【実施例】
【0063】
(実施例1)
図18は、実施例1に係る発光装置10を示す平面図である。
図19は、
図18のA−A断面図である。
図20は、
図18のB−B断面図である。なお、
図1は、本実施例に係る発光装置10の一部を拡大した図に相当する。
図19に示す例では、説明のため、有機層120の各層(HIL122、HTL124、EML126及びETL128)は図示していない。
【0064】
発光装置10は、基板100、第1電極110、第1端子112、第1配線114、有機層120、第2電極130、第2端子132、第2配線134、層140及び絶縁層160を備えている。基板100は、透光性を有している。第1電極110は、層156として機能している。有機層120は、層156として機能している。第2電極130は、反射層152として機能している。層140は、半透過反射層154として機能している。反射層152、半透過反射層154及び層156は、共振器150を構成している。
【0065】
第1電極110、有機層120、第2電極130及び絶縁層160は、それぞれ、第1端部110a、第1端部120a、第1端部130a及び第1端部160aを有し、さらに、それぞれ、第2端部110b、第2端部120b、第2端部130b及び第2端部160bを有している。第2端部110b、第2端部120b、第2端部130b及び第2端部160bは、それぞれ、第1端部110a、第1端部120a、第1端部130a及び第1端部160aの反対側にある。
【0066】
図18に示すように、発光装置10は、基板100の第1面102上に発光素子170を有している。発光素子170は、複数の発光部172及び複数の透光部174を有している。複数の発光部172及び複数の透光部174は、交互に並んでいる。より具体的には、互いに隣接する発光部172は、一方の発光部172の第1端部110a、第1端部120a、第1端部130a及び第1端部160aが透光部174を介して他方の発光部172の第2端部110b、第2端部120b、第2端部130b及び第2端部160bにそれぞれ対向するように並んでいる。
【0067】
発光部172は、絶縁層160の開口162内において、第1電極110、有機層120及び第2電極130によって構成されている。言い換えると、発光部172では、第1電極110、有機層120及び第2電極130が互いに重なっている。透光部174は、互いに隣接する発光部172のうちの一方の第2電極130の第1端部130aと他方の第2電極130の第2端部130bの間の領域である。なお、
図18に示す例において、発光部172(絶縁層160の開口162)の形状は矩形である。
【0068】
図18に示す例において、発光素子170の形状は、一対の長辺及び一対の短辺を有する矩形として規定されている。具体的には、発光素子170の一対の長辺は、複数の発光部172のそれぞれの一対の短辺と重なっている。発光素子170の一方の短辺は、複数の発光部172の中の一端の発光部172のうちの外側の長辺と重なっている。発光素子170の他方の短辺は、複数の発光部172の中の他端の発光部172のうちの外側の長辺と重なっている。
【0069】
第1端子112と第2端子132は、発光部172を挟んで互いに反対側にある。第1端子112及び第2端子132は、発光素子170の長辺に沿って延伸している。第1端子112は、複数の第1配線114のそれぞれを介して複数の第1電極110のそれぞれに接続している。第2端子132は、複数の第2配線134のそれぞれを介して複数の第2電極130のそれぞれに接続している。これにより、第1端子112及び第1配線114を介して外部からの電圧を第1電極110に印加することができる。さらに、第2端子132及び第2配線134を介して外部からの電圧を第2電極130に印加することができる。
【0070】
図19に示すように、第1電極110は、層140を介して基板100の第1面102上にある。絶縁層160は、第1電極110の一部が絶縁層160の開口162から露出されるように基板100の第1面102上に位置している。絶縁層160は、有機絶縁材料、具体的には例えばポリイミドからなる。有機層120は、有機層120の一部が開口162に埋め込まれるように第1電極110上及び絶縁層160上に位置している。第2電極130は、第2電極130の一部が開口162に埋め込まれるように有機層120上に位置している。このようにして、絶縁層160の開口162内では、第1電極110、有機層120及び第2電極130が互いに重なっており、発光部172を構成している。言い換えると、絶縁層160は、発光部172を画定している。また、発光部172は第1電極110の補助電極となる導電部を有していてもよく、この場合導電部は第1電極110と絶縁層160との間に形成され、絶縁層160に覆われていることが好ましい。
【0071】
第1電極110の第1端部110a及び第2端部110bは、絶縁層160の第1端部160a及び第2端部160bよりもそれぞれ内側にある。このため、第1電極110の第1端部110a及び第2端部110bは、絶縁層160から露出していない。これにより、第1電極110が第2電極130と短絡することが抑制される。
【0072】
本図に示す例において、有機層120の第1端部120a及び第2端部120bは、絶縁層160の第1端部160a及び第2端部160bよりもそれぞれ内側にある。言い換えると、有機層120の幅がある程度短い。このため、有機層120のうち発光部172の外側の部分の幅を狭くすることができる。すなわち、発光部172の一部として機能していない部分の幅を狭くすることができる。
【0073】
本図に示す例において、第2電極130の第1端部130a及び第2端部130bは、絶縁層160の第1端部160a及び第2端部160bよりもそれぞれ内側にあり、さらに、有機層120の第1端部120a及び第2端部120bよりもそれぞれ内側にある。このようにして、本図に示す例では、発光部172の外側の部分、すなわち透光部174の幅が広くなっている。
【0074】
図19に示す例において、基板100の第1面102は、第1領域102a、第2領域102b及び第3領域102cを有している。第1領域102aは、第2電極130の第1端部130aから第2端部130bまでの領域である。第2領域102bは、第2電極130の第1端部130aから絶縁層160の第1端部160aまでの領域及び第2電極130の第2端部130bから絶縁層160の第2端部160bまでの領域である。第3領域102cは、互いに隣接する発光部172のうちの一方の絶縁層160の第1端部160aから他方の絶縁層160の第2端部160bまでの間の領域である。
【0075】
図19に示す例において、一方の発光部172から他方の発光部172に向かう方向において、第2電極130(第1反射電極)の第1端部130aと絶縁層160の第1端部160aの間の距離(すなわち、第2領域102bの幅d2)は、一方の発光部172の絶縁層160の第1端部160aと他方の発光部172の絶縁層160の第2端部160bの間の距離(すなわち、第3領域102cの幅d3)よりも短い。さらに、他方の発光部172から一方の発光部172に向かう方向において、第2電極130(第2反射電極)の第2端部130bと絶縁層160の第2端部160bの間の距離(すなわち、第2領域102bの幅d2)は、他方の発光部172の絶縁層160の第2端部160bと一方の発光部172の絶縁層160の第1端部160aの間の距離(すなわち、第3領域102cの幅d3)よりも短い。これにより、発光装置10の光線透過率が高くなっている。
【0076】
詳細には、第2領域102bの光線透過率は、第3領域102cの光線透過率よりも低い。これは、第2領域102b上には絶縁層160が位置しているのに対し、第3領域102c上には絶縁層160が位置していないためである。上記したように、第2領域102bの幅d2は、第3領域102cの幅d3よりも狭い。このため、発光装置10の光線透過率が高くなっている。
【0077】
さらに、
図19に示す例では、発光装置10が特定の波長の光を遮断するフィルタとして機能することが抑制される。詳細には、絶縁層160の光線透過率が波長によって異なっていることがある。このため、絶縁層160は、特定の波長の光を遮断するフィルタとして機能し得る。本図に示す例では、上記したように、第2領域102b(絶縁層160と重なる領域)の幅d2は狭く、具体的には第3領域102cの幅d3よりも狭い。このため、発光装置10が特定の波長の光を遮断するフィルタとして機能することが抑制される。
【0078】
図19に示す例において、第2領域102bの幅d2は、第1領域102aの幅d1の例えば0倍以上0.2倍以下(0≦d2/d1≦0.2)である。第3領域102cの幅d3は、第1領域102aの幅d1の例えば0.3倍以上2倍以下(0.3≦d3/d1≦2)である。第1領域102aの幅d1は、例えば50μm以上500μm以下である。第2領域102bの幅d2は、例えば0μm以上100μm以下である。第3領域102cの幅d3は、15μm以上1000μm以下である。
【0079】
本実施例においては、発光素子170、より具体的には発光部172からの光は、基板100の第1面102側の領域へはほとんど出射されず、基板100の第2面104側の領域へ出射される。これは、有機層120、具体的には、
図1及び
図2に示したEML126からの光が第2電極130(反射層152)によって反射されるためである。
【0080】
さらに、本実施例においては、人間の視覚では、発光素子170の全面に亘って光が発せられているように見える。これは、複数の発光素子170が狭いピッチで配置されているためである。
【0081】
さらに、本実施例においては、人間の視覚では、発光装置10を介して物体が透けて見える。言い換えると、発光装置10は、半透過OLEDとして機能している。これは、第2電極130(反射層152)の幅がある程度狭く、かつ互いに隣接する第2電極130(反射層152)の間に透光部174があるためである。具体的には、発光素子170から光が発せられていない場合、人間の視覚では、第2面104側からは第1面102側の物体が透けて見える。さらに、発光素子170から光が発せられている場合及び発光素子170から光が発せられていない場合のいずれにおいても、人間の視覚では、第1面102側から第2面104側の物体が透けて見える。
【0082】
図21は、
図19の第1の変形例を示す図である。本図に示すように、有機層120の第1端部120a及び第2端部120bは、絶縁層160の第1端部160a及び第2端部160bよりもそれぞれ外側にあってもよい。
【0083】
図22は、
図19の第2の変形例を示す図である。本図に示すように、有機層120は、互いに隣接する2つの発光部172に亘って延在していてもよい。より具体的には、有機層120は、発光素子170の全面に亘って延在している。本図に示す例では、複数の有機層120のそれぞれを複数の第1電極110のそれぞれの上に形成する必要がない。このため、有機層120を形成するためのアライメントが容易となる。また、このような構成にすることで、有機層120を複数層形成する際にマスクの洗浄をする必要がなく製造工程が削減できる。また、本発明では有機層120の膜厚で発光部172の発光方向が変化するため、成膜のムラを防ぐことは重要である。マスクをなくし、発光素子170の発光部172および透光部174の一面に蒸着することで、マスクやマスクの配置ずれ、マスクのたわみなどの有機層120の成膜時の環境による、有機層120の成膜ムラを防ぐことができ、より精度が高く、所望の角度での発光強度の高い発光を得ることができる。また、有機層120の一部または全てを塗布工程で成膜する場合においても、有機層120は発光素子170の全面に亘って延在する形態であれば、容易に形成することができる。
【0084】
(実施例2)
図23は、実施例2に係る発光システム20を示す図である。
図24は、
図23のA−A断面図である。
図25は、
図23のB−B断面図である。発光システム20は、発光装置10、基材200及び枠体250を備えている。
【0085】
本実施例に係る発光装置10は、実施例1に係る発光装置10と同様である。発光装置10は、基材200上に搭載されている。具体的には、基材200は、第1面202及び第2面204を有している。第2面204は、第1面202の反対側にある。発光装置10は、基板100の第2面104が基材200の第1面202と対向するように基材200の第1面202上に搭載されている。なお、
図23〜25では、説明のため、第1電極110、有機層120、第2電極130、層140及び絶縁層160(例えば、
図19)を図示していない。
【0086】
基材200は、透光性を有している。このため、発光部172からの光は、基材200を透過することができ、具体的には、基材200の第1面202から基材200に入射し、基材200の第2面204を介して基材200の外側へ出射される。
【0087】
基材200は、枠体250によって保持されている。一例において、基材200は、窓やその一部分として機能している。より具体的には、一例において、基材200は、移動体(例えば、自動車、列車、船舶又は飛行機)のウインドウ、より具体的には自動車のリアウインドウとして機能している。その他の例において、基材200は、商品等の物体を収容するための筐体(例えば、ショーケース)の窓、あるいは家屋や店舗などの窓やその一部分として機能している。基材200が窓として機能している場合、基材200は、ある程度頑丈である必要がある。このため、基材200の厚さは、基板100の厚さよりも相当に厚く、例えば、2mm以上50mm以下である。
【0088】
基材200は、半透過発光領域240を有している。半透過発光領域240は、複数の発光領域242及び複数の透光領域244を有している。半透過発光領域240は、発光装置10の発光素子170と重なっている。発光領域242は、発光装置10の発光部172と重なっている。透光領域244は、発光装置10の透光部174と重なっている。言い換えると、透光領域244は、発光装置10の発光部172と重なっていない。このようにして、複数の発光領域242及び複数の透光領域244は、複数の発光部172及び複数の透光部174と同様にして、交互に並んでいる。
【0089】
実施例1と同様にして、人間の視覚では、半透過発光領域240(発光素子170)の全面に亘って光が発せられているように見える。さらに、人間の視覚では、半透過発光領域240を介して物体が透けて見える。言い換えると、半透過発光領域240は、半透過OLEDとして機能している。具体的には、半透過発光領域240(発光素子170)から光が発せられていない場合、人間の視覚では、第2面204側からは第1面202側の物体が透けて見える。さらに、半透過発光領域240(発光素子170)から光が発せられている場合及び半透過発光領域240(発光素子170)から光が発生られていない場合のいずれにおいても、人間の視覚では、第1面202側から第2面204側の物体が透けて見える。また、基材200が移動体に形成される場合は乗客、特に運転・操舵・操縦者から移動体外への視認性を、基材200が店舗用の窓であれば店舗の店員の店外への視認性を妨げることなく発光システム20を設置することができる。
【0090】
図25に示す例において、標準方向Sは、水平方向(図中、X方向に沿った方向)である。基材200は、基材200の第2面204が標準方向Sから斜め上を向くように枠体250によって支持されている。これにより、基準方向Rは、標準方向Sから斜め上を向くようになる。さらに、基板100の厚さ方向、発光部172の厚さ方向及び基材200の厚さ方向も標準方向Sから斜め上を向くようになる。基準方向Rは、配光分布の中心方向であり、本図に示す例では、例えば、基板100の厚さ方向、発光部172の厚さ方向及び基材200の厚さ方向のいずれかに沿った方向であり、又は第2面204の法線方向である。発光領域242(より具体的には、発光部172)からの光の配光分布は、第1方向D1において、基準方向Rに比してより高い光度を有しており、具体的には第1方向D1において極大値を有している。なお、標準方向Sは水平方向に限定されるものではない。例えば、標準方向Sは、水平方向から傾いていてもよい。
【0091】
本図に示す例において、第1方向D1は、基準方向Rと異なっている。このため、基材200を本図に示すように特定の方向(例えば、標準方向S)から傾けても、発光領域242(より具体的には、発光部172)からの光の配光分布は、所望の方向において、高い光度(例えば、極大値)を有することができる。
【0092】
さらに、本図に示す例において、第1方向D1は、基準方向Rと異なる方向を向き、かつ標準方向Sとほとんど同じ方向を向いている。具体的には、第1方向D1と標準方向Sのなす角度は、例えば、0°以上5°以下である。このため、基材200を本図に示すように特定の方向(例えば、標準方向S)から傾けても、発光領域242(より具体的には、発光部172)からの光の配光分布は、標準方向S(本図に示す例では、水平方向)又はその近傍において高い光度を有することができる。なお、このような配光分布は、例えば、鉛直方向(図中、Y方向)からの基材200の傾きの角度と配光分布が極大値をとる設計角度(例えば、
図5〜
図7を参照)とを互いに一致させ、又は互いに対応させることにより実現される。
【0093】
図26は、
図25に示した発光システム20の配光分布の一例を説明するための図である。本図の配光分布は、
図8における設計角度30°の角度分布を規格化することにより得られた配光分布である。本図に示す例において、標準方向Sは、水平方向(
図25においてX方向に沿った方向)である。基準方向Rは、標準方向S(水平方向)から斜め上を向いている。本例では第1方向D1は、標準方向S(水平方向)から斜め下を向いている。なお、標準方向Sは水平方向に限定されるものではない。例えば、標準方向Sは、水平方向から傾いていてもよい。
【0094】
発光領域242(より具体的には、発光部172)からの光の配光分布は、基準方向Rとは異なる方向、具体的には例えば標準方向Sにおいて、基準方向Rに比してより高い光度を有している。このため、基材200が標準方向Sから傾いていても、この配光分布は、標準方向Sに高い光度を有している。
【0095】
さらに、発光領域242(より具体的には、発光部172)からの光の配光分布は、第1方向D1において極大値を有している。第1方向D1は、標準方向Sと異なっている。具体的には、第1方向D1と基準方向Rのなす角度は、標準方向Sと基準方向Rのなす角度よりも大きい。言い換えると、第1方向D1は、標準方向Sに比して、基準方向Rからより遠くにあり、さらに言い換えると、標準方向Sは、基準方向Rと第1方向D1との間にある。
【0096】
さらに、発光領域242(より具体的には、発光部172)からの光の配光分布は、第1方向D1に関して非対称である。具体的には、
図26に示す例では、この配光分布は、第1方向D1から標準方向S側に向かって20°の方向に第1光度(おおよそ0.20)を有し、第1方向D1から標準方向Sとは逆側に向かって20°の方向に第2光度(おおよそ0.85)を有している。
図26に示す例において、第1光度(おおよそ0.20)は、第2光度(おおよそ0.85)よりも小さい。
【0097】
さらに、発光領域242(より具体的には、発光部172)からの光の配光分布は、標準方向S及びその近傍においてほぼ一定となっている。具体的には、
図26に示す例では、この配光分布は、標準方向Sに第1標準光度(おおよそ1.00)を有し、標準方向Sから第1方向S1側に向かって10°の方向に第2標準光度(おおよそ0.90)を有し、標準方向Sから基準方向R側に向かって10°の方向に第3標準光度(おおよそ0.90)を有している。
図26に示す例において、第1標準光度(おおよそ1.00)、第2標準光度(おおよそ0.90)及び第3標準光度(おおよそ0.90)は、いずれも、上記した配光分布の上記した極大値の80%以上100%以下である。
【0098】
なお、30°以外の設計角度においても、第1方向D1が標準方向Sに比して基準方向Rからより遠くにある場合、発光領域242(より具体的には、発光部172)からの光の配光分布は、標準方向S及びその近傍においてほぼ一定となる(例えば、
図8を参照)。
【0099】
さらに、第1方向D1と標準方向Sのなす角度は、本図に示す例に限定されるものではない。第1方向D1と標準方向Sのなす角度は、例えば、2.5°以上12.5°以下、好ましくは例えば5.0°以上10°以下にすることができる。
【0100】
図27(a)及び
図27(b)は、
図25に示した発光システム20の色度の角度分布の一例を説明するための図である。本図(a)及び本図(b)の角度分布は、
図9(a)及び
図9(a)における設計角度30°の角度分布である。本図に示す例において、標準方向Sは、水平方向(
図25においてX方向に沿った方向)である。第1側方向S1は、標準方向S(水平方向)から斜め上を向いている。第2側方向S2は、標準方向S(水平方向)から斜め下を向いている。なお、標準方向Sは水平方向に限定されるものではない。例えば、標準方向Sは、水平方向から傾いていてもよい。
【0101】
発光システム20からの光は、標準方向S(θ
S:25°)に標準色度(x
S,y
S)(おおよそ(0.710,0.290))を有している。さらに、発光システム20からの光は、標準方向Sに対称な第1側方向S1(θ
S1:15°)及び第2側方向S2(θ
S2:35°)にそれぞれ第1色度(x
S1,y
S1)(おおよそ(0.715,0.285))及び第2色度(x
S2,y
S2)(おおよそ(0.695,0.305))を有している。第1色度(x
S1,y
S1)と標準色度(x
S,y
S)の差は、第2色度(x
S2,y
S2)と標準色度(x
S,y
S)の差よりも小さい。言い換えると、本図に示す例では、第2色度(x
S2,y
S2)と標準色度(x
S,y
S)の差が大きくなることと引き換えに、第1色度(x
S1,y
S1)と標準色度(x
S,y
S)の差をある程度小さくしている。
【0102】
第1側方向S1と基準方向Rのなす角度は、第2側方向S2と基準方向Rのなす角度よりも小さい。言い換えると、第1側方向S1は、第2側方向S2に比して、基準方向Rにより近くにある。
【0103】
値xの角度分布は、設計角度(30°)からおおよそ±15°の範囲内において、下に凹であって単調に減少している。このため、この範囲内に、標準方向Sの角度θ
S、第1側方向S1の角度θ
S1及び第2側方向S2の角度θ
S2をとると、|x
S1−x
S|<|x
S2−x
S|となる。さらに、値yの角度分布は、設計角度(30°)からおおよそ±15°の範囲内において、上に凹であって単調に増加している。このため、この範囲内に、標準方向Sの角度θ
S、第1側方向S1の角度θ
S1及び第2側方向の角度θ
S2をとると、|y
S1−y
S|<|y
S2−y
S|となる。これより、設計角度(30°)からおおよそ±15°の範囲内に、標準方向Sの角度θ
S、第1側方向S1の角度θ
S1及び第2側方向の角度θ
S2をとると、第1色度(x
S1,y
S1)と標準色度(x
S,y
S)の差は、第2色度(x
S2,y
S2)と標準色度(x
S,y
S)の差よりも小さくなる。
【0104】
なお、30°以外の設計角度においても、設計角度からおおよそ±15°の範囲内に、標準方向Sの角度θ
S、第1側方向S1の角度θ
S1及び第2側方向S2の角度θ
S2をとると、上方色度(x
U,y
U)と水平色度(x
H,y
H)の差は、下方色度(x
D,y
D)と水平色度(x
H,y
H)の差よりも小さくなる(例えば、
図9(a)及び
図9(b)を参照)。
【0105】
さらに、第1側方向S1と標準方向Sのなす角度(第2側方向S2と標準方向Sのなす角度)は、本図に示す例に限定されるものではない。第1側方向S1と標準方向Sのなす角度及び第2側方向S2と標準方向Sのなす角度の各々は、例えば、5°以上15°以下である。
【0106】
図28は、発光領域242(発光部172)からの光の配光分布を測定する方法の第1例を説明するための図である。本図に示す例において、基材200の第2面204は、標準面SSから傾いている。標準面SSは、例えば水平面である。発光領域242は、第2面204上に、下端A、上端B及び下端Aと上端Bの中心Oを有している。下端Aは、標準面SSから高さhAにある。上端Bは、標準面SSから高さhBにある。中心Oは、標準面SSから高さhoにある。発光領域242(発光部172)からの光の配光分布は、標準面SSに沿った方向に極大値を有している。発光領域242(発光部172)からの光の配光分布が標準面SSに沿った方向に極大値を有する場合、光度計Mによって測定される光度は、光度計Mが他のいずれの高さ(例えば、hA又はhB)にある場合よりも、高さhoにある場合に最大となる。
【0107】
図29は、発光領域242(発光部172)からの光の配光分布を測定する方法の第2例を説明するための図である。本図に示すように、発光領域242は、中心O及びその近傍を除いて、マスクMSKによって覆われていてもよい。これにより、中心O及びその近傍からの光のみの配光分布を測定することができる。
【0108】
図30は、
図25の変形例を示す図である。本図に示すように、第1方向D1と標準方向Sは互いに一致していてもよい。本図に示す例においては、発光領域242(発光部172)からの光の配光分布は、標準方向S(例えば、水平方向)において極大値を有することができる。
【0109】
図31は、
図24の第1の変形例を示す図である。本図に示すように、発光装置10は、基材200の第2面204上に搭載されていてもよい。より具体的には、本図に示す例では、発光装置10は、基板100の第1面102が発光素子170を介して基材200の第2面204と対向するように基材200の第2面204上に搭載されている。
【0110】
図32は、
図24の第2の変形例を示す図である。本図に示すように、発光装置10は、基材200の内部にあってもよい。具体的には、本図に示す例では、基材200は、第1基材210、第2基材220及び中間層230を有している。第1基材210及び第2基材220は、例えば、ガラス板である。中間層230は、例えば樹脂層である。これにより、基材200は、合わせガラスとして機能することができる。
【0111】
第1基材210は、面212及び面214を有している。面212は、第1基材210の第1面202として機能している。面214は、面212の反対側にある。第2基材220は、面222及び面224を有している。面224は、面222の反対側にあり、第2面204として機能している。第1基材210の面214と第2基材220の面222は、発光装置10及び中間層230を介して互いに対向している。より具体的には、発光装置10は、基板100の第1面102が第2基材220の面222と対向するように第2基材220の面222上に搭載されている。基板100の第1面102及び発光素子170は、中間層230によって覆われている。
【0112】
図33は、
図24の第3の変形例を示す図である。本図に示すように、発光素子170は、基材200の第1面202上に直接形成されていてもよい。言い換えると、本図に示す例において、発光装置10は、基板100(
図24)を有していない。さらに言い換えると、本図に示す例では、基材200が基板100として機能している。
【0113】
(実施例3)
図34は、実施例3に係る発光システム20を示す断面図であり、実施例2の
図25に対応する。本実施例に係る発光システム20は、以下の点を除いて、実施例2に係る発光システム20と同様である。
【0114】
本図に示す例において、標準方向Sは、水平方向(図中、X方向に沿った方向)である。第1方向D1は、標準方向S(水平方向)から斜め上を向いている。第1側方向S1は、標準方向S(水平方向)から斜め下を向いている。第2側方向S2は、標準方向S(水平方向)から斜め上を向いている。本図に示すように、基材200は、第2面204が標準方向Sから斜め下を向くように支持されていてもよい。これにより、基準方向Rは、標準方向Sから斜め下を向くようになる。なお、標準方向Sは水平方向に限定されるものではない。例えば、標準方向Sは、水平方向から傾いていてもよい。
【0115】
発光領域242(より具体的には、発光部172)からの光の配光分布は、第1方向D1において極大値を有している。第1方向D1は、標準方向Sと異なっている。具体的には、第1方向D1と基準方向Rのなす角度は、標準方向Sと基準方向Rのなす角度よりも大きい。言い換えると、第1方向D1は、標準方向Sに比して、基準方向Rからより遠くにある。これにより、
図25及び
図26を用いて説明した理由と同様の理由により、発光システム20からの光の配光分布では、標準方向S及びその周辺方向において光度が大きく変動しないようになっている。
【0116】
発光システム20からの光は、標準方向Sに標準色度を有している。さらに、発光システム20からの光は、標準方向Sに対称な第1側方向S1及び第2側方向S2にそれぞれ第1色度及び第2色度を有している。第1側方向S1と基準方向Rのなす角度は、第2側方向S2と基準方向Rのなす角度よりも小さい。言い換えると、第1側方向S1は、第2側方向S2に比して、基準方向Rにより近くにある。これにより、
図25及び
図27を用いて説明した理由と同様の理由により、第1色度と標準色度の差は、第2色度と標準色度の差よりも小さくなっている。
【0117】
図35は、
図34の変形例を示す図である。本図に示すように、第1方向D1と標準方向Sは互いに一致していてもよい。本図に示す例においては、発光領域242(発光部172)からの光の配光分布は、標準方向S(例えば、水平方向)において極大値を有することができる。
【0118】
(実施例4)
図36及び
図37の各々は、実施例4に係る発光システム20を示す断面図であり、実施例2の
図24及び
図25にそれぞれ対応する。本実施例に係る発光システム20は、以下の点を除いて、実施例2に係る発光システム20と同様である。
【0119】
本図に示す例において、発光システム20は、光学部材180を備えている。光学部材180は、光の進行方向を調整するための部材であり、具体的には、例えば、回折格子、マイクロプリズム又は偏光フィルムである。本図に示す例では、発光部172からの光の進行方向は、第2面204からの配光分布が、基準方向Rとは異なる方向、具体的には第1方向D1において、基準方向Rに比してより高い光度を有するように光学部材180によって調整されている。このため、基材200を本図に示すように特定の方向(例えば、標準方向S)から傾けても、発光領域242からの光の配光分布は、所望の方向において、高い光度(例えば、極大値)を有することができる。
【0120】
本図に示す例において、発光装置10は、上記した式(1)の値ΔMがθ≠0°の場合にm−1/8以上m+1/8以下を満たすように設計する必要がない。一例において、発光装置10は、半透過反射層154(例えば、
図19)を有していなくてもよく、言い換えると、マイクロキャビティ構造を有していなくてもよい。他の例において、発光装置10は、上記した式(1)において値ΔMがθ=0°の場合にm−1/8以上m+1/8以下を満たすように設計されていてもよい。いずれの例においても、光学部材180を用いることにより、第2面204からの光の配光分布は、基準方向Rとは異なる方向、具体的には第1方向D1において極大値を有している。
【0121】
本図に示す例では、光学部材180は、透光部174(透光領域244)とは重ならないように設けられている。これにより、発光システム20の透過率が低下することが抑制される。なお、本図に示す例において、光学部材180は、基板100の第2面104と基材200の第1面202の間に位置している。
【0122】
(実施例5)
図38は、実施例5に係る移動体22を示す図である。本図に示す例において、移動体22は、ボディ260及び発光システム20を備えている。発光システム20は、ボディ260に保持されている。本図に示す例において、移動体22は、自動車であり、ボディ260は、車体である。移動体22は、路面RS上を移動している。なお、移動体22は、列車、船舶又は飛行機であってもよい。移動体22が列車である場合、ボディ260は車体である。移動体22が船舶である場合、ボディ260は船体である。移動体22が飛行機である場合、ボディ260は胴体である。
【0123】
本図に示す例において、標準方向Sは、水平方向(図中、X方向に沿った方向)である。さらに、標準方向Sは、路面RSに沿った方向でもあり、移動体22の進行方向でもあり、移動体22の後方に向かう方向でもある。発光領域242(より具体的には、発光部172)からの光の配光分布は、第1方向D1において、基準方向Rに比してより高い光度を有しており、具体的には第1方向D1において極大値を有している。本図に示す例では、基材200は、第2面204が標準方向Sから斜め上を向くように支持されている。これにより、基準方向Rは、標準方向Sから斜め上を向くようになる。なお、標準方向Sは水平方向に限定されるものではない。例えば、標準方向Sは、水平方向から傾いていてもよい。
【0124】
本図に示す例において、第1方向D1は、基準方向Rと異なっている。このため、基材200を本図に示すように特定の方向(例えば、標準方向S)から傾けても、発光領域242(より具体的には、発光部172)からの光の配光分布は、所望の方向において、高い光度(例えば、極大値)を有することができる。
【0125】
さらに、本図に示す例において、第1方向D1は、基準方向Rと異なる方向を向き、かつ標準方向Sとほとんど同じ方向を向いている。具体的には、第1方向D1と標準方向Sのなす角度は、例えば、0°以上5°以下である。このため、基材200を本図に示すように特定の方向(例えば、標準方向S)から傾けても、発光領域242(より具体的には、発光部172)からの光の配光分布は、標準方向S(本図に示す例では、水平方向)又はその近傍において高い光度を有することができる。
【0126】
移動体22は、ボディ260を備えている。ボディ260の一部は、枠体250として機能している。本図に示す例において、基材200は、枠体250によって支持されており、リアウインドウとして機能している。
【0127】
本図に示す例において、発光部172(発光領域242)は、日本国道路運送車両の保安基準第39条の2に定める「補助制動灯」(言い換えると、ハイマウントストップランプ(HMSL)又はブレーキランプ)の一部を構成している。発光部172(具体的には、発光部172の中心)は、移動体の移動する路面RSから例えば1m以上1m20cm以下の高さhLにある。
【0128】
発光領域242(より具体的には、発光部172)からの光の配光分布は、標準方向Sにおいて、基準方向Rに比してより高い光度を有している。このため、基材200が標準方向Sから傾いて移動体22に設置されていても、この配光分布は、移動体22の後続の交通の方向となる標準方向Sに高い光度を有している。そのため、発光領域242(発光部172)の発光の光度を高めるとともに、効率よく後続の交通方向へ照射し、移動体22の制動の情報を伝達あるいは表示することができる。
【0129】
さらに、
図38において、第1方向D1は、標準方向S(水平方向)から斜め下を向いている。第1側方向S1は、標準方向S(水平方向)から斜め上を向いている。第2側方向S2は、標準方向(水平方向)から斜め下を向いている。ここで、発光領域242(より具体的には、発光部172)からの光の配光分布は、第1方向D1において極大値を有している。第1方向D1は、標準方向Sと異なっている。具体的には、第1方向D1と基準方向Rのなす角度は、標準方向Sと基準方向Rのなす角度よりも大きい。言い換えると、第1方向D1は、標準方向Sに比して、基準方向Rからより遠くにある。これにより、
図25及び
図26を用いて説明した理由と同様の理由により、発光システム20からの光の配光分布では、標準方向S及びその周辺方向において光度が大きく変動しないようになっている。このようにすることで後続の交通が視点の高さに左右されずに移動体22の制動の情報を表示することができる。
【0130】
発光システム20からの光は、標準方向Sに標準色度を有している。さらに、発光システム20からの光は、標準方向Sに対称な第1側方向S1及び第2側方向S2にそれぞれ第1色度及び第2色度を有している。第1側方向S1と基準方向Rのなす角度は、第2側方向S2と基準方向Rのなす角度よりも小さい。言い換えると、第1側方向S1は、第2側方向S2に比して、基準方向Rにより近くにある。これにより、
図25及び
図27を用いて説明した理由と同様の理由により、第1色度と標準色度の差は、第2色度と標準色度の差よりも小さくなっている。
【0131】
(実施例6)
図39は、実施例6に係る発光装置10を示す平面図である。
【0132】
発光装置10は、基板100、複数の第1電極110及び複数の第2電極130を備えている。基板100の第1面102上において、複数の第1電極110は、X方向に沿って並んでおり、Y方向に延伸している。基板100の第1面102上において、複数の第2電極130は、複数の第1電極110と交わり(具体的には、直交し)、Y方向に沿って並んでおり、X方向に延伸している。
【0133】
発光装置10は、各第1電極110と各第2電極130の交点に発光部172(発光領域242)を有しており、複数の発光部172(複数の発光領域242)のそれぞれは、X方向及びY方向に沿って2次元的に配置された複数の格子点上のそれぞれに配置されるようになっている。
【0134】
発光装置10は、制御部300を備えている。制御部300は、複数の第1電極110のそれぞれの電圧及び複数の第2電極130のそれぞれの電圧を制御することによって、複数の発光部172のうちのいずれの発光部172を発光させるかを制御している。発光装置10は、制御部300の制御によって、特定の画像を表示することができる。
【0135】
なお、第2電極130は全ての発光部172において共通であってもよい。この場合、複数の発光部172のそれぞれにトランジスタ(例えば、薄膜トランジスタ(TFT))が設けられている。制御部300はトランジスタを制御することによって、複数の発光部172のうちのいずれの発光部172を発光させるかを制御している。
【0136】
複数の発光部172の発光色は、互いに同一であってもよいし、又は互いに異なっていてもよい。特に複数の発光部172の発光色が互いに異なる場合、発光装置10は、カラー画像を表示可能なディスプレイとして機能することができる。
【0137】
図39のP−P断面は、
図1に示した断面と同様の断面となっており、発光装置10は、共振器150を備えている。
【0138】
複数の発光部172のうちの少なくとも一つの発光部172からの光の配光分布は、基準方向R(例えば、
図2)とは異なる第1方向D1(例えば、
図2)において基準方向R(例えば、
図2)に比してより高い光度を有しており、特に、複数の発光部172のうちの2つ以上の発光部172からの光の配光分布は、基準方向R(例えば、
図2)とは異なる第1方向D1(例えば、
図2)において基準方向R(例えば、
図2)に比してより高い光度を有していてもよい。
【0139】
一例において、複数の発光部172についての第1方向D1(例えば、
図2)は、互いに同一であってもよい。特に、複数の発光部172の発光色が互いに異なる場合、第1方向D1(例えば、
図2)は、いずれの発光色についても同一であってもよい。この例において、発光装置10からの光(つまり、複数の発光部172からの全体の光)の配光分布は、基準方向R(例えば、
図2)とは異なる第1方向D1(例えば、
図2)において基準方向R(例えば、
図2)に比してより高い光度を有するようになる。
【0140】
他の例において、複数の発光部172についての第1方向D1(例えば、
図2)は、互いに異なっていてもよい。特に、複数の発光部172の発光色が互いに異なる場合、第1方向D1(例えば、
図2)は、発光色ごとに異なっていてもよい。
【0141】
図40は、
図39に示した発光装置10の使用方法の第1例を説明するための図である。
【0142】
発光装置10は、移動体22の発光システム20に用いられており、特に、車体260に取り付けられた基材200(リアウインドウ)に取り付けられている。
【0143】
発光装置10は、制御部300(
図39)の制御によって、種々の画像(例えば、文字)を表示することができる。特に
図40に示す例では、発光装置10は、「止まります」の文字(画像)を表示している。この文字(画像)は、例えば、移動体22のブレーキが踏まれたタイミングで表示させることができる。
【0144】
図40に示す例では、
図38に示した例と同様にして、基準方向Rが標準方向Sから傾くように発光装置10が基材200に取り付けられても(言い換えると、基材200が標準方向Sから傾いた厚さ方向を有していても)、発光装置10の配光分布(すなわち、「止まります」の発光の配光分布)は、第1方向D1において基準方向Rに比してより高い光度を有しており、したがって、移動体22の後続の交通の方向(すなわち、標準方向S)に高い光度を有するようにすることができる。特に、複数の発光部172(
図39)の発光色は、互いに異なっていてもよい。この場合、発光装置10は、高光度のカラー画像を移動体22の後続の交通の方向に向けて表示することができる。
【0145】
図41は、
図39に示した発光装置10の使用方法の第2例を説明するための図である。
図42は、
図41に示した発光システム20を上方から見た図である。
【0146】
図41に示す例では、発光装置10は、カーナビゲーションのディスプレイとして機能している。つまり、複数の発光部172(
図39)の発光色は、互いに異なっている。
図41に示す例では、発光装置10の右側にユーザUがいて、ユーザUは、自動車を運転している。
【0147】
図42に示す例では、発光装置10の右側(すなわち、自動車の運転席)にユーザU1がいて、発光装置10の左側(すなわち、自動車の助手席)にユーザU2がいる。
【0148】
発光装置10からの光の配光分布は、基準方向Rとは異なる第1方向D1において基準方向Rに比してより高い光度を有しており、第1方向D1は、発光装置10からユーザU1に向かっている。第1方向D1(例えば、
図2)は、いずれの発光色についても同一となっている。したがって、発光装置10は、ユーザU1に向けて高光度の画像を表示することができる。
【0149】
発光装置10からの光の配光分布は、基準方向Rとは異なる第2方向D2において基準方向Rに比してより高い光度を有しており、第2方向D2は、発光装置10からユーザU2に向かっている。第2方向D2(例えば、
図2)は、いずれの発光色についても同一となっている。したがって、発光装置10は、ユーザU2に向けて高光度の画像を表示することができる。
【0150】
特に、第1方向D1及び第2方向D2は、基準方向Rに関して対称である。したがって、発光装置10をユーザU1とユーザU2の間のおおよそ真ん中に置くことで、ユーザU1及びユーザU2のいずれにも発光装置10から高光度の光を送ることができる。
【0151】
以上、図面を参照して実施形態及び実施例について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0152】
この出願は、2016年7月12日に出願された日本出願特願2016−137992号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。