(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6689963
(24)【登録日】2020年4月10日
(45)【発行日】2020年4月28日
(54)【発明の名称】二相を含むカプセル及び前記カプセルを得る方法
(51)【国際特許分類】
A23L 5/00 20160101AFI20200421BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20200421BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20200421BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20200421BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20200421BHJP
A61K 47/44 20170101ALI20200421BHJP
A61K 8/11 20060101ALI20200421BHJP
A61K 8/73 20060101ALI20200421BHJP
A61K 8/19 20060101ALI20200421BHJP
A61K 8/365 20060101ALI20200421BHJP
A61K 8/60 20060101ALI20200421BHJP
A61K 8/92 20060101ALI20200421BHJP
【FI】
A23L5/00 C
A61K9/48
A61K47/36
A61K47/02
A61K47/12
A61K47/44
A61K8/11
A61K8/73
A61K8/19
A61K8/365
A61K8/60
A61K8/92
【請求項の数】12
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2018-513915(P2018-513915)
(86)(22)【出願日】2016年3月14日
(65)【公表番号】特表2018-516598(P2018-516598A)
(43)【公表日】2018年6月28日
(86)【国際出願番号】ES2016070160
(87)【国際公開番号】WO2016189171
(87)【国際公開日】20161201
【審査請求日】2018年7月19日
(31)【優先権主張番号】P201530738
(32)【優先日】2015年5月27日
(33)【優先権主張国】ES
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517413373
【氏名又は名称】カヴィアローリ・エセ・エレ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ラモン・ラモン・レアル
(72)【発明者】
【氏名】ラモン・マリア・ラモン・フェレス
【審査官】
松田 芳子
(56)【参考文献】
【文献】
特表2005−526819(JP,A)
【文献】
特開昭61−021070(JP,A)
【文献】
英国特許出願公開第02480361(GB,A)
【文献】
特表2005−525093(JP,A)
【文献】
Microencapsulation in the Food Industry: A Practical Implementation Guide, 2014, p.99-110
【文献】
my last bite… [online],"Reverse Spherification"-Adventures in Molecular Cooking[2],公開日:2008年12月22日, [検索日:2019年6月10日],<https://mylastbite.wordpress.com/2008/12/22/adventures-in-molecular-cooking-2/>
【文献】
Material Safety Data Sheet: Protanal LF 10/60 Sodium Alginate[online], FMC BioPolymer, 公開日:2013年1月4日, [検索日:2019年6月10日],< http://msdsviewer.fmc.com/private/document.aspx?prd=2210500-B~~PDF~~MTR~~BPNA~~EN~~1/1/0001%2012:00:00%20AM~~PROTANAL%20LF10/60~~>
【文献】
PRODUCT SPECIFICATION BULLETIN: Protanal LFR 5/60 NF Sodium Alginate[online], FMC BioPolymer, 公開日:2013年3月21日, [検索日:2019年6月10日],< http://www.signetchem.com/Content/Upload/99b6jyProtanalLFR560Specification.pdf>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 5/00
A61K 8/11
A61K 8/19
A61K 8/365
A61K 8/60
A61K 8/73
A61K 8/92
A61K 9/48
A61K 47/02
A61K 47/12
A61K 47/36
A61K 47/44
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
AGRICOLA(STN)
BIOSIS(STN)
BIOTECHNO(STN)
CAplus(STN)
SCISEARCH(STN)
TOXCENTER(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
その外側部分がアルギン酸カルシウムのフィルムによって形成される二相球状カプセルの製造方法であって、前記カプセルが、その内部に、二つの相互に非混和性の相、すなわち水性相及び疎水性相を形成する二つの液体物質を含み、前記方法が、以下の工程:
a)非カルシウムアルギン酸塩水溶液の調製であって、アルギン酸塩の濃度が、前記溶液の0.05質量%から5質量%の範囲内である、調製;
b)カプセル封入しようとする前記二つの物質を形成する物質の調製であって、前記物質の一方、すなわち前記水性相が、カルシウムイオン源又はマグネシウムイオン源を含む、調製;
c)カプセル封入しようとする前記二つの相を形成する物質の、二つの同心管を通した適用であって、前記カルシウムイオン源又はマグネシウムイオン源を含む物質を、外部管を通して適用することを要する、適用;
d)工程(c)で形成される液滴の、工程(a)で調製される前記非カルシウムアルギン酸塩水溶液への導入であって、前記液滴の外部層が反応して両方の相を含む少なくとも一つのカプセルを形成する、導入;
e)工程(d)で形成されるカプセルの洗浄、水切り、及び充填;
を含み、
得られるカプセルが、同心の形状を有しない、方法。
【請求項2】
前記カルシウムイオン源を含む前記水性相が、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、又はこれらの混合物の溶液から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記カルシウムイオン源が、塩化カルシウムであることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
使用される前記アルギン酸塩が、アルギン酸ナトリウムであることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記非カルシウムアルギン酸塩の濃度が、前記非カルシウムアルギン酸塩水溶液に対して0.05質量%から5質量%の範囲内であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記非カルシウムアルギン酸塩水溶液のpHが、2から14の間であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記カプセルの直径が、5mm以上且つ16mm以下であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法によって得られる球状カプセル。
【請求項8】
前記水性相が、増粘剤を含み、前記カプセルの直径が、16mm超且つ50mm以下であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法によって得られる球状カプセル。
【請求項9】
前記水性相が、増粘剤を含み、前記カプセルの直径が、20mmから50mmの範囲内であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法によって得られる球状カプセル。
【請求項10】
前記水性相が、増粘剤を含み、前記カプセルの直径が、25mmから50mmの範囲内であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法によって得られる球状カプセル。
【請求項11】
前記水性相が、増粘剤を含み、前記カプセルの直径が、30mmから50mmの範囲内であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法によって得られる球状カプセル。
【請求項12】
前記二つの相互に非混和性の相を形成する物質が、酢-油、醤油-胡麻油、マスタード-オリーブ油、はちみつ-オリーブ油、又はコーヒー-チョコレートであることを特徴とする、請求項7から11のいずれか一項に記載の球状カプセル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二つの相互に非混和性または部分的に混和性の相、例えば、水性相および疎水性相、または液相および固体相を含む、アルギン酸カルシウムフィルムで被覆されたカプセルに関する。さらに、本発明はまた、前記二相をカプセル封入し、形成されたカプセル内で安定に保持できる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の発明者は、二つの相互に非混和性または部分的に混和性の相をその内部に有する、アルギン酸カルシウムで被覆されたカプセルの存在を認識していない。
【0003】
本発明の二相カプセルは、「球状化」として通常知られている方法で、直接または逆の球状化のいずれかによって得られる。
【0004】
工業規模の直接球状化では、例えば、カプセル封入しようとする物質および非カルシウムアルギン酸塩は、カプセル封入しようとする物質の液滴が非カルシウムアルギン酸塩溶液のフィルムに覆われて形成されるような流量の二つの同心管を通してポンプ輸送され、前記非カルシウムアルギン酸塩溶液はゲル化剤として作用する。アルギン酸塩をカプセル封入しようとする物質と混合することもまた可能である。前記液滴は、カルシウムイオン源を含む液槽中に落下し、カプセル封入しようとする材料を含むゲルの層が形成される。前記フィルムは、外側はほぼ瞬間的に形成され、半固体及びゲル状である一方で、カプセル封入された物質を、カルシウムイオンが移動可能ならば固体形態で、カルシウムイオンが移動不可能ならば液体形態で、内部に保持する。
【0005】
工業的球状化法は、例えば、特許出願PCT国際公開第2009/109681(A1)号パンフレットに記載されており、ここでは、食品、例えば果肉がカプセル封入されており、カプセル封入のための前記食品は、常に水性ベースであり、換言すれば、カプセル封入しようとする物質は親水性である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】PCT国際公開2009/109681(A1)号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、逆球状化においては、カプセル封入しようとする物質を、カルシウムイオン源またはマグネシウムイオン源、例えば塩化カルシウムまたは別のカルシウム塩と混合する。次に、カプセル封入しようとする物質とカルシウムイオンまたはマグネシウムイオンとの前記混合物を用いて液滴または他の形状が形成し、例えばアルギン酸ナトリウムなどの非カルシウムアルギン酸塩を含有する溶液に導入する。カルシウムイオンを含んで形成された液滴を、アルギン酸塩を含有する溶液と接触させると、半固形のアルギン酸カルシウムゲル状フィルムがほぼ即座に形成され、カプセル封入しようとする物質がその中に保持される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
徹底的な研究の結果、本発明の発明者は、二つの相互に非混和性または部分的に混和性の相を形成する二つの物質を含むカプセルであって、驚くべきことに球形であり、さらに、 前記カプセルの直径が、その球形度に影響を与えることなく上限50mm、好ましくは5mmから50mmの範囲内、より好ましくは10mmから50mmの範囲内、さらにより好ましくは15mmから50mm、20mmから50mm、25mmから50mm、最も好ましくは30mmから50mmの範囲内であるカプセルを、工業的規模で得られる球状化方法を開発した。
【0009】
本発明による方法は、カプセル封入しようとする二相の液滴を形成する二つの同心管とゲル化溶液との使用に基づいており、外部管から適用される物質は、カルシウムイオン源またはマグネシウムイオン源を含んでいることを要する。二相カプセルの製造は、いくつかの変更を伴って逆球状化として知られている方法を用いて行われる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
したがって、本発明は、二相物質のカプセルの製造方法であって、以下の工程:
a)アルギン酸塩の濃度が、溶液の0.05質量%から5質量%の範囲内である、非カルシウムアルギン酸塩水溶液の調製;
b)カプセル封入しようとする二つの相を形成する物質の調製であって、前記物質の一方がカルシウムイオン源またはマグネシウムイオン源を含む調製;
c)カプセル封入しようとする二つの相を形成する物質の、同心管からの適用であって、カルシウムイオン源またはマグネシウムイオン源を含む物質を、外部管から適用することを要する適用;
d)液滴もしくは工程(c)で形成された液滴の、アルギン酸塩を含む水溶液への導入であって、液滴の外部層が反応して両方の相を含む少なくとも一つの球を形成する導入;
e)工程(d)で形成されたカプセルの洗浄、水切り、及び実装;
を含むことを特徴とする方法を開示する。
【0011】
本発明の方法は、食品産業と、化粧品、イントラシューティカル、化学または製薬産業、あるいはこの種のカプセルを必要とするあらゆる別の産業との両方で使用することができる。
【0012】
さらにまた、本発明の方法は二相球体を得ることを可能にするが、当業者であれば、前記二相球体カプセル封入を、別の既知の方法、例えば直接球状化もしくは逆球形化の別の変形によって、実施できたであろうことは明らかである。
【0013】
本発明においては、二相物質は、相互に非混和性または部分的に混和性である二つの物質であると理解される。これらは、上記に適合することを前提に、有機物または無機物であってよい。
【0014】
さらに、二相性なる用語は、本明細書中においては、相互に非混和性または部分的に混和性である二つの相を指し、いずれも液体の二相、固体が反応の有無に関わらず得られる液体-固体相、液体-気体相を含んでよく、さらに、当業者であれば、カプセル封入された溶液を乳化するために添加剤を使用し、経時的により安定な二相球体を得ることができる。最後に、凍結球状化として知られる方法を用いて、二相のうち一方の凍結、これに次ぐ直接または逆の球状化反応によって得られる二相球体もまた、本発明の範囲内である。さらに保護の範囲内であるのは、アルギン酸塩のフィルムによって分離される二つの相、あるいは、あらかじめ形成されたアルギン酸塩球体であって、本発明の方法によって後に形成される球体が取り込まれたものである。例えば、直接球状化によって得られた油の球体は、カルシウム源を含む酢の溶液に加えることができ、前記カルシウム源は、アルギン酸塩との接触の後に、その内部に前記油の球体を含むアルギン酸塩のフィルムによって囲まれた球体を形成する。これはまた、後のゲル化のために前記カルシウム豊富な溶液中に加えられた凍結またはゲル化された生成物の固体相を含んでよい。
【0015】
化粧品産業においては、流動パラフィンもしくはパラフィンワックス、ワセリン、植物油、ワックス、脂肪アルコール、およびこれらのエステル、ラノリンおよびシリコンおよびそれらの混合物を、油性相として使用することができる。
【0016】
食品産業においては、二相球体は、例えば、酢-油、醤油-胡麻油、マスタード-オリーブ油、はちみつ-オリーブ油、及びコーヒー-チョコレートなどをはじめとして得ることができる。当業者は、二つの相互に非混和性または部分的に混和性の相を形成する物質の任意の組み合わせを本発明の方法によるカプセル封入に使用できることを、理解するであろう。
【0017】
さらにまた、前記相互に非混和性または部分的に混和性の物質は、香味料、香料、風味剤および別の油溶性添加物と混合することができる。
【0018】
当業者にとっては、本発明の方法で使用されるカルシウムイオンを含む水溶液が、カプセルの外部フィルムを形成するアルギン酸カルシウムゲルを形成可能であることを前提に、いかなるカルシウム源であってもよいことは明らかである。前記カルシウムイオン源の中では、例えば、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、又はこれらの混合物を挙げることができる。好ましくは、前記カルシウムイオン源は、塩化カルシウムである。
【0019】
更にまた、前記カルシウムイオンの溶液は、あらゆるタイプの添加物を含んでよく、あるいは得られるカプセルの官能特性の変更を可能にするあらゆる原料と混合してよい。
【0020】
本発明の方法のアルギン酸塩溶液は、カルシウムイオンの存在下で反応して、カプセルのアルギン酸カルシウム外部フィルムを形成することを条件に、いかなる非カルシウムアルギン酸塩であってもよい。好ましくは、使用されるアルギン酸塩は、アルギン酸ナトリウムである。アルギン酸塩溶液のpHは、2から14である。
【0021】
本発明の方法の更なる利点は、すべての工程が周囲温度で実施されることである。温度の増減は、カプセルの製造コストの増大と同様に、本方法における油性相及び水性相の粘度、密度及び表面張力に影響を及ぼす恐れがあり、したがって、周囲温度の場合と同様の結果を得るためにはこの方法の様々なパラメーターを変更することが必要となろう。
【実施例】
【0022】
(実施例1:本発明の方法による酢-オリーブ油の二相カプセルの製造)
市販の酢をとり、1.2質量%のキサンタンガムおよび3質量%の乳酸カルシウムを添加した。0.4質量%のアルギン酸ナトリウム溶液も調製した。第二相のために、エクストラヴァージンオリーブ油を使用した。
【0023】
二つの同心管から液滴が形成され、内部管中のオリーブ油および外部管中の調製酢溶液を含む前記液滴を、周囲温度でアルギン酸ナトリウム溶液のバスに導入した。前記液滴を回収し、洗浄のために水浴中に配した。これらの水気を切り実装した。直径45mmの少なくとも一つのカプセルが得られ、これにはオリーブ油及び酢の二つの相が含まれていた。
【0024】
(実施例2:大豆-胡麻油の二相カプセルの製造)
市販の醤油をとり、1質量%のキサンタンガムおよび1質量%の塩化カルシウムを添加した。0.5質量%のアルギン酸ナトリウム溶液も調製した。第二相のために、胡麻油を使用した。
【0025】
二つの同心管から液滴が形成され、内部管中の胡麻油および外部管中の調製醤油溶液を含む前記液滴を、周囲温度でアルギン酸ナトリウム溶液のバスに導入した。前記液滴を回収し、洗浄のために水浴中に配した。水気を切って直径22mmのカプセルが得られ、これらには胡麻油及び醤油の二つの相が含まれていた。
【0026】
(実施例3:ホホバ油-カフェインの二相カプセルの調製)
0.2質量%のカフェイン溶液と、0.8質量%の塩化カルシウムを混合した。0.9質量%のアルギン酸ナトリウム溶液も調製した。0.5質量%のビタミンEを含むホホバ油を、第二相のために使用した。
【0027】
二つの同心管から液滴が形成され、内部管中のホホバ油およびビタミンEと外部管中の調製カフェイン溶液とを含む前記液滴を、周囲温度でアルギン酸ナトリウム溶液のバスに導入した。前記液滴を回収し、洗浄のために水浴中に配した。水気を切り実装した。直径16mmの少なくとも一つのカプセルが得られ、これにはビタミンEを含むホホバ油及びカフェインの二つの相が含まれていた。
【0028】
(実施例4:固体-液体二相カプセルの調製)
コーヒー及び1質量%のキサンタンガムを含む溶液を調製し、0.2質量%の塩化カルシウムを添加した。液体チョコレートも調製し、0.2質量%のアルギン酸ナトリウムを添加した。
【0029】
二つの同心管から液滴が形成され、内部管中の液体チョコレート溶液と外部管中の調製コーヒー溶液とを含む前記液滴を、周囲温度で0.3質量%のアルギン酸ナトリウム溶液のバスに導入した。前記バス中で、コーヒー溶液の外部層はアルギン酸塩と反応して外側にアルギン酸カルシウムのフィルムを形成した。次に、コーヒー中に含まれるカルシウムがチョコレート中に含まれるアルギン酸ナトリウムと反応し、チョコレート表面に外部フィルムを形成した。このチョコレートは完全に固形化し、直径10mmの少なくとも一つのカプセルが得られ、これには二相:固形チョコレート相及び液体コーヒー相が含まれていた。
【0030】
(実施例5:酢-ローズマリーを漬け込んだオリーブ油の二相カプセルの製造)
市販の酢をとり、1質量%のキサンタンガムおよび0.4質量%の乳酸カルシウムを添加した。さらに、ローズマリーを漬け込んだオリーブ油を第二相のために使用した。
【0031】
二つの同心管から液滴が形成され、内部管中のローズマリーを漬け込んだオリーブ油と外部管中の調製酢溶液とを含む前記液滴を、周囲温度で0.3質量%のアルギン酸ナトリウム溶液のバスに導入した。前記液滴を回収し、洗浄のために水浴中に配した。これらの水気を切り実装した。直径28mmの少なくとも一つのカプセルが得られ、これにはローズマリーを漬け込んだオリーブ油及び酢の二つの相が含まれていた。
【0032】
本発明を好ましい実施態様に関して説明したが、これらが本発明を制限すると認識されるべきでなく、本発明は、以下の請求項の広範な解釈によって定義されることとする。