(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記判定部により機器の稼働台数が契約台数及び登録台数の少なくとも一方と一致していないと判定された場合に、前記保守契約の締結手続を行った部門及び前記機器一覧データを使用して保守作業を実施する部門に対して不一致情報を報知する報知部を備えた請求項1に記載の設置機器確認システム。
前記報知部は、前記保守契約の締結手続を担当した営業担当者の端末装置及び前記保守契約に基づく保守作業を担当する保守担当者の端末装置に対して不一致情報を送信する請求項2に記載の設置機器確認システム。
前記遠隔監視装置は、前記保守契約の契約期間が満了する前の予め設定された日に前記現場データを取得する請求項1から3のいずれか1項に記載の設置機器確認システム。
前記契約書データは、紙の文書である前記保守契約の契約書が光学文字認識によって電子化されたものである請求項1から4のいずれか1項に記載の設置機器確認システム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付の図面を参照して、本発明を詳細に説明する。各図では、同一又は相当する部分に同一の符号を付している。重複する説明は、適宜簡略化あるいは省略する。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における設置機器確認システムの一例を示す構成図である。設置機器確認システムは、保守契約の対象となる機器1が設置された建物に適用される。機器1は、例えば、保守契約の契約者ごとに複数設置されている。機器1は、例えば、入退室管理用のカードリーダー、入退室管理用のタグリーダー、空調機器及び照明機器等である。
【0011】
図1に示すように、設置機器確認システムは、コントローラー2、遠隔監視装置3、情報センター4、設置機器確認装置5、営業部門サーバー6及び保守部門サーバー7を備えている。設置機器確認装置5は、記憶部8、判定部9及び報知部10を有している。営業部門サーバー6は、記憶部11、表示部12及び操作部13を有している。保守部門サーバー7は、記憶部14、表示部15及び操作部16を有している。
【0012】
営業部門サーバー6の表示部12は、例えば、液晶ディスプレイ又はタッチパネル等である。営業部門サーバー6の操作部13は、例えば、押しボタン、キーボード及び各種ポインティングデバイス等である。タッチパネルは、表示部12と操作部13を兼ねることが可能である。
【0013】
保守部門サーバー7の表示部15は、例えば、液晶ディスプレイ又はタッチパネル等である。保守部門サーバー7の操作部16は、例えば、押しボタン、キーボード及び各種ポインティングデバイス等である。タッチパネルは、表示部15と操作部16を兼ねることが可能である。
【0014】
コントローラー2及び遠隔監視装置3は、機器1が設置された建物に設けられている。コントローラー2は、各機器1と電気的に接続されている。遠隔監視装置3は、コントローラー2と電気的に接続されている。
【0015】
コントローラー2は、複数設けられてもよい。コントローラー2が複数存在する場合、機器1は、少なくとも1つのコントローラー2と電気的に接続される。コントローラー2が複数存在する場合、遠隔監視装置3は、全てのコントローラー2と電気的に接続される。
【0016】
情報センター4は、機器1が設置された建物とは別の建物に設けられている。情報センター4は、例えば、機器1の保守管理会社に設けられたサーバー等である。
【0017】
遠隔監視装置3は、通信回線を介して情報センター4と通信する機能を有している。遠隔監視装置3と情報センター4との間の通信は、有線通信であっても無線通信であってもよい。
【0018】
設置機器確認装置5は、機器1が設置された建物とは別の建物に設けられている。設置機器確認装置5は、例えば、情報センター4が設けられた建物とは別の建物に設けられている。設置機器確認装置5は、例えば、機器1の保守管理会社の本社に設けられている。
【0019】
営業部門サーバー6及び保守部門サーバー7は、機器1が設置された建物とは別の建物に設けられている。営業部門サーバー6及び保守部門サーバー7は、例えば、情報センター4が設けられた建物とは別の建物に設けられている。営業部門サーバー6及び保守部門サーバー7は、例えば、設置機器確認装置5が設けられた建物とは別の建物に設けられている。営業部門サーバー6及び保守部門サーバー7は、例えば、同じ建物に設けられている。営業部門サーバー6及び保守部門サーバー7は、例えば、機器1の保守管理会社の支社に設けられている。
【0020】
設置機器確認装置5は、通信回線を介して情報センター4、営業部門サーバー6及び保守部門サーバー7と通信する機能を有している。設置機器確認装置5と情報センター4との間の通信は、有線通信であっても無線通信であってもよい。設置機器確認装置5と営業部門サーバー6との間の通信は、有線通信であっても無線通信であってもよい。設置機器確認装置5と保守部門サーバー7との間の通信は、有線通信であっても無線通信であってもよい。
【0021】
営業部門サーバー6は、例えば、保守管理会社の支社における営業部門で使用される。営業部門には、機器1を対象とする保守契約の締結手続を担当した営業担当者が所属している。営業担当者は、業務において端末装置17を使用する。端末装置17は、例えば、図示しない表示部及び操作部を有している。端末装置17は、据置型であっても携帯型であってもよい。
【0022】
端末装置17は、営業部門サーバー6と通信する機能を有している。端末装置17と営業部門サーバー6との間の通信は、有線通信であっても無線通信であってもよい。
【0023】
保守部門サーバー7は、例えば、保守管理会社の支社における保守部門で使用される。保守部門には、機器1を対象とする保守契約に基づく保守作業を担当する保守担当者が所属している。保守担当者は、業務において端末装置18を使用する。端末装置18は、例えば、図示しない表示部及び操作部を有している。端末装置18は、据置型であっても携帯型であってもよい。
【0024】
端末装置18は、保守部門サーバー7と通信する機能を有している。端末装置18と保守部門サーバー7との間の通信は、有線通信であっても無線通信であってもよい。
【0025】
端末装置17及び端末装置18は、通信回線を介して設置機器確認装置5と通信する機能を有している。端末装置17と設置機器確認装置5との間の通信は、有線通信であっても無線通信であってもよい。端末装置18と設置機器確認装置5との間の通信は、有線通信であっても無線通信であってもよい。
【0026】
設置機器確認システムは、機器一覧データ19を記憶する第1記憶部を備えている。第1記憶部としては、例えば、設置機器確認装置5の記憶部8が用いられる。機器一覧データ19とは、保守契約に基づく保守作業の対象として登録されている機器1の一覧を示す電子データである。機器一覧データ19は、例えば、新しく保守契約が締結された場合に作成される。機器一覧データ19は、例えば、保守部門サーバー7の操作部16又は端末装置18の操作部を用いた入力操作に基づいて作成及び更新される。機器一覧データ19は、例えば、保守担当者が機器1の保守作業を実施する際に使用される。以下、機器一覧データ19に含まれている機器1の台数を「登録台数」という。
【0027】
設置機器確認システムは、契約書データ20を記憶する第2記憶部を備えている。第2記憶部としては、例えば、営業部門サーバー6の記憶部11が用いられる。契約書データ20とは、保守契約の契約書の内容を示す電子データである。契約書データ20は、例えば、営業部門サーバー6の操作部13又は端末装置17の操作部を用いた入力操作に基づいて作成される。契約書データ20は、少なくとも、保守作業の対象となる機器1の台数として保守契約に定められた台数を示す。以下、契約書データが示す機器1の台数を「契約台数」という。
【0028】
設置機器確認システムは、報告書データ21を記憶する第3記憶部を備えている。第3記憶部としては、例えば、保守部門サーバー7の記憶部14が用いられる。報告書データ21とは、保守担当者によって実施された機器1の保守作業の内容を示す電子データである。報告書データ21は、例えば、保守部門サーバー7の操作部16又は端末装置18の操作部を用いた入力操作に基づいて作成される。報告書データ21は、例えば、紙の文書である作業報告書として出力される。
【0029】
コントローラー2は、接続されている機器1を制御する。遠隔監視装置3は、コントローラー2を介して現場データ22を取得する機能を有する。現場データ22とは、コントローラー2と接続されている機器1の動作状態等を示す情報である。現場データ22は、少なくとも、現在稼働していることが検出された機器1の台数を示す。以下、現場データ22が示す機器1の台数を「稼働台数」という。
【0030】
遠隔監視装置3は、予め設定されたタイミングで現場データ22の取得を行う。当該タイミングは、例えば、一定期間ごとに設定されてもよい。当該タイミングは、例えば、保守契約の契約期間が満了する日の1か月前等として設定されてもよい。遠隔監視装置3は、現場データ22を取得した場合に、当該現場データ22を情報センター4に送信する。情報センター4は、遠隔監視装置3から現場データ22を受信した場合に、当該現場データ22を設置機器確認装置5に送信する。設置機器確認装置5は、情報センター4から受信した現場データ22を記憶部8に記憶させる。つまり、設置機器確認装置5は、現場データ22を第1記憶部に記憶させる。
【0031】
設置機器確認装置5は、通信回線を介して、営業部門サーバー6の記憶部11から契約書データ20を取得する。つまり、設置機器確認装置5は、契約書データ20を第2記憶部から取得する。設置機器確認装置5は、例えば、現場データ22を受信した場合に契約書データ20の取得を行う。
【0032】
判定部9は、現場データ22が示す稼働台数を機器一覧データ19の登録台数と比較する。判定部9は、現場データ22が示す稼働台数を契約書データ20が示す契約台数と比較する。判定部9は、機器1の現在の稼働台数が登録台数及び契約台数のそれぞれと一致しているか否かを判定する。
【0033】
判定部9は、機器1の稼働台数が登録台数及び契約台数の少なくとも一方と一致していないと判定された場合に、不一致情報を生成する。不一致情報とは、機器1の稼働台数と保守管理会社が認識している設置台数とが異なることを示す情報である。不一致情報は、保守契約の契約者を示す情報及び機器1が設置されている建物を示す情報の少なくとも一方を含む。不一致情報は、例えば、稼働台数、登録台数及び契約台数等を含んでもよい。
【0034】
報知部10は、判定部9により生成された不一致情報を営業部門及び保守部門の双方に対して報知する。報知部10は、例えば、営業部門サーバー6及び保守部門サーバー7に対して不一致情報を送信してもよい。不一致情報を受信した営業部門サーバー6は、例えば、表示部12に当該不一致情報を表示させてもよいし、端末装置17に当該不一致情報を送信してもよい。不一致情報を受信した保守部門サーバー7は、例えば、表示部15に当該不一致情報を表示させてもよいし、端末装置18に当該不一致情報を送信してもよい。報知部10は、例えば、営業担当者の端末装置17及び保守担当者の端末装置18に対して不一致情報を直接送信してもよい。端末装置17が受信した不一致情報は、端末装置17の表示部に表示される。端末装置18が受信した不一致情報は、端末装置18の表示部に表示される。
【0035】
図2は、実施の形態1における設置機器確認システムの動作例を示すフローチャートである。
【0036】
遠隔監視装置3は、現在が現場データ22を取得するタイミングであるか否かを判定する(ステップS101)。ステップS101で現在は現場データ22を取得するタイミングでないと判定された場合、遠隔監視装置3は、ステップS101の処理を繰り返す。
【0037】
ステップS101で現在は現場データ22を取得するタイミングであると判定された場合、遠隔監視装置3は、コントローラー2を介して現場データ22を取得する(ステップS102)。ステップS102に続いて、遠隔監視装置3は、通信回線を介して現場データ22を送信する(ステップS103)。設置機器確認装置5は、現場データ22を受信する。
【0038】
判定部9は、現場データ22が示す稼働台数と機器一覧データ19の登録台数とが一致するか否かを判定する(ステップS104)。ステップS104で稼働台数と登録台数とが一致すると判定された場合、判定部9は、現場データ22が示す稼働台数と契約書データ20が示す契約台数とが一致するか否かを判定する(ステップS105)。
【0039】
ステップS104で稼働台数と登録台数とが一致しないと判定された場合又はステップS105で稼働台数と契約台数とが一致しないと判定された場合、報知部10は、営業部門及び保守部門に対して不一致情報を報知する(ステップS106)。なお、ステップS105で稼働台数と契約台数とが一致すると判定された場合、報知部10は、不一致情報を報知しない。
【0040】
実施の形態1において、遠隔監視装置3は、稼働していることが検出された当該機器1の台数を示す現場データ22を取得し、通信回線を介して当該現場データ22を送信する。第1記憶部は、保守契約に基づく保守作業の対象として登録されている機器の一覧を示す機器一覧データ19を記憶している。第2記憶部は、保守作業の対象となる機器1の台数として保守契約に定められた台数を示す契約書データ20を記憶している。判定部9は、遠隔監視装置により取得された現場データ22が示す機器1の稼働台数が機器一覧データ19の登録台数及び契約書データ20が示す契約台数のそれぞれと一致しているか否かを判定する。このため、実施の形態1によれば、実際に建物に設置されている機器の台数と保守管理会社が認識している機器の台数との不一致を検出することができる。その結果、機器の保守作業を効率化するとともに、保守契約の内容と実際に行われる保守作業との間に齟齬が生じることを防止することができる。
【0041】
実施の形態1において、報知部10は、判定部9により機器1の稼働台数が登録台数及び契約台数の少なくとも一方と一致していないと判定された場合に、保守契約の締結手続を行った部門及び機器一覧データ19を使用して保守作業を実施する部門の双方に対して不一致情報を報知する。このため、実施の形態1によれば、実際に建物に設置されている機器の台数が増減した場合に、その旨を営業部門及び保守部門の双方に知らせることができる。これにより、保守契約の内容及び機器一覧データ19の内容が正確であるか否かを各部門に確認させることができる。その結果、機器の保守作業を効率化するとともに、保守契約の内容と実際に行われる保守作業との間に齟齬が生じることを防止することができる。
【0042】
実施の形態1において、報知部10は、例えば、保守契約の締結手続を担当した営業担当者の端末装置17及び保守契約に基づく保守作業を担当する保守担当者の端末装置18に対して不一致情報を送信する。この場合、より迅速かつ円滑に、保守契約の内容及び機器一覧データ19の内容が正確であるか否かを確認させることができる。
【0043】
実施の形態1において、遠隔監視装置3は、例えば、保守契約の契約期間が満了する前の予め設定された日に現場データ22を取得する。この場合、保守契約が自動更新される前に、実際に設置されている機器の台数と保守管理会社が認識している機器の台数との不一致を検出できる。これにより、多すぎる又は少なすぎる契約台数で保守契約が更新されることを防止できる。
【0044】
実施の形態1において、契約書データ20は、例えば、紙の文書である保守契約の契約書が光学文字認識によって電子化されたデータであってもよい。この場合、光学文字認識が正常に行われたならば、契約書データ20に含まれる契約台数は、保守作業の対象となる機器1の台数として契約書に筆記又は印字された台数と確実に一致する。このため、契約台数が間違っている契約書データ20が作成されることを防止できる。
【0045】
実施の形態1において、設置機器確認装置5は、情報センター4が設けられた建物と同じ建物に設けられてもよい。この場合、設置機器確認装置5は、情報センター4と一体に形成されてもよい。
【0046】
図3は、設置機器確認装置のハードウェア構成図である。
【0047】
設置機器確認装置5における記憶部8、判定部9及び報知部10の各機能は、処理回路により実現される。処理回路は、専用ハードウェア50であってもよい。処理回路は、プロセッサ51及びメモリ52を備えていてもよい。処理回路は、一部が専用ハードウェア50として形成され、更にプロセッサ51及びメモリ52を備えていてもよい。
図3は、処理回路が、その一部が専用ハードウェア50として形成され、プロセッサ51及びメモリ52を備えている場合の例を示している。
【0048】
処理回路の少なくとも一部が、少なくとも1つの専用ハードウェア50である場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、又はこれらを組み合わせたものが該当する。
【0049】
処理回路が少なくとも1つのプロセッサ51及び少なくとも1つのメモリ52を備える場合、記憶部8、判定部9及び報知部10の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェア及びファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ52に格納される。プロセッサ51は、メモリ52に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。プロセッサ51は、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSPともいう。メモリ52は、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROM、EEPROM等の、不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等が該当する。
【0050】
このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって、設置機器確認装置5の各機能を実現することができる。なお、営業部門サーバー6及び保守部門サーバー7の各機能も、
図3に示す処理回路と同様の処理回路により実現される。