特許第6689918号(P6689918)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6689918検査残り時間表示装置及び検査残り時間表示方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6689918
(24)【登録日】2020年4月10日
(45)【発行日】2020年4月28日
(54)【発明の名称】検査残り時間表示装置及び検査残り時間表示方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/40 20180101AFI20200421BHJP
   G01N 35/00 20060101ALI20200421BHJP
【FI】
   G16H10/40
   G01N35/00 A
【請求項の数】8
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2018-134455(P2018-134455)
(22)【出願日】2018年7月17日
(62)【分割の表示】特願2014-169874(P2014-169874)の分割
【原出願日】2014年8月22日
(65)【公開番号】特開2018-190440(P2018-190440A)
(43)【公開日】2018年11月29日
【審査請求日】2018年8月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】397054691
【氏名又は名称】株式会社アイディエス
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜飼 健
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 照明
【審査官】 山本 雅士
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−236962(JP,A)
【文献】 特開平08−114600(JP,A)
【文献】 特開2013−068441(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0081794(US,A1)
【文献】 実開昭62−029001(JP,U)
【文献】 特開2008−004060(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00 − 80/00
G06Q 10/00 − 99/00
G01N 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの検体容器にそれぞれ収容された同一の検体について、第1検査所要時間及び第2検査所要時間をそれぞれ有する、相異なる第1の検査項目及び第2の検査項目についての検査終了までの時間を表示する検査残り時間表示装置において、
前記検体の、第1の検査項目について検査を行う第1検査部を有する第1検査装置と、
前記第1検査装置において、前記検体が、検査が行われている第1検査状態、検査が終了した第1検査済状態のいずれであるかを検出する第1検出部と、
前記第1検査装置において、前記検体が前記第1検査状態である場合は、検査が開始されてからの経過時間と、前記第1検査所要時間に基づき、検査終了までの第1残り時間を算出する第1算出部と、
前記第1検査装置において、前記第1検査状態である場合は、前記第1残り時間を示す第1検査項目第2情報を出力し、前記第1検査済状態である場合は、前記第1検査済状態を示す第1検査項目第3情報を出力する第1出力部と、
前記検体の、第2の検査項目について検査を行う第2検査部を有する第2検査装置と、
前記第2検査装置において、前記検体が、検査が行われている第2検査状態、検査が終了した第2検査済状態のいずれであるかを検出する第2検出部と、
前記第2検査装置において、前記検体が前記第2検査状態である場合は、検査が開始されてからの経過時間と、前記第2検査所要時間に基づき、検査終了までの第2残り時間を算出する第2算出部と、
前記第2検査装置において、前記検体が、前記第2検査状態である場合は、前記第2残り時間を示す第2検査項目第2情報を出力し、前記第2検査済状態である場合は、前記第2検査済状態を示す第2検査項目第3情報を出力する第2出力部と、
前記第1出力部と前記第2出力部から出力された出力情報が、前記第1検査項目第2情報と前記第2検査項目第2情報である場合は、前記第1残り時間と前記第2残り時間の長い方の残り時間を示す情報を選択情報として選択し、前記第1検査項目第2情報と前記第2検査項目第3情報である場合は、前記第1検査項目第2情報を前記選択情報として選択し、前記第1検査項目第3情報と前記第2検査項目第2情報である場合は、前記第2検査項目第2情報を前記選択情報として選択し、前記第1検査項目第3情報と前記第2検査項目第3情報である場合は、前記第1検査項目第3情報と前記第2検査項目第3情報を前記選択情報として選択する選択部と、
前記選択部で選択された前記選択情報を表示する表示部とを備えることを特徴とする検査残り時間表示装置。
【請求項2】
2以上の所定数の検体容器にそれぞれ収容された同一の検体について、検査所要時間をそれぞれ有する、前記所定数の相異なる検査項目についての、検査終了までの時間を表示する検査残り時間表示装置において、
前記検体の検査を行う検査部をそれぞれ有し、前記所定数の前記検査項目の各々について検査を行う前記所定数の検査装置と、
前記検査装置のそれぞれに設けられ、前記検体が、検査が行われている検査状態、検査が終了した検査済状態のいずれであるかを検出する検出部と、
前記検査装置のそれぞれに設けられ、前記検体が前記検査状態である場合は、検査が開始されてからの経過時間と、前記検査所要時間に基づき、検査終了までの残り時間を算出する算出部と、
前記検査装置のそれぞれに設けられ、前記検体が、前記検査状態である場合は、前記残り時間を示す残り時間情報、及び、前記検査項目を示す項目情報を含む第2情報を出力し、前記検査済状態である場合は、前記検査済状態を示す検査済情報、及び、前記項目情報を含む第3情報を出力する出力部と、
前記出力部のそれぞれから出力された出力情報が、前記第2情報のみ、又は、前記第2情報と前記第3情報のみである場合は、それぞれの前記第2情報の前記残り時間情報の内、前記残り時間が最大である前記残り時間情報と、この最大である前記残り時間情報と共に出力された前記項目情報を選択情報として選択し、前記第3情報のみである場合は、前記検査済情報を前記選択情報として選択する選択部と、
前記選択部で選択された前記選択情報を表示する表示部とを備えることを特徴とする検査残り時間表示装置。
【請求項3】
検体容器にそれぞれ収容された検体についての、検査終了までの時間を表示する検査残り時間表示装置において、
前記検体の検査を行う検査部をそれぞれ有し、検査所要時間をそれぞれ要する2以上の所定数の検査項目の各々について検査を行う前記所定数の検査装置と、
前記所定数の相異なる検査項目の内、前記検体について行われる検査の検査項目を選択する項目選択部と、
前記検査装置のそれぞれに設けられ、前記検体が、検査が行われている検査状態、検査が終了した検査済状態のいずれであるか、及び、前記検体を特定する検体特定情報を検出する検出部と、
前記検査装置のそれぞれに設けられ、前記検体が前記検査状態である場合は、検査が開始されてからの経過時間と、前記検査所要時間に基づき、検査終了までの残り時間を算出する算出部と、
前記検査装置のそれぞれに設けられ、前記検体が、前記検査装置の検査項目を示す項目情報、及び、前記検体特定情報を含む第1情報を出力し、前記検査状態である場合は、前記残り時間を示す残り時間情報、前記項目情報、及び、前記検体特定情報を含む第2情報を出力し、前記検査済状態である場合は、前記検査済状態を示す検査済情報、前記項目情報、及び、前記検体特定情報を含む第3情報を出力する出力部と、
前記出力部のそれぞれから出力された、同一の前記検体特定情報を含む出力情報が、前記第1情報を含む場合は、前記検体特定情報を選択情報として選択し、前記第2情報のみ、又は、前記第2情報と前記第3情報のみである場合は、それぞれの前記第2情報の前記残り時間情報の内、前記残り時間が最大である前記残り時間情報、この最大である前記残り時間情報と共に出力された前記項目情報、及び、前記検体特定情報を前記選択情報として選択し、前記第3情報のみである場合は、前記検査済情報及び前記検体特定情報を前記選択情報として選択する選択部と、
前記選択部で選択された前記選択情報を表示する表示部とを備えることを特徴とする検査残り時間表示装置。
【請求項4】
2つの検体容器にそれぞれ収容された同一の検体について、第1検査所要時間及び第2検査所要時間をそれぞれ有する、相異なる第1の検査項目及び第2の検査項目についての、検査終了までの時間を表示する検査残り時間表示方法において、
第1検査装置により、前記第1の検査項目について、前記検体の検査を行う第1検査工程と、
第1検出部により、前記第1検査装置において、前記検体が、第1検査工程中である第1検査状態、前記第1の検査項目についての検査が終了した第1検査済状態のいずれであるかを検出する第1検出工程と、
第1算出部により、前記第1検査装置において、前記検体が前記第1検査状態である場合は、検査が開始されてからの経過時間と、前記第1検査所要時間に基づき、検査終了までの第1残り時間を算出する第1算出工程と、
第1出力部により、前記第1検査装置において、前記検体が、前記第1検査状態である場合は、前記第1残り時間を示す第1検査項目第2情報を出力し、前記第1検査済状態である場合は、前記第1検査済状態を示す第1検査項目第3情報を出力する第1出力工程と、
第2検査装置により、前記第2の検査項目について、前記検体の検査を行う第2検査工程と、
第2検出部により、前記第2検査装置において、前記検体が、第2検査工程中である第2検査状態、前記第2の検査項目についての検査が終了した第2検査済状態のいずれであるかを検出する第2検出工程と、
第2算出部により、前記第2検査装置において、前記第2検査状態である場合は、検査が開始されてからの経過時間と、前記第2検査所要時間に基づき、検査終了までの第2残り時間を算出する第2算出工程と、
第2出力部により、前記第2検査装置において、前記検体が、前記第2検査状態である場合は、前記第2残り時間を示す第2検査項目第2情報を出力し、前記第2検査済状態である場合は、前記第2検査済状態を示す第2検査項目第3情報を出力する第2出力工程と、
選択部により、前記第1出力工程と前記第2出力工程により出力された出力情報が、前記第1検査項目第2情報と前記第2検査項目第2情報である場合は、前記第1残り時間と前記第2残り時間の長い方の残り時間を示す情報を選択情報として選択し、前記第1検査項目第2情報と前記第2検査項目第3情報である場合は、前記第1検査項目第2情報を前記選択情報として選択し、前記第1検査項目第3情報と前記第2検査項目第2情報である場合は、前記第2検査項目第2情報を前記選択情報として選択し、前記第1検査項目第3情報と前記第2検査項目第3情報である場合は、前記第1検査項目第3情報と前記第2検査項目第3情報を前記選択情報として選択する選択工程と、
表示部により、前記選択工程で選択された前記選択情報を表示する表示工程とを備えることを特徴とする検査残り時間表示方法。
【請求項5】
2以上の所定数の検体容器にそれぞれ収容された同一の検体について、検査所要時間をそれぞれ有する、相異なる前記所定数の検査項目についての検査終了までの時間を表示する検査残り時間表示方法において、
前記所定数の検査装置により、前記検査項目のそれぞれについて前記検体の検査を行う検査工程と、
前記検査装置のそれぞれに設けられた検出部により、前記検査項目のそれぞれについて、前記検体が、前記検査工程中である検査状態、検査が終了した検査済状態のいずれであるか、及び、それぞれの前記検査項目を検出する検出工程と、
前記検査装置のそれぞれに設けられた算出部により、前記検査項目のそれぞれについて、前記検体が前記検査状態である場合は、検査が開始されてからの経過時間と、前記検査所要時間に基づき、検査終了までの残り時間を算出する算出工程と、
前記検査装置のそれぞれに設けられた出力部により、前記検査項目のそれぞれについて、前記検体が、前記検査状態である場合は、前記残り時間を示す残り時間情報、及び、前記検査項目を示す項目情報を含む第2情報を出力し、前記検査済状態である場合は、前記検査済状態を示す検査済情報、及び、前記項目情報を含む第3情報を出力する出力工程と、
選択部により、前記出力工程により、前記検査項目のそれぞれについて出力された出力情報が、前記第2情報のみ、又は、前記第2情報と前記第3情報のみである場合は、それぞれの前記第2情報の前記残り時間情報の内、前記残り時間が最大である前記残り時間情報と、この最大である前記残り時間情報と共に出力された前記項目情報を選択情報として選択し、前記第3情報のみである場合は、前記検査済情報を前記選択情報として選択する選択工程と、
表示部により、前記選択工程で選択された前記選択情報を表示する表示工程とを備えることを特徴とする検査残り時間表示方法。
【請求項6】
検査前の検体の検査を行う検査部を有し、検査所要時間をそれぞれ要する2以上の所定数の相異なる検査項目の各々について検査を行う前記所定数の検査装置の、検査終了までの時間を表示する検査残り時間表示方法において、
項目選択部により、前記所定数の検査項目の内、前記検体について行われる検査の前記検査項目を選択する項目選択工程と、
前記検査装置により、前記項目選択工程で選択された前記検査項目のそれぞれについて検査を行う検査工程と、
検出部により、前記項目選択工程で選択された前記検査項目のそれぞれについて、前記検体が、前記検査工程中である検査状態、検査が終了した検査済状態のいずれであるか、及び、前記検体を特定する検体特定情報を検出する検出工程と、
前記検査装置にそれぞれ設けられた算出部により、前記項目選択工程で選択された前記検査項目のそれぞれについて、前記検体が前記検査状態である場合は、検査が開始されてからの経過時間と、前記検査所要時間に基づき、検査終了までの残り時間を算出する算出工程と、
前記検査装置にそれぞれ設けられた出力部により、前記項目選択工程で選択された前記検査項目のそれぞれについて、前記検体が、前記検査状態である場合は、前記残り時間を示す残り時間情報、前記検査項目を示す項目情報を含む第2情報、及び、前記検体特定情報を出力し、前記検査済状態である場合は、前記検査済状態を示す検査済情報、前記項目情報、及び、前記検体特定情報を含む第3情報を出力する出力工程と、
選択部により、前記出力工程において出力された、同一の前記検体特定情報を含む出力情報が、前記第2情報のみ、又は、前記第2情報と前記第3情報のみである場合は、それぞれの前記第2情報の前記残り時間情報の内、前記残り時間が最大である前記残り時間情報と、この最大である前記残り時間情報と共に出力された前記項目情報を選択情報として選択し、前記第3情報のみである場合は、前記検査済情報を前記選択情報として選択する選択工程と、
表示部により、前記選択工程で選択された前記選択情報を表示する表示工程とを備えることを特徴とする検査残り時間表示方法。
【請求項7】
1つの検体容器中の検体について、第1の検査項目、前記第1の検査項目とは異なる第2の検査項目の順で行う検査の、検査終了までの時間を表示する検査残り時間表示装置において、
前記検体の、前記第1の検査項目について検査を行う第1検査装置と、
前記検体が前記第1検査装置に位置している事を検出する第1検出部と、
前記検体が前記第1検査装置に位置している場合は、前記検体が前記第1検査装置に位置している事を示す第1検査項目検査情報を出力する第1出力部と、
前記検体の、第2の検査項目について検査を行う検査部を有する第2検査装置と、
前記第2検査装置において、前記検体が、検査が行われている検査状態、検査が終了した検査済状態のいずれであるかを検出する第2検出部と、
前記第2検査装置において、前記検体が前記検査状態である場合は、検査が開始されてからの経過時間と、前記第2の検査項目の、検査開始から終了までの検査所要時間に基づき、検査終了までの検査残り時間を算出する算出部と、
前記第2検査装置において、前記検体が、前記検査状態である場合は、前記検査残り時間を示す第2検査項目第2情報を出力し、前記検査済状態である場合は、第2検査済状態を示す第2検査項目第3情報を出力する第2出力部と、
前記第1出力部と前記第2出力部から出力された出力情報が、前記第2検査項目第2情報である場合は、前記第2検査項目第2情報を選択情報として選択し、前記第2検査項目第3情報である場合は、前記第2検査項目第3情報を前記選択情報として選択する選択部と、
前記選択部で選択された前記選択情報を表示する表示部とを備えることを特徴とする検査残り時間表示装置。
【請求項8】
1つの検体容器中の検体について、第1の検査項目、前記第1の検査項目とは異なる第2の検査項目の順で行う検査の、検査終了までの時間を表示する検査残り時間表示方法において、
第1検査装置により、前記検体の、前記第1の検査項目について検査を行う第1検査工程と、
第1検出部により、前記検体が前記第1検査工程中である事を検出する第1検出工程と、
第1出力部により、前記検体が前記第1検査工程中である場合は、前記検体が前記第1検査工程中である事を示す第1検査項目検査情報を出力する第1出力工程と、
第2検査装置により、前記検体の、第2の検査項目について検査を行う第2検査工程と、
第2検出部により、前記第2検査装置において、前記検体が、前記第2検査工程中である第2検査状態、前記第2の検査項目についての検査が終了した検査済状態のいずれであるかを検出する第2検出工程と、
算出部により、前記第2検査状態である場合は、前記第2の検査項目の検査が開始されてからの経過時間と、前記第2の検査項目の、検査開始から終了までの検査所要時間に基づき、検査終了までの検査残り時間を算出する算出工程と、
第2出力部により、前記第2検査装置において、前記検体が、前記第2検査状態である場合は、前記検査残り時間を示す第2検査項目第2情報を出力し、前記検査済状態である場合は、前記検査済状態を示す第2検査項目第3情報を出力する第2出力工程と、
選択部により、前記第1出力工程と前記第2出力工程により出力された出力情報が、前記第2検査項目第2情報である場合は、前記第2検査項目第2情報を選択し、前記第2検査項目第3情報である場合は、前記第2検査項目第3情報を選択情報として選択する選択工程と、
表示部により、前記選択工程で選択された前記選択情報を表示する表示工程とを備えることを特徴とする検査残り時間表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者から採血した血液等の検体について行う検査における残り時間を表示する検査残り時間表示装置及び検査残り時間表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
病院等の医療機関において、患者から採血された血液(検体)について、生化学や免疫等、複数の検査項目の検査をそれぞれ行う検体処理装置が知られている。このような検体処理装置として、例えば、乳び・溶血状態を検出する検体処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。これらの検体処理装置により得られた検体の情報は医師に伝達され、この情報に基づき、患者の診療が行われる。
【0003】
ところで、患者は、採血から診療が行われるまでの間は、待合室等で待機するが、この際、患者から医師や看護師に対し、診療開始までの待ち時間(検査残り時間)が問い合わせられる場合がある。このような問い合わせに対応するための方法として、各患者の、過去の検査所要時間等に基づき、検査の残り時間を予測し、表示する検査残り時間表示装置が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−047589号公報
【特許文献2】特開2008−217389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した検査装置では、次のような問題があった。すなわち、患者から採取された血液は、必要な検査項目の検査装置に送られ、検査が行われるが、行われる検査項目により検査終了までの時間が異なるため、どの患者の検査が先に終了するかを予測することは困難である。
【0006】
更に、各検査装置で同時に収容し、検査が可能である検体容器の数には限りがあるため、検査装置に検体容器が搬送されても、検査待ちとなる場合がある。この場合、先に検査待ち状態にある検体の数や、検査中の検体の検査残り時間により、検査が終了するまでの時間が変化するため、検査終了までの時間を予測することは更に困難になる。
【0007】
そこで本発明は、複数の検査項目について検査をする際に、検体処理時間を正確に予測し、表示することが可能である検査残り時間表示装置及び検査残り時間表示方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明の検査残り時間表示装置及び検査残り時間表示方法は次のように構成されている。
【0009】
本発明は、2つの検体容器にそれぞれ収容された同一の検体について、第1検査所要時間及び第2検査所要時間をそれぞれ有する、相異なる第1の検査項目及び第2の検査項目についての検査終了までの時間を表示する検査残り時間表示装置において、前記検体の、第1の検査項目について検査を行う第1検査部を有する第1検査装置と、前記第1検査装置において、前記検体が、検査が行われている第1検査状態、検査が終了した第1検査済状態のいずれであるかを検出する第1検出部と、前記第1検査装置において、前記検体が前記第1検査状態である場合は、検査が開始されてからの経過時間と、前記第1検査所要時間に基づき、検査終了までの第1残り時間を算出する第1算出部と、前記第1検査装置において、前記第1検査状態である場合は、前記第1残り時間を示す第1検査項目第2情報を出力し、前記第1検査済状態である場合は、前記第1検査済状態を示す第1検査項目第3情報を出力する第1出力部と、前記検体の、第2の検査項目について検査を行う第2検査部を有する第2検査装置と、前記第2検査装置において、前記検体が、検査が行われている第2検査状態、検査が終了した第2検査済状態のいずれであるかを検出する第2検出部と、前記第2検査装置において、前記検体が前記第2検査状態である場合は、検査が開始されてからの経過時間と、前記第2検査所要時間に基づき、検査終了までの第2残り時間を算出する第2算出部と、前記第2検査装置において、前記検体が、前記第2検査状態である場合は、前記第2残り時間を示す第2検査項目第2情報を出力し、前記第2検査済状態である場合は、前記第2検査済状態を示す第2検査項目第3情報を出力する第2出力部と、前記第1出力部と前記第2出力部から出力された出力情報が、前記第1検査項目第2情報と前記第2検査項目第2情報である場合は、前記第1残り時間と前記第2残り時間の長い方の残り時間を示す情報を選択情報として選択し、前記第1検査項目第2情報と前記第2検査項目第3情報である場合は、前記第1検査項目第2情報を前記選択情報として選択し、前記第1検査項目第3情報と前記第2検査項目第2情報である場合は、前記第2検査項目第2情報を前記選択情報として選択し、前記第1検査項目第3情報と前記第2検査項目第3情報である場合は、前記第1検査項目第3情報と前記第2検査項目第3情報を前記選択情報として選択する選択部と、前記選択部で選択された前記選択情報を表示する表示部とを備える。
【0010】
本発明は、2以上の所定数の検体容器にそれぞれ収容された同一の検体について、検査所要時間をそれぞれ有する、前記所定数の相異なる検査項目についての、検査終了までの時間を表示する検査残り時間表示装置において、前記検体の検査を行う検査部をそれぞれ有し、前記所定数の前記検査項目の各々について検査を行う前記所定数の検査装置と、前記検査装置のそれぞれに設けられ、前記検体が、検査が行われている検査状態、検査が終了した検査済状態のいずれであるかを検出する検出部と、前記検査装置のそれぞれに設けられ、前記検体が前記検査状態である場合は、検査が開始されてからの経過時間と、前記検査所要時間に基づき、検査終了までの残り時間を算出する算出部と、前記検査装置のそれぞれに設けられ、前記検体が、前記検査状態である場合は、前記残り時間を示す残り時間情報、及び、前記検査項目を示す項目情報を含む第2情報を出力し、前記検査済状態である場合は、前記検査済状態を示す検査済情報、及び、前記項目情報を含む第3情報を出力する出力部と、前記出力部のそれぞれから出力された出力情報が、前記第2情報のみ、又は、前記第2情報と前記第3情報のみである場合は、それぞれの前記第2情報の前記残り時間情報の内、前記残り時間が最大である前記残り時間情報と、この最大である前記残り時間情報と共に出力された前記項目情報を選択情報として選択し、前記第3情報のみである場合は、前記検査済情報を前記選択情報として選択する選択部と、前記選択部で選択された前記選択情報を表示する表示部とを備える。
【0011】
本発明は、検体容器にそれぞれ収容された検体についての、検査終了までの時間を表示する検査残り時間表示装置において、前記検体の検査を行う検査部をそれぞれ有し、検査所要時間をそれぞれ要する2以上の所定数の検査項目の各々について検査を行う前記所定数の検査装置と、前記所定数の相異なる検査項目の内、前記検体について行われる検査の検査項目を選択する項目選択部と、前記検査装置のそれぞれに設けられ、前記検体が、検査が行われている検査状態、検査が終了した検査済状態のいずれであるか、及び、前記検体を特定する検体特定情報を検出する検出部と、前記検査装置のそれぞれに設けられ、前記検体が前記検査状態である場合は、検査が開始されてからの経過時間と、前記検査所要時間に基づき、検査終了までの残り時間を算出する算出部と、前記検査装置のそれぞれに設けられ、前記検体が、前記検査装置の検査項目を示す項目情報、及び、前記検体特定情報を含む第1情報を出力し、前記検査状態である場合は、前記残り時間を示す残り時間情報、前記項目情報、及び、前記検体特定情報を含む第2情報を出力し、前記検査済状態である場合は、前記検査済状態を示す検査済情報、前記項目情報、及び、前記検体特定情報を含む第3情報を出力する出力部と、前記出力部のそれぞれから出力された、同一の前記検体特定情報を含む出力情報が、前記第1情報を含む場合は、前記検体特定情報を選択情報として選択し、前記第2情報のみ、又は、前記第2情報と前記第3情報のみである場合は、それぞれの前記第2情報の前記残り時間情報の内、前記残り時間が最大である前記残り時間情報、この最大である前記残り時間情報と共に出力された前記項目情報、及び、前記検体特定情報を前記選択情報として選択し、前記第3情報のみである場合は、前記検査済情報及び前記検体特定情報を前記選択情報として選択する選択部と、前記選択部で選択された前記選択情報を表示する表示部とを備える。
【0012】
本発明は、1つの検体容器中の検体について、第1の検査項目、前記第1の検査項目とは異なる第2の検査項目の順で行う検査の、検査終了までの時間を表示する検査残り時間表示装置において、前記検体の、前記第1の検査項目について検査を行う第1検査装置と、前記検体が前記第1検査装置に位置している事を検出する第1検出部と、前記検体が前記第1検査装置に位置している場合は、前記検体が前記第1検査装置に位置している事を示す第1検査項目検査情報を出力する第1出力部と、前記検体の、第2の検査項目について検査を行う検査部を有する第2検査装置と、前記第2検査装置において、前記検体が、検査が行われている検査状態、検査が終了した検査済状態のいずれであるかを検出する第2検出部と、前記第2検査装置において、前記検体が前記検査状態である場合は、検査が開始されてからの経過時間と、前記第2の検査項目の、検査開始から終了までの検査所要時間に基づき、検査終了までの検査残り時間を算出する算出部と、前記第2検査装置において、前記検体が、前記検査状態である場合は、前記検査残り時間を示す第2検査項目第2情報を出力し、前記検査済状態である場合は、第2検査済状態を示す第2検査項目第3情報を出力する第2出力部と、前記第1出力部と前記第2出力部から出力された出力情報が、前記第2検査項目第2情報である場合は、前記第2検査項目第2情報を選択情報として選択し、前記第2検査項目第3情報である場合は、前記第2検査項目第3情報を前記選択情報として選択する選択部と、前記選択部で選択された前記選択情報を表示する表示部とを備える。
【0013】
本発明は、2つの検体容器にそれぞれ収容された同一の検体について、第1検査所要時間及び第2検査所要時間をそれぞれ有する、相異なる第1の検査項目及び第2の検査項目についての、検査終了までの時間を表示する検査残り時間表示方法において、第1検査装置により、前記第1の検査項目について、前記検体の検査を行う第1検査工程と、第1検出部により、前記第1検査装置において、前記検体が、第1検査工程中である第1検査状態、前記第1の検査項目についての検査が終了した第1検査済状態のいずれであるかを検出する第1検出工程と、第1算出部により、前記第1検査装置において、前記検体が前記第1検査状態である場合は、検査が開始されてからの経過時間と、前記第1検査所要時間に基づき、検査終了までの第1残り時間を算出する第1算出工程と、第1出力部により、前記第1検査装置において、前記検体が、前記第1検査状態である場合は、前記第1残り時間を示す第1検査項目第2情報を出力し、前記第1検査済状態である場合は、前記第1検査済状態を示す第1検査項目第3情報を出力する第1出力工程と、第2検査装置により、前記第2の検査項目について、前記検体の検査を行う第2検査工程と、第2検出部により、前記第2検査装置において、前記検体が、第2検査工程中である第2検査状態、前記第2の検査項目についての検査が終了した第2検査済状態のいずれであるかを検出する第2検出工程と、第2算出部により、前記第2検査装置において、前記第2検査状態である場合は、検査が開始されてからの経過時間と、前記第2検査所要時間に基づき、検査終了までの第2残り時間を算出する第2算出工程と、第2出力部により、前記第2検査装置において、前記検体が、前記第2検査状態である場合は、前記第2残り時間を示す第2検査項目第2情報を出力し、前記第2検査済状態である場合は、前記第2検査済状態を示す第2検査項目第3情報を出力する第2出力工程と、選択部により、前記第1出力工程と前記第2出力工程により出力された出力情報が、前記第1検査項目第2情報と前記第2検査項目第2情報である場合は、前記第1残り時間と前記第2残り時間の長い方の残り時間を示す情報を選択情報として選択し、前記第1検査項目第2情報と前記第2検査項目第3情報である場合は、前記第1検査項目第2情報を前記選択情報として選択し、前記第1検査項目第3情報と前記第2検査項目第2情報である場合は、前記第2検査項目第2情報を前記選択情報として選択し、前記第1検査項目第3情報と前記第2検査項目第3情報である場合は、前記第1検査項目第3情報と前記第2検査項目第3情報を前記選択情報として選択する選択工程と、表示部により、前記選択工程で選択された前記選択情報を表示する表示工程とを備える。
【0014】
本発明は、2以上の所定数の検体容器にそれぞれ収容された同一の検体について、検査所要時間をそれぞれ有する、相異なる前記所定数の検査項目についての検査終了までの時間を表示する検査残り時間表示方法において、前記所定数の検査装置により、前記検査項目のそれぞれについて前記検体の検査を行う検査工程と、前記検査装置のそれぞれに設けられた検出部により、前記検査項目のそれぞれについて、前記検体が、前記検査工程中である検査状態、検査が終了した検査済状態のいずれであるか、及び、それぞれの前記検査項目を検出する検出工程と、前記検査装置のそれぞれに設けられた算出部により、前記検査項目のそれぞれについて、前記検体が前記検査状態である場合は、検査が開始されてからの経過時間と、前記検査所要時間に基づき、検査終了までの残り時間を算出する算出工程と、前記検査装置のそれぞれに設けられた出力部により、前記検査項目のそれぞれについて、前記検体が、前記検査状態である場合は、前記残り時間を示す残り時間情報、及び、前記検査項目を示す項目情報を含む第2情報を出力し、前記検査済状態である場合は、前記検査済状態を示す検査済情報、及び、前記項目情報を含む第3情報を出力する出力工程と、選択部により、前記出力工程により、前記検査項目のそれぞれについて出力された出力情報が、前記第2情報のみ、又は、前記第2情報と前記第3情報のみである場合は、それぞれの前記第2情報の前記残り時間情報の内、前記残り時間が最大である前記残り時間情報と、この最大である前記残り時間情報と共に出力された前記項目情報を選択情報として選択し、前記第3情報のみである場合は、前記検査済情報を前記選択情報として選択する選択工程と、表示部により、前記選択工程で選択された前記選択情報を表示する表示工程とを備える。
【0015】
本発明は、検査前の検体の検査を行う検査部を有し、検査所要時間をそれぞれ要する2以上の所定数の相異なる検査項目の各々について検査を行う前記所定数の検査装置の、検査終了までの時間を表示する検査残り時間表示方法において、項目選択部により、前記所定数の検査項目の内、前記検体について行われる検査の前記検査項目を選択する項目選択工程と、前記検査装置により、前記項目選択工程で選択された前記検査項目のそれぞれについて検査を行う検査工程と、検出部により、前記項目選択工程で選択された前記検査項目のそれぞれについて、前記検体が、前記検査工程中である検査状態、検査が終了した検査済状態のいずれであるか、及び、前記検体を特定する検体特定情報を検出する検出工程と、前記検査装置にそれぞれ設けられた算出部により、前記項目選択工程で選択された前記検査項目のそれぞれについて、前記検体が前記検査状態である場合は、検査が開始されてからの経過時間と、前記検査所要時間に基づき、検査終了までの残り時間を算出する算出工程と、前記検査装置にそれぞれ設けられた出力部により、前記項目選択工程で選択された前記検査項目のそれぞれについて、前記検体が、前記検査状態である場合は、前記残り時間を示す残り時間情報、前記検査項目を示す項目情報を含む第2情報、及び、前記検体特定情報を出力し、前記検査済状態である場合は、前記検査済状態を示す検査済情報、前記項目情報、及び、前記検体特定情報を含む第3情報を出力する出力工程と、選択部により、前記出力工程において出力された、同一の前記検体特定情報を含む出力情報が、前記第2情報のみ、又は、前記第2情報と前記第3情報のみである場合は、それぞれの前記第2情報の前記残り時間情報の内、前記残り時間が最大である前記残り時間情報と、この最大である前記残り時間情報と共に出力された前記項目情報を選択情報として選択し、前記第3情報のみである場合は、前記検査済情報を前記選択情報として選択する選択工程と、表示部により、前記選択工程で選択された前記選択情報を表示する表示工程とを備える。
【0016】
本発明は、1つの検体容器中の検体について、第1の検査項目、前記第1の検査項目とは異なる第2の検査項目の順で行う検査の、検査終了までの時間を表示する検査残り時間表示方法において、第1検査装置により、前記検体の、前記第1の検査項目について検査を行う第1検査工程と、第1検出部により、前記検体が前記第1検査工程中である事を検出する第1検出工程と、第1出力部により、前記検体が前記第1検査工程中である場合は、前記検体が前記第1検査工程中である事を示す第1検査項目検査情報を出力する第1出力工程と、第2検査装置により、前記検体の、第2の検査項目について検査を行う第2検査工程と、第2検出部により、前記第2検査装置において、前記検体が、前記第2検査工程中である第2検査状態、前記第2の検査項目についての検査が終了した検査済状態のいずれであるかを検出する第2検出工程と、算出部により、前記第2検査状態である場合は、前記第2の検査項目の検査が開始されてからの経過時間と、前記第2の検査項目の、検査開始から終了までの検査所要時間に基づき、検査終了までの検査残り時間を算出する算出工程と、第2出力部により、前記第2検査装置において、前記検体が、前記第2検査状態である場合は、前記検査残り時間を示す第2検査項目第2情報を出力し、前記検査済状態である場合は、前記検査済状態を示す第2検査項目第3情報を出力する第2出力工程と、選択部により、前記第1出力工程と前記第2出力工程により出力された出力情報が、前記第2検査項目第2情報である場合は、前記第2検査項目第2情報を選択し、前記第2検査項目第3情報である場合は、前記第2検査項目第3情報を選択情報として選択する選択工程と、表示部により、前記選択工程で選択された前記選択情報を表示する表示工程とを備える。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、複数の検査項目について検査をする際に、検体処理時間を正確に予測し、表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施の形態に係る検査残り時間表示装置を備える医療機関を示す概略図。
図2】同検査残り時間表示装置の動作を示すフロー図。
図3】同検査残り時間表示装置の動作を示すフロー図。
図4】同検査残り時間表示装置の動作を示すフロー図。
図5】同検査残り時間表示装置の、第1ディスプレイの表示の例を示す説明図。
図6】同検査残り時間表示装置の、第1ディスプレイの表示の例を示す説明図。
図7】同検査残り時間表示装置の、第2ディスプレイの表示の例を示す説明図。
図8】同検査残り時間表示装置の、第2ディスプレイの表示の例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は本発明の一実施の形態に係る検査残り時間表示装置10を備える医療施設1を示す概略図、図2〜4は検査残り時間表示装置10の動作を示すフロー図、図5,6は第1ディスプレイ41の表示の例を示す説明図、図7,8は第2ディスプレイ51の表示の例を示す説明図である。
【0020】
医療施設1は、外来患者からの血液等の検体T1の採取、この検体T1の項目別の分析、及び、医師Wによる診療までが行われる。医療機関1は、検体T1の採取、分析が行われる分析室2と、医師Wによる診療が行われる診察室3を備えている。なお、分析室2には、分析技師Hが駐在している。この分析技師Hは、検体T1の検査結果に基づき、再検査の要否を判断する。なお、検体T1は、所定数の、試験管等の検体容器T2に分注される。各検体容器T2には、その中に収容された検体T1の患者の情報等を示す検体情報が記載されたラベルT3が添付されている。ここで、所定数とは、医師Wから指示された患者各々の検査項目の数を示している。検査項目は、例えば、生化学、免疫、血液、尿等である。また、ラベルT3に記載された情報は、例えばバーコードとして記載されている。
【0021】
医療機関1は、更に、分析室2から診察室3に渡って形成された検査残り時間表示装置10を備えている。
【0022】
検査残り時間表示装置10は、分析室2に設けられた4つの検査装置20(20A,20B,20C,20D)と、これらの検査装置20と接続された制御装置30と、この制御装置30と接続された第1PC(パーソナルコンピュータ)40及び第2PC(パーソナルコンピュータ)50とを備えている。検査装置20A,20B,20C,20Dはそれぞれ、生化学、免疫、血液、尿について、検査を行う機能を有している。
【0023】
検査装置20は、検体容器T2が導入される待機部21と、この待機部21に配置された検体容器T2が導入され、検査が行われる検査部22とを備えている。検査装置20は更に、検体容器T2を保持しつつ、待機部21と検査部22の相互間を移動可能な保持部23を備えている。
【0024】
各保持部23には、それぞれ検出部24が接続されている。この検出部24は、各保持部23に保持された検体容器T2の検体情報(検体特定情報)を検出する機能を有している。更に、この検出部24は、待機部21に位置する検体の状態を待機状態、検査部22にて検査中の検体を検査状態、検査が終了した検体を検査済状態として検出する機能を有している。
【0025】
制御装置30は、検査装置20A,20B,20C,20Dとそれぞれ接続された子制御部31A,31B,31C,31Dと、これら子制御部31A,31B,31C,31Dに接続されたデータベース34、親制御部(選択部)35とを備えている。なお、データベース34には、検査装置20A,20B,20C,20Dのそれぞれの検査部22の、検査の開始から終了までの検査所要時間が蓄積されている。
【0026】
子制御部31Aは、検査装置20Aの検査部22にて検査が行われている検体T1について、検査が終了するまでの検査残り時間を算出する算出部32と、検査装置20Aの、各検出部24から得られた情報を親制御部35に出力する出力部33とを備えている。
【0027】
子制御部31Aの算出部32は、検査装置20Aの検査部22に位置する検体T1について、検査が開始されてからの経過時間と、データベース34から得られた、検査装置20Aの検査部22における検査所要時間とに基づき、検査が終了するまでの検査残り時間を算出する機能を有している。
【0028】
子制御部31Aの出力部33は、検査装置20A内の各検体T1について、待機状態である場合は第1情報を出力し、検査状態である場合は第2情報を出力し、検査済状態である場合は第3情報を出力する機能を有している。なお、第1情報は、待機状態を示す待機情報、検査装置20Aの検査項目を示す項目情報、及び、各検体の検体情報を示している。第2情報は、検査残り時間を示す残り時間情報、項目情報、及び、検体情報を示している。第3情報は、検査済を示す検査済情報、項目情報、及び、検体情報を示している。すなわち、例えば患者Aの検体T1が、検査装置20Aの待機部21に位置する場合、出力部33からは、「待機中(待機情報)、生化学(項目情報)、患者A(検体情報)」を含む第1情報が出力される。
【0029】
子制御部31B,31C,31Dは、上述した子制御部31Aと同様の機能を有している。すなわち、子制御部31B,31C,31Dは、それぞれ、検査装置20B,20C,20D内の各検体T1について、検査残り時間の算出、及び、第1情報、第2情報、第3情報の出力を行う機能を有している。
【0030】
親制御部35は、検査装置20A,20B,20C,20Dのそれぞれと、子制御部31A,31B,31C,31Dを介して接続されている。子制御部31A,31B,31C,31Dのそれぞれの出力部33からは、検査装置20A,20B,20C,20Dのそれぞれから得られた、患者毎、項目毎の情報が出力される。親制御部35は、各出力部33から出力された情報を、患者毎にソートし、以下に説明する条件の下で、各患者の情報の中から所定の情報を選択する機能を有している。
【0031】
すなわち、1人の患者についての、各出力部33から出力された複数の情報の中に、第1情報が含まれている場合は、待機情報と、それぞれの第1情報に含まれる項目情報を選択する。各出力部33から出力された複数の情報が、第2情報のみ、もしくは、第2情報と第3情報のみである場合は、それぞれの第2情報に含まれる残り時間情報の内、最大の残り時間と、この最大の残り時間情報と共に出力された項目情報を選択する。各出力部33から出力された複数の情報が、第3情報のみである場合は、検査済情報を選択する。
【0032】
第1PC40は、分析室2に設けられている。第1PC40は、制御装置30と接続されており、検査装置20A,20B,20C,20Dの検査状況を表示する第1ディスプレイ41を備えている。この第1ディスプレイ41は、例えば図5に示すように、検体情報を表示する検体情報表示部42、検体T1の、患者毎の採取時間(採血時間)を示す採取時間表示部43、各検体T1の検査状況を示す検査状況表示部44とを備えている。
【0033】
第2PC50は、図1に示すように、診察室3に設けられ、制御装置30に、患者各々の検査項目を指示する指示部52と、制御装置30から出力された情報を表示する第2ディスプレイ(表示部)51とを備えている。
【0034】
第2ディスプレイ51は、制御装置30と接続されている。第2ディスプレイ51は、図7に示すように、検体情報を示す検体情報表示部53、患者毎に、親制御部35で選択された情報を表示する選択情報表示部54、検体T1の、患者毎の採取時間(採血時間)を示す採取時間表示部55、各検体T1の、検査項目毎の検査状況を示す検査状況表示部56とを備えている。なお、第2ディスプレイ51の選択情報表示部54は、患者毎に、親制御部35で選択された情報が、第1情報であれば、待機情報を、第2情報であれば、残り時間情報を、第3情報であれば、検査済情報を表示する機能を有している。
【0035】
第2ディスプレイ51の選択情報表示部54は、残り時間が0、すなわち、承認待ちを示す表示をする場合は、「!」が表示される。残り時間を表示する場合は、5分単位の表示がされる。例えば、親制御部35により残り時間12分と選択された場合、選択情報表示部では「15分」と表示される。また、選択された情報が30分以上の残り時間である場合、及び、検査待ちである場合は、「混雑中」が表示される。
【0036】
上述したように構成された検査残り時間表示装置10を備える医療機関1では、以下に説明する手順で、患者からの検体の採取から、医師Wによる診療までが行われる。
【0037】
図2は、医療機関1に患者が到着してから、医師Wによる診療が始まるまでの概略を示すフロー図である。この図2の説明では、患者Aが医療機関1を訪問した場合を例として説明する。
【0038】
医療機関1に患者Aが到着すると、この患者Aの過去のカルテ等に基づき、医師Wにより、患者Aに必要な検査項目の判断がなされる。この検査項目は、例えば、生化学、免疫、及び、血液である。図2中ステップSA1は、医師Wが、患者Aについて必要と判断した検査項目について、指示部52を通し、分析室2側に指示する工程を示している。
【0039】
分析室2側に、検査項目の指示が届くと、ステップSA2、ステップSA3に記載のように、採血室Aに患者が到着した後、検査項目の数だけの検体容器に、氏名等の患者Aを特定する情報(検体情報)が表示されたラベルT3が添付される。この後、ステップSA4に示すように各検体容器T2に検体T1が封入される。
【0040】
この後に、コンベア装置、又は、看護師等の手により、ステップSA5に示すように、指示がされた各検査項目の検査を行う検査装置20に、検体容器T2が搬送される。
【0041】
検査装置20の各々に検体容器T2が搬送されると、ステップSA6に示すように、検査残り時間の予測、及び、表示が開始される。
【0042】
ステップSA7に示すように、ステップSA1において指示された全ての検査項目についての検査が終了すると、ステップSA8に示すように、検査結果と共に、検査が終了した旨の通知が医師W側に送信される。検査結果を確認した医師Wは、ステップSA9に示すように、患者Aを診療室3に呼び、検査結果に基づき、診療を行う。
【0043】
次に、図2中ステップSA6の工程における、検査装置20、及び、子制御部31の動作ついて、図3を参照しつつ説明する。
【0044】
検査装置20に搬送された検体容器T2は、ステップSB1に示すように、待機部21に配置される。検体容器T2が待機部21に位置する状態では、検出部24により、検体容器T2について、待機状態である事が検出される。この後、ステップSB2に示すように、検体T1について、出力部33により、検査待ち情報を含む第1情報が出力される。
【0045】
この後、検査装置20において、検査可能、すなわち、検査部22に空きがある状態になると、ステップSB3において検査開始可能と判断される。この後、検体容器T2が、待機部21から検査部22に移動した後、ステップSB4に示されるように、検査が開始される。
【0046】
ステップSB3において、検査部22に空きが無く、検査開始不可と判断されると、ステップSB2の前に戻り、第1情報が出力される。
【0047】
ステップSB4において、検査が開始されると、ステップSB5に示すように、算出部32において検査残り時間の算出がされる。この後、算出された残り時間は、ステップSB6に示すように、出力部33から第2情報として出力される。
【0048】
この後、ステップSB7に示すように、検査済か検査中かの判断がされる。ステップSB7において、検査中と判断されれば、ステップSB4の前に戻り、再び残り時間の算出(ステップSB5)及び第2情報の出力(ステップSB6)がされる。すなわち、検査済となるまでは、残り時間の算出と出力が繰り返し行われる。
【0049】
ステップSB7において、検査済と判断されると、検査結果が第1PC40に送られ、ステップSB8に示すように、分析技師Hにより、再検査の要否が判断される。
【0050】
ステップSB8において、再検査が必要であると判断されれば、ステップSB4の前に戻り、再検査が開始される。
【0051】
ステップSB8において、再検査が不要であると判断されれば、検査済を示す検査済情報を含む第3情報が出力部33から出力される。
【0052】
次に、図2中ステップSA6の工程における、親制御部35の、各患者の検体T1に関する動作について、図4を参照しつつ説明する。
【0053】
ステップSC1に示すように、検査装置20A,20B,20C,20Dのそれぞれに接続された子制御部31A,31B,31C,31Dから、各検体T1についての情報が出力される。この情報について、ステップSC2に示すように、第1情報が含まれるか否かの判断がされる。第1情報が含まれる場合は、ステップSC3に示すように、第1情報を選択し、ステップSC4に示すように、第1情報を出力し、ステップSC1の前に戻る。
【0054】
子制御部31A,31B,31C,31Dから出力された情報の中に、第1情報が含まれていない場合は、ステップSC5に示すように、子制御部31A,31B,31C,31Dから出力された情報が第3情報のみであるか否かの判断がされる。
【0055】
ステップSC5において、第3情報のみではないと判断された場合、すなわち、第2情報が含まれる場合は、ステップSC6に示すように、これらの第2情報の残り時間が比較される。この後、ステップSC7に示すように、残り時間の最大値を含む第2情報が選択され、ステップSC8に示すように、残り時間の最大値を含む第2情報が出力される。この後、上述したステップSC1の前に戻る。
【0056】
ステップSC5において、第3情報のみであるとの判断がされれば、ステップSC9に示すように、第3情報が選択され、ステップSC10に示すように、第3情報が出力される。このステップSC10が行われると、親制御部35の、各患者の検体T1についての動作が終了する。
【0057】
上述した図2〜4のフロー図の動作が行われると、第1ディスプレイ41の表示は例えば図5、6に示す表示となる。なお、図6は、第1情報が出力された患者を強調して表示する例である。
【0058】
また、第2ディスプレイ51の表示は、例えば図7、8に示す表示となる。なお、図8は、第1情報が出力された患者についての残り時間を、例えば「>30分」として表示する例である。更に、第2ディスプレイ51の表示は、検査残り時間が少ない患者から順番に、並び替えがされている。
【0059】
図5〜8の表示は、患者A,B,C,D,E,F,Gが、医療機関1を訪問した場合を例として示している。なお、患者A,B,C,D,E,F,Gのそれぞれの、検体の採取時間(採血時間)は、15:00,15:15,15:30,15:45,16:00,16:15,16:30となっているが、各患者の検体の検査は、ラベルの印刷等の準備が完了した後に開始される。
【0060】
以下に、患者B,D,E,Fについて、制御装置30の動作と、第2ディスプレイ51の表示について説明する。
【0061】
患者Bの表示は、第1ディスプレイ41では、図7に示すように、生化学の検査については採血済、すなわち、検査待である。血液の検査については測定中であり、残り時間は5分である。尿の検査については、検体が未到着であることを示している。
【0062】
この場合、子制御部31Aからは、第1情報として「検査待ち(待機情報)、生化学(項目情報)、患者B(検体情報)」が出力される。子制御部31Cからは、「5分(残り時間情報)、血液(項目情報)、患者B(検体情報)」が出力される。
【0063】
親制御部35は、子制御部31Aから出力された第1情報を選択し、第2ディスプレイ51に表示する。選択情報表示部54の表示は、図7に示すように、待機情報を示す「混雑中」となる。
【0064】
なお、患者Bの検査項目「尿」については、医師Wから検査の指示がされた後、検査装置20Dに検体T1が未到着との表示がされている。このような、検体未到着が含まれる場合も、選択情報表示部には「混雑中」が表示される。
【0065】
患者Dの表示は、第1ディスプレイ41では、図7に示すように、生化学の検査については測定中であり、残り時間は15分である。血液の検査については測定中であり、残り時間は10分である。尿の検査については承認待ちである。
【0066】
この場合、子制御部31Aからは、第2情報として「10分(残り時間情報)、生化学(項目情報)、患者D(検体情報)」が出力される。子制御部31Bからは、「18分(残り時間情報)、免疫(項目情報)、患者D(検体情報)」が出力される。子制御部31Dからは、第2情報として「0分(残り時間情報)、尿(項目情報)、患者D(検体情報)」が出力される。
【0067】
親制御部35は、子制御部31Aから出力された第2情報、子制御部31Bから出力された第2情報、及び、子制御部31Dから出力された第2情報を比較し、残り時間の長いもの、すなわち子制御部31Bから出力された第2情報を選択し、第2ディスプレイ51に表示する。なお、この場合は、残り時間18分となるが、第2ディスプレイ51の選択情報表示部54は、5分ごとの表示であるため、「20分」と表示される。
【0068】
患者Eの表示は、第1ディスプレイ41では、図7に示すように、生化学の検査については承認済、すなわち、検査済である。免疫の検査については測定中(再検査中)であり、残り時間は40分である。
【0069】
この場合、子制御部31Aからは、第3情報として「検査済(検査済情報)、生化学(項目情報)、患者E(検体情報)」が出力される。子制御部31Bからは、第2情報として「40分(残り時間情報)、免疫(項目情報)、患者E(検体情報)」が出力される。
【0070】
親制御部35は、子制御部31Bから出力された第2情報を選択し、第2ディスプレイ51に表示する。なお、この場合は、残り時間40分となるが、第2ディスプレイ51では、30分を超える残り時間の場合は「混雑中」が表示される設定となっているため、「混雑中」が表示される。
【0071】
患者Fの表示は、第1ディスプレイ41では、図7に示すように、生化学の検査については承認待ち(検査中)、血液の検査については承認待ち(検査中)、尿の検査については承認済(検査済)となる。
【0072】
この場合、子制御部31Aからは、第2情報として「0分(残り時間情報)、生化学(項目情報)、患者F(検体情報)」が出力される。子制御部31Cからは第2情報として「0分(残り時間情報)、血液(項目情報)、患者F(検体情報)」が出力される。子制御部31Dからは、第3情報として「検査済(検査済情報)、尿(項目情報)、患者F(検体情報)」が出力される。
【0073】
親制御部35は、子制御部31A、子制御部31Cから出力された第2情報を選択し、第2ディスプレイ51に表示する。なお、この場合は、残り時間0分となるが、第2ディスプレイ51では、承認待ちの場合は「!」を表示する設定となっているため、「!」が表示される。
【0074】
上述したように、本実施の形態にかかる検査残り時間表示装置10によれば、各検査項目の検査所要時間から、残り時間を算出し、各残り時間を比較する構成としている。このため、複数の検査項目の検査を行う場合であっても、全ての検査が終了するまでの残り時間を表示する事が可能である。
【0075】
また、検査残り時間表示装置10では、検査開始時間や、検体T1の採取時間に関わらず、各患者別の検査項目に応じて検査時間を表示する構成としている。このため、混雑が発生している検査装置20の検査項目の検査を要する患者については、検査の残り時間が長くなるが、混雑が発生していない検査装置20の検査項目の検査を要する患者については、検査の残り時間が短くなる。したがって、複数の患者の検体T1について検査をする場合であっても、どの患者の検体T1の検査が先に完了するかを、正確に表示することが可能である。
【0076】
また、検査装置20のいずれかにおいて、検査待ちが発生している場合であっても、検査待ちを示す第1情報を選択し、表示する構成としている。このため、医師Wや看護師は、診療までの時間が長くなることを認識することができ、患者からの問い合わせに対しても、正確に対応することが可能となる。
【0077】
なお、上述した検査残り時間表示装置10では、親制御部35により選択された情報を表示する構成として、第2PC50の第2ディスプレイ51を用いている。しかしながら、この構成はPCに限られず、親制御部35により選択された情報を表示する機能を有していれば、他の構成を用いることも可能である。
【0078】
また、上述した検査残り時間表示装置10では、各検査装置20のそれぞれに、検体T1が収容された検体容器T2が用意される構成となっているが、1つの検体容器T2内の検体T1について、複数の検査装置20で検査を行なう構成とすることも可能である。
【0079】
例えば検査装置20Aにて検査がされた患者Aの検体容器T2について、検査装置20Bで検査を行なう構成とすることも可能である。この場合、患者Aの、検査装置20Bの検査項目である免疫については、検査装置20Aに検体容器が位置している状態から、検査装置20Bの待機部21に位置している状態までが検査待ちと判断され、「混雑中」との表示がされる。
【0080】
このような構成であっても、検査残り時間表示装置10は、各検査装置20の混雑状況や、各患者の検査終了までの残り時間を正確に表示することが可能である。
【0081】
なお、上述した例では、複数の検査項目の全ての検査を医療施設1で行なう場合について説明したが、検査項目の中の一部が、医療施設1では検査が行なわれず、他の施設で検査を行なう場合がある。この場合、他の施設で検査される検査項目の検査に要する時間は、検体の移送も含め、検体の採取から移送まで1日以上を要することがある。このため、複数の検査項目の中の一部について、他の施設で検査を行なう場合は、医師Wの判断により、他の施設で行なう検査項目については、検査終了までの残り時間算出の適用対象から除外される。
【0082】
また、医療施設1で行なう検査項目であっても、検査装置の不調や、試薬の不足により、通常よりも検査に時間を要する場合がある。このような場合にも、医師W、分析技師Hの判断により、不調となった検査装置や、試薬が不足している検査装置の検査項目については、検査終了までの残り時間算出の適用対象から外される。
【0083】
上述したように、本発明によれば、複数の検査項目について検査をする際に、検体処理時間を正確に予測し、表示することが可能である。
【0084】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述した例では、検査項目が4つの場合について説明したが、検査項目が2つの場合や、5つ以上の場合についても同様に適用できるのは勿論である。この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能であるのは勿論である。
【符号の説明】
【0085】
1…医療施設、2…分析室、3…診察室、10…検査残り時間表示装置、20,20A,20B,20C,20D…検査装置、21…待機部、22…検査部、23…保持部、24…検出部、30…制御装置、31,31A,31B,31C,31D…子制御部、32…算出部、33…出力部、34…データベース、35…親制御部、40…第1PC、41…第1ディスプレイ、50…第2PC、51…第2ディスプレイ、52…指示部、53…検体情報表示部、54…選択情報表示部、55…採取時間表示部、56…検査状況表示部、A,B,C,D,E,F,G…患者、H…分析技師、W…医師、T1…検体、T2…検体容器、T3…ラベル。
図1
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図8