【実施例】
【0043】
(実施例1:溶融ブレンドを含む通常の方法による、PPEとスチレン樹脂とのブレンドの調製)
押出機仕様:Omega-40 H、原動力:160 KW、最大スクリュー速度:1200 RPM、最大トルク:500Nm/シャフト、特定トルク:17.1 Nm/cm3、バレル直径:40mm、スクリュー直径:39.7mm、L/D:60、中心距離:32
【0044】
【表1】
【0045】
部品についての略称リスト
・RSE: 右旋(Right Handed)スクリュー部品
・RFV: 右旋ショベル部品
・RFN: 右旋遷移部品
・LSE: 左旋スクリュー部品
・DSE: 動的撹拌部品
・RKB: 食い違い角45°の右旋混練ブロック
・NKB: 食い違い角90°の(Neutral)混練ブロック
共回転式ツインスクリュー押出機のためのスクリューデザインは、
図2に示される。
【0046】
【表2】
【0047】
PPE及びHIPSを主供給機から添加し、GPPSを副供給機から添加した。
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】
【表5】
【0051】
(実施例2:本発明の実施態様による、PPEとスチレン樹脂とのブレンドの調製)
押出機仕様:Omega-40 H、原動力:160 KW、最大スクリュー速度:1200 RPM、最大トルク:500Nm/シャフト、特定トルク:17.1 Nm/cm3、バレル直径:40mm、スクリュー直径:39.7mm、L/D:60、中心距離:32
【0052】
【表6】
【0053】
部品についての略称リスト
・RSE: 右旋スクリュー部品
・LSE: 左旋スクリュー部品
・DSE: 動的撹拌部品
・FME:部分混合部品
・EME:偏心混合部品
共回転式ツインスクリュー押出機のためのスクリューデザインは、
図3に示される。
【0054】
【表7】
【0055】
PPE及びHIPSを主供給機から添加し、GPPSを副供給機から添加した。
【0056】
【表8】
【0057】
【表9】
【0058】
バレルB2からB4は、軟化ゾーンを形成する。バレルB4からB13は、処理ゾーンを形成する。
【0059】
【表10】
【0060】
【表11】
【0061】
【表12】
【0062】
白色度は、Biuged Laboratory Instruments (Guangzhou)Co. Ltd.製のBGD 556、Precise Computer Colorimeterによって測定される。
【0063】
DSEとFMEとの組み合わせにより、PPEのポリマー鎖は穏やかに引っ張られ、これによりPPEが溶融スチレン樹脂に溶解される。
【0064】
本発明の方法は、溶融ブレンド工程を含む通常の方法と比較して著しく低温で実施される。さらにまた、この方法は、PPEとスチレン樹脂との混合物を高剪断に晒さない。ポリマー鎖は、張力を使用して互いから穏やかに引き離される。温度及び剪断がより低いことにより、PPEが酸化する傾向は低減または排除される。然るに、PPEの黄色化または炭化は著しく低減または排除される。この方法は、PPEの分子量を安定化する。PPEの分子量の安定化により、ブレンドの融点はバッチ間でも一貫性を持つ。
【0065】
得られるブレンドは、優れた色、外観、及び加工性を有する。このブレンドは、安全かつ経済的でもある。このブレンドは、射出成型などの二次操作向けに従来品より堅固である。ブレンドの色は、射出成型操作の間も安定である。
【0066】
この方法は、PPEの加工に典型的には付随する大きな機械的エネルギーの導入を必要としない。ブレンドから製造される製品に導入されるエネルギーは、50パーセント以上低減されうる。
【0067】
本発明により得られるブレンドに外観上の欠陥が皆無であるため、二次加工中にブレンドに加える必要のある二酸化チタンの量もまた2パーセント(w/w)以下に低減される。添加が必要な二酸化チタンの量の低減により、こうしたブレンドから製造される製品は密度が低減される。密度は18または20パーセント低減されうる。
【0068】
本願発明によるブレンドは、透明かつ鮮やかな製品を製造するために使用することができる。このために、従前は外観上の欠陥により従来のブレンドからは製造し得なかった製品への応用が可能になる。
【0069】
また、この方法は、高温でのPPEの処理に伴う刺激性の臭気を発生しない。また、製品の操作中に気体発生が全く観察されない。このため、臭気問題に対する高価な環境制御の必要性が排除される。
【0070】
共回転式ツインスクリュー処理機におけるスチレン樹脂及びPPEを含むブレンドの調製方法は、ツインスクリュー処理機に、少なくとも一つのDSEと少なくとも一つのFMEを含む少なくとも一つの処理ゾーンを設け、ツインスクリュー処理機にスチレン樹脂とPPEを供給し、少なくとも一つの処理ゾーンにおいてスチレン樹脂を溶融させて溶融スチレン樹脂にPPEを溶解させ、ツインスクリュー処理機からスチレン樹脂とPPEとを授受することを含む。
【0071】
こうした方法は、ツインスクリュー処理機中に、少なくとも一つの運搬部品または少なくとも一つの混合部品、あるいは少なくとも一つの運搬部品と少なくとも一つの混合部品との組み合わせによって分割された二つの処理ゾーンを設けることを含み、二つの処理ゾーンは、まとまってスチレン樹脂を溶融させ、溶融スチレン樹脂中にPPEを溶解させるように構成されている。
【0072】
こうした方法では、溶解は160から220℃の範囲の温度で実施される。
【0073】
こうした方法では、スチレン樹脂及びポリフェニレンエーテルは、ツインスクリュー処理機に同時に供給される。
【0074】
こうした方法では、スチレン樹脂及びポリフェニレンエーテルは、ツインスクリュー処理機に、1時間当たり20から50キログラムの供給速度で供給される。
【0075】
こうした方法では、ツインスクリュー処理機は、60から200RPMのスクリュー速度で稼働する。
【0076】
こうした方法は、120℃から130℃の範囲の温度で、処理ゾーンの前にスチレン樹脂を軟化する工程を含む。
【0077】
こうした方法では、ポリフェニレンエーテルは、スチレン樹脂を軟化または溶融させた後にツインスクリュー処理機に供給される。
【0078】
こうした方法では、スチレン樹脂はツインスクリュー処理機にペレットの形態で供給され、ポリフェニレンエーテルはツインスクリュー処理機に粉末の形態で供給される。
【0079】
こうした方法では、ポリフェニレンエーテルは、ブレンド中に10から50パーセント(w/w)の範囲で存在する。
【0080】
こうした方法では、スチレン樹脂は、スチレン樹脂のホモポリマー、スチレン樹脂のコポリマー、またはこれらの組み合わせから選択される。
【0081】
こうした方法では、スチレン樹脂は、ポリスチレン、汎用ポリスチレン、高衝撃ポリスチレン、スチレンアクリロニトリル、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、またはこれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0082】
こうした方法は、処理ゾーンの終点近くで真空を適用して、処理中に放出された揮発性有機化合物もしくは気体を除去する工程をさらに含む。
【0083】
ブレンドは、スチレン樹脂とポリフェニレンエーテルとを含み、ここでポリフェニレンエーテルは10から50パーセント(w/w)の濃度範囲であり、ブレンドは少なくとも45から60の白色度を有する。
【0084】
こうしたブレンドでは、ポリフェニレンエーテルは10から12パーセント(w/w)の濃度範囲内であり、ブレンドは少なくとも60の白色度を有する。
【0085】
こうしたブレンドでは、ポリフェニレンエーテルは20から30パーセント(w/w)の濃度範囲内であり、ブレンドは少なくとも50の白色度を有する。
【0086】
こうしたブレンドでは、ポリフェニレンエーテルは50パーセント(w/w)の濃度であり、ブレンドは少なくとも45の白色度を有する。
【0087】
こうしたブレンドでは、ブレンドはペレットまたはストランドの形態である。
【0088】
こうしたブレンドでは、ペレットまたはストランドの表面上に見える、ポリフェニレンエーテルとスチレン樹脂によって形成される暗色点が10パーセント未満である。
【0089】
こうしたブレンドでは、スチレン樹脂は、スチレン樹脂のホモポリマー、スチレン樹脂のコポリマー、またはこれらの組み合わせから選択される。
【0090】
こうしたブレンドでは、スチレン樹脂は、ポリスチレン、汎用ポリスチレン、高衝撃ポリスチレン、スチレンアクリロニトリル、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、またはこれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0091】
スチレン樹脂とポリフェニレンエーテル(PPE)を含むブレンドを調製するための共回転式ツインスクリュー処理機であって、少なくとも一つのDSEと少なくとも一つのFMEを含む第一処理ゾーン及び少なくとも一つのDSEと少なくとも一つのFMEを含む第二処理ゾーンを備え、第一及び第二の処理ゾーンは、少なくとも一つの運搬部品または少なくとも一つの混合部品、あるいは少なくとも一つの運搬部品と少なくとも一つの混合部品との組み合わせによって分割されており、第一及び第二の処理ゾーンは、まとまってスチレン樹脂を溶融させ、溶融スチレン樹脂中にPPEを溶解させるように構成されている。
【0092】
こうした処理機は、リード「L」を有し、その表面に螺旋状に形成された連続フライトを含む少なくとも一つの部品を含む第三処理ゾーンを含み、ここで、フライトは、リード「L」の一部分において整数ローブフライトから少なくとも一度は非整数ローブフライトに変形し、リード「L」の一部分において変形して整数ローブフライトに戻るか、または、フライトが、リード「L」の一部分において非整数ローブフライトから整数ローブフライトに少なくとも一度変形し、リード「L」の一部分において変形して非整数ローブフライトに戻り、少なくとも一つの部分ローブ部品が第一整数部品(n)と第二整数部品(N)とを仲介し、第三の処理ゾーンは第二の処理ゾーンから、少なくとも一つの運搬部品または少なくとも一つの混合部品、あるいは少なくとも一つの運搬部品と少なくとも一つの混合部品との組み合わせによって分割されており、第一及び第二の処理ゾーンと共に、溶融スチレン樹脂中にPPEを溶融及び溶解させるように構成されている。
【0093】
こうした処理機では、第一処理ゾーンは、リード「L」を有し、その表面に螺旋状に形成された連続フライトを含む二つの部品を含み、ここで、フライトは、リード「L」の一部分において整数ローブフライトから少なくとも一度は非整数ローブフライトに変形し、リード「L」の一部分において変形して整数ローブフライトに戻るか、または、フライトが、リード「L」の一部分において非整数ローブフライトから整数ローブフライトに少なくとも一度変形し、リード「L」の一部分において変形して非整数ローブフライトに戻り、少なくとも一つの部分ローブ部品が第一整数部品(n)と第二整数部品(N)とを仲介し、ここで第一の処理ゾーンはツインスクリュー処理機の中間点より前に始まる。