特許第6691038号(P6691038)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6691038
(24)【登録日】2020年4月13日
(45)【発行日】2020年4月28日
(54)【発明の名称】魚釣用のルアー
(51)【国際特許分類】
   A01K 85/16 20060101AFI20200421BHJP
【FI】
   A01K85/16
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-251730(P2016-251730)
(22)【出願日】2016年12月26日
(65)【公開番号】特開2018-102185(P2018-102185A)
(43)【公開日】2018年7月5日
【審査請求日】2019年1月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126572
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 智史
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】早川 賢
【審査官】 大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3133699(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0330945(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0096219(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0128477(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 83/00−85/18
A01K 95/00−95/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ルアー本体と、
棒状の胴部と、当該胴部の先端に形成された湾曲部と、当該胴部の根元端に形成されたフック用アイと、を有し、当該フック用アイを介して前記ルアー本体に取り付けられたフックと、
前記フック用アイに係脱可能に係止される係止部と、前記係止部を介して前記フック用アイに取り付けられるブレードと、を有するブレードユニットと、
を備え、
前記ブレードユニットは、前記係止部から前記胴部と平行な方向に延伸する第1の軸部と、前記第1の軸部の前端から前記第1の軸部に対して傾斜する方向に延伸する傾斜部と、前記傾斜部の前端から前記第1の軸部と平行な方向に延伸する第2の軸部と、をさらに有し、
前記ブレードは、前記第2の軸部の周りで回転可能に設けられ、
前記第2の軸部の軸線が前記胴部の軸線と一致するように形成される、
ルアー。
【請求項2】
本体用アイを有するルアー本体と、
棒状の胴部と、当該胴部の先端に形成された湾曲部と、当該胴部の根元端に形成されており前記本体用アイに連結されるフック用アイと、を有し、前記フック用アイ及び前記本体用アイを介して前記ルアー本体に取り付けられたフックと、
前記本体用アイに係脱可能に係止される係止部と、前記係止部を介して前記本体用アイに取り付けられるブレードと、を有するブレードユニットと、
を備え、
前記ブレードユニットは、前記係止部から前記胴部と平行な方向に延伸する第1の軸部と、前記第1の軸部の前端から前記第1の軸部に対して傾斜する方向に延伸する傾斜部と、前記傾斜部の前端から前記第1の軸部と平行な方向に延伸する第2の軸部と、をさらに有し、
前記ブレードは、前記第2の軸部の周りで回転可能に設けられ、
前記第2の軸部の軸線が前記胴部の軸線と一致するように形成される、
ルアー。
【請求項3】
ルアー本体と、
棒状の胴部と、当該胴部の先端に形成された湾曲部と、当該胴部の根元端に形成されたフック用アイと、を有するフックと、
前記フックと前記ルアー本体とを連結する連結部材と、
前記フック用アイに係脱可能に係止される係止部と、前記係止部を介して前記フック用アイに取り付けられるブレードと、を有するブレードユニットと、
を備え、
前記ブレードユニットは、前記係止部から前記胴部と平行な方向に延伸する第1の軸部と、前記第1の軸部の前端から前記第1の軸部に対して傾斜する方向に延伸する傾斜部と、前記傾斜部の前端から前記第1の軸部と平行な方向に延伸する第2の軸部と、をさらに有し、
前記ブレードは、前記第2の軸部の周りで回転可能に設けられ、
前記第2の軸部の軸線が前記胴部の軸線と一致するように形成される、
ルアー。
【請求項4】
前記係止部は、前記フック用アイ又は前記本体用アイに係脱可能なフック状に形成される、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のルアー。
【請求項5】
前記胴部の軸線と前記第1の軸部の軸線とが平行となるように、前記胴部の少なくとも一部及び前記第1の軸部の少なくとも一部を覆う中空のチューブをさらに備える、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のルアー。
【請求項6】
前記チューブは弾性体から成る請求項に記載のルアー。
【請求項7】
前記フックは、シングルフック、ダブルフック、又はトリプルフックである、請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載のルアー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚釣用のルアーに関する。本発明は、より具体的には、集魚効果のあるブレードを備えた魚釣用のルアーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、小魚等の餌に似せたルアー本体に魚を掛けるためのフックが取り付けられたルアーが知られている。
【0003】
この種のルアーとして、特開2008−054523号公報、登録実用新案第3133699号公報、及び登録実用新案第3145587号公報に開示されているように、フックに集魚効果がある金属製のブレードを取り付けたものが知られている。このブレードは、ルアー本体に対して回転可能に取り付けられる。この種のルアーでは、ブレードからの反射光やブレードが生じさせる振動が魚を惹きつけると考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−054523号公報
【特許文献2】登録実用新案第3133699号公報
【特許文献3】登録実用新案第3145587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1及び特許文献2に記載されているように、従来のルアーにおいて、ブレードは、フックに接着等により固定されている。よって、フックが破損したときに、当該フックに固定されているブレードも交換しなければならない。
【0006】
また、特許文献2に記載されているように、端部にブレードが取り付けられた棒状の軸体をフックの軸部に平行に取り付けると、ブレードの回転軸がフックの軸部に対してずれてしまう。これにより、ブレードがフックと干渉しやすくなる。
【0007】
ブレードをフックに連結するさらに別の機構として、特許文献3には、ブレードをアタッチメントを介してルアー本体に取り付ける機構が開示されている。このアタッチメントには支持板が形成されており、ブレードはこの支持板に取り付けられる。よって、魚がブレードに食いついたときには、この支持板に対して大きな力が作用するため、当該アタッチメントの支持板が破損しやすい。
【0008】
本発明の目的は、従来のブレード付きルアーにおける上述した問題を解決又は緩和することである。本発明の具体的な目的の一つは、魚がブレードに食いついても破損しにくいルアーを提供することである。
【0009】
本発明の別の目的は、フックが破損したときにブレードを再利用可能とすることである。
【0010】
本発明のさらに別の目的は、ブレードのフックに対する干渉を抑制できるルアーを提供することである。
【0011】
本発明の上記以外の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施形態に係るルアーは、ルアー本体と、フックと、ブレードユニットと、を備える。本発明の一実施形態において、前記フックは、棒状の胴部と、当該胴部の先端に形成された湾曲部と、当該胴部の根元端に形成されたフック用アイと、を有し、当該フック用アイを介して前記ルアー本体に取り付けられる。本発明の一実施形態において、前記ブレードユニットは、前記フック用アイに係脱可能に係止される係止部と、前記係止部を介して前記フック用アイに取り付けられるブレードと、を有する。本発明の一実施形態において、当該係止部は、前記フック用アイに係脱可能なフック状に形成される。
【0013】
当該実施形態によれば、ブレードが係止部を介してフック用アイに係止される。フック用アイは、魚がフックを強く引いても耐えられる強度を有するので、魚がブレードを引っ張った場合であっても破損しない。また、ブレードユニットがフック用アイに係脱可能に係止されているので、フックが破損したときにブレードを再利用できる。
【0014】
本発明の他の実施形態に係るルアーは、本体用アイを有するルアー本体と、フックと、ブレードユニットと、を備える。本発明の一実施形態において、前記フックは、棒状の胴部と、当該胴部の先端に形成された湾曲部と、当該胴部の根元端に形成されており前記本体用アイに連結されるフック用アイと、を有し、前記フック用アイ及び前記本体用アイを介して前記ルアー本体に取り付けられる。本発明の一実施形態において、前記ブレードユニットは、前記本体用アイに係脱可能に係止される係止部と、前記係止部を介して前記本体用アイに取り付けられるブレードと、を有する。本発明の一実施形態において、当該係止部は、前記本体用アイに係脱可能なフック状に形成される。
【0015】
当該実施形態によれば、ブレードが係止部を介して本体用アイに係止される。本体用アイは、魚がフックを強く引いても耐えられる強度を有するので、魚がブレードを引っ張った場合であっても破損しない。また、ブレードユニットが本体用アイに係脱可能に係止されているので、フックが破損したときにブレードを再利用できる。
【0016】
本発明の他の実施形態に係るルアーは、本体用アイを有するルアー本体と、フックと、前記フックと前記ルアー本体とを連結する連結部材と、ブレードユニットと、を備える。本発明の一実施形態において、前記フックは、棒状の胴部と、当該胴部の先端に形成された湾曲部と、当該胴部の根元端に形成されており前記本体用アイに連結されるフック用アイと、を有する。本発明の一実施形態において、前記ブレードユニットは、前記連結部材に係脱可能に係止される係止部と、前記係止部を介して前記本体用アイに取り付けられるブレードと、を有する。本発明の一実施形態において、当該係止部は、前記本体用アイに係脱可能なフック状に形成される。
【0017】
当該実施形態によれば、ブレードが係止部を介して、ルアー本体とフックとを連結する連結部材に係止される。当該連結部材は、魚がフックを強く引いても耐えられる強度を有するので、魚がブレードを引っ張った場合であっても破損しない。また、ブレードユニットが本体用アイに係脱可能に係止されているので、フックが破損したときにブレードを再利用できる。
【0018】
本発明の一実施形態において、前記ブレードユニットは、前記係止部から前記胴部と平行な方向に延伸する第1の軸部と、前記第1の軸部の前端から前記第1の軸部に対して傾斜する方向に延伸する傾斜部と、前記傾斜部の前端から前記第1の軸部と平行な方向に延伸する第2の軸部と、をさらに備える。前記ブレードは、前記第2の軸部の周りで回転可能に設けられる。例えば、当該ブレードは、当該第2の軸部の周りで回転可能となるように、スイベルを介して前記第2の軸部に取り付けられる。また、当該ブレードユニットは、前記第2の軸部の軸方向が前記胴部の軸方向と一致するように形成される。
【0019】
当該実施形態によれば、ブレードが取り付けられる第2の軸部がフックの胴部と同軸に設けられるため、当該ブレードがフックの胴部の周りで回転する。よって、ブレードが回転時にフックの湾曲部と干渉することを抑制できる。
【0020】
本発明の一実施形態に係るルアーは、前記胴部の軸線と前記第1の軸部の軸線とが平行となるように、前記胴部の少なくとも一部及び前記第1の軸部の少なくとも一部を覆う中空のチューブをさらに備える。一実施形態において、当該チューブは弾性体から成る。
【0021】
当該実施形態によれば、フックの胴部の少なくとも一部とブレードユニットの第1の軸部の少なくとも一部とがいずれもチューブに覆われているため、当該フックに対して当該ブレードユニットを一定の姿勢に保つことができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の実施形態によって、魚がブレードに食いついても破損しにくいルアーが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態に係るルアーを模式的に示す正面図である。
図2図1のルアーのフック、ブレードユニット、及びチューブを示す模式図である。
図3図1のルアーの組み立て工程の一部を示す模式図である。
図4図1のルアーの組み立て工程の一部を示す模式図である。
図5】本発明の他の実施形態に係るルアーを模式的に示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、適宜図面を参照し、本発明の様々な実施形態を説明する。なお、各図面において共通する構成要素に対しては同一の参照符号が付されている。各図面は、説明の便宜上、必ずしも正確な縮尺で記載されているとは限らない点に留意されたい。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態に係るルアー1の外観図である。図示の実施形態において、ルアー1は、ルアー本体2と、魚を掛けるフック11と、魚を惹きつけるブレード21aを有するブレードユニット21と、を備える。
【0026】
本発明の一実施形態において、ルアー本体2は、例えば、魚の餌に似せた形状に形成される。図示の例において、ルアー本体2は、小魚に似た形状を有している。ルアー本体2の後端にはアイ3が設けられ、ルアー本体2の前端にはアイ5が設けられている。アイ3,5は、例えば、金属製のリングである。アイ3,5は、従来のルアーに設けられているアイと同様に、フック11に掛かった魚が暴れた場合でも破損しない程度の強度を有する。
【0027】
アイ5には、釣糸6が繋留される。釣糸6としては、釣種に応じた任意の釣糸を用いることができる。アイ3には、連結部材を介してフック11が連結される。図示の実施形態では、連結部材としてリング4を用いている。リング4は、例えば、金属製のリングであり、アイ3とほぼ同径に形成される。本明細書においては、ルアー本体2に設けられたアイを「本体用アイ」と呼ぶことがある。図示したルアー本体2は例示に過ぎず、本発明に適用可能なルアー本体は図示したものに限られない。
【0028】
図示したフック11は、3本のフックを接合して構成されたトリプルフックである。この3本のフックの各々は、棒状の胴部11aと、この胴部11aの先端から延伸する湾曲した湾曲部11bと、を有する。この3本のフックは、各々の胴部11aが互いと平行になるように配置されている。この3本のフックは、各々の胴部11aにおいて互いと接合されている。3本のフックの各々の胴部11aは、例えばはんだ付け、熱溶着、及びこれら以外の公知の任意の手法で互いと接合される。
【0029】
フック11の3本のフックのうち1本の胴部11aの根元端には、アイ11cが形成されている。フック11は、このアイ11cとルアー本体2のアイ3とをリング4で連結することにより、ルアー本体2に取り付けられる。本明細書においては、フック11に設けられたアイを「フック用アイ」と呼ぶことがある。フック11としては、本発明の趣旨に反しない限り、任意の公知の魚釣り用のフックを用いることができる。例えば、図示したトリプルフック以外に、1本のフックから成るシングルフック、又は、2本のフックから成るダブルフックをフック11として用いることができる。アイ11cは、従来の釣り用のフックにおけるアイと同様に、フック11に掛かった魚が暴れた場合でも破損しない程度の強度を有する。
【0030】
アイ11cには、ブレード21aを含むブレードユニット21が取り付けられる。ブレード21aは、例えば、金属製の板状の部材である。ブレード21aの表面には、光を乱反射するように、多数の凹凸が形成されていてもよい。ブレード21aは、ルアー本体2に対して回転可能に取り付けられる。ブレード21aからの反射光やブレード21aが生じさせる振動により、魚はブレード21aに惹きつけられると考えられている。すなわち、ブレード21aは集魚効果を有する。
【0031】
次に、図2を参照して、ブレードユニット21についてさらに説明する。ブレードユニット21は、そのブレード21aと反対側の端に、フック11のアイ11cに係脱可能に係止される係止部21bを有する。図示の実施形態において、係止部21bは、フック状に形成される。図示した係止部21bの形状は例示であり、本発明に適用可能な係止部21bの形状はフック状に限定されない。本発明に適用可能な係止部21bは、フック11のアイ11cと係脱可能に形成されていればよい。本明細書においては、ブレードユニット21の方向に言及する際、便宜上、ブレード21aに向かう方向を「前」といい、係止部21bに向かう方向を「後」という。この用法に従って、ブレード21の部材のうちブレード21aに近い側の端を「前端」といい、係止部21bに近い側の端を「後端」という。
【0032】
ブレードユニット21は、ブレード21a及び係止部21bに加えて、係止部21bの前端から胴部11aと平行な方向において前方へ延伸する第1の軸部21cと、第1の軸部21cの前端から第1の軸部21cに対して傾斜する方向において前方へ延伸する傾斜部21dと、傾斜部21dの前端から第1の軸部21cと平行な方向において前方へ延伸する第2の軸部21eと、第2の軸部21eの前端に設けられたスイベル21fと、スイベル21fの前端に設けられたアイ21gと、アイ21gに挿通されたリング21hと、を有する。リング21hは、ブレード21aに形成された貫通孔にも挿通されている。これにより、リング21hは、アイ21gとブレード21aとを連結する。係止部21b、第1の軸部21c、傾斜部21d、及び第2の軸部21eは、一本の金属製の棒状の部材を折り曲げることにより形成可能である。
【0033】
上述のように、スイベル21fの後端には第2の軸部21eが接続され、スイベル21fの前端にはアイ21g及びリング21hを介してブレード21aが接続されているので、ブレード21aは、第2の軸部21eに対してその軸線の周りを回転可能に支持されている。係止部21bがアイ11cに係止され、また、傾斜部21dがフック11のうち2本のフックの間に挟まれているので、ブレードユニット21のうち係止部21bから第2の軸部21eに至る部位(スイベル21fよりも後ろ側の部位)はフック11に対して回転しない。
【0034】
本発明の一実施形態において、ブレードユニット21は、第1の軸部21cと第2の軸部21eとの間に傾斜部21dを設けることにより、第2の軸部21eの軸線がフック11の胴部11aの軸線と一致するように形成されている。フック11がトリプルフックの場合には、「フック11の胴部11aの軸線」は、当該3本のフックの各々の胴部11aの軸線のいずれからも等距離にある仮想線を意味する。フック11の各フックの胴部11aの軸線は、当該胴部11aのほぼ中心を貫通する線である。かかる配置により、第2の軸部21eの軸線の周りを回転するブレード21aは、3本のフックのうちのいずれからも等距離にある回転軸の周りを回転することになるので、ブレード21aとフック11との干渉を低減することができる。胴部11aの軸線を定める文脈において「等距離」という場合には、当業者に自明なように、数学的に厳密な意味での距離が等しいことは要求されない。フック11がダブルフックの場合には、「フック11の胴部11aの軸線」は、当該ダブルフックの2本のフックの各々の胴部11aの軸線のいずれからも等距離にある仮想線を意味する。フック11が4本以上のフックから成る場合にも同様の考えで「フック11の胴部11aの軸線」を定めることができる。フック11がシングルフックの場合には、「フック11の胴部11aの軸線」は、当該シングルフックの1本のフックの胴部11aの軸線のを意味する。
【0035】
本発明の一実施形態において、ルアー1は、中空のチューブ31を備える。このチューブ31は、弾性体から形成される。チューブ31は、例えばポリエチレン等の柔軟性のある樹脂から形成される。
【0036】
チューブ31は、図2に示すように、フック11の胴部11aの少なくとも一部及びブレードユニット21の第1の軸部21cの少なくとも一部を覆うように配置される。また、チューブ31は、チューブ31が胴部11a及び第1の軸部21cを覆うように装着されたときに、当該胴部11aと当該第1の軸部21cとが互いと平行な姿勢を保つことができる程度の内径(内周面の径)及び長さ(胴部11aの軸線方向の長さ)を有する。これにより、チューブ31が装着されると、フック11に対してブレードユニット21の少なくとも第1の軸部21c、傾斜部21d、及び痔亜2の軸部21eが一定の姿勢を保つことができる。具体的には、チューブ31によってブレードユニット21をフック11に固定することにより、ブレードユニット21の第1の軸部21cがフック11の胴部11aと平行であり、また、第2の軸部21eの軸線が当該胴部11aの軸線と一致する姿勢を保つように、ブレードユニット21がフック11に対して保持される。
【0037】
次に、図3及び図4を参照して、ルアー1の組み立て工程の概略を説明する。図3に示すように、まずフック11及びブレードユニット21を準備する。そして、図4に示すように、ブレードユニット21の係止部21bをフック11のアイ11cに挿通させる。そして、チューブ31を準備する。
【0038】
次に、連結されたフック11及びブレードユニット21をチューブ31を装着する。具体的には、フック11及びブレード21を、フック11の胴部11a及びブレードユニット21の第1の軸部21cの少なくとも一部がチューブ31によって覆われる位置まで、チューブ31内に押し込む。ブレードユニット21の第1の軸部21c以外の部分(例えば、係止部21b、傾斜部21d、及び第2の軸部21e)の少なくとも一部がチューブ31によって覆われていてもよい。これにより、図2に示すように、チューブ31によってブレードユニット21がフック11に押しつけられる。
【0039】
次に、フック11のアイ11cとルアー本体2のアイ3とをリング4で連結することにより、図1に示すルアー1が完成する。
【0040】
以上説明したルアー1においては、ブレード21aが係止部21bを介してアイ11cに係止される。アイ11cは、魚がフック11を強く引いても耐えられる強度に形成されているので、魚がブレード21aを強く引いた場合であっても破損しない。また、ブレードユニット21がフック11のアイ11cに係脱可能に係止されているので、フック11が破損したときにブレードユニット21を再利用できる。
【0041】
次に、図5を参照して、本発明の他の実施形態に係るルアー101について説明する。図5に示すように、ルアー101においては、ブレードユニット21の係止部21bがフック11のアイ11cではなく、ルアー本体2のアイ3に係止されている点で、ルアー1と異なる。
【0042】
アイ3もアイ11cと同様に、魚がフック11を強く引いても耐えられる強度に形成されているので、魚がブレード21aを強く引いた場合であっても破損しない。また、ブレードユニット21がルアー本体2のアイ3に係脱可能に係止されているので、フック11が破損したときにブレードユニット21を再利用できる。
【0043】
本発明のさらに他の実施形態において、ブレードユニット21の係止部21bは、リング4に係脱可能に取り付けられてもよい。リング4は、アイ3やアイ11cと同様に、魚がフック11を強く引いても耐えられる強度に形成されているので、魚がブレード21aを強く引いた場合であっても破損しない。また、ブレードユニット21がリング4に係脱可能に係止されているので、フック11が破損したときでもブレードユニット21を再利用できる。
【0044】
本明細書で説明された各構成要素の寸法、材料、及び配置は、実施形態中で明示的に説明されたものに限定されず、この各構成要素は、本発明の範囲に含まれうる任意の寸法、材料、及び配置を有するように変形することができる。また、本明細書において明示的に説明していない構成要素を、説明した実施形態に付加することもできるし、各実施形態において説明した構成要素の一部を省略することもできる。
【符号の説明】
【0045】
1,101 ルアー
2 ルアー本体
3,5 アイ(本体用アイ)
11 フック
11a 胴部
11b 湾曲部
21 ブレードユニット
21a ブレード
21b 係止部
21c 第1の軸部
21d 傾斜部
21e 第2の軸部
21f スイベル
31 チューブ
図1
図2
図3
図4
図5