(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
金属(M)が、希土類元素およびアルカリ土類金属元素からなる群から選択され、前記金属(M)は、セリウムよりも高いイオン半径値を有する、請求項8〜10のいずれか一項に記載の組成物。
金属(M)が、遷移金属元素およびポスト遷移金属元素からなる群から選択され、前記金属(M)は、セリウムよりも低いイオン半径値を有する、請求項8〜10のいずれか一項に記載の組成物。
【発明を実施するための形態】
【0019】
したがって、上記プロセスの第1の工程(a)は、少なくともセリウム(III)塩、セリウム(IV)化合物、および金属(M)の塩を含む溶液を調製することにある。
【0020】
本発明の溶液は、少ない成分が多い成分内に一様に分布している液体混合物と定義される。
【0021】
セリウム(III)塩として、セリウム(III)の硝酸塩、塩化物、硫酸塩、リン酸塩または炭酸塩、およびまたこれらの塩の混合物、例えば、混合硝酸塩/塩化物が使用されてもよい。公知の仕方において、この出発溶液は、セリウムが溶液中に全体的に存在するのに適した酸性度を有すべきである。出発溶液はまた、塩または酸化物であってもよいセリウム(IV)化合物を含む。これは、例えば、硝酸セリウム(IV)または酸化セリウム(IV)であり得る。媒体が酸化セリウム(IV)を含む場合、本発明の溶液はコロイド溶液を指す。コロイド懸濁液として知られることもある、コロイド溶液は、物質が液体に均一に懸濁している溶液である。
【0022】
セリウム(IV)化合物の量は、セリウム(III)塩/セリウム(IV)化合物モル比が、50/l〜5000/lの間、好ましくは75/l〜100/lの間、より好ましくは75/l〜500/lの間、再度より好ましくは100/l〜500/lの間に含まれるようなものである。
【0023】
溶液はまた、例えば、硝酸塩、塩化物、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、または炭酸塩であってもよい金属(M)の塩を含む。本発明の溶液はまた、1種以上の金属(M)の塩を含んでもよい。
【0024】
金属(M)の塩は、特に
− 遷移金属元素、例えば、Zr、
− ポスト遷移金属元素、例えば、Al、
− 希土類元素、例えば、La、Pr、NdおよびY、ならびに
− アルカリ土類金属元素、例えば、Sr
からなる群から選択される、カチオン性金属(M)を含んでもよい。
【0025】
金属(M)の塩は、好ましくは硝酸ランタン、硝酸プラセオジム、硝酸ネオジムおよび硝酸ジルコニウムからなる群から選択される。
【0026】
工程(a)で調製された出発溶液は、不活性ガスによる通気によって前もって脱気され得る。用語「不活性ガス」または「不活性雰囲気」は、本説明において、酸素を含まない雰囲気またはガスを意味することが意図され、例えば、ガスは窒素またはアルゴンであることが可能である。
【0027】
本プロセスの第2の工程(b)は、溶液を塩基と反応させることにある。水酸化物タイプの生成物が、特に塩基として使用され得る。アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、およびアンモニア水が挙げられてもよい。第2級、第3級または第4級アミンも使用され得る。
【0028】
塩基も、不活性ガスによる通気によって前もって脱気され得る。
【0029】
本プロセスの第2の工程の反応を行うために、接触させることは、反応物質を導入するいかなる順序でも行うことができる。しかしながら、塩基を含有する媒体中に溶液を導入することが好ましい。
【0030】
第2の工程は、不活性雰囲気下で、特に不活性ガスによるスイーピングとともに密閉反応器または半密閉反応器中で行われなければならない。接触をさせることは、一般に撹拌反応器中で行われる。
【0031】
最後に、この第2の工程は、一般に5〜50℃の間に含まれる温度で行われる。
【0032】
本プロセスの第3の工程(c)は、前の工程の最後に得られた反応媒体の熱処理である。この処理は、媒体を加熱し、それを、一般に30〜95℃の間、より特には60〜95℃の間に含まれる温度で維持することにある。この処理の継続時間は、10分〜10時間の間であり得る。
【0033】
工程(c)の間に、セリウム(III)塩からの3価セリウムイオンの4価セリウムイオンへの酸化が起こり、それにより、酸化セリウム(IV)を含む生成物を形成する。
【0034】
この処理も、不活性雰囲気下で行われなければならず、第2の工程についてのこの雰囲気に関しての説明がここで同様に適用される。同様に、処理は、撹拌反応器中で行われてもよい。
【0035】
本発明のプロセスの1つの特徴によれば、工程(a)、工程(b)または工程(c)の少なくとも1つは、硝酸イオン(NO
3−)の存在下で行われるべきである。一般に、硝酸イオンは、例としてCe(NO
3)
3または硝酸(HNO
3)などのNO
3−アニオンを含む任意の供給源または材料により与えられてもよい。好ましくは、硝酸は、溶液の調製中に工程(a)で添加される。
【0036】
NO
3−/Ce
3+
のモル比で表現される、硝酸イオンの量は、一般に、好ましくは工程(a)もしくは工程(b)の間、または工程(c)の開始時に、1/3〜5/1の間である。
【0037】
本発明による組成物は、工程(c)の最後に得られてもよい。
【0038】
本発明のプロセスは、特に工程(c)の最後に、以下の工程の少なくとも1つ:
(d)前の工程で、特に工程(c)の最後の後で得られた生成物を酸性化および洗浄する工程、ならびに/または
(e)前の工程で、特に工程(c)もしくは工程(d)の最後の後で得られた生成物を焼成する工程
を任意選択で含んでもよい。
【0039】
工程(d)は、任意の順序で行われ得る2つの連続操作を含んでもよい。これらの操作は、第1に酸性化、第2に洗浄であってもよい。これらの操作は、酸性化に洗浄が続く一連の場合について、以下により具体的に記載される。
【0040】
酸性化は、一般に、酸の添加によって、工程(c)の最後に得られた生成物の冷却後に行われる。任意の無機または有機酸が使用され得る。硝酸がより特に使用される。添加される酸の量は、酸性化後の媒体のpHが2〜5の間に含まれるようなものである。
【0041】
次いで、本発明のプロセスは、好ましくはそのようにして得られた生成物を、2〜5の間に含まれるpHに、特に1分〜100分の間、好ましくは5分〜60分の間に含まれる時間酸性化し、このようにして得られた媒体を洗浄する工程(d)を含む。
【0042】
この操作は、空気下で行うことができ;通常、本プロセスのこの段階で不活性雰囲気下で手順を行うことはもはや必要でない。
【0043】
酸性化に洗浄が続いてもよく、この目的は、懸濁液から可溶性種、実質的に塩を除去することである。洗浄は、固体/液体分離によって、またはそれによらず様々な仕方で行われ得る。したがって、それは、固体粒子を液相から分離することによって、例えば、前面濾過、沈降または遠心分離によって行うことができる。次いで、得られた固体は、水相に再懸濁される。本プロセスはまた、接線濾過によって行われ得る。この洗浄は、例えば、懸濁液の所定の伝導率が得られるまで、必要に応じて任意選択で繰り返すことができ、それによって伝導率により、この懸濁液中に存在する不純物の量が測定される。
【0044】
上に示されるように、操作の順序は、ちょうど記載されたものと比較して逆にすることができる。したがって、工程(c)の最後に、および繰り返して言うが、一般に得られた媒体の冷却後に、次いで、洗浄が、上に記載されたように行われ得る。洗浄の最後に、次いで、得られた媒体の酸性化が行われてもよい。
【0045】
本発明による組成物は、工程(d)の最後に得られてもよい。
【0046】
工程(c)または工程(d)の後に、濾過ケーキを得るために濾過によって進行することも可能である。濾過ケーキは、先行技術で使用される標準的な方法によって乾燥および/または焼成され得る。得られた乾燥および/または焼成生成物はまた、特に触媒用途のために、必要に応じて粉砕されてもよい。
【0047】
工程(e)は、特に工程(c)または(d)の最後に、前の工程でそのようにして得られた生成物の焼成に関する。乾燥は、焼成の前に行われてもよい。前記焼成は、300〜1200℃の間に含まれる温度で、数分〜数時間の間の範囲であり得る期間にわたって行われてもよい。
【0048】
説明されてきた工程の最後に、超音波処理の装置、二重衝撃噴流処理の装置、または湿式ミル装置などの公知の解凝集装置で得られた組成物を処理することが可能である。
【0049】
本発明はまた、酸化セリウムおよび酸化セリウム以外の金属(M)酸化物を含み、金属(M)酸化物/酸化セリウムモル比は0.1〜15%の間に含まれる組成物であって;
− 20〜100m
2/gの間に含まれる、300℃で4時間焼成後の、比表面積、および
− 1〜60%の間、好ましくは1〜40%の間、より好ましくは1〜35%の間に含まれる、800℃で4時間焼成後の、比表面積の減少率
を示す組成物に関する。
【0050】
前に定義されたとおりの本発明の組成物は、特に定義されたとおりの以下の工程(a)、(b)、(c)ならびに任意選択で(d)および/または任意選択で(e)を含む、上に記載されたとおりのプロセスによって得られてもよい。
【0051】
本発明の混合酸化物は、特に立方結晶格子構造を有してもよい。
【0052】
本発明の混合酸化物の一次粒子(微結晶)の平均サイズD50は、10〜60nmの間、好ましくは15〜60nmの間、より好ましくは15〜40nmの間に含まれてもよい。一次粒子のサイズの平均値は、X線回折(XRD)技術によって決定されてもよい。XRDにより測定された値は、2つの最も強い回折線の幅に基づいて、Scherrerモデルを用いて計算されたコヒーレント範囲のサイズに対応する。
【0053】
これらの一次粒子は、微細かつ単分散であってもよい。それらは、前記平均サイズの値の最大で30%の標準偏差を有する平均サイズD50をもたらし得る。標準偏差は、通常の数学的意味を有し、それは分散の平方根であり、特に米国特許出願公開第2010/072417 A1号明細書に表されている。
【0054】
したがって、標準偏差は、分散の平方根であり、それは、式:
によって表され、
nは測定で考慮される粒子の数であり、
x
iは、粒子iのサイズであり、
は、粒子のサイズの平均値(1/n Σ
ix
i)である。
【0055】
n個の様々な粒子(n>300)のサイズが、透過型電子顕微鏡(TEM)により得られた写真を使用して測定される。この標準偏差は、一次粒子の平均サイズD50の値の好ましくは最大で20%、より特には最大で15%、さらにより特には最大で10%のものであり得る。
【0056】
二次粒子は、一次粒子または微結晶と呼ばれる他のより微細な粒子からできている凝集体である。本発明の混合酸化物の二次粒子サイズD50は、好ましくは0.05〜30μmの間、好ましくは0.1〜20μmの間に含まれる。二次粒子のサイズは、ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液中のCeO
2の光学指数を1.2の値として、Horiba LA920 レーザ粒子サイズ測定装置を使用することによって測定されてもよい(体積での分布)。
【0057】
金属(M)酸化物/セリウム(IV)モル比は、0.1〜15%の間に含まれ、好ましくは0.5〜10%の間に含まれ、より好ましくは1〜7%の間に含まれる。
【0058】
本発明の一実施形態によれば、金属(M)は、希土類元素およびアルカリ土類金属元素からなる群から選択されてもよく、前記金属(M)は、例えば、La、Pr、Nd、YおよびSrなどは、セリウムよりも高いイオン半径値を有する。これらの元素のイオン半径値は、以下の表に挙げられる。
【0060】
本発明は、特に、酸化セリウムおよび金属(M)酸化物を含む組成物に関し、ここで:
− 金属(M)は、希土類元素およびアルカリ土類金属元素からなる群から選択され;前記金属は、セリウムより高いイオン半径値を有し、ならびに
− 金属(M)酸化物/酸化セリウムモル比は、0.1〜15%の間に含まれる。
【0061】
前記組成物は、
− 20〜80m
2/gの間に含まれる、300℃で4時間焼成後の、比表面積、および
− 1〜35%の間に含まれる、800℃で4時間焼成後の、比表面積の減少率
を示し得る。
【0062】
前記組成物は、0.05〜2μmの間に含まれる、好ましくは0.1〜1μmの間に含まれる、粒子サイズD50を有する二次粒子をもたらし得る。
【0063】
本発明の一実施形態によれば、本発明の混合酸化物を形成する金属(M)は、遷移金属元素およびポスト遷移金属元素からなる群から選択されてもよく、前記金属(M)は、例えば、AlおよびZrなどは、セリウムよりも低いイオン半径値を有する。これらの元素のイオン半径値は、以下の表に挙げられる。
【0065】
したがって、本発明は、酸化セリウムおよび金属(M)酸化物を含む組成物に関し、ここで、
− 金属(M)は、遷移金属元素またはポスト遷移金属元素からなる群から選択され、前記金属は、セリウムよりも低いイオン半径値を有し、および
− 金属(M)酸化物/酸化セリウムモル比は、0.1〜15%の間に含まれる。
【0066】
前記組成物は、
− 60〜100m
2/gの間に含まれる、300℃で4時間焼成後の、比表面積、および
− 1〜60%の間に含まれ、好ましくは1〜50%の間に含まれる、800℃で4時間焼成後の、比表面積の減少率
を示し得る。
【0067】
前記組成物は、1〜30μmの間に含まれ、好ましくは5〜20μmの間に含まれる粒子サイズD50を有する二次粒子をもたらし得る。
【0068】
本発明はまた、少なくとも上に定義されたとおりのプロセスによって得られる組成物、または上に定義されたとおりの組成物および液相を含む懸濁液に関する。本発明による懸濁液の液相は、様々な性質のもの、例えば、水および/または有機液体、例えば、有機溶媒であってもよい。
【0069】
それは、まず第一に水であり得る。それはまた、水/水混和性溶媒混合物であり得る。この種の溶媒の一例として、メタノールまたはエタノールなどのアルコール、エチレングリコールなどのグリコール、エチレングリコールモノアセテートなどのグリコールのアセテート誘導体、またはポリオールが挙げられてもよい。
【0070】
液相はまた、有機液体、例えば、有機溶媒からなってもよい。有機液体の一例としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタンまたはノナンなどの脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、シクロペンタンまたはシクロヘプタンなどの不活性脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレンまたは液体ナフタレンなどの芳香族炭化水素が挙げられてもよい。IsoparまたはSolvessoタイプ(Exxon社により登録された商標)、特にメチルエチルベンゼンとトリメチルベンゼンの混合物を実質的に含有するSolvesso100、特にジメチルベンゼンとテトラメチルベンセンとの、アルキルベンゼンの混合物を含有するSolvesso150ならびにC
11およびC
12のイソパラフィン系およびシクロパラフィン系炭化水素を実質的に含有するIsoparの石油留分も好適である。また挙げられてもよい石油留分の他のタイプには、Petrolink社のPetrolink(登録商標)タイプまたはTotal社のIsane(登録商標)タイプのものが含まれる。
【0071】
塩素化炭化水素、例えば、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンまたはクロロトルエンも、有機液体として使用され得る。脂肪族および脂環式エーテルまたはケトン、例えば、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトンまたはメシチルオキシドが想定され得る。
【0072】
エステル、例えば、酸と、C
1〜C
8アルコールとの反応に由来するものなど、特にイソプロパノールなどの第二級アルコールのパルミテートが使用され得る。例として、酢酸ブチルが挙げられてもよい。
【0073】
液相は、上記のタイプの2種以上の炭化水素または化合物の混合物をベースにすることができる。
【0074】
懸濁液は、全体的酸化物含有量、すなわち、酸化セリウムおよび金属(M)酸化物の含有量を有してもよく、これは、広い限界内で変わり得、かつ、例えば、酸化物の質量で1〜40%の間、特に酸化物の質量で5%〜30%の間に含まれ得る。液相は、通常懸濁液の重量で100%への補足に相当する。
【0075】
同様に、これらの懸濁液のpHは、広い範囲内、一般には2〜9の間、より特には2〜8の間にあることができ、残存する懸濁液は、このpHの範囲内で、以下に与えられる意味の範囲内で安定である。安定性は、アニオン性または双性イオンポリマーまたは分子などの化合物を懸濁液に添加することによって、公知の仕方で改善され得る。この種の化合物として、以下:エチレン性不飽和、直鎖もしくは分岐、脂肪族、環式もしくは芳香族のモノカルボン酸もしくはポリカルボン酸または無水物の中から選択される少なくとも1種のモノマーを重合させることによって得られる化合物を挙げることができる。ポリアクリル酸またはクエン酸が例として挙げられてもよい。
【0076】
本発明の懸濁液は安定であることが留意される。これは、沈降ケーキの形成が、数日、例えば、少なくとも8日より前にこれらの懸濁液で観察されないことを意味することが意図される。さらに、沈降ケーキは、それが形成する場合、簡単な攪拌によって再懸濁され得る。
【0077】
部分的または完全に水以外の有機液体媒体中の懸濁液の場合、この懸濁液は、知られた仕方で、まさに説明されたプロセスによって、および有機液体と接触させることによって得られるとおりに水性懸濁液から調製され得る。
【0078】
その機能が水相から有機相への粒子の移動を加速させ、得られる有機懸濁液の安定性を向上させることである促進剤を有機相に添加することが有利であり得る。
【0079】
促進剤として、アルコール官能基を含む化合物、最も特には6〜12個の炭素原子を有する直鎖または分岐脂肪族アルコールが使用されてもよい。具体例として、2−エチルヘキサノール、デカノール、ドデカノール、またはそれらの混合物が挙げられてもよい。
【0080】
接触させることは、周囲温度、例えば、およそ20℃で、しかしまた、例えば、60〜150℃の範囲での、より高い温度で行うことができる。
【0081】
水相と有機相の分離は、例えば、有機溶媒の性質に依存して蒸留、沈降または遠心分離によって行われる。
【0082】
本発明はまた、酸化物粒子の再分散性粉末に関する。液相中への導入および液相中への再分散後に、上に記載されたとおりの本発明による懸濁液を生成することは、この粉末の特徴である。再分散は、液相中での粉末の簡単な攪拌によって行われる。この粉末は、乾燥させ、次いで、例えば、最大で300℃、特に100〜200℃の間であってもよい温度で数分〜数時間の範囲であり得る期間にわたって焼成することによって、本発明による懸濁液から得ることができる。この乾燥は、炉、オーブンまたはスプレー乾燥機を使用することによってなされてもよい。
【0083】
本発明のある実施形態によれば、本発明はまた、上に記載されたとおりの懸濁液、または上に記載されたプロセスによって得られるとおりの懸濁液、さもなければ本発明による粉末の再懸濁後に得られる懸濁液のいずれかを含む、研磨のための懸濁液に関する。この懸濁液は、例えば、結晶作製または鏡産業におけるガラス、板ガラス、テレビ画面または眼鏡の研磨のために、さもなければセラミック、またはガラス質タイプの他の材料の研磨のために使用され得る。この懸濁液はまた、最も特には電子産業におけるCMP型研磨に、したがって、マイクロプロセッサを構成することになる金属基板の研磨に、ただしまた、これらの同じマイクロプロセッサの絶縁層または層間絶縁膜(ILD)層の研磨にも使用することができ、本発明の懸濁液は、前記層の研磨に特に適する。化学機械平坦化(CMP)は、浅いトレンチ分離(Shallow Trench Isolation)(STI)を可能にする重要なプロセスであり、これは、デバイス分離を達成するために電流集積回路製造プロセスで使用される。これらの層は、一般にシリカ、例えば、ドープシリカまたは多孔質シリカから作られている。この懸濁液はまた、集積回路での配線および障壁のための金属CMP、特に合成石英ガラスから作られているフォトマスク基板の研磨に使用されてもよい。
【0084】
一般に、このような懸濁液は、砥粒特性を有する化合物、例えば、本発明の酸化物粒子に加えて、分散剤または酸化剤などの添加剤を含む。
【0085】
本発明はまた、特にCMP操作において、基板の一部を除去する方法であって、
− 少なくとも本発明の組成物を含む懸濁液および研磨されるべき基板を接触させる工程と、
− 基板上で研磨を行う工程と
を含む方法に関する。
【0086】
好ましくは、本発明は、特にCMP操作において、基板の一部を除去する方法であって、
− 少なくとも本発明の組成物を含む懸濁液を提供する工程と、
− 少なくとも懸濁液および研磨されるべき基板を接触させる工程と、
− 基板上で研磨を行う工程と
を含む方法に関する。
【0087】
本発明のある実施形態によれば、本発明はまた、少なくとも上に記載されたとおりの組成物を含む触媒システムに関する。この触媒システムは、これらの組成物をベースとし、触媒特性を持った、コーティング(ウォッシュコート)を、例えば、金属またはセラミックモノリス型の基板上に含むことができる。そのようなモノリス型は、例えば、炭化ケイ素、コーディエライトまたはチタン酸アルミニウムをベースとするフィルタ型であり得る。コーティングはそれ自体また、上述のもののタイプの担体を含むことができる。このコーティングは、基板上にその後堆積させることができる懸濁液を形成するために、本組成物を担体と混合することによって得られる。
【0088】
本発明のこれらの触媒システムおよびより特に組成物は、いくつかの用途を有することができる。それらは、例えば、炭化水素または他の有機化合物の脱水、水硫化(hydrosulfurization)、水素化脱窒素、脱硫、水素化脱硫、脱ハロゲン化水素、改質、水蒸気改質、分解、水素化分解、水素添加、脱水素、異性化、不均化、オキシ塩素化、炭化水素または他の有機化合物の脱水素環化、内燃機関からの排ガスの酸化および/または還元反応、Claus反応、処理、リーンバーン(lean burn)条件下に作動するディーゼルエンジンもしくはガソリンエンジンなどの、内燃機関によって排出される煤煙の脱金属、メタン化、転化、COの酸化、低温酸化(200℃未満、実に100℃未満さえ)による空気の浄化、触媒酸化などの、様々な反応の触媒作用に特に好適であり、したがって、その触媒作用に使用可能である。
【0089】
触媒作用におけるこれらの使用のケースでは、本発明の組成物は、貴金属と組み合わせて用いることができる。これらの金属の性質およびこれらの組成物への後者の組み込みのための技術は当業者に周知である。例えば、金属は、白金、ロジウム、パラジウム、金またはイリジウムであり得、それらは、特に、含浸によって本組成物に組み込むことができる。
【0090】
述べられた使用の中で、内燃機関からの排ガスの処理(自動車後燃え触媒作用)は、特に有利な用途である。
【0091】
このような理由により、本発明はまた、上に記載されたような触媒システムが使用されることを特徴とする、内燃機関からの排ガスを処理するためのプロセスに関する。
【0092】
別の有利な使用は、200℃未満、実にさらには100℃未満の温度での空気の浄化であり、この空気は、一酸化炭素、エチレン、アルデヒド、アミン、メルカプタンもしくはオゾンタイプの、一般的には、脂肪酸、炭化水素、特に芳香族炭化水素、および窒素酸化物(NO
2を与えるためのNOの酸化ための)などの、揮発性有機化合物または大気汚染物質のタイプ、ならびに悪臭化合物タイプの少なくとも1種の化合物を含む。
【0093】
したがって、本発明はまた、空気を浄化するためのプロセスであって、前記空気は、特に一酸化炭素、エチレン、アルデヒド、アミン、メルカプタン、オゾン、揮発性有機化合物、大気汚染物質、脂肪酸、炭化水素、芳香族炭化水素、窒素酸化物または悪臭化合物を含み、ガスを本発明の触媒システムと接触させる工程を含むプロセスに関する。このタイプの化合物としては、エタンチオール、吉草酸およびトリメチルアミンがより特に挙げられてもよい。この処理は、処理されるべき空気を、上に記載されたとおりのまたは上に詳細に記載されたプロセスによって得られる本発明の組成物または触媒システムと接触させることによって行われる。
【0094】
以下の実施例は、本発明の実施形態を例証するために含まれる。言うまでもなく、本発明は、記載された実施例に限定されない。
【実施例】
【0095】
比較例1:酸化Ce組成物
137.7gの2.89M3価硝酸セリウム溶液(CeO
2を単位として39.9gのセリウム)、24.4gの60%硝酸、および92.8モル%の4価セリウムイオンを含有する0.32gの1.49M硝酸セリウム溶液(CeO
2を単位として0.057gのセリウム))を添加することによって、硝酸セリウムの希釈溶液を調製する。750のセリウム(III)/セリウム(IV)モル比を有するこの溶液を、半密閉貯槽(reservoir)中に充填し、次いで、激しい撹拌および窒素通気によって1時間脱気する。
【0096】
798.6gの脱イオン水および93.0gの25% アンモニア水の溶液を添加することによって、アンモニア水の希釈溶液を調製する。この溶液を半密閉の1.5lのジャケット付き反応器に充填し、次いで、撹拌(500rpmで3つの傾斜パドルを有する攪拌機)および窒素通気に1時間供する。
【0097】
次いで、希釈硝酸セリウム溶液を希釈アンモニア水溶液に、同じ攪拌によっておよび窒素スイーピング下で、周囲温度で30分にわたって添加する。
【0098】
窒素スイーピングを止め、次いで、反応混合物の温度を80℃におよそ3/4時間で上昇させ、次いで、依然として同じ攪拌によって、この温度で4時間維持する。
【0099】
この熱処理の最後に、反応混合物を放置して冷却し、次いで、60%硝酸を添加することによってpH2に酸性化する。遠心分離、遠心分離水の除去および脱イオン水へのケーキの再懸濁によって、懸濁液を最終的に洗浄する。
【0100】
懸濁液を、ヌッチェフィルタを通して固−液分離に供して、濾過ケーキを得る。
【0101】
このようにして得られたケーキを200℃で10時間乾燥させ、次いで、空気中300℃で4時間焼成し、続いて、粉砕して、酸化セリウム粉末を得る。
【0102】
得られた酸化物粉末をTEMにより観察する。一次粒子は、実に単分散であり、ほぼ45nmを中心としたサイズのものであることが明らかに観察される。酸化物粉末を代表するおよそ150個の粒子の写真上で、粒子のそれぞれを計数および測定し、それによって、43nmの平均サイズが得られ、標準偏差は5.2nmであり、これは、平均サイズの値の12%である。
【0103】
酸化物粉末を、XRD分析によって測定する。この粉末のX線回折図(diffractogram)は、結晶CeO
2の痕跡を有する(シート ASTM 34−394)。Scherrerモデルを適用することにより、2θ=28.6
oに位置する回折ピークの中位幅から計算されたコヒーレンス域の平均サイズは、48nmを与える。窒素吸着により決定されたBET比表面積は、26m
2/gである。
【0104】
二次粒子のサイズを、ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液中でのCeO
2の光学指数を1.2の値として、Horiba LA920レーザ粒子サイズ測定装置を使用して測定する。メジアンサイズD50は、0.2μmである。
【0105】
比較例2:酸化Ce組成物
90モル%以上の4価セリウムイオンを含有する、CeO
2を単位として50gの硝酸セリウム溶液を量り分け、脱イオン水で1lの合計量に調整する。得られた溶液を撹拌下で100℃に加熱し、この温度で30分間維持し、周囲温度まで冷却させて、それにより、セリウム懸濁液を得る。
【0106】
このようにして得られたセリウム懸濁液から母液を除去した(CeO
2を単位として2.6gのセリウムが同時に除去される)後で、合計容積を脱イオン水で1lに調整する。
【0107】
次いで、セリウム懸濁液を撹拌下に120℃で2時間維持し、冷却させ、25%アンモニア水でpH8.5に中和する。
【0108】
得られたスラリーを、ヌッチェフィルタを通して固−液分離に供して、濾過ケーキを得る。このケーキを、空気中300℃で4時間焼成して、酸化セリウム粉末を得る。
【0109】
この酸化物粉末を、比較例1におけるのと同様にXRD分析により測定する。(111)面により計算された微結晶サイズは、9nmである。窒素吸着により決定されたBET比表面積は、180m
2/gである。
【0110】
二次粒子のサイズを比較例1におけるのと同様に測定する。メジアンサイズd50は、8.6μmである。
【0111】
比較例3:酸化Ce/金属(M)酸化物組成物
C3.1 酸化Ce/酸化La組成物
母液を除去した後に10.9gの硝酸ランタン溶液(La
2O
3を単位として2.5gのランタン)を添加することを除いて比較例2におけるのと同様に、質量比95:5(金属(M)酸化物/酸化セリウム(IV)モル比5.6%)での酸化セリウムおよび酸化ランタンの複合酸化物を調製する。
【0112】
この酸化物粉末を、比較例1におけるのと同様にXRD分析により測定する。(111)面により計算された微結晶サイズは、11nmである。窒素吸着により決定されたBET比表面積は、225m
2/gである。
【0113】
二次粒子のサイズを、比較例1におけるのと同様に測定する。メジアンサイズd50は、7.1μmである。
【0114】
C3.2 酸化Ce/酸化Pr組成物
母液を除去した後に10.5gの硝酸プラセオジム溶液(Pr
6O
11を単位として2.5gのプラセオジム)を添加することを除いて比較例2におけるのと同様に、質量比95:5(金属(M)酸化物/酸化セリウム(IV)モル比5.3%)での酸化セリウムおよび酸化プラセオジムの複合酸化物を調製する。
【0115】
この酸化物粉末を、比較例1におけるのと同様にXRD分析により測定する。(111)面により計算された微結晶サイズは、11nmである。窒素吸着により決定されたBET比表面積は、245m
2/gである。
【0116】
二次粒子のサイズを、比較例1におけるのと同様に測定する。メジアンサイズd50は、6.2μmである。
【0117】
C3.3 酸化Ce/酸化Nd組成物
母液を除去した後に12.4gの硝酸ネオジム溶液(Nd
2O
3を単位として2.5gのネオジム)を添加することを除いて比較例2におけるのと同様に、質量比95:5(金属(M)酸化物/酸化セリウム(IV)モル比5.3%)での酸化セリウムおよび酸化ネオジムの複合酸化物を調製する。
【0118】
この酸化物粉末を、比較例1におけるのと同様にXRD分析により測定する。(111)面により計算された微結晶サイズは、12nmである。窒素吸着により決定されたBET比表面積は、196m
2/gである。
【0119】
二次粒子のサイズを、比較例1におけるのと同様に測定する。メジアンサイズd50は、3.6μmである。
【0120】
C3.4 酸化Ce/酸化Zr組成物
母液を除去した後に26.7gの硝酸ジルコニウム溶液(ZrO
2を単位として5.3gのジルコニウム)を添加することを除いて比較例2におけるのと同様に、質量比90:10(金属(M)酸化物/酸化セリウム(IV)モル比15.4%)での酸化セリウムおよび酸化ジルコニウムの複合酸化物を調製する。
【0121】
この酸化物粉末を、比較例1におけるのと同様にXRD分析により測定する。(111)面により計算された微結晶サイズは、16nmである。窒素吸着により決定されたBET比表面積は、152m
2/gである。
【0122】
二次粒子のサイズを、比較例1におけるのと同様に測定する。メジアンサイズd50は、17.2μmである。
【0123】
実施例1:酸化Ce/金属(M)酸化物組成物
1.1 酸化Ce/酸化La組成物
この実施例は、質量比95:5(金属(M)酸化物/酸化セリウム(IV)モル比5.6%)での酸化セリウムおよび酸化ランタンの複合酸化物に関する。
【0124】
130.5gの2.89M3価硝酸セリウム溶液(CeO
2を単位として39.9gのセリウム)、12.1gの硝酸ランタン溶液(La
2O
3を単位として2.0gのランタン)、23.1gの60%硝酸、および92.8モル%4価セリウムイオンを含有する0.92gの1.49M硝酸セリウム溶液(CeO
2を単位として0.16gのセリウム)を添加することによって、硝酸セリウムの希釈溶液を調製する。セリウム(III)/セリウム(IV)モル比250を有するこの溶液を、半密閉貯槽に充填し、次いで、激しい撹拌および窒素通気によって1時間脱気する。
【0125】
794.2gの脱イオン水および93.2gの25%アンモニア水の溶液を添加することによって、アンモニア水の希釈溶液を調製する。この溶液を半密閉の1.5lのジャケット付き反応器に充填し、次いで、撹拌(500rpmでの4つの傾斜パドル付き攪拌機)および窒素通気に1時間供する。
【0126】
次いで、希釈硝酸セリウム溶液を希釈アンモニア水溶液に、同じ攪拌によっておよび窒素スイーピング下で、周囲温度で30分かけて添加する。
【0127】
窒素スイーピングを止め、次いで、反応混合物の温度を80℃に、およそ3/4時間で上昇させ、次いで、同じ攪拌によったままで、この温度で4時間維持する。
【0128】
この熱処理の最後に、反応混合物を放置して冷却し、次いで、60%硝酸を添加することによってpH2に酸性化する。遠心分離、遠心分離水の除去、および脱イオン水へのケーキの再懸濁によって、懸濁液を最終的に洗浄する。
【0129】
懸濁液を、ヌッチェフィルタを通して固−液分離に供して、濾過ケーキを得る。
【0130】
このようにして得られたケーキを、200℃で10時間乾燥させ、次いで、空気中300℃で4時間焼成し、続いて、粉砕して、酸化セリウム粉末を得る。
【0131】
得られた酸化物粉末を、TEMにより観察する。一次粒子は実に単分散であり、ほぼ35nmを中心としたサイズのものであることが明らかに観察される。酸化物粉末を代表するおよそ150個の粒子の写真上で、粒子のそれぞれを計数および測定し、それによって、34nmの平均サイズが得られ、標準偏差は3.3nmであり、これは平均サイズの値の10%である。
【0132】
この酸化物粉末を、比較例1におけるのと同様にXRD分析により測定する。(111)面により計算された微結晶サイズは、24nmである。窒素吸着により決定されたBET比表面積は、59m
2/gである。
【0133】
二次粒子のサイズを、比較例1におけるのと同様に測定する。メジアンサイズd50は、0.1μmである。
【0134】
1.2 酸化Ce/酸化Pr組成物
10.1gの硝酸プラセオジム溶液(Pr
6O
11を単位として2.0gのプラセオジム)を硝酸ランタン溶液の代わりに添加することを除いて実施例1.1におけるのと同様に、質量比95:5(金属(M)酸化物/酸化セリウム(IV)モル比5.3%)での酸化セリウムおよび酸化プラセオジムの複合酸化物を調製する。
【0135】
この酸化物粉末を、比較例1におけるのと同様にXRD分析により測定する。(111)面により計算された微結晶サイズは、26nmである。窒素吸着により決定されたBET比表面積は、57m
2/gである。
【0136】
二次粒子のサイズを、比較例1におけるのと同様に測定する。メジアンサイズd50は、0.2μmである。
【0137】
1.3 酸化Ce/酸化Nd組成物
9.9gの硝酸ネオジム溶液(Nd
2O
3を単位として2.0gのネオジム)を硝酸ランタン溶液の代わりに添加することを除いて実施例1.1におけるのと同様に、質量比95:5(金属(M)酸化物/酸化セリウム(IV)モル比5.3%)での酸化セリウムおよび酸化ネオジムの複合酸化物を調製する。
【0138】
この酸化物粉末を、比較例1におけるのと同様にXRD分析により測定する。(111)面により計算された微結晶サイズは、22nmである。窒素吸着により決定されたBET比表面積は、50m
2/gである。
【0139】
二次粒子のサイズを、比較例1におけるのと同様に測定する。メジアンサイズd50は、0.3μmである。
【0140】
1.4 酸化Ce/酸化Zr組成物
10.1gの硝酸ジルコニウム溶液(ZrO
2を単位として2.0gのジルコニウム)を硝酸ランタン溶液の代わりに添加し、92.8モル%4価セリウムイオンを含有する1.49M硝酸セリウム溶液の量をセリウム(III)/セリウム(IV)モル比100と一致させるために0.92g〜2.3g(CeO
2を単位として0.4gのセリウム)に変えることを除いて実施例1.1におけるのと同様に、質量比98.5:1.5(金属(M)酸化物/酸化セリウム(IV)モル比2.1%)での酸化セリウムおよび酸化ジルコニウムの複合酸化物を調製する。
【0141】
この酸化物粉末を、比較例1におけるのと同様にXRD分析により測定する。(111)面により計算された微結晶サイズは、19nmである。窒素吸着により決定されたBET比表面積は、74m
2/gである。
【0142】
二次粒子のサイズを、比較例1におけるのと同様に測定する。メジアンサイズd50は、17μmである。
【0143】
実施例2:熱安定性の比較
上記実施例で得られた組成物を、300℃で4時間、次いで、同様に800℃で4時間焼成後のそれらの熱安定性について試験した。結果を表1に示す。
【0144】
【0145】
SBET減少率:酸化物組成物について、300℃/4時間での焼成と比較しての800℃/4時間での焼成後のSBETの減少率のパーセント
SBET変化:純酸化セリウム組成物のSBETと比較しての800℃/4時間で焼成後のSBETの変化のパーセント;したがって、組成物についてのSBET変化=(組成物の800℃/4時間でのSBET−純CeO
2の800℃/4時間でのSBET)/純CeO
2の800℃/4時間でのSBETx100;ここで、純CeO
2の800℃/4時間でのSBETは、800℃で4時間焼成後の純CeO2の比表面積であり、純CeO
2は、組成物と同じプロセスで得られる(金属Mの塩がないことを除いて)。
【0146】
したがって、前の結果から、古典的な酸化セリウム化合物(C3.1〜C3.4)に関するLa、Pr、NdおよびZrなどのドーパントは、同じ熱処理後の純セリウム(C2)と比較して、熱処理後の比表面積の減少をもたらすとみられる;SBET変化の欄を参照されたい。対照的に、La、Pr、NdおよびZrを有する本発明のドープセリウム化合物(1.1〜1.4)は、同じ熱処理後の純セリウム(C1)と比較して、熱処理後のより高い比表面積を有する。
【0147】
さらに、La、Pr、NdおよびZrを有する本発明のドープセリウム化合物(1.1〜1.4)は、70%より高いSBET減少率を示す同じドーパントでドープされた古典的な酸化セリウム化合物(C3.1〜C3.4)と比較して、熱処理後の比表面積のより低い減少率を有する。