(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6689989
(24)【登録日】2020年4月10日
(45)【発行日】2020年4月28日
(54)【発明の名称】二次電池の充電及び放電時の電流を測定するための電子回路
(51)【国際特許分類】
G01R 19/00 20060101AFI20200421BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20200421BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20200421BHJP
G01R 15/00 20060101ALI20200421BHJP
【FI】
G01R19/00 B
H01M10/48 P
H02J7/00 Q
G01R15/00 500
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-535864(P2018-535864)
(86)(22)【出願日】2017年1月4日
(65)【公表番号】特表2019-510200(P2019-510200A)
(43)【公表日】2019年4月11日
(86)【国際出願番号】IB2017050021
(87)【国際公開番号】WO2017118925
(87)【国際公開日】20170713
【審査請求日】2018年8月17日
(31)【優先権主張番号】16150388.3
(32)【優先日】2016年1月7日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】16200738.9
(32)【優先日】2016年11月25日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508117514
【氏名又は名称】ブラウン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フェルディナンド ハーマン
(72)【発明者】
【氏名】トルステン クレム
【審査官】
島▲崎▼ 純一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−070477(JP,A)
【文献】
特開2011−151705(JP,A)
【文献】
特開2014−190891(JP,A)
【文献】
特開2014−009607(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0190369(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 19/00
G01R 15/00
H01M 10/48
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池(307)の充電及び放電時の電流を測定するための電子回路であって、
前記二次電池(307)と、
前記二次電池(307)の放電時の第1の電流を判定するための第1のシャント(313)と、
前記二次電池(307)の充電時の第2の電流を判定するための第2のシャント(312)と、
切替可能な電気負荷(305)と、
前記二次電池(307)を充電するために、切替可能な電源(304)を前記電子回路(301)に接続するための2つのコネクタ(302及び303)と、
電圧測定装置(310)と、を備え、
前記第1のシャント(313)は、前記切替可能な電気負荷(305)と前記二次電池(307)との間で直列に接続され、
前記第2のシャント(312)は、前記切替可能な電源(304)に接続するための前記2つのコネクタ(303)のうちの一方と前記二次電池(307)との間で直列に接続され、
前記第1のシャント(313)及び前記第2のシャント(312)は、前記二次電池(307)の2つの電池端子のうちの同じ1つに接続され、
前記電圧測定装置(310)は、前記第1のシャント(313)と前記切替可能な電気負荷(305)との間の電線管に接続され、かつ前記電圧測定装置の接地電位によって定義される接地に対する電位を測定する電圧タップであって、前記二次電池が放電しているときに前記第1のシャントの第1の電圧降下を測定し、前記二次電池が充電しているときに前記第2のシャントの第2の電圧降下を測定するように構成された電圧タップを1つしか備えないことを特徴とする、電子回路。
【請求項2】
前記第1のシャント(313)及び前記第2のシャント(312)は、前記二次電池(307)の陰極の前記電池端子に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の電子回路。
【請求項3】
前記第2のシャント(312)に接続されている前記切替可能な電源を接続するための2つのコネクタ(303)のうち一つは、前記切替可能な電源(304)の前記陰極に接続可能であることを特徴とする、請求項2に記載の電子回路。
【請求項4】
充電時に、前記切替可能な電気負荷(305)をオフに切り替えるように適合された制御ユニットによって特徴付けられる、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電子回路。
【請求項5】
前記電圧測定装置(310)は、シングルエンドアナログデジタル変換器であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電子回路。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電子回路(301)を用いて二次電池(307)の充電電流及び放電電流を測定する方法であって、
充電時に、前記電圧測定装置(310)が前記1つの電圧タップを用いて前記第2のシャント(312)の電圧降下のみを測定するように、前記切替可能な電気負荷(305)に電流が流れないことと、
前記切替可能な電気負荷(305)の使用時に、前記電圧測定装置(310)が前記1つの電圧タップを用いて前記第1のシャント(313)の第一の電圧降下のみを測定するように、前記切替可能な電源(304)によって電流が送達されないことと、を特徴とし、
前記第1のシャント(313)の第一の電圧降下及び前記第2のシャント(312)の第二の電圧降下は、前記充電電流及び前記放電電流に対し同じ極性を示す、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池の充電及び放電時の電流であって、充電又は放電する際に二次電池を介してそれぞれ対向方向に流れる電流(対向電流)を測定するための、請求項1のプリアンブルに記載の電子回路に関する。電気回路は、シャント上の電圧降下を測定することで電池の充電及び/又は放電中に電流を判定するための少なくとも1つのシャントと、切り替え可能な電気負荷と、好ましくは切り替え可能な電源を、二次電池を充電するために電子回路に接続するための2つのコネクタと、電圧測定装置と、を有する。シャントは、電流を測定するために使用される電気抵抗器であり、好ましくは低電気抵抗を有する。シャントを流れる電流は、電流に比例する電圧降下をそれによって引き起こす。この電圧降下を、電圧測定装置で測定する。本発明は更に、前に記載された電気回路を有する二次電池の充電電流及び放電電流を測定するための方法に関する。好ましくは、電子回路は、典型的にこれらすべてが二次電池を有するかみそり又はシェーバ、特に電気かみそり若しくはシェーバ、電気脱毛器などの脱毛装置、又は電動歯ブラシなどの口腔ケア装置に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
電池駆動式の装置では、充電中の電流の方向は、負荷がオンに切り替えられたときの、装置の使用中の方向に対して逆である。使用中、典型的には、モータ又はその類似するものなどの切り替え可能な電気負荷は、オンに切り替えられている。いくつかの理由から、充電電流及び放電電流の両方を高精度で測定することが重要である。第1に、二次電池の充電電流及び放電電流の知識が、クーロンカウンタ方式により充電レベルを判定したり、充電終了を検出したりする際に必要とされ得る。それに加えて、電気負荷がモータである場合には、放電電流とある程度同一であるモータ電流の値が、回転数制御や過負荷に使用され得る。典型的には、電気負荷の制御及び測定は、装置内のマイクロコントローラにより遂行される。
【0003】
両方向の電流(本出願では対向電流としても示される)を測定するためには、いくつかの可能性が知られている。第1の解決策は、シャントと、典型的にマイクロコントローラに組み込まれる、差動チャネルを有するアナログ−デジタル変換器(analog-digital converter、ADC)とを含む。このような差動チャネルを有するADCは、ADCの2つの入力ピン間で両極の電圧を測定することができる。シャント抵抗器は、例えば二次電池の2つの端子のうちのいずれかに配置され、ADCの入力ピンは、シャントの一端にそれぞれ接続される。このような電子回路では、充電電流及び放電電流は共にシャントを通過しなければならず、それによりシャント上での電圧降下がもたらされる。この電圧降下は、充電と放電とでは逆の極性を有し、そのために両方の極性の電圧を取り出すことができる差動ADCを必要とする。しかしながら、差動ADCを有するマイクロコントローラはシングルエンドADCよりも高価であり、それを用いる電子回路はマイクロコントローラのピンを2つ占めることになる。
【0004】
一方又は他方のシャント抵抗器上の電圧さを測定する差動チャネルを有するADCを使用して、二次電池を通って対向方向に流れる充電電流及び放電電流をそれぞれ測定するための2つのシャント抵抗器を有する、対応する電子回路が米国特許出願公開第2007/0190396(A1)号に記載されている。
【0005】
かかるタスクのための別の電子回路は、負の電圧の問題を回避するために演算増幅器を用いる。演算増幅器は非常に高価な部品であるだけでなく、製造中に調整されなければならず、結果的に費用が更に嵩み、安価な大量生産製品での使用に適さないものとなる。
【0006】
代替的な電子回路は、2つのシングルエンドADC、又は2つのシングルエンドADCと同等に用いることができる2つの入力ピンを有する1つのシングルエンドADCを用いる。このような回路は2つのシャントを更に備えており、1つは充電するためのものであり、1つはモータ又は負荷を介して放電するためのものである。シャントのうちの1つである電池シャントは、電池に直列に配置され、第1のADCは、充電時に正の電圧を有するシャント側に接続される。他方のシャントであるモータ又は負荷シャントは、モータ又は負荷に直列に配置され、第2のADCは、装置の使用時に正の電圧を有するシャント側に接続される。この電子回路は、2つのマイクロコントローラのピンを使用するという欠点がある。それに加えて、装置の使用時に、モータ又は同様の負荷が実行しているとき、電流は両方のシャントを通過しなければならず、結果的に測定回路による電力損失を倍にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0190396(A1)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、上記の欠点なく、両方向の電流を効率的に測定するための電子回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、請求項1に記載の電子回路及び請求項6に記載の方法により解決される。
【0010】
提案された電子回路は、外部エネルギー源が接続されていないときに装置に電力供給をするための二次電池を有し、これは、装置の使用前及び/又は使用後に再充電することができる。回路は、電池の充電及び放電時の電流を判定するための、少なくとも第1及び第2のシャントを更に備える。シャントは、好ましくは低電気抵抗を有する、電気抵抗器であり得る。
【0011】
シャントを通って流れる電流は、電流に比例した、シャント上の電圧降下を引き起こす。この電圧降下をその後に測定して、シャントを通る電流を判定することができる。電子回路は、電気モータ又は複数の同様の装置のような切り替え可能な電気負荷と、電気負荷をアクティブ化/非アクティブ化するための切り替え手段とを更に備える。
【0012】
二次電池を充電するために、電子回路は、電子回路に電源を接続するための2つのコネクタを有する。この回路はまた、電圧を測定するための装置を有する。これは、マイクロコントローラの一部であり得るアナログ−デジタル変換器(ADC)であり得る。このマイクロコントローラは、装置を更に制御するために使用されてもよい。このようなADCは典型的には非常に高い入力抵抗を有し、結果的に測定電流は極めて低くなる。本提案に則して、任意の他の種類の電圧測定装置、例えば、単純な可動コイル検流計もまた可能である。第1のシャントは、第1のシャントに流れる電流が電気負荷に流れる電流と等しくなるように、電気負荷と二次電池との間に直列に接続されている。第2のシャントは、第2のシャントに流れる電流が充電時に電源によって送達される電流と等しくなるように、電源を二次電池に接続するための2つのコネクタのうちの1つと二次電池との間で直列に接続されている。第1及び第2のシャントは共に、電池端子の同じ1つの極に接続されている。したがって、シャントのこれらの端子もまた、互いに接続されている。
【0013】
電圧測定装置は、二次電池の充電及び放電時の対向電流を測定するために適合及び使用される電圧タップを1つしか有しない。そのために、その1つの電圧タップは、第1のシャントと切り替え可能な電気負荷との間の電線管に接続されている。したがって、電圧測定装置は、基準電位に対する電位を測定する。この基準電位は、電圧測定装置、例えば、ADCを含む電圧測定装置又はマイクロコントローラの接地コネクタの接地電位によって定義される接地である。電圧測定装置の接地コネクタは、第2のシャントも接続されている電源に接続するためのコネクタに内部接続可能である。電子回路を閉じるには、2つのシャントに接続されていない、2つの電池端子のうちの他方が、切り替え可能な負荷及び電源を接続するための2つのコネクタのうちの他方に接続される。よって、切り替え可能な負荷もまた、2つの電池端子間で直列に接続される。
【0014】
よって、本発明による提案において、電圧測定装置は、第1及び第2のシャント上でそれぞれ測定される電圧が、充電電流及び放電電流の両方、すなわち両方の対向電流に対して同じ極性を有するように、電子回路に接続される。この特徴は、1つのみのシングルエンドADC、すなわち1つの電圧タップを有するADCの使用を許容し、定義された基準電位(接地)に対するタップされた電圧を測定する。
【0015】
本提案は、特に、電気かみそり又は脱毛器又は電動歯ブラシを対象としている。これらはそれぞれ、電子部品及び二次電池用に限られた空間しかなく、使用時と充電時とで異なる電流方向(対向電流)を有する、一般的なユーザ家電である。本提案は、(非差動)ADUチャネルを1つしか必要としない、1つの単一かつ低コストのマイクロコントローラなどの測定装置で(対向方向の)両方の電流の測定を可能とする。
【0016】
本提案の好ましい実施形態では、第1のシャント及び第2のシャントは、電池の負極に接続される。これによって、電圧測定装置の電圧タップにて正の電位がもたらされる。このことにより、正の電圧しか測定できない電圧測定装置を使用することができる。
【0017】
別の好ましい実施形態では、第2のシャントに接続された電源を接続するためのコネクタは、電源の負極に接続可能であるか又は接続されている。更に、二次電池を充電するための電源は、切り替え可能であってもよく、つまりオンオフを切り替えることができる。これは、マイクロコントローラなどの統合制御ユニットによって行うことができる。
【0018】
別の好ましい実施形態では、電子回路は、充電時に切り替え可能な負荷をオフに切り替えるように適合された制御ユニットを含んでもよい。電力源が回路に、例えば固定接続によって組み込まれているとき、制御ユニットはまた、負荷がオンに切り替わっている間に電源をオフに切り替えることで、充電をオフに切り替えるように適合され得る。よって、充電時には第1のシャントには電流が流れず、第2のシャントにのみ電流が流れる。放電時には、第2のシャントには電流は流れず、第1のシャントに電流が流れる。
【0019】
好ましい実施形態では、電圧測定装置は、シングルエンドのアナログ−デジタル変換器(ADC)である。このようなADCは、一般的なマイクロコントローラの一部であってもよく、マイクロコントローラのピンを1つのみ使用して、マイクロコントローラに組み込むことができる。ADCはその後、所定の基準電圧に対して測定している。
【0020】
本発明はまた、上記の本発明の電子回路のいずれかを用いて電池の充電電流及び放電電流を測定するための方法に関する。
【0021】
充電時には、電流は電気負荷に流れず、よって第1のシャントを通って流れていない。よって、第1のシャントでは電圧降下がなく、結果的に、この第1のシャントの第1の端部及びこの第1のシャントの第2の端部において同じ電位がもたらされる。したがって、電圧測定装置は、第2のシャント上の電圧降下のみを測定する。第2のシャントの電圧降下は、電源と電池との間の第2のシャントを通って流れる充電電流に比例する。両方の電圧降下は、電気回路の同一の単一電圧タップで測定され、同じ極性を示す。
【0022】
電気負荷の使用時に、すなわち切り替え可能な電気負荷のオンに切り替えられているときに、電源によって電流は送達されていない。電源は、第2のシャントに電流が流れないように、コネクタを介して接続されていないか、又は非アクティブ化されている場合がある。そうなると、電流は、電池と電気的に切り替え可能な負荷とを接続する第1のシャントにのみ流れる。よって、電圧測定装置は、第1のシャントの電圧降下のみを測定する。
【0023】
本提案に則して、装置は使用されるか再充電されるかのいずれかであり、両方同時にはされない。これは、供給電流が充電電流と等しく、電気負荷電流が放電電流に等しいことを意味する。シャントの抵抗は既知であるため、当業者に一般的に知られているオームの法則に従って、電圧降下から電流を算出することができる。
【0024】
好ましい実施形態では、充電電流及び/又は放電電流の測定値は、クーロンカウント方式によって電池の状態を判定するため、充電の終了を検出するため、又は他の理由のために用いられてもよい。別の好ましい実施形態では、電気負荷は電気モータであってよく、測定された放電電流は、モータの回転数の制御、又は過負荷の検出に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】差動ADCを用いて充電電流及び放電電流を測定するための既知の電子回路の一例を示す。
【
図2】2つのADCを用いて充電電流及び放電電流を測定するための既知の電子回路の一例を示す。
【
図3】本提案による、シングルエンドADCを用いて充電電流及び放電電流を測定するための電子回路の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、電池駆動式の再装填可能な装置の既知の電子回路101を示している。電子回路101は、二次電池107と、スイッチ106を有する、モータ105の形態の切り替え可能な電気負荷と、シャント抵抗112と、電源104を接続するためのコネクタ102、103と、を有する。二次電池107の充電及び放電時の電流114、115を測定するために、シャント抵抗112はその負極にて電池107に直列に接続している。電子回路101は、その二次電池107の充電及び放電時の電流114、115を測定するために、差動チャネル又は電圧タップ110、111を有するアナログ−デジタル変換器(ADC)を備えている。これは、ADCが2つのピン110、111を有し、これら2つの点の間の電位、すなわち電圧の差を、デジタル値に変換することを意味する。このようなADC 110、111により、両極の電圧を測定することができる。第1のADCピン110はシャント112の第1の端部に接続され、第2のADCピン111はシャント112の第2の端部に接続されている。
【0027】
電源104が接続されておらず、スイッチ106が、モータ105が作動するようにオン状態にあるときは、モータ105に流れる電流はシャント112に流れる電流、また電池107の放電電流115にも等しい。電流の方向は、電池107の正極から、電気負荷105を通り、シャント112を通って電池107の負極に向けられている。このため、シャント112に流れる電流は第2のADCピン111に接続されているシャント112の第2の端部から、第1のADCピン110に接続されているシャント112の第1の端部に流れる。この結果、第2のADCピン111に対して、第1のADCピン110にて負の電圧でシャント112上の電圧降下が生じる。
【0028】
スイッチ106を用いてモータ105をオフにし、電源104が接続されていると、電池107は充電電流114で電源104により充電される。充電電流114は、放電電流115と逆の方向を有する。また、それに従って、シャント112にも逆方向に流れている。この結果、第2のADCピン111に対して、第1のADCピン110にて正の電圧でシャント112の電圧降下が生じる。
【0029】
差動チャネル110、111を有するADCは、負及び正の電圧を取り出してデジタル値に変換することができる。このデジタル値は次に、例えば、プロセッサによって解釈されて、充電電流及びモータ/放電電流を計算することができる。
【0030】
図2は、電池駆動式の再装填可能な装置の別の既知の電子回路201を示している。電流214、215をその電池207の充電時及びモータ205の使用時に計測するために、2つのシングルエンドADC 210、211、及び2つのシャント212、213を備えている。電池シャント212は、第1のADC 210と共に電池207の負極に接続されている。このシャント212及びADC 210は、充電時の電流214を判定するために用いられる。モータシャント213は、第2のADC 211と共に、スイッチ206を介してモータ205の負の電圧入力に接続されている。このシャント213及びADC 211は、モータの使用時の電流215を判定するために用いられる。
【0031】
電源204が接続されておらず、モータ205が作動するようにスイッチ206がオンにされると、モータ205を通る電流は、シャント212、213を通る電流及び電池207の放電電流215と同じになる。電流の方向は電池207の正極から、スイッチ206を有するモータ205を通り、モータシャント213、及び電池シャント212から、電池207の負極までである。このため、電池シャント212を流れる電流は、モータシャント213に接続しているシャント212の第2の端部から流れ、第1のADC 210に接続しているシャント212の第1の端部に流れる。この結果、第1のADC 210にて負の電圧で、電池212上の電圧降下が生じる。このため、シングルエンドADC 210でこの電圧を測定することができない。モータシャント213を通る電流215は、スイッチ206を有するモータ205に接続されている第1の端部から、電池シャント212に接続されている第2の端部に流れる。この結果、第2のADC 211にて正の電圧で、モータシャント213上の電圧降下が生じる。これにより、放電電流215を第2のシングルエンドADC 211で測定することができる。放電/モータ電流215は、モータ205の使用時には両方のシャントを流れなければならない。
【0032】
モータ205がスイッチ206でオフに切り換えられて電源204が接続されているとき、電池207は充電電流214で、電源204により充電される。充電電流214は、放電電流とは逆方向に電池シャント212を通る。この結果、第1のADC 210にて正の電圧で、電池シャント212により電圧降下が生じる。このために、充電電流214は、第1のADC 210で測定することができる。
【0033】
図3は、本発明による提案の好ましい実施形態にかかる、電池駆動式の再装填可能な装置のための電子回路301を示している。回路は、電源304用の2つのコネクタ302、303と、スイッチ306を有するモータ305と、二次電池307と、電圧タップ(電圧測定装置310の)としてのシングルエンドADCと、第2の又は電池シャント312と、第1の又はモータシャント313と、を備える。下記において、(シングルエンド)ADCは、
図3で図示される測定装置の唯一の部分であるため、参照数値310でも示される。
【0034】
電池307の正極は第1の電源コネクタ302に接続され、これは電源304の正極に接続可能され得る。更に、電池307の正極はスイッチ306を介してモータ305の正入力に接続されている。電池307の負極は、モータシャント313を介してモータ305の負入力に接続されている。更に、電池307の負極は電池シャント312を介して第2の電源コネクタ303に接続されており、これは電源304の負極に接続され得る。シングルエンドADC 310のピンは、モータ305の負入力とモータシャント313との間の電線管に接続されている。したがって、このシングルエンドADC 310のピンは、二次電池307の充電及び放電時の両方の対向電流を測定するための1つの電圧タップである。好ましくは、コネクタ303は、接地レベルGNDに接続される。これにより、接地レベルGNDは、電圧測定器310の基準電位(電圧タップ)である。
【0035】
電源304は、図示しない適合するスイッチング素子を用いてオンオフを切り替えられるようにする意味で、切り替え可能な電源304であってもよい。電源のオンオフを切り替えることにより、例えば二次電池の充電を制御することができる。
【0036】
図4は、スイッチ306が閉じられておらず、電源304が接続されているときの、
図3の電子回路301の等価回路図を示している。この状態においてモータ305に電流が流れることができないため、明確化のためにこれらの構成要素は
図4の等価回路301の図では省略されている。ADC 310は、マイクロコントローラの任意の典型的なADCのように、数MΩの非常に高い入力抵抗を有し、結果的に非常に小さな入力電流となる。このため、モータシャント313上の電圧降下は軽微であり、等価回路301の図面からも省略できる。
【0037】
したがって、充電時には、電源304は、その正極が電池307の正極に接続され、その負極が電池シャント312を介して電池307の負極に接続される。ADC 310は、電池シャント312と電池307の負極との間に接続されている。電流は、電源304の正極から電池307の正極に、また電池307の負極から電池シャント312を介して電源304の負極に流れ、結果としてADC 310にて正の電圧で電池シャント312上の電圧降下が生じる。
【0038】
図5は、電源304が接続されておらず、モータ305が作動するようにスイッチ306が閉じているときの、
図3の電気回路301の等価回路図を示している。電池シャント312と電源コネクタ302、303との間で電流が流れないため、これらの構成要素は等価回路図の図面において省略されている。
【0039】
モータ305の使用時には、電池307の正極は、したがって、スイッチ306を介してモータ305の正入力に接続され、電池307の負極は、モータシャント313を介してモータ305の負極に接続されている。ADC 310はモータシャント313とモータ305との間に接続されている。電流は、電池307の正極から、スイッチ306を有するモータ305及びモータシャント313を介して、電池307の負極に流れる。この結果、ADC 310で正の電圧にて、モータシャント313上の電圧降下が生じる。
【0040】
このため、充電時及び放電時の両方において、ADC 310入力(又は電圧タップ)での電圧は正であり、シングルエンドADC 310で取り出すことが可能になる。
【0041】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような各寸法は、記載された値とその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。