(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記回路は、被写体の特性に基づいて、前記第1画像及び前記第2画像、前記第1画像及び前記第3画像、または前記第1画像及び前記第4画像を選択する、請求項7に記載の決定装置。
第1撮像装置が備える第1イメージセンサにより撮像される第1波長領域の第1画像、及び第2撮像装置が備える第2イメージセンサにより撮像される第2波長領域の第2画像に基づいて、前記第1画像内の第1領域を決定し、
第3撮像装置が備える第3イメージセンサにより撮像される第3波長領域の第3画像内の前記第1領域に対応する第3領域の画像情報に基づいて、前記第3撮像装置の撮像制御値を決定するように構成された回路
を備える決定装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
複数の波長帯域ごとに画像を撮像するマルチスペクトルカメラにおいて、特定の対象物に適した撮像条件を適切に設定できない場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様に係る決定装置は、第1撮像装置が備える第1イメージセンサにより撮像される第1波長領域の第1画像に基づいて、第1画像内の第1領域を決定し、第2撮像装置が備える第2イメージセンサにより撮像される第2波長領域の第2画像内の第1領域に対応する第2領域の画像情報に基づいて、第2撮像装置の撮像制御値を決定するように構成された回路を備えてよい。
【0005】
画像情報は、輝度情報であり、撮像制御値は、露出制御値でよい。
【0006】
回路は、第1画像及び第2画像に基づいて、第1領域を決定してよい。
【0007】
回路は、第1領域を決定するために用いる画像として、第1画像及び第2画像、または第1画像及び第3撮像装置が備える第3イメージセンサにより撮像される第3波長領域の第3画像を選択してよい。回路は、選択された第1画像及び第2画像、または第1画像及び第3画像に基づいて、第1領域を決定してよい。回路は、第1画像の第1領域の画像情報に基づいて、第1撮像装置の撮像制御値を決定し、第2画像の第2領域の画像情報に基づいて、第2撮像装置の撮像制御値を決定し、第3画像の第1領域に対応する第3領域の画像情報に基づいて、第3撮像装置の撮像制御値を決定してよい。
【0008】
回路は、被写体の特性に基づいて、第1画像及び第2画像、もしくは第1画像及び第3画像を選択してよい。
【0009】
第1波長領域は、近赤外線領域の波長領域でよい。第2波長領域は、赤色領域の波長領域でよい。第3波長領域は、緑色領域またはレッドエッジ領域の波長領域でよい。
【0010】
回路は、第1領域を決定するために用いる画像として、第1画像及び第2画像、第1画像及び第3撮像装置が備える第3イメージセンサにより撮像される第3波長領域の第3画像、または第1画像及び第4撮像装置が備える第4イメージセンサにより撮像される第4波長領域の第4画像を選択してよい。回路は、選択された第1画像及び第2画像、第1画像及び第3画像、または第1画像及び第4画像に基づいて、第1領域を決定してよい。回路は、第1画像の第1領域の画像情報に基づいて、第1撮像装置の撮像制御値を決定し、第2画像の第2領域の画像情報に基づいて、第2撮像装置の撮像制御値を決定し、第3画像の第1領域に対応する第3領域の画像情報に基づいて、第3撮像装置の撮像制御値を決定し、第4画像の第1領域に対応する第4領域の画像情報に基づいて、第4撮像装置の撮像制御値を決定してよい。
【0011】
回路は、被写体の特性に基づいて、第1画像及び第2画像、第1画像及び第3画像、または第1画像及び第4画像を選択してよい。
【0012】
第1波長領域は、近赤外線領域の波長領域でよい。第2波長領域は、赤色領域の波長領域でよい。第3波長領域は、緑色領域の波長領域でよい。第4波長領域は、レッドエッジ領域の波長領域でよい。
【0013】
本発明の一態様に係る決定装置は、第1撮像装置が備える第1イメージセンサにより撮像される第1波長領域の第1画像、及び第2撮像装置が備える第2イメージセンサにより撮像される第2波長領域の第2画像に基づいて、第1画像内の第1領域を決定し、第3撮像装置が備える第3イメージセンサにより撮像される第3波長領域の第3画像内の第1領域に対応する第3領域の画像情報に基づいて、第3撮像装置の撮像制御値を決定するように構成された回路を備えてよい。
【0014】
画像情報は、輝度情報であり、撮像制御値は、露出制御値でよい。
【0015】
第1波長領域は、近赤外線領域の波長領域でよい。第2波長領域は、赤色領域、緑色領域、またはレッドエッジ領域の波長領域でよい。第3波長領域は、赤色領域、緑色領域、及び青色領域の波長領域でよい。
【0016】
本発明の一態様に係る撮像システムは、上記決定装置を備えてよい。撮像システムは、第1撮像装置と、第2撮像装置とを備えてよい。
【0017】
本発明の一態様に係る移動体は、上記撮像システムを備えて移動する移動体でよい。
【0018】
本発明の一態様に係る決定方法は、第1撮像装置が備える第1イメージセンサにより撮像される第1波長領域の第1画像に基づいて、第1画像内の第1領域を決定する段階を備えてよい。決定方法は、第2撮像装置が備える第2イメージセンサにより撮像される第2波長領域の第2画像内の第1領域に対応する第2領域の画像情報に基づいて、第2撮像装置の撮像制御値を決定する段階を備えてよい。
【0019】
本発明の一態様に係るプログラムは、上記決定装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムでよい。
【0020】
本発明の一態様によれば、複数の波長帯域ごとに画像を撮像するマルチスペクトルカメラにおいて、特定の被写体に適した撮像条件を適切に設定できる。
【0021】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。以下の実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0024】
特許請求の範囲、明細書、図面、及び要約書には、著作権による保護の対象となる事項が含まれる。著作権者は、これらの書類の何人による複製に対しても、特許庁のファイルまたはレコードに表示される通りであれば異議を唱えない。ただし、それ以外の場合、一切の著作権を留保する。
【0025】
本発明の様々な実施形態は、フローチャート及びブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、プログラマブル回路、及び/またはプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/またはアナログハードウェア回路を含んでよい。集積回路(IC)及び/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。再構成可能なハードウェア回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、及び他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含んでよい。
【0026】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよい。その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0027】
コンピュータ可読命令は、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードの何れかを含んでよい。ソースコードまたはオブジェクトコードは、従来の手続型プログラミング言語を含む。従来の手続型プログラミング言語は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語でよい。コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供されてよい。プロセッサまたはプログラマブル回路は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0028】
図1は、無人航空機(UAV)10及び遠隔操作装置300の外観の一例を示す。UAV10は、UAV本体20、ジンバル50、複数の撮像装置60、及び撮像システム100を備える。ジンバル50、及び撮像システム100は、撮像システムの一例である。UAV10は、移動体の一例である。移動体とは、空中を移動する飛行体、地上を移動する車両、水上を移動する船舶等を含む概念である。空中を移動する飛行体とは、UAVの他、空中を移動する他の航空機、飛行船、ヘリコプター等を含む概念である。
【0029】
UAV本体20は、複数の回転翼を備える。複数の回転翼は、推進部の一例である。UAV本体20は、複数の回転翼の回転を制御することでUAV10を飛行させる。UAV本体20は、例えば、4つの回転翼を用いてUAV10を飛行させる。回転翼の数は、4つには限定されない。また、UAV10は、回転翼を有さない固定翼機でもよい。
【0030】
撮像システム100は、所望の撮像範囲に含まれるオブジェクトを複数の波長帯域ごとに撮像する撮像用のマルチスペクトルカメラである。ジンバル50は、撮像システム100を回転可能に支持する。ジンバル50は、支持機構の一例である。例えば、ジンバル50は、撮像システム100を、アクチュエータを用いてピッチ軸で回転可能に支持する。ジンバル50は、撮像システム100を、アクチュエータを用いて更にロール軸及びヨー軸のそれぞれを中心に回転可能に支持する。ジンバル50は、ヨー軸、ピッチ軸、及びロール軸の少なくとも1つを中心に撮像システム100を回転させることで、撮像システム100の姿勢を変更してよい。
【0031】
複数の撮像装置60は、UAV10の飛行を制御するためにUAV10の周囲を撮像するセンシング用のカメラである。2つの撮像装置60が、UAV10の機首である正面に設けられてよい。更に他の2つの撮像装置60が、UAV10の底面に設けられてよい。正面側の2つの撮像装置60はペアとなり、いわゆるステレオカメラとして機能してよい。底面側の2つの撮像装置60もペアとなり、ステレオカメラとして機能してよい。撮像装置60は、撮像装置60の撮像範囲に含まれるオブジェクトの存在、及びオブジェクトまでの距離を計測してよい。撮像装置60は、撮像システム100の撮像方向に存在するオブジェクトを計測する計測装置の一例である。計測装置は、撮像システム100の撮像方向に存在するオブジェクトを計測する赤外線センサ、超音波センサなどの他のセンサでもよい。複数の撮像装置60により撮像された画像に基づいて、UAV10の周囲の3次元空間データが生成されてよい。UAV10が備える撮像装置60の数は4つには限定されない。UAV10は、少なくとも1つの撮像装置60を備えていればよい。UAV10は、UAV10の機首、機尾、側面、底面、及び天井面のそれぞれに少なくとも1つの撮像装置60を備えてもよい。撮像装置60で設定できる画角は、撮像システム100で設定できる画角より広くてよい。撮像装置60は、単焦点レンズまたは魚眼レンズを有してもよい。
【0032】
遠隔操作装置300は、UAV10と通信して、UAV10を遠隔操作する。遠隔操作装置300は、UAV10と無線で通信してよい。遠隔操作装置300は、UAV10に上昇、下降、加速、減速、前進、後進、回転などのUAV10の移動に関する各種命令を示す指示情報を送信する。指示情報は、例えば、UAV10の高度を上昇させる指示情報を含む。指示情報は、UAV10が位置すべき高度を示してよい。UAV10は、遠隔操作装置300から受信した指示情報により示される高度に位置するように移動する。指示情報は、UAV10を上昇させる上昇命令を含んでよい。UAV10は、上昇命令を受け付けている間、上昇する。UAV10は、上昇命令を受け付けても、UAV10の高度が上限高度に達している場合には、上昇を制限してよい。
【0033】
図2は、UAV10に搭載される撮像システム100の外観の一例を示す図である。撮像システム100は、予め定められた複数の波長帯域ごとの画像データを撮像するマルチスペクトルカメラである。撮像システム100は、R用撮像装置110、G用撮像装置120、B用撮像装置130、RE用撮像装置140、及びNIR用撮像装置150を備える。撮像システム100は、R用撮像装置110、G用撮像装置120、B用撮像装置130、RE用撮像装置140、及びNIR用撮像装置150により撮像されたそれぞれの画像データをマルチスペクトル画像として記録することができる。マルチスペクトル画像は、例えば、農作物の健康状態及び活力についての予測をするために用いられてよい。
【0034】
図3は、UAV10の機能ブロックの一例を示す。UAV10は、UAV制御部30、メモリ32、通信インタフェース36、推進部40、GPS受信機41、慣性計測装置42、磁気コンパス43、気圧高度計44、温度センサ45、湿度センサ46、ジンバル50、撮像装置60及び撮像システム100を備える。
【0035】
通信インタフェース36は、遠隔操作装置300などの他の装置と通信する。通信インタフェース36は、遠隔操作装置300からUAV制御部30に対する各種の命令を含む指示情報を受信してよい。メモリ32は、UAV制御部30が、推進部40、GPS受信機41、慣性計測装置(IMU)42、磁気コンパス43、気圧高度計44、温度センサ45、湿度センサ46、ジンバル50、撮像装置60、及び撮像システム100を制御するのに必要なプログラム等を格納する。メモリ32は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体でよく、SRAM、DRAM、EPROM、EEPROM、及びUSBメモリ等のフラッシュメモリの少なくとも1つを含んでよい。メモリ32は、UAV本体20の内部に設けられてよい。UAV本体20から取り外し可能に設けられてよい。
【0036】
UAV制御部30は、メモリ32に格納されたプログラムに従ってUAV10の飛行及び撮像を制御する。UAV制御部30は、CPUまたはMPU等のマイクロプロセッサ、MCU等のマイクロコントローラ等により構成されてよい。UAV制御部30は、通信インタフェース36を介して遠隔操作装置300から受信した命令に従って、UAV10の飛行及び撮像を制御する。推進部40は、UAV10を推進させる。推進部40は、複数の回転翼と、複数の回転翼を回転させる複数の駆動モータとを有する。推進部40は、UAV制御部30からの命令に従って複数の駆動モータを介して複数の回転翼を回転させて、UAV10を飛行させる。
【0037】
GPS受信機41は、複数のGPS衛星から発信された時刻を示す複数の信号を受信する。GPS受信機41は、受信された複数の信号に基づいてGPS受信機41の位置(緯度及び経度)、つまりUAV10の位置(緯度及び経度)を算出する。IMU42は、UAV10の姿勢を検出する。IMU42は、UAV10の姿勢として、UAV10の前後、左右、及び上下の3軸方向の加速度と、ピッチ、ロール、及びヨーの3軸方向の角速度とを検出する。磁気コンパス43は、UAV10の機首の方位を検出する。気圧高度計44は、UAV10が飛行する高度を検出する。気圧高度計44は、UAV10の周囲の気圧を検出し、検出された気圧を高度に換算して、高度を検出する。温度センサ45は、UAV10の周囲の温度を検出する。湿度センサ46は、UAV10の周囲の湿度を検出する。
【0038】
図4は、撮像システム100の機能ブロックの一例を示す。撮像システム100は、R用撮像装置110、G用撮像装置120、B用撮像装置130、RE用撮像装置140、及びNIR用撮像装置150を備える。撮像システム100は、画像処理プロセッサ180、送信部190、及びメモリ192を備える。
【0039】
R用撮像装置110は、R用イメージセンサ112、及び光学系114を有する。R用イメージセンサ112は、光学系114により結像された像を撮像する。R用イメージセンサ112は、赤色領域の波長帯域の光を透過するフィルタを有し、赤色領域の波長帯域の画像信号であるR画像信号を出力する。赤色領域の波長帯域は、例えば、620nm〜750nmである。赤色領域の波長帯域は、赤色領域の特定の波長帯域でよく、例えば、663nm〜673nmでよい。
【0040】
G用撮像装置120は、G用イメージセンサ122、及び光学系124を有する。G用イメージセンサ122は、光学系124により結像された像を撮像する。G用イメージセンサ122は、緑色領域の波長帯域の光を透過するフィルタを有し、緑色領域の波長帯域の画像信号であるG画像信号を出力する。緑色領域の波長帯域は、例えば、500nm〜570nmである。緑色領域の波長帯域は、緑色領域の特定の波長帯域でよく、例えば、550nm〜570nmでよい。
【0041】
B用撮像装置130は、B用イメージセンサ132、及び光学系134を有する。B用イメージセンサ132は、光学系134により結像された像を撮像する。B用イメージセンサ132は、青色領域の波長帯域の光を透過するフィルタを有し、青色領域の波長帯域の画像信号であるB画像信号を出力する。青色領域の波長帯域は、例えば、450nm〜500nmである。青色領域の波長帯域は、青色領域の特定の波長帯域でよく、例えば、465nm〜485nmでよい。
【0042】
RE用撮像装置140は、RE用イメージセンサ142、及び光学系144を有する。RE用イメージセンサ142は、光学系144により結像された像を撮像する。RE用イメージセンサ142は、レッドエッジ領域の波長帯域の光を透過するフィルタを有し、レッドエッジ領域の波長帯域の画像信号であるRE画像信号を出力する。レッドエッジ領域の波長帯域は、例えば、705nm〜745nmである。レッドエッジ領域の波長帯域は、712nm〜722nmでよい。
【0043】
NIR用撮像装置150は、NIR用イメージセンサ152、及び光学系154を有する。NIR用イメージセンサ152は、光学系154により結像された像を撮像する。NIR用イメージセンサ152は、近赤外領域の波長帯域の光を透過するフィルタを有し、近赤外領域の波長帯域の画像信号であるNIR画像信号を出力する。近赤外領域の波長帯域は、例えば、800nm〜2500nmである。近赤外領域の波長帯域は、800nmから900nmでよい。
【0044】
画像処理プロセッサ180は、マルチプレックス170、入力受付部172、デモザイク処理部174、及び記録処理部178を含む。画像処理プロセッサ180は、回路の一例である。画像処理プロセッサ180は、CPUまたはMPU等のマイクロプロセッサ、MCU等のマイクロコントローラ等により構成されてよい。
【0045】
マルチプレックス170は、各イメージセンサから出力された画像信号を受信し、予め定められた条件に従って、いずれかのイメージセンサから出力された画像信号を選択し、入力受付部172に入力する。
【0046】
デモザイク処理部174は、入力受付部172に入力されたR画像信号、G画像信号、及びB画像信号に基づいて、表示用の画像データを生成する。デモザイク処理部174は、R画像信号、G画像信号、及びB画像信号にデモザイク処理を施すことで、表示用の画像データを生成する。デモザイク処理部174は、R画像信号、G画像信号、及びB画像信号に間引き処理を施し、間引き処理されたR画像信号、G画像信号、及びB画像信号をベイヤ配列の画像信号に変換することで、表示用の画像データを生成してよい。送信部190は、表示用の画像データを表示装置に送信する。送信部190は、例えば、遠隔操作装置300に表示用の画像データを送信してよい。遠隔操作装置300は、表示部に表示用の画像データをライブビューの画像として表示してよい。
【0047】
記録処理部178は、入力受付部172に入力されたR画像信号、G画像信号、B画像信号、RE画像信号、及びNIR画像信号に基づいて、予め定められた記録形式に従って記録用の画像データを生成する。記録処理部178は、R画像信号、G画像信号、B画像信号、RE画像信号、及びNIR画像信号から、RAW形式に従って記録用の画像データとしてRAWデータを生成してよい。記録処理部178は、R画像信号、G画像信号、B画像信号、RE画像信号、及びNIR画像信号のそれぞれを間引き処理せずにフル画素の記録用の画像データを生成してよい。記録処理部178は、記録用の画像データをメモリ192に格納してよい。メモリ192は、コンピュータ可読可能な記録媒体でよく、SRAM、DRAM、EPROM、EEPROM、及びUSBメモリなどのフラッシュメモリの少なくとも1つを含んでよい。メモリ192は、撮像システム100の筐体の内部に設けられてよい。メモリ192は、撮像システム100の筐体から取り外し可能に設けられてよい。
【0048】
画像処理プロセッサ180は、受付部184、及び切替部186をさらに有する。受付部184は、記録用の画像データをメモリ192に記憶する記憶指示を受け付ける。受付部184は、遠隔操作装置300などの外部の端末を介してユーザからの記憶指示を受け付けてよい。受付部184は、撮像システム100の位置が予め定められた位置である場合に、UAV制御部30から記憶指示を受け付けてよい。受付部184は、UAV10の位置が予め定められた位置である場合に、UAV制御部30が撮像システム100の位置が予め定められた位置であると判断して、UAV制御部30から記憶指示を受け付けてよい。撮像システム100がGPS受信機を備えてもよい。この場合、画像処理プロセッサ180が、自身のGPS受信機からの位置情報に従って、撮像システム100の位置が予め定められた位置かどうかを判断してよい。切替部186は、入力受付部172に入力されたR画像信号、G画像信号、及びB画像信号に基づいて、デモザイク処理部174に表示用の画像データを生成させるか、入力受付部172に入力されたR画像信号、G画像信号、B画像信号、RE画像信号、及びNIR画像信号に基づいて、記録処理部178に予め定められた記録形式に従って記録用の画像データを生成させるかを切り替える。
【0049】
以上のように構成された撮像システム100において、R用撮像装置110、G用撮像装置120、及びB用撮像装置130のそれぞれで撮像された画像信号に基づいて、撮像条件を決定するための関心領域(ROI)を決定することがある。画像処理プロセッサ180が、R用撮像装置110、G用撮像装置120、及びB用撮像装置130のそれぞれで撮像された画像信号で示される画素値(輝度値)に基づいて、ROIを決定することがある。
【0050】
しかしながら、画像処理プロセッサ180が、そのようなROIに従って、R用撮像装置110、G用撮像装置120、及びB用撮像装置130のそれぞれの撮像条件を決定すると、特定の対象物に適した撮像条件にならない場合がある。例えば、特定の対象物が農作物などの植物であり、植物の周囲に車または道路が存在する場合、画像処理プロセッサ180は、車または道路を含む領域をROIに決定する場合がある。車または道路を含む領域の画素値が、植物を含む領域の画素値よりも高い場合、画像処理プロセッサ180は、車または道路を含む領域をROIに決定してしまう。
【0051】
例えば、
図5に示すような農作物510と車512とを含む画像500が撮像システム100により撮像される場合、画像500内の符号501で示す直線部分の輝度値(明度)の分布は、
図6に示すような分布となる。すなわち、車512の輝度値が高くなり、画像処理プロセッサ180は、車512を含む領域をROIに決定してしまう。画像処理プロセッサ180は、そのような領域をROIに決定して、そのROI内の輝度値などの画像情報で露出を決定する。この場合、農作物510に適した露出にならず、
図5に示すように、画像500内の農作物510が暗くなることがある。
【0052】
そこで、本実施形態では、特定の被写体により適した撮像条件を決定できるように、特定の被写体の特性に応じた指標でROIを決定する。被写体の特性は、撮像装置により撮像される画像からその被写体が存在する位置を推定または特定することが可能な特性であり、被写体の波長ごとの反射率、色、形、被写体が撮像される場所、時期、季節などである。
【0053】
画像処理プロセッサ180は、領域決定部181、及び撮像条件決定部182を含む。撮像条件決定部182は、R用撮像装置110、G用撮像装置120、B用撮像装置130、RE用撮像装置140、及びNIR用撮像装置150のうちの少なくも1つにより撮像される特定の波長領域の画像に基づいて、その画像内の第1領域をROIに決定する。撮像条件決定部182は、R用撮像装置110、G用撮像装置120、B用撮像装置130、RE用撮像装置140、及びNIR用撮像装置150のうちのそれぞれの第1領域に対応するそれぞれの領域の画像情報に基づいて、R用撮像装置110、G用撮像装置120、B用撮像装置130、RE用撮像装置140、及びNIR用撮像装置150のそれぞれの撮像制御値を決定する。
【0054】
ここで、第1領域に対応する領域とは、第1領域に含まれる被写体と同一の被写体が含まれる領域である。例えば、NIR用撮像装置150の第1領域に対応するR用撮像装置110の第2領域は、NIR用撮像装置150の第1領域に含まれる被写体と同じ被写体が含まれるR用撮像装置110により撮像される画像内の領域である。NIR用撮像装置150の第1領域に対応するG用撮像装置120の第3領域、B用撮像装置130の第4領域、及びRE用撮像装置140の第5領域は、NIR用撮像装置150、G用撮像装置120、B用撮像装置130、及びRE用撮像装置140により撮像される画像内の、第1領域に含まれる被写体と同一の被写体が含まれる領域である。
【0055】
画像情報は、R用撮像装置110、G用撮像装置120、B用撮像装置130、RE用撮像装置140、またはNIR用撮像装置150などの各撮像装置により撮像される画像に関する情報であり、輝度情報、及び色情報などを含む。撮像制御値は、例えば、自動露出制御を実行する場合の制御値である輝度値、イメージセンサのゲイン値、絞り値(Iris値)、及びシャッター速度(蓄積時間)の少なくとも1つでよい。撮像制御値は、オートフォーカス制御を実行する場合の制御値である合焦位置(レンズ位置)でよい。また、撮像制御値は、オートホワイトバランス制御を実行する場合の制御値であるRゲイン値及びBゲイン値でよい。
【0056】
メモリ192は、R用撮像装置110、G用撮像装置120、B用撮像装置130、RE用撮像装置140、NIR用撮像装置150のそれぞれの画像の座標系の対応関係を示す情報を記憶してよい。撮像条件決定部182は、対応関係を示す情報に基づいて、第1領域に対応する第2領域、第3領域、第4領域、及び第5領域を特定してよい。
【0057】
ROIの決定に使用するパラメータは、特定の被写体に特有である光の反射率の特性に基づいて決定してよい。例えば、特定の被写体が、近赤外線領域の光を比較的多く反射する場合、領域決定部181は、近赤外線の反射率に基づいて、ROIを決定してよい。
【0058】
領域決定部181は、NIR用撮像装置150により撮像された近赤外線領域のNIR画像に基づいて、NIR画像内の第1領域をROIとして決定してよい。撮像条件決定部182は、R用撮像装置110により撮像される赤色領域の赤色画像内の第1領域に対応する第2領域の輝度情報に基づいて、R用撮像装置110の露出制御値を決定してよい。撮像条件決定部182は、G用撮像装置120により撮像される緑色領域の緑色画像内の第1領域に対応する第3領域の輝度情報に基づいて、G用撮像装置120の露出制御値を決定してよい。撮像条件決定部182は、B用撮像装置130により撮像される青色領域の青色画像内の第1領域に対応する第4領域の輝度情報に基づいて、B用撮像装置130の露出制御値を決定してよい。撮像条件決定部182は、RE用撮像装置140により撮像されるレッドエッジ領域のレッドエッジ画像内の第1領域に対応する第5領域の輝度情報に基づいて、RE用撮像装置140の露出制御値を決定してよい。撮像条件決定部182は、NIR用撮像装置150により撮像される近赤外線領域の近赤外線画像内の第1領域の輝度情報に基づいて、NIR用撮像装置150の露出制御値を決定してよい。
【0059】
領域決定部181は、近赤外線画像、及び赤色画像に基づいて、第1領域を決定してよい。領域決定部181は、近赤外線画像、及び緑色画像に基づいて、第1領域を決定してよい。領域決定部181は、近赤外線画画像、及びレッドエッジ画像に基づいて、第1領域を決定してよい。
【0060】
例えば、特定の被写体が植物の場合、標準植生指標(NDVI)が特有の値を示す。NDVIは、植物が多く存在するほど高い値を示す。NDVIは、葉が多い植物ほど高い値を示す。NDVIは、活性度の高い植物ほど高い値を示す。特定の被写体が植物の場合、NDVIが予め定められた値以上の値を示す。植物の種類によって、葉の多さは異なる。植物の健康状態によって活性度は異なる。したがって、特定の被写体が特定の植物の場合、標準植生指標(NDVI)が予め定められた範囲の値を示す。予め定められた範囲は、植物の種類、観察したい植物の健康状態などに基づいて定めてよい。
【0061】
ここで、NDVIは、以下の式で表される。
【数1】
【0062】
IRは、近赤外線領域の反射率、Rは、可視領域の赤色の反射率を示す。
【0063】
領域決定部181は、近赤外線画像及び赤色画像に基づいてNDVIを算出し、NDVIが予め定められた値以上の第1領域をR用撮像装置110、G用撮像装置120、B用撮像装置130、RE用撮像装置140、及びNIR用撮像装置150のそれぞれのROIに決定する。領域決定部181は、近赤外線画像及び赤色画像のそれぞれを複数のブロックに分割して、ブロックごとの画素値に基づいて、ブロックごとにNDVIを算出してよい。領域決定部181は、NDVIが予め定められた閾値以上の少なくとも1つのブロックをROIに決定してよい。領域決定部181は、例えば、
図7に示すように画像500を複数のブロック600に分割して、ブロックごとにNDVIを算出する。領域決定部181は、例えば、
図8に示すように、NDVIが最も高いブロックをROI601に決定する。撮像条件決定部182は、第1領域に対応する各撮像装置の各領域の輝度情報に基づいて、撮像装置の露出制御値を決定する。このようにNDVIに基づくROI内の輝度情報に基づいて、それぞれの撮像装置の露出制御値が決定されることで、ROI内の農作物に適した露出でそれぞれの撮像装置が画像を撮像できる。したがって、例えば、
図9に示すように、農作物532に露出が合った画像530を得ることができる。なお、農作物532に適した露出すると、農作物532より明るい車両534などは、白とびする可能性がある。また、農作物532より極端に暗い被写体が存在する場合には、その被写体は画像内で黒つぶれする可能性がある。しかし、農作物532に着目した画像を得ることを目的としているので画像の評価に影響を与えない。
【0064】
撮像システム100により撮像される被写体によっては、NDVI以外の指標によりROIが決定されたほうが好ましい場合がある。また、例えば、同一種類の農作物でも、場所、時期、または季節によって、反射率の特性が変化する可能性がある。この場合には、場所、時期、または季節などによって、ROIを決定するための指標を切り替えたほうがよい場合がある。すなわち、領域決定部181は、被写体の種類、及び被写体を撮像する場所、時期、または季節の少なくとも1つに基づいて、ROIを決定するための指標を選択してよい。
【0065】
例えば、領域決定部181は、SAVI(Solid Adjusted Vegetation Index)に基づいて、ROIを決定してよい。SAVIは、以下の式で表される。
【数2】
【0066】
SAVIは、土壌の反射率の違いを考慮した指標である。土壌の反射率の違いを考慮する点で、NDVIと異なる。Lは、植生が小さい場合には、1、大きい場合には、0.25である。
【0067】
領域決定部181は、gNDVI(Green Normalized Difference Vegetation Index)に基づいて、ROIを決定してよい。gNDVIは、以下の式で表される。
【数3】
【0068】
ここで、Gは、可視領域の青色の反射率を示す。
【0069】
領域決定部181は、NDRE(Normalized Difference Red edge Index)に基づいて、ROIを決定してよい。NDREは、以下の式で表される。
【数4】
【0070】
ここで、NIRは、近赤外線の反射率、REは、レッドエッジの反射率を示す。NDREを用いることで、植生分布をより深く分析することができる。例えば、杉、及び檜の違いを分析することができる。領域決定部181は、例えば、杉の領域、または檜の領域を区別してROIを決定することができる。
【0071】
領域決定部181は、ROIを決定するために用いる画像として、被写体の特性に基づいて、近赤外線画像及び赤色画像、または近赤外線画像及び緑色画像を選択してよい。領域決定部181は、選択された近赤外線画像及び赤色画像、または近赤外線画像及び緑色画像に基づいて、ROIを決定してよい。領域決定部181は、ROIを決定するために用いる画像として、被写体の特性に基づいて、近赤外線画像及び赤色画像、近赤外線画像及び緑色画像、または近赤外線画像及びレッドエッジ画像を選択してよい。領域決定部181は、選択された近赤外線画像及び赤色画像、近赤外線画像及び緑色画像、または近赤外線画像及びレッドエッジに基づいて、ROIを決定してよい。
【0072】
領域決定部181は、被写体の特性に基づいて、NDVI、SAVI、gNDVI、またはNDREを選択して、選択されたNDVI、SAVI、gNDVI、またはNDREに基づいてROIを決定してよい。領域決定部181は、被写体となる植物の特性に基づいて、NDVI、SAVI、gNDVI、またはNDREを選択してよい。領域決定部181は、被写体の種類、被写体を撮像する場所、時期、または季節の少なくとも1つに基づいて、NDVI、SAVI、gNDVI、またはNDREを選択してよい。
【0073】
領域決定部181は、受付部184を介してユーザから指定された被写体の種類に基づいて、ROIを決定するための指標として、NDVI、SAVI、gNDVI、またはNDREを選択してよい。領域決定部181は、農作物の種類に基づいて、ROIを決定するための指標として、NDVI、SAVI、gNDVI、またはNDREを選択してよい。
【0074】
図10は、露出制御値を決定する手順の一例を示すフローチャートである。領域決定部181は、ROIを決定するための指標を算出するために必要な画像を取得する(S100)。領域決定部181は、例えば、NVDIを導出するために、NIR用撮像装置150により撮像された近赤外線画像、及びR用撮像装置110により撮像された赤色画像を取得する。領域決定部181は、画像に複数のブロックを設定する(S102)。領域決定部181は、R用撮像装置110、G用撮像装置120、B用撮像装置130、RE用撮像装置140、及びNIR用撮像装置150のそれぞれに共通の座標系で、複数のブロックを設定してよい。
【0075】
領域決定部181は、近赤外線画像の各ブロックから導出される各ブロックの近赤外線の反射率、及び赤色画像の各ブロックから導出される各ブロックの赤色領域の反射率に基づいて、各ブロックのNDVIを導出する(S104)。領域決定部181は、複数のブロックのそれぞれのNDVIから、植物に対応するNDVIを示す少なくとも1つのブロックを抽出する(S106)。領域決定部181は、予め定められた閾値以上のNDVIを示す少なくとも1つのブロックを抽出してよい。領域決定部181は、予め定められた閾値以上で、かつ最大のNDVIを示す少なくとも1つのブロックを抽出してよい。領域決定部181は、予め定められた下限閾値以上かつ、予め定められた上限閾値以下のNDVIを示す少なくとも1つのブロックを抽出してよい。
【0076】
植物に対応するNDVIを示すブロックが存在する場合、領域決定部181は、植物に対応するNDVIを示すブロックをROIに設定する(S108)。一方、植物に対応するNDVIを示すブロックが存在しない場合、領域決定部181は、すべてのブロックをROIに設定する(S110)。
【0077】
撮像条件決定部182は、各撮像装置の各ROIの画像情報に基づいて各撮像装置の露出制御値を決定する(S112)。撮像条件決定部182は、R用撮像装置110、G用撮像装置120、B用撮像装置130、RE用撮像装置140、及びNIR用撮像装置150のそれぞれに撮像されたそれぞれの画像内の、ROIに対応するそれぞれの領域の輝度情報に基づいて、R用撮像装置110、G用撮像装置120、B用撮像装置130、RE用撮像装置140、及びNIR用撮像装置150のそれぞれの露出制御値を決定してよい。
【0078】
以上の通り、本実施形態に係る撮像システム100によれば、被写体の特性に応じた指標に従って、撮像条件を決定するために参照すべきROIを決定できる。これにより、撮像システム100は、例えば、注目すべき植物の周辺に輝度の高い車などの他の被写体が存在する場合でも、植物に最適な露出でそれぞれの画像を撮像できる。
【0079】
図11は、UAV10に搭載される撮像システム100の外観の他の一例を示す図である。撮像システム100は、G用撮像装置120、B用撮像装置130、RE用撮像装置140、及びNIR用撮像装置150に加えて、RGB用撮像装置160を備える点で、
図2に示す撮像システム100と異なる。RGB用撮像装置160は、通常のカメラと同様でよく、光学系と、イメージセンサを有する。イメージセンサは、ベイヤ配列で配置された、赤色領域の波長帯域の光を透過するフィルタ、緑色領域の波長帯域の光を透過するフィルタ、及び青色領域の波長帯域の光を透過するフィルタを有してよい。RGB用撮像装置160は、RGB画像を出力してよい。赤色領域の波長帯域は、例えば、620nm〜750nmでよい。緑色領域の波長帯域は、例えば、500nm〜570nmでよい。青色領域の波長帯域は、例えば、450nm〜500nmである。
【0080】
領域決定部181は、NIR用撮像装置150により撮像される近赤外画像と、R用撮像装置110により撮像される赤色画像とに基づいて、近赤外画像内の第1領域をROIに決定してよい。領域決定部181は、NIR用撮像装置150により撮像される近赤外画像と、R用撮像装置110により撮像される赤色画像とに基づいてNDVIを導出し、近赤外画像内の予め定められた閾値以上のNDVIを示す第1領域をROIに決定してよい。撮像条件決定部182は、RGB用撮像装置160により撮像されるRGB画像内の第1領域に対応する領域の画像情報に基づいて、RGB用撮像装置160の撮像制御値を決定してよい。撮像条件決定部182は、RGB用撮像装置160により撮像されるRGB画像内の第1領域に対応する領域の輝度情報に基づいて、RGB用撮像装置160の露出制御値を決定してよい。
【0081】
図12は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ1200の一例を示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーションまたは当該装置の1または複数の「部」として機能させることができる。または、当該プログラムは、コンピュータ1200に当該オペレーションまたは当該1または複数の「部」を実行させることができる。当該プログラムは、コンピュータ1200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0082】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、及びRAM1214を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、入力/出力ユニットを含み、それらは入力/出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。コンピュータ1200はまた、ROM1230を含む。CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。
【0083】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブが、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納してよい。ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/またはコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。プログラムが、CR−ROM、USBメモリまたはICカードのようなコンピュータ可読記録媒体またはネットワークを介して提供される。プログラムは、コンピュータ可読記録媒体の例でもあるRAM1214、またはROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーションまたは処理を実現することによって構成されてよい。
【0084】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、またはUSBメモリのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0085】
また、CPU1212は、USBメモリ等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0086】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0087】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ1200上またはコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0088】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【0089】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【解決手段】決定装置は、第1撮像装置が備える第1イメージセンサにより撮像される第1波長領域の第1画像に基づいて、第1画像内の第1領域を決定し、第2撮像装置が備える第2イメージセンサにより撮像される第2波長領域の第2画像内の第1領域に対応する第2領域の画像情報に基づいて、第2撮像装置の撮像制御値を決定するように構成された回路を備えてよい。