(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態では、遊技機としてパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)を例にとって説明する。
図1は、本実施形態によるパチンコ機1の正面図である。また、
図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用い、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、
図1及び
図2を参照しつつパチンコ機1の全体構成について説明する。
【0010】
〔全体構成〕
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
【0011】
外枠ユニット2は、木材及び金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定される。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
【0012】
一体扉ユニット4は、その下部位置に受け皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
【0013】
図1中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(
図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット9が設けられている(
図2参照)。また、これに対応して一体扉ユニット4及び外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。
図1に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット9は施錠具とともに一体扉ユニット4及び内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
【0014】
また、受け皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。
例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット9が作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
【0015】
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受け皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
【0016】
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域8a(盤面、遊技盤)が形成されており、遊技領域8aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
【0017】
受け皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受け皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1はいわゆるCR機(CRユニットに接続する機種)であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172(
図2参照)から受け皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
【0018】
受け皿ユニット6の上面には貸出操作部14が設けられており、貸出操作部14には、球貸ボタン10及び返却ボタン12が配置されている。図示しないCRユニットに有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため貸出操作部14の上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、CRユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではCR機を例に挙げているが、パチンコ機1はCR機とは別の現金機(CRユニットに接続されない機種)であってもよい。
【0019】
また、受け皿ユニット6の上面には、上段位置にある上皿6bの手前に上皿球抜きボタン6dが設置されており、そして下皿6cの手前でその中央部には下皿球抜きレバー6eが設置されている。遊技者は上皿球抜きボタン6dを例えば押し込み操作することで、上皿6bに貯留された遊技球を下皿6cへ流下させることができる。また、遊技者は、下皿球抜きレバー6eを例えば左方向へスライドさせることで、下皿6cに貯留された遊技球を下方へ落下させて排出することができる。排出された遊技球は、例えば図示しない球受け箱等に受け止められる。
【0020】
受け皿ユニット6の右下部には、ハンドルユニット16が設置されている。遊技者はこのハンドルユニット16を操作することで発射制御基板セット174(
図2参照)を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域8a内に放り込まれる。遊技領域8a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域8a内を流下する。なお、遊技領域8a内(盤面、遊技盤)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
【0021】
〔枠前面の構成〕
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素として左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49が設置されている。左トップレンズユニット47にはガラス枠トップランプ46及び左側のガラス枠装飾ランプ48が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側のガラス枠トップランプ50が組み込まれている。その他にも一体扉ユニット4には、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49の下方にそれぞれ連なるようにして左右のガラス枠装飾ランプ52が設置されており、ガラス枠装飾ランプ52は、一体扉ユニット4の左右縁部から受皿ユニット6の前面部にまで回り込むようにして延びている。一体扉ユニット4においてガラス枠トップランプ46や左右のガラス枠装飾ランプ48,50,52等は、ガラスユニットを取り巻くようにして配置されている。
【0022】
上述した各種ランプ46,48,50,52は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、一体扉ユニット4の上部において、左トップレンズユニット47及び右上電飾ユニット49にはそれぞれガラス枠上スピーカ54,55が組み込まれている。一方、外枠ユニット2の左下位置にはガラス枠下スピーカ56が組み込まれている。スピーカ54,55,56は、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行する。
【0023】
また、受け皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45が設置されている。演出切替ボタン45は、例えば押し込み式の円形状ボタン45bとその周囲に回転式のジョグダイアル45a(ジョグリング)を組み合わせた形態を有している。遊技者は、演出切替ボタン45を押し込み操作又は回転操作することで演出内容(例えば液晶表示器42、可動液晶表示器43及び可動液晶表示器44(いずれも詳細は後述)に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。
【0024】
〔裏側の構成〕
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162、主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176及び裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)、外部端子板160、電源プラグを備えた電源コード164、アース端子を備えたアース線166及び図示しない接続配線等が設置されている。
【0025】
払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172a及び賞球ケース(参照符号なし)を有しており、賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受け皿ユニット6(
図1参照)に向けて案内する。
【0026】
また、外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続されている。パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)は、外部端子板160から外部の電子機器に向けて出力される。
【0027】
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続される。これにより、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)が確保される。また、アース線166は、遊技場の島設備に設置されたアース端子に接続される。これにより、パチンコ機1のアース(接地)が確保される。
【0028】
図3は、遊技盤ユニット8を単独で示した正面図である。遊技盤ユニット8は、ベースとなる遊技板8bを備えており、この遊技板8bの前面側に遊技領域8aが形成されている。遊技板8bは、例えば透明樹脂板で構成されており、遊技盤ユニット8が内枠アセンブリ7(
図1参照)に固定された状態で、遊技板8bの前面はガラスユニットに平行に配置される。遊技板8bの前面であって略円形状に設置された発射レール8cの内側に遊技領域8aが形成されている。
【0029】
遊技領域8a内には、その中央位置に比較的大型の演出ユニット40が配置されており、演出ユニット40を中心として遊技領域8aが左側部分、右側部分及び下部分に大きく分かれている。遊技領域8aの左側部分は、通常遊技状態(低確率状態)で使用される第1遊技領域(左打ち領域)である。遊技領域8aの右側部分は、有利遊技状態(大当り遊技状態、小当り遊技状態及びラッシュ状態等)で使用される第2遊技領域(右打ち領域)である。また、遊技領域8a内には、演出ユニット40の周辺に第1始動入賞口26、始動ゲート20、普通入賞口24、可変始動入賞装置28、第2始動入賞口27、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31等が分布して設置されている。第1始動入賞口26は、遊技領域8aの下部分の中央に配置されており、可変始動入賞装置28は、第1始動入賞口26の直下に配置されている。始動ゲート20は、可変始動入賞装置28の左側に配置され、始動ゲート20の左側に3つの普通入賞口24が配置されている。第1始動入賞口26、可変始動入賞装置28、始動ゲート20及び3つの普通入賞口24は、第1遊技領域に配置されている。第2始動入賞口27、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31は、遊技領域8aの右側部分に配置されている。第1可変入賞装置30は、可変始動入賞装置28の右側であって遊技領域8aの下部分の右よりに配置されている。また、第2可変入賞装置31の上方には、第1可変入賞装置30が配置され、第1可変入賞装置30の上方には、第2始動入賞口27が配置されている。第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31及び第2始動入賞口27は、第2遊技領域に配置されている。
【0030】
遊技領域8a内に放り込まれた遊技球は、その流下の過程で始動ゲート20を通過したり、第1始動入賞口26、第2始動入賞口27又は普通入賞口24に入球したり、あるいは、作動時の可変始動入賞装置28、開放動作時の第1可変入賞装置30又は開放動作時の第2可変入賞装置31に入球したりする。ここで、遊技領域8aの左側領域を流下する遊技球は、主に第1始動入賞口26に入球するか、普通入賞口24に入球するか、始動ゲート20を通過するか、作動時の可変始動入賞装置28に入球する可能性がある。一方、遊技領域8aの右側領域を流下する遊技球は、主に第2始動入賞口27に入球するか、開放動作時の第1可変入賞装置30に入球するか、開放動作時の第2可変入賞装置31に入球する可能性がある。始動ゲート20を通過した遊技球は続けて遊技領域8a内を流下するが、第1始動入賞口26、第2始動入賞口27、普通入賞口24、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31に入球した遊技球は遊技板(遊技盤ユニット8を構成する合板材、透明板等)に形成された貫通孔を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
【0031】
ここで、本実施形態では、遊技領域8a(盤面)の構成上、第1始動入賞口26、可変始動入賞装置28及び普通入賞口22に遊技球を入球させる場合は、遊技領域8a内の左側部分の第1遊技領域(左打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「左打ち」を実行する)必要がある。
【0032】
一方、第2始動入賞口27、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31に遊技球を入球させる場合は、遊技領域8a内の右側部分の第2遊技領域(右打ち領域)に遊技球を打ち込む(いわゆる「右打ち」を実行する)必要がある。
【0033】
本実施形態において、可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄が当りの態様で所定の停止表示時間にわたり停止表示された場合)に作動し、それに伴って可変始動入賞口28aへの入球を可能にする(普通電動役物)。可変始動入賞装置28は、例えば一対の開閉部材28bを有しており、一対の開閉部材28bは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に沿って左右方向に往復動作する。すなわち、
図3中に点線で示されるように、一対の開閉部材28bは先端が上を向いた状態で閉鎖位置(閉止位置)にあり、このとき可変始動入賞口28aへの入球は困難となっている。一方、可変始動入賞装置28が作動すると、開閉部材28bは閉鎖位置から開放位置に向けて変位(拡開)し、右側に開口幅を拡大して可変始動入賞口28aを開放する。この間に可変始動入賞装置28は遊技球の入球が可能な状態となり、可変始動入賞口28aへの入球を発生させることができる(可変始動入賞手段)。なお、このとき開閉部材28bは可変始動入賞口28aへの遊技球の入球を案内する部材としても機能する。ここで、可変始動入賞口28aへの入球が困難な状態は、遊技球が入球できない状態又は開閉部材28bが開放位置にあるときよりも遊技球が入球しにくい状態のいずれかの状態である。本実施形態によるパチンコ機1は、可変始動入賞口28aへの入球が困難な状態であるときには遊技球が入球できないようになっている。また、遊技盤ユニット8に設置されている障害釘の配列は、基本的に可変始動入賞装置28(開放時の可変始動入賞口28a)へ向かう遊技球の流下を極端に阻害しない態様となっているが、遊技球が開放動作時の可変始動入賞装置28(可変始動入賞口28a)に必ず入球するというわけではなく、あくまで入球は無作為に発生する。
【0034】
第1可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合)であって所定の第1条件(後半のラウンド)が満たされた場合に作動し、第1大入賞口30bへの入賞を可能にする(特別電動役物、第1特別入賞事象発生手段)。
【0035】
第1可変入賞装置30は、演出ユニット40の下方の右寄りに配置された装置であり(第1アタッカ)、例えば1つの開閉部材30aを有している。開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復動作する。図示のように盤面に沿った状態で開閉部材30aは閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき第1大入賞口30bへの入賞は常に不能(第1大入賞口30bは閉塞中)である。第1可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aがその下端縁部分をヒンジとして前方へ倒れ込むようにして変位し、第1大入賞口30bを開放する(開放状態)。この間に第1可変入賞装置30は遊技球の流入が不能ではない状態となり、第1大入賞口30bへの入賞という事象を発生させることができる。なお、このとき開閉部材30aは第1大入賞口30bへの遊技球の流入を案内する部材としても機能する。
【0036】
第2可変入賞装置31は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当り又は小当りの態様で停止表示された場合)であって、所定の第2条件(前半のラウンド)が満たされた場合に作動し、第2大入賞口(特定の入賞口)31bへの入賞を可能にする(特別電動役物、第2特別入賞事象発生手段)。
【0037】
第2可変入賞装置31は、演出ユニット40の右下方に配置された装置であり(第2アタッカ)、例えば1つの開閉部材31aを有している。第1可変入賞装置30は、開閉部材30aが前方へ倒れこむタイプの装置を採用している。これに対し、第2可変入賞装置31は、開閉部材31aが盤面に直交する方向を回転軸としてパチンコ機1の右側面側を開放するタイプの装置を採用している。そして、開閉部材31aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して直交する方向に約90°の回転角で回転動作する。開閉部材31aは、盤面から遊技者側に突出した状態で閉位置(閉鎖状態)にあり、このとき遊技球は開閉部材31aの上面を転動することになるため、大入賞口への入球は不能(第2大入賞口31bは閉塞中)である。そして、第2可変入賞装置31が作動すると、開閉部材31aが盤面に沿って回転し、第2大入賞口31bを開放する(開放状態)。この間に第2可変入賞装置31は遊技球の流入が不能ではない状態となり、第2大入賞口31bへの入球という事象を発生させることができる。
【0038】
〔確変領域(特定領域)〕
また、第2可変入賞装置31の内部には、第2大入賞口31bとは別に、確変領域31dが設けられている。確変領域31dは、第2可変入賞装置31が閉鎖状態である場合は遊技球が通過不能な領域であり、第2可変入賞装置31が開放状態である場合は遊技球が通過可能な領域である。また、確変領域31dの入口には、確変領域31dに遊技球を導く確変領域用開閉部材31cが配置されている。確変領域用開閉部材31cは、大当り遊技中又は小当り遊技中の特定のタイミング(詳細は後述)で開放状態となることにより、遊技球を確変領域31dに導くことができる。
【0039】
〔入賞装置ユニット〕
遊技盤ユニット8の右下部分には、入賞装置ユニット300が配置されている。入賞装置ユニット300は、第2可変入賞装置31を含んでいる。入賞装置ユニット300には、右打ちされた遊技球のうち作動中の可変始動入賞装置28に入球した遊技球が遊技盤ユニット8の裏側に回収されるために通過する貫通孔(不図示)が設けられている。また、第2可変入賞装置31には、遊技球が第2大入賞口31bを通過したことを検出する第2大入賞口ソレノイド97(
図3では不図示)と、遊技球が確変領域31dを通過したことを検出する確変領域用ソレノイド99(
図3では不図示)とが設けられている。第2大入賞口31bが閉鎖状態にある場合には、遊技球は入賞装置ユニット300上を通過してアウト口32側に転動する。
【0040】
遊技盤ユニット8には、その中央位置から右側部分にかけて演出ユニット40が設置されている。演出ユニット40は、その上縁部が遊技球の流下方向を変化させる案内部材として機能する他、その内側に各種の装飾部品40a,40cを備えている。装飾部品40a,40cはその立体的な造形により遊技盤ユニット8の装飾性を高めるとともに、例えば内蔵された発光器(LED等)により透過光を発することで、演出的な動作をすることができる。また、演出ユニット40の内側には液晶表示器(第一変動演出実行手段の一例)42が設置されており、液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。また、演出ユニット40の内側には可動液晶表示器(第二変動演出実行手段)43及び可動液晶表示器44が設置されている。可動液晶表示器43は、液晶表示器42の左側に配置され、可動液晶表示器44は、液晶表示器42の右側に配置されている。可動液晶表示器43及び可動液晶表示器44は、液晶表示器42と重畳可能に設けられている。可動液晶表示器43及び可動液晶表示器44は、液晶表示器42の前面に移動可動に設けられている。可動液晶表示器43及び可動液晶表示器44は、必要に応じて演出的な動作をすることができる。
【0041】
装飾部品40aには、特別図柄A(以下、「特
図A」と略記する場合がある)に係る乱数の記憶数(詳細は後述)を表示する特
図A記憶数ランプ400と、特別図柄B(以下、「特
図B」と略記する場合がある)に係る乱数の記憶数(詳細は後述)を表示する特
図B記憶数ランプ401とが設けられている。特
図A記憶数ランプ400及び特
図B記憶数ランプ401は、それぞれ2個の発光器(LED等)で構成されている。特
図A記憶数ランプ400及び特
図B記憶数ランプ401は、2個の発光器のうちのいずれか一方又は両方を点灯させ、このような点灯の仕方によって特別図柄に係る乱数の記憶数を表示するようになっている。特
図A記憶数ランプ400及び特
図B記憶数ランプ401は、遊技の進行に伴い必要に応じて発光する演出用のランプである。
【0042】
装飾部品40bには、特
図Aに係る第四図柄403と、特
図Bに係る第四図柄404とが設けられている。第四図柄403,404は、発光器(LED等)で構成されている。第四図柄403は、後述する特
図Aの変動表示中に同期して例えば点滅し、特
図Aの変動表示が終了して停止表示された特
図Aの図柄に応じて異なる色で点灯した状態を維持する。第四図柄404は、後述する特
図Bの変動表示中に同期して例えば点滅し、特
図Bの変動表示が終了して停止表示された特
図Bの図柄に応じて異なる色で点灯した状態を維持する。なお、特別図柄の変動表示については後述する。
【0043】
このように遊技盤ユニット8は、その盤面の構成や演出ユニット40の装飾性に基づいて、遊技者にパチンコ機1の特徴を印象付けている。また、本実施形態のように遊技板8bが透明樹脂板(例えばアクリル板)である場合、前面側だけでなく遊技板8bの背後に配置された各種の装飾体(可動体や発光体を含む)による装飾性を付加することができる。
【0044】
その他に演出ユニット40の内部には、可動液晶表示器43に設けられた装飾部品40c及び可動液晶表示器44に設けられた装飾部品40dが設置されている。装飾部品40cは可動液晶表示器43に固定され、装飾部品40dは可動液晶表示器44に固定されている。このため、装飾部品40cは、可動液晶表示器43とともに液晶表示器42の前面に移動したり液晶表示器42の前面から退避したりする。また、装飾部品40dは、可動液晶表示器44とともに液晶表示器42の前面に移動したり液晶表示器42の前面から退避したりする。これにより、装飾部品40c及び装飾部品40dは、遊技の進行に応じて可動液晶表示器43及び可動液晶表示器44とともに遊技の演出を盛り上げることができる。
【0045】
さらに、その他に演出ユニット40の内部には、演出用の可動体40fとともに駆動源(例えばモータ、ソレノイド等)が付属している。演出用の可動体40fは、液晶表示器42による画像を用いた演出や発光器による演出に加えて、有形物の動作を伴う演出を実行することができる。可動体40fを用いた演出により、二次元の画像を用いた演出とは別の訴求力を発揮することができる。
【0046】
また、演出ユニット40の左側縁部には球案内通路40hが形成されており、球案内通路40hの下縁部には転動ステージ40eが形成されている。球案内通路40hは遊技領域8a内にて左斜め上方に開口しており、遊技領域8a内を流下する遊技球が無作為に球案内通路40h内に流入すると、球案内通路40hの内部を通過して転動ステージ40e上に放出される。転動ステージ40eの上面は滑らかな湾曲面を有しており、転動ステージ40eの上面では遊技球が左右方向に転動自在である。転動ステージ40e上で転動した遊技球は、やがて下方の遊技領域8a内に流下する。転動ステージ40eの中央位置には球放出路40gが形成されており、転動ステージ40eから球放出路40gに案内された遊技球は、球放出路40gの真下にある第1始動入賞口26に流入しやすくなる。
【0047】
その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、各種入賞口に入球(入賞)しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。また、普通入賞口24、第1始動入賞口26、第2始動入賞口27、可変始動入賞口28a、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31に入球した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
【0048】
図4は、遊技盤ユニット8の窓4aの右側下方を拡大して示す正面図である。遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の右側下方に普通図柄表示装置33及び普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、特
図A表示装置34、特
図B表示装置35、特
図A作動記憶ランプ34a、特
図B作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が設けられている。普通図柄表示装置33は、例えば7セグメントLED(ドット付き)により、普通図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯、点灯及び点滅の組み合わせによって0〜4個の記憶数を表示する。例えば、普通図柄作動記憶ランプ33aは、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、さらに2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
【0049】
普通図柄作動記憶ランプ33aは、始動ゲート20を遊技球が通過する度に、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様(最大4個の記憶を表す表示態様まで)へと変化していく。また、普通図柄作動記憶ランプ33aは、始動ゲート20の通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお、本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動ゲート20を遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様によって表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない始動ゲート20の通過回数を表している。
【0050】
また、特
図A表示装置34及び特
図B表示装置35は、例えばそれぞれ7セグメントLED(ドット付き)によって構成されている。特
図A表示装置34は、第1始動入賞口26及び可変始動入賞口28aのいずれか一方を遊技球が入球したことを契機(第一抽選契機の一例)とする特別図柄A(第一特別図柄の一例)の変動表示における変動状態と停止状態とを表示することができる。すなわち、特
図A表示装置34は、第一特別図柄を変動表示させた後に第一抽選の結果を示す表示態様で第一特別図柄を停止表示する図柄表示を実行する第一図柄表示手段に相当する。特
図A表示装置34が実行する図柄表示は、後述する演出図柄420a,420b,420cの変動演出(第一変動演出の一例)の契機となる。特
図B表示装置35は、第2始動入賞口27aを遊技球が入球したことを契機(第二抽選契機の一例)とする特別図柄B(第二特別図柄の一例)の変動表示における変動状態と停止状態とを表示することができる。すなわち、特
図B表示装置35は、第二特別図柄を変動表示させた後に第二抽選の結果を示す表示態様で第二特別図柄を停止表示する図柄表示を実行する第二図柄表示手段に相当する。特
図B表示装置35が実行する図柄表示は、後述する演出図柄430a,430b,430cの変動演出(第一変動演出の一例)の契機となる。なお、特
図A表示装置34や特
図B表示装置35は、複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。
【0051】
また、特
図A作動記憶ランプ34a及び特
図B作動記憶ランプ35aは、例えばそれぞれ2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、それぞれ0〜4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、特
図A作動記憶ランプ34a及び特
図B作動記憶ランプ35aは、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
【0052】
特
図A作動記憶ランプ34aは、第1始動入賞口26又は可変始動入賞口28aに遊技球が入球するごとに、第1始動入賞口26又は可変始動入賞口28aに遊技球が入球したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様(最大4個の記憶を表す表示態様まで)へと変化していき、その入球を契機として特別図柄Aの変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また、特
図B作動記憶ランプ35aは、第2始動入賞口27に遊技球が入球するごとに、第2始動入賞口27に遊技球が入球したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様(最大4個の記憶を表す表示態様まで)へと変化し、その入球を契機として特別図柄Bの変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化する。なお、本実施形態では、特
図A作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、特別図柄Aが既に変動開始可能な状態(停止表示時)で第1始動入賞口26又は可変始動入賞口28aに遊技球が入球しても表示態様は変化しない。また、特
図B作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、特別図柄Bが既に変動開始可能な状態(停止表示時)で第2始動入賞口27に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。すなわち、特
図A作動記憶ランプ34aの表示態様により表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ特別図柄Aの変動が開始されていない入球の回数を表している。また、特
図B作動記憶ランプ35aの表示態様により表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ特別図柄Bの変動が開始されていない入球の回数を表している。
【0053】
また、遊技状態表示装置38には、例えば当り種別表示ランプ38a,38b,38c、確率変動状態表示ランプ38d、時短状態表示ランプ38e及び発射位置指定ランプ38fにそれぞれ対応するLEDが含まれている。当り種別表示ランプ38a、当り種別表示ランプ38b及び当り種別表示ランプ38cの点灯の組み合わせによって、14ラウンド大当り、8ラウンド大当り、2ラウンド大当り及び小当りのいずれの当りに当選しているのかを報知するようになっている。当り種別表示ランプ38a,38b,38c、確率変動状態表示ランプ38d、時短状態表示ランプ38e及び発射位置指定ランプ38fによって遊技状態表示装置38が構成されている。なお、本実施形態では、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、特
図A表示装置34、特
図B表示装置35、特
図A作動記憶ランプ34a、特
図B作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
【0054】
〔制御上の構成〕
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。
図5は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、主制御基板ユニット170に内蔵されている。
【0055】
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。乱数発生器75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0〜65535)を発生させる。乱数発生器75で発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路、電源供給経路及び制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
【0056】
始動ゲート20(
図3参照)には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また、遊技盤ユニット8(
図3参照)には、第1始動入賞口26、第2始動入賞口27、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31にそれぞれ対応して第1始動入賞口スイッチ80、第2始動入賞口スイッチ82、可変始動入賞口スイッチ83、第1カウントスイッチ84及び第2カウントスイッチ85が装備されている。第1始動入賞口スイッチ80は第1始動入賞口26への遊技球の入球を検出するために設けられ、第2始動入賞口スイッチ82は第2始動入賞口27への遊技球の入球を検出するために設けられ、可変始動入賞口スイッチ83は可変始動入賞装置28(第2始動入賞口28a)への遊技球の入球を検出するために設けられている。また、第1カウントスイッチ84は、第1可変入賞装置30(第1大入賞口30b)への遊技球の入球を検出し、入球数をカウントするために設けられている。さらに、第2カウントスイッチ85は、第2可変入賞装置31(第2大入賞口31b)への遊技球の入球を検出し、入球数をカウントするために設けられている。さらに、確変領域スイッチ95は、第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域31dを遊技球が通過したことを検出するためのスイッチである(検出手段)。同様に遊技盤ユニット8には、普通入賞口24への遊技球の入球を検出する入賞口スイッチ86が装備されている。なお、本実施形態によるパチンコ機1は、全ての普通入賞口24について共通の入賞口スイッチ86を用いるように構成されているが、それぞれの普通入賞口24に別々の入賞口スイッチ86を有し、それぞれの普通入賞口24に対する遊技球の入球を検出するように構成されていてもよい。
【0057】
これらスイッチ類の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85、入賞口スイッチ86及び確変領域スイッチ95からの入賞検出信号は、パネル中継端子板87を経由して主制御装置70に送信される。パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
【0058】
普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、特
図A表示装置34、特
図B表示装置35、特
図A作動記憶ランプ34a、特
図B作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じて普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、特
図A表示装置34、特
図B表示装置35、特
図A作動記憶ランプ34a、特
図B作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38に対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。すなわち、主制御CPU72及び主制御CPU72を備える主制御装置70はそれぞれ、特
図A表示装置(第一図柄表示手段の一例)34及び特
図B表示装置(第二図柄表示手段の一例)35を制御する図柄制御手段の一例に相当する。また、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、特
図A表示装置34、特
図B表示装置35、特
図A作動記憶ランプ34a、特
図B作動記憶ランプ35a及び遊技状態表示装置38は、1枚の統合表示基板89に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、統合表示基板89にはパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
【0059】
また、遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30、第2可変入賞装置31及び確変領域31dの上流にそれぞれ対応して普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び確変領域用ソレノイド99が設けられている。普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び確変領域用ソレノイド99は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31を開閉動作(作動)させたり、確変領域用開閉部材31cを可動させたりする。したがって、主制御CPU72及び主制御CPU72を備えた主制御装置70は、第一抽選の結果又は第二抽選の結果が当りである場合に第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31を開閉動作(作動)させる当り遊技を実行する当り遊技実行手段の一例に相当する。当り遊技には、大当り遊技及び小当り遊技が含まれる。なお、普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び確変領域用ソレノイド99についてもパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
【0060】
その他に一体扉ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、内枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。一体扉ユニット4が単独で開放されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。また、外枠ユニット2(
図1参照)から内枠アセンブリ7が開放されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号から一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出することができる。なお、主制御CPU72は、一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の開放状態を検出すると、上記の外部情報信号として扉開放情報信号を生成する。
【0061】
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている(入賞特典付与手段)。払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を払出装置ユニット172に実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、上記の外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
【0062】
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ)とともに払出装置基板100が設置されている。払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173(
図2参照)内の払出流路を通って受け皿ユニット6(
図1参照)に送られる。
【0063】
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
【0064】
また、パチンコ機1には、例えば下皿6c(
図1参照)の内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに、下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御装置92(払出制御CPU94)に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
【0065】
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受け皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。発射制御基板108、発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111は発射制御基板セット174(
図2参照)を構成している。発射制御基板108には発射ソレノイド110及び球送りソレノイド111を駆動する駆動回路が設けられている。球送りソレノイド111は、受け皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、遊技領域8aに向けて遊技球を1個ずつ間欠的に連続して打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
【0066】
一方、パチンコ機1の表側に位置するハンドルユニット16(
図1参照)には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116が設けられている。発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がハンドルユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして、発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
【0067】
受け皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されている。発射レバーボリューム112、タッチセンサ114及び発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に入力される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整される。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合、又は発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は、発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されている。遊技球等貸出装置接続端子板120にCRユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
【0068】
また、受け皿ユニット6には、度数表示基板122と、貸出及び返却スイッチ基板123とが内蔵されている。度数表示基板122には、上記の度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出及び返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12(いずれも
図1参照)にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されている。球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出及び返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに送信される。また、CRユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、CRユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
【0069】
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。なお、演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で上記の裏カバーユニット178(
図2参照)に覆われる位置に設けられている。
【0070】
また、演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53を発光させたり、スピーカ54,55,56から実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
【0071】
演出制御装置124と主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお、通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種コマンドのバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバIC(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
【0072】
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えている。ランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、各種ランプの発光・点滅等の動作を管理する。なお、各種ランプには、ガラス枠トップランプ46、ガラス枠装飾ランプ48、ガラス枠サイドランプ50及び受け皿ランプ52の他に、遊技盤ユニット8に設置された装飾・演出用の盤面ランプ53(いずれも
図1参照)が含まれる。盤面ランプ53は、上記の演出ユニットに内蔵されるLED、可変始動入賞装置28、第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31等に内蔵されるLEDに相当する。なお、
図5では、受け皿ランプ52がガラス枠電飾基板136に接続されている例を挙げているが、受け皿ユニット6に受け皿電飾基板を設置し、受け皿ランプ52については受け皿電飾基板を介してランプ駆動回路132に接続される構成であってもよい。
【0073】
また、音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROM、音響制御IC及びアンプ等を内蔵したサウンドジェネレータである。音響駆動回路134は、上スピーカ54及び下スピーカ56(
図1参照)を駆動して音響出力を行う。
【0074】
本実施形態では一体扉ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46〜52やスピーカ54,55,56に入力される。また、ガラス枠電飾基板136には、上記の演出切替ボタン45が接続されており、遊技者が演出切替ボタン45を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。さらに、ガラス枠電飾基板136には、ジョグダイアル45aが接続されており、遊技者がジョグダイアル45aを回転させると、その回転信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、
図5では、ガラス枠電飾基板136に演出切替ボタン45及びジョグダイアル45aが接続されている例を挙げているが、受け皿ユニット6に受け皿電飾基板を設置する場合、演出切替ボタン45及びジョグダイアル45aは受け皿電飾基板に接続されていてもよい。
【0075】
その他、遊技盤ユニット8にはパネル電飾基板138が設置されている。パネル電飾基板138には盤面ランプ53の他に可動体ソレノイド57が接続されている。可動体ソレノイド57は、例えば図示しないリンク機構を介して上記の可動体40fを駆動する。ランプ駆動回路132からの駆動信号は、パネル電飾基板138を経由して盤面ランプ53及び可動体ソレノイド57にそれぞれ入力される。
【0076】
液晶表示器42、可動液晶表示器43及び可動液晶表示器44は、遊技盤ユニット8の裏側に設置されている。遊技盤ユニット8に形成された略矩形の開口を通じて液晶表示器42、可動液晶表示器43及び可動液晶表示器44のそれぞれの表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されている。インバータ基板158は、液晶表示器42、可動液晶表示器43及び可動液晶表示器44のそれぞれのバックライトユニットに設けられた例えば冷陰極管に印加される交流電源を生成している。さらに、遊技盤ユニット8の裏側には演出表示制御装置144が設置されている。液晶表示器42、可動液晶表示器43及び可動液晶表示器44によるそれぞれの表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、VDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なお、VRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
【0077】
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上記のように各種ランプ46〜53等やスピーカ54,55,56を用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42、可動液晶表示器43及び可動液晶表示器44を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。このように、演出制御CPU126及び演出制御CPU126を備えた演出表示制御装置144は、液晶表示器42、可動液晶表示器43及び可動液晶表示器44を制御する変動演出制御手段の一例に相当する。
【0078】
液晶表示器42は、第1始動入賞口26及び可変始動入賞口28aのいずれか一方に遊技球が入球したことを契機として実行される第一抽選の結果が報知される第一変動演出を実行する第一変動演出実行手段に相当する。液晶表示器42は、特
図A表示装置34に表示される特別図柄Aの変動表示に連動して第一変動演出を実行する。可動液晶表示器43,44は、第2始動入賞口27に遊技球が入球したことを契機として実行される第二抽選の結果が報知される第二変動演出を実行する第二変動演出実行手段に相当する。可動液晶表示器43,44は、特
図B表示装置35に表示される特別図柄Bの変動表示に連動して第二変動演出を実行する。詳細は後述するが、第一変動演出は、演出図柄420a,420b,420cを変動表示した後に停止表示する態様を液晶表示器42の表示画面に表示する演出である。また、第二変動演出は、演出図柄420a,420b,420cを変動表示した後に停止表示する態様を可動液晶表示器43及び可動液晶表示器44の少なくともいずれか一方の表示画面に表示する演出である。
【0079】
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。VDP152は、受け取った制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、画像ROM154から必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらに、VDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42、可動液晶表示器43及び可動液晶表示器44の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動する。
【0080】
その他、内枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70、払出制御装置92、演出制御装置124及びインバータ基板158に分配される。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給される他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してCRユニットに電力が供給される。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
【0081】
外部端子板160は払出制御装置92に接続されている。主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力される。主制御装置70(主制御CPU72)及び払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、本実施形態によるパチンコ機1は、各種の外部情報信号が払出制御装置92を経由する構成を有しているが、主制御装置70から各種の外部情報信号が外部端子板160に直接出力される構成を有していてもよい。
【0082】
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
【0083】
〔リセットスタート(メイン)処理〕
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。また、リセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
【0084】
図6及び
図7は、リセットスタート処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
【0085】
ステップS101:
主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットし、ステップS102に移行する。
【0086】
ステップS102:
続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正し、ステップS103に移行する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
【0087】
ステップS103:
主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行し、ステップS104に移行する。ステップS103の処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1〜2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
【0088】
ステップS104:
次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可し、ステップS105に移行する。具体的には、主制御CPU72は、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。本実施形態によるパチンコ機1では、各種設定値や各種番号の数値は16進数で設定されている。以下、16進数を示す場合には「H」を付して表すこととする。例えば「00H」は、16進数で示される値「0」を示している。
【0089】
ステップS105:
主制御CPU72は、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行い、ステップS106に移行する。具体的には、主制御CPU72は、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
【0090】
ステップS106:
主制御CPU72は、先に退避しておいたRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
【0091】
ステップS107:
次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
【0092】
ステップS108:
主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
【0093】
ステップS109:
主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)し、ステップS110に進む。
ステップS110:
主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアし、ステップS111に移行する。
【0094】
ステップS111:
次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行し、ステップS112に移行する。ステップS111の処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、特図先判定演出コマンド、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド、回数切りカウンタ残数コマンド、特別遊技状態指定コマンド等)を送信し、ステップS112に移行する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
【0095】
ステップS112:
主制御CPU72は、状態復帰処理を実行し、ステップS116に移行する。ステップS112の処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また、主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
【0096】
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
【0097】
ステップS113:
主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアし、ステップS114に移行する。これにより、RAM76のワーク領域及びスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
【0098】
ステップS114:
主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行い、ステップS115に移行する。
【0099】
ステップS115:
主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行し、ステップS116に移行する。ステップS115の処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
【0100】
ステップS116:
主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行し、ステップS117に移行する。ステップS116の処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
【0101】
ステップS117:
主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。ステップS117の処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
【0102】
リセットスタート処理において以上のステップS101からステップS117までの手順を実行すると、主制御CPU72は
図7に示されるメインループに移行する。
【0103】
ステップS118:
主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行し、ステップS119に移行する。ステップS118の処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(駆動電圧の低下)を監視する。
【0104】
ステップS119:
電源遮断が発生すると、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88や第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97、確変領域用ソレノイド99等に対応する出力ポートバッファをクリアすると、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして、主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に上記の有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)し、次にステップS120を実行する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。電源断発生チェック処理(ステップS119)の詳細な手順については後述する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
【0105】
ステップS120:
主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行し、ステップS121に移行する。ステップS120の処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)、及び普通図柄に対応する当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、大当り図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数等)をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(
図9中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が1巡するごとにループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(
図9中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお、上記のように、本実施形態において大当り決定乱数及び当り決定乱数は乱数発生器75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数及び当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
【0106】
ステップS121:
主制御CPU72は割込を許可し、ステップS122に移行する。
【0107】
ステップS122:
主制御CPU72は、その他乱数更新処理を実行し、ステップS118に戻る。ステップS122の処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数等)である。ステップS122の処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(
図9)を実行した場合の残り時間で行われる。なお、割込管理処理の内容については後述する。
【0108】
〔電源断発生チェック処理〕
図8は、リセットスタート処理における電源断発生チェック処理(ステップS119)の手順例を具体的に示すフローチャートである。
ステップS130:
電源断発生チェック処理では先ず、主制御CPU72は、電源断発生チェックのための条件を設定し、ステップS132に移行する。電源断発生チェック条件は、例えば主電源断検出信号が継続して出力されていることを確認するためのオンカウンタ値として設定することができる。
【0109】
ステップS132:
次に主制御CPU72は、主電源断検出スイッチ入力用ポートをリードし、主電源断検出信号が出力されているか否かを確認(特定のビットをチェック)する。特に図示していないが、主電源断検出スイッチは、例えば主制御装置70(
図5参照)に実装されており、電源制御ユニット162から供給される駆動電圧を監視し、この駆動電圧の電圧レベルが基準電圧を下回った場合に主電源断検出信号を出力する。なお、主電源断検出スイッチは電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。主制御CPU72は、現時点で主電源断検出信号が出力されていないことを確認すると(No)、ステップS132の処理を抜けてリセットスタート処理に復帰する。一方、主電源断検出信号が出力されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS134に進む。
【0110】
ステップS134:
主制御CPU72は、ステップS130で設定したチェック条件を満たすか否かを確認する。具体的には、ステップS130で設定したオンカウンタ値を例えば1減算し、その結果が0になったか否かを確認する。現時点で未だオンカウンタ値が0でなければ(No)、主制御CPU72はステップS132に戻って主電源断検出スイッチ入力用ポートを改めて確認する。そして、ステップS134からステップS132へのループを繰り返してチェック条件が満たされると(ステップS134:Yes)、主制御CPU72は次にステップS136に進む。
【0111】
ステップS136:
主制御CPU72は、普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び確変領域用ソレノイド99に対応する出力ポートに加え、試験信号端子やコマンド制御信号に対応する出力ポートバッファをクリアし、ステップS138に移行する。
【0112】
ステップS138:
次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域のうち、バックアップ有効判定フラグ及びサムチェックバッファを除く全体の内容を1バイト単位で加算し、ステップS140に移行する。
【0113】
ステップS140:
主制御CPU72は、全領域について加算を完了したか否かを判定し、全領域についてサムの算出が完了したと判定すると(Yes)、ステップS142に移行し、全領域についてサムの算出が完了していないと判定すると(No)、ステップS138に戻る。このように、主制御CPU72は、全領域についてサムの算出が完了するまで繰り返す。
ステップS142:
全領域についてサムの算出が完了すると(ステップS140:Yes)、主制御CPU72はサムチェックバッファにサム結果値を保存し、ステップS144に移行する。
【0114】
ステップS144:
次に主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグ領域に有効値を格納し、ステップS146に移行する。
【0115】
ステップS146:
次に主制御CPU72は、RAM76のプロテクト値にアクセス禁止を表す「01H」を格納し、RAM76のワーク領域(使用禁止領域及びスタック領域を含む)に対するアクセスを禁止し、ステップS148に移行する。
【0116】
ステップS148:
次に主制御CPU72は待機ループに入り、主電源断の遮断に備えて他の処理を全て停止する。主電源断の発生後は、図示しないバックアップ電源回路(例えば主制御装置70に実装された容量素子を含む回路)からバックアップ用電力が供給されるため、RAM76の記憶内容は主電源断後も消失することなく保持される。なお、バックアップ用電源回路は、例えば電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。
【0117】
以上の処理を通じて、バックアップ対象(サム加算対象)となるRAM76のワーク領域に記憶されていた情報は、全て主電源断の後もRAM76に記憶として保持されることになる。また、保持されていた記憶は、先のリセットスタート処理(
図6)でチェックサムの正常を確認した上で、電源断時のバックアップ情報として復元される。
【0118】
〔割込管理処理(タイマ割込処理)〕
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。
図9は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ms)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
【0119】
ステップS200:
主制御CPU72は、割込管理処理が開始されると、先ずメインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB〜Lの各ペア)の値をRAM76の退避領域に退避させ、ステップS201に移行する。これらの値が退避された後のレジスタ(A〜L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
【0120】
ステップS201:
次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行し、ステップS202に移行する。ステップS201の処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数等が含まれる。
【0121】
ステップS202:
主制御CPU72は、ステップS202でも初期値更新乱数更新処理を実行し、ステップS203に移行する。ステップS202での処理の内容は、ステップS201における処理の内容と同じであるため、説明は省略する。
【0122】
ステップS203:
主制御CPU72は、入力処理を実行し、ステップS204に移行する。ステップS203の処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、ゲートスイッチ78及び確変領域スイッチ95からの通過検出信号や、第1始動入賞口スイッチ80、第2始動入賞口スイッチ82、可変始動入賞口スイッチ83、第1カウントスイッチ84、第2カウントスイッチ85及び入賞口スイッチ86からの入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
【0123】
ステップS204:
次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行し、ステップS205aに移行する。ステップS204の処理では、ステップS203の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、第1始動入賞口スイッチ80、第2始動入賞口スイッチ82及び可変始動入賞口スイッチ83からの入賞検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。なお、スイッチ入力イベント処理の具体的な内容については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
【0124】
本実施形態では、主制御CPU72は、第1始動入賞口スイッチ80又は可変始動入賞口スイッチ83から入賞検出信号(ON)が入力されると、遊技中に特別図柄Aに対応した内部抽選の契機(第一抽選契機の一例)となる事象が発生したと判定し、第2始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、遊技中に特別図柄Bに対応した内部抽選の契機(第二抽選契機の一例)となる事象が発生したと判定する。すなわち、主制御CPU72は、遊技中に第一抽選契機が発生すると第一抽選を行う第一抽選手段の一例であり、遊技中に第一抽選契機とは別の第二抽選契機が発生すると第二抽選を行う第二抽選手段の一例でもある。また、ゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。なお、第1始動入賞口スイッチ80、第2始動入賞口スイッチ82又は可変始動入賞口スイッチ83から入賞検出信号が入力された場合に実行される処理については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
【0125】
ステップS205a:
主制御CPU72は、割込管理処理中において特別図柄B遊技処理を実行し、ステップS205bに移行する。
【0126】
ステップS205b:
次に主制御PU72は、割込管理処理中において特別図柄A遊技処理を実行し、ステップS206に移行する。
【0127】
ステップS206:
次に主制御CPU72は、割込管理処理中において普通図柄遊技処理を実行し、ステップS207に移行する。
【0128】
ステップS205a、ステップS205b及びステップS206の処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるための処理である。特別図柄B遊技処理(ステップS205a)では、主制御CPU72は、第2始動入賞口27への遊技球の入球を契機として特別図柄Bに対応する内部抽選の実行を制御したり、特
図B表示装置35による変動表示や停止表示を制御したり、特
図B表示装置35の停止表示の結果に応じて第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31の作動を制御したりする。また、特別図柄A遊技処理(ステップS205b)では、主制御CPU72は、第1始動入賞口26又は可変始動入賞装置28(すなわち可変始動入賞口28a)への遊技球の入球を契機として特別図柄Aに対応する内部抽選の実行を制御したり、特
図A表示装置34による変動表示や停止表示を制御したり、特
図A表示装置34の停止表示の結果に応じて第1可変入賞装置30及び第2可変入賞装置31の作動を制御したりする。
【0129】
パチンコ機1は、第1始動入賞口26及び可変始動入賞装置28と、第2始動入賞口27とに全く同時に入賞があった場合や大当り遊技終了後に特別図柄A及び特別図柄Bのいずれの保留もある場合に特別図柄Bから先に処理を開始できるように、特別図柄B遊技処理が特別図柄A遊技処理よりも先に実行されるように構成されている。なお、特別図柄B遊技処理及び特別図柄A遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
【0130】
また、普通図柄遊技処理(ステップS206)では、主制御CPU72は、普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、普通図柄表示装置33の停止表示の結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72はスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、普通図柄遊技処理の中で記憶した乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(作動抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(可動片作動手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
【0131】
ステップS207:
次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行し、ステップS208に移行する。ステップS207の処理では、入力処理(ステップS203)において各種スイッチ80,82,83,84,85,86から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを生成して出力する。
【0132】
ステップS208:
次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行し、ステップS209に移行する。ステップS208の処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータに対して上記の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
【0133】
なお、本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」から「大当り10」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」から「大当り10」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる。また、大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数及び表示したり、台ごとに現在大当り遊技中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。ステップS208の外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」から「大当り10」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
【0134】
ステップS209:
主制御CPU72は、試験信号処理を実行し、ステップS210に移行する。ステップS209の処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、大当り遊技中、小当り遊技中、確率変動機能作動中、時短機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、生成した各種の試験信号をポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
【0135】
ステップS210:
主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行し、ステップS211に移行する。ステップS210の処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、特
図A表示装置34、特
図B表示装置35、特
図A作動記憶ランプ34a、特
図B作動記憶ランプ35a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を制御する。具体的には、特別図柄遊技処理(ステップS205)や普通図柄遊技処理(ステップS206)においてポート出力要求バッファに格納されている駆動信号をポート出力する。なお、駆動信号は、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納される。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
【0136】
ステップS211:
主制御CPU72は、出力管理処理を実行し、ステップS212に移行する。ステップS211の処理では、主制御CPU72は外部情報処理(ステップS208)でポート出力要求バッファに格納された外部情報信号(バイトデータ)をポート出力する。また、主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88、第1大入賞口ソレノイド90、第2大入賞口ソレノイド97及び確変領域用ソレノイド99の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力する。
【0137】
ステップS212:
主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行し、ステップS213に移行する。ステップS212の処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力する。
【0138】
ステップS213:
主制御CPU72は、今回のCTC割込で格納したポート出力要求バッファをクリアし、ステップS214に移行する。
【0139】
なお、本実施形態によるパチンコ機1は、ステップS205からステップS212の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行するように構成されているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行するようにプログラミングされていてもよい。
【0140】
ステップS214:
ステップS200からステップS213までの処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了し、ステップS214に移行する。
【0141】
ステップS215:
主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A〜L)の値を復帰し、ステップS216に移行する。
【0142】
ステップS216:
次に主制御CPU72は、次回のCTC割込を許可し、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
【0143】
〔スイッチ入力イベント処理〕
図10は、スイッチ入力イベント処理(
図9中のステップS204)の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順を追って説明する。
【0144】
ステップS10:
主制御CPU72は、特別図柄Aに対応する第1始動入賞口スイッチ80から第1始動入賞口検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。第1始動入賞口検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72はステップS12に移行する。一方、第1始動入賞口検出信号の入力が確認されなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS11に移行する。
【0145】
ステップS11:
主制御CPU72は、特別図柄Aに対応する可変始動入賞口スイッチ83から可変始動入賞口検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。可変始動入賞口検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72はステップS12に移行する。一方、可変始動入賞口検出信号の入力が確認されなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS12を実行せずにステップS13に移行する。
【0146】
ステップS12:
主制御CPU72は、特別図柄A記憶更新処理を実行し、ステップS13に移行する。特別図柄A記憶更新処理において実行される具体的な処理の内容については、別のフローチャートを用いてさらに後述する。
【0147】
ステップS13:
次に主制御CPU72は、特別図柄Bに対応する第2始動入賞口スイッチ82から第2始動入賞口検出信号が入力(抽選契機が発生)されたか否かを確認する。第2始動入賞口検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS14に移行する。一方、第2始動入賞口検出信号の入力が確認されなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS14を実行せずにステップS15に移行する。
【0148】
ステップS15:
主制御CPU72は、特別図柄B記憶更新処理を実行し、ステップS15に移行する。特別図柄B記憶更新処理において実行される具体的な処理の内容については別のフローチャートを用いてさらに後述する。
【0149】
ステップS15:
主制御CPU72は、第1可変入賞装置30の第1大入賞口30bに対応する第1カウントスイッチ84から第1カウントスイッチ検出信号が入力されたか否かを確認する。第1カウントスイッチ検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72はステップS16に移行する。一方、第1カウントスイッチ検出信号の入力が確認されなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS16を実行せずにステップS27に移行する。
【0150】
ステップS16:
主制御CPU72は、第1大入賞口カウント処理において大当り遊技中に1ラウンドごとの第1可変入賞装置30への入賞球数をカウントし、ステップS17に移行する。
【0151】
ステップS17:
主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の第2大入賞口31bに対応する第2カウントスイッチ85から第2カウントスイッチ検出信号が入力されたか否かを確認する。第2カウントスイッチ検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72はステップS18に移行する。一方、第2カウントスイッチ検出信号の入力が確認されなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS18を実行せずにステップS19に移行する。
【0152】
主制御CPU72は、第2大入賞口カウント処理において大当り遊技中に1ラウンドごとの第2可変入賞装置31への入賞球数をカウントし、ステップS19に移行する。
【0153】
ステップS19:
主制御CPU72は、普通図柄に対応するゲートスイッチ78から通過検出信号であるゲートスイッチ検出信号が入力されたか否かを確認する。ゲートスイッチ検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72はステップS20に移行する。一方、ゲートスイッチ検出信号の入力が確認されなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS20を実行せずにステップS21移行する。
【0154】
ステップS20:
主制御CPU72は、普通図柄記憶更新処理において現在の普通図柄作動記憶数が上限数(例えば4個)未満であるか否かを確認し、上限数に達していなければ、普通図柄当り乱数を取得する。また、主制御CPU72は、普通図柄作動記憶数を1インクリメントする。さらに、主制御CPU72は、取得した普通図柄当り乱数値をRAM76の乱数記憶領域に記憶させる。主制御CPU72は、これらの処理が終了したらステップS21に移行する。
【0155】
ステップS21:
主制御CPU72は、第2可変入賞装置31の内部に設けられた確変領域31dに対応する確変領域スイッチ95から確変領域スイッチ検出信号が入力されたか否かを確認する。確変領域スイッチ検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72はステップS22に移行する。一方、確変領域スイッチ検出信号の入力が確認されなかった場合(No)、主制御CPU72はステップS22を実行せずに割込管理処理(
図9)に復帰する。
【0156】
ステップS22:
主制御CPU72は、ステップS22の確変領域通過時処理において遊技状態フラグとして確率変動機能作動フラグの値(01H)をRAM76のフラグ領域にセットする(高確率状態移行手段、確率変動機能作動手段)。確率変動機能作動フラグは、大当り遊技の終了後、当選の結果が得られずに特別図柄が所定回数(例えば80回)変動するとリセットされる(後述する
図28中ステップS4650参照)。また、確変領域通過時処理として、主制御CPU72は、確変領域通過コマンドを生成する。確変領域通過コマンドは、演出制御出力処理(
図9中のステップS212)において演出制御装置124に送信される。なお、主制御CPU72は、特定の有効時間内(例えば、大当り遊技中に確変領域用ソレノイド99を作動させている時間内)に限って確変領域通過時処理を実行することにしてもよい。主制御CPU72は、これらの処理が終了したら割込管理処理(
図9)に復帰する。
【0157】
〔特別図柄A記憶更新処理〕
図11は、特別図柄A記憶更新処理(スイッチ入力イベント処理のステップS12(
図10参照))の手順例を示すフローチャートである。以下、特別図柄A記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
【0158】
ステップS30:
主制御CPU72は、特別図柄A記憶更新処理を開始すると、先ず特別図柄A作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値(例えば4とする)未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すカウンタである。ここで、RAM76の乱数記憶領域は、特別図柄A用の4つのセクションと、特別図柄B用の4つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。特別図柄A用の4つのセクションは、第1始動入賞口26に遊技球が入球したことを契機として取得される大当り決定乱数及び大当り図柄乱数の組と、可変始動入賞装置28すなわち可変始動入賞口28aに遊技球が入球したことを契機として取得される大当り決定乱数及び大当り図柄乱数の組とのいずれも記憶されるようになっている。つまり、特別図柄A用の4つのセクションは、第1始動入賞口26及び可変始動入賞装置28への遊技球の入球に対して共用されるセクションである。このとき、特別図柄Aに対応する作動記憶数カウンタの値、すなわち特別図柄A作動記憶数が最大値(例えば4とする)に達していれば(No)、主制御CPU72は、ステップS31からステップS39を実行せずにスイッチ入力イベント処理(
図10)に復帰する。一方、特別図柄Aに対応する作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS31に移行する。
【0159】
ステップS31:
主制御CPU72は、特別図柄A作動記憶数を1つ加算し、ステップS32に移行する。特別図柄A作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の作動記憶数領域に記憶されており、主制御CPU72は作動記憶数領域に記憶されている特別図柄A作動記憶数カウンタの値をインクリメント(+1)する。ステップS31において加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(割込管理処理のステップS210(
図9参照))で特別図柄A作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。
【0160】
ステップS32:
次に主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から特別図柄Aに対応する大当り決定乱数値を取得し(第1抽選要素の取得、抽選要素取得手段)、ステップS33に移行する。乱数値の取得は、乱数発生器75のピンアドレスを指定して行われる。主制御CPU72が8ビット処理の場合、アドレスの指定は上位及び下位で1バイトずつ2回に分けて行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り決定乱数値をリードすると、リードした大当り決定乱数値を特別図柄Aに対応する大当り決定乱数として転送先のアドレスにセーブする。
【0161】
ステップS33:
次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から特別図柄Aに対応する大当り図柄乱数値を取得し、ステップS34に移行する。大当り図柄乱数値の取得もまた、大当り図柄乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。主制御CPU72は、指定したアドレスから大当り図柄乱数値をリードすると、リードした大当り図柄乱数値を特別図柄Aに対応する大当り図柄乱数として転送先のアドレスにセーブする。
【0162】
ステップS34:
次に主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、特別図柄Aの変動条件に関する乱数値として、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段)。リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数の乱数値の取得も同様に、変動用乱数カウンタ領域のアドレスを指定して行われる。そして、主制御CPU72は、指定したアドレスからリーチモード決定乱数及び変動パターン乱数をそれぞれ取得すると、取得したリーチモード決定乱数及び変動パターン乱数を転送先のアドレスにセーブする。
【0163】
ステップS35:
主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数をともに特別図柄Aに対応する乱数記憶領域に転送し、転送した乱数を特別図柄Aに対応する乱数記憶領域内の空きセクションに一組として記憶させ(記憶手段、抽選要素記憶手段)、ステップS36に移行する。特別図柄Aに対応する乱数記憶領域の複数(本例では4つ)のセクションには順番(例えば第1から第4)が設定されている。現段階で第1から第4の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。また、第1セクションが既に埋まっており、残りの第2から第4セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。このように、転送された乱数は、特別図柄Aに対応する乱数記憶領域内の空きセクションのうち最も番号の小さいセクションから順番に記憶される。なお、乱数記憶領域の読み出しはFIFO(First In First Out)形式である。
【0164】
ステップS36:
次に主制御CPU72は、現在の特別遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り遊技中であるか否かを確認する。大当り遊技中以外であれば(No)、主制御CPU72はステップS37に移行する。一方、大当り遊技中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS37及びステップS38を実行せずにステップS38aに移行する。本実施形態において大当り遊技中か否かを判断しているのは、大当り遊技中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
【0165】
ステップS37:
大当り遊技中以外の場合(ステップS36:No)、主制御CPU72は特別図柄Aに関して取得時演出判定処理を実行し、ステップS38に移行する。ステップS37の処理は、先のステップS32及びステップS33においてそれぞれ取得した特別図柄Aの大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、事前の内部抽選の結果によって演出内容を判定(いわゆる「先読み」)するための処理である。なお、具体的な処理の内容については別のフローチャートを参照しながら後述する。
【0166】
ステップS38:
取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は、特別図柄Aに関して特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B8H」)をセットし、ステップS38aに移行する。ステップS38でセットされた特図先判定演出コマンドの上位バイトデータは、コマンド種別が「特別図柄Aに関する特図先判定演出用」であることを記述したデータである。なお、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS37)においてセットされているので、ステップS38では下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
【0167】
ステップS38a:
次に主制御CPU72は、特別図柄Aに関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットし、ステップS39に移行する。具体的には、主制御CPU72は、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BBH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」〜「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。このとき下位バイトについては、デフォルトで第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表している。つまり、下位バイトが「01H」であれば、それは前回までの作動記憶数「00H」から1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「01H」となったことを表している。同様に、下位バイトが「02H」〜「04H」であれば、それは前回までの作動記憶数「01H」〜「03H」からそれぞれ1つ増加した結果、今回の作動記憶数が「02H」〜「04H」となったことを表している。なお、上位バイトの先行値「BBH」は、今回の演出コマンドが特別図柄Aについての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
【0168】
ステップS39:
次に主制御CPU72は、特別図柄Aに関して演出コマンド出力設定処理を実行し、スイッチ入力イベント処理(
図10)に復帰する。これにより、特別図柄Aに関して、ステップS38で生成した特図先判定演出コマンド、ステップS38aで生成した作動記憶数増加時演出コマンド、あるいは始動口入賞音制御コマンド等を演出制御装置124に対して送信する準備が行われる(記憶数通知手段)。
【0169】
〔特別図柄B記憶更新処理〕
次に
図12は、特別図柄B記憶更新処理(スイッチ入力イベント処理のステップS16(
図10参照))の手順例を示すフローチャートである。以下、特別図柄A記憶更新処理の手順について順を追って説明する。
【0170】
ステップS40:
主制御CPU72は、特別図柄B記憶更新処理を開始すると、先ず特別図柄B作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が最大値(例えば4とする)未満であるか否かを確認する。特別図柄B作動記憶数カウンタについても特別図柄A作動記憶数カウンタと同様に、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数や大当り図柄乱数等の個数(組数)を表すカウンタである。特別図柄B作動記憶数カウンタの値、すなわち特別図柄B作動記憶数が最大値(例えば4とする)に達していれば(No)、主制御CPU72は、ステップS41からステップS49を実行せずにスイッチ入力イベント処理(
図10)に復帰する。一方、未だ特別図柄B作動記憶数カウンタの値が最大値未満であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS41に移行する。
【0171】
ステップS41:
主制御CPU72は、特別図柄B作動記憶数を1つ加算(第2特別図柄作動記憶数カウンタの値をインクリメント)し、ステップS42に移行する。特別図柄A記憶更新処理のステップS31(
図11参照)と同様に、ステップS41において加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(割込管理処理のステップS210(
図9参照))で特別図柄B作動記憶ランプ35aの点灯状態が制御されることになる。
【0172】
ステップS42:
次に主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から特別図柄Bに対応する大当り決定乱数値を取得する(第2抽選要素の取得、抽選要素取得手段)、ステップS43に移行する。大当り決定乱数値を取得する手法は、先に説明したステップS32(
図11参照)と同様であるため、説明は省略する。
【0173】
ステップS43:
次に主制御CPU72は、RAM76の大当り図柄乱数カウンタ領域から特別図柄Bに対応する大当り図柄乱数値を取得し、ステップS44に移行する。大当り図柄乱数値を取得する方法は、先に説明したステップS33(
図11参照)と同様であるため、説明は省略する。
【0174】
ステップS44:
次に主制御CPU72は、RAM76の変動用乱数カウンタ領域から、特別図柄Bの変動条件に関するリーチモード決定乱数及び変動パターン乱数を順番に取得する(変動パターン決定要素取得手段)。リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数の乱数値の取得及び取得した乱数の転送先のアドレスへのセーブもまた、先に説明したステップS34(
図11)と同様に行われるため、説明は省略する。
【0175】
ステップS45:
主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数、大当り図柄乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数をともに特別図柄Bに対応する乱数記憶領域に転送し、転送した乱数を特別図柄Bに対応する乱数記憶領域内の空きセクションに一組として記憶させ(記憶手段)、ステップS46に移行する。転送した乱数を特別図柄Bに対応する乱数記憶領域内の空きセクションに記憶する手法は、先に説明したステップS35(
図11)と同様であるため、説明は省略する。
【0176】
ステップS46:
次に主制御CPU72は、現在の遊技管理ステータス(遊技状態)が大当り遊技中であるか否かを確認する。大当り遊技中以外であれば(No)、主制御CPU72は次以降のステップS47に移行する。一方、大当り遊技中であれば(Yes)、主制御CPU72はステップS47及びステップS47を実行せずにステップS48aに移行する。本実施形態において大当り遊技中か否かを判断しているのは、特別図柄Aと同様に大当り遊技中に発生した入球については先読みによる演出を行わないためである。
【0177】
ステップS47:
大当り遊技中以外である場合(ステップS46:No)、主制御CPU72は特別図柄Aに関して取得時演出判定処理を実行し、ステップS48に移行する。ステップS47の処理は、先のステップS42及びステップS43でそれぞれ取得した特別図柄Bの大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に内部抽選の結果を判定し、事前の内部抽選の結果よって演出内容を判定(いわゆる「先読み」)するための処理である。なお、具体的な処理の内容はについては別のフローチャートを参照しながら後述する。
【0178】
ステップS48:
取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は、特別図柄Bに関して特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B9H」)をセットし、ステップS48aに移行する。ステップS48でセットされた特図先判定演出コマンドの上位バイトデータは、コマンド種別が「特別図柄Bに関する特図先判定演出用」であることを記述したデータである。ステップS48でもステップS38と同様に、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS47)においてセットされているので、ステップS48では下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。
【0179】
ステップS48a:
次に主制御CPU72は、特別図柄Bに関して作動記憶数増加時演出コマンドをセットし、ステップS49に移行する。具体的には、主制御CPU72は、コマンドの種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BCH」)に対し、増加後の作動記憶数(例えば「01H」〜「04H」)を下位バイトに付加した1ワード長の演出コマンドを生成する。特別図柄Bについても特別図柄Aと同様に、デフォルトで下位バイトの第2の位を「0」とすることにより、その値が「作動記憶数の増加による結果(変化情報)」であることを表すことができる。なお、上位バイトの先行値「BCH」は、今回の演出コマンドが特別図柄Bについての作動記憶数コマンドであることを表す値である。
【0180】
ステップS49:
次に主制御CPU72は、特別図柄Bに関して演出コマンド出力設定処理を実行し、スイッチ入力イベント処理(
図10)に復帰する。これにより、特別図柄Bに関して、特図先判定演出コマンドや作動記憶数増加時演出コマンド、あるいは始動口入賞音制御コマンド等を演出制御装置124に対して送信する準備が行われる(記憶数通知手段)。
【0181】
〔取得時演出判定処理〕
図13は、取得時演出判定処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、特別図柄A記憶更新処理及び特別図柄B記憶更新処理(
図11中のステップS37及び
図12中のステップS47)において取得時演出判定処理を実行する(先判定実行手段)。取得時演出判定処理は、特別図柄A(第1始動入賞口26又は可変始動入賞装置28への遊技球の入球時)及び特別図柄B(第2始動入賞口27への遊技球への入球時)のそれぞれについて実行される。したがって以下の説明は、特別図柄Aに関する処理に該当する場合と、特別図柄Bに関する処理に該当する場合とがある。以下、各手順に沿って処理の内容を説明する。
【0182】
ステップS50:
主制御CPU72は、取得時演出判定処理を開始すると、先ず特図先判定演出コマンド(先判定情報)の下位バイト分(例えば「00H」)をセットし、ステップS52に移行する。なお、ステップS50でセットされたバイトデータはコマンドの標準値(はずれ時)を表すデータとなる。
【0183】
ステップS52:
次に主制御CPU72は、先判定用乱数値として大当り決定乱数をロードし、ステップS54に移行する。ステップS52においてロードする乱数は、特別図柄A記憶更新処理ではステップS35(
図11参照)においてRAM76に記憶された乱数であり、特別図柄B記憶更新処理ではステップS45(
図12参照)においてRAM76に記憶された乱数である。
【0184】
ステップS54:
次に主制御CPU72は、ロードした乱数が当り値の範囲外(ここでは下限値以下)であるか否かを判定する(抽選結果先判定手段)。具体的には、主制御CPU72は比較値(下限値)をAレジスタにセットし、セットした比較値からロードした乱数値を減算する。なお、比較値(下限値)は、パチンコ機1における内部抽選の当選確率に応じて予め規定されている。次に主制御CPU72は、例えばフラグレジスタの値から演算結果が0又は正の値であるか否かを判別する。その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72は処理をステップS80に移行する。
【0185】
ステップS80:
次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン情報事前判定処理を実行し(変動パターン先判定手段)、呼び出し元の特別図柄A記憶更新処理(
図11)又は特別図柄B記憶更新処理(
図12)に復帰する。ステップS80の処理では、主制御CPU72は、はずれ時の変動時間について変動パターン先判定コマンドを生成する。ステップS80で生成される変動パターン先判定コマンドには、特に「確率変動機能」の作動時における変動時間(又は変動モード番号及び変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。例えば、現在の状態が「確率変動機能」の作動時であれば、主制御CPU72はロードしたリーチモード決定乱数に基づいて、変動時間が「固定変動時間」に対応するか否かを判断する。その結果、変動時間が「固定変動時間」に対応する場合、主制御CPU72は「固定変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。なお、リーチ変動の場合はさらに、変動パターン乱数から「リーチグループ(リーチの種類)」をも判断し、その結果から変動パターン先判定コマンドが生成されることとしてもよい。一方、変動時間が「固定変動時間」に対応するものでない場合、主制御CPU72は「可変変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。あるいは、現在の状態が「確率変動機能」の非作動時(低確率状態)であれば、主制御CPU72はロードしたリーチモード決定乱数に基づいて、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応するか否かを判断する。その結果、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応する場合、主制御CPU72は「通常はずれリーチ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。一方、変動時間が「通常はずれリーチ変動」に対応しない場合、主制御CPU72は「通常はずれ変動時間」に対応する変動パターン先判定コマンドを生成する。また、ステップS80で生成された変動パターン先判定コマンドは、特別図柄A記憶更新処理ではステップS39の演出コマンド出力設定処理で送信バッファにセットされ、特別図柄B記憶更新処理ではステップS49の演出コマンド出力設定処理で送信バッファにセットされる。なお、ステップS80の処理において、主制御CPU72は、小当り時の変動パターンについて、上述したはずれ時の処理と同様に変動パターン先判定コマンドを生成していもよい。
【0186】
一方、ステップS54の判断において、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、当り値の範囲内であれば(ステップS54:No)、主制御CPU72は処理をステップS56に移行する。
【0187】
ステップS56:
主制御CPU72は、先判定結果による確率状態予定フラグがセットされているか否かを確認する。先判定結果による確率状態予定フラグは、未だ変動は開始されていないが、これまで記憶されている大当り決定乱数の中に当選値がある場合にセットされる。具体的には、現時点で記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合、当選値の大当り決定乱数と組になっている大当り図柄乱数が「確変移行図柄(14ラウンド大当り図柄1、8ラウンド大当り図柄2又は2ラウンド大当り図柄1)」に該当すれば、確率状態予定フラグに例えば「A0H」がセットされる。確率状態予定フラグにおける「A0H」の値は、この大当り決定乱数よりも後に取得された大当り決定乱数の事前判定(先読み判定)に際して、高確率状態になることを予定として設定するためのフラグ値を表す。一方、現時点で記憶されている大当り決定乱数に当選値があった場合であって、当選値の大当り決定乱数と組になる大当り図柄乱数が「非確変(通常)図柄」に該当すれば、確率状態予定フラグに例えば「01H」がセットされる。確率状態予定フラグにおける「01H」の値は、この大当り決定乱数よりも後に取得された大当り決定乱数の事前判定(先読み判定)に際して、通常(低)確率状態になることを予定として設定するためのフラグ値を表す。なお、現時点で記憶されている大当り決定乱数に当選値が存在しなければ、フラグ値はリセット(00H)されている。また、確率状態予定フラグの値は、例えばRAM76のフラグ領域に格納されている。なお、パチンコ機1は「確率状態予定フラグ」を用いて厳密に事前の当り判定を行うように構成されているが、単純に現在の確率状態に基づいて事前の当り判定を行う場合、ステップS56と以降のステップS58、ステップS60、ステップS62及びステップS76等が設定されていなくてもよい。
【0188】
主制御CPU72は、現時点で確率状態予定フラグがセットされていなければ(ステップS56:No)、処理をステップS66に移行する。
【0189】
ステップS66:
主制御CPU72は低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットし、ステップS68に移行する。なお、低確率時用比較値もまた、パチンコ機1における低確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
【0190】
ステップS68:
次に主制御CPU72は、「現在の確率状態フラグ」をロードし、ステップS70に移行する。確率状態フラグは、現在の内部状態が高確率(確変中)であるか否かを表すフラグであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されている。現在の確率状態が高確率(確変中)であれば、状態フラグとして値「01H」がセットされており、低確率(通常中)であれば、状態フラグの値はリセットされている(「00H」)。
【0191】
ステップS70:
次に主制御CPU72は、ロードした現在の特別図柄確率状態フラグが高確率を表す値でない(≠01H)か否かを確認し、高確率を表す値であれば(No)、ステップS64に移行する。
【0192】
ステップS64:
主制御CPU72は、高確率時用比較値をセットし、ステップS72に移行する。これにより、ステップS66でセットされた低確率時用比較値が書き換えられる。なお、高確率時用比較値は、パチンコ機1における高確率時の当選確率に応じて予め規定されている。
【0193】
このように、先判定結果による確率状態予定フラグが未だセットされていない場合であって、現在の内部状態が高確率の場合は、比較値を高確率時用に書き換えた上で次のステップS72を実行することになる。これに対し、先のステップS70で現在の確率状態フラグが高確率を表すものでないことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS64を実行せずにステップS72に移行する。
【0194】
ステップS72:
主制御CPU72は、ステップS52でロードした乱数が当り値の範囲外であるか否かを判定する(抽選結果先判定手段)。すなわち、主制御CPU72は状態別でセットした比較値から大当り決定乱数値を減算する。主制御CPU72は、同様にフラグレジスタの値から演算結果が負の値(<0)であるか否かを判別し、その結果、ロードした乱数が当り値の範囲外であれば(Yes)、主制御CPU72は、はずれ時変動パターン情報事前判定処理(ステップS80)に移行する。これに対し、ロードした乱数が当り値の範囲外でなく、範囲内であれば(No)、主制御CPU72は、処理をステップS74に移行する。
【0195】
ステップS74:
主制御CPU72は、大当り図柄種別判定処理を実行し、ステップS76に移行する。ステップS74の処理は、大当り決定乱数と組になっている大当り図柄乱数に基づいて、大当り種別(当選種類)を判定するための処理である。例えば、主制御CPU72は、特別図柄A記憶更新処理ではステップS35(
図11参照)で記憶した図柄別の大当り図柄乱数をロードすると、ステップS54と同様に比較値を用いた演算を実行し、その結果から大当り種別として「確変非移行図柄」又は「確変移行図柄」のいずれに該当するかを判別する。また例えば、主制御CPU72は、特別図柄B記憶更新処理ではステップS45(
図12参照)で記憶した図柄別の大当り図柄乱数をロードし、特別図柄A記憶更新処理におけるステップS74と同様の処理を実行する。主制御CPU72は、ステップS74での判別結果を特別図柄先判定値として記憶し、処理をステップS76に移行する。
【0196】
ステップS76:
主制御CPU72は、先判定結果による確率状態予定フラグの値をセットし、ステップS78に移行する。具体的には、ステップS74で記憶した特別図柄先判定値が「確変非移行図柄」を表す場合、主制御CPU72は確率状態予定フラグに値「01H」をセットする。一方、特別図柄先判定値が「確変移行図柄」を表す場合、主制御CPU72は確率状態予定フラグに値「A0H」をセットする。これにより、次回以降の処理ではステップS56において「フラグセット済み」と判定されることになる。
【0197】
ステップS78:
次に主制御CPU72は、特図先判定演出コマンドの下位バイトとして、ステップS74で記憶した特別図柄先判定値をセットし、ステップS79に移行する。特別図柄先判定値は、例えば「確変非移行図柄」に該当する場合は「01H」がセットされ、「確変移行図柄」に該当する場合は「A0H」がセットされる。いずれにしても、ステップS78で下位バイト分のデータがセットされることにより、ステップS50でセットされた標準の下位バイトデータ「00H」が書き換えられることになる。
【0198】
ステップS79:
次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン情報事前判定処理を実行し(変動パターン先判定手段)、特別図柄A記憶更新処理における取得時演出判定処理の場合には特別図柄A記憶更新処理に復帰し、特別図柄B記憶更新処理における取得時演出判定処理の場合には特別図柄B記憶更新処に復帰する。ステップS79の処理では、主制御CPU72は大当り時の変動時間について、変動パターン先判定コマンドを生成する。ステップS79で生成される変動パターン先判定コマンドには、例えば大当り時のリーチ変動時間(又は変動モード番号及び変動パターン番号)に関する事前の判定情報が反映される。また、ステップS79で生成された変動パターン先判定コマンドは、特別図柄A記憶更新処理ではステップS39の演出コマンド出力設定処理で送信バッファにセットされ、特別図柄B記憶更新処理ではステップS49の演出コマンド出力設定処理で送信バッファにセットされる。
【0199】
以上は、先判定結果による確率状態予定フラグがセットされる前(内部初当り前)における手順である。これに対し、ステップS76を経て確率状態予定フラグがセットされている場合、以下の手順が実行される。ただし、現在の確率状態だけで事前の当り判定を行う場合、ステップS56,ステップS58,ステップS60,ステップS62及びステップS76を実行する必要はない。
【0200】
ステップS56:
主制御CPU72は、既に確率状態予定フラグに値がセットされていることを確認すると(Yes)、処理をステップS58に移行する。
【0201】
ステップS58:
主制御CPU72は、低確率時(通常時)用比較値をAレジスタにセットし、ステップS60に移行する。
【0202】
ステップS60:
次に主制御CPU72は、「確率状態予定フラグ」をロードし、ステップS62に移行する。確率状態予定フラグは、直前の先判定結果に基づきそれ以降の先判定において確率状態を予定的に設定するためのフラグであり、RAM76のフラグ領域内に記憶されている。直前の先判定結果に基づく確率状態が高確率(確変)に移行する予定であれば、確率状態予定フラグの値として「A0H」がセットされており、逆に直前の先判定結果に基づく確率状態が低確率(通常)に戻る予定であれば、確率状態予定フラグの値として「01H」がセットされている。
【0203】
ステップS62:
次に主制御CPU72は、ロードした確率状態予定フラグが高確率の予定を表すものでない(≠01H)か否かを確認し、高確率の予定を表すものであれば(No)、処理をステップS64に移行する。
【0204】
ステップS64:
次に主制御CPU72は、高確率時用比較値をセットし、ステップS72に移行する。
【0205】
このように、先判定結果による確率状態予定フラグが既にセットされており、セットされている確率状態予定フラグの値が高確率を予定するものである場合は、比較値を高確率時用に書き換えた上で次のステップS72以降が実行される。これに対し、ステップS62で確率状態予定フラグの値が高確率の予定を表す値でなく、通常(低)確率の予定を表す値であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS64を実行せずにステップS72に移行する。これにより本実施形態では、先判定結果に基づくその後の内部状態の変化(低確率状態→高確率状態、高確率状態→低確率状態)を考慮した上で、事前の大当り判定を行うことができる。
【0206】
〔特別図柄A及び特別図柄Bの並行変動〕
次に、割込管理処理(
図9)の中で実行される特別図柄A遊技処理及び特別図柄B遊技処理の詳細について説明する。本実施形態によるパチンコ機1は、特別図柄A及び特別図柄Bについて、それぞれに対応する内部抽選を別個に実行することで、特
図A表示装置34による特別図柄Aの変動表示と特
図B表示装置35による特別図柄Bの変動表示を並行して行うことが可能である(図柄並行変動手段)。このため本実施形態によるパチンコ機1は、特別図柄A及び特別図柄Bのそれぞれについて、主制御CPU72による制御上で特別図柄A遊技処理及び特別図柄B遊技処理を別個に(1割り込み周期に1回ずつ)実行することとしている。
【0207】
〔特別図柄B遊技処理〕
図14は、特別図柄B遊技処理の手順例を示すフローチャートである。特別図柄B遊技処理は、はじめに特別図柄Aの内部状態フラグが「大役開始(大当り遊技中)」であるか否かを確認する手順(ステップS1000a)を有している。
【0208】
ステップS1000a:
主制御CPU72は、最初に特別図柄Aに対応する遊技状態(内部状態)が「大役開始(大当り遊技中)」又は「小当り開始(小当り遊技中)」であるか否かを確認する。「大役開始(大当り遊技中)」又は「小当り開始(小当り遊技中)」であるか否かの確認は、特別図柄Aに関してこれまでに行われた処理の進行状況(特別図柄A遊技管理ステータスの値)に基づいて行うことができる。本実施形態によるパチンコ機1は、他方の特別図柄Aに関して大当り遊技中又は小当り中である場合、特別図柄Bに関する遊技を進行させないために、「大役開始(大当り遊技中)」又は「小当り開始(小当り遊技中)」であるか否かの確認を行うようになっている。
【0209】
現時点で、特に特別図柄Aに関して大当り遊技中(特別図柄A遊技管理ステータスが大当り遊技中の値)又は小当り遊技中でなければ(No)、主制御CPU72はステップS1000b以降の処理を実行する。ステップS1000bからステップS6000は、それぞれ特別図柄B遊技処理の根幹となるプログラムモジュールである。主制御CPU72はこれら根幹となるステップS1000bからステップS6000の処理を通じて、特別図柄Bに対応する遊技の進行状況を具体的に制御することができる。
【0210】
特別図柄B遊技処理の根幹部分には、実行選択処理(ステップS1000b)、特別図柄変動前処理(ステップS2000)、特別図柄変動中処理(ステップS3000)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)、大当り時可変入賞装置管理処理(ステップS5000)、小当り時可変入賞装置管理処理(ステップS6000)のサブルーチン(プログラムモジュール)群が含まれている。ここでは先ず、各処理に沿って特別図柄B遊技処理の根幹部分に関して基本的な流れを説明する。
【0211】
ステップS1000b:
実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2000からステップS6000のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして特別図柄B遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
【0212】
いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(特別図柄B遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ特別図柄Bが変動表示を開始していない状況であれば(特別図柄B遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2000)を選択する。また、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(特別図柄B遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3000)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(特別図柄B遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を選択するといった具合である。なお、本実施形態における特別図柄B遊技処理及び後述する特別図柄A遊技処理において、ジャンプ先のアドレスを「ジャンプテーブル」で指定して処理が選択されているが、このような選択手法とは別に、「プロセスフラグ」や「処理選択フラグ」等を用いてCPUが次に実行するべき処理を選択しているプログラミング例もある。このようなプログラミング例では、CPUが一通り各処理をCALLし、その先頭ステップで一々フラグを参照して条件分岐(継続/リターン)することになるが、本実施形態の選択手法では、主制御CPU72が各処理を一々呼び出す手間は不要である。
【0213】
ステップS2000:
特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄Bの変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。具体的には、ここで大当り判定(内部抽選処理実行手段)や変動パターンの決定を行い、大当りの場合はあわせて当選種別の判定を行う。また、当選種別の判定に伴い、主制御CPU72は「高確率状態」や「時短状態」に関する回数切りカウンタを設定したりする。なお、さらに具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
【0214】
ステップS3000:
特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、特
図B表示装置35の駆動制御を行う。具体的には、7セグメントLEDの各セグメント及びドット(0番から7番)に対してON又はOFFの駆動信号(1バイトデータ)を出力する。駆動信号のパターンは時間の経過に伴って変化し、それによって特別図柄Bの変動表示が行われる。
【0215】
また、特別図柄変動中処理では、後述するように、主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数又は割込カウンタの値)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで制御対象となる特別図柄(特別図柄A又は特別図柄B)の変動表示を制御する。タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定する。
【0216】
また、特別図柄変動中処理では、制御対象となる特別図柄の変動表示が終了したことに基づいて、特別図柄Aの変動時間の計測を中断する処理が実行される。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
【0217】
ステップS4000:
特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は特
図B表示装置35の駆動制御を行う。特別図柄停止表示中処理でも同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号が出力されるが、駆動信号のパターンは一定である。これにより、特別図柄Bの停止表示が行われる。
【0218】
また、特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(後述する
図17中のステップS2402,ステップS2405,ステップS2408)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する図柄停止コマンドを生成する。図柄停止コマンドは、後述する演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。特別図柄停止表示中処理の中で停止図柄を所定時間にわたり表示させると、主制御CPU72は図柄変動中フラグを消去する。
【0219】
また、特別図柄停止表示中処理では、図柄変動が停止する対象である特別図柄Bによって大当りが報知される場合、特殊停止指定コマンドに基づいて、他方に相当する特別図柄Aの変動を表示している特
図A表示装置34は、特別図柄Aの内部抽選結果とは無関係な表示態様で強制的に終了させられる。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
【0220】
ステップS5000:
大当り時可変入賞装置管理処理は、ステップS4000の特別図柄停止表示中処理において大当りの態様で特別図柄Bが停止表示された場合に選択される。例えば、特別図柄Bが8ラウンド大当りの態様で停止表示されると、パチンコ機1の遊技状態がそれまでの通常状態から大当り遊技状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に移行する契機が発生する。特別図柄Bに関して大当り遊技中は、実行選択処理(ステップS1000b)においてジャンプ先が大当り時可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄Bの変動表示は行われない。大当り時可変入賞装置管理処理においては、第1大入賞口ソレノイド90又は第2大入賞口ソレノイド97が一定時間(例えば0.1秒間又は9個の入賞をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば4回)にわたって励磁され、かつ一定時間(例えば29秒間又は9個の入賞をカウントするまで)、予め設定された連続作動回数(例えば4回)にわたって励磁される。これにより、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が決まったパターンで開閉動作する(特別電動役物の連続作動)。第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が開閉動作している間に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31に対して遊技球を集中的に入賞させることで、遊技者には、まとまって多くの賞球を獲得する機会が与えられる(特別遊技実行手段)。なお、このように大当り時に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が開閉動作することを「ラウンド」と称し、連続作動回数が全部で8回あれば、これらを「8ラウンド」と総称する。本実施形態では、大当りの種類として8ラウンド大当りだけでなく、その他に14ラウンド大当りや2ラウンド大当りが設けられている。14ラウンド大当り、8ラウンド大当り及び2ラウンド大当りには、複数の当選種類(当選図柄)がそれぞれ設けられている。
【0221】
また、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。また主制御CPU72は、ラウンド数カウンタの値を表すラウンド数コマンドを生成する。ラウンド数コマンドは、演出制御出力処理(割込管理処理のステップS212(
図9参照))において演出制御装置124に送信される。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで特別図柄Bに関して大当り遊技(大役)を終了する。
【0222】
特別図柄Bに関して大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(確率変動機能作動フラグや時短機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態を変化させる。
「低確率状態」から「高確率状態」に移行すると、確率変動機能が作動し、内部抽選での当選確率が通常よりも例えば10倍程度に高くなる(高確率状態移行手段)。また、「時短状態」に移行すると、可変始動入賞装置28に設けられた開閉部材28bが通常状態のときよりも開状態になりやすく、可変始動入賞口28aに遊技球が入球しやすい遊技状態となる。「低確率状態」又は「高確率状態」のいずれであっても、普通図柄の当選確率は、「低確率状態」よりも「高確率状態」の方が高く設定されている。「高確率状態」における普通図柄の当選確率は略1分の1である。普通図柄の変動時間は1秒程度であり、可変始動入賞装置28の開放時間は2.5秒程度であるため、低確率状態又は高確率状態に関わらず、特別図柄A又は特別図柄Bを変動させることができる(抽選契機発生手段)。ただし、「低確率状態」では、第2始動入賞口27に入賞させた場合には特別図柄Bの変動時間が相当程度長く設定(例えば10分程度の変動時間に設定)されている。このため、パチンコ機1の遊技状態が「高確率状態」に移行されない限り、初回の1変動以外は特別図柄Bを変動させることができない。
【0223】
ステップS6000:
小当り時可変入賞装置管理処理は、ステップS3000の特別図柄停止表示中処理において小当りの態様で特別図柄Bが停止表示された場合に選択される。例えば、特別図柄Bが小当りの態様で停止表示されると、パチンコ機1の遊技状態がそれまでの通常状態から小当り遊技状態に移行する契機が発生する。小当り遊技中は、ステップS1000bの実行選択処理においてジャンプ先が小当り時可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。
【0224】
〔特別図柄A遊技処理〕
図15は、特別図柄A遊技処理の手順例を示すフローチャートである。特別図柄A遊技処理もまた、はじめに特別図柄Bに関して大当り遊技中であるか否かを確認する手順(ステップS1900a)を有している。
【0225】
ステップS1900a:
ステップS1900aでも特別図柄B遊技処理のステップS1000aと同様に、主制御CPU72は、最初に特別図柄Bに対応する遊技状態が「大当り遊技中」又は「小当り開始(小当り遊技中)」であるか否かを確認する。特別図柄Bに対応する遊技状態の確認もまた、特別図柄B遊技管理ステータスの値に基づいて行うことができる。
【0226】
現時点で、特に特別図柄Bに関して大当り遊技中(特別図柄B遊技管理ステータスが大当り遊技中の値)又は小当り遊技中でなければ(No)、主制御CPU72はステップS1900b以降の処理を実行する。ステップS1900bからステップS6900は、それぞれ特別図柄A遊技処理の根幹となるプログラムモジュールである。主制御CPU72はこれら根幹となるステップS1900bからステップS6900の処理を通じて、特別図柄Aに対応する遊技の進行状況を具体的に制御することができる。
【0227】
特別図柄B遊技処理と同様に、特別図柄A遊技処理の根幹部分についても、実行選択処理(ステップS1900b)、特別図柄変動前処理(ステップS2900)、特別図柄変動中処理(ステップS3900)、特別図柄停止表示中処理(ステップS4900)、大当り時可変入賞装置管理処理(ステップS5900)、小当り時可変入賞装置管理処理(ステップS6900)のサブルーチン(プログラムモジュール)群が含まれている。各処理の内容は、制御の対象が特別図柄Aである点を除いて特別図柄B遊技処理において説明したものと同様であるが、制御処理の理解を確実にするため、ここでは各処理に沿って特別図柄A遊技処理の根幹部分に関して基本的な流れを説明する。
【0228】
ステップS1900b:
実行選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS2900からステップS6900のいずれか)のジャンプ先を「ジャンプテーブル」から選択する。例えば、主制御CPU72は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また戻り先のアドレスとして特別図柄A遊技処理の末尾をスタックポインタにセットする。
【0229】
ここでも同様に、いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況(特別図柄A遊技管理ステータス)によって異なる。例えば、未だ特別図柄Aが変動表示を開始していない状況であれば(特別図柄A遊技管理ステータス:00H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動前処理(ステップS2900)を選択する。また、既に特別図柄変動前処理が完了していれば(特別図柄A遊技管理ステータス:01H)、主制御CPU72は次のジャンプ先として特別図柄変動中処理(ステップS3900)を選択し、特別図柄変動中処理まで完了していれば(特別図柄A遊技管理ステータス:02H)、次のジャンプ先として特別図柄停止表示中処理(ステップS4900)を選択する。
【0230】
ステップS2900:
特別図柄A遊技処理における特別図柄変動前処理では、主制御CPU72は特別図柄Aの変動表示を開始するための条件を整える作業を行う。
【0231】
ステップS3900:
また特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマをカウントしつつ、特
図A表示装置34の駆動制御を行う。特
図A表示装置34の駆動制御の方法は、特
図B表示装置35の駆動制御と同様であるため、説明は省略する。
【0232】
ステップS4900:
特別図柄A遊技処理における特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は特
図A表示装置34の駆動制御を行う。特
図A表示装置34は、特
図B表示装置35と同様に、7セグメントLEDの各セグメント及びドットに対してON又はOFFの駆動信号が出力され、これにより特別図柄Aの停止表示が行われる。
【0233】
また、特別図柄停止表示中処理では、図柄変動が停止する対象である特別図柄Aによって大当りが報知される場合、特殊停止指定コマンドに基づいて、他方に相当する特別図柄Bの変動を表示している特
図B表示装置35は、特別図柄Bの内部抽選結果とは無関係な表示態様で強制的に終了させられる。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
【0234】
ステップS5900:
大当り時可変入賞装置管理処理は、ステップS4900の特別図柄停止表示中処理において大当りの態様で特別図柄Aが停止表示された場合に選択される。ここでも同様に、当選種類別の態様で特別図柄Aの停止表示態様が決定される。また主制御CPU72は、大当り時可変入賞装置管理処理において大入賞口開放パターン(ラウンド数と1ラウンドごとの開閉動作の回数、開放時間等)を設定すると、1ラウンド分の第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作を終了させるごとにラウンド数カウンタの値を1インクリメントする。ラウンド数カウンタの値が設定した連続作動回数に達すると、主制御CPU72はそのラウンド限りで特別図柄Aに関して大当り遊技(大役)を終了する。
【0235】
特別図柄Aに関して大当り遊技を終了すると、主制御CPU72は遊技状態フラグ(確率変動機能作動フラグや時短機能作動フラグ)に基づいて大当り遊技終了後の状態を変化させる。
【0236】
ステップS6900:
小当り時可変入賞装置管理処理は、先の特別図柄停止表示中処理において小当りの態様で特別図柄Aが停止表示された場合に選択される。例えば、特別図柄Aが小当りの態様で停止表示されると、それまでの通常状態から小当り遊技状態に移行する契機が発生する。小当り遊技中は、ステップS1900bの実行選択処理においてジャンプ先が小当り時可変入賞装置管理処理にセットされ、特別図柄の変動表示は行われない。
【0237】
〔複数の当選種類〕
本実施形態によるパチンコ機1では、「14ラウンド大当り」について、例えば複数の当選種類として、「14ラウンド大当り1」、「14ラウンド大当り2」及び「14ラウンド大当り3」が設けられている。また、パチンコ機1では、「8ラウンド大当り」について、例えば複数の当選種類として、「8ラウンド大当り1」、「8ラウンド大当り2」、「8ラウンド大当り3」及び「8ラウンド大当り4」が設けられている。さらに、パチンコ機1では、「2ラウンド大当り」について、例えば複数の当選種類として、「2ラウンド大当り1」、「2ラウンド大当り2」及び「2ラウンド大当り3」が設けられている。ただし、本実施形態において、14ラウンド、8ラウンド及び2ラウンド以外の大当りが設けられていてもよい。
【0238】
当選種類は、当選時に特
図A表示装置34に停止表示される特別図柄A又は当選時に特
図B表示装置35に停止表示される特別図柄Bの種類に対応している。例えば、「14ラウンド大当り1」は「14ラウンド大当り図柄1」の大当りに対応し、「14ラウンド大当り2」は「14ラウンド大当り図柄2」の大当りに対応し、「14ラウンド大当り3」は「14ラウンド大当り図柄3」の大当りに対応している。また例えば、「8ラウンド大当り1」は「8ラウンド大当り図柄1」の大当りに対応し、「8ラウンド大当り2」は「8ラウンド大当り図柄2」の大当りに対応し、「8ラウンド大当り3」は「8ラウンド大当り図柄3」の大当りに対応し、「8ラウンド大当り4」は「8ラウンド大当り図柄4」の大当りに対応している。また例えば、「2ラウンド大当り1」は「2ラウンド大当り図柄1」の大当りに対応し、「2ラウンド大当り2」は「2ラウンド大当り図柄2」の大当りに対応し、「2ラウンド大当り3」は「2ラウンド大当り図柄3」の大当りに対応している。このため、以下、「当選種類」のことを「当選図柄」として適宜呼称する場合がある。
【0239】
〔可変入賞装置の開放動作パターン〕
図16は、可変入賞装置の開放動作パターンを示す図である。各当選図柄に対応する大入賞口及び確変領域の開放について内容を説明する。
図16中の上段に示す「当選図柄」は、大当り又は小当りに当選した場合に特
図A表示装置34又は特
図B表示装置35に停止表示される図柄を示している。
図16中の上段に示す「第2大入賞口開放 0.1秒 確変領域開放」は、第2可変入賞装置31が最大で0.1秒間開放され、かつ第2可変入賞装置31の開放に合わせて確変領域31dが開放されることを示している。
図16中の上段に示す「第2大入賞口開放 0.1秒」は、第2可変入賞装置31が最大で0.1秒間開放され、確変領域31dが開放されないことを示している。
図16中の上段に示す「第1大入賞口開放 29秒」は、第1可変入賞装置30が最大で29秒間開放されることを示している。
図16中の上段に示す「第2大入賞口開放 0.8秒」は、第2可変入賞装置31が最大で0.8秒間開放されることを示している。
【0240】
本実施形態では、14ラウンド大当り図柄1から14ラウンド大当り図柄3における可変入賞装置の開放動作パターンは同一である。また、本実施形態では、8ラウンド大当り図柄1から8ラウンド大当り図柄4における可変入賞装置の開放動作パターンは同一である。さらに、本実施形態では、2ラウンド大当り図柄1から2ラウンド大当り図柄3における可変入賞装置の開放動作パターンは同一である。このため、
図16では、14ラウンド大当り図柄1から14ラウンド大当り図柄3を「14ラウンド大当り」と総称し、8ラウンド大当り図柄1から8ラウンド大当り図柄4を「8ラウンド大当り」と総称し、2ラウンド大当り図柄1から2ラウンド大当り図柄3を「2ラウンド大当り」と総称している。つまり、
図16中の「当選図柄」には、「14ラウンド大当り」、「8ラウンド大当り」、「2ラウンド大当り」及び「小当り図柄」を表す「小当り」が設定されている。
【0241】
図16において「第2大入賞口開放 0.1秒 確変領域開放」、「第2大入賞口開放 0.1秒」及び第1大入賞口開放 29秒」の各欄に設定されている回数は、ラウンド数を表し、「−」は小当り遊技が設定されていないことを表している。ラウンド数が設定されていないことを表している。また、
図16において、「第2大入賞口開放 0.8秒」の欄に設定されている回数は、小当り遊技中に実行される第2可変入賞装置31の開放回数を表し、「−」は大当り遊技が設定されていないことを表している。
【0242】
〔14ラウンド大当り〕
図14及び
図15に示す特別図柄B遊技処理及び特別図柄A遊技処理のそれぞれの特別図柄停止表示中処理(ステップS4000及びステップS4900)において、特別図柄が「14ラウンド大当り図柄1」又は「14ラウンド大当り図柄2」の態様で特
図B表示装置35又は特
図A表示装置34に停止表示されると、パチンコ機1の遊技状態が一の状態から他の状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。14ラウンド大当りの場合、1ラウンド目及び2ラウンド目では、短い時間(例えば、0.1秒)で第2可変入賞装置31の第2大入賞口31bが1回開放する。また、1ラウンド目では、確変領域31dが開放するが、2ラウンド目では、確変領域31dは開放されない。また、3ラウンド目から14ラウンド目までは、充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1可変入賞装置30の第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われる。このため、「14ラウンド大当り」の大当り遊技は、概ね12ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与することになる(実質12R(ラウンド))。なお、第1可変入賞装置30の第1大入賞口30bは、1ラウンド内に規定回数(例えば10回=遊技球10個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉鎖される。また、第2可変入賞装置31の第2大入賞口31bも同様に、1ラウンド内に規定回数(例えば10回=遊技球10個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉鎖される。
【0243】
〔8ラウンド大当り〕
図14及び
図15に示す特別図柄B遊技処理及び特別図柄A遊技処理のそれぞれの特別図柄停止表示中処理(ステップS4000及びステップS4900)において、特別図柄が「8ラウンド大当り図柄1」から「8ラウンド大当り図柄4」のいずれかの態様で特
図B表示装置35又は特
図A表示装置34に停止表示されると、パチンコ機1の遊技状態が一の状態から他の状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。8ラウンド大当りの場合、1ラウンド目から4ラウンド目では、短い時間(例えば、0.1秒)で第2可変入賞装置31の第2大入賞口31bが1回ずつ開放する。また、1ラウンド目では、確変領域31dが開放するが、2ラウンド目から4ラウンド目では、確変領域31dは開放されない。また、5ラウンド目から8ラウンド目までは、充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1可変入賞装置30の第1大入賞口30bの開放が1回ずつ行われる。このため、「14ラウンド大当り」の大当り遊技は、概ね4ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与することになる(実質4R(ラウンド))。なお、第1可変入賞装置30の第1大入賞口30bは、1ラウンド内に規定回数(例えば10回=遊技球10個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉鎖される。また、第2可変入賞装置31の第2大入賞口31bも同様に、1ラウンド内に規定回数(例えば10回=遊技球10個)の入賞が発生すると、最長の開放時間の経過を待たずに閉鎖される。
【0244】
〔2ラウンド大当り〕
図14及び
図15に示す特別図柄B遊技処理及び特別図柄A遊技処理のそれぞれの特別図柄停止表示中処理(ステップS4000及びステップS4900)において、特別図柄が「2ラウンド大当り図柄1」から「2ラウンド大当り図柄3」のいずれかの態様で停止表示されると、パチンコ機1の遊技状態が一の状態から他の状態に移行する契機が発生する(特別遊技実行手段)。この場合、1ラウンド目では、短い時間(例えば、0.1秒)で第2可変入賞装置31の第2大入賞口31bが1回開放する。また、1ラウンド目では、確変領域31dが開放する。また、2ラウンド目では、充分に長い時間(例えば最長で29.0秒の開放時間)をかけて第1可変入賞装置30の第1大入賞口30bの開放が1回行われる。このため、「2ラウンド大当り」の大当り遊技は、概ね1ラウンド分の出玉(賞球)を遊技者に付与するものとなる(実質1R(ラウンド))。
【0245】
「14ラウンド大当り」、「8ラウンド大当り」及び「2ラウンド大当り」に該当した場合であって、1ラウンド目に第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域31dを遊技球が通過した場合、大当り遊技の終了後には「確率変動機能」が作動されて、「高確率状態」に移行する特典が遊技者に付与される。なお、各大当り遊技後に移行されるパチンコ機1の遊技状態については後述する。
【0246】
〔小当り〕
また、本実施形態によるパチンコ機1では、非当選(はずれ)以外の当選種類として小当りが設けられている。小当りに当選すると、大当り遊技とは別に小当り遊技が行われて第2可変入賞装置31が開閉動作する(特殊遊技実行手段)。すなわち、
図14に示す特別図柄B遊技処理の特別図柄停止表示中処理において特別図柄Bが小当りの態様で停止表示されるか、
図15に示す特別図柄A遊技処理の特別図柄停止表示中処理において特別図柄Aが小当りの態様で停止表示されると、低確率状態又は高確率状態の中で小当り遊技(第2可変入賞装置31が作動する遊技)が実行される。
図16に示すように、小当り遊技では第2可変入賞装置31が所定の開放時間(例えば0.8秒)で所定回数(例えば1回)だけ開閉動作するため、遊技者は小当り遊技中に、ある程度の出球を獲得することができる。また、小当り遊技中は、確変領域31dが開放しないため、小当り遊技が終了しても、「確率変動機能」が作動することはない。また、「高確率状態」で小当りに当選しても、その小当り遊技終了後に「高確率状態」が終了することはない(上限回数に達した場合を除く。)。
【0247】
〔特別図柄変動前処理〕
図17は、
図14及び
図15に示す特別図柄B遊技処理及び特別図柄A遊技処理のそれぞれの特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。なお、以下に挙げる特別図柄変動前処理の内容は、特別図柄B遊技処理(
図14)及び特別図柄A遊技処理(
図15)において共通とすることができる。ただし、以下の手順を特別図柄B遊技処理に適用する場合は、制御の対象を特別図柄Bとし、他方を特別図柄Aとする。また、以下の手順を特別図柄A遊技処理に適用する場合は、制御の対象を特別図柄Aとし、他方を特別図柄Bとする。以下、各手順に沿って説明する。
【0248】
ステップS2100:
主制御CPU72は、特別図柄変動前処理を開始すると先ず、制御対象の特別図柄作動記憶数(特別図柄A作動記憶数又は特別図柄B作動記憶数)が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。制御対象の特別図柄作動記憶数の確認は、RAM76に記憶されている制御対象の作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。制御対象の特別図柄作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72は処理をステップS2110に移行する。一方、制御対象の特別図柄作動記憶数が0でなかった場合(Yes)、主制御CPU72は処理をステップS2120に移行する。
【0249】
ステップS2110:
主制御CPU72は、他方の特別図柄作動記憶数が0であるか否かを確認する。すなわち、制御の対象が特別図柄Aであれば、特別図柄B作動記憶数が0であるか否かを確認し、制御の対象が特別図柄Bであれば、特別図柄A作動記憶数が0であるか否かを確認する。他方の特別図柄作動記憶数の確認もまた、特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。他方の特別図柄作動記憶数が0であった場合(Yes)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理に移行する。一方、他方の特別図柄作動記憶数が0でなかった場合(No)、主制御CPU72は、本処理が特別図柄B遊技処理における特別図柄変動前処理であると特別図柄B遊技処理(
図14参照)に復帰し、本処理が特別図柄A遊技処理における特別図柄変動前処理であると特別図柄A遊技処理(
図15参照)に復帰する。なお復帰時は、各特別図柄遊技処理の末尾アドレスに復帰する(以降も同様)。
【0250】
ステップS2500:
ステップS2500の処理では、主制御CPU72は、いずれの始動入賞口にも所定の時間入賞がなかったかを確認し、確認の結果なかった場合、デモ演出用コマンドを生成する。デモ演出用コマンドは、
図9に示す割込管理処理の演出制御出力処理(ステップS212)において演出制御装置124に出力される。主制御CPU72は、デモ設定処理を実行すると、本処理が特別図柄B遊技処理における特別図柄変動前処理であると特別図柄B遊技処理(
図14)に復帰し、本処理が特別図柄A遊技処理における特別図柄変動前処理であると特別図柄A遊技処理(
図15)に復帰する。一方、他方の特別図柄作動記憶数が0でなかった場合(ステップS2150:No)、主制御CPU72は、デモ設定処理を実行することなく、本処理が特別図柄B遊技処理における特別図柄変動前処理であると特別図柄B遊技処理(
図14参照)に復帰し、本処理が特別図柄A遊技処理における特別図柄変動前処理であると特別図柄A遊技処理(
図15参照)に復帰する。
【0251】
ステップS2120:
主制御CPU72は、他方の特別図柄に関して、図柄停止表示中フラグに値(01H)がセットされているか否かを確認する。図柄停止表示中フラグについては、後の特別図柄変動終了処理において具体的に説明するが、特別図柄の停止表示が実行されている間にセットされるフラグであり、停止表示が終了される際にリセットされる。したがって、ステップS2120の処理における確認は、他方の特別図柄が大当り又は小当りを表す態様で停止表示しているか否かの確認である。
【0252】
ステップS2120の処理において、他方の特別図柄に関する図柄停止表示中フラグに値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は、本処理が特別図柄B遊技処理における特別図柄変動前処理であると特別図柄B遊技処理(
図14参照)に復帰し、本処理が特別図柄A遊技処理における特別図柄変動前処理であると特別図柄A遊技処理(
図15参照)に復帰する。このように以降の処理を実行せずに特別図柄遊技処理に復帰するのは、現在、他方の特別図柄が内部抽選の結果、大当り又は小当りを表す態様で停止表示している最中であり、大当り遊技又は小当り遊技がすぐに開始される予定だからである。すなわち、制御対象の特別図柄に関し、開始予定の大当り遊技又は小当り遊技が終了してから、以降の処理(変動表示を開始するための処理)を実行するようにしている。したがって、他方の特別図柄に関する大当り遊技又は小当り遊技が終了するまで、制御対象の特別図柄に関する内部抽選は実行されない。
【0253】
他方の特別図柄に関して、図柄停止表示中フラグに値(01H)がセットされていない場合、値が00Hである場合(ステップS2170:No)、主制御CPU72は処理をステップS2200に移行する。
【0254】
ステップS2200:
次に主制御CPU72は、特別図柄記憶エリアシフト処理を実行する。ステップS2200の処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)のうち、制御対象の特別図柄に対応する方を読み出す。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、主制御CPU72は先頭のセクションから乱数を読み出して消去(消費)した後、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。読み出された乱数は、例えば別の一時記憶領域に保存される。一時記憶領域に保存された各乱数は、次の大当り判定処理で内部抽選に使用される。またステップS2200の処理において、主制御CPU72はRAM76に記憶されている作動記憶数カウンタ(特別図柄A及び特別図柄Bのうち制御対象となる方)の値を1つ減算し、減算後の値を「変動開始時作動記憶数」に設定する。これにより、
図9に示す割込管理処理の表示出力管理処理(ステップS210)の中で特別図柄A作動記憶ランプ34a又は特別図柄B作動記憶ランプ35aのうち、制御対象となる方について記憶数の表示態様が変化(1減少)する。ここまでの手順を終えると、主制御CPU72は処理をステップS2300に移行する。
【0255】
ステップS2300:
主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行し、ステップS2400に移行する。ステップS2300の処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値(大当り決定乱数値)が含まれるか否かを判断する。本処理が特別図柄B遊技処理における特別図柄変動前処理である場合には、大当り判定処理は第二抽選手段の一例に相当する。また、本処理が特別図柄A遊技処理における特別図柄変動前処理である場合には、大当り判定処理は第一抽選手段の一例に相当する。大当り判定処理のとき設定される大当り値の範囲は、パチンコ機1の遊技状態が低確率状態と高確率状態(確率変動機能作動時)とで異なり、高確率状態では低確率状態よりも大当り値の範囲が約10倍程度に拡大される。ステップS2300において読み出した大当り決定乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットする。
【0256】
大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ大当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、設定した範囲内に読み出した大当り決定乱数値が含まれるか否かを判断する(内部抽選処理実行手段)。ここでいう「小当り」は、非当選(はずれ)以外であるが、「大当り」とは異なる性質の当選である。すなわち、「大当り」は「高確率状態」や「時短状態」などに遊技状態を移行させる契機(遊技の節目)を発生させるが、「小当り」は遊技状態を移行させる契機を発生しない。ただし「小当り」は、「大当り」と同様に第2可変入賞装置31を作動させる条件を満たすものとして位置付けられている。
【0257】
ステップS2300において読み出した大当り決定乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグ(01H)をセットする。
【0258】
このように、本実施形態によるパチンコ機1では、非当選以外に該当する当り範囲として、大当り値と小当り値の範囲が予めプログラム上で規定されているが(非当選以外規定手段)、予め状態別の大当り判定テーブル及び小当り判定テーブルをそれぞれROM74に書き込んでおき、これらのテーブルを読み出して大当り決定乱数値と対比しながら大当り判定を行ってもよい。
【0259】
ステップS2400:
次に主制御CPU72は、ステップS2300の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)をセットしたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は処理をステップS2401に移行し、大当りフラグに値(01H)がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は処理をステップS2402に移行する。
【0260】
ステップS2401:
主制御CPU72は、ステップS2400の大当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は処理をステップS2408に移行する。一方、小当りフラグに値(01H)がセットされていれば(Yes)、主制御CPU72は処理をステップS2405に移行する。なお、主制御CPU72は、大当りフラグと小当りフラグとを別々に用意せずに、共通当りフラグの値によって大当り(例えば01Hを設定)又は小当り(例えば0AHを設定)を判別してもよい。
【0261】
ステップS2402:
主制御CPU72は、ステップS2400において対象の大当りフラグに値(01H)がセットされていると判断したら、ステップS2402において、大当り時停止図柄決定処理を実行し(当選種類決定手段)、ステップS2403に移行する。ステップS2402の処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、特別図柄別(特別図柄A又は特別図柄B)に今回の当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と当選図柄の種類との関係は、予め特別図柄判定データテーブルで規定されている(当選種類規定手段)。このため主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理において特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルを参照し、その記憶内容から大当り図柄乱数に基づいて当選図柄の種類を決定することができる。特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルについては後述する。
【0262】
主制御CPU72は、特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルから当選図柄を選択すると、選択した当選図柄の情報を含む停止図柄コマンドを生成する。生成した停止図柄コマンドは、例えば
図9に示す割込管理処理の演出制御出力処理(ステップS212)において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、選択した当選図柄に基づいて特別図柄A又は特別図柄Bについての大当り時停止図柄番号を決定する。
【0263】
ステップS2403:
次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン決定処理を実行し、ステップS2404に移行する。本処理が特別図柄B遊技処理における特別図柄変動前処理である場合には、ステップS2403の処理において、リーチモード決定乱数に基づいて特別図柄Bの変動モード番号を決定し、変動パターン乱数に基づいて特別図柄Bの変動パターン番号を決定する。本処理が特別図柄A遊技処理における特別図柄変動前処理である場合には、ステップS2403の処理において、リーチモード決定乱数に基づいて特別図柄Aの変動モード番号を決定し、変動パターン乱数に基づいて特別図柄Aの変動パターン番号を決定する。詳細は後述するが、パチンコ機1では、特別図柄の変動時間が前半及び後半に分かれており、前半の変動時間は変動モード番号によって決定し、後半の変動時間は変動パターン番号によって決定される。なお、変動パターン番号にはそれぞれ変動時間と停止表示時間とが対応付けられている。また主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。一般的に大当りリーチ変動の場合、はずれ時よりも長い変動時間が決定される。
【0264】
本実施形態では、内部抽選の結果、14ラウンド大当り、8ラウンド大当り又は2ラウンド大当りに該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させて大当りとする制御を行っている。「大当り時変動パターン選択テーブル」には、複数種類の「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、14ラウンド大当り又は8ラウンド大当りに該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。なお、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。また、高確率状態である場合には、長い変動時間を有する変動パターンを選択せずに、短い変動時間を有する変動パターン(リーチ演出を行わない変動パターン)を選択してもよい。
【0265】
ステップS2404:
次に主制御CPU72は、大当り時その他設定処理を実行し、ステップS2411に移行する。ステップS2404の処理において、主制御CPU72は、大当り時停止図柄番号に基づいて特
図A表示装置34又は特
図B表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。より具体的に、本処理が特別図柄B遊技処理における特別図柄変動前処理である場合には、主制御CPU72は、大当り時停止図柄番号に基づいて特
図B表示装置35による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。一方、本処理が特別図柄A遊技処理における特別図柄変動前処理である場合には、主制御CPU72は、大当り時停止図柄番号に基づいて特
図A表示装置34による停止図柄(大当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、停止図柄コマンド(大当り時)とともに抽選結果コマンド(大当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。
【0266】
ステップS2405:
主制御CPU72は、ステップS2401において対象の小当りフラグに値(01H)がセットされていると判断したら、ステップS2405において、小当り時停止図柄決定処理を実行する。ステップS2405の処理では、主制御CPU72は、大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。大当り図柄乱数値と大当り時の当選図柄の種類との関係が予めテーブルにより規定されているのと同様に、大当り図柄乱数値と小当り時の当選図柄の種類との関係が予め小当り時特別図柄選択テーブルで規定されている(当選種類規定手段)。なお本実施形態によるパチンコ機1では、主制御CPU72の負荷を軽減するために大当り図柄乱数を用いて小当り時の当選図柄を決定しているが、別途専用の乱数を用いてもよい。
【0267】
本実施形態によるパチンコ機1では、小当り時の当選図柄は「1回開放小当り図柄」の1種類だけである。ただし、これ以外に例えば「2回開放小当り図柄」や「3回開放小当り図柄」等の別の種類が用意されていてもよい。内部抽選の結果としての「小当り」は、小当り遊技後の状態が「高確率状態」に変化する契機とはならないため、パチンコ機1と同種のパチンコ機で用いられる「2ラウンド(2回開放)以上」の規定にとらわれることなく、「1回開放小当り図柄」を設けることができる。
【0268】
ステップS2406:
次に主制御CPU72は、小当り時変動パターン決定処理を実行し、ステップS2407に移行する。本処理が特別図柄B遊技処理における特別図柄変動前処理である場合には、ステップS2406の処理において、リーチモード決定乱数に基づいて特別図柄Bの変動モード番号を決定し、変動パターン乱数に基づいて特別図柄Bの変動パターン番号を決定する(変動パターン決定手段)。本処理が特別図柄A遊技処理における特別図柄変動前処理である場合には、ステップS2406の処理において、リーチモード決定乱数に基づいて特別図柄Aの変動モード番号を決定し、変動パターン乱数に基づいて特別図柄Aの変動パターン番号を決定する(変動パターン決定手段)。詳細は後述するが、パチンコ機1では、特別図柄の変動時間が前半及び後半に分かれており、前半の変動時間は変動モード番号によって決定し、後半の変動時間は変動パターン番号によって決定される。なお、変動パターン番号にはそれぞれ変動時間と停止表示時間とが対応付けられている。主制御CPU72は、決定した変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
【0269】
ステップS2407:
次に主制御CPU72は、小当り時その他設定処理を実行し、ステップS2411に移行する。ステップS2407の処理では、主制御CPU72は小当り時停止図柄番号に基づいて、特
図A表示装置34又は特
図B表示装置35による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。より具体的に、本処理が特別図柄B遊技処理における特別図柄変動前処理である場合には、主制御CPU72は、小当り時停止図柄番号に基づいて特
図B表示装置35による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。一方、本処理が特別図柄A遊技処理における特別図柄変動前処理である場合には、主制御CPU72は、小当り時停止図柄番号に基づいて特
図A表示装置34による停止図柄(小当り図柄)の表示態様を決定する。合わせて主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(小当り時)を生成する。これら停止図柄コマンド及び抽選結果コマンドもまた、
図9に示す割込管理処理の演出制御出力処理(ステップS212)において演出制御装置124に送信される。
【0270】
ステップS2408:
主制御CPU72は、ステップS2401において対象の小当りフラグに値(01H)がセットされていないと判断したら、ステップS2408において、はずれ時停止図柄決定処理を実行し、ステップS2409に移行する。ステップS2408の処理では、主制御CPU72は、特
図A表示装置34又は特
図B表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。より具体的に、本処理が特別図柄B遊技処理における特別図柄変動前処理である場合には、主制御CPU72は、特
図B表示装置35に表示する停止図柄(はずれ図柄)の停止図柄番号データをセットする。一方、本処理が特別図柄A遊技処理における特別図柄変動前処理である場合には、主制御CPU72は、特
図A表示装置34に表示する停止図柄(小当り図柄)の停止図柄番号データをセットする。また主制御CPU72は、演出制御装置124に送信するための停止図柄コマンド及び抽選結果コマンド(はずれ時)を生成する。これらコマンドは、
図9に示す割込管理処理の演出制御出力処理(ステップS212)において演出制御装置124に送信される。
【0271】
なお本実施形態では、特
図A表示装置34や特
図B表示装置35に7セグメントLEDを用いているため、例えば、はずれ時の停止図柄の表示態様を常に1つのセグメント(中央のバー「−」)の点灯表示だけにしておき、停止図柄番号データを1つの値(例えば64H)に固定することができる。この場合、プログラム上で使用する記憶容量を削減し、主制御CPU72の処理負荷を軽減して処理速度を向上することができる。
【0272】
ステップS2409:
次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行し、ステップS2410に移行する。本処理が特別図柄B遊技処理における特別図柄変動前処理である場合には、ステップS2409の処理において、リーチモード決定乱数に基づいて特別図柄Bの変動モード番号を決定し、変動パターン乱数に基づいて特別図柄Bの変動パターン番号を決定する(変動パターン決定手段)。本処理が特別図柄A遊技処理における特別図柄変動前処理である場合には、ステップS2409の処理において、リーチモード決定乱数に基づいて特別図柄Aの変動モード番号を決定し、変動パターン乱数に基づいて特別図柄Aの変動パターン番号を決定する(変動パターン決定手段)。詳細は後述するが、パチンコ機1では、特別図柄の変動時間が前半及び後半に分かれており、前半の変動時間は変動モード番号によって決定し、後半の変動時間は変動パターン番号によって決定される。なお、変動パターン番号にはそれぞれ変動時間と停止表示時間とが対応付けられている。変動モード番号及び変動パターン番号は、制御対象の特別図柄の変動表示の種類(パターン)を区別したり、変動表示にかかる変動時間に対応したりする。はずれ時の変動時間は、パチンコ機1の遊技状態が「高確率状態」であるか否かによって異なってくるため、ステップS2409の処理において主制御CPU72は、遊技状態フラグをロードし、現在の遊技状態が「高確率状態」であるか否かを確認する。「高確率状態」であれば、はずれ時の変動時間は短縮された時間(例えば0.3〜1.5秒程度)に設定される。この場合、変動時間が0秒に対応する変動モード番号が設定され、短縮された時間(例えば0.3〜1.5秒程度)に対応する変動パターン番号が設定される。
【0273】
また「高確率状態」でなくとも、リーチ変動を行う場合を除き、はずれ時の変動時間は例えばステップS2200で設定した「変動表示開始時作動記憶数(0個〜3個)」に基づいて短縮される場合がある。なお、はずれ時の図柄の停止表示時間は変動パターンに関わらず一定(例えば0.5秒程度)である。主制御CPU72は、決定した変動時間(はずれ時)の値を変動タイマにセットするとともに、はずれ時の停止表示時間の値を停止図柄表示タイマにセットする。
【0274】
本実施形態では、特別図柄Aによる内部抽選の結果、非当選に該当した場合、演出上で例えば「リーチ演出」を発生させてはずれとしたり、「リーチ演出」を発生させずにはずれとしたりする制御を行うこととしている。そして、「はずれ時変動パターン選択テーブル」には、予め複数種類の演出、例えば「非リーチ演出」、「リーチ演出」に対応した変動パターンが規定されており、非当選に該当した場合は、その中からいずれかの変動パターンが選択されることになる。なお、リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、ロングリーチ演出、スーパーリーチ演出等といった様々なリーチ演出が含まれる。
【0275】
ステップS2410:
主制御CPU72は、はずれ時図柄変動の停止タイミング判定処理を実行し、ステップS2411に移行する。ステップS2410の処理において、主制御CPU72は、対象の特別図柄の変動の停止タイミングと、他方の特別図柄の変動の停止タイミングとを比較し、比較結果に基づいて所定の処理を実行する。ステップS2410の詳細な処理は別のフローチャートを用いて後述する。
【0276】
ステップS2411:
次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。ステップS2411の処理では、主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグ、図柄変動中フラグをセットする。さらに、主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、
図9に示す割込管理処理の演出制御出力処理(ステップS212)において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(ステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。
【0277】
〔特別図柄記憶エリアシフト処理〕
図18は、特別図柄変動前演出における特別図柄記憶エリアシフト処理(ステップS2200)の手順例を示すフローチャートである。特別図柄記憶エリアシフト処理の内容は、特別図柄Aの処理と特別図柄Bの処理とにおいて共通とすることができる。ただし、以下の手順を特別図柄Aに適用する場合は制御の対象を特別図柄Aとし、他方を特別図柄Bとすることとする。また、以下の手順を特別図柄Bに適用する場合は制御の対象を特別図柄Bとし、他方を特別図柄Aとすることとする。以下、各手順に沿って説明する。
【0278】
ステップS2210:
先ず主制御CPU72は、制御対象の特別図柄に対応するRAM76の乱数記憶領域をシフトし、ステップS2212に移行する。なお、具体的な処理の内容については、
図17に示す特別図柄変動前処理において既に述べたとおりである。
【0279】
ステップS2212:
また主制御CPU72は、制御対象の特別図柄について作動記憶カウンタの値を減算し、ステップS2214に移行する。例えば、制御対象の特別図柄が特別図柄Aであれば、主制御CPU72は特別図柄Aに対応する作動記憶カウンタの値を減算(−1)し、制御対象の特別図柄が特別図柄Bであれば、主制御CPU72は特別図柄Bに対応する作動記憶カウンタの値を減算(−1)する。
【0280】
ステップS2214:
次に主制御CPU72は、減算後の作動記憶カウンタの値から、制御対象の特別図柄について「変動開始時作動記憶数」を設定し、ステップS2216に移行する。
【0281】
ステップS2216:
また主制御CPU72は、制御対象の特別図柄に関して作動記憶数減少時演出コマンドをセットし、ステップS2218に移行する。ステップS2216においてセットされる演出コマンドもまた、1ワード長のコマンドとして生成されるが、作動記憶数減少時演出コマンドの構成は上述した「作動記憶数増加時演出コマンド」と対照的である。すなわち、作動記憶数減少時演出コマンドは、コマンド種別を表す上位バイトの先行値(例えば「BBH」)に対して、減少後の作動記憶数を表す下位バイトの値(例えば「00H」〜「03H」)を付加するとともに、下位バイトの値については、「消費に伴う作動記憶数の減少」を意味する加算値(例えば「10H」)をさらに付加(論理和)したものである。したがって下位バイトについては、加算値「10H」を論理和することでその第2の位が「1」となり、この値によって「作動記憶数の減少による結果(変化情報)」であることを表すことになる。すなわち、コマンドの下位バイトが「13H」であれば、前回までの作動記憶数「4」(コマンド表記は「14H」)が1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「3」(コマンド表記は「13H」)となったことを表している。同様に、下位バイトが「12H」〜「10H」であれば、前回までの作動記憶数「3」〜「1」(コマンド表記は「13H」〜「11H」)がそれぞれ1つ減少した結果、今回の作動記憶数が「2」〜「0」(コマンド表記は「12H」〜「10H」)となったことを表している。なお上記の先行値「BBH」は、今回の演出コマンドが特別図柄Aについての作動記憶数コマンドであることを表す値である。制御対象が特別図柄Bであれば、先行値は特別図柄Bについての作動記憶数コマンドであることを表す値(例えば「BCH」)となる。
【0282】
ステップS2218:
次に主制御CPU72は、演出コマンド出力設定処理を実行し、特別図柄変動前処理(
図17)に復帰する。ステップS2218の処理は、ステップS2216でセットした制御対象となる特別図柄についての作動記憶数減少時演出コマンドを演出制御装置124に対して送信するための処理である(記憶数通知手段)。
【0283】
図19は、特別図柄変動前処理におけるはずれ時図柄変動の停止タイミング処理(ステップS2406)の手順例を示すフローチャートである。はずれ時図柄変動の停止タイミング処理は、対象の特別図柄が特別図柄Aであり、かつ他方の図柄変動が対象の図柄変動よりも先に停止する場合の液晶表示器42及び可動液晶表示器43,44の制御に関する処理である。
【0284】
ステップS2406a:
主制御CPU72は、はずれ時図柄変動の停止タイミング処理を開始すると先ず、制御対象の特別図柄が特
図Aであるか否かを判定する。現在の処理が
図14に示す特別図柄B遊技処理における特別図柄変動前処理(ステップS2000)である場合には、主制御CPU72は、対象の特別図柄が特
図Aでないと判定し(No)、後述するステップS2406bからステップS2406fまでの処理を実行せずに、
図17に示す特別図柄変動前処理に復帰する。一方、現在の処理が
図15に示す特別図柄A遊技処理における特別図柄変動前処理(ステップS2900)である場合には、主制御CPU72は、対象の特別図柄が特
図Aであると判定し(Yes)、ステップS2406bに移行する。
【0285】
ステップS2406b:
次に主制御CPU72は、特別図柄Bの図柄変動が特別図柄Aの図柄変動よりも先に停止するか否かを判定する。つまり、主制御PU72は、他方の特別図柄の図柄変動が対象の特別図柄の図柄変動よりも先に停止するか否かを判定する。ステップS2406bにおいて主制御CPU72は、
図17に示すはずれ時変動パターン決定処理(ステップS2409)において決定して変動タイマにセットした特別図柄Aの図柄変動の変動時間と、特別図柄Bの変動タイマにセットされている変動時間とを比較する。主制御CPU72は、特別図柄Bの変動時間の方が特別図柄Aの変動時間よりも短いと判定すると、特別図柄Bの方が特別図柄Aよりも先に停止すると判断し(Yes)、処理をステップS2406cに移行する。一方、主制御CPU72は、特別図柄Bの変動時間の方が特別図柄Aの変動時間よりも長いと判定すると、特別図柄Bの方が特別図柄Aのよりも後に停止すると判断し(No)、後述するステップS2406cからステップS2406fまでの処理を実行せずに
図17に示す特別図柄変動前処理に復帰する。
【0286】
ステップS2406c:
次に主制御CPU72は、可動液晶表示器の初期位置待機コマンド(以下、「初期位置待機コマンド」と略記する場合がある)をセットし、ステップS2406dに移行する。ステップS2406cにおいてセットされる可動液晶表示器の初期位置待機コマンドは、
図9に示す割込管理処理の演出制御出力処理(ステップS212)において演出制御装置124に送信される。詳細は後述するが演出制御装置124は、可動体ソレノイド58,59を駆動して可動液晶表示器43,44を初期位置に移動させる。これにより、可動液晶表示器43,44は、液晶表示器42の左右両側に退避されて一時的に停止される。このため、液晶表示器42及び可動液晶表示器43,44の視認性が確保される。また、可動液晶表示器43,44は停止した状態で所定の画像や動画などを表示できる。
【0287】
ステップS2406d:
次に主制御CPU72は、特別図柄Bの大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。すなわち、主制御CPU72は、RAM76にセットされている特別図柄Bの大当りフラグの値が「01H」であると確認すると(Yes)、ステップS2406eに移行する。一方、主制御CPU72は、RAM76にセットされている特別図柄Bの大当りフラグの値が「01H」でないと確認すると(No)、ステップS2406fに移行する。
【0288】
ステップS2406e:
主制御CPU72は、ステップS2406eにおいて特殊演出変動パターンコマンドをセットし、特別図柄変動前処理(
図17)に復帰する。ステップS2406eにおいてセットされる特殊演出変動パターンコマンドは、
図9に示す割込管理処理の演出制御出力処理(ステップS212)において演出表示制御装置144に送信される。詳細は後述するが、特殊演出変動パターンコマンドを受信した演出表示制御装置144は、可動液晶表示器43,44(本実施系例では可動液晶表示器43)において実行中の変動演出が大当りを報知することを示唆する大当り示唆演出(第二抽選の結果に関連する特殊演出の一例)を実行するように液晶表示器42を制御する。これにより、液晶表示器42は、特別図柄Aの変動演出(第一変動演出の一例)に加えて、可動液晶表示器43,44が報知する特別図柄Bに係る抽選結果(第二抽選の結果の一例)に関連する大当り示唆演出を実行する。
【0289】
ステップS2406f:
主制御CPU72は、ステップS2406fにおいて、制御対象の特別図柄の図柄変動計測中断予定フラグの値を「01H」にセットし、特別図柄変動前処理(
図17)に復帰する。図柄変動計測中断予定フラグは、特別図柄の変動時間の計測の中断が予定されているか否かを示すフラグである。図柄変動計測中断予定フラグの値としてRAM76に「01H」がセットされていると、特別図柄の変動時間の計測の中断が予定されていることを示す。一方、図柄変動計測中断フラグの値としてRAM76に「01H」がセットされていない(例えば「00H」がセットされている)と、特別図柄の変動時間の計測の中断が予定されていないことを示す。より具体的には、ステップS2406fにおいて主制御CPU72は、制御対象の特別図柄である特別図柄Aの図柄変動計測中断予定フラグの値を「01H」にセットする。図柄変動計測中断予定フラグは、図柄変動計測中断フラグ(詳細は後述)がセットされるまで値「01H」がセットされ続ける。
【0290】
〔特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル〕
ここで、
図17に示す特別図柄変動前演出における大当り時停止図柄決定処理(ステップS2402)において参照される特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルについて
図20を用いて説明する。
図20(a)は、特
図A表示装置34に停止表示される大当り図柄を選択するための特
図A用特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。
図20(b)は、特
図B表示装置35に停止表示される大当り図柄を選択するための特
図B用特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルの構成例を示す図である。主制御CPU72は、今回の大当りの結果が特別図柄Aに対応する場合には特
図A用特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルを参照して当選図柄の種類を決定する。また、主制御CPU72は、今回の大当りの結果が特別図柄Bに対応する場合には特
図B用特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルを参照して当選図柄の種類を決定する。
【0291】
図20(a)に示すように、特
図A用特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルは、「抽選時の遊技状態」、「比較値」、「当選図柄」及び「大当り遊技後の遊技状態」の4つの項目で構成されている。「抽選時の遊技状態」は、特別図柄Aの停止図柄を決定する際のパチンコ機1の遊技状態を示している。「比較値」は、特別図柄Aの停止図柄を決定する際に大当り図柄乱数と比較する数値である。「当選図柄」は、大当りに係る特別図柄の変動が終了した後に特
図A表示装置34に停止表示される大当り図柄を示している。「大当り遊技後の遊技状態」は、大当り遊技が終了した後のパチンコ機1の内部状態(遊技状態)を示している。
【0292】
「抽選時の遊技状態」には、「通常状態」、「時短状態」、「ラッシュ状態」、「特殊高確率状態」、「ペナルティ1状態」及び「ペナルティ2状態」の6つの遊技状態が設定されている。「通常状態」は、特別図柄の当選確率が低確率であり、かつ普通図柄の当選確率も低確率である状態を示している。パチンコ機1は、電源投入された初期の遊技状態が「通常状態」にある。
【0293】
「時短状態」は、特別図柄の当選確率が低確率であり、かつ普通図柄の当選確率が高確率である状態を示している。パチンコ機1の遊技状態が時短状態にあると、可変始動入賞装置28に設けられた一対の開閉部材28bの開放が高頻度で発生するとともに、一対の開閉部材28bの開放時間が長くなる。但し、第2始動入賞口27に遊技球が入球しても特別図柄Bの変動時間の短縮は生じず10分間となる。したがって、パチンコ機1の遊技状態が時短状態にあると、特別図柄Aの変動が生じ易くなるので、特別図柄Aの変動回数が増加する。一方、第2始動入賞口27への遊技球の入球を契機として開始される特別図柄Bの変動は10分間継続し、その間に再び特別図柄Bの変動は生じない。このため、時短状態では、特別図柄Bの変動が開始される頻度は低くなり、特別図柄Bの変動回数は減少する。その結果、パチンコ機1の遊技状態が時短状態にあると、右打ちしても出玉は増加しない。
【0294】
「ラッシュ状態」は、特別図柄の当選確率が高確率であり、かつ普通図柄の当選確率が低確率である状態を示している。パチンコ機1の遊技状態がラッシュ状態にあると、特別図柄Bが高確率状態となって特別図柄Bの変動時間が短縮されるので、右打ちにより出玉が増加する。「ラッシュ状態」は、本実施形態によるパチンコ機1における最も出玉を増加させ易い状態である。
【0295】
「特殊高確率状態」は、特別図柄の当選確率が高確率であり、かつ普通図柄の当選確率も高確率である状態を示している。パチンコ機1の遊技状態が特殊高確率状態にあると、可変始動入賞装置28に設けられた一対の開閉部材28bの開放が高頻度で発生するとともに、一対の開閉部材28bの開放時間が長くなる。但し、第2始動入賞口27に遊技球が入球しても特別図柄Bの変動時間の短縮は生じず10分間となる。したがって、パチンコ機1の遊技状態が特殊高確率状態にあると、時短状態と同様に、特別図柄Aの変動が生じ易く特別図柄Bの変動が生じ難くなる。このように、パチンコ機1の遊技状態が特殊高確率状態にあると、特別図柄の変動のし易さという点では時短状態と同様であるが、時短状態と比べて特別図柄に係る抽選に当選し易くなる。
【0296】
「ペナルティ1状態」は、特別図柄の当選確率が高確率であり、かつ普通図柄の当選確率が中確率である状態を示している。「中確率」の状態は、普通図柄の当選確率が高確率よりも低く低確率よりも高い状態である。「ペナルティ2状態」は、特別図柄の当選確率が低確率であり、かつ普通図柄の当選確率が中確率である状態を示している。また、「ペナルティ1状態」及び「ペナルティ2状態」では第2始動入賞口27に入球した後の特別図柄Bの変動時間は短縮が起こらないばかりでなく10分間となる。
【0297】
「比較値」には、例えば段階的に異なる値「0」、「49」、「50」及び「99」が設定されている。「当選図柄」には、「比較値」に設定された数値に対応付けて大当り図柄が設定されている。「当選図柄」には、比較値「0」に対応付けて「8ラウンド大当り図柄1」が設定され、比較値「49」に対応付けて「8ラウンド大当り図柄2」が設定され、比較値「50」に対応付けて「8ラウンド大当り図柄3」が設定され、比較値「99」に対応付けて「8ラウンド大当り図柄4」が設定されている。
【0298】
「大当り遊技後の遊技状態」には、「当選図柄」に設定された大当り図柄に対応付けて遊技状態が設定されている。「大当り遊技後の遊技状態」には、当選図柄「8ラウンド大当り図柄1」に対応付けて「通常状態」が設定され、当選図柄「8ラウンド大当り図柄2」に対応付けて「ラッシュ状態(ST:80回)」が設定され、当選図柄「8ラウンド大当り図柄3」に対応付けて「特殊高確率状態(ST:80回)」が設定され、当選図柄「8ラウンド大当り図柄4」に対応付けて「時短状態(ST:80回)」が設定されている。ここで、「ST:80回」は、特別図柄の変動遊技が最高で80回実行されるまでスペシャルタイム(ST)が継続することを意味している。つまり、「ラッシュ状態(ST:80回)」では、最高で80回の特別図柄の変動遊技が実行されるまでパチンコ機1の遊技状態がラッシュ状態となり、「特殊高確率状態(ST:80回)」では、最高で80回の特別図柄の変動遊技が実行されるまでパチンコ機1の遊技状態が特殊高確率状態となり、「時短状態(ST:80回)」では、最高で80回の特別図柄の変動遊技が実行されるまでパチンコ機1の遊技状態が時短状態となることを示している。但し、ラッシュ状態、特殊高確率状態又は時短状態において80回の特別図柄の変動遊技が実行される前に大当りに当選すると、この大当りの当選に伴う大当り遊技後のパチンコ機1の遊技状態は、この大当りの種別に応じた状態となる。
【0299】
特別図柄A遊技処理における特別図柄変動前処理のステップS2402(
図17参照)において、主制御CPU72は、取得した大当り図柄乱数と特
図A用特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル中の「比較値」とを順番に比較していき、大当り図柄乱数の乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する当選図柄を大当り図柄に決定する。例えば、大当り図柄乱数の乱数値が「40」であったとする。主制御CPU72は、大当り図柄乱数の乱数値「40」と最初の比較値「0」とを比較し、乱数値が比較値を超えているため、次の比較値「49」と大当り乱数の乱数値「40」とを比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は、比較値「49」に対応付けられた「8ラウンド大当り図柄2」を当選図柄として決定する。
【0300】
パチンコ機1では、例えば「比較値」の数値範囲は0〜99に設定されている。このため、特別図柄Aにおける大当り図柄として、「8ラウンド大当り図柄1」が選択される確率は、1%(=1/100)であり、「8ラウンド大当り図柄2」が選択される確率は、49%(=49/100)であり、「8ラウンド大当り図柄3」が選択される確率は、1%(=1/100)であり、「8ラウンド大当り図柄4」が選択される確率は、49%(=49/100)である。
【0301】
このように、第1始動入賞口26又は可変始動入賞装置28に遊技球が入球したことを契機に実行される当り抽選では、抽選時の遊技状態に関わらず、「8ラウンド大当り図柄2」又は「8ラウンド大当り図柄4」が選択される確率が相対的に高くなっている。このため、特別図柄Aの変動遊技に大当りに当選すると、その後パチンコ機1の遊技状態は、遊技者にとって有利な状態(ラッシュ状態又は時短状態)に移行しやすくなっている。
【0302】
図20(b)に示すように、特
図B用特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルは、「抽選時の遊技状態」、「比較値」、「当選図柄」及び「大当り遊技後の遊技状態」の4つの項目で構成されている。特
図B用特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにおける「抽選時の遊技状態」、「比較値」、「当選図柄」及び「大当り遊技後の遊技状態」は、特
図A用特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにおけるこれらの項目と同様であるため、説明は省略する。
【0303】
「抽選時の遊技状態」には、「ラッシュ状態」と、「通常状態」、「時短状態」、「特殊高確率状態」、「ペナルティ1状態」及び「ペナルティ2状態」との2つの組に大別して合計6つの遊技状態が設定されている。以下、「通常状態」、「時短状態」、「特殊高確率状態」、「ペナルティ1状態」及び「ペナルティ2状態」の組を「残余の遊技状態」と称する場合がある。特
図B用特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにおける「通常状態」、「時短状態」、「ラッシュ状態」、「特殊高確率状態」、「ペナルティ1状態」及び「ペナルティ2状態」は、特
図A用特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにおけるこれらの項目と同様であるため、説明は省略する。
【0304】
「比較値」には、「抽選時の遊技状態」に設定された「ラッシュ状態」に対応付けて、例えば段階的に異なる値「48」、「49」、「98」及び「99」が設定されている。また、「比較値」には、「抽選時の遊技状態」に設定された「残余の遊技状態」対応付けて、例えば段階的に異なる値「4」及び「99」が設定されている。
【0305】
「当選図柄」には、抽選時の遊技状態「ラッシュ状態」及び比較値「48」に対応付けて「14ラウンド大当り図柄1」が設定され、抽選時の遊技状態「ラッシュ状態」及び比較値「49」に対応付けて「14ラウンド大当り図柄2」が設定され、抽選時の遊技状態「ラッシュ状態」及び比較値「98」に対応付けて「2ラウンド大当り図柄1」が設定され、抽選時の遊技状態「ラッシュ状態」及び比較値「99」に対応付けて「2ラウンド大当り図柄2」が設定されている。
【0306】
「当選図柄」には、抽選時の遊技状態「残余の遊技状態」及び比較値「4」に対応付けて「14ラウンド大当り図柄3」が設定され、抽選時の遊技状態「残余の遊技状態」及び比較値「99」に対応付けて「2ラウンド大当り図柄3」が設定されている。
【0307】
「大当り遊技後の遊技状態」には、当選図柄「14ラウンド大当り図柄1」に対応付けて「ラッシュ状態(ST:80回)」が設定され、当選図柄「14ラウンド大当り図柄2」に対応付けて「通常状態」が設定され、当選図柄「2ラウンド大当り図柄1」に対応付けて「ラッシュ状態(ST:80回)」が設定され、当選図柄「2ラウンド大当り図柄2」に対応付けて「通常状態」が設定されている。特
図B用特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにおける「ST:80回」は、特
図A用特別図柄大当り時停止図柄選択テーブルにおける「ST:80回」と同様であるため、説明は省略する。
【0308】
特別図柄B遊技処理における特別図柄変動前処理のステップS2402(
図17参照)において、主制御CPU72は、パチンコ機1の遊技状態と、取得した大当り図柄乱数と、特
図B用特別図柄大当り時停止図柄選択テーブル中の「比較値」とを順番に比較していき、大当り図柄乱数の乱数値が比較値以下であれば、その比較値に対応する当選図柄を大当り図柄に決定する。例えば、パチンコ機1の遊技状態がラッシュ状態であり、大当り図柄乱数の乱数値が「60」であったとする。主制御CPU72は、大当り図柄乱数の乱数値「60」と、当選時の遊技状態「ラッシュ状態」に対応付けられた最初の比較値「48」とを比較し、乱数値が比較値を超えている。このため、主制御CPU72は、大当り図柄乱数の乱数値「60」と、当選時の遊技状態「ラッシュ状態」に対応付けられた次の比較値「49」とを比較し、乱数値が比較値を超えている。このためさらに、主制御CPU72は、大当り図柄乱数の乱数値「60」と、当選時の遊技状態「ラッシュ状態」に対応付けられた次の比較値「98」とを比較する。この場合、乱数値が比較値以下であるため、主制御CPU72は、比較値「98」に対応付けられた「2ラウンド大当り図柄1」を当選図柄として決定する。
【0309】
パチンコ機1では、例えば「比較値」の数値範囲は0〜99に設定されている。このため、「抽選時の遊技状態」が「ラッシュ状態」の場合、特別図柄Bにおける大当り図柄として、「14ラウンド大当り図柄1」が選択される確率は、49%(=49/100)であり、「14ラウンド大当り図柄2」が選択される確率は、1%(=1/100)であり、「2ラウンド大当り図柄1」が選択される確率は、49%(=49/100)であり、「2ラウンド大当り図柄2」が選択される確率は、1%(=1/100)である。
【0310】
このように、第2始動入賞口27に遊技球が入球したことを契機に実行される当り抽選では、抽選時の遊技状態が「ラッシュ状態」であると、「14ラウンド大当り図柄1」又は「2ラウンド大当り図柄1」が選択される確率が相対的に高くなっている。このため、パチンコ機1は、抽選時の遊技状態が「ラッシュ状態」のときに大当りに当選すると、その後もラッシュ状態の遊技状態が継続し易くなっている。
【0311】
一方、「抽選時の遊技状態」が「残余の状態」の場合、特別図柄Bにおける大当り図柄として、「14ラウンド大当り図柄3」が選択される確率は、5%(=5/100)であり、「2ラウンド大当り図柄3」が選択される確率は、95%(=95/100)である。
【0312】
このように、第2始動入賞口27に遊技球が入球したことを契機に実行される当り抽選では、抽選時の遊技状態が「通常状態」、「時短状態」、「特殊高確率状態」、「ペナルティ1状態」及び「ペナルティ2状態」のいずれかであると、「14ラウンド大当り図柄3」及び「2ラウンド大当り図柄3」のいずれかが選択される。このため、パチンコ機1は、抽選時の遊技状態が「ラッシュ状態」以外のときに第2始動入賞口27に入球して大当りに当選しても、その後の遊技状態はペナルティ1状態又はペナルティ2状態のいずれかの状態となって大当りに当選しにくい状態となる。
【0313】
今回の大当りの結果が特別図柄Aに対応する場合、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づいて選択抽選を行い、特
図A大当り時停止図柄選択テーブルに示される選択比率で当選図柄を選択的に決定する。図示は省略するが、当選時の停止図柄コマンドとして例えば2バイトのコマンドデータが規定されている。停止図柄コマンドは、例えばMODE値−EVENT値の組み合わせで記述されており、このうち上位バイトのMODE値「B1H」は、今回の当選図柄が特別図柄Aの大当り時に選択されたコマンドであることを表し、MODE値「B2H」は、今回の当選図柄が特別図柄Bの大当り時に選択されたコマンドであることを表している。また、下位バイトのEVENT値「01H」,「02H」,「03H」,「04H」は、それぞれ選択テーブル中で対応する当選図柄の種類を表している。このため例えば、今回の大当りの結果が特別図柄Aに対応し、当選図柄として「8ラウンド大当り図柄1」が選択された場合、当選時の停止図柄コマンドは「B1H01H」で記述されることになる。
【0314】
ここで、ペナルティ状態(ペナルティ1状態及びペナルティ2状態)及び非時短状態での可変始動入賞装置28の一対の開閉部材28bの開放パターンについて
図21及び
図22を用いて説明する。ペナルティ状態と非時短状態とでは、可変始動入賞装置28の一対の開閉部材28bの開放パターンが異なっている(作動パターン設定手段、作動パターン設定指示手段)。
図21及び
図22は、可変始動入賞装置28の一対の開閉部材28bの開放パターンの一例とペナルティ状態時における可変始動入賞装置28の一対の開閉部材28bの開放パターンを説明する図である。
【0315】
例えば、
図21に示すように、可変始動入賞装置28の一対の開閉部材28bの全開放時間は、非時短状態では5秒であるのに対し、ペナルティ状態では5.82秒に延長される。しかしながら、1回あたりの開放時間は、非時短状態では5秒であるのに対し、ペナルティ状態では0.06秒に短縮される。また、一対の開閉部材28bの1回あたりの閉鎖時間は、非時短状態では0.5秒であるのに対し、時短状態では10.0秒と非常に長時間にわたり行われる。一対の開閉部材28bの開放と閉鎖の作動が繰り返される作動回数は、非時短状態では1回であるのに対し、ペナルティ状態では98回にわたり行われる。したがって、可変始動入賞装置28が作動する全作動時間については、非時短状態では5.5秒であるのに対し、ペナルティ状態では約16分にわたり行われることとなる。すなわち、パチンコ機1は、ペナルティ状態時における可変始動入賞装置28の一対の開閉部材28bの開放パターンがショート開放とロングインターバルが繰り返される構成を有している。これにより、パチンコ機1は、遊技の進行において右打ちすべきでないときに右打ちして第2始動入賞口27に入賞させる遊技者にペナルティを科すことができる。
【0316】
例えば、
図22に示すように、普通図柄の作動抽選で当選すると、可変始動入賞装置28(電チュー)が作動することとなるが、電チューが開放されるのが0.06秒であるのに対し、閉鎖は10秒間にわたり行われ、この作動が複数回(例えば、98回)にわたり行われる。そして、普通図柄の作動抽選での当選1回に対して行われる可変始動入賞装置28の作動時間はトータル約16分にわたり行われる。
【0317】
したがって、本来の遊技方法(左打ち)とは異なる不正な遊技方法(右打ち)で遊技をし、特別図柄Bの内部抽選で大当りになったとしても、ペナルティ状態に移行させ、かつ、普通図柄当り時の可変始動入賞装置28(電チュー)の開放パターンをショート開放、ロングインターバルを繰り返す構成とすることで、さらに特別図柄Bを変動させない(不正な遊技を実行させない)ようにすることができる。また、特別図柄Aで大当りに当選した場合には、ペナルティ状態に移行させないことでペナルティ中でも特別図柄Aで大当りした場合は通常遊技と同じ扱いとなり、特別図柄Bにのみペナルティを科すことができる。
【0318】
ここで、
図17に示す特別図柄変動前演出における大当たり時変動パターン決定処理(ステップS2403)、小当り時変動パターン決定処理(ステップS2406)及びはずれ時変動パターン決定処理(ステップS2409)において参照される各種テーブルについて
図23から
図26を用いて説明する。
【0319】
図23は、リーチグループ決定乱数判定テーブルを説明する図である。リーチグループ決定乱数判定テーブルは複数設けられており、保留種別や保留数、さらには遊技状態に対応付けて設定される後述の変動状態等に応じて1のテーブルが選択される。ここで、「保留種別」は、特別図柄Aの保留及び特別図柄Bの保留を示している。「保留数」は、特別図柄作動記憶数を示している。第1始動入賞口26、第2始動入賞口27又は可変始動入賞口28aに遊技球が入球すると、0〜10006の範囲内から1つのリーチグループ決定乱数が取得される。当り抽選結果が導出されると、当り抽選結果を報知する変動演出パターンを決定する処理が行われる。本実施形態では、当り抽選結果が「はずれ」であった場合に、変動演出パターンを決定するにあたって、まず、リーチグループ決定乱数とリーチグループ決定乱数判定テーブルとによってグループ種別が決定される。
【0320】
例えば、遊技状態が非時短遊技状態に設定されており、変動状態が通常状態に設定されているときに、特別図柄Aの保留に基づいて「はずれ」の当り抽選結果が導出された場合において、当り抽選を行うときの特
図A保留数(以下、単に「保留数」と称する)が0個であれば、
図23(a)に示すように、リーチグループ決定乱数判定テーブル1が選択される。同様に、保留数が1個又は2個であれば、
図23(b)に示すように、リーチグループ決定乱数判定テーブル2が選択され、保留数が3個であれば、
図23(c)に示すように、リーチグループ決定乱数判定テーブル3が選択される。なお、
図23において、グループ種別の欄に記載しているグループxは、任意のグループ番号を示している。したがって、取得したリーチグループ決定乱数と、参照するリーチグループ決定乱数判定テーブルの種類とに応じて、グループ種別として種々のグループ番号が決定されることとなる。
【0321】
このように、本実施形態によるパチンコ機1では、変動演出パターンを決定するためのテーブルが、設定されている遊技状態に加えて、変動状態に基づいて決定される。つまり、変動状態とは、いずれのテーブルを参照して変動演出パターンを決定するかが規定されたものであり、遊技状態とは別に設定される概念である。
【0322】
なお、当り抽選結果が「大当り」又は「小当り」であった場合には、変動演出パターンを決定するにあたってグループ種別を決定することはない。つまり、リーチグループ決定乱数判定テーブルは、当り抽選結果が「はずれ」であった場合にのみ参照され、当り抽選結果が「大当り」または「小当り」であった場合に参照されることはない。
【0323】
図24は、リーチモード決定乱数判定テーブルを説明する図である。このリーチモード決定乱数判定テーブルは、当り抽選結果が「はずれ」であった場合に選択されるはずれ時リーチモード決定乱数判定テーブルと、当り抽選結果が「大当り」であった場合に選択される大当り時リーチモード決定乱数判定テーブルと、当り抽選結果が「小当り」であった場合に選択される小当り時リーチモード決定乱数判定テーブルとに大別される。なお、はずれ時リーチモード決定乱数判定テーブルは、決定されたグループ種別ごとに設けられており、大当り時リーチモード決定乱数判定テーブル及び小当り時リーチモード決定乱数判定テーブルは、保留種別ごとに設けられている。また、各リーチモード決定乱数判定テーブルは、遊技状態や図柄の種別ごとにも設けられている。ここでは、所定の遊技状態および図柄種別において参照されるグループx用ハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルの一例を
図24(a)に示し、特
図A用大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルの一例を
図24(b)に示し、特
図B用大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルの一例を
図24(c)に示し、特
図A用小当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルの一例を
図24(d)に示し、特
図B用小当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルの一例を
図24(e)に示す。
【0324】
第1始動入賞口26、第2始動入賞口27又は可変始動入賞装置28に遊技球が入球すると、0〜250の範囲内から1つのリーチモード決定乱数が取得される。そして、当り抽選の結果が「はずれ」であった場合には、
図24(a)に示すように、グループ種別の抽選により決定されたグループ種別に対応するはずれ時リーチモード決定乱数判定テーブルが選択され、選択されたはずれ時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号が決定される。また、当り抽選の結果が「大当り」であった場合には、
図24(b)及び
図24(c)に示すように、読み出された保留種別に対応する大当り時リーチモード決定乱数判定テーブルが選択され、選択された大当り時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号が決定される。さらに、当り抽選の結果が「小当り」であった場合には、
図24(d)及び
図24(e)に示すように、読み出された保留種別に対応する小当り時リーチモード決定乱数判定テーブルが選択され、選択された小当り時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号が決定される。
【0325】
また、各リーチモード決定乱数判定テーブルにおいては、リーチモード決定乱数に、変動モード番号とともに、変動パターン乱数判定テーブルが対応付けられており、変動モード番号が決定されるのと同時に、変動パターン乱数判定テーブルが決定される。なお、
図24において、変動パターン乱数判定テーブルの欄に記載しているテーブルxは、任意のテーブル番号を示している。したがって、取得したリーチモード決定乱数と、参照するリーチモード決定乱数判定テーブルの種類とに応じて、変動モード番号と、変動パターン乱数判定テーブルのテーブル番号とが決定されることとなる。
【0326】
以上のように、当り抽選結果が「はずれ」であった場合には、まず、
図23に示すリーチグループ決定乱数判定テーブルとリーチグループ決定乱数とによってグループ種別が決定される。次に、決定されたグループ種別と遊技状態に応じ、
図24に示すはずれ時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とによって、変動モード番号および変動パターン乱数判定テーブルが決定される。
【0327】
一方、当り抽選結果が「大当り」又は「小当り」であった場合には、決定された大当り図柄又は小当たり図柄(特別図柄の種別)、大当り、又は、小当り当選時の遊技状態等に対応する、
図24に示す大当り時リーチモード決定乱数判定テーブルを参照し、リーチモード決定乱数を用いて、変動モード番号及び変動パターン乱数判定テーブルが決定されることとなる。
【0328】
図25は、変動パターン乱数判定テーブルを説明する図である。ここでは、所定のテーブル番号xの変動パターン乱数判定テーブルxを示すが、変動パターン乱数判定テーブルは、この他にも、テーブル番号ごとに多数設けられている。
【0329】
第1始動入賞口26、第2始動入賞口27又は可変始動入賞装置28に遊技球が入球すると、0〜238の範囲内から1つの変動パターン乱数が取得される。変動モード番号と同時に決定された変動パターン乱数判定テーブルと、取得した変動パターン乱数とに基づいて、図示のように変動パターン番号が決定される。
【0330】
このように、当り抽選が行われると、当り抽選結果、決定された図柄種別、遊技状態、保留数、保留種別等に応じて、変動モード番号及び変動パターン番号が決定される。これら変動モード番号及び変動パターン番号は、変動演出パターンを特定する番号であり、それぞれに変動演出の態様及び変動時間が対応付けられている。
【0331】
図26は、変動時間決定テーブルを説明する図である。変動モード番号が決定されると、
図26(a)に示す変動時間1決定テーブルに従って変動時間1が決定される。この変動時間1決定テーブルによれば、変動モード番号ごとに変動時間1が対応付けられており、決定された変動モード番号に応じて、対応する変動時間1が決定される。
【0332】
また、変動パターン番号が決定されると、
図26(b)に示す変動時間2決定テーブルに従って変動時間2が決定される。変動時間2決定テーブルによれば、変動パターン番号ごとに変動時間2が対応付けられており、決定された変動パターン番号に応じて、対応する変動時間2が決定される。このようにして決定された変動時間1及び変動時間2の合計時間が、当り抽選結果を報知する変動演出の時間、すなわち、変動時間と、停止図柄が停止表示される停止表示時間となる。
【0333】
以上のようにして変動モード番号が決定されると、決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンドが演出制御装置124に送信され、変動パターン番号が決定されると、決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが演出制御装置124に送信される。演出制御装置124においては、受信した変動モードコマンドに基づいて、主に変動演出の前半の態様が決定され、受信した変動パターンコマンドに基づいて、主に変動演出の後半の態様が決定されることとなる。以下、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを総称して変動コマンドと呼ぶ場合がある。
【0334】
図27は、特別図柄変動中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。以下に挙げる特別図柄変動中処理の内容は、特別図柄B遊技処理(
図14)及び特別図柄A遊技処理(
図15)において共通とすることができる。すなわち、以下の手順を特別図柄B遊技処理に適用する場合は制御の対象を特別図柄Bとし、特別図柄A遊技処理に適用する場合は制御の対象を特別図柄Bとする。
【0335】
ステップS3100:
主制御CPU72は、特別図柄変動中処理を開始すると先ず、制御対象の特別図柄の図柄変動計測中断フラグに値(01H)がセットされているか否かを確認する。制御対象の特別図柄の図柄変動計測中断フラグに値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は、処理をステップS3200に移行する。一方、図柄変動計測中断フラグに値(01H)がセットされていない場合(No)、主制御CPU72は、本処理が特別図柄B遊技処理における特別図柄変動前処理であると特別図柄B遊技処理(
図14)に復帰し、本処理が特別図柄A遊技処理における特別図柄変動前処理であると特別図柄A遊技処理(
図15)に復帰する。このように、パチンコ機1は、制御対象の特別図柄の図柄変動計測中断フラグに値(01H)がセットされている場合に特別図柄変動中処理のステップS3200からステップS3700(いずれも詳細は後述)の処理を実行しないことによって、制御対象の特別図柄の変動時間の計測を中断できるように構成されている。
【0336】
ステップS3200:
主制御CPU72は、制御対象の特別図柄について変動タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)し、ステップS3300に移行する。
【0337】
ステップS3300:
次に主制御CPU72は、今回減算した変動タイマの値に基づき、制御対象の特別図柄の変動表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、変動タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ変動表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(
図14中のステップS1000b又は
図15中のステップS1900b)からジャンプして特別図柄変動中処理を繰り返し実行する。
【0338】
このように、ステップS3300及びステップS3300を含む特別図柄変動中処理によって、特別図柄A及び特別図柄Bの変動時間が計測される。したがって、ステップS3300及びステップS3300を含む特別図柄変動中処理は、特別図柄Aの変動表示の実行時間及び特別図柄Bの変動表示の実行時間を計測する変動時間計測手段の一例に相当する。また、特別図柄変動中処理を実行する主制御CPU72及び主制御CPU72を備える主制御装置70も、変動時間計測手段の一例に相当する。
【0339】
これに対し、変動タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は変動表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は処理をステップS3400に移行する。
【0340】
ステップS3400:
次に主制御CPU72は、他方の特別図柄の図柄変動計測中断予定フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。本処理が特別図柄B遊技処理における特別図柄停止表示中処理の場合には、主制御CPU72は、他方の特別図柄となる特別図柄Aの図柄変動計測中断予定フラグの値が「01H」にセットされているか否かを確認する。一方、本処理が特別図柄A遊技処理における特別図柄停止表示中処理の場合には、主制御CPU72は、他方の特別図柄となる特別図柄Bの図柄変動計測中断予定フラグの値が「01H」にセットされているか否かを確認する。他方の特別図柄の図柄変動計測中断予定フラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は、処理をステップS3500に移行する。一方、他方の特別図柄の図柄変動計測中断予定フラグの値(01H)がセットされていない場合(No)、主制御CPU72は、後述するステップS3500及びステップS3600を実行せずにステップS3700に移行する。
【0341】
ステップS3500:
次に主制御CPU72は、他方の特別図柄の図柄変動計測中断予定フラグをリセットし、ステップS3600に移行する。主制御CPU72は、他方の特別図柄の図柄変動計測中断予定フラグの値に「00H」をセットすることにより、他方の特別図柄の図柄変動計測中断予定フラグをリセットする。
【0342】
ステップS3600:
次に主制御CPU72は、他方の特別図柄の図柄変動計測中断フラグの値を「01H」にセットし、ステップS3700に移行する。図柄変動計測中断フラグは、特別図柄の変動時間の計測を中断するか否かを示すフラグである。特別図柄Aに係る図柄変動計測中断フラグの値としてRAM76に「01H」がセットされていると、特別図柄Aの変動時間の計測が中断される。一方、特別図柄Aに係る図柄変動計測中断フラグの値としてRAM76に「01H」がセットされていない(例えば「00H」がセットされている)と、特別図柄Aの変動時間の計測が中断されない。また、特別図柄Bに係る図柄変動計測中断フラグの値としてRAM76に「01H」がセットされていると、特別図柄Bの変動時間の計測が中断される。一方、特別図柄Bに係る図柄変動計測中断フラグの値としてRAM76に「01H」がセットされていない(例えば「00H」がセットされている)と、特別図柄Bの変動時間の計測が中断されない。なお、本実施形態では、図柄変動計測中断予定フラグは、特別図柄Aについてセットされ、特別図柄Bにはセットされないようになっているため(
図19参照)、特別図柄Bの変動時間が中断されることはない。主制御CPU72が他方の特別図柄の図柄変動計測中断フラグの値を「01H」にセットすることにより、他方の特別図柄の変動時間の計測の中断が開始される。他方の特別図柄の変動時間の計測の中断は、他方の特別図柄の図柄変動計測中断フラグ「01H」のセットが解除されるまで継続される。
【0343】
ステップS3700:
次に主制御CPU72は、特別変動終了処理を実行する。ステップS3700の処理では、制御対象の特別図柄の変動表示が終了することに伴い、RAM76のフラグ領域に、制御対象の特別図柄の図柄停止表示中フラグ(以下、特別図柄の図柄停止表示中フラグを「図柄停止表示中フラグ」と略記する場合がある)に値(01H)をセットする。また、主制御CPU72は、制御対象の特別図柄の図柄停止表示中コマンド(以下、特別図柄の図柄停止表示中コマンドを「図柄停止表示中コマンド」と略記する場合がある)を生成する。図柄停止表示中コマンドには、制御対象の特別図柄の停止図柄の情報が含まれる。
【0344】
例えば本処理が特別図柄B遊技処理における特別図柄変動前処理である場合には、特別図柄Bに係る図柄停止表示中フラグに値(01H)をセットし、特別図柄Bに係る図柄停止表示中コマンドを生成する。また例えば、本処理が特別図柄A遊技処理における特別図柄変動前処理である場合には、特別図柄Aに係る図柄停止表示中フラグに値(01H)をセットし、特別図柄Aに係る図柄停止表示中コマンドを生成する。生成された図柄停止表示中コマンドは、
図9に示す割込管理処理の演出制御出力処理(ステップS212)において演出制御装置124に送信される。
【0345】
また、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(ステップS4000)を次のジャンプ先に設定する。以上の手順を終えると、本処理が特別図柄B遊技処理における特別図柄変動前処理である場合には、主制御CPU72は、特別図柄B遊技処理(
図14)に復帰する。一方、本処理が特別図柄A遊技処理における特別図柄変動前処理である場合には、主制御CPU72は、特別図柄A遊技処理(
図15)に復帰する。
【0346】
〔特別図柄停止表示中処理〕
図28は、特別図柄B遊技処理(
図14)及び特別図柄A遊技処理(
図15)において実行される特別図柄停止表示中処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。
【0347】
ステップS4100:
主制御CPU72は、特別図柄停止表示中処理を開始すると、先ず停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)し、ステップS4200に移行する。
【0348】
ステップS4200:
次に主制御CPU72は、今回減算した停止図柄表示タイマの値に基づき、停止表示時間が終了したか否かを判断する。具体的には、停止図柄表示タイマの値が0以下でなければ、主制御CPU72は未だ停止表示時間が終了していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。例えば本処理が特別図柄B遊技処理における特別図柄停止表示中処理である場合には、主制御CPU72は、特別図柄B遊技処理(
図14)に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(
図14中のステップS1000a)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。一方、本処理が特別図柄A遊技処理における特別図柄停止表示中処理である場合には、主制御CPU72は、特別図柄A遊技処理(
図15)に復帰し、次の割込周期においても実行選択処理(
図15中のステップS1900a)からジャンプして特別図柄停止表示中処理を繰り返し実行する。
【0349】
これに対し、停止図柄表示タイマの値が0以下であれば、主制御CPU72は停止表示時間が終了したと判断する(Yes)。この場合、主制御CPU72は処理をステップS4250に移行する。
【0350】
ステップS4250:
次に主制御CPU72は、図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドを生成する。図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドは、上述の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。また、主制御CPU72は、ステップS4210において図柄変動中フラグを消去する。「停止表示時間終了コマンド」は、特別図柄の停止表示時間が終了(経過)したことを示すコマンドである。停止表示時間終了コマンドには、停止対象の特別図柄の情報が含まれる。例えば本処理が特別図柄B遊技処理における特別図柄変動停止表示中処理である場合には、停止表示時間終了コマンドには、停止対象の特別図柄として特別図柄Bの情報が含まれる。一方、本処理が特別図柄A遊技処理における特別図柄変動停止表示中処理である場合には、停止表示時間終了コマンドには、停止対象の特別図柄として特別図柄Aの情報が含まれる。主制御CPU72は、ステップS4210の処理が終了するとステップS4300に移行する。
【0351】
ステップS4300:
ここで主制御CPU72は、大当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。大当りフラグの値(01H)がセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は処理をステップS4310に移行する。一方、大当りフラグの値(01H)がセットされていない場合(No)、主制御CPU72は処理をステップS4600に移行する。
【0352】
ステップS4310:
次に主制御CPU72は、特別図柄特殊停止指定コマンド(以下、「特殊停止指定コマンド」と略記する場合がある)を生成し、ステップS4330に移行する。特殊停止指定コマンドは、特別図柄A(第一特別図柄の一例)を変動表示している特
図A表示装置(第一図柄表示手段の一例)34及び特別図柄B(第二特別図柄の一例)を変動表示している特
図B表示装置(第二図柄表示手段の一例)35のうちの一方に抽選の結果を示す表示態様で特別図柄を停止表示させる場合、特
図A表示装置34及び特
図B表示装置35の他方に抽選の結果とは無関係な表示態様の特別図柄を停止表示するためのコマンドである。つまり、特殊停止指定コマンドは、制御対象の特別図柄の変動が終了して抽選結果(例えば、大当り)を報知する際に、他方の特別図柄の変動が他方の特別図柄の内部抽選結果とは無関係な表示態様(例えば、はずれに相当する表示態様)で停止させるためのコマンドである。なお、はずれに相当する表示態様は、例えばはずれと同じ表示態様である。特殊停止指定コマンドには、停止対象の特別図柄の情報が含まれる。
【0353】
主制御CPU72は、制御対象の特別図柄の変動表示が大当りを報知する場合(ステップS4300:Yes)、特殊停止指定コマンドを生成したことに基づいて、他方の特別図柄の変動表示を実行する特別図柄表示装置(特
図A表示装置34及び特
図B表示装置35のいずれか)を内部抽選とは無関係な表示態様(例えば、はずれに相当する表示態様)で強制的に停止するように制御する。また、ステップS4310において生成された特殊停止指定コマンドは、
図9に示す割込管理処理の演出制御出力処理(ステップS212)において演出制御装置124に送信される。これにより、演出制御装置124は、他方の特別図柄の変動表示に対応する変動演出を実行する演出表示器(液晶表示器42及び可動液晶表示器43,44のいずれか一方)を制御して、内部抽選とは無関係な表示態様(例えば、はずれに相当する表示態様)で強制的に演出表示器に表示されている変動演出を停止する。
【0354】
〔当選時〕
ステップS4330:
主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先を「大当り時可変入賞装置管理処理」に設定し、ステップS4400に移行する。なお、主制御CPU72は、本処理にて各種機能を非作動に設定する処理を実行する。具体的には、確率変動機能を非作動とする。これにより、特別遊技(大当り遊技(大役))が開始される前には、低確率状態に移行されることになる。
【0355】
ステップS4400:
次に主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットし、ステップS4500に移行する。また、主制御CPU72は、大当り図柄の種類に応じて連続作動回数ステータスの値をセットする。例えば、大当り図柄の種類が「14ラウンド大当り」である場合、連続作動回数ステータスには「14ラウンド」に対応する値がセットされる。大当り図柄の種類が「8ラウンド大当り」である場合、連続作動回数ステータスには「8ラウンド」に対応する値がセットされる。また、大当り図柄の種類が「2ラウンド大当り」である場合、連続作動回数ステータスには「2ラウンド」を表す値がセットされる。また、主制御CPU72は、大当り遊技中であることを表す状態コマンドを生成する。大当り遊技中であることを表す状態コマンドは、
図9に示す割込管理処理の演出制御出力処理(ステップS212)において演出制御装置124に送信される。
【0356】
ステップS4500:
次に主制御CPU72は、連続作動回数コマンドを生成し、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。連続作動回数コマンドは、
図17に示す大当り時停止図柄決定処理(ステップS2410)で決定された大当り図柄の種類(停止図柄番号)に基づいて生成することができる。例えば、大当り図柄の種類が「14ラウンド大当り図柄1」から「14ラウンド大当り図柄3」である場合、連続作動回数コマンドは「14ラウンド」を表す値として生成される。また、大当り図柄の種類が「8ラウンド大当り図柄1」から「8ラウンド大当り図柄4」である場合、連続作動回数コマンドは「8ラウンド」を表す値として生成される。また、大当り図柄の種類が「2ラウンド大当り図柄1」から「2ラウンド大当り図柄3」である場合、連続作動回数コマンドは「2ラウンド」を表す値として生成される。生成された連続作動回数コマンドは、
図9に示す割込管理処理の演出制御出力処理(ステップS212)において演出制御装置124に送信される。
【0357】
〔非当選時〕
これに対し、大当り時以外の場合は以下の手順が実行される。
すなわち主制御CPU72は、ステップS4300において大当りフラグの値(01H)がセットされていないと判断した場合(No)、次にステップS4600を実行する。
【0358】
ステップS4600:
主制御CPU72は、次に小当りフラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。小当りフラグの値(01H)もセットされておらず、単純にはずれである場合(No)、主制御CPU72は処理をステップS4602に移行する。一方、小当りフラグの値(01H)もセットされている場合(Yes)、主制御CPU72は処理をステップS4605に移行する。
【0359】
ステップS4602:
主制御CPU72は、ジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして特別図柄変動前処理のアドレスをセットし、ステップS4610に移行する。
【0360】
ステップS4605:
小当りフラグの値(01H)がセットされていた場合(ステップS4600:Yes)、主制御CPU72はジャンプテーブルのジャンプ先アドレスとして小当り時可変入賞装置管理処理のアドレスをセットし、ステップS4606に移行する。
【0361】
ステップS4606:
次に主制御CPU72は、制御上の内部状態フラグとして「小当り開始(小当り遊技中)」をセットする。また、主制御CPU72は、小当り遊技中を表す状態コマンドを生成する。小当り遊技中を表す状態コマンドは、
図9に示す割込管理処理の演出制御出力処理(ステップS212)において演出制御装置124に送信される。
【0362】
ステップS4610:
ステップS4606の次に主制御CPU72は、回数切りカウンタの値をロードし、ステップS4620に移行する。「回数切りカウンタ」は、「高確率状態」においてそれぞれのカウンタ値がRAM76の確変カウント領域にセットされている。本実施形態では、いわゆる回数切り確変の機能を採用しているため、「高確率状態」に移行させる場合、高確率状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば80回)に設定される。また、本実施形態では、いわゆる回数切り時短の機能を採用しているため、「時短状態」に移行させる場合、時短状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば80回)に設定される。
【0363】
ステップS4620:
次に主制御CPU72は、ロードしたカウンタ値が0であるか否かを確認する。このとき、既に回数切りカウンタ値が0であれば(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。一方、回数切りカウンタ値が0でなかった場合(No)、回数切りカウンタ値コマンドを生成してから、主制御CPU72は処理をステップS4630に移行する。
【0364】
ステップS4630:
主制御CPU72は、回数切りカウンタ値をデクリメント(1減算)し、ステップS4630に移行する。
【0365】
ステップS4640:
次に主制御CPU72は、回数切りカウンタ値の減算結果が0でないか否かを判断する。減算の結果、回数切りカウンタの値が0でなかった場合(Yes)、主制御CPU72は特別図柄遊技処理に復帰する。これに対し、回数切りカウンタの値が0になった場合(No)、主制御CPU72は処理をステップS4650に移行する。
【0366】
ステップS4650:
ここで主制御CPU72は、回数切り機能作動時のフラグをリセットし、特別図柄遊技処理に復帰する。本実施形態では、「高確率状態」に移行される場合、高確率状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば80回)に設定されるため、リセットされるのは、確率変動機能作動フラグである。これにより、特別図柄の停止表示を経て高確率状態が終了する。また、本実施形態では、「時短状態」に移行される場合、時短状態に関する回数切りカウンタは所定の数値(例えば80回)に設定されるため、リセットされるのは、時短機能作動フラグである。これにより、特別図柄の停止表示を経て時短状態が終了する。
【0367】
〔表示出力管理処理〕
図29は、割込管理処理の中で実行される表示出力管理処理(
図9中のステップS210)の構成例を示すフローチャートである。表示出力管理処理は、特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、状態表示設定処理(ステップS1220)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)、連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)のサブルーチン群を含む構成である。
【0368】
特別図柄表示設定処理(ステップS1200)、普通図柄表示設定処理(ステップS1210)、作動記憶表示設定処理(ステップS1230)については、既に述べたように特
図A表示装置34、特
図B表示装置35、普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、特
図A作動記憶ランプ34a及び特
図B作動記憶ランプ35aの各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。
【0369】
状態表示設定処理(ステップS1220)及び連続作動回数表示設定処理(ステップS1240)については、遊技状態表示装置38の各LEDに対して印加する駆動信号を生成及び出力する処理である。先ず状態表示設定処理では、主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグの値に応じて確率変動状態表示ランプ38dの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において確率変動機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は確率変動状態表示ランプ38dに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。なお、確率変動状態表示ランプ38dは、特別図柄に関する大当り遊技が開始されるまで、又は、特別図柄の変動表示が規定回数行われた後に確率変動機能がOFFにされるまで点灯しつづけ、その後非表示に(消灯)切り替えられる。次に、主制御CPU72は、時短機能作動フラグの値に応じて時短状態表示ランプ38eの点灯を制御する。例えば、パチンコ機1の電源投入時において時短機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は時短状態表示ランプ38eに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。なお、時短状態表示ランプ38eは、特別図柄に関する大当り遊技が開始されるまで、又は、特別図柄の変動表示が規定回数行われた後に時短機能がOFFにされるまで点灯しつづけ、その後非表示に(消灯)切り替えられる。さらに、主制御CPU72は、特別遊技管理ステータスに応じて発射位置指定ランプ38fの点灯を制御する。例えば、大当り遊技又は小当り遊技により第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が作動状態となる場合、主制御CPU72は発射位置指定ランプ38fに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。また、確率変動機能作動フラグに値(01H)がセットされていれば、主制御CPU72は発射位置指定ランプ38fに対応するLEDに対して点灯信号を出力する。なお、発射位置指定ランプ38fは、大当り遊技を経て「ラッシュ状態」に移行する場合、大当り遊技開始から「ラッシュ状態」が終了するまで点灯し、「ラッシュ状態」の終了により非点灯(OFF)となる。
【0370】
また、主制御CPU72は、連続作動回数表示設定処理において当り種別表示ランプ38a,38b,38cの点灯を制御する。具体的には、主制御CPU72は上記の連続作動回数ステータスの値に基づき、当り種別表示ランプ38a,38b,38cのいずれかに対する点灯信号を出力する。このとき点灯信号を出力する対象となるのは、連続作動回数ステータスの値で指定された大当り図柄に対応するいずれかの当り種別表示ランプ38a,38b、38cである。例えば、連続作動回数ステータスの値が「14ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「14ラウンド(14R)」を表すランプ38a,38bに対して点灯信号を出力する。また、連続作動回数ステータスの値が「8ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「8ラウンド(8R)」を表すランプ38a,38cに対して点灯信号を出力する。また、連続作動回数ステータスの値が「2ラウンド」を指定するものであれば、主制御CPU72は「2ラウンド(2R)」を表すランプ38b,38cに対して点灯信号を出力する。さらに、小当りであれば、主制御CPU72は「小当り」を表すランプ38cに対して点灯信号を出力する。
【0371】
〔大当り時可変入賞装置管理処理〕
次に、大当り時可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。
図30は、大当り時可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。大当り時可変入賞装置管理処理は、大当り時遊技プロセス選択処理(ステップS5100)、大当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)、大当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)、大当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)及び大当り時終了処理(ステップS5500)のサブルーチン群を含む構成である。
【0372】
ステップS5100:
大当り時遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS5200からステップS5500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また、戻り先のアドレスとして大当り時可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS5200)を選択する。一方、既に大当り時大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として大当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS5300)を選択し、大当り時大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として大当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS5400)を選択する。また、設定された連続作動回数(ラウンド数)にわたって大当り時大入賞口開閉動作処理及び大当り時大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として大当り時終了処理(ステップS5500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
【0373】
〔大当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図31は、大当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。大当り時大入賞口開放パターン設定処理の処理は、大当り時に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するため処理である。以下、各手順に沿って説明する。
【0374】
ステップS5204:
主制御CPU72は、先ず図柄別開放パターン選択処理を実行し、ステップS5206に移行する。ステップS5204の処理では、主制御CPU72は今回の該当する当選図柄に応じて大入賞口の開放パターン(ラウンドごとの開放回数及び各開放の時間)やラウンド間のインターバル時間、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)、確変領域用ソレノイド99の作動パターンを選択する。なお、当選図柄別の開放パターンについては、特別図柄遊技処理(
図14)において〔複数の当選種類〕の項目で説明した通りである。また、ラウンド間のインターバル時間は、例えば「14ラウンド大当り図柄1」から「14ラウンド大当り図柄3」、「8ラウンド大当り図柄1」から「8ラウンド大当り図柄4」又は「2ラウンド大当り図柄1」及び「2ラウンド大当り図柄2」のいずれについても例えば1秒〜2.5秒程度に設定されるものとする。なお、1ラウンド中のカウント数(最大入賞回数)は全ての当選図柄について例えば9個であるが、極端な短時間(0.1秒程度)の開放中に入賞が発生することはほとんどない(不能ではないが極めて困難である)。
【0375】
ステップS5206:
主制御CPU72は、先の大当り時停止図柄決定処理(
図17中のステップS2410)で選択した大当り時の当選図柄に基づき、今回の大当り遊技における実行ラウンド数を設定し、ステップS5208に移行する。具体的には、当選図柄として大分類の「14ラウンド大当り」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を14回に設定する。また、当選図柄として「8ラウンド図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を8回に設定する。また、当選図柄として「2ラウンド図柄」を選択していれば、主制御CPU72は実行ラウンド数を2回に設定する。ここで設定した実行ラウンド数は、プログラム上で対応する値(2回なら「1」、8回なら「7」、14回なら「13」)として、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
【0376】
ステップS5208:
次に主制御CPU72は、ステップS5204で設定した大入賞口開放パターン及び確変領域用ソレノイド99の作動パターンに基づき、大当り時開放タイマ及び確変領域タイマ(確変領域の開放時間をカウントするタイマ)を設定し、ステップS5210に移行する。ステップS5208で設定したタイマの値は、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開放時間や確変領域31dの開放時間となる。なお、大当り時開放タイマ及び確変領域タイマの値として20.0〜29.0秒程度の時間が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入球や確変領域31dの通過が容易に発生する充分な時間(例えば発射制御基板セット174により遊技球が10個以上発射される時間、好ましくは6秒以上)となる。一方、大当り時開放タイマ及び確変領域タイマの値として0.1秒が設定されていれば、その開放時間は1回の開放中に大入賞口への入球や確変領域31dの通過が不能ではなくとも、ほとんど発生しない(困難となる)短時間(例えば1秒より短い時間、好ましくは発射制御基板セット174による遊技球の発射間隔よりも短い時間)となる。
【0377】
ステップS5210:
次に主制御CPU72は、ステップS5204で設定した大入賞口開放パターン及び確変領域用ソレノイド99の作動パターンに基づき、大当り時インターバルタイマ及び確変領域インターバルタイマ(確変領域を一時的に閉鎖させるための待ち時間をカウントするタイマ)を設定し、ステップS5212に移行する。ステップS5210で設定したタイマの値は、大当り遊技中のラウンド間での待機時間又は確変領域の一時的な閉鎖時間となる。
【0378】
ステップS5212:
以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を大当り時大入賞口開閉動作処理に設定し、大当り時可変入賞装置管理処理(
図30)に復帰する。
【0379】
〔大当り時大入賞口開閉動作処理〕
図35は、大当り時大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。大当り時大入賞口開閉動作処理の処理は、大当り時に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作を制御するための処理である。以下、手順に沿って説明する。
【0380】
ステップS5301:
主制御CPU72は、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認する。具体的には、後述するステップS5314で設定する大入賞口インターバルタイマが既に動作中であるか否かを確認することにより、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認することができる。
【0381】
その結果、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5314を実行する。一方、大入賞口インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS5302を実行する。
【0382】
ステップS5302:
主制御CPU72は、第1大入賞口34b又は第2大入賞口35bを開放させ、ステップS5303に移行する。具体的には、
図16に示す大当り遊技中の可変入賞装置の動作パターンに基づいて、第1大入賞口ソレノイド90又は第2大入賞口ソレノイド97に対して入力する駆動信号を出力する。これにより、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。
【0383】
ステップS5303:
次に主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行し、ステップS5303aに移行する。ステップS5303の処理では、大当り時大入賞口開放パターン設定処理(
図31中のステップS5208)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。
【0384】
ステップS5303a:
主制御CPU72は、確変領域インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認する。具体的には、後述するステップS5314で設定する確変領域インターバルタイマが既に動作中であるか否かを確認することにより、確変領域インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認することができる。
【0385】
その結果、確変領域インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5314を実行する。一方、確変領域インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS5304を実行する。
【0386】
ステップS5304:
主制御CPU72は、確変領域開放処理を実行し、ステップS5303に移行する。具体的には、
図16に示す大当り遊技中の可変入賞装置の動作パターンに基づいて、確変領域用ソレノイド99に対して入力する駆動信号を出力する。これにより、確変領域用開閉部材31cが開放して、第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域31dへ遊技球を案内することができる状態となる。
【0387】
ステップS5305:
次に主制御CPU72は、確変領域タイマカウントダウン処理を実行し、ステップS5306に移行する。ステップS5305の処理では、先の大当り時大入賞口開放パターン設定処理(
図31中のステップS5208)で設定した確変領域タイマのカウントダウンを実行する。
【0388】
ステップS5306:
続いて主制御CPU72は、大入賞口開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の開放タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS5307aを実行する。一方、開放タイマの値が0以下になっていれば(Yes)、主制御CPU72は、後述するステップS5307aからステップS5310を実行せずにステップS5307aに移行する。
【0389】
ステップS5307a:
続いて主制御CPU72は、確変領域開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の確変領域タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は、後述するステップS5307bを実行せずにステップS5308を移行する。
【0390】
一方、確変領域タイマの値が0以下になっている場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5307bを実行する。
【0391】
ステップS5307b:
次に、主制御CPU72は、確変領域閉鎖処理を実行し、ステップS5308に移行する。具体的には、主制御CPU72は、確変領域用ソレノイド99に対する駆動信号の出力を停止する処理を実行する。これにより、確変領域用開閉部材31cが閉鎖して、第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域31dへ遊技球を案内することができない状態となる。
【0392】
ステップS5308:
主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行し、ステップS5310に移行する。ステップS5310の処理では、開放時間内に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31(開放中の第1大入賞口30b又は第2大入賞口31b)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第1カウントスイッチ84又は第2カウントスイッチ85から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。
【0393】
ステップS5310:
次に主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(10個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように開放1回(大当り遊技中の1ラウンド)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は、後述するステップS5312からステップS5322の処理を実行せずに大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が大当り時大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72は、大当り時大入賞口開閉動作処理を開始してステップS5301からステップS5310の手順を繰り返し実行する。
【0394】
上記のステップS5306で大入賞口開放時間が終了したと判断するか(Yes)、もしくはステップS5310でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS5312を実行する。
【0395】
ステップS5312:
主制御CPU72は、第1大入賞口30b又は第2大入賞口31bを閉鎖させ、ステップS5313に移行する。具体的には、第1大入賞口ソレノイド90又は第2大入賞口ソレノイド97への駆動信号の出力を停止する。これにより、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31が開放状態から閉鎖状態に移行する。
【0396】
ステップS5313:
主制御CPU72は、確変領域閉鎖処理を実行し、ステップS5314に移行する。具体的には、主制御CPU72は、確変領域用ソレノイド99に対する駆動信号の出力を停止する処理を実行する。これにより、確変領域用開閉部材31cが閉鎖して、第2可変入賞装置31の内部に配置された確変領域31dへ遊技球を案内することができない状態となる。
【0397】
ステップS5314:
次に主制御CPU72は、インターバルタイマカウントダウン処理を実行し、ステップS5315に移行する。ステップS5314の処理では、主制御CPU72は上記の大当り時大入賞口開放パターン設定処理(
図31中のステップS5210)で設定した大入賞口インターバルタイマ及び確変領域インターバルタイマのカウントダウンを実行する。
【0398】
ステップS5315:
主制御CPU72は、大入賞口インターバル時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の大入賞口インターバルタイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ大入賞口インターバルタイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は、後述するステップS5318からステップS5322の処理を実行せずに大当り時可変入賞装置管理処理(
図30)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで大当り時大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS5301からジャンプして直にステップS5314を実行する。一方、カウントダウン処理後の大入賞口インターバルタイマの値が0以下になったことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS5318を実行する。
【0399】
ステップS5318:
主制御CPU72は、開放回数カウンタの値をインクリメントし、ステップS5310に移行する。開放回数カウンタの値は、例えば初期値を0としてRAM76のカウント領域に記憶されている。
【0400】
ステップS5320:
主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達しているか否かを確認する。ここで、「現ラウンド内で設定した回数」を判断しているのは、例えば「大当り中の1ラウンド内で第2可変入賞装置31を複数回にわたり開放動作させる」という開放パターンに対応するためである。主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達していると判定すると(Yes)、ステップS5322に移行する。一方、主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が現ラウンド内で設定した回数に達していないと判定すると(No)、後述するステップS5322を実行せずに大当り時可変入賞装置管理処理(
図30)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで大当り時大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS5301からジャンプしてステップS5314からステップS5320の手順を繰り返し実行する。
【0401】
ステップS5322:
主制御CPU72は次のジャンプ先を大当り時大入賞口閉鎖処理に設定し、大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に大当り時大入賞口閉鎖処理を実行する。
【0402】
〔大当り時大入賞口閉鎖処理〕
図33は、大当り時大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。大当り時大入賞口閉鎖処理は、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の作動を継続したり、その作動を終了したりするための処理である。以下、手順に沿って説明する。
【0403】
ステップS5402:
主制御CPU72は、ラウンド数カウンタをインクリメントし、ステップS5404に移行する。これにより、例えば1ラウンド目が終了し、2ラウンド目に向かう段階でラウンド数カウンタの値は「1」となっている。
【0404】
ステップS5404:
主制御CPU72は、インクリメント後のラウンド数カウンタの値が設定した実行ラウンド数に達しているか否かを確認する。具体的には、主制御CPU72はインクリメント後のラウンド数カウンタの値(1〜13)を参照し、その値が設定した実行ラウンド数(1減算後の1〜13)未満であれば(No)、次にステップS5405を実行する。
【0405】
ステップS5405:
主制御CPU72は、現在のラウンド数カウンタの値からラウンド数コマンドを生成し、ステップS5406に移行する。ラウンド数コマンドは、
図9に示す割込管理処理の演出制御出力処理(ステップS212)において演出制御装置124に送信される。演出制御装置124は、受信したラウンド数コマンドに基づいて現在のラウンド数を確認することができる。
【0406】
ステップS5406:
主制御CPU72は、次のジャンプ先を大当り時大入賞口開閉動作処理に設定し、ステップS5408に移行する。
【0407】
ステップS5408:
ステップS5406の次のステップS5408において主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。
【0408】
主制御CPU72が次に大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、大当り時遊技プロセス選択処理(
図30中のステップS5100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である大当り時大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、大当り時大入賞口開閉動作処理の実行後は大当り時大入賞口閉鎖処理の実行を経て、主制御CPU72は再び大当り時大入賞口閉鎖処理を実行し、上記のステップS5402からステップS5408を繰り返し実行する。これにより、実際のラウンド数が設定した実行ラウンド数(2回、8回又は14回)に達するまでの間、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作が連続して実行される。
【0409】
ステップS5404において、インクリメント後のラウンド数カウンタの値(1〜13)が設定した実行ラウンド数(1減算後の1〜13)以上であれば(Yes)、主制御CPU72は、ステップS5410を実行する。
【0410】
ステップS5410:
主制御CPU72は、ラウンド数カウンタをリセット(=0)し、ステップS5412に移行する。
【0411】
ステップS5412:
次に主制御CPU72は、次のジャンプ先を大当り時終了処理に設定し、ステップS5408に移行する。
【0412】
ステップS5408:
ステップS5412の次のステップS5408において主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が大当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は大当り時終了処理が選択されることになる。
【0413】
〔大当り時終了処理〕
図34は、大当り時終了処理の手順例を示すフローチャートである。大当り時終了処理は、大当り時の第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の作動を終了する際の条件を整えるための処理である。以下、手順例に沿って説明する。
【0414】
ステップS5501:
主制御CPU72は、大当り時終了時間タイマカウントダウン処理を実行し、ステップS5502に移行する。ステップS5501の処理では、主制御CPU72は、大当り時終了時間タイマに初期値を設定し、その後、時間の経過に伴って(本モジュールの呼び出しごとに)タイマをカウントダウンする。
【0415】
ステップS5502:
次に主制御CPU72は、大当り時終了時間が経過したか否かを確認する。具体的には、大当り時終了時間タイマの値が未だ0になっていなければ、主制御CPU72は大当り時終了時間が経過していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は、後述するステップS5503からステップS5518を実行せずに本モジュールを終了して大当り時可変入賞装置管理処理(
図33)に復帰する。
【0416】
この後、時間の経過に伴って大当り時終了時間タイマの値が0になると、主制御CPU72は大当り時終了時間が経過したと判断し(Yes)、ステップS5503を実行する。
【0417】
ステップS5503:
主制御CPU72は大当りフラグをリセット(00H)し、ステップS5504に移行する。
【0418】
ステップS5504:
次に主制御CPU72は、主制御CPU72の制御処理上で大当り遊技状態は終了(大役終了)する。また、主制御CPU72は、ここで内部状態フラグから「大当り遊技中」を消去し、制御処理上で内部状態としての大役終了を宣言する。なお、主制御CPU72は連続作動回数ステータスの値をリセットする。また、主制御CPU72は、大当り遊技の終了時間が終了したことを示す大当り時終了時間終了コマンドを生成する。大当り時終了時間終了コマンドは、
図9に示す割込管理処理の演出制御出力処理(ステップS212)において演出制御装置124に送信される。
【0419】
ステップS5506:
次に主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。確率変動機能作動フラグのフラグは、先のスイッチ入力イベント処理(
図10中のステップS28)でセットされるフラグである。主制御CPU72は、確率変動機能作動フラグの値(01H)がセットされていると確認すると(Yes)、ステップS5508に移行し、確率変動機能作動フラグの値(01H)がセットされていないと確認すると(No)、後述するステップS5508を実行せずにステップS5510に移行する。
【0420】
ステップS5508:
確率変動機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5506:Yes)、主制御CPU72は確率変動回数(例えば80回)を設定する。設定した確率変動回数の値は、例えばRAM76の確変カウンタ領域に格納されて回数切りカウンタ値となる。ここで設定した確率変動回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動(内部抽選)を高確率状態で行う上限回数となる。本実施形態では、高確率状態に実質的な上限を設けているため、高確率状態で当選の結果が得られずに低確率状態に復帰する場合もある(いわゆる回数切り確変)。
【0421】
ステップS5510:
次に主制御CPU72は、時短機能作動フラグの値(01H)がセットされているか否かを確認する。時短機能作動フラグは、先の特別図柄変動前処理中の大当り時その他設定処理(
図17中のステップS2014)でセットされるフラグである。主制御CPU72は、時短機能作動フラグの値(01H)がセットされていると確認すると(Yes)、ステップS5512に移行し、時短機能作動フラグの値(01H)がセットされていないと確認すると(No)、後述するステップS5512を実行せずにステップS5514に移行する。
【0422】
ステップS5512:
時短機能作動フラグの値がセットされている場合(ステップS5510:Yes)、主制御CPU72は時短回数(例えば80回)を設定する。設定した時短回数の値は、RAM76の時短カウント領域に格納される。ステップS5512で設定した時短回数は、これ以降の遊技で特別図柄の変動時間を短縮化する上限回数となる。
【0423】
ステップS5514:
主制御CPU72は、各種のフラグに基づいて状態指定コマンドを生成し、ステップS5516に移行する。具体的には、大当りフラグのリセット又は大役終了に伴い、遊技状態として「通常中」を表す状態指定コマンドを生成する。また、確率変動機能作動フラグがセットされていれば、内部状態として「高確率中」を表す状態指定コマンドを生成する。これら状態指定コマンドは、
図9に示す割込管理処理の演出制御出力処理(ステップS212)において演出制御装置124に送信される。
【0424】
ステップS5516:
以上の手順を経ると主制御CPU72は次のジャンプ先を大当り時大入賞口開放パターン設定処理に設定し、ステップS5518に移行する。
【0425】
ステップS5518:
主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(
図14中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は大当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。
【0426】
〔小当り時可変入賞装置管理処理〕
次に、小当り時可変入賞装置管理処理の詳細について説明する。
図35は、小当り時可変入賞装置管理処理の構成例を示すフローチャートである。小当り時可変入賞装置管理処理は、小当り時遊技プロセス選択処理(ステップS6100)、小当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS6200)、小当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS6300)、小当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS6400)、小当り時終了処理(ステップS6500)のサブルーチン群を含んでいる。
【0427】
ステップS6100:
小当り時遊技プロセス選択処理において、主制御CPU72は次に実行するべき処理(ステップS6200からステップS6500のいずれか)のジャンプ先を選択する。すなわち主制御CPU72は、ジャンプテーブルから次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとして選択し、また、戻り先のアドレスとして小当り時可変入賞装置管理処理の末尾をスタックポインタにセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ第2可変入賞装置31の作動(開閉動作)を開始していない状況であれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として小当り時大入賞口開放パターン設定処理(ステップS6200)を選択する。一方、既に小当り時大入賞口開放パターン設定処理が完了していれば、主制御CPU72は次のジャンプ先として小当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS6300)を選択し、小当り時大入賞口開閉動作処理まで完了していれば、次のジャンプ先として小当り時大入賞口閉鎖処理(ステップS6400)を選択する。また、設定された連続作動回数にわたって小当り時大入賞口開閉動作処理及び小当り時大入賞口閉鎖処理が繰り返し実行されると、主制御CPU72は次のジャンプ先として小当り時終了処理(ステップS6500)を選択する。以下、それぞれの処理についてさらに詳しく説明する。
【0428】
〔小当り時大入賞口開放パターン設定処理〕
図36は、小当り時大入賞口開放パターン設定処理の手順例を示すフローチャートである。小当り時大入賞口開放パターン設定処理は、小当り時に第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31を開閉動作する回数や各開放の時間等の条件を設定するための処理である。以下、各手順に沿って説明する。
【0429】
ステップS6212:
主制御CPU72は、「小当り時開放パターン」を設定し、ステップS6214に移行する。本実施形態の場合、「小当り時開放パターン」については、例えば「0.8秒開放」を1回実行するという開放パターンが設定される。なお、「小当り」については「ラウンド」という概念がないことから、「開放パターン」についても「1回の開放」といった表記となる。
【0430】
ステップS6214:
主制御CPU72は、ステップS6212で設定された大入賞口開放パターンに基づき、第2大入賞口31bの開放回数を例えば1回に設定し、ステップS6216に移行する。ステップS6214で設定した開放回数は、例えばRAM76のバッファ領域に格納される。
【0431】
ステップS6216:
次に主制御CPU72は、小当り時開放タイマを設定し、ステップS6218に移行する。ステップS6216で設定されたタイマの値は、第2可変入賞装置31を作動する際の1回あたりの開放時間となる。本実施形態では、小当り時開放タイマの値として0.8秒が設定されており、この開放時間の間には1個か2個程度の遊技球が第2大入賞口31bに入球する。
【0432】
ステップS6218:
主制御CPU72は、小当り時インターバルタイマを設定し、ステップS6220に移行する。ステップS6218で設定されたタイマの値は、小当り遊技時に第2可変入賞装置31を開閉動作させる際の1回ごとの待機時間となるが、このタイマ値は例えば2秒程度に設定される。
【0433】
ステップS6220:
以上の手順を終えると、主制御CPU72は次のジャンプ先を小当り時大入賞口開閉動作処理に設定し、小当り時可変入賞装置管理処理(
図35)に復帰する。そして、主制御CPU72は、次に小当り時大入賞口開閉動作処理(ステップS6300)を実行する。
【0434】
〔小当り時大入賞口開閉動作処理〕
図37は、小当り時大入賞口開閉動作処理の手順例を示すフローチャートである。小当り時大入賞口開閉動作処理は、小当り遊技時に第2可変入賞装置31の開閉動作を制御するための処理である。以下、手順に沿って説明する。
【0435】
ステップS6301:
主制御CPU72は、インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認する。具体的には、以下のステップS6314で設定するインターバルタイマが既に動作中であるか否かを確認することにより、インターバルタイマがカウントダウン中であるか否かを確認することができる。
【0436】
その結果、インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は後述するステップS6302からステップS6312の処理を実行せずにステップS6314を実行する。一方、インターバルタイマがカウントダウン中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72はステップS6302を実行する。
【0437】
ステップS6302:
主制御CPU72は、第2大入賞口を開放させ、ステップS6304に移行する。具体的には、
図16に示す小当り遊技中の可変入賞装置の動作パターンに基づいて、主制御CPU72は、第2大入賞口ソレノイド97に対して駆動信号を出力する。これにより、第2可変入賞装置31が作動して閉鎖状態から開放状態に移行する。
【0438】
ステップS6304:
次に主制御CPU72は、開放タイマカウントダウン処理を実行し、ステップS6306に移行する。ステップS6304の処理では、小当り時大入賞口開放パターン設定処理(
図39中のステップS6216)で設定した開放タイマのカウントダウンを実行する。
【0439】
ステップS6306:
続いて主制御CPU72は、開放時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後の開放タイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だ開放タイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS6308を実行する。一方、開放タイマの値が0以下になっていれば(Yes)、主制御CPU72は、後述するステップS6308及びステップS6310を実行せずにステップS6312に移行する。
【0440】
ステップS6308:
主制御CPU72は、入賞球数カウント処理を実行し、ステップS6310に移行する。ステップS6310の処理では、開放時間内に第2可変入賞装置31(開放中の第2大入賞口31b)に入賞した遊技球の個数をカウントする。具体的には、主制御CPU72は開放時間内に第2カウントスイッチ85から入力された入賞検出信号に基づいて、カウント数の値をインクリメントする。
【0441】
ステップS6310:
次に主制御CPU72は、現在のカウント数が所定数(9個)未満であるか否かを確認する。この所定数は、上記のように開放1回(小当り時の開放1回)あたりに許容する入賞球数の上限(賞球数の上限)を定めたものである。未だカウント数が所定数に達していなければ(Yes)、主制御CPU72は、後述するステップS6312からステップS6316を実行せずに小当り時可変入賞装置管理処理(
図35)に復帰する。そして、次に小当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、現段階ではジャンプ先が小当り時大入賞口開閉動作処理に設定されているので、主制御CPU72はステップS6301からステップS6310の手順を繰り返し実行する。
【0442】
ステップS6306で開放時間が終了したと判断するか(Yes)、又はステップS6310でカウント数が所定数に達したことを確認すると(No)、主制御CPU72は次にステップS6312を実行する。ここで、小当り時の開放は、開放タイマの値が短時間に設定されているので、通常、主制御CPU72はステップS6310でカウント数が所定数に達したことを確認するより先に、ステップS6306で開放時間が終了したと判断する場合がほとんどである。
【0443】
ステップS6312:
主制御CPU72は、第2大入賞口を閉鎖させ、ステップS6314に移行する。具体的には、主制御CPU72は、第2大入賞口ソレノイド97への駆動信号の出力を停止する。これにより、第2可変入賞装置31が開放状態から閉鎖状態に復帰する。
【0444】
ステップS6314:
次に主制御CPU72は、インターバルタイマカウントダウン処理を実行し、ステップS6315に移行する。ステップS6315の処理では、主制御CPU72は小当り時大入賞口開放パターン設定処理(
図36中のステップS6218)で設定したインターバルタイマのカウントダウンを実行する。
【0445】
ステップS6315:
主制御CPU72は、インターバル時間が終了したか否かを確認する。具体的には、カウントダウン処理後のインターバルタイマの値が0以下であるか否かを確認し、未だインターバルタイマの値が0以下になっていなければ(No)、主制御CPU72は、後述するステップS6316を実行せずに小当り時可変入賞装置管理処理(
図35)の末尾アドレスに復帰する。そして、次回の呼び出しで小当り時大入賞口開閉動作処理が実行されると、先頭のステップS6301からジャンプして直にステップS6314を実行する。一方、カウントダウン処理後のインターバルタイマの値が0以下になったことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72はステップS6316を実行する。
【0446】
ステップS6316:
主制御CPU72は次のジャンプ先を小当り時大入賞口閉鎖処理に設定し、小当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。そして、次に小当り時可変入賞装置管理処理を実行すると、主制御CPU72は次に小当り時大入賞口閉鎖処理を実行する。
【0447】
〔小当り時大入賞口閉鎖処理〕
図38は、小当り時大入賞口閉鎖処理の手順例を示すフローチャートである。小当り時大入賞口閉鎖処理は、第2可変入賞装置31の作動を継続したり、その作動を終了したりするための処理である。以下、手順に沿って説明する。
【0448】
ステップS6412:
主制御CPU72は、小当り時大入賞口閉鎖処理を開始すると、先ず開放回数カウンタの値をインクリメントし、ステップS6414に移行する。
【0449】
ステップS6414:
次に主制御CPU72は、インクリメント後の開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達したか否かを確認する。開放回数は、大入賞口開放パターン設定処理(
図36中のステップS6214)で設定したものである。未だ開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達していなければ(No)、主制御CPU72はステップS6416を実行する。一方、開放回数カウンタの値が設定した開放回数に達していれば(Yes)、主制御CPU72はステップS6418を実行する。
【0450】
ステップS6416:
主制御CPU72は、次のジャンプ先を小当り時大入賞口開閉動作処理に設定し、ステップS6430に移行する。
ステップS6430:
ステップS6416の次のステップS6430において主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、小当り時可変入賞装置管理処理(
図35)に復帰する。
【0451】
主制御CPU72が次に可変入賞装置管理処理を実行すると、小当り時遊技プロセス選択処理(
図35中のステップS6100)で主制御CPU72は次のジャンプ先である小当り時大入賞口開閉動作処理を実行する。そして、小当り時大入賞口開閉動作処理の実行後に、主制御CPU72は再び小当り時大入賞口閉鎖処理を実行し、実際の開放回数が設定した開放回数に達するまでの間、第2可変入賞装置31の開閉動作が繰り返し実行される。なお、本実施形態によるパチンコ機1では、小当り遊技において第2可変入賞装置31の開閉回数は1回であるため、ステップS6414の次の処理は常にステップS6418となる。
【0452】
小当り時の実際の開放回数が設定した開放回数に達した場合(ステップS6414:Yes)、主制御CPU72は次にステップS6418を実行する。
【0453】
ステップS6418:
主制御CPU72は開放回数カウンタをリセット(=0)し、ステップS6420に移行する。
【0454】
ステップS6420:
主制御CPU72は、次のジャンプ先を小当り時終了処理に設定し、ステップS6430に移行する。
【0455】
ステップS6430:
ステップS6420の次のステップS6430において主制御CPU72は、入賞球数カウンタをリセットし、小当り時可変入賞装置管理処理(
図35)に復帰する。これにより、次に主制御CPU72が可変入賞装置管理処理を実行すると、今度は小当り時終了処理が選択されることになる。
【0456】
〔小当り時終了処理〕
図39は、小当り時終了処理の手順例を示すフローチャートである。小当り時終了処理は、小当り時の第2可変入賞装置31の作動を終了する際の条件を整えるための処理である。以下、手順例に沿って説明する。
【0457】
ステップS6502:
主制御CPU72は、小当り時終了処理を開始すると、先ず小当り時終了時間タイマカウントダウン処理を実行し、ステップS6504に移行する。ステップS6502の処理では、主制御CPU72は小当り時終了時間タイマに初期値を設定し、その後、時間の経過に伴って(本モジュールの呼び出しごとに)タイマをカウントダウンする。
【0458】
ステップS6504:
次に主制御CPU72は、小当り時終了時間が経過したか否かを確認する。具体的には、小当り時終了時間タイマの値が未だ0になっていなければ、主制御CPU72は小当り時終了時間が経過していないと判断する(No)。この場合、主制御CPU72は、後述するステップS6506からステップS6516までの処理を実行せずに本モジュールを終了して小当り時可変入賞装置管理処理(
図38)に復帰する。
【0459】
この後、時間の経過に伴って小当り時終了時間タイマの値が0になると、主制御CPU72は小当り時終了時間が経過したと判断し(Yes)、ステップS6506を実行する。
【0460】
ステップS6506:
次に主制御CPU72は、制御対象の特別図柄変動計測中断フラグをリセット(00H)し、ステップS6508に移行する。主制御CPU72は、制御対象の特別図柄変動計測中断フラグをリセットすることにより、
図27に示す特別図柄変動中処理のステップS3600において中断した他方の特別図柄の変動時間の計測を再開する。
【0461】
ステップS6508:
次に主制御CPU72は小当りフラグの値をリセット(00H)し、ステップS6510に移行する。
【0462】
ステップS6510:
次に主制御CPU72は、内部状態フラグから「小当り中」を消去して小当り遊技を終了させる。なお、小当りの場合、特に内部的な条件装置は作動しないため、ステップS6512お処理は単にフラグの消去を目的とした処理である。また、主制御CPU72は、小当り遊技の終了時間が終了したことを示す小当り時終了時間終了コマンドを生成する。小当り時終了時間終了コマンドは、
図9に示す割込管理処理の演出制御出力処理(ステップS212)において演出制御装置124に送信される。
【0463】
ステップS6512:
次に主制御CPU72は、次のジャンプ先を小当り時大入賞口開放パターン設定処理に設定し、ステップS6514に移行する。
【0464】
ステップS6514:
次に主制御CPU72は、特別図柄遊技処理の中の実行選択処理(
図14中のステップS1000)でのジャンプ先を特別図柄変動前処理に設定する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は小当り時可変入賞装置管理処理に復帰する。
【0465】
次に、液晶表示器42や可動液晶表示器43,44などを用いて実行される演出(例えば、特別図柄の変動表示に伴う変動表示演出、変動表示演出において実行されるリーチ演出及びリーチ発生前予告演出、並びに大当り遊技中演出等)の制御処理について
図40から
図47を用いて説明する。
【0466】
〔演出制御処理〕
図40は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。演出制御処理は、例えば図示しないリセットスタート(メイン)処理とは別にタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば数十μsから数ms周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
【0467】
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、作動記憶演出管理処理(ステップS401)、演出図柄管理処理(ステップS402)、表示出力処理(ステップS404)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音響駆動処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)及びその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含んでいる。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
【0468】
ステップS400:
演出制御CPU126は、演出制御処理を開始すると、先ずコマンド受信処理において、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信及び解析し、ステップS401に移行する。演出制御CPU126は受信したコマンドを解析し、受信したコマンドを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば特図先判定演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数増加時演出コマンド、(特別図柄)作動記憶数減少時演出コマンド、始動口入賞音制御コマンド、デモ演出用コマンド、抽選結果コマンド、変動モードコマンド、変動パターンコマンド、変動開始コマンド、特殊演出変動実行コマンド、停止図柄コマンド、図柄停止コマンド、状態指定コマンド、ラウンド数コマンド、エラー通知コマンド、大当り終了演出コマンド、回数切りカウンタ値コマンド、変動パターン先判定コマンド、停止表示時間終了コマンド、確変領域通過コマンド、大当り時終了時間終了コマンド、小当り時終了時間終了コマンド等がある。
【0469】
ステップS401:
次の作動記憶演出管理処理では、演出制御CPU126は、記憶数表示演出及び先読み予告演出の実行を制御し、ステップS402に移行する。なお、作動記憶演出管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
【0470】
ステップS402:
次の演出図柄管理処理では、演出制御CPU126は、演出図柄を用いた変動表示演出や停止表示演出の内容を制御したり、第1可変入賞装置30又は第2可変入賞装置31の開閉動作時の演出内容を制御したりする。また、ステップS402の処理において、演出制御CPU126は、各種予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出等)の演出パターンを選択する。演出制御CPU126は、ステップS402の処理が終了すると、処理をステップS404に移行する。なお、演出図柄管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
【0471】
ステップS404:
次の表示出力処理では、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して演出内容の基本的な制御情報(例えば、特別図柄A及び特別図柄Bそれぞれの作動記憶数、作動記憶演出パターン番号、先読み予告演出パターン番号、変動演出パターン番号、変動時予告演出番号、背景パターン番号等)を指示する。これにより、演出表示制御装置144(表示制御CPU146及びVDP152)は指示された演出内容に基づいて液晶表示器42や可動液晶表示器43,44による表示動作を制御する(演出実行手段)。演出制御CPU126は、ステップS404の処理が終了すると、処理をステップS406に移行する。
【0472】
ステップS406:
ランプ駆動処理では、演出制御CPU126は、ランプ駆動回路132に対して制御信号を出力し、ステップS408に移行する。ランプ駆動回路132は、演出制御CPU126からの入力された制御信号に基づいて各種ランプ46〜52や盤面ランプ53等を駆動(点灯又は消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
【0473】
ステップS408:
次の音響駆動処理では、演出制御CPU126は音響駆動回路134に対して演出内容(例えば変動表示演出中やリーチ演出中、モード移行演出中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示し、ステップS410に移行する。これにより、スピーカ54,55,56から演出内容に応じた音が出力される。
【0474】
ステップS410:
次の演出乱数更新処理では、演出制御CPU126は、RAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新し、ステップS412に移行する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。
【0475】
ステップS412:
可動体制御処理では、例えば演出制御CPU126は、可動液晶表示器43の駆動用IC及び可動液晶表示器44の駆動用ICに対して制御信号をそれぞれ出力する。また、演出制御CPU126は、可動体40fの駆動用ICに対して制御信号を出力する。可動液晶表示器43は可動体ソレノイド58を駆動源として動作し、可動液晶表示器44は可動体ソレノイド59を駆動源として動作し、可動体40fは可動体ソレノイド57を駆動源として動作する。可動液晶表示器43,44及び可動体40fは、液晶表示器42による画像の表示と同期して、又は単独で演出を行う。また、演出制御CPU126は、コマンド受信処理(ステップS400)において、受信したコマンドの中に可動液晶表示器の初期位置待機コマンドが含まれていると判断した場合には、可動液晶表示器43の駆動用ICに対して可動液晶表示器43を初期位置に待機させるための制御信号を出力し、可動液晶表示器44の駆動用ICに対して可動液晶表示器44を初期位置に待機させるための制御信号を出力する。これにより、可動液晶表示器43及び可動液晶表示器44は、初期位置に強制的に退避される。
【0476】
以上の演出制御処理を通じて、演出制御CPU126はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。次に、演出制御処理の中で実行される作動記憶演出管理処理の内容について説明する。
【0477】
〔作動記憶演出管理処理〕
図41は、作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
【0478】
ステップS700:
演出制御CPU126は、作動記憶演出管理処理を開始すると、先ず主制御CPU72から作動記憶数増加時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126は、RAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS700:Yes)、演出制御CPU126はステップS702を実行する。作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS700:No)、演出制御CPU126はステップS702を実行せずに処理をステップS704に移行する。
【0479】
ステップS702:
演出制御CPU126は、作動記憶数増加時演出選択処理を実行し、ステップS702に移行する。ステップS702の処理では、演出制御CPU126は、特別図柄A及び特別図柄Bに対応した保留表示画像を液晶表示器42に表示させる演出を選択する。図示は省略するが、保留表示画像は、特別図柄Aの作動記憶数(特
図A作動記憶ランプ34aの表示数)及び特別図柄Bの作動記憶数(特
図B作動記憶ランプ35aの表示数)を表す画像である。保留表示画像は、遊技中の作動記憶数の変化に連動して表示個数も増減する。保留表示画像は、特別図柄Aの作動記憶数に対応する画像と、特別図柄Bの作動記憶数に対応する画像とがそれぞれ液晶表示器42の表示画面に表示されるように構成されていてもよい。また、保留表示画像は、左打ちの場合には特別図柄Aの作動記憶数に対応する画像が液晶表示器42の表示画面に表示され、右打ちの場合には特別図柄Bの作動記憶数に対応する画像が液晶表示器42の表示画面に表示されるように構成されていてもよい。
【0480】
ステップS704:
演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数減少時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126は、RAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS704:Yes)、演出制御CPU126はステップS706を実行する。一方、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS704:No)、演出制御CPU126はステップS706を実行せずに演出制御処理(
図54)に復帰する。
【0481】
ステップS706:
演出制御CPU126は、作動記憶数減少時演出選択処理を実行し、演出制御処理(
図54)に復帰する。ステップS706の処理では、演出制御CPU126は、特別図柄A及び特別図柄Bに対応する保留表示画像をスライドさせる演出、及び内部抽選により消費した抽選要素に対応する変動画像を消去する演出を選択する。当該変動画像は、特
図A表示装置34で実行中の変動表示又は特
図B表示装置35で実行中の変動表示に係る乱数に対応する画像である。言い換えると、当該変動画像は、液晶表示器42で実行され特
図A表示装置34で実行中の変動表示に対応する変動演出に係る乱数に対応する画像である。また、当該変動画像は、例えば可動液晶表示器43で実行され特
図B表示装置35で実行中の変動表示に対応する変動演出に係る乱数に対応する画像である。
【0482】
〔演出図柄管理処理〕
図42は、演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
【0483】
ステップS480:
演出制御CPU126は、演出図柄管理処理を開始すると、先ず内部状態が低確率状態であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126は、RAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、状態指定コマンドを確認することにより、内部状態を確認することができる。なお、内部状態は、変動コマンドにより確認することもできる(以下、同様)。
【0484】
その結果、内部状態が低確率状態であれば(Yes)、演出制御CPU126はステップS482を実行し、内部状態が低確率状態でなければ(No)、演出制御CPU126はステップS484を実行する。
【0485】
ステップS482:
演出制御CPU126は、低確率状態演出図柄管理処理を実行し、演出制御処理(
図54)に復帰する。する。ステップS482の処理では、演出制御CPU126は、通常モード中の変動表示演出や大役中演出の内容を制御する。具体的な処理の内容については後述する。
【0486】
ステップS484:
演出制御CPU126は、高確率状態演出図柄管理処理を実行し、演出制御処理(
図54)に復帰する。ステップS484の処理では、演出制御CPU126は、ラッシュ状態の基本的な演出や上乗せ演出の内容を制御する。具体的な処理の内容については後述する。
【0487】
〔低確率状態演出図柄管理処理〕
図43は、低確率状態演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。低確率状態演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS500)、演出図柄変動前処理(ステップS502)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)及び可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含んでいる。以下、各処理に沿って低確率状態演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
【0488】
ステップS500:
実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS502からステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして低確率状態演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また、可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において大当り時可変入賞装置管理処理(ステップS5000)が選択された場合や小当り時可変入賞装置管理処理(ステップS6000)が選択された場合にジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502からステップS506は実行されない。
【0489】
ステップS502:
演出図柄変動前処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。また、ステップS502の処理において、演出制御CPU126は各種の条件(抽選結果、当選種類、変動モード及び変動パターン等)に応じてリーチ演出の内容を選択したり、予告演出についての演出パターン(先読み予告演出パターン以外のリーチ発生前予告パターン、リーチ発生後予告パターン等)を選択したりする。その他にも演出制御CPU126は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。演出制御CPU126は、ステップS502の処理が終了すると、処理をステップS504に移行する。
【0490】
ステップS504:
演出図柄変動中処理では、演出制御CPU126は、対象の特別図柄の情報を含む特殊停止指定コマンドを受信しているか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126は、RAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、対象の特別図柄の情報を含む特殊停止指定コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、対象の特別図柄の情報を含む特殊停止指定コマンドが保存ざれていることを確認した場合、演出制御CPU126は、RAM130のコマンドバッファ領域に保存されていた特殊停止指定コマンドを演出表示制御装置144に送信する。演出表示制御装置144は、特殊停止指定コマンドに含まれる対象の特別図柄に対応する演出図柄の変動演出を内部抽選結果とは無関係な表示態様(例えば、はずれの表示態様)で停止表示させる。
【0491】
例えば、特殊停止指定コマンドに含まれる対象の特別図柄が特
図Aである場合には、演出表示制御装置144は、液晶表示器42において実行されている演出図柄の変動演出をはずれの表示態様で停止表示させるように液晶表示器42を制御する。これにより、パチンコ機1は、特
図A表示装置34での図柄変動及び液晶表示器42での変動演出の各変動時間が終了する前であって特
図B表示装置35及び可動液晶表示器43に大当りを報知する図柄が停止表示されるタイミングで、特
図A表示装置34及び液晶表示器42にはずれ図柄を停止表示できる。また例えば、特殊停止指定コマンドに含まれる対象の特別図柄が特
図Bである場合には、演出表示制御装置144は、可動液晶表示器43において実行されている演出図柄の変動演出をはずれの表示態様で停止表示させるように可動液晶表示器43を制御する。これにより、パチンコ機1は、特
図B表示装置35での図柄変動及び可動液晶表示器43での変動演出の各変動時間が終了する前であって特
図A表示装置34及び液晶表示器42に大当りを報知する図柄が停止表示されるタイミングで、特
図B表示装置35及び可動液晶表示器43にはずれ図柄を停止表示できる。
【0492】
このように、パチンコ機1は、特
図A表示装置34及び特
図B表示装置35のいずれか一方で大当りを報知するタイミングで、特
図A表示装置34及び特
図B表示装置35の他方及びこの他方に対応する液晶表示器42又は可動液晶表示器43に互いに一致した表示態様での図柄を停止表示できる。これにより、パチンコ機1は、特
図A表示装置34と液晶表示器42との図柄の不一致、及び特
図B表示装置35と可動液晶表示器43との図柄の不一致が発生するのを防止できる。なお、パチンコ機1は、可動液晶表示器43で演出図柄の変動演出が実行されるように構成されているが、可動液晶表示器44で演出図柄の変動演出が実行されるように構成されている場合には、特
図B表示装置35と可動液晶表示器44との図柄の不一致が発生するのを防止するように構成される。さらに、パチンコ機1は、可動液晶表示器43及び可動液晶表示器44の双方で演出図柄の変動演出が実行されるように構成されている場合には、特
図B表示装置35と可動液晶表示器43及び可動液晶表示器44との図柄の不一致が発生するのを防止するように構成される。
【0493】
さらに、パチンコ機1は、特殊停止指定コマンドを用いることにより停止図柄を強制的にはずれの態様とすることができる。このため、パチンコ機1は、特別図柄A及び特別図柄Bのそれぞれ同時期に大当りに当選したり、一方が大当り他方が小当りに当選したりしたとしても、図柄変動が先に停止する方に大当たり図柄を停止表示し、他方にはずれ図柄を停止表示することができる。これにより、パチンコ機1は、
図17に示す特別図柄変動前処理において、対象の特別図柄の大当り判定結果と他方の特別図柄の大当り判定結果とを調整したりする処理が不要となる。このように、パチンコ機1は、特殊停止指定コマンドを用いるという簡単な処理により、特別図柄A及び特別図柄Bが同時に大当りを報知したり、一方が大当りを報知し他方が小当りを報知したりするのを防止できる。
【0494】
また、演出図柄変動中処理では、演出制御CPU126は必要に応じて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に指示する制御情報を生成し、ステップS506に移行するする。例えば、演出図柄を用いた変動表示演出を実行中に演出切替ボタン45を用いた演出を行う場合、遊技者による演出ボタンの操作の有無を演出制御CPU126が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)の制御情報を表示制御CPU146に対して指示する。
【0495】
ステップS506:
演出図柄停止表示中処理では、演出制御CPU126は内部抽選の結果に応じた態様で演出図柄や動画像を用いた停止表示演出の内容を制御し、ステップS508に移行する。すなわち、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して変動表示演出の終了と停止表示演出の実行を指示する。これを受けて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)は、実際に液晶表示器42や可動液晶表示器43の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、停止表示演出を実行する。これにより、特別図柄の停止表示に略同期して停止表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(図柄演出実行手段)。
【0496】
ステップS508:
可変入賞装置作動時処理では、演出制御CPU126は小当り遊技中又は大当り遊技中の演出内容を制御する。ステップS508の処理において、演出制御CPU126は各種の条件(例えば当選種類)に応じて大役中演出の内容を選択する。例えば「14ラウンド大当り図柄1」の場合、演出制御CPU126は液晶表示器42に表示する演出内容として、「14ラウンド大当り図柄1」に対応した大役中演出パターンを選択し、選択した大役中演出パターンを演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示する。これにより、液晶表示器42及び必要に応じて可動液晶表示器43,44のそれぞれの表示画面では大役中演出の画像が表示されるとともに、ラウンドの進行に伴って演出内容が変化していくことになる。
【0497】
また、ステップS508の処理において演出制御CPU126は、大当り遊技中に確変領域通過コマンドを受信した場合には、V入賞が発生したことを示す演出を選択する処理を実行する。一方、大当り遊技中に確変領域通過コマンドを受信しなかった場合には、V入賞が発生しなかったことを示す演出を選択する処理を実行する。演出制御CPU126は、ステップS508の処理が終了すると、演出制御処理(
図54)に復帰する。
【0498】
〔演出図柄変動前処理〕
図44は、演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
【0499】
ステップS600:
演出制御CPU126は、演出図柄変動前処理を開始すると、先ず主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126は、RAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS602を実行する。
【0500】
ステップS602:
演出制御CPU126は、デモ選択処理を実行する。ステップS602の処理では、演出制御CPU126はデモ演出パターンを選択する。デモ演出パターンは、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容を規定したパターンである。
【0501】
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は低確率状態演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。演出制御CPU126はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(
図54中のステップS404)、ランプ駆動処理(
図54中のステップS406)においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
【0502】
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御CPU126は次にステップS604を実行する。
【0503】
ステップS604:
演出制御CPU126は、今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126は、RAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS612を実行する。一方、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS606を実行する。今回の変動がはずれか否かの確認は、抽選結果コマンドの他に変動コマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動コマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。あるいは、今回の停止図柄コマンドが非当選の図柄を指定するものであれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。
【0504】
ステップS606:
抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS604:No)、次に演出制御CPU126は、今回の変動が大当りであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126は、RAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS610を実行する。一方、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御CPU126はステップS608を実行する。今回の変動が大当りであるか否かの確認もまた、変動コマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動コマンドが大当り変動に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。また、今回の停止図柄コマンドが大当り図柄に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。
【0505】
ステップS608:
演出制御CPU126は、小当り時変動演出パターン選択処理を実行する。ステップS608の処理では、演出制御CPU126は、主制御CPU72から受信した変動コマンドに基づいて、これから実行する変動演出の演出パターン番号を決定する。演出パターン番号は、変動コマンドに対応して予め用意されており、演出制御CPU126は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、これから実行する変動演出の変動コマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。なお、低確率状態での小当り変動は、長い変動時間に設定されているため、第4図柄の演出以外は何も演出を行わないこととすることができる(無演出)。また、演出パターン番号は、変動コマンドと対になって用意されていてもよく、1つの変動コマンドに対して複数のものが用意されていてもよい。
【0506】
また、演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、これから実行する変動演出の変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチの種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様等を決定する。
【0507】
ステップS610:
ステップS606で「大当り」であることを確認する(Yes)と、演出制御CPU126は、大当り時変動演出パターン選択処理を実行する。ステップS610の処理では、演出制御CPU126は、主制御CPU72から受信した変動コマンドに基づいて、これから実行する変動演出の演出パターン番号を決定する。大当り時演出パターン選択処理の中では、さらに大当り時停止図柄別に処理を分岐させてもよい。
【0508】
具体的に、演出制御CPU126は、「14ラウンド大当り図柄1」から「14ラウンド大当り図柄3」に該当した場合にそれぞれ異なる演出を選択する処理を実行してもよい。同様に、演出制御CPU126は、「8ラウンド大当り図柄1」から「8ラウンド大当り図柄4」に該当した場合にそれぞれ異なる演出を選択する処理を実行してもよい。また、同様に、演出制御CPU126は、「2ラウンド大当り図柄1」から「2ラウンド大当り図柄3」に該当した場合にそれぞれ異なる演出を選択する処理を実行してもよい。
【0509】
また、非当選時の場合は以下の手順が実行される。すなわち、演出制御CPU126はステップS604ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS612を実行する。
【0510】
ステップS612:
演出制御CPU126は、はずれ時変動演出パターン選択処理を実行する。ステップS612の処理では、演出制御CPU126は、主制御CPU72から受信した変動コマンドに基づいて、はずれ時の演出パターン番号を決定する。はずれ時の演出パターン番号は、「はずれ通常変動」や、「はずれリーチ変動」等に分類されており、さらに「はずれリーチ変動」には細かいリーチ変動パターンが規定されている。なお、演出制御CPU126がいずれの演出パターン番号を選択するかは、主制御CPU72から送信された変動パターンコマンドによって決まる。
【0511】
はずれ時の演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、これから実行する変動演出の変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチ発生の有無、リーチ発生の場合はリーチ種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様(例えば「7」−「2」−「4」等)を決定する。具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
【0512】
以上のステップS608,ステップS610,ステップS612のいずれかの処理を実行すると、演出制御CPU126は次にステップS614を実行する。
【0513】
ステップS614:
演出制御CPU126は、予告選択処理を実行し(予告演出実行手段)、ステップS616に移行する。ステップS614の処理では、演出制御CPU126は今回の変動表示演出中に実行するべき予告演出の内容を抽選によって選択する。予告演出の内容は、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)に基づいて決定される。予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に大当りになる可能性があることを予告したりする演出である。したがって、非当選時には予告演出の選択比率は低く設定されているが、当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は比較的高く設定されている。予告演出の選択比率は、当選時の方が非当選時よりも高く設定されている。
【0514】
ステップS616:
演出制御CPU126は、モード演出管理処理を実行する。ステップS616の処理において、演出制御CPU126は、滞在モードに応じた背景画像を選択する処理を実行する。
【0515】
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は低確率状態演出図柄管理処理(末尾アドレス)に復帰する。これにより、その後の演出図柄変動中処理(
図43中のステップS504)において、実際に選択された変動演出パターンに基づいて変動表示演出及び停止表示演出が実行されるとともに(演出実行手段)、各種予告演出パターンに基づいて予告演出が実行される。その他、ここで選択された背景(滞在)モードパターンに基づいて、各種の滞在モード演出が実行される(演出実行手段)。
【0516】
図45は、演出図柄変動前処理のはずれ時変動演出パターン選択処理を説明するフローチャートである。変動モードコマンド及び変動パターンコマンドは、主制御装置70において実行される割込管理処理(
図9参照)の特別図柄B遊技処理(ステップS205a)及び特別図柄A遊技処理(ステップS205b)でセットされた後、演出制御出力処理(ステップS212)において演出制御装置124に送信される。
【0517】
ステップS612a
演出制御CPU126は、はずれ時変動演出パターン選択処理を開始すると、先ず受信した変動モードコマンドを解析し、ステップS612bに移行する。具体的に、演出制御CPU126は、RAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、変動モードコマンドに含まれる変動モード番号を取得する。
【0518】
ステップS612b:
演出制御CPU126は、
図40に示すステップS410において更新された演出乱数を取得するとともに、現在設定されている演出モードに対応する前半変動演出決定テーブル(不図示)を参照して、取得した演出乱数及びステップS612aにおいて取得した変動モード番号に基づいて、前半変動演出の態様を決定する。
【0519】
ステップS612c:
演出制御CPU126は、ステップS612bで決定した前半変動演出を実行するための変動演出実行コマンドを送信バッファにセットし、ステップS612dに移行する。ステップS612cにおいてセットされた変動演出実行コマンドは、演出表示制御装置144に送信され、演出表示制御装置144において、受信した変動演出実行コマンドに対応する変動演出画像を表示するための制御がなされる。また、演出制御CPU126は、セットした変動演出実行コマンドに基づいて、ガラス枠電飾基板136やパネル電飾基板138などを制御する。これにより、液晶表示器42に表示される変動演出画像に対応する音声がスピーカ54,55,56から出力されたり、盤面ランプ53が点灯したり、可動液晶表示器43,44や可動体40fが動作したりすることとなる。
【0520】
ステップS612d:
次に、演出制御CPU126は、受信した変動パターンコマンドを解析し、ステップS612eに移行する。具体的に、演出制御CPU126は、RAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、変動パターンコマンドに含まれる変動パターン番号を取得する。
【0521】
ステップS612e:
演出制御CPU126は、
図40に示すステップS410において更新された演出乱数を取得するとともに、現在設定されている演出モードに対応する後半変動演出決定テーブル(不図示)を参照して、取得した演出乱数及びステップS612dにおいて取得した変動パターン番号に基づいて、後半変動演出の態様を決定する。演出制御CPU126は、ステップS612eの処理が終了すると、処理をステップS612fに移行する。
【0522】
ステップS612f:
演出制御CPU126は、ステップS612eで決定した後半変動演出を実行するための変動演出実行コマンドを送信バッファにセットし、ステップS612gに移行する。ステップS612fにおいてセットされた変動演出実行コマンドは、演出表示制御装置144に送信され、演出表示制御装置144において、受信した変動演出実行コマンドに対応する変動演出画像を表示するための制御がなされる。また、演出制御CPU126は、セットした変動演出実行コマンドに基づいて、ガラス枠電飾基板136やパネル電飾基板138などを制御する。これにより、液晶表示器42に表示される変動演出画像に対応する音声がスピーカ54,55,56から出力されたり、盤面ランプ53が点灯したり、可動液晶表示器43,44や可動体40fが動作したりすることとなる。
【0523】
ステップS612g:
演出制御CPU126は、受信した特殊演出変動パターンフラグの値が「01H」であるか否かを確認する。具体的に、演出制御CPU126は、RAM130のフラグバッファ領域にアクセスし、特殊演出変動パターンフラグの値が「01H」であるか否かを確認する。その結果、演出制御CPU126は、特殊演出変動パターンフラグの値が「01H」であることを確認すると(Yes)、処理をステップS612hに移行する。一方、演出制御CPU126は、特殊演出変動パターンフラグの値が「01H」であることが確認できないと(No)、後述するステップS612hを実行せずに処理をステップS612iに移行する。
【0524】
ステップS612h:
演出制御CPU126は、ステップS612cでセットされた変動モード番号と、ステップS612fでセットされた変動パターン番号とに基づいて、特殊演出変動実行コマンドを生成する。演出制御CPU126は、生成した特殊演出変動実行コマンドを送信バッファにセットし、ステップS612iに移行する。ステップS612hにおいてセットされた特殊演出変動実行コマンドは、演出表示制御装置144に送信され、演出表示制御装置144において、受信した特殊演出変動実行コマンドに対応する特殊演出画像を表示するための制御がなされる。これにより、液晶表示器42には、可動液晶表示器43において実行中の変動演出の抽選結果を示唆する示唆演出が実行される。また、演出制御CPU126は、セットした特殊演出実行コマンドに基づいて、ガラス枠電飾基板136やパネル電飾基板138などを制御する。これにより、液晶表示器42に表示される変動演出画像に対応する音声がスピーカ54,55,56から出力されたり、盤面ランプ53が点灯したり、可動体40fが動作したりすることとなる。
【0525】
ところで、特殊変動演出パターンフラグの値が「01H」である場合には、可動液晶表示器の初期位置待機コマンドが主制御装置70から演出制御装置124に必ず送信されている(
図19に示すはずれ時図柄変動の停止タイミング処理のステップS2406cからステップS2406eの流れ)。このため、
図40に示す演出図柄管理処理(ステップS402)の後に実行される可動体制御処理(ステップS412)により、可動液晶表示器43,44は、ステップS612c及びステップS612fにおいてセットされるコマンドの内容に関わらず初期位置に退避される。
【0526】
ステップS612i
演出制御CPU126は、ステップS612bで決定された前半変動演出の態様に対応するタイムテーブルのデータと、ステップS612eで決定された後半変動演出の態様に対応するタイムテーブルのデータとをセットし、ステップS612jに移行する。
【0527】
ステップS612j:
演出制御CPU126は、変動演出の実行時間を計時すべく、変動時間計時タイマをリセットする。ここでリセットされた変動時間計時タイマは、タイムスケジュール管理処理(詳細は後述)において、演出制御処理が実行されるタイマ割込処理のたびにカウンタ値が加算され、これによって変動演出の実行時間が計時されることとなる。
【0528】
〔高確率状態演出図柄管理処理〕
図46は、高確率状態演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
【0529】
〔基本演出管理処理〕
ステップS510:
演出制御CPU126は、ステップS510の処理において、内部状態が高確率状態における背景画像やキャラクタ等の画像を選択する処理を実行し、ステップS512に移行する。また、内部状態が高確率状態にあるとき、大きな演出図柄は使用しておらず、主に第4図柄だけを使用しているため、演出制御CPU126は、第4図柄の変動表示及び停止表示の態様を制御する。
【0530】
〔残回数管理処理〕
ステップS512:
演出制御CPU126は、ステップS512の処理において、液晶画面に表示する演出上の残回数の管理や、潜伏回数の管理に関する処理を実行し(演出上残回数教示演出実行手段)、ステップS514に移行する。なお、具体的な処理の内容は後述する。
【0531】
〔上乗せ演出管理処理〕
ステップS514:
演出制御CPU126は、ステップS514の処理において、演出上の残回数を軸として、上乗せ演出に関する処理を実行し(増加可否演出実行手段、増加演出実行手段)、ステップS516に移行する。
【0532】
〔その他演出管理処理〕
ステップS516:
演出制御CPU126は、ステップS516の処理において、内部状態が高確率状態における演出中のその他の演出に関する処理を実行する。例えば、抽選結果に基づいて予告演出を実行したり、先判定コマンドに基づいて先読み演出を実行したり、デモ演出コマンドに基づいてデモ演出を実行したりする。
【0533】
さらに、演出制御CPU126は、ステップS516の処理において、対象の特別図柄の情報を含む特殊停止指定コマンドを受信しているか否かを確認し、対象の特別図柄の情報を含む特殊停止指定コマンドが保存ざれていることを確認した場合には、
図43に示す低確率状態演出図柄管理処理の演出図柄変動中処理(ステップS504)における特殊停止指定コマンドに関する処理と同様の処理を実行する。これにより、パチンコ機1は、高確率状態においても、特
図A表示装置34と液晶表示器42との図柄の不一致、及び特
図B表示装置35と可動液晶表示器43との図柄の不一致が発生するのを防止できる。また、パチンコ機1は、高確率状態においても、特殊停止指定コマンドを用いるという簡単な処理により、特別図柄A及び特別図柄Bが同時に大当りを報知したり、一方が大当りを報知し他方が小当りを報知したりするのを防止できる。
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、
図42に示す演出図柄管理処理に復帰する。
【0534】
〔残回数管理処理〕
図47は、残回数管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
【0535】
ステップS800:
演出制御CPU126は、2ラウンド大当り遊技又は小当り遊技における第2可変入賞装置31の作動が終了したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126は、RAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、特別図柄B(第2可変入賞装置31)に対応する大当り時終了時間終了コマンドや、小当り時終了時間終了コマンドを確認することにより、第2可変入賞装置31の作動が終了したか否かを確認することができる。
【0536】
その結果、第2可変入賞装置31の作動が終了したことを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS802を実行し、第2可変入賞装置31の作動が終了したことを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は、
図46に示す高確率状態演出図柄管理処理に復帰する。
【0537】
ステップS802:
演出制御CPU126は、演出上の残回数をデクリメント(1減算)する処理を実行し、ステップS804に移行する。演出上の残回数は、RAM130に記憶されており、初期値は「80」である。なお、本実施形態の残回数管理処理では、演出上の残回数を第2可変入賞装置31の作動が終了した際に減算する例で説明しているが、特別図柄の変動開始時に減算してもよい。また、特別図柄Aと特別図柄Bとで、演出上の残回数を減算するタイミングを変化させてもよい。例えば、特別図柄Aの場合は変動停止時に減算し、特別図柄Bの場合は変動開始時に減算するといった制御方法が挙げられる。
【0538】
ステップS804:
演出制御CPU126は、残回数更新演出選択処理を実行し、ステップS804に移行する。具体的には、デクリメント後の残回数を表示画面に表示する演出パターンを選択する処理を実行する。
【0539】
ステップS806:
演出制御CPU126は、遊技球が確変領域を通過したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126は、RAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、確変領域通過コマンドを受信しているか否か確認することにより、遊技球が確変領域を通過したか否かを確認することができる。
【0540】
その結果、遊技球が確変領域を通過したことを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS808を実行し、遊技球が確変領域を通過したことを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は、後述するステップS808からステップS814の処理を実行せずに
図46に示す高確率状態演出図柄管理処理に復帰する。
【0541】
ステップS808:
演出制御CPU126は、演出実行条件を満たすか否かを確認する。具体的には、所定の乱数抽選(例えば7分の6で当選する抽選)を行い、この乱数抽選に当選した場合には、演出実行条件を満たすと判断する。
【0542】
その結果、演出実行条件を満たすと判断した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS810を実行する。一方、演出実行条件を満たさないと判断した場合(No)、演出制御CPU126はステップS814を実行する。
【0543】
ステップS810:
演出制御CPU126は、擬似残回数表示演出選択処理を実行し、ステップS812に移行する。ステップS810の処理では、演出制御CPU126は、演出上の残回数として、実際の確変回数を秘匿とした擬似残回数を表示する演出パターンを選択する処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、確変回数が復帰したことを明確に表現しない演出パターンを選択する処理を実行してもよい。
【0544】
ステップS812:
演出制御CPU126は、潜伏回数算出処理を実行し(増加回数貯留手段)、
図46に示す高確率状態演出図柄管理処理に復帰する。ステップS812の処理では、演出制御CPU126は、実際の確変回数から演出上の擬似的な残回数を減算した値を潜伏回数に設定する処理を実行する。例えば、実際の確変回数が80回であり、現在の演出上の残回数が30回であれば、潜伏回数は50回となる。演出制御CPU126は、算出した潜伏回数をRAM130に記憶する。
【0545】
ステップS814:
演出制御CPU126は、真残回数表示演出選択処理を実行し、
図46に示す高確率状態演出図柄管理処理に復帰する。ステップS814の処理では、演出制御CPU126は、演出上の残回数として、実際の確変回数をそのまま表示する演出パターンを選択する処理を実行する。具体的には、演出制御CPU126は、確変回数が復帰したことを例えば液晶表示器42で明確に表現するための演出パターンを選択する処理を実行する。
【0546】
〔タイムスケジュール管理処理〕
図48は、演出制御CPU126により実行されるタイムスケジュール管理処理の手順例を示すフローチャートである。タイムスケジュール管理処理は、演出制御処理が実行されるタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。タイムスケジュール管理において、演出制御CPU126は、特別図柄Aに対応する変動演出の経過時間と、特別図柄Bに対応する変動演出の経過時間とを個別に管理する。演出制御CPU126は、特別図柄A及び特別図柄Bの各変動演出の経過時間を計時するとともに、変動演出ごとにセットされるタイムテーブルを参照して、当該タイムテーブルに記憶された該当時間に対応する処理を実行したり、特殊停止指定コマンドを受信している場合には変動演出の経過時間を強制的にリセットしたりする。以下、タイムスケジュール管理処理の流れを説明する。
【0547】
ステップS900:
演出制御CPU126は、タイムスケジュール管理処理を開始すると、先ず対象の変動演出の変動時間計時タイマのカウンタ値を加算し、変動演出の実行時間を更新し、ステップS901に移行する。
【0548】
ステップS901:
次に、演出制御CPU126は、対象の変動演出の実行中においてセットされるタイムテーブルを参照し、現在の変動演出の実行時間に応じて、各種のコマンドを送信バッファにセットしたり、各種のフラグをON/OFFしたりする制御処理を実行し、ステップS903に移行する。
【0549】
ステップS903:
次に、演出制御CPU126は、対象の特別図柄の情報を含む特殊停止指定コマンドを受信しているか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126は、RAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、対象の特別図柄の情報を含む特殊停止指定コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、演出制御CPU126は、対象の特別図柄の情報を含む特殊停止指定コマンドが保存されていることを確認した場合には、処理をステップS905に移行する。一方、演出制御CPU126は、対象の特別図柄の情報を含む特殊停止指定コマンドが保存されていないことを確認した場合には、タイマ割込処理に復帰する。例えば、本処理が特別図柄Aに対応する変動演出についてのタイムスケジュール管理処理である場合、演出制御CPU126は、特別図柄Aの情報を含む特殊停止指定コマンドが保存されていることを確認すると処理をステップS905に移行し、特別図柄Bの情報を含む特殊停止指定コマンドが保存されていること、又は特殊停止指定コマンドを受信していないことを確認すると、タイマ割込処理に復帰する。また例えば、本処理が特別図柄Bに対応する変動演出についてのタイムスケジュール管理処理である場合、演出制御CPU126は、特別図柄Bの情報を含む特殊停止指定コマンドが保存されていることを確認すると処理をステップS905に移行し、特別図柄Aの情報を含む特殊停止指定コマンドが保存されていること、又は特殊停止指定コマンドを受信していないことを確認すると、タイマ割込処理に復帰する。
【0550】
ステップS905:
次に、演出制御CPU126は、対象の変動演出の変動時間計時タイマのカウンタ値をリセットし、タイマ割込処理に復帰する。演出制御CPU126が対象の変動演出の変動時間計時タイマのカウンタ値をリセットすることにより、特殊停止指定コマンドに基づいて変動演出が強制的に停止されるのとほぼ同時にこの変動演出の残りの変動時間が0にセットされる。これにより、液晶表示器42又は可動液晶表示器43での表示態様と、この変動演出の経過時間とが不一致になるのが防止される。
以上で、タイムスケジュール管理処理が終了する。
【0551】
〔特別図柄の変動タイミング〕
次に、特別図柄の変動タイミングについて
図49から
図52を用いて説明する。ここでは、特別図柄A及び特別図柄Bの並行変動タイミングについて4つの動作例について説明する。
【0552】
(並行変動例1)
図49は、本実施形態によるパチンコ機1の並行変動例1における特別図柄の変動タイミングを示すタイミングチャートである。
図49中の上段に示す「特
図A表示装置」は、特
図A表示装置34において実行される特別図柄の図柄変動を示している。
図49中の下段に示す「特
図B表示装置」は、特
図B表示装置35において実行される特別図柄の図柄変動を示している。
図49中の上段に示す長方形枠は、左から順に、特別図柄Aが変動している期間、図柄確定中の期間、特別図柄Aの大当りを契機とする大当り遊技が実行されている期間を示している。
図49中の下段に示す長方形枠は、特別図柄Bの図柄の変動が実行されている期間を示している。また、
図49において左から右に向かって時の経過が表されている。
【0553】
図49に示すように、時刻t1において、特
図A表示装置34では大当りに係る特別図柄の変動表示が実行されており、特
図B表示装置35では特別図柄Bの変動表示が実行されていない。
【0554】
時刻t1から所定時間が経過した時刻t2において、第2始動入賞口27に遊技球が入球したことにより、主制御CPU72は、特別図柄変動前処理(
図17参照)において、小当りに当選したと判定し、停止図柄や変動パターンなどを決定し(ステップS2300からステップS2407)、
図49に示すように特
図B表示装置35において特別図柄の変動表示が開始される。これにより、パチンコ機1は、特別図柄A及び特別図柄Bの並行変動(同時回し)を開始する。
【0555】
時刻t2から所定時間が経過した時刻t3において、特
図A表示装置34における特別図柄Aの変動タイマの値が「0」になって特別図柄変動中処理(
図27参照)が終了するとともに特別図柄停止表示中処理(
図28参照)が開始され、抽選の結果を示す表示態様に係る大当り図柄の停止が指定される特別図柄停止指定コマンドが生成され、当該大当りに基づく表示態様で特別図柄を停止表示させるための出力を主制御装置(図柄制御手段の一例)70は特
図A表示装置34に対して行う。これにより、特
図A表示装置34に表示される特別図柄Aは、大当り図柄の停止表示が開始され図柄確定中の状態となる。この図柄確定中の期間において、特
図B表示装置35では、第一図柄表示手段の実行と重畳可能に実行する第二図柄表示手段として、特別な処理は行われず時刻t2において決定した小当り時変動パターンに基づいて特別図柄Bの変動表示が継続して実行される。
【0556】
時刻t3(特別図柄停止指定コマンドの出力後)から図柄停止の表示が確定していることを報知するための所定時間が経過した時刻t4(特別図柄Aの停止表示の確定時間が終了した時刻)において、次の特別図柄の変動表示の開始又は大当り状態(遊技者にとって有利な遊技状態)を開始させるための確定図柄(大当り図柄)停止コマンドが生成され、主制御装置70により特
図A表示装置34に対して出力する(
図28中のステップS4250参照)ことに基づいて、特
図A表示装置34による大当り図柄の停止表示が終了される。特
図A表示装置34による大当り図柄の停止表示の終了に基づいて、大当り遊技が開始される。
【0557】
また、特別図柄停止表示中処理では、確定図柄(大当り図柄)停止コマンドが生成されるタイミングにおいて、特殊停止指定コマンドが生成される(ステップS4310)。生成される特殊停止指定コマンドは、特殊停止の対象となる他方の特別図柄(並行変動例1では特別図柄B)を予め定められた停止態様とするために出力されることとなる
。このため、
図49に示すように、主制御装置70により特殊停止指定コマンドが生成され特
図B表示装置35に対して出力されたことを契機として、時刻t4において、特
図B表示装置35には、少なくとも所定の当選に係る内部抽選とは無関係な表示態様での図柄による停止が指定される。これにより、特
図B表示装置35は、特別図柄の変動表示の処理の終了を待たずして(第二図柄表示手段による実行中の特別図柄(当選の表示態様)としたときから大当り遊技を開始する前の時刻t4のタイミングで内部抽選の当選の結果とは無関係な表示態様として例えば「はずれ」に相当する所定の表示態様で特別図柄が強制的に停止表示される。
【0558】
図49では、図示を省略するが、液晶表示器42は、主制御装置70から演出制御装置124に送信される各種コマンドに基づいて制御され、特
図A表示装置34に表示される特別図柄Aの態様に対応する表示態様で演出図柄を表示する。これにより、パチンコ機1では、特
図A表示装置34での停止図柄と液晶表示器42での停止図柄とが不一致になることが防止される。
【0559】
また、可動液晶表示器43,44は、主制御装置70から演出制御装置124に送信される各種コマンドに基づいて制御され、特
図B表示装置35に表示される特別図柄Bの態様に対応する表示態様で演出図柄を表示する。特に演出図柄を表示する可動液晶表示器(本実施形態では可動液晶表示器43)は、時刻t4において主制御装置70から演出制御装置124に送信される特殊停止指定コマンドに基づいて、演出図柄の変動演出をはずれの表示態様で強制的に停止される。これにより、パチンコ機1では、特
図B表示装置35での停止図柄と可動液晶表示器43での停止図柄とが不一致となることが防止される。
【0560】
(並行変動例2)
図50は、本実施形態によるパチンコ機1の並行変動例2における特別図柄の変動タイミングを示すタイミングチャートである。
図50中の上段に示す「特
図A表示装置」は、
図49中に示す「特
図A表示装置」と同内容を示し、
図50中の下段に示す「特
図B表示装置」は、
図49中に示す「特
図B表示装置」と同内容を示しているため、説明は省略する。
図50中上段に示す3つの長方形枠は、
図49中の上段に示す3つの長方形枠と同内容を示しているため、説明は省略する。
図50中の下段に示す長方形枠は、左から順に特別図柄Bが変動している期間、図柄確定中の期間を示している。また、
図50において左から右に向かって時の経過が表されている。
【0561】
図50に示すように、時刻t1において、特
図A表示装置34では大当りに係る特別図柄の変動表示が実行されており、特
図B表示装置35では特別図柄の変動表示が実行されていない。
【0562】
時刻t1から所定時間が経過した時刻t2において、第2始動入賞口27に遊技球が入球したことにより、主制御CPU72は、特別図柄変動前処理(
図17参照)において、小当りに当選したと判定し、停止図柄や変動パターンなどを決定し(ステップS2300からステップS2407)、
図50に示すように特
図B表示装置35において特別図柄の変動表示が開始される。これにより、パチンコ機1は、特別図柄A及び特別図柄Bの並行変動(同時回し)を開始する。
【0563】
時刻t2から所定時間が経過した時刻t3において、特
図A表示装置34における特別図柄Aの変動タイマの値が「0」になって特別図柄変動中処理(
図27参照)が終了するとともに特別図柄停止表示中処理(
図28参照)が開始され、抽選の結果を示す表示態様に係る大当り図柄の停止が指定される特別図柄停止指定コマンドが生成され、当該大当りに基づく表示態様で特別図柄を停止表示させるための出力を主制御装置(図柄制御手段の一例)は特
図A表示装置34に対して行う。これにより、特
図A表示装置34には、大当り図柄の停止表示が開始され図柄確定中の状態となる。この図柄確定中の期間において、特
図B表示装置35では、第一図柄表示手段の実行と重畳可能に実行する第二図柄表示手段として、特別な処理は行われず時刻t2において決定した小当り時変動パターンに基づいて特別図柄Bの変動表示が継続して実行される。
【0564】
時刻t3(特別図柄停止指定コマンドの出力後)から図柄停止の表示が確定していることを報知するための所定時間(例えば図柄確定時間として500ms)が経過するまでの時刻t4(当該所定時間の経過中の所定時刻)において、特
図B表示装置35における特別図柄Bの変動タイマの値が「0」になって特別図柄変動中処理(
図27参照)が終了するとともに特別図柄停止表示中処理(
図28参照)が開始され小当り図柄の停止が指定される特別図柄停止指定コマンドを生成し、当該小当りに基づく表示態様で特別図柄を停止表示させるための出力を主制御装置70は特
図B表示装置35に対して行う。これにより、特
図A表示装置34による大当り図柄の停止表示の図柄確定中において、特
図B表示装置35には、小当り図柄の停止表示がされ図柄確定中の状態となる。この時、特
図A表示装置34では、第二図柄表示手段の実行と重畳可能に実行する第一図柄表示手段として、特別な処理は行われず時刻t3において開始された特別図柄停止表示中処理が継続されて大当り図柄が表示される。
【0565】
時刻t3から所定時間が経過した時刻t5(特別図柄Aの停止表示の確定時間が経過した時刻)において、次の特別図柄の変動表示の開始又は大当り状態(遊技者にとって有利な遊技状態)を開始させるための確定図柄(大当り図柄)停止コマンドが生成され、主制御装置70により特
図A表示装置34に対して出力する(
図28中のステップS4250参照)ことに基づいて、特
図A表示装置34による大当り図柄の停止表示が終了される。特
図A表示装置34による大当り図柄の停止表示の終了に基づいて、大当り遊技が開始される。
【0566】
また、特別図柄停止表示中処理では、確定図柄(大当り図柄)停止コマンドが生成されるタイミングにおいて、特殊停止指定コマンドが生成される(ステップS4310)。生成される特殊停止指定コマンドは、特殊停止の対象となる他方の特別図柄(並行変動例2では特別図柄B)を予め定められた停止態様とするために出力されることとなる。このため、
図50に示すように、主制御装置70によって特殊停止指定コマンドが生成され特
図B表示装置35に対し出力されたことを契機として、時刻t5において、特
図B表示装置35は、小当り図柄の停止表示が確定していることを報知するための所定時間が経過するのを待たずして(第二図柄表示手段による実行中の特別図柄の停止表示実行時間の計測を終了して)、小当り図柄に代えて、少なくとも所定の当選に係る内部抽選の当選の結果とは無関係な表示態様での図柄による停止が指定される。これにより、特
図B表示装置35には、特別図柄Aによる大当り図柄の停止表示(当選の表示態様)としたときから大当り遊技を開始する前の時刻t5のタイミングで例えば「はずれ」に相当する所定の表示態様で特別図柄が強制的に停止表示される。
【0567】
図50では、図示を省略するが、液晶表示器42は、主制御装置70から演出制御装置124に送信される各種コマンドに基づいて制御され、特
図A表示装置34に表示される特別図柄Aの態様に対応する表示態様で演出図柄を表示する。これにより、パチンコ機1では、特
図A表示装置34での停止図柄と液晶表示器42での停止図柄とが不一致になることが防止される。
【0568】
また、可動液晶表示器43,44は、主制御装置70から演出制御装置124に送信される各種コマンドに基づいて制御され、特
図B表示装置35に表示される特別図柄Bの態様に対応する表示態様で演出図柄を表示する。特に演出図柄を表示する可動液晶表示器(本実施形態では可動液晶表示器43)は、時刻t
5において主制御装置70から演出制御装置124に送信される特殊停止指定コマンドに基づいて、はずれの表示態様で演出図柄の変動演出を強制的に停止する。このように、パチンコ機1は、一方の特図表示装置(並行変動例2では特
図A表示装置34)の図柄確定中(特別図柄停止表示中処理の実行中)に他方の特図表示装置(並行変動例2では特
図B表示装置35)が図柄確定中になったとしても、他方の特図表示装置及び他方の特図表示装置に対応する表示器(並行変動例2では可動液晶表示器43)は、特殊停止指定コマンドに基づいてはずれの表示態様で停止表示できる。
【0569】
並行変動例1及び2において示したように、パチンコ機1は、2つの特別図柄の並行変動において、先に停止する特別図柄が大当り図柄で停止表示される場合に、特殊停止指定コマンドという新たなコマンドを設けるという簡便な方法により、従来問題となっていた、後に停止する特図表示装置での停止図柄と演出用表示器での停止図柄との不一致を防止することができる。
【0570】
(並行変動例3)
図51は、本実施形態によるパチンコ機1の並行変動例3における特別図柄の変動タイミングを示すタイミングチャートである。
図51中の上段に示す「特
図A表示装置」は、
図49中に示す「特
図A表示装置」と同内容を示し、
図51中の下段に示す「特
図B表示装置」は、
図50中に示す「特
図B表示装置」と同内容を示している。
図51中の中段に示す「液晶表示器」は、液晶表示器42における演出表示を示している。
図51中の上段に示す長方形枠は、特別図柄Aが変動している期間を示し、
図51中の中段に示す長方形枠は、演出図柄の変動演出及び所定演出が実行されている期間を示している。
図51中の下段に示す長方形枠は、左から順に特別図柄Bが変動している期間、図柄確定中の期間、特別図柄Bの大当りを契機とする大当り遊技が実行されている期間を示している。また、
図51において左から右に向かって時の経過が表されている。
【0571】
図51に示すように、時刻t1において、特
図B表示装置35では大当り(第1当選の結果)に係る特別図柄の変動表示が実行されており、特
図A表示装置34では特別図柄の変動表示が実行されていない。さらに、液晶表示器42では変動演出などの遊技の進行に伴って実行される演出は表示されていない。
【0572】
時刻t1から所定時間が経過した時刻t2において、第1始動入賞口26に遊技球が入球したことにより、主制御CPU72は、特別図柄変動前処理(
図17参照)において、非当選(はずれ)と判定し、停止図柄や変動パターンなどを決定し(ステップS2300からステップS2410)、
図51に示すように特
図A表示装置34において特別図柄Aの変動表示が開始される。
【0573】
また、主制御CPU72は、停止図柄や変動パターンなどを決定する際に、はずれ時図柄変動の停止タイミング処理(ステップS2410)を実行する。主制御CPU72は、特別図柄Bの大当りフラグの値が「01H」であることに基づいて、特殊演出変動パターンコマンドを生成し(ステップS2406e(
図19参照))、生成した特殊演出変動パターンコマンドを演出制御装置124に送信する。特殊演出変動パターンコマンドが演出制御装置124に送信されたことに基づいて、液晶表示器42には、特別図柄Aの図柄変動に対応する演出図柄(第一変動演出の一例)の変動表示に加えて、特
図Bの抽選結果(大当り)を示唆する大当り示唆演出(第二抽選の結果に関連する特殊演出の一例)が開始される。大当り示唆演出のパターンは、液晶表示器42において実行される各種演出の演出パターンが格納されるテーブルに格納されている。このテーブルは、ROM128又はROM148に格納されている。このようにして、パチンコ機1は、特別図柄A及び特別図柄Bの並行変動(同時回し)を開始する。
【0574】
時刻t2から所定時間が経過した時刻t3において、特
図B表示装置35における特別図柄Bの変動タイマの値が「0」になって特別図柄変動中処理(
図27参照)が終了するとともに特別図柄停止表示中処理(
図28参照)が開始され大当り図柄の停止が指定される。これにより、特
図B表示装置35には、大当り図柄が表示され図柄確定中の状態となる。この時、特
図A表示装置34では、特別な処理は行われず時刻t2において決定したはずれ時変動パターンに基づいて特別図柄Aの変動表示が継続して実行される。
【0575】
また、この時、液晶表示器42でも特別な処理は行われず時刻t2において決定したはずれ時の演出パターンに基づいて演出図柄の変動表示を継続するとともに、特
図B示唆演出を継続する。
【0576】
時刻t3から所定時間が経過した時刻t4(特別図柄Bの停止表示時間が終了(すなわち図柄確定中の期間が満了)した時刻)において、大当り図柄停止コマンドが生成される(
図28中のステップS4250参照)ことに基づいて、特
図B表示装置35には、大当り図柄が停止表示される。特
図B表示装置35に大当り図柄が停止表示されると、その後大当り遊技が開始される。
【0577】
図51では、図示を省略するが、可動液晶表示器43,44は、主制御装置70から演出制御装置124に送信される各種コマンドに基づいて制御され、特
図B表示装置35に表示される特別図柄Bの大当り図柄に対応する演出図柄を大当りを報知する態様で停止表示する。
【0578】
また、特別図柄停止表示中処理では、大当り図柄停止コマンドが生成されると、特殊停止指定コマンドも生成される(
図28に示す特別図柄停止表示中処理のステップS4250からステップS4310の流れ)。生成される特殊停止指定コマンドには、特殊停止の対象となる他方の特別図柄(並行変動例3では特別図柄A)の情報も含まれている。このため、
図51に示すように、特別図柄Aの情報を含む特殊停止指定コマンドが生成されたことを契機として、時刻t4において、特
図A表示装置34には、内部抽選とは無関係な表示態様での図柄による停止が指定される。これにより、特
図A表示装置34には、「はずれ」に相当する表示態様で特別図柄が停止表示される。時刻t4において特
図A表示装置34に停止表示されるはずれ図柄は、時刻t4まで実行されていた特別図柄Aの変動表示の内部抽選結果を報知するはずれ図柄ではない。時刻t4において特
図A表示装置34に停止表示されるはずれ図柄は、特殊停止指定コマンドに基づく図柄であって特別図柄Aにおける内部抽選には基づかない無関係な図柄である。
【0579】
また、液晶表示器42は、主制御装置70から演出制御装置124に送信される各種コマンドに基づいて制御され、特
図A表示装置34に表示される特別図柄Aの態様に対応する表示態様で演出図柄を表示する。特に演出図柄を表示する液晶表示器42は、時刻t4において主制御装置70から演出制御装置124に送信される特殊停止指定コマンドに基づいて、演出図柄の変動演出をはずれに相当する表示態様で強制的に停止される。これにより、パチンコ機1は、特別図柄Aの変動表示を強制的に終了しても、特
図A表示装置34での停止図柄と液晶表示器42での停止図柄とが不一致となることを防止できる。
【0580】
また、特別図柄Aは、変動中に特別図柄Bが大当り確定となることよって、内部抽選の結果に関係なく強制的にはずれに相当する態様で停止する。このため、特別図柄Aの専用の演出モード中に特別図柄Bの抽選に係る大当りを示唆する大当り示唆演出を実行しても、特別図柄Aの抽選結果を主要報知する液晶表示器42の表示制御の状況下で問題は発生しない。
【0581】
(並行変動例4)
図52は、本実施形態によるパチンコ機1の並行変動例4における特別図柄の変動タイミングを示すタイミングチャートである。
図52中の1段目に示す「特
図A表示装置」は、
図49中に示す「特
図A表示装置」と同内容を示し、
図52中の3段目に示す「特
図B表示装置」は、
図49中に示す「特
図B表示装置」と同内容を示し、
図52中の2段目に示す「液晶表示器」は、
図51中に示す「液晶表示器」と同内容を示しているため、説明は省略する。
図52中の4段目に示す「可動液晶表示器」は、可動液晶表示器43,44における演出表示を示している。
図52中の1段目に示す長方形枠は、左から順に特別図柄Aが変動している期間、特別図柄Aの変動時間の計測が中断されている期間、特別図柄Aの変動が再開されて実行されている期間を示している。
図51中の2段目に示す長方形枠は、演出図柄の変動演出の実行期間を示している。
図52中の3段目に示す長方形枠は、左から順に特別図柄Bが変動している期間、図柄確定中の期間、特別図柄Bの小当りを契機とする小当り遊技が実行されている期間、客待ち中の期間を示している。
図42中の4段目に示す長方形枠は、演出図柄の変動演出の実行期間を示し、長方形枠に網掛けを付した領域は、可動液晶表示器が退避された非可動中の期間を示している。また、
図52において左から右に向かって時の経過が表されている。
【0582】
図52に示すように、時刻t1において、特
図B表示装置35では小当りに係る特別図柄の変動表示が実行されており、特
図A表示装置34では特別図柄の変動表示が実行されていない。さらに、液晶表示器42では変動演出などの遊技の進行に伴って実行される演出は表示されていない。
【0583】
時刻t1から所定時間が経過した時刻t2において、第1始動入賞口26に遊技球が入球したことにより、主制御CPU72は、特別図柄変動前処理(
図17参照)において、非当選(はずれ)と判定し、停止図柄や変動パターンなどを決定し(ステップS2300からステップS2410)、
図51に示すように特
図A表示装置34において特別図柄Aの変動表示が開始される。
【0584】
また、主制御CPU72は、停止図柄や変動パターンなどを決定する際に、はずれ時図柄変動の停止タイミング処理(ステップS2410)を実行する。主制御CPU72は、、特別図柄Bの変動表示が特別図柄Aの変動表示よりも先に停止し、かつ特別図柄Aの内部抽選結果が「はずれ」であることに基づいて、初期位置待機コマンドを生成する(ステップS2406c(
図19参照))とともに、特別図柄Aの図柄変動計測中断予定フラグの値を「01H」にセットする(ステップS2406f(
図19参照))。これにより、主制御CPU72は、生成した初期位置待機コマンドを演出制御装置124に送信する。初期位置待機コマンドが演出制御装置124に送信されたことに基づいて、可動液晶表示器43,44は、初期位置に退避され非可動状態となる。このようにして、パチンコ機1は、特別図柄A及び特別図柄Bの並行変動(同時回し)を開始する。
【0585】
時刻t2から所定時間が経過した時刻t3において、特
図B表示装置35における特別図柄Bの変動タイマの値が「0」になって特別図柄変動中処理(
図27参照)が終了するとともに特別図柄停止表示中処理(
図28参照)が開始され大当り図柄の停止が指定される。主制御CPU72は、特別図柄Aの図柄変動計測中断予定フラグに値「01H」がセットされているため、特別図柄Aの図柄変動計測中断予定フラグをリセットするとともに、特別図柄Aの図柄変動計測中断フラグに値「01H」をセットする。これにより、特別図柄Bについて特別図柄停止表示中処理を開始するに当たって特別図柄Aの変動時間の計測が中断される。
【0586】
一方、液晶表示器42には、特別な処理が行われないため、時刻t2において決定したはずれ時変動パターンに基づいて特別図柄Aに対応する演出図柄の変動表示が継続して実行される。
【0587】
また、可動液晶表示器43,44には、停止図柄として小当り図柄の情報を含む図柄停止表示中コマンドが主制御装置70から演出制御装置124に送信されたことに基づいて、小当りを報知する演出図柄が例えば僅かに揺れている状態で表示される。
【0588】
時刻t3から所定時間が経過した時刻t4(特別図柄Bの停止表示時間が終了(すなわち図柄確定中の期間が満了)した時刻)において、小当り図柄停止コマンドが生成される(
図28中のステップS4250参照)ことに基づいて、特
図B表示装置35には、小当り図柄が停止表示される。特
図B表示装置35に小当り図柄が停止表示されると、その後小当り遊技が開始される。
【0589】
また、小当り図柄停止コマンドが主制御装置70から演出制御装置124に送信されたことに基づいて、時刻t4において可動液晶表示器43には、僅かに揺れている状態で表示されていた演出図柄が停止する。これにより、可動液晶表示器43には、小当りを報知するための演出図柄が停止表示される。その後、可動液晶表示器43,44には、小当り遊技の開始に伴って、小当り遊技用の演出が表示される。
【0590】
時刻t4から所定時間が経過した時刻t5において、時刻t2において決定された特別図柄Aに対応する演出図柄の変動時間が終了する。時刻t5では、特別図柄Aの変動時間の計測が中断中である。このため、主制御装置70から演出制御装置124に対して図柄停止コマンドは送信されない。このため、液晶表示器42には、時刻t2における内部抽選の結果であるはずれを報知する演出図柄が例えば僅かに揺れている状態で表示される。一方、可動液晶表示器43,44には、小当り遊技用の演出が継続される。
【0591】
時刻t5から所定時間が経過した時刻t6において、小当り遊技が終了する。
図52に示す並行変動例では、時刻t6以降の時点において特別図柄1及び特別図柄2のいずれの特別図柄作動記憶球数も「0」であるとする。このため、主制御CPU72は、
図17に示す特別図柄変動前演出のデモ設定処理(ステップS2500)を実行し、デモ演出用コマンドを生成する。生成されたデモ演出用コマンドが主制御装置70から演出制御装置124に送信されたことに基づいて、時刻t6において可動液晶表示器43,44には、客待ち演出が実行される(ステップS602(
図44参照))。
【0592】
一方、小当り時終了処理(
図39参照)において、特別図柄変動計測中断フラグがリセットされる(ステップS6506)。これにより、特別図柄Aの変動時間の計測が再開される。このように、主制御CPU72は、特
図B表示装置35による実行中の特別図柄Bの変動表示が終了してから主制御CPU72による小当り遊技が終了するまでの期間で特別図柄Aの変動表示の実行時間の計測を中断する。ここで、特別図柄Bの変動表示が終了するタイミングは、特別図柄Bが変動している状態から図柄確定中の状態に切り替わるタイミングである。
一方、液晶表示器42に対して特別な処理は行われないため、液晶表示器42には、時刻t5において開始された演出図柄の僅かに揺れている状態が継続して表示される。
【0593】
時刻t6から所定時間が経過した時刻t7において、特
図A表示装置34における特別図柄Aの変動タイマの値が「0」になって特別図柄変動中処理(
図27参照)が終了するとともに特別図柄停止表示中処理(
図28参照)が開始されはずれ図柄の停止が指定される。
【0594】
また、液晶表示器42には、停止図柄としてはずれ図柄の情報を含む図柄停止表示中コマンドが主制御装置70から演出制御装置124に送信される。液晶表示器42には、はずれを報知する演出図柄が僅かに揺れている状態で時刻t5から表示されている。このため、図柄停止表示中コマンドが主制御装置70から演出制御装置124に送信されたとしても、液晶表示器42の表示状態は変化しない。これにより、液晶表示器42には、はずれを報知する演出図柄が僅かに揺れている状態が継続して表示される。
【0595】
この時、特
図B表示装置35では、特別な処理は行われず時刻t6において決定した客待ち状態が継続される。また、可動液晶表示器43,44でも特別な処理は行われず時刻t6において開始された客待ち演出が継続される。
【0596】
時刻t7から所定時間が経過した時刻t8(特別図柄Aの停止表示時間が終了(すなわち図柄確定中の期間が満了)した時刻)において、はずれ図柄停止コマンドが生成される(
図28中のステップS4250参照)ことに基づいて、特
図A表示装置34には、はずれ図柄が停止表示される。
【0597】
また、はずれ図柄停止コマンドが主制御装置70から演出制御装置124に送信されたことに基づいて、時刻t8において液晶表示器42には、僅かに揺れている状態で表示されていた演出図柄が停止する。これにより、液晶表示器42には、はずれを報知するための演出図柄が停止表示される。
【0598】
この時、特
図B表示装置35では、特別な処理は行われず時刻t6において決定した客待ち状態が継続される。また、可動液晶表示器43,44でも特別な処理は行われず時刻t6において開始された客待ち演出が継続される。
【0599】
並行変動例4において説明したように、パチンコ機1は、演出図柄の変動を表示する際に、可動液晶表示器43,44を可動させない強制待機状態とすることができる。これにより、パチンコ機1は、液晶表示器42の前面に可動液晶表示器43,44を配置させない状態とすることができる。このため、パチンコ機1は、特別図柄A及び特別図柄Bの並行変動において、液晶表示器42で表示されている演出図柄の変動の視認性を確保することができる。
【0600】
また、パチンコ機1は、可動液晶表示器43,44を可動させない強制待機状態とすることにより、可動液晶表示器43,44の視認性も確保できる。このため、パチンコ機1は、特別図柄Bの内部抽選の結果を報知するための演出を液晶表示器42ではなく可動液晶表示器43,44で実行することができる。その結果、パチンコ機1は、特別図柄Bの内部抽選の結果を報知するための演出を可動液晶表示器43,44から液晶表示器42に切り替える機会を減らすことができるので、液晶表示器42及び可動液晶表示器43,44の制御負荷を低減することができる。
【0601】
また、パチンコ機1は、可動液晶表示器43,44を可動させない強制待機状態とすることにより、可動液晶表示器43,44において停止表示された演出図柄を確実に停止した状態として遊技者に認識させることができる。これにより、パチンコ機1は、特
図B表示装置35に停止表示される停止図柄と、可動液晶表示器43,44に停止表示される停止図柄とが一致していないという不適合と誤解される可能性を回避することができる。
【0602】
〔特別図柄及び演出図柄の表示態様例〕
次に、特別図柄及び演出図柄の表示態様例について
図49から
図52を参照しつつ、
図53から
図60を用いて説明する。以下、
図49から
図52を用いて説明した特別図柄A及び特別図柄Bの並行変動例1から4での特別図柄及び演出図柄の表示態様例について説明する。
【0603】
(並行変動例1)
図53及び
図54は、本実施形態によるパチンコ機1の並行変動例1において実行される特別図柄及び演出図柄の変動態様の一例を模式的に示す図である。
図53及び
図54並びに後述する
図55から
図60では、中央に液晶表示器42が模式的に示され、液晶表示器42の右側に可動液晶表示器43が模式的に示され、液晶表示器42の左側に、左から順に特
図A表示装置34及び特
図B表示装置35が模式的に示されている。
図53及び
図54並びに後述する
図55から
図60において、特
図A表示装置34を構成するセグメント及び特
図B表示装置35を構成するセグメントが、点灯している状態は黒色により表され、消灯している状態は白色により表され、点滅している状態は網掛けにより表されている。なお、
図53及び
図54並びに後述する
図55から
図60では、理解を容易にするため、特
図A表示装置34、特
図B表示装置35、液晶表示器42及び可動液晶表示器43の大きさ及び配置位置は
図1での大きさ及び配置位置とは異ならせて図示されている。また、
図53及び
図54並びに後述する
図55から
図60では、可動液晶表示器44の図示は省略されている。
【0604】
図53(a)から
図54(c)、
図54(a)及び
図54(b)は、この順に時の経過が表されている。また、
図53(a)は
図49に示す時刻t1での状態を例示し、
図53(b)は
図49に示す時刻t2での状態を例示し、
図53(c)は
図49に示す時刻t3での状態を例示し、
図54(a)は
図49に示す時刻t4での状態を例示し、
図54(b)は
図49に示す時刻t4から所定時間経過後の時刻での状態を例示している。また、パチンコ機1の遊技状態は通常状態であり、特別図柄A作動記憶数及び特別図柄B作動記憶数は、いずれも「0」であるとする。
【0605】
図53(a)に示すように、時刻t1において、特
図A表示装置34では、中央のセグメントのみが点滅し、例えば大当りに係る特別図柄Aの変動表示が実行されている。一方、特
図B表示装置35では、中央のセグメントのみが点灯し、前回の変動表示による内部抽選の結果として「はずれ」を報知した状態が維持されて特別図柄Bの変動表示が実行されていない。また、液晶表示器42の表示画面内のほぼ中央には、特
図A表示装置34が実行している特別図柄Aの変動表示に対応させて図中の下向きの太矢印に示す方向に順次回転移動(スクロール)して変動する演出図柄420a,420b,420cが表示されている。さらに、可動液晶表示器43の表示画面内の下部には、特
図B表示装置35で停止表示されている特別図柄Bのはずれ図柄に対応して、演出図柄430a,430b,430cによるはずれ図柄として「5」「3」「9」が停止表示されている。
【0606】
時刻t1から所定時間が経過した時刻t2において、第2始動入賞口27に遊技球が入球したとする。パチンコ機1に設けられた主制御CPU72は、割込管理処理(
図9参照)のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)における特別図柄B記憶更新処理(
図12参照)において次のように処理する。特別図柄B記憶更新処理において、主制御CPU72は、特別図柄B作動記憶数が「0」であって最大値(本例では「4」)より小さいことを確認し(ステップS40:Yes)、特別図柄B作動記憶数に「1」を加算し(ステップS41)、特別図柄B大当り決定乱数値を取得して記憶し(ステップS42)、特別図柄B大当り図柄乱数値を取得して記憶し(ステップS43)、特別図柄B変動用乱数値を取得して記憶し(ステップS44)、その後ステップS45からステップS49の処理を実行する。
【0607】
また、主制御CPU72は、割込管理処理の特別図柄B遊技処理(ステップS205a)における特別図柄変動前処理(ステップS2000)において次のように処理する。特別図柄変動前処理(
図17参照)において、主制御CPU72は、対象の特別図柄作動記憶数(特別図柄B作動記憶数)が「1」であって「0」より大きいことを確認し(ステップS2100:Yes)、特別図柄Aが変動表示中であって他方の図柄停止表示中フラグが1でないことを確認し(ステップS2120:No)、特別図柄記憶エリアシフト処理(ステップS2200)を実行して、大当り判定処理(ステップS2300)を実行する。
【0608】
主制御CPU72は、大当り判定処理において、小当りに当選したと判定し、対象の小当りフラグ(特別図柄Bに係る小当りフラグ)の値を「01H」にセットする。続いて、主制御CPU72は、対象の大当りフラグの値が「01H」ではなく(ステップS2400:No)、対象の小当りフラグの値が「01H」であることを確認する(ステップS2401:Yes)。続いて、主制御CPU72は、小当り時停止図柄を決定し(ステップS2405)、小当り時変動パターンを決定し(ステップS2406)、小当り時その他処理を実行し(ステップS2407)、特別図柄の変動開始フラグや図柄変動中フラグをセットするとともに変動開始コマンドを生成する(ステップS2411)。変動開始コマンドには、変動の対象が特別図柄Bであることを示す情報が含まれる。また、主制御CPU72は、割込管理処理の演出制御出力処理(ステップS212)において、生成した変動開始コマンドを演出制御装置124に送信する。
【0609】
これにより、
図53(b)に示すように、特
図B表示装置35は、主制御CPU72に制御されて、中央のセグメントのみを点滅する特別図柄Bの変動表示を開始する。また、演出制御CPU126は、受信した変動開始コマンドに基づいて、演出表示制御装置144に対して特別図柄Bに対応する演出図柄の変動表示の開始を指示する。これにより、可動液晶表示器43は、演出表示制御装置144に制御されて、図中の下向きの太矢印に示す方向に順次回転移動(スクロール)して変動する演出図柄430a,430b,430cの表示を開始する。このように、演出図柄430a,430b,430cの変動演出は、特別図柄Bの変動表示の変動開始コマンドに基づいている。したがって、特
図B表示装置35が実行する特別図柄Bの図柄表示は、演出図柄430a,430b,430cの変動演出の契機となる。
【0610】
時刻t2において、特
図A表示装置34及び液晶表示器42に対して特別な処理は行われず、時刻t1においてすでに開始していた大当り時変動パターンに基づいて特別図柄A及び演出図柄420a,420b,420cの変動表示が継続して実行される。こうして、パチンコ機1は、特別図柄A及び特別図柄Bの並行変動(同時回し)を開始する。
【0611】
時刻t2から所定時間が経過した時刻t3において、特
図A表示装置34における特別図柄Aの変動タイマの値が「0」になったとする。主制御CPU72は、割込管理処理の特別図柄A遊技処理(ステップS205b)における特別図柄変動中処理(ステップS3900(
図15参照))において次のように処理する。特別図柄変動中処理(
図27参照)において、主制御CPU72は、制御対象である特別図柄Aの特別図柄変動計測中断フラグの値が「01H」でないことを確認し(ステップS3100:No)、変動タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)し(ステップS3200)、減算後の変動タイマの値が0以下であることを確認し(ステップS3300:Yes)、他方の特別図柄である特別図柄Bの特別図柄変動計測中断予定フラグの値が「01H」でないことを確認し(ステップS3400:No)、特別図柄Aに係る図柄停止表示中フラグをセットし、図柄停止表示中コマンドを生成する(ステップS3700)。図柄停止表示中コマンドには、停止表示中の対象図柄が特別図柄Aであることを示す情報が含まれる。また、主制御CPU72は、割込管理処理の演出制御出力処理(ステップS212)において、生成した図柄停止表示中コマンドを演出制御装置124に送信する。
【0612】
これにより、
図53(c)に示すように、特
図A表示装置34は、主制御CPU72に制御されて、上部及び右側の2つのセグメントを点灯し、8ラウンド大当り図柄2の表示態様で特別図柄Aの表示を開始する。また、演出制御CPU126は、受信した図柄停止表示中コマンドに基づいて、演出表示制御装置144に対して図柄確定中の態様で演出図柄420a,420b,420cの表示を開始することを指示する。これにより、液晶表示器42は、演出表示制御装置144に制御されて、8ラウンド大当り図柄2に対応する「7」「7」「7」の態様で僅かに揺れ動いている演出図柄420a,420b,420cの表示を開始する。
【0613】
時刻t3において、特
図B表示装置35及び可動液晶表示器43に対して特別な処理は行われず、時刻t2において決定した小当り時変動パターンに基づいて特別図柄B及び演出図柄420a,420b,420cの変動表示が継続して実行される。
【0614】
時刻t3から所定時間が経過した時刻t4において、特別図柄Aの停止表示時間が終了したとする。主制御CPU72は、割込管理処理の特別図柄A遊技処理(ステップS205b)における特別図柄停止表示中処理(ステップS4900(
図15参照))において次のように処理する。特別図柄停止表示中処理(
図28参照)において、主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)し、減算後の停止図柄表示タイマの値が「0」以下であって特別図柄Aの停止表示中(図柄確定中)の期間が終了したことを確認し(ステップS4200:Yes)、図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドを生成する(ステップS4250)。図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドには、停止対象の図柄として特別図柄Aの情報が含まれる。
【0615】
続いて主制御CPU72は、制御対象の特別図柄Aに係る大当りフラグに値「01H」がセットされていることを確認し(ステップS4300:Yes)、特殊停止指定コマンドを生成しセットする(ステップS4310)。時刻t4の時点において実行されている特別図柄停止表示中処理は、特別図柄A遊技処理における処理である。このため、主制御CPU72は、他方の特別図柄に相当する特別図柄Bの情報を特殊停止指定コマンドに含める。続いて、主制御CPU72は、ジャンプ先を「大当り時可変入賞装置管理処理」に設定し(ステップS4330)、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットし(ステップS4400)、「8ラウンド」を表す値として連続作動回数コマンドを生成しセットする(ステップS4500)。また、主制御CPU72は、割込管理処理の演出制御出力処理(ステップS212)において、特別図柄停止表示中処理において生成した各種コマンドを演出制御装置124に送信する。
【0616】
これにより、
図54(a)に示すように、特
図A表示装置34は、8ラウンド大当り図柄2の表示態様で特別図柄Aを停止表示する。また、演出制御CPU126は、受信した図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドに基づいて、演出表示制御装置144に対して図柄確定中の演出図柄420a,420b,420cを停止表示することを指示する。これにより、液晶表示器42は、演出表示制御装置144に制御されて、8ラウンド大当り図柄2に対応する「7」「7」「7」の表示態様で演出図柄420a,420b,420cを停止表示する。これにより、特
図A表示装置34で実行されていた特別図柄Aによる変動表示が大当りに当選したことが報知される。
【0617】
また、主制御CPU72は、特別図柄Bの情報を含む特殊停止指定コマンドを生成したことに基づいて、特
図B表示装置35を制御する。これにより、
図54(a)に示すように、特
図B表示装置35は、中央のセグメントを点灯し、内部抽選結果の小当りとは無関係な「はずれ」に相当する態様で特別図柄Bを停止表示する。
【0618】
また、演出制御CPU126は、受信した特殊停止指定コマンドには停止対象の図柄として特別図柄Bの情報が含まれていることに基づいて、可動液晶表示器43において変動表示中の演出図柄430a,430b,430cを停止表示することを演出表示制御装置144に対して指示する。演出表示制御装置144は、液晶表示器42及び可動液晶表示器43,44のうちの特殊停止指定コマンドに含まれる特別図柄Bを表示する特
図B表示装置35と連動する方に、演出制御CPU126から送信された特殊停止指定コマンドを出力する。これにより、
図54(a)に示すように、可動液晶表示器43は、演出表示制御装置144によって制御され、表示画面内の下部において内部抽選とは無関係な表示態様として例えば「はずれ」に相当する「3」「4」「2」の表示態様で演出図柄430a,430b,430cを表示する。このように、主制御CPU72は、抽選の結果を示す表示態様の特別図柄Aを特
図A表示装置34に停止表示する際に、特殊停止指定コマンドを演出表示制御装置144を介して可動液晶表示器43,44に出力するようになっている。
【0619】
「大役開始(大当り遊技中)」にセットされた内部状態フラグの情報を含むコマンドを受信すると、演出制御CPU126は、大役中演出の内容を選択し、選択した大役中演出パターンを演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示する。これにより、
図54(b)に示すように、液晶表示器42、可動液晶表示器43及び可動液晶表示器44(
図54(b)では不図示)のそれぞれの表示画面では大当り遊技中演出の画像が表示される。なお、
図54(b)では、液晶表示器42、可動液晶表示器43及び可動液晶表示器44に大当り遊技中演出の画像が表示されていることを「大当り遊技」の文字を液晶表示器42及び可動液晶表示器43に跨らせることによって表している。
【0620】
このように、パチンコ機1は、特
図A表示装置34での停止図柄と液晶表示器42での停止図柄との不一致や、特
図B表示装置35での停止図柄と可動液晶表示器43での停止図柄との不一致を防止することができる。
【0621】
(並行変動例2)
次に、本実施形態によるパチンコ機1の並行変動例2について
図50及び
図53を参照しつつ
図55を用いて説明する。
図55は、本実施形態によるパチンコ機1の並行変動例2において実行される特別図柄及び演出図柄の変動態様の一例を模式的に示す図である。
図55(a)から
図55(c)は、この順に時の経過が表されている。また、
図55(a)は
図50に示す時刻t4での状態を例示し、
図55(b)は
図50に示す時刻t5での状態を例示し、
図55(c)は
図50に示す時刻t5から所定時間経過後の時刻での状態を例示している。また、パチンコ機1の遊技状態は通常状態であり、特別図柄A作動記憶数及び特別図柄B作動記憶数は、いずれも「0」であるとする。
【0622】
並行変動例2において、パチンコ機1は、
図50に示す時刻t1から時刻t3までは並行変動例1と同様に動作する。このため、並行変動例2における時刻t3では、
図53(c)に示すように、特
図A表示装置34には、8ラウンド大当り図柄2に対応する特別図柄Aが表示され、特
図B表示装置35には、変動表示中の態様による特別図柄Bが表示されている。また、液晶表示器42の表示画面には、8ラウンド大当り図柄2に対応する「7」「7」「7」の態様で僅かに揺れ動いている演出図柄420a,420b,420cが表示され、可動液晶表示器43の表示画面には、図中の下向きの太矢印に示す方向に順次回転移動(スクロール)して変動する演出図柄430a,430b,430cが表示されている。
【0623】
時刻t3から所定時間が経過した時刻t4において、特
図B表示装置35における特別図柄Bの変動タイマの値が「0」になったとする。主制御CPU72は、割込管理処理の特別図柄B遊技処理(ステップS205a)における特別図柄変動中処理(ステップS3000(
図14参照))において次のように処理する。特別図柄変動中処理(
図27参照)において、主制御CPU72は、制御対象である特別図柄Aの特別図柄変動計測中断フラグの値が「01H」でないことを確認し(ステップS3100:No)、変動タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)し(ステップS3200)、減算後の変動タイマの値が0以下であることを確認し(ステップS3300:Yes)、他方の特別図柄である特別図柄Bの特別図柄変動計測中断予定フラグの値が「01H」でないことを確認し(ステップS3400:No)、特別図柄Bに係る図柄停止表示中フラグをセットし、図柄停止表示中コマンドを生成する(ステップS3700)。図柄停止表示中コマンドには、停止表示中の対象図柄が特別図柄Bであることを示す情報が含まれる。また、主制御CPU72は、割込管理処理の演出制御出力処理(ステップS212)において、生成した図柄停止表示中コマンドを演出制御装置124に送信する。
【0624】
これにより、
図55(a)に示すように、特
図B表示装置35は、主制御CPU72に制御されて、上部及び下部のセグメントを点灯し、小当り図柄の表示態様で特別図柄Bの表示を開始する。また、演出制御CPU126は、受信した図柄停止表示中コマンドに基づいて、演出表示制御装置144に対して図柄確定中の態様で演出図柄430a,430b,430cの表示を開始することを指示する。これにより、可動液晶表示器43は、演出表示制御装置144に制御されて、小当り図柄に対応する「1」「3」「5」の態様で僅かに揺れ動いている演出図柄430a,430b,430cの表示を開始する。
【0625】
時刻t4において、特
図A表示装置34及び液晶表示器42に対して特別な処理は行われず、特
図A表示装置34及び液晶表示器42は、時刻t3において開始された図柄確定中の表示態様を継続する。このように、パチンコ機1は、一方の特別図柄が図柄確定中の僅かな期間(例えば500ミリ秒)に他方の特別図柄の図柄確定中の表示を開始する場合がある。
【0626】
時刻t4から所定時間が経過した時刻t5において、特別図柄Aの停止表示時間が終了したとする。時刻t5におけるパチンコ機1の動作は、特
図B表示装置35及び可動液晶表示器43の制御を除いて、並行変動例1における時刻t4(
図49及び
図54(a)参照)とほぼ同様であるため、異なる点を説明する。
【0627】
主制御CPU72は、特別図柄停止表示中処理(
図28参照)において、停止対象の図柄として特別図柄Aの情報が含まれる図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドを生成しセットする(ステップS4250)。続いて主制御CPU72は、他方の特別図柄に相当する特別図柄Bの情報を含む特殊停止指定コマンドを生成しセットする(ステップS4310)。主制御CPU72は、割込管理処理の演出制御出力処理(ステップS212)において、特別図柄停止表示中処理において生成した各種コマンドを演出制御装置124に送信する。
【0628】
これにより、
図55(b)に示すように、特
図A表示装置34は、8ラウンド大当り図柄1の表示態様で特別図柄Aの表示を継続する。また、液晶表示器42は、演出表示制御装置144に制御されて、8ラウンド大当り図柄2に対応する「7」「7」「7」の表示態様で演出図柄420a,420b,420cを停止表示する。これにより、特
図A表示装置34で実行されていた特別図柄Aによる変動表示が大当りに当選したことが報知される。
【0629】
また、主制御CPU72は、特別図柄Bの情報を含む特殊停止指定コマンドを生成したことに基づいて、特
図B表示装置35を制御する。これにより、
図55(b)に示すように、特
図B表示装置35は、小当り図柄の表示態様を、内部抽選結果の小当りとは無関係な「はずれ」に相当する態様に切り替えて特別図柄Bを停止表示する。
【0630】
また、演出表示制御装置144は、液晶表示器42及び可動液晶表示器43,44のうちの特殊停止指定コマンドに含まれる特別図柄Bを表示する特
図B表示装置35と連動する方に、演出制御CPU126から送信された特殊停止指定コマンドを出力する。これにより、可動液晶表示器43は、演出表示制御装置144によって制御され、表示画面内の下部において、小当り図柄に対応する「1」「3」「5」の態様で僅かに揺れ動いている演出図柄430a,430b,430cを「1」「3」「5」の態様のまま停止表示するのではなく、内部抽選とは無関係な例えば「はずれ」に相当する「4」「5」「2」の態様に切り替えて演出図柄430a,430b,430cを停止表示する。
【0631】
特
図A表示装置34及び特
図B表示装置35がそれぞれ特別図柄を停止表示し、液晶表示器42及び可動液晶表示器43がそれぞれ演出図柄を停止表示した後に、
図55(c)に示すように、液晶表示器42、可動液晶表示器43及び可動液晶表示器44(
図54(b)では不図示)のそれぞれの表示画面では大当り遊技中演出の画像が表示される。
【0632】
このように、パチンコ機1は、特
図A表示装置34での停止図柄と液晶表示器42での停止図柄との不一致や、特
図B表示装置35での停止図柄と可動液晶表示器43での停止図柄との不一致を防止することができる。また、パチンコ機1は、一方の特別図柄が図柄確定中の僅かな期間に、小当りに係る他方の特別図柄の図柄確定中の表示を開始したとしても、特殊停止指定コマンドを用いることにより、他方の特別図柄の停止表示態様と、この他方の特別図柄に対応する演出図柄の停止表示態様とを一致させることができる。このように、パチンコ機1は、特殊停止指定コマンドを用いるという簡便な方法で、特図表示装置と液晶表示器及び可動液晶表示器との不適合を防止できる。
【0633】
(並行変動例3)
次に、本実施形態によるパチンコ機1の並行変動例3について
図51を参照しつつ
図56及び
図57を用いて説明する。
図56及び
図57は、本実施形態によるパチンコ機1の並行変動例3において実行される特別図柄及び演出図柄の変動態様の一例を模式的に示す図である。
図56(a)から
図55(c)、
図57(a)及び
図57(b)は、この順に時の経過が表されている。また、
図56(a)は
図51に示す時刻t1での状態を例示し、
図56(b)は
図51に示す時刻t2での状態を例示し、
図56(c)は
図51に示す時刻t3での状態を例示し、
図57(a)は
図51に示す時刻t4での状態を例示し、
図57(b)は
図51に示す時刻t4から所定時間経過後の時刻での状態を例示している。また、パチンコ機1の遊技状態は通常状態であり、特別図柄A作動記憶数及び特別図柄B作動記憶数は、いずれも「0」であるとする。
【0634】
図56(a)に示すように、時刻t1において、特
図B表示装置35では、中央のセグメントのみが点滅し、例えば大当りに係る特別図柄Bの変動表示が実行されている。一方、特
図A表示装置34では、中央のセグメントのみが点灯し、前回の変動表示による内部抽選の結果として「はずれ」を報知した状態が維持されて特別図柄Aの変動表示が実行されていない。また、可動液晶表示器43の表示画面内の下部には、特
図B表示装置35が実行している特別図柄Bの変動表示に対応させて図中の下向きの太矢印に示す方向に順次回転移動(スクロール)して変動する演出図柄430a,430b,430cが表示されている。さらに、液晶表示器42の表示画面内の中央には、特
図A表示装置34で停止表示されている特別図柄Aのはずれ図柄に対応して、演出図柄420a,420b,420cによるはずれ図柄として「5」「1」「3」が停止表示されている。
【0635】
時刻t1から所定時間が経過した時刻t2において、第1始動入賞口26に遊技球が入球したとする。パチンコ機1に設けられた主制御CPU72は、割込管理処理(
図9参照)のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)における特別図柄A記憶更新処理(
図11参照)において次のように処理する。特別図柄A記憶更新処理において、主制御CPU72は、特別図柄A作動記憶数が「0」であって最大値(本例では「4」)より小さいことを確認し(ステップS30:Yes)、特別図柄A作動記憶数に「1」を加算し(ステップS31)、特別図柄A大当り決定乱数値を取得して記憶し(ステップS32)、特別図柄A大当り図柄乱数値を取得して記憶し(ステップS33)、特別図柄A変動用乱数値を取得して記憶し(ステップS34)、その後ステップS35からステップS39の処理を実行する。
【0636】
また、主制御CPU72は、割込管理処理の特別図柄A遊技処理(ステップS205b)における特別図柄変動前処理(ステップS2900)において次のように処理する。特別図柄変動前処理(
図17参照)において、主制御CPU72は、対象の特別図柄作動記憶数(特別図柄A作動記憶数)が「1」であって「0」より大きいことを確認し(ステップS2100:Yes)、特別図柄Bが変動表示中であって他方の図柄停止表示中フラグが1でないことを確認し(ステップS2120:No)、特別図柄記憶エリアシフト処理(ステップS2200)を実行して、大当り判定処理(ステップS2300)を実行する。
【0637】
主制御CPU72は、大当り判定処理において、非当選(はずれ)であると判定し、対象の大当りフラグ(特別図柄Bに係る大当りフラグ)及び対象の小当りフラグ(特別図柄Bに係る小当りフラグ)の値を「00H」にセット(リセット)する。続いて、主制御CPU72は、対象の大当りフラグの値が「01H」ではなく(ステップS2400:No)、対象の小当りフラグの値が「01H」でないことを確認する(ステップS2401:No)。続いて、主制御CPU72は、はずれ時停止図柄を決定し(ステップS2408)、はずれ時変動パターンを決定し(ステップS2409)、はずれ時図柄変動の停止タイミング判定処理を実行する(ステップS2410)。
【0638】
はずれ時図柄変動の停止タイミング判定処理(
図19)において、主制御CPU72は、現在の処理が特別図柄A遊技処理におけるはずれ時図柄変動の停止タイミング判定処理であるため、対象の特別図柄が特別図柄Aであると判定する(ステップS2406a:Yes)。続いて主制御CPU72は、ステップS2409で決定したはずれ時変動パターンに基づく特別図柄Aの図柄変動の時間と、現在実行中の特別図柄Bの図柄変動の残り時間とを比較し、特別図柄Bの図柄変動の方が特別図柄Aの図柄変動よりも先に停止すると判定し(ステップS2406b:Yes)、可動液晶表示器の初期位置待機コマンドを生成してセットする(ステップS2406c)。続いて主制御CPU72は、現在実行中の特別図柄Bが大当りに係る変動表示であるため、特別図柄Bに係る大当りフラグの値が「01H」であることを確認し(ステップS2406dのYes)、特殊演出変動パターンコマンドを生成してセットし(ステップS2406e)、特別図柄変動前処理に戻って特別図柄変動開始処理(ステップS2411)を実行する。
【0639】
特別図柄変動開始処理において、主制御CPU72は、特別図柄の変動開始フラグや図柄変動中フラグをセットするとともに変動開始コマンドを生成する(ステップS2411)。変動開始コマンドには、変動の対象が特別図柄Aであることを示す情報が含まれる。また、主制御CPU72は、割込管理処理の演出制御出力処理(ステップS212)において、生成した初期位置待機コマンド、特殊演出変動パターンコマンド及び変動開始コマンドなどを演出制御装置124に送信する。
【0640】
時刻t2において、特
図B表示装置35に対して特別な処理は行われず、時刻t1においてすでに開始していた大当り時変動パターンに基づいて特別図柄Aの変動表示が継続して実行される。
【0641】
一方、演出制御CPU126は、受信した初期位置待機コマンドに基づいて、可動液晶表示器43の駆動用ICに対して可動液晶表示器43を初期位置に待機させるための制御信号を出力し、可動液晶表示器44の駆動用ICに対して可動液晶表示器44を初期位置に待機させるための制御信号を出力する。可動液晶表示器43の駆動用ICは、可動体ソレノイド58を駆動して可動液晶表示器43を移動させる。また、可動液晶表示器44の駆動用ICは、可動体ソレノイド59を駆動して可動液晶表示器44を移動させる。これにより、
図56(b)に示すように、可動液晶表示器43は、液晶表示器42の前面から退避されて液晶表示器42には重ならないように液晶表示器42の右側に設けられた初期位置に強制的に移動されて一時的に非可動状態となる。同様に、可動液晶表示器44(
図56及び
図57では不図示)は、液晶表示器42の前面から退避されて液晶表示器42には重ならないように液晶表示器42の左側に設けられた初期位置に強制的に移動されて一時的に非可動状態となる。これにより、液晶表示器42の表示画面の視認性が確保される。また、可動液晶表示器43,44は、停止した状態で液晶表示器42の両側に配置されることにより、表示画面の視認性が確保される。このように、可動液晶表示器43,44は、特
図A表示装置34による特別図柄Aの変動表示よりも先に特別図柄Bの変動表示が終了する場合、初期位置に待機される。
【0642】
また、
図56(b)に示すように、特
図A表示装置34は、主制御CPU72に制御されて、中央のセグメントのみを点滅する特別図柄Aの変動表示を開始する。さらに、演出制御CPU126は、受信した変動開始コマンドに基づいて、演出表示制御装置144に対して特別図柄Aに対応する演出図柄の変動表示の開始を指示する。これにより、液晶表示器42は、演出表示制御装置144に制御されて、図中の下向きの太矢印に示す方向に順次回転移動(スクロール)して変動する演出図柄420a,420b,420cの表示が開始する。このように、演出図柄420a,420b,420cの変動演出は、特別図柄Aの変動表示の変動開始コマンドに基づいている。したがって、特
図A表示装置34が実行する特別図柄Aの図柄表示は、演出図柄420a,420b,420cの変動演出の契機となる。
【0643】
さらに、演出制御CPU126は、受信した特殊演出変動パターンコマンドに基づいて、演出表示制御装置144に対して、可動液晶表示器43において実行中の演出図柄420a,420b,420cが大当りを報知することを示唆する大当り示唆演出の開始を指示する。これにより、液晶表示器42は、演出表示制御装置144に制御されて、変動表示中の演出図柄420a,420b,420cの上方に、大当り示唆演出を開始する。
図56(b)では、大当り示唆演出として、「右の画面に注目!激アツ中!!」という文字を表した画像を表示する。これにより、パチンコ機1は、遊技の進行におけるメイン表示器である液晶表示器42での変動演出ではなく、遊技の進行におけるサブ表示器である可動液晶表示器43での変動演出を遊技者に注目させることができる。
こうして、パチンコ機1は、特別図柄A及び特別図柄Bの並行変動(同時回し)を開始する。
【0644】
時刻t2から所定時間が経過した時刻t3において、特
図B表示装置35における特別図柄Bの変動タイマの値が「0」になったとする。主制御CPU72は、割込管理処理の特別図柄B遊技処理(ステップS205a)における特別図柄変動中処理(ステップS3000(
図14参照))において次のように処理する。特別図柄変動中処理(
図27参照)において、主制御CPU72は、制御対象の特別図柄Bの特別図柄変動計測中断フラグの値が「01H」でないことを確認し(ステップS3100:No)、変動タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)し(ステップS3200)、減算後の変動タイマの値が0以下であることを確認し(ステップS3300:Yes)、他方の特別図柄である特別図柄Aの特別図柄変動計測中断予定フラグの値が「01H」でないことを確認し(ステップS3400:No)、特別図柄Bに係る図柄停止表示中フラグをセットし、図柄停止表示中コマンドを生成する(ステップS3700)。図柄停止表示中コマンドには、停止表示中の対象図柄が特別図柄Bであることを示す情報が含まれる。また、主制御CPU72は、割込管理処理の演出制御出力処理(ステップS212)において、生成した図柄停止表示中コマンドを演出制御装置124に送信する。
【0645】
これにより、
図56(c)に示すように、特
図B表示装置35は、主制御CPU72に制御されて、上部及び右側の2つのセグメントを点灯し、8ラウンド大当り図柄2の表示態様で特別図柄Bの表示を開始する。また、演出制御CPU126は、受信した図柄停止表示中コマンドに基づいて、演出表示制御装置144に対して図柄確定中の態様で演出図柄430a,430b,430cの表示を開始することを指示する。これにより、可動液晶表示器43は、演出表示制御装置144に制御されて、8ラウンド大当り図柄2に対応する「7」「7」「7」の態様で僅かに揺れ動いている演出図柄430a,430b,430cの表示を開始する。
【0646】
時刻t3において、特
図A表示装置34及び液晶表示器42に対して特別な処理は行われず、特
図A表示装置34は、時刻t2において開始した特別図柄Aの変動表示を継続する。一方、液晶表示器42は、時刻t2において開始した演出図柄420a,420b,420cの変動演出と、大当り示唆演出を継続する。
【0647】
時刻t3から所定時間が経過した時刻t4において、特別図柄Bの停止表示時間が終了したとする。主制御CPU72は、割込管理処理の特別図柄B遊技処理(ステップS205a)における特別図柄停止表示中処理(ステップS4000(
図14参照))において次のように処理する。特別図柄停止表示中処理(
図28参照)において、主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)し、減算後の停止図柄表示タイマの値が「0」以下であって特別図柄Bの停止表示中(図柄確定中)の期間が終了したことを確認し(ステップS4200:Yes)、図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドを生成する(ステップS4250)。図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドには、停止対象の図柄として特別図柄Bの情報が含まれる。
【0648】
続いて主制御CPU72は、特別図柄Bに係る大当りフラグの値が「01H」であることを確認し(ステップS4300:Yes)、特殊停止指定コマンドを生成しセットする(ステップS4310)。時刻t4の時点において実行されている特別図柄停止表示中処理は、特別図柄B遊技処理における処理である。このため、主制御CPU72は、他方の特別図柄に相当する特別図柄Aの情報を特殊停止指定コマンドに含める。続いて、主制御CPU72は、ジャンプ先を「大当り時可変入賞装置管理処理」に設定し(ステップS4330)、制御上の内部状態フラグとして「大役開始(大当り遊技中)」をセットし(ステップS4400)、「8ラウンド」を表す値として連続作動回数コマンドを生成しセットする(ステップS4500)。また、主制御CPU72は、割込管理処理の演出制御出力処理(ステップS212)において、特別図柄停止表示中処理において生成した特殊停止指定コマンドや図柄停止コマンドなどの各種コマンドを演出制御装置124に送信する。
【0649】
これにより、
図57(a)に示すように、特
図B表示装置35は、8ラウンド大当り図柄2の表示態様で特別図柄Bを停止表示する。また、演出制御CPU126は、受信した図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドに基づいて、演出表示制御装置144に対して図柄確定中の演出図柄430a,430b,430cを停止表示することを指示する。これにより、可動液晶表示器43は、演出表示制御装置144に制御されて、8ラウンド大当り図柄2に対応する「7」「7」「7」の表示態様で演出図柄430a,430b,430cを停止表示する。これにより、特
図B表示装置35で実行されていた特別図柄Bによる変動表示が大当りに当選したことが報知される。このように、可動液晶表示器43,44は、液晶表示器42による演出図柄420a,420b,420cの変動演出(第一変動演出の一例)よりも先に演出図柄430a,430b,430cの変動演出(第二変動演出の一例)を終了する場合、初期位置に待機される。
【0650】
また、主制御CPU72は、特別図柄Aの情報を含む特殊停止指定コマンドを生成したことに基づいて、特
図A表示装置34を制御する。これにより、
図57(a)に示すように、特
図A表示装置34は、中央のセグメントを点灯し、内部抽選結果のはずれとは無関係な「はずれ」に相当する態様で特別図柄Aを停止表示する。
【0651】
また、演出制御CPU126は、受信した特殊停止指定コマンドには停止対象の図柄として特別図柄Aの情報が含まれていることに基づいて、液晶表示器42において変動表示中の演出図柄420a,420b,420cを停止表示することと、大当り示唆演出を終了することとを演出表示制御装置144に対して指示する。このため、演出表示制御装置144は、液晶表示器42及び可動液晶表示器43,44のうちの特殊停止指定コマンドに含まれる特別図柄Aを表示する特
図A表示装置34と連動する方に、演出制御CPU126から送信された特殊停止指定コマンドを出力する。これにより、
図57(a)に示すように、液晶表示器42は、演出表示制御装置144によって制御され、表示画面内の中央において内部抽選とは無関係な表示態様として例えば「はずれ」に相当する「6」「2」「4」の表示態様で演出図柄420a,420b,420cを表示する。また、液晶表示器42は、演出表示制御装置144によって制御され、「右の画面に注目!激アツ中!!」の文字画像を消去して大当り示唆演出を終了する。液晶表示器42の中央で目立つ態様ではずれ図柄が表示しても、大当り示唆演出によって遊技者に注目させていた可動液晶表示器43において大当り図柄が表示されるので、パチンコ機1は遊技者の興趣が低下してしまうのを防止できる。
【0652】
「大役開始(大当り遊技中)」にセットされた内部状態フラグの情報を含むコマンドを受信すると、演出制御CPU126は、大役中演出の内容を選択し、選択した大役中演出パターンを演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示する。これにより、
図57(b)に示すように、液晶表示器42、可動液晶表示器43及び可動液晶表示器44(
図57(b)では不図示)のそれぞれの表示画面では大当り遊技中演出の画像が表示される。なお、
図57(b)では、液晶表示器42、可動液晶表示器43及び可動液晶表示器44に大当り遊技中演出の画像が表示されていることを「大当り遊技」の文字を液晶表示器42及び可動液晶表示器43に跨らせることによって表している。
【0653】
このように、パチンコ機1は、特別図柄Aの変動表示を強制的に終了しても、特
図A表示装置34での停止図柄と液晶表示器42での停止図柄とが不一致となることを防止できる。また、特別図柄Aは、変動中に特別図柄Bが大当り確定となることよって、内部抽選の結果に関係なく強制的にはずれに相当する態様で停止する。このため、特別図柄Aの専用の演出モード中に特別図柄Bの抽選に係る大当りを示唆する特
図B示唆演出を実行しても、特別図柄Aの抽選結果を主要報知する液晶表示器42の表示制御の状況下で問題は発生しない。
【0654】
(並行変動例4)
次に、本実施形態によるパチンコ機1の並行変動例4について
図52を参照しつつ
図58から
図60を用いて説明する。
図58から
図60は、本実施形態によるパチンコ機1の並行変動例4において実行される特別図柄及び演出図柄の変動態様の一例を模式的に示す図である。
図58(a)から
図58(c)、
図59(a)から
図59(c)、
図60(a)及び
図60(b)は、この順に時の経過が表されている。また、
図58(a)は
図52に示す時刻t1での状態を例示し、
図58(b)は
図52に示す時刻t2での状態を例示し、
図58(c)は
図52に示す時刻t3での状態を例示している。また、
図59(a)は
図52に示す時刻t4での状態を例示し、
図59(b)は
図52に示す時刻t5での状態を例示し、
図59(c)は
図52に示す時刻t6での状態を例示している。また、
図60(a)は
図52に示す時刻t7での状態を例示し、
図60(b)は
図52に示す時刻t8から所定時間経過後の時刻での状態を例示している。また、パチンコ機1の遊技状態は通常状態であり、特別図柄A作動記憶数及び特別図柄B作動記憶数は、いずれも「0」であるとする。
【0655】
図58(a)に示すように、時刻t1において、特
図B表示装置35では、中央のセグメントのみが点滅し、例えば小当りに係る特別図柄Bの変動表示が実行されている。一方、特
図A表示装置34では、中央のセグメントのみが点灯し、前回の変動表示による内部抽選の結果として「はずれ」を報知した状態が維持されて特別図柄Aの変動表示が実行されていない。さらに、可動液晶表示器43の表示画面内の下部には、特
図B表示装置35が実行している特別図柄Bの変動表示に対応させて図中の下向きの太矢印に示す方向に順次回転移動(スクロール)して変動する演出図柄430a,430b,430cが表示されている。さらに、液晶表示器42の表示画面内の中央には、特
図A表示装置34で停止表示されている特別図柄Aのはずれ図柄に対応して、演出図柄420a,420b,420cによるはずれ図柄として「5」「1」「3」が停止表示されている。
【0656】
時刻t1から所定時間が経過した時刻t2において、第1始動入賞口26に遊技球が入球したとする。パチンコ機1に設けられた主制御CPU72は、割込管理処理(
図9参照)のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)における特別図柄A記憶更新処理(
図11参照)において次のように処理する。特別図柄A記憶更新処理において、主制御CPU72は、特別図柄A作動記憶数が「0」であって最大値(本例では「4」)より小さいことを確認し(ステップS30:Yes)、特別図柄A作動記憶数に「1」を加算し(ステップS31)、特別図柄A大当り決定乱数値を取得して記憶し(ステップS32)、特別図柄A大当り図柄乱数値を取得して記憶し(ステップS33)、特別図柄A変動用乱数値を取得して記憶し(ステップS34)、その後ステップS35からステップS39の処理を実行する。
【0657】
また、主制御CPU72は、割込管理処理の特別図柄A遊技処理(ステップS205b)における特別図柄変動前処理(ステップS2900)において次のように処理する。特別図柄変動前処理(
図17参照)において、主制御CPU72は、対象の特別図柄作動記憶数(特別図柄A作動記憶数)が「1」であって「0」より大きいことを確認し(ステップS2100:Yes)、特別図柄Bが変動表示中であって他方の図柄停止表示中フラグが1でないことを確認し(ステップS2120:No)、特別図柄記憶エリアシフト処理(ステップS2200)を実行して、大当り判定処理(ステップS2300)を実行する。
【0658】
主制御CPU72は、大当り判定処理において、非当選(はずれ)であると判定し、対象の大当りフラグ(特別図柄Bに係る大当りフラグ)及び対象の小当りフラグ(特別図柄Bに係る小当りフラグ)の値を「00H」にセット(リセット)する。続いて、主制御CPU72は、対象の大当りフラグの値が「01H」ではなく(ステップS2400:No)、対象の小当りフラグの値が「01H」でないことを確認する(ステップS2401:No)。続いて、主制御CPU72は、はずれ時停止図柄を決定し(ステップS2408)、はずれ時変動パターンを決定し(ステップS2409)、はずれ時図柄変動の停止タイミング判定処理を実行する(ステップS2410)。
【0659】
はずれ時図柄変動の停止タイミング判定処理(
図19)において、主制御CPU72は、現在の処理が特別図柄A遊技処理におけるはずれ時図柄変動の停止タイミング判定処理であるため、対象の特別図柄が特別図柄Aであると判定する(ステップS2406a:Yes)。続いて主制御CPU72は、ステップS2409で決定したはずれ時変動パターンに基づく特別図柄Aの図柄変動の時間と、現在実行中の特別図柄Bの図柄変動の残り時間とを比較し、特別図柄Bの図柄変動の方が特別図柄Aの図柄変動よりも先に停止すると判定し(ステップS2406b:Yes)、可動液晶表示器の初期位置待機コマンドを生成してセットする(ステップS2406c)。続いて主制御CPU72は、現在実行中の特別図柄Bが小当りに係る変動表示であるため、特別図柄Bに係る大当りフラグの値が「00H」であって「01H」でないことを確認し(ステップS2406dのNo)、図柄変動計測中断予定フラグをセットし(ステップS2406f)、特別図柄変動前処理に戻って特別図柄変動開始処理(ステップS2411)を実行する。
【0660】
特別図柄変動開始処理において、主制御CPU72は、特別図柄の変動開始フラグや図柄変動中フラグをセットするとともに変動開始コマンドを生成する(ステップS2411)。変動開始コマンドには、変動の対象が特別図柄Aであることを示す情報が含まれる。また、主制御CPU72は、割込管理処理の演出制御出力処理(ステップS212)において、生成した初期位置待機コマンド及び変動開始コマンドを演出制御装置124に送信する。
【0661】
時刻t2において、特
図B表示装置35に対して特別な処理は行われず、時刻t1においてすでに開始していた大当り時変動パターンに基づいて特別図柄Aの変動表示が継続して実行される。
【0662】
一方、演出制御CPU126は、受信した初期位置待機コマンドに基づいて、可動液晶表示器43の駆動用ICに対して可動液晶表示器43を初期位置に待機させるための制御信号を出力し、可動液晶表示器44の駆動用ICに対して可動液晶表示器44を初期位置に待機させるための制御信号を出力する。これにより、可動液晶表示器43,44は、並行変動例3と同様に駆動用ICに制御される。その結果、
図58(b)に示すように、可動液晶表示器43は、液晶表示器42の前面から退避されて液晶表示器42には重ならないように液晶表示器42の右側に設けられた初期位置に強制的に移動されて一時的に非可動状態となる。同様に、可動液晶表示器44(
図58から
図60では不図示)は、液晶表示器42の前面から退避されて液晶表示器42には重ならないように液晶表示器42の左側に設けられた初期位置に強制的に移動されて一時的に非可動状態となる。これにより、液晶表示器42及び可動液晶表示器43,44のそれぞれの表示画面の視認性が確保される。このように、可動液晶表示器43,44は、特
図A表示装置34による特別図柄Aの変動表示よりも先に特別図柄Bの変動表示が終了する場合、初期位置に待機される。
【0663】
また、
図58(b)に示すように、特
図A表示装置34は、主制御CPU72に制御されて、中央のセグメントのみを点滅する特別図柄Aの変動表示を開始する。さらに、演出制御CPU126は、受信した変動開始コマンドに基づいて、演出表示制御装置144に対して特別図柄Aに対応する演出図柄の変動表示の開始を指示する。これにより、液晶表示器42は、演出表示制御装置144に制御されて、図中の下向きの太矢印に示す方向に順次回転移動(スクロール)して変動する演出図柄420a,420b,420cの表示が開始する。
こうして、パチンコ機1は、特別図柄A及び特別図柄Bの並行変動(同時回し)を開始する。
【0664】
時刻t2から所定時間が経過した時刻t3において、特
図B表示装置35における特別図柄Bの変動タイマの値が「0」になったとする。主制御CPU72は、割込管理処理の特別図柄B遊技処理(ステップS205a)における特別図柄変動中処理(ステップS3000(
図14参照))において次のように処理する。特別図柄変動中処理(
図27参照)において、主制御CPU72は、制御対象の特別図柄Bの特別図柄変動計測中断フラグの値が「01H」でないことを確認し(ステップS3100:No)、変動タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)し(ステップS3200)、減算後の変動タイマの値が0以下であることを確認する(ステップS3300:Yes)。
【0665】
続いて主制御CPU72は、他方の特別図柄である特別図柄Aの特別図柄変動計測中断予定フラグの値が「01H」であることを確認し(ステップS3400:Yes)、特別図柄Aの特別図柄変動計測中断予定フラグをリセット(値「00H」をセット)し(ステップS3500)、特別図柄Aの特別図柄変動計測中断フラグの値に「01H」をセットする(ステップS3600)。
【0666】
続いて主制御CPU72は、特別図柄Bに係る図柄停止表示中フラグをセットし、図柄停止表示中コマンドを生成する(ステップS3700)。図柄停止表示中コマンドには、停止表示中の対象図柄が特別図柄Bであることを示す情報が含まれる。また、主制御CPU72は、割込管理処理の演出制御出力処理(ステップS212)において、生成した図柄停止表示中コマンドを演出制御装置124に送信する。
【0667】
これにより、
図58(c)に示すように、特
図B表示装置35は、主制御CPU72に制御されて、上部及び底部のセグメントを点灯し、小当り図柄の表示態様で特別図柄Bの表示を開始する。また、演出制御CPU126は、受信した図柄停止表示中コマンドに基づいて、演出表示制御装置144に対して図柄確定中の態様で演出図柄430a,430b,430cの表示を開始することを指示する。これにより、可動液晶表示器43は、演出表示制御装置144に制御されて、小当り図柄に対応する「1」「3」「5」の態様で僅かに揺れ動いている演出図柄430a,430b,430cの表示を開始する。
【0668】
さらに、主制御CPU72は、特別図柄Aの特別図柄変動計測中断フラグの値に「01H」をセットしたことに基づいて、特別図柄Aの変動時間の計測を中断する。主制御CPU72は、特別図柄Aの変動時間の計測を中断するものの、特別図柄Aの変動時間が終了したわけではないの、特
図A表示装置34に対して特別な処理を実行しない。また、主制御CPU72は、特別図柄Aの変動時間の計測を中断することに関する情報を演出制御装置124に送信しない。このため、時刻t3において、特
図A表示装置34は、時刻t2において開始した特別図柄Aの変動表示を継続する。一方、液晶表示器42は、時刻t2において開始した演出図柄420a,420b,420cの変動演出を継続する。
【0669】
時刻t3から所定時間が経過した時刻t4において、特別図柄Bの停止表示時間が終了したとする。主制御CPU72は、割込管理処理の特別図柄B遊技処理(ステップS205a)における特別図柄停止表示中処理(ステップS4000(
図14参照))において次のように処理する。特別図柄停止表示中処理(
図28参照)において、主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)し、減算後の停止図柄表示タイマの値が「0」以下であって特別図柄Bの停止表示中(図柄確定中)の期間が終了したことを確認し(ステップS4200:Yes)、図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドを生成する(ステップS4250)。図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドには、停止対象の図柄として特別図柄Bの情報が含まれる。
【0670】
続いて主制御CPU72は、特別図柄Bに係る大当りフラグの値が「01H」でないことを確認し(ステップS4300:No)、小当りフラグの値が「01H」であることを確認する(ステップS4600:Yes)。続いて、主制御CPU72は、ジャンプ先を「小当り時可変入賞装置管理処理」に設定し(ステップS4605)、制御上の内部状態フラグとして「小当り開始(小当り遊技中)」をセットし(ステップS4606)、回数切りカウンタ値をロードし(ステップS4610)、ロードしたカウンタ値が「0」でないことを確認し(ステップS4620:Yes)、特別図柄B遊技処理(
図14参照)に戻る。主制御CPU72は、割込管理処理の演出制御出力処理(ステップS212)において、特別図柄停止表示中処理において生成した各種コマンドを演出制御装置124に送信する。
【0671】
これにより、
図59(a)に示すように、特
図B表示装置35は、小当り図柄の表示態様で特別図柄Bを停止表示する。また、演出制御CPU126は、受信した図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドに基づいて、演出表示制御装置144に対して図柄確定中の演出図柄430a,430b,430cを停止表示することを指示する。これにより、可動液晶表示器43は、演出表示制御装置144に制御されて、小当り図柄に対応する「1」「3」「5」の表示態様で演出図柄430a,430b,430cを停止表示する。これにより、特
図B表示装置35で実行されていた特別図柄Bによる変動表示が小当りに当選したことが報知される。このように、可動液晶表示器43,44は、液晶表示器42による演出図柄420a,420b,420cの変動演出(第一変動演出の一例)よりも先に演出図柄430a,430b,430cの変動演出(第二変動演出の一例)を終了する場合、初期位置に待機される。
特
図B表示装置35に小当り図柄が停止表示されてから所定時間の経過後に、小当り遊技が開始されるとともに、可動液晶表示器43,44において小当り遊技用の演出が開始される。
【0672】
また、時刻t4において、特
図A表示装置34及び液晶表示器42には特別な処理が実行されない。このため、
図59(a)に示すように、特
図A表示装置34には、時刻t2において決定したはずれ時変動パターンに基づく特別図柄Aの変動表示が継続して実行され、液晶表示器42には、時刻t2において決定したはずれ時変動パターンに基づく演出図柄420a,420b,420cの変動演出が継続して実行される。
【0673】
また、時刻t4において、特別図柄Aの図柄変動計測中断フラグには値「01H」がセットされている。このため、時刻t4での特別図柄A遊技処理(
図15参照)の特別図柄変動中処理(ステップS3900)において、主制御CPU72は、制御対象である特別図柄Aの図柄変動計測中断フラグの値が「01H」であることを確認し(ステップS3100:Yes)、特別図柄A遊技処理に戻る。このため、時刻t4では、特別図柄Aの変動時間の計測は中断されたままとなる。
【0674】
時刻t4から所定時間が経過した時刻t5において、特別図柄A遊技処理における特別図柄変動前処理(
図17)のはずれ時変動パターン決定処理(ステップS2409)で決定された変動パターンに基づく特別図柄Aの変動時間に到達したとする。時刻t5では、特別図柄Aの図柄変動計測中断フラグには値「01H」がセットされている。このため、特別図柄Aの変動時間の計測は中断されたままである。
【0675】
このため、
図59(b)に示すように、特
図A表示装置34には、時刻t2において決定したはずれ時変動パターンに基づく特別図柄Aの変動表示が継続して実行される。
【0676】
一方、演出制御装置124には、特別図柄Aの変動時間の計測中断に関連する情報が送信されていないため、はずれ時変動パターン決定処理で決定された変動パターンに基づいて、演出制御CPU126が時刻t2において選択した演出図柄420a,420b,420cの変動演出の実行時間の計測は中断されていない。これにより、
図59(b)に示すように、演出制御CPU126が時刻t2において選択した演出図柄420a,420b,420cの変動演出の実行期間が満了することにより、液晶表示器42の表示画面には、特別図柄Aの内部抽選結果(はずれ)に相当する「6」「3」「8」の態様で僅かに揺れ動いている演出図柄420a,420b,420cが表示される。
【0677】
時刻t5において小当り遊技は継続されているため、
図59(b)に示すように、可動液晶表示器43及び可動液晶表示器44(
図59(b)では不図示)のそれぞれの表示画面では小当り遊技用演出の画像が表示される。なお、
図59(b)では、可動液晶表示器43及び可動液晶表示器44に小当り遊技用演出の画像が表示されていることを「小当り遊技」の文字によって表している。
【0678】
時刻t5から所定時間が経過した時刻t6において、小当り遊技が終了したとする。主制御CPU72は、割込管理処理の特別図柄B遊技処理(ステップS205a)における小当り時可変入賞装置管理処理(ステップS6000(
図14参照))において次のように処理する。小当り時可変入賞装置管理処理の小当り時終了処理(ステップS6500(
図35及び
図39参照))において、主制御CPU72は、小当り時終了時間タイマカウントダウン処理において小当り時終了タイマをカウントダウンし(ステップS6502)、カウントダウン後の小当り時終了時間タイマの値が0であって小当り時終了時間が経過したと判断する(ステップS6504:Yes)。
【0679】
続いて主制御CPU72は、他方の特別図柄である特別図柄Aの特別図柄変動計測中断フラグをリセット(「00H」をセット)し(ステップS6506)、小当りフラグをリセットし(ステップS6508)、小当り時終了時間終了コマンドを生成し(ステップS6510)、その後ステップS6512及びステップS6514の処理を実行して特別図柄B遊技処理に戻る。小当り時終了時間終了コマンドには、終了対象の小当り遊技の契機となった特別図柄Bの情報が含まれる。生成された小当り時終了時間終了コマンドは、割込管理処理の演出制御出力処理(ステップS212)において演出制御装置124に送信される。
【0680】
小当り時終了時間終了コマンドを受信すると、演出制御CPU126は、小当り遊技が終了することを報知する小当り遊技終了演出パターンを演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示する。これにより、
図59(c)に示すように、可動液晶表示器43及び可動液晶表示器44(
図59(c)では不図示)のそれぞれの表示画面では小当り遊技終了演出の画像が表示される。なお、
図59(c)では、可動液晶表示器43及び可動液晶表示器44に小当り遊技終了演出の画像が表示されていることを「小当り遊技終了」の文字によって表している。
【0681】
時刻t6において、特
図A表示装置34、特
図B表示装置35及び液晶表示器42には、特別な処理が実行されていない。このため、
図59(c)に示すように、特
図A表示装置34、特
図B表示装置35及び液晶表示器42は、時刻t5での状態を維持している。
【0682】
時刻t6において実行された小当り時可変入賞装置管理処理の小当り時終了処理において特別図柄Aの特別図柄変動計測中断フラグがリセットされる。特別図柄Aの特別図柄変動計測中断フラグがリセットされた割込管理処理の次に実行される割込管理処理における特別図柄A遊技処理(
図15参照)の特別図柄変動中処理(ステップS3900)において、主制御CPU72は、制御対象である特別図柄Aの図柄変動計測中断フラグの値が「01H」でないことを確認し(ステップS3100:No)、変動タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)し(ステップS3200)、減算後の変動タイマの値が0以下でないことを確認し(ステップS3300:No)、特別図柄A遊技処理に戻る。このように、時刻t6において特別図柄Aの特別図柄変動計測中断フラグがリセットされことを契機として、特別図柄Aの変動時間の計測が再開される。
【0683】
時刻t6から所定時間が経過した時刻t7において、特
図A表示装置34における特別図柄Aの変動タイマの値が「0」になったとする。主制御CPU72は、割込管理処理の特別図柄A遊技処理(ステップS205b)における特別図柄変動中処理(ステップS3900(
図15参照))において次のように処理する。特別図柄変動中処理(
図27参照)において、主制御CPU72は、制御対象である特別図柄Aの特別図柄変動計測中断フラグの値が「01H」でないことを確認し(ステップS3100:No)、変動タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)し(ステップS3200)、減算後の変動タイマの値が0以下であることを確認し(ステップS3300:Yes)、他方の特別図柄である特別図柄Bの特別図柄変動計測中断予定フラグの値が「01H」でないことを確認し(ステップS3400:No)、特別図柄Aに係る図柄停止表示中フラグをセットし、図柄停止表示中コマンドを生成する(ステップS3700)。図柄停止表示中コマンドには、停止表示中の対象図柄が特別図柄Aであることを示す情報が含まれる。また、主制御CPU72は、割込管理処理の演出制御出力処理(ステップS212)において、生成した図柄停止表示中コマンドを演出制御装置124に送信する。
【0684】
これにより、
図60(a)に示すように、特
図A表示装置34は、主制御CPU72に制御されて、中央のセグメントを点灯し、はずれの表示態様で特別図柄Aの表示を開始する。また、演出制御CPU126は、受信した図柄停止表示中コマンドに基づいて、演出表示制御装置144に対して図柄確定中の態様で演出図柄420a,420b,420cの表示を開始することを指示する。これにより、液晶表示器42は、演出表示制御装置144に制御されて、はずれに対応する「6」「3」「8」の態様で僅かに揺れ動いている演出図柄420a,420b,420cの表示を継続する。
【0685】
一方、特
図B表示装置35及び可動液晶表示器43,44には特別な処理が実行されない。このため、
図60(a)に示すように、特
図B表示装置35には、時刻t4において停止表示された小当り図柄に対応する特別図柄Bが表示されている。
【0686】
また、可動液晶表示器43及び可動液晶表示器44(
図60(a)では不図示)には、客待ち演出が実行されている。時刻t7において実行されている客待ち演出は、特別図柄Aの特別図柄変動計測中断フラグがリセットされた割込管理処理の次に実行される割込管理処理における特別図柄B遊技処理(
図14参照)の特別図柄変動前処理(ステップS3900)において決定されて開始された演出である。具体的には、この特別図柄変動前処理において、主制御CPU72は、対象の特別図柄作動記憶数(特別図柄B作動記憶数)が「0」であって「0」より大きくないことを確認し(ステップS2100:No)、他方の特別図柄作動記憶数(特別図柄A作動記憶数)が「0」であって「0」より大きくないことを確認し(ステップS2110:No)、デモ演出用コマンドを生成し(ステップS2500)、特別図柄B遊技処理に戻る。生成されたデモ演出用コマンドは、割込管理処理の演出制御出力処理(ステップS212)において演出制御装置124に送信される。
【0687】
演出制御CPU126は、演出制御処理(
図40参照)の演出図柄管理処理(ステップS402)における演出図柄変動前処理(
図44参照)において、デモ演出用コマンドを受信していると判定し(ステップS600:Yes)、デモ演出パターンを選択し(ステップS602)、演出制御処理に戻る。演出制御CPU126は、演出表示制御装置144に対して選択したデモ演出パターンに基づくデモ演出を開始することを指示する。これにより、可動液晶表示器43,44は、演出表示制御装置144に制御されて、デモ演出として客待ち演出用画像の表示を開始する。なお、
図60(a)では、可動液晶表示器43及び可動液晶表示器44に客待ち演出用画像が表示されていることを「客待ち」の文字によって表している。
【0688】
時刻t7から所定時間が経過した時刻t8において、特別図柄Aの停止表示時間が終了したとする。主制御CPU72は、割込管理処理の特別図柄A遊技処理(ステップS205b)における特別図柄停止表示中処理(ステップS4900(
図15参照))において次のように処理する。特別図柄停止表示中処理(
図28参照)において、主制御CPU72は、停止図柄表示タイマの値を減算(割込周期分だけデクリメント)し、減算後の停止図柄表示タイマの値が「0」以下であって特別図柄Aの停止表示中(図柄確定中)の期間が終了したことを確認し(ステップS4200:Yes)、図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドを生成する(ステップS4250)。図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドには、停止対象の図柄として特別図柄Aの情報が含まれる。
【0689】
続いて主制御CPU72は、制御対象の特別図柄Aに係る大当りフラグに値「01H」がセットされていないことを確認し(ステップS4300:No)、制御対象の特別図柄Aに係る小当りフラグに値「01H」がセットされていないことを確認する(ステップS4600:No)。続いて主制御CPU72は、ジャンプ先を「特別図柄変動前処理」に設定し(ステップS4602)、回数切りカウンタ値をロードし(ステップS4610)、ロードしたカウンタ値が「0」でないことを確認し(ステップS4620:Yes)、特別図柄A遊技処理(
図14参照)に戻る。主制御CPU72は、割込管理処理の演出制御出力処理(ステップS212)において、特別図柄停止表示中処理において生成した各種コマンドを演出制御装置124に送信する。
【0690】
これにより、
図60(b)に示すように、特
図A表示装置34は、はずれ図柄の表示態様で特別図柄Aを停止表示する。また、演出制御CPU126は、受信した図柄停止コマンド及び停止表示時間終了コマンドに基づいて、演出表示制御装置144に対して図柄確定中の演出図柄420a,420b,420cを停止表示することを指示する。これにより、液晶表示器42は、演出表示制御装置144に制御されて、はずれに対応する「6」「3」「8」の態様で僅かに揺れ動いていた演出図柄420a,420b,420cを停止表示する。これにより、特
図A表示装置35で実行されていた特別図柄Bによる変動表示がはずれであることが報知される。
【0691】
一方、特
図B表示装置35及び可動液晶表示器43,44には特別な処理が実行されない。このため、
図60(b)に示すように、特
図B表示装置35には、時刻t4において停止表示された小当り図柄に対応する特別図柄Bの表示が維持される。また、可動液晶表示器43,44には、客待ち演出用画像の表示が維持される。
【0692】
このように、パチンコ機1は、演出図柄の変動を表示する際に、可動液晶表示器43,44を可動させない強制待機状態とすることができる。これにより、パチンコ機1は、特別図柄A及び特別図柄Bの並行変動において、液晶表示器42及び可動液晶表示器43,44の視認性を確保できる。
【0693】
パチンコ機1は、特別図柄Bの内部抽選の結果を報知するための演出を液晶表示器42ではなく可動液晶表示器43,44で実行することにより、特別図柄Bの内部抽選の結果を報知するための演出を可動液晶表示器43,44から液晶表示器42に切り替える機会を減らすことができるので、液晶表示器42及び可動液晶表示器43,44の制御負荷を低減することができる。
【0694】
また、パチンコ機1は、可動液晶表示器43,44を可動させない強制待機状態とすることにより、可動液晶表示器43,44において停止表示された演出図柄を確実に停止した状態として遊技者に認識させることができる。これにより、パチンコ機1は、特
図B表示装置35に停止表示される停止図柄と、可動液晶表示器43,44に停止表示される停止図柄とが一致していないという不適合を防止できる。
【0695】
上述の説明では、特別図柄Aに係る変動演出は液晶表示器42において実行され、特別図柄Bに係る変動演出は可動液晶表示器42,43において実行されるようになっているが、これに限られない。
【0696】
液晶表示器42及び可動液晶表示器43,44における3つの液晶表示画面(第一変動演出実行手段の一例)は、特
図A表示装置34に表示される特別図柄Aの所定時間aの変動表示に連動/同期する第一変動演出としての特
図A表示用演出動画(第一抽選の結果の示唆又は報知)の表示を互いに連動又は協働するように表示領域を分割可能に実行する。
また、可動液晶表示器43における液晶表示画面の一部(第二変動演出実行手段の一例)は、特
図B表示装置35に表示される特別図柄Bの所定時間bの変動表示に連動/同期する第二変動演出として特
図B用演出動画(第二抽選の結果の示唆又は報知)の表示を、特
図A用演出動画(第一変動演出を行わせる実行領域)と重畳しない、又は重畳する部分の少ない予め定められた初期位置の実行領域(演出図柄430a,430b,430cの表示領域)で実行可能としている。なお、可動液晶表示器43は、予め定められた初期設定の可動位置に保持(第二変動演出を行わせる実行領域の領域保持)させたまま特
図B用演出動画を表示可能とする。また、特
図A用演出動画の態様種類に応じ初期位置とは異なる実行領域(例えば、液晶表示器42及び可動液晶表示器44のいずれか又は可動液晶表示器43内の初期位置とは別の表示領域)に移動させて特
図B用演出動画を表示可能としている。
【0697】
また、第一変動演出実行手段は、第一抽選の結果の示唆又は報知に基づく動的な演出として演出用の可動体(可動役物手段の一例)40fを、液晶表示器42及び可動液晶表示器43,44の少なくともいずれかの所定位置へ向けて可動させる第一変動演出を行うことを可能としている。
【0698】
そして、第一変動演出を実行する際(第一抽選の結果判定の開始条件が満たされる場合)に、第一変動演出実行手段による第一変動演出の実行時間(上記所定時間a)と第二変動演出実行手段による第二変動演出の残り実行時間(上記所定時間b)を参照し、第一変動演出が終了するより先に第二変動演出が終了する場合、上記初期位置とは異なる実行領域に移動させる特
図B用演出動画の表示や、可動体40fや可動液晶表示器43を移動させないことによって特
図B演出動画の表示(第二変動演出の視認性)に影響を与えない/干渉しない(第二変動演出を行わせる実行領域の領域確保又は領域保持を行う)よう第一抽選の結果の示唆又は報知を行うことを可能としている。
【0699】
上記並行変動例1から4では、主に液晶表示器42及び可動液晶表示器43,44を用いる演出について説明したが、特別図柄A及び特別図柄Bの並行変動において、演出用の可動体40f(可動役物手段の一例)も併せて動作させることも可能である。
【0700】
例えば、演出制御装置(第一変動演出実行手段の一例)は、特別図柄Aの抽選結果(第一抽選の結果の一例)の示唆又は報知に関する演出として動作させる可動体40fを用いた演出図柄420a,420b,420cによる変動演出(第一変動演出の一例)を実行可能として設けられ、演出図柄420a,420b,420cによる変動演出を実行する際に、演出図柄430a,430b,430cによる変動演出(第二変動演出の一例)における特別図柄Bの抽選結果(第二抽選の結果)が予め定められた大当り(第1当選の一例)とは異なる小当り(第2当選の一例)の結果である場合、可動体40fの動作に基づく演出図柄420a,420b,420cによる変動演出を実行不能とし、演出図柄430a,430b,430cによる変動演出を行わせる実行領域の領域確保又は領域保持を行った上で、特別図柄Aの抽選結果の示唆又は報知をしてもよい。
【0701】
上記並行変動例4では、先行して開始されている特別図柄Bの抽選結果は小当り(第2当選)である場合には、小当りに係る特別図柄Bに係る変動表示が終了してから小当り遊技が終了するまでの期間(例えば
図52中に示す時刻t3から時刻t6までの期間)で重畳して実行中となる特別図柄Aの変動時間の実行時間の計測は再開可能に中断される。特別図柄Bの抽選結果が大当り(第1当選の一例)である場合には、後続して開始される特別図柄Aの変動時間の実行時間の計測は、特別図柄Bの変動表示の終了(例えば
図52中に示す時刻t4)を契機として終了されてもよい。
【0702】
上記実施形態では、特別図柄の変動時間の計測の中断を図柄変動計測中断予定フラグ及び図柄変動計測中断フラグで管理しているが、特別図柄を当選の表示態様としたときからこの当選に基づく当り遊技を開始する前に特別図柄特殊停止指定コマンドが生成されたことに基づいて、特
図A表示装置34又は特
図B表示装置35による実行中の特別図柄の変動表示又は停止表示の実行時間の計測を中断あるいは終了してもよい。
【0703】
以上説明したように、本実施形態によるパチンコ機1は、2つの特別図柄の並行変動において、先に停止する特別図柄が大当り図柄で停止表示される場合に、特殊停止指定コマンドという新たなコマンドを設けるという簡便な方法により、従来問題となっていた、後に停止する特図表示装置での停止図柄と演出用表示器での停止図柄との不一致を防止することができる。このように、パチンコ機1は、並行して変動している2種類の特別図柄の制御を簡略化することができる
【0704】
パチンコ機1は、特別図柄Aの変動表示が終了するまでの特別図柄Bの停止時期が来るか否かを判定し、特別図柄Bの停止時期の方が早い場合に、特別図柄Bに対応する演出図柄を表示する可動液晶表示器を初期位置に強制的に退避させて一時的に非可動状態とすることができる。これにより、パチンコ機1は、可動液晶表示器43,44の視認性を確保し、特別図柄Bの内部抽選の結果を可動液晶表示器43,44で報知でき、液晶表示器42に切り替える機会を減らすことができるので、液晶表示器42及び可動液晶表示器43,44の制御負荷を低減することができる。
【0705】
また、パチンコ機1は、特別図柄Bに対応する演出図柄を表示する可動液晶表示器を初期位置に強制的に退避させて一時的に非可動状態とすることができるので、可動液晶表示器43,44において停止表示された演出図柄を確実に停止した状態として遊技者に認識させることができる。これにより、パチンコ機1は、特
図B表示装置35に停止表示される停止図柄と、可動液晶表示器43,44に停止表示される停止図柄とが一致していないという不適合と誤解される可能性を回避することができる。
【0706】
本発明は、上記実施形態に限られず、種々の変形が可能である。
上記実施形態によるパチンコ機1は、特別図柄Bの変動時間が中断されないように構成されているが、本発明はこれに限られない。例えば、パチンコ機1は、
図19に示すはずれ時図柄変動の停止タイミング処理と同様の処理を特別図柄Bが対象の特別図柄である場合に実行してもよい。この場合、
図19に示すはずれ時図柄変動の停止タイミング処理において「特
図A」を「特
図B」と読み替えるとともに、ステップS2406cに相当する処理を設ける必要はない。これにより、パチンコ機1は、特別図柄Aでの小当りが報知される前に実行されていた特別図柄Bの変動表示を、特別図柄Aの小当り遊技が終了した後に再開することができる。
【0707】
上記実施形態では、可動液晶表示器43,44を強制的に初期位置に退避させた状態においても、演出用の可動体40fは動作することができるが、本発明はこれに限られない。例えば、液晶表示器42に表示される演出図柄420a,420b,420cを可動中に隠してしまう演出用の可動体に対し、可動液晶表示器43,44と同様に制御して必要に応じてこの演出用の可動体を強制的に初期位置に退避させることにより、液晶表示器42の視認性を確保することができる。
【0708】
本発明は上述した一実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。一実施形態で挙げた演出の態様は例示であり、上述した演出の態様に限定されるものではない。
【0709】
上述した実施形態では、第1可変入賞装置30や第2可変入賞装置31は、右打ち領域に配置する例で説明したが、左打ち領域に配置してもよい。
【0710】
その他の演出例であげた画像はあくまで一例であり、これらは適宜に変形することができる。また、パチンコ機1の構造や盤面構成、具体的な数値等は図示のものも含めて好ましい例示であり、これらを適宜に変形可能であることはいうまでもない。