.UbqM1:1:9(配列番号147)の最後の3つの3'端ヌクレオチドは、EXP-Zm.UbqM1:1:11(配列番号149)およびEXP-Zm.UbqM1:1:13(配列番号181)のものとは異なっている。
【0086】
実施例2:トウモロコシプロトプラストにおけるGUSを駆動する調節要素の解析
トウモロコシ葉プロトプラストを、β-グルクロニダーゼ(GUS)導入遺伝子の発現を駆動するEXP配列を含有する植物発現ベクターで形質転換し、GUSの発現が既知の構成的プロモーターによって駆動される葉プロトプラストにおけるGUS発現と比較した。
【0087】
EXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)、EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)、EXP-ERIra.Ubq1:1:9(配列番号22)またはEXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)によって駆動される導入遺伝子の発現を、既知の構成的プロモーターからの発現と比較した。前述のEXP配列を、下記表3に示すように植物発現ベクター中にクローニングすることで、EXP配列が、ジャガイモ光誘導性組織特異的ST-LS1遺伝子(GenBankアクセッション:X04753)に由来するプロセシング可能なイントロンを含有するβ-グルクロニダーゼ(GUS)レポーター(GUS-2という、配列番号160)または連続的GUSコード配列(GUS-1、配列番号159)の5'側に作動的に連結されており、それが、
A. tumefaciensノパリンシンターゼ遺伝子(T-AGRtu.nos-1:1:13、配列番号161)またはコムギHsp17遺伝子(T-Ta.Hsp17-1:1:1、配列番号162)由来の3'UTRの5'側に作動的に連結されているベクターを得た。
[表3]トウモロコシ葉プロトプラストの形質転換に使用したGUS植物発現プラスミドコンストラクトおよび対応するEXP配列、GUSコード配列および3'UTR。「配列番号」は与えられたEXP配列を指す。
【表3】
【0088】
比較のために使用した対照プラスミド(pMON19469、pMON65328、pMON25455およびpMON122605)は上述のように構築したものであり、GUSコード配列および3'UTRの5'側に作動的に連結された既知のEXP配列:EXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1(配列番号170)、EXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1(配列番号163)、EXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)、またはEXP-Os.TubA-3:1:1(配列番号165)を、それぞれ含有する。バックグランドGUSおよびルシフェラーゼ発現を評価するために、さらに3つの対照を用意した:DNAなしの対照、導入遺伝子発現用に設計されていない空ベクター、および緑色蛍光タンパク質(GFP)を発現するために使用した発現ベクター。
【0089】
同時形質転換とデータの標準化に使用した2つのプラスミドも、当技術分野において知られている方法を使って構築した。各プラスミドは、構成的EXP配列によって駆動される特異的ルシフェラーゼコード配列を含有していた。植物ベクターpMON19437は、
Agrobacterium tumefaciensノパリンシンターゼ遺伝子由来の3'UTR(T-AGRtu.nos-1:1:13、配列番号161)の5'側に作動的に連結されたホタル(
Photinus pyralis)ルシフェラーゼコード配列(LUCIFERASE:1:3、配列番号166)の5'側に作動的に連結されたイントロン(EXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1、配列番号170)の5'側に作動的に連結された構成的プロモーターを有する導入遺伝子カセットを含む。植物ベクターpMON63934は、
Agrobacterium tumefaciensノパリンシンターゼ遺伝子由来の3'UTR(T-AGRtu.nos-1:1:13、配列番号161)の5'側に作動的に連結されたウミシイタケ(
Renilla reniformis)ルシフェラーゼコード配列(CR-Ren.hRenilla Lucife-0:0:1、配列番号167)の5'側に作動的に連結された構成的EXP配列(EXP-CaMV.35S-enh-Lhcb1、配列番号168)を有する導入遺伝子カセットを含む。
【0090】
トウモロコシ葉プロトプラストは、当技術分野においてよく知られているように、PEGに基づく形質転換方法を使って形質転換した。プロトプラスト細胞を、pMON19437プラスミドDNA、pMON63934プラスミドDNA、および等モル量の、表3に提示するプラスミドの一つで形質転換し、完全遮光下で一晩インキュベートした。上述のように形質転換した細胞の溶解調製物のアリコートを、2つの異なる小ウェルトレイに入れることによって、GUSとルシフェラーゼの両方の測定を行った。一方のトレイはGUS測定に使用し、もう一つのトレイは、デュアルルシフェラーゼレポーターアッセイシステム(Promega Corp.、ウィスコンシン州マディソン;例えばPromega Notes Magazine, No:57, 1996, p.02を参照されたい)を使ってデュアルルシフェラーゼアッセイを行うために使用した。各EXP配列について1回または2回の形質転換を行い、各EXP配列についての平均発現値を、各形質転換実験のいくつかの試料から決定した。試料測定は、各EXP配列コンストラクト形質転換の4つの複製物を使って行うか、あるいは、2回の形質転換実験の1回につき、各EXP配列コンストラクトの3つの複製物を使って行った。平均GUS発現レベルおよびルシフェラーゼ発現レベルを表4に記載する。この表では、ホタルルシフェラーゼ値(例えばpMON19437の発現によるもの)を、「FLuc」と表示した列に記載し、
Renillaルシフェラーゼ値を、「RLuc」と表示した列に記載する。
[表4]形質転換されたトウモロコシ葉プロトプラスト細胞における平均GUSおよびルシフェラーゼ活性
【表4】
【0091】
各EXP配列の相対的活性を比較するために、GUS値をルシフェラーゼ活性に対するGUSの比として表し、EXP配列EXP-Os.TubA-3:1:1(配列番号165)について観察された発現レベルに対して標準化した。下記表5に、トウモロコシプロトプラストにおけるEXP-Os.TubA-3:1:1発現に対して標準化したGUS/RLuc発現比を示す。
【0092】
表5からわかるように、EXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)、EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)、EXP-ERIra.Ubq1:1:9(配列番号22)またはEXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)によって駆動されるGUS発現は、EXP-Os.TubA-3:1:1(配列番号165)によって駆動されるGUS発現より4.51〜9.42倍高かった。また、EXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)、EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)、EXP-ERIra.Ubq1:1:9(配列番号22)またはEXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)によって駆動されるGUS発現は、EXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1(配列番号170)、EXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1(配列番号163)、またはEXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)によるものよりも高かった。
[表5]トウモロコシ葉プロトプラスト細胞におけるEXP-Os.TubA-3:1:1発現と比較したGUS/RLuc発現倍率
【表5】
【0093】
下記表6に、トウモロコシプロトプラストにおけるEXP-Os.TubA-3:1:1発現に対して標準化したGUS/FLuc発現比を示す。
[表6]トウモロコシ葉プロトプラスト細胞におけるEXP-Os.TubA-3:1:1発現に対するGUS/FLuc発現倍率
【表6】
【0094】
表6からわかるように、EXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)、EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)、EXP-ERIra.Ubq1:1:9(配列番号22)またはEXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)によって駆動されるGUS発現は、GUS/FLuc比の値として表現し、EXP-Os.TubA-3:1:1(配列番号165)に対して標準化した場合に、同じ一般的傾向を示した。発現は、EXP-Os.TubA-3:1:1(配列番号165)によって駆動されるGUS発現より12.69〜32.86倍高かった。また、EXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)、EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)、EXP-ERIra.Ubq1:1:9(配列番号22)またはEXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)によって駆動されるGUS発現は、一定の比較では、EXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1(配列番号170)、EXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1(配列番号163)、またはEXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)によるものよりも高かった。
【0095】
実施例3:GUS導入遺伝子カセットアンプリコンを使ったトウモロコシプロトプラストにおけるGUSを駆動する調節要素の解析
以下に提示する一連の実験では、トウモロコシ葉プロトプラストを、β-グルクロニダーゼ(GUS)導入遺伝子の発現を駆動するEXP配列を含有する植物発現ベクターに由来するDNAアンプリコンで形質転換し、それを、GUSの発現が既知の構成的プロモーターによって駆動される葉プロトプラストと比較した。
【0096】
1組目の実験では、EXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)、EXP-ANDge.Ubq1:1:10(配列番号10)、EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)、EXP-ANDge.Ubq1:1:11(配列番号14)、EXP-ANDge.Ubq1:1:12(配列番号16)、EXP-ERIra.Ubq1:1:9(配列番号22)、EXP-ERIra.Ubq1:1:10(配列番号25)、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)、EXP-ERIra.Ubq1:1:11(配列番号29)、EXP-ERIra.Ubq1:1:12(配列番号31)、EXP-SETit.Ubq1:1:5(配列番号117)、EXP-SETit.Ubq1:1:7(配列番号123)、EXP-SETit.Ubq1:1:6(配列番号124)、EXP-Sv.Ubq1:1:7(配列番号128)、EXP-Sv.Ubq1:1:8(配列番号132)、EXP-Sv.Ubq1:1:10(配列番号134)、EXP-Zm.UbqM1:1:6(配列番号137)、EXP-Zm.UbqM1:1:7(配列番号141)、EXP-Sb.Ubq4:1:2(配列番号151)、EXP-Sb.Ubq6:1:2(配列番号153)およびEXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)の一つによって駆動される導入遺伝子(GUS)の発現を既知の構成的プロモーターによるものと比較するために、葉組織由来のトウモロコシプロトプラスト細胞を、上記のように、植物発現ベクターを構成するGUS導入遺伝子カセットの増幅によって生じるアンプリコンで形質転換した。導入遺伝子カセットアンプリコンを生成する元になる増幅テンプレートを構成する各EXP配列は、当技術分野において知られている方法を使って、下記表7の「アンプリコンテンプレート」という見出しの下に示す植物発現ベクター中にクローニングした。その結果得られた植物発現ベクターは、やはり上記のように、3'UTR T-AGRtu.nos-1:1:13またはT-Ta.Hsp17-1:1:1の5'側に作動的に連結されたプロセシング可能なイントロンを含有するβ-グルクロニダーゼ(GUS)のコード配列(上記実施例2で述べた「GUS-2」)または連続的GUSコード配列(上述の「GUS-1」))の5'側に作動的に連結されたEXP配列から構成される導入遺伝子カセットを含む。アンプリコンは、当業者に知られている方法を使用し、下記表7に提示するプラスミドコンストラクトテンプレートを使って作製した。簡単に述べると、5'オリゴヌクレオチドプライマーはプロモーター配列にアニールするように設計し、各導入遺伝子カセットの増幅には、3'UTRの3'端においてアニールする3'オリゴヌクレオチドプライマーを使用した。各アンプリコンテンプレートを構成するプロモーター配列内の異なる位置においてアニールするように設計された異なるオリゴヌクレオチドプライマーを利用して、導入遺伝子カセットを構成するプロモーター配列に逐次的5'欠失を導入することにより、異なるEXP配列を生じさせた。
[表7]トウモロコシ葉プロトプラストの形質転換に使用したGUS植物発現アンプリコンならびに対応するプラスミドコンストラクトアンプリコンテンプレート、EXP配列、GUSコード配列および3'UTR
【表7-1】
【表7-2】
【0097】
表7にアンプリコンテンプレートとして列挙したプラスミドコンストラクトを、表7に列挙したEXP配列を含む導入遺伝子発現カセットを増幅するためのテンプレートとした。比較用のGUS導入遺伝子アンプリコンを生成させるために使用した対照プラスミドは、実施例2で述べた既知の構成的EXP配列を使って、既述のように構築した。GUSおよびルシフェラーゼバックグラウンドを決定するための陰性対照、DNAなしの対照、およびコード配列を発現しないプラスミドと一緒に2つのルシフェラーゼプラスミドを形質転換に使用する対照試料も使用した。実施例2で述べたプラスミドpMON19437およびpMON63934も、同時形質転換とデータの標準化のために使用した。
【0098】
上記実施例2で述べたようにPEGに基づく形質転換法を使ってトウモロコシ葉プロトプラストを形質転換した。下記表8に、各導入遺伝子カセットについて決定された平均GUSおよびルシフェラーゼ発現値を示す。
[表8]形質転換されたトウモロコシ葉プロトプラスト細胞における平均GUSおよびルシフェラーゼ活性
【表8】
【0099】
各EXP配列の相対的活性を比較するために、GUS値をルシフェラーゼ活性に対するGUSの比として表し、EXP-Os.Act1:1:1およびEXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1について観察された発現レベルに対して標準化した。下記表9には、トウモロコシプロトプラストにおいてEXP-Os.Act1:1:1およびEXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1が駆動する発現に対して標準化したGUS/RLuc発現比を示す。下記表10には、トウモロコシプロトプラストにおいてEXP-Os.Act1:1:1およびEXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1が駆動する発現に対して標準化したGUS/FLuc発現比を示す。
[表9]トウモロコシプロトプラストにおけるEXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1(配列番号163)に対して標準化したGUS/RLucおよびGUS/FLuc発現比
【表9】
[表10]トウモロコシ葉プロトプラストにおけるEXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)に対して標準化したGUS/RLucおよびGUS/FLuc発現比
【表10】
【0100】
表9および表10からわかるように、ほぼ全てのEXP配列が、トウモロコシ細胞においてGUS導入遺伝子発現を駆動する能力を有していた。平均GUS発現は、EXP-Os.Act1:1:1またはEXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1によって駆動されるGUS発現と比較すると、EXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)、EXP-ANDge.Ubq1:1:10(配列番号10)、EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)、EXP-ANDge.Ubq1:1:11(配列番号14)、EXP-ANDge.Ubq1:1:12(配列番号16)、EXP-ERIra.Ubq1:1:9(配列番号22)、EXP-ERIra.Ubq1:1:10(配列番号25)、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)、EXP-ERIra.Ubq1:1:11(配列番号29)、EXP-ERIra.Ubq1:1:12(配列番号31)、EXP-SETit.Ubq1:1:5(配列番号117)、EXP-SETit.Ubq1:1:7(配列番号123)、EXP-SETit.Ubq1:1:6(配列番号124)、EXP-Sv.Ubq1:1:7(配列番号128)、EXP-Sv.Ubq1:1:8(配列番号132)、EXP-Sv.Ubq1:1:10(配列番号134)、EXP-Zm.UbqM1:1:6(配列番号137)、EXP-Zm.UbqM1:1:7(配列番号141)、EXP-Sb.Ubq4:1:2(配列番号151)、EXP-Sb.Ubq6:1:2(配列番号153)およびEXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)の方が高かった。
【0101】
2組目の実験では、EXP配列EXP-Zm.UbqM1:1:8(配列番号145)を含むGUSカセットアンプリコンを、対照アンプリコンPCR0145942(EXP-Os.Act1:1:9、配列番号179)およびPCR0145944(EXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1、配列番号170)と、GUS発現に関して比較した。EXP配列EXP-Zm.UbqM1:1:8によって駆動されるGUS発現の方が、これら2つの対照より高かった。下記表11には、各アンプリコンについて決定された平均GUSおよびルシフェラーゼ値を示す。下記表12には、トウモロコシプロトプラストにおけるEXP-Os.Act1:1:9およびEXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1駆動発現に対して標準化したGUS/RLucおよびGUS/FLuc発現比を示す。
[表11]形質転換されたトウモロコシ葉プロトプラスト細胞における平均GUSおよびルシフェラーゼ活性
【表11】
[表12]トウモロコシ葉プロトプラストにおけるEXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)およびEXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1(配列番号170)に対して標準化したGUS/RLucおよびGUS/FLuc発現比
【表12】
【0102】
3組目の実験では、アンプリコンGUS導入遺伝子カセットを上述のように作り、EXP配列、EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:13(配列番号114)、EXP-Cl.Ubq1:1:14(配列番号115)およびEXP-Cl.Ubq1:1:15(配列番号116)によって駆動される発現についてアッセイした。アンプリコンは、T-AGRtu.nos-1:1:13 3'UTRに作動的に連結されたGUS-1コード配列に作動的に連結されたEXP配列から構成された。発現を、対照EXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)およびEXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1(配列番号170)と比較した。下記表13には、各アンプリコンについて決定された平均GUSおよびルシフェラーゼ値を示す。下記表14には、トウモロコシプロトプラストにおけるEXP-Os.Act1:1:9およびEXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1駆動発現に対して標準化したGUS/RLuc発現比を示す。
[表13]形質転換されたトウモロコシ葉プロトプラスト細胞における平均GUSおよびルシフェラーゼ活性
【表13】
[表14]トウモロコシ葉プロトプラストにおけるEXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)およびEXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1(配列番号170)に対して標準化されたGUS/RLucおよびGUS/FLuc発現比
【表14】
【0103】
上記表14からわかるように、EXP配列EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:13(配列番号114)、EXP-Cl.Ubq1:1:14(配列番号115)およびEXP-Cl.Ubq1:1:15(配列番号116)は、導入遺伝子発現を駆動する能力を有する。EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:13(配列番号114)およびEXP-Cl.Ubq1:1:14(配列番号115)によって駆動される発現は、どちらの対照よりも高かった。EXP-Cl.Ubq1:1:15(配列番号116)によって駆動される発現は、EXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1(配列番号170)よりは低かったが、対照EXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)よりは高かった。
【0104】
4組目の実験では、アンプリコンGUS導入遺伝子カセットを上述のように作り、EXP配列、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:16(配列番号93)およびEXP-Cl.Ubq1:1:17(配列番号97)が駆動する発現についてアッセイした。発現を、対照EXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)およびEXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1(配列番号170)と比較した。
下記表15には、各アンプリコンについて決定した平均GUSおよびルシフェラーゼ値を示す。下記表16には、トウモロコシプロトプラストにおけるEXP-Os.Act1:1:9およびEXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1駆動発現に対して標準化されたGUS/RLucおよびGUS/FLuc発現比を示す。
[表15]形質転換されたトウモロコシ葉プロトプラスト細胞における平均GUSおよびルシフェラーゼ活性
【表15】
[表16]トウモロコシ葉プロトプラストにおけるEXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)およびEXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1(配列番号170)に対して標準化されたGUS/RLucおよびGUS/FLuc発現比
【表16】
【0105】
表16からわかるように、EXP配列EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:16(配列番号93)およびEXP-Cl.Ubq1:1:17(配列番号97)は、導入遺伝子発現を駆動することができた。EXP配列のそれぞれによって駆動される発現は、どちらの対照のものよりも高かった。
【0106】
5組目の実験では、EXP配列、EXP-Zm.UbqM1:1:11(配列番号149)およびEXP-Cl.Ubq1:1:23(配列番号108)によって駆動される発現をアッセイするために、アンプリコンGUS導入遺伝子カセットを上述のように作った。発現を、対照EXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)およびEXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1(配列番号163)と比較した。下記表17には、各アンプリコンについて決定した平均GUSおよびルシフェラーゼ値を示す。下記表18には、トウモロコシプロトプラストにおけるEXP-Os.Act1:1:9およびEXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1駆動発現に対して標準化されたGUS/RLuc発現比を示す。
[表17]形質転換されたトウモロコシ葉プロトプラスト細胞における平均GUSおよびルシフェラーゼ活性
【表17】
[表18]トウモロコシ葉プロトプラストにおけるEXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)およびEXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1(配列番号163)に対して標準化されたGUS/RLuc発現比
【表18】
【0107】
上記表18からわかるように、EXP配列、EXP-Zm.UbqM1:1:11(配列番号149)およびEXP-Cl.Ubq1:1:23(配列番号108)は、トウモロコシ葉プロトプラストにおいてGUS発現を駆動することができた。発現は、対照EXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)の発現と似ており、EXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1(配列番号163)の発現よりは低かった。
【0108】
アンプリコンからのGUS発現を駆動する調節要素の効力はサトウキビ葉プロトプラストでも同様に研究することができる。例えばサトウキビプロトプラストを、β-グルクロニダーゼ(GUS)導入遺伝子の発現を駆動するEXP配列を含有する植物発現ベクターに由来するDNAアンプリコンで形質転換し、GUSの発現が既知の構成的プロモーターによって駆動される葉プロトプラストと比較することができる。また、トウモロコシまたはコムギプロトプラストにおいてアンプリコンからのCP4発現を駆動する調節要素も同様に研究することができる。
【0109】
実施例4:GUS導入遺伝子カセットアンプリコンを使ったコムギプロトプラストにおけるGUSを駆動する調節要素の解析
コムギ葉プロトプラストを、β-グルクロニダーゼ(GUS)導入遺伝子の発現を駆動するEXP配列を含有する植物発現ベクターに由来するDNAアンプリコンで形質転換し、GUSの発現が既知の構成的プロモーターによって駆動される葉プロトプラストと比較した。
【0110】
上記実施例3でトウモロコシにおけるアッセイに使用したものと同じGUSカセットアンプリコンを使って、表10〜11に列挙するEXP配列によって駆動される導入遺伝子(GUS)の発現を、先の実施例(実施例3)に記載の方法論で、既知の構成的プロモーターのものと比較するために、葉組織由来のコムギプロトプラスト細胞を、当技術分野において知られている方法を使って、植物発現ベクターを構成するGUS導入遺伝子カセットの増幅によって生じるアンプリコンで形質転換した。コムギプロトプラスト形質転換に使用した対照GUSカセットアンプリコンおよびルシフェラーゼプラスミドも、先の実施例で提示し、実施例3において上記表7に記載したものと同じであった。また、上述のように、GUSおよびルシフェラーゼバックグラウンドを決定するために、陰性対照を使用した。コムギ葉プロトプラストは、上記実施例3で述べたように、PEGに基づく形質転換法を使って形質転換した。
表19には形質転換されたコムギ葉プロトプラスト細胞に見られる平均GUSおよびLUC活性を列挙し、表20には、コムギプロトプラストにおける標準化されたGUS/RLuc発現比を示す。
[表19]形質転換されたコムギ葉プロトプラスト細胞における平均GUSおよびルシフェラーゼ活性
【表19】
[表20]コムギ葉プロトプラストにおけるEXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)およびEXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1(配列番号163)に対して標準化されたGUS/RLuc発現比
【表20】
【0111】
上記表20からわかるように、ほとんど全てのEXP配列が、コムギ細胞においてGUS導入遺伝子発現を駆動する能力を有した。EXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)、EXP-ANDge.Ubq1:1:10(配列番号10)、EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)、EXP-ANDge.Ubq1:1:11(配列番号14)、EXP-ANDge.Ubq1:1:12(配列番号16)、EXP-ERIra.Ubq1:1:9(配列番号22)、EXP-ERIra.Ubq1:1:10(配列番号25)、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)、EXP-ERIra.Ubq1:1:11(配列番号29)、EXP-ERIra.Ubq1:1:12(配列番号31)、EXP-SETit.Ubq1:1:5(配列番号117)、EXP-SETit.Ubq1:1:7(配列番号123)、EXP-SETit.Ubq1:1:6(配列番号124)、EXP-Sv.Ubq1:1:7(配列番号128)、EXP-Sv.Ubq1:1:8(配列番号132)、EXP-Sv.Ubq1:1:10(配列番号134)、EXP-Zm.UbqM1:1:6(配列番号137)、EXP-Zm.UbqM1:1:7(配列番号141)、EXP-Sb.Ubq4:1:2(配列番号151)、EXP-Sb.Ubq6:1:2(配列番号153)およびEXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)によって駆動されるGUS導入遺伝子発現は、EXP-Os.Act1:1:9によって駆動されるGUS発現よりはるかに高かった。EXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1と比較したコムギ葉プロトプラスト細胞におけるアンプリコンのGUS発現は、トウモロコシプロトプラスト細胞において観察された発現とはわずかに異なった。EXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)、EXP-ANDge.Ubq1:1:10(配列番号10)、EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)、EXP-ANDge.Ubq1:1:11(配列番号14)、EXP-ANDge.Ubq1:1:12(配列番号16)、EXP-ERIra.Ubq1:1:10(配列番号25)、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)、EXP-ERIra.Ubq1:1:12(配列番号31)、EXP-SETit.Ubq1:1:5(配列番号117)、EXP-SETit.Ubq1:1:7(配列番号123)、EXP-SETit.Ubq1:1:6(配列番号124)、EXP-Sv.Ubq1:1:7(配列番号128)、EXP-Sv.Ubq1:1:8(配列番号132)、EXP-Sv.Ubq1:1:10(配列番号134)、EXP-Zm.UbqM1:1:6(配列番号137)、EXP-Zm.UbqM1:1:7(配列番号141)およびEXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)のそれぞれは、EXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1と比較して、より高レベルのGUS発現を示した。EXP配列EXP-ERIra.Ubq1:1:9(配列番号22)、EXP-ERIra.Ubq1:1:11(配列番号29)、EXP-Sb.Ubq4:1:2(配列番号151)およびEXP-Sb.Ubq6:1:2(配列番号153)は、EXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1と比較して、より低レベルのGUS発現を示した。
【0112】
2組目の実験では、アンプリコンGUS導入遺伝子カセットを上述のように作り、EXP配列、EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:13(配列番号114)、EXP-Cl.Ubq1:1:14(配列番号115)およびEXP-Cl.Ubq1:1:15(配列番号116)によって駆動される発現についてアッセイした。アンプリコンは、T-AGRtu.nos-1:1:13 3'UTRに作動的に連結されたGUS-1コード配列に作動的に連結されたEXP配列から構成された。発現を、対照EXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)およびEXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1(配列番号170)と比較した。下記表21には、各アンプリコンについて決定された平均GUSおよびルシフェラーゼ値を示す。下記表22には、トウモロコシプロトプラストにおけるEXP-Os.Act1:1:9およびEXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1駆動発現に対して標準化されたGUS/RLuc発現比を示す。
[表21]形質転換されたコムギ葉プロトプラスト細胞における平均GUSおよびルシフェラーゼ活性
【表21】
[表22]コムギ葉プロトプラストにおけるEXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)およびEXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1(配列番号170)に対して標準化されたGUS/RLucおよびGUS/FLuc発現比
【表22】
【0113】
上記表22からわかるように、EXP配列EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:13(配列番号114)、EXP-Cl.Ubq1:1:14(配列番号115)およびEXP-Cl.Ubq1:1:15(配列番号116)は、導入遺伝子発現を駆動する能力を有する。EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:13(配列番号114)およびEXP-Cl.Ubq1:1:14(配列番号115)によって駆動される発現は、どちらの対照の発現より高かった。EXP-Cl.Ubq1:1:15(配列番号116)によって駆動される発現は、EXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1(配列番号170)よりは低かったが、対照EXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)よりは高かった。
【0114】
3組目の実験では、EXP配列、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:16(配列番号93)およびEXP-Cl.Ubq1:1:17(配列番号97)によって駆動される発現をアッセイするために、アンプリコンGUS導入遺伝子カセットを上述のように作った。発現を対照EXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)およびEXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1(配列番号170)と比較した。下記表23には、各アンプリコンについて決定された平均GUSおよびルシフェラーゼ値を示す。下記表24には、トウモロコシプロトプラストにおけるEXP-Os.Act1:1:9およびEXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1駆動発現に対して標準化されたGUS/RLucおよびGUS/FLuc発現比を示す。
[表23]形質転換されたコムギ葉プロトプラスト細胞における平均GUSおよびルシフェラーゼ活性
【表23】
[表24]コムギ葉プロトプラストにおけるEXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)およびEXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1(配列番号170)に対して標準化されたGUS/RLucおよびGUS/FLuc発現比
【表24】
【0115】
上記表24からわかるように、EXP配列EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:16(配列番号93)およびEXP-Cl.Ubq1:1:17(配列番号97)は、導入遺伝子発現を駆動することができた。これらEXP配列のそれぞれによって駆動される発現は、どちらの対照よりも高かった。
【0116】
4組目の実験では、EXP配列、EXP-Zm.UbqM1:1:11(配列番号149)およびEXP-Cl.Ubq1:1:23(配列番号108)によって駆動される発現をアッセイするために、上述のようにアンプリコンGUS導入遺伝子カセットを作った。発現を、対照EXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)およびEXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1(配列番号163)と比較した。下記表25には、各アンプリコンについて決定された平均GUSおよびルシフェラーゼ値を示す。下記表26には、トウモロコシプロトプラストにおけるEXP-Os.Act1:1:9およびEXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1駆動発現に対して標準化されたGUS/RLuc発現比を示す。
[表25]形質転換されたコムギ葉プロトプラスト細胞における平均GUSおよびルシフェラーゼ活性
【表25】
[表26]コムギ葉プロトプラストにおけるEXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)およびEXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1(配列番号163)に対して標準化されたGUS/RLuc発現比
【表26】
【0117】
上記表26からわかるように、EXP配列、EXP-Zm.UbqM1:1:11(配列番号149)およびEXP-Cl.Ubq1:1:23(配列番号108)は、コムギ葉プロトプラストにおけるGUS発現を駆動することができた。発現は対照EXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)の発現とは類似しており、EXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1(配列番号163)の発現より低かった。
【0118】
実施例5:GUS導入遺伝子カセットアンプリコンを使ったサトウキビプロトプラストにおけるGUSを駆動する調節要素の解析
サトウキビ葉プロトプラストを、β-グルクロニダーゼ(GUS)導入遺伝子の発現を駆動するEXP配列を含有する植物発現ベクター由来のDNAアンプリコンで形質転換し、GUSの発現が既知の構成的プロモーターによって駆動される葉プロトプラストと比較した。
【0119】
EXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)、EXP-ANDge.Ubq1:1:10(配列番号10)、EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)、EXP-ANDge.Ubq1:1:11(配列番号14)、EXP-ANDge.Ubq1:1:12(配列番号16)、EXP-ERIra.Ubq1:1:9(配列番号22)、EXP-ERIra.Ubq1:1:10(配列番号25)、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)、EXP-ERIra.Ubq1:1:11(配列番号29)、EXP-ERIra.Ubq1:1:12(配列番号31)、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:13(配列番号114)、EXP-Cl.Ubq1:1:14(配列番号115)およびEXP-Cl.Ubq1:1:15(配列番号116)ならびに下記の表27に提示するものの一つによって駆動される導入遺伝子(GUS)の発現を、既知の構成的プロモーターのものと比較するために、上記実施例3で述べたように、PEGベースの形質転換法を使って、葉組織由来のサトウキビプロトプラスト細胞を、植物発現ベクターを構成するGUS導入遺伝子カセットの増幅によって生じるアンプリコンで形質転換した。
[表27]GUS植物発現アンプリコンならびに対応するプラスミドコンストラクトアンプリコンテンプレートおよびEXP配列
【表27】
【0120】
サトウキビプロトプラスト形質転換に使用した対照GUSカセットアンプリコンおよびルシフェラーゼプラスミドも、実施例2〜4において提示し、上記表7および実施例3に記載したものと同じであった。また、上述のように、GUSおよびルシフェラーゼバックグラウンドを決定するために、陰性対照を使用した。表28には、形質転換されたサトウキビ葉プロトプラスト細胞に見られる平均GUSおよびLuc活性を列挙し、表29には、サトウキビ葉プロトプラストにおける標準化されたGUS/RLuc発現比を示す。
[表28]形質転換されたコムギ葉プロトプラスト細胞における平均GUSおよびルシフェラーゼ活性
【表28】
[表29]サトウキビ葉プロトプラストにおけるEXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)およびEXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1(配列番号170)に対して標準化されたGUS/RLucおよびGUS/FLuc発現比
【表29】
【0121】
上記表29からわかるように、EXP配列EXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)、EXP-ANDge.Ubq1:1:10(配列番号10)、EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)、EXP-ANDge.Ubq1:1:11(配列番号14)、EXP-ANDge.Ubq1:1:12(配列番号16)、EXP-ERIra.Ubq1:1:9(配列番号22)、EXP-ERIra.Ubq1:1:10(配列番号25)、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)、EXP-ERIra.Ubq1:1:11(配列番号29)、EXP-ERIra.Ubq1:1:12(配列番号31)、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:13(配列番号114)、EXP-Cl.Ubq1:1:14(配列番号115)およびEXP-Cl.Ubq1:1:15(配列番号116)はいずれも、サトウキビプロトプラストにおいて導入遺伝子発現を駆動する能力を有した。EXP配列、EXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)、EXP-ANDge.Ubq1:1:10(配列番号10)、EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)、EXP-ANDge.Ubq1:1:11(配列番号14)、EXP-ANDge.Ubq1:1:12(配列番号16)、EXP-ERIra.Ubq1:1:10(配列番号25)、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)、EXP-ERIra.Ubq1:1:12(配列番号31)、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:13(配列番号114)およびEXP-Cl.Ubq1:1:14(配列番号115)は、この実験では、EXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1(配列番号170)より多くのGUSを発現させた。
【0122】
実施例6:トウモロコシプロトプラストにおけるCP4を駆動する調節要素の解析
この実施例では、トウモロコシプロトプラストにおけるグリホサート耐性遺伝子CP4の発現を駆動するEXP-Sv.Ubq1:1:7(配列番号128)、EXP-Sv.Ubq1:1:8(配列番号132)、EXP-Sv.Ubq1:1:9(配列番号133)、EXP-Zm.UbqM1:1:6(配列番号137)、EXP-Zm.UbqM1:1:8(配列番号145)、EXP-Zm.UbqM1:1:7(配列番号141)、EXP-SETit.Ubq1:1:5(配列番号117)、EXP-SETit.Ubq1:1:7(配列番号123)、EXP-SETit.Ubq1:1:6(配列番号124)、EXP-Sb.Ubq4:1:2(配列番号151)およびEXP-Sb.Ubq6:1:2(配列番号153)の能力を例証する。
当技術分野において知られている方法を使って、これらのEXP配列を、植物バイナリー形質転換プラスミドコンストラクトにクローニングした。その結果得られた植物発現ベクターは、
A. tumefaciens由来の右境界領域、T-AGRtu.nos-1:1:13 3'UTRの5'側に作動的に連結されたプラスチド標的グリホサート耐性EPSPSコード配列(CP4、US RE39247)の5'側に作動的に連結されたユビキチンEXP配列、および
A. tumefaciens由来の左境界領域(B-AGRtu.left border)を含有した。得られたプラスミドコンストラクトを使用し、当技術分野において知られている方法を使って、トウモロコシ葉プロトプラスト細胞を形質転換した。
【0123】
表1に定義したEXP配列を持つ表30に列挙したプラスミドコンストラクトを利用した。CP4またはGFPのどちらか一方を駆動する既知の構成的調節要素を持つ3つの対照プラスミド(pMON30098、pMON42410、およびpMON30167)を構築し、これらのEXP配列によって駆動される相対的CP4発現レベルを既知の構成的発現要素によって駆動されるCP4発現と比較するために使用した。他の2つのプラスミド(pMON19437およびpMON63934)も、形質転換効率と生存可能性を評価するために、上述のように使用した。各プラスミドは、構成的EXP配列によって駆動される特定のルシフェラーゼコード配列を含有する。
【0124】
上記実施例2で述べたように、PEGベースの形質転換法を使って、トウモロコシ葉プロトプラストを形質転換した。CP4とルシフェラーゼの両方の測定を、上記実施例2と同様に行った。百万分率(ppm)として表したCP4タンパク質発現の平均レベルを下記表30に示す。
[表30]トウモロコシ葉プロトプラストにおける平均CP4タンパク質発現
【表30】
【0125】
表30からわかるように、EXP-Sv.Ubq1:1:7(配列番号128)、EXP-Sv.Ubq1:1:8(配列番号132)、EXP-Sv.Ubq1:1:9(配列番号133)、EXP-Zm.UbqM1:1:6(配列番号137)、EXP-Zm.UbqM1:1:8(配列番号145)、EXP-Zm.UbqM1:1:7(配列番号141)、EXP-SETit.Ubq1:1:5(配列番号117)、EXP-SETit.Ubq1:1:7(配列番号123)、EXP-SETit.Ubq1:1:6(配列番号124)およびEXP-Sb.Ubq6:1:2(配列番号153)は、EXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1およびEXP-Os.Act1:1:1によって駆動されるCP4発現レベルに近いかそれより高いレベルで、CP4導入遺伝子の発現を駆動した。EXP配列、EXP-Sb.Ubq4:1:2(配列番号151)は、CP4の発現を駆動する能力を示したが、その発現レベルは構成的対照のものより低かった。
【0126】
上記のデータと類似するデータは、上述のプラスミドコンストラクトで安定に形質転換された植物、例えば子孫世代R
0、R
1もしくはF
1またはそれ以降の植物でも得ることができる。また、他のプラスミドコンストラクトからの発現も研究することができる。例えばpMON141619はEXP配列EXP-ANDge.Ubq1:1:8を含み、一方、pMON142862はEXP配列EXP-ERIra.Ubq1:1:8から構成される。これらのコンストラクトおよび他のコンストラクトを、この方法で分析することができる。
【0127】
実施例7:CP4導入遺伝子カセットアンプリコンを使ったトウモロコシプロトプラストにおけるCP4を駆動する調節要素の解析
この実施例では、トウモロコシプロトプラストにおけるグリホサート耐性遺伝子CP4の発現を駆動するEXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)、EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)、EXP-ANDge.Ubq1:1:10(配列番号10)、EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)、EXP-ANDge.Ubq1:1:11(配列番号14)、EXP-ANDge.Ubq1:1:12(配列番号16)、EXP-ERIra.Ubq1:1:9(配列番号22)、EXP-ERIra.Ubq1:1:10(配列番号25)、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)、EXP-ERIra.Ubq1:1:11(配列番号29)、EXP-ERIra.Ubq1:1:12(配列番号31)、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:13(配列番号114)、EXP-Cl.Ubq1:1:14(配列番号115)、EXP-Cl.Ubq1:1:15(配列番号116)、EXP-Cl.Ubq1:1:16(配列番号93)およびEXP-Cl.Ubq1:1:17(配列番号97)の能力を例証する。これらのEXP配列を植物バイナリー形質転換プラスミドコンストラクトにクローニングした。その結果得られた植物発現ベクターを、T-AGRtu.nos-1:1:13 3'UTRの5'側に作動的に連結されたプラスミド標的グリホサート耐性EPSPSコード配列(CP4、US RE39247)の5'側に作動的に連結されたユビキチンEXP配列と
A. tumefaciens由来の左境界領域とから構成される導入遺伝子カセットアンプリコンを作製するための増幅テンプレートとして使用した。得られたアンプリコンを使ってトウモロコシ葉プロトプラスト細胞を形質転換した。
【0128】
上記実施例2で述べたように、PEGベースの形質転換法を使って、トウモロコシ葉プロトプラストを形質転換した。両CP4の測定は、ELISAベースのアッセイを使って行った。百万分率(ppm)で表したCP4タンパク質発現の平均レベルを下記表31および表32に示す。
【0129】
1つ目の一連の実験では、EXP配列EXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)、EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)、EXP-ANDge.Ubq1:1:10(配列番号10)、EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)、EXP-ANDge.Ubq1:1:11(配列番号14)、EXP-ANDge.Ubq1:1:12(配列番号16)、EXP-ERIra.Ubq1:1:9(配列番号22)、EXP-ERIra.Ubq1:1:10(配列番号25)、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)、EXP-ERIra.Ubq1:1:11(配列番号29)、EXP-ERIra.Ubq1:1:12(配列番号31)、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:13(配列番号114)、EXP-Cl.Ubq1:1:14(配列番号115)およびEXP-Cl.Ubq1:1:15(配列番号116)から構成されるアンプリコンによって駆動されるCP4の発現を、形質転換されたトウモロコシ葉プロトプラストにおいてアッセイし、構成的対照EXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1(配列番号170)およびEXP-Os.Act1:1:1(配列番号164)によって駆動されるCP4発現レベルと比較した。
百万分率(ppm)として表したCP4タンパク質発現の平均レベルを、下記表31に示す。
[表31]トウモロコシ葉プロトプラストにおける平均CP4タンパク質発現
【表31】
【0130】
上記表31からわかるように、EXP配列EXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)、EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)、EXP-ANDge.Ubq1:1:10(配列番号10)、EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)、EXP-ANDge.Ubq1:1:11(配列番号14)、EXP-ANDge.Ubq1:1:12(配列番号16)、EXP-ERIra.Ubq1:1:9(配列番号22)、EXP-ERIra.Ubq1:1:10(配列番号25)、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)、EXP-ERIra.Ubq1:1:11(配列番号29)、EXP-ERIra.Ubq1:1:12(配列番号31)、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:13(配列番号114)、EXP-Cl.Ubq1:1:14(配列番号115)およびEXP-Cl.Ubq1:1:15(配列番号116)は、CP4発現を駆動することができた。一つの例外EXP-Cl.Ubq1:1:15(配列番号116)を除く全てのEXP配列が、構成的対照EXP-Os.Act1:1:1(配列番号164)よりはるかに高いレベルのCP4発現レベルを駆動した。発現レベルは、EXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1(配列番号170)のレベルより低かった。
【0131】
2つ目の一連の実験では、EXP配列EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:16(配列番号93)およびEXP-Cl.Ubq1:1:17(配列番号97)から構成されるアンプリコンによって駆動されるCP4の発現を、形質転換されたトウモロコシ葉プロトプラストにおいてアッセイし、構成的対照EXP-Os.Act1:1:1(配列番号164)によって駆動されるCP4発現レベルと比較した。百万分率(ppm)として表したCP4タンパク質発現の平均レベルを、下記表32に示す。
[表32]トウモロコシ葉プロトプラストにおける平均CP4タンパク質発現
【表32】
【0132】
上記表32からわかるように、EXP配列EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:16(配列番号93)およびEXP-Cl.Ubq1:1:17(配列番号97)は、CP4発現を駆動することができた。3つのEXP配列によって駆動される発現レベルはいずれも、構成的対照EXP-Os.Act1:1:1(配列番号164)のものより高かった。
【0133】
実施例8:コムギプロトプラストにおけるCP4を駆動する調節要素の解析
この実施例では、コムギ葉プロトプラストにおけるCP4発現を駆動するEXP-Sv.Ubq1:1:7(配列番号128)、EXP-Sv.Ubq1:1:8(配列番号132)、EXP-Sv.Ubq1:1:9(配列番号133)、EXP-Zm.UbqM1:1:6(配列番号137)、EXP-Zm.UbqM1:1:8(配列番号145)、EXP-Zm.UbqM1:1:7(配列番号141)、EXP-SETit.Ubq1:1:5(配列番号117)、EXP-SETit.Ubq1:1:7(配列番号123)、EXP-SETit.Ubq1:1:6(配列番号124)、EXP-Sb.Ubq4:1:2(配列番号151)およびEXP-Sb.Ubq6:1:2(配列番号153)の能力を例証する。当技術分野において知られている方法を使って、また上記実施例2および実施例5で述べたように、これらのEXP配列を、植物バイナリー形質転換プラスミドコンストラクトにクローニングした。
【0134】
CP4またはGFPのどちらか一方を駆動する既知の構成的調節要素を持つ3つの対照プラスミド(既述のpMON30098、pMON42410、ならびに
Agrobacterium tumefaciens由来の右境界領域を、T-AGRtu.nos-1:1:13の5'側に作動的に連結されたプラスチド標的グリホサート耐性コード配列(CP4、US RE39247)の5'側に作動的に連結されたEXP-Os.Act1+CaMV.35S.2xA1-B3+Os.Act1:1:1(配列番号138)および左境界領域(B-AGRtu.left border)と共に含むpMON43647)を、実施例5で概説したように構築した。
【0135】
1アッセイあたり1.5×10
5個のプロトプラスト細胞を使用した点以外は上記の実施例で述べたようにして、PEGベースの形質転換法を使って、コムギ葉プロトプラストを形質転換した。ルシフェラーゼおよびCP4導入遺伝子発現のアッセイは、上記実施例6で述べたように行った。CP4 ELISAによって決定された平均CP4発現レベルを下記表34に提示する。
[表34]コムギ葉プロトプラスト細胞における平均CP4タンパク質発現
【表33】
【0136】
上記EXP配列および既知の構成的EXP配列EXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1によって駆動されるコムギプロトプラストにおけるCP4発現の総量は、トウモロコシプロトプラストと比較して、コムギプロトプラストでは、異なるレベルのCP4発現を示した。
【0137】
いくつかのEXP配列は、コムギプロトプラストにおいて、既知の構成的EXP配列EXP-Os.Act1+CaMV.35S.2xA1-B3+Os.Act1:1:1およびEXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1より低レベルのCP4発現を駆動した。2つのEXP配列、EXP-Zm.UbqM1:1:6(配列番号137)およびEXP-SETit.Ubq1:1:5(配列番号117)は、このアッセイでは、コムギプロトプラストにおいて、既知の構成的EXP配列より高レベルのCP4発現を与える。EXP-Zm.UbqM1:1:2は、最も高レベルなCP4の発現を駆動し、発現レベルは、EXP-Os.Act1+CaMV.35S.2xA1-B3+Os.Act1:1:1およびEXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1より、それぞれ2.2倍〜3.4倍高かった。アッセイした全てのEXP配列が、コムギ細胞においてCP4の発現を駆動する能力を示した。
【0138】
実施例9:CP4導入遺伝子カセットアンプリコンを使ったコムギプロトプラストにおけるCP4を駆動する調節要素の解析
この実施例では、コムギプロトプラストにおけるグリホサート耐性遺伝子CP4の発現を駆動するEXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)、EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)、EXP-ANDge.Ubq1:1:10(配列番号10)、EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)、EXP-ANDge.Ubq1:1:11(配列番号14)、EXP-ANDge.Ubq1:1:12(配列番号16)、EXP-ERIra.Ubq1:1:9(配列番号22)、EXP-ERIra.Ubq1:1:10(配列番号25)、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)、EXP-ERIra.Ubq1:1:11(配列番号29)、EXP-ERIra.Ubq1:1:12(配列番号31)、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:13(配列番号114)、EXP-Cl.Ubq1:1:14(配列番号115)、EXP-Cl.Ubq1:1:15(配列番号116)、EXP-Cl.Ubq1:1:16(配列番号93)およびEXP-Cl.Ubq1:1:17(配列番号97)の能力を例証する。これらのEXP配列を植物バイナリー形質転換プラスミドコンストラクトにクローニングした。結果として得られた植物発現ベクターを、T-AGRtu.nos-1:1:13 3'UTRの5'側に作動的に連結されたプラスチド標的グリホサート耐性EPSPSコード配列(CP4、US RE39247)の5'側に作動的に連結されたユビキチンEXP配列、および
A. tumefaciens由来の左境界領域から構成される導入遺伝子カセットアンプリコンを作製するための増幅テンプレートとして使用した。その結果得られたアンプリコンを使って、トウモロコシ葉プロトプラスト細胞を形質転換した。
【0139】
上記実施例2で述べたように、PEGベースの形質転換法を使ってコムギ葉プロトプラストを形質転換した。両CP4の測定は、ELISAベースのアッセイを使って行った。百万分率(ppm)で表したCP4タンパク質発現の平均レベルを下記表35および表36に示す。
【0140】
1つ目の一連の実験では、EXP配列EXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)、EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)、EXP-ANDge.Ubq1:1:10(配列番号10)、EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)、EXP-ANDge.Ubq1:1:11(配列番号14)、EXP-ANDge.Ubq1:1:12(配列番号16)、EXP-ERIra.Ubq1:1:9(配列番号22)、EXP-ERIra.Ubq1:1:10(配列番号25)、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)、EXP-ERIra.Ubq1:1:11(配列番号29)、EXP-ERIra.Ubq1:1:12(配列番号31)、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:13(配列番号114)、EXP-Cl.Ubq1:1:14(配列番号115)およびEXP-Cl.Ubq1:1:15(配列番号116)から構成されるアンプリコンによって駆動されるCP4の発現を、形質転換されたコムギ葉プロトプラストにおいてアッセイし、構成的対照EXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1(配列番号170)およびEXP-Os.Act1:1:1(配列番号164)によって駆動されるCP4発現レベルと比較した。百万分率(ppm)で表したCP4タンパク質発現の平均レベルを下記表35に示す。
[表35]コムギ葉プロトプラストにおける平均CP4タンパク質発現
【表34】
【0141】
上記表31からわかるように、EXP配列EXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)、EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)、EXP-ANDge.Ubq1:1:10(配列番号10)、EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)、EXP-ANDge.Ubq1:1:11(配列番号14)、EXP-ANDge.Ubq1:1:12(配列番号16)、EXP-ERIra.Ubq1:1:9(配列番号22)、EXP-ERIra.Ubq1:1:10(配列番号25)、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)、EXP-ERIra.Ubq1:1:11(配列番号29)、EXP-ERIra.Ubq1:1:12(配列番号31)、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:13(配列番号114)、EXP-Cl.Ubq1:1:14(配列番号115)およびEXP-Cl.Ubq1:1:15(配列番号116)は、CP4発現を駆動することができた。一つの例外EXP-Cl.Ubq1:1:15(配列番号116)を除く全てのEXP配列が、構成的対照EXP-Os.Act1:1:1(配列番号164)よりはるかに高レベルのCP4発現を駆動した。大半のEXP配列では、発現レベルが、EXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1(配列番号170)の発現レベルと同じ程度のレベルか、それより低かった。
【0142】
2つ目の一連の実験では、EXP配列EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:16(配列番号93)およびEXP-Cl.Ubq1:1:17(配列番号97)から構成されるアンプリコンによって駆動されるCP4の発現を、形質転換されたコムギ葉プロトプラストにおいてアッセイし、構成的対照EXP-Os.Act1:1:1(配列番号164)によって駆動されるCP4発現レベルと比較した。百万分率(ppm)で表したCP4タンパク質発現の平均レベルを下記表32に示す。
[表36]コムギ葉プロトプラストにおける平均CP4タンパク質発現
【表35】
【0143】
上記表36からわかるように、EXP配列EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:16(配列番号93)およびEXP-Cl.Ubq1:1:17(配列番号97)は、CP4発現を駆動することができた。3つのEXP配列によって駆動される発現レベルはいずれも、構成的対照EXP-Os.Act1:1:1(配列番号164)より高かった。
【0144】
実施例10:サトウキビプロトプラストにおけるCP4を駆動する調節要素の解析
この実施例では、サトウキビ葉プロトプラストにおけるCP4の発現を駆動するEXP-Sv.Ubq1:1:7(配列番号128)、EXP-Sv.Ubq1:1:8(配列番号132)、EXP-Sv.Ubq1:1:9(配列番号133)、EXP-Zm.UbqM1:1:6(配列番号137)、EXP-Zm.UbqM1:1:8(配列番号145)、EXP-Zm.UbqM1:1:7(配列番号141)、EXP-SETit.Ubq1:1:5(配列番号117)、EXP-SETit.Ubq1:1:7(配列番号123)、EXP-SETit.Ubq1:1:6(配列番号124)、EXP-Sb.Ubq4:1:2(配列番号151)、EXP-Sb.Ubq6:1:2(配列番号153)およびEXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)の能力を例証する。EXP配列を植物バイナリー形質転換プラスミドコンストラクトにクローニングした。その結果得られたベクターは、
Agrobacterium tumefaciens由来の右境界領域、T-AGRtu.nos-1:1:13(配列番号127)またはT-CaMV.35S-1:1:1(配列番号140)3'UTRの5'側に作動的に連結されたプラスチド標的グリホサート耐性EPSPSコード配列(CP4、US RE39247)の5'側に作動的に連結されたユビキチンEXP配列、および
A. tumefaciens由来の左境界領域(B-AGRtu.left border)を含有した。得られたプラスミドコンストラクトを使用し、PEG形質転換法を使って、サトウキビ葉プロトプラスト細胞を形質転換した。
【0145】
プラスミドコンストラクトpMON129203、pMON12904、pMON12905、pMON129210、pMON129211、pMON129212、pMON129200、pMON129201、pMON129202、pMON129219、およびpMON129218は、上記表12に記載したとおりである。
【0146】
CP4を駆動する既知の構成的調節要素を持つ3つの対照プラスミド(上述のpMON30167;同様にEXP-Os.Act1:1:1(配列番号164)を含むpMON130803;およびEXP-P-CaMV.35S-enh-1:1:13/L-CaMV.35S-1:1:2/I-Os.Act1-1:1:19(配列番号139)を含むpMON132804)を構築し、それを使って、下記表37に列挙するユビキチンEXP配列によって駆動される相対的CP4発現レベルを比較した。
【0147】
PEGベースの形質転換法を使ってサトウキビ葉プロトプラストを形質転換した。CP4 ELISAによって決定された平均CP4発現レベルを下記表37に提示する。
[表37]サトウキビ葉プロトプラスト細胞における平均CP4タンパク質発現
【表36】
【0148】
上記表37からわかるように、EXP配列は、サトウキビプロトプラストにおいてCP4発現を駆動する能力を示した。発現のレベルは、EXP-Os.Act1:1:1(配列番号164)によって駆動されるCP4発現のレベルと類似しているか、またはそれより高かった。一つのEXP配列、EXP-Zm.UbqM1:1:8(配列番号145)は、サトウキビプロトプラストにおいて、EXP-P-CaMV.35S-enh-1:1:13/L-CaMV.35S-1:1:2/I-Os.Act1-1:1:19(配列番号139)と比較して、より高い発現レベルを示した。
【0149】
実施例11:CP4導入遺伝子カセットアンプリコンを使ったサトウキビプロトプラストにおけるCP4を駆動する調節要素の解析
この実施例では、サトウキビプロトプラストにおけるグリホサート耐性遺伝子CP4の発現を駆動するEXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)、EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)、EXP-ANDge.Ubq1:1:10(配列番号10)、EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)、EXP-ANDge.Ubq1:1:11(配列番号14)、EXP-ANDge.Ubq1:1:12(配列番号16)、EXP-ERIra.Ubq1:1:9(配列番号22)、EXP-ERIra.Ubq1:1:10(配列番号25)、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)、EXP-ERIra.Ubq1:1:11(配列番号29)、EXP-ERIra.Ubq1:1:12(配列番号31)、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:13(配列番号114)、EXP-Cl.Ubq1:1:14(配列番号115)およびEXP-Cl.Ubq1:1:15(配列番号116)の能力を例証する。これらのEXP配列を植物バイナリー形質転換プラスミドコンストラクトにクローニングした。その結果得られた植物発現ベクターを、T-AGRtu.nos-1:1:13 3'UTRの5'側に作動的に連結されたプラスチド標的グリホサート耐性EPSPSコード配列(CP4、US RE39247)の5'側に作動的に連結されたユビキチンEXP配列、および
A. tumefaciens由来の左境界領域から構成される導入遺伝子カセットアンプリコンを作製するための増幅テンプレートとして使用した。得られたアンプリコンを使ってサトウキビ葉プロトプラスト細胞を形質転換した。
【0150】
上記実施例2で述べたように、PEGベースの形質転換法を使って、サトウキビ葉プロトプラストを形質転換した。両CP4の測定は、ELISAベースのアッセイを使って行った。
【0151】
EXP配列EXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)、EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)、EXP-ANDge.Ubq1:1:10(配列番号10)、EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)、EXP-ANDge.Ubq1:1:11(配列番号14)、EXP-ANDge.Ubq1:1:12(配列番号16)、EXP-ERIra.Ubq1:1:9(配列番号22)、EXP-ERIra.Ubq1:1:10(配列番号25)、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)、EXP-ERIra.Ubq1:1:11(配列番号29)、EXP-ERIra.Ubq1:1:12(配列番号31)、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:13(配列番号114)、EXP-Cl.Ubq1:1:14(配列番号115)およびEXP-Cl.Ubq1:1:15(配列番号116)から構成されるアンプリコンによって駆動されるCP4の発現を、形質転換されたコムギ葉プロトプラストにおいてアッセイし、構成的対照EXP-CaMV.35S-enh+Zm.DnaK:1:1(配列番号170)およびEXP-Os.Act1:1:1(配列番号164)によって駆動されるCP4発現レベルと比較した。百万分率(ppm)で表したCP4タンパク質発現の平均レベルを下記表38に示す。
[表38]サトウキビ葉プロトプラストにおける平均CP4タンパク質発現
【表37】
【0152】
上記表38からわかるように、EXP配列EXP-ANDge.Ubq1:1:7(配列番号5)、EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)、EXP-ANDge.Ubq1:1:10(配列番号10)、EXP-ANDge.Ubq1:1:6(配列番号12)、EXP-ANDge.Ubq1:1:11(配列番号14)、EXP-ANDge.Ubq1:1:12(配列番号16)、EXP-ERIra.Ubq1:1:9(配列番号22)、EXP-ERIra.Ubq1:1:10(配列番号25)、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)、EXP-ERIra.Ubq1:1:11(配列番号29)、EXP-ERIra.Ubq1:1:12(配列番号31)、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Cl.Ubq1:1:13(配列番号114)およびEXP-Cl.Ubq1:1:14(配列番号115)は、CP4発現を駆動することができた。EXP-Cl.Ubq1:1:15(配列番号116)は、このアッセイではCP4を発現させないようだった。
【0153】
実施例12:トランスジェニックトウモロコシにおけるGUSを駆動する調節要素の解析
トウモロコシ植物を、β-グルクロニダーゼ(GUS)導入遺伝子の発現を駆動するEXP配列を含有する植物発現ベクターで形質転換し、その結果生じた植物をGUSタンパク質発現について解析した。当技術分野において知られている方法を使ってユビキチンEXP配列を植物バイナリー形質転換プラスミドコンストラクトにクローニングした。
【0154】
その結果得られた植物発現ベクターは、
A. tumefaciens由来の右境界領域、イネ脂質輸送タンパク質遺伝子由来の3'UTR(T-Os.LTP-1:1:1、配列番号141)の5'側に作動的に連結された、上述のプロセシング可能なイントロンを有するβ-グルクロニダーゼ(GUS)のコード配列GUS-2に作動的に連結されたEXP配列をアッセイするための第1導入遺伝子カセット;除草剤グリホサートに対する耐性を付与する、形質転換された植物細胞の選択に使用される第2導入遺伝子選択カセット(イネアクチン1プロモーターによって駆動される)、および
A. tumefaciens由来の左境界領域を含有する。得られたプラスミドを使って、トウモロコシ植物を形質転換した。表39に、表1にも記載したプラスミドの名称、EXP配列および配列番号を列挙する。
[表39]バイナリー植物形質転換プラスミドおよび関連EXP配列
【表38】
【0155】
例えば米国特許出願公開第20090138985号に記載されているように、
Agrobacteriumによる形質転換を使って、植物を形質転換した。
【0156】
形質転換された植物の定性的発現解析には、組織化学的GUS解析を使用した。全組織切片をGUS染色溶液X-Gluc(5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-b-グルクロニド)(1ミリグラム/ミリリットル)と共に適当な時間にわたってインキュベートし、すすぎ、青い着色について目視検査した。選ばれた植物器官および組織を使って、直接的な目視検査または顕微鏡下の検査により、GUS活性を定性的に決定した。R
0植物は、根および葉、ならびに受粉後21日(21DAP)の葯、絹糸および登熟中の種子と胚における発現について検査する。
【0157】
定量的解析のために、形質転換されたトウモロコシ植物の選ばれた組織から総タンパク質を抽出した。1マイクログラムの総タンパク質を、蛍光原性基質4-メチルウンベリフェリル-β-D-グルクロニド(MUG)と共に、50マイクロリットルの総反応体積中で使用した。反応生成物4-メチルウンベリフェロン(4-MU)は、ヒドロキシル基がイオン化している高pHにおいて、蛍光性が最も大きくなる。炭酸ナトリウムの塩基性溶液の添加は、アッセイを停止させると同時に、pHを蛍光生成物の定量用に調節する。蛍光は、励起波長365nm、蛍光波長445nmで、Fluoromax-3(堀場;日本国京都)とMicromax Readerとを使って、スリット幅を励起2nmおよび蛍光3nmに設定して測定した。
【0158】
各形質転換について観察された平均R
0 GUS発現を下記表40および表41に提示する。pMON131957(EXP-SETit.Ubq1:1:11、配列番号125)で形質転換された形質転換体で行ったR
0 GUSアッセイは、品質基準を満たさなかった。これらの形質転換体はF1世代でアッセイし、この実施例ではさらに下に提示する。
[表40]根および葉組織における平均R
0 GUS発現
【表39】
[表41]トウモロコシ生殖器官(葯、絹糸)ならびに登熟種子(胚および内乳)における平均R
0 GUS発現
【表40】
【0159】
R
0トウモロコシ植物では、葉および根におけるGUS発現レベルは、ユビキチンEXP配列間で異なった。EXP配列はいずれも、安定に形質転換された植物におけるGUS導入遺伝子発現を駆動する能力を示したが、各EXP配列は、互いにユニークな発現パターンを示した。例えば、EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)およびEXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)については、高レベルのGUS発現が、根発生の初期(V4およびV7)において観察され、VT期までに減退した。EXP-Zm.UbqM1:1:10(配列番号139)によって駆動される根発現は、V3では発現を示さなかったが、V7では高く、VT期までに低下した。EXP-Zm.UbqM1:1:11(配列番号149)によって駆動される根発現は、V3期、V7期からVT期に至る発生の間ずっと類似するレベルに維持された。EXP-Cl.Ubq1:1:12(配列番号90)、EXP-Cl.Ubq1:1:11(配列番号95)およびEXP-Cl.Ubq1:1:23(配列番号108)で形質転換された植物では、根発現は、発生初期(V3/V4)からV7期まで増加した後、V7期からV8期にかけて低下することが観察された。GUS発現レベルは、葉組織でも同様に劇的な相違を示した。最も高レベルの葉発現は、EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)およびEXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)により、発生初期(V3/V4)に付与され、V7期からVT期にかけては、それが減退する。EXP-Zm.UbqM1:1:10(配列番号139)、EXP-Zm.UbqM1:1:11(配列番号149)、EXP-Zm.UbqM1:1:12(配列番号143)およびEXP-Cl.Ubq1:1:23(配列番号108)を使用すると、GUS発現はV3期からVT期まで保たれ;EXP-SETit.Ubq1:1:10(配列番号119)およびEXP-Sb.Ubq6:1:3(配列番号155)を使用した場合も、程度は低いものの、保たれる。EXP-Cl.Ubq1:1:12(配列番号90)、EXP-Cl.Ubq1:1:11(配列番号95)およびEXP-Cl.Ubq1:1:23(配列番号108)を使用すると、葉における発現は、V3期からV7〜VT期まで増加したが、EXP-Sv.Ubq1:1:12(配列番号136)およびEXP-Sb.Ubq4:1:2(配列番号151)を使用した場合は、V3からVT期まで発現は減退した。
【0160】
同様に、生殖組織(葯および絹糸)ならびに登熟種子(21DAPの胚および内乳)についても、各EXP配列にユニークな異なる発現パターンが観察された。例えば、葯および絹糸ならびに登熟種子には、EXP-Zm.UbqM1:1:10(配列番号139)、EXP-Zm.UbqM1:1:11(配列番号149)、EXP-Zm.UbqM1:1:12(配列番号143)およびEXP-Cl.Ubq1:1:23(配列番号108)を使用した場合に、高レベルの発現が観察された。EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)およびEXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)を使用した場合、発現は、葯および絹糸では高かったが、登熟種子では低かった。EXP-Sb.Ubq7:1:2(配列番号157)によって駆動される発現は、生殖組織では高く、登熟胚でも高かったが、登熟内乳では低かった。EXP配列、EXP-Sb.Ubq4:1:2(配列番号151)は、葯だけで発現を示し、絹糸では発現を示さず、登熟種子では、はるかに弱い発現だった。EXP-Sv.Ubq1:1:11(配列番号130)は、生殖組織および登熟種子については、EXP-Sb.Ubq4:1:2(配列番号151)と類似するパターンを示したが、EXP-Sb.Ubq4:1:2(配列番号151)が根および葉組織における発現を示したのに対して、EXP-Sv.Ubq1:1:11(配列番号130)では、これらと同じ組織における発現が、はるかに低かった。
【0161】
種子のF
1またはR
1集団を作出するために、単コピー挿入について選択したR
0世代の形質転換体を、非トランスジェニックLH244系統と交配するか(F
1をもたらす)、または自家受粉させた(R
1をもたらす)。どちらの場合も、ヘテロ接合型F
1またはR
1植物を研究用に選択した。先に述べたように発生の過程を通して、GUS発現レベルを、選択した組織で測定した。この研究に使用したF
1またはR
1組織には、発芽後4日(4DAG)の吸水種子胚、吸水種子内乳、根および子葉鞘(coleoptide);V3期の葉および根;V8期の根および成熟葉;根、成熟葉、VT期(タッセリング時、生殖前)の葯、花粉、葉 および老化葉;R1穂軸、絹糸、根および節間;受粉後12日(12DAP)の穀粒ならびに;21DAPおよび38DAPの胚および内乳を含めた。pMON132037(EXP-SETit.Ubq1:1:10、配列番号119)、pMON131957(EXP-SETit.Ubq1:1:11、配列番号125)、pMON131958(EXP-Sv.Ubq1:1:11、配列番号130)およびpMON132974(EXP-Sb.Ubq7:1:2、配列番号157)を含む形質転換体については、渇水および寒冷ストレスの条件に曝したF
1植物でも、選ばれた組織試料を解析した。V3根および葉組織を、寒冷および渇水曝露後にサンプリングした。
【0162】
pMON132037(EXP-SETit.Ubq1:1:10、配列番号119)、pMON131957(EXP-SETit.Ubq1:1:11、配列番号125)、pMON131958(EXP-Sv.Ubq1:1:11、配列番号130)およびpMON132974(EXP-Sb.Ubq7:1:2、配列番号157)で形質転換されたF
1V3植物において、灌水を4日間差し控えて、含水量を、十分に灌水された植物の元の含水量の少なくとも50%は減少させることによって、渇水ストレスを誘導した。渇水プロトコールは、基本的に次のステップから構成された。V3期植物の水を枯渇させた。トウモロコシ植物が渇水を感じると、葉の形状は、通常の健常な開いた外観から、中肋維管束での折りたたみを示して葉頂から茎に向かって見た場合にV字状の外観を呈する葉へと変化するであろう。この形態上の変化は通常、灌水の停止から約2日後までに始まり、灌水停止前の鉢の重量と無灌水植物において巻葉形態が観察された時の鉢の重量とによって測定すると、50%前後の水分喪失を伴うことが、初期の実験において示された。植物は、葉が、葉の内向きの弯曲(V字状)からわかるようにしおれを示した場合に、渇水条件下にあるとみなした。このレベルのストレスは亜致死性ストレスの一形態であるとみなされる。ひとたび各植物が上に定義した渇水誘導を示したら、その植物を破壊して、根試料と葉試料の両方を獲得した。
【0163】
調節要素がGUSの寒冷誘導性発現を示すかどうかを決定するために、渇水に加えて、pMON132037(EXP-SETit.Ubq1:1:10、配列番号119)、pMON131957(EXP-SETit.Ubq1:1:11、配列番号125)、pMON131958(EXP-Sv.Ubq1:1:11、配列番号130)およびpMON132974(EXP-Sb.Ubq7:1:2、配列番号157)で形質転換されたF
1V3期植物を、寒冷条件にもさらした。植物全体をV3期における寒冷ストレス下でのGUS発現の誘導についてアッセイした。V3期トウモロコシ植物をグロースチャンバーにおいて24時間、12℃の温度にさらした。グロースチャンバー中の植物は、800マイクロモル/平方メートル/秒の白色光フルエンス下、白色光10時間および暗所14時間の光サイクルで成長させた。寒冷曝露後に、GUS発現定量用に葉および根組織をサンプリングした。
【0164】
GUS発現を上述のように測定した。各組織試料について決定された平均F
1 GUS発現を下記表42および表43に提示する。
[表42]pMON142864およびpMON142865で形質転換された植物における平均F
1GUS発現
【表41】
[表43]pMON132037、pMON131957、pMON131958およびpMON132974で形質転換された植物における平均F
1GUS発現
【表42】
【0165】
F
1トウモロコシ植物では、サンプリングしたさまざまな組織におけるGUS発現レベルが、ユビキチンEXP配列間で異なった。全てのEXP配列が、安定に形質転換されたF
1トウモロコシ植物においてGUS導入遺伝子発現を駆動する能力を示したが、各EXP配列は互いにユニークな発現パターンを示した。例えばR1根発現は、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)では、EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)の約2倍だった。38DAPの登熟種子胚におけるGUS発現は、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)ではEXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)より、ほとんど3倍高い。対照的に、V3およびV8期における葉および根発現は、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)でもEXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)でもほぼ同じである。
【0166】
吸水種子(胚および内乳組織)におけるF
1 GUS発現は、EXP-Sb.Ubq7:1:2(配列番号157)で形質転換された植物の方が、EXP-SETit.Ubq1:1:10(配列番号119)、EXP-SETit.Ubq1:1:11(配列番号125)およびEXP-Sv.Ubq1:1:11(配列番号130)で形質転換されたものより、はるかに高かった。渇水は、EXP-SETit.Ubq1:1:10(配列番号119)、EXP-SETit.Ubq1:1:11(配列番号125)、EXP-Sv.Ubq1:1:11(配列番号130)およびEXP-Sb.Ubq7:1:2(配列番号157)で形質転換された植物においてV3根発現の増加を引き起こしたが、葉発現の増加は、EXP-SETit.Ubq1:1:11(配列番号125)、EXP-Sv.Ubq1:1:11(配列番号130)およびEXP-Sb.Ubq7:1:2(配列番号157)で形質転換された植物だけで起こった。渇水が強化するV3発現は、EXP-SETit.Ubq1:1:11(配列番号125)を使った場合に最大だった。花粉発現も、EXP-Sb.Ubq7:1:2(配列番号157)で形質転換された植物の方が、EXP-SETit.Ubq1:1:10(配列番号119)、EXP-SETit.Ubq1:1:11(配列番号125)およびEXP-Sv.Ubq1:1:11(配列番号130)で形質転換されたものよりはるかに高かった。R1節間における発現は、EXP-SETit.Ubq1:1:10(配列番号119)およびEXP-Sv.Ubq1:1:11(配列番号130)で最大であり、EXP-SETit.Ubq1:1:11(配列番号125)で形質転換された植物では最低だった。
【0167】
各EXP配列は、安定に形質転換されたトウモロコシ植物において導入遺伝子発現を駆動する能力を示した。しかし各EXP配列は組織ごとにユニークな発現パターンを有し、所望の結果を達成するために必要な組織発現戦略に応じて特定導入遺伝子の発現を最もよくもたらすであろうEXP発現を選択する機会を与える。この実施例は、相同遺伝子から単離されたEXP配列が形質転換植物において必ずしも等価に挙動しないこと、および発現は、各EXP配列に関する性質の実験的調査によって決定するしかなく、それが由来するプロモーターの遺伝子相同性に基づいて予測することはできないことを実証している。
【0168】
実施例13:トランスジェニックトウモロコシにおけるCP4を駆動する調節要素の解析
CP4導入遺伝子の発現を駆動するEXP配列を含有する植物発現ベクターでトウモロコシ植物を形質転換し、その結果得られた植物をCP4タンパク質発現について解析した。
【0169】
EXP配列EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Sv.Ubq1:1:9(配列番号133)およびEXP-Zm.UbqM1:1:7(配列番号141)を植物バイナリー形質転換プラスミドコンストラクトにクローニングした。その結果得られたベクターは、
Agrobacterium tumefaciens由来の右境界領域、T-AGRtu.nos-1:1:13(配列番号127)3'UTRの5'側に作動的に連結されたプラスチド標的グリホサート耐性EPSPSコード配列(CP4、US RE39247)の5'側に作動的に連結されたユビキチンEXP配列、および
A. tumefaciens由来の左境界領域を含有した。下記表44に、トウモロコシを形質転換するために使用したプラスミドコンストラクトと、対応するEXP配列を示す。
[表44]トウモロコシを形質転換するために使用したCP4プラスミドコンストラクトおよび対応するEXP配列
【表43】
【0170】
得られたプラスミドを使ってトウモロコシ植物を形質転換した。形質転換された植物を、1コピーまたは2コピーの挿入T-DNAについて選択し、温室で成長させた。選ばれた組織を特定の発生段階においてR
0形質転換植物からサンプリングし、CP4 ELISAアッセイを使って、それらの組織におけるCP4タンパク質レベルを測定した。各形質転換について観察された平均CP4発現を、下記表45および表46に提示し、
図7に図示する。
[表45]R
0形質転換トウモロコシ植物における平均葉および根CP4発現
【表44】
[表46]R
0形質転換トウモロコシ植物の生殖組織および登熟種子における平均CP4発現
【表45】
【0171】
表45および表46からわかるように、EXP配列EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Sv.Ubq1:1:9(配列番号133)およびEXP-Zm.UbqM1:1:7(配列番号141)は、それぞれ、R
0形質転換植物からサンプリングされた全ての組織においてCP4発現を駆動することができた。CP4を駆動するEXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)およびEXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)を含む形質転換体の根および葉におけるCP4の発現が、CP4を駆動するEXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)より高いことは、これらの形質転換体の集団で観察されるグリホサート施用に対する栄養耐性(vegetative tolerance)のレベルに関係づけることができる(下記実施例14参照)。
【0172】
各EXP配列は、サンプリングした各組織ごとに、発現のレベルに関してユニークな発現パターンを示した。例えば、葉、根および雄穂におけるCP4発現は、EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)およびEXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)については類似しており、EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)を使った絹糸における発現は、ERIra.Ubq1:1:8(配列番号21)によって駆動される発現の半分だった。これは、構成的発現が望まれるが絹糸組織での発現は少ないことが好ましい導入遺伝子の発現にとっては、有利であるかもしれない。EXP配列は、R
0形質転換トウモロコシ植物において、ユニークなCP4構成的発現パターンを示す。
【0173】
F
1種子を作るために、R
0形質転換トウモロコシ植物を非トランスジェニックLH244品種と交配した。その結果得られたF
1世代種子を、導入遺伝子カセットの分離について解析し、CP4カセットについてヘテロ接合の植物をCP4発現の分析のために選択した。種子を温室で成長させ、植物の群を2つ作り、一方の群にはグリホサートを散布し、他方には散布しなかった。選ばれた組織におけるCP4の発現を、ELISAに基づく標準的アッセイを使って解析した。平均CP4発現を下記表47および表48に示す。
[表47]F
1形質転換トウモロコシ植物における平均CP4発現
【表46】
【0174】
上記表47からわかるように、葉および根におけるCP4発現は、pMON141619(EXP-ANDge.Ubq1:1:8、配列番号5)およびpMON142862(EXP-ERIra.Ubq1:1:8、配列番号27)で形質転換されたF
1形質転換体の方が、pMON129221(EXP-Cl.Ubq1:1:10、配列番号98)で形質転換されたものより高かった。葯組織における発現は3つのEXP配列の全てで類似していたが、絹糸における発現はEXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)を使った場合が最も高かった。登熟胚(21DAP)における発現は、CP4を駆動するEXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)およびEXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)を含む形質転換体が最も高かった。登熟内乳における発現は、CP4を駆動するEXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)を含む形質転換体の方が高かった
[表48]F
1形質転換トウモロコシ植物における平均CP4発現
【表47】
【0175】
上記表47〜48からわかるように、CP4発現は、pMON129205(EXP-Sv.Ubq1:1:9、配列番号133)で形質転換されたF
1形質転換体の全ての組織において、pMON141619(EXP-ANDge.Ubq1:1:8、配列番号8)、pMON142862(EXP-ERIra.Ubq1:1:8、配列番号27)およびpMON129221(EXP-Cl.Ubq1:1:10、配列番号98)で形質転換されたものより低かった。
【0176】
アッセイしたEXP配列のそれぞれによって付与されるユニークな発現パターンは、最適な成績または有効性が得られるように導入遺伝子発現をわずかに調節する目的で発現を微調整することが可能なトランスジェニック植物を作出する機会を与える。また、異なる導入遺伝子発現を駆動するこれらのEXP配列の実験的試験は、一つの特定EXP配列が、ある特別な導入遺伝子またはある特別な導入遺伝子クラスの発現にとっては最も適切であり、同時に、異なる導入遺伝子または導入遺伝子クラスにとっては別のEXP配列が最適であることが見いだされるという結果をもたらしうる。
【0177】
実施例14:R0トランスジェニックトウモロコシ植物における発育グリホサート耐性の解析 CP4導入遺伝子の発現を駆動するEXP配列を含有する植物発現ベクターでトウモロコシ植物を形質転換し、その結果得られた植物を、グリホサート施用に対する栄養耐性および生殖耐性(reproductive tolerance)について評価した。
【0178】
pMON141619、pMON142862、pMON129221、pMON129205およびpMON129212で形質転換されていて、CP4を駆動するEXP配列EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)、EXP-Sv.Ubq1:1:9(配列番号133)およびEXP-Zm.UbqM1:1:7(配列番号141)をそれぞれ含む、上記実施例13で述べたF
1形質転換トウモロコシ植物を、グリホサートを散布した時の栄養耐性と生殖耐性の両方について評価した。各事象につき10個のF
1植物を2つの群、すなわち発生のV4期およびV8期においてグリホサート散布を受ける5つの植物からなる一群と、散布を受けない5つの植物からなるもう一つの群(すなわち対照)とに分割した。グリホサートは、Roundup WeatherMax(登録商標)を用いる散播葉面散布施用により、1.5a.e./エーカー(a.e.;酸当量)の施用量で施用した。7〜10日後に各植物の葉を損傷について評価した。栄養耐性(表49のVeg Tol)は、各事象について非散布植物と散布植物とを比較することで評価し、栄養耐性(T=耐性、NT=非耐性)に関する最終的な評価が得られるように、損傷評価尺度を使用した。
加えて、各事象における全ての植物について、結実をアッセイした。対照植物と散布植物の間で結実測定結果を比較し、対照と比較した散布植物の結実率に基づいて、各事象について、生殖耐性(表49のRepro Tol)の割り当てを行った(T=耐性、NT=非耐性)。下記表49に、V4期およびV8期において散布した各事象に関して、栄養耐性評価および生殖耐性評価を示す。文字「T」は耐性を意味し、「NT」は非耐性を意味する。
[表49]V4期およびV8期における個々の形質転換トウモロコシ事象の葉損傷評価
【表48】
【0179】
上記表49によれば、EXP配列EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)、EXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)およびEXP-Zm.UbqM1:1:7(配列番号141)を含むCP4導入遺伝子カセットを含む、アッセイした形質転換事象は全て、損傷評価がスコア10を越えることがないことから、完全な栄養耐性を示した。EXP-ANDge.Ubq1:1:8(配列番号8)を含む9つの事象のうちの4つおよびEXP-ERIra.Ubq1:1:8(配列番号27)を含む9つの事象のうちの6つが、グリホサート施用に対して栄養的にも生殖的にも耐性であった。対照的に、EXP-Cl.Ubq1:1:10(配列番号98)を含むイベントは、栄養的に耐性であるか、生殖的に耐性であるかのどちらか一方であり、両方ではなかった。EXP-Sv.Ubq1:1:9(配列番号133)を含む事象は1つだけが栄養耐性を示し、試験した事象に生殖耐性であるものはなかった。EXP-Zm.UbqM1:1:7(配列番号141)を含む事象は全てが栄養耐性を示したが、生殖耐性の評価はまだ進行中である。
【0180】
実施例15:異なる3'端イントロン/エクソンスプライスジャンクション配列を用いた発現の解析
発現が配列のわずかな変化による影響をうけるかどうかを見るために、同じプロモーターおよびリーダーを含むが、イントロン/エクソンスプライスジャンクション配列5'-AG-3'後の3'端ヌクレオチドが異なっているGUS発現を駆動するEXP配列を含む植物発現コンストラクトで、トウモロコシおよびコムギの葉プロトプラスト細胞を形質転換した。発現を2つの構成的対照プラスミドの発現とも比較した。
【0181】
GUS発現カセットを含む植物発現コンストラクトを構築する。その結果得られるベクターは、T-AGRtu.nos-1:1:13(配列番号127)3'UTRの5'側に作動的に連結されているGUSコード配列の5'側に作動的に連結されたイントロン/エクソンスプライスジャンクション5'-AG-3'配列の直後の最も3'端にそれぞれ異なるヌクレオチドを含む下記表50に示すイントロン要素の5'側に作動的に連結されたリーダー配列L-Cl.Ubq1-1:1:1(配列番号81)の5'側に作動的に連結された
Coix lacryma-jobiユビキチンプロモーターP-Cl.Ubq1-1:1:1(配列番号80)から構成される。下記表50に、植物発現コンストラクトおよび対応する3'端配列を示す。
[表50]植物発現コンストラクト、イントロンおよびイントロン/エクソンスプライスジャンクション配列5'-AG-3'後の3'端配列
【表49】
【0182】
トウモロコシとコムギのプロトプラストを上述のように形質転換し、GUSおよびルシフェラーゼ発現についてアッセイした。下記表51に、トウモロコシプロトプラスト発現とコムギプロトプラスト発現の両方について、平均GUSおよびRLuc値を示す。
[表51]トウモロコシプロトプラスト細胞およびコムギプロトプラスト細胞に関する平均GUSおよびRLuc値
【表50】
【0183】
上記表46からの各
Coix lacryma-jobiユビキチンEXP配列に関するGUS/RLuc値を使って、2つの構成的対照EXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)およびEXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1(配列番号163)に対して発現を標準化し、下記表52に提示する。
[表52]EXP-Os.Act1:1:9(配列番号179)およびEXP-CaMV.35S-enh+Ta.Lhcb1+Os.Act1:1:1(配列番号163)に対して標準化された
Coix lacryma-jobiユビキチンEXP配列の発現値
【表51】
【0184】
上記表52に示すように、
Coix lacryma-jobiユビキチンEXP配列のそれぞれは、トウモロコシでもコムギでも、どちらの構成的対照よりも高い発現を与えた。トウモロコシプロトプラストにおける発現は、ハトムギユビキチンEXP配列の全てについて、比較的類似していた。コムギにおける発現は、もう少し多様だった。イントロン/エクソンスプライスジャンクション配列5'-AG-3'後に異なる3'端ヌクレオチドを使用しても、EXP-Cl.Ubq1:1:20(配列番号102)によって駆動されるGUSの発現を除けば、GUSの発現に劇的な影響はないようだった。EXP-Cl.Ubq1:1:20は、イントロン/エクソンスプライスジャンクション5'-AG-3'配列に続けて3'端ヌクレオチド配列5'-GAC-3'を含み、他のハトムギユビキチンEXP配列と比較すると、発現をわずかに低下させた。結果として生じるスプライシングされたメッセンジャーRNAの評価により、GUS発現を駆動するためにEXP-Cl.Ubq1:1:20(配列番号102)を使って発現させたmRNAの約10%は、不適正にスプライシングされることが示された。他のハトムギユビキチンEXP配列を使ったGUS発現に起因するmRNAは、適切にプロセシングされるようだった。この実験は、表2に提示したイントロン変異体のいずれについても、イントロン要素I-Cl.Ubq1-1:1:9(配列番号103)だけに付随して見いだされる3'端配列5'-GAC-3'を除けば、どの3'端ヌクレオチドでも、導入遺伝子発現カセットにおける使用に適しており、活性およびプロセシングの有意な喪失を伴わないはずであることの証拠になる。
【0185】
実施例16:調節要素由来のエンハンサー
エンハンサーは、ここに提供されるプロモーター要素、例えば配列番号2、6、9、11、13、15、17、19、23、26、28、30、32、34、38、40、42、46、50、56、60、64、66、70、74、76、78、80、84、86、88、91、96および135として提示されるものに由来する。エンハンサー要素は、プロモーター要素の5'または3'側に作動的に連結されるか、またはプロモーターに作動的に連結されている追加のエンハンサー要素の5'または3'側に作動的に連結された場合に、導入遺伝子の発現を強化または調整するか、特異的細胞タイプまたは植物器官における導入遺伝子の発現、または発生中および概日リズム中の特定の時点における導入遺伝子の発現をもたらすことができる、1つ以上のシス調節要素から構成されうる。
転写がここで提供される上述のプロモーター(そのフラグメントを含む)から開始されることを可能にするTATAボックスまたは機能的に類似する要素およびあらゆる下流配列を、プロモーターから除去することにより、TATAボックスまたは機能的に類似する要素およびTATAボックスの下流にある配列が除去されているエンハンサーが作られる。プロモーター要素に由来するエンハンサーを実証するために、プロモーター要素P-Cl.Ubq1-1:1:1に由来するエンハンサー要素E-Cl.Ubq1-1:1:1(配列番号89)をここに提供する。
【0186】
エンハンサー要素を、ここに提供されるプロモーター要素から引き出して、当技術分野において知られている方法を使って、プロモーター要素の5'または3'側に作動的に連結されるか、プロモーターに作動的に連結されている追加のエンハンサー要素の5'または3'に作動的に連結されるように、クローニングすることができる。あるいは、当技術分野において知られている方法を使って、プロモーター要素の5'または3'側に作動的に連結されているかプロモーターに作動的に連結されている追加のエンハンサー要素の5'または3'側に作動的に連結されている1コピー以上のエンハンサー要素に作動的に連結されるように、エンハンサー要素をクローニングする。エンハンサー要素は、異なる属の生物に由来するプロモーター要素の5'または3'側に作動的に連結されるか、同じまたは異なる属の生物に由来するプロモーターに作動的に連結されている他の属の生物または同じ属の生物に由来する追加エンハンサー要素の5'または3'側に作動的に連結されるように、クローニングすることで、キメラ調節要素を得ることもできる。GUS発現植物形質転換ベクターは、先の実施例で述べたコンストラクトと同様に、当技術分野において知られている方法を使って構築され、結果として生じる植物発現ベクターは、
A. tumefaciens由来の右境界領域、
A. tumefaciens由来のノパリンシンターゼ3'UTR(T-AGRtu.nos-1:1:13、配列番号161)またはイネ脂質輸送タンパク質遺伝子由来の3'UTR(T-Os.LTP-1:1:1、配列番号175)に作動的に連結された、プロセシング可能なイントロンを有するか(GUS-2、配列番号160)またはイントロンを有さない(GUS-1、配列番号159)β-グルクロニダーゼ(GUS)のコード配列に作動的に連結された、
Z. maysのHSP70熱ショックタンパク質に由来するイントロン(I-Zm.DnaK-1:1:1、配列番号144)または本明細書に提示する任意のイントロンもしくは他の任意のイントロンに作動的に連結された、調節要素またはキメラ調節要素から構成される調節要素またはキメラ調節要素を試験するための第1導入遺伝子カセット;除草剤グリホサートに対する耐性を付与するか(イネアクチン1プロモーターによって駆動されるもの)、あるいは抗生物質カナマイシンに対する耐性を付与する(イネアクチン1プロモーターによって駆動されるもの)、形質転換植物細胞の選択に使用される第2導入遺伝子選択カセット、ならびに
A. tumefaciens由来の左境界領域を含有する。結果として得られるプラスミドを使用して、上述の方法によって、または当技術分野において知られている他の
Agrobacteriumによる方法もしくはパーティクルボンバードメント法によって、トウモロコシ植物または他の属の植物を形質転換する。あるいは、一過性アッセイを行うために、トウモロコシまたは他の属の植物に由来するプロトプラスト細胞を、当技術分野において知られている方法を使って形質転換する。
【0187】
導入遺伝子の発現に対するエンハンサー要素の効果を決定するために、1つ以上のエンハンサーを含む調節要素によって駆動されるGUS発現を、安定または一過性植物アッセイにおいて評価する。1つ以上のエンハンサー要素への修飾または1つ以上のエンハンサー要素の重複を経験的実験と、その結果得られる、各調節要素組成を使って観察される遺伝子発現調節とに基づいて行う。結果として得られる調節要素またはキメラ調節要素における1つ以上のエンハンサーの相対的位置の改変は、調節要素またはキメラ調節要素の転写活性または特異性に影響を及ぼす可能性があり、トウモロコシ植物または他の属の植物内での望ましい導入遺伝子発現プロファイルにとって最善のエンハンサーを同定するために、実験的に決定される。
【0188】
実施例17:植物由来のプロトプラストを使ったGUS活性のイントロン強化の解析
導入遺伝子の最適な発現のためのイントロンとベクターT-DNA要素配置内での構成とを実験的に選択するために、実験と、イントロンなしの発現ベクター対照との比較とに基づいて、イントロンを選択する。例えば、グリホサートへの耐性を付与するCP4などの除草剤耐性遺伝子の発現では、除草剤を散布した場合の収量の喪失を防ぐために、栄養組織だけでなく生殖組織内でも導入遺伝子発現が起こることが望ましい。その場合、イントロンは、構成的プロモーターに作動的に連結された時に、除草剤耐性付与導入遺伝子の発現、特にトランスジェニック植物の生殖細胞および生殖組織内での発現を強化することで、除草剤を散布した場合にトランスジェニック植物に栄養耐性と生殖耐性をどちらも与えるその能力によって選択されるであろう。大半のユビキチン遺伝子では、5'UTRが、そこにイントロン配列が埋め込まれているリーダーから構成される。それゆえに、そのような遺伝子に由来する発現要素は、プロモーター、リーダー、およびイントロンを含む5'UTR全体を使ってアッセイされる。異なる発現プロファイルを達成するために、または導入遺伝子発現レベルを調整するために、そのような発現要素からイントロンを除去し、または異種イントロンで置換することができる。
【0189】
本明細書において配列番号4、7、21、24、36、44、48、52、54、58、62、68、72、82、92、94、101、103、105、107、109、111、113、118、120、122、127、129、131、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158および182として提示されるイントロンは、ゲノムDNA内のエクソンおよびイントロン配列を同定するために、ゲノムDNAコンティグを使用し、発現配列タグクラスターまたはcDNAコンティグとの比較において同定される。加えて、遺伝子配列が1つ以上のイントロンによって中断されているリーダー配列をコードする条件下では、5'UTRまたはリーダー配列も、1つ以上のイントロンのイントロン/エクソンスプライスジャンクションを明確にするために使用される。イントロンは、当技術分野において知られている方法を使って、例えば
図1に提示する2つの導入遺伝子カセットに図示するように、転写調節要素およびリーダーフラグメントの3'側に作動的に連結され、かつ第2のリーダーフラグメントまたはコード配列の5'側に作動的に連結されるように、植物形質転換ベクター中にクローニングされる。
【0190】
したがって、例えば第1の考えうる導入遺伝子カセット(
図8の導入遺伝子カセット構成1)は、3'UTR要素[E]に作動的に連結されているコード領域[D]に作動的に連結された試験イントロン要素[C]の5'側に作動的に連結されたリーダー要素[B]の5'側に作動的に連結されたプロモーターまたはキメラプロモーター要素[A]から構成される。あるいは、第2の考えうる導入遺伝子カセット(
図8の導入遺伝子カセット構成2)は、3'UTR要素[K]に作動的に連結されているコード領域[J]に作動的に連結された第2リーダー要素または第1リーダー要素第2フラグメント[I]の5'側に作動的に連結された試験イントロン要素[H]の5'側に作動的に連結された第1リーダー要素または第1リーダー要素フラグメント[G]の5'側に作動的に連結されたプロモーターまたはキメラプロモーター要素[F]から構成される。さらに、第3の考えうる導入遺伝子カセット(
図8の導入遺伝子カセット構成3)は、3'UTR要素[Q]に作動的に連結されているコード配列要素の第2フラグメント[P]の5'側に作動的に連結されたイントロン要素[O]の5'側に作動的に連結されたコード配列要素の第1フラグメント[N]の5'側に作動的に連結されたリーダー要素[M]の5'側に作動的に連結されたプロモーターまたはキメラプロモーター要素[L]から構成される。導入遺伝子カセット構成3は、コード配列の第1フラグメントと第2フラグメントの間でフレームシフトが起こることなく完全なオープンリーディングフレームが生成するような形でイントロンのスプライシングが可能になるように設計されている。
【0191】
配列番号4、7、21、24、36、44、48、52、54、58、62、68、72、82、92、94、101、103、105、107、109、111、113、118、120、122、127、129、131、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158および182として提示されるイントロンの5'端の最初の6ヌクレオチドおよび3'端の最後の6ヌクレオチドは、それぞれ、イントロン/エクソンスプライスジャンクションの前および後のヌクレオチドに相当する。配列番号4、7、21、24、36、44、48、52、54、58、62、68、72、82、92、94、101、103、105、107、109、111、113、118、120、122、127、129、131、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158および182の5'端の第1および第2ヌクレオチド(GT)および3'端の第4および第5ヌクレオチド(AG)が保存されていることで、イントロンのイントロン/エクソンスプライスジャンクションが保存されている限り、これらの短い6ヌクレオチド配列は、例えば、植物形質転換ベクターへのイントロンのクローニングを容易にするために追加の配列(すなわち天然または人工の配列)を付加することによって修飾することができる。上述したとおり、最終転写産物へのメッセンジャーRNAのプロセシング中に望まれない開始コドンが形成される潜在的可能性を排除するために、スプライス部位の5'端(GT)の直前にヌクレオチド配列ATまたはヌクレオチドAを使用することと、スプライス部位の3'端(AG)の直後にヌクレオチドGまたはヌクレオチド配列TGを使用することとは、それぞれ避けることが好ましいだろう。こうして、イントロンの5'または3'端のスプライスジャンクション部位付近の配列は、修飾することができる。
【0192】
イントロンは、一過性アッセイまたは安定植物アッセイにおいて、発現を強化する能力によって、強化効果についてアッセイされる。イントロン強化の一過性アッセイの場合は、当技術分野において知られている方法を使って、基本植物ベクターを構築する。
A. tumefaciens由来のノパリンシンターゼ3'UTR(T-AGRtu.nos-1:1:13、配列番号161)に作動的に連結された、プロセシング可能なイントロンを有する(GUS-2、配列番号160)またはイントロンを有さない(GUS-1、配列番号159)β-グルクロニダーゼ(GUS)のコード配列に作動的に連結された試験イントロン要素(例えば配列番号4、7、21、24、36、44、48、52、54、58、62、68、72、82、92、94、101、103、105、107、109、111、113、118、120、122、127、129、131、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158および182の一つ)の5'側に作動的に連結されたリーダー要素L-CaMV.35S-1:1:15(配列番号177)の5'側に作動的に連結されたカリフラワーモザイクウイルスプロモーターP-CaMV.35S-enh-1:1:9(配列番号176)などの構成的プロモーターから構成される発現カセットを含む基本植物ベクター中に、イントロンをクローニングする。基本植物ベクターおよび先に上記実施例2で述べたルシフェラーゼ対照ベクターで、トウモロコシ組織または他の属の植物組織に由来するプロトプラスト細胞を形質転換し、活性をアッセイする。発現を強化するイントロンの相対的能力を比較するために、GUS値をルシフェラーゼ活性に対するGUSの比として表し、これらのレベルを、例えば
Zea maysのHSP70熱ショックタンパク質に由来するイントロンI-Zm.DnaK-1:1:1(配列番号178)などの既知のイントロン標準に作動的に連結された構成的プロモーターを含むコンストラクトならびに構成的プロモーターを含むがプロモーターに作動的に連結されたイントロンを含まないコンストラクトによって付与されるレベルと比較する。
【0193】
配列番号4、7、21、24、36、44、48、52、54、58、62、68、72、82、92、94、101、103、105、107、109、111、113、118、120、122、127、129、131、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158および182として提示されるイントロンの安定植物アッセイの場合は、先の実施例で述べたコンストラクトと同様に、GUS発現植物形質転換ベクターが構築され、その結果得られる植物発現ベクターは、
A. tumefaciens由来の右境界領域、
A. tumefaciens由来のノパリンシンターゼ3'UTR(T-AGRtu.nos-1:1:13、配列番号161)に作動的に連結されたプロセシング可能なイントロンを有する(GUS-2、配列番号160)またはイントロンを有さない(GUS-1、配列番号158)β-グルクロニダーゼ(GUS)のコード配列に作動的に連結された、ここに提供される試験イントロン要素の5'側に作動的に連結されたリーダー要素L-CaMV.35S-1:1:15(配列番号177)の5'側に作動的に連結されたカリフラワーモザイクウイルスプロモーターP-CaMV.35S-enh-1:1:9(配列番号176)などの構成的プロモーターから構成されるイントロンを試験するための第1導入遺伝子カセット;グリホサートに対する耐性を付与するか(イネアクチン1プロモーターによって駆動されるもの)、あるいは抗生物質カナマイシンに対する耐性を付与する(イネアクチン1プロモーターによって駆動されるもの)、形質転換植物細胞の選択に使用される第2導入遺伝子選択カセット、および
A. tumefaciens由来の左境界領域を含有する。結果として得られるプラスミドを使用して、上述の方法によって、または当技術分野において知られている
Agrobacteriumによる方法によって、トウモロコシ植物または他の属の植物を形質転換する。単一コピーまたは低コピー数形質転換体を、試験ベクターと同一であるが試験イントロンを含まない植物形質転換ベクターで形質転換された単一コピーまたは低コピー数形質転換植物との比較のために選択して、試験イントロンがイントロンを介した強化効果をもたらすかどうかを決定する。
【0194】
配列番号4、7、21、24、36、44、48、52、54、58、62、68、72、82、92、94、101、103、105、107、109、111、113、118、120、122、127、129、131、138、140、142、144、146、148、150、152、154、156、158および182として提示されるイントロンはいずれも、例えば発現を低下させうるイントロン配列内のフラグメントの欠失や、発現を強化しうるイントロン内のフラグメントの重複など、いくつかの方法で修飾することができる。また、導入遺伝子の発現および発現パターンに影響を及ぼすために、特定の細胞タイプまたは組織および器官に対する発現の特異性に影響を及ぼしうるイントロン内の配列を、重複または変化または欠失させることもできる。また、意図せぬ転写産物が、不適正にスプライシングされたイントロンから、より長いまたは切断された異なるタンパク質として発現される原因になりうる、潜在的開始コドン(ATG)がすべて除去されるように、ここに提供されるイントロンを修飾することもできる。イントロンを実験的に試験し終えたら、または実験に基づいて改変し終えたら、安定に形質転換された植物(これは、イントロンが導入遺伝子の強化をもたらす限り、任意の属の単子葉植物または双子葉植物であることができる)における導入遺伝子の発現を強化するために、そのイントロンを使用する。イントロンは、イントロンが、それが作動的に連結されている導入遺伝子の発現の強化または減弱または特異性をもたらす限り、藻類、真菌または動物細胞など、他の生物における発現を強化するためにも使用することができる。
【0195】
本発明の原理を例証し説明したので、そのような原理から逸脱することなく本発明の構成および詳細を変更できることは、当業者には明らかなはずである。本発明者らは、クレームの趣旨および範囲に含まれる全ての変更実施形態をクレームする。本明細書において言及した刊行物および公開特許文書は、あたかも個々の刊行物または特許出願が引用により組み込まれることを具体的にかつ個別に示されているかのように、引用により本明細書に組み込まれる。