(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記無線端末装置は、前記認知確認情報を受信した場合、当該認知確認情報を受信した旨を示す確認応答情報を前記無線通信部へ送信する確認応答送信処理部をさらに備え、
前記歯ブラシモジュールは、ユーザによる歯磨き行動の開始を検知する開始検知部をさらに備え、
前記歯磨情報管理部は、前記開始検知部によって前記開始が検知されたときに歯磨き行動の開始を示す開始情報を前記無線通信部によって前記無線端末装置へ送信させ、
前記ユーザ認知処理部は、前記無線端末装置からの前記確認応答情報が前記無線通信部によって受信されない場合、次回前記開始情報が前記無線通信部によって前記無線端末装置へ送信された後に前記無線端末装置からの前記開始情報への応答を示す応答情報が前記無線通信部によって受信されたときに前記認知確認情報を前記無線通信部によって前記無線端末装置へ送信させることを予約する予約処理を実行する請求項8に記載の歯磨支援システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の技術では、何らかの理由で無線通信が正常に実行できなかった場合、電動歯ブラシから送信しようとした情報が失われてしまうおそれがあった。
【0005】
本発明の目的は、ユーザの歯磨き行動により得られた情報を、無線通信機能を有する無線端末装置へ送信できる確実性を向上することができる歯ブラシモジュール、及び歯ブラシモジュールを備えた歯磨支援システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る歯ブラシモジュールは、歯ブラシに関する所定の物理量を検出するセンサ部と、無線端末装置と無線通信するための無線通信部と、情報を記憶する記憶部と、前記無線端末装置と無線通信できないとき、前記センサ部により検出された物理量に基づく情報である歯磨情報を前記記憶部に累積的に記憶させ、前記無線端末装置と無線通信可能になった後、前記記憶部に記憶された前記歯磨情報を前記無線通信部によって前記無線端末装置へ送信させる歯磨情報管理部と、前記センサ部、前記無線通信部、前記記憶部、及び前記歯磨情報管理部を収容する筐体部とを備える。
【0007】
この構成によれば、無線端末装置と無線通信できないとき、センサ部によって検出された物理量に基づく情報である歯磨情報が記憶部に累積的に記憶され、その後に無線端末装置と無線通信可能になったときに、記憶部に記憶された歯磨情報が無線端末装置へ送信されるので、ユーザの歯磨き行動により得られた情報を、無線通信機能を有する無線端末装置へ送信できる確実性を向上することができる。
【0008】
また、歯ブラシに対して前記筐体部を着脱可能に取り付ける連結機構を備えることが好ましい。
【0009】
この構成によれば、ユーザが手で握って手動で歯磨きするための略棒状のハンドル部を備えた歯ブラシに歯ブラシモジュールを取り付けて、その歯ブラシ関する所定の物理量を検出することが可能となる。
【0010】
また、ユーザによる歯磨き行動の開始を検知する開始検知部をさらに備え、前記歯磨情報管理部は、前記開始検知部によって前記開始が検知されたときに歯磨き行動の開始を示す開始情報を前記無線通信部によって前記無線端末装置へ送信させ、前記無線端末装置からの前記開始情報への応答を示す応答情報が前記無線通信部によって受信されたとき、前記歯磨情報を前記無線通信部によって前記無線端末装置へ送信させ、前記無線端末装置からの前記開始情報への応答を示す応答情報が前記無線通信部によって受信されないとき、前記無線端末装置と無線通信できないものとして前記歯磨情報を前記記憶部に累積的に記憶させ、再び前記開始検知部によって前記開始が検知されて前記開始情報を前記無線通信部によって前記無線端末装置へ送信させた後、前記無線端末装置からの前記開始情報への応答を示す開始応答情報が前記無線通信部によって受信されたとき、前記無線端末装置と無線通信可能になったものとして、前記記憶部に記憶された前記歯磨情報を前記無線通信部によって前記無線端末装置へ送信させることが好ましい。
【0011】
この構成によれば、ユーザが歯磨きを開始すると、歯ブラシモジュールから無線端末装置へ開始情報が送信され、歯ブラシモジュールで無線端末装置からの応答情報が受信されなかったとき、無線端末装置と無線通信できないものとされるので、無線端末装置と無線通信できるか否かの判定精度が向上する。
【0012】
また、ユーザを識別するためのユーザ識別情報の設定を受け付けるユーザ識別情報受付部をさらに備え、前記歯磨情報管理部は、前記ユーザ識別情報受付部によって受け付けられたユーザ識別情報を前記無線通信部によって前記無線端末装置へ送信させることが好ましい。
【0013】
この構成によれば、無線端末装置では、歯ブラシモジュールから送られてきた歯磨情報が、どのユーザの情報であるかをユーザ識別情報によって特定することが可能になる。その結果、無線端末装置は、複数のユーザの歯磨情報を取り扱うことが可能となる。
【0014】
また、前記無線端末装置は複数の機能を有し、前記歯ブラシモジュールは、前記複数の機能の切り替えを指示する切替指示を受け付ける切替操作受付部と、前記切替操作受付部によって受け付けられた前記切替指示を、前記無線通信部によって前記無線端末装置へ送信させる切替指示送信処理部とをさらに備えることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、ユーザは、歯磨きする際に用いる歯ブラシモジュールを操作することで、無線端末装置の機能を切り替えることができるので、ユーザの利便性が向上する。
【0016】
また、前記歯ブラシモジュールの状態に関する情報であるアタッチメント情報を取得するアタッチメント情報取得部をさらに備え、前記歯磨情報管理部は、前記アタッチメント情報を前記無線通信部によって前記無線端末装置へ送信させることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、歯ブラシモジュールの状態、例えば故障していたり、電池が切れかかっていたり、動作不良を生じていたり、といった状態を示すアタッチメント情報を無線端末装置へ送信することができるので、無線端末装置において、歯ブラシモジュールの状態に応じた処理を実行することが可能となる。
【0018】
また、前記歯ブラシをさらに備えることが好ましい。
【0019】
この構成によれば、歯ブラシモジュールには歯ブラシが含まれる。
【0020】
また、本発明に係る歯磨支援システムは、上述の歯ブラシモジュールと、前記無線端末装置とを備え、前記無線端末装置は、前記歯ブラシモジュールから送信された前記アタッチメント情報に基づき、ユーザに対して報知するか否かを判定するために予め定められた判定基準に基づいて判定し、報知すると判定された場合、その判定に関する報知情報を前記無線通信部へ送信する受信情報処理部を備え、前記歯ブラシモジュールは、ユーザに対して報知するための報知部と、前記無線通信部によって前記報知情報が受信されたとき、その報知情報に関する情報を前記報知部によって報知させる報知処理部とをさらに備える。
【0021】
この構成によれば、無線端末装置は、アタッチメント情報に基づいて歯ブラシモジュールに関してユーザに知らせるべき事情が生じた場合、報知情報を歯ブラシモジュールへ送信し、ユーザの手元にある可能性の高い歯ブラシモジュールによって、ユーザにその報知情報に関する情報を知らせることが可能となる。
【0022】
また、前記歯ブラシモジュールは、前記報知部によって前記報知情報に関する情報が報知された後、ユーザがその報知された情報を認知した旨を示す認知操作を受け付ける認知操作受付部と、前記認知操作受付部によって前記認知操作が受け付けられた場合、ユーザによる認知を示す認知確認情報を前記無線通信部によって前記無線端末装置へ送信させるユーザ認知処理部とをさらに備えることが好ましい。
【0023】
この構成によれば、ユーザが報知情報に関する情報を認知した場合、歯ブラシモジュールから無線端末装置へ、認知確認情報が送信されるので、無線端末装置において、ユーザに対して報知情報に関する情報を知らせることができたか否かを確認することができる。
【0024】
また、前記無線端末装置は、前記認知確認情報を受信した場合、当該認知確認情報を受信した旨を示す確認応答情報を前記無線通信部へ送信する確認応答送信処理部をさらに備え、前記歯ブラシモジュールは、ユーザによる歯磨き行動の開始を検知する開始検知部をさらに備え、前記ユーザ認知処理部は、前記無線端末装置からの前記確認応答情報が前記無線通信部によって受信されない場合、次回前記開始情報が前記無線通信部によって前記無線端末装置へ送信された後に前記無線端末装置からの前記開始情報への応答を示す応答情報が前記無線通信部によって受信されたときに前記認知確認情報を前記無線通信部によって前記無線端末装置へ送信させることを予約する予約処理を実行することが好ましい。
【0025】
この構成によれば、無線通信が正常に実行できないために認知確認情報が無線端末装置で受信されなかった場合、無線端末装置から歯ブラシモジュールへ確認応答情報が送信されない。この場合、歯ブラシモジュールでは、次回ユーザが歯磨きを開始したときに歯ブラシモジュールから送信された開始情報に応じて無線端末装置から応答情報が送信された場合、すなわち無線通信を正常に実行可能になった場合に認知確認情報を無線端末装置へ送信することが予約されるので、認知確認情報を無線端末装置へ送信する確実性が向上する。
【0026】
また、本発明に係る歯磨支援システムは、上述の歯ブラシモジュールと、前記無線端末装置とを含む。
【0027】
この構成によれば、歯ブラシモジュールと、無線端末装置とによって歯磨支援システムが構成される。
【0028】
また、前記無線端末装置は、所定のプログラムを記憶するプログラム記憶部と、前記プログラムを更新する必要が生じた場合、プログラムを更新する必要が生じた旨を示す更新通知を前記無線通信部へ送信する更新通知送信処理部とをさらに備え、前記歯ブラシモジュールは、前記無線通信部によって前記更新通知が受信された場合、前記無線端末装置のプログラムを更新する必要が生じた旨をユーザに報知する更新報知部と、ユーザから前記プログラムの更新を指示する旨の更新指示を受け付ける更新指示受付部と、前記更新指示受付部によって前記更新指示が受け付けられた場合、前記更新指示を前記無線通信部によって前記無線端末装置へ送信させる更新指示送信処理部とをさらに備えることが好ましい。
【0029】
この構成によれば、無線端末装置のプログラムを更新する必要が生じた場合、ユーザは、歯磨きする際に、自分の手元にある可能性の高い歯ブラシモジュールを操作することによって無線端末装置にプログラムの更新を指示することができるので、ユーザの利便性が向上する。
【発明の効果】
【0030】
このような構成の歯ブラシモジュール、及び歯磨支援システムは、歯ブラシモジュールで得られた情報を、無線端末装置に伝達する確実性を向上することができる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る歯ブラシ用アタッチメントを備えた歯磨支援システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0033】
図1に示す歯磨支援システム1は、歯ブラシ用アタッチメント2(歯ブラシモジュール)と、無線端末装置3とを備えている。そして、無線端末装置3と、サーバ装置6とは、例えば携帯電話事業者が運営する無線基地局101と、例えばインターネットなどのネットワーク102とを介して通信可能にされている。
【0034】
無線端末装置3は、例えば携帯型の無線通信端末装置であり、好ましくは、いわゆるスマートフォンやタブレット端末である。なお、無線端末装置3は、例えば携帯型パーソナルコンピュータ、眼鏡型やリストバンド型等のウェアラブル端末装置、あるいは携帯電話端末装置等の無線通信機能を有する端末装置であってもよい。また、無線端末装置3は、携帯型の端末装置に限らず、デスクトップパソコン等の固定型の無線通信端末装置であってもよい。
【0035】
図2は、
図1に示す歯ブラシ用アタッチメント2及び無線端末装置3の外観の一例を示す説明図である。歯ブラシ用アタッチメント2は、防水構造の筐体201(筐体部)内に、後述するブラッシングセンサ部21a(センサ部)、バイタルセンサ部21b、無線通信部22、液晶表示器211(表示部)、発光ボタンスイッチ212,213,214(表示部)、ブザー216、制御部23、及び図略の電池等が収容されて構成されている。筐体201には、歯ブラシ4に筐体201を連結するための連結機構202が設けられている。歯ブラシ用アタッチメント2は、連結機構202によって、
図3に示すように、歯ブラシ4に対して着脱可能に構成されている。なお、歯ブラシモジュールは、歯ブラシ用アタッチメント2に歯ブラシ4が取り付けられた状態で、歯ブラシ4を含んでいてもよい。
【0036】
歯ブラシ4は、略棒状のハンドル部41の一端部に、毛束421が植設されたヘッド部42が設けられて構成されている。連結機構202は、ハンドル部41のヘッド部42とは反対側の端部411側を把持するように構成されている。連結機構202が端部411側を把持することにより、歯ブラシ4と歯ブラシ用アタッチメント2とが連結され、取り付けられる。歯ブラシ用アタッチメント2は、歯ブラシ4に取り付けられると、ユーザの歯磨きに伴い歯ブラシ4と一体に動くようになっている。
【0037】
歯ブラシ用アタッチメント2は、略平坦な底面203を有している。底面203は、歯ブラシ用アタッチメント2が歯ブラシ4に取り付けられた状態でハンドル部41の長尺方向に対して略垂直となる。従って、歯ブラシ4を立てて底面203をテーブルなどにおくことで、歯ブラシ用アタッチメント2が取り付けられた歯ブラシ4を立てて置くことができる。これにより、歯ブラシ用アタッチメント2は、歯ブラシスタンドとして用いることができる。
【0038】
歯ブラシ用アタッチメント2の動作用電源は、例えばボタン電池のような小型の一次電池を用いて交換可能にしてもよく、二次電池を内蔵して充電可能にしてもよい。歯ブラシ用アタッチメント2の動作用電源として二次電池を用いる場合、例えば
図4に示すように、充電器5を底面203に取り付け可能とし、歯ブラシ4を立てた状態で例えば非接触充電方式で充電するようにしてもよい。
【0039】
図5は、
図1に示す歯ブラシ用アタッチメント2の斜視図である。
図6は、
図5に示す歯ブラシ用アタッチメント2のVI−VI線断面図である。筐体201は、例えば樹脂材料で構成され、略円柱形状を有している。筐体201内の略中央部には、歯ブラシ4の端部411を受け入れるための筒状に形成された筒状部201aが配設されている。そして、筒状部201aと筐体201との間に挟まれた空間内に、回路ブロックが例えば樹脂モールドされて防水状態で収納されている。筐体201の側面には、液晶表示器211、及び発光ボタンスイッチ212,213,214が設けられている。底面203には、充電器5に形成された突起部と嵌合する位置決め用の孔や凹部等が形成されている。
【0040】
筐体201の外周部は、底面203と反対側に筒状に延設されて、筒状の連結フレーム205が構成されている。連結フレーム205の内周部には、複数、例えば8個の弾性部材206が取り付けられている。弾性部材206は、例えばシリコンゴム、天然ゴム、合成ゴム等の弾性を有するエラストマから構成されている。連結フレーム205と弾性部材206とから、連結機構202が構成されている。複数の弾性部材206で取り囲まれた空間内に歯ブラシ4のハンドル部41の端部411を挿入することで、複数の弾性部材206でハンドル部41の端部411側が把持されて、筐体201とハンドル部41とが連結される。歯ブラシ4は、連結機構202の把持力に抗して歯ブラシ4を連結機構202から引き抜くことで、歯ブラシ4と歯ブラシ用アタッチメント2とを分離可能にされている。これにより、歯ブラシ用アタッチメント2は、歯ブラシ4に対して着脱可能にされている。
【0041】
なお、歯ブラシ用アタッチメント2は、
図5、
図6に示す構造に限らず、歯ブラシ4の端部411に対して筐体201を着脱可能な種々の構造を採用することができる。
【0042】
図7は、
図1に示す歯ブラシ用アタッチメント2、及び無線端末装置3の電気的構成の一例を示すブロック図である。歯ブラシ用アタッチメント2は、ブラッシングセンサ部21a(センサ部)、バイタルセンサ部21b、無線通信部22、液晶表示器211(表示部)、発光ボタンスイッチ212,213,214(表示部、操作部)、ブザー216(報知部)、及び制御部23を備えている。
【0043】
ブラッシングセンサ部21aは、歯ブラシ4に関する所定の物理量を検出する。具体的には、ブラッシングセンサ部21aとして、加速度を物理量として検出する加速度センサを用いることができる。加速度センサとしては、三方向の加速度を検出する三軸加速度センサを好適に用いることができる。
【0044】
歯ブラシ用アタッチメント2は、歯ブラシ4に取り付けられた状態で歯ブラシ4と一体に動くので、ブラッシングセンサ部21aは、歯ブラシ4の動きに伴う加速度を、歯ブラシ4に関する物理量として検出する。
【0045】
また、ブラッシングセンサ部21aは、地球の重力により生じる重力加速度を検出する。歯ブラシ用アタッチメント2は歯ブラシ4と一体に動くので、歯ブラシ4の姿勢変更に応じて歯ブラシ用アタッチメント2が姿勢変更し、ブラッシングセンサ部21aで検出される重力加速度の方向が変化する。従って、ブラッシングセンサ部21aで検出される重力加速度の方向から、歯ブラシ4の姿勢を検出することができる。以下、説明を簡略化するために、ブラッシングセンサ部21aで検出された重力加速度の方向に基づき歯ブラシの姿勢を検出することを、単に、ブラッシングセンサ部21aで歯ブラシの姿勢を検出する、と記載する。
【0046】
なお、ブラッシングセンサ部21aとして、加速度センサに加えて歯ブラシ4の回転角や角速度を検出するジャイロセンサを備えることが好ましく、さらに歯ブラシ4、特に毛束421に加わるブラッシング圧を検出する圧力センサを備えることがより好ましい。
【0047】
歯ブラシ用アタッチメント2によれば、手動の歯ブラシ4に対して、連結機構202により歯ブラシ用アタッチメント2を取り付けることができる。歯ブラシ4に歯ブラシ用アタッチメント2が取り付けられると、歯ブラシ4と歯ブラシ用アタッチメント2の筐体201とが一体に動くので、ユーザが歯ブラシ4を用いて歯磨きを行うと、その歯磨き動作の動きが筐体201に収納されたブラッシングセンサ部21aに伝わる。従って、ブラッシングセンサ部21aにおいて、ユーザの歯磨き行動に関する情報を取得することができる。このようにして得られたユーザの歯磨き行動に関する情報を、無線通信部22によって外部に送信することができるので、ユーザが手動の歯ブラシ4を用いた場合であっても、ユーザの歯磨き行動に関する情報を外部で取得することができる。
【0048】
バイタルセンサ部21bは、ユーザの血圧、血流、脈拍、手指温度、心電、血糖、血中飽和酸素濃度、発汗量等のバイタルデータ(生理的情報)を計測する。ユーザが、歯磨きする際に歯ブラシ用アタッチメント2が取り付けられた歯ブラシ4を手に持つと、
図2に示すように、ユーザの手の一部が、歯ブラシ用アタッチメント2に触れる。このように、歯磨きの際に歯ブラシ用アタッチメント2に対してユーザの手が触れる位置に、バイタルセンサ部21bを配設することで、歯磨きする際のユーザのバイタルデータを検出することが可能となる。
【0049】
無線通信部22は、例えばBluetooth(登録商標)、WiFi(登録商標)、ZigBee、NFC(Near Field Communication)等の電磁波による無線通信回路や、赤外線通信、可視光通信等、種々の無線通信方式を用いることができる。無線通信部22は、無線端末装置3と無線通信を実行する。
【0050】
液晶表示器211は、制御部23からの制御信号に応じた文字情報等を表示する。ブザー216は、制御部23からの制御信号に応じて報知音を出力する。
【0051】
発光ボタンスイッチ212,213,214は、発光素子と押しボタンスイッチとが一体に構成された表示操作装置である。発光ボタンスイッチ212,213,214は、それぞれ、制御部23からの制御信号に応じて発光し、ユーザに押下されることによりオン信号を制御部23へ出力する。
【0052】
制御部23は、例えば所定の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)、一時的にデータを記憶するRAM(Random Access Memory)、所定の制御プログラムや後述する歯磨情報及びバイタル情報等を記憶するフラッシュメモリやEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の不揮発性の記憶部246、時間を計時するタイマ回路、RTC(Real Time Clock)、及びこれらの周辺回路等を備えたいわゆるマイクロコンピュータとして構成されている。
【0053】
制御部23は、所定の制御プログラムを実行することにより、歯磨情報管理部231、開始検知部232、ユーザ識別情報受付部234、切替操作受付部236、切替指示送信処理部237、アタッチメント情報取得部238、報知処理部239、認知操作受付部241、ユーザ認知処理部242、更新報知部243、更新指示受付部244、及び更新指示送信処理部245として機能する。
【0054】
ユーザ識別情報受付部234は、歯ブラシ用アタッチメント2を使用するユーザ、すなわちこれから歯磨きをしようとするユーザを特定するための設定を受け付ける。歯ブラシ用アタッチメント2は、複数の人が使用する可能性があるため、ブラッシングセンサ部21aやバイタルセンサ部21bで検出された情報が、誰に関する情報であるのかを特定する必要がある。そこで、例えば歯ブラシ用アタッチメント2を使用する可能性のあるユーザのユーザ識別情報を、複数、例えば三人分、発光ボタンスイッチ212,213,214と対応付けて予め記憶部246に記憶しておく。
【0055】
そして、各ユーザは、歯ブラシ用アタッチメント2を使用する前に、自分に対応する発光ボタンスイッチ212,213,214を押下する。これにより、ユーザ識別情報受付部234は、歯ブラシ用アタッチメント2を使用するユーザのユーザ識別情報を、押下された発光ボタンスイッチ212,213,214に応じて受け付ける。例えば、発光ボタンスイッチ212,213,214が同時に押下された場合にユーザ識別情報受付部234がユーザ識別情報の受け付けモードとなり、その後に押下された発光ボタンスイッチに応じてユーザ識別情報を受け付けるようにしてもよい。
【0056】
なお、発光ボタンスイッチ212,213,214が各ユーザに対応して設けられる例に限らない。例えば各ユーザ名を、液晶表示器211に一覧形式で、あるいは順次表示させ、その表示されたユーザ名を、ユーザが発光ボタンスイッチ212,213,214を操作して選択することで、ユーザ識別情報受付部234が歯ブラシ用アタッチメント2を使用するユーザのユーザ識別情報を受け付けるようにしてもよい。
【0057】
無線端末装置3では、後述する更新通知送信処理部344は、無線端末装置3の制御プログラムを更新する必要が生じた場合、その旨を示す更新通知を歯ブラシ用アタッチメント2へ送信する。
【0058】
更新報知部243は、更新通知を歯ブラシ用アタッチメント2が受信した場合、無線端末装置3の制御プログラムを更新する必要が生じた旨を、例えば液晶表示器211にメッセージとして表示させたり、発光ボタンスイッチ212,213,214のうちいずれかを発光させたり、ブザー216を鳴らしたりすることによって、報知する。あるいはバイブレータを用いて報知してもよい。
【0059】
更新指示受付部244は、ユーザによる発光ボタンスイッチ212,213,214の操作を、制御プログラムの更新を指示する旨の更新指示として受け付ける。更新指示送信処理部245は、更新指示受付部244によって更新指示が受け付けられた場合、更新指示を、無線端末装置3へ送信する。
【0060】
無線端末装置3では、更新指示を受信すると、後述するプログラム更新処理部345によって、プログラム記憶部346に記憶されている無線端末装置3の制御プログラムが更新される。
【0061】
このように、更新通知送信処理部344、更新報知部243、更新指示受付部244、及びプログラム更新処理部345によれば、ユーザは、無線端末装置3の制御プログラムを、無線端末装置3を操作しなくても、歯ブラシ用アタッチメント2を操作するだけで更新することができるので、ユーザの利便性が向上する。
【0062】
また、無線端末装置3は、例えば複数の機能を有している。具体的には、例えば、無線端末装置3は、歯ブラシ用アタッチメント2から送信された歯磨情報に応じて音楽を演奏する音楽演奏機能や、歯磨き中にニュースを知らせるニュース報知機能や、歯磨き行動によりゲームが実行されるゲーム機能などである。
【0063】
切替操作受付部236は、無線端末装置3の複数の機能の切り替えを指示する切替指示を受け付ける。例えば、発光ボタンスイッチ212が操作され場合に音楽演奏機能への切替指示を受け付け、発光ボタンスイッチ213が操作され場合にニュース報知機能への切替指示を受け付け、発光ボタンスイッチ214が操作され場合にゲーム機能への切替指示を受け付ける。
【0064】
切替指示送信処理部237は、切替操作受付部236によって受け付けられた切替指示を無線端末装置3へ送信する。切替指示を受信した無線端末装置3は、その切替指示に応じた機能に切り替えられる。なお、切り替え可能な無線端末装置3の機能は、音楽演奏機能、ニュース報知機能、及びゲーム機能に限られず、種々の機能を切り替え可能としてもよい。
【0065】
このように、切替操作受付部236及び切替指示送信処理部237によれば、ユーザが歯磨きのために手に持っている歯ブラシ4に取り付けられた歯ブラシ用アタッチメント2、すなわちユーザの手元にある歯ブラシ用アタッチメント2を操作することで、無線端末装置3の機能を切り替えることができるので、ユーザの利便性が向上する。
【0066】
アタッチメント情報取得部238は、歯ブラシ用アタッチメント2の状態に関する情報であるアタッチメント情報を取得する。アタッチメント情報取得部238は、例えば、歯ブラシ用アタッチメント2の電池電圧を検出し、その電池電圧をアタッチメント情報に含ませる。あるいは、アタッチメント情報取得部238は、電池電圧が予め設定された基準電圧以下の場合、電池交換又は充電を促す旨の情報をアタッチメント情報に含ませてもよい。
【0067】
また、アタッチメント情報取得部238は、歯ブラシ用アタッチメント2の制御プログラムの実行に障害が生じた場合、その旨を示す情報をアタッチメント情報に含ませる。これにより、無線端末装置3にて障害の内容、解決方法等をタッチパネルディスプレイ32に表示することが可能になる。
【0068】
また、アタッチメント情報取得部238は、歯ブラシ4が、歯ブラシ用アタッチメント2に正しく取り付けられているか否かを検出する。アタッチメント情報取得部238は、歯ブラシ4が、歯ブラシ用アタッチメント2に正しく取り付けられていなかった場合、その旨を示す情報をアタッチメント情報に含ませて無線端末装置3へ送信する。歯ブラシ4が、歯ブラシ用アタッチメント2に正しく取り付けられているか否かは、例えば歯磨き行動に伴いブラッシングセンサ部21aで検出される加速度が、予め設定された基準範囲外であった場合、歯ブラシ4が、歯ブラシ用アタッチメント2に正しく取り付けられていないと判定することができる。
【0069】
また、アタッチメント情報取得部238は、歯ブラシ用アタッチメント2のハードウェアの自己診断を実行する。例えば、ブラッシングセンサ部21aやバイタルセンサ部21bの出力データをチェックし、その出力データが、予め設定された正常時の良好な変動幅の範囲内であるか否かを判定する。出力データが、正常時の変動幅の範囲内でなかった場合、アタッチメント情報取得部238は、そのセンサ部の異常発生、又は機能低下が生じていると判定し、その旨の情報をアタッチメント情報に含ませて無線端末装置3へ送信する。これにより、歯ブラシ用アタッチメント2のハードウェア不要の発生していること、あるいはハードウェア不良が発生する前にその機能低下が発生していることを、ユーザに知らせることが可能となる。
【0070】
歯磨情報管理部231、開始検知部232、報知処理部239、認知操作受付部241、及びユーザ認知処理部242の動作については後述する。
【0071】
なお、歯ブラシモジュールの一例として、手動の歯ブラシ4に取り付けられる歯ブラシ用アタッチメント2を示したが、歯ブラシモジュールは、電動歯ブラシであってもよい。すなわち、歯ブラシモジュールは、
図7に示す歯ブラシ用アタッチメント2の構成に対し、さらに歯ブラシを電動で駆動する電動機構を備え、これらの各構成が例えば筒状の筐体内に一体に収納された構成であってもよい。
【0072】
無線端末装置3は、無線通信部31a,31b、タッチパネルディスプレイ32(表示部、操作部)、スピーカ33、カメラ35(撮像部)、及び制御部34を備えている。無線通信部31aは、無線通信部22と同じ無線通信方式により無線信号を送受信する無線通信回路であり、歯ブラシ用アタッチメント2との間で無線通信を実行する。無線通信部31bは、無線基地局101と無線通信を行うための無線通信回路である。無線通信部31bは、無線基地局101とネットワーク102とを介してサーバ装置6と通信可能にされている。
【0073】
タッチパネルディスプレイ32は、例えば液晶表示装置と、その液晶表示装置の表示画面上をユーザがタッチした位置を検出するタッチパネルとが組み合わされて構成されている。タッチパネルディスプレイ32は、表示部及び操作部として機能する。なお、タッチパネルディスプレイ32の代わりに、例えば液晶表示装置等の表示部と、マウス等の操作部とを備えてもよい。
【0074】
スピーカ33は、制御部34から出力された信号に応じて音を出力する。カメラ35は、例えばCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子を用いて構成され、撮像部の一例に相当している。
【0075】
制御部34は、例えば、所定の演算処理を実行するCPU、一時的にデータを記憶するRAM、フラッシュメモリやEEPROM等の不揮発性の記憶部、タイマ回路、RTC、及びこれらの周辺回路等を備えて構成されている。上述の記憶部は、所定の制御プログラムを記憶するプログラム記憶部346、及び歯ブラシ用アタッチメント2から受信した情報を記憶するデータ記憶部347としても用いられる。
【0076】
制御部34は、例えば上述の制御プログラムを実行することにより、通信処理部341、受信情報処理部342、確認応答送信処理部343、更新通知送信処理部344、及びプログラム更新処理部345として機能する。上述の制御プログラムは、例えばネットワーク102を介してアプリ等としてダウンロードされる構成としてもよい。
【0077】
ところで、プログラム記憶部346に記憶されている制御プログラムを更新する必要が生じる場合がある。このような場合、例えばサーバ装置6から無線端末装置3へ、プログラム更新を要求する更新要求が送信される。
【0078】
更新通知送信処理部344は、更新要求が無線端末装置3で受信された場合、その更新通知を歯ブラシ用アタッチメント2へ送信する。プログラム更新処理部345は、上述のように歯ブラシ用アタッチメント2から送信された更新指示が無線端末装置3で受信された場合、新しい制御プログラムを例えばサーバ装置6からダウンロードしてプログラム記憶部346に記憶させ、制御プログラムを更新する。
【0079】
通信処理部341、受信情報処理部342、及び確認応答送信処理部343については後述する。
【0080】
歯ブラシ用アタッチメント2、無線端末装置3、及びサーバ装置6の相互間での通信は、無線通信部22、及び無線通信部31a,31bを介在して実行されるのであるが、記載を簡素化するため、以下、通信に関する説明において、無線通信部22、及び無線通信部31a,31bの記載を省略する。
【0081】
次に、このように構成された歯磨支援システム1の動作について説明する。
図8は、歯磨支援システム1の動作の一例を説明するための説明図である。まず、ユーザが歯ブラシ用アタッチメント2の取り付けられた歯ブラシ4を用いて歯磨きを開始すると、その歯磨き行動に伴う加速度が、ブラッシングセンサ部21aによって検出される。開始検知部232は、ブラッシングセンサ部21aによって検出された加速度が、予め設定された開始判定値を超えたとき、歯磨きが開始されたと判定し、ユーザの歯磨き行動の開始が検知される(ステップS1)。
【0082】
なお、開始検知部232は、例えば充電器5から歯ブラシ用アタッチメント2が取り外されたとき、歯磨きが開始されたと判定してもよく、例えば歯ブラシ用アタッチメント2に電源スイッチを設け、電源スイッチがオンされたとき、歯磨きが開始されたと判定してもよい。
【0083】
歯磨情報管理部231は、開始検知部232によって歯磨き行動の開始が検知されたとき、歯磨き行動の開始を示す開始情報と、ユーザ識別情報受付部234により受け付けられたユーザ識別情報とを、無線端末装置3へ送信する(ステップS2)。無線端末装置3で開始情報が受信されると、通信処理部341は、開始情報への応答を示す応答情報を歯ブラシ用アタッチメント2へ送信する(ステップS3)。
【0084】
上述したように、歯ブラシ用アタッチメント2と、無線端末装置3とは無線通信を実行するのであるが、ユーザは、歯磨きする際に、必ずしも無線端末装置3を無線通信可能な場所に置いているとは限らないし、無線端末装置3の電源をオンしているとも限らない。
【0085】
すなわち、歯ブラシ用アタッチメント2は、無線端末装置3と無線通信しようとしても、通信を実行できない場合がある。そこで、歯ブラシ用アタッチメント2は、ステップS2で開始情報を無線端末装置3へ送信し、無線端末装置3から送信された応答情報を受信することによって、無線端末装置3が歯ブラシ用アタッチメント2と無線通信可能な状態であることを確認することができる。
【0086】
また、歯磨情報管理部231は、ブラッシングセンサ部21aで検出された加速度等の物理量を示す情報を歯磨情報として取得する。なお、歯磨情報管理部231は、ブラッシングセンサ部21aで検出された物理量の解析結果から、例えば歯ブラシ4の姿勢、歯ブラシ4の動き(歯ブラシのブラシ部の移動距離、移動速度、移動経路等)、ブラッシング角度(歯ブラシのブラシ面の歯牙や歯茎に対する接触の角度)、ブラッシング回数、ブラッシング位置(歯ブラシフィラメントの接している歯の部位)、ブラッシング圧(歯ブラシのブラシ面から歯牙等に与える応力値とその変化)などのパラメータを含む歯磨き行動を表す情報を生成し、これを歯磨情報としてもよい。
【0087】
ブラッシングセンサ部21aで検出された物理量から、歯磨き行動を表す情報の生成方法としては、種々の公知技術を用いることができ、例えば加速度から歯ブラシ4の姿勢、動作、ブラッシング位置を検出する方法としては特開2009−240759号公報に記載の方法を用いることができ、例えばジャイロセンサの検出値から歯ブラシ4の姿勢を検出する方法としては特開2009−240760号公報、特開2009−285416号公報、特開2009−291316号公報に記載の方法を用いることができ、例えば圧力センサによりブラッシング圧を検出する方法としては特開2005−152217号公報に記載された技術を用いることができ、例えばブラッシング位置を判定する方法としては、特表2011−524756号公報(WO2009/141489)、特許第4543663号公報、特開2009−240760号公報(US2011010876)、特開2011−139844号公報(US2012266397)等に記載の方法を用いることができる。
【0088】
次に、歯磨情報管理部231は、上述のようにして得られた歯磨情報とアタッチメント情報とを、無線端末装置3へ送信する(ステップS4)。このとき、歯磨情報管理部231は、後述するように記憶部246に記憶された歯磨情報とアタッチメント情報とについても無線端末装置3へ送信する。送信された歯磨情報とアタッチメント情報とは記憶部246から消去される。また、後述する予約処理(ステップS12)による予約がされていた場合、歯磨情報管理部231は、認知確認情報を無線端末装置3へ送信する。歯磨情報管理部231は、バイタルセンサ部21bで得られたバイタル情報についても、歯磨情報と同様にして無線端末装置3へ送信することが好ましい。
【0089】
ここで、上述したように、歯ブラシ用アタッチメント2と無線端末装置3との間で無線通信が正常にできない状態であった場合、ステップS3の応答情報は、歯ブラシ用アタッチメント2で受信することができない。そこで、歯磨情報管理部231は、ステップS2において開始情報を送信してから、予め設定された通信監視時間が経過するまでの間に応答情報が歯ブラシ用アタッチメント2で受信されなかった場合、無線端末装置3と無線通信できないと判定し、ステップS4の情報送信を実行することなく、歯磨情報とアタッチメント情報とを、記憶部246に記憶させる(ステップS5)。
【0090】
これにより、無線端末装置3へ送信できなかった情報についても、次回以降にユーザが歯磨きを開始した際、ステップS4において送信されるので、ユーザの歯磨き行動により得られた情報を、無線端末装置3へ送信できる確実性を向上することができる。次回以降にユーザが歯磨きを開始した際、再び無線端末装置3と無線通信できなかった場合は、歯磨情報管理部231は、新たな歯磨情報とアタッチメント情報とについても、累積的に記憶部246に記憶させる。
【0091】
一方、ステップS4で歯磨情報及びアタッチメント情報を受信した無線端末装置3では、受信情報処理部342が、受信された歯磨情報及びアタッチメント情報をデータ記憶部347に記憶させる。また、受信情報処理部342は、受信された歯磨情報及びアタッチメント情報の解析を実行する(ステップS6)。
【0092】
受信情報処理部342による歯磨情報の解析方法としては、例えば以下のような方法が挙げられる。歯磨情報の解析方法としては、例えば、単回(通常は直近)の情報と標準値とを比較する方法があり、解析結果としては、清掃度合いの点数又はランク付け、改善ポイントの指摘、過去のブラッシング結果との対比による改善点若しくは悪化点、ブラッシングテクニックの最近の傾向(例えば少しずつ改善する傾向にある、改善されていない、悪化する傾向にある、等)などが挙げられる。また、清掃部位毎に改善ポイントを最適なブラッシング方法と対比することで、ユーザのブラッシング方法が部位毎に適当か不適当かを判定してもよい。
【0093】
歯磨情報の解析方法について、さらに詳細に説明すると、例えば下記のような解析方法を用いることが出来る。例えば、一般に推奨されるブラッシング行動を表す各種パラメータについて、標準値を設定し、その標準値と測定値である歯磨情報との対比により、解析を実行する。標準値は、例えば模範となるブラッシング指導者の歯磨行動情報から統計的手段を用いて設定される。標準値と測定値との対比は、最適値だけでなく許容範囲や最適値との差を点数付けする。例えば標準偏差等の分布度合いを表す値を用いて、測定値を100〜0点(最適値は100)に点数付けする。あるいはこれらの点数に基づき、例えば80点以上をランクA、79〜70点をランクB、69〜60点をランクC、59点以下をランクDというように、ランク付けしてもよい。
【0094】
受信情報処理部342は、このようにして得られた解析結果を、タッチパネルディスプレイ32へ表示してもよく、データ記憶部347に記憶させてもよく、サーバ装置6へ送信してもよい。なお、受信情報処理部342は、受信された歯磨情報をサーバ装置6へ送信し、サーバ装置6で解析を実行し、その解析結果をサーバ装置6から受信してもよい。
【0095】
また、受信情報処理部342は、ステップS6において、受信されたアタッチメント情報について、ユーザに対して報知するか否かを判定するために予め設定された判定基準に基づいて、ユーザに対して報知するか否かを判定し、報知すると判定された場合、その判定に関する報知情報を、タッチパネルディスプレイ32に表示させると共に、歯ブラシ用アタッチメント2へ送信する(ステップS7)。
【0096】
報知情報としては、例えば、歯ブラシ用アタッチメント2の電池の交換を促す情報、歯ブラシ用アタッチメント2の修理が必要である旨をユーザに知らせる情報、あるいは歯ブラシ4の交換時期であることを知らせる情報等がある。
【0097】
歯ブラシ用アタッチメント2では、これらの報知情報が受信されると、報知処理部239は、報知情報を示すメッセージを液晶表示器211に表示させたり、報知情報と対応するように予め設定された点灯/点滅パターンで発光ボタンスイッチ212,213,214を点灯/点滅させたりすることで報知する(ステップS8)。なお、報知は、ブザー216の鳴動やバイブレータの振動によって行われてもよい。
【0098】
報知を確認したユーザが、例えば発光ボタンスイッチ212,213,214のいずれかを押下するなどの操作を行うことで、認知操作受付部241によって、ユーザがその報知された情報を認知した旨を示す認知操作が受け付けられる(ステップS9)。認知操作受付部241によって認知操作が受け付けられた場合、ユーザ認知処理部242は、ユーザによる認知を示す認知確認情報を、無線端末装置3へ送信する(ステップS10)。
【0099】
受信情報処理部342は、ステップS7で報知情報を送信してから予め設定された通信監視時間が経過するまでに認知確認情報が無線端末装置3で受信されなかった場合、ステップS7を再度実行する。あるいは、受信情報処理部342は、ステップS7で報知情報を送信してから予め設定された通信監視時間が経過するまでに認知確認情報が無線端末装置3で受信されなかった場合、報知情報をデータ記憶部347に記憶させておき、次回、開始情報が受信されたときに、ステップS3で応答情報と共に報知情報を送信するようにしてもよい。
【0100】
確認応答送信処理部343は、無線端末装置3によって認知確認情報が受信された場合、認知確認情報を受信した旨を示す確認応答情報を歯ブラシ用アタッチメント2へ送信する(ステップS11)。
【0101】
ユーザ認知処理部242は、ステップS10で認知確認情報が送信されてから、予め設定された通信監視時間が経過するまでの間に確認応答情報が受信されなかった場合、次回開始情報が歯ブラシ用アタッチメント2によって無線端末装置3へ送信された後に無線端末装置3からの開始情報への応答を示す応答情報が歯ブラシ用アタッチメント2によって受信されたときに、認知確認情報を歯ブラシ用アタッチメント2から無線端末装置3へ送信することを予約する予約処理を実行する(ステップS12)。これにより、次回、ステップS4において認知確認情報が無線端末装置3へ送信されるので、無線端末装置3は、ユーザへの報知情報の報知を確実に行わせることができる。
【0102】
無線端末装置3では、ステップS11で確認応答情報を歯ブラシ用アタッチメント2へ送信した後、例えば上述の切替指示により切り替えられた機能や、その他種々のアプリケーション等のサービスが実行され(ステップS13)、処理を終了する。