【実施例】
【0044】
以下に具体例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明する。本発明の窒化ケイ素粉末、原料粉末として用いたシリコン粉末、原料混合粉末および燃焼生成物の物性測定と、本発明の窒化ケイ素焼結体の作製および評価は以下の方法により行った。
【0045】
(窒化ケイ素粉末の比表面積の測定方法、および比表面積相当径D
BETの算出方法)
本発明の窒化ケイ素粉末の比表面積は、Mountech社製Macsorbを用いて、窒素ガス吸着によるBET1点法にて測定して求めた。
また、比表面積相当径D
BETは、粉末を構成する全ての粒子が同一径の球と仮定して、下記の式(1)より求めた。
D
BET=6/(ρ
S×S)・・・(1)
ここで、ρ
Sは窒化ケイ素の真密度(α-Si
3N
4の真密度3186kg/m
3、β-Si
3N
4の真密度3192kg/m
3と、α相とβ相との比により平均真密度を算出し、真密度とした。)、Sは比表面積(m
2/g)である。
【0046】
(窒化ケイ素粉末のβ型窒化ケイ素の割合の測定方法)
本発明の窒化ケイ素粉末のβ型窒化ケイ素粉末の割合は以下のようにして算出した。本発明の窒化ケイ素粉末について、銅の管球からなるターゲットおよびグラファイトモノクロームメーターを使用して、回折角(2θ)15〜80°の範囲を0.02°刻みでX線検出器をステップスキャンする定時ステップ走査法にてX線回折測定を行った。窒化ケイ素粉末が窒化ケイ素以外の成分を含む場合には、それらの成分のピークをそれらの成分の標準試料の対応するピークと対比することでそれらの成分の割合を求めることができる。以下のすべての実施例及び比較例では、得られた粉末X線回折パターンより、本発明の窒化ケイ素粉末がα型窒化ケイ素とβ型窒化ケイ素のみから構成されていることを確認した。その上で、本発明の窒化ケイ素粉末のβ型窒化ケイ素の割合は、G.P.Gazzara and D.P.Messier,“Determination of Phase Content of Si
3N
4 by X−ray Diffraction Analysis”,Am. Ceram.Soc.Bull.,56[9]777−80(1977)に記載されたGazzara & Messierの方法により、算出した。
【0047】
(β型窒化ケイ素の結晶子径D
Cおよび結晶歪の測定方法)
本発明の窒化ケイ素粉末のβ型窒化ケイ素の結晶子径D
Cおよび結晶歪は、次のようにして測定した。本発明の窒化ケイ素粉末について、銅の管球からなるターゲットおよびグラファイトモノクロームメーターを使用して、回折角(2θ)15〜80°の範囲を0.02°刻みでX線検出器をステップスキャンする定時ステップ走査法にてX線回折測定を行った。得られた本発明の窒化ケイ素粉末のX線回折パターンより、β型窒化ケイ素の(101)、(110)、(200)、(201)および(210)面のそれぞれの積分幅を算出し、前記積分幅を下記の式(2)のWilliamson−Hall式に代入した。下記の式(2)における「2sinθ/λ」をx軸、「βcosθ/λ」をy軸としてプロットし、最小二乗法を用いて、このWilliamson−Hall式より得られる直線の切片および傾きを求めた。そして、前記切片よりβ型窒化ケイ素の結晶子径Dcを、また、前記傾きよりβ型窒化ケイ素の結晶歪を算出した。
βcosθ/λ=η×(2sinθ/λ)+(1/Dc)・・・(2)
(β;積分幅(rad)、θ;ブラッグ角(rad)、η;結晶歪、λ;X線源の波長(nm)、Dc;結晶子径(nm))
【0048】
(窒化ケイ素粉末のD10、D50およびD90の測定方法)
本発明の窒化ケイ素粉末、本発明で原料として使用したシリコン粉末の粒度分布は、以下のようにして測定した。前記粉末を、ヘキサメタリン酸ソーダ0.2質量%水溶液中に投入して、直径26mmのステンレス製センターコーンを取り付けた超音波ホモジナイザーを用いて300Wの出力で6分間分散処理して希薄溶液を調製し、測定試料とした。レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置(日機装株式会社製マイクロトラックMT3000)を用いて測定試料の粒度分布を測定し、体積基準の粒度分布曲線とそのデータを得た。得られた粒度分布曲線とそのデータより、本発明の窒化ケイ素粉末のD10、D50およびD90と、本発明で原料として使用したシリコン粉末のD50を算出した。
【0049】
(窒化ケイ素粉末、シリコン粉末および原料混合粉末のFe、Al、FeおよびAl以外の金属不純物の含有割合の測定方法)
本発明の窒化ケイ素粉末、本発明で原料として使用したシリコン粉末、および原料混合粉末のFeおよびAl、FeおよびAl以外の金属不純物の含有割合は、以下のようにして測定した。フッ酸と硝酸とを混合した液を収容した容器に、上記粉末を投入し密栓して、同容器にマイクロ波を照射して加熱し、窒化ケイ素またはシリコンを完全に分解し、得られた分解液を超純水で定容して検液とした。エスアイアイ・ナノテクノロジー社製ICP−AES(SPS5100型)を用いて、検出された波長とその発光強度から検液中のFe、Al、FeおよびAl以外の金属不純物を定量し、Fe、Al、FeおよびAl以外の金属不純物の含有割合を算出した。
【0050】
(混合原料粉末のかさ密度の測定方法)
本発明で得られる混合原料粉末のかさ密度は、JIS R1628「ファインセラミックス粉末のかさ密度測定方法」に準拠した方法により求めた。
【0051】
(燃焼生成物の圧壊強度の測定方法)
本発明で得られる燃焼生成物の圧壊強度は、以下のようにして測定した。燃焼生成物より、一辺が10mmの立方体を5個切り出して測定試料とした。手動式圧壊強度測定装置(アイコーエンジニアリング株式会社製、MODEL-1334型)を用いて前記測定試料の圧壊強度を測定した。台座に載置した測定試料に荷重を印加して圧縮試験を行い、測定された最大荷重より圧壊強度を算出した。本発明で得られる燃焼生成物の圧壊強度は、5個の測定試料の圧壊強度の平均値とした。
【0052】
(窒化ケイ素焼結体の作製および評価方法)
本発明の実施例においては、窒化ケイ素粉末94.5質量部に、焼結助剤として酸化イットリウム3.5質量部および酸化マグネシウム2質量部を添加した配合粉を、媒体としてエタノールを用いて24時間ボールミルで湿式混合した後、減圧乾燥した。得られた混合物を50MPaの成形圧で62mm×62mm×厚さ7.3mmの形状および、12.3mmφ×厚さ3.2mmの形状に金型成形した後、150MPaの成形圧でCIP成形した。得られた成形体を窒化ホウ素製坩堝に入れ、0.8MPaの窒素雰囲気下で、1900℃まで加熱し、1900℃で22時間保持して焼結した。得られた窒化ケイ素焼結体を切削加工し、JIS R1601に準拠した3mm×4mm×40mmの曲げ試験片、及びJIS R1611に準拠した熱伝導率測定用の10mmφ×2mmの試験片を作製した。焼結体の相対密度をアルキメデス法で測定した。室温4点曲げ強度を、インストロン社製万能材料試験機を用いてJIS R1601に準拠した方法により測定し、室温における熱伝導率を、JISR1611に準拠したフラッシュ法により測定した。
【0053】
(実施例1)
D50が4.0μm、かさ密度が0.40g/cm
3で、Feの含有割合が3ppm、Alの含有割合が4ppm、FeおよびAl以外の金属不純物の含有割合が3ppmのシリコン粉末に、希釈剤として、窒化ケイ素粉末(宇部興産株式会社製、製品名「SN−E10」(Feの含有割合;9ppm、Alの含有割合;2ppm、FeおよびAl以外の金属不純物の含有割合;4ppm))を、窒化ケイ素の添加率が20質量%(シリコン:窒化ケイ素の質量比が80:20)になるように添加して原料粉末とした。前記原料粉末を、窒化ケイ素製ボールが充填された、内壁面がウレタンでライニングされたナイロン製のポットに収容して、バッチ式振動ミルを用いて、振動数1200cpm、振幅8mmで0.5時間混合し、混合原料粉末を得た。
【0054】
図1に、本実施例にてシリコンの燃焼合成反応に用いる燃焼合成反応装置1を示す。前記原料粉末を混合して得られた混合原料粉末2を、底面が200×400mmで、深さが30mmで、厚みが10mmの角サヤ状の黒鉛製容器3に収容した。このとき混合原料粉末のかさ密度は0.45g/cm
3であった。チタン粉末とカーボン粉末とをチタン:カーボンが4:1の質量比で混合し成形して、燃焼合成反応に用いる着火剤4を調製し、着火剤4を混合原料粉末2の上に載置した。次いで、混合原料粉末2および着火剤4が収容された黒鉛製容器3を、着火剤加熱用のカーボンヒータ5を備えた耐圧性容器6内に、着火剤4の直上にカーボンヒータ5が位置するように収容した。
【0055】
耐圧性容器6内を、真空ポンプ7を用いて脱気した後、前記反応容器内に窒素ボンベ8より窒素ガスを導入して雰囲気圧力を0.6MPaとした。次に、カーボンヒータ5に通電して着火剤4を加熱し、前記混合原料粉末を着火させ、燃焼合成反応を開始させた。燃焼合成反応中、耐圧性容器6の窒素雰囲気圧力は0.6MPaでほぼ一定であった。覗き窓9から耐圧性容器6の内部を観察したところ、燃焼合成反応は、約20分継続した後、終了した。反応終了後、耐圧性容器6から黒鉛製容器3を取り出し、塊状の燃焼生成物を回収した。
【0056】
得られた燃焼生成物から着火剤近傍部分を除去し、残りの部分を、内面がウレタンコーティングされ、窒化ケイ素製ロールを備えたロールクラッシャーで粗粉砕して、目開きが100μmのナイロン製篩で篩通しし、篩下の粉末を回収した。得られた粉末を、窒化ケイ素製ボールが充填された、内壁面がウレタンでライニングされたアルミナ製のポットに収容して、バッチ式振動ミルを用いて振動数1280cpm、振幅8mmで1時間粉砕して、実施例1の窒化ケイ素粉末を得た。バッチ式振動ミルでの粉砕の際には、粉砕助剤として粉末に対して1質量%のエタノールを添加した。
【0057】
実施例1−1における、原料粉末に用いたシリコン粉末および希釈剤の物性値、混合原料粉末の物性値と、燃焼生成物の圧壊強度を表1に、また、窒化ケイ素粉末の物性値を表2に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
実施例1の窒化ケイ素焼結体の作製と、得られた焼結体の相対密度、室温における曲げ強度、および室温における熱伝導率の測定を、(窒化ケイ素焼結体の作製および評価方法)で説明した方法で行った。その結果を表3に示す。
【0061】
【表3】
【0062】
(実施例2〜5)
実施例2〜5の微粉砕の時間を、実施例2から順に、1.25時間、1.50時間、3.00時間、4.00時間にしたこと以外は実施例1と同様にして実施例2〜5の窒化ケイ素粉末を得た。そして、実施例2〜5の窒化ケイ素粉末を用いて、実施例1と同様の方法で窒化ケイ素焼結体を作製した。さらに、実施例1と同様の方法で、それら焼結体の相対密度、室温における曲げ強度、および室温における熱伝導率を測定した。
【0063】
(実施例6)
原料粉末に、添加剤として塩化アンモニウム(和光純薬製、純度99.9%)を、5.3質量%(シリコンと窒化ケイ素の混合粉末と塩化アンモニウムの質量比が94.7:5.3になるように)さらに添加したこと以外は実施例1と同様にして、燃焼生成物を作製し、得られた燃焼生成物を粗粉砕し篩通しした。その後の微粉砕の時間を1.42時間にしたこと以外は実施例1と同様にして、得られた窒化ケイ素粉末を微粉砕し、実施例6の窒化ケイ素粉末を得た。そして、実施例6の窒化ケイ素粉末を用いて、実施例1と同様の方法で窒化ケイ素焼結体を作製した。さらに、実施例1と同様の方法で、それら前記焼結体の相対密度、室温における曲げ強度、及び室温における熱伝導率を測定した。
【0064】
(実施例7)
添加剤の塩化アンモニウムの添加割合を、9.2質量%(シリコンと窒化ケイ素の混合粉末と塩化アンモニウムの質量比が90.8:9.2)となるようにしたこと以外は実施例6と同様にして実施例7の窒化ケイ素粉末を得た。そして、得られた実施例7の窒化ケイ素粉末を用いて、実施例1と同様の方法で窒化ケイ素焼結体を作製した。さらに、実施例1と同様の方法で、それら前記焼結体の相対密度、室温における曲げ強度、および室温における熱伝導率を測定した。
【0065】
(実施例8、9)
原料シリコン粉末として表1に示す粉末を使用したこと以外は実施例1と同様にして燃焼生成物を作製し、得られた燃焼生成物を粗粉砕し篩通しした。その後の微粉砕の時間を、実施例8では1.42時間に、実施例9では1.50時間にしたこと以外は実施例1と同様にして得られた窒化ケイ素粉末を微粉砕し、実施例6の窒化ケイ素粉末を得た。そして、得られた各実施例の窒化ケイ素粉末を用いて、実施例1と同様の方法で窒化ケイ素焼結体を作製した。さらに、実施例1と同様の方法で、それら前記焼結体の相対密度、室温における曲げ強度、及び室温における熱伝導率を測定した。
【0066】
(比較例1〜6)
比較例1〜6の微粉砕の時間を、比較例1から順に、0.75時間、5.50時間、0.83時間、0.92時間、4.17時間、4.00時間にしたこと以外は実施例1と同様にして、比較例1〜6の窒化ケイ素粉末を得た。表2に見られるように、比較例1の窒化ケイ素粉末は比表面積が小さく、D50、D90が大きい粉末であり;比較例2の窒化ケイ素粉末は比表面積が大きい粉末であり;比較例3の窒化ケイ素粉末はD50が大きい粉末であり;比較例4の窒化ケイ素粉末はD90が大きい粉末であり;比較例5の窒化ケイ素粉末はD50が小さい粉末であり;比較例6の窒化ケイ素粉末はD90が小さい粉末であった。そして、各比較例の窒化ケイ素粉末を用いて、実施例1と同様の方法で窒化ケイ素焼結体を作製した。さらに、実施例1と同様の方法で、それら前記焼結体の相対密度、室温における曲げ強度、及び室温における熱伝導率を測定した。
【0067】
(比較例7)
原料シリコン粉末として表1に示す粉末を使用したこと以外は実施例1と同様にして燃焼生成物を作製し、得られた燃焼生成物を粗粉砕し篩通しした。その後の微粉砕の時間を、6.33時間にしたこと以外は実施例1と同様にして、得られた窒化ケイ素粉末を微粉砕し、比較例7の窒化ケイ素粉末を得た。比較例7の窒化ケイ素粉末は結晶子径D
cが小さく、結晶歪が大きい粉末であった。そして、得られた比較例7の窒化ケイ素粉末を用いて、実施例1と同様の方法で窒化ケイ素焼結体を作製した。さらに、実施例1と同様の方法で、それら前記焼結体の相対密度、室温における曲げ強度、及び室温における熱伝導率を測定した。
【0068】
(比較例8)
添加剤の塩化アンモニウムの添加割合を、11.6質量%(シリコンと窒化ケイ素の混合粉末と塩化アンモニウムの質量比が88.4:11.6)となるようにしたこと以外は実施例6と同様にして燃焼生成物を作製し、得られた燃焼生成物を粗粉砕し篩通しした。得られた窒化ケイ素粉末を、微粉砕の時間を1.83時間にしたこと以外は実施例1と同様にして微粉砕して比較例8の窒化ケイ素粉末を得た。比較例8の窒化ケイ素粉末は、表2に見られるように、β型の窒化ケイ素の割合が少ない粉末であった。そして、得られた比較例8の窒化ケイ素粉末を用いて、実施例1と同様の方法で窒化ケイ素焼結体を作製した。さらに、実施例1と同様の方法で、それら前記焼結体の相対密度、室温における曲げ強度、及び室温における熱伝導率を測定した。
【0069】
(比較例9〜11)
原料シリコン粉末として表1に示す粉末を使用したこと以外は実施例1と同様にして燃焼生成物を作製し、得られた燃焼生成物を粗粉砕し篩通しした。その後の微粉砕の時間を、比較例9から順に1.42時間、1.67時間、1.42時間にしたこと以外は実施例1と同様にして、比較例9〜11の窒化ケイ素粉末を得た。比較例9〜11の窒化ケイ素粉末は、表2に見られるように、Fe含有量、Al含有量及び/又はFe,Al以外の金属不純物含有量が多い粉末であった。そして、各比較例の窒化ケイ素粉末を用いて、実施例1と同様の方法で窒化ケイ素焼結体を作製した。さらに、実施例1と同様の方法で、それら前記焼結体の相対密度、室温における曲げ強度、及び室温における熱伝導率を測定した。
【0070】
(比較例12、13)
D50が2.5μ、かさ密度が0.26g/ml、Feの含有割合が2ppm、Alの含有割合が3ppm、FeおよびAl以外の金属不純物の含有割合が3ppmのシリコン粉末を内径30mmの金型に充填し、1500kg/cm
2の圧力で一軸成型し、シリコン粉末の一軸成型体を得た。前記成型体を黒鉛製容器に充填し、それをバッチ式窒化炉に収容して、炉内を窒素雰囲気に置換した後、窒素雰囲気下で、1450℃まで昇温し、3時間保持させた。室温まで冷却させた後に、窒化生成物を取り出した。得られた窒化生成物を、内面がウレタンコーティングされた、窒化ケイ素製ロールを備えたロールクラッシャーで粗粉砕して、目開きが100μmのナイロン製篩で篩通しし、篩下の粉末を回収した。次に、前記粉末を、窒化ケイ素ボールが充填され、内面がウレタンでライニングされたアルミナ製のポットに収容して、バッチ式振動ミルで振動数1780cpm、振幅5mmの条件で微粉砕した。微粉砕の時間を、比較例12では0.42時間、比較例13では1.25時間として、各比較例の窒化ケイ素粉末を得た。表2に見られるように、燃焼合成法ではない直接窒化法である比較例12,13の窒化ケイ素粉末は、いずれも、結晶子径D
cが小さく、結晶歪が大きく、D
BET/D
cが大きい粉末であり、さらに、比較例13の窒化ケイ素粉末は、β型の窒化ケイ素の割合が少なく、D90が小さい粉末であった。そして、各比較例の窒化ケイ素粉末を用いて、実施例1と同様の方法で窒化ケイ素焼結体を作製した。さらに、実施例1と同様の方法で、それら前記焼結体の相対密度、室温における曲げ強度、及び室温における熱伝導率を測定した。
【0071】
実施例2〜9および比較例1〜13における、原料粉末に用いたシリコン粉末および希釈剤の物性値、混合原料粉末の物性値と、燃焼生成物の圧壊強度を表1に、また、実施例2〜9および比較例1〜13の窒化ケイ素粉末の物性値を表2に示す。また、実施例2〜9および比較例1〜13の窒化ケイ素粉末を焼結して作製した窒化ケイ素焼結体の相対密度、室温における曲げ強度、および室温における熱伝導率を表3に示す。本発明の窒化ケイ素粉末を原料として用いると、高い熱伝導率と高い機械的強度を併せ持つ窒化ケイ素焼結体が得られることわかる。