(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0009】
また、明細書全体において、ある構成要素を「含む」というのは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0010】
印刷回路基板
図1は本発明の一実施形態による印刷回路基板の構造を示す断面図である。
【0011】
図1を参照すると、本発明の一実施形態による印刷回路基板1000は、ガラス板10と、ガラス板10の上面及び下面に配置された絶縁層11、12を含むコア部100と、を含み、コア部100は、ガラス板10を貫通して形成された樹脂絶縁部155と、樹脂絶縁部155を貫通して形成されたビア150と、を含む。
【0012】
コア部100の上部及び下部には、上部及び下部配線層210が配置され、ビア150はコア部100を貫通して上部及び下部配線層210を連結する。ビア150は、樹脂絶縁部155を貫通して形成されるため、ビア150とガラス板10の間にはビア150を囲む樹脂絶縁部155が配置される。
【0013】
ガラス板10は非結晶質固体であるガラス(glass)を含む。
【0014】
本発明の一実施形態で用いられることができるガラス材料は、例えば、純粋二酸化ケイ素(約100%のSiO
2)、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス(alumino−silicate glass)などを含む。但し、上記ケイ素系ガラス組成に限定されず、代案的なガラス材料、例えば、フルオロガラス、リン酸ガラス、カルコゲンガラスなども用いられることができる。
【0015】
また、特定の物理的特性を有するガラスを形成するために、その他の添加剤をさらに含むことができる。このような添加剤は、炭酸カルシウム(例えば、石灰)及び炭酸ナトリウム(例えば、ソーダ)だけでなく、マグネシウム、カルシウム、マンガン、アルミニウム、鉛、硼素、鉄、クロム、カリウム、硫黄、及びアンチモンと、このような元素及び他の元素の炭酸塩及び/または酸化物を含むことができる。
【0016】
上記ガラス(glass)を含むガラス板10の一部を除去して貫通孔を形成し、上記貫通孔を導電性金属で充填してビア150を形成する。このとき、ビア150を形成するために、ガラス板10を除去する工程中に貫通孔の内壁にクラック(crack)が発生する可能性があり、ガラス板10とビア150の間の熱膨張係数の差異などによって浮きが発生し、密着力が低下するおそれがある。
【0017】
よって、本発明の一実施形態は、ガラス板10に樹脂絶縁部155を形成し、樹脂絶縁部155内にビア150を形成することにより、ガラスコア構造におけるビアの密着力を改善して信頼性を向上させることができるようにした。
【0018】
樹脂絶縁部155は、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂などを含むことができる。
【0019】
本発明の一実施形態による樹脂絶縁部155は補強材を含まない。
【0020】
絶縁層11、12は、ガラス板10の上面及び下面に配置されて、外部衝撃によってガラス板10が割れるなどの破損を防止することができる。
【0021】
絶縁層11、12は、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂を含むことができる。また、本発明の一実施形態による絶縁層11、12は、上記樹脂にファブリック(fabric)補強材、例えば、ガラス繊維が含浸されて含まれ、例えば、プリプレグで形成されることができる。
【0022】
樹脂絶縁部155は、ガラス板10の一面における直径がガラス板10の他面における直径より大きい形状で形成される。例えば、樹脂絶縁部155は、ガラス板10の一面から他面に行くほど直径が小さくなるテーパー形状で形成されることができる。
【0023】
樹脂絶縁部155は、ガラス板10を貫通する貫通孔を形成した後、上記貫通孔に樹脂を充填して形成されるが、このとき、ガラス板10は、貫通孔の形成時に破損しやすくなるためガラス板10の一面に絶縁層12を先に形成した状態で貫通孔を形成するようになる。したがって、樹脂絶縁部155は、一面から他面に行くほど直径が小さくなるテーパー形状で形成されることができる。
【0024】
ガラス板10に貫通孔を形成するとき、1次工程で貫通孔を形成した後、2次工程でエッチングして貫通孔を拡大して形成することができる。このとき、エッチングする工程においてガラス板10の貫通孔の内壁に発生したクラック(crack)が除去されることができる。
【0025】
ビア150は、ガラス板10の一面及び他面から中央部に行くほど直径が小さくなる砂時計形状で形成されることができる。但し、必ずこれに制限されず、下面に行くほど直径が小さくなるテーパー形状、下面に行くほど直径が大きくなるテーパー形状、円通形状など、当業界に公知されたすべての形状のビアが形成されることができる。
【0026】
ビア150は、導電性金属として用いられるものであれば制限なく適用可能であり、例えば、銅(Cu)を含むことができる。
【0027】
ビア150は、樹脂絶縁部155内に形成されることにより、浮きを防止することができ、密着力が改善されて信頼性が向上することができる。
【0028】
本発明の一実施形態による印刷回路基板1000は、ガラス板10の側面に側面樹脂絶縁部15が配置される。ガラス板10の側面は側面樹脂絶縁部15ですべて覆われて外部に露出しない。
【0029】
ガラス板10の側面を覆う側面樹脂絶縁部15によって単位印刷回路基板に切断するとき、ガラス板10にクラック(crack)が発生することを防止することができる。
【0030】
側面樹脂絶縁部15は、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂などを含むことができる。
【0031】
本発明の一実施形態による側面樹脂絶縁部15は補強材を含まない。
【0032】
図2及び
図3は本発明の他の実施形態による印刷回路基板の構造を示す断面図である。
【0033】
図2を参照すると、本発明の他の実施形態による印刷回路基板1000は、ガラス板10上に内部配線層20がさらに配置される。
【0034】
内部配線層20は、配線パターン、インダクタ、キャパシタ、抵抗などで具現されることができる。内部配線層20は、ビア25によってコア部100の一面に配置された配線層210と連結されることができる。
【0035】
内部配線層20及びビア25の構成を除外し、上述の本発明の実施形態による印刷回路基板の構成と重複する構成は同一に適用されることができる。
【0036】
図3を参照すると、コア部100の上部及び下部には、配線層210、220、及びビルドアップ絶縁層110が配置される。
【0037】
ビルドアップ絶縁層110は、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、またはこれらにガラス繊維または無機フィラーのような補強材が含浸された樹脂、例えば、プリプレグで形成されることができる。
【0038】
配線層210、220は、導電性金属として用いられるものでれば制限なく適用可能であり、例えば、銅(Cu)を用いることができる。
【0039】
コア部100の一面に配置された第1配線層210とビルドアップ絶縁層110の一面に配置された第2配線層220は、ビルドアップ絶縁層110を貫通するビア250によって連結される。
【0040】
ビア250は、配線層210、220と同一物質からなることができ、例えば、銅(Cu)を用いることができるが、必ずこれに制限されず、導電性金属として用いられるものであれば制限なく適用可能である。
【0041】
このとき、
図3には、コア部100の上部及び下部に積層される一つのビルドアップ(build−up)層が示されているが、これに制限されず、コア部100の一面に2つ以上のビルドアップ(build−up)層が配置されることができる。
【0042】
印刷回路基板1000の表面には、最外層の配線層である第2配線層220のうち外部端子接続パッド用配線パターンが露出するように半田レジスト300が配置される。
【0043】
露出した外部端子接続パッド用導体パターン上に半田バンプ350が配置され、半田バンプ350上に半導体チップ500が実装される。
【0044】
印刷回路基板の製造方法
図4から
図13は本発明の一実施形態による印刷回路基板の製造工程を示す図面である。
【0045】
図4を参照すると、まず、ガラス板10を絶縁層12に積層する。
【0046】
ガラス板10は、例えば、純粋二酸化ケイ素(約100%のSiO
2)、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス(alumino−silicate glass)などを含むことができるが、上記ケイ素系ガラスの組成に限定されず、代案的なガラス材料、例えば、フルオロガラス、リン酸ガラス、カルコゲンガラスなども用いられることができる。
【0047】
絶縁層12は、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂を含むことができる。また、本発明の一実施形態による絶縁層12は、上記樹脂にファブリック(fabric)補強材、例えば、ガラス繊維が含浸されて含まれ、例えば、プリプレグで形成されることができる。
【0048】
ガラス板10には、複数の単位印刷回路基板の領域が設定され、上記単位印刷回路基板の領域間にはそれぞれの単位印刷回路基板に切断する際の境界部が設定されることができる。
【0049】
図5を参照すると、ガラス板10にガラス板10を貫通する貫通孔31を形成する。また、ガラス板10に上記複数の単位印刷回路基板の領域間の境界部に沿って連続的に形成される溝部孔32を形成する。
【0050】
貫通孔31及び溝部孔32は、機械的ドリル、レーザドリルなどを用いて形成することができるが、特にこれに限定されない。
【0051】
本発明の一実施形態によると、レーザなどを用いて1次工程で貫通孔を形成した後、化学的エッチングを通じて2次工程で貫通孔を拡大することで貫通孔31を形成することができる。このとき、エッチングする工程においてガラス板10の貫通孔の内壁に発生したクラック(crack)が除去されることができる。
【0052】
一方、ガラス板10は、貫通孔を形成する際に破損しやすくなるため、ガラス板10の一面に絶縁層12を先に形成した状態で、貫通孔31を形成するようになる。これにより、貫通孔31は、ガラス板10の一面における直径がガラス板10の他面における直径より大きい形状で形成され、例えば、貫通孔31は、ガラス板10の一面から他面に行くほど直径が小さくなるテーパー形状で形成されることができる。
【0053】
図6を参照すると、貫通孔31を樹脂で充填して樹脂絶縁部155を形成し、溝部孔32を樹脂で充填して側面樹脂絶縁部15を形成する。また、ガラス板10の他面に絶縁層11を積層してコア部100を形成する。
【0054】
樹脂絶縁部155及び側面樹脂絶縁部15は、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂などを含むことができる。
【0055】
本発明の一実施形態による樹脂絶縁部155及び側面樹脂絶縁部15は補強材を含まない。
【0056】
絶縁層11は、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂を含むことができる。また、本発明の一実施形態による絶縁層12は、上記樹脂にファブリック(fabric)補強材、例えば、ガラス繊維が含浸されて含まれ、例えば、プリプレグで形成されることができる。
【0057】
ガラス板10の上面に絶縁層11を形成した後、加熱及び圧着してガラス板10の上面に絶縁層11が積層されたコア部100を形成するとともに、貫通孔31及び/または溝部孔32内に樹脂が充填されることができるが、必ずしもこれに制限されない。
【0058】
図7を参照すると、コア部100に樹脂絶縁部155を貫通するビア孔33を形成する。
【0059】
ビア孔33は、機械的ドリル、レーザドリル、サンドブラスト、化学的エッチングなどを用いて形成することができるが、特にこれに限定されない。
【0060】
コア部を貫通するビア孔を形成する際、ガラス板に直接ビア孔を形成すると、ガラス板に形成されるビア孔の内壁にクラック(crack)が発生する可能性があるが、本発明の一実施形態は、ビア孔33を、樹脂絶縁部155を貫通するように形成することにより、ガラス板10にクラック(crack)が発生することを防止することができる。
【0061】
図8を参照すると、ビア孔33に導電性金属を充填してビア150を形成し、コア部100の一面及び他面にビア150によって連結される第1配線層210を形成する。
【0062】
ビア150を形成するための導電性金属の充填及び第1配線層210の形成は、例えば、めっきなどの工程を適用して行うことができる。また、上記導電性金属は、電気伝導性に優れた金属であれば制限なく用いることができ、例えば、銅(Cu)を用いることができる。
【0063】
本発明の一実施形態は、ガラス板10に直接ビアを形成するのではなく、樹脂絶縁部155にビア150を形成するため、めっき工程性を改善することができ、ガラスコア構造におけるビアの密着力を改善して信頼性を向上させることができる。
【0064】
図9を参照すると、第1配線層210上にビルドアップ絶縁層110を形成する。
【0065】
ビルドアップ絶縁層110は、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、またはこれらにガラス繊維または無機フィラーのような補強材が含浸された樹脂、例えば、プリプレグで形成されることができる。
【0066】
図10を参照すると、ビルドアップ絶縁層110にビルドアップ絶縁層110を貫通するビア孔35を形成する。
【0067】
ビア孔35は、機械的ドリル、レーザドリル、サンドブラストなどを用いて形成することができるが、特にこれに限定されない。
【0068】
図11を参照すると、ビア孔35に導電性金属を充填してビア250を形成し、ビルドアップ絶縁層110上にビア250によって第1配線層210と連結される第2配線層220を形成する。
【0069】
上記導電性金属の充填及び第2配線層220の形成は、例えば、めっきなどの工程を適用して行うことができる。また、上記導電性金属は、電気伝導性に優れた金属であれば制限なく用いることができ、例えば、銅(Cu)を用いることができる。
【0070】
ビア250及び第2配線層220を形成する工程を繰り返してコア部100の一面に2つ以上のビルドアップ(build−up)層を形成することができる(図示せず)。
【0071】
図12を参照すると、最外層の配線層である第2配線層220のうち外部端子接続パッド用配線パターンが露出するように半田レジスト300を形成し、露出した外部端子接続パッド用導体パターン上に半導体チップを実装することができる半田バンプ350を形成する。
【0072】
図13を参照すると、製造された積層基板を境界部Cに沿って切断して単位印刷回路基板1000を形成する。
【0073】
このとき、ガラス板10は切断されず、境界部Cに沿って形成された側面樹脂絶縁部15が切断される。切断された単位印刷回路基板1000においてガラス板10の側面は外部に露出しない。
【0074】
上述の通り、本発明の一実施形態は、ガラス板10の側面を覆う側面樹脂絶縁部15を形成し、側面樹脂絶縁部15が形成された領域を切断して単位印刷回路基板1000を形成することにより、単位印刷回路基板に切断する製造工程中にガラス板にクラック(crack)が発生することを防止することができる。
【0075】
その他の特徴は、上述の本発明の一実施形態による印刷回路基板の特徴と同一であるためここでは省略する。
【0076】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有するものには明らかである。