(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る通信システムの全体構成の一例を示す概略構成図である。
本実施形態に係る通信システムは、多数の端末装置への同時接続や低遅延化などに対応する第5世代又は第5世代以降の次々世代の移動通信の3次元化ネットワークの実現に適する。なお、本明細書に開示する通信システム、無線中継局、基地局、リピータ及び端末装置に適用可能な移動通信の標準規格は、第5世代の移動通信の標準規格、及び、第5世代以降の次々世代の移動通信の標準規格を含む。
【0017】
図1に示すように、通信システムは、複数の空中浮揚型の通信中継装置としての高高度プラットフォーム局(HAPS)(「高高度疑似衛星」ともいう。)10,20を備えている。HAPS10,20は、所定高度の空域に位置して、所定高度のセル形成目標空域40に図中ハッチング領域で示すような3次元セル(3次元エリア)41,42を形成する。HAPS10,20は、自律制御又は外部から制御により地面又は海面から100[km]以下の高高度の空域(浮揚空域)50に浮遊あるいは飛行して位置するように制御される浮揚体(例えば、ソーラープレーン、飛行船)に、中継通信局が搭載されたものである。
【0018】
HAPS10,20の位置する空域50は、例えば、高度が11[km]以上及び50[km]以下の成層圏の空域である。この空域50は、気象条件が比較的安定している高度15[km]以上25[km]以下の空域であってもよく、特に高度がほぼ20[km]の空域であってもよい。図中のHrsl及びHrsuはそれぞれ、地面(GL)を基準にしたHAPS10,20の位置する空域50の下端及び上端の相対的な高度を示している。
【0019】
セル形成目標空域40は、本実施形態の通信システムにおける1又は2以上のHAPSで3次元セルを形成する目標の空域である。セル形成目標空域40は、HAPS10,20が位置する空域50と従来のマクロセル基地局等の基地局90がカバーする地面近傍のセル形成領域との間に位置する、所定高度範囲(例えば、50[m]以上1000[m]以下の高度範囲)の空域である。図中のHcl及びHcuはそれぞれ、地面(GL)を基準にしたセル形成目標空域40の下端及び上端の相対的な高度を示している。
【0020】
なお、本実施形態の3次元セルが形成されるセル形成目標空域40は、海、川又は湖の上空であってもよい。
【0021】
セル形成目標空域40では、HAPS10,20のビーム100,200が通過していない領域(3次元セル41,42が形成されない領域)が発生するおそれがある。この領域を補完するため、
図1の構成例のように、地上側又は海上側から上方に向かって放射状のビーム300を形成して3次元セル43を形成してATG(Air To Ground)接続を行う基地局(以下「ATG局」という。)30を備えてもよい。
【0022】
また、ATG局30を用いずに、HAPS10,20の位置やビーム100,200の発散角(ビーム幅)等を調整することにより、HAPS10,20の中継通信局が、セル形成目標空域40に3次元セルがくまなく形成されるように、セル形成目標空域40の上端面の全体をカバーするビーム100,200を形成してもよい。
【0023】
なお、前記HAPS10,20で形成する3次元セルは、地上又は海上に位置する端末装置との間でも通信できるよう地面又は海面に達するように形成してもよい。
【0024】
HAPS10,20の中継通信局はそれぞれ、移動局である端末装置と無線通信するためのビーム100,200を地面に向けて形成する。端末装置は、遠隔操縦可能な小型のヘリコプター等の航空機であるドローン60に組み込まれた通信端末モジュールでもよいし、飛行機65の中でユーザが使用するユーザ装置であってもよい。セル形成目標空域40においてビーム100,200が通過する領域が3次元セル41,42である。セル形成目標空域40において互いに隣り合う複数のビーム100,200は部分的に重なってもよい。
【0025】
HAPS10,20の中継通信局はそれぞれ、地上又は海上に設置された中継局であるフィーダ局(「ゲートウェイ局」という。)70を介して、移動通信網80のコアネットワークに接続されている。HAPS10,20とフィーダ局70との間の通信は、マイクロ波などの電波による無線通信で行ってもよいし、レーザ光などを用いた光通信で行ってもよい。
【0026】
HAPS10,20はそれぞれ、内部に組み込まれたコンピュータ等で構成された制御部が制御プログラムを実行することにより、自身の浮揚移動(飛行)や中継通信局での処理を自律制御してもよい。例えば、HAPS10,20はそれぞれ、自身の現在位置情報(例えばGPS位置情報)及び飛行状態情報(例えば飛行方向及び飛行速度)、予め記憶した飛行制御情報(例えば、飛行ルート情報、飛行パターン情報、又は飛行スケジュール情報)、HAPS10,20の周辺に発生している強風(特に、突風)の情報、周辺に位置する他のHAPSの位置情報などを取得し、それらの情報に基づいて浮揚移動(飛行)や中継通信局での処理を自律制御してもよい。飛行制御情報は、HAPS10,20の飛行の方向、速度、高度、姿勢及び飛行ルートの少なくトも一つを制御するための情報である。飛行制御情報は、オペレータのマニュアル操作により予め記憶させてもよいし、管理装置としての遠隔制御装置85から遠隔的に受信して記憶させてもよい。
【0027】
ここで、飛行ルート情報は、例えば、飛行開始位置、飛行中継位置及び飛行終了位置の位置情報(例えば、緯度、経度、高度)を含む情報である。また、飛行パターン情報は、後述の
図9に例示するような各種飛行パターンを特定するための情報である。また、飛行スケジュール情報は、飛行ルート情報又は飛行パターン情報と、その飛行ルート・飛行パターンを飛行するときの時間又は時間帯の情報とを含む情報である。
【0028】
また、HAPS10,20それぞれの浮揚移動(飛行)や中継通信局での処理は、移動通信網80の通信センター等に設けられた管理装置としての遠隔制御装置85によって制御できるようにしてもよい。この場合、HAPS10,20は、遠隔制御装置85からの制御情報(例えば、飛行制御情報)を受信したり遠隔制御装置85に各種情報を送信したりできるように制御用通信端末装置(例えば、移動通信モジュール)が組み込まれ、遠隔制御装置85から識別できるように端末識別情報(例えば、IPアドレス、電話番号など)が割り当てられるようにしてもよい。制御用通信端末装置の識別には通信インターフェースのMACアドレスを用いてもよい。また、HAPS10,20はそれぞれ、自身又は周辺のHAPSの浮揚移動(飛行)や中継通信局での処理に関する情報や各種センサなどで取得した観測データなどの情報を、遠隔制御装置85等の所定の送信先に送信するようにしてもよい。
【0029】
HAPS10,20の周辺に発生している突風等の強風は、例えば地上のフィーダ局70に設けたドップラーレーダ71によって探知することができる。ドップラーレーダ71は、探知対象エリアに向けてマイクロ波又はレーザ光などを照射し、その探知対象エリアに存在している雨粒や雲の粒子からの反射波を用いて、風の方向及び速度に対応する粒子の移動速度と方向(レーダに近づいているのか遠ざかっているのか)をドップラー効果により観測する装置である。
【0030】
なお、ドップラーレーダ71で突風などの強風を探知する探知対象空間は、HAPS10,20自体の現在位置及び飛行ルートの情報に基づいて、その後の飛行に影響がでると予測される空間に絞り込んでもよい。この場合は、ドップラーレーダ71による強風の探知をより効率的に短時間に行うことができる。
【0031】
更に、ドップラーレーダ71で突風などの強風を探知する探知対象空間は、過去の高層気象観測データの統計値、直近の高層気象観測データ及びHAPS10,20自体に設けられた環境情報の測定装置で測定された気象測定データの少なくとも一つに基づいて、突風などの強風が発生する可能性がより高い空間に絞り込んでもよい。
【0032】
高層気象観測データは、例えば、気象観測器(ラジオゾンデ)を用いて世界800か所で同時刻に1日に2回観測される高層気象観測のデータである。ラジオゾンデは、気球の浮力によって約360m/分で上昇しながら、上空の気温・気圧(高度)・湿度等を測定し、各測定値を電波で地上に送信する。ラジオゾンデのうち、GPS信号を用いて風向・風速を計算するものを「GPSゾンデ」といい、GPSゾンデは複数のGPS衛星の電波を受信し、GPSゾンデの移動によって生じるGPS衛星信号の周波数のずれを利用することにより、風向・風速を求める。高層気象観測データは、例えば、複数の高度それぞれにおける高層天気図、高度と風向・風速との関係を示すグラフ、高度と気温・湿度との関係を示すグラフなどのデータ形式で、気象庁のWEBサイトから取得することができる。
【0033】
HAPS10,20に設けられる環境情報の測定装置としては、気圧計、気温計、湿度計などの各種センサがあり、これらのセンサにより、HAPS10,20の周辺の気圧、気温、湿度などの情報を測定して取得することができる。
【0034】
図2は、実施形態に係る通信システムに用いられるHAPS10の一例を示す斜視図である。
図2のHAPS10は、ソーラープレーンタイプのHAPSであり、長手方向の両端部側が上方に沿った主翼部101と、主翼部101の短手方向の一端縁部にバス動力系の推進装置としての複数のモータ駆動のプロペラ103とを備える。主翼部101の上面には、太陽光発電機能を有する太陽光発電部としての太陽光発電パネル(以下「ソーラーパネル」という。)102が設けられている。また、主翼部101の下面の長手方向の2箇所には、板状の連結部104を介して、ミッション機器が収容される複数の機器収容部としてのポッド105が連結されている。各ポッド105の内部には、ミッション機器としての中継通信局110と、バッテリー106とが収容されている。また、各ポッド105の下面側には離発着時に使用される車輪107が設けられている。ソーラーパネル102で発電された電力はバッテリー106に蓄電され、バッテリー106から供給される電力により、プロペラ103のモータが回転駆動され、中継通信局110による無線中継処理が実行される。
【0035】
ソーラープレーンタイプのHAPS10は、例えば旋回飛行を行ったり8の字飛行を行ったりすることにより揚力で浮揚し、所定の高度で水平方向の所定の範囲に滞在するように浮揚することができる。なお、ソーラープレーンタイプのHAPS10は、プロペラ103が回転駆動されていないときは、グライダーのように飛ぶこともできる。例えば、昼間などのソーラーパネル102の発電によってバッテリー106の電力が余っているときに高い位置に上昇し、夜間などのソーラーパネル102で発電できないときにバッテリー106からモータへの給電を停止してグライダーのように飛ぶことができる。
【0036】
また、HAPS10は、他のHAPSや人工衛星と光通信に用いられる通信部としての3次元対応指向性の光アンテナ装置130を備えている。なお、
図2の例では主翼部101の長手方向の両端部に光アンテナ装置130を配置しているが、HAPS10の他の箇所に光アンテナ装置130を配置してもよい。なお、他のHAPSや人工衛星と光通信に用いられる通信部は、このような光通信を行うものに限らず、マイクロ波などの電波による無線通信などの他の方式による無線通信であってもよい。
【0037】
また、
図2中の一点鎖線で示すように、HAPS10は、そのHAPSの周辺に発生して接近している突風などの強風を探知するドップラーレーダ135を備えてもよい。
【0038】
図3は、実施形態に係る通信システムに用いられるHAPS20の他の例を示す斜視図である。
図3のHAPS20は、無人飛行船タイプのHAPSであり、ペイロードが大きいため大容量のバッテリーを搭載することができる。HAPS20は、浮力で浮揚するためのヘリウムガス等の気体が充填された飛行船本体201と、バス動力系の推進装置としてのモータ駆動のプロペラ202と、ミッション機器が収容される機器収容部203とを備える。機器収容部203の内部には、中継通信局210とバッテリー204とが収容されている。バッテリー204から供給される電力により、プロペラ202のモータが回転駆動され、中継通信局210による無線中継処理が実行される。
【0039】
なお、飛行船本体201の上面に、太陽光発電機能を有するソーラーパネルを設け、ソーラーパネルで発電された電力をバッテリー204に蓄電するようにしてもよい。
【0040】
また、無人飛行船タイプのHAPS20も、他のHAPSや人工衛星と光通信に用いられる通信部としての3次元対応指向性の光アンテナ装置230を備えている。なお、
図3の例では飛行船本体201の上面部及び機器収容部203の下面部に光アンテナ装置230を配置しているが、HAPS20の他の部分に光アンテナ装置230を配置してもよい。なお、他のHAPSや人工衛星と光通信に用いられる通信部は、このような光通信を行うものに限らず、マイクロ波などの電波による無線通信などの他の方式による無線通信を行うものであってもよい。
【0041】
また、
図3中の一点鎖線で示すように、HAPS20においても、そのHAPSの周辺に発生して接近している突風などの強風を探知するドップラーレーダ235を備えてもよい。
【0042】
図4は、実施形態に係る複数のHAPS10,20で上空に形成される無線ネットワークの一例を示す説明図である。
複数のHAPS10,20は、上空で互いに光通信によるHAPS間通信ができるように構成され、3次元化したネットワークを広域にわたって安定に実現することができるロバスト性に優れた無線通信ネットワークを形成する。この無線通信ネットワークは、各種環境や各種情報に応じたダイナミックルーティングによるアドホックネットワークとして機能することもできる。前記無線通信ネットワークは、2次元又は3次元の各種トポロジーを有するように形成することができ、例えば、
図4に示すようにメッシュ型の無線通信ネットワークであってもよい。
【0043】
図5は、他の実施形態に係る通信システムの全体構成の一例を示す概略構成図である。
なお、
図5において、前述の
図1と共通する部分については同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0044】
図5の実施形態では、HAPS10と移動通信網80のコアネットワークとの間の通信を、フィーダ局70及び低軌道の人工衛星72を介して行っている。この場合、人工衛星72とフィーダ局70との間の通信は、マイクロ波などの電波による無線通信で行ってもよいし、レーザ光などを用いた光通信で行ってもよい。また、HAPS10と人工衛星72との間の通信については、レーザ光などを用いた光通信で行っている。
【0045】
図6は、実施形態に係るHAPS10,20の中継通信局110,210の一構成例を示すブロック図である。
図5の中継通信局110,210はリピータータイプの中継通信局の例である。中継通信局110,210はそれぞれ、3Dセル形成アンテナ部111と、送受信部112と、フィード用アンテナ部113と、送受信部114と、リピーター部115と、監視制御部116と、電源部117とを備える。更に、中継通信局110,210はそれぞれ、HAPS間通信などに用いる光通信部125と、ビーム制御部126とを備える。
【0046】
3Dセル形成アンテナ部111は、セル形成目標空域40に向けて放射状のビーム100,200を形成するアンテナを有し、端末装置と通信可能な3次元セル41,42を形成する。送受信部112は、3Dセル形成アンテナ部111とともに第一無線通信部を構成し、送受共用器(DUP:DUPlexer)や増幅器などを有し、3Dセル形成アンテナ部111を介して、3次元セル41,42に在圏する端末装置に無線信号を送信したり端末装置から無線信号を受信したりする。
【0047】
フィード用アンテナ部113は、地上又は海上のフィーダ局70と無線通信するための指向性アンテナを有する。送受信部114は、フィード用アンテナ部113とともに第二無線通信部を構成し、送受共用器(DUP:DUPlexer)や増幅器などを有し、フィード用アンテナ部113を介して、フィーダ局70に無線信号を送信したりフィーダ局70から無線信号を受信したりする。
【0048】
リピーター部115は、端末装置との間で送受信される送受信部112の信号と、フィーダ局70との間で送受信される送受信部114の信号とを中継する。リピーター部115は、周波数変換機能を有してもよい。
【0049】
監視制御部116は、例えばCPU及びメモリ等で構成され、予め組み込まれたプログラムを実行することにより、HAPS10,20内の各部の動作処理状況を監視したり各部を制御したりする。特に、監視制御部116は、制御プログラムを実行することにより、プロペラ103,202を駆動するモータ駆動部141を制御して、HAPS10,20を目標位置へ移動させ、また、目標位置近辺に留まるように制御する。
【0050】
電源部117は、バッテリー106,204から出力された電力をHAPS10,20内の各部に供給する。電源部117は、太陽光発電パネル等で発電した電力や外部から給電された電力をバッテリー106,204に蓄電させる機能を有してもよい。
【0051】
光通信部125は、レーザ光等の光通信媒体を介して周辺の他のHAPS10,20や人工衛星72と通信する。この通信により、ドローン60等の端末装置と移動通信網80との間の無線通信を動的に中継するダイナミックルーティングが可能になるとともに、いずれかのHAPSが故障したときに他のHAPSがバックアップして無線中継することにより移動通信システムのロバスト性を高めることができる。
【0052】
ビーム制御部126は、HAPS間通信や人工衛星72との通信に用いるレーザ光などのビームの方向及び強度を制御したり、周辺の他のHAPS(中継通信局)との間の相対的な位置の変化に応じてレーザ光等の光ビームによる通信を行う他のHAPS(中継通信局)を切り替えるように制御したりする。この制御は、例えば、HAPS自身の位置及び姿勢、周辺のHAPSの位置などに基づいて行ってもよい。HAPS自身の位置及び姿勢の情報は、そのHAPSに組み込んだGPS受信装置、ジャイロセンサ、加速度センサなどの出力に基づいて取得し、周辺のHAPSの位置の情報は、移動通信網80に設けた遠隔制御装置85又は他のHAPS管理サーバから取得してもよい。
【0053】
図7は、実施形態に係るHAPS10,20の中継通信局110,210の他の構成例を示すブロック図である。
図7の中継通信局110,210は基地局タイプの中継通信局の例である。
なお、
図7において、
図6と同様な構成要素については同じ符号を付し、説明を省略する。
図7の中継通信局110,210はそれぞれ、モデム部118を更に備え、リピーター部115の代わりに基地局処理部119を備える。更に、中継通信局110,210はそれぞれ、光通信部125とビーム制御部126とを備える。
【0054】
モデム部118は、例えば、フィーダ局70からフィード用アンテナ部113及び送受信部114を介して受信した受信信号に対して復調処理及び復号処理を実行し、基地局処理部119側に出力するデータ信号を生成する。また、モデム部118は、基地局処理部119側から受けたデータ信号に対して符号化処理及び変調処理を実行し、フィード用アンテナ部113及び送受信部114を介してフィーダ局70に送信する送信信号を生成する。
【0055】
基地局処理部119は、例えば、LTE/LTE−Advancedの標準規格に準拠した方式に基づいてベースバンド処理を行うe−NodeBとしての機能を有する。基地局処理部119は、第5世代等の将来の移動通信の標準規格に準拠する方式で処理するものであってもよい。
【0056】
基地局処理部119は、例えば、3次元セル41,42に在圏する端末装置から3Dセル形成アンテナ部111及び送受信部112を介して受信した受信信号に対して復調処理及び復号処理を実行し、モデム部118側に出力するデータ信号を生成する。また、基地局処理部119は、モデム部118側から受けたデータ信号に対して符号化処理及び変調処理を実行し、3Dセル形成アンテナ部111及び送受信部112を介して3次元セル41,42の端末装置に送信する送信信号を生成する。
【0057】
図8は、実施形態に係るHAPS10,20の中継通信局110,210の更に他の構成例を示すブロック図である。
図8の中継通信局110,210はエッジコンピューティング機能を有する高機能の基地局タイプの中継通信局の例である。なお、
図8において、
図6及び
図7と同様な構成要素については同じ符号を付し、説明を省略する。
図8の中継通信局110,210はそれぞれ、
図7の構成要素に加えてエッジコンピューティング部120を更に備える。
【0058】
エッジコンピューティング部120は、例えば小型のコンピュータで構成され、予め組み込まれたプログラムを実行することにより、HAPS10,20の中継通信局110,210における無線中継などに関する各種の情報処理を実行することができる。
【0059】
例えば、エッジコンピューティング部120は、3次元セル41,42に在圏する端末装置から受信したデータ信号に基づいて、そのデータ信号の送信先を判定し、その判定結果に基づいて通信の中継先を切り換える処理を実行する。より具体的には、基地局処理部119から出力されたデータ信号の送信先が自身の3次元セル41,42に在圏する端末装置の場合は、そのデータ信号をモデム部118に渡さずに、基地局処理部119に戻して自身の3次元セル41,42に在圏する送信先の端末装置に送信するようにする。一方、基地局処理部119から出力されたデータ信号の送信先が自身の3次元セル41,42以外の他のセルに在圏する端末装置の場合は、そのデータ信号をモデム部118に渡してフィーダ局70に送信し、移動通信網80を介して送信先の他のセルに在圏する送信先の端末装置に送信するようにする。
【0060】
エッジコンピューティング部120は、3次元セル41,42に在圏する多数の端末装置から受信した情報を分析する処理を実行してもよい。この分析結果は3次元セル41,42に在圏する多数の端末装置に送信したり移動通信網80のサーバ装置などに送信したりしてもよい。
【0061】
中継通信局110、210を介した端末装置との無線通信の上りリンク及び下りリンクの複信方式は、特定の方式に限定されず、例えば、時分割複信(Time Division Duplex:TDD)方式でもよいし、周波数分割複信(Frequency Division Duplex:FDD)方式でもよい。また、中継通信局110、210を介した端末装置との無線通信のアクセス方式は、特定の方式に限定されず、例えば、FDMA(Frequency Division Multiple Access)方式、TDMA(Time Division Multiple Access)方式、CDMA(Code Division Multiple Access)方式、又は、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)であってもよい。また、前記無線通信には、ダイバーシティ・コーディング、送信ビームフォーミング、空間分割多重化(SDM:Spatial Division Multiplexing)等の機能を有し、送受信両方で複数のアンテナを同時に利用することにより、単位周波数当たりの伝送容量を増やすことができるMIMO(多入力多出力:Multi−Input and Multi−Output)技術を用いてもよい。また、前記MIMO技術は、1つの基地局が1つの端末装置と同一時刻・同一周波数で複数の信号を送信するSU−MIMO(Single−User MIMO)技術でもよいし、1つの基地局が複数の異なる通信端末装置に同一時刻・同一周波数で信号を送信又は複数の異なる基地局が1つの端末装置に同一時刻・同一周波数で信号を送信するMU−MIMO(Multi−User MIMO)技術であってもよい。
【0062】
なお、以下の説明では、ソーラープレーンタイプのHAPS10のみの例であるが、無人飛行船タイプのHAPS20であってもよいし、これらのHAPS10,20が混在していてもよい。
【0063】
図9は、実施形態に係るHAPS10の各種飛行パターンを例示する説明図である。
図9は、HAPS10の離陸から着陸までの一連の飛行における9種類の飛行パターンを例示している。なお、
図9において、前述の
図1,5と共通する部分については同じ符号を付し、それらの説明は省略する。
【0064】
本実施形態のHAPS10は、
図9の複数の飛行パターンごとに、気流などの環境情報及びHAPS10の対気速度などの装置状態情報に基づいて、以下のように最も省エネルギーになるように最適な飛行制御を行う。
【0065】
図9中の「離陸」は、HAPS10が地面(又は、海面若しくは海上の船舶)から離陸するときの飛行パターンである。この離陸飛行パターンでは、HAPS10が速やかに離陸できるように気流に向かい風状態で離陸するように飛行制御を行う。
【0066】
図9中の「上昇」は、HAPS10が離陸した後、所定の空域50(例えば成層圏の空域)まで上昇するときの飛行パターンである。この上昇飛行パターンでは、HAPS10の対気速度を一定にして気流に逆らわないで上昇するように飛行制御を行う。また、偏西風や偏東風など風が強いエリアでは風上に向かって上昇するように飛行制御を行う。
【0067】
図9中の「2地点間移動(トランジット)」は、HAPS10が上昇完了した位置から、通信サービス提供のための運用時の滞在位置(通信サービス提供地点)まで移動するときの飛行パターンである。この2地点間移動の飛行パターンでは、風の弱い高度を狙って対気速度一定で移動するように飛行制御を行う。また、高度の低い風の強いエリアの風下に移動先がある場合はあえて高度を下降させて流されて移動し、所定場所についたら高度を上げるように飛行制御を行う。気流に流されるときは、グライディング(滑空)飛行で発電しながら移動するように飛行制御を行ってもよい。
【0068】
図9中の「ステーション・キーピング」は、HAPS10が運用時の滞在位置に滞在するときの飛行パターンである。このステーション・キーピングの飛行パターンでは、所定の滞在エリア内に留まるように飛行制御を行う。このステーション・キーピングの飛行パターンでは、太陽光があたる昼間のソーラーパネル102による太陽光発電を行う飛行と、次の夜間のグライディングによる夜間気流発電を行う飛行とを繰り返すように飛行制御を行ってもよい。
【0069】
図9中の「グライディング(夜間発電)」は、HAPS10が夜間時にプロペラの回転による発電(風力発電)を行う飛行パターンである。このグライディング(夜間発電)の飛行パターンでは、位置エネルギーを利用してゆっくりと旋回しながら所定のエリア内で滑空するように飛行制御を行う。
【0070】
図9中の「姿勢維持」は、HAPS10の滞在時にソーラーパネル102による発電を効率的に行うように姿勢を維持する飛行パターンである。この姿勢維持の飛行パターンでは、ソーラーパネル102の受光面を太陽に向ける時間を最大化するように姿勢を維持する飛行経路(例えば、変形長円形状の巡回飛行経路)で飛行するように飛行制御を行う。
【0071】
図9中の「巡回」は、HAPS10が複数の滞在位置間を巡回するときの飛行パターンである。この巡回飛行パターンの2地点間移動では、前記2地点間移動の飛行パターンと同様に、風の弱い高度を狙って対気速度一定で移動するように飛行制御を行う。また、高度の低い風の強いエリアの風下に移動先がある場合はあえて高度を下降させて流されて移動し、所定場所についたら高度を上げるように飛行制御を行う。気流に流されるときは、グライディング(滑空)飛行で発電しながら移動するように飛行制御を行ってもよい。
【0072】
図9中の「下降」は、HAPS10が所定の空域50(例えば成層圏の空域)から地面(又は、海面)の近傍まで下降するときの飛行パターンである。この下降飛行パターンでは、HAPS10が可能な限り風に逆らわない飛行経路で下降するように飛行制御を行う。
【0073】
図9中の「着陸」は、HAPS10が地面(又は、海面若しくは海上の船舶)に着陸するときの飛行パターンである。この下降飛行パターンでは、HAPS10が可能な限り風に逆らわない飛行経路で着陸するように飛行制御を行う。
【0074】
本実施形態において、飛行中のHAPS10が上空に発生した急激な上昇気流や下降気流(ダウンバースト)等による突風等の強風を受けることによって機体姿勢が不安定となり落下するおそれがある。そこで、本実施形態では、HAPS10の周辺に発生している突風等の強風を探知し、その探知結果に基づいての影響を低減するように飛行制御情報を決定し、その飛行制御情報に基づいてHAPS10の飛行を制御することにより、HAPS10の落下を防止している。
【0075】
飛行制御情報は、HAPS10の飛行の方向、速度、高度、姿勢及び飛行ルートの少なくトも一つを制御するための情報を含む。飛行制御情報は、例えば、探知された強風の発生領域を回避する飛行ルート若しくは飛行パターンでHAPS10を飛行させたり、探知された強風が向かい風になる向きにHAPS10の姿勢を変化させて飛行させたりするように決定する。
【0076】
図10は、実施形態に係るHAPS10の飛行制御系の一構成例を示す機能ブロック図である。
図10の飛行制御系は、HAPS10自身が飛行制御情報を決定して飛行制御する自律制御型の飛行制御系の例である。
【0077】
図10において、HAPS10の飛行制御系は、環境情報取得部161と装置状態情報取得部162と飛行制御データベース163と飛行パターン記憶部164と飛行制御情報決定部165と飛行制御部166とモータ駆動部141と飛行結果情報取得部167とを備える。なお、飛行制御データベース163、飛行パターン記憶部164、飛行制御情報決定部165及び飛行制御部166の少なくとも一部は、前述のエッジコンピューティング部120で構成してもよい(
図8参照)。
【0078】
環境情報取得部161は、HAPS10の周辺に発生している強風の探知情報(以下「強風探知情報」ともいう。)を含む環境情報を取得する。HAPS10の周辺に発生している強風は、例えば、地上のフィーダ局70に設置されたドップラーレーダ71により、HAPS10の周辺における風の方向及び速度を観測して探知することができる。環境情報取得部161は、ドップラーレーダ71で探知されたHAPS10の周辺における強風探知情報を、HAPSの管理装置である遠隔制御装置85を介して受信することにより取得することができる。なお、HAPS10がドップラーレーダ135を備えている場合は、そのドップラーレーダ135から、HAPS10の周辺に発生している突風等の強風探知情報を取得することができる。
【0079】
装置状態情報取得部162は、HAPS10自体の状態を示す装置状態情報を取得する。装置状態情報は、HAPS10自体の現在位置及び予め設定された設定飛行経路の情報を含む。また、装置状態情報は、HAPS10自体の対気速度、対地速度及び推進方向の少なくとも一つの情報を含んでもよい。HAPS10に設けられる装置状態情報の測定装置としては、加速度計、角速度計、磁気計(方位センサ)、絶対圧計、差圧計、GPS受信機、姿勢角センサなどの各種センサがあり、これらのセンサにより、HAPS10の現在位置(緯度、経度、高度)、対気速度、対地速度、推進方向などの情報を測定して取得することができる。
【0080】
飛行制御データベース163は、HAPS10の周辺に発生する突風等の強風の位置及び種類を含む環境情報と、突風等の強風の探知結果に基づいて決定した飛行制御情報と、装置状態情報との関係を示す関係データを記憶している。飛行制御データベース163は、飛行制御情報と環境情報と装置状態情報と制御後の実際の飛行制御結果情報(例えばHAPS10の位置及び姿勢、周辺の風速など)とに基づいて機械学習して前記関係データを更新する人工知能(AI)の機能も有している。機械学習は、例えば、制御前における突風等の強風の位置及び種類を含む環境情報や飛行パターンごとに、突風等の強風の影響が最も小さくなるように、前記関係データを修正するように行う。
【0081】
飛行パターン記憶部164は、HAPS10において選択可能な複数の飛行パターンが記憶されている。
【0082】
飛行制御情報決定部165は、飛行パターン記憶部164に記憶されている複数種類の飛行パターンから選択された飛行パターンについて、前記環境情報及び装置状態情報の最新取得データに基づいて飛行制御データベース163を参照し、突風などの強風の影響が最も小さくなる飛行制御情報(例えば、複数のプロペラ103それぞれの回転駆動の制御パラメータの値)を決定する。
【0083】
飛行制御部166は、飛行制御情報決定部165で決定された飛行制御情報に基づいて、HAPS10の各プロペラ103のモータ駆動部141に制御信号を送信し、各プロペラ103の回転を個別に制御する。この各プロペラ103の回転の個別制御により、飛行しているHAPS10の、進行方向、速度、姿勢(ロール角(バンク角)、ピッチ角、ヨー角)などを制御することができる。なお、HAPS10の飛行制御の方法としては、プロペラ103の回転の個別制御の代わりに又はプロペラ103の回転の個別制御に加えて、HAPS10に動翼(例えば、エルロン、ラダー、エレベータ等)を設け、その動翼を制御する方法を採用してもよい。
【0084】
飛行結果情報取得部167は、前記決定した飛行制御情報で飛行制御したときのHAPS10の飛行結果情報(例えば、HAPS10の位置及び姿勢、周辺の風速など)を取得する。この飛行結果情報は、例えばHAPS10に設けられたGPS受信機、ジャイロセンサ、風速計等の測定装置で測定され、前述の飛行制御データベース163での機械学習で用いられる。
【0085】
図11は実施形態に係るHAPS10の飛行制御の一例を示すフローチャートである。
図11の例は、
図10の飛行制御系に対応する自律制御型の飛行制御の例である。
図11において、HAPS10は、前述の複数種類の飛行パターンから一つの飛行パターンを選択し(S101)、HAPS10の周辺に発生した突風等の強風の探知結果を含む環境情報及び装置状態情報の最新情報を取得する(S102)。次に、HAPS10は、選択した飛行パターンについて、取得した環境情報及び装置状態情報に基づいて飛行制御データベースを参照し、探知した突風等の強風の影響を低減することができる飛行制御情報(例えば、複数のプロペラ103それぞれの回転駆動の制御パラメータの値)を決定し(S103)、その決定した飛行制御情報に基づいて飛行制御を実行する(S104)。次に、HAPS10は、飛行制御中又は飛行制御後に飛行結果情報(例えば、HAPS10の位置及び姿勢、周辺の風速など)を取得し(S105)、取得した飛行結果情報に基づいて前述の機械学習を行い(S106)、突風等の強風の位置や種類及び飛行パターンごとに、突風等の強風の影響を最も低減することができるように飛行制御データベースを更新する(S107)。
【0086】
図12は、実施形態に係るHAPS10及び遠隔制御装置85の飛行制御系の一構成例を示す機能ブロック図である。
図12の飛行制御系は、遠隔制御装置85が強風探知結果、環境情報及び装置状態情報に基づいて決定した飛行制御情報をHAPS10に送信して飛行制御させる遠隔制御型の飛行制御系の例である。なお、
図12において、
図10と同様な部分については同じ符号を付し、それらの説明は省略する。また、
図12のHAPS10における飛行制御部166は、前述のエッジコンピューティング部120で構成してもよい(
図8参照)。
【0087】
図12において、HAPS10の飛行制御系は、環境情報送信部168と装置状態情報送信部169と飛行制御情報受信部170と飛行結果情報送信部171とを更に備える。環境情報送信部168、装置状態情報送信部169及び飛行結果情報送信部171はそれぞれ、環境情報取得部161、装置状態情報取得部162及び飛行結果情報取得部167で取得した環境情報、装置状態情報及び飛行結果情報を遠隔制御装置85に送信する。飛行制御情報受信部170は、遠隔制御装置85で決定されて送信されてきた飛行制御情報を受信する。
【0088】
また、
図12において、遠隔制御装置85の飛行制御系は、環境情報受信部851と装置状態情報受信部852と飛行制御データベース853と飛行パターン選択部854と飛行制御情報決定部855と飛行制御情報送信部856と飛行結果情報受信部857と強風探知情報取得部858とを備える。図中の飛行制御データベース853、飛行パターン選択部854及び飛行制御情報決定部855は、
図10中のHAPS10における飛行制御データベース163、飛行パターン記憶部164及び飛行制御情報決定部165と同様な機能を有する。環境情報受信部851、装置状態情報受信部852及び飛行結果情報受信部857はそれぞれ、HAPS10で取得されて送信されてきた環境情報、装置状態情報及び飛行結果情報を受信する。また、飛行制御情報送信部856は、飛行制御情報決定部855で決定した飛行制御情報をHAPS10に送信する。
【0089】
飛行結果情報受信部857は、フィーダ局70に設置されたドップラーレーダ71で探知された突風等の強風探知情報を受信して取得する。環境情報受信部851は、強風探知情報以外の環境情報を、HAPS10から受信して取得する。
【0090】
図13は、実施形態に係るHAPSの飛行制御の他の例を示すシーケンス図である。
図13の例は、
図12の飛行制御系に対応する遠隔制御型の飛行制御の例である。
図13において、遠隔制御装置85は、前述のHAPS10で用いる複数種類の飛行パターンから一つの飛行パターンを選択する(S201)。フィーダ局70に設置されたドップラーレーダ71は、HAPS10の周辺に発生している突風などの強風を探知し(S202)、その強風探知情報を遠隔制御装置85に送信する(S203)。HAPS10は、強風探知情報以外の環境情報と装置状態情報の最新情報とを取得し(S204)、遠隔制御装置85に送信する(S205)。
【0091】
次に、遠隔制御装置85は、選択した飛行パターンについて、ドップラーレーダ71から受信した強風探知情報とHAPS10から受信した環境情報及び装置状態情報とに基づいて飛行制御データベースを参照し、その探知された強風の影響を低減することができる飛行制御情報(例えば、複数のプロペラ103それぞれの回転駆動の制御パラメータの値)を決定し(S206)、その決定した飛行制御情報をHAPS10に送信する(S207)。
【0092】
HAPS10は、遠隔制御装置85から受信した飛行制御情報に基づいて飛行制御を実行する(S208)。次に、HAPS10は、飛行制御中又は飛行制御後に飛行結果情報(例えば、HAPS10の位置及び姿勢、周辺の風速など)を取得し(S209)、取得した飛行結果情報を遠隔制御装置85に送信する(S210)。遠隔制御装置85は、HAPS10から受信した飛行結果情報に基づいて前述の機械学習を行い(S211)、突風等の強風の位置や種類及び飛行パターンごとに、突風等の強風の影響を最も低減することができるように飛行制御データベースを更新する(S212)。
【0093】
以上、本実施形態によれば、HAPS10の周辺に発生している突風等の強風を探知し、その探知結果に基づいての影響を低減するように飛行制御情報を決定し、その飛行制御情報に基づいてHAPS10の飛行を制御することにより、HAPS10の落下を防止することができる。
【0094】
なお、上記実施形態では、HAPS10の周辺に発生している突風等の強風をドップラーレーダで探知しているが、飛行制御データベースに格納されている情報とHAPS10における現在の環境情報及び装置状態情報とに基づいてHAPS10の周辺における突風等の強風の発生を予測し、その強風の影響を低減するようにHAPS10の飛行を制御してもよい。
【0095】
なお、本明細書で説明された処理工程並びにHAPS10,20等の通信中継装置の中継通信局、フィーダ局、遠隔制御装置、端末装置(ユーザ装置、移動局、通信端末)及び基地局における基地局装置の構成要素は、様々な手段によって実装することができる。例えば、これらの工程及び構成要素は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又は、それらの組み合わせで実装されてもよい。
【0096】
ハードウェア実装については、実体(例えば、中継通信局、フィーダ局、基地局装置、中継通信局装置、端末装置(ユーザ装置、移動局、通信端末)、遠隔制御装置、ハードディスクドライブ装置、又は、光ディスクドライブ装置)において前記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、1つ又は複数の、特定用途向けIC(ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本明細書で説明された機能を実行するようにデザインされた他の電子ユニット、コンピュータ、又は、それらの組み合わせの中に実装されてもよい。
【0097】
また、ファームウェア及び/又はソフトウェア実装については、前記構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、本明細書で説明された機能を実行するプログラム(例えば、プロシージャ、関数、モジュール、インストラクション、などのコード)で実装されてもよい。一般に、ファームウェア及び/又はソフトウェアのコードを明確に具体化する任意のコンピュータ/プロセッサ読み取り可能な媒体が、本明細書で説明された前記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段の実装に利用されてもよい。例えば、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば制御装置において、メモリに記憶され、コンピュータやプロセッサにより実行されてもよい。そのメモリは、コンピュータやプロセッサの内部に実装されてもよいし、又は、プロセッサの外部に実装されてもよい。また、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、FLASHメモリ、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、磁気又は光データ記憶装置、などのような、コンピュータやプロセッサで読み取り可能な媒体に記憶されてもよい。そのコードは、1又は複数のコンピュータやプロセッサにより実行されてもよく、また、コンピュータやプロセッサに、本明細書で説明された機能性のある態様を実行させてもよい。
【0098】
また、前記媒体は非一時的な記録媒体であってもよい。また、前記プログラムのコードは、コンピュータ、プロセッサ、又は他のデバイス若しくは装置機械で読み込んで実行可能であれよく、その形式は特定の形式に限定されない。例えば、前記プログラムのコードは、ソースコード、オブジェクトコード及びバイナリコードのいずれでもよく、また、それらのコードの2以上が混在したものであってもよい。
【0099】
また、本明細書で開示された実施形態の説明は、当業者が本開示を製造又は使用するのを可能にするために提供される。本開示に対するさまざまな修正は当業者には容易に明白になり、本明細書で定義される一般的原理は、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他のバリエーションに適用可能である。それゆえ、本開示は、本明細書で説明される例及びデザインに限定されるものではなく、本明細書で開示された原理及び新規な特徴に合致する最も広い範囲に認められるべきである。